JP6362155B2 - 中央集中型のオーディオ信号処理を伴うオーディオシステム - Google Patents

中央集中型のオーディオ信号処理を伴うオーディオシステム Download PDF

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Description

この発明は、共通のネットワークにリンクされたアンテナのアレイに関連付けられたワイヤレスマイクロホンを有するオーディオ会議システムに関する。
2人以上の人が参加する大きな部屋で行われる会議は、ルームオーディオシステムを使用して容易なものにすることができ、または、前記の人がリモート(遠隔)ミーティングを行う場合、オーディオ会議システムが使用可能である。ルームオーディオシステムまたはオーディオ会議システムは、典型的には、いくつかのマイクロホン、少なくとも1つのスピーカ、および、ネットワークに接続されていてもいなくてもよいベースステーションを含む。ルームオーディオシステムにおいて、マイクロホンは、アコースティックオーディオ信号(スピーチ)をピックアップし、該信号をベースステーションに送信し、該ベースステーションは、一般的に、セッション制御を行い、部屋に設けられたスピーカに送り再生する前に前記アコースティックオーディオ信号を多くの態様で処理するよう作用する。とりわけ、前記ベースステーションは、オーディオ信号を増幅するよう構成でき、信号のゲインを制御しノイズを抑制でき、前記マイクロホンによって受信された信号から音響エコーを除去することができる。
図1は、市販のルームオーディオシステム100を構成する機能要素を示す図である。該ルームオーディオシステム100は、多数のワイヤレスマイクロホン11および/または有線マイクロホン12、1または複数のスピーカ13、および、オーディオ制御処理装置14からなっている。典型的には、このようなルームオーディオシステムにおいて、前記スピーカ13は、前記部屋内のすべての人が各他の人が話していることを容易に聞くことができるよう、前記装置14に有線接続され前記部屋内に位置しており、前記処理装置14は、複合的なディジタル信号処理および信号制御機能を含む。その能力に応じて、前記処理装置14は、全体的なシステムコストのうちの比較的に高コストの構成要素とすることができる。オーディオシステムが設置される各部屋に個別の処理装置14を設けると、高価になる。
図2に示された市販のオーディオ会議システム20は、(ベースステーションのような)オーディオ制御処理装置23と関連付けられたいくつかの有線または無線のマイクロホン21およびスピーカ22からなり、該オーディオ制御処理装置23は、ローカルまたはワイドエリアネットワークを介して、1または複数のオーディオソース(ローカルまたはリモートの遠端ソースであってよい)と通信するものである。オーディオチャンネルミキシング、増幅およびゲイン制御のようなオーディオセッション制御機能を有することに加えて、前記装置23は、前記マイクロホンの信号からフィードバックおよび音響エコーを除去する機能を有することもできる。会議参加者に装着され、該会議参加者が会議セッション時においてマイクロホンと共に部屋内を動き回ることを可能にする多数の無線マイクロホンを有するオーディオ会議システムにおいて、高品質のオーディオが容易に実現可能になる。図1を参照して先に述べた会議システム100と同様に、個別の処理装置23は、前記システムが設置された各部屋に含まれており、典型的には、前記システムの最も高価な部分である。
図3は、他のオーディオ会議システム300の構成を示し、該オーディオ会議システム300において、複数の会議電話(31A〜31Z)の各々は、一体化されたマイクロホン、スピーカ、制御装置および送受話器を有する。各前記電話は、ローカルネットワーク32を介して、共通のオーディオ処理装置33に接続されている。この構成において、オーディオ信号処理のすべては、装置33を構成するディジタル信号プロセッサ(DSP)34によって実行される。この構成におけるシステムが音響エコーのキャンセル(AEC)すなわち除去を行うためには、各前記電話および前記DSP34におけるオーディオサンプリング機能のタイミングが密に相関または同期化される必要がある。各会議電話毎にこのような機能を含むこととは対照的に、単一的なネットワーク装置に前記信号処理機能を有することは、動作を簡略化し、各電話のコストを下げる。図3のシステム300のコストは手頃であるが、部屋の中で多くの参加者が広がっている、または、参加者が部屋の中を動き回るような大きな会議室にはあまり適さない。
一実施例において、無線オーディオシステムは、地理的に分散した複数の無線マイクロホングループであって、各前記無線マイクロホングループが、少なくとも1つの無線マイクロホンを有し、かつ、複数のスピーカのうちの少なくとも1つと関連付けられているものと、地理的に分散した複数のアンテナグループの各々を構成する少なくとも1つのアンテナであって、各前記アンテナグループが、アンテナアレイを構成しており、かつ、前記複数の無線マイクロホングループのうちの1つと通信するものと、前記地理的に分散した複数のアンテナグループの各1つと通信するベースステーションであって、ディジタル信号処理機能を有するものと、を具備する無線オーディオシステムであって、各前記無線マイクロホンが、前記地理的に分散した複数の無線マイクロホングループのうちの1つを構成し、各前記アンテナが、前記地理的に分散した複数のアンテナグループのうちの1つを構成し、前記ベーステーションは、該ベーステーションがオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉する時間と、前記マイクロホンの1つがオーディオ情報の第2のサンプルを捕捉する時間とを調和させる時間同期化プロトコルを実行するよう動作し、前記オーディオ情報の前記第1および第2のサンプルが、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルに関連した音響エコーの実質的にすべてを除去するために前記ディジタル信号処理機能によって使用される。
ルームオーディオシステムを構成する機能要素を示す図。 オーディオ会議システムの機能要素を示す図。 オーディオ処理装置にリンクされた異なる会議電話を有するオーディオ会議システムを示す図。 中央集中型のオーディオプロセッサおよびアンテナ/トランシーバ装置のアレイを含むオーディオ会議システムを示す図。 アンテナアレイを含む機能を示す図。 ベースステーションを含む機能を示す図。 サーバを含む機能を示す図。 時間同期化機能を構成するモジュールを示す図。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
関連出願の参照: 本出願は、“Synchronizing Audio Signal Sampling in a Wireless Digital Audio Conferencing System”(“無線ディジタルオーディオ会議システムにおけるオーディオ信号サンプリングの同期化” )というタイトルで2012年7月3日に出願された米国特許出願第13/541,148号(その全内容は、その出典を記載することによって本明細書の一部とする)に対する米国特許法120条に基づく優先権を主張するものである。
典型的には、無線マイクロホンを使用するルームオーディオシステムまたはオーディオ会議システムは、信号を送受信するマイクロホンが設けられた部屋に設置された1つのベースステーションを有する。該ベースステーションは、WiFiまたはDECTのような特定の無線プロトコルに従って動作するよう設計されたトランシーバまたは無線機を有することができる。オーディオ会議システムが典型的にはイーサネット(登録商標)のようなローカルネットワークまたはインターネットのようなワイドエリアネットワークに接続されているが、ルームオーディオシステムは、一般的に、自己完結型であり、ネットワークに接続されていない。
無線マイクロホンに隣接したベースステーションを使用して各システムを構成することは、オーディオ信号処理を簡略化するが、前記システムの総コストを不必要に増し、前記システムの使用を、該システムが設置される部屋に限定する。一実施の形態によると、各々が他のものから地理的に分離されていて且つ各々が少なくとも2つアンテナを有する2つの以上のアンテナグループと通信する単一の中央オーディオ処理装置(DSP)を有する低コスト、フレキシブル、モバイル、可搬型ルームオーディオまたはオーディオ会議システムを設計および配置することができるということが分かった。1または複数の無線マイクロホンは、1つのアンテナグループにおける各アンテナと関連付けられることが可能であり、且つ、1つのアンテナグループにおける1または複数のアンテナが前記中央集中型オーディオ処理装置(ベースステーション)の範囲内にある会議室間を容易に移動可能であるよう、各アンテナは前記中央集中型オーディオ処理装置に無線で接続可能である。
他の実施の形態によると、単一の中央集中型オーディオ処理装置は2つ以上のベースステーションに接続され、各前記ベースステーションは2つ以上の地理的に分離されたアンテナグループに接続されており、各前記アンテナグループは少なくとも2つのアンテナを有する。前記マイクロホンのうちのいずれかで受信されたアコースティックオーディオ信号からエコーを解消するために、前記マイクロホンにおけるオーディオサンプリング機能および前記中央集中型オーディオ処理装置におけるオーディオサンプリング機能のタイミングは、ディジタル信号処理機能の動作を容易にするように蜜に同期化される。
本発明の各前記実施の形態によると、前記2つ以上の地理的に分離されたアンテナグループは、無線または有線で、単一のベースステーションに接続された単一のアンテナアレイを備えている。前記アンテナアレイが物理的に構成される態様に応じて、前記アンテナアレイにおける1つのアンテナグループの1つのアンテナに関連付けられた無線マイクロホンの各々は、マイクロホンに送受信されるオーディオ信号を遮断することなく、1つのアンテナから他のアンテナに、または、1つのアンテナグループから他のアンテナグループに移動することができる。
図4に示すローカルネットワーク400は、少なくとも1つのネットワークスイッチ49、サーバ50のような計算装置、および、1または複数のオーディオシステム41A,41Bからなる。この説明では、前記オーディオシステム41A,41Bは、インターネットのような公共のネットワークに接続されたルームオーディオシステムまたはオーディオ会議システムであってよい。各前記オーディオシステム41A,41Bは、各前記オーディオシステム41A,41Bを構成する複数のマイクロホン57のいずれかで受信されたオーディオ信号について音響エコー解消を実行するために、前記サーバ50上で動作する中央集中型ディジタル信号処理機能を利用する。図4における各前記オーディオシステム41A,41Bは、1つのベースステーション45Aまたは45Bと、複数のアンテナ/受信装置56A,56Bと、複数の無線マイクロホン57A,57Bと、1または複数のスピーカ(有線または無線)58A,58Bと、任意の無線制御モジュール59A,59Bとからなる。前記無線マイクロホン57A,57B、アンテナ/受信装置56A,56B、スピーカ58A,58Bおよび任意の無線制御モジュール59A,59Bは、2つの異なる部屋42A,42Bに設置されている。前記部屋42Aに設置された前記アンテナ57Aはここではアンテナグループと称し、各前記部屋42A,42Bには互いに異なるアンテナグループが設置されている。前記部屋42A,42Bにおけるアンテナグループはアンテナアレイを構成しており、該アンテナアレイは、図4における単一のベースステーション45Aに接続されている。この場合、該ベースステーション45Aはネットワークスイッチ49に接続されており、該ネットワークスイッチ49は、公共のネットワーク60に接続されている。この場合、前記ネットワークスイッチ49は、前記2つのオーディオシステム41A,41Bおよび前記サーバ50に接続されている。前記サーバ50は、前記マイクロホン57A,57Bのいずれかで受信されたオーディオ信号における音響エコーを解消するよう特別に設定されたディジタル信号処理機能を有する。
更に、図4において、前記部屋42Aは1または複数のアンテナ56Aを有し、各前記アンテナ56Aは、1または複数の前記無線アンテナ57A、少なくとも1つの前記スピーカ(有線または無線)58A、および、前記任意の無線制御モジュール59Aに関連付けられている。前記オーディオシステム41Aにおける前記部屋42A,42Bは互いに同様な数および種類のシステム構成要素を有していてよいが、代案として、該部屋42A,42Bは、互いに異なる数および種類のシステム構成要素を有していてよい。更に、前記部屋は、互いに同じ数のアンテナを有していてもそうでなくてもよく、互いに同じ数のマイクロホンを有していてもそうでなくてもよく、互いに同じ数のスピーカを有していてもそうでなくてもよく、システム制御装置を有していてもそうでなくてもよい。各前記部屋におけるオーディオシステムを構成する前記構成要素間の類似性および差異は、典型的には、前記部屋のサイズ、該システムを利用する人の数、および、人の可動性のようなユーザによって規定された要件に応じて決まる。
更に、図4において、各部屋に設置されたオーディオ会議システムの構成要素に応じて、前記オーディオシステム41A,41Bのそれぞれをサポートしているベースステーション45Aおよび45Bは、互いに同様なまたは異なるオーディオ制御機能を有していてよいが、一般的に、各前記ベースステーションは、2つ以上のオーディオチャンネルのミキシングを制御し各オーディオチャンネルのゲインを制御する機能を有することができる。一般的に、前記スイッチ49は、前記ベースステーション45Aおよび45Bならびに前記サーバ50からオーディオおよび他の情報のフレームを受信し、遠端オーディオソースからオーディオおよび他の情報からなるパケットを受信し、該情報を前記ネットワーク400内の送り先に送る。前記サーバ50は、図6を参照して後述するように、各前記オーディオシステムに関連付けられた前記マイクロホン57A,57Bによって捕捉(capture)されたオーディオ情報のサンプルから音響エコーを解消するよう動作可能であるディジタル信号処理機能等からなる。前記オーディオシステム41Aまたは41Bが各マイクロホン信号から音響エコーを解消するよう動作するためには、前記無線マイクロホンのすべてで動作し、前記サーバ50上のディジタル信号処理(DSP)と関連して動作しているオーディオサンプリングのタイミングを同期化する必要がある。この明細書における“同期化”とは、実質的に同一のオーディオ情報がマイクロホンおよびベースステーションで捕捉されるような前記オーディオシステムにおけるタイミングに関するものであるが、前記マイクロホンで捕捉されるサンプルは無線メディアを介して送信されるフォーマットのオーディオ情報を示し、前記ベースステーションで捕捉されるサンプルは有線メディアを介して送信されるフォーマットのオーディオ情報を示す。前記制御モジュール59は、オーディオシステムユーザによって、例えば、会議セッションを開始し終了する例えば、会議セッションを開始し終了し、遠端オーディオをミュートし、スピーカゲインを制御するために利用可能である。
上述したオーディオシステムタイミング同期化を行うためには、図4におけるネットワーク400を構成する各アンテナ、各ベースステーション、前記スイッチおよび前記サーバがタイミング同期化プロトコルを実行する必要がある。前記オーディオシステムを構成している各装置において同一のプロトコルが実行可能であり、または、2つ以上のプロトコルが政略的に実行可能である。1つのそのようなタイミング同期化プロトコルは2つのIEEE標準規格文書に記載されており、そのうちの1つ目は、“Local and Metropolitan Area Networks-Audio Video Bridging (AVB) System”(IEEE Std 802.1BA-2011)というタイトルで2011年9月30に発行されたものであり、そのうちの2つ目は、“Synchronization for RTP Streams draft-Williams-avtext-avbsync-01(IEEE 1588/802.1AS)”というタイトルである。これらのIEEE文書の両方は公的に入手可能であり、これらの文書の全コンテンツは、それらの出典を記載することによって本明細書の一部とする。他のタイミング同期化プロトコルは、先に参照した前記米国特許出願に記載されている。
さらに図4に示すように、他の実施の形態において、各前記オーディオシステム41A,41Bは、前記ベースステーション45A,45Bを有さなくてもよい。この構成において、前記スイッチ49は、オーディオ情報のパケット/フレームを、異なる部屋の各々に設置された適当な送信先を有するアンテナグループに送り、前記異なる部屋内の各アンテナグループからオーディオ情報を受信するよう動作する。さらに、前記ベースステーションからなる前記機能は、例えば、前記サーバ50に関連したディジタル信号処理機能において実行可能である。オーディオセッションをサポートするための図4の前記オーディオシステム41Aの全体的な動作を、以下に説明する。
図4に示す前記ネットワークスイッチ49は、他のオーディオシステムのような遠端オーディオソースによって送信されるオーディオ情報のパケットを受信する。前記ネットワークスイッチ49は、前記パケットからなるオーディオ情報を前記サーバ50に送ることができ、該サーバ50では、ディジタル信号処理機能がオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉でき、この第1のサンプルを後の使用のために記憶することができる。その後、前記サーバ50は前記オーディオ情報を前記ネットワークスイッチ49に返送し、該スイッチ49は前記オーディオ情報を前記ベースステーション45Aに送ることができる。そして、該ベースステーション45Aは、前記ゲインを調節でき、および/または、前記オーディオ情報を他の情報とミックスし、該ミックスされたオーディオ情報を部屋42Aのスピーカ58Aのようなスピーカに送り再生させる。前記部屋42Aにおける無線マイクロホン57Aのうちの1または複数は、前記スピーカによって再生されたアコースティックオーディオ情報を受信でき、前記部屋において話し中の1または複数の人からのように、前記部屋における他のオーディオソースからアコースティックオーディオ情報を受信できる。前記マイクロホンによって受信された前記アコースティックオーディオ情報は、オーディオ情報の第2のサンプルとして捕捉され、前記サーバ50に送られて処理される。そして、前記サーバ上で動作している前記DSP機能は、前記第1のサンプルからなる前記オーディオ情報を使用して、オーディオ情報の第2のサンプルにおける音響(アコースティツク)エコーを除去し、前記サーバは、前記エコーが除去されたオーディオ情報を、遠端に送信されるよう前記スイッチに返送する。
代替実施の形態において、前記サーバ50上で動作している前記ディジタル信号処理機能は前記ベースステーションの各々に配置されていてよく、その他の点に関して、図4に示す前記会議システムの構成および動作は上記のものと同じである。図4に示す前記オーディオ会議システム41Aの構成要素のより詳細な説明が、図5および6を参照して以下になされている。
図4を参照して上述した前記オーディオ会議システム41A,41Bの各々は複数のアンテナ56Bを備えており、該複数のアンテナ56Bは、1または複数の地理的に分離した場所において各オーディオシステムに対応して配置されている。この実施の形態によると、地理的に分離した場所とは、複数のアンテナ(アンテナグループ)が1つの部屋に配置されるが空間的に分離していること、複数のアンテナが2つ以上の異なる部屋の各々に配置されていること、または、複数のアンテナが2つ以上の異なる建物の各々に配置されていること、を意味すると解釈され得る。ここで、各オーディオシステムに関連するアンテナ配置構成は、アンテナアレイと称される。オーディオシステムがただ1つの部屋に設置されない限り、アンテナグループが設置される各分離した場所は前記アンテナアレイの一部分を備え、各部分(グループ)は1または複数のアンテナを含むことができる。このようなアンテナアレイ500を、図5を参照して以下に説明にする。
上述の如く、各アンテナアレイは、1または複数の場所においてアンテナグループとして配置された2つ以上のアンテナからなる。前記アレイにおける各アンテナは、有線または無線のネットワークリンクを介して、図4のベースステーション45Aのようなベースステーションに接続可能であり、前記アレイにおける各アンテナは、無線リンクを介して、1または複数の無線マイクロホン(図示せず)に接続され得る。図5は複数のアンテナグループ56A,56B〜56Zを示し、該アンテナグループ56A,56B〜56Zの各々は、複数の場所または部屋42A〜42Zのいずれか1つに配置されている。無線および有線のネットワークリンク間の配置状態は、前記オーディオシステムが使用される用途に従って、場所に応じて可変である。1つの場所は、すべてが無線リンクを介してベースステーションに接続されるアンテナ、有線リンクを介して前記ベースステーションに接続されるアンテナ、または、前記ベースステーションに対する有線および無線リンクを有するアンテナの組合せを有することができる。
更に図5に示すように、各アンテナ56Aは、1または複数のマイクロホンと通信するためのトランシーバ(マイク無線機)を有し、各アンテナは、前記ベースステーション45Aと通信するためのインターフェースを有する。各マイク無線機は、時分割多重式に、オーディオ情報の2つ以上のチャンネルの送信または受信をサポートするよう設計されることができる。各チャンネルは、図4における複数のマイクロホンのうちの特定の1つとの通信に専用されることができる。アンテナ56Aのような、無線リンクを介して前記ベースステーション45Aに接続されたアンテナは、802.11無線機のような無線トランシーバを有するが、有線リンクを介して前記ベースステーション45Aに接続されたアンテナは、イーサネット(登録商標)インターフェースカード(NIC)のような有線インターフェースを有する。上述の如く、前記オーディオシステム41Aを構成するアンテナのすべては、無線マイクロホンと通信するために、トランシーバを有し、該トランシーバは、ディジタル無線機(DECT、WiFiまたは他の無線技術)、または、アナログ無線機であってもよい。ベースステーションと通信するために使用される手段とは関係なく、各前記アンテナは、上記2つのIEEE刊行物に記載されているもののような時間同期化プロトコル510を実行することができる。一般的に、この時間同期化プロトコル510は、マイクロホンと前記DSPを有する装置との間の経路に沿って、図4のネットワーク400における各装置において実行される。一般的に、この時間同期化プロトコルは、該プロトコルが実行されているアンテナと、それに関連する無線マイクおよびベースステーションとの間のリンク(有線または無線)を介して、信号遅延を検出/算出するよう動作する。具体的には、前記時間同期化プロトコルは、(ベースステーションとアンテナとの間のリンクのような)リンクを介して信号伝播遅延を算出し、(信号がアンテナを通過するのに要する時間である)信号滞在時間遅延を算出するよう動作する。
図6は、図4の前記ベースステーション45Aのようなベースステーションを構成する機能要素を示すブロック図である。前記ベースステーション45Aは、前記アレイ500のようなアンテナアレイにおける各アンテナと通信するために無線機(ディジタルまたはアナログ)または物理的なネットワークインターフェース装置601を有し、さらに、前記ベースステーション45Aは、リンク605を介して、図4の前記ネットワークスイッチ49に接続されている。また、前記ベースステーション45Aは、オーディオ信号制御機能611と、時間同期化プロトコル機能612を実行するための手段とを有していてもよい。これらの手段は、不揮発性メモリと共に動作する特殊用途のまたは汎用の計算装置であってよく、または、これらの手段は、前記2つのインターフェース装置601および602のいずれかであってよい。とにかく、前記時間同期化プロトコル機能612は、図5を参照して上述した時間同期化プロトコル機能510と同様に動作し、且つ、該時間同期化プロトコル機能510と同一または互換性のあるものであってよい。一般的に、前記ベースステーション45Aは、前記ネットワークインターフェース602において、前記リンク605を介してオーディオ情報の1または複数のチャンネルを受信し、前記オーディオ制御機能611を使用して前記オーディオ情報の複数のチャンネルのうちの2つまたは3つの以上をミックスし、前記無線機601を使用して前記オーディオ信号をアンテナに送信する。図4のネットワーク400を構成するオーディオシステムの数に応じて、前記ベースステーション45Aは、前記ネットワークリンク605を介して、図4の前記スイッチ49のようなネットワークスイッチに直接的に接続可能であり、オーディオシステムにオーディオ情報を送信し、または、オーディオシステムからオーディオ情報を受信するために様々に動作する。または、前記ベースステーション45Aは、音響エコーキャンセル(除去)機能を実行する図4の前記サーバ50のようなサーバ(ネットワークがただ1つの会議システムを有する場合)に直接的に接続可能である。前記ネットワークスイッチ49が図5のアンテナについて上述した時間同期化機能を実行するものである説明、前記ネットワークスイッチ49の動作についてはここでは説明しない。
前記サーバ50を構成する機能要素について、図7を参照して更に詳しく説明する。前記サーバ50が遠端オーディオソースからオーディオ情報を受信できるよう、且つ、前記ネットワークを構成する前記オーディオシステムのいずれかによってアドレスされ得るよう、前記サーバ50は、NIC700を介して、前記ネットワーク400に接続される。上述の如く、前記音響エコーキャンセル(AEC)機能がネットワークサーバ内で動作すると説明したが、該AEC機能は、ネットワーク環境で動作するよう構成可能であり、且つ、該AEC機能が実行可能なディジタル信号処理装置で構成可能な適当な計算装置上で実行されることができる。従って、前記サーバ50は、中央処理ユニット(CPU)701と、不揮発性/非一時的メモリと、1または複数のディジタル信号プロセッサ703および関連したAEC機能704、メモリ702に記憶された時間同期化プロトコル機能705とからなる。前記ネットワーク400を構成するオーディオシステムの数、各前記オーディオシステムの複雑さ、および、DSPの能力に応じて、前記システムのエコーキャンセルに1または複数のDSP703が必要であろう。とにかく、各DSP703は、一般的に、遠端オーディオ情報を受信しサンプルし記憶し、各マイクロホンからオーディオ情報のサンプルを受信し、前記マイクロホンから受信した前記オーディオ情報のうち、(スピーカで再生されるサンプルされた遠端オーディオ情報の評価に等しい)音響エコーを構成する成分を除去するよう動作するAEC機能704を有する。前記時間同期化プロトコル機能705は、前記CPU701によって操作可能なメモリ702に記憶されるソフトウエアコードからなっていてよい。AEC処理は当業者に知られているので、近端マイクロホン信号から音響エコーが除去される処理についてはここで詳述しない。
従来のオーディオ会議システムは、前記AEC機能が前記システムのマイクロホンに実質的に近接している(典型的には、同一の部屋)。前記AEC機能が前記マイクロホンに近接していることによって、前記マイクロホンの信号から音響エコーを除去するために採用される方法を簡略にする。具体的には、マイクロホンで捕捉されたオーディオサンプルから音響エコーを効果的にキャンセルするためには、前記システムは、例えば、サーバ50における前記AEC機能704が遠端オーディオ信号をサンプルする時間を、前記マイクロホン57Aのいずれかにおける音響信号のサンプル時間と同期/相関することができることが必須である。前記2つのサンプリング機能間におけるこのような時間的な相関無しでは、マイクロホン信号から音響エコーを除去するのは不可能である。前記AEC機能がオーディオシステムにおけるマイクロホンから遠く離れるほど、前記2つのサンプリング機能のタイミングを相関させるのが難しくなる。この問題を克服するために、上述した時間同期化機能を使用して、オーディオを構成する前記マイクロホンからはなれて、中央集中化されたネットワーク位置に配置されたAEC機能を実行するために必要なサンプル時間相関を極めて正確に提供することができる。
前記ネットワーク400における様々な装置上で実行される前記時間同期化プロトコルを構成する前記機能要素について、Kevin B. Stantonによって書かれた2008年11月13日付けで“802.1AS Tutorial”というタイトルで発行されたIEEEドキュメントを参照して説明する。前記ドキュメントは前記時間同期化プロトコルを実行する方法を詳細に記載しているので、ここでは説明しない。しかしながら、図4を参照して説明した前記オーディオ会議システム400を実行する際に算出されるべき信号遅延を、図8を参照して説明する。
図8は、図4の前記オーディオ会議システム41Aに組み込み可能な、ネットワークを構成する機能要素/装置を示す図である。上述の如く、マイクロホン信号から音響エコーを除去するためには、前記システム41Aによって受信された遠端オーディオ信号のサンプル時間とマイクロホンによって受信されたオーディオ信号のサンプル時間とを相関させる必要がある。前記サンプルの時間を送関させるためには、(前記AECを実行するDSPを動作させる)前記サーバ50と例えば前記有線マイクロホン57Aとの間の信号経路におけるすべての遅延を、(前記時間同期化プロトコルを使用して)算出する必要がある。具体的には、遠端のオーディオ信号がサンプルされる位置でありこの場合にはDSPである位置から、前記スビーカ58Aによって再生される前記遠端のオーディオ信号に対応する音響信号がサンプルされる位置でありこの場合には前記有線マイクロホン57Aのうちの1つである位置までのネットワーク信号経路における遅延のすべてを算出する必要がある。このような経路における信号遅延算出は次のように行われる。
前記ネットワーク装置のタイミングの少なくともいくつかが同期されるマスタークロックを前記ネットワークが選択した後、前記マスタークロックが動作している前記ネットワーク装置は、この場合前記ネットワーク400であってよいネットワークに(無線または有線で)接続された前記装置に伝播される第1および第2のマスタータミングフレームを発生することができる。前記第1および第2のマスタータミングフレームは、この場合図4の前記サーバ50であってよいネットワーク装置によって前記フレームが送信される時(T1)に対応するタイムスタンプ等を含み、前記マスタータミングフレームは、例えばネットワーク管理者によって選択された時間間隔に従って定期的に送信可能である。ここでの説明のために、前記サーバ50とマイクロホン57Aとの間の1つのネットワーク経路が、前記サーバ50、前記スイッチ49、前記ベースステーション45A、アンテナ56、スピーカ58Aおよび/またはマイクロホン57Aを横切る経路である、と仮定する。前記経路に沿って各ネットワーク装置に設けられた時間同期化機能の各例は、前記第1のマスタータミングフレームに含まれるタイムスタンンプ情報を使用して、リンク遅延および滞在時間を算出する。これらの時間は、少なくとも、前記第2のマスタータミングフレームが前記ネットワーク装置によって受信されるまで、前記ネットワーク装置によって一時的に記憶される。前記第2のマスタータミングフレームは、前記経路における各ネットワーク装置で算出された遅延および滞在時間を、遅延および滞在時間情報として、前記タイミングフレームを構成する1つまたは複数のフィールドに組み込む。前記タイミングフレームがその送り先(この場合、マイクロホン57A)に達すると、前記遅延および滞在時間のすべては、前記マイクロホン上で動作している前記タイミング同期化プロトコルによって合計されることができ、その結果、時間T1+合計ネットワーク信号経路遅延時間値(PathDelayTotal)となる。前記PathDelayTotalは、前記マイクロホンで捕捉されたオーディオ情報のサンプルを前記サーバ50上で動作しているDSPでサンプルされたオーディオ情報と相関させるために、前記マイクロホンオーディオサンプリング機能によって使用されることができる。
図8に戻って、2つのマスタータミングメッセージM1、M2は、前記サーバ50によって送信され、該サーバ50から始まるネットワーク経路を介して、前記スイッチ49,ベースステーション45A、アンテナ56Aを通して、前記スピーカ58Aおよび/または無線マイクロホン57Aに伝播される。上述の如く、前記メッセージM1は、該メッセージが前記サーバ50によって送信される時間に関するタイムスタンプ情報からなる。このタイムスタンプ情報は、サーバ出力ポートによって前記メッセージに挿入される。前記経路におけるネットワーク装置に設けられる前記時間同期化機能の各々は、装置間のリンク遅延を算出するために、前記メッセージM1における前記タイムスタンプ情報を使用する。前記第2のマスタータミングメッセージM2は前記第1のマスタータミングメッセージM1の後の選択された時間に送信され、該マスタータミングメッセージM2は、前記リンク遅延および滞在時間を該マスタータミングメッセージM2を構成するフィールドに挿入するために、前記経路における各ネットワーク装置の前記タイミング同期化機能によって操作される。前記メッセージM2がその送り先(この場合、無線マイクロホン57A)に到達すると、前記リンク遅延および滞在時間情報のすべてが、該メッセージM2を構成する1または複数のフィールドに組み込まれ、上述の如く、前記サーバと前記マイクロホンとの間における合計信号遅延を求めるために使用される。
説明目的でなされた上記の記載では、本発明の完全な理解を可能にするために特定の用語を使用した。しかし、本発明を実施するためには、具体的詳細は必要とされない旨、当業者に明らかであろう。従って、本発明の具体的な実施の形態についての上記の記載は、例示的なものであり、包括的なものでなく本発明を開示形態のみに限定するものでもない。上記教示内容を考慮した多くの変更が可能であることが明らかである。上記実施の形態は、本発明の原理を最良に説明するために選択され、記載されており、従って、当業者が本発明、および、所望の特定の用途に適した様々な実施の形態および多くの変更例を最良に利用することを可能にするものである。下記の請求の範囲およびそれらの均等物が本発明の範囲を規定するものである。
41A,41B…オーディオシステム、45A,45B…ベースステーション、49…スイッチ、50…サーバ、56A,56B…アンテナ、57A,57B…マイクロホン、400…ネットワーク

Claims (22)

  1. 地理的に分散した複数の無線マイクロホングループであって、各前記無線マイクロホングループが、少なくとも1つの無線マイクロホンを有し、かつ、複数のスピーカのうちの少なくとも1つと関連付けられているものと、
    地理的に分散した複数のアンテナグループの各々を構成する少なくとも1つのアンテナであって、各前記アンテナグループが、アンテナアレイを構成しており、かつ、前記複数の無線マイクロホングループのうちの1つと通信するものと、
    前記地理的に分散した複数のアンテナグループの各1つと通信するベースステーションであって、ディジタル信号処理機能を有するものと、
    を具備する無線オーディオシステムであって、
    各前記無線マイクロホンが、前記地理的に分散した複数の無線マイクロホングループのうちの1つを構成し、各前記アンテナが、前記地理的に分散した複数のアンテナグループのうちの1つを構成し、前記ベーステーションは、該ベーステーションがオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉する時間と、前記マイクロホンの1つがオーディオ情報の第2のサンプルを捕捉する時間とを調和させる時間同期化プロトコルを実行するよう動作し、ここで、前記時間同期化プロトコルは、前記ベースステーションから前記マイクロホンの1つまでの信号経路における時間遅延を算出することに基づいており、
    前記オーディオ情報の前記第1および第2のサンプルが、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルに関連した音響エコーの実質的にすべてを除去するために前記ディジタル信号処理機能によって使用される
    ことを特徴とする無線オーディオシステム。
  2. 地理的に分散した複数の無線マイクロホングループであって、各前記無線マイクロホングループが、少なくとも1つの無線マイクロホンを有し、かつ、複数のスピーカのうちの少なくとも1つと関連付けられているものと、
    地理的に分散した複数のアンテナグループの各々を構成する少なくとも1つのアンテナであって、各前記アンテナグループが、アンテナアレイを構成しており、かつ、前記複数の無線マイクロホングループのうちの1つと通信するものと、
    前記地理的に分散した複数のアンテナグループの各1つと通信するベースステーションであって、ディジタル信号処理機能を有するものと、
    を具備する無線オーディオシステムであって、
    各前記無線マイクロホンが、前記地理的に分散した複数の無線マイクロホングループのうちの1つを構成し、各前記アンテナが、前記地理的に分散した複数のアンテナグループのうちの1つを構成し、前記ベースステーションは、該ベースステーションがオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉する時間と、前記マイクロホンの1つがオーディオ情報の第2のサンプルを捕捉する時間とを調和させる時間同期化プロトコルを実行するよう動作し、
    前記オーディオ情報の前記第1および第2のサンプルが、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルに関連した音響エコーの実質的にすべてを除去するために前記ディジタル信号処理機能によって使用され、
    前記無線マイクロホンのいずれか1つが、前記地理的に分散した複数の無線マイクロホングループのいずれか1つから前記地理的に分散した複数の無線マイクロホングループの他の1つに移動することを特徴とす無線オーディオシステム。
  3. 前記オーディオ情報の前記第1および第2のサンプルは、実質的に同じものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線オーディオシステム。
  4. 前記オーディオ情報の前記第1のサンプルは有線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなり、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルは無線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなることを特徴とする請求項に記載の無線オーディオシステム。
  5. 前記オーディオ情報の前記第2のサンプルは、前記ベースステーションにおいて前記ディジタル信号処理機能によって除去される音響エコー成分を含む請求項に記載の無線オーディオシステム。
  6. 該オーディオシステムの動作を無線式に制御するための装置を更に具備することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  7. 各前記アンテナが、前記無線マイクロホンの1つから、オーディオ情報を有する信号を受信するための少なくとも1つの受信装置を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  8. 前記ディジタル信号処理機能は、前記無線マイクロホンのうちの1つから受信された前記オーディオ情報の前記第2のサンプルにおける音響エコーを除去するよう動作する特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  9. 2組以上の地理的に分散した複数の無線マイクロホングループであって、各前記無線マイクロホングループが、少なくとも1つの無線マイクロホンを有し、複数のスピーカのうちの少なくとも1つと関連付けられているものと、
    各々が複数の地理的に分散したアンテナグループからなる2つ以上のアンテナアレイであって、各前記アンテナグループが、前記複数の地理的に分離した無線マイクロホングループのうちの1つと通信する少なくとも1つのアンテナを有するものと、
    前記2つ以上のアンテナアレイの各1つと通信するディジタル信号プロセッサであって、該ディジタル信号プロセッサがオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉する時間と、前記マイクロホンの1つがオーディオ情報の第2のサンプルを捕捉する時間とを調和させる時間同期化プロトコルを実行するよう動作する機能を持ち、ここで、前記時間同期化プロトコルは、前記ディジタル信号プロセッサから前記マイクロホンの1つまでの信号経路における時間遅延を算出することに基づいており、さらに、前記ディジタル信号プロセッサが、前記2つ以上のアンテナアレイの各々から受信されたオーディオ信号から音響エコーを除去するよう動作する機能を持つものと、
    を具備する無線オーディオシステム。
  10. 前記オーディオ情報の前記第1および第2のサンプルは、実質的に同じものであることを特徴とする請求項に記載の無線オーディオシステム。
  11. 前記オーディオ情報の前記第1のサンプルは有線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなり、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルは無線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなることを特徴とする請求項に記載の無線オーディオシステム。
  12. 前記オーディオ情報の前記第2のサンプルは、ベースステーションにおける前記ディジタル信号プロセッサの機能によって除去される音響エコー成分を含む請求項11に記載の無線オーディオシステム。
  13. 該オーディオシステムの動作を無線式に制御するための装置を更に具備することを特徴とする請求項乃至12のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  14. 各前記アンテナが、前記無線マイクロホンの1つから、オーディオ情報を有する信号を受信するための少なくとも1つの受信装置を有することを特徴とする請求項乃至13のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  15. 前記ディジタル信号プロセッサの機能は、前記無線マイクロホンのうちのいずれか1つから受信された前記オーディオ情報の前記第2のサンプルにおける音響エコーを除去するよう動作するものであることを特徴とする請求項乃至14のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  16. 公共ネットワークを介して遠端のオーディオシステムと通信する2つ以上のベースステーションを更に具備することを特徴とする請求項乃至15のいずれかに記載の無線オーディオシステム。
  17. 無線オーディオシステムにおいてオーディオ信号を処理する方法であって、
    ディジタル信号プロセッサによって、第1のシステム時間において前記オーディオ信号からオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉し、該オーディオ信号を2つ以上のアンテナアレイのうちの少なくとも1つに送信するステップであって、各前記アンテナアレイが地理的に分散した複数のアンテナグループを有し、各前記アンテナグループが少なくとも1つのアンテナを含むものと、
    前記2つ以上のアンテナアレイのうちの少なくとも1つにおける前記アンテナグループの少なくとも1つに関連付けられたスピーカであってオーディオ信号を再生する該スピーカに、前記オーデオ信号を送信するステップと、
    前記アンテナクループの少なくとも1つと関連付けられた無線マイクロホンによって、前記第1のシステム時間にて前記オーディオ情報の前記第1のサンプルとして前記オーディオ信号から捕捉されたオーディオ情報に実質的に対応するアコースティックオーディオ信号におけるオーディオ情報の第2のサンプルを第2のシステム時間にて受信して捕捉し、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルを前記ディジタル信号プロセッサに送るステップと、
    前記第2のシステム時間にて捕捉された前記オーディオ情報の前記第2のサンプルを含む前記オーディオ情報の実質的にすべてを除去するために、前記第1のシステム時間にて捕捉された前記オーディオ情報の前記第1のサンプルから得られたオーディオ情報を使用するステップと、
    前記ディジタル信号プロセッサがオーディオ情報の第1のサンプルを捕捉する時間と、前記無線マイクロホンのうちの1つがオーディオ情報の第2のサンプルを捕捉する時間とを調和させる時間同期化プロトコルを実行するステップと
    からなり、前記時間同期化プロトコルは、前記ディジタル信号プロセッサから前記無線マイクロホンの1つまでの信号経路における時間遅延を算出することに基づいていることを特徴とする方法。
  18. 前記ディジタル信号プロセッサは、前記2以上のアンテナアレイの各々と通信する計算装置を含む請求項17に記載の方法。
  19. 前記ディジタル信号プロセッサが公共または私有のネットワークと通信することを含む請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記オーディオ信号が、前記無線オーディオシステムによって公共のネットワークから受信され、または、オーディオソースから発生され、前記無線オーディオシステムによって捕捉されることを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
  21. 前記オーディオ情報の前記第1のサンプルは有線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなり、前記オーディオ情報の前記第2のサンプルは無線の媒体を介して送信された前記オーディオ情報から捕捉された情報からなることを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
  22. 除去される前記オーディオ情報は、音響エコーに関するオーディオ情報であることを特徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の方法。
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