次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る乗物用シートは、自動車の運転席などに使用される車両用シートSとして構成され、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを主に備えている。
シートクッションS1およびシートバックS2には、図2に示すようなフレームとしてのシートフレームFが内蔵されている。シートフレームFは、シートクッションS1のフレームを構成するシートクッションフレームF1と、シートバックS2のフレームを構成するシートバックフレームF2とから主に構成されている。シートクッションS1は、シートクッションフレームF1に、ウレタンフォームなどからなるクッション材と、合成皮革や布地などからなる表皮材を被せることで構成され、シートバックS2は、シートバックフレームF2に、クッション材と表皮材を被せることで構成されている。
シートバックフレームF2は、上部フレーム10と、シートバックS2の左右のフレームを構成する左右のサイドフレーム20と、下部フレーム30とを主に有して構成され、上部フレーム10、左右のサイドフレーム20および下部フレーム30が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。
上部フレーム10は、略U字形状に屈曲するパイプ材で構成されており、左右方向に延びる横パイプ部11に、ヘッドレストS3を取り付けるためのサポートブラケット12が溶接によって固定されている。また、上部フレーム10の上下方向に延びる左右の縦パイプ部13は、それぞれ、その下部に結合される左右のサイドフレーム本体部21と溶接などにより一体となって左右のサイドフレーム20を構成している。
左右のサイドフレーム本体部21は、左右方向に対向して配置されている。各サイドフレーム本体部21は、それぞれ、金属板をプレス加工するなどして、短手方向である前後方向の両端部が左右方向内側に屈曲した前後一対の屈曲部21Aを有する、断面視略U字形状に形成されている。また、各サイドフレーム本体部21は、それぞれ、その上部において縦パイプ部13を抱持した状態で縦パイプ部13と結合されており、その下部に上部よりも前に向けて張り出した張出部22を有する形状に形成されている。
図3に示すように、左右のサイドフレーム20の間には、可動部材としての受圧部材40と、左右一対の駆動機構50が配置されている。また、車両用シートSは、その内部または外部に、駆動機構50(駆動源52)を制御するための制御装置80(図5参照)を備えている。
受圧部材40は、表皮材とクッション材を介して車両用シートSに着座した乗員からの荷重を受ける部材であり、樹脂などから弾性変形可能に形成され、乗員の背中に対面する受圧部41と、受圧部41の左右両端の上部から左右方向外側の斜め前方に延出する左右の支持部42とを一体に有して構成されている。
受圧部材40は、上部連結ワイヤW1および下部連結ワイヤW2を介し、左右のサイドフレーム20に対して前後に可動するように連結されている。上部連結ワイヤW1は、その両端部がそれぞれサイドフレーム20に固定された駆動機構50に連結されており、受圧部材40の後面の上部に形成された図示しない係合爪を係合することで、受圧部材40の上部を左右のサイドフレーム20に連結している。また、下部連結ワイヤW2は、その両端部がそれぞれサイドフレーム20に設けられたワイヤ取付部23(図4参照)に連結されており、受圧部材40の後面の下部に形成された図示しない係合爪を係合することで、受圧部材40の下部を左右のサイドフレーム20に連結している。
図4(a),(b)に示すように、ワイヤ取付部23は、金属板を曲げ加工するなどして形成されており、溶接やネジなどにより固定片23Aがサイドフレーム本体部21の左右方向内側の面に固定されている。ワイヤ取付部23は、固定片23Aと、固定片23Aの上端部から左右方向内側に延びる連結片23Bと、連結片23Bの左右方向内側の端部から上方に延びる係合片23Cとを有している。係合片23Cには、前後方向に長い略長円状の長穴23Dが形成されており、この長穴23Dに下部連結ワイヤW2の端部が係合されることで、下部連結ワイヤW2がサイドフレーム20に連結されている。また、長穴23Dには、下部連結ワイヤW2の前側に樹脂製のスペーサ23Eが係合されており、これによって下部連結ワイヤW2が長穴23D内を前後に動くことが規制されている。
図3に示すように、駆動機構50は、受圧部材40を動作させるための機構であり、左右のサイドフレーム20のそれぞれに設けられ、受圧部材40の左右両側に配置されている。詳細については後述するが、駆動機構50は、受圧部材40の左端部または右端部を図12(a)に示す初期位置から前方の図12(c)に示す前進位置に移動させて受圧部材40の向きを右または左に向け、または、前進位置から初期位置に移動させる(戻す)ように構成されている。さらに、駆動機構50(連結機構51)は、受圧部材40に乗員から所定以上の荷重が入力されたときに作動して受圧部材40を図14(a)に示す初期位置よりも後方の図14(c)に示す後退位置に移動させるように構成されている。
図5に示すように、駆動機構50は、上部連結ワイヤW1を介して受圧部材40に連結される連結機構51と、連結機構51を作動させるための駆動源52とを主に有して構成されている。なお、左右の駆動機構50は、略左右対称に構成されているため、以下の説明では、主に左側の駆動機構50の構成を図示しながら詳細に説明する。
図6および図7に示すように、駆動源52は、モータ52Aと、ギヤボックス52Bと、出力軸52Cとを主に有し、ブラケット60を介してサイドフレーム20に対して固定されている。
ギヤボックス52Bは、モータ52Aで発生した回転駆動力を減速させるための図示しないギヤを収容する部材であり、略筒状のボックス本体310と、ボックス本体310の上端部(出力軸52Cの軸方向の端部)を塞ぐための蓋部材320とを主に有している。ボックス本体310および蓋部材320の側面には、出力軸52Cの径方向外側に突出した3つの締結部330が設けられている。締結部330は、ボックス本体310と蓋部材320とを締結するための締結部材としてのネジ91が配置される部分であり、ギヤボックス52Bの側面の周方向において等間隔に配置されている。
出力軸52Cは、ギヤボックス52Bで減速された回転駆動力を出力するための軸であり、蓋部材320を貫通するように配置されている。
ここで、駆動源52(駆動機構50)をサイドフレーム20に固定するためのブラケット60の構成について説明する。
ブラケット60は、第1ブラケット61および第2ブラケット62から構成されている。第1ブラケット61および第2ブラケット62は、それぞれ、金属板を曲げ加工するなどして断面視略L字形状に形成されており、係合部61A,62Aと固定部61B,62Bとを主に有している。
第1ブラケット61の係合部61Aは、駆動源52の軸方向一端部であるギヤボックス52Bの上端部(蓋部材320)に係合する部分であり、係合用の穴を有する略円板状に形成されている。固定部61Bは、サイドフレーム20に固定される部分であり、係合部61Aの左右方向外側(サイドフレーム20側)の端部から駆動源52の軸方向他端部側である下側とは反対側の上側に向けてサイドフレーム20に沿って延びるように形成されている。固定部61Bには、第1ブラケット61をサイドフレーム20に固定するためのボルト92が通される丸穴61Hが設けられている。
第2ブラケット62の係合部62Aは、駆動源52のモータ52Aに係合する部分であり、略矩形の枠状に形成されている。固定部62Bは、サイドフレーム20に固定される部分であり、係合部62Aの左右方向外側の端部から下側に向けてサイドフレーム20に沿って延びるように形成されている。図8(a)に示すように、固定部62Bは、サイドフレーム20を左右方向内側から見て、駆動源52よりも前方(軸方向に直交する方向)の外側まで延びる延出部62Cを有している。延出部62Cには、第2ブラケット62をサイドフレーム20に固定するためのボルト93が通される丸穴62H(図7参照)が設けられている。
図7に示すように、第1ブラケット61は、係合部61Aがギヤボックス52Bの上端部に係合し、3つのボルト94(1つのみ図示)によりギヤボックス52Bに締結されることで駆動源52に取り付けられ、第2ブラケット62は、係合部62Aがモータ52Aに係合し、3つのネジ95(1つのみ図示)によりギヤボックス52Bに締結されることで駆動源52に取り付けられている。そして、図8(a)に示すように、固定部61Bがボルト92によりサイドフレーム20に固定され、固定部62Bが延出部62Cでボルト93によりサイドフレーム20に固定されることで、駆動源52がサイドフレーム20に固定されている。
本実施形態では、図8(a)に示すサイドフレーム20を駆動源52が固定された側から見たとき、固定部61Bと延出部62Cが、駆動源52と重ならないため(駆動源52よりも外側まで延びているため)、ボルト92,93によりブラケット60をサイドフレーム20に容易に取り付けることができる。これにより、駆動源52をサイドフレーム20に容易に固定することができる。また、2つの第1ブラケット61と第2ブラケット62により駆動源52をサイドフレーム20に安定して固定することができる。
延出部62Cは、その一部である前端部がサイドフレーム20の張出部22に配置されている。これにより、サイドフレーム20に、駆動源52よりも前方に突出する延出部62Cを配置するための部分を特別に設ける必要がないため、サイドフレーム20の構成の簡略化を図ることができ、駆動源52の周辺をコンパクトな構成とすることができる。
図8(b)に示すように、ブラケット60を介してサイドフレーム20に固定された駆動源52は、3つの締結部330が、出力軸52Cの軸方向から見て、いずれも、サイドフレーム20の一対の屈曲部21Aの端部同士を結ぶ一点鎖線で示す直線L上を避けた位置に配置されている。より詳細に、締結部330は、軸方向から見て、直線Lの両側に少なくとも1つずつ、具体的には、直線Lの左右方向外側に1つが、直線Lの左右方向内側に2つが配置されている。
第1ブラケット61(係合部61A)は、左右方向内側の端61Eが、軸方向から見て、駆動源52の左右方向内側の端52Eから左右方向内側に突出しない寸法に形成されている。これにより、第1ブラケット61が乗員側に飛び出さないため、駆動源52の周辺をコンパクトな構成とすることができる。
図7に示すように、連結機構51は、サイドフレーム20に対して略前後方向に回動可能に設けられ、受圧部材40を動作させるための2つのリンク、具体的には、リンク部材の一例としての駆動リンク部材100と、第2のリンク部材の一例としての当接リンク部材200とを主に有している。
駆動リンク部材100は、金属などから長尺の板状に形成された部材であり、一端部に設けられた軸穴110と、他端部に設けられたピン穴120と、ストッパ部130とを主に有している。駆動リンク部材100は、軸穴110が駆動源52の出力軸52Cにセレーション嵌合などにより連結され、出力軸52Cから抜けないようにEリング53によって留められている。これにより、駆動リンク部材100は、駆動源52が駆動したときに略前後に回動するように設けられている。
ストッパ部130は、サイドフレーム20に固定された部材、具体的には、後述する固定ストッパ部材70に当接して駆動リンク部材100自身の回動を規制する部分である。より詳細に、ストッパ部130は、駆動リンク部材100の前に回動する側(一方向)への回動を規制する第1ストッパ部131と、駆動リンク部材100の後に回動する側(一方向とは逆方向)への回動を規制する第2ストッパ部132とを有している。
図9に示すように、第1ストッパ部131および第2ストッパ部132は、それぞれ、駆動リンク部材100の回動軸方向(出力軸52Cの軸方向)から見て、駆動リンク部材100の外周部分、言い換えれば、輪郭部分に設けられている。さらに言えば、第1ストッパ部131および第2ストッパ部132は、駆動リンク部材100の回動軸である出力軸52Cを囲む側面102に設けられている。具体的に、第1ストッパ部131は、駆動リンク部材100が図9に示す姿勢のとき(受圧部材40が初期位置にあるとき)、長尺状の本体部101の前側から略前方に向けて突出し、固定ストッパ部材70に当接する面が略平面状となるように設けられている。また、第2ストッパ部132は、本体部101の後側から略左方に向けて突出し、固定ストッパ部材70に当接する面が略平面状となるように設けられている。
ここで、固定ストッパ部材70の構成について説明する。
固定ストッパ部材70は、ストッパ部130が当接することで駆動リンク部材100の回動を規制する部材であり、サイドフレーム20に対して固定されている。より詳細に、固定ストッパ部材70は、出力軸52Cとサイドフレーム20との間に配置され、出力軸52Cの軸方向から見て、駆動リンク部材100が配置された側である左右方向内側に開口したU字形状を有している。固定ストッパ部材70は、U字の端部71とは反対側の基部72が第1ブラケット61に溶接などにより固定されることで第1ブラケット61を介してサイドフレーム20に固定されている。
固定ストッパ部材70は、端部71にそれぞれ、駆動リンク部材100のストッパ部が当接可能な回動規制部73を有している。各回動規制部73は、端部71に係合可能な略矩形の筒状を有し、樹脂から形成されている。駆動リンク部材100は、第1ストッパ部131が前側の回動規制部73に当接することで、前に回動する側への回動を規制され(図11(c)参照)、第2ストッパ部132が後側の回動規制部73に当接することで、後に回動する側への回動を規制される。回動規制部73が樹脂から形成されていることで、ストッパ部130と固定ストッパ部材70との当接音を抑制できるので、駆動リンク部材100の動作音を抑制することができる。
また、各回動規制部73は、出力軸52Cの軸方向から見たとき、駆動源52の略円形の輪郭内に配置されている。これにより、回動規制部73に当接可能なストッパ部130を側面102に有する駆動リンク部材100の大型化を抑制できるので、駆動リンク部材100をコンパクトな構成とすることができる。
出力軸52Cは、軸方向から見て、U字形状の固定ストッパ部材70の開口74と対向して配置されている。これにより、駆動リンク部材100と固定ストッパ部材70を左右方向に近づけて配置できるので、駆動リンク部材100の周辺をコンパクトな構成とすることができる。
また、ストッパ部130は、出力軸52Cの軸方向から見て、駆動リンク部材100の回動中心C1を中心とし、回動中心C1から当接リンク部材200の回動中心C2までの長さを半径とする一点鎖線で示す円Cの内側に配置されている。これにより、駆動リンク部材100の大型化を抑制できるので、駆動リンク部材100をコンパクトな構成とすることができる。
本実施形態において、左右の駆動リンク部材100は、共通の部品で構成されている。具体的に、図9に示した左側の駆動機構50を構成する駆動リンク部材100は、裏表を逆にすることで、右側の駆動機構50でも使用することができるように構成されている。このような構成が可能となったのは、ストッパ部130が、板状の駆動リンク部材100の側面102に設けられ、軸方向の一方側のみに突出して設けられる構成とはなっていないからである。部品が共通化されることで、部品点数や部品管理の手間を削減できるので、コストダウンを図ることができる。また、左右の部品の取り違えなどを防止でき、組み立てを容易とすることができる。
図7に示すように、当接リンク部材200は、長尺状に形成された部材であり、一端部に設けられたストッパ210およびピン穴220と、他端部に設けられた当接部230と、ピン穴220と当接部230の間に設けられた貫通穴240とを主に有している。当接リンク部材200は、ピン54がピン穴220と駆動リンク部材100のピン穴120に係合されることで、駆動リンク部材100に対して略前後に回動可能に設けられている。また、当接リンク部材200は、貫通穴240に上部連結ワイヤW1の端部が挿通されることで、上部連結ワイヤW1を介して受圧部材40に連結されている。
当接部230は、駆動源52により受圧部材40を動作させるときに受圧部材40に当接する部分である。当接部230は、図9に示すように、当接リンク部材200の回動軸方向から見て凸曲面形状を有し、さらに、図10に示すように、回動軸方向に直交する方向から見ても凸曲面形状を有している。より具体的に言えば、当接部230は、略球面形状を有している。
受圧部材40は、図9に実線で示す初期位置で乗員から荷重が入力されていないとき(車両用シートSに乗員が着座していないとき)、当接部230との間に隙間を有した状態で配置されており、車両用シートSに乗員が着座して初期位置で乗員から荷重が入力されたときに二点鎖線で示すように支持部42が変形するなどして当接部230に当接する。これにより、受圧部材40が当接部230に当たるまでは受圧部材40の変形や移動が可能となるので、シートバックS2のクッション性を向上させることができる。受圧部材40は、支持部42の後側の面に当接部230が当接可能な被当接面43を有しており、被当接面43は、当接リンク部材200の回動軸方向から見て、凹曲面形状を有している。
ストッパ210は、駆動リンク部材100の側面102に当接して当接リンク部材200の後に回動する側への回動量を規制する部分である(図11(c)および図13(c)参照)。ストッパ210は、当接リンク部材200の一端部から突出し、この突出した部分の先端から駆動リンク部材100が配置された下側に屈曲するように形成されている。
図10に示すように、当接リンク部材200は、長尺の板状の形成されたリンク本体201と、リンク本体201の全体を覆う被覆部材202とを有して構成されている。リンク本体201と被覆部材202は、互いに異なる材料から形成されている。具体的に、当接リンク部材200は、インサート成形などにより、リンク本体201が金属から形成され、被覆部材202が樹脂から形成されている。貫通穴240は、リンク本体201と被覆部材202を貫通するように設けられている。当接部230は、被覆部材202に設けられ、被覆部材202の一部として構成されている。これにより、当接部230は、樹脂から形成されている。
図9に示すように、当接リンク部材200は、回動中心C2から当接部230までの長さが、回動中心C2から駆動リンク部材100の回動中心C1までの長さよりも長く形成されている。
図6および図7に示すように、駆動リンク部材100と当接リンク部材200との機構的な間には、付勢部材としてのトーションバネ55が配置されている。トーションバネ55は、当接リンク部材200を前(一方向)に回動する側に付勢する部材であり、コイル部55Aと、コイル部55Aの上端から径方向外側に延びその先端が下方に延びる略L字形状の第1アーム部55Bと、コイル部55Aの下端から径方向外側に延びその先端が下方に延びるL字形状の第2アーム部55Cとを有している。
トーションバネ55は、コイル部55Aがピン54に係合され、図9に示すように、その一端である第1アーム部55Bが駆動リンク部材100の第1ストッパ部131に掛止され、他端である第2アーム部55Cが当接リンク部材200のストッパ210に掛止されている。これにより、トーションバネ55は、当接リンク部材200を図9の矢印で示す方向に回動させるための付勢力を発生する。
トーションバネ55および連結ワイヤとしての上部連結ワイヤW1は、当接リンク部材200の後方への回動を規制する部材、言い換えれば、後方への回動の抵抗となる部材(回動抵抗部材)として機能している。具体的に、トーションバネ55は、当接リンク部材200を前に回動する側に付勢することで、当接リンク部材200の後方への回動を規制している。
また、上部連結ワイヤW1は、左右両端部が斜め前方に向けて屈曲しており、下方に向けて延びる端部が当接リンク部材200の貫通穴240に連結されることで、受圧部材40と当接リンク部材200を連結している。そして、当接リンク部材200と受圧部材40との連結部C3が、受圧部材40が図9に示す初期位置にある状態で当接リンク部材200の回動中心C2よりも前に配置されていることで、上部連結ワイヤW1は、当接リンク部材200を前に回動する側に付勢し、これによって、当接リンク部材200の後方への回動を規制している。
連結部C3は、受圧部材40が図9に示す初期位置にある状態で、当接リンク部材200の回動軸方向から見て、一点鎖線で示す円Cの内側に配置されている。また、連結部C3は、受圧部材40が初期位置にある状態で、当接リンク部材200の回動中心C2よりも左右方向外側に配置されている。
以上説明した駆動機構50は、左右が互いに独立して動作するように設けられている。具体的には、駆動源52は、制御装置80によって制御されることで左右が互いに独立して駆動し、連結機構51の駆動リンク部材100および当接リンク部材200は、左右が互いに独立して回動可能に設けられている。つまり、駆動機構50は、例えば、左の駆動リンク部材100と当接リンク部材200が回動したときに、右の駆動リンク部材100と当接リンク部材200も連動して回動するというような構成にはなっていない。
図5に示すように、制御装置80は、駆動源52(モータ52A)の駆動を制御することで、シートバックS2内の受圧部材40の向きを旋回方向に向けるように構成されている(図12(c)参照)。制御装置80による制御方法としては、様々な方法を採用できるが、例えば、車輪速センサと操舵角センサからの信号に基づいて横加速度や旋回方向を算出し、算出した横加速度が所定の閾値を超えたときに、旋回方向外側の駆動機構50のモータ52Aを駆動させ、これによって受圧部材40の向きを旋回方向に向けるような方法が挙げられる。
本実施形態において、制御装置80は、モータ52Aの駆動中にモータ52Aに流れる電流を監視し、モータ52Aに流れる電流が予め設定された所定値を超えた場合にモータ52Aへの通電を停止してモータ52Aの駆動を停止させるように構成されている。駆動リンク部材100が回動してストッパ部130が固定ストッパ部材70に当接すると、モータ52Aが停止してモータ52Aに流れる電流が大きくなる。制御装置80は、この状態を検知することで、モータ52Aへの通電を停止させる。これにより、簡易な構成でストッパ部130を好適に機能させて駆動リンク部材100の回動量を精度良く規定することができる。
次に、車両旋回時の駆動機構50と受圧部材40の動作について説明する。
車両が右に旋回するとき、制御装置80は、左側の駆動機構50の駆動源52を駆動させる。そうすると、図11(a)に示す状態から、図11(b),(c)に示すように、駆動リンク部材100が前方に回動し、当接リンク部材200が駆動リンク部材100に対して回動しながら前方へ移動する。これにより、上部連結ワイヤW1の左端部(連結部C3)が前方へ移動し、受圧部材40の左側の支持部42(左端部)を初期位置から前方の前進位置に移動させる。
そして、駆動リンク部材100の第1ストッパ部131が固定ストッパ部材70の前側の回動規制部73に当接することで、駆動リンク部材100の回動が規制され、当接リンク部材200のストッパ210が駆動リンク部材100の側面102に当接することで、当接リンク部材200の回動が規制される。このとき、駆動源52に流れる電流が所定値を超えるため、制御装置80は、駆動源52の駆動を停止させる。
これにより、図12(a)〜(c)に示すように、受圧部材40は、左端部が初期位置から前進位置に移動することで、全体として旋回方向である右側を向くこととなる。その結果、旋回時に乗員に加わる遠心力をシートバックS2で好適に支持することができる。
本実施形態では、連結機構51が2つの駆動リンク部材100と当接リンク部材200とから構成されているため、1つのリンク部材、例えば、図11に示す駆動リンク部材100に上部連結ワイヤW1を直接連結して受圧部材40を前後に移動させる場合と比較して、上部連結ワイヤW1の左端部の前後のストローク量を大きくすることができる。これにより、受圧部材40の移動量(傾き量)を確保できるので、旋回時に受圧部材40により乗員に加わる遠心力をより良好に支持することができる。
また、本実施形態では、受圧部材40が初期位置にある状態で連結部C3が回動中心C2よりも左右方向外側に配置され、かつ、当接リンク部材200が上部連結ワイヤW1などによって前に回動する側に付勢されているため、当接リンク部材200が後方へ回動しにくくなっている。これにより、受圧部材40を初期位置から前進位置に移動させるときに、当接リンク部材200の先端がふらつくようなことがないので、受圧部材40を安定して移動させることができる。
車両が旋回状態から直進状態に戻るとき、制御装置80は、左側の駆動機構50の駆動源52を旋回時とは逆方向に駆動させる。そうすると、図11(c)に示す状態から、図11(b),(a)に示すように、駆動リンク部材100が後方に回動する。そして、乗員から受圧部材40にかかる荷重により当接リンク部材200が駆動リンク部材100に対して回動しながら後方へ移動する。これにより、上部連結ワイヤW1の左端部が後方へ移動し、受圧部材40の左側の支持部42を前進位置から初期位置に移動させる。
そして、駆動リンク部材100の第2ストッパ部132が固定ストッパ部材70の後側の回動規制部73に当接することで、駆動リンク部材100の回動が規制される。このとき、駆動源52に流れる電流が所定値を超えるため、制御装置80は、駆動源52の駆動を停止させる。これにより、受圧部材40が図12(c)に示した右を向いた状態から、図12(a)に示す前を向いた状態に戻ることとなる。
一方、車両が左に旋回するとき、制御装置80は、右側の駆動機構50の駆動源52を駆動させる。その後の受圧部材40や右側の駆動機構50の動作は右旋回の場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
本実施形態において、受圧部材40は、車両用シートSに乗員が着座して当接リンク部材200の当接部230と当接した後は当接部230に対し、被当接面43が当接リンク部材200の回動範囲の全範囲において当接するように配置されている。これにより、当接リンク部材200の回動が受圧部材40によっていわばガイドされることになるので、当接リンク部材200をスムーズに動作させることができる。
また、本実施形態では、当接部230と受圧部材40が樹脂から形成されているので、当接リンク部材200と受圧部材40との摺接音や摩耗を抑制することができる。さらに、被当接面43が凹曲面形状を有することで、当接部230と被当接面43との接触圧が下がるので、当接リンク部材200や受圧部材40の摩耗をより抑制することができる。
次に、後突時の駆動機構50と受圧部材40の動作について説明する。ここで、後突時とは、自車両の後部に他車両が追突したり、後退する自車両の後部が他車両や構造物に衝突したりしたときのことである。
図13(a)に示すように、受圧部材40が初期位置にあって後突が発生していない通常時(受圧部材40に乗員から所定未満の荷重が入力されているとき)には、上部連結ワイヤW1などによって当接リンク部材200の後方への回動が規制されているため、受圧部材40は、初期位置から大きく後方へ移動することはない。
一方、後突が発生して受圧部材40に乗員から所定以上の大きな荷重が入力されたときには、この大きな荷重によって受圧部材40が後方に移動し、上部連結ワイヤW1の端部が当接リンク部材200(連結部C3)を後方に牽引する。そうすると、図13(b)に示すように、当接リンク部材200が上部連結ワイヤW1や受圧部材40を左右方向内側に弾性変形させながら後方に回動し、これによって、受圧部材40がさらに後方に移動して初期位置から図13(c)に示す後退位置に移動する。そして、受圧部材40が後退位置に移動したときに当接リンク部材200のストッパ210が駆動リンク部材100の側面102に当接することで、当接リンク部材200の回動が規制され、受圧部材40の後退移動も規制されることとなる。
図14(a)〜(c)に示すように、受圧部材40が初期位置から後退位置に移動すると、乗員の上体がシートバックS2内に沈み込むこととなる。これにより、乗員の頭部を速やかにヘッドレストS3に近づけてヘッドレストS3で受け止めることができるので、後突時に乗員の頸部に加わる衝撃を緩和することができる。
本実施形態では、当接リンク部材200がストッパ210を備えることで、当接リンク部材200が後方へ回動しすぎることを抑制することができる。これにより、例えば、シートバックS2への乗員の沈み込み量を調整したり、後退位置に移動した受圧部材40を初期位置に容易に戻したりすることが可能となっている。
図13(c)に示すように、連結部C3は、受圧部材40が後退位置にある状態で当接リンク部材200の回動中心C2よりも後に配置される。このとき、上部連結ワイヤW1は、当接リンク部材200を矢印で示す方向に付勢する部材、具体的には、後に回動する側に付勢する部材(第2の付勢部材)として機能する。これにより、後突によって後退位置に移動した受圧部材40を後退位置に留まらせることができるので、後退位置に移動したときの反動で受圧部材40が前方に移動することを抑制することができる。
以上説明した車両用シートSによれば、駆動機構50により、旋回時に受圧部材40の向きを変えて乗員を好適に支持する機能と、後突時に受圧部材40を後退位置に移動させて乗員に加わる衝撃を緩和する機能の両方を実現することができる。これにより、シートバックS2内に、受圧部材の向きを変える機構と受圧部材を後退移動可能とする機構の両方を設ける必要がなくなるため、シートバックS2内のスペースを確保して他の機構を配置したり、車両用シートSのコンパクト化を図ったりすることが可能となり、車両用シートSの設計の自由度を向上させることができる。
また、当接リンク部材200の後方への回動の抵抗となる回動抵抗部材としての上部連結ワイヤW1やトーションバネ55を備えることで、通常時に受圧部材40が後退位置に移動することを抑制することができる。
また、受圧部材40が初期位置にある状態で連結部C3が円Cの内側に配置されているので、受圧部材40が後退位置に移動するときの上部連結ワイヤW1の変形量を減少したり、上部連結ワイヤW1の大型化を抑制したりすることができる。
また、当接リンク部材200の先端に回動軸方向から見て凸曲面形状を有する当接部230が設けられているので、当接リンク部材200の回動方向において当接部230と受圧部材との摺動抵抗を小さくでき、旋回時や後突時に当接リンク部材200や受圧部材40をスムーズに動作させることができる。また、当接部230が回動軸方向に直交する方向から見ても凸曲面形状を有するので、当接リンク部材200の回動軸方向においても摺動抵抗を小さくでき、例えば、受圧部材40が上下に動くときなどに受圧部材40などをスムーズに動作させることができる。さらに言えば、当接部230は略球面形状を有するので、全方向において摺動抵抗を小さくでき、当接リンク部材200と受圧部材40が当接する動作が行われるときに当接リンク部材200などスムーズに動作させることができる。
また、当接リンク部材200に対し上部連結ワイヤW1が貫通穴240に挿通されることで連結されているので、当接リンク部材200と上部連結ワイヤW1を簡単に連結することができる。
また、図11に示したように、駆動リンク部材100がストッパ部130を有し、ストッパ部130が固定ストッパ部材70に当接することで、駆動リンク部材100の回動を規制するので、例えば、ステッピングモータの駆動と停止によりリンク部材の回動量を規定する構成と比較して、駆動リンク部材100の回動量を精度良く規定することができる。また、ステッピングモータを使用する場合よりも、簡易かつ低コストな構成で駆動リンク部材100の回動量を精度良く規定することができる。また、ストッパ部130が第1ストッパ部131と第2ストッパ部132を有するので、駆動リンク部材100が一方向に回動する場合と逆方向に回動する場合の両方の場合において、その回動量を精度良く規定することができる。
また、駆動機構50(駆動リンク部材100)と固定ストッパ部材70の両方がブラケット60に固定されているので、ストッパ部130と固定ストッパ部材70との位置精度を向上させることができ、駆動リンク部材100の回動量をより精度良く規定することができる。
また、固定ストッパ部材70が出力軸52Cとサイドフレーム20との間に配置されているので、駆動リンク部材100や固定ストッパ部材70の大型化を抑制でき、駆動リンク部材100の周辺、具体的には、駆動リンク部材100の回動規定のための構成をコンパクトな構成とすることができる。なお、駆動リンク部材100や回動規定のための構成をコンパクト化できることで、突出するストッパ部130の長さを短くできるので、ストッパ部130が固定ストッパ部材70に当接したときの荷重を小さくすることができる。
また、ストッパ部130が駆動リンク部材100の側面102に設けられているので、ストッパ部がリンク部材から回動軸方向に突出している構成と比較して、駆動リンク部材100の構成を簡略化できる。また、トーションバネ55の第1アーム部55Bが第1ストッパ部131に掛止されているので、ストッパ部とは別の箇所にトーションバネを掛止するための部分を設ける構成と比較して、駆動リンク部材100の構成を簡略化できる。これらにより、駆動リンク部材100の製造を容易とすることができる。
また、図8(b)に示したように、ギヤボックス52Bにおいて、締結部330が突出していることで、締結部330を除くギヤボックス52Bの側面が締結部330に対して凹んだ形状をなすため、ギヤボックス52Bを含む駆動源52をコンパクトな構成とすることができる。また、突出した締結部330が直線L上を避けた位置に配置されていることで、締結部330を除くギヤボックス52Bの側面とサイドフレーム20の屈曲部21Aの端部とを近づけて配置できるので、サイドフレーム20の大型化などを抑制することができ、駆動源52の周辺をコンパクトな構成とすることができる。また、締結部330を直線Lの左右方向外側に1つ、直線Lの左右方向内側に2つ配置することで、締結部330を複数有する構成においても、ギヤボックス52Bの側面と屈曲部21Aの端部とを近づけて配置できるので、駆動源52の周辺をコンパクトな構成とすることができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、当接リンク部材200の回動量を規制するストッパ210が当接リンク部材200自身に設けられていたが、これに限定されず、ストッパは、例えば、駆動リンク部材やブラケット、サイドフレームなどに設けられていてもよい。
前記実施形態では、当接リンク部材200は、被覆部材202がリンク本体201の全体を覆うように設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、被覆部材202は、リンク本体201の一部だけを覆うように設けられていてもよい。補足すると、図15に示す当接リンク部材200は、金属製のリンク本体201の一方の端部に、当接部230が設けられた樹脂製の被覆部材202が被せられるようにして取り付けられている。このような構成では、リンク本体201と被覆部材202を貫通する貫通穴240に上部連結ワイヤW1を挿通することで被覆部材202の脱落を抑制することができる。また、図15に示す当接リンク部材200において、被覆部材202の貫通穴242の最小径は、リンク本体201の貫通穴241の最小径よりも小さく形成されている。これにより、貫通穴240に挿通された上部連結ワイヤW1は樹脂製の被覆部材202の貫通穴242の内周面に当たることになるので、当接リンク部材200と上部連結ワイヤW1との接触音の発生を抑制することができる。
前記実施形態では、当接リンク部材200がリンク本体201と被覆部材202とを有し、リンク本体201と被覆部材202が異なる材料から形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、当接リンク部材は、その全体が樹脂から形成されていてもよい。なお、前記実施形態のように、当接リンク部材200が、リンク本体201と、当接部230が設けられた被覆部材202とを有して構成されることで、リンク本体201と被覆部材202のそれぞれをその機能上、最適な材料から形成することができる。例えば、前記実施形態のように、リンク本体201を金属製とし、被覆部材202を樹脂製とすることで、当接リンク部材200全体の剛性を確保しつつ、当接リンク部材200と受圧部材40との摺接音を抑制したり、摩耗を抑制したりすることができる。
前記実施形態では、当接部230が略球面形状を有していたが、これ限定されず、例えば、当接部は、リンク部材の回動軸方向から見たときだけ凸曲面形状を有するような構成であってもよい。また、当接部の断面形状は、円形状(円弧形状)に限定されず、長円形状や楕円形状などであってもよい。
前記実施形態では、駆動リンク部材100のストッパ部130がサイドフレーム20に固定された固定ストッパ部材70に当接して駆動リンク部材100の回動を規制するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、ストッパ部は、サイドフレームに直接当接してリンク部材の回動を規制するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、ストッパ部130が駆動リンク部材100の側面102に設けられていたが、これに限定されず、例えば、ストッパ部は、駆動リンク部材から回動軸方向に突出するように設けられていてもよい。また、前記実施形態では、ストッパ部130が2つの第1ストッパ部131と第2ストッパ部132を有していたが、これに限定されず、例えば、ストッパ部は、1つであってもよい。また、前記実施形態では、駆動リンク部材100が左右で共通の部品として構成されていたが、これに限定されず、左または右の専用の部品として構成されていてもよい。
前記実施形態では、固定ストッパ部材70がブラケット60に固定されていたが、これに限定されず、例えば、固定ストッパ部材は、サイドフレームに直接固定されていてもよい。また、前記実施形態では、回動規制部73の全体が樹脂から形成されていたが、これに限定されず、例えば、回動規制部は、駆動リンク部材のストッパ部が当接する面だけが樹脂から形成されていてもよい。これによっても、ストッパ部と回動規制部との当接音を抑制できるので、駆動リンク部材の動作音を抑制することができる。
前記実施形態では、付勢部材としてトーションバネ55を例示したが、これに限定されず、例えば、板バネなどであってもよい。また、前記実施形態では、第2の付勢部材として上部連結ワイヤW1を例示したが、これに限定されず、例えば、コイルバネなどであってもよい。前記実施形態では、回動抵抗部材として上部連結ワイヤW1とトーションバネ55を例示したが、これに限定されず、例えば、付勢部材、第2の付勢部材および回動抵抗部材はそれぞれ独立した別の部材であってもよい。
前記実施形態では、サイドフレーム20に固定された第2ブラケット62の延出部62Cの一部がサイドフレーム20の張出部22に配置されていたが、これに限定されず、例えば、延出部は、その全体が張出部22に配置されていてもよい。
前記実施形態で示したブラケット60の構成は一例である。例えば、前記実施形態では、第2ブラケット62の固定部62Bが延出部62Cを有していたが、これに限定されず、第1ブラケットの固定部が延出部を有していてもよい。また、図8(a)を参考に説明すると、第2ブラケット62の係合部62Aが駆動源52の下端部に係合し、固定部62Bが駆動源52よりも下側まで延びるように形成されていてもよい。また、前記実施形態では、ブラケット60が2つの第1ブラケット61と第2ブラケット62から構成されていたが、これに限定されず、ブラケットは、1つであってもよい。
前記実施形態では、連結機構51が2つのリンク(駆動リンク部材100および当接リンク部材200)を有して構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、連結機構は、1つリンク部材を有して構成されていてもよいし、3つ以上のリンク部材を有して構成されていてもよい。
前記実施形態では、可動部材として受圧部材40を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、可動部材は、シートバックのサイドフレームに対して前端部が左右に揺動可能に設けられ、クッション材などを介して乗員の上体を左右両側から支持するサイドサポート部材などであってもよい。また、前記実施形態では、可動部材や駆動機構50がシートバックS2内に配置されていたが、これに限定されず、例えば、可動部材や駆動機構は、シートクッション内に配置されていてもよい。
前記実施形態では、本発明を自動車で使用されるシート(車両用シートS)に適用した例を示したが、これに限定されず、その他の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などで使用されるシートに適用することもできる。