JP6357919B2 - 通信媒体 - Google Patents

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本発明は、接触通信機能と非接触通信機能とを有する通信媒体、および、通信媒体の設計方法に関する。
接触通信機能と非接触通信機能とを有する通信媒体には、カード基体と、カード基体に実装されたICモジュールとを備えるICカードが知られている。ICモジュールは、モジュール基板と、モジュール基板に実装されたICチップとを備えている(例えば、特許文献1)。ICチップは、接触通信部と非接触通信部とを備え、モジュール基板は、このICチップの通信端子に接続された第1結合コイルを備えている。カード基体は、第2結合コイルと、ループ状のアンテナと、アンテナの共振周波数を調整する調整コンデンサとが直列に接続された閉回路を備えている。
そして、ICモジュールの備える第1結合コイルと、カード基体の備える第2結合コイルとが電磁結合を可能に配置されて、これらの電磁結合を通じて、ICカードと外部通信機器との非接触通信が可能になる。また、ICチップの接触通信部を構成する外部端子と外部通信機器の端子とが接触することを通じて、ICカードと外部通信機器との接触通信が可能になる。
特許第3800766号公報
ところで、2つの結合コイルとアンテナの各々における回路定数は、通常、ICチップとアンテナとの間においてエネルギーが効率的に伝わるように、設計者の経験に基づいて設定されている。すなわち、通信端子に対してICチップとは反対側の合成インピーダンスである通信端子以降のインピーダンスと、ICチップの通信端子における入力インピーダンスとが整合するように、上記各素子の回路定数が設計者の経験に基づいて設定されている。
この際に、上述した通信端子以降のインピーダンスには、第1結合コイル、第2結合コイル、および、アンテナの各々のインピーダンスが少なくとも含まれる。そして、上述した各回路定数の設定に際しては、これら第1結合コイルの回路定数となる多数の候補、第2結合コイルの回路定数となる多数の候補、および、アンテナの回路定数となる多数の候補を少なくとも含む数多くの組み合わせの中から一つの組み合わせを見出すという多大な負荷を要している。それゆえに、上述した通信媒体においては、こうした設計に要する負荷を軽減させることが強く望まれている。
本発明は、第1結合コイルの設計に要する負荷を軽減することの可能な通信媒体、および、通信媒体の設計方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する通信媒体は、通信端子を有した非接触通信部、および、接触通信部を備えるICチップと、前記通信端子に接続された第1結合コイルとを備えるICモジュールであって、前記第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値が、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの虚部の値の範囲に含まれる前記ICモジュールを備える。また、この通信媒体は、前記第1結合コイルとの電磁結合が可能に前記第1結合コイルの外側に配置されて前記第1結合コイルよりも小さいインダクタンスを有する第2結合コイルと、前記第2結合コイルと直列に接続されたアンテナとを備えて前記ICモジュールが搭載された基体を備える。
上記課題を解決する通信媒体の設計方法は、通信端子を有した非接触通信部、および、接触通信部を備えるICチップと、前記通信端子に接続された第1結合コイルとを備えるICモジュールと、前記第1結合コイルとの電磁結合が可能に前記第1結合コイルの外側に配置されて前記第1結合コイルよりも小さいインダクタンスを有する第2結合コイルと、前記第2結合コイルと直列に接続されたアンテナとを備えて前記ICモジュールが搭載された基体と、を備える通信媒体の設計方法である。そして、前記第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値を、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの虚部の値の範囲内に設定する。
第1結合コイルと第2結合コイルとの電磁結合における結合度合いは、第1結合コイルの構成に寄らずとも、第1結合コイルと第2結合コイルとの相関を定める他の構成によって設定することが可能である。例えば、第1結合コイルと第2結合コイルとの電磁結合における結合度合いは、第1結合コイルにおける巻線の長さ、巻線のターン数、巻線の線幅、巻線間の間隔などに寄らずとも、結合コイル間の距離、結合コイル間に介在する部分の材質、第2結合コイルの構成などによって設定することが可能である。
一方で、第1結合コイルの外側に第2結合コイルが配置され、かつ、第2結合コイルのインダクタンスが第1結合コイルよりも小さい構成においては、通信端子から見たICチップとは反対側のインピーダンス、すなわち、通信端子以降のインピーダンスの虚部の値は、第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値に大きく依存する。この点で、上記通信媒体、および、その設計方法であれば、こうした第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値が、第2結合コイルの構成やアンテナの構成に寄らず、通信端子における入力インピーダンスの虚部の値のみに基づいて定められる。それゆえに、第1結合コイルの設計に要する負荷を軽減することが可能である。
上記通信媒体において、前記第1結合コイルのインピーダンスの実部の値は、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲外であってもよい。
通信端子における入力インピーダンスと、通信端子以降のインピーダンスとが整合させるうえでは、通信端子における入力インピーダンスの実部の値と、通信端子以降のインピーダンスの実部の値とを整合させる必要がある。この点で、上記構成によれば、第1結合コイルのインピーダンスの実部の値が、通信端子における入力インピーダンスの実部の値の範囲内に制約されないため、第1結合コイルに設定される回路定数に自由度が与えられる。それゆえに、上述したように、第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値に関しては、それの設計に要する負荷を軽減することが可能であって、さらに、インピーダンスの実部の値に関しては、それの設計の自由度が確保される。
上記通信媒体において、前記基体は、前記アンテナと前記第2結合コイルとに直列に接続された平行平板コンデンサをさらに備え、前記アンテナ、前記平行平板コンデンサ、および、前記第2結合コイルが閉回路を構成し、前記閉回路における自己共振周波数は、前記非接触通信部の動作状態における通信周波数と等しいことが好ましい。
上記構成によれば、閉回路における自己共振周波数が通信周波数と異なる構成と比べて、非接触通信部の動作状態において、アンテナに流れる電流を大きくすること、アンテナから放射される磁界を大きくすること、および、アンテナが感知することの可能な磁界を小さくすることが可能である。
上記通信媒体において、前記通信端子から見て前記ICチップとは反対側であって、前記第1結合コイル、前記第2結合コイル、および、前記アンテナを含むインピーダンスの実部の値は、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれ、かつ、前記非接触通信部の動作状態における通信周波数においてピークを有する周波数特性を有することが好ましい。
上記通信媒体の設計方法において、前記基体は、前記アンテナと前記第2結合コイルとに直列に接続された平行平板コンデンサをさらに備え、前記アンテナ、前記平行平板コンデンサ、および、前記第2結合コイルが閉回路を構成する。そして、前記通信端子から見て前記ICチップとは反対側であって、前記第1結合コイル、前記第2結合コイル、および、前記アンテナを含むインピーダンスの実部の値を、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲内に設定し、かつ、前記閉回路における自己共振周波数が、前記非接触通信部の動作状態における通信周波数と等しくなるように、前記第1結合コイルと前記第2結合コイルとの結合度合いを設定する工程をさらに含んでもよい。
上記通信媒体、および、その設計方法によれば、通信端子から見てICチップとは反対側にけるインピーダンスの実部の値が、通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれるため、非接触通信の省電力化を図ることができる。
前記通信媒体において、前記第1結合コイルと前記第2結合コイルとの間に磁性体をさらに備えてもよい。
上記通信媒体の設計方法において、前記結合度合いを設定する工程では、前記第1結合コイルと前記第2結合コイルとの間の距離、および、前記第1結合コイルと前記第2結合コイルとの間の磁気特性の少なくとも1つを設定することが好ましい。
上記通信媒体によれば、第1結合コイルと第2結合コイルとの電磁結合における結合度合いを、磁性体の有する磁気特性によって設定することもできる。また、上記通信媒体の設計方法によれば、第1結合コイルと第2結合コイルとの電磁結合における結合度合いを、結合コイル間の距離や結合コイル間の磁気特性によって設定することもできる。
本発明における通信媒体、および、通信媒体の設計方法によれば、第1結合コイルの設計に要する負荷を軽減できる。
一実施形態におけるICカードの内部斜視構造を示す斜視図である。 一実施形態におけるICモジュールをICチップ実装面側から見た斜視構造を示す斜視図である。 一実施形態におけるICカードの等価回路を示す回路図である。 一実施形態における調整コンデンサの斜視構造を示す斜視図である。 一実施形態における通信端子以降におけるインピーダンスの虚部と周波数との関係を示すグラフである。 一実施形態における通信端子以降におけるインピーダンスの実部と周波数との関係を示すグラフであって、一実施形態とは結合度合いが異なる水準と共に示すグラフである。 一実施形態における通信端子以降におけるインピーダンスの実部と周波数との関係を示すグラフであって、一実施形態とはピークにおける周波数が異なる水準と共に示すグラフである。 一実施形態におけるICカードの断面構造を示す断面図であって、第1結合コイルと第2結合コイルとの配置の関係を示す図である。 一実施形態におけるICカードの断面構造を示す断面図であって、第1結合コイルと第2結合コイルとの間に第2基板が介在する例を示す図である。 一実施形態におけるICカードの断面構造を示す断面図であって、第2基板を挟む2つの樹脂シートの厚さが相互に異なる例を示す図である。 一実施形態における第1結合コイルと第2結合コイルとの間に磁性体を備える構成での断面構造を示す断面図である。 一実施形態における第1結合コイルと第2結合コイルとの間に磁性体を備える構成での断面構造を示す断面図である。 一実施形態における第1結合コイルの回路定数と最大エネルギー伝達効率との関係を示すグラフである。 一実施形態におけるICカードの備える第1結合コイルのL/Sとインダクタンスとの相関を示すグラフである。 一実施形態における第2結合コイルの線幅と第2結合コイルの抵抗との相関を示すグラフであって、第2結合コイルのターン数が5であって、第2結合コイルの線間ギャップが0.4mmである構成を示す。
通信媒体、および、通信媒体の設計方法をICカード、および、ICカードの設計方法に具体化した一実施形態について図1から図11を参照して説明する。
[ICカード1の構成]
図1が示すように、ICカード1は、接触通信機能と非接触通信機能とを有する通信媒体の一例である。ICカード1は、ICチップが実装される第1基板2を有したICモジュール5と、ICモジュール5が搭載された基体を構成する第2基板7とを備えている。
第1基板2は、例えば、ガラスエポキシやセラミックによって形成されたリジッド基板であってもよいし、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等で形成されたフレキシブル基板であってもよい。第1基板2において第2基板7と対向する面は、第1基板2の実装面であり、第1基板2においてそれの実装面とは反対側の面は、第1基板2の対向面である。
第1基板2の有する実装面には、ICチップが実装され、第1基板2の有する対向面には、外部端子6が形成されている。外部端子6は、第1基板2に形成されたスルーホールを通じてICチップに接続されている。
第2基板7は、基体の一例であるカード基体13を構成し、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の誘電体材料から形成されている。第2基板7において、ICモジュール5と対向する面は、第2基板7の対向面であり、第2基板7においてそれの対向面とは反対側の面は、第2基板7の非対向面である。カード基体13は、第2基板7の対向面と対向する樹脂プレートと、第2基板7の非対向面と対向する樹脂プレートとを備え、第2基板7は、これら2つの樹脂シートの間に挟まれている。
第2基板7の有する対向面上には、ICモジュール5が配置されている。第2基板7の対向面を覆う樹脂プレートには、第1基板2の対向面をICカード1の外部に露出させる開口が形成され、ICモジュール5の有する外部端子6は、その樹脂プレートに形成された開口を通じてICカード1の外部に露出している。第1基板2の有する外部端子6は、ICカード1が外部通信装置と接触通信するときに、外部通信装置の有する端子と電気的に接続される。
第2基板7の有する対向面には、第2結合コイル8、および、アンテナ9が形成され、さらに、調整コンデンサ11の有する電極が形成されている。第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11は、第2基板7の対向面に形成された銅箔のエッチングによって形成されてもよいし、第2基板7の対向面に印刷によって形成されてもよい。これら第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11は、第2基板7の対向面を覆う樹脂プレートによって覆われている。
第2結合コイル8は、第2基板7の対向面と対向する平面視において、ICモジュール5の外側に巻き回されて、ICモジュール5を囲い、第1結合コイル4よりも大きい開口面積を有したループ形状を有している。アンテナ9は、第2基板7の対向面と対向する平面視において、第2結合コイル8を周回しないように配置されて、第2結合コイル8よりも十分に大きい開口面積を有したループ形状を有している。調整コンデンサ11は、第2基板7の対向面と第2基板7の非対向面とに電極を有し、これら2つの電極に挟まれる第2基板7が蓄電機能と放電機能とを担っている。
図2が示すように、第1基板2の有する実装面には、ICチップ3が実装され、また、ICチップ3の周囲には、ループ形状を有する第1結合コイル4が形成されている。第1結合コイル4は、例えば、第1基板2の有する実装面に形成された銅箔のエッチングによって形成されてもよいし、第1基板2の有する一つの面に印刷によって形成されてもよい。なお、ICチップ3の実装される位置は、第1結合コイル4の内側に限らず、第1結合コイル4の外側であってもよい。
上述した第2結合コイル8は、第2基板7と対向する平面視において、第1基板2に形成された第1結合コイル4との電磁結合が可能に、第1結合コイル4の外側に配置されている。第2結合コイル8は、第1結合コイル4よりも長く、かつ、第1結合コイル4よりも小さい自己インダクタンスを有している。
ICチップ3は、ベアチップであってもよいし、各種のICパッケージやチップサイズパッケージ(CSP)であってもよい。なお、ICモジュール5の小型化が図られる観点から、ICチップ3はベアチップであって、フリップチップ実装によって第1基板2にリフロー法やフロー法で実装されることが好ましい。
ICチップ3は、接触通信機能を実現する接触通信部3aと、非接触通信機能を実現する非接触通信部3bとを備えている。上述した外部端子6は、ICチップ3の有する接触通信部3aに接続され、上述した第1結合コイル4は、ICチップ3の有する非接触通信部3bに接続されている。
図3が示すように、ICモジュール5は、ICチップ3と第1結合コイル4とを備えている。ICチップ3は、2つの通信端子4aを備え、ICチップ3の有する非接触通信部3bは、これらの通信端子4aを介して、第1結合コイル4に接続されている。第1結合コイル4は、第2結合コイル8との電磁結合が可能に構成され、第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11は、これらが直列に接続された閉回路を構成している。
図4が示すように、調整コンデンサ11は、平行平板コンデンサであって、第2基板7の対向面に形成された電極11aと、第2基板7の非対向面に形成されて電極11aと向い合う電極11bと、これらの電極11a,11bとに挟まれる第2基板7とから構成されている。調整コンデンサ11の有する電極11aは、第2結合コイル8の一端に接続され、調整コンデンサ11の有する電極11bは、第2基板7に形成されたスルーホールを通じて、アンテナ9の一端に接続されている。
調整コンデンサ11の有する電極11aは、1つの方向に沿って並ぶ複数の調整パターン12aと、相互に隣り合う調整パターン12aを接続する接続パターン12bとから構成されている。接続パターン12bは、それ自体の切断を調整パターン12aよりも容易するために、調整パターン12aよりも細い線幅を有している。なお、調整コンデンサ11は、第2基板7の対向面や第2基板7の非対向面に電極を有する構成の他に、第2基板7の対向面にフロー法やリフロー法によってチップ部品として実装される構成であってもよい。
そして、ICカード1が外部接触通信装置と接触通信するとき、ICモジュール5の外部端子6と外部接触通信装置の端子とが接触して、ICチップ3と外部接触通信装置との間で信号の送受信が行われる。ICカード1が外部非接触通信装置と非接触通信するとき、外部非接触通信装置のアンテナと第2基板7に形成されたアンテナ9とが近接して、外部非接触通信装置が発信した信号による電磁誘導によって、アンテナ9を含む閉回路に電流が流れる。この際に、第1結合コイル4と第2結合コイル8とが電磁結合することによって、ICチップ3と外部非接触通信装置との間で信号の送受信が行われる。
なお、第2基板7が備える第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11の少なくとも1つは、第2基板7の非対向面に配置されてもよい。
[インピーダンスの虚部の整合]
次に、第1結合コイル4が有するインピーダンスの虚部の値について説明する。
第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部は、ICチップ3の非接触通信部3bが外部非接触通信装置と非接触通信する動作状態において、2つの通信端子4aの間の入力容量に基づくインピーダンス、すなわち、入力インピーダンスの虚部の値の範囲に含まれている。
通信端子4aにおける入力容量が容量Cであるとき、これに基づく入力インピーダンスの虚部の値はjωCとして示される。通信端子4aにおける容量Cは、ICチップ3に供給される電力の変更などによって若干変動し、それゆえに、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値もまた若干変動する。第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値は、こうして若干変動する入力インピーダンスの虚部の値(=jωC)の範囲に含まれている。すなわち、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値は、第2結合コイル8の構成やアンテナ9の構成に寄らず、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値の範囲のみに基づいて定められている。
ここで、上述したように、第2結合コイル8は、第1結合コイル4の外側を囲うループ形状を有し、かつ、第1結合コイル4よりも短い長さを有している。また、アンテナ9は、こうした第2結合コイル8よりも十分に大きいループ形状を有している。そして、このような構造を有する第2結合コイル8、および、アンテナ9を含む閉回路のインダクタンスは、第1結合コイル4の有するインダクタンスよりも十分に小さい。それゆえに、通信端子4aから見てICチップ3とは反対側であって、第1結合コイル4、第2結合コイル8、および、アンテナ9を含むインピーダンス、すなわち、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値は、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値に大きく依存している。こうした第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部は、第1結合コイル4の長さ、ターン数、線幅、線間ギャップ、開口面積などによって変わる。
以下、第1結合コイル4の長さをパラメータの一例として、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値のパラメータ依存性を説明する。図5は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値と周波数との関係を示すものである。また、本実施形態における第1結合コイル4における関係(実線)と、本実施形態における第1結合コイル4よりも長い第1結合コイル4を備えるときの関係(一点鎖線)と、本実施形態における第1結合コイル4よりも短い第1結合コイル4を備えるときの関係(二点鎖線)とを示す。
図5が示すように、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値は、上記3つの水準のいずれにおいても、周波数が高いほど大きい。そして、通信周波数の増加分に対するインピーダンスの虚部の値の増加分は、上記3つの水準のいずれにおいてもほぼ同じである。こうした関係からも、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値は、第1結合コイル4の長さ、すなわち、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値に大きく依存し、第2結合コイル8やアンテナ9のインダクタンスには殆ど依存せず、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値によってほぼ定まることが認められる。そして、例えば、通信周波数が13.56MHzであって、入力インピーダンスの虚部の値が目標値(=300Ω)であるとき、本実施形態における第1結合コイル4の長さは、第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値が目標値となる大きさを有している。
上述したように、第1結合コイル4の外側に第1結合コイル4よりも長い第2結合コイル8が配置される構成において、通信端子4a以降におけるインピーダンスの虚部の値は、そこにおける第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値に大きく依存する。そして、本実施形態においては、この第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値が、ICチップ3の容量Cに基づく入力インピーダンスの虚部の値(jωC)に含まれているため、非接触通信部3bの動作状態においては、入力側のインピーダンスの虚部の値と、出力側のインピーダンスの虚部の値とが、ICカード1においてほぼ整合している。結果として、第2結合コイル8やアンテナ9のインダクタンスにかかわらず、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値が定められることによって、上述したインピーダンスの虚部の値が整合し、これによって、非接触通信における電力の消費が抑えられている。そして、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値が、第2結合コイル8の構成やアンテナ9の構成に寄らず、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値のみに基づいて定められるため、第1結合コイル4の設計に要する負荷を軽減することが可能である。
なお、上述したように、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値は、ICチップ3に供給される電力の変化などによって若干変動する。そこで、第1結合コイル4の有するインダクタンスは、ICチップ3の動作することの可能な最低限の電力がICチップ3に供給される際の入力インピーダンスの虚部の値であることが好ましい。こうしたインピーダンスの整合であれば、ICチップ3の動作することの可能な最低限の電力がICチップ3に供給される際に、その非接触通信に要する電力の消費が抑えられるため、ICカード1を用いた通信における省電力化がさらに図られる。
また、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、第1結合コイル4における巻線のターン数や巻線の線幅などに寄らずとも、例えば、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離によって設定することが可能である。また、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間に介在する部分の材質、第2結合コイル8における巻線のターン数や巻線の線幅などによって設定することも可能である。それゆえに、第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値を、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値のみに基づいて個別に設定することが可能でもある。
[インピーダンスの実部の整合]
次に、第1結合コイル4を含めたインピーダンスの実部の値について説明する。
第1結合コイル4の有するインピーダンスの実部の値は、ICチップ3の非接触通信部3bが外部非接触通信装置と非接触通信する動作状態において、2つの通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲外である。こうした第1結合コイル4の有するインピーダンスの実部を含め、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、通信端子4a以降の回路における信号の周波数に対してピークを有し、かつ、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値のピークを示す周波数は、通信周波数とほぼ一致している。
ここで、上述したように、第1結合コイル4と第2結合コイル8とは、相互に電磁結合可能に位置に配置されて、これらが電磁結合することによって非接触通信部3bの動作状態が確保される。この際に、例えば、第2結合コイル8における巻線のターン数が多いほど、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合の結合度合いが強い一方で、これらを含む通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は大きい。そして、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値と、通信端子4aに対する入力インピーダンスの実部の値とを整合させるうえでは、これら第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合の結合度合いが強いことよりも、むしろ、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値のピークを、入力インピーダンスの実部の値に合わせることが重要である。そして、本実施形態における通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれ、かつ、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数においてピークを有する周波数特性を有している。
以下、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合の結合度合いと、上述したインピーダンスの実部の整合との関係を詳細に説明する。図6は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値と周波数との関係を、第1結合コイルと第2結合コイルとの電磁結合の結合度いが相互に異なる3つの例の各々について示すグラフである。図7は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値と周波数との関係を示すグラフである。また、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部のピークを示す周波数と通信周波数とが一致する本実施形態における関係(二点鎖線)、および、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部のピークを示す周波数と通信周波数とが相互に異なる例(実線)とを示すグラフである。
図6が示すように、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、通信端子4a以降の回路における信号の周波数に対して1つのピークを有している。通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合の結合度合いが強いほど大きい。
上述した動作状態における入力インピーダンスの実部の値は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値に対する目標値であって、動作状態における入力インピーダンスの実部の値の範囲は、目標値の範囲である。そして、本実施形態における通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部は、通信周波数にピークを有し、かつ、そのピークにおける実部の値が、例えば、目標値の中心値である100Ωと一致している。
図7の実線が示すように、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値のピークに対応する周波数と、通信周波数とが相互に異なるとき、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、ピークの裾野に相当する部位において目標値の範囲と整合している。
これに対して、図7の二点鎖線が示すように、本実施形態においては、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部のピークに対応する周波数と、通信周波数とがほぼ一致している。そして、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値のピークが、上述した目標値の上限値と下限値との間に位置し、ピーク自体が目標値の範囲と整合している。
こうした周波数特性によれば、ピークの裾野に相当する部位が目標値と整合する構成と比べて、目標値の範囲に対応する周波数帯が大きくなる。それゆえに、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値と、入力インピーダンスの実部の値との整合が容易でもある。そして、インピーダンスの虚部の値、および、インピーダンスの実部の値が上述のように設定されたICカード1によれば、ICチップ3とアンテナ9との間におけるエネルギーの伝達効率の増大が図られる。
なお、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、第2結合コイル8の形状、および、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離の他、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間における磁気特性によっても変わる。そこで、ICカード1は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値に対し、上述した条件が満たさせるべく、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間にこれらの結合度合いに関わる磁性体を備えてもよい。
[自己共振周波数]
次に、閉回路における自己共振周波数について説明する。
第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11から構成される閉回路は、ICチップ3の非接触通信部3bが外部非接触通信装置と非接触通信する動作状態において、通信周波数と一致する自己共振周波数を有している。
ここで、上述したように、第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値は、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値の範囲に含まれている。また、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、通信端子4a以降の回路における信号の周波数に対してピークを有し、かつ、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値のピークを示す周波数は、通信周波数とほぼ一致している。このように第1結合コイル4、第2結合コイル8、および、アンテナ9の構成が大きく制約される下では、上述した調整コンデンサ11が、自己共振周波数と通信周波数とを一致させる機能を主として担っている。
調整コンデンサ11における複数の接続パターン12bは、自己共振周波数と通信周波数とを一致させるべく、その一部として切断されたパターンを含んでいる。そして、切断されていない接続パターン12bによって接続された調整パターン12aが、調整コンデンサ11の容量電極として機能して、自己共振周波数を通信周波数に合わせている。
このように閉回路の自己共振周波数と通信周波数とが一致することによって、アンテナ9から放射される磁界の増大を図ることが可能であって、また、アンテナ9を通じて感知可能な磁界の減少を図ることが可能でもある。そして、こうした閉回路を備えるICカード1によれば、ICチップ3に接続されたアンテナ9と外部非接触通信装置との通信効率の増大が図られる。なお、ICカード1の実用に際しては、図7が示すように、閉回路の自己共振周波数は、通信周波数の1.3倍程度であってもよい。
[結合度合い]
次に、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の結合度合いについて説明する。
第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、第2結合コイル8における巻線のターン数が増えることによって強まり、また、第2結合コイル8の透磁率が高まることによっても強まる。第2結合コイル8の透磁率は、例えば、第2結合コイル8を覆う磁性シートが第2結合コイル8に貼り付けられることによって高まる。また、第2結合コイル8の透磁率は、第1結合コイル4の開口と第2結合コイル8の開口とが互いに重なる部分に磁性シートが位置することによっても高まる。なお、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離が短いほど強い。
これに対して、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、第2結合コイル8における巻線のターン数が少ないほど、また、第1結合コイル4と第2結合コイル8との透磁率が低いほど、また、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離が大きいほど弱い。本実施形態におけるICカード1は、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の周波数特性が上述した条件を満たすように、こうした結合度合いが設定されている。これらの一例である5つの形態を図8から図12を参照して別々に説明する。
図8が示すように、例えば、ICカード1における第2基板7は、相互に同じ厚さを有した2枚の樹脂シート13aによって挟まれ、これら2枚の樹脂シート13aは、熱プレス加工によって一体化されることによって、第2基板7と共にカード基体13を構成している。第2基板7の対向面を覆う樹脂シート13aには、カード基体13の外側に向けて開口した有底の嵌合部14が形成され、嵌合部14には、嵌合部14の底壁と第1結合コイル4とが対向する状態で、ICモジュール5が嵌め込まれている。嵌合部14における底壁は、第1結合コイル4と第2基板7との間の間隔を規定している。
そして、第1結合コイル4と第2結合コイル8とは、嵌合部14の底壁が有する厚みに相当する距離だけ相互に離間しながらも、これらの間の距離が非常に短い状態で対向するように配置されている。これによって、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いは、嵌合部14の底壁の厚みなどによって規定されて、その厚みが薄いほど強まる。
図9が示すように、例えば、ICカード1における第2基板7において、第2結合コイル8は、第2基板7の非対向面に形成されて、ICモジュール5と第2結合コイル8との間には第2基板7が介在している。こうした第2結合コイル8の配置によれば、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間に、第2基板7の厚さに相当する距離が設定される。それゆえに、図8を参照して説明した例と比べて、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いが弱まる。
図10が示すように、例えば、ICカード1におけるカード基体13は、相互に厚さが異なる2枚の樹脂シートから構成されている。第2基板7の対向面を覆う樹脂シート13bは、第2基板7の非対向面を覆う樹脂シート13cよりも厚く、また、図9を参照して説明した例における樹脂シート13aよりも厚く、この樹脂シート13bにICモジュール5は嵌め込まれている。また、図9を参照して説明した例と同じく、ICモジュール5と第2結合コイル8との間に第2基板7が介在している。
こうした樹脂シートの厚さの設定によれば、第2基板7の厚さに加えて、樹脂シート13bにおける嵌合部14の底壁の厚さに相当する距離が、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離として設定される。それゆえに、図9を参照して説明した例と比べて、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いがさらに弱まる。なお、図10が示す例において、第2結合コイル8は、図8を参照して説明した例と同じく、第2基板7の対向面に配置されてもよい。
図11が示すように、例えば、ICカード1は、2つの樹脂シート13aと第2基板7とから構成されるカード基体13の内部に磁性体15を備えている。磁性体15は、第2基板7を貫通して、第1結合コイル4の開口と第2結合コイル8の開口とを通る位置に配置されている。磁性体15は、第1結合コイル4の開口と第2結合コイル8の開口とを貫通する磁界を形成している。
こうした磁性体15が備えられることによって、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いが強まる。なお、図11が示す例は、図8あるいは図10を参照して説明した例と同じく、第2結合コイル8が第2基板7の対向面に形成されてもよく、また、2つの樹脂シートの厚みが相互に異なっていてもよい。
図12が示すように、例えば、ICカード1は、図11を参照して説明した例と同じく、磁性体15を備え、さらに、第2結合コイル8を覆う磁性シート16を備えている。磁性シート16は、磁性体15と同じく、第1結合コイル4の開口と第2結合コイル8の開口とを貫通する磁界を形成している。
こうした磁性シート16が備えられることによっても、第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いが強まる。なお、図12が示す例は、図8から図10を参照して説明した例と同じく、磁性体15が割愛された構成であってもよい。
[ICカード1の設計方法]
ICカード1の設計に際しては、まず、第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値が、非接触通信部3bの動作状態における通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値の範囲内に設定される。
第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値の設定は、例えば、第1結合コイル4における巻線のターン数、線幅、線間ギャップ、開口面積などの設定によって実現される。そして、こうした第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値の設定は、第2結合コイル8やアンテナ9の設計にかかわらず、ICモジュール5を最小単位として実現される。
次いで、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が、非接触通信部3bの動作状態におけるインピーダンスの実部の値の範囲に設定される。また、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が示す周波数特性において、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数においてピークを有するように、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が設定される。
通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定は、例えば、第2結合コイル8の巻線のターン数、線幅、線間ギャップ、開口面積、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間の距離、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間における磁気特性の設定によって実現される。また、こうした通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の設定は、例えば、アンテナ9における開口面積、外形、線幅、厚み、ターン数などの設定によっても実現される。
なお、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定は、第1結合コイル4の線幅を設定することによって実現することも可能である。ただし、第1結合コイル4の線幅の新たな設定は、第1結合コイル4の有するインピーダンスの虚部の値を変える可能性を有する。また、第1結合コイル4の線幅の新たな設定によるインピーダンスの実部の増加は、第1結合コイル4での放射磁界の低下を招き、結局のところ、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定による効果を抑えてしまう可能性を有している。それゆえに、上述したように、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定は、閉回路を構成する各回路要素の設定によって実現することが好ましい。
次いで、閉回路における自己共振周波数が、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数に設定される。
閉回路における自己共振周波数の設定は、例えば、調整コンデンサ11において切断される接続パターン12bの数量の設定によって実現される。すなわち、自己共振周波数の設定に際し、切断される接続パターン12bの数量を増やすことによって、調整コンデンサ11の容量は小さく設定され、反対に、切断される接続パターン12bの数量を減らすことによって、調整コンデンサ11の容量は大きく設定される。また、こうした閉回路における自己共振周波数の設定は、例えば、アンテナ9における内径、外形、線幅、厚み、ターン数、開口面積などの設定によっても実現される。
なお、閉回路における自己共振周波数の設定によって、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部が変わることは少なくない。それゆえに、閉回路における自己共振周波数の設定の後に、再度、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定が実施されてもよい。また、閉回路における自己共振周波数の設定と、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定とが、交互に2回以上繰り返されてもよいし、さらには、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値の設定の前に、閉回路における自己共振周波数の設定が実施されてもよい。
[実施例]
以下、上記ICカード1、および、その設計方法における一実施例を説明する。
[第1結合コイル4]
ICカード1に求められる規格に基づいて、まず、第1基板2の実装面の有する面積に13mm×12mmを設定し、ICチップ3の実装面の有する面積に3mm×3mmを設定し、第1結合コイル4の占有する面積に3mm×3mm以上、13mm×12mm以下を設定した。また、第1結合コイル4の低抵抗化が図られる観点から、第1結合コイル4を構成する導体に銅を用いた。また、第1結合コイル4の製造面における利便性から、第1結合コイル4の有する厚みに28μmを設定し、第1結合コイルの有するターン数に10を設定した。
そして、第1結合コイル4におけるインピーダンスの虚部の値が、入力インピーダンスにおける虚部の値の範囲内であるように、第1結合コイル4の線幅、ライン/スペース(L/Sと示す)、および、開口面積を設定した。
以下、図13、および、図14を参照して、第1結合コイル4の線幅、L/S、および、開口面積の設定を詳細に説明する。図13は、ICチップ3から閉回路に対して伝達されるエネルギーの伝達効率と、第1結合コイル4の高周波抵抗値R1、および、入力インピーダンスの実部の値Zrとの相関関係を示す。また、図14は、第1結合コイル4のインダクタンス、および、キャパシタンスと、第1結合コイル4におけるL/Sとの相関関係を示す。
図13が示すように、通信周波数における第1結合コイル4の高周波抵抗値R1が、ICチップ3における入力インピーダンスの実部の値Zrを越えるとき、すなわち、パラメータR1/Zが1を越えるとき、第2結合コイル8、および、アンテナ9へ伝達可能な電力は、供給電力の半分以下となってしまう。そこで、本実施例においては、第1結合コイル4におけるインピーダンスの虚部の値が、入力インピーダンスにおける虚部の値の範囲内であることに加え、第1結合コイル4の高周波抵抗値R1が入力インピーダンスの実部Zrを下回るように、第1結合コイル4の線幅、および、L/Sを設定した。こうした実施例によれば、閉回路に対する電力の伝達において、その効率が下がることが抑えられる。
図14が示すように、第1基板2のように、第1結合コイル4のインダクタンスは、第1結合コイル4のL/Sが1である付近に極小値を有し、L/Sが1から下がるほど、また、L/Sが1から上がるほど、第1結合コイル4のインダクタンスは大きい。そこで、本実施例においては、一定の限られた面積において第1結合コイル4のインダクタンスを確保するうえで、L/SにおけるSを下げること、すなわち、線間ギャップを狭くすること優先させ、また、コイル抵抗を抑えるために、第1結合コイル4の線幅を広くすることを優先させた。
また、第1結合コイル4においてインピーダンスの整合に必要なインダクタンスと、第1結合コイル4にて発生する磁束量φ(≒a×S1×n(a:定数、S1:第1結合コイル4の開口面積、n:第1結合コイルのターン数(=10)))との兼ね合いから、磁束量φと伝送効率とを乗算した値が最大となるように、第1結合コイル4の開口面積を設定した。
例えば、第1結合コイル4におけるL/Sの設計値を100μm/100μmに設定したところ、第1結合コイル4のエッチングの精度によって、第1結合コイル4のL/Sの実値は80μm/120μmであった。第1結合コイル4の開口面積は56mmであり、第2結合コイル8の導体の厚みは28μmであった。そして、動作状態におけるICチップ3のインピーダンスは33Ω−140jΩ(虚部の値=140jΩ)である一方で、通信周波数における第1結合コイルのインピーダンスは8.1Ω+132.2jΩ(虚部の値=132.2jΩ)であった。
[第2結合コイル8]
次いで、閉回路の低抵抗化が図られる観点から、閉回路を構成する導体にアルミニウムを用い、第2基板7としてPETフィルムを用いた。また、閉回路の製造面における利便性から、閉回路の各回路要素の有する厚みに30μmを設定し、第2結合コイル8の有するターン数に5を設定し、第2結合コイル8の開口面積を12mm×13mmに設定した。
そして、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が、非接触通信部3bの動作状態における通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれ、かつ、通信周波数においてピークを有するように、第2結合コイル8、および、アンテナ9の構造を設定した。また、非接触通信部3bの動作状態において、閉回路の自己共振周波数と通信周波数とが一致するように、第2結合コイル8、アンテナ9、および、調整コンデンサ11の構造を設定した。この際に、第2結合コイル8は、それの有する抵抗値が最小となるように設計した。
以下、図15を参照して、第2結合コイル8のL/Sの設定を詳細に説明する。図15は、第2結合コイル8における線間ギャップが0.4mmに設定されたときの、第2結合コイル8の有する抵抗値、および、第2結合コイル8の有するコイル面積と、第2結合コイル8の線幅との相関関係を示す。なお、第2結合コイル8におけるコイル抵抗を抑えるうえで、線間のギャップは極力小さいことが好ましく、上述した設置値である0.4mmを、こうした要請に基づいて設定した。
図15が示すように、コイル線幅が大きいほど、コイル外形面積は大きく、また、コイル抵抗は小さい。すなわち、コイル外形面積とコイル抵抗との関係は、これらのなかの一方が大きいほど他方が小さい関係であるトレードオフの関係を有している。それゆえに、第2結合コイルの有する線幅は、コイル抵抗の低下が見込まれる範囲である0.6mm以上1.5mm以下、すなわち、線間ギャップの1.5倍以上4倍以下が最適であり、本実施例における線幅をこうした範囲内に設定した。
なお、閉回路における自己共振周波数f0は下記の通りである。こうした自己共振周波数f0と通信周波数ftとが一致する構成(f0=ft)は本来望ましいが、実際の使用時における自己共振周波数f0は、ICカード1の周囲に存在する誘電体などの影響によって変わる場合が少なくない。そのため、実際の運用に際しては、図7を参照して説明したように、自己共振周波数f0が通信周波数ftの1倍以上1.3倍以下であることが好ましい。
f0≒1/2π√C2(L2+L3)
C2:調整コンデンサの容量
L2:第2結合コイル8のリアクタンス
L3:アンテナ9のリアクタンス
また、第1結合コイル4と第2結合コイル8との間のエネルギー伝達効率、および、第2結合コイル8に接続されるアンテナ9からの放射効率を考慮すると、第2結合コイル8とアンテナ9と調整コンデンサ11とから構成される閉回路のQ値は高いことが好ましい。
以上、上記実施形態によれば以下に列挙する効果が得られる。
(1)第1結合コイル4のインピーダンスの虚部の値が、第2結合コイル8の構成やアンテナ9の構成に寄らず、通信端子4aにおける入力インピーダンスの虚部の値のみに基づいて定められる。それゆえに、第1結合コイル4の設計に要する負荷を軽減することが可能である。
(2)第1結合コイル4のインピーダンスの実部の値が、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲内に制約されないため、第1結合コイル4に設定される回路定数に自由度が与えられる。
(3)閉回路における自己共振周波数f0が通信周波数ftと異なる構成と比べて、非接触通信部3bの動作状態において、アンテナ9に流れる電流を大きくすること、アンテナ9から放射される磁界を大きくすること、および、アンテナ9が感知することの可能な磁界を小さくすることが可能である。
(4)通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれるため、非接触通信の省電力化を図ることができる。
(5)第1結合コイル4と第2結合コイル8との電磁結合における結合度合いを、磁性体の有する磁気特性によって設定することもできるため、これらの結合度合いを設定するうえで、第1結合コイル4の回路定数や第2結合コイル8の回路定数を、インピーダンスの虚部の値や実部の値の整合にさらに特化させることが可能でもある。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、非接触通信部3bの動作状態における通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲外であってもよい。また、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数とは異なる周波数にピークを有してもよい。これらの構成であっても、上記(1)から(3)に準じた効果を得ることは可能である。
なお、上述したように、非接触通信の省電力化を図るうえでは、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値は、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲内であることが好ましい。そして、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値を、通信端子4aにおける入力インピーダンスの実部の値の範囲内に合わせるうえでは、通信端子4a以降におけるインピーダンスの実部の値が、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数にピークを有することが好ましい。
・第2基板7に形成される閉回路は、調整コンデンサを有しない構成であってもよいし、第2結合コイル、アンテナ、および、調整コンデンサ以外の回路要素を含む構成であってもよい。また、閉回路における自己共振周波数は、非接触通信部3bの動作状態における通信周波数と異なる値であってもよい。これらの構成であっても、上記(1)、(2)に準じた効果を得ることは可能である。
・第1結合コイル4のインピーダンスの実部の値は、非接触通信部3bの動作状態における通信端子4aの入力インピーダンスの実部の値の範囲内であってもよい。こうした構成であれば、第1結合コイル4や第2結合コイル8の設計の自由度は狭まる一方で、第1結合コイル4の有する回路定数は、通信端子4aの入力インピーダンスによって殆ど一義的に定まる。それゆえに、第1結合コイル4の設計に要する負荷をさらに軽減することが可能である。
・通信媒体は、ICカード1に限らず、通信機能を備えてカード形状を有した媒体の他、スマートフォン、携帯情報端末などの携帯型や小型の電子機器であって、上述した構成を有するICモジュール、および、基体を備えた電子機器であってもよい。
f0…自己共振周波数、ft…通信周波数、1…ICカード、2…第1基板、3…ICチップ、3a…接触通信部、3b…非接触通信部、4…第1結合コイル、4a…通信端子、5…ICモジュール、6…外部端子、7…第2基板、8…第2結合コイル、9…アンテナ、11…調整コンデンサ、11a,11b…電極、12a…調整パターン、12b…接続パターン、13…カード基体、13a,13b,13c…樹脂シート、14…開口部、15…磁性体、16…磁性シート。

Claims (5)

  1. 通信端子を有した非接触通信部、および、接触通信部を備えるICチップと、前記通信端子に接続された第1結合コイルとを備えるICモジュールであって、前記第1結合コイルのインピーダンスの虚部の値が、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの虚部の値の範囲に含まれる前記ICモジュールと、
    前記第1結合コイルとの電磁結合が可能に前記第1結合コイルの外側に配置されて前記第1結合コイルよりも小さいインダクタンスを有する第2結合コイルと、前記第2結合コイルと直列に接続されたアンテナとを備えて前記ICモジュールが搭載された基体と、
    を備える通信媒体。
  2. 前記第1結合コイルのインピーダンスの実部の値は、前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲外である
    請求項1記載の通信媒体。
  3. 前記基体は、前記アンテナと前記第2結合コイルとに直列に接続された平行平板コンデンサをさらに備え、前記アンテナ、前記平行平板コンデンサ、および、前記第2結合コイルが閉回路を構成し、
    前記閉回路における自己共振周波数は、前記非接触通信部の動作状態における通信周波数と等しい
    請求項1または請求項2に記載の通信媒体。
  4. 前記通信端子から見て前記ICチップとは反対側であって、前記第1結合コイル、前記第2結合コイル、および、前記アンテナを含むインピーダンスの実部の値は、
    前記非接触通信部の動作状態における前記通信端子の入力インピーダンスの実部の値の範囲に含まれ、かつ、前記非接触通信部の動作状態における通信周波数においてピークを有する周波数特性を有する
    請求項1から3のいずれか1つに記載の通信媒体。
  5. 前記第1結合コイルと前記第2結合コイルとの間に磁性体をさらに備える
    請求項4記載の通信媒体。
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