JP6354810B2 - 高炉への原料装入方法 - Google Patents

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本発明は、高炉内への原料装入を旋回シュートで行う高炉への原料装入方法に関するものである。
近年、地球温暖化抑制の観点からCO2排出量の削減が求められている。
鉄鋼業においては、CO2排出量の約70%が高炉によるものであるため、高炉におけるCO2排出量の削減が求められている。そして、高炉におけるCO2排出量の削減は、高炉で使用する還元材(コークス、微粉炭、天然ガスなど)の削減により可能である。この還元材を削減するには、鉱石層の還元効率を向上することが必要である。
ここに、非特許文献1によれば、鉱石層の還元効率向上には、鉱石層の厚みを薄くし、未還元部分の層厚を薄くすることが有効であるとされている。
ただし、上記のように鉱石層の厚みの減少を図った場合、コークス層厚も同時に減少することになる。そして、高炉においてコークス層厚が減少すると、鉱石が軟化溶融する融着帯における通気抵抗が上昇して安定な操業を阻害することが経験的に知られている。
例えば、非特許文献2には、コークス層厚が高炉の炉腹部における平均値で180mm以下となると、高炉の通気抵抗が上昇してしまうことが示されている。
そこで、このような通気抵抗の上昇による高炉操業の不安定化に対して、コークス層厚を規定値以上確保する操業が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、コークス層厚の薄い箇所が局所的に発生することを防止するために、確保するべきコークス層厚の下限を定めている。ここでは炉口平均600mm以上を確保すれば、炉内でのコークス層厚が局所的にも下限を下回らないとしている。
また、特許文献2では、融着帯における通気抵抗の上昇を防止するために、炉腹部のコークス層厚を平均で250mm以上確保することを提案している。
さらに、特許文献3には、原料の装入を炉中心部と炉周辺部との分割し、炉周辺部における還元粉化指数の高い鉄原料およびコークスの比率を炉中心部のそれらより高くすることによって、炉内の通気性を改善することが提案されている。
特開平7−18310号公報 特開平6−136414号公報 特開2012−112032号公報
材料とプロセス 13巻894頁(2000) 鉄と鋼 87巻5号342頁(2001)
しかしながら、前掲した特許文献1および2に記載の技術は、確保すべきコークス層の平均層厚を規定するのみであり、鉱石層側の通気性について考慮されていない。また、特許文献3に記載の技術は、還元粉化の立場から通気性が阻害されない鉱石層でのコークスの混合比率を与えるものであり、やはりコークスの比率を規定する点、従前との差異はないものであった。
本発明は、上記した課題を解決すべく開発されたもので、コークス層厚が薄い操業において、通気性を改善するための原料装入方法を提供することを目的としている。
発明者らは、コークス層厚が薄い操業における通気性について鋭意究明したところ、鉱石層側の軟化溶融挙動を考慮することが通気性改善に極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.高炉の炉頂部から旋回シュートを用いて高炉内にコークスと鉄原料とを交互に装入する高炉への原料装入方法において、少なくとも焼結鉱を含む鉱石原料と、少なくとも10質量%の塊鉱石とを鉄原料として高炉内に装入するに当たり、
前記鉄原料の装入を2回以上に分割して行うこと、
該鉄原料の2回目以降の装入において、前記塊鉱石の全量の少なくとも80質量%を前記高炉炉口での半径位置(r)を炉口半径(R)で無次元化した無次元半径(r/R):0.2〜0.8の範囲に装入すること
を特徴とする高炉への原料装入方法。
ここで、鉱石原料とは、塊鉱石以外の焼結鉱、酸化鉄ペレットと鉄スクラップ等の鉄原料となる鉱石類を示す。
2.前記塊鉱石は結晶水含有量が6質量%以上であることを特徴とする前記1に記載の高炉への原料装入方法。
3.前記コークスの層厚(mm)をLcおよび平均粒径(mm)をDcとしたとき、Lc/Dcが2以下であることを特徴とする前記1または2に記載の高炉への原料装入方法。
4.2回目以降に装入する塊鉱石の60質量%以上を、前記高炉の炉口での半径位置(r)を炉口半径(R)にて無次元化した無次元半径(r/R)が0.2以上0.58未満の範囲に装入することを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の高炉への原料装入方法。
本発明によれば、例えば、コークス層厚を薄くする操業であっても、通気性悪化の要因となる塊鉱石を適切な位置に装入することで、高炉の通気性を改善することができる。そのため、コークス層厚を薄くする操業である低コークス比操業下においても、高炉操業の安定化を図ることが可能となる。
実験装置の模式図である。 結晶水含有量が融着帯の通気抵抗におよぼす影響を示した実験結果を示す図である。 コークススリット層厚が融着帯の通気抵抗におよぼす影響を示した実験結果を示す図である。 (a),(b)は、融着帯での溶融挙動を示す模式図である。
以下、本発明を、具体的に説明する。
まず、本発明の条件のうち、塊鉱石の偏析装入条件の解明経緯について説明する。
発明者らは、各種塊鉱石が高炉内の融着帯の通気性に及ぼす影響を調査するため、高炉内条件を模擬した還元試験を行い、塊鉱石の挙動を確認した。
図1に、コークス層厚と融着帯の通気抵抗との関係を調査するために用いた装置の概略図を示す。図中、符号1は試料加熱炉であり、この試料加熱炉1はその内部に試料充填容器2および加熱装置3を備えている。試料充填容器2の内部には、コークス層4および試料層5(鉄原料層)を層状に充填した試料充填層6を形成する。この試料充填層6は、加熱装置3によって温度がコントロールされる。
また、7は気体加熱炉であり、この気体加熱炉7もその内部に加熱装置8を備えている。なお、9はガス混合器、10はガス流通用の配管、11は圧力計、12は熱電対、13は押え板、14は台座、15は接続棒であり、この接続棒は黒鉛または金属製とすることが好ましい。
さらに、符号16は負荷手段であり、図1では錘を用いている。そして、この錘16により、高炉内を模擬した荷重を試料充填層6に付加する。
なお、この測定装置は、試料加熱炉1と気体加熱炉7とを並列配置としている。このように、並列配置としたので、気体加熱炉7で加熱された気体は、試料加熱炉1内に横方向から侵入することになる。その結果、図1に示すように、侵入した加熱気体は試料充填容器1内の試料充填層6を水平に流れるので、高炉融着帯におけるガス流れを再現できるのである。
上記試験装置を用いて、試料層5における塊鉱石の装入状態を種々に変えて、融着帯の通気抵抗を測定した。その際の実験条件を表1に示す。この実験に用いた塊鉱石は粒径が4.8〜6.7mmであり、焼結鉱は粒径が4.8〜6.7mmであった。なお、表1において、上層とは試料層5(鉄原料層)の全層厚の中心より上方の領域、下層とは試料層5(鉄原料層)の全層厚の中心より下方の領域である。同様に、「塊鉱石+焼結鉱」は塊鉱石と焼結鉱を均等(対象とする上層または下層に塊鉱石を均一に分散)に混合したものを示す。
Figure 0006354810
ここで、塊鉱石の装入方法(試料層に均一に混合、試料層の上層に偏析、試料層の下層に偏析)、塊鉱石の結晶水含有量、およびコークス層厚を変えて実験を行った。コークス層厚を変えた際は、初期の単位体積あたりのガス流通量が一定となるようにガス流量も併せて変更した。なお、Lcはコークス層厚(mm)、Dcはコークス平均粒径(mm)を表す。
図2に、表1におけるLc/Dc=2、試料充填層6の温度が1400℃の条件において、塊鉱石の装入方法と塊鉱石の結晶水含有量が通気抵抗におよぼす影響を示す。なお、コークス層厚、コークス平均粒径はいずれも通気抵抗に影響をおよぼすため、ここではコークス層厚(Lc)をコークス平均粒径(Dc)で規格化した指数(Lc/Dc)で評価した。また、図2中、○:塊鉱石を試料層に均一に混合したもの、□:塊鉱石を試料層の上層に偏析したもの、△:塊鉱石を試料層の下層に偏析したものをそれぞれ表している。
図2より、塊鉱石を試料層5の上層に偏析した場合に、試料充填層6の通気抵抗が大幅に改善していることがわかる。特に、結晶水含有量が6質量%以上の高結晶水塊鉱石を使用した際に、塊鉱石を試料層5の上層に偏析した場合は、通気抵抗の上昇が十分に抑制されていることがわかる。
なお、結晶水含有量が多いほど融着帯においては高い通気抵抗の改善効果を示すが、結晶水含有量が10質量%を超える場合には、高炉の上部で粉化する影響による通気抵抗の悪化が顕著となるため、高炉全体として通気抵抗を改善する効果としては低下する。したがって、結晶水含有量が10質量%以下の塊鉱石を使用することが好ましい。
さらに、図3に、塊鉱石の結晶水含有量が8質量%、試料充填層6の温度が1400℃の条件において、上記塊鉱石の装入方法および指数(Lc/Dc)が試料充填層6の通気抵抗におよぼす影響を示す。図3より、塊鉱石を試料層5の上層に偏析した場合は、通気抵抗が大幅に改善していることが分かる。特に、Lc/Dcが2以下のコークスを使用した際に、塊鉱石を試料層5の上層に偏析した場合は、通気抵抗の上昇が十分に抑制されていることがわかる。なお、図3における○、□および△は、図2での符号と同様の装入方法を意味する。
以上より、塊鉱石を試料層5すなわち鉄原料層の上層に偏析(混合)することが、コークス層が薄い条件において、高炉内の通気性の改善に効果があることがわかった。
次に、本発明の原料、並びに、原料装入手順及び原料装入位置について説明する。
本発明は、鉄原料およびコークスを、高炉に装入する方法であって、高炉への原料装入は、公知公用の旋回シュートを備えるベルレス式装入装置を用いることができる。
また、上記鉄原料およびコークスは、それぞれ炉頂バンカーに貯留されている。そして、これらの炉頂バンカーからの原料装入順序は、以下のとおりである。
まず、コークスを装入する。すなわち、旋回シュートの原料装入先を、高炉の中心部から高炉の炉壁内周部に向かって動かす際に、コークスのみを貯留した炉頂バンカーからコークスのみを装入することによって、コークス層を形成する。
その際、高炉の中心部に、中心コークス層を形成したり、炉壁内周部に、炉壁部(炉口無次元半径:1.0)から中心軸部(炉口無次元半径:0)に向かって、周辺コークス層を形成したりしても良い。
また、旋回シュートの原料装入先が高炉の炉壁部を向いている状態では、鉄原料が貯留された炉頂バンカーの流量調整ゲートを閉じ、コークスのみを貯留した炉頂バンカーのみの流量調整ゲートを開き、この炉頂バンカーに貯留されているコークスのみを旋回シュートに供給することによって、コークス層を形成したり、高炉の中心部に、中心コークス層を形成したりすることもできる。
ついで、炉頂バンカーから、鉄原料を切り出して高炉に装入するのであるが、その際は、高炉の中心軸に近い、すなわち、炉口無次元半径が0の位置から順次移動して高炉の中心軸から外側に離れ、最後に炉壁部(炉口無次元半径:1.0)側に装入することが好ましい。
ここで、本発明は、鉄原料を高炉に装入するに際し、鉄原料の1チャージ中の10質量%以上を塊鉱石とする必要がある。
というのは、従来は、塊鉱石の使用比率が10質量%以上になると、還元材比の増加が余儀なくされていた。ところが、本発明を適用すれば、通気性が改善されて還元効率が向上するため、従来は塊鉱石の使用比率が10質量%以上において不可避とされていた、還元材比の増加を回避することができる。なお、塊鉱石の使用量が30質量%を超えると、通気抵抗の上昇が抑えられなくなるおそれがあるため、鉄原料に混合する塊鉱石は30質量%以下であることが望ましい。
本発明において、鉄原料とは、少なくとも焼結鉱を含む鉱石原料と塊鉱石とを含むものである。鉄原料に占める鉱石原料は上記した塊鉱石を除く残部である。
本発明に使用する鉱石原料は、少なくとも焼結鉱を含むが、酸化鉄ペレット、鉄スクラップ等、高炉装入原料として通常用いられるものが含まれていても良い。なお、鉱石原料における焼結鉱の比率は50〜100質量%であることが鉄原料の被還元性を確保する点で好ましい。
そして、本発明の最大の特徴は、上記解明経緯でも説明したとおり、塊鉱石を偏析装入するのであるが、その具体的な手順としては、鉄原料の装入を2回以上に分割して、その2回目以降の鉄原料装入において、1チャージの全塊鉱石量の少なくとも80質量%を鉄原料として装入すること、および、かかる2回目以降の鉄原料を、高炉炉口での半径位置(r)を炉口半径(R)で無次元化した無次元半径(r/R):0.2〜0.8の範囲に装入すること、である。かかる手順とすることで、上記塊鉱石を上記鉄原料層の上層に偏析装入することができる。
一般に、高炉操業を行うに当たり、高炉の中心部におけるガス流れと周辺部におけるガス流れを確保することで通気性を維持している。すなわち、ガス流れを確保するためには、通気抵抗が大きい鉄原料層の厚みを低下させた操業を行っている。従って、高炉の中心部と周辺部は、鉄原料層の厚みが薄い領域であり、それらの中間部は鉄原料層が厚い領域となっている。具体的には、高炉の無次元半径r/Rで0.2〜0.8の領域は、鉄原料層が厚い領域となっているのが通例である。
そこで、本発明では、この領域の原料装入手順を上述のとおり規定した。かかる規定に従うことで、低コークス比操業下でも、効果的に高炉の通気性の改善効果が得られる。さらに、その中でも、高炉の上記した半径r/Rで0.2以上0.58未満の領域は、特に鉄原料層が厚い領域となっている。したがって、この領域の鉄原料層の上層に塊鉱石を偏析装入することが好ましく、2回目以降の原料装入のうち60%以上をこの領域に装入することが好ましい。
1回目に装入する鉄原料には、塊鉱石が含まれていないことが望ましいが、1チャージにおける全塊鉱石装入量の20質量%未満であれば、通気抵抗の上昇が抑制されるため、下層を形成する1回目に装入する鉄原料に含まれていても良い。
さらに、図4に鉄原料が溶融した時の高炉内の模式図を示す。図4(a)は塊鉱石を鉄原料層の下層に偏析した場合、図4(b)は塊鉱石を鉄原料層の上層に偏析した場合の様子を表している。
図4(a)に示したように、塊鉱石を鉄原料層の下層に偏析した場合、溶融した塊鉱石がコークス層と接触しているため、溶融物が降下してコークス層へ浸入していく。従って、塊鉱石を鉄原料層の下層に偏析した場合には、コークス層が薄いと、コークス層が閉塞して高炉内の通気抵抗が上昇してしまう。
一方、図4(b)に示したように、塊鉱石を、鉄原料層の上層に偏析した場合、塊鉱石が混合された鉄原料層は、鉄原料層の上層にあってコークス層とは接触していないため、低温から塊鉱石が軟化して溶融物を生成したとしても、溶融物のコークス層への浸入が起こらない。そのため、コークス層が閉塞しないので、塊鉱石を鉄原料層の上層に偏析混合した場合には通気抵抗が上昇しない。さらには、コークス層が薄い条件においても通気抵抗が維持されるという効果も発現する。なお、鉄原料層の下層部に全塊鉱石量の20質量%未満の塊鉱石が含まれている場合も同様であり、塊鉱石量が少ない場合には、塊鉱石が軟化して溶融物を生成したとしても、多量の焼結鉱に形成された鉄原料層の中に留まることによってコークス層の閉塞は防止されることになる。
特に、塊鉱石の結晶水含有量が6質量%以上の高結晶水塊鉱石を使用した場合には、低温から塊鉱石の軟化が開始し、溶融物を生成してコークス層への浸入量が多くなるため、溶融鉄原料の浸入層の厚さが増加する。その結果、ガスが容易に流れ得るコークス層が減少し通気抵抗が上昇する。この場合にあっても、本発明に従って、塊鉱石を、鉄原料層の上層に偏析することによって、図4(b)に示したように、溶融物がコークス層へ侵入しないので通気抵抗の上昇が抑制されるのである。従って、高結晶水塊鉱石を使用する場合には、本発明による効果は顕著である。
ここで、上記した図2および3に結果を示した実験では、上層は鉄原料層の全層厚の中心より上方の領域および下層は鉄原料層の全層厚の中心より下方の領域として実験を行ったが、塊鉱石を偏析させる領域はこれに限定されるわけではない。すなわち、塊鉱石の全量の少なくとも80質量%を鉄原料の2回目以降で装入すれば、鉄原料層の上方に塊鉱石が偏析した上層部分が形成されることになる。この塊鉱石の偏析域は鉄原料層の表面から全厚の70%以内の範囲内に形成される。
また、塊鉱石を偏析させるに際し、塊鉱石は焼結鉱中に均等に混合している必要はなく、単に混合していれば十分である。
本実施例は、内容積が5000m3である高炉を用い、旋回シュートを用いて、高炉内にコークスと鉄原料とを交互に装入した。
なお、本実施例に用いた鉄原料として、鉱石原料は全て鉄含有量が58質量%の焼結鉱を用い、塊鉱石は鉄含有量が60質量%で表2に示す結晶水含有量のものを用いた。また、コークスはカーボンを88質量%含むものであった。
さらに、塊鉱石の装入方法を変更し、各装入方法について通気抵抗指数を評価した。
具体的には、比較例1、2、4、6および7は、1チャージにおける上記鉄原料中の10〜30質量%を塊鉱石および残部を焼結鉱として均等に混合し、この鉄原料を分割することなく一度に装入した。
また、比較例3および5と発明例1〜6とは、1チャージにおける上記鉄原料中の10〜30質量%を塊鉱石とし、かつ鉄原料は、2回に分割して装入した。
1回目は、鉱石原料と1チャージにおける全塊鉱石量の30質量%または20質量%以下を含んだ鉄原料とを装入し、
2回目は、残りの鉄原料(1回目の装入に含まれない残りの塊鉱石を含む)を装入した。鉄原料の装入は、貯鉱槽から塊鉱石と鉱石原料を所定量ずつ排出し、ベルトコンベアで炉頂バンカーに搬送した後、高炉に装入した。1回目と2回目で塊鉱石の排出量を変更することで、鉄原料中の塊鉱石の比率を調整した
なお、各実施例の2回目の原料装入位置は表2に記載のとおりとした。

[通気抵抗指数]
通気抵抗指数は、以下の式で求めることができる。
通気抵抗指数=(PB 2−PT 2)/V1.7×100
ここで、PB:送風圧(kPa)、PT:炉頂圧(kPa)、V:送風量(Nm3/分)である。この通気抵抗指数が大きいほど炉内での圧力損失が高く通気性が悪いことを示し、低いほど炉内通気性が良好であることを示す。
各実験条件と実験結果を表2に示す。
Figure 0006354810
表2より、発明例1は、同じ結晶水含有量の塊鉱石を用いた比較例2と比べても、さらには、結晶水含有量の少ない塊鉱石を用いた比較例1と比べても、その通気抵抗は改善されていることがわかる。従って、本発明に従う原料装入方法は、同じ結晶水含有量の塊鉱石を鉄原料層全体に混合した場合に比べた場合のみならず、結晶水含有量の少ない塊鉱石を鉄原料層全体に混合した場合に比べても、コークス比を低減できることがわかった。
なお、比較例1と比べて比較例2は、結晶水含有量が多い塊鉱石を鉄原料層の全体に混合した場合である。表2に示したとおり、比較例2は、塊鉱石の結晶水含有量が多いため、通気抵抗指数が高いことがわかる。
比較例3は、塊鉱石全量の80質量%以上の装入位置が本発明の範囲外であり、炉腹コークス層厚が同じ発明例1と比較すると、発明例1の通気抵抗は改善されていることがわかる。すなわち、比較例3は、塊鉱石を上層に偏析させているが、原料装入位置が本発明の範囲外であるため、通気抵抗指数は比較例2と同程度であった。
次に、炉腹コークス層厚が薄く通気が比較的に悪い操業となる、比較例4と発明例2および3とを比較すると、発明例2および3の通気抵抗は大幅に改善されていることがわかる。特に、発明例3のように、高炉の無次元半径r/R0.2以上0.58未満の領域に、2回目以降の鉄原料装入のうち全塊鉱石の60%を装入した場合には、さらに通気抵抗が改善され、還元材比を低減できることがわかる。これは、特に鉱石層が厚い領域に塊鉱石を存在させることで、コークス層への溶融物の浸入を抑制して通気抵抗の上昇を抑制する効果が顕著になったためである。
また、上層の塊鉱石比率が異なる、発明例4と比較例5とを比較すると、上層の塊鉱石比率:80%以上を満足する発明例4の通気抵抗が改善されていることがわかる。
さらに、塊鉱石比率が20%と多く通気が比較的に悪い操業となる、発明例5と比較例6とを比較すると、発明例5の通気抵抗は改善されていることがわかる。さらにまた、塊鉱石比率が30%と多く通気が悪い操業となる、発明例6と比較例7とを比較すると、発明例6の通気抵抗は改善されていることがわかる。
以上より、塊鉱石を鉄原料層の上層の適切な位置に偏析混合して装入することで、結晶水含有量が多い塊鉱石を使用した場合における通気抵抗の上昇を抑制できることが確認できた。そして、かかる通気抵抗の上昇の抑制は、安定した高炉操業につながる。
1 試料加熱炉
2 試料充填容器
3 加熱装置
4 コークス層
5 試料層(鉄原料層)
6 試料充填層
7 気体加熱炉
8 加熱装置
9 ガス混合器
10 ガス流通用の配管
11 圧力計
12 熱電対
13 押え板
14 台座
15 接続棒
16 負荷手段(錘)

Claims (4)

  1. 高炉の炉頂部から旋回シュートを用いて高炉内にコークスと鉄原料とを交互に装入する高炉への原料装入方法において、少なくとも焼結鉱を含む鉱石原料と、少なくとも10質量%の塊鉱石とを鉄原料として高炉内に装入するに当たり、
    前記鉄原料の装入を2回以上に分割して行うこと、
    該鉄原料の2回目以降の装入において、1チャージの全塊鉱石量の少なくとも80質量%を前記高炉炉口での半径位置(r)を炉口半径(R)で無次元化した無次元半径(r/R):0.2〜0.8の範囲に装入すること
    を特徴とする高炉への原料装入方法。
  2. 前記塊鉱石は結晶水含有量が6質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の高炉への原料装入方法。
  3. 前記コークスの層厚(mm)をLcおよび平均粒径(mm)をDcとしたとき、Lc/Dcが2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉への原料装入方法。
  4. 前記2回目以降に装入する前記1チャージの全塊鉱石の60質量%以上を、前記高炉の炉口での半径位置(r)を炉口半径(R)にて無次元化した無次元半径(r/R)が0.2以上0.58未満の範囲に装入することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高炉への原料装入方法。
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