以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、本発明における暖房端末である室内ユニットと給湯端末である貯湯タンクとを有し、水冷媒熱交換器で冷媒と熱交換を行った温水を室内ユニットに循環させて暖房運転を行い、また、水冷媒熱交換器で冷媒と熱交換を行った温水で貯湯タンク内部に貯留された水を加熱する給湯運転(以降、沸き上げ運転と記載)を行うヒートポンプ式暖房給湯装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1は、本発明によるヒートポンプ式暖房給湯装置の構成を示している。このヒートポンプ式暖房給湯装置100は、能力可変型の圧縮機1、流路切替手段である四方弁2、冷媒と水との熱交換を行う水冷媒熱交換器3、膨張弁4、熱源側熱交換器5、アキュムレータ6を順に冷媒配管11で接続した冷媒回路10を有しており、四方弁2を切り換えることによって冷媒の循環方向を切り換えることができるようになっている。
この冷媒回路10において、圧縮機1の冷媒吐出口付近の冷媒配管11には、圧縮機1から吐出された冷媒の温度を検出するための吐出温度センサ51が備えられている。また、水冷媒熱交換器3と膨張弁4との間の冷媒配管11には、水冷媒熱交換器3が凝縮器として機能しているときに水冷媒熱交換器3から流出する冷媒の温度を、あるいは、水冷媒熱交換器3が蒸発器として機能しているときに水冷媒熱交換器3に流入する冷媒の温度を、各々検出する冷媒温度センサ53が備えられている。また、膨張弁4と熱源側熱交換器5との間の冷媒配管11には、熱源側熱交換器5が蒸発器として機能しているときに熱源側熱交換器5に流入する冷媒の温度を、あるいは、熱源側熱交換器5が凝縮器として機能しているときに熱源側熱交換器5から流出する冷媒の温度を、各々検出する熱交温度検出手段である熱交温度センサ54が備えられている。さらには、圧縮機1の吐出側(四方弁2と水冷媒熱交換器3との間)の冷媒配管11には、圧力センサ50が備えられている。また、熱源側熱交換器5近傍には、外気温度検出手段である外気温度センサ52が設けられている。
熱源側熱交換器5の近傍には、ヒートポンプ式暖房給湯装置100の図示しない筺体内部に外気を取り込んで熱源側熱交換器5に外気を流通させるファン7が配置されている。ファン7は、回転数を可変できる図示しないモータの出力軸(回転軸)に取り付けられている。また、膨張弁4は、ステッピングモータを用いて弁の開度をパルス制御可能としたものである。
水冷媒熱交換器3には、冷媒配管11と給湯配管12aとが接続されている。図1に示すように、給湯配管12aの一端は三方弁31に接続されており、この三方弁31には室内ユニット側配管12cの一端と貯湯タンク側配管12bの一端とが各々接続されている。また、給湯配管12aの他端には、室内ユニット側配管12cの他端と貯湯タンク側配管12bの他端とが接続されている。尚、図1において、給湯配管12aと貯湯タンク側配管12bと室内ユニット側配管12cとの接続部を接続点13としている。室内ユニット側配管12cには、床暖房装置やラジエター等の室内ユニット40が設けられており、また、貯湯タンク側配管12bには、貯湯タンク70が設けられている。
貯湯タンク70内部の下方には、スパイラル形状に形成された熱交換部71が備えられている。熱交換部71の両端は貯湯タンク側配管12bに接続されており、貯湯タンク側配管12bを流れる温水が熱交換部71に流れるようになっている。貯湯タンク70の上部には、貯湯タンク70内部に貯留されている温水を浴槽や洗面台蛇口等に供給するための給湯口73が備えられている。また、貯湯タンク70の下部には、貯湯タンク70内部に水を供給するための入水口72が備えられており、入水口72には図示しない水道管が直結されている。
接続点13と水冷媒熱交換器3との間には、能力可変型の循環ポンプ30が設けられている。循環ポンプ30を駆動することにより、水冷媒熱交換器3で冷媒と熱交換された水が、図1に示す矢印90の方向に循環する。尚、水冷媒熱交換器3から流出した水は、三方弁31の切り換えに応じて、矢印91に示すように室内ユニット側配管12cに流れて室内ユニット40に流入する、あるいは、矢印92に示すように貯湯タンク側配管12bに流れて貯湯タンク70に流入する。そして、室内ユニット40や貯湯タンク70から流出した水は、接続点13を介して水冷媒熱交換器3に流入する。
以上説明したように、水冷媒熱交換器3と循環ポンプ30と室内ユニット40と貯湯タンク70とが、給湯配管12aと貯湯タンク側配管12bと室内ユニット側配管12cとで接続されて、ヒートポンプ式暖房給湯装置100の給湯回路12を構成している。
給湯配管12aにおける水冷媒熱交換器3の水の入口側には、水冷媒熱交換器3に流入する水の温度である戻り温度を検出する戻り温度センサ56が備えられている。また、給湯配管12における水冷媒熱交換器3の水の出口側には、水冷媒熱交換器3から流出する水の温度である往き温度を検出する往き温度センサ57が備えられている。また、貯湯タンク70内部の上下方向の略中央部には、貯湯タンク70内部に滞留する温水の温度を検出する貯湯タンク温度センサ58が備えられている。
以上説明した構成の他に、ヒートポンプ式暖房給湯装置100は制御手段60を有している。制御手段60は、各温度センサで検出した温度や圧力センサ50で検出した冷媒圧力を取り込み、あるいは、図示しないリモコン等による使用者からの運転要求を取り込み、これらに応じて圧縮機1やファン7や循環ポンプ30の駆動制御、四方弁2の切り換え制御、膨張弁4の開度制御や三方弁31の切り換え制御等といった、ヒートポンプ式暖房給湯装置100の運転に関わる様々な制御を行う。尚、図示は省略するが、制御手段60は、時間を計測するタイマー部や、各種センサで検出した値やヒートポンプ式暖房給湯装置100の制御プログラム等を記憶する記憶部を有している。
次に、本実施形態のヒートポンプ式暖房給湯装置100における、冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作および給湯回路12における温水の流れや各部の動作について、図1を用いて説明する。本実施形態のヒートポンプ式暖房給湯装置100は、冷媒回路10を暖房サイクルとして室内ユニット40が設置された部屋の暖房を行う暖房運転と、冷媒回路10を暖房サイクルとして貯湯タンク70に貯留されている水を沸き上げる沸き上げ運転と、これら暖房運転や沸き上げ運転を行っているときに冷媒回路10を冷房サイクルとして熱源側熱交換器5の除霜を行う逆サイクル除霜運転を行うことができる。
以下の説明では、まず、暖房運転時のヒートポンプ式暖房給湯装置100の動作について説明し、次に、沸き上げ運転時のヒートポンプ式暖房給湯装置100の動作について説明し、最後に、逆サイクル除霜運転時のヒートポンプ式暖房給湯装置100の動作について説明する。
<暖房運転>
使用者が室内ユニット40のリモコン等を操作して暖房運転開始を指示すると、制御手段60は、循環ポンプ30を所定の回転数で起動するとともに、室内ユニット側配管12cに温水が流れるように三方弁31を切り換える。これにより、図1の矢印91に示すように、水冷媒熱交換器3と室内ユニット40との間で温水が循環する。
また、制御手段60は、冷媒回路10が暖房サイクルとなるように四方弁2を切り換える。具体的には、制御手段60は、圧縮機1の吐出側と水冷媒熱交換器3とが接続されるよう、また、圧縮機1の吸入側と熱源側熱交換器5とが接続されるよう、四方弁2を切り換える。これにより、水冷媒熱交換器3が凝縮器として機能し、また、熱源側熱交換器5が蒸発器として機能する。
次に、制御手段60は、圧縮機1およびファン7を起動してヒートポンプ式暖房給湯装置100の暖房運転を開始する。制御手段60は、往き温度センサ57で検出された往き温度、つまり、水冷媒熱交換器3で加熱された水の温度が、使用者が設定した暖房運転の設定温度に対応する水温(以降、目標往き温度と記載)となるように圧縮機1を制御する。具体的には、制御手段60は、往き温度センサ57で検出された往き温度と目標往き温度との温度差を求め、記憶部に予め記憶されている温度差と圧縮機1の回転数とを関係付けたテーブルを参照して圧縮機1の回転数を決定し、この回転数で圧縮機1を駆動する。
圧縮機1が駆動すると、図1の矢印80に示すように、圧縮機1から吐出された冷媒は四方弁2を通過し、水冷媒熱交換器3で水と熱交換して凝縮し、さらに膨張弁4で減圧されて熱源側熱交換器5で外気と熱交換して蒸発し、圧縮機1に吸入されて再び圧縮機1で圧縮される過程を繰り返す。
一方、水冷媒熱交換器3で冷媒と熱交換を行って加熱された温水は、循環ポンプ30の駆動によって給湯配管12aに流出し、三方弁31を介して室内ユニット側配管12cを流れて室内ユニット40に流入する。室内ユニット40が設置されている部屋は、室内ユニット40を流れる温水の放熱によって暖房される。室内ユニット40から流出した温水は、接続点13、循環ポンプ30を介して水冷媒熱交換器3に流入し、再び冷媒と熱交換を行って加熱される。
<沸き上げ運転>
次に、沸き上げ運転を行う場合について説明する。暖房運転では、制御手段60は、往き温度センサ57で検出された往き温度が、使用者が設定した暖房運転の設定温度に対応する目標往き温度となるように圧縮機1の駆動制御を行うが、沸き上げ運転では、往き温度センサ57で検出された往き温度が、後述する貯湯タンク70に貯留されている水温の目標値である沸き上げ温度に対応する目標往き温度となるように圧縮機1を制御する。尚、沸き上げ運転時の冷媒回路10の動作については、上述した暖房運転時と同じであるため、以下で詳細な説明は省略する。
貯湯タンク70に貯留されている温水は、給湯口73から流出することによって減少する。入水口72には前述したように水道管が直結されているので、水道水の水圧によって貯湯タンク70には、減少した分だけ入水口72から水が供給される。これにより、貯湯タンク70に貯留されている温水の温度は低下する。
制御手段60は、貯湯タンク70に貯留されている温水の温度として、貯湯タンク温度センサ58で検出した貯湯タンク温度を常時監視しており、取り込んだ貯湯タンク温度が、沸き上げ温度から予め定められた所定温度(例えば、5℃)低い温度である沸き上げ開始温度以下となれば、貯湯タンク70に貯留されている温水の温度を沸き上げ温度とするために沸き上げ運転を開始する。
制御手段60は、循環ポンプ30を所定回転数で起動するとともに、貯湯タンク側配管12bに水が流れるように三方弁31を切り換える。これにより、図1の矢印92に示すように、水冷媒熱交換器3と貯湯タンク70との間で温水が循環する。水冷媒熱交換器3で冷媒と熱交換を行って加熱された温水は、循環ポンプ30の運転によって水冷媒熱交換器3から給湯配管12aに流出し、三方弁31を介して貯湯タンク側配管12bを流れて貯湯タンク70内部に配置されている熱交換部71に流入する。貯湯タンク70に貯留されている水は、熱交換部71を流れる温水によって加熱される。熱交換部71から流出した温水は、接続点13、循環ポンプ30を介して水冷媒熱交換器3に流入し、再び冷媒と熱交換を行って加熱される。
<逆サイクル除霜運転>
本実施形態のヒートポンプ式暖房給湯装置100が、冷媒回路10を暖房サイクルとして上述した暖房運転や沸き上げ運転を行っているとき、除霜運転開始条件が成立していれば、冷媒回路10を冷房サイクルとして熱源側熱交換器5を除霜する逆サイクル除霜運転を実行する。ここで、除霜運転開始条件とは、例えば、前回の除霜運転から3時間以上が経過し、かつ、3時間経過後の熱源側熱交換器の温度が0℃未満である場合のように、暖房運転や沸き上げ運転の運転効率が低下する程度の霜が熱源側熱交換器5に付着している恐れがある条件である。
以下、逆サイクル除霜運転時のヒートポンプ式暖房給湯装置100の動作について説明するが、逆サイクル除霜運転時の給湯回路12の動作については、前述した暖房運転や沸き上げ運転を行っている場合と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、冷媒回路10の動作を説明する際には、適宜図2も用いて説明する。
図2は、暖房運転中あるいは沸き上げ運転中に逆サイクル除霜運転を行う場合の、往き温度センサ57で検出する往き温度、戻り温度センサ56で検出する戻り温度、圧縮機1の回転数の各々の時間変化を示すタイムチャートである。図2において、(A)は従来の制御を行う場合のタイムチャートを示し、(B)は本発明に関わる制御を行う場合のタイムチャートである。
図2において、Toは往き温度、Tiは戻り温度、Togは目標往き温度、Tigは往き温度Toが目標往き温度Togで安定しているときの戻り温度、Crは圧縮機1の回転数、Crwは往き温度Toが目標往き温度Togで安定しているときの圧縮機1の回転数(以降、暖房時回転数と記載)、Crdは逆サイクル除霜運転時の圧縮機1の回転数(除霜運転時回転数)、tuは冷媒回路10の均圧に必要な均圧時間をそれぞれ示している。また、t1は暖房運転中あるいは沸き上げ運転中に除霜運転開始条件が成立して暖房運転あるいは沸き上げ運転が中断される時刻、t2はt1から均圧時間tuが経過して逆サイクル除霜運転を開始する時刻、t3は逆サイクル除霜運転中に後述する除霜運転終了条件が成立して逆サイクル除霜運転を停止する時刻、t4はt3から均圧時間tuが経過して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開する時刻をそれぞれ示している。
さらには、「暖房」は暖房運転中あるいは沸き上げ運転中であることを示し、「除霜」は逆サイクル除霜運転中であることを示し、「均圧」は冷媒回路10の均圧処理中であることをそれぞれ示している。尚、均圧処理とは、冷媒回路10の高圧側(圧縮機1の冷媒吐出側)の冷媒圧力と低圧側(圧縮機1の冷媒吸入側)の冷媒圧力とが略等しくなるようにするために、高圧側の冷媒圧力と低圧側の冷媒圧力が略等しくなるのに必要な時間である均圧時間の間圧縮機1を停止し続ける処理である。
また、図2(A)において、Tobは逆サイクル除霜運転終了後の均圧処理が完了した時刻t4における往き温度、ΔTb1は目標往き温度Togと時刻t4における往き温度Tobとの温度差、ΔTb2は暖房運転あるいは沸き上げ運転再開後に目標往き温度Togより高くなる往き温度Toと目標往き温度Togとの温度差の最大値、Crbは温度差ΔTb1に対応した暖房運転あるいは沸き上げ運転再開後の圧縮機1の起動回転数をそれぞれ示している。ここで、各往き温度Toの大小関係は、Tob<Tig<Togとなる。また、圧縮機1の各回転数Crの大小関係は、Crw<Crd<Crbとなる。
制御手段60は、ヒートポンプ式暖房給湯装置100が暖房運転あるいは沸き上げ運転を行っているときに時刻t1で除霜運転開始条件が成立すると、圧縮機1やファン7を停止して暖房運転あるいは沸き上げ運転を中断し、時刻t1から均圧時間tuが経過して時刻t2となれば、冷媒回路10が冷房サイクルとなるように四方弁2を切り換える。具体的には、制御手段60は、圧縮機1の吐出側と熱源側熱交換器5とが接続されるよう、また、圧縮機1の吸入側と水冷媒熱交換器3とが接続されるよう、四方弁2を切り換える。これにより、熱源側熱交換器5が凝縮器として機能し、また、水冷媒熱交換器3が蒸発器として機能する。
次に、制御手段60は、圧縮機1を起動して逆サイクル除霜運転を開始する。制御手段60は、圧縮機1を除霜運転時回転数Crdで起動し、逆サイクル除霜運転中は除霜運転時回転数Crdを維持する。また、制御手段60は、逆サイクル除霜運転中はファン7を駆動しない
冷媒回路10を冷房サイクルとして圧縮機1を除霜運転時回転数Crdで起動すると、図1の破線矢印81に示すように、圧縮機1から吐出された冷媒は四方弁2を通過し、熱源側熱交換器5に流入して熱源側熱交換器5に付着した霜を融解する。熱源側熱交換器5から流出した冷媒は膨張弁4で減圧されて水冷媒熱交換器3で給湯回路12を循環している温水と熱交換して蒸発し、圧縮機1に吸入されて再び圧縮機1で圧縮される過程を繰り返す。
制御手段60は、逆サイクル除霜運転を行っているときに時刻t3で除霜運転終了条件が成立すると圧縮機1を停止し、均圧時間tuが経過して時刻t4となれば、冷媒回路10が暖房サイクルとなるように四方弁2を切り換えて圧縮機1とファン7とを再起動して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開する。ここで、除霜運転終了条件とは、例えば、熱源側熱交換器5の温度が10℃以上となった場合や、時刻t2で逆サイクル除霜運転を開始してから10分以上が経過した場合等のように、熱源側熱交換器5に付着していた霜が全て融解したと考えられる条件である。
以上説明したように、暖房運転中あるいは沸き上げ運転中に逆サイクル除霜運転を行い逆サイクル除霜運転終了後に暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開するとき、ヒートポンプ式暖房給湯装置100で従来の圧縮機1の制御を行うと、以下に説明する問題が発生する恐れがあった。
図2(A)に示すように、暖房運転中あるいは沸き上げ運転中に往き温度Toが目標往き温度Togで安定しているとき、戻り温度Tiも目標往き温度Togより所定温度(例えば、5℃)低い温度Tigで安定している。時刻t1で暖房運転あるいは沸き上げ運転を中断して逆サイクル除霜運転を行うとき、逆サイクル除霜運転に移行する前の均圧処理で、往き温度Toが低下して戻り温度Ti(=Tig)と同じ温度となる。これは、均圧処理時に圧縮機1が停止し水冷媒熱交換器3で水と冷媒との熱交換が行われなくなることによる。
均圧処理を時刻t2まで続けた後逆サイクル除霜運転に移行すると、熱源側熱交換器5で霜を融かして冷却された冷媒が水冷媒熱交換器3に流入して温水と熱交換を行うため、往き温度Toが更に低下する。往き温度Toの低下は、熱源側熱交換器5で霜が融解するまで続き、霜が融解した後は、熱源側熱交換器5における凝縮能力の低下に伴って水冷媒熱交換器3に流入する冷媒の温度も上昇するので、霜が融解してから除霜運転終了条件が成立して逆サイクル除霜運転を終了するまで(時刻t3まで)の間は、往き温度Toは上昇する。
一方、逆サイクル除霜運転に移行した後の戻り温度Tiは、往き温度Toと同じ時刻で低下し出すのではなく、水冷媒熱交換器3から流出した温水が給湯回路12を循環して再び水冷媒熱交換器3に流入するまでの時間だけ往き温度Toの低下から遅れて低下し始める。そして、図2(A)に示すように、戻り温度Tiの低下は、逆サイクル除霜運転終了後の均圧処理の間も低下し続ける。これは、給湯回路12の室内ユニット40や貯湯タンク70の熱容量が大きいことに起因するものであり、温度が低下して水冷媒熱交換器3から流出した温水が室内ユニット40や貯湯タンク70を冷やすのに時間がかかるためである。
以上のことから、図2(A)に示すように、暖房運転再開後の均圧処理において、逆サイクル除霜運転に移行する前の均圧処理のときと同様の理由で往き温度Toと戻り温度Tiとが同じ温度となり、かつ、戻り温度Tiの低下に伴って往き温度Toも低下することから、時刻t4で暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開するときの往き温度Toは、逆サイクル除霜運転実行前の暖房運転時の戻り温度Tigよりも低い温度Tobとなっている恐れがある。
この状態で制御手段60が、目標往き温度Togと暖房運転再開時の往き温度Tobとの温度差であるΔTb1に応じて、暖房運転再開時あるいは沸き上げ運転再開時の圧縮機1の起動回転数Crbを決定すると、温度差ΔTb1が大きいことに起因して起動回転数Crbも高くなる(例えば、90rps)。そして、高い起動回転数Crbで圧縮機1を起動して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開すれば、図2(A)にΔTb2で示すように、往き温度Toが過昇して目標往き温度Togより高くなる、所謂往き温度Toのオーバーシュートが発生し、過剰な暖房運転あるいは沸き上げ運転となってヒートポンプ式暖房給湯装置100の省エネ性が低下する恐れがあった。
そこで本発明では、逆サイクル除霜運転終了後の暖房運転再開時あるいは沸き上げ運転再開時に、この時点での往き温度Toと目標往き温度Togとの温度差に基づいて圧縮機1の再起動時の回転数を決めるのではなく、圧縮機1を逆サイクル除霜運転実行前の回転数、すなわち、往き温度Toが目標往き温度Togで安定していたときの回転数である暖房時回転数Crwで起動して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開する。
以上のように圧縮機1を暖房時回転数Crwで起動して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開することによって、暖房運転再開後あるいは沸き上げ運転再開後の往き温度Toの上昇を緩やかにできる。具体的には、図2(B)に示す本実施形態のように、時刻t4で圧縮機1を暖房時回転数Crwで起動することで、大きな温度差ΔTb1に応じて決定した高い回転数で圧縮機1を駆動する場合に比べて往き温度Toの上昇を緩やかにできる。このため、往き温度Toが過昇してオーバーシュートすることを抑制できる。
次に、図3に示すフローチャートを用いて、逆サイクル除霜運転時に制御手段60が行う制御について説明する。図3に示すフローチャートは、ヒートポンプ式暖房給湯装置100で暖房運転や沸き上げ運転を行っているときに逆サイクル除霜運転を行いその後暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開する際の、主に圧縮機1の制御に関する処理の流れを示すものであり、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図3では、ファン7の回転数制御や膨張弁4の開度制御等といった、本発明に関わる制御以外のヒートポンプ式暖房給湯装置100の制御に関しては、図示と説明を省略している。
制御手段60は、暖房運転あるいは沸き上げ運転を行っているとき、除霜運転開始条件が成立しているか否かを判断する(ST1)。例えば、制御手段60は、暖房運転や沸き上げ運転を行っているとき、前回の除霜運転から3時間以上が経過した後に熱交温度センサ54で検出した熱源側熱交換器の温度が0℃未満であるか否かを判断している。尚、制御手段60は、熱交温度センサ54で検出した熱源側熱交換器5の温度を所定時間毎(例えば、30秒毎)に取り込んでいる。
除霜運転開始条件が成立していなければ(ST1−No)、制御手段60は、暖房運転や沸き上げ運転を継続し(ST12)、ST1に処理を戻す。除霜運転開始条件が成立していれば(ST1−Yes)、制御手段60は、現在の圧縮機回転数Crである暖房運転時回転数Crwを記憶する(ST2)。
次に、制御手段60は、圧縮機1とファン7を停止するとともに、タイマー計測を開始する(ST3)。
次に、制御手段60は、ST3でタイマー計測を開始してから均圧時間tuが経過したか否かを判断する(ST4)。均圧時間tuが経過していなければ(ST4−No)、制御手段60は、ST4に処理を戻す。均圧時間tuが経過していれば(ST4−Yes)、制御手段60は、四方弁2を切り替えて冷媒回路10を暖房サイクルから冷房サイクルに切り替えるとともに、タイマーをリセットする(ST5)。
次に、制御手段60は、除霜運転時回転数Crdで圧縮機1を起動する(ST6)。逆サイクル除霜運転時の回転数Crdは、できる限り除霜運転時間を短くするため高い方が好ましく、例えば、70rpsとされる。尚、前述したように、制御手段60は、逆サイクル除霜運転中はこの回転数Crdを維持するよう圧縮機1を制御する。
次に、制御手段60は、除霜運転終了条件が成立しているか否かを判断する(ST7)。例えば、制御手段60は、逆サイクル除霜運転を行っているとき、所定時間毎に熱交温度センサ54から取り込んでいる熱源側熱交換器5の温度が10℃以上となったか否かで、除霜運転終了条件が成立しているか否かを判断している。
除霜運転終了条件が成立していなければ(ST7−No)、制御手段60は、ST7に処理を戻して逆サイクル除霜運転を継続する。除霜運転終了条件が成立していれば(ST7−Yes)、制御手段60は、圧縮機1を停止するとともに、タイマー計測を開始する(ST8)。
次に、制御手段60は、ST8でタイマー計測を開始してから均圧時間tuが経過したか否かを判断する(ST9)。均圧時間tuが経過していなければ(ST9−No)、制御手段60は、ST9に処理を戻す。均圧時間tuが経過していれば(ST9−Yes)、制御手段60は、四方弁2を切り替えて冷媒回路10を冷房サイクルから暖房サイクルに戻すとともに、タイマーをリセットする(ST10)。
次に、制御手段60は、ST2で記憶した暖房運転時回転数Crwで圧縮機1を起動するとともにファン7を起動し(ST11)、ST1に処理を戻す。
次に、本発明のヒートポンプ式暖房給湯装置の第2の実施形態について、図4乃至図6を用いて説明する。本実施形態におけるヒートポンプ式暖房給湯装置の構成や動作は、図1を用いて説明した第1の実施形態におけるヒートポンプ式暖房給湯装置100と同じであるため、詳細な説明は省略する。第1の実施形態と異なるのは、逆サイクル除霜運転後の暖房運転あるいは給湯運転の再開時、逆サイクル除霜運転前の暖房運転時あるいは沸き上げ運転時の回転数である暖房運転時回転数Crwで圧縮機1を起動するのではなく、熱交温度センサ54で検出する熱源側熱交換器5の温度(以降、熱源側熱交温度Teと記載)と外気温度センサ52で検出する外気温度(以降、外気温度Taと記載)の温度差ΔTf(=Te−Ta)を算出し、後述する回転数補正テーブル200を参照して暖房運転時回転数Crwを補正値Xだけ補正した回転数で圧縮機1を起動することである。
まず、図4に示す回転数補正テーブル200について説明する。回転数補正テーブル200は、予め実施された試験の結果等に基づいて作成し制御手段60に記憶されているものである。回転数補正テーブル200には、上述した温度差ΔTf(単位:℃)と暖房運転時回転数Crw(単位:rps)に応じて、補正値X(単位:℃)が定められている。
図4に示すように、温度差ΔTfは、3℃未満、3℃以上5℃未満、5℃以上7℃未満、7℃以上、の4つの温度範囲に区分されている。また、温度差ΔTfの4つの温度範囲それぞれについて、暖房運転時回転数Crwは、40rps未満、40rps以上70rps未満、70rps以上、の3つの回転数範囲に区分されて割り当てられている。
補正値Xについては、温度差ΔTfが3℃未満である場合は、暖房運転時回転数Crwの回転数範囲に関わらず0℃と定められている。また、温度差ΔTfが3℃以上である場合の各温度範囲において、暖房運転時回転数Crwが上昇するのにつれて補正値Xが負の方向に大きくなるように定められており、例えば、温度差ΔTfが3℃以上5℃未満である場合は、暖房運転時回転数Crwが40rps未満で補正値X:−5rps、40rps以上70rps未満で補正値X:−10rps、70rps以上で補正値X:−15rps、と定められている。
また、温度差ΔTfが3℃以上である場合の温度範囲違いの補正値Xを見ると、温度差ΔTfが大きくなるのにつれて補正値Xが負の方向に大きくなるように定められており、例えば、各温度範囲における暖房運転時回転数Crwが40rps未満のときの補正値Xを見ると、温度差ΔTfが3℃以上5℃未満で補正値X:−5rps、5℃以上7℃未満で補正値X:−10rps、7℃以上で補正値X:−15rpsと定められている。
前述したように、温度差ΔTfは熱源側熱交温度Teと外気温度Taの温度差である。そして、ヒートポンプ式暖房給湯装置100が暖房運転あるいは沸き上げ運転を行っているとき、蒸発器として機能している熱源側熱交換器5の熱源側熱交温度Teが0℃以下である場合に、温度差ΔTfが大きい程つまり外気温度Taに比べて熱源側熱交温度Teが低い程、熱源側熱交換器5における着霜量が多くなる。尚、温度差ΔTfが3℃未満である場合は、熱源側熱交換器5における着霜は発生していないと考えられる。
一方、暖房運転時回転数Crwが高い程低圧が低下するので、ヒートポンプ式暖房給湯装置100が暖房運転および/または沸き上げ運転を行っているとき、蒸発器として機能している熱源側熱交換器5の熱源側熱交温度Teが低下する。そして、熱源側熱交温度Teが低下して0℃以下となれば、そのときの外気温度Taに比べて熱源側熱交温度Teが低い程、熱源側熱交換器5における着霜量が多くなる。
回転数補正テーブル200では、前述したように、温度差ΔTfが3℃未満である場合は暖房運転時回転数Crwに関わらず補正値Xが0とされている。また、温度差ΔTfが3℃以上である場合は温度差ΔTfが大きくなるのにつれて補正値Xが負の方向に大きくなるように定められており、かつ、暖房運転時回転数Crwが上昇するのにつれて補正値Xが負の方向に大きくなるように定められている。つまり、回転数補正テーブル200では、熱源側熱交換器5に着霜が発生していないときは補正値Xを0とするとともに、熱源側熱交換器5における着霜量が多くなるにつれて補正値Xが負の方向に大きくなるように定められている。
ヒートポンプ式暖房給湯装置100が暖房運転あるいは沸き上げ運転を行っているときに、除霜運転開始条件が成立するということは、除霜運転開始条件が成立する時刻(例えば、図2(B)の時刻t1)までの間に、温度差ΔTfや暖房運転時回転数Crwに応じた量の霜が熱源側熱交換器5に発生しているということである。このときの圧縮機1の回転数である暖房運転時回転数Crwは、霜が発生して熱源側熱交換器5の蒸発能力が低下している状態で、往き温度Toが目標往き温度Togに維持できている回転数であることを意味する。
従って、第1の実施形態のように、逆サイクル除霜運転が終了して暖房運転を再開するときに逆サイクル除霜運転前の暖房運転時回転数Crwで圧縮機1を起動すれば、逆サイクル除霜運転を行ったことで熱源側熱交換器5の霜は融解していることから、熱源側熱交換器5における蒸発能力が逆サイクル除霜運転を行う前以上の能力となる。そして、熱源側熱交換器5における蒸発能力が逆サイクル除霜運転を行う前以上の能力となれば、往き温度Toが過昇して目標往き温度Togより高くなる、所謂往き温度Toのオーバーシュートが発生し、過剰な暖房運転あるいは沸き上げ運転となってヒートポンプ式暖房給湯装置100の省エネ性が低下する恐れがあった。
そこで、本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態のように、逆サイクル除霜運転終了後の暖房運転再開時あるいは沸き上げ運転再開時に、圧縮機1を逆サイクル除霜運転実行前の暖房時回転数Crwで起動して暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開するのではなく、逆サイクル除霜運転実行前の暖房時回転数Crwとともに、逆サイクル除霜運転実行直前に検出した熱源側熱交温度Teや外気温度Taを取り込んで温度差ΔTfを算出して記憶し、逆サイクル除霜運転終了後の暖房運転再開時あるいは沸き上げ運転再開時に回転数補正テーブル200を参照して温度差ΔTfと暖房運転時回転数Crwに応じた補正値Xを抽出し、この補正値Xで暖房時回転数Crwを補正した回転数で圧縮機1を起動する。
図5は、本実施形態において、暖房運転中あるいは沸き上げ運転中に逆サイクル除霜運転を行う場合の、往き温度センサ57で検出する往き温度、戻り温度センサ56で検出する戻り温度、圧縮機1の回転数の各々の時間変化を示すタイムチャートである。尚、図5における各温度を示す記号や圧縮機1の回転数を示す記号、「暖房」や「均圧」等のヒートポンプ式暖房給湯装置100の状態を表す用語の意味は、第1の実施形態で説明した図2と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、時刻t4までの往き温度To、戻り温度Tiおよび圧縮機回転数Crの変化についても、図2における時刻t4までの変化と同じであるため、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態では、冷媒回路10の均圧処理が完了した時刻t4で、回転数補正テーブル200から抽出した補正値Xで暖房時回転数Crwを補正した回転数、つまり、暖房時回転数Crwから補正値Xの絶対値だけ低い回転数で圧縮機1を起動する。従って、逆サイクル除霜運転前の熱源側熱交換器5における着霜量に応じた補正値Xで暖房時回転数Crwを補正した回転数で圧縮機1を起動することができるので、往き温度Toの上昇をより緩やかにでき、往き温度Toが過昇してオーバーシュートすることを確実に抑制できる。
次に、図6に示すフローチャートを用いて、第2の実施形態における逆サイクル除霜運転時に制御手段60が行う制御について説明する。図6に示すフローチャートは、第2の実施形態においてヒートポンプ式暖房給湯装置100で暖房運転や沸き上げ運転を行っているときに逆サイクル除霜運転を行い、その後暖房運転あるいは沸き上げ運転を再開する際の、主に圧縮機1の制御に関する処理の流れを示すものであり、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図6では、ファン7の回転数制御や膨張弁4の開度制御等といった、本発明に関わる制御以外のヒートポンプ式暖房給湯装置100の制御に関しては、図示と説明を省略している。
制御手段60は、暖房運転あるいは沸き上げ運転を行っているとき、除霜運転開始条件が成立しているか否かを判断する(ST21)。例えば、制御手段60は、暖房運転や沸き上げ運転を行っているとき、前回の除霜運転から3時間以上が経過した後に熱交温度センサ54で検出した熱源側熱交換器の温度が0℃未満であるか否かを判断している。尚、制御手段60は、熱交温度センサ54で検出した熱源側熱交換器5の温度を所定時間毎(例えば、30秒毎)に取り込んでいる。
除霜運転開始条件が成立していなければ(ST1−No)、制御手段60は、暖房運転や沸き上げ運転を継続し(ST34)、ST21に処理を戻す。除霜運転開始条件が成立していれば(ST21−Yes)、制御手段60は、現在の圧縮機回転数Crである暖房運転時回転数Crwを記憶する(ST22)。
次に、制御手段60は、熱交温度センサ54で検出した熱源側熱交温度Teと、外気温度センサ52で検出した外気温度Taを取り込み、温度差ΔTfを算出して記憶する(ST23)。温度差ΔTfを算出して記憶した制御手段60は、圧縮機1とファン7を停止するとともに、タイマー計測を開始する(ST24)。
次に、制御手段60は、ST24でタイマー計測を開始してから均圧時間tuが経過したか否かを判断する(ST25)。均圧時間tuが経過していなければ(ST25−No)、制御手段60は、ST25に処理を戻す。均圧時間tuが経過していれば(ST25−Yes)、制御手段60は、四方弁2を切り替えて冷媒回路10を暖房サイクルから冷房サイクルに切り替えるとともに、タイマーをリセットする(ST26)。
次に、制御手段60は、除霜運転時回転数Crdで圧縮機1を起動する(ST27)。逆サイクル除霜運転時の回転数Crdは、できる限り除霜運転時間を短くするため高い方が好ましく、例えば、70rpsとされる。尚、前述したように、制御手段60は、逆サイクル除霜運転中はこの回転数Crdを維持するよう圧縮機1を制御する。
次に、制御手段60は、除霜運転終了条件が成立しているか否かを判断する(ST28)。例えば、制御手段60は、逆サイクル除霜運転を行っているとき、所定時間毎に熱交温度センサ54から取り込んでいる熱源側熱交換器5の温度が10℃以上となったか否かで、除霜運転終了条件が成立しているか否かを判断している。
除霜運転終了条件が成立していなければ(ST28−No)、制御手段60は、ST28に処理を戻して逆サイクル除霜運転を継続する。除霜運転終了条件が成立していれば(ST28−Yes)、制御手段60は、圧縮機1を停止するとともに、タイマー計測を開始する(ST29)。
次に、制御手段60は、ST29でタイマー計測を開始してから均圧時間tuが経過したか否かを判断する(ST30)。均圧時間tuが経過していなければ(ST30−No)、制御手段60は、ST30に処理を戻す。均圧時間tuが経過していれば(ST30−Yes)、制御手段60は、四方弁2を切り替えて冷媒回路10を冷房サイクルから暖房サイクルに戻すとともに、タイマーをリセットする(ST31)。
次に、制御手段60は、ST23で記憶した温度差ΔTfと暖房運転時回転数Crを読み出し、回転数補正テーブル200を参照して補正値Xを抽出する(ST32)そして、制御手段60は、読み出した暖房運転時回転数Crwを補正値Xで補正した回転数で圧縮機1を起動するとともにファン7を起動し(ST33)、ST21に処理を戻す。
以上説明したように、本発明のヒートポンプ式暖房給湯装置は、逆サイクル除霜運転後の暖房運転および/または給湯運転の再開時に、記憶している除霜運転実行前の暖房運転時の回転数で圧縮機を再起動する。これにより、往き温度の過昇を抑制することができる。