JP6352312B2 - 異性体検体を決定する方法および試薬 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年2月28日に出願された米国特許非仮出願第13/780,305号の米国特許法第119条(e)の下での利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、異性体検体を含有することが疑われるサンプルにおいて2つまたはそれ以上の異性体検体のそれぞれの存在および/または量を決定するための、組成物、方法およびキットに関する。
例えば、薬物およびビタミンといったような多くの小分子化合物またはハプテンは、異性体形態で存在し、そのうちの1つの形態のみが活性である。検体の活性形態の正確な測定を得るためには、検体の非活性異性体の存在に対処しなければならない。検体の両方の異性体形態、すなわち、活性および非活性形態の測定は、検体の活性形態の機能に応じて個々に有害となりうる不正確さを導く可能性がある。生体サンプル中の一対の異性体検体のそれぞれのレベルを正確に評価することは、特に異性体の1つのみが活性である場合、重要であり、そして非活性異性体の量を含む測定は、サンプル中の検体のレベルを歪める。例えば、ビタミンD欠乏は哺乳動物の多くの障害と関係があるため、生体サンプル中のビタミンDレベルを測定することは重要である。乳児では、例えば、3−エピ異性体の量を含むビタミンDの測定により乳児のビタミンDレベルの不正確な評価が導かれることがあり、これにより次に適当な補充が不足することになりうる。必要に応じて、乳児が適当なビタミンD療法を受けることができるように、ビタミンDの活性形態を測定することが重要である。
「ビタミンD」という用語は、脂溶性セコステロイドの一群をいう。ヒトでは、ビタミンDは、コレカルシフェロール(ビタミンD)またはエルゴカルシフェロール(ビタミンD)として摂取することができるため、そして日光への曝露が十分であるときは、体内で(コレステロールから)それを合成することもできるため、ビタミンDは独特である。この後者の性質のため、ビタミンDは、ほとんど必須栄養素と考えられているにもかかわらず、食物中の非必須ビタミンであるとも考えられている。ビタミンDは、カルシウムイオン恒常性の正の制御において重要な生理学的役割を有する。ビタミンDは、動物によって合成されるビタミンの形態である。また、それは、ビタミンDと同様に、乳製品および特定の食品に添加される一般的なサプリメントでもある。
食物中のおよび内因的に合成されたビタミンDは、代謝活性化を受けて生物活性代謝物を生成する。ヒトでは、ビタミンD活性化における最初のステップは、主として肝臓中で起こり、そして中間代謝物25−ヒドロキシコレカルシフェロール(カルシジオール、カルシフェジオール、25−ヒドロキシコレカルシフェロールまたは25−ヒドロキシビタミンDとも呼ばれる、を形成するヒドロキシル化を含む。カルシジオールは、循環系中のビタミンDの主要形態である。ビタミンDも、25−ヒドロキシビタミンDに類似した代謝活性化を受ける。これらの化合物は、まとめて25−ヒドロキシビタミンD(略して25(OH)D)と呼ばれ、そしてそれらはビタミンDの状態を決定するために血清中で測定される主要な代謝物である;25(OH)Dおよびそのエピマーは、いずれも生物学的機能を発揮するために1,25(OH)Dに変換される必要があるプレホルモンである。1,25(OH)Dの生物活性を、3−エピ−1,25(OH)Dのそれに対して比較することは、複雑である。
ビタミンD化合物25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDは、3位のエピマーであり、それらのエピマーは、それぞれ25−ヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDならびに25−ヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDと表わされる。これらのエピマー化合物のそれぞれのエピマーの一方のみ、すなわち、それぞれ25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDが活性である。25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDのエピマーに関する構造は、図1に記載されている。
このような検体を含有することが疑われるサンプルにおいて、異性体検体の濃度を正確に、かつ高感度で測定するための試薬および方法が必要とされている。例えば、ビタミンDのエピマー形態の濃度を正確に、かつ高感度で測定するための試薬および方法が必要とされている。
本明細書に記載された原理によるいくつかの例は、サンプル中で第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定する方法に関する。本方法では、第1の測定値および第2の測定値が決定される。第1の測定値を決定するため、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す一次抗体を用いてサンプルの一部においてアッセイを実施することによって第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量を測定する。第2の測定値を決定するため、一次抗体を用いてサンプルの一部においてアッセイを実施することによって第2の異性体検体の量を測定し、ここで、第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、かつ第2の異性体検体に対するアッセイ結合親和性を実質的に示さない二次抗体を過剰に用いて第1の異性体検体の一次抗体への結合を遮断する。第2の測定値は、サンプル中の第2の異性体検体の量に等しいとみなす。第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、そしてその結果値は、サンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなす。
本明細書に記載された原理によるいくつかの例は、サンプルにおいて第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定する方法に関する。本方法では、第1の測定値および第2の測定値が決定される。第1の測定値を決定するため、少なくとも約10リットル/モルの第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して結合親和性を有する一次抗体を用いてサンプルの一部においてアッセイを実施することによって第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量を測定する。第2の測定値を決定するため、一次抗体を用いてサンプルの一部においてアッセイを実施することによって第2の異性体検体の量を測定して第2の測定値を得、ここで、約10〜約1012リットル/モルの第1の異性体検体に対する結合親和性および約10リットル未満/モルの第2の異性体検体に対する結合親和性を有する二次抗体を過剰に用いて第1の異性体検体の一次抗体への結合を遮断する。第2の測定値は、サンプル中の第2の異性体検体の量に等しいとみなし、そして第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、それをサンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなす。
25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDのエピマー形態の化学式の図である。 本明細書に記載された原理による実施例に従って二次抗体を添加した、および添加なしの3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDのビタミンD測定を示すグラフである。 本明細書に記載された原理による実施例に従って二次抗体を添加した、および添加なしの3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDのビタミンD測定を示すグラフである。
特定の実施態様の詳述
一般的な議論
本明細書に記載された原理による方法は異性体またはその代謝産物の一方は効力があり、そしてもう一方またはその代謝産物はそうでない場合に、検体の2つの異性体の一方の交差反応性を最小限にし、そしてその量を測定する。「効力がある」という用語は、特定の機能に関する検体の活性の程度のことをいい、例えば、それは、例えば骨代謝のような生物学的機能であってもよい。例えば、物質の生物活性とは、細胞機能である、例えば、対象におけるミネラルおよび塩の適当なレベルの維持といったような生物学的機能を増強または抑制する物質の能力のことをいう。ビタミンDは、例として、かつ限定されることなく、対象においてカルシウムおよびリン酸の適当なレベルを維持しており、これはカルシウム恒常性および骨代謝と関連がある。
方法は、サンプルにおいて第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定することを含む。第1の測定値および第2の測定値が決定される。第1の測定値は、第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量を表す。第2の測定値は、第2の異性体検体のみの量を表す。第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、そしてその結果値をサンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなす。
本明細書に記載された原理による方法では、分析すべきサンプルの少なくとも2つの部分が利用される。アッセイは、検体の両方の異性体形態に結合する抗体(一次抗体)を用いて、検体の少なくとも2つの異性体形態を含有することで疑われるサンプルの第1の部分において実施される。一次抗体は、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す。
「アッセイ結合親和性」という成句は、抗体が対応する検体に結合して検体に結合された抗体の複合体を産生する強度のことをいう。
「十分なアッセイ結合親和性」という成句は、検体に対する抗体の結合親和性が、検体の正確かつ高感度な測定結果となるアッセイシグナルを得るために十分な量で検出可能な複合体を産生するものであることを意味する。一次抗体の結合親和性は、一次抗体と、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれとの検出可能な複合体を形成するのに十分に強く、ここで、アッセイシステムおよび機器が適した較正にかけられており、そして異性体検体の一方または両方の抗体認識に関する任意の補正因子が適用されるならば、検出可能な複合体は、サンプル中の第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を正確に表している。サンプルの第1の部分におけるこのアッセイでは、サンプル中の検体の両異性体形態の量または濃度を測定する。
同じアッセイを、同じサンプルの第2の部分において、検体の両方の異性体形態に結合する一次抗体と、異性体形態の一方(第1の異性体形態)に結合するが、もう一方の異性体形態(第2の異性体形態)に対して実質的に結合親和性を示さず、第2の部分において実施されたアッセイにおける一次抗体による検出に関して第2の異性体形態を遊離したままにしておく二次抗体との両方を用いて実施する。第1の異性体形態に結合するが、第2の異性体形態に結合しない二次抗体は、第1の異性体検体に対して不十分なアッセイ結合親和性を示す。いくつかの例では、異性体形態の一方に結合するが、もう一方の異性体形態に結合しない二次抗体は、活性異性体形態に結合するが、非活性異性体形態に結合しない。サンプルの第2の部分におけるこのアッセイでは、検体の異性体形態の一方のみ、すなわち、上の説明の第2の異性体検体の濃度を測定する。得られたシグナル値を用いて総検体濃度および検体の2つの異性体形態のそれぞれの濃度を決定してもよい。
「不十分なアッセイ結合親和性」という成句は、異性体検体に対する二次抗体の結合親和性が、異性体検体に対する一次抗体の結合親和性よりも低いことを意味する。いくつかの例において、「不十分なアッセイ結合親和性」という成句は、異性体検体に対する二次抗体の結合親和性が、二次抗体と第1の異性体検体との間で検出可能な複合体を形成するのに十分に大きくなく、したがって、任意の検出可能な複合体が第1の異性体検体の量を正確に表していないことを意味する。二次抗体は、過剰に用いたとき、サンプルの第2の部分におけるアッセイにおいて一次抗体の第1の異性体検体への結合を遮断するのに十分な、第1の異性体検体に対する結合親和性を示す。使用したアッセイにおいて第1の異性体検体の正確な検出にとって十分なシグナルが生じるように、検体の第1の異性体形態に対する二次抗体の結合親和性は、二次抗体と第1の異性体検体との複合体を生成するには非常に低い。
第2の異性体形態に対して「実質的に結合親和性を示さない」という成句は、二次抗体と検体の第2の異性体形態との間で実質的に検出可能な複合体が形成されないことを意味する。
サンプルの第2の部分におけるアッセイから結果が実質的に0に相当する場合、サンプルの第2の部分におけるアッセイにおいて検体のもう一方の異性体形態が検出されないため、サンプルの第1の部分におけるアッセイから得られた結果が、検体の2つの異性体形態の一方のみの濃度を表すことに留意する必要がある。このような状況では、本明細書に記載された原理による方法からの結果が、検体の異性体形態の一方のみが、サンプルの第1の部分におけるアッセイで得られたシグナルに関与していることを示しているため、当該サンプルの2つの部分においてアッセイを実施する必要はないであろう。一方、サンプルの第2の部分におけるアッセイからの結果が実質的に0に相当しない場合、サンプルの第2の部分におけるアッセイにおいて検体のもう一方の異性体形態が検出されるため、サンプルの第1の部分におけるアッセイから得られた結果は、検体の2つの異性体形態の両方の濃度を表す。このような状況では、本明細書に記載された原理による方法からの結果は、検体の異性体形態の両方がサンプルの第1の部分におけるアッセイで得られたシグナルに関与していることを示しているため、当該サンプルの2つの部分においてアッセイを実施することが必要であろう。
抗体の調製
本明細書に記載された原理により抗体を調製する方法の例を、例として、かつ限定されることなく、記載する。少なくとも2つの異なる抗体が必要であり、それらは本明細書に記載された原理よる性質を有する。1つの抗体は、第1の異性体検体および第2の異性体検体の両方に対して十分なアッセイ結合親和性を示す。もう一方の抗体は、第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対する不十分なアッセイ結合親和性を示し、そして第2の異性体検体に対してアッセイ結合親和性を実質的に示さない。
本明細書に記載された原理によるいくつかの例において、十分なアッセイ結合親和性は、例えば、少なくとも約10リットル/モル、または少なくとも約10リットル/モル、または少なくとも約10リットル/モル、または少なくとも約1010リットル/モル、または少なくとも約1011リットル/モル、または少なくとも約1012リットル/モル、または少なくとも約1013リットル/モル、または少なくとも約1014リットル/モルであり、そして検出可能な複合体の量は、検体の正確かつ高感度な測定結果となるアッセイシグナルを得るために十分である。本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、十分なアッセイ結合親和性は、例えば、約10〜約1014リットル/モル、または約10〜約1011リットル/モル、または約10〜約1012リットル/モル、または約10〜約1014リットル/モル、または約10〜約1011リットル/モル、または約10〜約1012リットル/モルである。
いくつかの例では、不十分なアッセイ結合親和性は、第1の異性体検体に対する二次抗体の結合親和性が、第1の異性体検体に対する一次抗体の結合親和性より低いことを意味する。いくつかの例では、第1の異性体検体に対する一次抗体の結合親和性に応じて、第1の異性体検体に対する二次抗体の結合親和性は、第1の異性体検体に対する一次抗体の結合親和性よりも、例えば、約10、または約10、または約10、または約10、または約10倍低い。例えば、第1の異性体検体に対する一次抗体の結合親和性が約10リットル/モルである場合、二次抗体の結合親和性は、約10リットル/モルより低い、または約10リットル/モルより低い。本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、不十分なアッセイ結合親和性は、検体に対する抗体の結合親和性が抗体の性質および検体の性質に応じて、例えば、約10〜約10リットル/モル、または約10〜約10リットル/モルであることを意味する。
いくつかの例では、結合親和性が実質的にないというのは、抗体が、例えば、約10リットル/モルより低い、または約10リットル/モルより低い、または約10リットル/モルより低い、または約10リットル/モルより低い、異性体検体に対する結合親和性を有することを意味する。
上の議論において、結合親和性は、特異的結合親和性であり、これは、他の分子の実質的により劣った認識と比較して2つの異なる分子の一方のもう一方に対する特異的認識を含む。一方、非特異的結合には、特異的表面構造と比較的無関係である分子間の非共有結合が含まれる。非特異的結合は、分子間に疎水的相互作用を含むいくつかの因子から生じてもよい。
抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであってもよい。抗体は、完全な免疫グロブリンまたはそのフラグメントを含んでもよく、この免疫グロブリンには、さまざまな種類およびアイソタイプ、例えばIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3、IgM、などが含まれる。
そのフラグメントは、Fab、FvおよびF(ab’)、Fab’などを含んでもよい。さらに、特定の分子に対する結合親和性が維持される限り、必要に応じて、免疫グロブリンまたはそれらのフラグメントの集合体、多量体および複合体を用いることができる。
モノクローナル抗体は、連続的な雑種細胞系を調製し、そして分泌されたタンパク質を採取するような当分野でよく知られている技術(体細胞ハイブリダイゼーション技術)によって調製することができる。モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature 265:495-497, 1975の標準技術に従って産生してもよい。モノクローナル抗体技術の総説は、Lymphocyte Hybridomas, ed. Melchers, et al. Springer-Verlag (New York 1978), Nature 266: 495 (1977), Science 208: 692 (1980), and Methods of Enzymology 73 (Part B): 3-46 (1981)に見いだされる。
抗体調製の別のアプローチでは、抗体結合部位のための配列コーディングを、染色体DNAから切り取り、そしてクローニングベクターに挿入することができ、これを細菌中で発現させて対応する抗体結合部位を有する組換えタンパク質を産生することができる。このアプローチは、少なくとも自然抗体の特異的結合に必要なアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその突然変異バージョンをクローニングし、そして発現させることを含む。
モノクローナル抗体を産生する1つのアプローチでは、第1のステップは、抗原、例えば、免疫原によるマウス、ラット、ヤギ、ヒツジまたはウシといったような抗体産生動物の免疫化を含む。免疫化は、アジュバント、例えば完全フロイントアジュバントまたは他のアジュバント、例えばモノホスホリルリピドAおよび合成トレハロースジコリノミコラートアジュバントを用いて、または用いることなく実施することができる。次のステップは、抗体産生動物から脾臓細胞を単離し、そして、例えばポリエチレングリコールまたは他の技術を用いて抗体産生脾臓細胞を適当な融合パートナー、典型的に骨髄腫細胞と融合させることを含む。典型的に、使用する骨髄腫細胞は、ヒポキサンチン−チミジン(HT)培地で正常に増殖するが、融合細胞の選択に用いるヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)培地で増殖することができない。次のステップは、典型的にHAT培地中の選択による融合細胞の選択を含む。次のステップは、免疫測定法、例えば酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)またはスクリーニングに適した他の免疫測定法を用いて、適当な抗体産生のためのクローン化ハイブリッドをスクリーニングすることを含む。
「免疫原性キャリア」という用語は、ハプテンに結合され、そして哺乳動物に注射されるか、または別のやり方で免疫原として用いたときに、免疫応答を誘導し、そしてハプテンに結合した抗体の産生を誘発する群または部分を意味する。免疫原性キャリアは、しばしば抗原性キャリアとも呼ばれる。本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、特定の位置で免疫抑制化合物に結合された、ポリ(アミノ酸)および非ポリ(アミノ酸)免疫原性キャリアを含む、免疫原性キャリアを含む免疫原を合成し、そして抗体の調製に用いる。ハプテンは、対応する抗体と特異的に結合可能な化合物であるが、しかし、それ自体では抗体を調製するための免疫原(または、抗原)として作用しない。従って、ハプテンを免疫原性キャリアに結合させ、それを用いて抗体を産生する。
免疫原性キャリアであるポリアミノ酸の分子量範囲(ダルトンで)は、例えば、約5,000〜約10,000,000、または約20,000〜約600,000、または約25,000〜約250,000の分子量である。ポリ(アミノ酸)免疫原性キャリアには、例えば、アルブミン、血清タンパク質、例えば、グロブリン、接眼レンズレンズタンパク質およびリポタンパク質のようなタンパク質が含まれる。例示的なタンパク質としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、卵オボアルブミンおよびウシガンマグロブリン(BGG)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。非ポリ(アミノ酸)免疫原性キャリアとしては、多糖類、核酸および粒子(生物学的および合成物質)が含まれる。多種多様な免疫原性キャリアは、Davalianら、米国特許第5,089,390号、第4段、第57行〜第5段、第5行に開示されており、それは参照により本明細書に組み込まれている。
上記のように、免疫原性キャリアは多糖類であってもよく、これは、自然にまたは合成的に調製されうる単糖類の高分子量ポリマーであり、そして、通常、単糖類の繰り返された縮合を含む。多糖類の例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、炭水化物ガム、例えばアラビアガム、寒天、などである。多糖類は、ポリ(アミノ酸)残基および/または脂質残基を含有することもできる。
上記のように、本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、免疫原性キャリアを、検体上の予め決められた位置で連結基によって検体類似体に結合させてもよい。いくつかの例では、連結基は、水素を数に入れずに、約2〜約50個の原子、または4〜約30個の原子を含んでもよく、そしてそれぞれ、通常、炭素、酸素、硫黄、窒素、およびリンからなる群から独立して選択される、2から約30個までの原子、または3〜約20個の原子の鎖を含んでもよい。連結基の一部またはすべては、例えば、限定されるわけではないが、ポリ(アミノ酸)上のアミノ酸残基のような、免疫抑制化合物に結合された分子の一部であってもよい。いくつかの例において、連結基にはオキシム官能基が含まれる。
連結基中のヘテロ原子の数は、0から約20個まで、または1〜約15個、または約2〜約10個の範囲であってもよい。連結基は、脂肪族または芳香族であってもよい。ヘテロ原子が存在するとき、酸素は、通常、オキソまたはオキシとして存在し、炭素、硫黄、窒素またはリンに結合されており、窒素は、通常、ニトロ、ニトロソまたはアミノとして存在し、通常、炭素、酸素、硫黄またはリンに結合されており;硫黄は、酸素と類似しており;その一方で、リンは、通常、ホスホン酸およびリン酸モノまたはジエステルとして炭素、硫黄、酸素または窒素に結合されている。連結基と結合されるべき分子との間の共有結合の形成における一般的な官能基は、アルキルアミン、アミジン、チオアミド、エーテル、尿素、チオ尿素、グアニジン、アゾ、チオエーテルならびにカルボン酸、スルホン酸およびリン酸エステル、アミドおよびチオエステルである。ヘテロ原子を含む連結基の1つの具体的な実施態様は、上記のようなオキシム官能基である。
ほとんどの場合、連結基が、例えば、窒素および硫黄類似体を含む非オキソカルボニル基、リン酸基、アミノ基、アルキル化剤、例えばハロもしくはトシルアルキル、オキシ(ヒドロキシルまたは硫黄類似体、メルカプト)オキソカルボニル(例えば、アルデヒドまたはケトン)、または活性オレフィン、例えばビニルスルホンもしくはα−、β−不飽和エステルのような連結官能基(部分と反応するための官能基)を有するとき、これらの官能基は、アミン基、カルボキシル基、活性オレフィン、アルキル化剤、例えば、ブロモアセチルに結合されている。アミンおよびカルボン酸もしくはその窒素誘導体またはリン酸が結合される場合、アミド、アミジンおよびリンアミドが形成される。メルカプタンおよび活性化オレフィンが結合される場合、チオエーテルが形成される。メルカプタンおよびアルキル化剤が結合される場合、チオエーテルが形成される。アルデヒドおよびアミンが還元条件下で結合される場合、アルキルアミンが形成される。ケトンまたはアルデヒドおよびヒドロキシルアミン(置換基がヒドロキシル基の水素の代わりである場合、その誘導体を含む)が結合される場合、オキシム官能基(=N−O−)が形成される。カルボン酸またはリン酸およびアルコールが結合される場合、エステルが形成される。さまざまな連結基が当分野でよく知られており;例えば、Cautrecasas, J. Biol. Chem. (1970) 245:3059を参照のこと。
上記のように2つの異性体検体の一方または両方に対する結合親和性に関して、それぞれ異なる抗体を選択する。したがって、一次抗体を調製し、そして一次抗体が第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示すように、適当なスクリーニング法を用いて選択する。二次抗体を調製し、そして二次抗体が第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、そしてさらに第2の異性体検体に対してアッセイ結合親和性を実質的に示さないように、適当なスクリーニング法を用いて選択する。上記の検体に対して必要な結合親和性を有する抗体は、よく知られたスクリーニング方法論によって選択してもよく、それには、例として、限定されることなく、例えば、ELISA、ドットブロット、ウェスタン分析および表面プラスモン共鳴が含まれる。
アッセイの一般的な説明
以下の議論は、例であって、限定されるわけではない。本明細書に記載された原理により含まれる測定におけるサンプルの部分において、抗体を利用する任意の適当なアッセイを用いてもよい。アッセイは、アッセイ成分または産物のなんらかの分離なし(均一)または分離あり(不均一)のいずれかで実施することができる。不均一アッセイは、通常、1つまたはそれ以上の分離ステップを含み、そして競合的または非競合的であることができる。アッセイは手動でもよいし、または自動化してもよい。
分析すべきサンプルは、検体を含有することが疑われるものである。サンプルは、生物学的サンプルまたは非生物的サンプルであってもよい。生物学的サンプルは、哺乳動物対象または非哺乳動物対象からのものであってもよい。哺乳動物対象は、例えば、ヒトまたは他の動物の種であってもよい。生物学的サンプルとしては、生物学的液体、例えば全血、血清、血漿、痰、リンパ液、精液、膣粘液、糞便、尿、髄液、唾液、大便、脳脊髄液、涙、粘液など;生物学的組織、例えば毛、皮膚、切片または器官もしくは他の身体部分から切り取られた組織;およびその他が含まれる。多くの場合、サンプルは、全血、血漿または血清である。また、本明細書に記載された原理に従って化合物を用いて、例えば廃棄物流を含むが、これに限定されるわけではない非生物学的サンプルを分析してもよい。
サンプルは、任意の都合のよい媒体中で調製することができ、それは、例えば、アッセイ媒体であってもよく、それについては、以下でより詳細に議論する。いくつかの場合、例えば血液細胞を溶解するなどのために、サンプルに前処理を適用してもよい。いくつかの例では、このような前処理は、その後でアッセイを妨げない媒体中で実施する。
多くの実施態様において、免疫測定法は標識試薬を含む。標識試薬を含む免疫測定法としては、例えば、化学発光免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光偏光免疫測定法、放射免疫測定法、阻害アッセイ、誘起発光アッセイ(induced luminescence assay)、および蛍光酸素チャネリングアッセイ(fluorescent oxygen channeling assays)が含まれる。
免疫測定法の1つの一般的な群には、アッセイ試薬の1つの限定された濃度を用いる免疫測定法が含まれる。免疫測定法の別の群には、主要な試薬の1つまたはそれ以上の過剰の使用が含まれる。免疫測定法の別の群は、本明細書に記載された原理による抗体の1つが、サンプル中の2つの異性体検体の一方または両方に結合すると、標識試薬が標識シグナルを調節する、分離を含まない均一アッセイである。
上記のように、アッセイは、アッセイ成分または産物のなんらかの分離なし(均一)または分離あり(不均一)のいずれかで実施することができる。均一免疫測定法は、Rubensteinら、米国特許第3,817,837号、第3欄、第6行〜第6欄、第64行に開示されたEMIT(登録商標)アッセイ(Siemens Healthcare Diagnostics Inc., Deerfield, IL);米国特許第5,340,716号(Ullmanら)に開示された誘起発光免疫測定法(「LOCI(登録商標)技術」);Ullmanら、米国特許第3,996,345号、第17欄、第59行〜第23欄、第25行に開示されたもののような免疫蛍光法;Maggioら、米国特許第4,233,402号、第6欄、第25行〜第9欄、第63行に開示されたもののような酵素チャネリング免疫測定法(「ECIA」);例えば、とりわけ、米国特許第5,354,693号に開示されたような蛍光偏光免疫測定法(「FPIA」);酵素結合免疫吸着測定法(「ELISA」)のような酵素免疫測定法によって例示される。不均一アッセイの例は、放射免疫測定法であり、Yalow, et al., J. Clin. Invest. 39:1157 (1960)に開示されている。上の開示は、すべて参照により本明細書に組み込まれる。
他の酵素免疫測定法は、例えば、Ngo and Lenhoff, FEBS Lett. (1980) 116:285-288によって議論された酵素活性調節剤標識免疫測定法(enzyme modulate mediated immunoassay)(「EMMIA」);Oellerich, J. Clin. Chem. Clin. Biochem. (1984) 22:895-904によって開示された蛍光基質標識免疫測定法(substrate labeled fluorescence immunoassay)(「SLFIA」);Khanna, et al., Clin. Chem. Acta (1989) 185:231-240によって開示された複合酵素ドナー免疫測定法(combined enzyme donor immunoassay)(「CEDIA」);均一粒子標識免疫測定法(homogeneous particle labeled immunoassays)、例えば粒子増強比濁阻害免疫測定法(particle enhanced turbidimetric inhibition immunoassays)(「PETINIA」)および粒子増強比濁免疫測定法(particle enhanced turbidimetric immunoassay)(「PETIA」)などである。
他のアッセイには、ゾル粒子イムノアッセイ(sol particle immunoassay)(「SPIA」)、分散染料免疫測定法(disperse dye immunoassay)(「DIA」);メタロイムノアッセイ(metalloimmunoassay)「(「MIA」);酵素膜免疫測定法(enzyme membrane immunoassays)(「EMIA」);発光免疫測定法(luminoimmunoassays)(「LIA」);などが含まれる。他のタイプのアッセイには、検体の結合による試薬の光学的、音響的および電気的性質における変化のモニタリングを含む免疫センサーアッセイが含まれる。このようなアッセイには、例えば、光免疫センサーアッセイ(optical immunosensor assays)、音響免疫センサーアッセイ(acoustic immunosensor assays)、半導体免疫センサーアッセイ(semiconductor immunosensor assays)、電気化学トランスデューサー免疫センサーアッセイ(electrochemical transducer immunosensor assays)、電位差測定免疫センサーアッセイ(potentiometric immunosensor assays)、および電流測定電極アッセイ(amperometric electrode assays)が含まれる。
不均一アッセイは、通常、1つまたはそれ以上の分離ステップを含み、そして競合的または非競合的でありうる。さまざまな競合的および非競合的不均一アッセイフォーマットは、Davalianら、米国特許第5,089,390号、第14欄、第25行〜第15欄、第9行に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。競合的不均一アッセイの例では、それに結合される検体に対する抗体を有する支持体を、標識を含む検体および検体類似体を含有することが疑われるサンプルを含有する媒体と接触させる。サンプル中の検体は、検体抗体に対する結合に関して、標識検体類似体と競合する。支持体および媒体を分離した後、支持体または媒体の標識活性は、従来の技術によって決定され、そしてサンプル中の検体の量と関連がある。上の競合的不均一アッセイの変法では、支持体は、検体類似体を含み、これは、本明細書に記載された原理による抗体試薬への結合に関してサンプルの検体と競合する。
いくつかの例では、分析すべきサンプルを前処理にかけて、例えば、検体を結合する血漿または血清蛋白のような内在性結合物質から検体を遊離させる。内在性結合物質から検体の遊離は、例えば、消化剤もしくは遊離剤(releasing agent)または経時的に用いられる消化剤と遊離剤との組合せの添加によって実施してもよい。消化剤は、内在性結合物質がもはや検体を結合することができないように内在性結合物質を分解するものである。このような物質としては、プロテイナーゼKおよびプロテイナーゼKおよび、例えば、洗浄剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)のようなタンパク質変性剤が含まれるが、それらに限定されるわけではない。内在性結合物質から検体を遊離するための遊離剤としては、例として、かつ限定されることなく、酸性変性剤、例えば、サリチル酸、ワルファリンナトリウム、スルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アニリノナフタレンスルホン酸(ANS)(例えば、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(1,8−ANS)および8−アニリノナフタレン−1−スルホン酸(8−ANS)を含む)、サリチル酸および上記の誘導体が含まれる。
例えば、期間、温度、消化または遊離作用を実施する媒体中の遊離剤のpHおよび濃度のような条件は、例えば、検体の性質、内在性結合物質の性質、サンプルの性質、および遊離剤の性質によって左右される。一般に、条件は、所望の効果または機能を達成するために十分である。本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、遊離剤の有効濃度は、約0.01〜約20mg/mL、または約0.01〜約10mg/mL、または約0.01〜約5mg/mL、または約0.1〜約20mg/mL、または約0.1〜約10mg/mL、または約0.1〜約5mg/mL、または約0.1〜約1mg/mLである。アッセイを実施する前の独立したステップとして、またはアッセイの第1のステップとして、内在性結合物質から検体を遊離するサンプルの前処理を実施してもよい。いずれの場合においても、消化剤および/または遊離剤の作用を停止させるために1つまたはそれ以上の試薬が必要となりうる。
本明細書に記載された原理によるサンプルの一部においてアッセイを実施する条件は、一般に最適アッセイ感度を提供する、適度なpHで緩衝化された水性媒体中でアッセイを実施することを含む。水性媒体は、単に水だけでもよいし、または0.1から約40体積パーセントまでの補助溶媒を含んでもよい。媒体のpHは、例えば、約4〜約11の範囲、または約5〜約10の範囲、または約6.5〜約9.5の範囲になるであろう。pHは、通常、任意の特異的結合対の結合メンバーの最適結合、シグナル発生システムのメンバーのようなアッセイの他の試薬にとって最適なpHなどの妥協点(compromise)となるであろう。所望のpHを達成し、そしてアッセイ中にpHを維持するためにさまざまな緩衝液を用いてもよい。例となる緩衝液としては、例として、かつ限定されることなく、例えば、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、TRIS、バルビタール、PIPES、HEPES、MES、ACES、MOPSおよびBICINEが含まれる。使用する特定の緩衝液は重要ではないが、しかし、個々のアッセイでは、1つまたはもう1つの緩衝液が好まれうる。
本アッセイ法では、さまざまな補助的物質を用いてもよい。例えば、緩衝液に加えて、媒体は、使用する媒体および試薬に関する安定剤を含んでもよい。いくつかの実施態様では、これらの添加剤に加えて、タンパク質、例えば、アルブミンなど;有機溶媒、例えば、ホルムアミドなど;第四級アンモニウム塩;ポリアニオン、例えば、硫酸デキストランなど;結合エンハンサー、例えば、ポリアルキレングリコール;多糖類、例えば、デキストランまたはトレハロースなどが含まれうる。また、媒体は、凝血塊の形成を防止する物質を含んでもよい。このような物質は当分野でよく知られており、そして、例えば、EDTA、EGTA、クエン酸塩、ヘパリンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。媒体は、1つまたはそれ以上の保存剤、例えば、限定されるわけではないが、ナトリウムアジド、硫酸ネオマイシン、PROCLIN(登録商標)300、ストレプトマイシンなどを含んでもよい。媒体は、1つまたはそれ以上の界面活性剤をさらに含んでもよい。上の物質はいずれも、使用する場合、所望の効果または機能を達成するために十分な濃度または量で存在する。
上記のものを含む、アッセイで用いるさまざまな試薬を添加する間の任意の間隔を含む1つまたはそれ以上の間隔で、1つまたはそれ以上のインキュベーション期間を媒体に適用してもよい。通常、試薬のさまざまな成分の結合およびサンプル中の検体の結合が起こるのに十分な温度および時間で媒体をインキュベートする。本方法を実施するには、通常、穏やかな温度を用い、そして測定期間中、通常、一定の温度、好ましくは、室温である。いくつかの例において、インキュベーション温度は、例えば、約5°から約99℃まで、または約15℃から約70℃まで、または約20℃から約45℃までの範囲である。インキュベーションの期間は、いくつかの例において、例えば、約0.2秒〜約24時間、または約1秒〜約6時間、または約2秒〜約1時間、または約1分〜約15分である。期間は、媒体の温度およびさまざまな試薬の結合速度に左右され、それは、結合速度定数、濃度、結合定数および解離速度定数によって決まる。
本明細書において議論する多くのアッセイは、シグナル発生システムを用い、それは1つまたはそれ以上の成分を有してもよく、少なくとも1つの成分が標識である。シグナル発生システムは、サンプル中の検体の存在に関連するシグナルを生成する。シグナル発生システムは、測定可能なシグナルの発生に必要な試薬のすべてを含む。シグナル発生システムの他の成分は、現像液中に含まれてもよく、そして、例えば、基質、エンハンサー、活性化物質、化学発光化合物、補因子、阻害剤、スカベンジャー、金属イオン、およびシグナル生成物質の結合に必要な特異的結合物質が含まれうるが、それらに限定されるわけではない。シグナル発生システムの他の成分は、例えば、補酵素、酵素的産物と反応する物質、他の酵素および触媒であってもよい。シグナル発生システムは、外部手段によって、電磁放射線の使用によって、望ましくは目視検査によって検出可能なシグナルを提供する。例示的なシグナル発生システムは、米国特許第5,508,178号に記載されており、その関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
「標識」という用語は、ポリ(アミノ酸)標識および非ポリ(アミノ酸)標識を含む。「ポリ(アミノ酸)標識部分」という用語は、限定されるわけではないが、例えば、酵素、抗体、ペプチドおよび免疫原のようなタンパク質である標識が含まれる。例えば、酵素のような標識タンパク質では、分子量範囲は、約10,000から約600,000まで、または約10,000から約300,000までの分子量になるであろう。通常、タンパク質の、例えば、約200,000の分子量当たり少なくとも1個、または約150,000の分子量当たり少なくとも約1個、または約100,000の分子量当たり少なくとも約1個、または約50,000の分子量当たり少なくとも約1個の本明細書に記載された原理による化合物(類似体群)がある。酵素の場合、類似体群の数は、通常、1から約20個まで、約2〜約15個、約3〜約12個、または約6〜約10個である。
酵素には、例として、かつ限定されることなく、例えば、酸化還元酵素、例えば、脱水素酵素、例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼおよび乳酸脱水素酵素など;過酸化水素の産生および色素前駆体を色素に酸化する過酸化水素の使用に関与する酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼおよびミクロペルオキシダーゼなど;ヒドロラーゼ、例えば、アルカリホスファターゼおよび−ガラクトシダーゼなど;ルシフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼ、および細菌ルシフェラーゼなど;トランスフェラーゼ;酵素の組合せ、例えば、限定されるわけではないが、サッカリドオキシダーゼ、例えば、グルコースおよびガラクトースオキシダーゼ、または色素前駆体を酸化するために過酸化水素を用いる酵素とカップリングされた、ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼのような複素環式オキシダーゼ、すなわち、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼもしくはミクロペルオキシダーゼのようなペルオキシダーゼが含まれる。
「非ポリ(アミノ酸)標識」という用語は、タンパク質でないそれらの標識を含む。非ポリ(アミノ酸)標識は、直接検出可能であるか、または検出可能なシグナルを発生する反応を通して検出可能である。非ポリ(アミノ酸)標識は、同位体または非同位体であることができ、そして、例として、かつ限定されることなく、例えば、放射性同位体、発光性化合物(それには、例えば、蛍光化合物および化学発光化合物が含まれるが、それらに限定されるわけではない)、触媒、プロモーター、色素、補酵素、酵素基質、放射性基および増幅性ポリヌクレオチド配列に関してコードするポリヌクレオチドであることができる。
いくつかの例において、シグナル発生システムの1つのメンバーは、分子量約200〜約2,000、または約200〜約1,500、または約200〜約1,000、または約200〜約500の分子に相当する有機小分子である。このような有機小分子には、例えば、ビオチン、蛍光分子(例えば、フルオレセインおよびローダミンなど)、化学発光分子およびジニトロフェノールが含まれるが、それらに限定されるわけではない。有機小分子に対する結合パートナーは、小分子を特異的に認識し、かつそれに結合する分子である。小分子に対する結合パートナーは、小分子の性質によって定められ、そして、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、有機小分子に対する抗体(これには、蛍光分子に対する抗体(例えばフルオレセインに対する抗体およびローダミンに対する抗体など)、化学発光分子に対する抗体、ジニトロフェノールに対する抗体が含まれるが、それらに限定されるわけではない)、を含むが、それらに限定されるわけではない。
アッセイのいくつかの例では、支持体を利用する。支持体は、有機または無機の、固体または液体の水不溶性物質で構成されてもよく、そしてそれは透明または部分的に透明であってもよい。支持体は、例えば、限定されるわけではないが、ビーズを含む粒子(微粒子支持体)、フィルム、膜、チューブ、ウェル、細片、ロッド、繊維、または平らな表面、例えば、プレートまたは紙などのような多くの形状のいずれかを有することができる。支持体は、それが用いられる媒体中に懸濁可能であってもよいし、またはそうでなくてもよい。懸濁可能な支持体の例は、例えば、ラテックス、脂質二重層またはリポソームのようなポリマー物質、油滴、セルおよびヒドロゲル、ならびに磁性粒子である。他の支持体組成物としては、例えば、ポリマー、例として、かつ限定されることなく、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(酪酸ブチル)などが含まれ、それ自体で、または他の物質と共に用いられる。支持体は、例えば、色素、触媒または他の検出可能な基でさらに標識してもよいし、または標識しなくてもよい。
いくつかの例において、支持体は粒子であってもよい。粒子は、少なくとも約0.02ミクロン、そして約100ミクロンを超えない平均直径を有する。いくつかの例において、粒子は、約0.05ミクロンから約20ミクロンまで、または約0.3ミクロンから約10ミクロンまでの平均直径を有する。粒子は、有機または無機、膨潤性または非膨潤性、多孔性または非多孔性、好ましくは、水に近い密度、一般に約0.7g/mLから約1.5g/mLまで、そして透明、部分的に透明、または不透明でありうる物質で構成される。粒子は、例えば、細胞および微生物のような生物学的物質、例えば、赤血球、白血球、リンパ球、ハイブリドーマ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌および大腸菌(E.coli)、ウイルスであることができる。また、粒子は、有機および無機ポリマー、リポソーム、ラテックス粒子、磁性または非磁性粒子、リン脂質ベシクル、カイロミクロン、リポタンパク質などで構成される粒子であることもできる。いくつかの例において、粒子は、二酸化クロム(クロム)粒子またはラテックス粒子である。
化学発光粒子は、それとともに化学発光化合物と会合した粒子である。本明細書に用いるとき、「それとともに会合する」という成句は、例えば、化学発光化合物および粒子のような化合物が、例えば、直接的もしくは間接的な結合、吸着、吸収、取り込みまたは溶液によって会合しうることを意味する。利用しうる化学発光化合物の例は、米国特許第5,340,716号および同第6,251,581号に記載されたものであり、その関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書に記載された原理によるいくつかの例において、化学発光化合物は、光による直接もしくは増感された励起により、または一重項酸素との反応により、化学反応を受けて、通常、250〜1200nmの波長範囲内で、同時にまたはその後で光の放出を伴って分解可能である準安定反応生成物を形成する、光励起性物質である。「光励起性」という用語は、「光化学的に活性化可能」を含む。いくつかの例において、化学発光化合物は、一重項酸素と反応してジオキセタンまたはジオキセタノンを形成するものである。後者は、通常、電子リッチなオレフィンである。このような電子リッチなオレフィンの例は、エノールエーテル、エナミン、9−アルキリデン−N−アルキルアクリダン、アリールビニルエーテル、ジオキセン、アリールイミダゾール、9−アルキリデン−キサントゲン酸エステルおよびルシゲニンである。他の化合物としては、ルミノールおよび他のフタルヒドラジドおよび光化学的に不安定保護基によって保護されることによって化学発光反応を受けることから保護される化学発光化合物、例えば、ホタルルシフェリン、アクアホリン(aquaphorin)およびルミノールを含むこのような化合物が含まれる。利用しうるこのような化学発光化合物の例は、米国特許第5,709,994号に記載されたものであり、その関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
増感剤粒子は、それとともに増感剤化合物と会合された粒子であり、それには光増感剤化合物が含まれるが、それに限定されるわけではない。使用しうる増感剤化合物の例は、米国特許第5,340,716号および同第6,251,581号に記載されたものであり、その関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
光増感剤は、通常、光による励起によって一重項酸素を生成するための増感剤である。いくつかの例において、光増感剤は、化学発光化合物より長い波長で吸収し、そして化学発光化合物より低いエネルギー三重項を有する。光増感剤は、光励起性(例えば、色素および芳香族化合物)であることができる。光増感剤は、通常、複数の共役した二重または三重結合を有する、通常、共有結合した原子で構成される化合物である。この化合物は、200〜1100nm、通常、300〜1000nm、好ましくは450〜950nmの波長範囲で光を吸収するはずである。典型的な光増感剤としては、例えば、アセトン、ベンゾフェノン、9−チオキサントン、エオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、金属ポルフィリン(例えば、ヘマトポルフィリン)、フタロシアニン、クロロフィル、ローズベンガル、バックミンスターフラーレン、およびこれらの化合物の誘導体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。他の光増感剤の例は、N.J. Turro, “Molecular Photochemistry”, page 132, W. A. Benjamin Inc., N.Y. 1965に列挙されている。光増感剤は、活性化が一重項酸素による場合、光活性化を助ける。通常、光増感剤は光を吸収し、こうして形成された励起光増感剤が酸素を活性化して一重項酸素を生成し、これが化学発光化合物と反応して準安定発光性中間体が得られる。
いくつかの知られているアッセイでは、第1および第2のspsメンバーを用いるシグナル発生システム(sps)を利用する。spsメンバーは、spsの1つのメンバーの活性化により、例えば、光または活性化生成物のような生成物を産生することに関与してもよく、それによりspsの別のメンバーが活性化されることになる。
このようなアッセイの例では、spsメンバーは、例えば、光増感剤のような増感剤、および化学発光化合物を含む化学発光組成物を含み、ここでは、増感剤の活性化により化学発光組成物を活性化する生成物を生じる。第2のspsメンバーは、通常、結合および/または非結合spsメンバーの量、すなわち、検出される検体に結合したまたは結合していないspsメンバーの量に関連する検出可能なシグナルを発生させる。本明細書に記載された原理によるいくつかの例において、増感剤試薬または化学発光試薬のいずれか1つは、本明細書に記載された原理による抗体試薬を含む。
本明細書に記載される原理による方法の例
上に議論したように、本明細書に記載された原理による方法は、サンプルにおいて第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定することに関する。この方法では、第1の測定値および第2の測定値が決定される。第1の測定値を決定するため、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す一次抗体を用いてサンプルの第1の部分においてアッセイを実施することによって第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量を測定する。この例において、一次抗体は、上記の手順の1つによって調製されたモノクローナル抗体である。
サンプル部分は、アッセイを妨げないなんらかの都合のよい媒体中で調製することができる。水性媒体が一般に用いられる。サンプル部分のサイズは、例えば、異性体検体の性質、アッセイの性質、アッセイを実施するためのさまざまな試薬の性質、および検体を含む複合体の性質の1つまたはそれ以上に左右される。サンプル部分のサイズは、決定に関与する両測定と本質的に同一とすべきである。いくつかの例では、サンプル部分の体積は、例えば、約1μL〜約100μL、または約2μL〜約100μL、または約5μL〜約100μL、または約10μL〜約100μL、または約1μL〜約80μL、または約1μL〜約60μL、または約1μL〜約40μL、または約1μL〜約20μL、または約5μL〜約50μL、または約10μL〜約50μLである。
第1の測定値を決定するために選択されたアッセイは、第1のサンプル部分において実施され、これは、上で議論したように前処理して内在性結合物質から検体を遊離させてもよい。検体に対する一次抗体ならびに第1および第2の異性体検体を含む複合体の量は、複合体によって生成されるシグナルのレベルを測定することによって測定する。観察されたシグナルは、サンプル中の第1の異性体検体および第2の異性体検体を合わせた総量に相当する。
第2の測定値を決定するため、一次抗体を用いてサンプルの第2の部分においてアッセイを実施することによって第2の異性体検体の量を測定し、そしてアッセイ媒体は、第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対する不十分なアッセイ結合親和性を示し、そして第2の異性体に対するアッセイ結合親和性を実質的に示さない二次抗体を更に含む。第2のサンプル部分は、上で議論したように前処理して内在性結合物質から検体を遊離してもよい。別法として、本明細書に記載された原理による方法で用いるべき部分を使用する前に、サンプルを前処理してもよい。この例では、二次抗体は、上記の手順の1つによって調製されたモノクローナル抗体である。一次抗体への第1の異性体検体の結合を遮断するため、サンプルの第2の部分を含むアッセイ媒体中で、一次抗体と比較して二次抗体を過剰に用いる。過剰量とは、サンプル中に存在するであろう第1の異性体検体の大多数を結合するのに必要な一次抗体の量を超える量である。使用する二次抗体の量は、例えば、二次抗体の性質、一次抗体の性質、異性体検体の性質、アッセイ媒体の性質、およびアッセイの性質に左右される。本明細書に記載された原理によるいくつかの例では、二次抗体の過剰量は、例えば、一次抗体の量の約5〜約200倍、または約5〜約150倍、または約5〜約100倍、または約5〜約50倍、または約10〜約200倍、または約10〜約150倍、または約10〜約100倍、または約10〜約50倍、または約20〜約200倍、または約20〜約150倍、または約20〜約100倍、または約20〜約50倍である。検体に対する一次抗体および第2の異性体検体を含む複合体の量は、複合体によって生成されるシグナルのレベルを測定することによって測定される。観察されるシグナルは、サンプル中の第2の異性体検体の量に関連がある。第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、そしてその結果値は、サンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなす。
上でより詳細に議論したように、任意の適したアッセイを用いてもよい。アッセイは、サンプル中の検体の濃度を決定するための試薬を加えることを含む。この試薬は、少なくとも一次抗体および二次抗体を含み、したがって、アッセイは免疫測定法である。サンプル部分において実施されるアッセイは、各サンプル部分に関して、別々の反応容器中で順次に、もしくは同時に、または同じ反応容器中で順次に実施してもよい。「複合体」という用語は、検体に対する抗体がサンプル中の検体に結合した複合体のことをいう。
上記のように、異性体検体の測定は、遊離剤で処理したサンプルにおいて実施してもよい。サンプルに加える遊離剤の量は、内在性結合物質から異性体検体の実質的にすべてを置換するのに十分である量である。「内在性結合物質によって結合された異性体検体の実質的にすべてを置換する」という成句は、内在性結合物質から異性体検体が、少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、または少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%、または100%置換され、かつアッセイ中の検出に利用可能であることを意味する。
遊離剤を加えた後、内在性結合物質から異性体検体の実質的にすべてを置換する条件下で、サンプルを、しばらくの間、インキュベートする。インキュベーションの長さおよび条件は、例えば、遊離剤の性質、検体の性質、および検体の疑われる濃度の1つまたはそれ以上に左右される。いくつかの実施態様において、このステップのインキュベーション温度は、例えば、約5℃〜約99℃、または約15℃〜約70℃、または約20℃〜約45℃であってもよい。インキュベーションの期間は、例えば、約0.2秒〜約24時間、または約1秒〜約6時間、または約2秒〜約1時間、または約1〜約15分である。インキュベーションは、便宜上、本明細書で議論したようなアッセイ媒体であってもよい媒体中で実施してもよいが、しかし、必要なわけではない。
本明細書に記載された原理による特定の一例は、検体を含有することが疑われるサンプルの第1および第2の部分において以下のアッセイ試薬を用いる方法に関する:(i)本明細書に記載された原理による抗体試薬、(ii)検体類似体を含む化学発光粒子試薬、および(iii)小分子に対する小分子−結合部分または結合パートナーを含む光増感剤粒子試薬。
以下の特定の例では、異性体検体は、例として、かつ限定されることなく、ビタミンDの非エピおよびエピ形態である。誘起発光免疫測定法を用いてもよい。誘起発光免疫測定法は、米国特許第5,340,716号(Ullman)を参照し、この開示は参照により本明細書に組み込まれている。1つのアプローチにおいて、アッセイでは、それとともに光増感剤を会合している粒子を用い、ここで、ビタミンD類似体は、粒子に結合されている(粒子−類似体試薬)。ビタミンD検体の非エピおよびエピ形態を含有することが疑われるサンプルの第1の部分におけるアッセイでは、化学発光試薬は、ビタミンD検体の非エピおよびエピ形態のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す一次抗体を含む。サンプルの第2の部分におけるアッセイでは、ビタミンD検体の非エピ形態に結合するが、ビタミンD検体の非エピ形態に対する不十分なアッセイ結合親和性を示し、そしてビタミンD検体のエピ形態に対するアッセイ結合親和性を実質的に示さない二次抗体と共に、一次抗体を含む化学発光試薬を用いる。上の例において、一次抗体は小分子に結合されており、それは化学発光粒子上の小分子に対する結合パートナーに結合する。この化学発光試薬は、予め形成してもよいし、またはその場で形成してもよい。ビタミンD検体(非エピおよびエピ形態)は、本明細書に記載された原理によるビタミンDに対する抗体への結合に関して粒子−類似体試薬と競合する。ビタミンD検体が存在する場合、化学発光試薬に接近してくる粒子−類似体試薬の分子数は、より少なくなる。したがって、アッセイシグナルは減少することになる。2つの標識がごく接近しているとき、光増感剤は一重項酸素を生成し、そして化学発光試薬を活性化する。活性化化学発光試薬は、その後、光を生じ、ここで、シグナルの減少が検体の存在下で観察される。発生する光量は、形成される複合体の量に関連しており、それは次に第1のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体の非エピおよびエピ形態の両方の量に関連し(第1の測定値)、そして第2のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体のエピ形態の量に関連する(第2の測定値)。第1の測定値から第2の測定値を減算すると、サンプル中のビタミンD検体の非エピ形態の量が得られる。
例としてビタミンDを用いる誘起発光免疫測定法の別の特定の例において、例として、かつ限定されることなく、アッセイでは、それとともに化学発光化合物を会合する粒子を使用し、ここで、ビタミンD類似体は、粒子に結合される(粒子−類似体試薬)。第1のサンプル部分に関して、光増感剤試薬は、ビタミンD検体の非エピおよびエピ形態のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す一次抗体を含み、それは、次に化学発光粒子上の小分子に対する結合パートナーに結合される小分子に結合されている。第2のサンプル部分に関して、光増感剤試薬および二次抗体を用いる。二次抗体は、ビタミンD検体の非エピ形態に結合するが、ビタミンD検体の非エピ形態に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、そしてビタミンD検体のエピ形態に対してアッセイ結合親和性を実質的に示さない。第1のサンプル部分に関して、ビタミンD検体の非エピ形態およびエピ形態はいずれも、ビタミンDの一次抗体への結合に関して粒子−類似体試薬と競合する。ビタミンD検体が存在する場合、光増感剤試薬に接近してくる粒子−類似体試薬の分子数は、より少なくなる。したがって、アッセイシグナルが減少することになる。第2のサンプル部分に関して、ビタミンD検体の非エピ形態は二次抗体によって結合されるため、ビタミンD検体のエピ形態は、ビタミンDの一次抗体への結合に関して、粒子−類似体試薬と競合する。ビタミンD検体のエピ形態が存在する場合、光増感剤試薬に接近してくる粒子−類似体試薬の分子数は、より少なくなる。したがって、アッセイシグナルが減少することになる。2つの標識がごく接近したときに、光増感剤は一重項酸素を生成し、そして粒子−類似体試薬の化学発光化合物を活性化する。活性化された化学発光化合物は、その後、光を生じ、ここで、シグナルの減少が検体の存在下で観察される。生じた光の量は、形成された複合体の量に関連しており、それは、次に、第1のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体の非エピおよびエピ形態の両方の量に関連しており(第1の測定値)、そして第2のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体のエピ形態の量に関連している(第2の測定値)。第1の測定値から第2の測定値を減算すると、サンプル中のビタミンD検体の非エピ形態の量が得られる。
ビタミンDを用いる誘起発光アッセイの別の特定の例では、例として、かつ限定されることなく、例えば、アビジンまたはストレプトアビジン(それらはビオチンに対する結合パートナーである)のような小分子に対する結合パートナーに結合される光増感剤粒子が用いられる。ビタミンD検体の非エピマーおよびエピマー形態の両方に結合する一次抗体に結合されたビオチンを含む、本明細書に記載された原理による抗体試薬を用いる。化学発光試薬は、検出システムの部分として用いられる。第1のサンプル部分または第2のサンプル部分のための反応媒体を、場合によっては、インキュベートしてアビジンとビオチンとの間の結合によって光増感剤粒子のアビジンまたはストレプトアビジンを抗体試薬のビオチンと結合させ、そしてまた、本明細書に記載された原理による抗体試薬の一次抗体間の特異的結合を可能にし、それは、ここで光増感剤粒子に結びついて、サンプルの検体および化学発光試薬の部分である検体に結合する。次いで、媒体に光照射して光増感剤を刺激し、それにより酸素を一重線状態に活性化するその励起状態が可能となる。検体の存在のため、ここで、光増感剤にごく接近している化学発光試薬がより少ないので、一重項酸素による化学発光試薬の活性化がより少なくなり、そして発光がより少なくなる。次いで、発光または放出された光の存在および/または量に関して媒体を試験し、その存在は、検体の存在および/または量に関連しており、ここで、シグナルの減少が検体の存在下で観察される。発生した光の量は、形成された複合体に関連しており、それは次に、第1のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体の非エピおよびエピ形態の両方の量に関連し(第1の測定値)、そして第2のサンプル部分におけるアッセイでは、サンプル中に存在するビタミンD検体のエピ形態の量に関連する(第2の測定値)。第1の測定値から第2の測定値を減算すると、サンプル中のビタミンD検体の非エピ形態の量が得られる。
サンプル中で、ビタミンDを検出するためのアッセイフォーマットの別の例は、例として、かつ限定されることなく、ACMIAアッセイフォーマットである。ACMIAアッセイフォーマットでは、第1の成分としてクロム粒子を用い、それはビタミンDまたはビタミンD類似体(クロム粒子試薬)でコーティングされている。第2の成分は、本明細書に記載された原理によるビタミンDに対する抗体を含む抗体試薬である。抗体試薬中、抗体は、連結基によってレポーター酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ)に結合されて抗体−酵素複合体(conjugate)を形成している。抗体試薬を、過剰量、すなわち、サンプルに存在するであろうビタミンD検体のすべてを結合するために必要となる量を超える量で反応容器に加える。遊離剤による処理に予めかけたサンプルの第1の部分を、ビタミンD検体の非エピおよびエピ形態のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す抗体を含む、上記のような一次抗体試薬で処理する;抗体は、サンプル中のビタミンDに結合する。抗体−酵素複合体を媒体中のサンプルと混合してビタミンD検体を抗体に結合させる。次に、クロム粒子試薬を加えて、あらゆる過剰な抗体−酵素複合体を結合する。次いで、磁石を適用し、それにより懸濁液からクロム粒子および過剰の抗体−酵素のすべてを引き寄せ、そして上清を最終的な反応容器に移す。レポーター酵素の基質を最終的な反応容器に加え、そして酵素活性を、分光測光法により経時的な吸光度の変化として測定する。このシグナルの量は、サンプル中のビタミンDの非エピおよびエピ形態の両方の量に関連する。遊離剤による処理に予めかけたサンプルの第2の部分を、上記のような一次抗体試薬および二次抗体で処理し、それは、ビタミンD検体の非エピ形態に結合するが、ビタミンD検体の非エピ形態に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、そしてビタミンDのエピ形態に対して結合親和性を実質的に示さない二次抗体を含む。抗体−酵素複合体を媒体中のサンプルと混合してビタミンD検体を抗体に結合させる。次に、クロム粒子試薬を加えてあらゆる過剰な抗体−酵素複合体を結合する。次いで、磁石を適用し、これにより懸濁液からクロム粒子および過剰の抗体−酵素のすべてを引き寄せ、そして上清を最終的な反応容器に移す。レポーター酵素の基質を最終的な反応容器に加え、そして酵素活性を、経時的な吸光度の変化として分光測光法で測定する。このシグナルの量は、サンプル中のビタミンDの非エピおよびエピ形態に関連する。
サンプル中のビタミンDの異性体形態に関するアッセイの別の例(例として、かつ限定されない)は、固相として常磁性体粒子を用いるアクリジニウムエステル標識免疫測定法(ADVIA免疫測定法)である。ビタミンDアッセイのこの例に用いられる検出システムは、小分子複合体または捕捉複合体として小分子標識ビタミンD(捕捉部分)、固相(SP)として小分子コーティングされた常磁性体ラテックス粒子に対する結合パートナー、および本明細書に記載された原理によるビタミンD(検出抗体)に対するアクリジニウムエステル標識抗体を含む。小分子は、例えば、ビオチンまたはフルオレセインであってもよく、そしてそれぞれの結合パートナーは、ストレプトアビジンまたはフルオレセインに対する抗体であってもよい。ビタミンDは、直接または、例えばタンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)のような連結基を通して小分子に結合してもよい。患者サンプル中のビタミンDは、アクリジニウムエステル標識検出抗ビタミンD抗体への結合に関して捕捉部分のビタミンDと競合する。ビタミンDを含有することが疑われるサンプルを1,8−ANSによる前処理にかける。アッセイは、第1および第2のサンプル部分において、本明細書に記載された原理によるそれぞれの抗体およびCentaur(登録商標)、Centaur(登録商標) XPまたはCentaur(登録商標)CP装置(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、デラウエア州ニューアーク)用い、それとともに供給される製造元の説明書に従って実施してもよい。
本明細書に記載された原理による検体に関するアッセイの別の例は、固相として常磁性粒子を用いるアクリジニウムエステル標識免疫測定法(ADVIA免疫測定法)である。このアッセイの例で異性体検体に対して用いる検出システムは、本明細書に記載された原理による抗体試薬を含み、ここでは、小分子は、捕捉複合体として検体に対する抗体(捕捉抗体)、抗体試薬の小分子のための結合パートナーでコーティングされた固相(SP)として常磁性ラテックス粒子、およびアクリジニウムエステル標識検体類似体(検出ハプテン)に連結される。アクリジニウムエステル標識を、検体に直接結合して検出ハプテンを形成してもよいし、または、例えばBSAのようなタンパク質を含む連結基を用いてもよい。サンプルの検体は、抗検体抗体との結合に関してアクリジニウムエステル標識検出ハプテンと競合する。検体を含有することが疑われるサンプルを、遊離剤および消化剤の1つまたはそれ以上による前処理にかけてもよい。アッセイは、第1および第2のサンプル部分において、Centaur(登録商標)、Centaur(登録商標) XPまたはCentaur(登録商標) CP装置(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、デラウエア州ニューアーク)を用い、それとともに供給される製造元の説明書に従って実施してもよい。上のアクリジニウムエステルアッセイの変法において、小分子は、例えば、ビオチンまたはフルオレセインであってもよく、そして小分子に対する結合パートナーは、それぞれ、例えば、アビジンまたはストレプトアビジンまたはフルオレセインに対する抗体であってもよい。
試験されうるサンプル中の異性体検体の濃度は、一般に、例えば、約10−5から約10−17Mまで、または約10−6から約10−14Mまでの間で変化する。アッセイが定性的、半定量的または定量的かどうか(サンプル中に存在する検体の量に対して)、特定の検出技術および検体の期待される濃度といったような要件によって、通常、さまざまな試薬の濃度が決定される。
アッセイ媒体のさまざまな試薬の濃度は、一般に、興味の検体の濃度範囲、アッセイの性質などによって決定される。しかし、興味の範囲にわたってアッセイの感度を最適化するため、試薬のそれぞれの最終濃度は、通常、経験的に決定される。すなわち、検体の濃度における変化は重要であり、これにより正確に測定可能なシグナルの差異が得られるはずである。通常、シグナル発生システムの性質および検体の性質といった要件により、さまざまな試薬の濃度が決定される。
上記のように、サンプルおよび試薬は、媒体中で組み合せて提供される。媒体に添加する順序は変えてもよいが、本明細書に記載されたアッセイフォーマットのいくつかの実施態様に関して、特定の好ましいものがあるであろう。添加で最も単純な順序は、もちろん、同時にすべての物質を加えることであり、そして均一アッセイなどではアッセイ媒体がシグナルを有する効果を決定する。別法として、試薬のそれぞれ、または試薬のグループを、順次、合わせることができる。いくつかの実施態様では、上で議論したようにそれぞれの添加後にインキュベーションステップを含んでもよい。不均一アッセイでは、1つまたはそれ以上のインキュベーションステップの後に洗浄ステップを用いてもよい。
本明細書に記載された原理によるいくつかの例は、ビタミンDを含有することが疑われるサンプル中のビタミンDの2つの異性体形態の一方または両方の存在および量の一方または両方を決定する方法に関し、そして本明細書では「ビタミンDに関するアッセイ」と称してもよい。アッセイに関して本明細書に用いるとき、「ビタミンD」という用語は、25−ヒドロキシコレカルシフェロール(また、カルシジオール、カルシフェジオール、25−ヒドロキシコレカルシフェロールまたは25−ヒドロキシビタミンD(略して25(OH)D)ともよばれる;カルシジオール;1,25−ジヒドロキシビタミンD(カルシトリオール;1,25(OH)2D);1,25−ジヒドロキシビタミンD;1,25−ジヒドロキシビタミンD;および1,25−ジヒドロキシビタミンDの1つまたはそれ以上の非エピおよびエピ形態の1つまたはそれ以上のことであり、上記のすべての代謝物を含む。
試験ステップ
アッセイ方法の1つのステップでは、本明細書に記載された原理による検体の1つまたはそれ以上の異性体形態および検体に対する抗体を含む複合体の存在に関して媒体を試験する。複合体の一方または両方の存在および/または量は、サンプル中の検体の異性体形態の1つまたはそれ以上の存在および/または量を示している。
「検体の量を測定する」という成句は、検体の異性体形態の1つまたはそれ以上の定量的、半定量的および定性的決定のことをいう。定量的、半定量的および定性的である方法、ならびに検体を決定するためのすべての他の方法は、検体の量を測定する方法であると考えられる。例えば、検体を含有することが疑われるサンプルにおいて単に検体の存在または非存在のみを検出する方法は、本発明の範囲内に含まれると考えられる。「検出すること」および「決定すること」という用語、ならびに測定に関する他の一般的な同義語は、本発明の範囲内にあると企図される。
多くの実施態様において、媒体の試験は、媒体からシグナルの検出を含む。シグナルの存在および/または量は、サンプル中の検体の異性体形態の1つまたはそれ以上の存在および/または量に関連する。特定の検出方式は、シグナル発生システムの性質に左右される。上に議論したように、それによってシグナル生成シグナルの標識が外部手段によって検出可能なシグナルを生成することができる多くの方法がある。シグナル発生システムの活性化は、シグナル発生システムメンバーの性質に左右される。
測定中の温度は、一般に、例えば約10℃から約70℃まで、または約20℃から約45℃まで、または約20℃〜約25℃である。1つのアプローチでは、ビタミンD検体の既知の濃度を用いて標準曲線を形成する。標準物質および他の対照を用いてもよい。
発光または任意の標識から生成される光は、目視により、写真によって、光量計で、分光測光法で、例えば光電子増倍管もしくはフォトダイオードの使用によって、またはその量を決定するために都合のよい他のいずれかの手段によって測定することができ、それは媒体中の検体の量に関連する。また、シグナルの存在および/または量に関する試験は、シグナルの検出を含み、それは一般に、単にシグナルを読み取るステップである。シグナルは、通常、機器を用いて読み取り、その性質はシグナルの性質に左右される。機器は、例えば、分光光度計、蛍光計、吸収分光計、照度計、および化学照度計であってもよいが、それらに限定されるわけではない。
アッセイを実施するための試薬を含むキット
検体の異性体形態を含有することが疑われるサンプルの部分においてアッセイを実施するためのキットが調製されうる。キットは、サンプルの各部において実施されるアッセイのための抗体試薬を含む。したがって、1つの抗体試薬は、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す抗体を含む。第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、そして第2の異性体検体に対してアッセイ結合親和性を実質的に示さない二次抗体が含まれる。キットは、アッセイを実施するための他の試薬をさらに含んでもよく、その性質は、特定のアッセイフォーマットに左右される。
試薬は、それぞれ、個々の容器中にあってもよく、または試薬の交差反応性および安定性に応じて、さまざまな試薬を1つまたはそれ以上の容器中で合わせることができる。キットは、例えば、さらなる特異的結合対メンバー、シグナル発生システムメンバー、および補助的試薬といったような、アッセイを実施するための他の個別に包装された試薬をさらに含むことができる。
キットのさまざまな試薬の相対量は、本方法中に起こる必要がある反応を実質的に最適化する試薬の濃度を提供するため、そしてさらに実質的にアッセイの感度を最適化するために広範に変化することができる。適当な状況下で、キットの試薬の1つまたはそれ以上は、賦形剤を含む、通常、凍結乾燥された乾燥粉末として提供することができ、それを溶解すると、本明細書に記載された原理による化合物試薬を用いて方法またはアッセイを実施するための適当な濃度を有する試薬溶液が提供されることになる。キットは、本明細書に記載された原理による化合物試薬を含む試薬を利用する方法の明細書をさらに含むことができる。
本明細書に用いるような「第1の」および「第2の」という表示は、完全に任意であり、そして部分間のなんらかの順序または序列を示唆する意味ではなく、あるいは本方法における部分の添加のなんらかの順序に相当するものでもない。
本明細書に用いられる「少なくとも」という成句は、指定された項目の数が、列挙される数と等しいか、またはそれを超えてもよいことを意味する。本明細書に用いられる「約」という成句は、列挙された数がプラスまたはマイナス10%異なってもよいことを意味し、例えば、「約5」は、4.5〜5.5の範囲を意味する。
以下の議論は、例として、かつ限定されることなく、本明細書に記載される原理による具体的な実施例に関する。具体的な実施例は、本開示および添付の特許請求の範囲を限定しようとするものではない。多くの改変および代替の組成物、方法およびシステムは、本開示の精神と範囲から逸脱することなく考案されうる。
実施例
特に明記しない限り、下の実験の物質は、シグマアルドリッチケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Corporation)(ミズーリ州セントルイス)またはフルカケミカル社(Fluka Chemical Corporation)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入してもよい。本明細書に開示された部分およびパーセンテージは、特に明記しない限り、体積に対する質量による。
定義:
mg=ミリグラム
g=グラム
ng=ナノグラム
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
μmol=マイクロモル
℃=摂氏温度
min=分
sec=秒
hr=時間
w/v=体積に対する質量
v/v=体積に対する体積
TLC=薄層クロマトグラフィー
HPLC=高性能液体クロマトグラフィー
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
PEG=ポリエチレングリコール
EtOAc=酢酸エチル
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
MeOP=1−メトキシ−2−プロパノール
MES=2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
DI=蒸留した
UPA=超粒子分析器(Ultra Particle Analyzer)
LOCI=発光酸素チャネリング免疫測定法(luminescent oxygen channeling immunoassay)
Ab=抗体
非エピ−ビタミンDおよびエピ−ビタミンDの両方に対して十分なアッセイ結合親和性を示すビオチン化一次抗体の調製
10mMのPO、300mMのNaCl、pH7.0中のビタミンD抗体5H10の溶液(2.63mg/mLで0.8mL)(Bioventix、Farnham、Surrey、英国からのヒツジモノクローナル)をNHS−dPEG(登録商標)4−ビオチン(Quanta Biodesign Ltd.、Powell OH、パート番号10200)の水溶液(2.0mg/mL)43.2μLと混合した。加えたビオチン化試薬の量は、抗体を有するビオチン化剤の10倍モル挑戦を表す。反応混合物を室温で3時間インキュベートし、次いで、0.5MのTRIS80μLを添加して反応をクエンチした。溶出液の260nmでの吸収が≦0.03になるまで、AMICON(登録商標)デバイス(YM10)中10mMのPO4、300mMのNaCl、pH7.0を用いて反応混合物を緩衝液交換にかけた。抗体溶液(2.1mg/mLタンパク質で1.04mL)を10μLのPROCLIN(登録商標)300と混合し、そして0.2μmのACRODISC(登録商標)シリンジフィルタ(Pall Corporation)を用いて硫酸ネオマイシンの水溶液(10mg/mL)10μLを濾過し、そして2〜8℃で保存した。
EPRM−EDAビーズの調製
EPRMビーズ(2000mg、20.0mL)を40mLバイアルに加える。EPRMビーズは、米国特許第7,179,660号に記載されたものと類似の方法によって調製し、そして化学発光化合物は、ユーロピウムキレートを有する2−(4−(N,N,ジ−テトラデシル)−アニリノ−3−フェニルチオキセンである。EDA(800mg、890μL)をMES pH6緩衝液(「緩衝液」)10mLおよび6NのHCl約4.2mLと合わせた。混合物のpHは、約6.9であるか、またはそうなるように調整する。EDA溶液をEPRMビーズに加えてボルテックスし、そして混合物を室温で15分間揺動させる。15mLバイアル中でナトリウムシアノボロヒドリド(400mg)を脱イオン水10mLと合わせ、そして合わせたものを上のビーズ混合物に加える。混合物を37℃で18〜20時間振盪する。ビーズを6本の40mL遠心管に移す。MES緩衝液を加えて体積を35mLにし、そして混合物を19,000rpmで30分間遠心分離する。上清をデカントし、そして撹拌ロッドを用いてビーズを緩衝液2mL中で再懸濁し、そしてさらなる緩衝液を35mLに加える。混合物を冷たく保つために氷を用いて、混合物を出力18ワットで30秒間超音波処理する。洗浄/超音波処理ステップを4回実施してすべての活性化化学物質を除去する。最後のMES緩衝液の遠心分離後、5%のMeOPおよび0.1%のTween(登録商標)20を含有する緩衝液(「第2の緩衝液」)2mLを、再懸濁ステップのため、管に加える。超音波処理前に、さらなる第2の緩衝液を35mLまで加える。ビーズ懸濁液を19,000rpmで30分間遠心分離する。上清を捨てる。最後の超音波処理では、各管中に第2の緩衝液12mLを用いて25mg/mL希釈溶液を得る。粒径は、UPA機器で測定して277nmである。
EPRMケミビーズ(chemibead)は、米国特許第6,153,442号および米国特許出願公開第20050118727A号に記載された方法と類似のやり方で調製し、それらの関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。EPRMケミビーズは、アミノデキストラン内層および遊離アルデヒド官能基を有するデキストランアルデヒド外層を含む。例えば、米国特許第5,929,049号、同第7,179,660号および同第7,172,906号を参照し、それらの関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。反応は、例えば、MESのような適した緩衝液を用いて緩衝化された水性媒体中、pH約5.5〜約7.0、または約6で、約0〜約40℃の温度で、約16〜約64時間の間実施する。例えば、カルボキシメトキシアミンヘミ塩酸塩(CMO)のような適したクエンチング剤の添加によって反応をクエンチし、そしてその後、粒子を洗浄する。
外側のデキストランアルデヒド層上のアルデヒド基は、還元的アミノ化条件下でエチレンジアミンと反応してエチレン鎖および末端アミン基を含むペンダント部分を有する試薬EPRMEDAを形成する。還元的アミノ化条件は、例えば、金属水素化物のような還元剤の使用を含む。反応は、水性媒体中、約20℃〜約100℃の反応中の温度で約1時間〜約48時間の間実施する。
25−OHビタミンD 3−カルバメート(25−OHビタミンD 3−カルバメート)の合成
5mlのフラスコ(ホイルで覆う)中、無水アセトニトリル1mL中のChemReagents.com、テキサス州シュガーランドから購入した25−OH VD22mg(55μmol)、炭酸ジスクシンイミジル(DSC)100mg(420μmol)、トリエチルアミン100μLの混合物を窒素下、室温で18時間撹拌して活性化25−OH VDを調製した。TLC(EtOAc:ヘキサン=2:1)は、出発物質が残っていることを示さなかった。10mlのフラスコにカルボキシメトキシルアミンヘミ塩酸塩(CMO)150mg、トリエチルアミン0.3mlおよびDMF1mlを加えることによって懸濁液を調製した。活性化25−OH VDを含有する溶液を、CMO懸濁液に撹拌しながら滴加し、これをさらに18時間続けた。真空を適用して可能な限り溶媒を除去した(加熱浴温度は、50℃を超えてはならない)。残留物にEtOAc(25ml)を加え、それをブライン2mlで3回洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥し、そして濾過した;ロータリエバポレーターを用いて溶媒を除去した。乾燥後、粗生成物(42mg)を得、そしてHPLCによって精製した。高真空下で乾燥した後、純粋な生成物(24mg)を得た。生成物を無水DMSO1.2mlに溶解した。アリコートをバイアルに移し、それを−70℃に保った。
ケミビーズ試薬を得るためのEPRMEDAと25−OHビタミンD 3−カルバメートとのカップリング
25−OHビタミンD 3−カルバメート(上記のように調製したDMSO中のアリコート10μL)(0.2mg)を2mLバイアルに加えた。EDAC(6.8mg)およびSNHS(9.4mg)ならびに乾燥DMSO(3mg/mL)2.27mLを5mLバイアルに加えた。EDAC/SNHS溶液(190μL)を上の2mLバイアルの内容物(1mg/mL)と合わせて活性化25−OHビタミンD 3−カルバメートを調製した。混合物を室温で18時間回転させた。16%GAFAC(登録商標)界面活性剤溶液のアリコート(GAF Corporation、ニュージャージー州ウェイン)(0.15%)0.4mLを脱イオン水3.6mLで1.6%まで希釈した。
ビタミンD(8.5mg)およびDMSO(10mg/mL)850μLを合わせた。撹拌棒を備えた10mL丸底フラスコ(標識3323−064B)にEPRMEDA2.0mL(200MG)、続いて上のビタミンD溶液400μL(4mg)を加えた。混合物を室温で一夜撹拌した。
撹拌棒を備えた10mL丸底フラスコに、EPRMEDA(上記のように調製した)2.0mL(200mg)、続いて1.6%のGAFAC(登録商標)界面活性剤溶液(0.15%)260μLを、穏やかに撹拌しながら加えた。小さな試験管に無水DMSO 504μL、を加えた。続いて上記のように調製した活性化ビタミンD−3−カルバメート60μL(0.06のmg)を加え;そして混合物をEPRM−EDAビーズ混合物に加えた。ビーズ懸濁液の総DMSO含量は20%であった。反応容器を室温で一夜撹拌するにまかせた。次いで、ビーズをダイアフィルトレーションによって洗浄した。
10%のMeOP/1%のGAFAC(登録商標)/MES pH6緩衝液を用いて各ビーズロットを最大20mLの作業体積にした。混合物を緩衝液5体積で限外濾過し、次いで、混合物を冷たく保つため氷を用いて、プローブソニケーターを用いて18〜21ワットで超音波処理した。ダイアフィルトレーション/超音波処理を50体積まで継続し、溶出液サンプルを35、40、45および50体積で採取した。緩衝液をLOCIハプテン洗浄緩衝液(50mMのHEPES、300mMのNaCl、1mMのEDTA、0.01%の硫酸ネオマイシン、0.1%のTRITON(登録商標)405Xおよび0.15%のPROCLIN(登録商標)300(pH7.2)に変更し、その際、10体積を用いた。混合物を約7mLまで減らし、そしてUPAを実施した。粒子サイズは、3323−064A=289nmおよび3323−064B=298nmであった。固形物パーセントを決定し、そしてビーズロットをLOCIハプテン洗浄緩衝液pH7.2で10mg/mLにした。収量は160.4mgであった。
非エピ−ビタミンDおよびエピ−ビタミンDに関するアッセイ
アッセイは、DIMENTION(登録商標)VISTA(登録商標)分析器(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、イリノイ州ディアフィールド)においてLOCIアッセイのプロトコールに従い、そして様々な量の非エピ−25−ヒドロキシビタミンDおよび/または3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDを含有する標準物質溶液を用いて実施した。本実施例において、アッセイでは、化学発光試薬として、上記のように調製したケミビーズ試薬を用いる。サンプル部分を、(i)上記のように調製した一次ビオチン化抗体試薬(第1のサンプル部分)または(ii)一次ビオチン化抗体および二次抗体(第2のサンプル部分)いずれかと、次いでケミビーズ試薬と反応させる。第2のサンプル部分では、二次抗体は、ビタミンD抗体10H9(CENTAUR(登録商標)ビタミンDアッセイに見いだされるマウスモノクローナル、Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、デラウエア州ニューアーク)の溶液(2.63mg/mLで0.8mL)である;二次抗体は、過剰量で存在した(75μg/mLまたは5H10抗体の量の100倍)。ケミビーズは、サンプルからの検体によって占有されないモノクローナル抗体結合部位の分画に結合する。その後、ストレプトアビジン結合増感剤ビーズを反応混合物に加える。これにより、ケミビーズ/センシビーズ対が形成され、その濃度は、ビタミンDの両方の形態(第1のサンプル部分)またはビタミンDのエピ形態(第2のサンプル部分)いずれかの濃度に反比例する。680nmで照射すると、増感剤ビーズは、一重項酸素を生成し、それはセンシビーズと対になるケミビーズ中に拡散し、オレフィン色素と反応し、そして約612nmで化学発光シグナルを誘発し、それは検体濃度に反比例する。
ストレプトアビジン−増感剤ビーズ(「センシビーズ」)は、米国特許第6,153,442号、同第7. 022,529号、同第7,229,842号および米国特許出願公開第20050118727A号に記載されたものと類似の方法を用いて調製する。光増感剤は、ビス−(トリヘキシル)−ケイ素−t−ブチル−フタロシアニンであった。センシビーズ試薬の濃度は、150mMのNaClを含有するHEPES緩衝液、pH8.0中、200μg/mLであった。上記のように調製したEPRM−EDA−25−OHビタミンD粒子試薬を、150mMのNaClおよび0.1%の洗浄剤を含有するHEPES緩衝液、pH7.2中、200μg/mLの濃度で「ケミビーズ試薬」として用いた。
それぞれのサンプル部分について、時間t=0秒で、ビオチン化抗体試薬20μLおよび水20μLを反応容器に加えた。21.6秒後、サンプル12μL、続いて水8μLを加えた。t=414.0秒で、ケミビーズ試薬40μL、続いて水20mLを加えた。次いで、457.2秒で、センシビーズ試薬を投入した。反応順序を開始後、測定には601.2秒かかった。ビタミンDのエピおよび非エピ形態の両方の量を表す第1の測定値およびビタミンDのエピ形態のみの量を表す第2の測定値が得られた。
上のアッセイフォーマットを用いて、様々な量の非エピ−25−ヒドロキシビタミンD(非−エピ−VD)を添加したが、3−エピ−25−ヒドロキシビタミンD(3−エピ−VD)を添加してない血清サンプルにおいてアッセイを実施した。このアッセイのセットは、機器および10H9二次抗体を含有した、または含有しなかったサンプルを較正するために実施した。結果を下の表1にまとめ、そして図3に示したグラフ中にプロットする。
Figure 0006352312
結果は、アッセイでは、存在する過剰量の10H9二次抗体を用いても、いくらかの非エピ−VDがなお検出されることを示す。したがって、この機器システムにおいて10H9二次抗体を用いる他のアッセイで得られた結果を調整して、この較正の結果を説明しなければならないであろう。
上のアッセイフォーマットを用いて、様々な量の非エピ−VDおよび3−エピ−VDを添加した血清サンプルにおいてアッセイを実施した。10H9二次抗体あり(+10H9)およびなし(−10H9)の両方でアッセイを実施した。図2および3のグラフに関して「予測1」および「予測2」の値が得られる。値はng/mLである;差=+10H9値と予測1の値との間の差。「添加量」は、サンプルに添加した3−エピ−VDの量である。それらの結果を下の表2にまとめる。
Figure 0006352312
表2の上のデータを用いて、3−エピ−VDの補正した量を以下のように算出する;3−エピマーの予測された量を第2〜最後の欄に記載する。上の表2の各欄の説明
欄1:−10H9は、10H9 Abの非存在下で測定されたng/mLの25(OH)Dである。これは、25(OH)Dのng/mLの総量を表す(D+D+3エピ×交差反応性)。
欄2:+10H9は、10H9 Abの存在下で測定されたng/mLの25(OH)Dである。これは、抑制された総25(OH)Dのng/mLを表す(部分的D+部分的D+3エピ×交差反応性)。
欄3:予測1は、サンプル中に存在する3−エピマーがない場合、10H9の存在下でのng/mLの25(OH)Dの量である(部分的D+部分的D)。
欄4:差は、欄2マイナス欄3である=3エピ×交差反応性。
欄5:予測2は、交差反応性で割った欄4、すなわち(3エピ×交差反応性)/交差反応性=3エピng/mL)である。
欄6:添加量は、3−エピマーをサンプル中にどれくらい添加したかである。欄5および欄6の結果がどれだけ近いかを示すには、この欄をカラム5と比較しなければならない。それらの結果を表3にまとめる。補正平均25(OH)Dのng/mLは、10H9 Abの非存在下で測定された総ng/mLの25(OH)Dから、測定された3−エピマーng/mLを減算した後に算出された。CXRは、3−エピマー干渉が除去された後の2つの反応容器アッセイの3−エピマー交差反応性を意味する。これは、上で言及した交差反応性と同じでない。表2の交差反応性は、5H10 Abの3−エピマーとの交差反応性である。表3の交差反応性は、3−エピマーの濃度を最終的な25(OH)Dのng/mL濃度から減算した後のアッセイの交差反応性である。
Figure 0006352312
表3中、欄1、2、3、4および5は、それぞれ表2中の欄1、2、7、4および5に対応する。欄6は補正されており、それは3−エピマーなしのng/mLの25(OH)Dである。基本的に、標準物質L2−L5に対するng/mLの25(OH)D値は、10H9抗体の存在下および非存在下での25(OH)D値の間のng/mLの差に対してプロットした。このプロットから生じた係数を用いて、その差によって非3−エピマー25(OH)Dの値を予測した。これは、10H9抗体が非エピマーにしか結合しないので、その差が非3−エピマーシグナルを表す抑制されたシグナルであるためである。
本明細書に引用されたすべての刊行物及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が、具体的かつ個別に参照により組み込まれたことが示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
上記の実施例は、本明細書に記載された原理を表す多くの具体的実施例のいくつかの例示でしかないことを理解すべきである。当業者が、以下の特許請求の範囲によって定義された範囲を逸脱することなく、多くの他の変法を容易に考案することができることは明らかである。
特に明記しない限り、下の実験の物質は、シグマアルドリッチケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Corporation)(ミズーリ州セントルイス)またはフルカケミカル社(Fluka Chemical Corporation)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入してもよい。本明細書に開示された部およびパーセンテージは、特に明記しない限り、体積に対する質量による。

Claims (16)

  1. サンプル中の第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定する方法であって、
    (a)サンプルの一部において、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対して十分なアッセイ結合親和性を示す一次抗体を用いてアッセイを実施して第1の測定値を得ることによって第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量測定すること;
    (b)サンプルの一部において、一次抗体を用いてアッセイを実施して第2の測定値を得ることによって第2の異性体検体の量を測定すること、ここで、第1の異性体検体に結合するが、第1の異性体検体に対して不十分なアッセイ結合親和性を示し、そして第2の異性体検体に対してアッセイ結合親和性を実質的に示さない二次抗体を過剰に用いて第1の異性体検体の一次抗体への結合を遮断する;および
    (c)第2の測定値をサンプル中の第2の異性体検体の量に等しいとみなし、そして第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、そして該結果値をサンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなすこと、
    を含む方法であって、
    前記2つの異性体検体が25−ヒドロキシビタミンD3および3−エピ25−ヒドロキシビタミンD3である前記方法。
  2. 前記アッセイが均一アッセイである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アッセイが不均一アッセイである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記アッセイが競合的アッセイである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記アッセイが非競合的アッセイである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アッセイが前記検体の類似体を含む試薬を用い、該類似体が標識を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記アッセイが粒子を含む試薬を用いる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アッセイが光増感剤試薬および化学発光粒子を含む試薬を用いる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記光増感剤試薬が粒子を含む、請求項に記載の方法。
  10. サンプル中の第1の異性体検体および第2の異性体検体の量を決定する方法であって、
    (a)サンプルの一部において、少なくとも約10 7 リットル/モルの、第1の異性体検体および第2の異性体検体のそれぞれに対する結合親和性を有する一次抗体を用いてアッセイを実施して第1の測定値を得ることによって第1の異性体検体および第2の異性体検体の総量を測定すること;
    (b)一次抗体を用いてサンプルの一部においてアッセイを実施して第2の測定値を得ることによって第2の異性体検体の量を測定すること、ここで、約106〜約108リットル/モルの第1の異性体検体に対する結合親和性および約104リットル/モルより低い第2の異性体検体に対する結合親和性を有する二次抗体を過剰に用いて第1の異性体検体の一次抗体への結合を遮断する;および
    (c)サンプルで第2の測定値を第2の異性体検体の量に等しいとみなし、そして第1の測定値から第2の測定値を減算して結果値を得、そしてその結果値をサンプル中の第1の異性体検体の量に等しいとみなすこと、
    を含む方法であって、
    前記2つの異性体検体が25−ヒドロキシビタミンD 3 および3−エピ25−ヒドロキシビタミンD 3 である前記方法。
  11. 前記アッセイが、競合的均一アッセイ、競合的不均一アッセイ、非競合的均一アッセイまたは非競合的不均一アッセイである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記アッセイが、前記検体の類似体を含む試薬を用い、該類似体が標識を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記アッセイが粒子を含む試薬を用いる、請求項10に記載の方法。
  14. 前記アッセイが光増感剤試薬および化学発光粒子を含む試薬を用いる、請求項10に記載の方法。
  15. 前記光増感剤試薬が粒子を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記アッセイが発光酸素チャネリング免疫測定法である、請求項10に記載の方法。
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