JP6352054B2 - パラレルリンク機構およびリンク作動装置 - Google Patents

パラレルリンク機構およびリンク作動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6352054B2
JP6352054B2 JP2014112121A JP2014112121A JP6352054B2 JP 6352054 B2 JP6352054 B2 JP 6352054B2 JP 2014112121 A JP2014112121 A JP 2014112121A JP 2014112121 A JP2014112121 A JP 2014112121A JP 6352054 B2 JP6352054 B2 JP 6352054B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
end side
hub
plate
link member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014112121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015224782A (ja
Inventor
浩 磯部
浩 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2014112121A priority Critical patent/JP6352054B2/ja
Priority to PCT/JP2015/064934 priority patent/WO2015182556A1/ja
Publication of JP2015224782A publication Critical patent/JP2015224782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6352054B2 publication Critical patent/JP6352054B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H21/00Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides
    • F16H21/46Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides with movements in three dimensions
    • F16H21/48Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides with movements in three dimensions for conveying rotary motions

Description

この発明は、医療機器や産業機器等の高速、高精度で、広範な作動範囲を必要とする機器に用いられるパラレルリンク機構およびリンク作動装置に関する。
医療機器や産業機器等の各種作業装置に用いられるパラレルリンク機構が、特許文献1、2に提案されている。
特開2000−94245号公報 米国特許第5,893,296号明細書
特許文献1のパラレルリンク機構は、構成が比較的簡単であるが、各リンクの作動角が小さいため、トラベリングプレートの作動範囲を大きく設定すると、リンク長が長くなることにより、機構全体の寸法が大きくなって装置の大型化を招くという問題がある。また、機構全体の剛性が低く、トラベリングプレートに搭載されるツールの重量、つまりトラベリングプレートにおける可搬重量が小さいものに制限されるという問題もある。
特許文献2のパラレルリンク機構は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、4節連鎖の3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結した構成としたことにより、コンパクトでありながら、高速、高精度で、広範な作動範囲の動作が可能である。
しかし、特許文献2のパラレルリンク機構は、部品構成が複雑であり、組立性が悪いという問題がある。また、剛性や強度を確保するために、各部品が複雑な形状をしており、量産性が悪く、製作コストが高いという問題もある。
この発明の目的は、高速、高精度で、広範な作動範囲の動作を行うことができ、組立てが容易で、量産性に優れ、安価に製作できるパラレルリンク機構を提供することである。
この発明の他の目的は、2自由度の角度を制御することが可能で、かつ広範な作動範囲の動作を精度良く行うことができ、低コストで製作できるリンク作動装置を提供することである。
この発明のパラレルリンク機構は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを備え、前記端部リンク部材は、板厚方向に曲がった曲がり部を箇所以上有する板材からなることを特徴とする。
この明細書において、「基端側」および「先端側」とは、以下の意味で用いられる。すなわち、リンクハブと端部リンク部材の各回転対偶、および、端部リンク部材と中央リンク部材の各回転対偶の中心軸がそれぞれ交差する点をリンクハブの「球面リンク中心」と称し、この球面リンク中心を通り前記リンクハブと端部リンク部材の回転対偶の中心軸と直角に交わる直線を「リンクハブの中心軸」と称する場合、それぞれのリンクハブから基端側および先端側の各リンクハブの中心軸が交差する交点から見て基端側の球面リンク中心方向を基端側、先端側の球面リンク中心方向を先端側としている。
この構成によれば、基端側のリンクハブと、先端側のリンクハブと、3組以上のリンク機構とで、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、先端側のリンクハブの可動範囲を広くとれる。例えば、基端側のリンクハブの中心軸と先端側のリンクハブの中心軸の最大折れ角は約±90°であり、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブの旋回角を0°〜360°の範囲に設定できる。
端部リンク部材を板材としたため、端部リンク部材を低コストで製造することができ、かつ量産性に優れる。また、端部リンク部材が板材であると、端部リンク部材とリンクハブの回転対偶部、および端部リンク部材と中央リンク部材の回転対偶部の構成を簡略にでき、組立て性が向上する。曲がり部の曲げ角度を変えることで、設計変更に容易に対応可能である。端部リンク部材が曲がり部を2箇所以上有するため、パラレルリンク機構の外径寸法がコンパクトになり、部品同士の干渉を回避することができる。
この発明において、前記端部リンク部材を構成する前記板材は金属板であり、前記曲がり部を板金曲げ加工により形成すると良い。
この場合、曲がり部の加工が容易である。
この発明において、前記端部リンク部材は、板厚方向に曲がった曲がり部を箇所以上有する2つ以上の板材からなっていても良い。例えば、前記端部リンク部材は2つの板材からなり、これら2つの板材を板面同士が互いに向き合うように並列に配置する。
端部リンク部材を2つ以上の板材で構成すると、端部リンク部材の強度を確保しつつ、板材の板厚を薄くすることができる。それにより、端部リンク部材を安価に製造できると共に、軽量化を図ることができる。
前記2つの板材を板面同士が互いに向き合うように並列に配置した場合、前記端部リンク部材と前記リンクハブとの回転対偶部、および前記端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部は、前記2つの板材の間に、軸受を内蔵した前記リンクハブおよび前記中央リンク部材を配置し、前記2つの板材に設けた貫通孔および前記軸受の内輪に回転軸を挿通し、前記2つの板材、前記軸受の内輪、および前記回転軸を互いに固定すると良い。
この構成によると、外径側と内径側の2つの板材で回転軸の両端を支持し、2つの板材の間に軸受が位置する。このため、回転対偶部のモーメント荷重に対する剛性が高くなり、パラレルリンク機構全体の剛性が向上する。
上記構成において、前記端部リンク部材を構成する前記2つの板材のうちの一方の板材に設けた前記貫通孔は、この貫通孔に挿通される前記回転軸との間にすきまが生じないタイトな孔とし、もう一方の板材に設けた前記貫通孔は、この貫通孔に挿通される前記回転軸との間にすきまが生じるルーズな孔とするのが良い。
前記端部リンク部材の両端にそれぞれ連結される2つの回転軸は互いに角度を持っている。このため、板材の貫通孔がタイトな孔であると、2つの回転軸と2つの貫通孔を互いに位置合わせしてから、回転軸を進出させて貫通孔に回転軸を挿通することはできても、位置固定されている2つの回転軸に対して、板材を移動させて貫通孔に回転軸を挿通することはできない。
上記構成のように、2つの板材の貫通孔がそれぞれタイトな孔およびルーズな孔であると、次の手順で組立を行うことができる。すなわち、先に、タイトな孔である貫通孔を有する板材に対して2つの回転軸を位置合わせし、板材は位置固定したまま2つの回転軸を進出させることで貫通孔に回転軸を挿通する。後で、位置固定された2つの回転軸に対して、ルーズな孔である貫通孔を有する板材を移動させて、回転軸と貫通孔の位置合わせをしながら貫通孔に回転軸を挿通する。貫通孔がルーズな孔であれば、回転軸と貫通孔の正確な位置合わせをする必要がなく、しかも板材をずらしたり傾けたりしながら回転軸を貫通孔に挿通することができるため、組立て作業性が良い。一方の板材のタイトな孔である貫通孔に回転軸が挿通されているため、端部リンク部材と回転軸の連結部の組立て精度を確保できる。
この発明のリンク作動装置は、前記パラレルリンク機構における前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更する姿勢変更用アクチュエータを設けたことを特徴とする。
3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に姿勢変更用アクチュエータを設ければ、基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を確定することができる。これにより、2自由度の角度を制御することが可能なリンク作動装置を低コストで実現できる。
上記リンク作動装置において、前記姿勢変更用アクチュエータは、出力軸にこの出力軸と直交するフランジ面を有するロータリアクチュエータであり、前記基端側の端部リンク部材を構成する任意数の前記板材のうちの少なくとも1つの板材は、前記基端側のリンクハブに回転自在に連結される回転軸と直交するフランジ取付面を有し、前記姿勢変更用アクチュエータの前記フランジ面に前記板材の前記フランジ取付面を直接または間接的に結合しても良い。
この構成によると、パラレルリンク機構に直接、姿勢変更用アクチュエータを設置できるため、駆動機構部が簡素な構造となり、安価なリンク作動装置を実現できる。
また、上記リンク作動装置において、前記姿勢変更用アクチュエータは減速機構を備えたロータリアクチュエータであり、前記減速機構の出力軸はこの出力軸と直交するフランジ面を有し、前記基端側の端部リンク部材を構成する任意数の前記板材のうちの少なくとも1つの板材は、前記基端側のリンクハブに回転自在に連結される回転軸と直交するフランジ取付面を有し、前記減速機構の前記フランジ面に前記板材の前記フランジ取付面を直接または間接的に結合しても良い。
この構成によると、減速機構を備えたロータリアクチュエータを用いることで許容負荷を向上できる。また、慣性モーメント比を低減できるため、高速動作を実現できる。
この発明のパラレルリンク機構は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを備え、前記端部リンク部材は、板厚方向に曲がった曲がり部を1箇所以上有する板材からなるため、高速、高精度で、広範な作動範囲の動作を行うことができ、組立てが容易で、量産性に優れ、安価に製作できる。
この発明のリンク作動装置は、前記パラレルリンク機構における前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更する姿勢変更用アクチュエータを設けたため、2自由度の角度を制御することが可能で、かつ広範な作動範囲の動作を精度良く行うことができ、安価に製作できる。
この発明の基礎となる提案例実施形態にかかるパラレルリンク機構の一状態の斜視図である。 同パラレルリンク機構の一部を省略した正面図である。 同パラレルリンク機構の基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材、および中央リンク部材の断面図である。 同パラレルリンク機構の1つのリンク機構を直線で表現した図である。 この発明の一実施形態に係るパラレルリンク機構における基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材、および中央リンク部材の断面図である。 他の定例例にかかるパラレルリンク機構の一状態の斜視図である。 同パラレルリンク機構の一部を省略した正面図である。 同パラレルリンク機構の基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材等の一部破断平面図である。 同パラレルリンク機構の1つの基端側の端部リンク部材およびその両端周辺部の断面図である。 (A),(B)は同パラレルリンク機構の端部リンク部材の外径側および内径側のリンク構成板材のそれぞれの正面図である。 他の実施形態に係るパラレルリンク機構の1つの基端側の端部リンク部材およびその両端周辺部の断面図である。 さらに異なる提案例にかかるパラレルリンク機構の一部を省略した正面図である。 同パラレルリンク機構の基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材、および中央リンク部材の断面図である。 図1〜図4のパラレルリンク機構を用いたリンク作動装置の一部を省略した正面図である。 図6〜図10のパラレルリンク機構を用いたリンク作動装置の一部を省略した正面図である。 同リンク作動装置の基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材、駆動機構部等の一部破断平面図である。 同リンク作動装置の端部リンク部材の外径側のリンク構成板材の正面図である。 異なるリンク作動装置の基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材等の一部破断平面図である。
この発明の基礎となる提案例に係るパラレルリンク機構を図1〜図4と共に説明する。 図1はこのパラレルリンク機構の一状態を示す斜視図、図2は同パラレルリンク機構の一部を省略した正面図である。このパラレルリンク機構1は、基端側のリンクハブ2に対し先端側のリンクハブ3を3組のリンク機構4を介して姿勢変更可能に連結したものである。図2では、1組のリンク機構4のみが示されている。リンク機構4の数は、4組以上であっても良い。
各リンク機構4は、基端側の端部リンク部材5、先端側の端部リンク部材6、および中央リンク部材7で構成され、4つの回転対偶からなる4節連鎖のリンク機構をなす。基端側および先端側の端部リンク部材5,6は所定の角度に湾曲した形状をしており、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3に回転自在に連結されている。中央リンク部材7は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材5,6の他端がそれぞれ回転自在に連結されている。3組のリンク機構4は、互いに幾何学的に同一形状をなす。
また、図4のように、リンク機構4を直線で表現したモデルは、中央リンク部材7の中央部に対する基端側部分と先端側部分とが対称を成す形状である。より詳しくは、各リンク部材5,6,7を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶と、これら回転対偶間を結ぶ直線とで表現したモデルが、中央リンク部材7の中央部に対する基端側部分と先端側部分が対称を成す形状である。図4は、1組のリンク機構4のみを直線で表現している。この提案例のパラレルリンク機構1は回転対称タイプで、基端側のリンクハブ2および基端側の端部リンク部材5と、先端側のリンクハブ3および先端側の端部リンク部材6との位置関係が、中央リンク部材7の中心線Cに対して回転対称となる位置構成になっている。
このパラレルリンク機構1は、2つの球面リンク機構を組み合わせた構造であって、リンクハブ2,3と端部リンク部材5,6の各回転対偶、および端部リンク部材5,6と中央リンク部材7の各回転対偶の中心軸が、基端側と先端側においてそれぞれの球面リンク中心PA,PB(図2)で交差している。また、基端側と先端側において、リンクハブ2,3と端部リンク部材5,6の各回転対偶とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じであり、端部リンク部材5,6と中央リンク部材7の各回転対偶とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じである。端部リンク部材5,6と中央リンク部材7との各回転対偶の中心軸は、ある交差角γを持っていても良いし、平行であっても良い。
図3は基端側のリンクハブ2、基端側の端部リンク部材5、および中央リンク部材7の断面図であって、同図に、リンクハブ2と端部リンク部材5の回転対偶の中心軸O1と、端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶の中心軸O2と、球面リンク中心PAとの関係が示されている。先端側のリンクハブ3および先端側の端部リンク部材6の形状ならびに位置関係も図3と同様である(図示せず)。図の例では、リンクハブ2と端部リンク部材5との各回転対偶の中心軸O1と、端部リンク部材5と中央リンク部材7との各回転対偶の中心軸O2とが成す角度αが90°とされているが、前記角度αは90°以外であっても良い。
基端側のリンクハブ2と先端側のリンクハブ3と3組のリンク機構4とで、基端側のリンクハブ2に対し先端側のリンクハブ3が直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。言い換えると、基端側のリンクハブ2に対して先端側のリンクハブ3を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構である。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の可動範囲を広くとれる。
例えば、球面リンク中心PA,PBを通り、リンクハブ2,3と端部リンク部材5,6の各回転対偶の中心軸O1(図3)と直角に交わる直線をリンクハブ2,3の中心軸(以下、「リンクハブ中心軸」とする)QA,QBとした場合、基端側のリンクハブ中心軸QAと先端側のリンクハブ中心軸QBの折れ角θ(図1)の最大値を約±90°とすることができる。また、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の旋回角φ(図1)を0°〜360°の範囲に設定できる。折れ角θは、基端側のリンクハブ中心軸QAに対して先端側のリンクハブ中心軸QBが傾斜した垂直角度のことであり、旋回角φは、基端側のリンクハブ中心軸QAに対して先端側のリンクハブ中心軸QBが傾斜した水平角度のことである。
基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の姿勢変更は、基端側のリンクハブ中心軸QAと先端側のリンクハブ中心軸QBの交点Oを回転中心として行われる。図1の斜視図は、基端側のリンクハブ中心軸QAに対して先端側のリンクハブ中心軸QBが或る作動角をとった状態を示し、図2の正面図は、基端側のリンクハブ中心軸QAと先端側のリンクハブ中心軸QBが同一線上にある状態を示す。姿勢が変化しても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PB間の距離D(図2)は変化しない。
このパラレルリンク機構1において、各リンク機構4におけるリンクハブ2,3と端部リンク部材5,6の回転対偶の中心軸O1の角度および球面リンク中心PA,PBからの長さが互いに等しく、かつ各リンク機構4のリンクハブ2,3と端部リンク部材5,6の回転対偶の中心軸O1、および、端部リンク部材5,6と中央リンク7の回転対偶の中心軸O2が、基端側および先端側において球面リンク中心PA,PBと交差し、かつ基端側の端部リンク部材5と先端側の端部リンク部材6の幾何学的形状が等しく、かつ中央リンク部材7についても基端側の先端側とで形状が等しいとき、中央リンク部材7の対称面に対して、中央リンク部材7と端部リンク部材5,6との角度位置関係を基端側と先端側とで同じにすれば、幾何学的対称性から基端側のリンクハブ2および基端側の端部リンク部材5と、先端側のリンクハブ3および先端側の端部リンク部材6とは同じに動く。
図1において、基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3は、その中心部にそれぞれ貫通孔10A,10Bがリンクハブ中心軸QA,QB方向に沿って形成され、外形が球面状をしたドーナツ形状をしている。貫通孔10A,10Bの中心は、リンクハブ中心軸QA,QBと一致している。これら基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3の外周面の円周方向に等間隔の位置に、基端側の端部リンク部材5および先端側の端部リンク部材6がそれぞれ回転自在に連結されている。
図3において、基端側のリンクハブ2には、外周と貫通孔10A間を貫通する軸受設置孔11が円周方向に等配で3箇所に形成され、各軸受設置孔11内に設けた2つの軸受12により軸部材13がそれぞれ回転自在に支持されている。軸受設置孔11は、リンクハブ2と基端側の端部リンク部材5との回転対偶の中心軸O1と同心である。前記軸部材13の外側端部はリンクハブ2から突出しており、その先端にねじ部13aが形成されている。軸部材13のリンクハブ2から突出した部分を、端部リンク部材5の一端に設けられた軸挿通孔25に挿通し、軸部材13のねじ部13aに螺着したナット14を締め付けて、軸部材13に端部リンク部材5を結合する。これにより、リンクハブ2に対して端部リンク部材5が、軸受12を介して回転自在に連結される。
前記軸受12は、例えば深溝玉軸受等の転がり軸受であり、その外輪(図示せず)が前記軸受設置孔11の内周に嵌合し、その内輪(図示せず)が前記軸部材13の外周に嵌合している。外輪は止め輪15によって抜け止めされている。また、内輪と端部リンク部材5の間には間座16が介在し、ナット14の締付力が端部リンク部材5および間座16を介して内輪に伝達されて、軸受12に所定の予圧を付与している。
中央リンク部材7の基端側の端部には、基端側の端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶の中心軸O2と同心の軸受設置孔18が形成され、この軸受設置孔18内に2つの軸受19が設けられている。端部リンク部材5の他端に設けられた軸挿通孔26と前記軸受19の内輪(図示せず)に軸部材20を挿通し、その軸部材20のねじ部20aに螺着したナット22を締め付けて、軸部材20に端部リンク部材5を結合する。これにより、端部リンク部材5に対して中央リンク部材7が、軸受19を介して回転自在に連結される。
前記軸受19は、例えば深溝玉軸受等の転がり軸受であり、その外輪(図示せず)が前記軸受設置孔18の内周に嵌合し、その内輪(図示せず)が前記軸部材20の外周に嵌合している。外輪は止め輪23によって抜け止めされている。軸部材20の先端ねじ部20aに螺着したナット22の締付力が間座21を介して内輪に伝達されて、軸受19に所定の予圧を付与している。
以上、基端側のリンクハブ2と基端側の端部リンク部材5の回転対偶部、および基端側の端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶部について説明したが、先端側のリンクハブ3と先端側の端部リンク部材6の回転対偶部、および先端側の端部リンク部材6と中央リンク部材7の回転対偶部も同じ構成である(図示省略)。
このように、各リンク機構4における4つの回転対偶部、つまり、基端側のリンクハブ2と基端側の端部リンク部材5の回転対偶部、先端側のリンクハブ3と先端側の端部リンク部材6の回転対偶部、基端側の端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶部、および先端側の端部リンク部材6と中央リンク部材7の回転対偶部に、軸受12,19を設けた構造とすることにより、各回転対偶での摩擦抵抗を抑えて回転抵抗の軽減を図ることができ、滑らかな動力伝達を確保できると共に耐久性を向上できる。
この軸受12,19を設けた構造では、軸受12,19に予圧を付与することにより、ラジアル隙間とスラスト隙間をなくし、回転対偶のがたつきを抑えることができ、基端側のリンクハブ2側と先端側のリンクハブ3側間の回転位相差がなくなり等速性を維持できると共に振動や異音の発生を抑制できる。特に、前記軸受12,19の軸受隙間を負すきまとすることにより、入出力間に生じるバックラッシュを少なくすることができる。
軸受12を基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3に埋め込んだ状態で設けたことにより、パラレルリンク機構1全体の外形を大きくすることなく、基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3の外形を拡大することができる。そのため、基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3を他の部材に取り付けるための取付スペースの確保が容易である。
この提案例の端部リンク部材5,6は、一定厚さ、一定幅の細長い1枚の金属板を、その長さ方向の中央部に位置する1箇所の曲がり部27で90°に折り曲げて、全体形状をL字状としてある。両端部には、前記軸挿通孔25,26が設けられている。曲がり部27の折り曲げは、板金曲げ加工により行われる。
このように、端部リンク部材5,6を板材とすると、端部リンク部材5,6を安価に製造することができ、かつ量産性が良い。また、端部リンク部材5,6が板材であると、端部リンク部材5,6とリンクハブ2,3の回転対偶部、および端部リンク部材5,6と中央リンク部材7の回転対偶部の構成を簡略にでき、組立て性が向上する。特に、端部リンク部材5,6を構成する板材を金属板とすると、輪郭形状の切り出し、曲がり部27の折り曲げ、および軸挿通孔25,26の形成を板金加工で行うことができ、加工が容易である。
図5は、この発明の一実施形態に係るパラレルリンク機構における基端側のリンクハブ、基端側の端部リンク部材、および中央リンク部材の断面図である。
上記提案例は、端部リンク部材5,6の曲がり部27が1箇所であるが、この実施形態では、図5のように、曲がり部27を2箇所とし、または3箇所以上とする。端部リンク部材5,6の曲がり部27を2箇所以上とすると、加工に若干手間がかかるようになるが、リンクハブ中心軸QA,QBに対する端部リンク部材5,6の張り出し量を抑えることができるため、パラレルリンク機構1の外径寸法がコンパクトになり、部品同士の干渉を回避することができる。
図6〜図10は、他の提案例を示す。このパラレルリンク機構1も、前記提案例と同様に、基端側のリンクハブ2に対し先端側のリンクハブ3を3組のリンク機構4を介して姿勢変更可能に連結している。各部の位置関係や動作特性も、前記提案例と同じである。以下、前記提案例と異なる点について説明する。
図6はこのパラレルリンク機構の一状態を示す斜視図、図7はその一部を省略した正面図である。このパラレルリンク機構1の基端側のリンクハブ2は、中央部に円形の貫通孔30aを有する平板状の土台30と、この土台30の貫通孔30aの周囲に円周方向等配で設けられた3個の回転軸連結部材31とで構成される。貫通孔30aの中心は、基端側のリンクハブ中心軸QA上に位置する。各回転軸連結部材31には、軸心がリンクハブ中心軸QAと交差する回転軸32が回転自在に連結されている。この回転軸32に、基端側の端部リンク部材5の一端が連結される。基端側の端部リンク部材5の他端には、中央リンク部材7の一端に回転自在に連結された回転軸35が連結される。
また、先端側のリンクハブ3は、中央部に円形の貫通孔40aを有する平板状の先端部材40と、この先端部材40の貫通孔40aの周囲に円周方向等配で設けられた3個の回転軸連結部材41とで構成される。貫通孔40aの中心は、先端側のリンクハブ中心軸QB上に位置する。各回転軸連結部材41は、軸心がリンクハブ中心軸QBと交差する回転軸42が回転自在に連結されている。このリンクハブ3の回転軸42に、先端側の端部リンク部材6の一端が連結される。先端側の端部リンク部材6の他端には、中央リンク部材7の他端に回転自在に連結された回転軸45が連結される。
このパラレルリンク機構1の基端側および先端側の端部リンク部材5,6は、前記提案例とは異なり、図8に示すように、板面同士が互いに向き合うように並列に配置した外径側および内径側の2つのリンク構成板材50,51からなる。図8は基端側の端部リンク部材5を示すが、先端側の端部リンク部材6も同様である。図の例では、各リンク構成板材50,51は、一定厚さ、一定幅の板材で、それぞれ板厚方向に90°の角度に曲がった曲がり部50a,51aを1箇所だけ有する。なお、リンク構成板材50,51の端部は、半円形に形成されている(図6、図7参照)。リンク構成板材50,51は例えば金属板からなり、板金曲げ加工により曲がり部50a,51aが折り曲げられる。
図8は基端側のリンクハブ2、基端側の端部リンク部材5等の断面図、図9はそのうちの1つの端部リンク部材5およびその両端周辺部を取り出して表した図であり、両図と共に各回転対偶部の構成を説明する。図8、図9は、基端側の端部リンク部材5と基端側のリンクハブ2の回転対偶部、および基端側の端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶部を示すが、先端側の端部リンク部材6と先端側のリンクハブ3の回転対偶部、および先端側の端部リンク部材6と中央リンク部材7の回転対偶部も同じ構成である。
外径側および内径側のリンク構成板材50,51の両端の端部間には、リンクハブ2(3)の回転軸連結部材31(41)および中央リンク部材7の一端がそれぞれ配置される。回転軸連結部材31(41)の前記回転軸32(42)は、2個の軸受33を介して回転軸連結部材31(41)に連結されている。また、中央リンク部材7の前記回転軸35(45)は、2個の軸受36を介して中央リンク部材7に連結されている。軸受33,36は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。また、軸受33,36は、回転軸連結部材31(41)に設けられた内径溝34、および中央リンク部材7に設けられた内径溝37にそれぞれ埋め込んだ状態で設置され、圧入、接着、加締め等の方法で固定してある。軸受33,36を使用せずに、回転軸32,35(42,45)を回転軸連結部材31(41)および中央リンク部材7に回転自在に接触させて連結しても良い。
図9に示すように、回転軸32,35(42,45)は、外径端に他の部分よりも径が大きい頭部32a,35aを有し、内径端に雄ねじ部32b,35bを有する軸である。回転軸連結部材31(41)の回転軸32(42)は、リンク構成板材50,51の貫通孔52,53、軸受33の内輪、およびこの内輪とリンク構成板材50,51との間に介在させたスペーサ60,61の孔に挿通される。そして、回転軸32(42)の雄ねじ部32bにナット62を螺着し、回転軸32(42)の頭部32aと前記ナット62とで外径側および内径側のリンク構成板材50,51、軸受33の内輪、およびスペーサ60,61を挟み付けることで、軸受33に予圧を付与した状態で、回転軸32(42)に端部リンク部材5(6)を連結する。
また、中央リンク部材7の回転軸35(45)は、リンク構成板材50,51の貫通孔52,53、軸受36の内輪、およびこの内輪とリンク構成板材50,51との間に介在させたスペーサ60,61の孔に挿通される。そして、回転軸35(45)の雄ねじ部35bにナット62を螺着し、回転軸35(45)の頭部35aと前記ナット62とで外径側および内径側のリンク構成板材50,51、軸受36の内輪、およびスペーサ60,61を挟み付けることで、軸受36に予圧を付与した状態で、回転軸35(45)に端部リンク部材5を連結する。
このように、端部リンク部材5,6を、2つのリンク構成板材50,51が板面同士を互いに向き合わせて並列に配置された構成とすると、端部リンク部材5,6の強度を確保しつつ、各リンク構成板材50,51の板厚を薄くすることができる。それにより、端部リンク部材5,6を安価に製造できると共に、軽量化を図ることができる。また、外径側と内径側の2つのリンク構成板材50,51で回転軸32,35,42,45の両端を支持するため、回転対偶部のモーメント荷重に対する剛性が高くなり、パラレルリンク機構1全体の剛性が向上する。
外径側のリンク構成板材50の貫通孔52は、図10(A)のように、回転軸32,35,42,45(図6)の直径とほぼ同径の円形であり、内径側のリンク構成板材51の貫通孔53は、図10(B)のように、このリンク構成板材51の長手方向に長い長孔とされている。つまり、外径側のリンク構成板材50の貫通孔52は、この貫通孔52に挿通される回転軸32,35,42,45との間にすきまが生じないタイトな孔であり、内径側のリンク構成板材51の貫通孔53は、この貫通孔53に挿通される回転軸32,35,42,45との間にすきまが生じるルーズな孔である。このような貫通孔52,53としたのは、組立て性を高めるための工夫である。
基端側の端部リンク部材5を例にとって、端部リンク部材5,6の組立て方法を説明する。まず、外径側のリンク構成板材50の貫通孔52に回転軸32,35を外径側から挿通した後、それぞれの回転軸32,35に対して内径側からスペーサ60、軸受33,36の内輪、スペーサ61を順に嵌め込む。そして、回転軸32,35の先端を内径側のリンク構成板材51の貫通孔53に挿通する。その際、回転軸32,35の先端がスペーサ61よりも大きく突出していると、互いに直交している回転軸32,35を貫通孔53に挿通することができない。
そこで、回転軸32,35の突出量を少なくした状態で、回転軸32,35に対して内径側のリンク構成板材51の貫通孔53を位置合わせしてから、回転軸32,35を進出させて貫通孔53に挿通する。内径側のリンク構成板材51の貫通孔53は長孔であり一合わせに融通性があるため、回転軸32,35と貫通孔53の正確な位置合わせをする必要がなく、しかも回転軸32,35の先端がスペーサ61から少し程度突出しているだけなら、リンク構成板材51をずらしたり傾けたりすることで回転軸32,35を貫通孔53に挿入することができる。最後に、回転軸32,35の雄ねじ部32b,35bにナット62を螺着して締め付けることで、端部リンク部材5の組立てが完了する。
この方法であると、先端が突出した回転軸32,35に対して貫通孔53を嵌める際に、目視での位置合わせが可能であり、組立て作業性が良い。タイトな孔である外径側のリンク構成板材50の貫通孔51に回転軸32,35が挿通されているため、端部リンク部材5と回転軸32,35の連結部の組立て精度は確保できる。
リンク構成板材の数は3つ以上であっても良い。3つ以上のリンク構成板材をそれぞれ離して配置しても良く、要求される強度等に応じて複数のリンク構成板材を重ね合わせて使用しても良い。
また、この例では、各リンク構成板材50,51の曲がり部50a,51aが1箇所だけであるが、この発明の実施形態では、図11のように、曲がり部50a,51aを2箇所、または3箇所以上にする。曲がり部50a,51aを2箇所以上とすると、加工に若干手間がかかるようになるが、リンクハブ中心軸QA,QBに対する端部リンク部材5,6の外側への張り出し量を抑えることができるため、パラレルリンク機構1の外径寸法がコンパクトになり、部品同士の干渉を回避することができる。
図12および図13は、さらに異なる提案例を示す。このパラレルリンク機構1も、前記各実施形態と同様に、基端側のリンクハブ2に対し先端側のリンクハブ3を3組のリンク機構4を介して姿勢変更可能に連結している。各部の位置関係や動作特性も、前記各実施形態と同じである。このパラレルリンク機構1が前記実施形態と異なる点は、各回転対偶部に設けられる軸受を外輪回転タイプとしたことである。
図13と共に、基端側のリンクハブ2と基端側の端部リンク部材5の回転対偶部、および基端側の端部リンク部材5と中央リンク部材7の回転対偶部を例にとって説明する。
リンクハブ2の外周部における円周方向に等配の3箇所に軸部71が形成され、この軸部71の外周に2つの軸受72の内輪(図示せず)が嵌合し、端部リンク部材5の基端に設けられた筒状の軸受支持部材73の内周に軸受72の外輪(図示せず)が嵌合している。また、中央リンク部材7の端部に軸部材74が一体に設けられ、この軸部材74の外周に2つの軸受75の内輪(図示せず)が嵌合し、端部リンク部材5の先端に設けられた筒状の軸受支持部材76の内周に軸受75の外輪(図示せず)が嵌合している。前記軸受72,75は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受であって、ナット77による締付けでもって所定の予圧量が付与された状態で軸部71および軸部材74に固定されている。
端部リンク部材5は、図6〜図10の提案例と同様に、板面同士が互いに向き合うように並列に配置した外径側および内径側の2つのリンク構成板材50,51を有し、これら2つのリンク構成板材50,51間に前記軸受支持部材73,76がそれぞれ固定状態で設けられている。この場合も、外径側と内径側の2つのリンク構成板材50,51で軸部71および軸部材74の両端を支持することで、回転対偶部のモーメント荷重に対する剛性が高くなり、パラレルリンク機構1全体の剛性が向上する。
図14は、図1〜図4のパラレルリンク機構1を用いたリンク作動装置を示す。このリンク作動装置81は、パラレルリンク機構1と、このパラレルリンク機構1を支持する土台82と、パラレルリンク機構1を作動させる複数の姿勢変更用アクチュエータ83と、これら姿勢変更用アクチュエータ83の動作によりパラレルリンク機構1を作動させるコントローラ84とを備える。姿勢変更用アクチュエータ83を制御する制御装置(図示せず)は、コントローラ84内に設けられていても良く、コントローラ84と別に設けられていても良い。
前記土台82は縦長の部材であって、その上面にパラレルリンク機構1の基端側のリンクハブ2が固定されている。土台82の上部の外周にはつば状のアクチュエータ取付台85が設けられ、このアクチュエータ取付台85に前記姿勢変更用アクチュエータ83が垂下状態で取り付けられている。姿勢変更用アクチュエータ83の数は、リンク機構4と同数の3個である。姿勢変更用アクチュエータ83はロータリアクチュエータからなり、その出力軸に取り付けたかさ歯車86と基端側のリンクハブ2の軸部材13に取り付けた扇形のかさ歯車87とが噛み合っている。
なお、この例では、リンク機構4と同数の姿勢変更用アクチュエータ83が設けられているが、3組のリンク機構4のうち少なくとも2組に姿勢変更用アクチュエータ83が設けられていれば、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の姿勢を確定することができる。
このリンク作動装置81は、コントローラ84を操作して各姿勢変更用アクチュエータ83を回転駆動することで、パラレルリンク機構1を作動させる。詳しくは、姿勢変更用アクチュエータ83を回転駆動すると、その回転が一対のかさ歯車86,87を介して軸部材13に伝達されて、基端側のリンクハブ2に対する基端側の端部リンク部材5の角度が変更する。それにより、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の位置および姿勢が決まる。ここでは、かさ歯車86,87を用いて基端側の端部リンク部材5の角度を変更しているが、その他の機構(例えば、平歯車やウォーム機構)でも良い。
図15〜図17は、図6〜図10のパラレルリンク機構1を用いたリンク作動装置を示す。このリンク作動装置90は、図15、図16に示すように、3組のリンク機構4のそれぞれに、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の姿勢を任意に変更する姿勢変更用アクチュエータ91が設けられている。図15は、1組のリンク機構4と1つの姿勢変更用アクチュエータ91のみを図示している。
各姿勢変更用アクチュエータ91は、減速機構92を備えたロータリアクチュエータであり、基端側のリンクハブ2の土台30の上面に、回転軸32と同軸上に設置されている。姿勢変更用アクチュエータ91と減速機構92は一体に設けられ、モータ固定部材93により減速機構92が土台30に固定されている。なお、3組のリンク機構4のうち少なくとも2組に姿勢変更用アクチュエータ91を設ければ、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の姿勢を確定することができる。
図16において、減速機構92はフランジ出力であって、大径の出力軸92aを有する。出力軸92aの先端面は、出力軸92aの中心線と直交する平面状のフランジ面94となっている。出力軸92aは、スペーサ95を介して、基端側の端部リンク部材5の外径側のリンク構成板材50にボルト96で接続されている。リンクハブ2と端部リンク部材5の回転対偶部の回転軸32は大径部32Aと小径部32Bとからなり、小径部32Bが前記軸受33の内輪に挿通され、大径部32Aは減速機構92の出力軸92aに設けられた内径溝97に嵌っている。
端部リンク部材5は、図9の示すものと同様に、外径側および内径側の2つのリンク構成板材50,51とで構成される。外径側のリンク構成板材50は、減速機構92の前記フランジ面94と前記スペーサ95を介して結合されるフランジ取付面98を有する。フランジ取付面98は、図17に示すように、出力軸92aのフランジ面94に対応する円形であり、中心部に回転軸32が挿通される貫通孔52が設けられ、この貫通孔52の周囲に、前記ボルト96が挿通される複数のボルト挿通孔99が円周方向に等配で設けられている。
このリンク作動装置90は、姿勢変更用アクチュエータ91として減速機構92を備えたロータリアクチュエータを用いたため、許容負荷を向上できる。また、慣性モーメント比を低減できるため、高速動作を実現できる。さらに、ロータリアクチュエータである姿勢変更用アクチュエータ91の減速機構92の出力軸92aをフランジ出力タイプとしたことにより、パラレルリンク機構1に直接、姿勢変更用アクチュエータ91を設置することができる。そのため、駆動機構部が簡素な構造となり、安価なリンク作動装置90を実現できる。
図18のように、減速機構を設けずに、姿勢変更用アクチュエータ91の出力軸91aをフランジ出力タイプとしても良い。その場合、姿勢変更用アクチュエータ91の出力軸91aの先端面が、基端側のリンクハブ5を構成する外径側のリンク構成板材50のフランジ取付面98と結合されるフランジ面94となる。
また、図15〜図17の提案例は、スぺーサ95を介して外径側のリンク構成板材50に減速機構92を取り付けているが、パラレルリンク機構1と姿勢変更用アクチュエータ91の干渉等の問題がなければ、外径側のリンク構成板材50に減速機構92を直接設置しても構わない。さらに、キー出力タイプの姿勢変更用アクチュエータ91または減速機構92を用い、カップリング(図示せず)により姿勢変更用アクチュエータ91または減速機構92の出力軸と回転軸32を連結しても良い。
1…パラレルリンク機構
2…基端側のリンクハブ
3…先端側のリンクハブ
4…リンク機構
5…基端側の端部リンク部材
6…先端側の端部リンク部材
7…中央リンク部材
12,19,33,36,72,75…軸受
27…曲がり部
32,35,42,45…回転軸
50…外径側のリンク構成板材(板材)
50a…曲がり部
51…内径側のリンク構成板材(板材)
51a…曲がり部
52…貫通孔(タイトな孔)
53…貫通孔(ルーズな孔)
81,90…リンク作動装置
83,91…姿勢変更用アクチュエータ
91a,92a…出力軸
92…減速機構
94…フランジ面
98…フランジ取付面

Claims (9)

  1. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを備え、
    前記端部リンク部材は、板厚方向に曲がった曲がり部を箇所以上有する板材からなることを特徴とするパラレルリンク機構。
  2. 請求項1に記載のパラレルリンク機構において、前記端部リンク部材を構成する前記板材は金属板であり、前記曲がり部を板金曲げ加工により形成したパラレルリンク機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載のパラレルリンク機構において、前記端部リンク部材は、板厚方向に曲がった曲がり部を箇所以上有する2つ以上の板材からなるパラレルリンク機構。
  4. 請求項3に記載のパラレルリンク機構において、前記端部リンク部材は2つの板材からなり、これら2つの板材を板面同士が互いに向き合うように並列に配置したパラレルリンク機構。
  5. 請求項4に記載のパラレルリンク機構において、前記端部リンク部材と前記リンクハブとの回転対偶部、および前記端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部は、前記2つの板材の間に、軸受を内蔵した前記リンクハブおよび前記中央リンク部材を配置し、前記2つの板材に設けた貫通孔および前記軸受の内輪に回転軸を挿通し、前記2つの板材、前記軸受の内輪、および前記回転軸を互いに固定したパラレルリンク機構。
  6. 請求項5に記載のパラレルリンク機構において、前記端部リンク部材を構成する前記2つの板材のうちの一方の板材に設けた前記貫通孔は、この貫通孔に挿通される前記回転軸との間にすきまが生じないタイトな孔であり、もう一方の板材に設けた前記貫通孔は、この貫通孔に挿通される前記回転軸との間にすきまが生じるルーズな孔であるパラレルリンク機構。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構において、前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更する姿勢変更用アクチュエータを設けたことを特徴とするリンク作動装置。
  8. 請求項7に記載のリンク作動装置において、前記姿勢変更用アクチュエータは、出力軸にこの出力軸と直交するフランジ面を有するロータリアクチュエータであり、前記基端側の端部リンク部材を構成する任意数の前記板材のうちの少なくとも1つの板材は、前記基端側のリンクハブに回転自在に連結される回転軸と直交するフランジ取付面を有し、前記姿勢変更用アクチュエータの前記フランジ面に前記板材の前記フランジ取付面を直接または間接的に結合したリンク作動装置。
  9. 請求項7に記載のリンク作動装置において、前記姿勢変更用アクチュエータは減速機構を備えたロータリアクチュエータであり、前記減速機構の出力軸はこの出力軸と直交するフランジ面を有し、前記基端側の端部リンク部材を構成する任意数の前記板材のうちの少なくとも1つの板材は、前記基端側のリンクハブに回転自在に連結される回転軸と直交するフランジ取付面を有し、前記減速機構の前記フランジ面に前記板材の前記フランジ取付面を直接または間接的に結合したリンク作動装置。
JP2014112121A 2014-05-30 2014-05-30 パラレルリンク機構およびリンク作動装置 Active JP6352054B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014112121A JP6352054B2 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 パラレルリンク機構およびリンク作動装置
PCT/JP2015/064934 WO2015182556A1 (ja) 2014-05-30 2015-05-25 パラレルリンク機構およびリンク作動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014112121A JP6352054B2 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 パラレルリンク機構およびリンク作動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015224782A JP2015224782A (ja) 2015-12-14
JP6352054B2 true JP6352054B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=54698883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014112121A Active JP6352054B2 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 パラレルリンク機構およびリンク作動装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6352054B2 (ja)
WO (1) WO2015182556A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7467046B2 (ja) * 2018-08-15 2024-04-15 ナブテスコ株式会社 歯車装置
JP7220555B2 (ja) * 2018-12-07 2023-02-10 Ntn株式会社 パラレルリンク機構およびリンク作動装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5979264A (en) * 1997-03-13 1999-11-09 Ross-Hime Designs, Incorporated Robotic manipulator
JP5911697B2 (ja) * 2011-11-04 2016-04-27 Ntn株式会社 パラレルリンク機構、等速自在継手、およびリンク作動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015224782A (ja) 2015-12-14
WO2015182556A1 (ja) 2015-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6289973B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
US10661398B2 (en) Link actuator to initially set position of origin
WO2013069533A1 (ja) リンク作動装置
US11407101B2 (en) Link actuating device
US10780574B2 (en) Link actuating device
JP6297622B2 (ja) リンク作動装置
JP5992228B2 (ja) リンク作動装置
US11000946B2 (en) Link operating device
JP5911697B2 (ja) パラレルリンク機構、等速自在継手、およびリンク作動装置
JP6128797B2 (ja) パラレルリンク機構、等速自在継手、およびリンク作動装置
JP7089852B2 (ja) リンク作動装置
JP6029969B2 (ja) リンク作動装置
JP6352054B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
JP6396078B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
US11298814B2 (en) Link actuating device having a proximal-end-side link hub, a distal-end-side link hub, and three or more link mechanisms
JP6133162B2 (ja) リンク作動装置
JP7417917B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
JP2019120331A (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
JP2020060253A (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6352054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250