JP6350033B2 - 電力消費量誘導装置、電力消費量誘導装置の制御方法及びプログラム - Google Patents

電力消費量誘導装置、電力消費量誘導装置の制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電力消費量誘導装置、電力消費量誘導装置の制御方法及びプログラムに関する。
電力需要は、季節や時間帯、曜日等の様々な要因によって時々刻々と変化するが、電力の需要と供給のバランスが崩れると電力系統の周波数や電圧の変化、停電などが発生し、安定的な電力の供給に支障が生じる。
そのため電力会社は、日々電力需要の予測を行い、需要と供給のバランスを維持するように発電量を制御している。
一方で近年、より安定的な電力の需給バランスを実現するため、需要家の電力需要を変化させようとするデマンドレスポンス(以下、Demand Response、DRとも記す)の試行も始まっている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
樺澤明裕、外4名、「北九州スマートコミュニテイ実証におけるデマンドレスポンス実証試験結果」、電気学会全国大会、平成25年3月、6-079(2013-3)、p.144-145 服部徹、外1名、「米国における家庭用デマンドレスポンス・プログラムの現状と展望 −パイロットプログラムの評価と本格導入における課題−」、電力中央研究所報告、電力中央研究所、2011年3月、Y10005
非特許文献1には、電力需要の増加が予想される時間帯の電力価格単価を他の時間帯よりも高く設定することにより、電力需要の増加を抑制しようとするクリティカルピークプライシング(以下、Critical Peak Pricing、CPPとも記す)に関する記載がある。
また非特許文献2には、電力需要の増加が予想される時間帯に電力使用量の削減に協力した需要家に対して電力削減量に応じたインセンティブを支払うことにより、電力需要の増加を抑制しようとするピーク時リベート(以下、Peak Time Rebate、PTRとも記す)に関する記載がある。
このようなデマンドレスポンスは、電力の需要と供給のバランス向上に大きく貢献しうるものであり、今後の普及が強く望まれている。
しかしながら一方で、クリティカルピークプライシング、及びピーク時リベートのいずれの場合であっても、電力会社及び需要家に金銭的負担変動のリスクが生じるなど、デマンドレスポンスの普及を妨げるような要因も存在する。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、より合理的なデマンドレスポンスの実施を可能とし、デマンドレスポンスのより一層の普及促進を図ることが可能な電力消費量誘導装置、電力消費量誘導装置の制御方法及びプログラムを提供することを一つの目的とする。
上記課題を解決するための手段の一つは、需要家の電力消費量を所定の電力目標値に誘導するための電力消費量誘導装置であって、前記需要家が前記電力消費量に応じて支払う電気料金の単価と、前記需要家が前記電力消費量を前記電力目標値に近づけるように変化させた場合に前記電力消費量の変化量に応じて前記需要家に支給されるインセンティブの単価と、前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要家に適用した場合に見込まれる前記需要家の電力消費量の変化の度合いを示す指標値と、の関係を示す需要反応データを記憶する需要反応データ記憶部と、前記需要家の電力消費量の予測値と前記電力目標値との差分、又は、前記電力消費量の予測値に対する前記差分の割合を、前記指標値の目標値である指標目標値として取得する指標目標値取得部と、前記需要家の電力消費量の変化の度合いが前記指標目標値になるような前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要反応データから求める単価算出部と、を備える。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄の記載、及び図面の記載等により明らかにされる。
本発明によれば、より合理的なデマンドレスポンスの実施を可能とし、デマンドレスポンスのより一層の普及促進を図ることが可能になる。
電力管理システムの全体構成を示す図である。 エネルギーマネジメントシステム及びユーザ端末の構成を示す図である。 スマートメータの構成を示す図である。 エネルギーマネジメントシステムの機能を示す図である。 エネルギーマネジメントが有する記憶装置を示す図である。 ユーザ端末が有する記憶装置を示す図である。 電力契約管理データベースを示す図である。 電力の契約内容を示す図である。 電力の契約内容を示す図である。 電力の契約内容を示す図である。 クリティカルピークプライシングを実施した場合の電力の需要変化を示す図である。 ピーク時リベートを実施した場合の電力の需要変化を示す図である。 電力使用実績データベースを示す図である。 DRマトリクスを示す図である。 デマンドレスポンスの実施内容を決定する際の処理の流れを示すフローチャートである。 電力使用実績データベースを更新する際の処理の流れを示すフローチャートである。 DRマトリクスを更新する際の処理の流れを示すフローチャートである。 ユーザ端末に表示される画面例である。 ユーザ端末に表示される画面例である。 電力の契約内容を示す図である。 DRマトリクスを示す図である。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
==第1実施形態==
本発明の実施形態に係る電力管理システム1000の全体構成を図1に示す。
本実施形態に係る電力管理システム1000は、エネルギーマネジメントシステム100と、スマートメータ200A、200Bと、ユーザ端末300A、300Bと、がネットワーク500を介して通信可能に接続されて構成される。またネットワーク500には、気象情報提供装置400が通信可能に接続されている。
スマートメータ200Aは、需要家A(オフィス、工場、一般家庭等)が有する電力消費装置600Aの電力消費量(以下、電力需要あるいは電力使用量とも記す)を定期的に計測し、エネルギーマネジメントシステム100やユーザ端末300Aに所定時間ごとに送信する機能を有する計測器である。
ユーザ端末300Aは、需要家Aが有するコンピュータや携帯電話機、スマートフォン、宅内表示器(In-Home Display)等の情報処理装置である。
スマートメータ200Bは、需要家B(オフィス、工場、一般家庭等)が有する電力消費装置600Bの電力消費量を定期的に計測し、エネルギーマネジメントシステム100やユーザ端末300Bに所定時間ごとに送信する機能を有する計測器である。
ユーザ端末300Bは、需要家Bが有するコンピュータや携帯電話機、スマートフォン、宅内表示器(In-Home Display)等の情報処理装置である。
なおもちろん、図1に示す需要家Aや需要家Bの他にも需要家は存在し、需要家Aや需要家Bは需要家の一例である。
エネルギーマネジメントシステム100は、詳細は後述するが、需要家Aや需要家Bなどの電力の需要家の電力消費量を事前に定められた所定の目標値である電力目標値に誘導するための電力消費量誘導装置である。なお、需要家の電力消費量を所定の電力目標値に誘導することを、以下の説明において、デマンドレスポンス(DR)を実施するとも記す。
例えばエネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンスを実施する場合に、デマンドレスポンスを行う時間帯の電力消費量の予測値とその時間帯の電力目標値との差から、需要家の電力消費量の目標変化量を求め、その時間帯の需要家の電力消費量が目標変化量だけ変化するように、デマンドレスポンスを実施する。
デマンドレスポンスを行うか行わないかは、上記時間帯における電力消費量の予測値や各地の発電所の稼働状況、気象予測などから定められる。例えば、その時間帯に必要となる電力需要を賄えるだけの発電量が十分に確保できる場合には、デマンドレスポンスを行わないでもよい。一方、その時間帯に十分な発電量を確保することが困難な場合には、デマンドレスポンスを行うことが考慮される。
デマンドレスポンスを行う場合には、上記時間帯の電力需要の予測値や発電可能量などを考慮して、電力消費量の目標値である電力目標値が設定される。
気象情報提供装置400は、気温や天気、湿度、日射量、風速等の各種気象情報を提供するコンピュータである。エネルギーマネジメントシステム100は、気象情報提供装置400からこれら様々な気象情報を取得して電力需要の予測値や、発電可能量の予測値を算出する。
ネットワーク500は、インターネットや専用回線等の通信網である。
次に、エネルギーマネジメントシステム100及びユーザ端末300のハードウェア構成の一例をまとめて図2に示す。またスマートメータ200のハードウェア構成を図3に示す。
エネルギーマネジメントシステム100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、通信装置130、記憶装置140、入力装置150、出力装置160及び記録媒体読取装置170を有して構成されるコンピュータである。
CPU110はエネルギーマネジメントシステム100の全体の制御を司るもので、記憶装置140に記憶される本実施形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成されるエネルギーマネジメントシステム制御プログラム700をメモリ120に読み出して実行することにより、エネルギーマネジメントシステム100としての各種機能を実現する。
例えば、詳細は後述するが、CPU110によりエネルギーマネジメントシステム制御プログラム700が実行され、メモリ120や通信装置130、記憶装置140等のハードウェア機器と協働することにより、需要反応データ記憶部101、指標目標値取得部102、単価算出部103、通信部104などが実現される。エネルギーマネジメントシステム100が、需要反応データ記憶部101、指標目標値取得部102、単価算出部103、通信部104の各機能を有して構成されている様子を図4に示す。
図2に戻って、メモリ120は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
通信装置130は、ネットワークカードなどのネットワークインタフェースである。通信装置130は、ネットワーク500を介して他のコンピュータからデータを受信し、受信したデータを記憶装置140やメモリ120に記憶する。また通信装置130は、記憶装置140やメモリ120に記憶されているデータを、ネットワーク500を介して他のコンピュータへ送信する。
入力装置150は、キーボードやマウス、マイク等の装置であり、エネルギーマネジメントシステム100の操作者による情報の入力を受け付けるための装置である。出力装置160は、LCD(Liquid Crystal Display)やプリンタ、スピーカ等の装置であり、情報を出力するための装置である。
記憶装置140は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等により構成することができる。記憶装置140は、各種プログラムやデータ、テーブル等を記憶するための物理的な記憶領域を提供する装置である。
記憶装置140には、図5に示すように、エネルギーマネジメントシステム制御プログラム700、電力契約管理データベース900、電力使用実績データベース910、DRマトリクス(需要反応データとも記す)920が記憶されている。詳細は後述する。
記憶装置140は、エネルギーマネジメントシステム100に内蔵されている形態とすることもできるし、外付されている形態とすることもできる。
なお、エネルギーマネジメントシステム制御プログラム700、電力契約管理データベース900、電力使用実績データベース910、DRマトリクス920は、記録媒体読取装置170を用いて、記録媒体(各種の光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリ等)800から記憶装置140に読み出すことで、エネルギーマネジメントシステム100に格納されるようにすることもできるし、通信装置130を介して通信可能に接続される他のコンピュータから取得することで、エネルギーマネジメントシステム100に格納されるようにすることもできる。また後者の場合には、エネルギーマネジメントシステム100は記憶装置140を備えずに、上記他のコンピュータに記憶されている上記のプログラムやテーブル等の各種データを用いてエネルギーマネジメントシステム100としての機能を実現する形態も可能である。
ユーザ端末300は、CPU310、メモリ320、通信装置330、記憶装置340、入力装置350、出力装置360及び記録媒体読取装置370を有して構成されるコンピュータである。
CPU310はユーザ端末300の全体の制御を司るもので、記憶装置340に記憶される本実施形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成されるユーザ端末制御プログラム710をメモリ320に読み出して実行することにより、ユーザ端末300としての各種機能を実現する。
メモリ320は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
通信装置330は、ネットワークカードなどのネットワークインタフェースである。通信装置330は、ネットワーク500を介して他のコンピュータからデータを受信し、受信したデータを記憶装置340やメモリ320に記憶する。また通信装置330は、記憶装置340やメモリ320に記憶されているデータを、ネットワーク500を介して他のコンピュータへ送信する。
入力装置350は、キーボードやマウス、マイク等の装置であり、ユーザ端末300の操作者による情報の入力を受け付けるための装置である。出力装置360は、LCDやプリンタ、スピーカ等の装置であり、情報を出力するための装置である。
記憶装置340は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等により構成することができる。記憶装置340は、各種プログラムやデータ、テーブル等を記憶するための物理的な記憶領域を提供する装置である。
本実施形態では、図6に示すように、記憶装置340には、ユーザ端末制御プログラム710が記憶されている。詳細は後述する。
記憶装置340は、ユーザ端末300に内蔵されている形態とすることもできるし、外付されている形態とすることもできる。
なお、ユーザ端末制御プログラム710は、記録媒体読取装置370を用いて、記録媒体800から記憶装置340に読み出すことで、ユーザ端末300に格納されるようにすることもできるし、通信装置330を介して通信可能に接続される他のコンピュータから取得することで、ユーザ端末300に格納されるようにすることもできる。また後者の場合には、ユーザ端末300は記憶装置340を備えずに、上記他のコンピュータに記憶されている上記のプログラムやテーブル等の各種データを用いてユーザ端末300としての機能を実現する形態も可能である。
スマートメータ200は、メータ部210及び制御部220を備えて構成される計測器であるが、本実施形態に係るスマートメータ200は、制御部220に、図示しないCPUやメモリ、通信装置等が含まれており、メモリに記憶されている制御プログラムをCPUが実行することで本実施形態におけるスマートメータ200としての機能を実現するコンピュータでもある。
メータ部210は、需要家が有する電力消費装置600の電力消費量を定期的に計測する。また制御部220は、メータ部210が計測した電力消費量をネットワーク500を介して所定時間ごとにエネルギーマネジメントシステム100に送信する。
次に、電力契約管理データベース900について、図7〜図12を参照しながら説明する。
電力契約管理データベース900は、図7に示すように、各需要家の電力契約の内容を記録したデータベースである。本実施形態では、需要家Aの電力契約は「タイプ1」、需要家Bの電力契約は「タイプ2」、需要家Cの電力契約は「タイプ3」である。
「タイプ1」の電力契約の内容を図8に示す。「タイプ1」の電力契約には、CPP(クリティカルピークプライシング)契約とPTR(ピーク時リベート)契約とが含まれる。
CPP契約は、CPPが実施される場合と実施されない場合とで、電力価格単価(電気料金の単価)が異なるような電力契約である。
CPPが実施される時間帯の電力価格単価を、CPPが実施されない場合の電力価格単価と異なるように設定することで、CPPが実施される時間帯の需要家の電力消費量を誘導することができる。
例えば、CPPが実施される時間帯の電力価格単価を、CPPが実施されない場合の電力価格単価よりも割高にした場合には、CPPの実施期間中の電力消費量を抑制することができる。
その様子を図11に示す。図11に示すように、13時から17時の間にCPPを実施して、電力価格単価を割高にした場合には、その時間帯の電力消費量を、CPPを実施しない場合の電力消費量(ベースライン負荷)よりも削減することができる。
図8に戻って、CPPレベルは、需要家の電力消費量を誘導する強さを示し、図8に示す例では、CPPレベルの数字が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く抑制させることを表す。CPPレベル0は、CPPが実施されないことを示す。
図8において、CPPレベル0の場合の電力価格単価は、1キロワットアワー(kwh)あたり15円に設定されているが、CPPレベルが高くなる程(CPPレベルを表す数値が大きくなる程)、電力価格単価が高くなるように設定されている。
このような態様により、CPPレベルの数字が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く抑制させることが可能となる。
なお、CPPを行う場合には、需要家にとって、節電などの行動をしなかった場合の電気料金が割高になるというペナルティがあるため、需要家の行動を促しやすい。そしてCPPレベルを上げるほど電力価格単価が高くなるため、需要抑制量も大きくすることができる。ただし、電力料金が増加(変動)することは、需要家にとって金銭的負担の変動のリスクであると捉えることができる。
一方、PTR契約は、PTRを実施した際に電力消費量の誘導に協力した需要家に対して、所定のインセンティブを支給する電力契約である。
需要家は、インセンティブを受け取ることで電気料金が割安になるメリットが得られるので、PTRが実施される時間帯の需要家の電力消費量を誘導することができる。
例えば、PTRが実施される時間帯の電力消費量の抑制量に応じた額のインセンティブを需要家が受け取れるようにした場合には、PTRの実施期間中の電力消費量を抑制できる。
その様子を図12に示す。図12に示すように、13時から17時の間にPTRを実施して、その時間帯の電力消費の抑制量にインセンティブ係数(インセンティブの単価)を乗じた額のインセンティブが支払われるようにした場合には、その時間帯の電力消費量を、PTRを実施しない場合の電力消費量(ベースライン負荷)よりも削減することができる。
図8に戻って、PTRレベルは、需要家の電力消費量を誘導する強さを示し、図8に示す例では、PTRレベルの数字が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く抑制させることを表す。PTRレベル0は、PTRが実施されないことを示す。
図8において、PTRレベル0の場合のインセンティブの単価(インセンティブ係数)は0円であるが、PTRレベルが高くなる程(PTRレベルを表す数値が大きくなる程)、インセンティブの単価が高くなるように設定されている。
このような態様により、PTRレベルの数字が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く抑制させることが可能となる。
なお、PTRでは、需要家は、電力需要のピーク時などのデマンドレスポンス実施時間帯に電力使用量を削減することで削減量に応じた報酬が与えられるが、電力消費量を削減しなくても電気料金の負担が増加することがないため、需要家にとってリスクフリーである利点がある。ただし、デマンドレスポンスを実施する側にとっては、需要家に与える報酬の額がその時々で変動するため、金銭的負担変動のリスクがあると捉えることができる。
またPTRは、需要家の電力消費量の変化量が同じであれば、インセンティブ係数が小さいほどインセンティブが少なくなり、インセンティブ係数が大きいほどインセンティブが大きくなる。したがって、インセンティブ係数をより大きな値に設定するほど、需要家に支払われるインセンティブが増加するため、需要家の電力消費量の変化を起こしやすくできる。
次に「タイプ2」の電力契約の内容を図9に示す。「タイプ2」の電力契約にもCPP契約とPTR契約とが含まれるが、「タイプ2」の電力契約は、「タイプ1」とはCPP契約の内容及びPTR契約の内容が異なる。
「タイプ2」の電力契約は、CPPを実施しない時(CPPレベル0の時)の電力価格単価、およびPTRを実施しない時(PTRレベル0の時)のインセンティブの単価は「タイプ1」と同じであるが、CPPを実施する場合の電力価格単価が「タイプ1」よりもより割高である一方で、PTRを実施するときのインセンティブの単価も高い。
次に「タイプ3」の電力契約の内容を図10に示す。「タイプ3」の電力契約は、DR(デマンドレスポンス)に参加しない需要家の電力契約であり、DRを実施期間中であっても、電力価格単価はデマンドレスポンスを実施していない期間中の電力価格単価と同じであり、またデマンドレスポンス実施中にこの需要家が節電等を行ってもインセンティブが支払われない契約である。
「タイプ3」の電力契約は、CPPを実施する時間帯に電気料金の単価が割高になることはないが、電気料金の需要家間での不公平をなくすために、いわゆるレベニューニュートラルの考え方に従い、CPPを実施しない場合の電力価格単価が20円に設定されており、「タイプ1」や「タイプ2」に比べて割高に設定されている。
このように需要家は、各自の電力の使い方に応じて、様々な電力契約を電力会社と結ぶことができる。
次に、電力使用実績データベース910について、図13を参照しながら説明する。
電力使用実績データベース910は、各需要家のスマートメータ200からエネルギーマネジメントシステム100に所定時間毎に送信されてくる電力消費量に関するデータを、需要家毎に記録したデータベースである。図13には、一例として需要家Aについて記録した電力使用実績データベース910を示す。
電力使用実績データベース910は、「日時」欄、「ベースライン負荷」欄、「消費電力」欄、「変化量」欄、「変化率」欄、「DR」欄、「電力価格単価」欄、「インセンティブ係数」欄を有する。
「日時」欄には、スマートメータ200が需要家の電力消費量を計測した日時に関する情報が記録される。
「ベースライン負荷」欄には、デマンドレスポンスを行わない場合の需要家の電力消費量であるベースライン負荷が記載される。例えば、デマンドレスポンスを行わなかった過去の所定期間における需要家の電力消費量の平均値が記録される。本実施形態では一例として、エネルギーマネジメントシステム100は、同一需要家のデマンドレスポンスを行わなかった直近の過去5日分の同一時刻の電力消費量を電力使用実績データベース910から読み出して、これらの平均値をベースライン負荷として算出する。過去の電力消費量は、電力使用実績データベース910の「消費電力」欄から取得できる。また過去にデマンドレスポンスを行ったか行わなかったかは、電力使用実績データベース910の「DR」欄から取得できる。なおベースライン負荷には、上記平均値の他に、最大値や最小値、中央値など様々な値を採用することも可能である。また図13に示す「ベースライン負荷」欄には、消費電力が記録されているが、所定時間当たり、例えば1時間当たりあるいは30分当たりの消費電力量に換算された値を記録してもよい。
「消費電力」欄には、スマートメータ200によって計測された需要家の電力消費量が記録される。図13に示す「消費電力」欄には、消費電力が記録されているが、所定時間当たり、例えば1時間当たりあるいは30分当たりの消費電力量に換算された値を記録してもよい。
「変化量」欄には、「ベースライン負荷」欄に記録されているデマンドレスポンスを行わない場合の需要家の電力消費量と、「消費電力」欄に記録されている電力消費量と、の差分である電力消費量の変化量が記録される。従って、デマンドレスポンスを実施した場合には、「変化量」欄には、デマンドレスポンスを行ったことによる需要家の電力消費量の変化量が記録される。
「変化率」欄には、「ベースライン負荷」欄に記録されているデマンドレスポンスを行わない場合の需要家の電力消費量に対する、「変化量」欄に記録されている電力消費量の変化量の割合が記録される。
「DR」欄には、「日時」欄に記載された日時にデマンドレスポンスが実施されていたか否かを示す情報が記録される。
「電力価格単価」欄には、「日時」欄に記載された日時に需要家に適用されていた電気料金の単価が記録される。
「インセンティブ係数」欄には、「日時」欄に記載された日時に需要家に適用されていたインセンティブの単価が記録される。
次に、DRマトリクス920について、図14を参照しながら説明する。
DRマトリクス920は、需要家の電力契約により定められている複数の電力価格単価および複数のインセンティブ係数の組み合わせごとに、電力価格単価と、インセンティブ係数と、それらの電力価格単価及びインセンティブ係数を需要家に適用した場合にそれぞれ見込まれる需要家の電力消費量の変化率と、をそれぞれ対応付けて記憶するテーブルである。
図14は、タイプ1の電力契約を締結している需要者に適用されるDRマトリクス920を例示したものである。
DRマトリクス920に記録されている需要家の電力消費量の変化率は、電力消費量の変化の度合いを示す一つの指標値であり、電力使用実績データベース910の「変化率」欄に記録されている過去の電力消費量の変化率を、電力価格単価及びインセンティブ係数の組み合わせ毎に記録したものである。なお、電力使用実績データベース910に、電力価格単価及びインセンティブ係数の組み合わせが同一になるものが複数存在する場合には、組み合わせが同一となる電力消費量の変化率の平均値や最大値、最小値等を算出してDRマトリクス920に記録する。
図14に示す例では、タイプ1の電力契約を結んでいる需要家に対してデマンドレスポンスを実施する際に、例えば電力価格単価を75円、インセンティブ係数を20円に設定すると、過去の実績から、11%の電力消費量の削減効果が期待できることが示されている。
図14のDRマトリクス920のように、電力価格単価とインセンティブ係数と電力消費量の変化率との関係を示す需要反応データをテーブル形式で構成することにより、電力価格単価とインセンティブ係数と電力消費量の変化率との各データの対応付けを容易化でき、エネルギーマネジメントシステム100の処理負荷軽減を図ることが可能となる。また需要反応データをDRマトリクス920のようなテーブル形式で構成する場合は、作成が容易である上、電力価格単価とインセンティブ係数と電力消費量の変化率との関係を線形に近似しなくてもよいため、近似による誤差がないというメリットもある。
なおDRマトリクス920は、需要家毎に個別に設けてもよいし、電力契約のタイプごとに設けてもよい。電力契約のタイプごとにDRマトリクス920を設ける場合には、DRマトリクス920には、電力契約のタイプが同一の複数の需要家の電力消費量の変化率の平均値、最大値、あるいは最小値が記載される。
なお需要反応データは、図14に示したようなテーブルとして実現する他、例えば数式により実現することもできる。例えば、電力価格単価およびインセンティブ係数の値を入力すると電力消費量の変化率を出力するようなモデルを作成して、そのモデルを逆算することで、得たい需要変化に対応した、電力価格単価やインセンティブ係数の値を決定してもよい。その場合は、目標となる需要変化率に最も近づくように最適化をすることにより決定できる。そのモデルは、価格弾力性を表した線形モデルであっても、非線形モデルであってもよい。またその場合、レベニューニュートラルや、電力価格単価、インセンティブ係数の上下限値を最適化のモデルの制約条件とすることが考えられる。
需要反応データを数式により構成した場合には、電力価格単価とインセンティブ係数と電力消費量の変化率との各データを対応付けるために必要な記憶装置140のデータサイズを節約することが可能となる。
また本実施形態に示す需要反応データでは、電力消費量の変化率が、電力価格単価及びインセンティブ係数との関係を有するデータとして示されるが、電力消費量の変化率は電力消費量の変化の度合いを示す一つの指標値であり、例えば、電力消費量の変化量であってもよい。
<処理の流れ>
次に、図15〜図17に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
まず図15を参照して、デマンドレスポンスを実施する際の処理の流れを説明する。
エネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンス実施予定日時(例えば翌日の13時から17時の時間帯)にデマンドレスポンスを行わないとした場合の電力消費量(電力需要)の予測値を算出する(S1000)。
エネルギーマネジメントシステム100は、気象情報提供装置400から取得した各種気象データや、過去の電力消費量の実績データなどを用いて電力消費量の予測値を求める。
電力需要予測は、様々な手法を用いて行うことが可能である。例えば、“Peak Load Forecasting using Neural Networks and Fuzzy Inference”, Proceedings of the IASTEDInternational Conference 248-039に記載されているように、過去の電力消費量の実績データや、天候、気温、季節、曜日、電力価格単価等を入力データとして電力消費量の予測値を出力とするようなニューラルネットワークを用いた需要予測モデルを構築することにより、電力消費量の予測値を算出することができる。
次にエネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンス実施予定日時の電力消費量の目標値を算出する(S1010)。電力消費量の目標値は、上記日時の電力消費量の予測値や発電可能量などを考慮して設定される。
次にエネルギーマネジメントシステム100は、上記電力消費量の予測値と上記電力消費量の目標値との差分の、上記電力消費量の予測値に対する割合を求め、需要家の電力消費量の目標変化率(電力目標値に応じて設定される指標目標値)を算出する。例えばエネルギーマネジメントシステム100は、需要家の電力消費量の目標変化率を「−8%」と算出する。
このように、デマンドレスポンスを行う場合の目標値を、電力消費量の予測値に対する変化率として算出すると、この目標値が、デマンドレスポンスを行う際の電力消費量の誘導の強さにも対応するため、誘導の強さを把握しやすくすることが可能となる。
次にエネルギーマネジメントシステム100は、DRマトリクス920を参照し、電力消費量の目標変化率である「−8%」が達成できるような電力価格単価およびインセンティブ係数を求める(S1050)。図14に示す例では、過去の実績から、「−8%」の目標変化率を得るためには、電力価格単価を50円、インセンティブ係数を20円に設定すれば良いことがわかる。
なお、DRマトリクス920に、目標変化率が同じになる電力価格単価とインセンティブ係数との組み合わせが複数記載されている場合(例えば図14に示すDRマトリクス920において目標変化率が−5%の場合など)には、エネルギーマネジメントシステム100は、例えば事前に別途定められた基準に従って電力価格単価とインセンティブ係数との組み合わせを一組に特定するようにする。例えば、電力価格単価がより安い方を選択する、というような基準を事前に定めておく。
あるいは、エネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンスを実施することにより需要家に支払いが必要となるインセンティブの額と、電力価格単価の上昇により生ずる電気料金の収入の増加額と、の収支をシミュレーションし、レベニューニュートラルの観点から、電力価格単価およびインセンティブ係数の最適解を求めるようにしてもよい。
このようにして電力価格単価およびインセンティブ係数が決定されると、エネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンスの実施予定日時と、デマンドレスポンス実施時間帯に適用される電気価格単価及びインセンティブ係数を需要家に通知するためのメッセージを作成し、ユーザ端末300に送信する(S1060)。
ユーザ端末300の出力装置360に、上記メッセージが表示されている様子を図19に示す。
このように、デマンドレスポンスを実施する際の電力価格単価及びインセンティブ係数が需要家に具体的に通知されることにより、より一層需要家の節電等の行動を促すことが可能となる。
なお、エネルギーマネジメントシステム100は、デマンドレスポンスを実施しない場合には、例えば図18に示すようなデマンドレスポンスを行わないことを示すメッセージをユーザ端末300に送信するようにしてもよい。
このように、デマンドレスポンスが行われない日も需要家にその旨を示すメッセージを送信することにより、需要家に対して、デマンドレスポンスが行われるのか行われないのかを毎日チェックさせることができるので、デマンドレスポンスを実施する場合に、より確実にデマンドレスポンスを実施することを需要家に伝達することが可能となる。
次に図16を参照して、電力使用実績データベース910を更新する際の処理の流れを説明する。
エネルギーマネジメントシステム100は、各需要家のスマートメータ200から所定時間ごとに電力消費量を示すデータを受信する(S2000)。
そうすると、エネルギーマネジメントシステム100は、各需要家の電力使用実績データベース910の「日時」欄に現在時刻を記録し、「消費電力」欄にスマートメータ200から受信した電力消費量を記録する。なお、スマートメータ200から送信されるデータの中に、需要家の電力消費量の計測日時を特定可能なデータが含まれている場合には、このデータから特定される電力消費量の計測日時を電力使用実績データベース910の「日時」欄に記録するようにしてもよい。
そしてデマンドレスポンスを実施していない場合には、エネルギーマネジメントシステム100はDRを実施していない旨を電力使用実績データベース910の「DR」欄に記録し、S2000に戻る。
一方、デマンドレスポンスを実施中である場合には、エネルギーマネジメントシステム100は、ベースライン負荷を算出する(S2030)。
エネルギーマネジメントシステム100は、電力使用実績データベース910に記録されている同一需要家の過去のデマンドレスポンスを行わなかった所定期間(例えば直近の5日分)、あるいは所定個数(例えば直近の5個)の同一時刻の電力消費量の平均値を算出することによりベースライン負荷を求める。
そしてエネルギーマネジメントシステム100は、電力使用実績データベース910の「ベースライン負荷」欄に、上記算出したベースライン負荷を記録する(S2040)。
このように、過去の複数の電力消費量から平均値を算出することでベースライン負荷を求めることにより、デマンドレスポンスを実施しない場合の各需要家のより信頼度の高い電力消費量を得ることが可能となる。
そしてエネルギーマネジメントシステム100は、「ベースライン負荷」欄に記録されているデマンドレスポンスを行わない場合の需要家の電力消費量と、「消費電力」欄に記録されている電力消費量と、の差分から、電力消費量の変化量を求め、さらに、「ベースライン負荷」欄に記録されているデマンドレスポンスを行わない場合の需要家の電力消費量と、電力消費量の変化量と、の割合から、電力使用量の変化率を求め、電力使用実績データベース910に記録する(S2050)。そしてエネルギーマネジメントシステム100は、電力価格単価とインセンティブ係数、DRを実施した旨を示す情報を、電力使用実績データベース910に記録する。
上記のように、デマンドレスポンスを行わなかったときの過去の複数の電力消費量の平均値から算出したベースライン負荷と、デマンドレスポンスを行った時の電力消費量との差分から、電力消費量の変化量を算出することにより、デマンドレスポンスを行ったことによる電力消費量の誘導効果(電力消費量の変化の度合い)を示す電力消費量の変化量を、より正確に取得することが可能となる。
同様に、デマンドレスポンスを行わなかったときの過去の複数の電力消費量の平均値から算出したベースライン負荷に対する、デマンドレスポンスを行った時の電力消費量の変動量の割合から、電力消費量の変化率を算出することにより、デマンドレスポンスを行ったことによる電力消費量の誘導効果(電力消費量の変化の度合い)を示す電力消費量の変化率を、より正確に取得することが可能となる。
なお、図16に示す例では、DRを実施しない場合には、ベースライン負荷や電力消費量の変化量、変化率を算出していないが、エネルギーマネジメントシステム100は、DRを実施しない場合にもこれらの値を算出して電力使用実績データベース910に記録するようにしてもよい。
このような態様により、例えばDRを実施した場合の電力消費量の変化率と、DRを実施しない場合の電力消費量の変化率と、を比較するというような、より詳細なDRの効果の検証を行うことも可能となる。
次に図17を参照して、DRマトリクス920を更新する際の処理の流れを説明する。
まずエネルギーマネジメントシステム100は、契約タイプが同一の複数の需要家のそれぞれの電力使用実績データベース910の「DR」欄、「変化率」欄、「電力価格単価」欄、「インセンティブ係数」欄を参照し、DRを実施した過去の所定期間(例えばDRを実施した直近の3日分)における電力消費量の変化率について、電力価格単価とインセンティブ係数の組み合わせごとに平均値を算出し、DRマトリクス920に記録する(S3000)。
エネルギーマネジメントシステム100は、すべての契約タイプについて各契約タイプのDRマトリクス920の更新を行ったら処理を終了する(S3010)。
このように、契約タイプが同一の需要者をひとまとめにしてDRマトリクス920を作成、更新することにより、作成すべきDRマトリクス920の数を削減でき、エネルギーマネジメントシステム100の記憶装置140の節約を図ることが可能となる。また、DRを実施する際に電力価格単価及びインセンティブ係数を決定する処理を、契約タイプの種類の数だけ行えば済むので、エネルギーマネジメントシステム100の処理負担を軽減することも可能となる。
以上説明したような本実施形態に係るエネルギーマネジメントシステム100によれば、デマンドレスポンスを行う場合に、目標とする電力消費量の変化を達成するために有効な電力価格単価及びインセンティブ係数を、DRマトリクス920を参照することにより決定でき、CPPとPTRを共に実施することができるので、より合理的にデマンドレスポンスを実施することが可能となる。
例えば、PTRを実施することにより需要家に支払われるインセンティブの原資を、CPPを実施することにより得る電気料金の増加分から確保するような運用も可能となるので、売電事業者たる電力会社の金銭的負担変動のリスクを軽減することが可能となる。
また需要家にとっても、デマンドレスポンス実施期間中に電力消費量の削減に積極的に取り組むほど、電力価格単価の上昇により電気料金の負担が増加する分を、PTRにより得るインセンティブで補てんするような運用が可能となるので、金銭的負担変動のリスクを軽減することが可能となる。そして、このような金銭的負担変動のリスクを軽減する効果は、需要家が電力削減量を増やすほど大きくなるので、デマンドレスポンスを実施することによる電力削減効果をより大きくすることができる。
このようにして、需要家がデマンドレスポンスにより容易に参加することが可能となるので、デマンドレスポンスのより一層の普及促進を図ることも可能となる。
==第2実施形態==
本実施形態では、需要家は、第1実施形態において例示した「タイプ1」「タイプ2」「タイプ3」のような電力契約の他、図20に示す「タイプ4」のような電力契約を結ぶことも可能である。
「タイプ4」の電力契約は、CPP契約とPTR契約とが含まれる点で、「タイプ1」や「タイプ2」の電力契約と同様であるが、CPPレベル及びPTRレベルが拡張されている。
具体的には、「タイプ4」の電力契約は、「タイプ1」の電力契約と比べて、CPPレベル0〜4の電力価格単価は同じであるが、CPPレベルが「−1」〜「−4」に追加されている。そしてCPPレベルが小さくなるほど、電力価格単価が安くなるように設定されている。
「タイプ4」の電力契約の場合は、CPPレベルの数字の絶対値が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く変化させることを表す。CPPレベル0は、CPPが実施されないことを示す。CPPレベルが正の値の時は、CPPレベルの数字が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く抑制させるように誘導することを表す。そしてCPPレベルが負の値の時は、CPPレベルの数字の絶対値が大きくなる程(CPPレベルの値が小さいほど)、需要家の電力消費量をより増加させるように誘導することを表す。
「タイプ4」の電力契約のようなCPPを行うことにより、CPPレベルを上げるほど電力価格単価が高くなるため、電力消費量が抑制されるように誘導することができるとともに、CPPレベルを下げるほど電力価格単価が安くなるため、電力消費量が増加するように誘導することができる
また「タイプ4」の電力契約の場合は、PTR契約についても、PTRレベルの数字の絶対値が大きくなる程、需要家の電力消費量をより強く変化させることを表す。PTRレベル0は、PTRが実施されないことを示す。PTRレベルが正の値の時は、PTRレベルの数字が大きくなる程、需要家が電力消費量を削減した時のインセンティブ係数が大きくなる。またPTRレベルが負の値の時は、PTRレベルの数字の絶対値が大きくなる程(PTRレベルの値が小さいほど)、需要家が電力消費量を増加した時のインセンティブ係数が大きくなる。
「タイプ4」の電力契約を結んだ需要家に適用されるDRマトリクス920を図21に示す。
図21に示すようなDRマトリクス920を用いることにより、需要家の電力消費量を削減するように誘導したい場合のみならず、電力消費量が増加するように誘導することも可能となる。
なお、本実施形態のDRマトリクス920において、電力消費量の変化率が、電力価格単価及びインセンティブ係数との関係を有するデータとして示されるが、電力消費量の変化率は電力消費量の変化の度合いを示す一つの指標値であり、例えば、電力消費量の変化量であってもよい。
このような態様によって、例えば太陽光発電所や風力発電所のような自然エネルギーを用いた発電所の増加に伴って、天候や時間帯によって余剰電力が生じた場合であっても、より最適かつ柔軟な電力の需給バランスを実現することが可能となる。
以上、本実施形態に係るエネルギーマネジメントシステム100によれば、より合理的にデマンドレスポンスを実施することが可能となる。またデマンドレスポンスのより一層の普及促進を図ることも可能となる。
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
100 エネルギーマネジメントシステム
101 需要反応データ記憶部
102 指標目標値取得部
103 単価算出部
104 通信部
110 CPU
120 メモリ
130 通信装置
140 記憶装置
150 入力装置
160 出力装置
170 記録媒体読取装置
200 スマートメータ
210 メータ部
220 制御部
300 ユーザ端末
310 CPU
320 メモリ
330 通信装置
340 記憶装置
350 入力装置
360 出力装置
370 記録媒体読取装置
400 気象情報提供装置
500 ネットワーク
600 電力消費装置
700 エネルギーマネジメントシステム制御プログラム
710 ユーザ端末制御プログラム
800 記録媒体
900 電力契約管理データベース
910 電力使用実績データベース
920 DRマトリクス
1000 電力管理システム

Claims (8)

  1. 需要家の電力消費量を所定の電力目標値に誘導するための電力消費量誘導装置であって、
    前記需要家が前記電力消費量に応じて支払う電気料金の単価と、前記需要家が前記電力消費量を前記電力目標値に近づけるように変化させた場合に前記電力消費量の変化量に応じて前記需要家に支給されるインセンティブの単価と、前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要家に適用した場合に見込まれる前記需要家の電力消費量の変化の度合いを示す指標値と、の関係を示す需要反応データを記憶する需要反応データ記憶部と、
    前記需要家の電力消費量の予測値と前記電力目標値との差分、又は、前記電力消費量の予測値に対する前記差分の割合を、前記指標値の目標値である指標目標値として取得する指標目標値取得部と、
    前記需要家の電力消費量の変化の度合いが前記指標目標値になるような前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要反応データから求める単価算出部と、
    を備えることを特徴とする電力消費量誘導装置。
  2. 請求項1に記載の電力消費量誘導装置であって、
    前記需要家が有する情報処理装置と通信可能に接続され、前記単価算出部が求めた前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価が前記需要家の電力消費量の誘導を行う際に適用される旨のメッセージを、前記情報処理装置に送信する通信部と、
    を備えることを特徴とする電力消費量誘導装置。
  3. 請求項1または2に記載の電力消費量誘導装置であって、
    前記需要反応データは、前記電気料金の複数の単価および前記インセンティブの複数の単価の組み合わせごとに、前記電気料金の単価と、前記インセンティブの単価と、前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要家に適用した場合に見込まれる前記需要家の電力消費量の変化の度合いを示す指標値と、をそれぞれ対応付けて記憶したテーブルである
    ことを特徴とする電力消費量誘導装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電力消費量誘導装置であって、
    前記電力消費量の変化量は、前記電力消費量の誘導を行わなかった場合のベースライン負荷と、前記誘導を行った際の前記需要家の電力消費量と、の差により求められる
    ことを特徴とする電力消費量誘導装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電力消費量誘導装置であって、
    前記電力消費量の変化の度合いを示す指標値は、前記電力消費量の誘導を行わなかった場合のベースライン負荷に対する、前記誘導を行った際の前記需要家の前記電力消費量の変化量の割合により求められる
    ことを特徴とする電力消費量誘導装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電力消費量誘導装置であって、
    前記指標目標値は、前記電力消費量の誘導の実施予定日に前記電力消費量の誘導を行わなかったとした場合の前記需要家の電力消費量の予測値に対する、前記予測値と前記電力目標値との差の割合により求められる
    ことを特徴とする電力消費量誘導装置。
  7. 需要家の電力消費量を所定の電力目標値に誘導するための電力消費量誘導装置の制御方法であって、
    前記電力消費量誘導装置が、前記需要家が前記電力消費量に応じて支払う電気料金の単価と、前記需要家が前記電力消費量を所定の基準値よりも前記電力目標値に近づけるように変化させた場合に前記電力消費量の変化量に応じて前記需要家に支給されるインセンティブの単価と、前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要家に適用した場合に見込まれる前記需要家の電力消費量の変化の度合いを示す指標値と、の関係を示す需要反応データを記憶し、
    前記電力消費量誘導装置が、前記需要家の電力消費量の予測値と前記電力目標値との差分、又は、前記電力消費量の予測値に対する前記差分の割合を、前記指標値の目標値である指標目標値として取得し、
    前記電力消費量誘導装置が、前記需要家の電力消費量の変化の度合いが前記指標目標値になるような前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要反応データから求める
    ことを特徴とする電力消費量誘導装置の制御方法。
  8. 需要家の電力消費量を所定の電力目標値に誘導するための電力消費量誘導装置
    前記需要家が前記電力消費量に応じて支払う電気料金の単価と、前記需要家が前記電力消費量を所定の基準値よりも前記電力目標値に近づけるように変化させた場合に前記電力消費量の変化量に応じて前記需要家に支給されるインセンティブの単価と、前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要家に適用した場合に見込まれる前記需要家の電力消費量の変化の度合いを示す指標値と、の関係を示す需要反応データを記憶する手段、
    前記需要家の電力消費量の予測値と前記電力目標値との差分、又は、前記電力消費量の予測値に対する前記差分の割合を、前記指標値の目標値である指標目標値として取得する手段、
    前記需要家の電力消費量の変化の度合いが前記指標目標値になるような前記電気料金の単価及び前記インセンティブの単価を前記需要反応データから求める手段、
    として機能させるためのプログラム。
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