JP6348684B2 - 金属の熱分析用方法及び熱分析機 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電対が装着された熱分析用容器の内部に入れられた金属溶湯を凝固させて初晶温度及び共晶温度を測定し、測定した初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める金属の熱分析方法及び熱分析機に関する。
従来から、鋳造製品を製造するにあたり、金属の溶湯を鋳型に流し込む前に、金属溶湯が凝固する際の温度変化である冷却曲線を測定し、得られた冷却曲線に基づいて溶湯の金属組成を分析する熱分析機が利用されている。
すなわち、熱分析機は、金属溶湯が内部に入れられる熱分析用容器と、熱分析用容器の内部に装着された熱電対と、この熱電対が接続されて、熱分析用容器に入れられた金属溶湯の温度変化を測定していくように形成された熱分析機本体とを備えたものである。
ここで、熱分析機本体は、金属溶湯が凝固する際の温度変化を測定し、その測定結果から、初晶温度や共晶温度を求め、求めた初晶温度や共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を自動的に算出するものとなっている。
このような熱分析機によれば、溶鉱炉又は取瓶から取り出した金属溶湯の試料を熱分析用容器の中に入れて常温で冷却すると、この試料が凝固する際の温度変化を熱電対が電気信号に変換して熱分析機本体に入力するので、これにより、熱分析機本体は、試料が凝固する際の温度変化を示す冷却曲線を測定し、測定した冷却曲線から初晶温度や共晶温度を求め、求めた初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を自動的に算出して表示するので、溶鉱炉内の金属溶湯の熱分析を容易に行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−237567号公報
前述のような熱分析機を利用した熱分析では、熱電対の誤差が大きい場合、分析結果である求めた炭素及び珪素の含有量の誤差も大きくなるので、温度の高い方へずれる誤差のある熱電対と、温度の低い方へずれる誤差のある熱電対とのペアを交換する等によって、熱電対による温度測定における誤差が所定の範囲(例えば、華氏±2度の範囲)内に収まるように調節しているが、熱電対の精度をさらに向上することは困難であり、このため、分析結果の精度をさらに向上させることが難しい、という問題がある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、分析結果の精度がさらに向上するようになる金属の熱分析方法及び熱分析機を提供することである。
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、金属の熱分析方法に関し、次の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に記載された発明は、熱電対(2)が装着された熱分析用容器(1)の内部に入れられた金属溶湯を凝固させて初晶温度及び共晶温度を測定し、測定した初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める金属の熱分析方法であって、予め、前記熱電対(2)と同一ロットの校正用熱電対について、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する温度誤差値を求めておき、前記標準熱電対及び前記校正用熱電対を使用することなく前記熱電対(2)で初晶温度及び共晶温度を測定し、前記校正用熱電対の温度誤差値を減じて、前記熱電対(2)で測定した初晶温度及び共晶温度の測定値を校正した後、校正した測定値に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求めることを特徴とする。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記校正用熱電対及び前記標準熱電対の両方で、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方を測定し、前記校正用熱電対によって得られた測定値と、前記標準熱電対によって得られた測定値とに基づいて演算することによって、前記標準熱電対に対する前記校正用熱電対の温度誤差値が求められたことを特徴とする。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、金属の熱分析機に関するものであり、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、金属溶湯が内部に入れられる熱分析用容器(1)と、前記熱分析用容器(1)の内部に装着された熱電対(2)と、前記熱分析用容器(1)の内部に入れられた金属溶湯が凝固する際に、前記熱電対(2)で初晶温度及び共晶温度を測定する温度測定手段(23A) と、前記温度測定手段(23A) によって測定された初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める含有量分析手段(23C) とを備えている金属の熱分析機(10)であって、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する前記熱電対(2)と同一ロットの校正用熱電対の温度誤差値を表示する温度誤差値表示手段(31)に表示されている前記校正用熱電対の温度誤差値を入力する温度誤差値入力手段(30)と、前記温度誤差値入力手段(30)によって入力された温度誤差値で、前記熱電対(2)が測定した測定した初晶温度及び共晶温度を校正する測定値校正手段(23B) とを備え、前記熱分析用容器(1)の内部には前記標準熱電対及び前記校正用熱電対は装着されておらず、前記含有量分析手段(23C) は、前記測定値校正手段(23B) によって校正された初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求めるように形成されていることを特徴とする。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項3に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、温度誤差値表示手段(31)が表示する温度誤差値として、予め、前記熱電対(2)と同一ロットの校正用熱電対、及び、標準となる熱電特性を示す標準熱電対の両方で、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方を測定し、前記校正用熱電対によって得られた測定値と、前記標準熱電対によって得られた測定値とに基づいて演算することによって求められたものが採用されていることを特徴とする。
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、前述した請求項3又は4に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項5記載の発明は、前記温度誤差値表示手段(31)として、バーコードで温度誤差値を表示するものが採用され、前記温度誤差値入力手段(30)として、バーコードを読み取るバーコードリーダーが採用されていることを特徴とする。
(請求項1,3の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1,3記載の発明によれば、使用される熱電対と同一ロットの校正用熱電対について、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する温度誤差値を求めておき、前記熱電対で初晶温度及び共晶温度を測定し、前記校正用熱電対の温度誤差値を減じて、前記熱電対で測定した初晶温度及び共晶温度の測定値を校正するので、熱電対の誤差が大きい場合でも、測定で得られた初晶温度及び共晶温度の値の精度を充分に良好なものにすることができ、これら初晶温度及び共晶温度の校正した測定値から、炭素及び珪素の含有量を精度良く求めることができ、これにより、分析結果の精度をさらに向上することができ、前記目的が達成される。
(請求項2,4の効果)
請求項2,4記載の発明によれば、上記した請求項1,3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2,4記載の発明によれば、実際に、校正用熱電対及び標準熱電対を使用して、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方を測定し、この後、校正用熱電対によって得られた測定値と、標準熱電対によって得られた測定値とに基づいて演算を行い、標準熱電対に対する校正用熱電対の温度誤差値を求めたので、実際の分析作業と同様の条件で行われる実験で温度誤差値を得ることができるうえ、測定すべき温度範囲における温度誤差値を得ることができ、校正した初晶温度及び共晶温度の値の精度をさらに良好なものにでき、この点からも、分析結果の精度をさらに向上することができる。
(請求項5の効果)
請求項5記載の発明によれば、上記した請求項3又は4記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5記載の発明によれば、温度誤差値表示手段として、バーコードで温度誤差値を表示するものを採用し、温度誤差値入力手段として、バーコードを読み取るバーコードリーダーを採用したので、測定で得られた初晶温度及び共晶温度の値を温度誤差値で校正するにあたり、温度誤差値の入力を迅速且つ正確に行うことができ、温度誤差値を入力するようにしても、何ら煩雑な作業が生じることがなく、分析結果の精度を容易に向上することができる。
本発明の一実施形態に係る熱分析機の全体を示す模式図である。 前記実施形態に係る熱分析用容器を示す断面図である。 前記実施形態に係る制御手段を示すブロック図である。 前記実施形態に係る熱分析機に表示される冷却曲線の一例を示すグラフである。 前記実施形態に係る温度誤差値表示手段の表示位置の一例を示す斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態である一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係る熱分析機10が示されている。
この熱分析機10は、溶融状態の金属である金属溶湯が凝固する際に、その初晶温度及び共晶温度を測定し、測定された初晶温度及び共晶温度に基づいて、金属溶湯に含まれる炭素及び珪素の量を分析する分析装置である。
熱分析機10には、金属溶湯が内部に入れられる熱分析用の容器1と、上部に載せられた容器1を支持する支持台1Aと、容器1の内部に装着された後述の熱電対2と、金属溶湯の炭素量及び珪素量等を分析する本体20と、後述する温度誤差値を入力するためのバーコードリーダー30とが備えられている。
このうち、容器1は、熱分析の分析対象となる鋳鉄等の金属溶湯を、その内部に入れて凝固させるカップ状の器である。この容器1には、図2に示すように、円筒状に形成された側壁部11と、この側壁部11の一方の端部を塞ぐ底板部12とが備えられている。なお、側壁部11の他端は開放されている。
そして、熱電対2は、容器1に装着されているものである。また、熱電対2は、その温接点2Aが容器1の内部に設置されている。このような熱電対2は、容器1の内部に入れられた金属溶湯の温度変化が測定可能となっている。
すなわち、容器1の底板部12は、中央部分に熱電対2を挿通するための挿通孔13が形成されている。この挿通孔13は、内部に石英ガラス等の耐熱性及び電気絶縁性を有する一対の耐熱絶縁パイプ3が挿通されている。
一対の耐熱絶縁パイプ3は、その基端部分が挿通孔13の内部に配置されるとともに、当該挿通孔13を完全に塞ぐものとなっている。一方、これらの耐熱絶縁パイプ3の先端部分は、容器1の内部の中央近傍まで延びている。
また、各耐熱絶縁パイプ3の先端部分には、耐熱絶縁剤4に被覆された熱電対2の温接点2Aが配置されている。ここで、熱電対2の温接点2Aは、容器1の内部の略中央位置に配置されている。
さらに、各耐熱絶縁パイプ3の内部には、熱電対2、あるいは、熱電対2の温接点2Aで得られる温度信号を外部に取り出すための補償導線等のリード線2Bが挿通されている。
ここで、金属溶湯が鋳鉄溶湯である場合、容器1の底部近傍の内面(例えば、図1中、底板部12の上側の面等)には、熱分析を行うにあたり、予め、鋳鉄溶湯の試料に対して所定の重量割合の粒状テルル5が塗型剤等で接着されるようになっている。
バーコードリーダー30は、バーコード31を読み取る装置であり、本体20にUSB(Universal Serial Bus)を介して接続されている。
ここで、熱電対2については、予め、当該熱電対2と同一ロットの校正用熱電対、及び、標準となる熱電特性を示す標準熱電対の両方で、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方、例えば、共晶温度を測定し、校正用熱電対によって得られた測定値から、標準熱電対によって得られた測定値を減じることによって、標準熱電対に対する校正用熱電対の温度誤差値が求められたものとなっている。
バーコード31は、標準熱電対に対する校正用熱電対の温度誤差値を表示する温度誤差値表示手段である。
バーコードリーダー30は、バーコード31に表示されている温度誤差値を読み取り、読み取った温度誤差値を本体20に入力する温度誤差値入力手段となっている。
換言すると、バーコードリーダー30は、読み取った温度誤差値をシリアルのデジタル信号に変換して本体20へ送信するようになっている。
図1に戻って、熱分析機10の本体20は、CPU、ROM及びRAMを備えたマイクロコンピュータが内部に設けられている演算処理装置であり、熱電対2のリード線2Bが電気的に接続され、熱電対2で測定される温度に基づいて、容器1の内部に入れられた金属溶湯の分析を行うものである。
本体20の正面分部における図1中、上方部分は、分析結果等を表示するための表示部21となっている。この表示部21の図1中、上方部分は、分析作業を行う際に各種の設定等を行うための操作部22とが設けられている。
表示部21における図1中、左方部分には、容器1の内部に入れられた金属溶湯が凝固する際の温度変化をグラフ表示することができる液晶表示パネル21A が設けられている。なお、グラフ表示する表示装置としては、液晶表示パネル21A に限らず、有機ELパネル等、他の方式の表示装置を採用してもよい。
また、液晶表示パネル21A の図1中、左方部分には、分析結果としての炭素当量(以下、「CE値」という。)を百分率でデジタル表示するCE表示部21B と、分析結果としての炭素含有量を百分率でデジタル表示するC含有率表示部21C と、分析結果としての珪素含有量を百分率でデジタル表示するSi含有率表示部21D とが上下に配列されている。
操作部22の図1中、上段部分には、図1中左方から順に、本体20に電源が投入されている時に点灯する電源ランプ22A と、本体20の分析動作をコントロールするために設けられた複数のランプ内蔵型押しボタンスイッチ22B とが配列されている。
また、操作部22の図1中、下段部分には、図1中左方から順に、バーコードリーダー30等の補助入力装置を接続するために設けられた複数のUSB端子22C と、本体20の分析動作における各種の設定を行うために設けられた複数のロータリ式スイッチ22D とが配列されている。
ここで、本体20は、内部に設けられたROMに記憶されたプログラムを、CPUで実行することで実現されている制御手段20A を備え、この制御手段20A によって、その動作が制御されるようになっている。
すなわち、制御手段20A は、ROMに記憶され、且つ、CPUで実行するプログラムによって動作するものであり、図3に示すように、測定動作及び測定結果に基づく演算を制御する測定演算制御手段23と、測定演算制御手段23による演算結果の表示を制御する結果表示制御手段24とを備えている。
このうち、測定演算制御手段23は、容器1の内部に入れられた金属溶湯が凝固する際に、熱電対2で初晶温度及び共晶温度を測定する温度測定手段23A と、この温度測定手段23A によって測定された初晶温度及び共晶温度を校正する測定値校正手段23B と、測定で得られた初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める含有量分析手段23C とを備えている。
温度測定手段23A は、容器1内で冷却・凝固する金属溶湯の温度の経時変化を測定し、温度降下の勾配が緩やかになったことに基づいて、初晶温度及び共晶温度を判定するものである。
例えば、金属溶湯が銑鉄溶湯の場合、容器1内で冷却・凝固する銑鉄溶湯は、温度が降下していくと、図4に示すように、最初に、1500〜1450Kの途中で、温度降下の勾配が次第に緩やかになっていき、当該勾配が所定の値となった時の温度を初晶温度とすることができ、次に、1400〜1350Kの途中で、温度降下の勾配が次第に緩やかになっていき、当該勾配が所定の値となった時の温度を共晶温度とすることができる。
このため、温度測定手段23A は、予め定められた温度範囲内で、温度降下の勾配が所定の範囲となったときに、それぞれ温度を測定し、得られた測定値をそれぞれ初晶温度及び共晶温度として測定するものとなっている。
なお、熱電対2の温度信号は、温度測定手段23A を経由して、結果表示制御手段24にも受信されるようになっている。
測定値校正手段23B は、バーコードリーダー30によって入力された温度誤差値で、熱電対2が測定した測定した初晶温度及び共晶温度を校正するものである。
具体的には、測定値校正手段23B は、熱電対2が測定した測定した初晶温度及び共晶温度のそれぞれの測定値から、バーコードリーダー30によって入力された温度誤差値を減じることで、初晶温度及び共晶温度の校正を行うようになっている。
含有量分析手段23C は、温度測定手段23A によって測定された初晶温度及び共晶温度のそれぞれの値を、さらに、測定値校正手段23B で校正したそれぞれの値に基づいて、CE値、炭素の含有量及び珪素の含有量を求めるように形成されている。
また、含有量分析手段23C は、求めたCE値、炭素の含有量及び珪素の含有量を示す分析結果データを、結果表示制御手段24へ送るように形成されている。
結果表示制御手段24は、本体20の表示部21に設けられた液晶表示パネル21A 等の表示デバイスを制御するものである。
すなわち、結果表示制御手段24には、液晶表示パネル21A を制御する液晶表示パネル制御手段24A と、CE表示部21B 、C含有率表示部21C 及びSi含有率表示部21D を制御する分析結果表示手段24B とが設けられている。
液晶表示パネル制御手段24A は、熱電対2の温度信号を温度測定手段23A を経由して受信するようになっている。
そして、液晶表示パネル制御手段24A は、受信した熱電対2の温度信号に基づいて、容器1内に入れられた金属溶湯の温度の経時変化を示すグラフ(図4参照)を液晶表示パネル21A の画面に表示させるものである。
分析結果表示手段24B は、含有量分析手段23C が求めたCE値、炭素の含有量及び珪素の含有量を示す分析結果データを含有量分析手段23C から受信するようになっている。
そして、分析結果表示手段24B は、含有量分析手段23C から受信した分析結果データが示すCE値、炭素の含有量及び珪素の含有量を、それぞれCE表示部21B 、C含有率表示部21C 及びSi含有率表示部21D に表示させるものとなっている。
ここで、容器1は、メーカーからユーザーに至る流通過程において、図5に示すように、複数が収納可能な箱32に収納された状態で搬送されるようになっている。
そして、バーコード31は、図5の如く、箱32の側面に貼付された熱電対起電力検定成績表33に印刷されたものとなっている。なお、バーコード31としては、特に図示しないが、容器1の側面に印刷されたものでもよい。
次に、金属溶湯の熱分析を行う際の分析機10の動作について説明する。
熱電対2については、予め、当該熱電対2と同一ロットの校正用熱電対について、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する温度誤差値が求めてあり、この温度誤差値は、箱32に貼付された熱電対起電力検定成績表33にバーコード31で記されている。
そこで、金属溶湯の熱分析を行うのに先立って、バーコードリーダー30でバーコード31の温度誤差値を読み取って、バーコードリーダー30から分析機10の本体20に入力する。
この後、熱分析用の容器1の内部に金属溶湯を入れ、本体20は、熱電対2からの電気信号に基づいて、金属溶湯の温度変化を測定し、この測定から初晶温度及び共晶温度を求め、求めた初晶温度及び共晶温度から、それぞれ温度誤差値を減じて、初晶温度及び共晶温度の測定値を校正した後、校正した測定値に基づいて、炭素及び珪素の含有量を算出するようになっている。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、使用される熱電対2と同一ロットの校正用熱電対について、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する温度誤差値を求めておき、熱電対2で初晶温度及び共晶温度を測定した後、校正用熱電対の温度誤差値を減じて、熱電対2で測定した初晶温度及び共晶温度の測定値を校正するので、熱電対2の誤差が大きい場合でも、測定で得られた初晶温度及び共晶温度の値の精度を充分に良好なものにすることができ、これら初晶温度及び共晶温度の校正した測定値から、炭素及び珪素の含有量を精度良く求めることができ、これにより、分析結果の精度をさらに向上することができる。
また、実際に、校正用熱電対及び標準熱電対の両方を使用して、金属溶湯の共晶温度を測定し、この後、校正用熱電対によって得られた測定値から、標準熱電対によって得られた測定値を減じて、標準熱電対に対する校正用熱電対の温度誤差値を求めたので、実際の分析作業と同様の条件で行われる実験で温度誤差値を得ることができるうえ、測定すべき温度範囲における温度誤差値を得ることもでき、校正した初晶温度及び共晶温度の値の精度をさらに良好なものにでき、この点からも、分析結果の精度をさらに向上することができる。
さらに、温度誤差値を表示する温度誤差値表示手段として、バーコード31を採用し、温度誤差値入力手段として、バーコード31を読み取るバーコードリーダー30を採用したので、測定で得られた初晶温度及び共晶温度の値を温度誤差値で校正するにあたり、入力ミスを低減でき、しかも、温度誤差値の入力を迅速且つ正確に行うこともでき、温度誤差値を入力するようにしても、何ら煩雑な作業が生じることがなく、分析結果の精度を容易に向上することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、温度誤差値表示手段としては、一次元バーコードに限らず、QRコード(デンソーウェーブの登録商標)等の二次元バーコードでもよく、さらに、アラビア数字等の文字をOCR(文字認識装置)で読み込んで分析機に入力してもよい。
また、前記実施形態では、バーコードリーダー30と本体20とをUSBで接続したが、バーコードリーダー30と本体20との接続は、USBに限らず、RS232C等、他のシリアル方式の接続インターフェイスを介して接続してもよく、さらに、シリアル方式の接続インターフェイスに限らず、パラレル方式の接続インターフェイスを介して接続してもよい。
また、前記実施形態では、バーコード31が印刷された熱電対起電力検定成績表33を箱32の側面に貼付したが、容器1とともに箱32の内部に梱包してもよい。
さらに、前記実施形態では、バーコードリーダーとして、移動が容易なハンディタイプのバーコードリーダー30を採用し、バーコード31に対してバーコードリーダー30側を移動することで、バーコード31を読み込んでいたが、これに限らず、バーコードリーダーとして、本体20に組み込まれて、移動が困難な本体固定式のバーコードリーダーを採用し、バーコードリーダー30に対してバーコード31側を移動することでバーコード31を読み込むようにしてもよい。
1 (熱分析用)容器
2 熱電対
10 熱分析機
23A 温度測定手段
23B 測定値校正手段
23C 含有量分析手段
30 温度誤差値入力手段としてのバーコードリーダー
31 温度誤差値表示手段としてのバーコード

Claims (5)

  1. 熱電対が装着された熱分析用容器の内部に入れられた金属溶湯を凝固させて初晶温度及び共晶温度を測定し、測定した初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める金属の熱分析方法であって、
    予め、前記熱電対と同一ロットの校正用熱電対について、標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する温度誤差値を求めておき、
    前記標準熱電対及び前記校正用熱電対を使用することなく前記熱電対で初晶温度及び共晶温度を測定し、前記校正用熱電対の温度誤差値を減じて、前記熱電対で測定した初晶温度及び共晶温度の測定値を校正した後、校正した測定値に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求めることを特徴とする金属の熱分析方法。
  2. 前記標準熱電対に対する前記校正用熱電対の温度誤差値は、前記校正用熱電対及び前記標準熱電対の両方で、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方を測定し、前記校正用熱電対によって得られた測定値と、前記標準熱電対によって得られた測定値とに基づいて演算することによって求められたものであることを特徴とする請求項1記載の金属の熱分析方法。
  3. 金属溶湯が内部に入れられる熱分析用容器と、前記熱分析用容器の内部に装着された熱電対と、前記熱分析用容器の内部に入れられた金属溶湯が凝固する際に、前記熱電対で初晶温度及び共晶温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段によって測定された初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求める含有量分析手段とを備えている金属の熱分析機であって、
    標準となる熱電特性を示す標準熱電対に対する前記熱電対と同一ロットの校正用熱電対の温度誤差値を表示する温度誤差値表示手段に表示されている前記校正用熱電対の温度誤差値を入力する温度誤差値入力手段と、
    前記温度誤差値入力手段によって入力された温度誤差値で、前記熱電対が測定した測定した初晶温度及び共晶温度を校正する測定値校正手段とを備え、
    前記熱分析用容器の内部には前記標準熱電対及び前記校正用熱電対は装着されておらず、
    前記含有量分析手段は、前記測定値校正手段によって校正された初晶温度及び共晶温度に基づいて、炭素及び珪素の含有量を求めるように形成されていることを特徴とする金属の熱分析機。
  4. 前記温度誤差値表示手段が表示する温度誤差値は、予め、前記熱電対と同一ロットの校正用熱電対、及び、標準となる熱電特性を示す標準熱電対の両方で、金属溶湯の初晶温度及び共晶温度の少なくとも一方を測定し、前記校正用熱電対によって得られた測定値と、前記標準熱電対によって得られた測定値とに基づいて演算することによって求められたものであることを特徴とする請求項3記載の金属の熱分析機。
  5. 前記温度誤差値表示手段は、バーコードで温度誤差値を表示するものであり、
    前記温度誤差値入力手段は、バーコードを読み取るバーコードリーダーであることを特徴とする請求項3又は4記載の金属の熱分析機。
JP2013076011A 2013-04-01 2013-04-01 金属の熱分析用方法及び熱分析機 Active JP6348684B2 (ja)

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