JP6346521B2 - 圧粉磁心、及びコイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、軟磁性粉末を含む原料粉末を加圧成形してなる圧粉磁心、及びコイル部品に関する。特に、磁気特性に優れる円柱状の圧粉磁心に関する。
自動車、電気機器、産業機械などの各種製品の部品として、コイル部品が使用されている。コイル部品は、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置される磁心とを備える。磁心には、軟磁性粉末を加圧成形した直方体状や円柱状など種々の形状の圧粉磁心が利用されている。例えば、圧粉磁心の形状が円柱状の場合、この圧粉磁心を作製するには、内周面が圧粉磁心の円筒面の全周を形成する円筒状の外形形成面を有するダイと、互いの対向面が圧粉磁心の両端面を形成する平面状の加圧面で構成される上下パンチとを備える金型を用いて軟磁性粉末を加圧成形する。こうして作製された圧粉磁心は、パンチの加圧面で形成された端面が、圧粉磁心をコイルと組み合わせてコイルを励磁した際に磁束方向と直交し、ダイの外形形成面で形成された円筒面の軸方向が、磁束方向と平行となる(例えば、特許文献1の明細書0058,0061など)。
特開2013−131676号公報
円柱状の圧粉磁心は、上述のように加圧方向を圧粉磁心の軸方向と平行にして作製した場合、軟磁性粒子は圧縮されて圧粉磁心の径方向に扁平する。そうすると、圧粉磁心の加圧方向に沿った粒界が多くなる。この粒界は、圧粉磁心をコイルと組み合わせてコイルを励磁した際、磁気的ギャップになる。特に、圧粉磁心の加圧方向に沿った長さが長いほど、加圧成形時に加圧方向で軟磁性粉末に付加される圧力分布にばらつきが生じ易くなり、密度が均一で高密度な圧粉成形体が得られ難くなる。その結果、磁気特性が低下する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、磁気特性に優れる円柱状の圧粉磁心を提供することにある。また、別の目的は、上記圧粉磁心を備えるコイル部品を提供することにある。
本発明の一態様に係る圧粉磁心は、軟磁性粒子を含む軟磁性粉末を加圧成形してなる円柱状である。軟磁性粉末は、圧粉磁心の径方向に圧縮された扁平粒子を含む。圧粉磁心全体の密度が7.4g/cm以上である。加圧成形時に、圧粉磁心の円筒面に軸方向に沿って形成される4つ以上の偶数の押圧痕を有する。圧粉磁心の上下方向及び左右方向は、以下の(a)又は(b)とし、圧粉磁心を左右方向に3等分した各分割片、又は上下方向で互いに対向する押圧痕同士を含む縦断面で圧粉磁心を分割した各分割片を、中央及び左右の分割片とする。このとき、中央の分割片の密度が左右の分割片の密度に比べて高く、かつ中央の分割片と左右の分割片との密度の差が0.2g/cm以下である。
(a)圧粉磁心の両端面を観察し、筋状の摺接痕の長手方向を圧粉磁心の上下方向、上下方向に直交する方向を圧粉磁心の左右方向とする。
(b)圧粉磁心の横断面の中心領域における軟磁性粒子の形状を観察し、扁平粒子の長軸方向を圧粉磁心の左右方向、左右方向と直交する方向を圧粉磁心の上下方向とする。
本発明の一態様に係るコイル部品は、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置される磁心とを備え、磁心の少なくとも一部は上記本発明の一態様に係る圧粉磁心である。
上記圧粉磁心は、磁気特性に優れる。上記コイル部品は、磁気特性に優れる。
実施形態1に係る圧粉磁心を示し、上図は概略斜視図、中図は横断面図、下図は縦断面図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する際に用いる金型の一例を示す説明図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造方法(I)を説明する工程説明図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造方法(I)の成形工程における圧縮比を説明する説明図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造方法(I)の成形工程における加圧面の位置の一例を説明する説明図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造方法(I)の成形工程における加圧面の位置の他の例を説明する説明図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造造方法(I)の成形工程後の圧粉成形体を示す断面図である。 実施形態1に係る圧粉磁心を製造する製造方法(II)を説明する説明図である。 実施形態2に係る圧粉磁心を製造する製造方法に用いる金型の他の例を示す説明図である。 実施形態2に係る圧粉磁心を製造する製造方法を説明する工程説明図である。 上図は、圧粉成形体から試験片を削り出す様子を説明する説明図であり、下図は、試験例1で磁気特性を調べるための試験片を示す斜視図である。 試験例2において、加圧面における最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率を算出するシミュレーションを説明する説明図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様を列記して説明する
(1)本発明の一態様に係る圧粉磁心は、軟磁性粒子を含む軟磁性粉末を加圧成形してなる円柱状である。軟磁性粉末は、圧粉磁心の径方向に圧縮された扁平粒子を含む。圧粉磁心全体の密度が7.4g/cm以上である。加圧成形時に、圧粉磁心の円筒面に軸方向に沿って形成される4つ以上の偶数の押圧痕を有する。圧粉磁心の上下方向及び左右方向は、以下の(a)又は(b)とし、圧粉磁心を左右方向に3等分した各分割片、又は上下方向で互いに対向する押圧痕同士を含む縦断面で圧粉磁心を分割した各分割片を、中央及び左右の分割片とする。このとき、中央の分割片の密度が左右の分割片の密度に比べて高く、かつ中央の分割片と左右の分割片との密度の差が0.2g/cm以下である。
(a)圧粉磁心の両端面を観察し、筋状の摺接痕の長手方向を圧粉磁心の上下方向、上下方向に直交する方向を圧粉磁心の左右方向とする。
(b)圧粉磁心の横断面の中心領域における軟磁性粒子の形状を観察し、扁平粒子の長軸方向を圧粉磁心の左右方向、左右方向と直交する方向を圧粉磁心の上下方向とする。
上記の構成によれば、軟磁性粉末が上記扁平粒子を含むことで、圧粉磁心の軸方向に圧縮された扁平粒子を含む場合に比較して、圧粉磁心の軸方向に沿った粒界を低減し易い。そのため、磁気的ギャップが少なく、磁気特性を高められる。その上、圧粉磁心全体の密度が高く中央と左右とで密度のばらつきが小さいことで、磁気特性を高められる。
(2)上記圧粉磁心の一形態として、圧粉磁心を上下方向に均等に分割して上下の分割片とするとき、上下の分割片の密度の差が0.2g/cm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、左右に加えて上下の密度の差が小さいことで、磁気特性をより一層高められる。
(3)上記圧粉磁心の一形態として、圧粉磁心の縦断面における扁平粒子のアスペクト比の平均値が、1.2以上であることが挙げられる。アスペクト比の平均値とは、圧粉磁心の縦断面において、圧粉磁心の軸方向に沿った各粒子の最大長さをLp、軸方向に直交する方向に沿った最大長さLoとし、前記Loに対する前記Lpの比Lp/Loの平均値をいう。扁平粒子の最大長さLp及び最大長さLoの測定は、圧粉磁心の縦断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その観察像を画像解析することで行える。測定条件は、視野数:5視野以上、倍率:150倍以上1000倍以下、一視野あたりの測定粒子数:6個以上、合計粒子数:30個以上が挙げられる。
上記の構成によれば、透磁率を高められる。扁平粒子のアスペクト比Lp/Loの平均値が1.2以上であることで、扁平粒子の長軸が圧粉磁心の縦断面で圧粉磁心の径方向に沿う場合に比較して、圧粉磁心の軸方向に沿った粒界を減少できる。この粒界は、圧粉磁心をコイルと組み合わせてコイルを励磁した際、磁気的ギャップに相当するため、粒界を減少できることで、磁気的ギャップが少なくなり磁気特性を高められる。
(4)上記圧粉磁心の一形態として、軟磁性粒子が純鉄であることが挙げられる。
上記の構成によれば、純鉄は柔らかくて加圧成形すると変形し易いため、圧粉磁心の軸方向に沿った粒界をより一層低減し易い。
(5)上記圧粉磁心の一形態として、上下軸リング片は、同軸リング片に比較して、3500A/m以上8000A/m以下の磁界を印加した時の磁束密度が5%以上高いことが挙げられる。上下軸リング片は、圧粉磁心の上下方向が軸となるように圧粉磁心から切り出してなる。同軸リング片は、圧粉磁心と同軸状の軸となるように圧粉磁心から切り出してなる。
上記の構成によれば、上下軸リング片が同軸リング片に比較して磁束密度が高いため、円柱状の軸方向に加圧成形して得られる圧粉磁心に比較して、磁束密度が高く磁気特性に優れる。上下軸リング片は、円柱状の圧粉磁心からその上下方向が軸となるように切り出しており、リングの軸と交差する方向に扁平粒子の長軸が沿っている。一方、同軸リング片は、円柱状の圧粉磁心からその軸方向が軸となるように切り出しており、リングの軸方向に扁平粒子の長軸が沿っている。そのため、上下軸リング片は、円柱状の上下方向に加圧成形して得られる圧粉磁心と見做せ、同軸リング片は、円柱状の軸方向に加圧成形して得られる圧粉磁心と見做せるからである。
(6)上記圧粉磁心の一形態として、上下軸リング片は、同軸リング片に比較して、励起磁束密度Bm:0.1T〜10T、測定周波数:1kHz〜10kHzにおける鉄損が5%以上低いことが挙げられる。上下軸リング片と同軸リング片は上述したものである。
上記の構成によれば、上下軸リング片が同軸リング片に比較して鉄損が小さいため、円柱状の軸方向に加圧成形して得られる圧粉磁心に比較して、鉄損が少なく磁気特性に優れる。
(7)本発明の一態様に係るコイル部品は、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置される磁心とを備え、磁心の少なくとも一部は、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の本発明の一態様に係る圧粉磁心である。
上記の構成によれば、磁心の少なくとも一部が上記圧粉磁心であることから、磁気特性に優れる。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
《実施形態1》
〔圧粉磁心〕
図1を参照して、実施形態1に係る圧粉磁心100を説明する。圧粉磁心100は、図1上図に示すように、軟磁性粒子を含む軟磁性粉末を加圧成形してなる円柱状である。この圧粉磁心100の主たる特徴とするところは、軟磁性粉末が特定の方向に圧縮された扁平粒子110を含む点と、全体密度が高くかつ密度のばらつきが小さい点とにある。以下、詳細に説明する。図1上図は、圧粉磁心100の全体斜視図を示しているが、説明の便宜上、圧粉磁心100の一部を切り欠いて示している。図1中図は、上図の圧粉磁心100を(B)―(B)線に沿って切断した横断面を示し、図1下図は、圧粉磁心100の縦断面を示す。
(扁平粒子)
扁平粒子110は、圧縮されて圧縮方向と直交する方向に伸展した軟磁性粒子である。扁平粒子110の長軸方向は、図1中図に示すように、圧粉磁心100の横断面では概ね圧粉磁心100の径方向に沿っており、図1下図に示すように、圧粉磁心100の縦断面では概ね圧粉磁心100の軸方向に沿っている。即ち、この円柱状の圧粉磁心100は、圧粉磁心100の径方向に沿って加圧成形されて製造されたものである。縦断面は、図1下図に示すように、圧粉磁心100の中心領域cを含んで圧粉磁心100を上下方向に沿って切断した断面とする。圧粉磁心100の中心領域cとは、圧粉磁心100の中心から圧粉磁心100の直径の20%以内に囲まれる領域を言う。軟磁性粒子の形状の観察には、SEMを用いることができる。
圧粉磁心100の左右方向及び上下方向は、以下の(a)又は(b)とする。(a)圧粉磁心100の両端面を観察し、筋状の摺接痕の長手方向を圧粉磁心100の上下方向、上下方向に直交する方向を圧粉磁心100の左右方向とする。(b)圧粉磁心100の横断面の中心領域cにおける軟磁性粒子の形状を観察し、扁平粒子110の長軸方向を圧粉磁心100の左右方向、左右方向と直交する方向を圧粉磁心100の上下方向とする。後述する図2の金型1Aや図9の金型1Bで圧粉磁心100を製造すると、得られる圧粉磁心100の両端面には、加圧(上下)方向に沿った筋状の摺接痕が形成される。圧粉磁心100の両端面は、軟磁性粉末を加圧した際にこの粉末が上下ダイ11U,11L(左右ダイ13L,13R)の内周面と摺接することがあるからである。また、圧粉磁心100の横断面の中心領域cの軟磁性粒子は、上下パンチ21,22と直交する方向に扁平する。
扁平粒子110のアスペクト比の平均値は、1.2以上であることが好ましい。アスペクト比の平均値は、図1下図に示すように、圧粉磁心100の縦断面において、圧粉磁心100の軸方向に沿った各扁平粒子110の最大長さをLp、軸方向に直交する方向に沿った各扁平粒子110の最大長さLoとし、最大長さLoに対する最大長さLpの比Lp/Loの平均値で表す。扁平粒子110の最大長さLp及び最大長さLoの測定は、圧粉磁心100の縦断面をSEMで観察し、その観察像を画像解析することで行える。測定条件は、視野数:5視野以上、倍率:150倍以上1000倍以下、一視野あたりの測定粒子数:6個以上、合計粒子数:30個以上が挙げられる。扁平粒子110のアスペクト比Lp/Loの平均値が1.2以上であることで、扁平粒子110の長軸が圧粉磁心100の縦断面で圧粉磁心100の径方向に沿う場合に比較して、圧粉磁心100の軸方向に沿った粒界を減少できる。この粒界は、圧粉磁心100をコイルと組み合わせてコイルを励磁した際、磁気的ギャップに相当するため、粒界を減少できることで透磁率を高められる。扁平粒子110のアスペクト比の平均値は、1.3以上が好ましい。
扁平粒子110の割合は、圧粉磁心100の密度にもよるが、凡そ70%以上が挙げられる。扁平粒子110の割合とは、縦断面において、全粒子数に対する上記アスペクト比の平均値を超える粒子数の割合とする。扁平粒子110の割合は、80%以上がより好ましい。この扁平粒子110の割合は、左右の分割片L,Rに比べて中央の分割片Mに多く存在する。詳しくは後述する製造方法(I)で説明するが、この中央の分割片Mの外周面が上下パンチ21,22の加圧面21d、22u(図2)で押圧されて形成される面だからである。中央及び左右の分割片M、L、Rは、圧粉磁心100を左右方向に3等分した各分割片、又は圧粉磁心100をその上下方向で互いに対向する押圧痕120(後述)同士を含む縦断面で圧粉磁心100を分割した各分割片である。
(押圧痕)
圧粉磁心100は、図1上図に示すように、円筒面に軸方向に沿って形成される4つ以上の偶数の押圧痕120を有する。押圧痕120は、圧粉磁心100の製造過程においてダイとパンチとの間やダイ同士の間に形成される段差やバリ、或いはそのバリを除去した痕である。この押圧痕120の数は、例えば、圧粉磁心100を後述する金型1A(図2など)で製造した場合に6つであり、金型1B(図9など)で製造した場合に4つである。金型1Aのクリアランスは、外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uのそれぞれの周方向両縁部との間の4箇所と、上ダイ11Uと下ダイ11Lとの間の2箇所との合計6箇所に存在するからである。一方、金型1Bのクリアランスは、外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uのそれぞれの周方向両縁部との間の4箇所に存在するからである。即ち、金型1Aを用いて製造された圧粉磁心100の場合、図1上図に示すように、その円筒面のうち、上側及び下側にそれぞれ2つの押圧痕120が形成され、左側及び右側にそれぞれ1つの押圧痕120が形成される。円筒面の上側及び下側のそれぞれで隣接する押圧痕120同士の間の面が上下パンチ21,22の加圧面で形成された押圧面であり、左側及び右側の面がダイ10の外形形成面11rで形成された摺接面である。一方、金型1Bを用いて製造された圧粉磁心の場合、その円筒面のうち、上側及び下側にそれぞれ2つの押圧痕が形成され、左側及び右側には押圧痕が形成されない。
圧粉磁心100の左右方向における押圧痕120の形成箇所は、後述する製造方法(加圧面21d、22uの幅)にもよるが、圧粉磁心100の左右方向に3等分する箇所に形成されている場合は勿論、その3等分する箇所から内側や外側にずれて形成されている場合がある。圧粉磁心100の左右方向における左端縁と左側の押圧痕120との間の長さをL、押圧痕120同士の間の長さをL、右側の押圧痕120と圧粉磁心100の左右方向における右端縁との間の長さをLとする。このとき、長さLに対する長さLの比(L/L)や、長さLに対する長さLの比(L/L)は、1以上9以下を満たす。特に、上記比(L/L)や比(L/L)は、2以上6.5以下を満たすことが好ましい。即ち、押圧痕120同士を含む縦断面で分割した各分割片L、M、Rのそれぞれの左右方向に沿った長さの比は、(分割片Mの長さ/分割片Lの長さ)や(分割片Mの長さ/分割片Rの長さ)が1以上9以下を満たし、特に、2以上6.5以下を満たすことが好ましい。
圧粉磁心100の円筒面には、軸方向に沿った筋状の摺接痕は形成されていない。この圧粉磁心100は、具体的には後述するが加圧方向を圧粉磁心の軸方向と直交する方向とする図2の金型1Aや図9の金型1Bを用いて製造できる。これに対し、内周面が圧粉磁心の円筒面の全周を形成する円筒状の外形形成面を有するダイを備え、加圧方向を圧粉磁心の軸方向と平行とする従来の金型で圧粉磁心を製造すれば、圧粉磁心の円筒面にはダイの内周面との摺接により軸方向に沿った筋状の摺接痕が形成される。即ち、加圧方向を圧粉磁心の軸方向と直交する方向として作製された本実施形態の圧粉磁心100か、加圧方向を圧粉磁心の軸方向と平行にして作製した従来の圧粉磁心かの区別は、圧粉磁心の円筒面の摺接痕の有無で行える。
(密度)
圧粉磁心100は、全体密度が高く、かつ密度のばらつきが小さい。高密度とは、軟磁性粒子の材料にもよるが、例えば純鉄の場合、圧粉磁心100の全体密度が7.4g/cm以上を言う。全体密度が高いことで、磁気特性に優れるコイル部品を構築できる。圧粉磁心100の密度は、7.5g/cm以上が好ましく、特に7.6g/cm以上が好ましい。密度のばらつきが小さいとは、圧粉磁心100における中央の分割片Mと左右の分割片L,Rの密度の差が小さいことを言う。具体的には、中央の分割片Mと左右の分割片L,Rの密度の差が、0.2g/cm以下を言う。中央の分割片Mと左右の分割片L,Rの密度の差が小さいことで、磁気特性の局所的なばらつきが生じ難い。また、中央の分割片Mの密度は、左右の分割片L,Rの密度に比べて高い。中央の分割片Mの外周面が上下パンチ21,22で直接押圧される領域だからである。更に、圧粉磁心100は、圧粉磁心100を上下方向に均等に分割して上下の分割片U,Dとするとき、上下の分割片U,Dの密度の差が小さいことが好ましい。この上下の分割片U,Dの密度の差が小さいとは、その差が0.2g/cm以下を言う。
(材質)
軟磁性粒子の材料は、例えば、純鉄(純度99質量%以上)や、Fe−Si−Al系合金、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金などの鉄合金が挙げられる。特に、透磁率及び磁束密度の点からみれば、99質量%以上がFeである純鉄が好ましい。
(粒径)
軟磁性粉末の平均粒径は、例えば、1μm以上500μm以下、更に50μm以上300μm以下が挙げられる。この平均粒径は、円相当径の平均値であり、次のようにして求めたものである。まず、圧粉磁心の任意の断面をSEMにて、倍率を150倍以上1000倍以下として撮影する。得られた観察像から、視野数を5視野以上、観察粒子数30個以上となるように観察視野をとり、各観察視野を画像解析装置にて解析する。そして、各軟磁性粒子の円相当径を算出し、算出結果を平均する。円相当径は、各軟磁性粒子の輪郭で囲まれる面積と同一面積を有する円の直径とする。
(その他)
〈絶縁層〉
圧粉磁心100は、軟磁性粒子同士の間に介在されて軟磁性粒子間の絶縁を確保する絶縁層を備えることが好ましい。絶縁層を備えることで、圧粉磁心の渦電流損を低減でき、圧粉磁心の磁気特性を向上できる。絶縁層は、通常、軟磁性粒子の外周面を覆うように形成される。絶縁層の構成材料は、種々の絶縁材料を用いることができる。例えば、金属元素を含む化合物や非金属元素を含む化合物が挙げられる。前者は、Fe,Al,Ca,Mn,Zn,Mg,V,Cr,Y,Ba,Sr,及び希土類元素(Yを除く)などから選択された1種以上の金属元素と、酸素、窒素、及び炭素から選択された1種以上の化合物(例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物)、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。後者は、燐化合物、珪素化合物などが挙げられる。その他、燐酸金属塩化合物(代表的には、燐酸鉄や燐酸マンガン、燐酸亜鉛、燐酸カルシウムなど)、硼酸金属塩化合物、珪酸金属塩化合物、チタン酸金属塩化合物などの金属塩化合物が挙げられる。その他の絶縁層の構成材料として、例えば、種々の樹脂や、高級脂肪酸塩などが挙げられる。具体的な樹脂は、ポリアミド系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
〈フランジ部〉
圧粉磁心100の端面にフランジ部(図示略)を備えることもできる。フランジ部は、圧粉成形体を軸方向に見た場合、円筒部の断面積よりも断面積が大きい。フランジ部の形状は、例えば、円形や、四角形などの多角形などが挙げられる。
(特性)
圧粉磁心100は、円柱状の軸方向に加圧成形して得られる圧粉磁心に比較して、磁気特性に優れる。例えば、圧粉磁心100から、圧粉磁心100の上下方向を軸とする上下軸リング片と、圧粉磁心100と同軸状の同軸リング片とを切り出す。上下軸リング片は、同軸リング片に比較して、3500A/m以上8000A/m以下の磁界を印加したときの磁束密度が5%以上高い。また、上下軸リング片は、同軸リング片に比較して、励起磁束密度Bm:0.1T〜10T、測定周波数:1kHz〜10kHzにおける鉄損が5%以上低い。上下軸リング片は、円柱状の圧粉磁心からその上下方向が軸となるように切り出しており、リングの軸と交差する方向に扁平粒子の長軸が沿っている。一方、同軸リング片は、円柱状の圧粉磁心からその軸方向が軸となるように切り出しており、リングの軸方向に扁平粒子の長軸が沿っている。そのため、上下軸リング片は、円柱状の上下方向に加圧成形して得られる圧粉磁心と見做せ、同軸リング片は、円柱状の軸方向に加圧成形して得られる圧粉磁心と見做せるからである。
〔圧粉磁心の作用効果〕
実施形態1の圧粉磁心100は、その縦断面において、扁平粒子110の長軸が圧粉磁心100の軸方向に沿っていることで、扁平粒子110の長軸が圧粉磁心100の径方向に沿う場合に比較して、圧粉磁心100の軸方向に沿った粒界が少ない。そのため、圧粉磁心100は、磁気的ギャップが少なく磁気特性に優れる。その上、圧粉磁心100は全体密度が高く、かつその中央と左右とで密度のばらつきが小さいため、磁気特性に優れる上に磁気特性のばらつきを抑制できる。
〔コイル部品〕
実施形態1に係るコイル部品は、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置される磁心とを備え、磁心の少なくとも一部が上述した圧粉磁心である。巻線は、代表的には、導体の表面に絶縁被覆を有する被覆線が挙げられる。導体としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性材料からなる丸線や平角線が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。コイル部品の磁心は、磁心の全部が上記圧粉磁心で構成されていてもよく、その場合、1つの上記圧粉磁心で構成されていてもよいし、複数の上記圧粉磁心を組み合わせて構成してもよい。また、コイル部品の磁心は、磁心の一部のみが上記圧粉磁心で構成されていてもよく、その場合、電磁鋼鈑を積層した積層鋼鈑や、樹脂中に軟磁性粉末が分散された磁粉分散樹脂成形体などの別の材料と組み合わせて構成してもよい。コイル部品の具体例としては、例えば、チョークコイル、リアクトル、トランス、モータ、アンテナ、燃料インジェクタ、イグニッションコイルなどが挙げられる。
〔圧粉磁心の製造方法(I)〕
図1を参照して説明した圧粉磁心100は、例えば、以下の充填工程と成形工程とを備える圧粉磁心の製造方法(I)で製造できる。充填工程は、圧粉磁心の円筒面の一部を形成し、互いに対向する一対の円弧状の外形形成面を有するダイと、圧粉磁心の円筒面の残部を形成し、互いに幅が同じであると共に対向する円弧状の加圧面を有する下パンチ及び上パンチとを備える金型のキャビティ内に原料粉末を充填する。成形工程は、キャビティ内の原料粉末を加圧成形して上記圧粉成形体を作製する。以下、まず、図2を参照して金型1Aを説明し、続けて図3〜図7を参照して、具体的に金型1A用いて圧粉磁心100を製造する工程を説明する。
(金型)
金型1Aは、代表的には、貫通孔が設けられたダイ10と、ダイ10の貫通孔内をスライドされる下パンチ22及び上パンチ21とを備える。この下パンチ22と上パンチ21は、貫通孔内で対向して配置される。この金型1Aでは、ダイ10(後述の内ダイ11)の内周面と下パンチ22の一面(上パンチ21との対向する対向面)とで有底のキャビティ(給粉空間)を形成する。この給粉空間内に後述する原料粉末Pを充填し、原料粉末Pを両パンチ21、22で加圧・圧縮して円柱状の圧粉成形体100(図1)を作製し、ダイ10から圧粉成形体100を抜き出すことで圧粉成形体100が得られる。ここでは、ダイ10は、枠状の外ダイ12と、外ダイ12内を上下方向にスライドすると共に、上パンチ21及び下パンチ22の各々が挿通される内ダイ11とを備える。
〈外ダイ〉
外ダイ12は、圧粉成形体100の両端面を形成する。外ダイ12は、内側に内ダイ11と上下パンチ21,22を挿通可能な貫通孔が設けられ、内ダイ11の外周に接して囲む矩形枠状体で構成されている。外ダイ12はその内側に内ダイ11を収納することで、原料粉末Pの成形時の圧力により内ダイ11が外側に広がる、即ち、上ダイ11Uと下ダイ11Lの対向面同士を突き合わせた境界部分(突き合わせ面)が開くことを防止する。外ダイ12は、図示しない本体装置に固定されていて上下方向に移動しないように構成している。勿論、外ダイ12も移動可能な構成としてもよい。
〈内ダイ〉
内ダイ11は、下パンチ22と共に原料粉末Pのキャビティを構成すると共に、圧粉成形体100(図1)の円筒面の一部を形成する。内ダイ11は、互いに対向する左右一対の円弧状の外形形成面11rを有する。ここでは、内ダイ11は、この外形形成面11rを上下に分割する上ダイ11Uと下ダイ11Lとを備え、合計4つの部材の組み合わせにより構成される。
上下ダイ11U、11Lはそれぞれ、左右一対の角柱状体で構成されている。この角柱状体を離間して配置することで、左右一対の角柱状体の互いの対向面同士の間に貫通孔を形成する。この貫通孔は、上パンチ21及び下パンチ22が挿通される矩形孔と、矩形孔に連続して他のパンチ側に向かって開口部が広がる半円孔とで構成される。上ダイ11U及び下ダイ11Lの矩形孔の内周面は、上パンチ21及び下パンチ22の側面との平行面11Uf、11Lfで構成される。一方、上ダイ11Uの半円孔の内周面は、円弧状の外形形成面11rの一部を構成する上ダイ側形成面11Urで構成される。他方、下ダイ11Lの半円孔の内周面は、円弧状の外形形成面11rの残部を構成する下ダイ側形成面11Lrで構成される。
上ダイ側形成面11Urと下ダイ側形成面11Lrの曲げ半径は、周方向全長に亘って同一で、かつ互いに同じである。上ダイ11U及び下ダイ11Lの矩形孔の大きさは、上・下パンチ21,22の大きさに合せればよい。本実施形態では、後述するように、上・下パンチ21、22の横断面の大きさは同じであるため、上ダイ11U及び下ダイ11Lの矩形孔の大きさも同じである。上ダイ11U及び下ダイ11Lの半円孔の大きさは、所望の圧粉成形体100の大きさに合わせればよい。
上ダイ11U及び下ダイ11Lは、図示しない移動機構によりそれぞれ上下に移動可能に構成され、後述する製造過程でキャビティ内に原料粉末Pを充填する際には外形形成面11rを上下に分割するように上下にスライドし、充填後には、上ダイ11Uと下ダイ11Lの互いの対向面同士を突き合わせて上下に分割した外形形成面11rを形成するようにスライドする。
外形形成面11rは、軸方向に連続して形成されている。外形形成面11rの軸方向に沿った長さは、例えば、20mm以上とすることが好ましい。圧粉成形体100の径方向に加圧成形するため、軸方向の長さを20mm以上としても、圧粉成形体100の軸方向に加圧成形する場合のように、軸方向の長さが長くなるほど脱型し難くなったり加圧方向の密度のばらつきが生じたりすることを抑制できる。軸方向の長さが長くなっても圧粉成形体100の抜き出し距離は変わらないからである。そのため、圧粉成形体100を脱型し易い上に、密度が均一で高密度な圧粉成形体100を製造できる。外形形成面11rの上記長さは、30mm以上、更には50mm以上、特に80mm以上であれば、密度が均一で高密度な圧粉成形体100を製造する上で好適である。
(各パンチ)
上・下パンチ21、22は、原料粉末Pを加圧して圧粉成形体100の円筒面の残部を形成する。上下パンチ21,22は、上下ダイ11U,11Lの貫通孔に挿通される角柱状体である。上・下パンチ21,22の互いに上下対向する加圧面21d、22uの形状は、円弧状である。加圧面21d、22uの曲げ半径は、周方向全長に亘って同一で、かつ互いに同じであると共に、外形形成面11r(上・下ダイ側形成面11Ur、11Lr)の曲げ半径と同じである。加圧面21d、22uの曲げ半径を、外形形成面11rの曲げ半径と同じとすることで、略正円柱の圧粉成形体100を製造できる。加圧面21d、22uの幅は、互いに同じ長さである。加圧面21d、22uの幅とは、左右方向に沿った長さ、即ち加圧面21d、22uの周方向一縁部から他縁部までの直線距離を言う。加圧面21d、22uの幅が同じで、加圧面21d、22uが圧粉成形体100の円筒面の一部を形成することで、加圧面21d、22uが圧粉成形体100の円筒面の全面を成形する場合や加圧面21d、22uの幅を異ならせる場合に比較して、上下パンチ21,22で原料粉末Pに付加される圧力分布を均等にし易く原料粉末Pに十分に圧力を付加し易い。そのため、密度が均一でかつ高密度な圧粉成形体100を作製し易い。密度のばらつき及び高密度の定義は後述する。上パンチ21及び下パンチ22は、図示しない移動機構によりそれぞれ上下方向に移動可能な構成としている。
内ダイ11(上・下ダイ11U、11L)、外ダイ12、及び上・下パンチ21、22の構成材料には、従来、金属材料の圧粉成形体の成形に利用されている適宜な高強度材料、例えば、超硬合金や高速度鋼などが利用できる。金型1の内周面には、硬質・低摩擦係数の膜をコーティングすることが好ましい。そうすれば、圧粉成形体の脱型性を高められる。硬質・低摩擦係数の膜の材質としては、例えば、TiC,TiN,TiCN,CrN,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられる。
[製造工程]
上述の金型1Aを用いて、圧粉成形体100を製造する。具体的には、準備工程→充填工程→位置合わせ工程→成形工程→抜出工程、の順に各工程を経て製造する。
(準備工程)
圧粉成形体100の原料粉末Pを準備する。原料粉末Pは、軟磁性粒子を複数有する軟磁性粉末を含む。軟磁性粒子の材料は、上述したように純鉄や鉄合金が挙げられる。軟磁性粉末の平均粒径は、例えば、1μm以上500μm以下、更に50μm以上300μm以下が挙げられる。軟磁性粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した体積粒度分布における累積体積が50%となる粒径(D50)のことである。軟磁性粒子は、その表面に形成される絶縁被膜を備えていてもよい。この絶縁被膜が上述の絶縁性樹脂などからなる絶縁層を形成する。絶縁被膜の厚さは、例えば、10nm以上1μm以下が挙げられる。原料粉末Pは、加圧成形した圧粉成形体を保形する成形用樹脂を有していてもよい。成形用樹脂の種類は、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、及びパラフィンや脂肪酸アミド、脂肪酸エステルなどのワックス類などが挙げられる。成形用樹脂の含有量は、軟磁性粉末に対して、例えば0.005質量%以上3.0質量%以下が挙げられる。成形用樹脂の含有量は、0.01質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
(充填工程)
充填工程は、原料粉末Pを下パンチ22とダイ10とで作られる給粉空間に充填する。まず、下パンチ22の加圧面22uと、下ダイ11Lの内周面とで所定の給粉空間を形成する。このとき、上パンチ21及び上ダイ11Uは、ダイ10の上方の所定の待機位置に移動する。そして、原料粉末Pを、図3の左図に示すように、給粉空間内に給粉装置(図示略)により充填する。
(位置合わせ工程)
位置合わせ工程は、原料粉末Pを加圧成形するに当たり、内ダイ11や上下パンチ21,22を所定の位置に位置合わせする。まず、図3の左から2番目の図に示すように、上ダイ11Uの下面(下ダイ11Lとの突き合せ面)と下ダイ11Lの上面(上ダイ11Uとの突き合せ面)とが突き合わさるように、上ダイ11Uを下方に移動させる。
続いて、図3の左から3番目の図に示すように、上ダイ11Uと下ダイ11Lとの突き合わせ面が外ダイ12で囲まれるように、上ダイ11Uと下ダイ11Lとを突き合せた状態のまま、上ダイ11Uと下ダイ11Lとを下方に移動させる。その際、下ダイ11Lの下方への移動に合わせて下パンチ22も下方に移動させる。この時点で、上ダイ11Uと下ダイ11Lの突き合せ面は、外ダイ12の軸方向の略中間に位置する。
次に、図3の左から4番目の図に示すように、両パンチ21,22の加圧面21d、22uに原料粉末Pが接触した状態で、下パンチ22の加圧面22uから下ダイ12Lの突き合せ面までの長さと、上パンチ21の加圧面21dから上ダイ12Uの突き合わせ面までの長さとが同じ長さとなるように下パンチ22と上パンチ21の移動量を調整する。そうすれば、成形工程で原料粉末Pを一方のパンチで加圧する片押し加圧となることなく、両パンチ21、22で均一に圧縮できる。ここでは、原料粉末Pが上パンチ21の加圧面21dに接触し、上ダイ11Uの半円孔及び矩形孔が原料粉末Pで充填されるまで、下パンチ22を上方へ移動させる。
上述した上ダイ11Uと下ダイ11Lとを突き合せた後に行う上下ダイ11U、11L、及び上下パンチ21,22の動作は、上述のように順に行ってもよいが、同時に行うこともできる。即ち、上ダイ11Uと下ダイ11Lとを突き合せた状態のまま下パンチ22と共に上ダイ11U及び下ダイ11Lを下方へ移動する動作と、下パンチ22の加圧面22uから下ダイ11Lの突き合せ面までの長さと、上パンチ21の加圧面21dから上ダイ11Uの突き合わせ面までの長さとが同じ長さとなるように下パンチ22と上パンチ21の移動量を調整する動作とは、同時に行える。
(成形工程)
成形工程は、給粉空間内の原料粉末Pを加圧・圧縮して圧粉成形体100を作製する。図3の左から5番目の図に示すように、上パンチ21を下方に移動し、下パンチ22を上方へ移動させて、原料粉末Pを両パンチ21,22で加圧・圧縮する。上述したように、加圧前に、原料粉末Pにおける下パンチ22の加圧面から下ダイ11Lの上記突き合せ面までの長さと、上パンチ21の加圧面から上ダイ12Uの上記突き合せ面までの長さとが均一になるように下パンチ22及び上パンチ22の位置を調整することで、原料粉末Pを上下から均等に圧縮できる。
加圧成形は、原料粉末Pに付加される圧力分布が各パンチ21、22の加圧面21d、22uの周方向でのばらつきが小さくなるように行うことが好ましい。原料粉末Pに付加される圧力分布のばらつきを小さくすることで、密度が均一でかつ高密度な圧粉成形体100を作製し易い。例えば、各パンチ21,22による原料粉末Pの最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率が70%以上となるように行うことが好ましい。最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率は、「{最小圧縮比(LEe/LEs)/最大圧縮比(LCe/LCs)}×100」で表す。図4を参照して、最大圧縮比(LCe/LCs)及び最小圧縮比(LEe/LEs)を説明する。なお、図4では、加圧開始時(図3の左から4番目の図に相当)の両パンチ21,22の位置を示しており、説明の便宜上、原料粉末Pは省略している。ここでは、下パンチ22を例に説明するが、上パンチ21についても同様である。
最大圧縮比(LCe/LCs)とは、図4に示すように、外形形成面11rの周方向に沿った仮想円30を上下に均等に二分割する仮想半円31をとり、加圧開始時及び加圧終了時における加圧面22uの周方向中央から仮想半円31の弦(下ダイ11Lの上面(突き合せ面))までの長さをLCs及びLCeとした際の両長さの比を言う。最小圧縮比(LEe/LEs)とは、同図に示すように、加圧開始時及び加圧終了時における加圧面22uの周方向縁部から仮想半円31の弦までの長さをLEs及びLEeとした際の両長さの比を言う。いずれの長さも、加圧方向に沿った長さである。最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率を70%以上とすることで、パンチ21,22の加圧面21d、22uの周方向に沿った圧力分布のばらつきが小さく、原料粉末Pを均等に圧縮し易い。そのため、密度が均一でかつ高密度な圧粉成形体100を作製し易い。上記比率は、例えば、各パンチ21、22の加圧面21d、22uから上下ダイ11U,11Lの仮想半円31の弦までの長さを調整することで適宜選択できる。上記比率は、75%以上が好ましく、更には80%以上、特に90%以上が好ましい。
加圧成形は、圧粉成形体100の円筒面の凹凸が極力小さくなるように行うことが好ましい。円筒面の凸部が小さければ、コイルを円筒面と同軸状に圧粉成形体と組み合わせた際に、コイルと凸部以外の円筒面との隙間を小さくし易い。円筒面の凹部が小さければ、圧粉成形体100の横断面積を仮想円の断面積に近づけることができ、磁路断面積を確保し易い。
例えば、圧粉成形体100の横断面の輪郭が仮想円30から突出する場合、圧粉成形体100の横断面積が仮想円30の面積に対して100.5%以下となるように行うことが好ましい。或いは、圧粉成形体100の横断面が仮想円30内である場合、圧粉成形体の横断面積が仮想円30の面積に対して99.5%以上となるように行うことが好ましい。図5、6を参照して、圧粉成形体100の横断面が仮想円30から突出する場合や、圧粉成形体100の横断面が仮想円30内である場合について説明する。なお、図5や図6では、説明の便宜上、原料粉末P(圧粉成形体100)は省略すると共に、加圧終了時(図3の左から5番目の図に相当)の両パンチ21,22の位置を誇張して示している。ここでは、下パンチ22を例に説明するが、上パンチ21についても同様である。
圧粉成形体100の横断面が仮想円30から突出する場合は、図5に示すように、加圧終了時における加圧面22uが仮想円30の外側に位置し、圧粉成形体100の横断面が仮想円30内である場合は、図6に示すように、加圧終了時における加圧面22uが仮想円30の内側に位置する。即ち、この加圧面22uの位置を調整することで、圧粉成形体100の横断面積の大きさを適宜選択できる。具体的には、図5や図6に示すように、外形形成面11rの周方向縁部と、加圧面21d、22uの周方向縁部との加圧方向に沿った段差fが、仮想円30の直径φに対して0.5%以下の長さとなるように行うことが好ましい。そうすれば、外周面に凹凸の少ない圧粉成形体100を作製でき、コイルに組み合わせた際、コイルとの間の隙間を少なくできて磁路断面積を確保し易い。上記段差fは、上記直径φに対して0.3%以下が更に好ましく、0%が特に好ましい。そうすれば、圧粉成形体100の横断面積を仮想円30の面積に対して100%に近づけられる。この段差fは、各パンチ21,22の加圧力にもよるが、原料粉末Pの充填量を調整することで適宜選択できる。
加圧成形は、後工程を簡略化できるように行うことが好ましい。例えば、外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uの周方向縁部との間で形成されるバリ40(図7)が、仮想円30の外側に突出しないように行うことが好ましい。そうすれば、そのバリ40を除去するバリ取り工程(後述)が不要であり、バリ取り加工を少なくできる。図7を参照してバリ40について説明する。なお、図7上図には、説明の便宜上、成形後の圧粉成形体100の横断面図を誇張して示しており、同下図には同上図の圧粉成形体100における下パンチ22の加圧面22uと外形形成面11r(下ダイ側形成面11Lr(図2))との間で形成された箇所を拡大し、その間で形成されるバリ40を誇張して示している。
金型1Aは、上述したように給粉空間を形成する内ダイ11が上ダイ11Uと下ダイ11Lとに分割されているため、金型1A内のクリアランスは、外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uのそれぞれの周方向両縁部との間の4箇所と、上ダイ11Uと下ダイ11Lとの間の2箇所との合計6箇所に存在する。この金型1Aを用いて作製される圧粉成形体100は、これら6箇所に対応するバリが形成される。但し、この6箇所に対応するバリのうち、外形形成面11rと加圧面21d、22uのそれぞれの周方向両縁部との間の4箇所に対応するバリ40が、仮想円30の外側に突出しないように加圧成形することが好ましい。
図7下図に示すバリ40は、例えば図7に示す下ダイ側形成面11Lr(紙面左側)と加圧面22uの一方の周方向縁部(紙面左側)との間で加圧方向に沿って伸びるように形成される。図7下図に示すように、このバリ40が、仮想円30内に位置していれば、この圧粉成形体100をコイルと組み合わせても、バリ40がコイルと接触することがなく、コイルを傷つけたりすることがない。そのため、バリ40を除去するためのバリ取り加工を施す必要がない、或いは、バリ取り加工を施すとしても非常に簡略化できるので、バリ取り加工を少なくできる。図7下図に示すようにバリ40が仮想円30の外側に突出しないようにするには、加圧面22uの位置を上述のように仮想円30内に位置すると共に、上記段差fが仮想円の直径φに対して0.5%以下の長さとなるようにすることが挙げられる。なお、上ダイ11Uと下ダイ11Lとの間の2箇所のバリ(図示略)は、仮想円30の外側に形成されるため、後述するバリ取り工程により除去するとよい。
上述したように、成形工程では、圧粉成形体100の横断面積を特定の大きさとなるように行うことや、段差f(図5、6)を特定の長さとなるように行うこと、バリ40が仮想円30の外側に突出しないように行う(図7)ことなど種々の好ましい条件がある。これらの条件の調整は、作製した圧粉成形体100を適宜観察してその観察結果をパンチ21,22の加圧面21d、22uの位置などの設定にフィードバックすることで行える。
成形圧力は、適宜選択することができ、400MPa以上1400MPa以下が挙げられる。400MPa以上とすることで、原料粉末Pを十分に圧縮でき、圧粉成形体100の密度を高められる。1400MPa以下とすることで、原料粉末Pの軟磁性粉末が絶縁被膜を備える場合でも、被膜の損傷を抑制できたり、金型1Aの寿命を大きく損ねることなく成形することが可能となったりする。この成形圧力は、600MPa以上1200MPa以下とすることが特に好ましい。
(抜出工程)
抜き出し工程は、加圧成形後、圧粉成形体100を金型1A内から抜き出す。所定の加圧を行った後、外ダイ12に対して、内ダイ11(上ダイ11U及び下ダイ11L)及び上下パンチ21,22を相対的に移動させる。ここでは、図3の左から6番目の図に示すように、外ダイ12を移動せず、内ダイ11と上下パンチ21,22とで圧粉成形体100を保持した状態のまま内ダイ11、及び上下パンチ21,22を上方に移動させる。なお、上ダイ11U及び上パンチ21を下ダイ11L及び下パンチ22より先に上方へ移動させてもよい。これらの移動は、圧粉成形体100を金型1Aから抜き出し易くするように、下ダイ11Lの上記突き合せ面が外ダイ12の上面と面一、或いは上面よりも上方に位置するまで行う。続いて、図3の右端の図に示すように、上ダイ11Uと、上パンチ21及び下パンチ22とを更に上方へ移動させて、圧粉成形体100の少なくとも一部を内ダイ11から露出させる。その後、上パンチ21を更に上方へ移動させれば、例えば、ロボットハンドやマニュピレータなどにより、圧粉成形体100を取り出すことができる。
これら各工程を繰り返し行うことができる。即ち、成形体100を金型1Aから取り出したら、次の圧粉成形体を成形するにあたり、上述したように給粉空間の形成→給粉空間への原料粉末の充填→ダイ及びパンチの位置合わせ→原料粉末の加圧→成形体の抜出を繰り返し行う。それにより、圧粉成形体100を効率的に量産できる。
[その他]
(バリ取り工程)
圧粉磁心の製造方法(I)は、更に、圧粉成形体100の表面に生じたバリを除去するバリ取り工程を備えることができる。上述したように、実施形態1に係る圧粉磁心では、バリは、内ダイ11と各パンチ21,22との間の4箇所と、上ダイ11Uと下ダイ111Lとの間の2箇所との計6箇所に形成される。この6箇所全てのバリを除去してもよいが、上述のようにバリ40が仮想円30の外側に突出しないように形成した場合(図7)には、上ダイ11Uと下ダイ11Lとの突き合せ面同士の間に形成される2箇所のバリ(図示略)を除去すればよい。少なくともこの2箇所のバリを除去することで、この圧粉成形体100を圧粉磁心としてコイル部品に使用した際に、バリによってコイルの巻線の絶縁被覆を傷付けたり、バリが欠落することによってコイル部品が動作不良を起こしたりすることを防止できる。バリの除去は、ブラシ、砥石、刃具、バフ、レーザなどを用いて行うことができる。
(熱処理工程)
圧粉磁心の製造方法(I)は、更に、圧粉成形体100に熱処理を施す熱処理工程を備えてもよい。この熱処理は、加圧成形によって圧粉成形体100中の軟磁性粒子に導入された歪みを除去する。軟磁性粒子に導入された歪みを除去すれば、圧粉磁心のヒステリシス損を低減でき、圧粉磁心の磁気特性を向上できる。熱処理温度は、例えば300℃以上700℃以下が挙げられる。熱処理温度を300℃以上とすれば、軟磁性粒子に導入された歪みを効果的に除去でき、700℃以下とすれば、軟磁性粒子の表面に形成された絶縁被膜の損傷を抑制できる。好ましい熱処理温度は400℃以上670℃以下、より好ましくは500℃以上650℃以下である。熱処理雰囲気は、大気中でもよいが、窒素ガス雰囲気やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気とすると、軟磁性粒子の酸化を抑制できる。熱処理工程は、成形工程後、バリ取り工程前に実施してもよいし、バリ取り工程後に実施してもよい。
〔圧粉磁心の製造方法(I)の作用効果〕
圧粉磁心の製造方法(I)によれば、以下の効果を奏する。
(1)ダイ10を上下方向に分割する上下ダイ11U、11Lを備えることで、成形後に圧粉成形体100を脱型する際、上下ダイ11U,11Lを上下に分離することができる。そのため、圧粉成形体100の脱型時に内ダイ11の内周面との摩擦力を低減できて、圧粉成形体100を金型1Aから抜き出す際の抵抗を低減できるので、脱型し易く生産性よく圧粉成形体100を製造できる。
(2)原料粉末Pを圧粉成形体100の径方向に加圧成形できるため、軟磁性粒子を圧縮して軟磁性粒子の長軸を軸方向に沿わせることができる。そのため、軸方向に沿った粒界を低減して磁気的ギャップを低減できるので、磁気特性の高い圧粉成形体100を製造できる。
(3)原料粉末Pを圧粉成形体100の径方向に加圧成形できるため、圧粉成形体100の軸方向に加圧成形する場合に比較して、加圧方向で原料粉末Pに付加される圧力分布にばらつきが生じ難い。特に、上下パンチ21,22の幅が同じで、かつ加圧面21d、22uが圧粉成形体100の円筒面の一部を形成することで、上下パンチ21,22の幅が異なる場合や加圧面21d,22uが圧粉成形体100の円筒面の全部を形成する場合に比較して、幅方向で原料粉末に付加される圧力分布にばらつきが生じ難い。その上、原料粉末全体に十分に圧力を付加し易い。従って、密度が均一でかつ高密度な圧粉成形体100を製造でき、磁気特性に優れるコイル部品を構築できる圧粉磁心100を製造できる。特に、長尺形状を軸方向に加圧成形すると軸方向中央付近がニュートラルゾーンとなり密度の低下を招きやすいが、本形態のように径方向に加圧成形すればニュートラルゾーンが生じ難いため密度を高め易い。
〔圧粉磁心の製造方法(II)〕
上述の圧粉磁心100は、図8に示すように、加圧面22uの周方向の中央部分における曲げ半径と、その周方向の両側(両縁部側)における曲げ半径とを異ならせた金型1Aを用いる製造方法(II)により製造できる。具体的には、加圧面21d、22uの上記中央部分の曲げ半径を、上記両縁部側に比べて小さくする。加圧面21d、22uの上記両縁部側の曲げ半径は、加圧面21d、22uの上記中央部分が仮想円に接するように上下パンチ21,22を位置させた際に、内ダイ11の外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uの周方向縁部との段差fが仮想円の直径φに対して0.5%以下となる程度とする。そうすれば、加圧面21d、22uの曲げ半径がその周方向に亘って同一である場合と段差fを同じ長さとすると、圧粉成形体100の横断面積を広くすることができる。その他、加圧面21d、22uの曲げ半径を外形形成面11rの曲げ半径と異ならせたり、上パンチ21の加圧面21dと下パンチ22の加圧面22uとで、曲げ半径を異ならせたりすることができる。
〔実施形態2〕
[圧粉磁心]
実施形態2に係る圧粉磁心は、実施形態1の圧粉磁心と同様、円柱状である。実施形態2に係る圧粉磁心は、円筒面に形成された押圧痕の数が上下の4つで、左右には押圧痕がない点が実施形態1の圧粉磁心と相違し、それ以外の構成は実施形態1の圧粉磁心と同様である。即ち、実施形態2に係る圧粉磁心は、実施形態1の圧粉磁心と同様、軟磁性粉末が特定の方向に圧縮された扁平粒子を含み、全体密度が高く、かつ密度のばらつきが小さい。
[圧粉磁心の製造方法]
この圧粉磁心は、図9、10に示すように、分割ダイの分割形態が製造方法(I)
で説明したダイ10(図2など参照)と異なるダイ10を備える金型1Bを用いることで製造することができる。この圧粉磁心の製造方法は、ダイ10の分割形態と、製造工程においてダイ10の分割形態に関わる点を除き、上記製造方法(I)と同様である。そのため、以下の説明では、上記製造方法(I)と相違する点を説明する。図9、10では、ダイ10、上パンチ21、及び下パンチ22を圧粉成形体100の軸方向と直交する断面で示す。
(ダイ)
ダイ10は、圧粉成形体100の円筒面の一部を形成し、互いに対向する左右一対の円弧状の外形形成面11rを有する。ダイ10は、外形形成面11rの互いの対向方向に近接離反する左ダイ13L及び右ダイ13Rを有する。この左ダイ13L及び右ダイ13Rは、上下には移動しないものの、図示しない移動機構によりそれぞれ左右に移動可能に構成され、詳しくは後述するが、原料粉末Pの充填時には近接し、圧粉成形体100の脱型時には左右ダイ13L,13Rが離反する。
左右ダイ13L,13Rはそれぞれ、断面が[字状の柱状体で構成されている。これら左ダイ13Lと右ダイ13Rとを組み合わせることで、両ダイ13L、13Rの間に、上下パンチ21、22を挿通させる貫通孔を形成する。貫通孔は、上パンチ21及び下パンチ22がそれぞれ挿通される一対の矩形孔と、一対の矩形孔の間に矩形孔に連続して設けられ、中央の寸法が大きくて両矩形孔側に向かって寸法が小さくなるトラック形孔とで構成される。一対の矩形孔の内周面は、上パンチ21及び下パンチ22の側面との平行面13fで構成される。トラック形孔の内周面は、円弧状の外形形成面11rで構成される。ダイ10と上下パンチ21,22とのクリアランスは、図9に示すように、外形形成面11rの周方向縁部と加圧面21d、22uのそれぞれの周方向両縁部との間の4箇所である。
[製造工程]
上述の金型1Bを用いて圧粉成形体100を製造するには、「実施形態1」で述べた製造工程と同様の準備工程、充填工程、及び成形工程の各工程をその順に経た後、「実施形態1」で述べた製造工程と異なる抜出工程を経ることが挙げられる。具体的には、成形工程後、図10の左から4番目の図に示すように、圧粉成形体100を上下パンチ21,22で保持した状態のまま、左右ダイ13L,13Rを左右に開く。続いて、図10右図に示すように、圧粉成形体100を上下パンチ21,22で保持した状態のまま、圧粉成形体100が左右ダイ10L、10Rから露出するまで上下パンチ21,22を上方へ移動させる。そして、「実施形態1」で述べた製造工程と同様、上パンチ21を更に上方へ移動させれば、例えば、ロボットハンドやマニュピレータなどにより、圧粉成形体100を取り出すことができる。
[圧粉磁心の製造方法の作用効果]
この圧粉磁心の製造方法によれば、ダイ10が外形形成面11rの互いの対向方向に分割する左右ダイ13L,13Rを備えることで、加圧成形時に、「実施形態1」で述べたような上下ダイ11U,11L同士の間で形成される左右のバリが生じない。そのため、「実施形態1」で述べた製造工程に比較して成形後の後工程を一層簡略化できる。
〔変形例1〕
変形例1として、フランジ部を備える圧粉磁心は、例えば、金型1Aの内ダイ11と外ダイ12の軸方向端部同士の間にフランジ部の輪郭形状に対応した空間を設け、その空間の内周面に沿った形状でその空間と略同サイズのパンチを挿通させて加圧成形することで行える。
〔試験例1〕
軟磁性粉末を含む原料粉末を加圧成形して、図11に示すブロック状の試験片作製用成形体90を作製し、その試験片作製用成形体90からリング状試験片91,92を削り出して、リング状試験片91,92の磁気特性を評価した。
まず、原料粉末として、リン酸鉄の絶縁被覆を有する市販の純鉄粉に、潤滑剤としてステアリン酸アミドを原料粉末全体に対する含有量が0.3質量%となるように混合した混合粉末を用意した。純鉄粉の平均粒径は、約200μm(D10:130μm)、絶縁被膜の平均厚さは、約20nmである。
次に、原料粉末を金型に充填し、加圧成形して図11上図に示すブロック状の試験片作製用成形体90を作製した。図11上図の白抜き矢印は加圧方向を示す。加圧成形は、平面の外形形成面を有するダイと、平面の加圧面を有する上下パンチとを備える金型を用い、成形温度を30℃とし、成形圧を980MPaとして行った。続いて、試験片作製用成形体90に熱処理を施した。この熱処理は、熱処理温度を500℃とし、熱処理雰囲気を大気雰囲気として行った。試験片作製用成形体90の密度をアルキメデス法で測定したところ、7.51g/cmであった。
その後、試験片作製用成形体90に切削加工を施して、図11下図に示すリング状の試験片91,92を作製した。リング状の試験片91は、図11上図の紙面右側の破線で示すように、軸が加圧方向に平行となるように試験片作製用成形体90を切削して作製した。リング状試験片92は、図11上図の紙面左側の破線で示すように、軸が加圧方向に直交するように試験片作製用成形体90を切削して作製した。リング状試験片91,92のサイズは、外径:34mm、内径:20mm、厚さ:5mmとした。リング状試験片91、92の密度をアルキメデス法で測定したところ、それぞれ、7.54g/cm、7.53g/cmであった。このリング状試験片91を試料No.1、リング状試験片92を試料No.2とする。
[磁気特性評価]
リング状の試験片91,92に、一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施し、B−H初磁化曲線をH=0(Oe)〜250(Oe)の範囲で測定し、最大透磁率μm、微分最大透磁率μmaxを求めた。また、リング状の試験片91,92の保磁力Hc(A/m)、残留磁束密度Br(T)、磁束密度B50(T)、磁束密度B100(T)、磁束密度B250(T)を測定した。磁束密度B50、B100,B250はそれぞれ、3988.5A/m(50Oe)、7977A/m(100Oe)、19894A/m(250Oe)の磁界を印加したときの値である。測定には、DC−BHカーブトレーサ(メトロン技研株式会社製)を用いた。これらの結果を表1に示す。
また、同じBHカーブトレーサを用いて、励起磁束密度Bm:0.1T〜10T、測定周波数:1kHz〜10kHzにおけるヒステリシス損及び渦電流損を求め、鉄損を算出した。ここでは、鉄損W1/5k(W/kg)と、鉄損W1/10k(W/kg)と、鉄損W10/1k(W/kg)と、鉄損W10/3k(W/kg)を算出した。これら鉄損はそれぞれ、励起磁束密度Bm:1kG(=0.1T)、測定周波数:5kHzにおける値、励起磁束密度Bm:1kG(=0.1T)、測定周波数:10kHzにおける値、励起磁束密度Bm:10kG(=1T)、測定周波数:1kHzにおける値、励起磁束密度Bm:10kG(=1T)、測定周波数:3kHzにおける値である。これら鉄損の算出結果を表2に示す。
Figure 0006346521
Figure 0006346521
表1、2に示すように、軸が加圧方向に平行となるようにリング状試験片91の試料No.1は、軸が加圧方向に直交するように削り出したリング状試験片92の試料No.2に比較して、最大透磁率μm、微分最大透磁率μmax、保磁力Hc(A/m)、残留磁束密度Br(T)、磁束密度B50(T)、磁束密度B100(T)、磁束密度B250(T)の全ての点で優れていることが分かった。また、試料No.1は、試料No.2に比較して励起磁束密度Bm:0.1T〜10T、測定周波数:1kHz〜10kHzにおける鉄損が少ないことが分かる。
軸が加圧方向に平行となるよう削り出したリング状試験片91の試料No.1は、粒子が加圧方向に圧縮されており、この試験片をコイルと組み合わせてコイルを励磁した際、粒子の長軸が磁路と平行な方向に沿う。一方、軸が加圧方向に直交するように削り出したリング状試験片92の試料No.2は、粒子の長軸が、磁路と略直交する方向に沿う。即ち、試料No.1は、試料No.2に比較して磁路中の粒界が少ない。そのため、試料No.1は、試料No.2に比較して磁気的ギャップが少ないため、上述の磁気特性に優れる結果となり、損失が少なくなったと考えられる。
以上の点から、上述の圧粉磁心の製造方法(I)などで説明したように、円柱状の圧粉磁心を径方向に加圧成形して製造することで、磁気特性に優れ、損失の少ない圧粉磁心を製造できると考えられる。円柱状の圧粉磁心を径方向に加圧成形することで、軟磁性粒子の長軸を圧粉磁心の軸方向に沿わせることができ、その長軸が圧粉磁心をコイルと組み合わせた際に磁路と平行になって磁気的ギャップを低減できるからである。
〔試験例2〕
円弧状の加圧面を有するパンチで原料粉末を加圧成形した際、加圧面の周方向の中央部と端部との圧縮比の比率を算出するシミュレーションを行った。そのシミュレーションを図12を参照して説明する。図12では、ダイの外形形成面の周方向に沿った仮想円30上に加圧面22uが重なった状態を示している。説明の便宜上、ダイやパンチは省略している。
仮想円30の半径、即ち、加圧面22uの周方向中央部から仮想半円31の弦までの長さを最大深さaとし、加圧面22uの周方向縁部から仮想半円31の弦までの長さを最小深さbとする。ここでは、仮想円30は、半径が5.0mmの真円としている。つまり、最大深さaが5.0mmであり、加圧面22uの周方向中央部と周方向縁部との差を1.5mmとするとき、最小深さbが3.5mmである。
例えば、原料粉末の圧縮前の密度が3.2で、圧縮後の密度が7.6となるように圧縮するには、圧縮比は7.6/3.2=2.375である。ここで、加圧面22uの周方向中央部の圧縮比を2.375とするとき、加圧前の加圧面22uの周方向中央部と仮想円30との間の距離を最大深さ5.0mmの2.375倍(5.0×2.375=11.875mm)とする必要がある。このとき、最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率は、図4を参照して説明した「{最小圧縮比(LEe/LEs)/最大圧縮比(LCe/LCs)}×100」に基づくと、[{3.5/(3.5+11.875)}/{5.0/(5.0+11.875)}]×100≒80%である。
このように、最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率を約80%となるように加圧面22uの幅wを適宜選択することで、原料粉末の圧縮前の密度が3.2から圧縮後の密度が7.6の圧粉成形体を作製できる。従って、この最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率が70%以上であれば、高密度の圧粉成形体が得られると考えられる。これに対して、最大圧縮比に対する最小圧縮比の比率を70%未満とすると、圧粉成形体の密度を高められず、上記比率を70%以上とする場合に比較して圧粉成形体の中心が低密度になると考えられる。
〔試験例3〕
図2に示す金型1Aを用いて、原料粉末を加圧成形して円柱状の圧粉成形体を作製した。原料粉末は、上述の試験例1と同様の粉末を用いた。この圧粉成形体の密度をアルキメデス法で測定したところ、7.60g/cmであった。また、この圧粉成形体を左右方向に3等分して中央の分割片と左右の分割片の密度をアルキメデス法で測定した。中央の分割片の密度は7.66g/cmであり、左の分割片の密度は7.55g/cmであり、右の分割片の密度は7.53g/cmであった。即ち、中央の分割片と左右の分割片との密度の差が0.2g/cm以下であった。この結果から、図2に示すように、上下パンチの幅が同じで、かつ加圧面が圧粉成形体の円筒面の一部を形成することで、密度が均一でかつ高密度な圧粉成形体を製造できることが分かる。これは、幅方向で原料粉末に付加される圧力分布にばらつきが生じ難い上に、原料粉末全体に十分に圧力を付加し易いからだと考えられる。この圧粉成形体は、密度が均一でかつ高密度なことから、磁気特性に優れるコイル部品を構築できる。
本発明の圧粉磁心は、各種のコイル部品(例えば、リアクトル、トランス、モータ、チョークコイル、アンテナ、燃料インジェクタ、イグニッションコイル(点火コイル)など)の磁心やその素材に好適に利用できる。本発明のコイル部品は、例えば、チョークコイル、リアクトル、トランス、モータ、アンテナ、燃料インジェクタ、イグニッションコイルなどに利用することができる。
1A、1B 金型
10 ダイ
11 内ダイ 11r 外形形成面
11U 上ダイ 11Uf 平行面 11Ur 上ダイ側形成面
11L 下ダイ 11Lf 平行面 11Lr 下ダイ側形成面
12 外ダイ
13L 左ダイ 13R 右ダイ 13f 平行面
21 上パンチ 21d 加圧面
22 下パンチ 22u 加圧面
30 仮想円 31 仮想半円
40 バリ
90 試験片作製用成形体
91、92 リング状試験片
100 圧粉成形体(圧粉磁心)
c 中心領域
M 中央の分割片 L 左の分割片 R 右の分割片
U 上の分割片 D 下の分割片
110 扁平粒子
120 押圧痕
P 原料粉末

Claims (7)

  1. 軟磁性粒子を含む軟磁性粉末を加圧成形してなる円柱状の圧粉磁心であって、
    前記軟磁性粉末は、前記圧粉磁心の径方向に圧縮された扁平粒子を含み、
    前記圧粉磁心全体の密度が7.4g/cm以上であり、
    前記加圧成形時に、前記圧粉磁心の円筒面に軸方向に沿って形成される4つ以上の偶数の押圧痕を有し、
    圧粉磁心の上下方向及び左右方向を以下の(a)又は(b)とし、前記圧粉磁心を左右方向に3等分した各分割片、又は上下方向で互いに対向する前記押圧痕同士を含む縦断面で前記圧粉磁心を分割した各分割片を、中央及び左右の分割片とするとき、前記中央の分割片の密度が前記左右の分割片の密度に比べて高く、かつ前記中央の分割片と前記左右の分割片との密度の差が0.2g/cm以下である圧粉磁心。
    (a)圧粉磁心の両端面を観察し、筋状の摺接痕の長手方向を圧粉磁心の上下方向、上下方向に直交する方向を圧粉磁心の左右方向とする。
    (b)圧粉磁心の横断面の中心領域における軟磁性粒子の形状を観察し、扁平粒子の長軸方向を圧粉磁心の左右方向、左右方向と直交する方向を圧粉磁心の上下方向とする。
  2. 前記圧粉磁心を前記上下方向に均等に分割して上下の分割片とするとき、前記上下の分割片の密度の差が0.2g/cm以下である請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記圧粉磁心の縦断面における前記扁平粒子のアスペクト比の平均値が、1.2以上である請求項1又は請求項2に記載の圧粉磁心。
    [定義]
    前記アスペクト比の平均値とは、前記圧粉磁心の縦断面において、前記圧粉磁心の軸方向に沿った各粒子の最大長さをLp、軸方向に直交する方向に沿った最大長さLoとし、前記Loに対する前記Lpの比Lp/Loの平均値をいう。前記扁平粒子の最大長さLp及び最大長さLoの測定は、圧粉磁心の縦断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その観察像を画像解析することで行える。測定条件は、視野数:5視野以上、倍率:150倍以上1000倍以下、一視野あたりの測定粒子数:6個以上、合計粒子数:30個以上が挙げられる。
  4. 前記軟磁性粒子が純鉄である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  5. 前記圧粉磁心から、前記圧粉磁心と同軸状の同軸リング片と、前記圧粉磁心の上下方向を軸とする上下軸リング片とを切り出した際、
    前記上下軸リング片は、前記同軸リング片に比較して、3500A/m以上8000A/m以下の磁界を印加した時の磁束密度が5%以上高い請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  6. 前記圧粉磁心から、前記圧粉磁心と同軸状の同軸リング片と、前記圧粉磁心の上下方向を軸とする上下軸リング片とを切り出した際、
    前記上下軸リング片は、前記同軸リング片に比較して、励起磁束密度Bm:0.1T〜10T、測定周波数:1kHz〜10kHzにおける鉄損が5%以上低い請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  7. 巻線を巻回してなるコイルと、前記コイルが配置される磁心とを備えるコイル部品であって、
    前記磁心の少なくとも一部は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の圧粉磁心であるコイル部品。
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