JP6344563B2 - 養殖魚用飼料及び養殖魚の養殖方法 - Google Patents

養殖魚用飼料及び養殖魚の養殖方法 Download PDF

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Description

本発明は、養殖魚用の飼料及び養殖魚の養殖方法に関する。
従来から、ブリやマダイ等の養殖魚の養殖が盛んに行われており、様々な養殖魚用の飼料が提供されている。また、近年、養殖魚の肉質を改善したり、養殖魚の成長を促進させたりするために、色々な飼料が開発されており、例えば、植物由来成分を混合した養殖魚用飼料が提供されている。
例えば、下記特許文献1には、梅調味液を混合したマグロ用飼料が開示され、下記特許文献2には、脱塩濃縮梅酢を含有する養殖魚用飼料が開示され、下記特許文献3には、ローズヒップを含有する魚介類用飼料が開示されている。
特開2010−246417号公報 特開2008−206501号公報 特開2008−173044号公報
このように、従来、養殖魚の肉質を向上させるための飼料が種々提供されているが、養殖魚に柑橘の香りを付けるための飼料は提供されていない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、養殖魚の魚肉に柑橘の香り付けをすることのできる養殖魚用飼料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る養殖魚用飼料は、圧搾法により柑橘の果皮から採取して、蒸留することなく粗精製した果皮油を添加したことを特徴とする。
また、本発明に係る養殖魚の養殖方法は、圧搾法により柑橘の果皮から採取して、蒸留することなく粗精製した果皮油を添加した養殖魚用飼料を、養殖魚の水揚げ直前に少なくとも7日以上に分けて所定量与える果皮油給餌工程を備えることを特徴とする。
本発明に係る養殖魚用飼料によれば、養殖魚の魚肉に柑橘果皮油成分を移行させて、柑橘の香りのする養殖魚を提供することができる。
また、本発明に係る養殖魚の養殖方法によれば、養殖魚の魚肉に柑橘果皮油成分を効率的に移行させて、柑橘の香りのする養殖魚を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る飼育試験1の各試験区の平均魚体重の推移を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る飼育試験1の各試験区における果皮油成分の含有量を分析した結果を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る飼育試験2の試験結果を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る飼育試験3の試験結果を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る各飼育試験において養殖魚に与えられる伊予柑果皮油の総給餌量を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、柑橘として伊予柑を使用し、伊予柑の果皮から採取し、加熱して蒸留することなく粗精製した伊予柑果皮油(粗精製精油)をブリ及びマダイの養殖魚用飼料(モイストペレット)に添加した場合を例に挙げて説明する。
このように、伊予柑の果皮から採取した伊予柑果皮油を養殖魚用飼料に混ぜることで、養殖魚の魚臭さが低減されると共に、伊予柑の香り成分が養殖魚の魚肉に移行し、ほのかに伊予柑の香りのする養殖魚を提供することができる。
表1は、本実施形態に係る養殖魚用飼料(実施例1)の組成を示している。実施例1は、質量比で、配合飼料(粉末)を40質量%、生魚(マアジ)を48質量%、アミエビを4質量%、フィードオイル(魚油)を6質量%、伊予柑果皮油を0.2質量%、蒸留水を1.8質量%混合して生成したモイストペレットである。
Figure 0006344563
ここで、本実施形態に係る伊予柑果皮油は、インライン搾汁機に水の噴霧装置を取り付け、伊予柑果汁を搾った残りの果皮及び残液からなる含油泥状液を遠心分離機にかけて取り出す(粗精製)ことで得られる。
このように、本実施形態に係る伊予柑果皮油は、精製にあたって蒸留(加熱)を行っていないので、伊予柑の果皮に含まれる精油の特定成分が飛んで失われることなく、そのまま残っている。柑橘類の果皮油は、D−リモネンを主成分とし、テルピネン(α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン等)等の他の成分を少量含んでおり、これらの配合比の違いにより各柑橘類特有の香りを構成している。
したがって、加熱により特定の精油成分が失われてしまうと、抽出した精油の香りが元の柑橘類の香りと異なる香りになってしまうおそれがあるが、本実施形態のように蒸留することなく遠心分離等の粗精製により伊予柑果皮油を抽出することで、伊予柑の香りと同じ香りのする伊予柑果皮油を得ることができる。
比較例1は、実施例1の伊予柑果皮油の代わりに、伊予柑果汁を搾った後の残りの果皮をそのまま粉砕して混ぜたものである。比較例1は、質量比で、配合飼料(粉末)を40質量%、生魚(マアジ)を40質量%、アミエビを4質量%、フィードオイルを6質量%、粉砕果皮を10質量%混合して生成したモイストペレットである。
すなわち、比較例1は、伊予柑果皮油を含んでいるが、伊予柑果皮油を果皮ごと粉砕して飼料に混ぜている点で実施例1と異なる。なお、比較例1の粉砕果皮には、質量比で約2.5%程度の伊予柑果皮油が含まれており、比較例1の飼料には、実施例1の0.2質量%よりも若干多い0.25質量%程度の伊予柑果皮油が含まれている。
比較例2は、従来の一般的な養殖魚用飼料であり、質量比で、配合飼料(粉末)を40質量%、生魚(マアジ)を50質量%、アミエビを4質量%、フィードオイルを6質量%混合して生成したモイスペレットである。
続いて、実施例1、比較例1、比較例2の養殖魚用飼料を使って養殖した飼育試験1の結果について、図1及び図2を参照しながら説明する。本飼育試験1では、水揚げ時の魚体重が約5kgとなるブリの2歳魚を10尾ずつ3つの試験区に分け、各試験区において、実施例1、比較例1、比較例2の養殖魚用飼料を8週間にわたって1kgずつ40回(合計40kg)給餌した。
図1は、飼育試験1の各試験区における平均魚体重の推移を示しており、給餌開始時と、8週間給餌後の平均魚体重を示している。図2は、飼育試験1の2週間給餌(給餌回数10回。合計10kg)後に各試験区においてサンプリングした養殖魚(ブリ)の筋肉中における伊予柑果皮油の成分(D−リモネン、γ−テルピネン)の含有量を分析(HS-GC-MS:ヘッドスペースガスクロマト質量分析)した結果を示している。
図1に示すように、飼育試験1の開始前には、全ての試験区において平均魚体重が約4.1kgと同じであったのに対して、8週間経過後には、実施例1及び比較例2においては、平均魚体重が4.5〜4.6kg程度と順調に養殖魚が成長しているのに対して、比較例1では、平均魚体重が約4.3kg程度と、他の試験区と比較して成長が大幅に鈍化している。
比較例1の試験区において体重増加率が低下するのは、比較例1では、果汁を搾った後の果皮を粉砕して含めているため、その果皮の質量分だけ相対的に飼料全体に占める配合飼料や魚(マアジ)の質量が減っていること、果皮には食物繊維が多く含まれ、果皮を食べた養殖魚の飼料摂取量が他の試験区と比べて減少すること等が起因すると考えられる。
よって、図1に示す結果から、養殖魚用飼料に伊予柑果皮油を混ぜる場合には、伊予柑果皮を粉砕したものをそのまま添加するよりも、実施例1のように、粗精製した果皮油を添加するほうが、養殖魚の成長の面で望ましいことが分かる。養殖魚の売価は、基本的に水揚げ時の魚体重に比例するため、比較例1のように、8週間にわたって飼料を与えても魚体重の増加が少ないと、養殖業者にとっては、コスト的なデメリットが大きい。
また、図2に示す結果から、実施例1及び比較例1のように、伊予柑果皮油を混ぜた養殖魚用飼料をブリに与えることで、ブリの筋肉中にはD−リモネン、γ−テルピネンが含まれるようになる。すなわち、ブリの魚肉に伊予柑の香りの主成分が移行し、ブリの魚肉から伊予柑の香りがするようになる。
また、上述したように、比較例1の飼料には、0.25質量%程度の伊予柑果皮油が含まれており、実施例1の飼料よりも伊予柑果皮油の含有量が若干多い。これに対して、図2に示すように、実施例1のほうがブリの筋肉中に含まれる伊予柑果皮油成分が多くなっている。すなわち、本実施形態のように、粉砕した果皮をそのまま飼料に混合するよりも、粗精製した伊予柑果皮油を飼料に添加したほうが、伊予柑果皮油成分を効率的に養殖魚に移行させることができる。
なお、本実施形態のように粗精製した伊予柑果皮油を用いれば、果皮の場合と比べて長期保存ができ、1年を通して利用可能であり、保管スペースも小さくて済むというメリットがある。また、果皮油であれば、モイストペレットだけでなく、ドライペレットにも混合することができるといったメリットがある。
このように、実施例1に係る養殖魚用飼料を用いれば、養殖魚の成長を鈍化させることなく、一般的な飼料(比較例2)と同様に養殖魚の体重を増加させながら、魚肉に伊予柑の香り成分を効率的に移行させることができ、魚臭さを低減させてほのかに伊予柑の香りのする身を有するブリを提供することができる。すなわち、水揚げ高を減少させることなく、品質の高いブリを提供することができる。
次に、本実施形態に係る養殖魚用飼料の実施例2〜7について説明する。表2は、実施例2〜7及び比較例3の養殖魚用飼料の組成を示している。ここで、実施例2〜4は、ブリ用の飼料であり、実施例5〜7は、マダイ用の飼料である。
Figure 0006344563
実施例2〜7及び比較例3は、質量比で配合飼料を50質量%、魚(マアジ)を40質量%、総合ビタミン剤を2質量%含んでおり、各実施例2〜7は、さらにフィードオイル及び伊予柑果皮油を所定量ずつ含み、比較例3は、さらにフィードオイルのみを8質量%含んでいる。
詳細には、ブリ用の養殖魚用飼料である実施例2〜4において、実施例2は、さらにフィードオイルを7.98質量%、伊予柑果皮油を0.02質量%含み、実施例3は、さらにフィードオイルを7.96質量%、伊予柑果皮油を0.04質量%含み、実施例4は、さらにフィードオイルを7.94質量%、伊予柑果皮油を0.06質量%含んでいる。
また、マダイ用の養殖魚用飼料である実施例5〜7において、実施例5は、さらにフィードオイルを7.9質量%、伊予柑果皮油を0.1質量%含み、実施例6は、さらにフィードオイルを7.8質量%、伊予柑果皮油を0.2質量%含み、実施例7は、さらにフィードオイルを7.7質量%、伊予柑果皮油を0.3質量%含んでいる。
続いて、実施例2〜4及び比較例3の養殖魚用飼料を使ってブリを養殖した飼育試験2及び実施例5〜7及び比較例3の養殖魚用飼料を使ってマダイを養殖した飼育試験3の結果について、図3及び図4を参照しながら説明する。
飼育試験2では、水揚げ時の魚体重が約5kgとなるブリを10尾ずつ4つの試験区に分け、各試験区において、実施例2、実施例3、実施例4、比較例3の養殖魚用飼料を2週間にわたって、1kgずつ10回(合計10kg)給餌した。
また、飼育試験3では、水揚げ時の魚体重が約2kgとなるマダイを25尾ずつ4つの試験区に分け、各試験区において、実施例5、実施例6、実施例7、比較例3の養殖魚用飼料を2週間にわたって、1kgずつ10回(合計10kg)給餌した。
図3は、飼育試験2の試験結果を示しており、図3(a)は、各試験区における給餌開始から2週間経過後の各試験区においてサンプリングしたブリの筋肉中における伊予柑果皮油の主成分(D−リモネン)の含有量を分析(HS-GC-MS)した結果を示しており、図3(b)は、同じくサンプリングしたブリの官能試験結果を示している。
図4は、飼育試験3の試験結果を示しており、図4(a)は、給餌開始から2週間経過後の各試験区においてサンプリングしたマダイの筋肉中における伊予柑果皮油の主成分(D−リモネン)の含有量を分析(HS-GC-MS)した結果を示しており、図4(b)は、同じくサンプリングしたマダイの官能試験結果を示している。
なお、図3(b)及び図4(b)に結果を示した官能試験では、20代男性、30代男性、30代女性、40代男性、40代女性、50代男性、50代女性、各一人ずつの合計7人に各試験区の水揚げしたブリ、マダイの魚肉を生で食してもらい、伊予柑果皮油の香りを感じたかどうか5段階(1:感じない、2:弱く感じる、3:普通に感じる、4:強く感じる、5:強すぎる)で回答してもらった。
図3(a)及び図4(a)に示すように、伊予柑果皮油を添加していない比較例3の試験区では、水揚げされた養殖魚の筋肉に伊予柑果皮油の主成分が含まれていないのに対して、伊予柑果皮油を所定量添加した実施例2〜4の試験区では、添加量に比例した量のD−リモネンが筋肉中に含まれており、飼料に添加された伊予柑果皮油が養殖魚の筋肉に良好に移行している。
図3(b)に示すように、飼育試験2では、実施例3,4の養殖魚用飼料を与えた試験区のブリについて、全員が伊予柑の香りを普通以上に感じている。また、図4(b)に示すように、飼育試験3では、実施例6,7の養殖魚用飼料を与えた試験区のマダイについて、全員が伊予柑の香りを普通以上に感じている。
このように、図3及び図4に示す結果から、養殖魚用飼料に伊予柑果皮油を添加すると、養殖魚の筋肉に伊予柑果皮油の成分が良好に移行し、所定量以上の伊予柑果皮油を養殖魚に与えることで、養殖魚の魚肉から伊予柑の香りを感じることができることが分かる。よって、本実施形態に係る養殖魚用飼料を用いることで、魚の臭みを低減させ、食する際に伊予柑の香りの漂う養殖魚を提供することができる。
続いて、養殖魚用飼料に添加する伊予柑果皮油の適量について検討する。上述した飼育試験結果2,3によれば、飼料に加える伊予柑果皮油の量が多くなるほど、養殖魚に移行する伊予柑の香りも強くなっている。以下、養殖魚の魚肉から伊予柑の香りがするようにするためには、伊予柑果皮油をどれくらいの量、養殖魚に与えれば良いかを検討する。
図5は、上記各飼育試験1〜3において、養殖魚用飼料に混合することで、最終的に養殖魚に与えられた伊予柑果皮油の総給餌量を示した図であり、養殖魚の水揚げ時の魚体重1kgあたりの総給餌量で表している。
まず、飼育試験1において、給餌期間が2週間(伊予柑成分の分析時)の場合、給餌1回分の1kgの養殖魚用飼料には、2gの伊予柑果皮油が含まれ、合計10回の給餌で、20gの果皮油が養殖魚に与えられる。ここで、試験区には、水揚げ時5kgのブリが10尾含まれており、水揚げ時の総魚体重は50kgである。よって、飼育試験1の10回給餌を行った時点での果皮油総給餌量は、魚体重1kgあたり、0.4gとなる。
また、飼育試験1において、給餌期間が8週間(平均魚体重の測定)の場合、すなわち、飼育試験1の40回給餌を行った時点での果皮油総給餌量は、魚体重1kgあたり、1.6gとなる。
同じように、飼育試験2の実施例2〜4について、給餌完了時(給餌回数10回)の果皮油総給餌量は、魚体重1kgあたり、0.04g(実施例2)、0.08g(実施例3)、0.12g(実施例4)となる。また、飼育試験3の実施例5〜7について、給餌完了時(給餌回数10回)の果皮油総給餌量は、魚体重1kgあたり、0.2g(実施例5)、0.4g(実施例6)、0.6g(実施例7)となる。
ここで、上述した飼育試験2についての官能試験において、実施例2(0.04g/1kg)では、伊予柑の香りを感じない人が7名中2名いるのに対して、実施例3(0.08g/1kg)では、7名全員が伊予柑の香りを感じている。よって、ブリの飼育に伊予柑果皮油入りの養殖魚用飼料を用いる場合には、水揚げ時の魚体重1kgあたり、合計で0.04g以上の伊予柑果皮油を与えるのが望ましく、さらに望ましくは、0.08g以上とするのが望ましい。
また、上述した飼育試験3についての官能試験において、実施例5(0.2g/1kg)では、伊予柑の香りを感じない人が7名中4名いるのに対して、実施例6(0.4g/1kg)では、7名全員が伊予柑の香りを感じている。よって、マダイの飼育に伊予柑果皮油入りの養殖魚用飼料を用いる場合には、水揚げ時の魚体重1kgあたり、合計で0.2g以上の養殖魚用飼料を与えるのが望ましく、さらに望ましくは、0.4g以上とするのが望ましい。
このように、ブリよりもマダイのほうが多くの果皮油を与える必要があるのは、飼料の添加された伊予柑果皮油が養殖魚の魚肉に移行する際の効率は、養殖魚の脂肪含量に比例すると考えられるからである。マダイよりもブリのほうが脂肪含量が多いため、マダイと比べてブリのほうが少ない量の伊予柑果皮油で効率的に香り付けを行うことができる。
なお、伊予柑果皮油を添加した養殖魚用飼料を給餌するタイミングについて、水揚げよりも1年以上前に与えたのでは、養殖魚の魚肉に移行した伊予柑果皮油がその後の成長過程で失われてしまうおそれもあるため、水揚げの直前である必要があり、水揚げ直前の三ヶ月以内、より望ましくは二ヶ月以内に与えるのが望ましい。
また、伊予柑果皮油を添加した養殖魚用飼料を給餌する回数は、少なくとも5日以上に分けて与えるのが望ましく、望ましくは、14日(2週間)以上に分けて与えるのが望ましい。1回の給餌では、食べる魚と食べない魚が出てくるので、個体による給餌量のばらつき、すなわち伊予柑果皮油の摂取量のばらつきを抑えるため、5日以上に分けて与える必要がある。
また、伊予柑果皮油の給餌量の上限について、果皮であれば、混ぜる果皮の量が増えると相対的に配合飼料等の量が少なくなって養殖魚の成長が阻害されてしまうため、混ぜることのできる量に限界がある。これに対して、粗精製した伊予柑果皮油であれば、香りが強くなりすぎて養殖魚が食べなくなる場合を除いて、所望の量の伊予柑果皮油を混ぜることができる。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態に係る伊予柑果皮油を添加した養殖魚用飼料によれば、蒸留することなく粗精製した伊予柑果皮油を添加することで、養殖魚の成長を阻害することなく、養殖魚の魚肉に伊予柑の香り付けをし、魚臭さを低減させることができる。これにより、高品質の養殖魚を養殖し、養殖業者の売上向上に貢献することができる。
また、本実施形態では、粗精製した伊予柑果皮油を飼料に混ぜており、果皮ごと混ぜる場合と違って、モイストペレットだけでなく、ドライペレットであっても容易に伊予柑果皮油を混ぜることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、養殖魚用飼料の配合成分や配合比は適宜変更可能であり、養殖魚用飼料を与えるタイミングや量、回数等も適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、養殖魚として、ブリやマダイの場合を例に挙げて説明したが、カンパチやマグロ等、適宜他の魚種に本発明を適用することができる。この場合、給餌する柑橘果皮油の量は、魚種の脂肪含量に合わせて適宜調整するのが望ましい。
また、上記実施形態では、柑橘として伊予柑を使用し、養殖魚用飼料に伊予柑果皮油を添加したが、柑橘としては、温州みかん、ゆず、オレンジ、グレープフルーツ等、他の柑橘を適宜使用することができ、これらの果皮から採取した果皮油を飼料に添加すれば良い。

Claims (6)

  1. 圧搾法により柑橘の果皮から採取して、蒸留することなく粗精製した果皮油を添加したことを特徴とする養殖魚用飼料。
  2. 圧搾法により柑橘の果皮から採取して、蒸留することなく粗精製した果皮油を添加した養殖魚用飼料を、養殖魚に所定量与える果皮油給餌工程を備えることを特徴とする養殖魚の養殖方法。
  3. 前記果皮油給餌工程は、前記養殖魚の水揚げ直前の三ヶ月以内に行われる工程であることを特徴とする請求項2記載の養殖魚の養殖方法。
  4. 前記果皮油給餌工程は、少なくとも5日以上に分けて与える工程であることを特徴とする請求項2又は3記載の養殖魚の養殖方法。
  5. 前記養殖魚はブリであり、
    前記果皮油給餌工程は、水揚げ時の魚体重1kgあたり合計0.04g以上の伊予柑果皮油を前記ブリに与える工程であることを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の養殖魚の養殖方法。
  6. 前記養殖魚はマダイであり、
    前記果皮油給餌工程は、水揚げ時の魚体重1kgあたり合計0.2g以上の伊予柑果皮油を前記マダイに与える工程であることを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の養殖魚の養殖方法。
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