JP6344306B2 - 偽造防止用紙およびそれを用いた印刷物 - Google Patents
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バクテリアセルロースの小塊を含有させることにより、紙層強度を損なうことなく鑑別性を向上させた偽造防止用紙が提案されている(特許文献8)。
[1] 少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されている用紙であって、該一部の超音波伝搬速度を測定することにより真偽判定が可能な 印刷物を製造するための、用紙。
[2] 全部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成される、1に記載の用紙。
[3] 微細繊維が静電的および/または立体的な官能性を持つ置換基が導入された微細繊維である、1または2に記載の用紙。
[4] 微細繊維がセルロース繊維である、1〜3のいずれか一項に記載の用紙。
[5] 微細繊維がリン酸由来の基、カルボン酸由来の基および硫酸由来の基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基が導入された微細繊維であり、置換基導入量が0.01〜3.0mmol/gである、1〜4のいずれか一項に記載の用紙。
[6] 微細繊維含有シートが、金属粒子、金属酸化物粒子、炭素繊維、炭素粒子からなる群より選択される少なくとも一種のフィラーを含有する、1〜5のいずれか一項に記載の用紙。
[7] 該一部の超音波伝播速度のピーク値 が3.2km/s以上である、1〜6のいずれか一項に記載の用紙。
[8] 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に無機層が形成されている、1〜7のいずれか一項に記載の用紙。
[9] 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に有機層が形成されている、1〜8のいずれか一項に記載の用紙。
[10] 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に、無機層、および無機層に積層された有機層が形成されている、または有機層、および有機層に積層された無機層が形成されている、1〜9のいずれか一項に記載の用紙。
[11] 少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されており、該一部の超音波伝搬速度を測定することにより真偽判定が可能な、紙幣、有価証券または身分、権利もしくは資格を証明するための書類。
[12] 印刷物の真偽判定装置であって 、
(a)印刷物の平面方向および/または厚み方向に超音波を伝播させる超音波伝播機構;および
(b)伝播された超音波の伝播速度を検出する超音波伝播速度検出機構
を備える、装置。
[13] 印刷物が有価証券または紙幣である、12に記載の装置。
[14] 印刷物の真偽判定方法であって、
(a)少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されている印刷物の、該一部の平面方向および/または厚み方向に超音波を伝播させ;そして
(b)伝播された超音波の伝播速度を検出する
工程を含む、印刷物の真偽判定方法。
さらに、微細繊維含有シートの原材料として再生可能資源を使用できるメリットがある。
<繊維原料>
微細繊維の原料としては特に限定されないが、例えば、無機繊維、有機繊維、合成繊維等、半合成繊維、再生繊維が挙げられる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、岩石繊維、金属繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。有機繊維としては、例えば、セルロース、炭素繊維、パルプ、キチン、キトサン等の天然物由来の繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。合成繊維としては、例えば、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン、アクリル、ポリ塩化ビニル、アラミド等が挙げられるがこれらに限定されない。半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられるがこれらに限定されない。再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、ポリノジックレーヨン、リヨセル、テンセル等が挙げられるがこれらに限定されない。
これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましいが、特に限定されない。
絶乾質量で0.04g程度の固形分を含む微細繊維含有スラリーを分取し、イオン交換水を用いて50g程度に希釈する。この微細繊維含有スラリーを撹拌しながら、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した場合の電気伝導度の値の変化を測定し、その値が極小となる時の0.01N水酸化ナトリウム水溶液の滴下量を、滴定終点における滴下量とする。セルロース表面の置換基量XはX(mmol/g)=0.01(mol/l)×V(ml)/W(g)で表される。ここで、V:0.01N水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(ml)、W:微細セルロース繊維含有スラリーが含む固形分(g)である。
繊維原料は、解繊処理装置を用いて微細化(解繊)処理される。
分散媒としては特に限定されないが、水の他に、極性有機溶剤を使用することができる。好ましい極性有機溶剤としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。また、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。これらは1種であってもよいし、2種以上でもよい。また、微細繊維含有スラリーの分散安定性を妨げない範囲であれば、上記の水および極性有機溶剤に加えて非極性有機溶媒を使用しても構わない。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。本発明における平均繊維幅はこのように読み取った繊維幅の平均値である。
得られた微細繊維は、シート化される。
微細繊維含有スラリーを通常の抄紙で用いられる長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機のほか、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機、さらに手抄き等公知の抄紙方法で抄紙され、一般の紙と同様の方法でシート化することが可能である。つまり、微細繊維含有スラリーをワイヤー上で濾過、脱水して湿紙状態のシートを得た後、プレス、乾燥することでシートを得ることが可能である。スラリーの濃度は特に限定されないが、0.05〜5質量%が好ましい。濃度が0.05質量%以上であれば、濾過をより短い時間で行うことができ、濃度が5質量%以下であれば、均一なシートが得られやすいという点で好ましい。スラリーを濾過、脱水する場合、濾過時の濾布としては特に限定されないが、微細繊維は通過せず、かつ濾過速度が遅くなりすぎないことが重要である。このような濾布としては特に限定されないが、有機ポリマーからなるシート、織物、多孔膜が好ましい。有機ポリマーとしては特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のような非セルロース系の有機ポリマーが好ましい。具体的には孔径0.1〜20μm、例えば1μmのポリテトラフルオロエチレンの多孔膜、孔径0.1〜20μm、例えば1μmのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンの織物等が挙げられるが、特に限定されない。
塗工法は、微細繊維含有スラリーを基材上に塗工し、これを乾燥して形成された微細繊維含有層を基材から剥離することにより、シートを得る方法である。塗工装置と長尺の基材を用いることで、シートを連続的に生産することができる。基材の質は、特に限定されないが、微細繊維含有スラリーに対する濡れ性が高いものの方が乾燥時のシートの収縮等を抑制することができて良いが、乾燥後に形成されたシートが容易に剥離できるものを選択することが好ましい。中でも樹脂板または金属板が好ましいが、特に限定されない。その中で、適当なものを単独、または積層して使用するのが好適である。例えば、アクリル板、ポリエチレンテレフタレート板、塩化ビニル板、ポリスチレン板、ポリ塩化ビニリデン板等の樹脂板や、アルミ板、亜鉛版、銅版、鉄板等の金属板およびそれらの表面を酸化処理したもの、ステンレス板、真ちゅう板等を用いることができる。微細繊維含有スラリーを基材上に塗工するには、上記基材に所定のスラリー量を塗工することが可能な各種コーターを使用すれば良い。特に限定されないが、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等が使用できる。中でもダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、エアドクターコーター等の塗工方式によるものが均一な塗工には有効である。
に好ましくは5μm以上である。また、通常1000μm以下であり、好ましくは5〜250μmである。
本発明においては、微細繊維含有シートを製造する際、上記以外の他の工程を含んでいてもよい。例えば、置換基導入繊維を用いる態様においては、微細繊維をシート化した後に、導入された置換基の全部または一部を脱離させる工程を含んでいてもよい。
脱離する能力が高いという観点からは、多価アルコールを使用することが好ましい。多価アルコールとは、アルコールのうち2以上のOH基を有するものをいう。多価アルコールを用いる場合、OH/C比率が0.15以上のものを用いることが好ましい。より好ましくは0.2以上であるものを用いる。「OH/C比率」とは、分子に含まれる炭素(C)原子あたりのOH基の個数をいい、例えば、エチレングリコール(C2H6O2)のOH/C比率は1であり、ジエチレングリコール(C4H10O3)のOH/C比率は0.67である。
本発明の一の実施態様においては、繊維原料に静電的および/また立体的な官能性を持つ置換基としてリン酸基が導入される。この場合、機械処理後のスラリーを、基材に塗工された状態とする前に、置換基導入繊維の中和度を変更する工程を有していてもよい。リン酸基が繊維に導入された際には、通常、中和度2(中和度100%ともいう。)である。
微細繊維含有シートの製造においては、必要に応じて、洗浄工程、異物除去工程、遠心分離等による精製工程、脱塩工程を採用しても良いが、特に限定されない。脱塩工程は、繊維の純度が高まる点で好ましい。脱塩工程を行う場合、手段は特に限定されず、濾過方式による洗浄、透析、イオン交換等が挙げられる。
本発明においては、印刷物または印刷物の製造のための用紙は、少なくとも一部が上述の微細繊維含有シートにより構成される。印刷物または印刷物の製造のための用紙は、全部が微細繊維含有シートにより構成されていてもよいが、微細繊維含有シートにより構成される一部以外の領域が存在してもよい。
本発明においては、印刷物は、少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されており、該一部の超音波伝搬速度を測定することにより真偽判定が可能である。
印刷物または用紙の微細繊維含有シート部分は、水に対する耐性(耐水性、耐湿性、撥水性)を付与するため、無機層、有機層を積層してもよい。微細繊維含有シートは、後述するように置換基脱離処理されていれば黄変が抑えられ、そのため積層化に際しては、通常であれば黄変を促進する加熱工程やUV照射工程を含んでもよく、種々の手段を採りうる。積層化によって得られる複合シートは、微細繊維含有シートからなる基材シート層の少なくとも一方の側に形成された、少なくとも1層の無機層と少なくとも1層の有機層とを含むことが好ましい。無機層と有機層とを積層する場合、順番は特に限定されないが、基材シートの表面にまず有機層を積層することは、無機層を形成するための面を平滑にし、形成される無機層をより欠陥の少ないものとすることができる点で好ましい。また、有機層および無機層以外の他の構成層、例えば、上層の接着を容易にするための易接着層を含んでいてもよい。
微細繊維含有シート部分には、分散剤、定着剤、紙力剤、水溶性高分子、顔料、色材等の内添材料を含有させることができる。インクの定着性を上げるためには、既存のサイズ剤を添加してもよい。微細繊維含有シート部分には、フィラー(填料)を含有させてもよい。フィラーは、有機物であっても、無機物であってもよい。炭素、金属および金属酸化物からなる群より選択されるいずれかからなるものを好ましく用いることができる。より具体的には、銀粉、金粉、銅粉およびニッケル粉等の金属フィラー、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄およびセラミック等の無機フィラーが挙げられる。また、カーボンおよびゴム系フィラー等の有機フィラー、ガラス、砂などが挙げられる。種類および形状等にかかわらず特に制限なく使用することができる。
<リン酸基導入セルロース繊維の作製>
未叩解針葉樹クラフトパルプ(王子ホールディングス社製)を絶乾質量で1000gに、尿素、リン酸ナトリウム(リン原子とナトリウム原子のモル比Na/P=1.45)、水からなる薬液を含浸させ、圧搾し、余剰の薬液を搾り取り、薬液含浸パルプを得た。薬液含浸パルプは絶乾質量で1000gのパルプ、950gの尿素、リン原子として400gのリン酸ナトリウム、1200gの水を含んでいた。薬液含浸パルプを150℃に加熱したオーブンで乾燥、加熱処理し、パルプにリン酸基を導入した。乾燥、加熱工程を経た薬液含浸パルプに、25Lのイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返した。次いで、得られた脱水シートを25Lのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ添加し、pHが11〜13のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、再び25Lのイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、リン酸変性セルロース繊維を得た。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、1.0質量%のパルプ懸濁液にした。このパルプ懸濁液を、高圧ホモジナイザー(NiroSoavi社製「Panda Plus 2000」)で、操作圧力120MPaにて5回パスさせた。さらに、湿式微粒化装置(スギノマシン社製「アルティマイザー」)で、245MPaの圧力にて5回パスさせ微細セルロース繊維分散液を得た。微細セルロース繊維分散液中のセルロース繊維の平均繊維幅は、4.2nmであった。
微細セルロース繊維含有分散液をダイヘッドより工程基材上に押出した後、80℃で熱風乾燥して微細繊維含有シートを得た。なお、工程基材としてはポリエチレンテレフタレートのフィルムを用いた。得られた微細繊維含有シートを工程基材から剥離し、坪量を測定したところ、45.1g/m2であった。
得られた微細繊維含有シートをA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。裁断した微細繊維含有シートに対し、インクジェット印刷方式により、図1に示す図柄の印刷を行った。印刷する図柄は、商品券を模擬したものとした。以上の工程により、平面上の全ての領域が微細繊維含有シートで構成された偽造防止用紙を用いた印刷物を得た。
<機械処理>
針葉樹晒クラフトパルプ(王子ホールディングス社製、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)は550ml)を濃度3.0%になるように水を加え、ディスインテグレーターで離解して、パルプ分散液を得た。パルプ分散液に対し、熊谷理機工業株式会社製レファイナー「KRK高濃度ディスクリファイナー」で50回の叩解処理を行った。さらにエムテクニック社製高速分散機「クレアミクス11S」にて回転数6500rpmで90分間の微細化処理を行い、微細セルロース繊維分散液を得た。
微細セルロース繊維分散液中のセルロース繊維の平均繊維幅は140nmであった。
微細セルロース繊維分散液の濃度が約1.5%になるように水を加えて希釈した。希釈した微細セルロース繊維分散液をダイヘッドより工程基材上に押出した後、80℃で熱風乾燥して微細繊維含有シートを得た。なお、工程基材としてはポリエチレンテレフタレートのフィルムを用いた。得られた微細繊維含有シートを工程基材から剥離し、坪量を測定したところ、44.8g/m2であった。
得られた微細繊維含有シートをA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。裁断した微細繊維含有シートに対し、インクジェット印刷方式により、図1に示す図柄の印刷を行った。印刷する図柄は、商品券を模擬したものとした。以上の工程により、平面上の全ての領域が、微細繊維含有シートで構成された偽造防止用紙を用いた印刷物を得た。
プリンター用紙(富士ゼロックス社製「C2r」、繊維幅1000nm超過の繊維により構成される。)をA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。その後、実施例1と同様に図柄の印刷を行い、印刷物を得た。
セロファンフィルム(フタムラ化学社製「PL−DG#500」)をA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。その後、実施例1と同様に図柄の印刷を行い、印刷物を得た。
セロファンフィルム(レンゴー社製「セロファン」)をA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。その後、実施例1と同様に図柄の印刷を行い、印刷物を得た。
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ社製「ルミラーS10#50」)をA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。その後、実施例1と同様に図柄の印刷を行い、印刷物を得た。
TAC(セルローストリアセテート)フィルム(富士フイルム社製「フジタック」)をA5サイズ(21.0mm×14.8mm)に裁断した。その後、実施例1と同様に図柄の印刷を行い、印刷物を得た。
<方法>
実施例1、2、および比較例1〜5で作製した印刷物について、以下の評価方法に従って評価を実施した。
超音波伝播速度計(野村商事社製「SST−2500」)を用いて、印刷物の超音波伝播速度を測定した。なお、超音波の波長は25MHz、プロット数は12、温度は23℃で測定を実施した。
算出した超音波伝播速度の最大値、最小値より、下記の式に従って弾性率を算出した。
(式)弾性率 = 密度×(超音波伝播速度)2
なお、印刷物の密度は、印刷物の坪量を、膜厚計(マール社製「ミリトロン1202D」)で測定した厚さで除して算出した。
JIS規格K7361に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製「HM−150」)を用いて、印刷物の図柄が印刷されていない部分の全光線透過率を測定した。
JIS規格K7136に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製「HM−150」)を用いて、印刷物の図柄が印刷されていない部分のヘーズを測定した。
実施例1、および2で得られた印刷物を真の印刷物、比較例1〜5で得られた印刷物を偽の印刷物とし、超音波伝播速度、弾性率、全光線透過率、ヘーズを真偽判定基準とし、各々の組み合わせで真偽判定を行った。なお、超音波伝播速度、弾性率、全光線透過率については偽の印刷物の値が真の印刷物の値に対して90%以下のときに真偽判定が可、とした。ヘーズについては真の印刷物の値が偽の印刷物の値に対して90%以下のときに真偽判定が可能、とした。
結果を表1、および表2に示した。
Claims (14)
- 少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されている用紙であって、該一部の超音波伝搬速度を測定することにより真偽判定が可能な印刷物を製造するための、用紙。
- 全部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成される、請求項1に記載の用紙。
- 微細繊維が静電的および/または立体的な官能性を持つ置換基が導入された微細繊維である、請求項1または2に記載の用紙。
- 微細繊維がセルロース繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の用紙。
- 微細繊維がリン酸由来の基、カルボン酸由来の基および硫酸由来の基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基が導入された微細繊維であり、置換基導入量が0.01〜3.0mmol/gである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の用紙。
- 微細繊維含有シートが、金属粒子、金属酸化物粒子、炭素繊維、炭素粒子からなる群より選択される少なくとも一種のフィラーを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の用紙。
- 該一部の超音波伝播速度のピーク値が3.2km/s以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の用紙。
- 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に無機層が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の用紙。
- 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に有機層が形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の用紙。
- 微細繊維含有シートの少なくとも一方の側に、無機層、および無機層に積層された有機層が形成されている、または有機層、および有機層に積層された無機層が形成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の用紙。
- 少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されており、該一部の超音波伝搬速度を測定することにより真偽判定が可能な、紙幣、有価証券、または身分、権利もしくは資格を証明するための書類。
- 印刷物の真偽判定装置であって、
(a)印刷物の平面方向および/または厚み方向に超音波を伝播させる超音波伝播機構;および
(b)伝播された超音波の伝播速度を検出する超音波伝播速度検出機構
を備える、装置。 - 印刷物が有価証券または紙幣である、請求項12に記載の装置。
- 印刷物の真偽判定方法であって、
(a)少なくとも一部が平均繊維幅2〜1000nmの微細繊維を含有するシートで構成されている印刷物の、該一部の平面方向および/または厚み方向に超音波を伝播させ;そして
(b)伝播された超音波の伝播速度を検出する
工程を含む、印刷物の真偽判定方法。
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