JP6344036B2 - 車両用情報処理装置 - Google Patents

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本発明は、車両においてリモートでリプログラミングが実行されることを支援する車両用情報処理装置に関する。
たとえば特許文献1には、車両内の制御装置によって実行されるプログラムを更新するための更新用データを管理センターから車両に送信することが提案されている。詳しくは、管理センターから送信された更新用データは、車両内の受信装置によって受信され、車両内のネットワークを介して更新対象のプログラムを所持する制御装置に送信される。
特開2012−178035号公報
ところで、上記車両において更新用データを受信する受信機能に異常がある場合や、車両内の電源電圧が低下する場合などには、プログラムを更新する処理に異常が生じる可能性がある。そして、異常が生じた場合に、管理センターにおいて異常が生じたことを検出できない場合には、異常に対処することができず、車両の走行などに影響が生じるおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両においてリモートでリプログラミングがなされる際に異常が生じた場合に、これを把握することのできる車両用情報処理装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
技術的思想1:車載制御装置によって実行されるプログラムを更新する更新用データを前記車載制御装置を搭載する車両に送信する送信処理部と、前記更新用データの送信に伴って前記車両において前記更新用データに基づきリプログラミングを完了するまでに実行される各処理に要する予測時間と、前記車両における前記各処理の開始からの経過時間との比較に基づき、前記各処理が正常に行われているか否かを判断する判断処理部と、を備える車両用情報処理装置。
上記装置では、車両においてリプログラミングのための各処理が実行されるに際し、それら各処理の開始からの継続時間と、各処理に要する予測時間とが比較される。ここで、継続時間が予測時間を上回る場合には、その処理が正常に実行されることなく異常な事態に陥っている可能性が高い。そこで、上記装置では、比較に基づき、各処理が正常に行われているか否かを判断する。このため、正常になされていない処理がある場合には、これを把握することが可能となる。
技術的思想2:前記車両は、前記各処理のそれぞれが完了する毎に、該処理が完了した旨の信号を送信するものであり、前記判断処理部は、前記完了した旨の信号を受信するまでの時間が前記予測時間を所定以上超過している場合に異常と判断する技術的思想1記載の車両用情報処理装置。
上記装置では、車両が各処理を完了する毎に、処理が完了した旨の信号を受信することができる。そして、処理が完了した旨を受信した後、次の処理が完了した旨の信号を受信するまでの時間が予測時間を所定以上超過している場合に異常と判断することで、異常の有無を迅速に判断することができる。
車両用情報処理装置の一実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるステータスの更新処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる救済処理の手順を示す流れ図。
以下、本実施形態にかかる車両用情報処理装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。図1には、2台の車両10がセンター20と通信可能とされていることが記載されている。また、2台の車両10のうちの1台については、その内部の構成の一部がブロック図によって示されている一方、もう1台については、ブロック図を省略している。ただし、センター20と通信可能とされる車両10はいずれも、ブロック図を示した1台の車両10と同様の機能を有するものであり、また、センター20と通信可能とされる車両10の数は実際には、2台に限定されない。
図1に示されるように、車両10は、車両側処理装置12を備えている。車両側処理装置12は、車両10内に搭載される電子制御装置(ECU)14が所持するプログラムを更新する処理を実行するものである。詳しくは、ECU14は、中央処理装置(CPU)16と、メモリ18とを備えており、CPU16は、メモリ18内に記憶されたプログラム18aを実行する。そして、プログラム18aを更新する必要が生じることでセンター20から車両10に更新用のプログラムが送信されると、車両側処理装置12は、メモリ18内のプログラム18aを更新用プログラムに書き換える処理を実行する。なお、プログラム18aを更新する必要は、プログラム18aのバージョンアップや、プログラム18aの修正が必要となるときなどに生じるものである。
車両側処理装置12は、通信機能M10と、車両ステータス管理機能M12と、車両ステータスM14と、リプロ機能M16と、情報収集機能M18とを備えている。ここで、通信機能M10は、センター20と無線通信する機能であり、センター20にステータス情報30を送信する機能などを有する。車両ステータス管理機能M12は、車両10内で実施中の処理のステータスを管理する機能である。ここで、ステータスとは、処理の状態を特定する情報である。たとえば、メモリ18内に記憶されたプログラム18aを更新するリプログラミング処理を例にとると、この処理は、複数の段階としてのフェーズに分割され、さらにフェーズは、シーケンスに分割される。ステータスは、特定のシーケンスの処理が実行されているか否か等を特定する情報を含む。
たとえば、リプログラミング処理の場合、センター20から更新用データを受信するフェーズと、受信したデータをチェックするフェーズと、ECU14に送信するフェーズと、ECU14においてプログラム18aを書き換えリブートするフェーズと、の各フェーズの処理に分割できる。そして、たとえばデータをチェックするフェーズは、データを解凍するシーケンス、復号化するシーケンス、および正当性をチェックするシーケンスを含む。ここで、正当性のチェックとしては、誤り検出や誤り訂正処理のことである。誤り検出としては、たとえば巡回冗長検査(CRC)を採用することができる。またたとえば、送信するフェーズは、データを圧縮するシーケンス、暗号化するシーケンス、および車内のローカル通信経路を介してデータを実際に送信するシーケンス等を含む。
車両ステータスM14は、車両10において実行中の処理(シーケンス)のステータス情報を含むデータである。この情報には、実行中のシーケンスを特定する情報と、正常に実行されているか否か等、実行の状態を示す情報と、それらの情報が更新された日時を示す情報を含む。
リプロ機能M16は、センター20から送信された更新用データを用いてECU14のメモリ18内に記憶されているプログラム18aを書き換える処理、すなわち上記リプログラミング処理を実行する機能である。
情報収集機能M18は、車両10内において授受される情報を収集し、センター20に送信する機能である。ここで授受される情報には、たとえば車両10内においてECU14が制御する際に生成される情報が含まれる。詳しくは、センター20から送信された収集条件に従ったデータを選択的に収集し、これをセンター20に送信する。
一方、センター20は、通信機能M20と、車両ステータスリストM22と、通信履歴リストM24と、通常処理時間リストM26と、救済方法リストM28と、車両ステータス管理機能M30とを備える。
ここで、通信機能M20は、車両10との無線通信を実現する機能である。車両ステータスリストM22は、センター20と通信可能な車両10において実行されている処理のステータスのリストである。リストには、車両10を特定するIDや、車両情報、車両のオーナ情報、車両10内において実行中の処理とそのステータス情報、ステータス情報を更新した日時、車両10の位置情報が含まれる。なお、リストには、最新のステータス情報のみならず、ステータス情報の履歴が含まれる。
通信履歴リストM24は、センター20と通信可能な車両10とセンター20とが通信した際の通信履歴のリストである。リストには、車両IDや、最終通信日、通信内容、通信時の車両10の位置情報が含まれる。なお、リストは、車両10との通信がなされる都度、更新される。
通常処理時間リストM26は、車両10が実施する処理に要する正常時の時間(通常処理時間)のリストである。ここで通常処理時間は、センター20からの信号の送信によってなされるリプログラミング処理等における各フェーズのそれぞれについて設定されている。すなわちたとえば、センター20から更新用データが送信されることで車両10内で行われるリプログラミング処理については、上述した各フェーズの処理に関する時間が設定されている。なお、通常処理時間は、車両10に搭載される車両側処理装置12の仕様毎に各々独立に設定される。
救済方法リストM28は、車両10が異常状態になった際になすべき救済処理のリストである。リストには、異常状態の種類と、実施中の処理毎の救済処理とが含まれる。ここで、異常状態が、車両10の走行に影響を及ぼすことを意味するものである場合には、救済処理としては、たとえばセンター20から最寄りのディーラへ連絡する処理が考えられる。また、特定のフェーズの特定のシーケンスの処理に異常が生じることで、その処理の実行で待機することとなっている場合には、その処理を強制的に終了する指令をセンター20から車両10に送信する処理が考えられる。また、たとえば、リプログラミング処理のうちリブートのシーケンスに異常が生じている場合には、センター20から車両10にリブート指令を送信する処理が考えられる。
車両ステータス管理機能M30は、センター20側で、車両10内で実行される処理のステータスを管理する機能である。すなわち、車両10の通信機能M10によって、ステータス情報30が送信されることで、センター20の通信機能M20ではこれを受信する。そして、受信されたステータス情報30に基づき、車両ステータスリストM22を更新する。そして、車両ステータスリストM22と、通常処理時間リストM26と、通信履歴リストM24とに基づき、車両10内で実行されている処理の異常の有無を判定し、異常が生じていると判定する場合、救済方法リストM28に従って救済のための処理を実行する。
図2に、本実施形態にかかるステータスの更新処理の手順を示す。この処理は、所定の実行条件で、車両10およびセンター20によって実行される。
この一連の処理において、車両10内の車両ステータス管理機能M12は、まず、ステータス変更通知がなされたか否かを判断する(S10)。ここでは、リプロ機能M16や、情報収集機能M18が、1つのシーケンスの処理を完了し、次のシーケンスの処理に移行する都度、車両ステータス管理機能M12に、ステータスを変更する通知がなされることを想定している。車両ステータス管理機能M12は、ステータス変更通知がなされたと判断する場合(S10:YES)、車両ステータスM14を更新する(S12)。次に、車両ステータス管理機能M12は、更新された車両ステータスM14を、ステータス情報30として、通信機能M10を用いてセンター20に送信する(S14)。なお、車両ステータスM14の更新タイミングにおいて、何らかの理由で通信機能M10がステータス情報30を送信できないことも考えられる。この場合、通信が可能となったタイミングで、最新のステータスのみならず、未送信のステータスをも送信する。
これにより、センター20の通信機能M20では、ステータス情報30を受信する(S16)。そして、通信機能M20は、車両IDや、最終通信日、通信内容、通信時の車両10の位置情報を通信履歴リストM24に保存する(S18)。ここで、通信内容には、受信した情報がステータス情報である旨の情報が含まれる。また、車両ステータス管理機能M30は、通信機能M20によって受信されたステータス情報に基づき、車両ステータスリストM22を更新する(S20)。
なお、車両10側では、ステップS10において否定判断する場合や、ステップS14の処理が完了することで、この一連の処理を一旦終了する。これに対し、センター20側では、ステップS20の処理が完了することで、この一連の処理を一旦終了する。
図3に、車両10において異常が生じた場合の救済処理の手順を示す。この処理は、車両ステータス管理機能M30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、車両ステータス管理機能M30は、まず、車両ステータスリストM22に基づき、車両10内で行われるフェーズの処理のうち、未だ正常に処理が完了したか否かの判定がなされていない処理に関するステータス情報を取得する(S30)。たとえば、車両10内において車両ステータスM14が更新される都度、センター20にステータス情報30が送信されている状況においては、この処理は、最新のステータス情報を取得する処理となる。ただし、車両10内において車両ステータスM14が更新されたタイミングにおいて、車両10がステータス情報30を送信することができず、さらに車両ステータスM14が更新されたときに最新のステータス情報30と未送信のステータス情報30とを送信する場合には、事情が相違する。この場合、ステップS30の処理においては、最新のステータス情報に加えて、未送信であったステータス情報が取得され、ステップS32以降の処理の対象とされる。
ステップS30の処理は、車両10内において実行される処理のうち、特定のフェーズ内の処理が正常に実行されているか否かを判定するために、判定対象とする処理を特定するための処理となる。すなわち、ステータス情報によってシーケンスが特定されると、そのシーケンスを含むフェーズの処理が、判定対象とされる。
車両ステータス管理機能M30は、ステータス情報を取得すると、通常処理時間リストM26のなかから、このステータス情報に対応する処理の通常処理時間を取得する(S32)。次に、車両ステータス管理機能M30は、通信履歴リストM24の中から、ステップS30の処理によって特定されたフェーズの処理の開始時刻以降における車両10とセンター20との通信履歴を取得する(S34)。
次に、車両ステータス管理機能M30は、通信履歴に基づき、特定されたフェーズの処理の開始時刻以降において車両10内において車両側処理装置12が稼働している時間である車両稼働時間を算出する(S36)。ここで、車両10内の電源をオフすることで車両側処理装置12を停止する場合には、これに先立って、その旨をセンター20に通知し、電源をオンする際にも、その旨をセンター20に通知することとする。これにより、通信履歴リストM24の通信内容に、車両10内における車両側処理装置12の電源オフ、電源オンの情報が加わるため、車両稼働時間を精度よく算出することが可能となる。なお、たとえば、車両側処理装置12の動作期間が、車両10の走行許可スイッチ(IGスイッチ)がオン状態となる期間であるなら、電源のオンオフ情報を、IGスイッチのオンオフ情報としてもよい。また、たとえば、車両側処理装置12の動作期間が、車両10のアクセサリスイッチがオン状態となる期間であるなら、電源のオンオフ情報を、アクセサリスイッチのオンオフ情報としてもよい。ただし、リプログラミング処理等の途中でIGスイッチやアクセサリスイッチがオフ操作されても同処理を継続する設定の場合、車両側処理装置12の電源がオフとなる旨の情報は、IGスイッチやアクセサリスイッチのオフ操作とは相違する情報となる。この場合には、車両側処理装置12の電源をオフする処理がなされる場合に、その旨を通知すればよい。
そして、車両ステータス管理機能M30は、車両稼働時間が、通常処理時間を所定値α以上超過したか否かを判定する(S38)。この処理は、ステップS30の処理によって特定されたフェーズの処理に異常が生じたか否かを判定するためのものである。ここで、所定値αは、異常を判定するために設定される値である。すなわち、通常処理時間は、正常時に想定される時間であるものの、正常に処理がなされているとしても、これをわずかに超える事態が生じることは十分に考えられる。このため、所定値αを用いることで、異常を判定する。
車両ステータス管理機能M30は、所定値α以上超過していると判定する場合(S38)、異常が生じたとして、救済方法リストM28に基づき、救済措置を施す(S40)。ここで、車両ステータス管理機能M30は、異常が生じたフェーズや、フェーズ内のシーケンスに応じて、救済措置を選択する。
そして車両ステータス管理機能M30は、救済措置に応じて、車両ステータスリストM22を更新する(S42)。これは、救済措置が施されることで、車両10内の処理のステータスが変更されることに鑑みたものである。
なお、車両ステータス管理機能M30は、ステップS42の処理が完了する場合や、ステップS38において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、以上の処理の作用を、車両10内においてリプログラミング処理に異常が生じる場合を例として説明する。
センター20から、ECU14のメモリ18内のプログラム18aを書き換えるための更新用データが送信されると、車両10において、更新用データを用いたリプログラミング処理が実行される。これにより、リプログラミング処理を細分したシーケンス処理がなされる毎に、そのステータス情報が車両10からセンター20に送信され、センター20で管理される。そして、センター20では、リプログラミング処理を各段階に分割したフェーズ処理が、通常処理時間を所定値α以上超過することで、そのフェーズに異常が生じたと判定する。そして、センター20は、異常が生じたフェーズのみならず、そのうちのどのシーケンスにおいて異常が生じたか等を適宜検討の上、救済措置を施す。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)センター20から車両10への信号の送信をトリガとして車両10内において実行される処理(リプログラミング処理等)を各段階に分割した処理(フェーズ処理)に要する時間が、通常処理時間を所定値α以上超過することで、異常が生じていると判定した。これにより、車両10で異常が生じた事態をセンター20において把握することが可能となる。これに対し、車両10から異常が発生した旨を通知する構成とする場合、車両10から異常の発生をセンター20に通知できない場合や、異常の検知自体ができない場合には、センター20において車両10で異常が生じたことを把握することができない。
(2)車両側処理装置12の電源のオン、オフを加味して車両10内において処理がなされている時間(車両稼働時間)を算出した。これにより、車両稼働時間を高精度に算出することができる。
(3)フェーズに要する時間が通常処理時間を所定値α以上超過するか否かを判断することで、リプログラミングの処理の完了までの予測時間とリプログラミングの開始からの継続時間とを比較する場合と比べて、異常を迅速に判断することができ、ひいては異常に迅速に対処することが可能となる。
(4)センター20において、各フェーズのステータス情報のみならず、フェーズ内の各シーケンスの処理のステータス情報についてもこれを管理した。これにより、センター20において、車両10内で実施されている処理のフェーズのみならず、シーケンスについても把握することができる。
<技術的思想と実施形態との対応>
以下、上記「課題を解決するための手段」に記載された技術的思想と、実施形態との代表的な対応関係を記載する。
[技術的思想1:車両用情報処理装置…20、車載制御装置…14、プログラム…18a、送信処理部…M20、予測時間…通常処理時間、判断処理部…S38][技術的思想2:「処理が完了した旨の信号を送信する」…S14]
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「予測時間について」
上記実施形態では、車種毎に、各処理に要する標準時間(通常処理時間)を記録した通常処理時間リストM26に基づき、該当する車種の通常処理時間を予測時間としたが、これに限らない。たとえば、車両10から、車両側処理装置12やCPU16の動作周波数に関する情報を取得することとする一方、通常処理時間リストM26を、情報処理装置やCPUの動作周波数毎に通常処理時間を記録したリストとし、該当する動作周波数の通常処理時間を予測時間としてもよい。
また、たとえば通常処理時間に代えて、予測される時間(標準時間)を所定以上超過する時間(通常処理時間+α)を記憶するようにしてもよい。この時間は、予測される時間を踏まえたものであり、予測される時間に関する情報を含んでいる。
また、センター20が予め予測時間のリスト(通常処理時間リストM26)を記憶するものに限らない。たとえば、センター20が、車両10から送信された車両10を特定する情報に基づき、車両10が処理を完了するのに要する時間情報(通常処理時間)をネットワークを介して取得するようにしてもよい。
さらに、予測時間の算出対象となる処理としては、フェーズに限らず、たとえば各フェーズ内のシーケンスであってもよい。
・「経過時間について」
上記実施形態では、通信履歴に基づき、特定のフェーズの処理が開始されたタイミングからの経過時間であって、電源が停止される時間を除いた時間を特定のフェーズの処理の継続時間としたがこれに限らない。たとえば、リプログラミング処理がなされる期間においては、通常、リプログラミング処理を実行する電子機器に対する電源はオンとなっていると考えられることから、特定のフェーズの処理が開始されたタイミングからの経過時間としてもよい。
・「ステータス情報の送信タイミングについて」
上記実施形態では、各シーケンスの完了タイミングにおいて、車両10からステータス情報を送信するようにしたが、これに限らない。たとえば、センター20から車両10にステータス情報を送信するように要求をすることが可能とし、車両10側では、各シーケンスの完了タイミングと、センター20からの要求を受信したタイミングとの双方においてステータス情報を送信するようにしてもよい。なお、センター20では、要求に応じて送信されたステータス情報については、これを車両ステータスリストM22に加えないことが望ましい。これにより、たとえば、車両10から自発的に送信されるステータス情報と、要求に応じて車両10から送信されるステータス情報との時系列が、実際のシーケンスに応じたステータス情報と矛盾することに起因して、車両ステータスリストM22内のステータス情報に矛盾が生じる事態を回避することが可能となる。またたとえば、車両10から自発的に送信されるステータス情報と、要求に応じて車両10から送信されるステータス情報とが重複することに起因して、車両ステータスリストM22内のステータス情報が重複する事態が生じることを回避することが可能となる。
・「そのほか」
上記実施形態では、リプログラミング処理に異常が生じるか否かをセンター20で管理することを例にとって説明したが、これに限らない。たとえば、センター20から情報の収集条件に関する信号が送信されることをトリガとして車両10内の情報収集機能M18によってなされる情報収集処理について、その異常を管理してもよい。この場合であっても、情報収集処理を、複数のフェーズに分割し、各フェーズに要する時間である通常処理時間を通常処理時間リストM26に記憶しておくことで、上記実施形態に例示した要領で、異常の有無を管理することができる。
上記実施形態では、リプロ機能M16を、ECU14とは別の車両側処理装置12内に搭載することとしたが、これに限らず、機能の一部をECU14に持たせてもよい。
M10…通信機能、M12…車両ステータス管理機能、M14…車両ステータス、M16…リプロ機能、M18…情報収集機能、M20…通信機能、M22…車両ステータスリスト、M24…通信履歴リスト、M26…処理時間リスト、M28…救済方法リスト、M30…車両ステータス管理機能、10…車両、12…車両側処理装置、14…ECU、16…CPU、18…メモリ、18a…プログラム、20…センター、30…ステータス情報。

Claims (1)

  1. 車載制御装置によって実行されるプログラムを更新する更新用データを前記車載制御装置を搭載する車両に送信する送信処理部と、
    前記更新用データの送信に伴って前記車両において前記更新用データに基づきリプログラミングを完了するまでに実行される各処理に要する予測時間と、前記車両における前記各処理の開始からの経過時間との比較に基づき、前記各処理が正常に行われているか否かを判断する判断処理部と、を備え
    前記車両は、前記各処理のそれぞれが完了する毎に、該処理が完了した旨の信号を送信するものであり、
    前記判断処理部は、前記完了した旨の信号を受信するまでの時間が前記予測時間を所定以上超過している場合に異常と判断するものであり、
    前記判断処理部によって異常と判断される場合、異常状態の種類と実施中の処理毎の救済処理とが含まれる救済方法リストから選択した救済措置を実行する車両用情報処理装置。
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