JP6342778B2 - 正孔を保有する基材−シリカゾル乾燥物複合体及びその製造方法 - Google Patents

正孔を保有する基材−シリカゾル乾燥物複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、正孔を保有しウイルス不活化作用を有する基材−シリカゾル乾燥物複合体及びその製造方法に関する。また、本発明は上記基材−シリカゾル乾燥物複合体を利用した製品、特にマスク又はエアフィルタに関する。
生活空間である大気及び水中に存在するウイルス類、あるいは大腸菌などの病原菌や揮発性有害有機物を、副作用を伴うことなく、短時間で浄化する技術として光触媒が知られている。
このような作用は、光触媒が紫外線照射を受けることにより、活性酸素種を発生させてウイルス類を不活化、滅菌、分解することにあるといわれている。活性酸素とはスーパーオキサイドアニオン、過酸化水素水、ヒドロキシラジカルおよび一重項酸素を指すが、中でも,半導体が紫外線などの光照射を受けて価電子帯の電子が励起され導電帯に移動したあとに生成する正孔(h)が水の水素原子から電子を奪って生成するヒドロキシラジカル(OH・)が、さまざまな物質を酸化させて分解・滅菌することから特に高い評価を得ている。
しかしながら、ヒドロキシラジカルを生成させる正孔を太陽光が当たらない室内で光触媒から生成させるには光触媒に紫外線を照射する必要があり、例えば、衛生マスクなど光が届かない環境では、触媒機能が発揮されないという問題がある。また、太陽光の紫外線の代わりに照明用の可視光で動作する触媒の場合には、発生した正孔が励起されて移動した電子と再結合して失われることが多く、その防止には白金などの貴金属の配合が必要なためコストが高くなるという問題もある。これらの事情から無光下で正孔を保有し機能する触媒を坦持した材料が求められている。
このような無光下で正孔を保有する触媒体として、特許文献1には、不定比酸化物および/または不定比窒化物がp型半導体を構成する遷移金属または該合金の金属欠乏型不定比酸化物または金属欠乏型不定比窒化物を金属、セラミックス、プラスチックおよび繊維質から構成されるいずれかの構造体の表面に担持した構造体が水分子との共存環境下で発生するヒドロキシラジカルの酸化機能により、有機物および無機物を分解する触媒が提案されている。
また、特許文献2には、チタンなどの遷移金属のカルボン酸塩及び遷移金属酸化物のカルボン酸塩群から選んだ1種又は2種以上及びシリカゾルを有効成分とする水溶液を塗布・乾燥させた基材が光の照射を受けない状態で正孔を保有することが示されている。その証拠として表面にラジカルトラップ剤DMPO(5,5−ジメチルー1−ピロリンーN−オキシド)水溶液を滴下した液の電子スピン共鳴試験のESR分光スペクトルにはヒドロキシラジカルが存在したと認定されるDMPO−OH・の4本のピークが検出されたことから正孔を保有することが記載されている。
特許文献3には、マスク本体の呼吸通過箇所に、ヒドロキシラジカルを発生する微粒子状の抗ウイルス剤が付着した繊維基材と活性炭シートとが積層されていることを特徴とする衛生マスクが開示されている。また、特許文献4には、一価銅化合物を有効成分として含むウイルス不活化剤が、明所のほか暗所においてもウイルス不活化機能を発揮することが記載されている。
さらに、特許文献5には、フェイスマスクであって、殺菌剤を有する最外層を含む複数の層を含み、殺菌剤含有層は、付加固体百分率で、ポリヘキサメチレンビグアニドを0.01から20重量パーセント、クエン酸を0.01から10重量パーセント、及びN−アルキルポリグリコシド(N−alkyl polyglycoside)を0.01から10重量パーセント有することを特徴とするフェイスマスクが開示されている。
特許文献6にはマスクやエアフィルタの交換時に捕捉されていたウイルスなどが飛散するため安全性を確保するためにマスクやエアフィルタの濾材としてオレイン酸アルカリ金属塩及びジオクチルスルホコハク酸アルカリ金属塩から選ばれた陰イオン表面活性剤を有効成分とする抗ウイルス剤を担持させたシートが提案されている。
一方、特許文献7には、有機溶媒分散シリカゾルをポリエステルやアクリル樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂に配合して使用する場合、コロイダルシリカ粒子表面の固体酸性の作用を呈することが指摘されている(明細書段落0003)。
特開2006−43574号公報 特開2013−126623号公報 特開2012−152327号公報 特開2011−153163号公報 特許第4823314号公報 特開2010−24587号公報 特開2007−63117号公報
しかしながら、特許文献1に開示された触媒体は、その実施例によれば、密閉容器内に対象となる金属Tiの粉末を挿入し昇温、還元雰囲気下で表面を活性状態としたのち、目標とする温度までサンプルを加熱し、所定分圧の酸素を導入し、時間経過とともにサンプルの酸化により酸素分圧が低下するので所定分圧に調整保持し、酸素分圧の低下が認められなくなった時点で処理を終了後はサンプルを可能な限り急冷し、得られた粉体を秒速100m以上の流速を有する空気または窒素ガスを主体とするキャリアーガスにより金属、合金、セラミックス、プラスチックの表面に衝突させることによりこれら構造体の表層に前記の金属欠乏型不定比酸化物粉体を固定する、というものであり製造コストが非常に高いという問題があった。
一方、特許文献2に開示された基材−触媒被膜は、その製造に当たり、その主成分として遷移金属のカルボン酸塩又は遷移金属酸化物のカルボン酸塩を用いるものであるが、これら原料薬剤の製造工程が複雑で手数が掛かりその製造コストが非常に高いためにこの正孔触媒の製造コストも高くなる、という問題点がある
特許文献3には、マスク本体の呼吸通過箇所に、ヒドロキシラジカルを発生する微粒子状の抗ウイルス剤が付着した繊維基材と活性炭シートとが積層されているマスクが開示されているが、ここに開示されている抗ウイルス剤は、例えば、ドロマイト等を焼成し粉砕し、それを中和した後、粉砕して微粒子としたものであって、繊維基材にたとえば接着剤成分によって付着せしめられるものである。そのため、有効成分である微粒子が接着剤により覆われて効果が減殺されるおそれがあるほか、製造コストが嵩むおそれがある。
特許文献4に提案されている手段は、有効成分である酸化第一銅の大気中の限界濃度が1mg/mと毒性の強い物質であって、その取り扱いに強い注意を要するうえ、第一酸化銅自体には基材に対する付着力がないので、基材に固着するにはバインダーを必要とするという問題がある。また、特許文献5に開示されたフェイスマスクは、その殺菌作用を呈する殺菌剤が、主として化学薬剤であり、効果の発現には30分程度を要するためにウイルスがマスクを通過中に不活化が期待できないという問題がある。
また特許文献6に提案された抗ウイルス剤の人体に対する安全性が不明であるという問題がある。このほかにも抗ウイルス剤は多数提案されているが抗ウイルス性が認められるものはそれなりに人体に対しても毒性もあることが多くマスクに実用化されたものはないのが実情である。
特許文献7の記載はコロイダルシリカ粒子表面の固体酸性触媒の作用について示唆するものであるが、生活空間の浄化作用に結びつくものではない。
本発明は、上記先行技術文献に記載の問題点を解決するものであって、その製造コストが極めて低く、かつ空間に使用したとき、迅速に抗ウイルス作用等を呈しながら、人体に無害である基材−シリカゾル乾燥物複合体、その製造方法及びそれを利用する製品、特にマスク及び空気処理装置を提案することを目的とする。
本発明者は、前記特許文献2に開示した手段についてさらに正孔の存在を電子スピン共鳴による立証や抗ウイルス性を含む詳細な研究を続けてきた。その結果、シリカゾルを基材に塗布して℃から150℃、好ましくは、℃から50℃の雰囲気温度で乾燥させた基材−シリカゾル乾燥物複合体が無光下で正孔を保有し、水分と接触するとヒドロキシラジカルを発生することを知見し、本発明を完成したものである。
本発明に係る基材―シリカゾル乾燥物複合体は、織布又は不織布からなる基材と、該基材上に粒径が4nm〜0.7μmのシリカゾルのみを塗布後、雰囲気温度が4〜150℃で乾燥してなり正孔を保有するシリカゾル乾燥物とを有することにより特徴づけられる。
上記発明において、原料であるシリカゾルは、それを構成するシリカ粒子の粒径が8〜20nmの範囲にあることが望ましい。
上記各発明において、基材へのシリカゾルの塗布後の乾燥雰囲気温度は、〜150℃、特に、〜50℃の範囲とするのが好ましい。
上記各発明において、基材を織布又は不織布のいずれか又はこれらの複合物とする。
本発明においては、これら基材に対するシリカの付着量を、乾燥状態において、前記基材の単位表面積当たりの質量(g/m)当たり0.1〜2.1gの範囲とすることが望ましい。
前記各発明は、水と接触した際にヒドロキシラジカルを発生すること、さらに、無光下においてウイルス不活化作用を呈することにより特徴づけられる。
上記正孔を保有する基材−シリカゾル乾燥物複合体は、質量比で、1%以上40%以下のシリカを含有し、該シリカの粒径が4nm〜0.7μmであるシリカゾルのみを織布又は不織布からなる基材上に、付着量が、乾燥状態で、前記基材の単位表面積当たりの質量(g/m)当たり0.1〜2.1gの範囲になるように塗布した後、4〜150℃の雰囲気温度で乾燥させことより製造することができる.
前記基材−シリカゾル乾燥物複合体は、マスク、特に衛生マスクに適用するのが好適である。この場合において、マスクを、それを構成する部材のうち、少なくとも呼気透過部分発明のいずれかに記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体を有してなるものとすることができる。
衛生マスクには種々のタイプがあるが、特にガーゼマスクとするのが好適であり、その呼気透過部分に対し、前記基材−シリカゾル乾燥物複合体を装着してなるものとすることができる。
前記基材−シリカゾル乾燥物複合体を空気処理装置に適用することができる。例えば、空気処理装置を構成する部材のうち、少なくとも排気側又は吸気側の一方又は双方にエアフィルタ・エレメントとして装着することができる。
本発明により、無光下での迅速な抗ウイルス作用や殺菌作用などを呈する基材−シリカゾル乾燥物複合 体を、その製造コストを極めて低く提供することが可能になる。また、本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体を衛生マスクやエアフィルタの濾材等の無光下で迅速なウイルス不活化等の機能を求められる部材に適用することにより、生活空間において効果的にウイルス不活化や病原菌を殺菌、さらには、シックハウス症候群をもたらすVOCの除去などが可能になるなど、市民の健康維持に寄与することも可能になる。
図1は、本発明で利用するシリカゾルの乾燥・脱水過程における熱分析結果を示すチャートである。 図2は、本発明の一実施例(実施例2)に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体によるウイルス力価の時系列的変化を示すグラフである。
本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体は、基本的には、基材と、該基材上にシリカゾルのみを塗布後、乾燥して得られる正孔を保有する基材−シリカゾル乾燥物複合体として特徴づけられる。
基材として用いる織布又は不織布の材質については、特に制限を設ける必要はなく、例えば、比較的低温で分解する天然繊維や合成繊維が使用可能である。
本発明においては、シリカゾルのみを有効成分として含有する溶液がこれら基材の上に塗布・乾燥されて正孔を有する基材−シリカゾル乾燥物が形成される。かかるシリカゾル乾燥物は、シリカゾルのみを含有する溶液が室温を含む低温で徐々に脱水乾燥される過程で生成する。生成した乾燥物の詳細は、必ずしも明確でないが、シリカゾル溶液中に存在すると(Si(OH)−2等のOH基が低温で徐々に乾燥し遊離水分が蒸発する場合には離脱・脱水が遅れ、乾燥後にマイナス電荷に見合う正孔が発生するものと推定される。
本発明において使用するシリカゾル溶液には、水を分散媒にしたものと、有機溶媒を分散媒にしたものがあり、その双方が使用可能である。その濃度は、質量比で、1〜40%程度とするのがよい。濃度が低すぎる場合には、十分な付着量を有する基材−シリカゾル乾燥物を得るために必要なシリカゾル溶液量が多くなり過ぎ、生産効率の低下を招く。一方、濃度が高すぎる場合は付着量を適正範囲に管理できず基材−乾燥物複合体の通気度が確保しにくいなどの不具合が起こる。
乾燥温度も重要である。乾燥雰囲気温度が150℃より高いときには、本発明の特有の効果が発現しがたくなり、逆に℃未満ではシリカゾルが凍結やゲル化しやすいため、本発明の目的を達成することができない。適当な乾燥雰囲気温度は、前記シリカゾルの濃度や乾燥の際の通風条件などにも影響されるが、一般に℃以上150℃以下、好ましくは、℃以上50℃以下とすることができる。
図1は、シリカを質量比で20%含有するシリカゾル(日産化学工業(株)製のスノーテックスO(商標))の水溶液をガラス板上に滴下し、自然乾燥して得られた粉末の熱分析試験を行った結果を示すグラフである。試験器としては、セイコーエプソン(株)EXSTAR6000(登録商標)を用い、室温20℃の試験室で、熱分析条件は、昇温速度:5℃/minとし、熱分解ガスによる測定機器の腐食防止のため空気を300mL/min、(流速:1m/min)の割合で流した。
図1から、自然乾燥して得られたシリカゾル粉末は、加熱前の通風状態ですでに減量し始め、加熱過程においては、約46℃における吸熱ピークを伴う急激な減量が100℃から緩やかになり、発熱も緩やかになって400℃でピークに達することが分かる。図1において、57.6℃までの減量は11.2%と算定される。また、シリカゾルの大半は、約150℃までの乾燥過程において、部分的脱水生成物に変性していると推定される。
このような部分的脱水生成物は、基材上に生成されたとき、以下の実施例等から明らかなように、正孔(h)が存在するものとなり、接触した相手から電子を奪う、すなわち酸化作用により、後述するようにさまざまな効果を生ぜしめる作用を呈すると推定される。
以下、実施例により、発明の態様を一層明らかにする。
(実施例1:乾燥温度の適正値の確認・評価)
シリカゾル乾燥温度の正孔形成に対する影響を、電子スピン共鳴(ESR)分光法を用いて調べる。正孔が水と反応して生成するヒドロキシラジカルOH・は反応性が高く寿命が短いのでスピントラップ剤DMPO(5,5−dimethyl−1−pyrroline−N−oxide)と反応させて安定なラジカルDMPO−OH・に変換させ、そのESRのスペクトルからピークの大きさで定量する。
(試料の準備)
基材としてコットンスパンレース不織布(ユニチカ(株)製コットエースCO60S/A18(商標)、目付量:60g/m)を準備した。これを25×40mmのサイズに裁断し、ステンレス金網上に載置した状態で、水を分散媒とするシリカゾル(日産化学工業(株)製スノーテックスO(商標)を2倍量の水で希釈して濃度:6.7室量%とし、基材1枚あたり0.35mLを滴下、4℃,28℃,50℃,80℃、及び150℃の雰囲気中で乾燥してESR測定用の試料とした。試料は、乾燥温度ごとに各3枚準備した。
(DMPO反応液の調整)
測定用試料を次のようにしてDMPO水溶液と反応させ、DMPO反応液(DMPO−OH・を含む液)を得た。
(1)前記により準備した各3枚を26×75mmのスライドガラスに重ねて載置する。
(2)その上から濃度5質量%のDMPO水溶液を、1.1mL滴下・浸透させる。
(3)さらに、別のスライドガラスをDMPO水溶液を滴下・浸透したシリカゾル塗布コットン不織布に被せて5分間保持する。
(4)上下面のスライドグラスを強く圧下して、測定用試料と反応したDMPO反応液を絞り出して(約0.4ml)、ESRの測定用DMPO反応液とする。
(ESRの測定)
得られたESR測定用DMPO反応液について、日本電子(株)JES−RE3Xを用い、共鳴周波数:9.4GHz、掃引幅:334.5±7.5mT,磁場変調幅:0.2mT,時定数:0.03secの条件でESRを測定した。得られたスペクトルはDMPO−OH・特有の強度比:1:2:2:1の4本線シグナルを示したので、そのピーク値を測定した。
対比のため、前記基材(無処理の不織布)を用いて、DMPO反応液の調整及びESRの測定を行い、コントロール値を得た。
評価は、前記ピークの大きい中央2本のうち左側のピーク値とのコントロール(シリカゾルを塗布しないコットン)値の差によって行った。結果は表1に示す。
表1から、実施例1の乾燥条件の範囲内では、乾燥温度、乾燥条件の如何にかかわらず、無処理(コントロール)の場合に対してピーク差が認められることが分かる。このことは、実験の範囲内において、正孔(h)を有する基材−シリカゾル乾燥物複合体が得られていることを示している。特に、乾燥条件を、温度:28℃、4時間の自然乾燥、及び50℃、30分の熱風乾燥の場合には、正孔(h)の保有量が特に高くなることを示している。このような実験を繰り返すことにより、乾燥温度として〜50℃を採用することが、正孔を(h)を有する基材−シリカゾル乾燥物複合体を得るのに特に好ましいことが分かる。
参考例:シリカゾルのシリカ粒径の影響)
市場で入手できる種々のシリカゾルを基上に塗布・乾燥し、得られた基材−シリカゾル乾燥物について、下記のメチレンブルーテストを行い、シリカゾルの種類の差のもたらす正孔の生成への影響について調査した。調査は、基として、55%Al−Znめっき鋼板を用い、その3cm×3cmの正方形の試片の表面に表2に示すシリカゾル溶液を30μL滴下後、温度26℃の雰囲気で、4時間自然乾燥した。得られた55%Al−Znめっき鋼板−シリカゾル乾燥物の表面(シリカゾル被膜の生成側)上に、0.3mモル/Lのメチレンブルー水溶液50μLを滴下後,直ちに、ポリプロピレンフイルムを被せて1分間保持後、前記ポリプロピレンフイルムを剥がし、精製水2mlで表面を洗浄し、洗浄液の濃度を分光光度計で測定するメチレンブルーテストにより行った。なお、調査は、55%Al−Znめっき鋼板試片の各3枚について行い、結果は平均値によって示した。結果は、表2に示す。
調査に用いたシリカゾルの種類、その粒径、形状および濃度は表2に示すとおりである。ここにシリカゾルの粒径とは、シリカゾルメーカーのカタログの値を意味し、その濃度とは、シリカゾル溶液中に含まれるシリカ分の質量比(%)を意味する。また、形状とは、シリカゾル溶液を電子顕微鏡下で観察したとき得られるシリカ粒子の形状を意味し、球状とは、視野に現れるシリカ粒子がほぼ球形である物を、多孔質とは孔径が2〜15nmの細孔が粒子表面に多数存在する直径300〜700nmの球形の粒子を意味する。
得られた結果から
(1)シリカゾルのシリカの形状が球形のものについては、シリカゾルの濃度が同じ場合は粒径が小さい方が、メチレンブルー濃度が低くなる、すなわち、正孔の生成が多いが、シリカゾルの濃度が低いとその分正孔の発生量も少なくなる。
(2)シリカゾルのシリカの粒径が粗大で形状が多孔質な場合も、シリカの形状が球形の場合と同様に、粒径が小さい方が正孔の生成は多いようであるが、そのレベルは粒径が10分の1以下の球状シリカのものと大差なく、微細な細孔が粒子表面に多数存在することによる比表面積の寄与が大きいことがわかる。
(3)基材への付着力は粒径が小さいほど大きく、基材−シリカゾル乾燥物複合体の特性として基材への密着性は重要な要素である。したがって、高濃度で粒子径の小さいシリカゾルが主目的の正孔の生成機能も含めて望ましい、ということになる。
(実施例3:抗ウイルス性の確認・評価)
(試料の調整)
表3に示す各素材について、30mm×30mmのサイズの小片を準備し、実施例1と同様の手順で、水を分散媒とする粒径10−15nmのシリカゾル(日産化学工業(株)製スノーテックスO(商標)を精製水で希釈して得た、濃度:6.7質量%のシリカゾル溶液をガラスクロス小片上には100μL、コットン小片上には350μLを滴下し、50℃の雰囲気で30分間乾燥して基材−シリカゾル乾燥物複合体の試料を得た。
(抗ウイルス性の評価)
抗ウイルス性の評価は、下記の方法により、インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス性をウイルスの力価(HA価)に与える影響により評価した。
(1)力価128HA以上のニワトリ胚で培養したA/Philippine/2/82(H3N2)インフルエンザウイルス液0.5mlを前記基材−シリカゾル乾燥物複合体の30mm×30mmの各試料小片に添加する。
(2)得られたインフルエンザウイルス液添加後の各小片を37℃、1時間インキュベートする。
(3)インキュベート後の各小片に対し、2mlのPBS(リン酸緩衝液)による洗浄を3回行って、基材−シリカゾル乾燥物複合体とインフルエンザウイルス液との反応後の力価測定液とした。
(4)力価(HA価)の測定は、96穴マイクロプレートを用いた「赤血球凝集(HA)試験」により測定し、結果は表4に示した。
抗ウイルス活性値(L)は、触媒機能も含めたクロス自体の抗ウイルス性を表し、ウイルス減少値(N)は触媒による抗ウイルス性を表している。抗ウイルス活性値(L)が0のときには、抗ウイルス性がなく、正の値をとるときに抗ウイルス性があると判断され、ウイルス減少値(N)が0のときには、触媒坦持処理による抗ウイルス性の増加はなく、正の値を取るときに抗ウイルス性の増加があると判断される。抗ウイルス活性値(L)は、触媒と基材の両者が持つ抗ウイルス性の和と考えられる。表3に示すように、本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体は、基材として用いた各種の繊維素材に対して、ウイルス不活化作用を呈することが分かる。
(実施例4:基材―シリカゾル乾燥物複合体の確認・評価)
(試料の調整)
基材としてソフトタイプコットン不織布(ユニチカ(株)製コットエース、CO80S/Z09(商標)、目付量:80g/m)を10x10mmに切断し、水を分散媒とするシリカゾル(日産化学工業(株)製スノーテックスC(商標)を純水で希釈して得た、濃度5.1質量%のシリカゾル水溶液を基材1枚あたり0.03mL滴下、10時間自然乾燥して基材―シリカゾル乾燥物を得た。なお、通気度測定用の100x100mmサンプル濃度5.1質量%シリカゾルを刷毛塗りした乾燥シリカゾル付着量は0.25g/g/mで、これら無処理およびシリカゾルを塗布した不織布の通気度はJIS L1096 A法 フラジール法によれば、それぞれ59、62cc/cm/secであった。
(抗ウイルス性の評価)
得られた基材−シリカゾル乾燥物複合体について、インフルエンザウイルス液の添加量を0.05ml、インキュベート時間を0分間、10分間としたほかは、実施例3と同様にして、基材−シリカゾル乾燥物複合体とインフルエンザウイルス液との反応後の力価測定を行った。また、基材として用いたソフトタイプコットン不織布についても対照材としてインフルエンザウイルス液との反応後の力価測定を行った。測定結果は図2に示す。
図2から分かるように、ウイルス液が、本発明に係るシリカゾル乾燥物複合体と接触した場合0分でウイルス力価が最大1.6と急激に低下すること分かる。実際には50μLのPBS水でウイルス液を流す作業を2回行うのに約1分を要するが本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体から発生するヒドロキシラジカルによりHAの糖たんぱくが急激に分解無能化することが明らかである。
なお、実施例3及び4で述べた不織布にシリカゾルを塗布して乾燥して作成したサンプルは、ESRや抗ウイルスの試験前に精製水に1時間浸漬後自然乾燥したものであり、本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体及びその応用物品は、水に不溶であることから水洗が可能である。また、乾燥後は正孔が再生するので、基材−シリカゾル乾燥物複合体及びその応用物品は繰り返し水に接触する使用が可能である。
上記実施例に示すごとく、本発明においては抗ウイルス性の評価にはインフルエンザウイルスのHAの不活化を評価に用いており、HAが存在するエンベロープを有するウイルス、すなわち風疹ウイルス,麻疹ウイルス、SARSコロナウイルス、日本脳炎ウイルスどにはすべて効力を発揮する。ここに、HAとはインフルエンザウイルスなどが持つエンベロープと呼ばれる脂質膜の外側にスパイク状に並んでいる2種類の糖たんぱくの一つでヘマグルチニン(赤血球凝集素)のことであり、ウイルスが標的細胞に感染する機能を持つ。糖たんぱくが正孔またはヒドロキラジカルにより分解すると感染力が失われるのでウイルス力価の評価に用いられる。
市販のガーゼマスク(商品名:ふんわりコットンガーゼマスク、コットンガーゼ6層、サイズ135x95mm、株式会社大創産業製)のガーゼ重なり合い部に、実施例3で作成したシリカゾル−乾燥物複合体シート(9cm×9cm)を1枚ずつ3枚挟み込み、抗ウイルス用ガーゼマスクとした。この抗ウイルス用ガーゼマスクは、ウイルス力価の低下はlog4.8すなわち、もとのウイルスの63000分の1,99.98%低減できることになる。
以上、本発明の実施形態を、その実施例を含めて明らかにしたが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。特に、本発明に係る基材−シリカゾル乾燥物複合体の環境浄化作用がシリカゾル乾燥物の有する正孔(h)によるものであること、及び環境浄化作用の結果、一旦、正孔が失われても、乾燥させることにより、その再生が可能であることを考慮すると、下記のように多面的な利用が期待できる。すなわち、正孔を保有しているので衛生マスクに使用するとマスク通過中にウイルス不活化するというこれまでにない特異な機能を発揮する。空気清浄機やエアコンのフィルタとしても光の照射なしで、シックハウス症候群をもたらすVOC(揮発性有害有機化合物)や悪臭も正孔により酸化されて分解・無害化・浄化が可能である。

Claims (9)

  1. 織布又は不織布からなる基材(直径1μm以下のガラスクロスを除く。)と、該基材上に粒径が4nm〜0.7μmのシリカゾルのみを塗布後、雰囲気温度が4〜150℃で乾燥してなり正孔を保有するシリカゾル乾燥物とを有することを特徴とする基材―シリカゾル乾燥物複合体。
  2. シリカゾルの粒径が8〜20nmであることを特徴とする請求項1に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体。
  3. 基材に対するシリカゾルの付着量が、乾燥状態で、前記基材の単位表面積当たりの質量(g/m)当たり0.1〜2.1gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体。
  4. 基材−シリカゾル乾燥物複合体は、水と接触した際にヒドロキシラジカルを発生することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体。
  5. 無光下においてウイルス不活化作用を呈することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体。
  6. マスクを構成する部材のうち、少なくとも呼気透過部分が請求項1〜5のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体により構成されていることを特徴とする衛生マスク。
  7. 本体がガーゼマスクであり、その呼気透過部分に対し請求項1〜5のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体を装着してなる衛生マスク。
  8. 空気処理装置を構成する部材のうち、少なくとも排気側又は吸気側の一方又は双方に請求項1〜5のいずれか1項に記載の基材−シリカゾル乾燥物複合体をエアフィルタ・エレメントとして装着してなる空気処理装置。
  9. 質量比で、1%以上40%以下のシリカを含有し、粒径が4nm〜0.7μmであるシリカゾルのみを織布又は不織布からなる基材上に、付着量が、乾燥状態で、前記基材の単位表面積当たりの質量(g/m)当たり0.1〜2.1gの範囲になるように塗布した後、4〜150℃の雰囲気温度で乾燥させることを特徴とする正孔を保有する基材−シリカゾル乾燥物複合体の製造方法。
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