JP6342229B2 - 粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材に関する。特に、本発明の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして有用である。
近年、光学部品・電子部品の輸送やプリント基板への実装に際して、個々の部品を所定のシートで包装した状態や、粘着テープを貼り付けた状態により、移送することが行われている。なかでも、表面保護フィルムは光学・電子部品の分野においては、特に広く用いられている。
表面保護フィルムは、一般的に支持フィルム側に塗布された粘着剤を介して、被着体(被保護体)に貼り合わせ、被着体の加工、搬送時に生じる傷や汚れを防止する目的で用いられる。例えば、液晶ディスプレイのパネルは、液晶セルに粘着剤を介して、偏光板や波長板などの光学部材を貼り合わせることにより形成されている。そして、この表面保護フィルムが不要になった段階で、剥離して除去される。
表面保護フィルムには、被着体(偏光板など)に貼り付けた際に、表面保護フィルムを貼付した被着体(偏光板など)において、不必要なカールや意図しないカール(カールとは反り返る現象をいい、例えば平板状のものが、どちらか一方の面側に全体的に反り返る現象、平板状のものが全体的に波打つように反り返る現象などをいう。)を生じないように、カール調整性が求められてきている。不必要なカールや意図しないカールが生じると取り扱い性に劣り、例えば、偏光板などの被着体を液晶セルに貼り付ける際に気泡の噛み込みなどの不具合が生じることがある。
平板状の被着体にカールが生じる場合、被着体に貼り合せられた表面保護フィルムの粘着剤層には、せん断方向にカールに伴う力が作用し、この力により被着体と粘着剤層との間で徐々に滑り(ズレ)等が生じるため、低速剥離時におけるせん断力の向上が求められている。
また、被着体(被保護体)の加工、搬送時に、表面保護フィルムの浮きや剥がれなどが生じないように、適度な粘着力を有しつつ、剥離時には、軽剥離性(再剥離性)が求められている。
そこで、軽剥離化を実現するため、表面保護フィルムに使用される粘着剤組成物には各種手法が施されている。例えば、粘着剤組成物に用いるポリマーにガラス転移温度(Tg)の高い成分やシリコーン系モノマー、反応性界面活性剤等を含有させる例、粘着剤組成物を高度に架橋させる例等が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記方法では、軽剥離化が実現できた場合であっても、界面活性剤などの添加剤を含有させることにより、粘着剤層と被着体との界面において、添加剤がブリードアウトし、汚染の発生や、それに伴い、滑り(ズレ)が生じやすくなる懸念も有している。
特許第2543545号公報
そこで、本発明の目的は、従来の粘着シート(表面保護フィルム)における問題点を解消すべく、滑り(ズレ)、浮きや剥がれが生じにくく、粘着性、及び、再剥離性に優れる粘着シートを得ることができる粘着剤組成物、前記粘着剤組成物を用いて形成される粘着シート、及び、前記粘着シートを表面保護用途に用いて貼付してなる光学部材を提供することにある。
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、モノマー成分として、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを50〜99.9質量%含有する(メタ)アクリル系ポリマー、及び、下記式により示されるヒドロキノン類(I)、カテコール類(II)、及び、レゾルシノール類(III)から誘導される化合物からなる群(以下、「化合物群(I)〜(III)」という場合がある。)より選択される少なくとも1種を含有し、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記化合物を、0.0001〜1質量部未満含有することを特徴とする。
Figure 0006342229
(式中、R及び/又はRは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、又は、ポリオキシアルキレン基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。また、R〜Rは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、ポリオキシアルキレン基、又は、ハロゲン原子含有の官能基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。)
本発明の粘着剤組成物は、前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分として、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、イオン性化合物を含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層を、支持フィルムの片面または両面に形成してなることが好ましい。
本発明の粘着シートは、表面保護用途に使用することが好ましい。
本発明の光学部材は、前記粘着シートが貼付されていることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物を用いることにより、前記粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層(粘着シート)を、被着体(被保護体)に貼り合わせた後に、滑り(ズレ)、浮きや剥がれの発生を抑制できるため、カール調整性に優れ、更に、剥離時までの適度な粘着力(粘着性)を維持でき、かつ、剥離時の軽剥離化(再剥離性)を実現することができ、有用である。
実施例等で剥離帯電圧の測定に使用した電位測定部の概略構成図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<(メタ)アクリル系ポリマー>
本発明の粘着剤組成物は、モノマー成分として、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを50〜99.9質量%含有する(メタ)アクリル系ポリマーすることを特徴とする。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーとしては、上記(メタ)アクリル系モノマーを含有し、粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーであれば、特に限定されない。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー成分としては、優れた粘着性が得られることから、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが用いられ、好ましくは、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートである。また、帯電防止剤として、例えば、イオン性化合物を使用する場合、前記イオン性化合物との相溶性のバランスからも、前記モノマー成分を使用することは好ましい態様である。前記(メタ)アクリレートとしては、1種または2種以上を主成分として使用することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、モノマー成分として、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを50〜99.9質量%含有し、好ましくは60〜97質量%であり、より好ましくは70〜95質量%である。前記モノマー成分が前記範囲内にあると、粘着剤組成物に適度な濡れ性と凝集力を得られる観点から好ましい。
本発明において、前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
なかでも、本発明の粘着シートを表面保護フィルムとして用いる場合には、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好適なものとしてあげられる。炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体への粘着力を制御することが容易となり、再剥離性に優れたものが得られやすくなる。
また、その他の重合性モノマー成分として、粘着性のバランスが取りやすい理由から、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)になるようにして、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
本発明の粘着剤組成物は、前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分として、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含有することが好ましい。前記その他の重合性モノマーとしては、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤組成物の架橋などを制御しやすくなり、ひいては流動による濡れ性の改善と剥離における粘着(接着)力の低減とのバランスを制御しやすくなる。さらに、一般に架橋部位として作用しうるカルボキシル基やスルホネート基などを有する(メタ)アクリル系モノマーとは異なり、ヒドロキシル基は、帯電防止剤として使用できるイオン性化合物、およびオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンと適度な相互作用を有するため、帯電防止性の面においても好適に用いることができる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげられる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含む場合において、前記(メタ)アクリル系ポリマーの全構成単位(全モノマー成分)100質量%に対して、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーが0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
また、本発明において用いられる(メタ)アクリル系ポリマーにおいて、上記モノマー以外のその他の重合性モノマーとしては、たとえば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの粘着(接着)力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。これらモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、たとえば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。
リン酸基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸などがあげられる。
酸無水物基含有モノマーとしては、たとえば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、上記のカルボキシル基含有モノマーの酸無水物体などがあげられる。
シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明において、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー以外のその他の重合性モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、前記(メタ)アクリル系ポリマーの全構成単位(全モノマー成分)100質量%に対して、0〜30質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましい。前記その他の重合性モノマーを、前記範囲内で用いることにより、良好な再剥離性を適宜調節することができ、また、イオン性化合物を使用する際には、イオン性化合物との良好な相互作用を図ることができる。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーには、粘着剤層の凝集力を調整するために必要に応じて、モノマー成分として、多官能性モノマーを含有してもよい。
前記多官能性モノマーとしては、たとえば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記多官能性モノマーの含有量としては、その分子量や官能基数等により異なるが、(メタ)アクリル系ポリマーの全構成単位(全モノマー成分)100質量%に対して、0〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%であり、さらに好ましくは0.05〜1質量%となるように添加する。前記多官能性モノマーの含有量が、3質量%を超えると、粘着剤層の凝集力が高くなりすぎ、粘着力が低下したりする場合等がある。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、放射線硬化(放射線エネルギー)重合等の(メタ)アクリル系ポリマーの合成手法として、一般的に用いられる各種の重合方法を適用することができる。特に、作業性の観点や、被着体への低汚染性など特性面から、溶液重合がより好ましい態様である。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
<重合開始剤>
前記(メタ)アクリル系ポリマーの調製に際して、前記モノマー成分を重合する際に、放射線エネルギー (例えば、熱や紫外線などの照射)により、重合する場合、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)等の重合開始剤を用いて、(メタ)アクリル系ポリマーを容易に合成することができる。前記重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記熱重合開始剤としては、たとえば、アゾ系重合開始剤(たとえば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等);過酸化物系重合開始剤(たとえば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、過酸化ラウロイル等);レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
前記熱重合開始剤の含有量としては、特に制限されないが、たとえば、前記(メタ)アクリル系ポリマーを調製するモノマー成分全量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部である。
前記光重合開始剤としては、特に制限されないが、たとえば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[商品名:イルガキュア651、BASF社製]、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、BASF社製]、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[商品名:イルガキュア2959、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[商品名:ダロキュア1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、たとえば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、たとえば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、たとえば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。
また、ベンゾイン系光重合開始剤には、たとえば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、たとえば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、たとえば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、たとえば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、たとえば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、たとえば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、たとえば、前記(メタ)アクリル系ポリマーを調製するモノマー成分全量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部である。前記含有量が0.01質量部より少ないと、重合反応が不十分になる場合がある。また、前記含有量が5質量部を超えると、ポリマーの分子量が小さくなりすぎる場合がある。そして、これにより、形成される粘着剤層の凝集力が低くなり、保持性や耐反撥性などの粘着特性が低下する場合がある。
前記放射線としては、たとえば、紫外線(UV)、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。
さらに、前記光重合開始剤と共に、アミン類などの光重合開始助剤を併用することも可能である。前記光重合開始助剤としては、たとえば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始助剤は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、0.05〜10質量部配合するのが好ましく、0.1〜7質量部の範囲で配合するのがより好ましい。前記範囲内にあると、重合反応を制御しやすく、適度な分子量を得る観点から、好ましい。
なお、前記光重合開始剤を配合した場合において、前記粘着剤組成物を、被着体(被保護体)上に直接塗工するか、あるいはセパレーター等の所定の被塗布体に塗工した後に、または、支持体(基材)上の片面に塗工した後、光照射することにより粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量200〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層が得られる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万〜500万が好ましく、より好ましくは20万〜400万、さらに好ましくは30万〜300万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより、粘着剤層(粘着シート)を剥離する際に、糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、粘着剤組成物(粘着剤組成物溶液)の被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となり、被着体と粘着剤組成物層(粘着剤層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は0℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以下、更に好ましくは−41℃以下、特に好ましくは−51℃以下、最も好ましくは−61℃以下である(通常−100℃以上)。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、例えば、被着体への濡れが不十分となり、被着体と粘着シートの粘着剤組成物層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。特にガラス転移温度を−61℃以下にすることで、被着体への濡れ性と軽剥離性に優れる粘着剤組成物が得られ易くなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
<化合物群(I)〜(III)>
本発明の粘着剤組成物は、下記式により示されるヒドロキノン類(I)、カテコール類(II)、及び、レゾルシノール類(III)から誘導される化合物からなる群(化合物群(I)〜(III))より選択される少なくとも1種を含有する。前記化合物群(I)〜(III)を配合することにより、粘着剤層(粘着シート)を形成する際の加熱工程などにおいて、粘着剤組成物の成分の酸化劣化(分解)などを抑制でき、汚染の防止(低汚染性)や、滑り(ズレ)、浮きや剥がれなどの抑制を達成(再剥離性と粘着性の両立)することができ、好ましい態様となる。
Figure 0006342229
前記式中、R及び/又はRは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、又は、ポリオキシアルキレン基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。また、R〜Rは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、ポリオキシアルキレン基、又は、ハロゲン原子含有の官能基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。
前記ヒドロキノン類(I)から誘導される化合物(ヒドロキノン誘導体)としては、例えば、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール(MEHQ)、4−エトキシフェノール、4−プロピオキシフェノール、4−ブトキシフェノール、4−ペンチロキシフェノール、4−ヘキシロキシフェノール、4−ヘプチロキシフェノール、フルオロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、クロロヒドロキノン、テトラフルオロヒドロキノン、テトラブロモヒドロキノン、テトラクロロヒドロキノン、4−tert−ブトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ペンチルヒドロキノン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、2,3−ジメチルヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノンなどが挙げられる。
前記カテコール類(II)から誘導される化合物(カテコール誘導体)としては、例えば、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール(TBC)、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール、1,2−ジ−メトキシベンゼン、1,2−ジ−エトキシベンゼン、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、3−フルオロカテコール、4−フルオロカテコール、3−ブロモカテコール、4−ブロモカテコール、3−クロロカテコール、4−クロロカテコールなどが挙げられる。
前記レゾルシノール類(III)から誘導される化合物(レゾルシノール誘導体)としては、例えば、レゾルシノール、3−メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3−プロピオキシフェノール、3−ブトキシフェノール、4−フルオロレゾルシノール、5−フルオロレゾルシノール、4−ブロモレゾルシノール、5−ブロモレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、5−クロロレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、4−ブチルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、2,5−ジメチルレゾルシノール、2−メチルレゾルシノールなどが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記化合物群(I)〜(III)より選択される少なくとも1種を、0.0001〜1質量部未満含有し、好ましくは、0.0002〜0.9質量部であり、より好ましくは、0.0003〜0.8質量部である。前記範囲内にあると、酸化防止剤としての機能を発揮すると共に、これらの化合物群(I)〜(III)自体による汚染も抑制でき、好ましい態様となる。
<イオン性化合物>
本発明の粘着剤組成物は、イオン性化合物を含有することが好ましい。前記イオン性化合物としては、アルカリ金属塩、及び/又は、イオン液体であることが、より好ましい。前記イオン性化合物は、常温で、イオン解離性を示す化合物であり、前記イオン性化合物を含有することにより、優れた帯電防止性を付与することができる。中でも、前記アルカリ金属塩は、微量の含有量(配合量)であっても、イオン解離性が高いために、被着体(例えば、偏光板)への汚染を抑えながら、優れた帯電防止能を発現することができ、有用である。また、前記イオン液体は、それ自身で優れた導電性を示すため、粘着剤層に微量含有するだけで、十分な帯電防止能を付与することができ、有用である。
前記アルカリ金属塩としては、たとえば、Li、Na、Kよりなるカチオンと、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、SCN、ClO 、NO 、CHCOO、C19COO、CFCOO、CCOO、CHSO 、CFSO 、CSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、(CFSO)(CFCO)N、(CHPO 、(CPO 、CH(OCOSO 、C(CH)SO 、(CPF 、CHCH(OH)COO、及び、(FSOよりなるアニオンから構成される金属塩が好適に用いられる。より好ましくは、LiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(FSON、Li(CFSOCなどのリチウム塩であり、さらに好ましくはLiClO、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(FSON、Li(CFSOCが用いられる。これらのアルカリ金属塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記イオン液体とは、0〜150℃の範囲内のいずれかで液体(液状)であり、かつ、不揮発性の溶融塩をいう。前記イオン液体は、前記範囲内のいずれかにおいて、液状であるため、固体の塩とくらべ、粘着剤への添加および分散または溶解が容易に行える。さらにイオン液体は蒸気圧がない(不揮発性)ため、経時で消失することもなく、帯電防止特性が継続して得られるものとなる。
また、前記イオン液体を帯電防止剤として用いることで、粘着特性(粘着性や再剥離性など)を損なうことなく、帯電防止効果の高い粘着剤層が得られる。イオン液体を用いることで優れた帯電防止特性が得られる理由の詳細は明らかでないが、イオン液体は、通常のイオン性化合物とくらべ、低融点(融点150℃以下)であるため、分子運動が容易であり、優れた帯電防止能が得られるものと考えられる。特に被着体への帯電防止を図る際にはイオン液体が被着体へ極微量転写することにより、被着体での優れた剥離帯電防止性が図れていると考えられる。特に、融点が室温(25℃)以下のイオン液体は、被着体への転写がより効率的に行えるため、優れた帯電防止性が得られる。
前記イオン液体としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれかであることが好ましく、より好ましくは、下記一般式(C1)〜(C5)で表される有機カチオン成分と、アニオン成分からなるものが好ましく用いられる。これらのカチオンを持つイオン液体により、さらに帯電防止能の優れたものが得られる。
Figure 0006342229
前記式(C1)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。
前記式(C2)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
前記式(C3)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
前記式(C4)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但しZが硫黄原子の場合、Rはない。
前記式(C5)中のRは、炭素数1から18の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
式(C1)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、モルフォリニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、ピロリジニウム−2−オンカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオン、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムカチオンなどが挙げられる。
式(C2)で表されるカチオンとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
式(C3)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
式(C4)で表されるカチオンとしては、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、前記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチル−(2−メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどがあげられる。なかでもトリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンが好ましく用いられる。
式(C5)で表されるカチオンとしては、たとえば、スルホニウムカチオン等が挙げられる。また、前記式(E)中のRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
一方、アニオン成分としては、イオン液体になることを満足するものであれば特に限定されず、例えば、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、SCN、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、C19COO、(CHPO 、(CPO 、CHOSO 、COSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、CH(OCOSO 、C(CH)SO 、(CPF 、CHCH(OH)COO、(FSO、B(CN) 、C(CN) 、N(CN) 、p−トルエンスルホネートアニオン、2−(2−メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン等を用いることができる。
また、アニオン成分としては、下記式(C6)で表されるアニオンなども用いることができる。
Figure 0006342229
[式(C6)中のR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、及び、置換基を有してもよい複素環基を表わす。前記置換基の水素原子は、更に他の置換基(電子吸引性基の置換基等)に置換されていても構わない。]
また、アニオン成分としては、下記式(C7)で表されるアニオンなども用いることができる。
Figure 0006342229
前記アニオン成分としては、なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン液体が得られたり、(メタ)アクリルポリマーとの相溶性に優れたイオン液体が得られることから好ましく用いられる。
本発明に用いられるイオン液体の具体例としては、前記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられ、たとえば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリプルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリプルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルビベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムピス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ベンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、2−メチルピラゾリウムテトラフルオロポレート、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラペンチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(
2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−Nメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、テトラオクチルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラオクチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメダンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムチオシアネート、4−エチル−4−メチルモルフォリニウムメチルカーボネートなどがあげられる。
前記のようなイオン液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン液体の合成方法としては、目的とするイオン液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献“イオン液体−開発の最前線と未来−”[(株)シーエムシー出版発行]に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について含窒素オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩などその他のイオン液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、下記式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る。(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)得られたハロゲン化物を目的とするイオン液体のアニオン構造(A)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。
Figure 0006342229
水酸化物法は、(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(RNX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(AgO)との反応(反応式(6))で水酸化物(RNOH)を得る。(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)得られた水酸化物を前記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。
Figure 0006342229
酸エステル法は、(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(RN)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る。(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、りん酸、亜りん酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、蟻酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)得られた酸エステル物を前記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン液体を得ることもできる。
Figure 0006342229
錯形成法は、(12)〜(15)に示すような反応によって行われる方法である。まず4級アンモニウムのハロゲン化物(RNX)、4級アンモニウムの水酸化物(RNOH)、4級アンモニウムの炭酸エステル化物(RNOCOCH)などをフッ化水素(HF)やフッ化アンモニウム(NHF)と反応させてフッ化4級アンモニウム塩を得る。(反応式(12)〜(14))得られたフッ化4級アンモニウム塩をBF,AlF,PF,AsF,SbF,NbF,TaFなどのフッ化物と錯形成反応により、イオン液体を得ることができる。(反応式(15))
Figure 0006342229
中和法は、(16)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとHBF,HPF,CHCOOH,CFCOOH,CFSOH,(CFSONH,(CFSOCH,(CSONHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
Figure 0006342229
前記の式(1)〜(16)記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部が、ヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
なお、前記イオン液体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記イオン性化合物の含有量としては、0.001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.005〜3質量部であり、さらに好ましくは0.005〜1質量部であり、最も好ましくは0.005〜0.5質量部である。前記範囲内にあると、得られる粘着剤層(粘着シート)が帯電防止性と低汚染性の両立がしやすいため、好ましい。
<オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン>
本発明の粘着剤組成物は、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンを含有することが好ましく、オキシアルキレン主鎖を有するオルガノポリシロキサンを含有することが、より好ましい。前記オルガノポリシロキサンを使用することにより、粘着剤表面の表面自由エネルギーが低下し、軽剥離化を実現しているものと推測される。
前記オルガノポリシロキサンは、公知のポリオキシアルキレン主鎖を有するオルガノポリシロキサンが適宜使用できるが、好ましくは下記式で示されるものである。
Figure 0006342229
(式中、R及び/又はRは、炭素数1〜6のオキシアルキレン鎖を有し、前記オキシアルキレン鎖中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記オキシアルキレン鎖の末端が、アルコキシ基、又は、ヒドロキシル基であってもよい。また、R又はRのいずれか一方が、ヒドロキシル基でもよく、又は、アルキル基、アルコキシ基であってもよく、前記アルキル基、アルコキシ基の一部が、ヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。nは、1〜300の整数である。)
前記オルガノポリシロキサンは、シロキサンを含む部位(シロキサン部位)を主鎖とし、この主鎖の末端にオキシアルキレン鎖が結合しているものが使用される。前記オキシアルキレン鎖を有するオルガノシロキサンを用いることにより、(メタ)アクリル系ポリマーおよびイオン性化合物との相溶性のバランスがとれ、軽剥離化を実現しているものと推測される。
また、本発明における前記オルガノポリシロキサンとしては、たとえば、以下のような構成を使用することができる。具体的には、式中のR及び/又はRは、炭素数1〜6の炭化水素基を含むオキシアルキレン鎖を有し、前記オキシアルキレン鎖として、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあげられるが、なかでもオキシエチレン基やオキシプロピレン基が好ましい。なお、R及びRが、共にオキシアルキレン鎖を有する場合、同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 0006342229
また、前記オキシアルキレン鎖の炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。
更に、前記オキシアルキレン鎖の末端は、アルコキシ基、又は、ヒドロキシル基であってもよいが、中でも、アルコキシ基であることがより好ましい。粘着面を保護する目的で粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせる場合、末端がヒドロキシル基のオルガノポリシロキサンでは、セパレーターとの相互作用が生じ、セパレーターを粘着剤層表面から剥がす際の粘着(剥離)力が上昇する場合がある。
また、nは、1〜300の整数であり、好ましくは10〜200であり、より好ましくは20から150である。nが前記範囲内にあると、ベースポリマーとの相溶性のバランスが取れて好ましい態様となる。更に、分子中に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ヒドロキシル基などの反応性置換基を有していてもよい。前記オルガノポリシロキサンは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては、たとえば、市販品として、商品名が、X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−6004、KF−889(以上、信越化学工業社製)、BY16−201、SF8427(以上、東レ・ダウコーニング社製)、IM22(旭化成ワッカー社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、主鎖にオキシアルキレン鎖を有する(結合する)オルガノシロキサン以外に、側鎖にオキシアルキレン鎖を有する(結合する)オルガノシロキサンを用いることも、可能であり、主鎖よりも側鎖にオキシアルキレン鎖を有するオルガノシロキサンを用いることが、より好ましい態様である。前記オルガノポリシロキサンは、公知のポリオキシアルキレン側鎖を有するオルガノポリシロキサンが適宜使用できるが、好ましくは下記式で示されるものである。
Figure 0006342229
(式中、Rは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、m及びnは0〜1000の整数。但し、m, nが同時に0となることはない。a及びbは0〜100の整数。但し、a, bが同時に0となることはない。)
また、本発明における前記オルガノポリシロキサンとしては、たとえば、以下のような構成を使用することができる。具体的には、式中のRはメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、フェニル基,トリル基等のアリール基又はベンジル基,フェネチル基等のアルキル基で例示される1価の有機基であり、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。R,R及びRはメチレン基,エチレン基,プロピレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基を用いることができる。ここで、R及びRは異なるアルキレン基であり、RはR又はRと同じであっても、異なっていてもよい。R及びRはそのポリオキシアルキレン側鎖中に溶解し得るイオン性化合物の濃度を上げるためにそのどちらか一方が、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましい。Rはメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基またはアセチル基,プロピオニル基等のアシル基で例示される1価の有機基であってもよく、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、分子中に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ヒドロキシル基などの反応性置換基を有していてもよい。上記ポリオキシアルキレン側鎖を有するオルガノシロキサンのなかでも、ヒドロキシル基末端を有するポリオキシアルキレン側鎖を有するオルガノシロキサンが相溶性のバランスがとりやすいと推測されるため好ましい。
Figure 0006342229
上記オルガノシロキサンの具体例としては、たとえば、市販品としての商品名KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6022、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、X−22−2516(以上、信越化学工業社製)SF8428、FZ−2162、SH3749、FZ−77、L−7001、FZ−2104、FZ−2110、L−7002、FZ−2122、FZ−2164、FZ−2203、FZ−7001、SH8400、SH8700、SF8410、SF8422(以上、東レ・ダウコーニング社製)、TSF−4440,TSF−4441、TSF−4445、TSF−4450、TSF−4446、TSF−4452、TSF−4460(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、BYK−333、BYK−307、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)などがあげられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用する上記オルガノシロキサンとしては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が、1〜16が好ましく、より好ましくは3〜14である。HLB値が前記範囲内を外れると、被着体への低汚染性が悪くなり、好ましくない。
前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記オルガノポリシロキサンの含有量は、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.03〜3質量部であり、更に好ましくは0.05〜1質量部、最も好ましくは0.05〜0.5質量部である。前記範囲内にあると、帯電防止性と軽剥離性(再剥離性)の両立がしやすいため、好ましい。
<界面活性剤>
本発明の粘着剤組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。前記界面活性剤を含有することにより、帯電防止性を付与されていない被着体に対して、微量転写され、被着体に帯電防止性を付与することができ、また、軽剥離性を付与することができ、好ましい態様となる。
前記界面活性剤としては、特に限定されないが、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や両イオン性界面活性剤、反応性界面活性剤などが挙げられる。前記界面活性剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン脂肪酸エステル類などが挙げられる。また、アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩などのスルホコハク酸塩、高級脂肪酸アルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類などが挙げられる。両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などが挙げられる。また、分子中に(メタ)アクリロイル基、アリル基などの反応性置換基を有する反応性界面活性剤であってもよい。
また、前記界面活性剤(乳化剤)の市販品としての具体的としては、たとえば、ハイテノールN−08、ハイテノールNF−08、ハイテノールNF−13、ハイテノールNF−17、アクアロンHS−10、HS−20、HS−1025、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20、BC−2020、ネオコールP(以上、いずれも第一工業製薬社製)、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマー50POEP−800B(以上、いずれも日本油脂社製)、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、ラテムルPD−104(以上、いずれも花王社製)、アデカリアソープER−10、アデカリアソープNE−10、アデカリアソープSE−10(以上、いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記界面活性剤の含有量は、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.03〜3質量部であり、更に好ましくは0.05〜1質量部であり、最も好ましくは0.08〜0.5質量部である。前記範囲内にあると、帯電防止性と低汚染性の両立がしやすいため、好ましい。
<架橋剤>
本発明において得られる粘着剤層の凝集力を調整するために、前記粘着剤組成物は、架橋剤を含有することも可能である。架橋剤は、通常、粘着剤分野において用いられる架橋剤を使用することができ、たとえば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、メラミン系架橋剤(アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、金属キレート系架橋剤等を挙げることができる。特に、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤を好適に使用することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記イソシアネート系架橋剤(イソシアネート化合物)としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−トなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネ−ト類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。あるいは、1分子中に少なくとも1つ以上のイソシアネート基と、1つ以上の不飽和結合を有する化合物、具体的には、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートなどもイソシアネート系架橋剤として使用することができる。
前記エポキシ系架橋剤(エポキシ化合物)としては、たとえば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。
前記メラミン系架橋剤としては、ヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。また、前記アジリジン系架橋剤(アジリジン誘導体)としては、たとえば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)などがあげられる。
前記金属キレート系架橋剤(金属キレート化合物)としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.1〜15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部であり、更に好ましくは1〜8質量部であり、最も好ましくは1.5〜7質量部である。前記含有量が0.1質量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、前記含有量が15質量部を超える場合、粘着剤層の凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体への濡れが不十分となり、被着体と表面保護フィルム(粘着シート)の粘着剤層(粘着剤組成物層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。
前記粘着剤組成物には、さらに、架橋反応をより効果的に進行させるための架橋触媒を含有させることができる。前記架橋触媒として、例えばジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズなどのスズ系触媒、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(5−メチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(オクタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(6−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−4,6−ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(トリデカン−6,8−ジオナト)鉄、トリス(1−フェニルブタン−1,3−ジオナト)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄系触媒を用いることができる。これら架橋触媒は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明で用いられる前記粘着剤組成物は、架橋促進剤をさらに含んでもよい。架橋促進剤の種類は、使用する架橋剤の種類に応じて適宜選択することができる。なお、本明細書において架橋促進剤とは、架橋剤による架橋反応の速度を高める触媒を指す。前記架橋促進剤としては、例えばジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、テトラ−n−ブチル錫、トリメチル錫ヒドロキシド等の錫(Sn)含有化合物;N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミンやトリエチルアミン等のアミン類、イミダゾール類等の窒素(N)含有化合物;、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(5−メチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(オクタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(6−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−4,6−ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(トリデカン−6,8−ジオナト)鉄、トリス(1−フェニルブタン−1,3−ジオナト)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄含有化合物が例示される。なかでも、Sn含有化合物が好ましい。前記粘着剤組成物に含まれる架橋促進剤の量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、例えば0.0001〜1.0質量部程度、好ましくは0.001〜0.5質量部程度、配合することができる。
更に、前記粘着剤組成物には、ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含有させることができる。例えば、架橋剤を含む粘着剤組成物または架橋剤を配合して使用され得る粘着剤組成物において、前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含む態様を好ましく採用することができる。これにより、架橋剤配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長する効果が実現され得る。前記架橋剤として少なくともイソシアネート化合物を使用する場合には、ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含有させることが特に有意義である。この技術は、例えば、前記粘着剤組成物が、有機溶剤溶液又は無溶剤の形態である場合に好ましく適用され得る。
前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物としては、各種のβ−ジカルボニル化合物を用いることができる。具体例としては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2−メチルヘキサン−3,5−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸tert−ブチル等のアセト酢酸エステル類;プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸tert−ブチル等のプロピオニル酢酸エステル類;イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸tert−ブチル等のイソブチリル酢酸エステル類;マロン酸メチル、マロン酸エチル等のマロン酸エステル類;等が挙げられる。なかでも好適な化合物として、アセチルアセトンおよびアセト酢酸エステル類が挙げられる。かかるケト−エノール互変異性を生じる化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、例えば0.1〜20質量部とすることができ、通常は0.5〜15質量部(例えば1〜10質量部)とすることが適当である。前記化合物の量が少なすぎると、十分な使用効果が発揮され難くなる場合がある。一方、前記化合物を必要以上に多く使用すると、粘着剤層に残留し、凝集力を低下させる場合がある。
さらに本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、着色剤、顔料などの粉体、可塑剤、粘着付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
<粘着シート>
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物から形成(粘着剤組成物を架橋)されてなる粘着剤層を、支持フィルムの片面または両面に形成してなることが好ましい。本発明の粘着シートによると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を備えるため、被着体(被保護体)への汚染が低減された粘着シートとなる。また、帯電防止剤等を使用した場合に、剥離した際に帯電防止されていない被着体への帯電防止が図れ、このため、帯電や汚染が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野における帯電防止性粘着シートとして非常に有用となる。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤層を支持フィルム上に形成してなるものであるが、その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルムなどに転写することも可能である。
また、前記支持フィルム上に粘着剤層を形成する方法は、特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物を支持フィルムに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を支持フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を支持フィルム上に塗布して粘着シートを作製する際には、支持フィルム上に均一に塗布できるよう、前記粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の粘着シートを製造する際の粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
本発明の粘着シートは、通常、上記粘着剤層の厚みが3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるように作製する。粘着剤層の厚みが、前記範囲内にあると、適度な再剥離性と粘着(接着)性のバランスを得やすいため、好ましい。前記粘着シートは、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の支持フィルムの片面または両面に、上記粘着剤層を塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。
本発明の粘着剤組成物を用いてなる粘着シートを構成する支持フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜125μm、さらに好ましくは20〜100μm程度である。前記支持フィルムの厚みが、前記範囲内にあると、被着体(例えば、偏光板)への貼り合せ作業性と被着体からの剥離作業性に優れるため、好ましい。
前記支持フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理をすることもできる。
また、本発明の粘着シートは、表面保護用途に使用(表面保護フィルムとして使用)することが好ましい。特に、前記支持フィルムが、帯電防止処理がなされてなるプラスチックフィルムの場合には、剥離した際の表面保護フィルム自身の帯電が抑えられるため、好ましい。なお、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を備えるため、被着体への汚染が低減された表面保護フィルムとなる。特に、添加剤である化合物群(I)〜(III)を配合することにより、粘着剤層の形成時の加熱工程などによる粘着剤組成物の成分の酸化劣化(分解)により生成される低分子化合物のブリードアウトなどを抑制でき、これにより、ブリードアウトに伴う粘着シートと被着体の界面における滑り(ズレ)、浮きや剥がれなどが抑制でき、カール調整性、再剥離性に優れるものが得られるものと推測される。このため、光学・電子部品関連の技術分野における表面保護フィルムとして非常に有用となる。
前記支持フィルムとしては、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に、可とう性を有するプラスチックフィルムであることがより好ましい。支持フィルムが可とう性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
前記プラスチックフィルムとしては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
また、前記支持フィルム(プラスチックフィルム)に施される帯電防止処理としては、特に限定されないが、一般的に用いられる支持フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法や支持フィルムに練り込み型帯電防止剤を練り込む方法が用いられる。また、支持フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法としては、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法があげられる。
前記帯電防止性樹脂に含有される帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1、第2、第3アミノ基などのカチオン性官能基を有すカチオン型帯電防止剤、スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤、アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性型帯電防止剤、アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤、さらには、上記カチオン型、アニオン型、両性イオン型のイオン導電性基を有するモノマーを重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記カチオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記アニオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記両性イオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記ノニオン型の帯電防止剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。あげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記導電性ポリマーとしては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記導電性物質としては、たとえば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物があげられる。
前記帯電防止性樹脂および導電性樹脂に用いられる樹脂成分としては、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、高分子型帯電防止剤の場合には、樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂成分に、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物を含有させることも可能である。
前記帯電防止層の形成方法としては、たとえば、上述帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂を有機溶剤もしくは水などの溶媒で希釈し、この塗液をプラスチックフィルムに塗布、乾燥することで形成される。
前記帯電防止層の形成に用いる有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n-ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記帯電防止層の形成における塗布方法については公知の塗布方法が適宜用いられ、具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、含浸およびカーテンコート法があげられる
前記帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー、導電性樹脂の厚みとしては通常0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μm程度である。前記範囲内にあると、プラスチックフィルムの耐熱性、耐溶剤性、及び可とう性を損なう可能性が小さいため、好ましい。
前記導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などがあげられる。
前記導電性物質層の厚みとしては通常0.002〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。前記範囲内にあると、プラスチックフィルムの耐熱性、耐溶剤性、及び可とう性を損なう可能性が小さいため、好ましい。
前記練り込み型帯電防止剤としては、上記帯電防止剤が適宜用いられる。練り込み型帯電防止剤の配合量としては、プラスチックフィルムの総質量に対して20質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いられる。前記範囲内にあると、プラスチックフィルムの耐熱性、耐溶剤性、及び可とう性を損なう可能性が小さいため、好ましい。練り込み方法としては、前記帯電防止剤がプラスチックフィルムに用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、たとえば、加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機などが用いられる。
本発明の粘着シート(表面保護フィルム)には、必要に応じて、粘着剤層の粘着面を保護する目的で、セパレーター(剥離ライナー)を貼り合わせることが可能である。
前記セパレーターを構成する材料としては、紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記範囲内にあると、粘着剤層への貼り合せ作業性と粘着剤層からの剥離作業性に優れるため、好ましい。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理をすることもできる。
また、本発明の粘着シート(表面保護フィルム等を含む)は、帯電防止剤(例えば、イオン性化合物やオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン、界面活性剤など)を使用した場合等において、特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いることができるため、帯電が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野において、帯電防止用に非常に有用となる。特に、本発明の粘着シートを用いた表面保護用途に使用した表面保護フィルムは、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材表面を保護する目的で用いることができ、有用である。
<光学部材>
本発明の光学部材は、前記粘着シートが貼付されていることが好ましい。前記粘着シートは、各種光学部材を、たとえば液晶セルや光学用ポリエステルフィルム、タッチパネル部材などに貼り合せる用途に好適に用いられる。したがって、ここでの光学部材とは、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層を、光学部材上に設けた積層体が含まれる。この積層体は、典型的には、光学部材上の粘着剤層がセパレーター(剥離ライナー)によって保護された態様をなす。このような粘着剤層が設けられた光学部材は、たとえば、プラスチック製のカバーレンズパネル、ガラス、液晶セルの表面等に容易に貼り付けることができる。光学部材は特に制限されず、偏光板、位相差板、透明導電性フィルム(ITOフィルム)等であり得る。このような光学部材は、同一材料からなる単層構造であってもよく、複数の材料からなる多層構造であってもよい。光学部材上に粘着剤層を形成する方法は、支持フィルム(基材、支持体)上に、粘着剤層を形成する場合と同様に、直接付与する方法や転写する方法を適宜採用することができる。典型的には、光学部材のベース面に、セパレーター(剥離ライナー)上に形成した粘着剤層を転写する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、粘着シートを作成するための配合内容を表1及び表2に示した。また、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行い、評価結果を表3に示した。
<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8220GPC)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りである。
サンプル濃度:0.2質量%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H(1本)+TSKgel SuperHZM−H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC(1本)
検出器:示差屈折計(RI)
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算値にて求めた。
<ガラス転移温度の理論値>
ガラス転移温度(Tg)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
〔式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(−)は各モノマーの質量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。〕
文献値:
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):−70℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):−15℃
4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA):−32℃
アクリル酸(AA):106℃
なお、文献値として、「アクリル系樹脂の合成・設計と新用途展開」(中央経営開発センター出版部発行)及び「Polymer Handbook」(John Wiley & Sons)を参照した。
<せん断力>
粘着シートを幅10mm、長さ100mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、前記粘着シートの粘着剤層の接着面積が、1cmになるように、TAC偏光板(日東電工社製、SEG1423DU偏光板、幅:25mm、長さ:100mm)に貼り合わせ、23℃で引張り速度0.06mm/minでせん断方向に引張り、そのときの最大荷重(N/cm)をせん断力とした。
本発明の粘着シート(表面保護フィルムに使用する場合を含む)は、前記粘着シートに用いられる粘着剤層の偏光板に対する23℃×50%RHでのせん断力が、20N/cm以上であることが好ましく、20〜50N/cmであることがより好ましく、22〜40N/cmであることが、更に好ましい。前記せん断力が20N/cm以上に調整することにより、被着体に貼付後において、滑り(ズレ)、浮きや剥がれを抑制でき、カール調整性に優れ、好ましい態様となる。
<粘着力の測定>
23℃×50%RHの環境下に24時間放置した後、幅25mm、長さ100mmにカットした粘着シートを、TAC偏光板(日東電工社製、SEG1423DU偏光板、幅:70mm、長さ:100mm)に0.25MPaの圧力、0.3m/minの速度でラミネートし、評価サンプルを作製した。上記ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度0.3m/min、剥離角度180°で剥離したときの粘着力(N/25mm)を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下でおこなった。
本発明の粘着シート(表面保護フィルムに使用する場合を含む)は、前記粘着シートに用いられる粘着剤層の偏光板に対する23℃×50%RHでの180°ピール粘着力(引張速度0.3m/min)が、0.15N/25mm以下であることが好ましく、0.01〜0.15N/25mmであることがより好ましく、0.02〜0.14N/25mmであることが、更に好ましい。前記ピール粘着力(引張速度0.3m/min)が0.15N/25mm以下に調整することにより、表面保護フィルムが不要となった場合に、剥離作業が容易(再剥離性)となり、被着体の損傷等も防止することができ、好ましい態様となる。
<剥離帯電圧の測定>
粘着シートを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいたアクリル板(厚み:2mm、幅:70mm、長さ:100mm)に貼り合わせたTAC偏光板(日東電工社製、SEG1423DU偏光板、幅:70mm、長さ:100mm)表面に片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。23℃×50%RHに一日放置した後、図1に示すように、所定の位置にサンプルをセットした。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度30m/minとなるように剥離した。このときに発生する偏光板表面の電位(剥離帯電圧:絶対値、kV)を偏光板中央の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。
本発明の粘着シート(特に、表面保護フィルムに使用する場合)は、前記粘着シートに用いられる粘着剤層の偏光板に対する23℃×50%RHでの、剥離角度150°、剥離速度30m/minで剥離したときに発生する偏光板表面の電位(剥離帯電圧:kV、絶対値)が、1.0kV以下が好ましく、0.9kV以下がより好ましく、0.8kV以下が更に好ましい。なお、前記粘着シーを表面保護フィルムとして使用する場合のように、より低い剥離帯電圧(帯電防止性)が要求される用途に使用する際には、前記粘着シートを形成する際に用いられる粘着剤組成物に、イオン性化合物などの帯電防止剤を配合することが好ましい態様である。
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、酢酸エチル157質量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(40質量%)を調製した。前記アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は、−68℃であった。
<(メタ)アクリル系ポリマー(B)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)10質量部、アクリル酸(AA)0.02質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、酢酸エチル157質量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(B)溶液(40質量%)を調製した。前記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は、−67℃であった。
<帯電防止処理フィルムの作製>
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd−142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10質量部を、水30質量部とメタノール70質量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調製した。
得られた帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:38μm)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ:0.2μm)を形成し、帯電防止処理フィルムを作製した。
<実施例1>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系ポリマー(A)溶液(40質量%)を酢酸エチルで20質量%に希釈し、この溶液500質量部(固形分100質量部)に、添加剤であるカテコール類から誘導される化合物として、4−tert−ブチルカテコール(TBC、東京化成工業社製)0.0005質量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)3.5質量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1質量%酢酸エチル溶液)2質量部(固形分0.02質量部)を加えて混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤溶液を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液を、上記の帯電防止処理フィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、130℃で2分間加熱して、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼り合わせ、粘着シートを作製した。
<実施例2〜8>
実施例1と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
<実施例9>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系ポリマー(B)溶液(40質量%)を酢酸エチルで20質量%に希釈し、この溶液500質量部(固形分100質量部)に、イオン性化合物であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI、東京化成工業社製)0.15質量部、添加剤であるカテコール類から誘導される化合物として、4−tert−ブチルカテコール(TBC、東京化成工業社製)0.0005質量部、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(KF-353、信越シリコーン社製、エチレンオキシド含有ポリシロキサン)0.15質量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)3.5質量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1質量%酢酸エチル溶液)2質量部(固形分0.02質量部)を加えて、混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤溶液を調製した。
〔粘着シートの作製〕
実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
<実施例10>
実施例9と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
<実施例11>
添加剤であるヒドロキノン類から誘導される化合物(TBC)の代わりに、ヒドロキノン類から誘導される化合物4−メトキシフェノール(MEHQ)を0.01質量部配合したこと以外は、実施例9と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
<実施例12>
界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(アクアロンHS−10、反応性ノニオンアニオン系乳化剤、第一工業製薬社製)0.2質量部を配合したこと以外は、実施例6と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
<比較例1>
添加剤であるヒドロキノン類から誘導される化合物4−tert−ブチルカテコール(TBC)を1質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
<比較例2>
添加剤であるヒドロキノン類から誘導される化合物4−tert−ブチルカテコール(TBC)を配合しなかった以外は、実施例9と同様にして、表1及び表2の配合内容に基づき、アクリル系粘着剤溶液、及び、粘着シートを作製した。
上記方法に従い、作製した粘着シートのせん断力(粘着性)、粘着力(再剥離性)、及び、剥離帯電圧(帯電防止性)の測定、および、評価を行った。得られた結果を表3に示した。
Figure 0006342229
Figure 0006342229
上記表1及び表2中の略語は、以下の化合物を示す。なお、表中は、固形分の質量部数である。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AA:アクリル酸
TBC:4−tert−ブチルカテコール、東京化成工業社製
MEHQ:4−メトキシフェノール、東京化成工業社製
TBHQ:2−tert−ブチルヒドロキノン、東京化成工業社製
LiTFSI:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、東京化成工業社製、アルカリ金属塩
KF353:エチレンオキシド含有ポリシロキサン(HLB値:10)、商品名「KF−353」、信越シリコーン(株)製
HS10:ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、商品名「アクアロンHS−10」、第一工業製薬社製
Figure 0006342229
上記表3の結果より、全ての実施例において、添加剤である化合物群(I)〜(III)のいずれかを配合することにより、せん断力、及び、粘着力において、所望の範囲に調整することができ、被着体に対して、滑り(ズレ)の発生がなく、粘着性と再剥離性、作業性の向上を図れることが、確認できた。特に、帯電防止剤であるイオン性化合物やオキシアルキレン鎖含有オルガノポリシロキサン、界面活性剤を配合した場合に、せん断力が低くなる傾向(比較例参照)にあるが、前記添加剤である化合物群(I)〜(III)のいずれかを配合することにより、粘着剤層形成の際の加熱工程などによる粘着剤組成物に含まれる成分(例えば、ポリマー鎖や、界面活性剤など)の酸化劣化(分解)による低分子化合物が発生が抑制され、低分子化合物に伴うブリードアウトが起因する滑り(ズレ)、浮きや剥がれなどが抑制され、カール調整性と再剥離性の両立が図れるという優れた特性を発揮できることが確認できた。更に、帯電防止剤(イオン性化合物やオキシアルキレン鎖含有オルガノポリシロキサン、界面活性剤など)を配合した場合には、帯電防止性も付与できることが確認できた。
比較例1は、前記添加剤である化合物群(I)〜(III)のいずれかを所定量より多く配合したため、せん断力が所望の範囲よりも低くなり、粘着力は所望の範囲を超え高くなり、粘着性及び再剥離性の両方を同時に満足できないことが確認された。また、比較例2は、イオン性化合物とオキシアルキレン鎖含有オルガノポリシロキサンを配合したため、帯電防止性が付与されたが、前記添加剤である化合物群(I)〜(III)のいずれも配合しなかったため、せん断力が所望の範囲よりも低くなり、粘着性を満足できないことが確認された。
1 電位測定器
2 粘着シート
3 偏光板
4 アクリル板
5 固定台

Claims (9)

  1. モノマー成分として、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを50〜99.9質量%含有する(メタ)アクリル系ポリマー、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン、及び、下記式により示されるヒドロキノン類(I)、カテコール類(II)、及び、レゾルシノール類(III)から誘導される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
    前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記化合物を、0.0001〜1質量部未満含有する粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層を、支持フィルムの片面または両面に形成してなる粘着シートであって、
    TAC偏光板(日東電工社製、SEG1423DU偏光板)に対する粘着力が、剥離速度0.3m/minにおいて、0.01〜0.03N/25mmであることを特徴とする粘着シート。
    Figure 0006342229

    (式中、R及び/又はRは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、又は、ポリオキシアルキレン基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。また、R〜Rは、水素、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、ポリオキシアルキレン基、又は、ハロゲン原子含有の官能基であり、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は、直鎖又は分岐していてもよく、前記ポリオキシアルキレン基中のアルキレン基は炭素数が1〜6であり、前記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン基の繰り返し単位数が1〜100であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端が、水素、又はアルキル基であり、前記ポリオキシアルキレン基の末端のアルキル基は炭素数1〜6である。)
  2. 前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分として、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着シート
  3. イオン性化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着シート
  4. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の粘着シート
  5. 架橋剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の粘着シート
  6. 前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記イオン性化合物を0.001〜0.5質量部含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の粘着シート。
  7. 側鎖に水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シート。
  8. 表面保護用途に使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シート。
  9. 請求項8に記載の粘着シートが貼付されていることを特徴とする光学部材。
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