JP6340816B2 - 藻類の培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は藻類の培養方法に関する。
近年、藻類が生産する脂質や糖等の有用物質の利活用が注目されている。藻類を開放系の培養槽で培養する場合、原生生物等のコンタミ生物を抑制することが必要である。
ところで、船体から排出されるバラスト水に含まれるコンタミ生物を抑制する方法として、バラスト水中でキャビテーションを発生させる方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2007−98209号公報
しかしながら、藻類の培養において特許文献1記載の方法を用いると、培養の対象である藻類もキャビテーションによって破砕されてしまうおそれがある。本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、コンタミ生物を選択的に抑制できる藻類の培養方法を提供することを目的とする。
本発明の藻類の培養方法は、藻類を培養中の培地に塩を添加する塩添加工程を有し、前記塩添加工程により、前記培地の導電率が5mS/cm以上増加することを特徴とする。
本発明の藻類の培養方法によれば、コンタミ生物を選択的に抑制することができる。
前記塩として、例えば、NaClを含むことができる。この場合、前記塩添加工程により、前記培地におけるNaCl濃度を0.3w/v%以上増加させることが好ましい。
また、前記塩添加工程において、例えば、海水を添加することができる。この場合、前記塩添加工程により、前記培地における海水の体積比を12v/v%以上増加させることが好ましい。
前記塩添加工程後における前記培地のpHは、例えば、2〜5の範囲内であることが好ましい。この場合、培地中のバクテリアの数を抑制することができる。
本発明の藻類の培養方法では、例えば、窒素充分条件にある前記藻類を、藻類に対する窒素の割合が7.5〜9質量%の範囲内で設定される所定値に低下するまで培養を行ってから、前記塩添加工程を行うことができる。
藻類の培養に用いる培養システム100の構成を表すブロック図である。 第1の培養槽3における藻体濃度の推移を表すグラフである。 培養時間と藻体濃度との関係を表すグラフである。 NaCl溶液を導入した場合における培地中の原生生物の量を測定した結果を表すグラフである。 海水を導入した場合における培地中の原生生物の量を測定した結果を表すグラフである。 NaCl溶液を導入した場合におけるオイル生産比を表すグラフである。 海水を導入した場合におけるオイル生産比を表すグラフである。 塩の水溶液を導入した後の培地のpHを酸性に調整した場合におけるバクテリアの数の相対値を表すグラフである。 塩の水溶液を導入した後の培地のpHを調整しなかった場合におけるバクテリアの数の相対値を表すグラフである。
本発明の実施形態を説明する。本発明で培養する藻類は特に限定されず、適宜選択できる。藻類としては、例えば、クロレラ目、トレボウキシア目等を含むトレボウキシア藻網の緑藻植物等が挙げられる。
本発明で使用する培地は特に限定されず、適宜選択できる。培地としては、例えば、AF6培地等が挙げられる。
塩添加工程において添加する塩の種類は特に限定されず、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。また、2種類以上の塩の混合物を用いてもよい。
また、塩添加工程において、固体の塩(例えば粉末の塩)を添加してもよいし、塩の溶液(例えば水溶液)又は分散液を添加してもよい。また、塩添加工程において、海水、海水を濃縮した液、海水を水で希釈した液等を添加してもよい。海水は、天然海水であってもよいし、人工海水であってもよい。
塩添加工程は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。塩添加工程前の培地は、塩添加工程で添加する塩を予め含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。塩添加工程前の培地が、塩添加工程で添加する塩を含んでいない場合、塩添加工程前におけるその培地の導電率は、例えば、0mS/cmか、それに近い値とすることができる。
本発明において培地の導電率(電気伝導率)は、mS/cmの単位により表される量である。本発明における導電率は、測定装置として市販の電気伝導率計を用いて測定した値である。
本発明において、塩添加工程により、培地の導電率は、塩添加工程前に比べて、5mS/cm以上増加する。導電率の増加量は、6mS/cm以上が好ましく、6.5mS/cm以上がより好ましく、6.9mS/cm以上がさらに好ましい。導電率の増加量が5mS/cm以上であることにより、培地中のコンタミ生物を抑制することができる。
なお、導電率の増加により培地中のコンタミ生物を抑制できる理由は、以下のように推定できる。導電率と浸透圧とは比例関係にある。培地における導電率の増加にともない浸透圧が増加すれば、強固な細胞壁を持たず、浸透圧変化に対して脆弱な原生生物等のコンタミ生物が破壊される。一方、藻類は、導電率が増加しても、原生生物に比べ、破壊されにくい。
本発明において、培地における塩濃度(例えばNaCl濃度)とは、塩を含んでいる単位体積の培地中の塩の重量(w/v%)である。ここで、体積の単位はリットルであり、重さの単位はグラムである。例えば、体積100ミリリットルの培地が1グラムの塩を含んでいる場合、その培地におけるその塩の濃度は、1w/v%となる。
塩添加工程により、培地における塩濃度が増加し、また、培地の導電率も増加する。塩の添加量は、培地の導電率が上述した値だけ増加する量であることが好ましい。例えば、添加する塩がNaClである場合、塩添加工程により、培地におけるNaCl濃度を、0.3w/v%以上(好ましくは0.375w/v%以上)増加させることが好ましい。この場合、培地中のコンタミ生物を抑制することができる。なお、塩添加工程においてNaClを添加する場合の、NaCl濃度の増加量と、培地における導電率の増加量との関係は表1に示すとおりとなる。
Figure 0006340816
また、塩添加工程において海水を添加する場合、塩添加工程により、培地における海水の体積比が12v/v%以上(好ましくは12.5v/v%以上)増加することが好ましい。この場合、培地中のコンタミ生物を抑制することができる。塩添加工程において海水を添加する場合の、海水の体積比の増加量と、培地における導電率の増加量との関係は表2に示すとおりとなる。
Figure 0006340816
本発明において、海水の体積比とは、以下の意味を有する。培地の体積をaとする。その培地に含まれる海水の、原液(濃縮も希釈もされていない海水)に換算した体積をbとする。この場合、その培地における海水の体積比は、(b/a)×100(v/v%)となる。
例えば、培地50mlに、海水の原液50mlを添加し、添加後の培地の体積が100mlになったとすると、その培地における海水の体積比は50v/v%である。
また、培地50mlに、1/2に希釈した海水50mlを添加し、添加後の培地の体積が100mlになったとする。ここで、1/2に希釈した海水とは、海水の原液と、水とを、体積比1:1で混合した液である。添加後の培地における海水の体積比は25v/v%である。
また、培地50mlに、1/4に希釈した海水50mlを添加し、添加後の培地の体積が100mlになったとする。ここで、1/4に希釈した海水とは、海水の原液と、水とを、体積比1:3で混合した液である。添加後の培地における海水の体積比は12.5v/v%である。
塩添加工程後の培地における塩の濃度は、藻類の培養を妨げ難い濃度範囲内であることが好ましい。そのような濃度範囲は、例えば、培地の導電率が34mS/cm以下となる範囲であり、好ましくは26mS/cm以下となる範囲である。添加する塩がNaClである場合、NaClの濃度は、2.0w/v%以下の範囲内であることが好ましく、1.5w/v%以下の範囲内であることがさらに好ましい。
塩添加工程後における培地のpHは、2〜5の範囲内が好ましく、3〜4の範囲内が一層好ましい。pHがこの範囲内である場合、培地中の生菌(バクテリア)数を抑制することができる。原生生物はバクテリアを捕食するので、培地中のバクテリア数を抑制することで、培地中の原生生物を一層抑制することができる。
本発明において、窒素充分条件とは、藻類が正常な増殖をするのに充分量の窒素を含んでいる状態を意味する。それに対し、窒素欠乏条件とは、藻類の体内に含まれる窒素量が減少し、正常な増殖を維持できない状態を意味する。
(実施例1)
1.藻類の培養に用いる培養システム100の構成
藻類の培養に用いる培養システム100の構成を図1に基づいて説明する。培養システム100は、屋外に設置される開放系のシステムであり、新鮮培地タンク1、第1の培養槽3、第2の培養槽5、7、9を備える。新鮮培地タンク1と第1の培養槽3とは、供給管11で接続されており、その供給管11は弁13で開閉される。
第1の培養槽3と第2の培養槽5、7、9とは、配管系15で接続されている。配管系15は、3方弁17と、弁21、23、25、27とを備える。3方弁17は、第2の培養槽5に至る配管15a、第2の培養槽7に至る配管15b、及び第2の培養槽9に至る配管15cのうち、1つのみを、第1の培養槽3に至る配管15dに連通させ、他の2つは、配管15dに対し閉じる。弁21、23、25、27は、それぞれ、配管15d、15a、15b、15cを開閉する。第2の培養槽5、7、9は、それぞれ、出口配管29と、その出口配管29を開閉する弁31とを備えている。
新鮮培地タンク1は、その内部に新鮮培地を貯留しており、その新鮮培地を、供給管11を介して第1の培養槽3に供給可能である。第1の培養槽3、第2の培養槽5、7、9は、周知の開放型レースウェイ槽である。それぞれの槽は、図示しないパドルにより、内部の液(培地)を攪拌可能である。
2.藻類の培養方法
藻類の培養法を説明する。初期状態においては、第1の培養槽3、第2の培養槽5、7、9は全て空である。まず、新鮮培地タンク1から第1の培養槽3へ、供給管11を介して容量Vの新鮮培地を供給する。この新鮮培地の種類はAF6培地であり、その組成は以下のとおりである。
(新鮮培地)
AF6培地(100ml)
NaNO3 14 mg
NH4NO3 2.2 mg
MgSO4 ・ 7H2O 3 mg
KH2PO4 1 mg
K2HPO4 0.5 mg
CaCl2 ・ 2H2O 1 mg
CaCO3 1 mg
Fe-citrate 0.2 mg
Citric acid 0.2 mg
Biotin 0.2 μg
Thiamine HCl 1 μg
Vitamin B6 0.1 μg
Vitamin B12 0.1 μg
Trace metals 0.5 mL
Distilled water 99.5 mL
(pH 6.62)
この新鮮培地に含まれる窒素の濃度は27mg/Lであるが、培地に含まれる窒素量は藻類の培養条件により最適値に変えることができる。
次に、第1の培養槽3に所定量の藻類(シュードココミクサ)を加え、培養を開始する。この培養の開始時点を、ステップAの始期とする。定期的に、第1の培養槽3から一部の培地をサンプリングし、藻類に対する窒素の割合X(質量%)を測定する。藻類に対する窒素の割合Xは以下の式1で表される。
(式1) X=(P/Q)×100
ここで、藻類に対する窒素の割合Xとは、単位体積の培地中に存在する藻類の乾燥質量Qと、単位体積の培地が当初含んでいた窒素の質量Pとの割合を示すものである。培養が進み、培地中の窒素が0になっている場合は、単位体積の培地が当初含んでいた窒素の質量Pは、藻類に対する窒素の割合XとQとの積に等しくなる。
藻類に対する窒素の割合Xは時間の経過とともに減少し、藻類の乾燥質量Qは時間と共に増加する。藻類に対する窒素の割合Xが7.5質量%(所定値)まで低下すると、ステップAが終了する。なお、7.5質量%(所定値)という値は、藻類が窒素充分条件にあるときの値である。
ステップAの終了後、ステップBを実行する。すなわち、第1の培養槽3内にある培地の半分(1/2V)を、第2の培養槽5に移送し、それと同時に、新鮮培地タンク1から第1の培養槽3へ、容量1/2Vの新鮮培地を補充する。新鮮培地の補充後、第1の培養槽3中の藻類における、藻類に対する窒素の割合Xは、7.5質量%(所定値)を超える値となる。
第2の培養槽5には、第1の培養槽3から移送される培地とともに、同量(1/2V)の、塩の水溶液も導入し、総容量をVとする。ここで、塩の水溶液には、表3に示すように、3%濃度NaCl溶液、1.5%濃度NaCl溶液、0.75%濃度NaCl溶液、海水原液、1/2希釈海水、及び1/4希釈海水の6種類がある。
Figure 0006340816
本実施例では、塩の水溶液がそれぞれである場合において、藻類の培養を行った。また、コントロールとして、塩の水溶液の代わりに、同量(1/2V)の水を導入した場合についても藻類の培養を行った。
3%濃度NaCl溶液とは、NaClを3w/v%の濃度で含む水溶液である。1.5%濃度NaCl溶液とは、NaClを1.5w/v%の濃度で含む水溶液である。0.75%濃度NaCl溶液とは、NaClを0.75w/v%の濃度で含む水溶液である。
また、海水原液とは、海水そのもの(濃縮も希釈もしていない液)であり、1/2希釈海水とは、海水の原液と、水とを、体積比1:1で混合した液であり、1/4希釈海水とは、海水の原液と、水とを、体積比1:3で混合した液である。
塩の水溶液として、3%濃度NaCl溶液、1.5%濃度NaCl溶液、0.75%濃度NaCl溶液を導入した場合、第2の培養槽5中の培地におけるNaCl濃度は、塩の水溶液の導入前に比べて、増加する。NaCl濃度の増加量は、上記表3に示すように、3%濃度NaCl溶液の場合、1.5w/v%であり、1.5%濃度NaCl溶液の場合、0.75w/v%であり、0.75%濃度NaCl溶液の場合、0.375w/v%である。なお、塩の水溶液を導入する前の培地は、実質的にNaClを含まないので、NaCl濃度の増加量は、塩の水溶液を導入した後の培地におけるNaCl濃度と等しくなる。
また、塩の水溶液として、海水原液、1/2希釈海水、及び1/4希釈海水を導入した場合、第2の培養槽5中の培地における海水の体積比は、塩の水溶液の導入前に比べて、増加する。海水の体積比の増加量は、上記表3に示すように、海水原液の場合、50v/v%であり、1/2希釈海水の場合、25v/v%であり、1/4希釈海水の場合、12.5v/v%である。なお、塩の水溶液を導入する前の培地は、実質的に海水を含まないので、海水の体積比の増加量は、塩の水溶液を導入した後の培地における海水の体積比と等しくなる。
また、塩の水溶液を導入した後の、第2の培養槽5中の培地における導電率は、塩の水溶液の導入前に比べて、増加する。その増加量は、上記表3に示すとおりである。
塩の水溶液として、3%濃度NaCl溶液、1.5%濃度NaCl溶液、0.75%濃度NaCl溶液を導入した場合、導入後の培地のpHは3〜4である。一方、塩の水溶液として、海水原液、1/2希釈海水、1/4希釈海水を導入した場合、導入後の培地のpHは6前後である。なお、コントロールの場合、培地におけるNaCl濃度、海水の体積比、及び導電率は増加しない。
1/2V量の塩の水溶液又は水を導入し、培地の容量を増すことにより、第2の培養槽5における培地の攪拌を効率的に行うことができる。以上でステップBが終了する。
ステップBの後、再度ステップA(第1の培養槽3中の藻に対する窒素の割合Xが7.5質量%に低下するまでの培養)を実行し、以後、ステップB、ステップA・・・を交互に繰り返す。ただし、ステップBにおいて第1の培養槽3から培地を移送する先は、1回目のステップBでは第2の培養槽5であり、2回目のステップBでは第2の培養槽7であり、3回目のステップBでは第2の培養槽9である。以後同様に、4、7、10・・・回目のステップBでは第2の培養槽5に培地を移送し、5、8、11・・・回目のステップBでは第2の培養槽7に培地を移送し、6、9、12・・・回目のステップBでは第2の培養槽9に培地を移送する。
培地の移送先が第の培養槽7、9の場合でも、第2の培養槽5に移送する場合と同様に、培地と同量(1/2V)の塩の水溶液も導入し、総容量をVとする。
なお、4、7、10・・・回目のステップBにおいて第2の培養槽5に培地を移送するとき、その3回前のステップBにおいて第2の培養槽5に移送されていた培地は、既に後述する回収条件に達し、第2の培養槽5から取り出されている。よって、ステップBにおいて第2の培養槽5に培地を移送するときは、常に空の第2の培養槽5に培地を移送する。第2の培養層7、9への培地の移送についても同様である。
第1の培養槽3における藻体濃度の推移を図2に示す。藻体濃度とは、1Lの培地中に含まれる藻の乾燥質量(g)である。藻体濃度は、ステップAにおいて増加し、ステップBにおいて、培地の半分を新鮮培地に入れ替えることにより減少する。ステップBの直後(ステップAの初期)においても、藻体濃度は誘導期に対応する藻体濃度よりも高い。なお、誘導期とは、図3に示すように、藻体濃度が小さく、藻体濃度の上昇が緩やかな期間である。
一方、第2の培養槽5では、第1の培養槽3から移送された培地に、同量(1/2V)の塩の水溶液を添加した培地中で、藻の培養を行う。定期的に第2の培養槽5から一部の培地をサンプリングし、回収条件に達しているか否かを判断する。この回収条件とは、藻に対する窒素の割合Xが2〜3質量%になる(窒素欠乏条件になる)条件である。
回収条件に達すると、弁31を開とし、出口配管29から第2の培養槽5中の全ての培地を取り出す。なお、取り出された培地中に含まれる藻類からは、オイルが抽出される。第2の培養槽7、9についても、第2の培養槽5の場合と同様に、定期的にサンプリングして回収条件に達したか否かを判断し、回収条件に達すると全ての培地を取り出す。
3.藻類の培養方法が奏する効果を確かめるための試験
(1)原生生物の数の測定
塩の水溶液を培地に導入してから3時間後と、140時間後とに、第2の培養槽5、7、9中の培地を一部取り出し、その培地中の原生生物の量を、定量PCR法により測定した。その結果を図4、図5に示す。
なお、図4において「NaCl x%増」の表記は、塩の水溶液(NaCl水溶液)の導入により、第2の培養槽5、7、9中の培地におけるNaCl濃度がx(w/v%)増加した条件を表す。また、図5において、「海水x%増」の表記は、塩の水溶液(海水)の導入により、第2の培養槽5、7、9中の培地における海水の体積比がx(v/v%)増加した条件を表す。図4、図5のグラフにおける縦軸は、コントロールの場合を1とした相対値である。
図4、図5に示されているように、塩の水溶液を培地に導入することで、原生生物の数を顕著に抑制することができた。
(2)オイル生産量の測定
回収条件に達し、第2の培養槽5、7、9から取り出された培地中に含まれる藻類の全乾燥重量α(単位はmg)を測定した。また、単位重量の藻類に含まれるオイル含量β(単位はw%)を測定した。そして、αとβとの積を算出し、これをオイル生産量Cとした。
上記のオイル生産量Cを、導入した塩水溶液の種類ごとに産出した。すなわち、導入した塩の水溶液が3%濃度NaCl溶液の場合、1.5%濃度NaCl溶液の場合、0.75%濃度NaCl溶液の場合、海水原液の場合、1/2希釈海水の場合、1/4希釈海水の場合、及びコントロールの場合のそれぞれについて、オイル生産量Cを算出した。
そして、任意の塩の水溶液の場合のオイル生産量をCiとし、コントロールの場合におけるオイル生産量をC0としたとき、Ci/C0を、その塩の水溶液の場合におけるオイル生産比とした。オイル生産比を、図6、図7に示す。
図6、図7に示すように、いずれの塩の水溶液を培地に導入しても、オイル生産比が大きく低下することはなかった。特に、NaCl濃度の増加量が0.75、1.5(w/v%)の場合、及び海水の体積比の増加量が25、50(v/v%)の場合、オイル生産比が1より大きくなった(すなわち、コントロールの場合よりオイル生産量が大きくなった)。
(実施例2)
1.藻類の培養方法
基本的には前記実施例1と同様にして、藻類の培養を行った。ただし、本実施例では、以下の2条件で藻類の培養を行った。
(条件1)塩の水溶液として、1/2V容量の海水原液を使用した。また、海水原液を導入した後の培地に、HClを適量添加し、培地のpHを3〜4に調整した。
(条件2)塩の水溶液として、1/2V容量の海水原液を使用した。海水原液を導入した後の培地に対しpH調整は行わなかった。なお、海水原液を導入した後の培地におけるpHは6前後であった。
3.藻類の培養方法が奏する効果を確かめるための試験
塩の水溶液を導入する直前、塩の水溶液を導入してから3時間後、及び塩の水溶液を導入してから140時間後に、それぞれ、第2の培養槽5、7、9から培地を取出し、培地に含まれる生菌(バクテリア)の数を計測した。バクテリアの数は、寒天培地で生じるコロニーの数に基づき計測した。そして、塩の水溶液を導入する直前の培地におけるバクテリアの数を100としたときのバクテリアの数の相対値を算出した。
上記条件1の場合におけるバクテリアの数の相対値を図8に示し、上記条件2の場合におけるバクテリアの数の相対値を図9に示す。
図8、図9に示されているように、上記条件1の場合の方が、バクテリアの数の相対値が低かった。原生生物はバクテリアを捕食するので、条件1を用い、培地中のバクテリア数を抑制すれば、培地中の原生生物を一層抑制することができる。
(参考例)
基本的には前記実施例1と同様にして、藻類の培養を行った。ただし、本実施例では、導入する塩の水溶液を、4%濃度NaCl溶液とした。この場合、第2の培養槽5、7、9中の培地におけるNaCl濃度の増加量は、2.0w/v%となる。
本参考例においても、前記実施例1と同様に、原生生物の数を抑制することができた。ただし、本参考例では、コントロールに比べて、オイル生産比が約0.2低下した。
1…新鮮培地タンク、3…第1の培養槽、5、7、9…第2の培養槽、11…供給管、13、21、23、25、27、31…弁、15…配管系、15a、15b、15c、15d…配管、17…3方弁、29…出口配管、100…培養システム

Claims (4)

  1. 屋外に設置される開放系の培養槽を用いる藻類の培養方法であって、
    前記藻類はシュードココミクサであり、
    前記藻類を培養中の培地に塩を添加する塩添加工程を有し、
    前記塩添加工程により、前記培地の導電率が5mS/cm以上増加し、
    前記塩添加工程後における前記培地のpHが3〜4の範囲内であることを特徴とする藻類の培養方法。
  2. 前記塩としてNaClを含み、
    前記塩添加工程により、前記培地におけるNaCl濃度が0.3w/v%以上増加することを特徴とする請求項1に記載の藻類の培養方法。
  3. 前記塩添加工程において海水を添加し、
    前記塩添加工程により、前記培地における海水の体積比が12v/v%以上増加することを特徴とする請求項1に記載の藻類の培養方法。
  4. 窒素充分条件にある前記藻類を、藻に対する窒素の割合が7.5〜9質量%の範囲内で設定される所定値に低下するまで培養を行ってから、前記塩添加工程を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の藻類の培養方法。
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