JP6338185B2 - 高分子アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極層間の電圧に応じて変形する高分子アクチュエータに関し、特に、層構成を改良した高分子アクチュエータ及びその製造方法に関する。
各種電子機器において、小型で且つ軽量で柔軟性に富むアクチュエータの必要性が高まっており、この要求に対して、高分子伸縮式の高分子アクチュエータが期待されている。
この高分子アクチュエータの従来例として、特許文献1では、イオン性液体を含む電解質層を有した高分子アクチュエータが提案されている。図7は、従来例の高分子アクチュエータを説明する構成の概略を示す図であり、図7(a)は、3層構造のアクチュエータ素子910であり、図7(b)は、5層構造のアクチュエータ素子920である。
図7(a)に示すアクチュエータ素子910は、イオン性液体とポリマーとのゲル状組成物からなるイオン伝導層901を、カーボンナノチューブとイオン性液体とポリマーとのゲル状組成物からなる電極層902とで挟んだ3層構造になっている。そして、この電極層902間に0.5〜3.0(V)の直流電圧を加えると、電極層902間に生じた電位差によりイオン伝導層901内のイオンが分極し、アクチュエータ素子910の伸縮の偏りができて、数秒以内に素子長の0.5〜1倍程度の変位変化が見られるとしている。
しかしながら、この電極層902の導電率が低いため、高分子アクチュエータの変位応答性が悪いと言った課題があった。そこで、図7(b)に示すアクチュエータ素子920では、電極層902外側に貴金属やカーボンペースト等の導電層923を設けた5層構造が提案されている。この導電層923の形成にあたっては、スパッタ法、蒸着法等による貴金属皮膜層の堆積、或いはスプレー法、印刷法によるカーボンペーストの塗布/硬化等の方法が用いられている。そして、この導電層923により、アクチュエータ素子920における電極部分の導電率が高くなったため、図7(b)に示すアクチュエータ素子920は、図7(a)に示すアクチュエータ素子910より、はるかに変位応答性が良くなっているとしている。
特開2005−176428公報
しかしながら、貴金属皮膜で作製された導電層923では、膜質が硬質のため、変形の繰り返しに弱いと言う問題があった。また、カーボンペースで作製された導電層923では、導電率を貴金属皮膜にまでに高くすることが難しく、導電率を高くするために層厚を厚くすると、変形に対して悪影響を与えるばかりでなく、同じように変形の繰り返しに弱くなると言う課題があった。このように、従来技術では、変形の繰り返しに対して強い耐性を有し、しかも変位応答性が高い高分子アクチュエータを得ることができないという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するもので、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータ及びその高分子アクチュエータを容易に作製することができる製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の高分子アクチュエータは、電解質層と、該電解質層の厚さ方向の両面に設けられた一対の電極層と、を有し、前記一対の電極層の間の電圧に応じて変形する高分子アクチュエータにおいて、前記一対の電極層の少なくとも一方には、前記電解質層と接する前記電極層の反対側の面に、電流が流れやすい集電層を有し、該集電層が、金属粒子を含む第1集電層と、該第1集電層と同じ種類の金属を含む金属薄膜からなる第2集電層と、を有することを特徴としている。
これによれば、本発明の高分子アクチュエータは、電極層と第1集電層及び第2集電層とで構成する電極の導電率を高くすることができる。このため、高分子アクチュエータの変位応答性を良くすることができる。更に、第1集電層と第2集電層との2層構造で集電層を形成しているので、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜と薄く形成できる金属薄膜とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層を形成することができる。このため、高分子アクチュエータの変形に対して動きを阻害することなく、変形の繰り返しに対しても強い耐性を有している。従って、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータを提供することができる。
また、本発明の高分子アクチュエータは、前記電解質層がポリマーとイオン液体を混合したゲルを含んでおり、前記電極層が前記ポリマーと前記イオン液体と導電性粒子とを混合したゲルを含むことを特徴としている。
これによれば、低い電圧で大きな変位が得られる高分子アクチュエータを提供することができる。
また、本発明の高分子アクチュエータは、前記金属が金であることを特徴としている。
これによれば、第1集電層と第2集電層に用いる金属が金であるので、金属としては非常に軟らかい物質であり、しかも高い導電性と腐食に対する強い耐性を有している。このため、柔軟性と高い導電性とを集電層に付与することができるとともに、耐環境に対して強い集電層を得ることができる。
また、本発明の高分子アクチュエータの製造方法は、電解質層と、該電解質層の厚さ方向の両面に設けられた一対の電極層と、を有し、前記一対の電極層の間の電圧に応じて変形する高分子アクチュエータの製造方法において、溶媒と導電性粒子とイオン液体とポリマーとを混合し、前記溶媒を揮発させてゲルの前記電極層を形成する電極層形成工程と、前記電極層に、前記ポリマーを溶かす前記溶媒に金属粒子を分散させた分散液を塗布して前記溶媒を揮発させることにより金属粒子を含む第1集電層を形成する第1集電層形成工程と、前記第1集電層と同じ種類の金属を真空成膜することにより第2集電層を形成する第2集電層形成工程と、を有することを特徴としている。
これによれば、電極層に第1集電層と第2集電層を順次積層させるだけで、容易に集電層を作製することができる。しかも、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜と薄く形成できる金属薄膜とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層を容易に形成することができる。このことにより、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータを容易に作製することができる。
また、本発明の高分子アクチュエータの製造方法は、イオン液体とポリマーとを含む電解質層の厚さ方向の両面に、前記電極層を積層する積層工程を有することを特徴としている。
これによれば、電解質層の両面に一対の電極層を積層させるだけで、容易に高分子アクチュエータを作製することができる。しかも、電解質層がポリマーとイオン液体を混合したゲルを含んでいるので、低い電圧で大きな変位が得られる高分子アクチュエータを提供することができる。
また、本発明の高分子アクチュエータの製造方法は、前記金属が金であることを特徴としている。
これによれば、金は、金属としては非常に軟らかい物質であり、しかも高い導電性と腐食に対する強い耐性を有している。このため、柔軟性と高い導電性とを集電層に付与することができるとともに、耐環境に対して強い集電層を得ることができる。
本発明の高分子アクチュエータは、電極層と第1集電層及び第2集電層とで構成する電極の導電率を高くすることができる。このため、高分子アクチュエータの変位応答性を良くすることができる。更に、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜(第1集電層)と薄く形成できる金属薄膜(第2集電層)とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層を形成することができる。このため、高分子アクチュエータの変形に対して動きを阻害することなく、変形の繰り返しに対しても強い耐性を有している。従って、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータを提供することができる。
また、本発明の高分子アクチュエータの製造方法は、電極層に第1集電層と第2集電層を順次積層させるだけで、容易に集電層を作製することができる。しかも、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜と薄く形成できる金属薄膜とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層を容易に形成することができる。このことにより、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータを容易に作製することができる。
本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータを説明する模式図であって、高分子アクチュエータの斜視図である。 本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータを説明する模式図であって、図1のZ1側から見た平面図である。 本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータを説明する模式図であって、図2に示すIII−III線における断面図である。 本発明の第1実施形態における高分子アクチュエータの動作原理について説明した模式図である。 本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータに用いた集電層を説明する図であって、図5(a)は、第1集電層に用いた金属粒子の電子顕微鏡写真であり、図5(b)は、第1集電層上に第2集電層を積層した状態の電子顕微鏡写真である。 本発明の第1実施形態における高分子アクチュエータの製造工程中の断面模式図である。 従来例の高分子アクチュエータを説明する構成の概略を示す図であり、図7(a)は、3層構造のアクチュエータ素子であり、図7(b)は、5層構造のアクチュエータ素子である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101を説明する模式図であって、高分子アクチュエータ101の斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101を説明する模式図であって、図1のZ1側から見た平面図である。図3は、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101を説明する模式図であって、図2に示すIII−III線における断面図である。なお、図1ないし図3は模式図なので、高分子アクチュエータ101の実際の寸法とは異なる。
本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101は、図1及び図2に示すような外観を呈し、図3に示すように、電解質層11と、電解質層11の厚さ方向の両面に設けられた一対の電極層12(12A、12B)と、一対の電極層12(12A、12B)の厚さ方向の外側に形成された集電層3(3A、3B)と、を備えて構成される。また、集電層3は、図3に示すように、電解質層11と接する電極層12(12A、12B)の反対側の面に形成された第1集電層13(13A、13B)と、第1集電層13の厚さ方向の外側に形成された第2集電層23(23A、23B)と、から構成されている。
また、高分子アクチュエータ101には、他に、集電層3Aを介して一方の電極層12Aと電気的に接続した第1導電端子19Aと、集電層3Bを介して他方の電極層12Bと電気的に接続した第2導電端子19Bと、この第1導電端子19A及び第2導電端子19Bと集電層3(3A、3B)との接続部分を覆うカバー部材15と、を有している。そして、第1導電端子19A及び第2導電端子19Bから電力を供給すると、電極層12Aと電極層12Bとの間の電圧に応じて、この高分子アクチュエータ101が変形するようになっている。
ここで、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101に用いたイオン導電型のアクチュエータについて説明する。図4は、イオン導電型のアクチュエータの動作原理について説明した模式図であって、図4(a)は、本発明の第1実施形態の電解質層11と電極層12におけるイオンを模式化した図であり、図4(b)は、本発明の第1実施形態の電極層12に電圧が印加された状態を示している。
図4(a)に示すように、イオン導電型のアクチュエータは、対向配置された一対の電極層12(12A、12B)と、一対の電極層12(12A、12B)との間に設けられた電解質層11と、を有し、それぞれの層の中には、陽イオンCAと陰イオンANが分散されている。そして、図4(b)に示すように、電極層12Aと電極層12Bとの間に電圧が印加されると、電極層12Aと電極層12Bとの間に挟まれている電解質層11内に電界が発生して、電極層12Aに陽イオンCAが移動するとともに、電極層12Bに陰イオンANが移動する。このため、一方側を支持して支点PP(支持部分)とすると、アクチュエータへの電界の方向に応じて、アクチュエータの他方側が大きく変位する。そして、このアクチュエータの他方側を作用点LP(作用部分)とすると、各種アクチュエータとして利用することができる。なお、アクチュエータへの電界の方向を変えることで、アクチュエータの作用方向を変えることができるし、アクチュエータへの電圧の強さを変えることで、電圧に応じて変形する変形量を変えることもできる。
次に、上述した各構成要素について詳しく説明する。図5は、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101に用いた集電層3を説明する図であって、図5(a)は、第1集電層13に用いた金属粒子の電子顕微鏡写真であり、図5(b)は、第1集電層13上に第2集電層23を積層した状態の電子顕微鏡写真である。
先ず、高分子アクチュエータ101の電解質層11は、ベースとなるポリマー(樹脂材料)にイオン液体を混合したゲル状のフィルムであり、図3に示すように、一対の電極層12(12A、12B)に挟まれている。また、電解質層11の作製は、イオン液体及び樹脂材料(ポリマー)を溶媒に溶かしてキャスト液を作製し、型枠にキャスト液をキャスティングした後、真空乾燥して溶媒を蒸発させることにより行われる。なお、電解質層11のポリマー(樹脂材料)の材質として、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDGF)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等を用いることができる。
次に、高分子アクチュエータ101の電極層12は、電解質層11と同じベースとなるポリマー(樹脂材料)及びイオン液体と、導電性粒子を有して構成され、ポリマー(樹脂材料)及びイオン液体中に導電性粒子を混合してゲル状としたものである。そして、一対の電極層12(12A、12B)は、前述したように、電解質層11の厚さ方向の両面に設けられ、電解質層11を挟持している(図3を参照)。以上のように構成された電解質層11及び電極層12(12A、12B)を用いると、低い電圧で大きな変位が得られるようになる。なお、電極層12の導電性粒子としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、金粒子、白金粒子、ニッケル粒子等を用いることができる。
次に、高分子アクチュエータ101の集電層3は、金属粒子を含む第1集電層13と、第1集電層13と同じ種類の金属を含む金属薄膜からなる第2集電層23と、から構成されており、図3に示すように、第1集電層13(13A、13B)が一対の電極層12(12A、12B)の厚さ方向の外側に形成されるとともに、第2集電層23(23A、23B)が第1集電層13(13A、13B)の厚さ方向の外側に形成されている。これにより、電極層12と集電層3とで導電率の高い一対の電極D4を構成することができ、従来例のカーボンペースで作製された場合の導電層923と比較して、電極D4の導電率を高くすることができる。そして、この集電層3を電極層12の厚さ方向の外側にそれぞれ配設しているので、集電層3に電流が流れやすくなり、一対の電極層12(12A、12B)間の電位の変化が早くなる。このため、高分子アクチュエータ101の変位応答性を良くすることができる。なお、本発明の第1実施形態では、集電層3が一対の電極層12(12A、12B)の両側に好適に形成されているが、これに限らず、一対の電極層12(12A、12B)の少なくとも一方に形成されていれば良い。
集電層3の第1集電層13は、図5(a)に示すような金の金属粒子を用いており、厚みが5μm前後の皮膜で構成されている。また、集電層3の第2集電層23は、スパッタリング法や真空蒸着法等で作製しており、厚みが1μm前後の金の金属薄膜で構成され、第1集電層13に積層されている。その結果、図5(b)に示すように、金属粒子上に金が積層されて粒子間の隙間が減少している。このように、第1集電層13と第2集電層23に用いた金属が金であるので、金属としては非常に軟らかい物質であり、しかも高い導電性と腐食に対する強い耐性を有している。このため、柔軟性と高い導電性とを集電層3(第1集電層13及び第2集電層23)に付与することができるとともに、耐環境に対して強い集電層3を得ることができる。なお、図3などで示した断面は模式的なものであり、金属粒子が集まって形成されている第1集電層13の隙間から内部にスパッタリングや蒸着で金が積層されて第2集電層23が第1集電層13の内部に入り込んだ形で形成されることもある 。
更に、金属粒子を含む第1集電層13と金属薄膜からなる第2集電層23とで集電層3を形成したので、従来例の貴金属の皮膜のみで作製された場合の導電層923と比較して、この集電層3(第1集電層13及び第2集電層23)は柔軟性を有している。このため、この集電層3を電極層12(12A、12B)と積層して用いても、高分子アクチュエータ101の変形に対しての動きを阻害することなく、変形の繰り返しに対しても強い耐性を有している。以上のことから、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101は、柔軟性があり変位応答性の良いアクチュエータを提供することができる。
最後に、高分子アクチュエータ101の第1導電端子19A及び第2導電端子19Bは、鋼板を加工して作製されており、表面にニッケル或いはスズのめっきが施されている。また、高分子アクチュエータ101のカバー部材15は、片側に粘着層(図示していない)が設けられたPETフィルム(PET、Polyethylene terephthalate)を用いている。そして、図1ないし図3に示すように、カバー部材15により、第1導電端子19A及び第2導電端子19Bが第2集電層23(23A、23B)に固定されている。
次に、高分子アクチュエータ101の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、高分子アクチュエータ101の製造工程中における断面模式図であり、図6(a)は、電極層形成工程P1の終了後を示し、図6(b)は、第1集電層形成工程P2の終了後を示し、図6(c)は、第2集電層形成工程P3の終了後を示し、図6(d)は、剥離工程P4後を示し、図6(e)は、積層工程P5の終了後を示し、図6(f)は、端子付け工程P6の終了後を示している。
本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101の製造方法は、先ず、図6(a)に示すように、電極層12を形成する電極層形成工程P1を行う。電極層形成工程P1では、導電性粒子を含む電極層12をキャスト法にて形成する。具体的には、先ず、イオン液体、導電性粒子、及び樹脂材料(ポリマー)を溶媒に溶かして混合してキャスト液を作製する。続いて、このキャスト液を石英等で形成された台座18上にキャスティングした後、真空乾燥することにより溶媒を揮発させる。そして、ゲルの電極層12が得られる。
次に、図6(b)に示すように、電極層12上に第1集電層13を形成する第1集電層形成工程P2を行う。具体的には、先ず、超音波振動装置等を用いて、金の金属粒子を溶媒に分散させて分散液を作製する。続いて、この分散液を電極層12上に塗布した後、真空乾燥することにより溶媒を揮発させる。そして、金の金属粒子を含む第1集電層13が得られる。この際に、第1集電層形成工程P2で使用する溶媒として、電極層12のポリマーを溶かす溶媒を用いることにより、金属粒子の一部を電極層12に食い込ませることができる。このため、電極層12と第1集電層13との密着性を向上させることができる。このことにより、高分子アクチュエータ101の変形の繰り返しに対して強い耐性を有することができる。
次に、図6(c)に示すように、第1集電層13上に第2集電層23を形成する第2集電層形成工程P3を行う。第2集電層形成工程P3では、金属薄膜からなる第2集電層23をスパッタリング法や真空蒸着法等を用いて形成する。具体的には、先ず、第2集電層形成工程P3迄で作製した電極層12及び第1集電層13を台座18ごと真空チャンバー内にセットする。続いて、第1集電層13と同じ種類の金属である金をターゲットにして、第1集電層13上に真空成膜する。そして、金の金属薄膜の第2集電層23が得られる。このようにして、電極層12と集電層3(第1集電層13及び第2集電層23)からなる電極D4が得られる。このようにして、電極層12に第1集電層13と第2集電層23を順次積層させるだけで、容易に集電層3を作製することができる。
次に、図6(d)に示すように、電極D4を台座18から剥離する剥離工程P4を行う。なお、電極層形成工程P1、第1集電層形成工程P2、第2集電層形成工程P3及び剥離工程P4を同じように行って、電極層12Aに集電層3A(第1集電層13A及び第2集電層23A)が積層された電極D4Aと、電極層12Bに集電層3B(第1集電層13B及び第2集電層23B)が積層された電極D4Bと、を形成する(図6(e)を参照)。
次に、図6(e)に示すように、電解質層11を一対の電極層12(12A、12B)間に挟んで積層する積層工程P5を行う。積層工程P5では、電極D4Aの電極層12Aともう一つの電極D4Bの電極層12Bとを対向させて、電解質層11の両面を電極層12(12A、12B)間に挟んで積層させる。具体的には、電解質層11と電極D4A及び電極D4B間を加熱圧着するして積層させている。このようにして、電解質層11の両面に一対の電極D4(D4A、D4B)を積層させるだけで、電解質層11の上下面を一対の電極層12(12A、12B)で挟んだ積層構造を容易に得ることができる。なお、電解質層11の作製は、電極層12と同様なキャスト法を用いており、イオン液体及び樹脂材料(ポリマー)を溶媒に溶かしたキャスト液を作製して行っている。
以上のように、電極層形成工程P1と第1集電層形成工程P2と第2集電層形成工程P3と積層工程P5とを行うことにより、電解質層11と一対の電極層12(12A、12B)と一対の集電層3(第1集電層13及び第2集電層23)とを順次積層させるだけで、導電率の高い一対の電極D4(D4A、D4B)が積層された高分子アクチュエータ101を、容易に作製することができる。
最後に、図6(f)に示すように、第1導電端子19A及び第2導電端子19Bを装着する端子付け工程P6を行う。具体的には、先ず、電極D4Aの第2集電層23Aに第1導電端子19Aを接着し、電極D4Bの第2集電層23Bに第2導電端子19Bを接着する。この接着には、導電性接着剤を好適に用いている。次に、片側に粘着層が設けられたPETフィルムのカバー部材15を、第1導電端子19A及び第2導電端子19Bが覆われるように配設して、第2集電層23(23A、23B)に接着する。なお、カバー部材15の第2集電層23(23A、23B)への接着は、粘着層を熱硬化させることによって容易に達成できる。
以上の工程を行うことにより、本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101を製造することができる。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101及びその製造方法における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101は、一対の電極層12の両側には、金属粒子を含む第1集電層13と金属薄膜からなる第2集電層23とを有しているので、電極層12と第1集電層13及び第2集電層23とで構成する電極D4の導電率を高くすることができる。このため、高分子アクチュエータ101の変位応答性を良くすることができる。更に、第1集電層13と第2集電層23との2層構造で集電層3を形成しているので、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜と薄く形成できる金属薄膜とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層3を形成することができる。このため、高分子アクチュエータ101の変形に対して動きを阻害することなく、変形の繰り返しに対しても強い耐性を有している。従って、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータ101を提供することができる。
また、電解質層11がポリマーとイオン液体を混合したゲルを含んでおり、電極層12がポリマーとイオン液体と導電性粒子を混合したゲルを含んでいるため、低い電圧で大きな変位が得られる高分子アクチュエータ101を提供することができる。
また、第1集電層13(13A、13B)と第2集電層23(23A、23B)に用いる金属が金であるので、金属としては非常に軟らかい物質であり、しかも高い導電性と腐食に対する強い耐性を有している。このため、柔軟性と高い導電性とを集電層3(13、23)に付与することができるとともに、耐環境に対して強い集電層3を得ることができる。
本発明の第1実施形態の高分子アクチュエータ101の製造方法は、電極層形成工程P1と第1集電層形成工程P2と第2集電層形成工程P3とを有しているので、電極層12に第1集電層13と第2集電層23を順次積層させるだけで、容易に集電層3を作製することができる。しかも、柔軟性の高い金属粒子を含む皮膜と薄く形成できる金属薄膜とで、充分な導電性を有した柔軟性の高い集電層3を容易に形成することができる。このことにより、柔軟性があり変位応答性の良い高分子アクチュエータ101を容易に作製することができる。
また、電解質層11の厚さ方向の両面に電極層12(12A、12B)を積層する積層工程P5を有しているので、電解質層11の両面に一対の電極層12を積層させるだけで、容易に高分子アクチュエータ101を作製することができる。しかも、電解質層11がポリマーとイオン液体を混合したゲルを含んでいるので、低い電圧で大きな変位が得られる高分子アクチュエータ101を提供することができる。
また、第1集電層13(13A、13B)と第2集電層23(23A、23B)に用いる金属が金であるので、金属としては非常に軟らかい物質であり、しかも高い導電性と腐食に対する強い耐性を有している。このため、柔軟性と高い導電性とを集電層3(第1集電層13及び第2集電層23)に付与することができるとともに、耐環境に対して強い集電層3を得ることができる高分子アクチュエータ101を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、第1集電層13及び第2集電層23の金属として金を用いたが、これに限るものではなく、例えば白金、銅等でも良い。
<変形例2>
上記第1実施形態に対して、更に封止部材を用い、高分子アクチュエータ101の全体を封止部材で包み込んだ封止構造を適用しても良い。これにより、高分子アクチュエータ101を水分を含む外気から保護することができる。このことにより、電解質層11及び電極層12(12A、12B)を外気からより遮断することができ、電解質層11及び電極層12(12A、12B)の水分による劣化を防止することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
11 電解質層
12、12A、12B 電極層
13、13A、13B 第1集電層
23、23A、23B 第2集電層
P1 電極層形成工程
P2 第1集電層形成工程
P3 第2集電層形成工程
P5 積層工程
101 高分子アクチュエータ

Claims (6)

  1. 電解質層と、該電解質層の厚さ方向の両面に設けられた一対の電極層と、を有し、前記一対の電極層の間の電圧に応じて変形する高分子アクチュエータにおいて、
    前記一対の電極層の少なくとも一方には、前記電解質層と接する前記電極層の反対側の面に、電流が流れやすい集電層を有し、
    該集電層は、金属粒子を含む第1集電層と、該第1集電層と同じ種類の金属を含む金属薄膜からなる第2集電層と、を有することを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 前記電解質層は、ポリマーとイオン液体を混合したゲルを含んでおり、
    前記電極層は、前記ポリマーと前記イオン液体と導電性粒子とを混合したゲルを含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記金属が金であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高分子アクチュエータ。
  4. 電解質層と、該電解質層の厚さ方向の両面に設けられた一対の電極層と、を有し、前記一対の電極層の間の電圧に応じて変形する高分子アクチュエータの製造方法において、
    溶媒と導電性粒子とイオン液体とポリマーとを混合し、前記溶媒を揮発させてゲルの前記電極層を形成する電極層形成工程と、
    前記電極層に、前記ポリマーを溶かす前記溶媒に金属粒子を分散させた分散液を塗布して前記溶媒を揮発させることにより金属粒子を含む第1集電層を形成する第1集電層形成工程と、
    前記第1集電層と同じ種類の金属を真空成膜することにより第2集電層を形成する第2集電層形成工程と、を有することを特徴とする高分子アクチュエータの製造方法。
  5. 前記イオン液体と前記ポリマーとを含む前記電解質層の厚さ方向の両面に、前記電極層を積層する積層工程を有することを特徴とする請求項4に記載の高分子アクチュエータの製造方法。
  6. 前記金属が金であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高分子アクチュエータの製造方法。
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