JP6338180B2 - 光学シミュレーション方法およびそれを実行させるためのプログラム - Google Patents

光学シミュレーション方法およびそれを実行させるためのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、光透過面を透過して発光装置の外部へ出射される放射光の強度についてシミュレーションを行う光学シミュレーション方法およびそれを実行させるためのプログラム
に関する。
現在、小型であって発光効率が高く、さらに長寿命であることから、LEDの開発競争が世界中で行われている。特に、その用途の広さから表面実装型(SMD)LEDの研究が盛んであり、例えばサイドビュー(SV)LEDは、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトとして頻繁に用いられている。
一般に、表面実装型LEDなどの開発の初期段階では、光学シミュレータを用いて発光面などでの光強度分布を予め得ておくことが重要である。LEDの設計者は、シミュレート結果である光強度分布を均一にするように、LEDの各コンポーネントについて寸法などのパラメータ設計を行う。
非特許文献1には、液晶ディスプレイのバックライト開発のための、モンテカルロ法を用いた3次元光線追跡シミュレーション方法が開示されている。また、非特許文献2には、市販の3次元照明解析シミュレータを用いた、蛍光体を含むLEDにも適用可能な光学シミュレーション方法が開示されている。
「液晶ディスプレイ開発における光線追跡シミュレーション」、シャープ技報、第80号、2001年8月、51〜55頁 「最先端光学素子の開発に適用できる光学シミュレーション」、東芝レビュー、Vol.64、No.5(2009)
しかし、非特許文献1、2に開示されているような3次元光学シミュレーション方法では、以下のような課題があった。第1に、予め設計者が3Dモデリングソフトを用いて作成した3次元データを基にシミュレーションを行う必要があり、3次元データの作成とシミュレーションの設定における作業が複雑となってユーザの高いスキルが要求される。第2に、3次元シミュレーションは計算量が多く、結果を得るためには相当の時間を要する。第3に、市販されている3次元光学シミュレータや3Dモデリングソフトは一般に高額である。
なお、上記のような課題は、表面実装型LEDの設計に限らず、発光装置全般の設計に当然に当てはまるものである。
本発明の目的は、短時間で結果を得ることができる簡易な光学シミュレーション方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学シミュレーション方法では、凹部を有するパッケージと、凹部の底面に載置されて放射光を発生させる発光素子と、凹部に充填された光透過材料とを備えた発光装置において、光透過材料が規定する光透過面を透過して発光装置の外部へ出射される放射光の強度についてコンピュータを用いてシミュレーションを行う。
光透過面は、互いに垂直なx方向とy方向により規定される矩形を組み合わせた形状である。x方向とy方向に対して垂直な方向をz方向とする。
この方法は、
コンピュータが、発光素子を含むxz断面とyz断面でそれぞれ、放射光に含まれる複数の光線について光線追跡を行う工程と、
コンピュータが、発光素子を含むxz断面とyz断面でそれぞれ、光線追跡の結果に基づいて、光透過面を透過する放射光の強度についての1次元分布H,Vを得る工程と、
コンピュータが、xz断面での1次元分布Hとyz断面での1次元分布Vとを乗算し、光透過面を透過する放射光の強度についての2次元分布を得る工程と
を含む。


本発明によれば、xz断面とyz断面でそれぞれシミュレーションを行い、得られた結果を組み合わせることにより、短時間で結果を得ることができる簡易な光学シミュレーション方法が実現する。
本発明の実施の形態による光学シミュレーション方法が対象とする発光装置の一例を示す水平断面図(a)と垂直断面図(b)である。 反射・屈折の法則を説明するための図であり、(a)は光透過面での反射と屈折を、(b)はパッケージまたはリードフレームでの光の反射を示す。 コンピュータの表示部に表示されるユーザインタフェースの一例を示す。 LEDチップによる光の放射を説明するための図である。 本発明の実施の形態による光学シミュレーション方法を示すフローチャートである。 ユーザの設定に従ってメッシュ分割された光透過面を示す。 実施例1による水平方向での光線追跡の結果を示す。 実施例1による垂直方向での光線追跡の結果を示す。 実施例1のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 実施例2による水平方向での光線追跡の結果を示す。 実施例2による垂直方向での光線追跡の結果を示す。 実施例2のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 実施例3による水平方向での光線追跡の結果を示す。 実施例3による垂直方向での光線追跡の結果を示す。 実施例3のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 実施例4のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 実施例5のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 実施例6のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 比較例1のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 比較例2のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 比較例3のシミュレーション結果である2次元分布を示す。 変形例による光学シミュレーション方法が対象とする発光装置のキャビティを示す平面図である。 変形例による光学シミュレーション方法を説明するための図であり、(a)〜(c)は、図16のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による光学シミュレーション方法が対象とする発光装置の一例を示す断面図である。
以下、図1中の互いに垂直なx方向、y方向をそれぞれ水平方向(horizontal direction)、垂直方向(vertical direction)とする。x方向、y方向に対して垂直な方向をz方向(上下方向)とし、+z方向を上側、−z方向を下側とする。なお、これらの方向を表す用語は、図面中の方向を特定するため便宜的に用いており、本発明を限定するものではない。
発光装置10は、キャビティ(凹部)1を有するパッケージ2と、LEDチップ(以下、単にLEDという)3と、キャビティ1に充填された封止樹脂4などのコンポーネントを備える。
キャビティ1は、底面と側面により規定される錐体である。底面はz軸に対して垂直な面内に位置し、側面は底面に対して傾斜している。LED3は、キャビティ1の底面に載置されている。キャビティ1の底面にはリードフレーム5が露出している。リードフレーム5は、ワイヤ(図示せず)によりLED3の電極に電気的に接続されている。LED3は発光素子の一例である。封止樹脂4は光透過材料の一例である。
パッケージ2の構成材料には、エンジニアリングプラスチック全般(ポリアミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)、セラミックなどを用いることが一般的である。封止樹脂4の構成材料には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ガラス材料などの透明材料を用いることが一般的である。この例では、リードフレーム5に銀めっきが施されている。
LED3は放射光を発生させ、その上面から360°全体に向けて放射する。放射光の分布は、ガウス分布またはランバート分布に従うものとする。上面での放射光の発生位置は、面内で一様である。放射光は、パッケージ2およびリードフレーム5の表面での反射、封止樹脂4の上面での全反射を繰り返す。反射は、鏡面反射、ガウス反射、ランバート反射のうちいずれかが起こるとする。そして、放射光に含まれる複数の光線の少なくとも一部が、封止樹脂4の上面を透過して発光装置10の外部へ出射される。以下、封止樹脂4の上面により規定され且つ放射光が透過する、封止樹脂4と装置外部(空気)との界面を光透過面Tという。キャビティ1の上にレンズなどを設けない場合には、光透過面Tが発光面となる。
まず、一般的な反射・屈折の法則について図2を用いて説明する。図2において、θは入射角、θは屈折角、θは反射角を表す。図2(a)は光透過面Tでの反射と屈折を、図2(b)はパッケージ2またはリードフレーム5での光の反射を示す。反射の法則により、θ=θである。ただし、θが臨界角θより大きい場合、全反射が起こる。臨界角θは、空気の屈折率をn、封止樹脂4の屈折率をnとして、
θ=arcsin(n/n) …(1)
で与えられる。θが臨界角θより小さい場合、屈折角θ
θ=arcsin(n/nsinθ) …(2)
で与えられる。
次に、本発明の実施の形態による光学シミュレーション方法について説明する。
この方法は、光学シミュレーション用のプログラムが組み込まれた光学シミュレータ(図示せず)を用いて実行される。光学シミュレータは、CPU(中央演算装置)、メモリ、入力部、表示部などを備えたコンピュータにより実現される。本実施形態による光学シミュレーション方法の実行には高い処理能力は要求されない。それゆえ、コンピュータとして、タブレット端末、スマートフォンなどを用いてもよい。タブレット端末、スマートフォンの場合、タッチパネルが入力部と表示部を兼ねる。
シミュレーション用のプログラムは、外部サーバからのダウンロードによりコンピュータに搭載されてもよいし、コンピュータ読み取り可能な任意の記録媒体を介してコンピュータに搭載されてもよい。上記プログラムは、メモリに保存されたOS(オペレーティングシステム)、アプリケーションプログラムにより実行される。
図3は、コンピュータの表示部に表示されるユーザインタフェースの一例を示す。
光学シミュレータのユーザ、例えば光学装置10の設計者などは、コンピュータの入力部を介して、各コンポーネントの寸法と光学特性(dimensions and optical properties)、およびシミュレーションパラメータ(simulation parameters)をユーザインタフェースに入力する。ユーザインタフェースには、入力画面と一緒にシミュレーションの結果が表示される(図の左上)。
上記各パラメータの一例を以下に示す。なお、図に示したユーザインタフェースでは、パッケージ2を“PKG resin”、封止樹脂4を“mold resin”、リードフレーム5を“silver plating”と記載している。
(1)各コンポーネントの寸法と光学特性
(a)キャビティ1の上部長さ(top length)と下部長さ(bottom length)
(b)キャビティ1の上部幅(top width)と下部幅(bottom width)
(c)キャビティ1の深さ(depth)
(d)パッケージ2の反射率(reflectance)と反射タイプ(reflection type)
(e)リードフレーム5の反射率(reflectance)と反射タイプ(reflection type)
(f)封止樹脂4の屈折率(refractive index)n
(g)LED3の長さ、幅、高さ(length, width, height)
(h)LED3の発光タイプ(light emitting)
(2)シミュレーションパラメータ
(a)光線発射回数N(a number of rays)
(b)光透過面Tのメッシュ数(mesh of top surface)
(c)減衰係数(attenuation factor)
上記(1)(h)の「LED3の発光タイプ」について、図4を用いて説明する。図4において、θは光線の発射角度を表す(−90°≦θ≦90°)。
放射光に含まれる各光線は、上方向(+z方向)または下方向(−z方向)に対してθ傾斜した方向に向けて、LED3の上面から発射される。発射される方向が上方向であるか下方向であるかは、それぞれ1/2の確率で選択される。反射タイプについてガウス分布(Gaussian)が選択された場合、θは、平均0で標準偏差σの正規分布N(0,σ)に従う乱数(正規乱数)である。ランバート分布(Lambertian)が選択された場合、θは一様乱数である。
次に、上記(1)(d)(e)の「パッケージ2、リードフレーム5の反射タイプ」について、図2を用いて説明する。
鏡面反射(mirror)が選択された場合、θ=θである。ガウス反射(Gaussian)、ランバート反射(Lambertian)が選択された場合、θ=θ+θである(−90°≦θl≦90°)。ガウス反射では、θは、平均0で標準偏差σの正規分布N(0,σ)に従う乱数(正規乱数)である。ランバート反射では、θは一様乱数である。
図5は、本発明の実施の形態による光学シミュレーション方法を示すフローチャートである。
この方法は、光透過面Tを透過して発光装置10の外部へ出射される放射光の強度についてシミュレーションを行う方法である。以下、フローチャートのYesを肯定、Noを否定と記載する。
まず、放射光に含まれる複数の光線について光線追跡を行う工程(S1〜S5)について説明する。
既に光線が発射された回数(放射光に含まれる光線の数)がN回より小さいか否かが判定される(工程S1)。工程S1が肯定の場合、1本の光線が発射される(工程S2)。工程S2は、放射光に含まれる各光線の発射位置および発射角度を入力パラメータとするモンテカルロ法に基づいて行われる。
この1本の光線について、光透過面Tを通過したか否かが判定される(工程S3)。具体的には、ユーザにより設定された封止樹脂4の屈折率nから上記式(1)により計算される臨界角θと光透過面Tへの入射角θとを比較し、θ<θであれば当該光線については光透過面Tを透過したと判定される。工程S3は、LED3を含むxz断面(図1(a))とyz断面(図1(b))についてそれぞれ行われる。
工程S3が否定の場合、発光装置10内での反射による光強度の減衰計算が行われる(工程S4)。
光線がパッケージ2またはリードフレーム5の表面で反射する場合、反射前の光強度I(in)と反射後の光強度I(re)の関係は、水平方向(添え字xn)と垂直方向に(添え字yn)ついてそれぞれ、
xn(re)=ρIxn(in) …(3)
yn(re)=ρIyn(in) …(4)
で表される。ρは、パッケージ2またはリードフレーム5の反射率である(0.0≦ρ≦1.0)。Ixn、Iynの初期値はそれぞれ1.0とする。以下、添え字のnは、第n番目に発射された光線であることを示す(n=1,2…N)。
工程S3が肯定の場合、上記減衰計算を経た、光透過面Tに到達した放射光の強度が積算され、メモリに記憶される(工程S5)。積算は、メッシュ分割された光透過面T(図6参照)上の計算格子に対してなされる。メッシュ分割は、予めユーザにより設定された分割数に従って行われる。
これらの工程S2〜S5は、工程S1が否定となるまで、すなわちすべての光線が発射されるまで繰り返される。メッシュ上の水平方向の積算値H、垂直方向の積算値Vは、
=H+ΣIxn …(5)
=V+ΣIyn …(6)
で与えられる。なお、H、VはH、Vの初期値であり、通常は0とする。このようにして、LED3を含むxz断面とyz断面で、それぞれ、光透過面Tを透過する放射光の強度についての1次元分布H,Vが計算される。
次に、下記の式のようにHとVとを乗算することにより、光透過面Tを透過する放射光の強度についての2次元分布D(Dyx)が計算される(工程S7)。
yx=H …(7)
次に、下記の式により正規化を行うことにより、相対強度分布Dが得られる。max(D)はメッシュ上でのDの最大値である。
=D/max(D) …(8)
(重み関数の計算)
ここで、得られる相対強度分布Dでは、LED3からの距離が大きくなる2次元分布の端部、特に4つの隅部では、実際に発光装置10を製造した場合に得られる分布よりも大きい値となり誤差が大きくなることが判っている。誤差を無視することもできるが、2次元分布Dyxの計算の際に重み関数wyxを乗算することにより、当該誤差を補正できる。重み関数wyxは、例えば下記の式で表される。
ここで、a,aは、予めユーザにより設定される減衰係数であり、l,lはLED3の上面の中心から垂直方向と水平方向のメッシュ上の中心座標までの距離であり、L,LはLED3の上面の中心から垂直方向と水平方向の端部のメッシュの中心までの距離である。上記式から判るように、LED3から中心座標までの距離が大きいほど重み関数は小さくなって2次元分布の値が抑制される。なお、重み関数は、2次元分布を補正する補正関数の一例である。
(実施例)
次に、本実施形態による光学シミュレーション方法の実施例について説明する。
光学シミュレータとしては、プログラムが組み込まれたパーソナルコンピュータを用いた。パーソナルコンピュータの仕様は以下の通りである。
・OS:Windows(登録商標)7 Professional 64bit
・IDE(統合開発環境):Visual C# 2010(Microsoft Visual Studio 2010)
・CPU:Intel Core i7−3770 3.4GHz
・RAM(ランダムアクセスメモリ):16GB
実施例1から3のシミュレーションは、下記の表1に示す条件の下で実行した。
実施例1から3では、LED3の各寸法(長さL×幅W×高さH)を0.5mm×0.2mm×0.1mmとした。また、LED3の発光タイプとしてガウス分布を選択した(σ=30°)。また、光線発射回数Nを1000000回とした。また、水平方向のメッシュ数Xの値は(キャビティ1の上部長さ)/0.1とし、垂直方向のメッシュ数Yの値は(キャビティ1の上部幅)/0.1とした。
また、各実施例では、重み関数として上記式(9)を適用した。
各実施例での条件1から条件3は、単にパラメータの変化によるシミュレーション結果の変化を視覚的に確認しやすくするために設定したものであって、好ましい条件を提示したものではない。
図7Aから図9Cは、それぞれ実施例1から3でのシミュレーション結果を示す。図7A、図8A、図9Aは、それぞれ水平方向での光線追跡の結果を示す。図7B、図8B、図9Bは、それぞれ垂直方向での光線追跡の結果を示す。黒線が光線を表す。図7C、図8C、図9Cは、それぞれ2次元分布の結果を示す。光強度が大きくなるにつれて、黒色から白色へと変化している。なお、2次元分布は上記光線発射回数(N=1000000)でのデータであるが、光線追跡では、図を見やすくするためにN=100でのデータを表示している。
これらの図から判るように、LED3が載置された位置の上方を中心に、光強度が大きい部分が特徴的に生じている。
上記表1に示したように、各実施例の光学シミュレーションは十数秒以内で終了している。ユーザは、図3に示すユーザインタフェース上で各パラメータを変更しつつ、表示された光線追跡の結果と2次元分布の結果の変化を、充分短い時間で視覚的に確認できる。そして、必要とされる光学装置10のデザインに応じて、例えば光透過面Tでの均一な光強度分布を与えるような好ましい条件を決定できる。あるいは逆に、各パラメータの値に基づいて、光学装置10のデザイン設計を行うこともできる。
図10から図12は、それぞれ実施例4から6のシミュレーション結果である2次元分布を示す。
実施例4から6では、LED3の発光タイプとしてランバート分布を選択し、その他のパラメータは実施例1から3と同一にしてシミュレーションを行った。図10から図12と図7C、図8C、図9Cとを比較すると、ガウス分布の方がより光透過面Tでの均一な光強度分布が得られている。したがって、条件1から3で設定したキャビティ1などのパラメータの場合、ユーザはガウス分布を選択するのが好ましいと言える。
ここで、比較例1から3として、実施例4から6で重み関数を乗算しなかった場合の2次元分布を図13から図15に示す。図10から図12と図13から図15とを比較すると、重み関数を適用することにより、光透過面Tの隅部での光強度が抑制されていることが判る。このようにして、実際に製造された光学装置10で測定される分布からの誤差を小さくすることができる。
本実施形態による光学シミュレーション方法では、高額な3次元光学シミュレータや3Dモデリングソフトを用いる必要がない。また、3Dモデリングソフトが必要とされないため作業は複雑とならず、したがってユーザの高いスキルが要求されることもない。また、3次元シミュレーションの場合にはアルゴリズムの計算量がnのオーダ(O(N))となるのに対し、2次元シミュレーションの場合にはnのオーダ(O(N))となり、すなわちユーザは短時間で結果を得ることができる。また、本実施形態による光学シミュレーション方法では、図3に示したように簡易なユーザインタフェースが実現されるため、必要なパラメータを簡単に設定できる。
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について、図16および図17を用いて説明する。図16は発光装置10を光透過面T側から見た図である。図17(a)〜(c)は、それぞれ図16のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図であって、キャビティ1の内部のみを示す。
例えばサイドビュー(SV)タイプのLEDの場合、キャビティの水平方向端部にリードフレームの脚を出す部分を設けつつ、それ以外の部分では素子とパッケージの壁面との距離をできるだけ確保するといった設計上の理由により、光透過面Tの形状を、矩形を組み合わせた形状とすることがある(図16参照)。
図16において、水平方向端部の2つの領域をA1,A2と規定する。領域A1とA2の間の領域をA3と規定する。この場合、まず、図17(a)に示すxz断面図と図17(b)に示すyz断面図で規定されるキャビティについて、図3で説明した光学シミュレーション方法を実施する。そして、領域A1,A2内の各座標(x,y)について2次元分布(Dyx=H)を計算する。同様に、図17(c)に示すyz断面図で規定されるキャビティについて、図3で説明した光学シミュレーション方法を実施する。そして、上記図17(a)のシミュレーション結果と掛け合わせ、領域A3の部分内の各座標(x,y)について2次元分布(Dyx=H)を計算する。これらのキャビティは、上面が矩形である仮想のキャビティである。計算した領域A1,A2の部分の2次元分布と領域A3の部分の2次元分布とを足し合わせることにより、図7Cなどに対応する2次元分布を得ることができる。
なお、シミュレーションを行う断面の数を増やすことにより、光透過面Tが数個の矩形の組合せで画定される場合のみならず、近似的に光透過面が曲線形状である場合にも上記光学シミュレーション方法を適用できる。
以上で説明した本発明の実施の形態には、種々の変形、改良が加えられてもよい。例えば、キャビティ1は傾斜側面を有する錐体としたが、直方体などであってもよい。また、シミュレーションにはモンテカルロ法を用いたが、別の方法であってもよく、例えば乱数を用いずに均等に光を放射、反射させる方法であってもよい。また、LED3による光の放射、パッケージ2およびリードフレーム5による光の反射の方法は、例示したものに限らない。
1 キャビティ
2 パッケージ
3 LEDチップ
4 封止樹脂
5 リードフレーム
10 光学装置
T 光透過面

Claims (7)

  1. 凹部を有するパッケージと、凹部の底面に載置されて放射光を発生させる発光素子と、凹部に充填された光透過材料とを備えた発光装置において、光透過材料が規定する光透過面を透過して発光装置の外部へ出射される放射光の強度についてコンピュータを用いてシミュレーションを行う光学シミュレーション方法であって、光透過面は、互いに垂直なx方向とy方向により規定される矩形を組み合わせた形状であって、x方向とy方向に対して垂直な方向をz方向とし、
    コンピュータが、発光素子を含むxz断面とyz断面でそれぞれ、放射光に含まれる複数の光線について光線追跡を行う工程と、
    コンピュータが、発光素子を含むxz断面とyz断面でそれぞれ、光線追跡の結果に基づいて、光透過面を透過する放射光の強度についての1次元分布H,Vを得る工程と、
    コンピュータが、xz断面での1次元分布Hとyz断面での1次元分布Vとを乗算し、光透過面を透過する放射光の強度についての2次元分布を得る工程と
    を含むことを特徴とする光学シミュレーション方法。
  2. コンピュータが、発光素子からの距離に応じて2次元分布を補正するための補正関数を計算する工程を含み、
    2次元分布を得る工程は、xz断面での1次元分布Hとyz断面での1次元分布Vとの積Hに対して補正関数を乗算するサブ工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学シミュレーション方法。
  3. 光透過面が非矩形面である場合に、光線追跡を行う工程では、互いに異なる形状を有する複数のxz断面、および/または、互いに異なる形状を有する複数のyz断面で光線追跡を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学シミュレーション方法。
  4. 光線追跡を行う工程は、放射光に含まれる各光線が光透過面を透過するまで、発光装置内での反射による光強度の減衰計算を行うサブ工程を含み、
    1次元分布H,Vを得る工程は、予めメッシュ分割された光透過面の計算格子に対して、減衰計算を経た各光線の光強度を積算するサブ工程を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学シミュレーション方法。
  5. 発光素子が載置される凹部の底面にはリードフレームが露出し、
    減衰計算を行うサブ工程では、発光素子の寸法、凹部の寸法、パッケージの反射率および反射タイプ、リードフレームの反射率および反射タイプ、封止樹脂の屈折率ならびにこれらの組合せ、からなる群から選択されるパラメータを基に減衰計算を行うことを特徴とする、請求項4に記載の光学シミュレーション方法。
  6. 光線追跡を行う工程では、放射光に含まれる各光線の発射位置および発射角度を入力パラメータとするモンテカルロ法に基づいて各光線を発射することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学シミュレーション方法。
  7. コンピュータに請求項1から6のいずれか1項に記載の光学シミュレーション方法を実行させるためのプログラム。
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