JP2010097423A - 三次元空間における光分布シミュレータ、三次元空間における光分布シミュレーション方法、三次元空間における光分布シミュレーション用プログラム - Google Patents

三次元空間における光分布シミュレータ、三次元空間における光分布シミュレーション方法、三次元空間における光分布シミュレーション用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】3次元空間である照明空間から光観測面に入射する光の入射エネルギー分布を、光観測面の位置や向きの変更に対して対話的ないし連続的に評価できるようにする。
【解決手段】コンピュータを用いて構築された仮想の三次元空間を空間記憶手段11に記憶し、面分割手段12によって当該三次元空間に存在する面が小領域である多数個の面要素に分割される。光エネルギー分布算出手段13は、面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、面要素ごとに求めた光の放射エネルギーを面要素ごとに関係付けて光エネルギー分布記憶手段14に記憶させる。視知覚模擬手段16では、光観測面規定手段15で規定した仮想の光観測面に対して各面要素からそれぞれ入射する光の入射エネルギー分布を、光エネルギー分布記憶手段14に記憶された面要素ごとの光の放射エネルギーを用いて計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータを用いて構築した仮想の三次元空間について、三次元空間に規定した光観測面に入射する光のエネルギーを算出することにより、光観測面から見たときの三次元空間の光環境を評価することを可能にした三次元空間における光分布シミュレータ、三次元空間における光分布シミュレーション方法、三次元空間における光分布シミュレーション用プログラムに関するものである。
従来から、照明用の主要な光源としては白熱灯や蛍光灯が用いられているが、最近では、発光ダイオードや有機ELのような新たな光源も徐々に浸透し始めている。白熱灯や蛍光灯のような光源を用いる照明器具は室内の天井に配置することが多いが、近年では、照明空間の用途に適した複数の照明環境を提供したり多様な照明演出を行ったりすることが多くなってきている。
この種の照明には、直接照明や間接照明を行う複数の照明器具が組み合わせて用いられる。また、照明器具には、建築構造物に取り付ける照明器具だけではなく、建築構造物の一部に照明器具を埋め込んで照明を建築と一体化した建築化照明も用いられている。さらにまた、発光ダイオードや有機ELのような新光源を取り入れることにより、壁や床のような天井以外の場所に配置することが容易になるから、白熱灯や蛍光灯では実現が難しかった照明環境の演出が可能になっている。
一方、所望の照明環境や照明演出を行うには、複数の照明器具について位置、光量、配光などのパラメータを複雑に組み合わせることが必要になり、人の経験や感覚だけでこの種の照明計画を行うことには困難が伴う。また、照明環境が多様化してきたことにより、JIS規格で定められているように床面照度のみで住空間の明るさや快適性を判断するだけでは、照明環境の評価としては不十分になっている。この種の照明計画を立案するにあたっては、模型を作成して照明環境を確認することがあるが、模型の作製に手間がかかる上に模型では評価が難しい場合がある。
近年では、パーソナルコンピュータの処理能力が向上したことにより、コンピュータグラフィックスによる3次元画像を容易に作成することができるようになってきている。照明設計に利用できる技術としては、コンピュータグラフィックスを利用して照明環境のシミュレーションを行い、シミュレーション結果を参考にして照明計画を立案することが考えられている。すなわち、照明空間の設計の時点において、コンピュータを用いて数値シミュレーションを行い、照明空間における光エネルギーの分布を評価するのである。この評価において照明空間に存在する人の目に入射する光のエネルギーを数値シミュレーションで定量的に把握することにより、当該照明空間の照明環境による人への影響を評価することが要求されている。
ところで、照明環境についてシミュレーションを行う技術は種々提案されている。比較的単純な技術としては、照明器具の配置位置から円錐状に光を放射するとともに、対象面への光の入射角度を考慮することにより対象面の照度を計算することが考えられている。
また、一次光源である照明器具からの光が入射する対象面を二次光源とし、当該対象面の反射率を考慮して二次光源から放射する光エネルギーを算出し、一次光源と二次光源とから着目する対象面に入射する光により着目する対象面の照度を計算する技術が考えられ
ている。この場合、二次光源となる対象面と着目する対象面との位置関係をフォームファクタ(エネルギーの授受の割合)として求め、二次光源となる対象面から着目する対象面への光エネルギーの伝播を計算する際の係数としてフォームファクタを用いる。
さらに、対象面を微小の面要素に分割し、各面要素間の光エネルギーの伝播(以降、「相互反射」という)を計算するとともに、相互反射を複数回繰り返した場合の対象面の照度を計算する技術もある。ここで、光エネルギーは面要素での反射毎に減衰するから、面要素での反射後の光エネルギー(「残光エネルギー」と呼ぶ)は相互反射を複数回繰り返すと無視できるようになって計算結果が収束し、空間全体の三次元的なエネルギーの分布を求めることができる。この技術はラジオシティ法と呼ばれ、照明環境についてシミュレーションを行う技術の中でも高い精度で光のエネルギー分布を計算することができることが知られている。
また、ラジオシティ法と並んで照度分布を精度よく計算する技術としてレイトレーシング法も知られている。レイトレーシング法では、計算要素として面ではなく線を用いる。すなわち、レイトレーシング法では、光源から光束に相当する多数本の直線を発生させ、これらの直線と対象面との交点である要素点で反射計算を行う。線を用いる計算は、面を用いる計算に比べて計算量が格段に多いから、レイトレーシング法では、空間全体の三次元的な光のエネルギー分布を計算するのではなく、あらかじめ定めた視点位置から見た照明効果を2次元のビットマップイメージとして計算する。
照明環境についてシミュレーションを行う多くの技術では、ラジオシティ法かレイトレーシング法を採用しており、両者を組み合わせてシミュレーションを行う技術も提案されている。シミュレーションの際には、光源の特性として、光の強度や色のほかに、光束の方向に対する強度分布を表す配光データを使用できる場合が多く、この種の配光データを用いる場合は、照明空間における光エネルギーの強度分布に関する初期計算として反映させている。
照明環境のシミュレーションを行う技術には種々の技術があるが、たとえば、特許文献1に記載された発明のように、照明空間を小面積単位に分割した単位表面ごとの照度を計算し、照明空間に設定した3次元の格子点における照明状態(光の流れなど)を単位表面の照度に基づいて計算して、格子点における照明状態、照明空間の任意の断面における照度分布、照度分布の等値面、物体の表面における照度分布などを表示する技術がある。
また、建築物における照明効果についてシミュレーションを行うために、建築物の3次元モデルの透視図において、天井に設置した照明器具の光の強さ、色を変化させることも考えられている(特許文献2参照)。
特開平7−36360号公報 特開平11−338906号公報
ところで、ラジオシティ法やレイトレーシング法による照明環境のシミュレーションは、計算量が膨大であって計算時間が非常に長くなるという問題を有している。計算時間は計算要素の個数に依存しており、実用レベルで照明環境のシミュレーションを行うには数十万個の計算要素を用いることが必要であって、計算要素の個数がこの規模になると計算時間は数十分から数時間を要することになる。
すなわち、計算要素の個数がN個であるとすると相互計算での計算量はN×Nになり、また、照明器具の台数(光源の個数)が多くなるほど、配光データの初期計算量も増大す
る。したがって、たとえば10個の計算要素について相互反射を考慮した計算を約10回繰り返すと結果が収束すると仮定した場合、クロック周波数が1GHzのプロセッサを備えたコンピュータを用いたとしても、計算時間は100秒程度を要することになる。また、コンピュータの内部処理において、主記憶装置と仮想記憶装置との間でのデータ交換を伴う場合にはデータ交換に要する時間が計算時間に含まれることになる。このような主記憶装置と仮想記憶装置との間のデータ交換、あるいは配光データの扱いや各計算要素における光エネルギーの積算方法などの各種計算条件によって、実際の計算時間は、上述した計算時間の10〜100倍を超えることもある。
また、特許文献1に記載された技術では、照明空間を分割した単位表面の照度に基づいて照明空間に設定した3次元の格子点における照明状態を計算しているから、照明空間の全体について照度を計算することができ、3次元空間での照度分布を求めることが可能になっているが、特許文献1により求めた照明空間の照度分布は、照明空間に存在する人の視点からの見え方に関する情報は含んでいないから、シミュレーションを行った仮想の照明空間と等価な実空間において人がどのような印象を持つかをシミュレーションの結果から評価することができないという問題がある。すなわち、顔の位置や向きを変化させたときの照明効果を評価することができないという問題を有している。
特許文献2に記載には、照明器具の照明効果についてシミュレーションを行う旨の記載はあるが、具体的にシミュレーションの結果をどう評価するかの記載はない。
上述した従来の技術では、天井面や壁面や床面や物体の表面のように照明空間において固定された面について、当該面への光の入射エネルギーを計算することは可能であるが、照明空間において人が顔の位置や向きを変更したときに、変更後の状態についてあらためて計算を行う必要があるから、上述したように膨大な計算量が必要であって、顔の位置や向きを、対話的に変化させたり、連続的に変化させたりするには処理能力の極めて高い高価な装置が必要になる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、3次元空間である照明空間を観測する人が顔の位置や向きを変化させた場合の光の入射エネルギーを求めるにあたって計算時の処理負荷を軽減することで、通常の処理能力の装置であっても、顔の位置や向きを変化させたときに観測者が見る光の入射エネルギー分布の変化を対話的ないし連続的に評価することを可能にした三次元空間における光分布シミュレータを提供し、さらに光分布シミュレータで用いる三次元空間における光分布シミュレーション方法と三次元空間における光分布シミュレーション用プログラムとを提供することにある。
請求項1の発明は、コンピュータを用いて構築された仮想の三次元空間を記憶する空間記憶手段と、当該三次元空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割する面分割手段と、面分割手段により分割された面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出する光エネルギー分布算出手段と、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定する光観測面規定手段と、光エネルギー分布算出手段により算出した面要素ごとの光の放射エネルギーを面要素ごとに関係付けて記憶する光エネルギー分布記憶手段と、光エネルギー分布記憶手段に記憶された面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求める視知覚模擬手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記三次元空間は複数個の光源を備え、前記光エネルギー分布算出手段は、光源別に面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、前記光エネルギー分布記憶手段は、光源別に算出した光の放射エネルギーを面要素ごと
に関係付けて記憶し、前記視知覚模擬手段は、光観測面に入射する光エネルギーを光源別に求めることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記光観測面規定手段は、時間経過に伴う光観測面の位置および向きを指定可能であり、前記視知覚模擬手段は、光観測面規定手段により指定された光観測面の位置および向きに従って光観測面から見込むときの面要素の輝度を随時求めることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記光観測面規定手段は、時間経過に伴う光観測面の位置を指定する際に、複数個のアンカーポイントを滑らかに連結する線により定義されるパスを指定し、前記視知覚模擬手段は当該パス上の各位置で光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記三次元空間を表示する画面を有した表示手段と、前記三次元空間とともに表示手段の画面に表示されるが前記三次元空間の構成要素に含まれない模擬人体の画像を生成する人体表示手段とを有し、人体表示手段は、模擬人体の画像について身長と顔の向きと姿勢とのうちの少なくとも1要素を顔位置に設定した光観測面のパラメータとして指定可能であり、指定されたパラメータに応じて光観測面の位置および向きを調節することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記視知覚模擬手段は、面要素のそれぞれから光観測面に入射する光のエネルギーを面要素の輝度として求めるとともに、光観測面について規定される視野範囲内において平均輝度を求めることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータにおいて、コンピュータを用いて構築された仮想の三次元空間を記憶した後、当該三次元空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割し、ついで分割した面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、さらに、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定し、面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータを実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、記憶している仮想の三次元空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割し、分割された面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、さらに、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定するとともに、面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする。
請求項1、請求項7、請求項8の発明の構成によれば、対象とする三次元空間に存在する面を小領域の面要素に分割するとともに各面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、規定した光観測面から各面要素を見込んだときに光観測面に入射する光のエネルギーを求めるから、光観測面を人の目に対応付けたときには、三次元空間における視覚的な光環境の評価が可能になる。また、光観測面を人の身体や家具の表面などに対応付ければ、光の照射による人体や家具への光の影響を評価することが可能になる。ここに、三次元空間はコンピュータにより構築される仮想空間であるから、三次元空間を自由に構成することができ、とくに自然光源や人工光源の位置や強度を様々に設定することで、様々な条件下で
の光の影響を評価することが可能になる。
さらに、光エネルギー分布記憶手段に記憶された面要素ごとの光の放射エネルギーを用いて面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求めているから、異なる光観測面に入射する光のエネルギーを求める際に、面要素ごとの光の放射エネルギーをあらためて計算する必要がなく、少ない処理負荷で様々な光観測面について入射する光のエネルギーを評価することが可能になる。すなわち、通常の処理能力の装置を用いて光観測面への光の入射エネルギーを対話的ないし連続的に計算することが可能になる。
請求項2の発明の構成によれば、三次元空間に複数個の光源を配置し、各光源ごとに光観測面に入射する光エネルギーを求めているから、あらかじめ複数個の光源を配置しておくことで、光源の位置の変化による光環境の変化を容易に評価することができる。また、光源を組み合わせて用いる場合についても簡単な演算で光環境を評価することができるから、光源を様々に組み合わせた場合の光環境についても簡単に評価することが可能になる。
請求項3の発明の構成によれば、光観測面の位置および向きを時間経過に伴って変化させることにより、光観測面の様々な位置や向きによる光環境の変化を評価することができる。
請求項4の発明の構成によれば、複数個のアンカーポイントを指定すると滑らかな線が形成され、この線に沿って光観測面を移動させることができるから、アンカーポイントの指定だけで三次元空間における様々な場所での光環境の評価を簡単に行うことが可能になる。
請求項5の発明の構成によれば、三次元空間を表示する表示手段の画面内に三次元空間の構成要素として含まれない模擬人体の画像を表示し、模擬人体の顔位置に光観測面を設定するとともに、模擬人体の身長と顔の向きと姿勢との少なくとも1要素を光観測面のパラメータとしているから、模擬人体に対してパラメータを指定することにより、光観測面のパラメータを設定したことになり、無機的に光観測面のパラメータを設定する場合に比較して光観測面の設定内容が直感的にわかりやすくなる。つまり、表示された模擬人体が目で三次元空間を見ているかのように光観測面のパラメータを設定することにより、光観測面の設定が容易になる。なお、模擬人体は三次元空間の構成要素に含まれないから、三次元空間に規定した面要素ごとの光の放射エネルギーの算出には影響しない。
請求項6の発明の構成によれば、光観測面に各面要素から入射する光のエネルギーを面要素の輝度とし、光観測面について規定した視野範囲内の輝度の平均値を求めているから、三次元空間に形成した光環境が人に与える影響について光観測面に入射する光のエネルギーにより評価することができる。
本実施形態は、コンピュータとコンピュータにより実行可能なプログラムとを用いて以下に説明する機能を実現するものである。以下の説明において、種々の演算を行う手段はCPU(central processing unit)のほかグラフィックスアクセラレータを含み、種々のデータを記憶する手段はRAMやVRAMのような半導体メモリのほかハードディスク装置のような大容量記憶装置も含む。
光分布シミュレータ1は、図1に示すように、シミュレーションの対象となる照明空間を構築するデータを記憶する空間記憶手段11を備える。空間記憶手段11に格納される
データは、照明空間を仕切る天井、床、壁のような境界面と、照明空間に配置される机、椅子のような物体と、照明空間における照明を行う照明器具(以下、「光源」として記述する)とを規定するデータを含んでいる。また、照明空間を構築するデータはカラーの情報を有しているものとする。
1つの照明空間についてシミュレーションを行っている間は、空間記憶手段11に記憶しているデータは原則として変更されないが、境界面の色や反射率、物体の配置、光源の仕様や配置のような特定のパラメータは、照明空間の全体を変更することなく単独で変更することが可能である。ただし、これらのパラメータの変更は、図示しない空間設計支援装置(モデリングおよびレンダリングが可能な三次元グラフィックプログラムをコンピュータで実行することにより実現される)により行われる。
光分布シミュレータ1は、空間記憶手段11に記憶されている照明空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割する面分割手段12を備える。いま、空間設計支援装置により図2のように照明空間が作成されているものとする。空間記憶手段11に格納する照明空間はレンダリングを行う必要はないが、モニタ装置2の画面に表示する際には光源の位置を示すためにレンダリングを行ってもよい。照明空間に存在する光源としては、点光源、スポット光源、線光源、面光源などの各種光源を含むことができ、照明空間において光源の三次元位置および配光特性が設定される。配光特性は、光源から放射される光エネルギーの強度と方位との関係を数値データにより表す。
面分割手段12は、照明空間を構成している面(天井面、壁面、床面、物体表面など)を小領域である多数個の面要素Ak(k=1,2,…,i,j,…)に分割する。各面要素Akの形状としては三角形、四角形などの多角形を用い、各面要素Akの面積は照明空間における面の位置に応じて適宜に設定される。たとえば、光源から入射する光エネルギーについて部位ごとの変化が大きい部位は、部位ごとの変化が小さい部位よりも面積を小さくする。このように面要素Akの面積を部位に応じて異ならせることにより、各面要素Akの中での光分布(偏差)を小さくすることができる。
面分割手段12により生成された各面要素Akの情報は、空間記憶手段11に格納されている照明空間の情報とともに光エネルギー分布算出手段13に与えられ、光エネルギー分布算出手段13では、各面要素Akを光源面とみなした場合の各面要素Akからの光の放射エネルギーを算出する。すなわち、各面要素Akに入射する光エネルギーと光の入射方向と面要素Akの反射率とを考慮し、さらに面要素Akの間の相互反射を考慮することにより、各面要素Akからの光の放射エネルギーを求める。光エネルギー分布算出手段13における計算にはラジオシティ法を用いる。
いま、図3に示すように、2個の面要素Ai,Ajに着目し、面要素Aiの放射エネルギー(実際には放射面密度Bi)を求める場合を例として説明する。着目する面要素Ai,Ajの相互反射を計算するには、まず数1に示すフォームファクタFijを規定する。照明空間には三次元直交座標による座標系が規定されているものとし、三次元の計算が必要である場合には、当該座標系で規定した成分を用いる。
フォームファクタFijは、面要素Ajから面要素Aiへの光のエネルギーの到達率の
平均値に相当する値であって、面要素Ai,Ajの相対的な位置関係を表していることになる。すなわち、面要素Ai,Ajをさらに微小領域dAi,dAjに分割し、両面要素Ai,Ajの各微小領域dAi,dAjの間で光が直接到達する(つまり、面要素Aiの微小領域dAiから面要素Ajの微小領域dAjが見通せる)か否かの情報H(dAi,dAj)と、微小領域dAi,dAjの間の距離rと、両面要素Ai,Ajの微小領域dAi,dAjを結ぶ直線が各微小領域dAi,dAjの法線方向ni,njに対してなす角度φi,φjと、放射エネルギーを求める面要素Aiの面積Siとを用いてフォームファクタFijを求める。なお、情報H(dAi,dAj)は、微小領域微小領域dAiから微小領域dAjが見通せる場合に1、見通せない場合(微小領域dAi,dAjが向き合っていない場合)には0になる。
上述のようにして求めたフォームファクタFijを用いて各面要素Akに関する放射面密度Bkを未知数としたラジオシティ方程式を定義することができる。ここに、ρkは面要素Akの反射率であり、Ekは面要素Akの自己放射照度である。
数2のように定義したラジオシティ方程式を解くことにより、各面要素Akの放射面密度Bkを算出することができる。こうして求めた解(放射面密度Bk)を用いてラジオシティ方程式を再度定義して解を求め、解が収束する(求めた解の差が規定値以下になる)か解を計算する回数が規定回数に達するまでラジオシティ方程式の定義と解を求める計算とを繰り返す。
光エネルギー分布算出手段13において上述の演算を行うことにより、照明空間を構成する面を分割した面要素Akごとの光の放射エネルギーを求めることができる。つまり、面要素Akを光源面とみなして、各光源面ごとの光の放射エネルギーを求めたことになる。こうして求めた光の放射エネルギーを明度に対応付け照明空間に当てはめて表示手段としてのモニタ装置2の画面に照明空間とともに可視化して表示すれば、たとえば図4に示す画像を画面に表示することができる。
光エネルギー分布算出手段13により求めた各面要素Akの光の放射エネルギーは、面要素Akに対応付けて光エネルギー分布記憶手段14に格納される。ここにおいて、照明空間を構築するデータは上述したようにカラーの情報を有しているから、各面要素Akの光の放射エネルギーもカラーの情報を持ち、たとえば表1のように、赤色、緑色、青色の各成分ごとに最大輝度に対する比率(最大輝度を1とする)の値によって規定する。
上述のように照明空間を構成する面を分割した面要素Akごとの光の放射エネルギーを求め、求めた光の放射エネルギーを各面要素Akに対応付けて光エネルギー分布記憶手段14に格納した後には、照明空間における任意の位置において規定した光観測面に対する光の入射エネルギーを求めることができる。
以下では、図5(a)に示すように、照明空間に観測者Hとして仮想的に模擬人体を想定し、観測者Hの目に対する各面要素Akからの光の入射エネルギーを、観測者Hの顔面として規定した光観測面Psへの入射エネルギーとして計算するものとして説明する。また、図5(b)のように、模擬人体(観測者H)の顔面に相当する光観測面Psを2分割し、各光観測面Psへの光の入射エネルギーを求めるものとする。2個の光観測面Psは観測者Hの左右の各目に相当する。
ただし、両光観測面Psを合わせた形状は左右の目を含む矩形を想定し、各光観測面Psは当該矩形の対角線で区切られた2個の三角形の領域であるものとする。もっとも、この形状は計算上の都合によるものであり限定をする趣旨ではない。したがって、光観測面Psの全体の形状は任意に設定することができ、光観測面Psの分割数や分割された光観測面Psの個々の形状についても任意に設定することが可能である。光観測面Psを規定するパラメータには、位置、向き、面積、形状が含まれ、これらのパラメータは光観測面規定手段15により設定される。
光観測面Psを設定することにより、照明空間を構成する面要素Akについてすでに求められている光の放射エネルギーを用いて、各面要素Akごとに分割された各光観測面Psへの光の入射エネルギーを計算することができる。この計算には、数1に示した計算式において、2個の面要素Ai,Ajを面要素Akと光観測面Psとに置き換えたフォームファクタを求め、フォームファクタを用いて面要素Akから光観測面Psへの光の入射エネルギーを計算する。光観測面Psへの入射エネルギーの計算は視知覚模擬手段16が行い、光分布シミュレータ1からは視知覚模擬手段16による計算結果が取り出され、必要に応じてモニタ装置2の画面に表示される。
照明空間に配置した光源(照明器具)から光観測面Psに直接入射する光については、面要素Akとは別に入射エネルギーを計算する。この計算にあたっては、通常は光源の配光特性を考慮するが、光源から等方的に光が放射されているとみなして計算してもよい。このようにして計算した光源から光観測面Psへの入射エネルギーは、面要素Akから光観測面Psへの入射エネルギーに加算される。
光源から光観測面Psへの光の入射エネルギーを面要素Akからの入射エネルギーとは別に求めているのは、光源を定義する際に面積を持たない点として設定している場合に、光源から光観測面Psへ直接入射する光の入射エネルギーは各面要素Akにおける光の放
射エネルギーに含まれていないからである。言い換えると、光源を面要素Akとして扱えない場合に光源から光観測面Psに直接入射する光の入射エネルギーは、面要素Akからの入射エネルギーとしての勘定に含まれないから、面要素Akからの入射エネルギーとは別に求めて加算するのである。なお、光源も面要素Akの一つとして扱う場合には、光源から光観測面Psに直接入射する光の入射エネルギーを別途に計算する必要はない。
上述した計算により、光観測面Psに対する各観測面Akからの光の入射エネルギーを求めることができる。すなわち、光観測面Psから面要素を見込んだときの光観測面Psに入射する光のエネルギーを求めることになる。ここで、照明空間に変更がなければ、光観測面Psが異なっていてもエネルギー分布記憶手段14に記憶された各面要素Akからの光の放射エネルギー(つまり、照明空間における光分布)には変更が生じない。したがって、光エネルギー分布算出手段13による計算は行う必要がなく、視知覚模擬手段16では、光観測面規定手段15により設定した光観測面Psへの入射エネルギーを、光エネルギー分布記憶手段14に記憶されている各面要素Akの放射エネルギーを用いて計算すればよい。
いま、面要素Akの個数をN個とし、光観測面Psの個数を2個とすると、計算量はN×2に比例する程度である。照明空間を構成する面要素Ak(および光源)から光観測面Psへの光の入射エネルギーを求める際の計算は、照明空間の全体について光エネルギー分布を求める計算に比較すると計算量が格段に少ないから、光観測面Psの変更に対して光観測面Psへの入射エネルギーの計算に対する処理負荷は比較的少なく、画像処理専用のプロセッサを用いなくても光観測面Psの位置を対話的に変更したり連続的に変更したりすることが可能になる。
ところで、照明空間を構成する各面要素Akから光観測面Psへの光の入射エネルギーを計算するにあたり、パーソナルコンピュータにグラフィックス・アクセラレータとして搭載されている画像処理プロセッサとフレームバッファとを用いると、計算処理を高速化することが可能である。
ここでは、図6に示すように、一面に光観測面Psを含む直方体Rcを規定し、直方体Rcを構成する面P1〜P6のうち観測面Psを含む面P6を除く残りの5面P1〜P5に対して各面要素Akから入射する光の入射エネルギーをそれぞれ計算している。また、図7に示すように、各面P1〜P5への光の入射エネルギーを観測面Psの位置から可視化して画像を作成している。各面P1〜P5ごとの光の入射エネルギーの分布は、各画素に対応する部位の入射エネルギーを各画素の階調に対応付けて表すことによりフレームバッファに保持することができる。フレームバッファに保持されたデータは、CPUとは独立した描画専用の画像処理プロセッサを用いることにより、高速に演算することが可能である。
ここで、光観測面Psを囲む直方体Rcの5面P1〜P5への入射エネルギーを用いているのは、光観測面Psに入射する光の入射エネルギーを計算する際に、全方位に存在する面要素Akについて光観測面Psとの関係を計算するよりも、直方体Rcの表面の平面上に面要素Akの写像を形成しておくほうが計算量を低減できるからである。
すなわち、まず直方体Rcの各面P1〜P5を規定する画素ごと(複数画素を単位ブロックとして単位ブロックごとでもよい)に面要素Akからの光の入射エネルギーを計算し、入射エネルギーに相当する階調(画素値)を各画素に対応付けてフレームバッファに格納する。光観測面Psへの入射エネルギーを求める際には、フレームバッファに格納した画素値を用い、面P1〜P5から光観測面Psへの入射エネルギーを計算すればよい。つまり、2段階の計算を行うが、1回目の計算により個々の面要素Akのデータを保持する
場合よりも記憶するデータ量が低減され、2回目の計算において光観測面Psへの光の入射エネルギーを求める際の計算量を低減することができるのである。
この計算は簡略化されているから、光観測面Psとすべての面要素Akとの関係を計算する場合に比較すると計算精度は低下するが、光観測面Psが変化するたびに向きや面積の異なる各面要素Akとの関係を計算する場合に比較すれば、計算量を大幅に低減することができる利点がある。したがって、近似的に評価すればよい計算については直方体Rcを用いた計算を行い、精度を要する評価については個々の面要素Akについて計算するようにすれば処理負荷の軽減と精度とを両立することが可能になる。
なお、直方体Rcの大きさは、光観測面Psの位置や向きを変化させる程度に応じて適宜に設定される。すなわち、光観測面Psの移動範囲よりも大きい直方体Rcを用いるのが望ましく、光観測面Psの向きのみが変化する場合には小さい直方体Rcを用いることができ、計算量をさらに低減することができる。
ところで、光観測面Psの位置や向きを時間経過に伴って変化させれば、照明空間において観測者Hが移動したり顔の向きを変えた場合の見え方や光環境を評価することができる。そこで、光観測面規定手段15において、時間経過に伴う光観測面Psの位置および向きを指定可能としている。視知覚模擬手段16では、光観測面規定手段15により指定された光観測面Psの位置および向きに従って光観測面Psから見込むときの面要素Akの輝度を随時求める。
光観測面規定手段15での光観測面Psの位置の指定に際しては、図8に示すように、モニタ装置2の画面で光観測面Psの移動経路であるパスLnを規定するために、複数個(図示例は6個)のアンカーポイントPa1〜Pa6を設定し、アンカーポイントPa1〜Pa6を滑らかに接続する線によりパスLnを定義する。この種のパスLnはスプライン曲線やベジェ曲線を用いて形成する。図8は照明空間を平面図で表しており、観測者Hが床面上を移動する際のパスLnを規定している。また、観測者HはパスLnを一定速度(室内での人の歩行速度≒1m/s)で移動するものとする。
上述のように、アンカーポイントPa1〜Pa6の位置の指定でパスLnを規定するだけで(若干の調節は必要であるが)、パスLnに沿って光観測面Psを移動させることができるから、照明空間における様々な場所での光環境の評価を簡単に行うことができる。図示例ではパスLnを二次元平面において規定しているが、三次元的にパスLnを指定することも可能である。パスLnを三次元的に規定すれば、後述するように、観測者Hの姿勢(立位、座位など)に応じた評価も可能になる。なお、光観測面PsをパスLnに沿って自動的に移動させるだけではなく、パスLnの上で任意の位置を指定する(マウスを用いてクリックするなど)ことにより、当該位置における光観測面Psへの各面要素Akからの光の入射エネルギーを評価することが可能である。
パスLnを指定した場合には、光観測面Psの三次元的な位置は指定することができるから、たとえば観測者Hが立っているか、座っているか、寝ているかなどの姿勢に応じた光観測面Psの高さ位置の変化を与えることができ、また光観測面規定手段15を用いて光観測面Psの向きを指定することができるが、モニタ装置2の画面に光観測面Psを面として表示しても、光観測面Psの向きや高さ位置は画面上ではわかりにくい。
そこで、上述したように、モニタ装置2の画面において、観測者Hを仮想の人体形状を有する模擬人体として表示している。模擬人体の画像は、視知覚模擬手段16において生成され、身長と顔の向きと姿勢との少なくとも1要素をパラメータとして指定可能としている。すなわち、視知覚模擬手段16は人体表示手段として兼用されている。光観測面P
sを模擬人体の顔の位置に設定しておけば、モニタ装置2の画面に表示される顔の位置や向きにより、光観測面Psの位置や向きを容易に知ることができる。
また、模擬人体の身長については、成人男性、女性、子供などとして指定することにより、具体的数値を用いずに標準的な値(日本人の平均値など)を用いることが可能であり、また、姿勢は立位、座位などを選択可能にしておき、身長と姿勢との組み合わせを光観測面Psの標準的な高さ位置に対応付けておけば、利用者は数値を用いることなく日常語を用いるだけで光観測面Psの高さ位置を簡単に指定することができる。また、光観測面Psの向きについては、顔の向きを指示すればよい。
上述したように模擬人体を用いて光観測面Psのパラメータを指定することにより、無機的に光観測面Psのパラメータを設定する場合に比較して直感的にわかりやすくなる。なお、面要素Akごとの放射エネルギーの計算に際して、模擬人体は影響を与えないものとして扱い、また、光観測面Psへの入射エネルギーを計算する際にも、模擬人体による光の遮断や反射は考慮しない。
上述した説明では、面要素Akから光観測面Psへの光の入射エネルギーのみを計算しているが、照明空間の光環境が人に与える影響としては、光観測面(顔面)Psから見える範囲の面要素Akの輝度も考慮するのが望ましい。そこで、光観測面Psの位置と向きを定めるだけではなく、光観測面Psにおける視野を定め、視野範囲内において平均輝度を求める。
平均輝度は、各面要素Akから光観測面Psに入射する光の入射エネルギーを各面要素Akの輝度とし、視野範囲内に存在する面要素Akからの入射エネルギーの平均値を平均輝度として求める。このように視野範囲内の入射エネルギーを平均化することにより、輝度という指標を得ることができる。視野範囲は、水平角度100度、垂直角度85度として設定している。この値は文献に基づいているが、視野範囲は個人差があるから、視知覚模擬手段16において視野範囲を適宜に設定可能としてもよい。たとえば、モニタ装置2の画面に視野範囲を指定するフィールドを表示し、当該フィールドに適宜の数値を入力可能としておけばよい。
ところで、上述の例では、光源の個数についてはとくに言及していないが、照明空間に複数個の光源を設けている場合には、光観測面Psにおいて光源ごとの入射エネルギーを評価することができれば利便性が高くなる。たとえば、複数個の光源を様々に組み合わせた光環境を評価することが可能になり、所望の光環境を得るための光源の位置の評価が容易になる。
このように複数個の光源について、個々の光源ごとに入射エネルギーを評価するには、個々の光源を反射することによる各面要素Akの放射エネルギーを求め、光源ごとに放射エネルギーの影響を分離可能にしておくことが望ましい。そこで、光エネルギー分布算出手段13において、面要素Akごとの光の放射エネルギーを光源別に算出する。光エネルギー分布記憶手段14には、表2のように、各面要素Akについて、光源ごとに放射エネルギーを対応付けて記憶させる。
光エネルギー分布記憶手段14において、光源ごとに面要素Akの放射エネルギーを対応付けていることにより、個々の光源を1個ずつ点灯させる場合の評価は1個の光源による放射エネルギーを用いて求めることができ、複数の光源を点灯させる場合の評価は点灯させた光源による放射エネルギーの加算値として求めることができる。つまり、光エネルギー分布記憶手段14に表2のようなデータを記憶させておけば、あらためて各面要素Akごとの放射エネルギーを計算することなく記憶させたデータを用いるだけで、光源の種々の組み合わせについて光観測面Psへの光の入射エネルギーを評価することが可能になる。
実施形態を示すブロック図である。 同上における面要素の説明図である。 同上におけるフォームファクタの説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上においてフレームバッファを利用する際の原理説明図である。 図6に示した各面P1〜P5の表示例を示す図である。 同上においてパスの指定例を示す図である。
符号の説明
1 光分布シミュレータ
2 モニタ装置(表示手段)
11空間記憶手段
12 面分割手段
13 光エネルギー分布算出手段
14 光エネルギー分布記憶手段
15 光観測面規定手段
16 視知覚模擬手段(人体表示手段)
Ak 面要素
Pa1〜Pa6 アンカーポイント
Ps 光観測面
Ln パス

Claims (8)

  1. コンピュータを用いて構築された仮想の三次元空間を記憶する空間記憶手段と、当該三次元空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割する面分割手段と、面分割手段により分割された面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出する光エネルギー分布算出手段と、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定する光観測面規定手段と、光エネルギー分布算出手段により算出した面要素ごとの光の放射エネルギーを面要素ごとに関係付けて記憶する光エネルギー分布記憶手段と、光エネルギー分布記憶手段に記憶された面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求める視知覚模擬手段とを備えることを特徴とする三次元空間における光分布シミュレータ。
  2. 前記三次元空間は複数個の光源を備え、前記光エネルギー分布算出手段は、光源別に面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、前記光エネルギー分布記憶手段は、光源別に算出した光の放射エネルギーを面要素ごとに関係付けて記憶し、前記視知覚模擬手段は、光観測面に入射する光エネルギーを光源別に求めることを特徴とする請求項1記載の三次元空間における光分布シミュレータ。
  3. 前記光観測面規定手段は、時間経過に伴う光観測面の位置および向きを指定可能であり、前記視知覚模擬手段は、光観測面規定手段により指定された光観測面の位置および向きに従って光観測面から見込むときの面要素の輝度を随時求めることを特徴とする請求項1又は2記載の三次元空間における光分布シミュレータ。
  4. 前記光観測面規定手段は、時間経過に伴う光観測面の位置を指定する際に、複数個のアンカーポイントを滑らかに連結する線により定義されるパスを指定し、前記視知覚模擬手段は当該パス上の各位置で光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする請求項3記載の三次元空間における光分布シミュレータ。
  5. 前記三次元空間を表示する画面を有した表示手段と、前記三次元空間とともに表示手段の画面に表示されるが前記三次元空間の構成要素に含まれない模擬人体の画像を生成する人体表示手段とを有し、人体表示手段は、模擬人体の画像について身長と顔の向きと姿勢とのうちの少なくとも1要素を顔位置に設定した光観測面のパラメータとして指定可能であり、指定されたパラメータに応じて光観測面の位置および向きを調節することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータ。
  6. 前記視知覚模擬手段は、面要素のそれぞれから光観測面に入射する光のエネルギーを面要素の輝度として求めるとともに、光観測面について規定される視野範囲内において平均輝度を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータにおいて、コンピュータを用いて構築された仮想の三次元空間を記憶した後、当該三次元空間に存在する面を小領域である多数個の面要素に分割し、ついで分割した面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、さらに、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定し、面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする三次元空間における光分布シミュレーション方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元空間における光分布シミュレータを実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、記憶している仮想の三次元空間に存在す
    る面を小領域である多数個の面要素に分割し、分割された面要素をそれぞれ光源面として面要素ごとに光の放射エネルギーを算出し、さらに、前記三次元空間を観測する仮想の光観測面を規定するとともに、面要素ごとの光の放射エネルギーを用い前記三次元空間における面要素を光観測面から見込んだときの光観測面に入射する光のエネルギーを求めることを特徴とする三次元空間における光分布シミュレーション用プログラム。
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