以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。
この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側からワンタッチコネクタを利用して着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。ここで、ワンタッチコネクタとは、一の装着操作で複数の接点が接続状態となり、一の分離操作で複数の接点が分離状態となる接続コネクタC1〜C4(図3参照)を意味する。
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の下側には、スピーカが配置されている。
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は、その回動角度に応じた強度で動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
ここで、打撃槌は、発射ソレノイドSLeによって駆動されており、打撃槌が機能するまでの発射準備のため、球送りソレノイドSLfが機能している。また、発射ハンドル10には、発射ソレノイドSLeの発射強度を調整可能な強度ボリュームと、遊技者が発射ハンドル10に触れているか否かを検出するタッチセンサと、遊技者が発射停止を指示する発射停止スイッチと、が配置されている。
そして、発射ハンドル10の回転位置を示す発射強度信号VRと、タッチセンサからのタッチセンサ信号S1と、停止スイッチ信号S2は、発射接続基板27を経由して、発射制御基板25に伝送されるよう構成されている(図3、図4参照)。
一方、上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、背面側に延びる中央開口HOが設けられている。そして、中央開口HOの奥底には、液晶カラーディスプレイで構成された表示装置DSが配置されている。
また、表示装置DSの前面に形成される空間には、演出可動体AMU(可動役物)が昇降自在に配置されている。演出可動体AMUは、昇降機構ALVに保持されて昇降される固定部材FIXと、固定部材FIXに支持されて回転する回転部材ROTとで構成されている。
昇降機構ALVの昇降動作や、回転部材ROTの回転動作は、ステッピングモータで構成された演出モータM1〜Mnの回転によって実現される。なお、通常時には、演出可動体AMUは、昇降機構ALVに吊り上げられた状態で待機している。
遊技領域の適所には、図柄始動口15、大入賞口16、普通入賞口17、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
表示装置DSは、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DSは、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19を有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されたり、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、当否結果を不確定に報知する予告演出などが実行される。
普通図柄表示部19は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
図柄始動口15は、左右一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉されるよう構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪が所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで開放されるようになっている。
電動式チューリップは、制御信号CTLbがLレベルになるタイミングで、第2ソレノイドSLbが通電状態となって開放する(図5参照)。なお、図2の構成とは異なり、普通入賞口17を開閉可能に構成する場合には、制御信号CTLcで通電制御される第3ソレノイドSLcによって普通入賞口が開閉される。
図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。なお、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、一連の図柄演出の間に、予告演出が実行される場合がある。また、予告演出の一種として、演出可動体AMUが中央開口HOの位置に降下してくることがある。そして、降下した演出可動体AMUは、時計方向又は反時計方向に回転した後、元の位置に上昇する。
大入賞口16は、例えば前方に開放可能な開閉板16aで開閉制御されるが、特別図柄表示部Da〜Dcの図柄変動後の停止図柄が「777」などの大当り図柄のとき、「大当りゲーム」と称する特別遊技が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。開閉板16aは、制御信号CTLaがLレベルになるタイミングで、第1ソレノイドSLaが通電状態となって開放する(図5参照)。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧と電源異常信号ABN1,ABN2を出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DSを駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、先ず、演出制御基板22に伝送され、演出制御基板22から出力される制御コマンドCMD’は、画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送される。また、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板32を経由して、払出制御基板24に伝送される。
制御コマンドCMD,CMD’,CMD”は、何れも16ビット長であるが、主制御基板21や払出制御基板24が関係する制御コマンドは、8ビット長毎に2回に分けてパラレル送信されている。一方、演出制御基板22から画像制御基板23に伝送される制御コマンドCMD’は、16ビット長をまとめてパラレル伝送されている。そのため、可動予告演出を含む予告演出を、多様化して多数の制御コマンドを連続的に送受信するような場合でも、迅速にその処理を終えることができ、他の制御動作に支障を与えない。
本実施例では、画像インタフェイス基板28と画像制御基板23とは、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されて二枚の回路基板が積層されている。そのため、各電子回路の回路構成を複雑高度化しても基板全体の収納空間を最小化できると共に、接続ラインを最短化することで耐ノイズ性を高めることができる。
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24とインタフェイス基板28に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。すなわち、この実施例では、画像制御基板23と画像インタフェイス基板28とで画像制御部23を構成している。なお、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
また、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材GM1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、発射接続基板27と、枠中継基板35と、ランプ駆動基板36とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。
図4は、タッチセンサを搭載するセンサ基板SNと、発射接続基板27と、発射制御基板25について、各基板の回路構成を図示したものである。図示の通り、センサ基板SNは、接触片たる発射ハンドル10に遊技者が触れているか否かに基づいて発信強度が変わる発信回路と、発信強度を検出する検波平滑回路と、検波出力に基づいてセンストランジスタQsをON/OFF制御するスイッチング回路などを有して構成されている。
この実施例では、遊技者が発射ハンドル10に触れると、センストランジスタQsがON動作し、遊技者が発射ハンドル10から手を離すと、センストランジスタQsがOFF動作する。センストランジスタQsには、200μA程度のON電流を流す必要があるが、センストランジスタQsは、オープンコレクタ状態であるので、他の回路基板からセンストランジスタQsのON電流をシンクさせる必要がある。
発射接続基板27は、センサ基板SNからタッチセンサ信号S1を受けて、これを発射制御基板25に転送すると共に、タッチセンサ信号S1に基づいて生成されたタッチ信号TCHを、演出制御基板22に向けて出力している。本実施例では、タッチ信号TCHは、発射接続基板27→枠中継基板35→枠中継基板34の経路で演出制御基板22に伝送されている(図3)。図5にも示す通り、タッチ信号TCHは、ワンタッチコネクタの接続コネクタC4を経由して演出制御基板22に伝送される。
そして、接続コネクタC4を通過する伝送経路中の何れかの回路基板には、フォトカプラPHの電流制限抵抗R41と、タッチ信号TCHの入力抵抗R40と、フィルタコンデンサC4と、入力抵抗R40を通してタッチ信号TCHを受ける反転バッファQ12と、で構成された信号伝送回路が搭載されている。なお、電流制限抵抗R41は、フォトカプラPHのフォトトランジスタのON電流を規定する。また、反転バッファQ12は、C−MOS構成の入力回路を有しており、事実上、入力電流は流れない。
上記したタッチ信号TCHを生成するため、発射接続基板27には、タッチセンサ信号S1に基づいてON/OFF動作するNch型のMOSトランジスタQ10と、MOSトランジスタQ10のゲート端子に接続される入力抵抗R20と、入力抵抗R20とグランド間に配置されるサージアブソーバSURと、MOSトランジスタQ10のドレイン電流が流れるフォトカプラPHと、ドレイン電流を規制するドレイン抵抗R21とが搭載されている。
本実施例では、MOSトランジスタQ10を使用するので、事実上、入力電流が流れることはなく、センサ基板SNのセンストランジスタQsに対するシンク電流は、発射制御基板25から供給される。なお、サージアブソーバSURは、例えばバリスタで構成され、タッチセンサ信号S1の伝送路に、静電気の帯電などによる過電圧が発生しても、直ちにこれが吸収され、MOSトランジスタQ10や発射制御基板の反転バッファQ11が破損されることを防止している。なお、MOSトランジスタQ10のゲートソース間にも過電圧を吸収する2個のツェナーダイオードが対面して配置されている。
発射制御基板25の回路構成は、図4に示す通りであり、電流制限抵抗R31と、入力抵抗R30と、フィルタコンデンサC3と、入力抵抗R30を通してタッチセンサ信号S1を受ける反転バッファQ11と、を有して構成されている。ここで、電流制限抵抗R31は、センサ基板SNのセンストランジスタQsのON電流を規制しており、200μA程度のON電流は、電流制限抵抗R31→発射制御基板25→発射接続基板27の経路で、センストランジスタQsに供給される。なお、反転バッファQ11は、C−MOS構成の入力回路を有しており、事実上、入力電流は流れない。
発射制御基板25の他の構成は、特開2009−119184号公報などに記載された公知の構成であり、遊技者が発射ハンドル10を握り、発射停止スイッチを操作せず、且つ、払出制御基板24から発射を許可する発射制御信号S3を受ける場合に、タッチセンサ信号S1=ON、発射停止スイッチ信号S2=OFF、且つ、発射制御信号S3=ONの条件が揃い、法的の所定周期で遊技球が間欠的に発射される。一方、上記の条件が揃わない場合には、遊技球が発射されることはない。
なお、遊技球の発射動作は、発射ソレノイドSLeが間欠的に通電することで実現されるが、発射ソレノイドSLeの通電電流の電流値に応じて発射強度が制御される。また、発射周期に対応して、球送りソレノイドSLfが通電して、発射球が所定位置にセットされる。
以上、発射接続基板27の回路構成を説明したので、タッチセンサの動作について確認する。遊技中、遊技者が発射ハンドル10を握っているので、センストランジスタQsはON状態であり、電流制限抵抗R31→発射接続基板27の経路で、センストランジスタQsに200μA程度のON電流が流れる。なお、反転バッファQ11は、C−MOS構成の入力回路を有し、また、トランジスタQ10もNchMOSで構成されているので、ON電流は、これ以外の通路では流れず、ON電流の電流値は、もっぱら、DC5Vと、電流制限抵抗R31だけで規定される。
規定のON電流が流れる状態では、タッチセンサ信号S1がLレベルであって、反転バッファQ11の入力がLレベルであることから、反転バッファQ11の出力がHレベルとなり、タッチセンサ信号S1=ONの状態となる。また、このとき、MOSトランジスタQ10はOFF状態であり、フォトカプラPHもOFF状態であるので、反転バッファQ12の入力たるタッチ信号TCHはHレベルとなり、反転バッファQ12の出力はLレベルであってタッチ信号TCH=ONの状態となる。
一方、遊技者が発射ハンドル10から手を離すと、センストランジスタQsがOFF状態となるので、反転バッファQ11の入力たるタッチセンサ信号S1がHレベルとなり、反転バッファQ11の出力はLレベルであって、タッチセンサ信号S1=OFFの状態となる。また、このとき、MOSトランジスタQ10はON遷移するので、フォトカプラPHが導通する。すると、反転バッファQ12の入力であるタッチ信号TCHがLレベルに遷移し、反転バッファQ12の出力はHレベルとなって、タッチ信号TCH=OFFの状態となる。
次に、タッチセンサ信号S1やタッチ信号TCHの伝送経路に断線異常が生じた場合について説明する。先ず、タッチセンサの内部異常によりセンストランジスタQsがOFF状態を維持したり、或いは、タッチセンサ信号S1の伝送経路に断線異常が生じると、電流制限抵抗R31がプルアップ抵抗として機能することで、タッチセンサ信号S1がHレベル(OFF状態)を維持する。
また、このとき、MOSトランジスタQ10はON遷移するので、フォトカプラPHが導通して、タッチ信号TCHがLレベル(OFF状態)に遷移する。この動作状態は、遊技者が発射ハンドル10から手を離している場合と同じであり、意味も無く、遊技球が発射されるおそれはなく、適切なフェールセーフ動作が実現される。また、動作異常に対応して、以下に説明する省電力モードの動作を開始することもできる。
本実施例では、上記したフェールセーフ動作と、フォトカプラPHの動作を活用して、適宜な省電力モードの動作を開始し、また、省電力モードから通常モードの動作に復帰している。具体的には、タッチ信号TCHがON状態からOFF状態に遷移すると、所定時間後に、演出制御部22のワンチップマイコン40を省電力モードの動作に移行させると共に、演出モータM1〜Mnなどの外部機器を省電力モードで動作させるようにしている。そして、その後、タッチ信号TCHがOFF状態からON状態に遷移すると、直ちに、省電力モードの動作を終了して、通常モードの動作に復帰させている。なお、具体的な手法については更に後述する。
以上、発射接続基板27について説明したので、図3に戻って、本遊技機の他の構成を説明する。図3に示すランプ駆動基板36には、複数のLEDが接続されており、これらのLED群を駆動する駆動データSDATAは、シリアル信号として、演出制御基板22→枠中継基板34→枠中継基板35を経由して、ランプ駆動基板36に搭載された複数のLEDドライバに伝送されている。
遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23及び画像インタフェイス基板28が、表示装置DSやその他の回路基板と共に固定されている。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタC1〜C4によって電気的に接続されている。各接続コネクタC1〜C4は、各々、複数の接点を有するが、これら全体C1〜C4の接点が、一の装着操作で接続状態となり、一の分離操作で分離状態となるワンタッチコネクタである。
電源基板20は、接続コネクタC2を通して、主基板中継基板32に接続され、接続コネクタC3を通して、電源中継基板33に接続されている。電源基板20の内部構成は、図6(a)に示す通りであり、外部から受けるAC24Vを全波整流するブリッジ型の整流回路61と、整流回路61の出力を受けてDC35Vを出力する力率改善回路62と、整流回路の過渡電流を抑制する突入電流防止回路63と、4個のDC−DCコンバータ(以下、コンバータと略す)RG1〜RG4及びその付属回路と、交流電源の遮断と直流出力電圧の異常を監視する交流監視回路64と、を有して構成されている。
力率改善回路62が出力するDC35Vは、給電ラインCB1〜CB3を通して、主制御基板21と、払出制御基板24と、演出制御基板22に配電される。そこで、電源基板20の内部構成を説明する前に、先ず、給電ラインCB1〜CB3の構成について詳細に説明する。
図6(a)に示す通り、溶断ヒューズFU1を経由した直流電圧DC35Vは、第1給電ラインCB1と第2給電ラインCB2を経由して、主制御基板21と払出制御基板24に給電される。一方、演出制御基板22に対しては、サーミスタTH2及び溶断ヒューズFU2を経由させた直流電圧DC35Vが、第3給電ラインCB3を通して給電される。
給電ラインCB1,CB2は、直接、直流電圧DC35Vを給電するのに対して、給電ラインCB3は、サーミスタTH2を介在させて、直流電圧DC35Vを給電するのは、本実施例では、給電ラインCB1,CB2が誘導性負荷で終端されているのに対して、給電ラインCB3が容量性負荷で終端されているためである。
図5(a)は、給電ラインCB1〜CB3が、誘導性負荷、又は容量性負荷の何れで終端されているかを説明する図面である。なお、併せて、発射接続基板27が受けるタッチセンサ信号S1と、タッチ信号TCHの伝送経路も図示している。
図示の通り、第1給電ラインCB1の直流電圧DC35Vは、接続コネクタC2を通過後、主制御基板21の内部配線を経由して、遊技盤中継基板31に至り、大入賞口16の開閉板16aや図柄始動口15の電動式チューリップなどを開閉させる電磁ソレノイドSLa〜SLcの一端に供給される。そして、本実施例の場合、電磁ソレノイドSLa〜SLcの他端は、電源電圧を要しない電力スイッチPSを経由して、制御信号CTLa〜CTLcを受けている。
図5(b)に示す通り、実施例の電力スイッチPSは、入力端子INと出力端子OUTとグランド端子GNDの三端子で構成されており、出力端子OUTとグランド端子GNDとの間に、NチャンネルMOSFETであるトランジスタQnが配置されている。この電力スイッチPSのトランジスタQnは、入力端子電圧=1.5V程度を閾値電圧としてON/OFF動作をするが、過熱保護、過電流保護、過電圧保護、出力電流制御、出力遮断、及び、静電気保護などの機能を発揮する内部回路を内蔵した一素子で構成されている。
具体的には、トランジスタQnのドレイン−ソース間の電圧は60V程度でクランプされ(過電圧保護)、素子温度が150℃程度で出力動作を停止し(過熱保護)、10Vを超える入力電圧がクランプされ(静電保護)、ドレイン電流が6A程度を超えると保護回路が機能するよう構成されている。なお、トランジスタQnのON動作時の出力端子とグランド間の内部抵抗は0.3Ω程度であり、電流検出用のシャント抵抗はトランジスタQnには接続されていない。また、OFF動作時のドレイン−ソース間の漏れ電流は、5〜10μA程度である。
この電力スイッチPSは、トランジスタQnのON動作時に、電磁ソレノイドに1A程度の駆動電流を流す電流ドライバとして機能するが、同等の保護機能を有する通常のドライバとは異なり、電源電圧が不要である点に大きな特徴がある。なお、電力スイッチPSに代えて、パワートランジスタを配置したのでは、各種の保護機能を発揮させることはできない。
本実施例では、電源電圧が存在しない図5(b)に示す電力スイッチPSを使用して、電磁ソレノイドSLiを駆動するので、電源投入時など、ソレノイドが通電していない状態はもとより、遊技動作中でソレノイドSLiが通電する状態でも、給電ラインCB1が容量性負荷となることがない。すなわち、トランジスタQnがON動作するソレノイドSLiの通電時に、給電ラインCB1が誘導性負荷となることは自明であるが、トランジスタQnのOFF時についても、ドレイン−ソース間の漏れ抵抗や、小容量の漂遊容量が機能することで、給電ラインCB1は誘導性負荷となる。
なお、以上の点は、第1給電ラインCB1だけでなく、第2給電ラインCB2についても同様である。すなわち、第2給電ラインCB2の直流電圧DC35Vは、払出制御基板24や発射制御基板25の内部配線を経由して、発射ソレノイドSLeや球送りソレノイドSLfの一端に供給され、発射ソレノイドSLeや球送りソレノイドSLfの他端は、図5(b)に示す電力スイッチPSを経由して、各々の制御信号CTLe,CTLfを受けている。
このように、給電ラインCB1,CB2は、何れも誘導性負荷で終端されるため、電源投入時など、給電ラインが初めて活線化されるタイミングにも、過大な電流が流れるおそれがなく、ヒューズFU1の溶断などの電源トラブルのおそれがない。
以上、給電ラインCB1,CB2を、図5(b)に示す電力スイッチPSで終端させた本実施例の効果を説明したが、第3給電ラインCB3については、同様の構成を採ることができない。
すなわち、図5(a)に示す通り、第3給電ラインCB3の直流電圧DC35Vは、接続コネクタC3を通過後、演出制御基板22やランプ/モータ駆動基板30の内部配線を経由して、駆動電源基板26に配電される。駆動電源基板26には、DC−DCコンバータCNが配置されており、DC−DCコンバータCNの入力側に平滑コンデンサCinが配置されていることで、第3給電ラインCB3は容量性負荷となる。
ここで、平滑コンデンサCinは、可動役物による可動演出時に、DC−DCコンバータCNの入力電圧が無闇に変動して、給電ラインCB3から電源リップルノイズを発生させないよう、可動演出時の消費電力に基づいて最適値に設定される。可動演出時の消費電力は、可動役物の荷重などに大きく関連するが、平滑コンデンサCinは、少なくとも、20μF以上である必要があり、20μF〜800μFの範囲で最適設定される。
図8に関し後述するように、DC−DCコンバータCNは、DC35Vを受けて、DC15V又は18Vを出力する降圧型コンバータであり、その出力電圧は、演出モータM1〜Mnの駆動電圧Vmとなる。本実施例では、演出モータM1〜Mnの駆動電圧Vmが15V又は18V程度であるにも拘らず、敢えて、DC35Vを配電する高圧給電方式を採ることで、接続コネクタC3→演出制御基板22→ランプ/モータ駆動基板30→駆動電源基板26に至る通電路における電力損失を効果的に軽減している。
例えば、駆動電源基板26に至るまでDC35Vを配電する実施例の構成を、DC15Vを配電する構成と比較した場合、仮に、両構成において、電源基板20からの供給電力が同一であると仮定すると、高圧給電する本実施例の構成では、給電電流Iが15/35=3/7になるので、線路損失抵抗rにおける電力損失が9/49倍に抑制されることになる(r×I2)。
ワンタッチコネクタC1〜C4を使用する本実施例では、特に、接続コネクタC3の径年劣化による接触抵抗の増加が懸念されるところ、上記した高圧給電の構成は非常に有効である。このように、本実施例では、電力損失を抑制するため高圧給電方式を採るが、ただ単に高圧給電したのでは、電源投入時に問題が生じる。
すなわち、給電ラインCB3は、20μF〜800μF程度の容量性負荷であるところ、電源投入時には、コンデンサCinのインピーダンスがほぼゼロの状態から開始されて、0Vから35Vまで急速に充電されるので、この間のラッシュ電流によって、接触抵抗の大きい部分が繰り返し摩耗される。なお、コンデンサへの急速充電が終わると、ラッシュ電流が収まるので、溶断ヒューズFU2が反応することがなく、ラッシュ電流による摩耗が毎日繰り返されることになる。また、万一、電源投入状態のまま、盤側部材GM2が枠側部材GM1に装着されるような場合、接続コネクタC3の接触抵抗によって、その接点部分が溶断してしまう可能性もある。
そこで、本実施例では、上記の問題を考慮して、容量性負荷である第3給電ラインCB3に限り、その最上流側にサーミスタTH2を配置している。ここで、サーミスタTH2は、25℃の抵抗値が公証値1Ω〜3Ωであり、100℃の抵抗値が0.2Ω程度、170℃の抵抗値が0.1Ω程度の素子が選択される。また、このサーミスタTH2の熱放散定数δは、14mW/℃〜27mW/℃である。なお、熱放散定数δは、静止空気雰囲気においてサーミスタ自身が通電による自己加熱で1℃温度上昇するために必要な電力(mW/℃)を意味する。
本実施例では、上記した特性のサーミスタTH2を、第3給電ラインCB3に配置するので、例えば、電源投入時に2Ω程度であったサーミスタTH2の抵抗値が、その後の通電による自己発熱によって、急激に0.1〜0.2Ω程度まで低下することになり、このような過渡的に電流制限機能を発揮するサーミスタTH2によって、電源投入時の電源トラブルが確実に回避される。
以上、図5に基づいて、第1給電ラインCB1、第2給電ラインCB2、及び、第3給電ラインCB3について詳細に説明したので、図6を参照しつつ、電源基板20の内部構成について更に説明する。
図6(a)に示す通り、力率改善回路62は、チョークコイルL1と、スイッチングトランジスタQ1,Q2と、2つのトランジスタをON/OFF制御してチョッパ動作を実現する昇圧タイプの力率制御回路PFCと、平滑コンデンサC1とを有して構成され、入力電圧のピーク値33.9V(=24*SQR2)を昇圧して、設計値DC35Vの直流電圧を出力している。
先に説明した通り、この直流電圧DC35Vは、第1から第3の給電ラインCB1〜CB3を通して、主制御基板21と、払出制御基板24と、演出制御基板22に各々配電されている。
力率制御回路PFCは、トランジスタQ1,Q2を相補的にON/OFF制御することで、AC24Vの電源ラインに、低振幅ノコギリ波状の充放電流を流している(図6(d)参照)。すなわち、トランジスタQ1のON時(Q2がOFF)に、チョークコイルL1に蓄積されたエネルギーが、トランジスタQ2のON時(Q1がOFF)に、平滑コンデンサC1に充電されることで、AC24Vの電源ラインの入力電流を略正弦波状に改善している。
したがって、本実施例によれば、図6(c)に示すようなスパイク状の入力電流が流れることがなく、整流回路61を構成するダイオードD1〜D4の電流最大定格を抑制することができ、大容量のダイオードD1〜D4(相対的に高価)を使用する必要がなくなる。なお、図6(b)と図6(c)は、力率改善回路を有しない従来装置(比較例)について、平滑コンデンサC1の両端電圧と、AC24Vの電源ラインの入力電流の電流波形を示したものであり、平滑コンデンサC1への充電時に、スパイク状の大電流が流れることを示している。これに対して、本実施例では、図6(c)に示すようなスパイク電流が流れないので、電源ノイズが発生することがなく、この意味でも好適である。
突入電流防止回路63は、NチャンネルMOS型のスイッチングトランジスタQ3と、トランジスタQ3のドレイン端子−ソース端子間に配置されたサーミスタTH1と、トランジスタQ3のゲート電圧を規定するバイアス素子(ZD1,R1,R2,C2)とで構成されている。図示の通り、バイアス素子にはツェナーダイオードZD1が含まれているので、ツェナーダイオードZD1が降伏してON動作するまでの過渡状態では、ゲート端子にバイアス電圧が加わらず、トランジスタQ3がOFF状態となる。
そのため、電源投入直後は、AC24Vの電源ラインの入力電流が、整流回路61→力率改善回路62→サーミスタTH1→整流回路61の経路を通ることになり、電源投入時の過渡電流(突入電流)がサーミスタTH1によって最適に制限される。そのため、本実施例では、この意味でも大容量で高価なダイオードD1〜D4を使用する必要が無い利点がある。なお、力率制御回路PFCの出力値が、定常値(DC35V)に近づくと、ツェナーダイオードZD1がON動作して、トランジスタQ3もON動作するので、その後は、サーミスタTH1に電流が流れることはなく、サーミスタTH1において無駄な電力消費が継続することはない。
交流監視回路64は、ダイオードD5,D6及び負荷抵抗R3で構成された全波整流回路と、電流制限抵抗R4と、コンバータRG4とで構成されている。負荷抵抗R3の両端電圧は、ピーク値34V程度の脈流波形となり(図6(e)参照)、この脈流電圧が電流制限抵抗R4を経由して、コンバータRG4の監視端子Sin1に供給されている。そして、コンバータRG4は、監視端子Sin1に供給される電圧に基づいて、交流電源AC24Vの遮断を判定しているが、その詳細は後述する。
4個のコンバータRG1〜RG4は、全て同一レベルの直流電圧(DC35V)をDC入力端子Vin受けて動作して、不図示の受動素子(R,L,C)と共に機能することで、降下レベルの直流電圧(12V又は5V)を出力している。すなわち、コンバータRG1とコンバータRG2は、各々、12Vを生成して出力端子Voutに出力しており、コンバータRG1の出力電圧DC12Vは、演出制御基板22に配電され、コンバータRG2の出力電圧DC12Vは、主制御基板21と払出制御基板24に配電されている。
また、コンバータRG3は、演出制御基板22に配電されるDC5Vを生成してコンバータRG3の出力端子Voutから出力し、コンバータRG4は、主制御基板21と払出制御基板24に配電されるDC5Vを生成して、コンバータRG4の出力端子Voutから出力する。このように、本実施例の電源基板20では、3種類の直流電圧(35V,12V,5V)だけを生成し、これらの直流電圧の配電を受けた各制御基板20,21,22では、必要に応じて、降下レベルの一又は複数の電源電圧を生成する構成を採っており、遊技機全体として電源回路の構成に無駄がない。
なお、コンバータRG4の出力に基づいてDC5Vのバックアップ電源BAKが生成され、主制御基板21と払出制御基板24に配電されている。ここで、バックアップ電源BAKとは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。
ところで、コンバータRG1とコンバータRG3には、各回路素子のDC−DC変換動作の許否を制御する制御端子CTLが設けられており、制御端子CTLがHレベルであることを条件に内部回路が機能してDC−DC変換動作が実行される。
また、この実施例では、コンバータRG2と、コンバータRG4は、内部構成を図6(f)に示す同一の回路素子(IC)を使用している。この回路素子は、内蔵されたDC変換回路CNVへのDC入力端子Vinと、DC変換回路CNVの動作を許否制御する制御端子CTLと、コンパレータCM2への入力端子Sin2と、異常信号を受ける検出端子REFと、5.1V用のツェナーダイオードなどに内部接続された監視端子Sin1と、コンパレータCM2の出力端子Sout2と、コンパレータCM1の出力端子Sout1と、DC変換回路CNVの出力端子Voutと、を有して構成されている。このコンバータRG2,RG4についても、制御端子CTLがHレベルであることを条件に内部回路(DC変換回路CNV)が機能してDC−DC変換動作が実行される。
図6(f)に示す通り、コンバータRG2やコンバータRG4に内蔵されたコンパレータCM2は、その入力端子Sin2への入力電圧と、比較基準電圧2.5Vとを比較してH/Lレベルの比較結果を出力する。具体的には、入力端子Sin2の電圧が、比較基準電圧2.5Vより高い場合には、出力端子Sout2に、Hレベルの比較結果を出力するが、入力端子Sin2の電圧が、比較基準電圧2.5Vを下回ると、Lレベルの比較結果を出力するよう構成されている。
図6(a)に略記している通り、コンバータRG2やコンバータRG4の入力端子Sin2には、各々、直流電圧DC35Vを適宜に分圧した分圧信号DVが供給されている。この分圧信号DVは、直流電圧DC35Vが正常レベルである場合には、比較基準電圧2.5Vより高レベルであるが、直流電圧DC35Vが所定レベルまで降下すると、比較基準電圧2.5Vを下回るよう設定されている。そのため、直流電圧DC35Vが所定レベルまで降下すると、コンバータRG2やコンバータRG4の出力端子Sout2がLレベルに遷移することになる。
図6(a)に示す通り、コンバータRG2の出力端子Sout2は、自らの制御端子CTLと共に、コンバータRG1の制御端子CTLに接続されている。同様に、コンバータRG4の出力端子Sout2は、自らの制御端子CTLと共に、コンバータRG3の制御端子CTLに接続されている。
そのため、直流電圧DC35Vが降下して、コンバータRG2やコンバータRG4の出力端子Sout2の出力電圧がLレベルに遷移すると、その後は、4つのコンバータRG1〜RG4が、一斉にDC−DC変換機能を停止することになる。このように、本実施例では、DC−DC変換すべき入力電圧(DC35V)が、異常レベルまで降下すると、DC−DC変換動作が自動的に停止されるので、その後の異常動作の発生のおそれがない。
図6(f)に戻って説明を続けると、コンパレータCM1の入力部は、ワイアードOR構成になっており、監視端子Sin1からの電圧、又は、検出端子REFからの電圧の何れか一方又は双方が、比較基準電圧2.5Vを下回る場合には、出力端子Sout1に、Lレベルの検出信号を出力するようになっている。
出力端子Sout1から出力されるLレベルの検出信号は、交流電源(AC24V)が降下したか、主制御基板21や払出制御基板24に配電されるべき直流電圧(5V,12V)が降下したことを示しており、電源異常信号ABN1,ABN2として、各制御基板21,24に配電される。
また、この実施例の場合、コンバータRG2の出力端子Sout1は、コンバータRG4の検出端子REFに接続されている。そのため、コンバータRG2の出力端子Sout1の電圧がLレベルに遷移して、コンバータRG4の検出端子REFがLレベルに遷移すると、この動作に対応して、コンバータRG4の出力端子Sout1がLレベルに遷移することになる。
このような回路構成に対応して、本実施例では、コンバータRG2の出力電圧DC12Vを、分圧抵抗RA,RBによる分圧回路で監視し、コンバータRG4の出力電圧DC5Vを、分圧抵抗Ra,Rbによる分圧回路で監視している。そして、各分圧回路の監視出力は、ダイオードD7を通して結合され、監視電圧DE1として、コンバータRG2の検出端子REFに供給されている。ここで、分圧抵抗RA,RBと分圧抵抗Ra,Rbは、各コンバータRG2,RG4の出力電圧DC12V,DC5Vに対応した値に設定されており、正常時(つまり、各コンバータRG2,RG4の出力電圧が所定レベル12V,5Vである場合)には、コンバータRG2の検出端子REFに供給される監視電圧DE1が2.55V程度になるよう設計されている。
そのため、正常時には、コンバータRG2(コンパレータCM1)の出力端子Sout1はHレベルとなる。一方、コンバータRG2,RG4の出力電圧の一方又は双方が、所定レベル12Vや5Vを下回ると、コンバータRG2(コンパレータCM1)の出力端子Sout1は、HレベルからLレベルに降下する。先に説明した通り、コンバータRG2の出力端子Sout1は、コンバータRG4の検出端子REFに接続されているので、コンバータRG2の出力端子Sout1と共にコンバータRG4の検出端子REFがLレベルに遷移することで、コンバータRG4の出力端子Sout1がLレベルに遷移することになる。
ところで、交流監視回路64を構成するコンバータRG4の監視端子Sin1には、図6(e)に示す監視電圧DE2が供給されている。この監視電圧DE2は、原始的には、AC24Vの脈流であるが、電流制限抵抗R4を経由して5.1V用のツェナーダイオードに伝送されることで、振幅5.1V程度の検出電圧として、コンバータRG4のコンパレータCM1に供給される。なお、図6(e)には、監視電圧DE2がパルス波状に記載されているが、交流電源AC24Vが遮断されない限り、回路素子の容量成分や配線上の漂遊容量などに基づき、監視電圧DE2が2.5Vレベルを下回ることはない。すなわち、給電状態の交流電源AC24Vの瞬時値が、0Vのタイミングであっても、監視電圧DE2は、2.5Vレベルを上回っている。
一方、交流電源AC24Vが途絶えると(その時のコンバータRG4の検出端子REFやDC入力端子Vinの電圧レベルに拘わらず)、コンバータRG4の出力端子Sout1が、素早く、Lレベルに遷移することになる。出力端子Sout1からの出力は、先に説明した電源異常信号ABN1,ABN2に他ならず、主制御基板21と払出制御基板24に伝送される。したがって、各制御基板21,24では、必要なバックアップ動作を迅速に開始することができる。なお、バックアップ動作とは、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できるよう、必要なデータを保存する動作を意味し、保存されたデータは、バックアップ電源BAKによって維持される(電源バックアップ機能)。なお、この実施例では、少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
先に説明した通り、電源異常信号ABN1,ABN2は、主制御基板21や払出制御基板24に配電されるべき直流電圧(5V,12V)が異常レベルまで降下した場合にも出力される。すなわち、本実施例では、コンバータRG2,RG4及びその付属回路と、交流監視回路64とが協働して、交流入力電圧AC24Vの異常と、複数レベルの直流出力電圧(5V,12V)の異常をまとめて監視しているので、全ての異常時に、主制御部21や払出制御部24が迅速に対処できる利点がある。以上の点も含め、電源基板20における監視動作を確認すると以下の通りである。
(1)交流電源AC24Vの遮断時には、交流監視回路64から受ける監視電圧DE2が、比較基準電圧2.5Vを下回ることで、コンバータRG4(交流監視回路64)の出力端子Sout1から出力される電源異常信号ABN1,ABN2が素早くLレベルとなる。
(2)主制御基板21や払出制御基板24に伝送される直流出力電圧12V又は直流出力電圧5Vが降下すると、監視電圧DE1が比較基準電圧2.5Vを下回るタイミングで、コンバータRG2の出力端子Sout1と、コンバータRG4の検出端子REFがLレベルとなり、コンバータRG4の出力端子Sout1から出力される電源異常信号ABN1,ABN2がLレベルとなる。なお、この電源異常信号ABN1,ABN2は、交流電源AC24Vの給電状態であってもLレベルとなるので、例えば、コンバータGR2,RG4の異常時にも、各制御基板21,24では、必要なバックアップ動作を開始することができる。
(3)力率改善回路62から出力される直流電圧DC35Vが降下して、監視電圧DE1が比較基準電圧2.5Vを下回ると、コンバータRG2やコンバータRG4の出力端子Sout2の出力電圧がLレベルに遷移してコンバータRG1〜RG4の動作が停止状態となる。その結果、主制御基板21や払出制御基板24に伝送されるべき直流出力電圧12Vや直流出力電圧5Vのレベルも降下するので、(2)の場合と同様に、コンバータRG4の出力端子Sout1から出力される電源異常信号ABN1,ABN2がLレベルとなる。この動作も、交流電源AC24Vが給電状態か否かを問わないので、例えば、整流回路61や力率改善回路62などの異常に伴う直流電圧の降下時にも、各制御基板21,24では、必要なバックアップ動作を開始することができる。
本実施例の電源基板20では、交流電源の投入を示す電源リセット信号を生成しておらず、電源リセット信号が主制御基板21、払出制御基板24、演出制御基板22などに伝送されることはない。そのため、各制御基板21,24,22では、配電された直流電圧(5V,12V)に基づいて電源リセット信号を生成している。本実施例はこのような構成を採るので、従来装置のように、電源リセット信号を電源基板から各制御基板に伝送する信号線にノイズが重畳することで、CPUが異常リセットされるおそれがない。
続いて、上記した電源基板20の構成を踏まえて、図3に戻って、遊技機GMの他の構成について説明する。図3に示す通り、主制御基板21は、主基板中継基板32を経由して電源基板20に接続されており、3種類の直流電圧DC35V,DC12V,DC5Vと、バックアップ電源BAKと、電源異常信号ABN1とを受けている。図5に関して前述した通り、DC35Vは、第1給電ラインCB1を経由して、各種のソレノイドSLa〜SLcに伝送される。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の電源異常信号ABN2や、バックアップ電源BAKを、3種類の直流電圧DC35V,DC12V,DC5Vと共に直接的に受けている。図5に示す通り、DC35Vは、第2給電ラインCB2を経由して、発射ソレノイドSLeや球送りソレノイドSLfに伝送される。
ところで、この実施例では、RAMクリア信号CLRは、主制御部21で生成されて主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンに伝送されている。ここで、RAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチSWのON/OFF状態に対応した値を有している。
また、図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板32を経由して、払出制御部24に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部24からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONや、動作開始信号BGNを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。動作開始信号BGNは、電源投入後、払出制御部24の初期動作が完了したことを主制御部21に通知する信号である。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板31を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動式チューリップなどのソレノイド類SLiを駆動している。
ここで、検出スイッチは、主制御部21から配電された電源電圧VB(12V)で動作するよう構成されている。また、図柄始動口15への入賞状態などを示す各スイッチ信号は、電源電圧VB(12V)と電源電圧Vcc(5V)とで動作するインタフェイスICで、TTLレベル又はCMOSレベルのスイッチ信号に変換された上で、主制御部21に伝送される。
図3に示す通り、演出制御部22は、電源中継基板33を経由して、電源基板20から3種類の直流電圧(5V,12V,35V)を受けている(図4及び図7参照)。図5に関して前述した通り、DC35Vは、第3給電ラインCB3を経由して、ランプ/モータ駆動基板30に伝送され、最終的には、駆動電源基板26に伝送される。そして、DC35Vは、駆動電源基板26に配置されたDC−DCコンバータCNで所定レベルVmまで降圧された後、ランプ/モータ駆動基板30に返送されて、演出モータM1〜Mnの駆動電圧となる。
また、演出制御部22は、主制御部21から制御コマンドCMDとストローブ信号STBとを受けている(図3及び図7参照)。そして、演出制御部22は、ランプ駆動基板29やランプ/モータ駆動基板30に搭載されたLEDドライバに、ランプ駆動データSDATA(シリアル信号)を供給している。特に限定されるものではないが、ランプ駆動基板29やランプ/モータ駆動基板30に搭載されているLEDドライバ/モータドライバは、ランプ駆動基板36に搭載されたLEDドライバと同一構成である。
また、本実施例では同じLEDドライバを使用してステッピングモータを駆動しており、ランプ/モータ駆動基板30を経由して、演出モータ群M1〜Mnを駆動している。この場合、モータ駆動データは、ランプ駆動データと同様のシリアル信号であり、演出内容を豊富化するべく演出モータ個数を増やしても、配線ケーブルが増加することがなく、機器構成が簡素化される。
なお、シリアル信号であるモータ駆動データは、LEDドライバと同一構成のモータドライバにおいて、モータ駆動パルスΦ1〜Φiに再生されて、演出モータM1〜Mnに出力される。
図3及び図7に示す通り、演出制御部22は、画像制御部23に対して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’と、システムリセット信号SYSと、2種類の直流電圧(12V,5V)とを出力している。
そして、画像制御部23では、制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DSを駆動して各種の画像演出を実行している。表示装置DSは、LEDバックライトによって発光しており、画像インタフェイス基板28から5対のLVDS(低電圧差動伝送Low voltage differential signaling)信号と、バックライト電源電圧(12V)とを受けて駆動されている(図7参照)。なお、LEDバックライト部は、PWM制御によって輝度調整が可能となっている。
続いて、上記した演出制御部22と画像制御部23の構成を更に詳細に説明する。図7に示す通り、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・演出可動体による予告演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40の制御プログラムなどを記憶する制御メモリ(フラッシュメモリ)41と、ワンチップマイコン40からの指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声合成回路(音声合成IC)42と、再生される音声信号の元データである圧縮音声データを記憶する音声メモリ43と、音声合成回路42のデジタル音声信号を受けてD級増幅する2個のデジタルアンプ46a,46bと、を備えて構成されている。
音声メモリ43は、音声合成回路42からアクセス可能な不揮発性メモリであり、一連の背景音楽の一曲分(BGM)や、ひと纏まりの演出音(予告音)などが、フレーズ圧縮データ(原音データ)として記憶されている。そして、各原音データは、11ビット長のフレーズ番号(000H〜7FFH)で特定されるようになっており、音声合成回路42やワンチップマイコン40は、フレーズ番号によって原音データを特定することができる。
デジタルアンプ46aの増幅出力(アナログ音声信号)は、低音用のスピーカに供給されており、デジタルアンプ46bの増幅出力(アナログ音声信号)は、遊技者に対して左右位置にほぼ整列配置された2個のスピーカに供給されている。
また、演出制御基板22には、係員が操作する設定スイッチSETから4ビット長のスイッチ信号が供給されている。ここで、設定スイッチSETは、遊技盤5の裏側に配置されて、必要時に操作される盤側部材である。図3や図7に示す通り、設定スイッチSETは、枠側部材である音量スイッチVSW(図1参照)とは別に配置されている。そして、係員が設定スイッチSETを操作すると、遊技者が設定していた音量スイッチVSWの設定値は無効となる。但し、その後、遊技者によって設定された音量スイッチVSWの設定値は、重大な異常事態の発生時を除いて有効となる。
図7に示す通り、演出制御基板22は、電源中継基板33を経由して、電源基板20から3種類の直流電圧(Vcc=5V、VB=12V、35V)を受けている。そして、直流電圧Vcc,VBについては、そのまま画像インタフェイス基板28及び画像制御基板23に転送され、直流電圧35Vは、そのままランプ/モータ駆動基板30から駆動電源基板26に伝送されて所定レベルVmに降圧された後、演出モータM1〜Mnの駆動電圧として活用している。
なお、直流電圧Vccは、演出制御基板22の各種デジタル回路の電源電圧として活用され、直流電圧VBは、デジタルアンプ46a,46bの電源電圧とされると共に、駆動基板29,30にも転送されてランプ演出やモータ演出に活用される。
また、演出制御基板22には、電源基板20から受ける直流電圧VBに基づいて、降下レベルの3種類の直流電圧を生成する電源回路が設けられている(図7左側参照)。この電源回路は、具体的には、直流電圧12Vから直流電圧1.0Vを生成する第一DC−DCコンバータCONV1と、直流電圧12Vから直流電圧3.3Vを生成する第二DC−DCコンバータCONV2と、直流電圧3.3Vから直流電圧1.8Vを生成する第三DC−DCコンバータCONV3とを有して構成されている。
直流電圧1.0Vは、音声合成回路42に内蔵されたコア回路用の電源電圧であり、直流電圧3.3Vは、ワンチップマイコン40と、制御メモリ41と、音声合成回路42と、音声メモリ43の電源電圧として使用される。なお、音声合成回路42に供給される直流電圧3.3Vは、内蔵されたインタフェイス回路用の電源電圧である。また、ワンチップマイコン40が受ける直流電圧1.8Vは、内蔵されているコア回路の電源電圧であり、直流電圧3.3Vは、内蔵されているインタフェイス回路の電源電圧である。
このように、本実施例の演出制御基板22では、主要な回路素子(IC)の電源電圧が、全てのVcc(5V)未満、具体的には公証値3.3V以下である。しかも、演算処理を制御するコア回路の電源電圧が全て、公証値1.8V以下であるので、複雑高度な動作を高速処理しても消費電力を大幅に抑制することができる。
この演出制御基板22には、リセット回路RST&WDTが設けられており、電源基板20から受ける2種類の直流電圧(DC12V、DC5V)に基づいて、第一リセット信号SYSと、これに遅れて起動する第二リセット信号RSETとを生成している。また、このリセット回路RST&WDTは、ウォッチドッグタイマを兼ねている。
次に、演出制御部22の他の回路構成について説明する。先ず、ワンチップマイコン40には、図7に示す通り、複数のパラレル入出力ポートPIO(Pi+Pi’+Po+Po’)と、複数のシリアル出力ポートSIと、が内蔵されている。シリアル出力ポートSIは、より詳細には、3チャンネルのシリアルポート(S0〜S2)を含んで構成されており、ランプ駆動基板36、29、30に搭載された複数個のLEDドライバに、各々、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2を、クロック信号CK0〜CK2に同期して出力している。
すなわち、シリアルポートS0〜シリアルポートS2は、クロック同期方式に基づいて、対応するランプ駆動基板36、29、30に、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2を伝送している。なお、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2は、その殆どが、各LEDの発光輝度をPWM制御(pulse width modulation)によって輝度調整するため輝度データ(ランプ駆動データ)であるが、演出モータM1〜Mnを駆動するモータ駆動データも含まれている。
また、パラレル出力ポートPo’は、3ビット長の動作許可信号ENABLE0〜ENABLE2を、ランプ駆動基板36、29、30に出力しており、各ランプ駆動基板36、29、30に搭載されたLEDドライバは、動作許可信号ENABLE0〜ENABLE2の何れかに基づいて動作を開始している。また、出力ポートPo’からは、デジタルアンプ46a,46bの出力を無音化するためのMUTE信号が出力されている。このMUTE信号は、例えば、動作が不安定となる可能性のある電源投入時や、音声合成回路42の異常動作が検出された場合などに使用される。
このような構成に対応して、演出制御基板22には、ワンチップマイコン40のパラレル出力ポートPo’や、シリアルポートSIや出力される各種の信号を伝送する出力バッファ回路47,48,49が設けられている。ここで、出力バッファ47は、第0チャンネルのLED群に関連しており、ワンチップマイコン40が出力するランプ駆動データSDATA0、クロック信号CK0、及び、動作許可信号ENABLE0を、枠中継基板34に出力している。そして、出力された3ビットの信号は、枠中継基板34、及び、枠中継基板35を経由して、ランプ駆動基板36のLEDドライバに伝送される。
同様に、出力バッファ48は、ワンチップマイコン40が出力するランプ駆動データSDATA1、クロック信号CK1、及び、動作許可信号ENABLE1をランプ駆動基板29のLEDドライバに伝送しており、出力バッファ49は、ランプ駆動データSDATA2、クロック信号CK2、及び、動作許可信号ENABLE2をランプ/モータ駆動基板30のLEDドライバに伝送している。なお、ランプ駆動基板29のLEDドライバは、第1チャンネルのLED群を駆動し、ランプ/モータ駆動基板30のLEDドライバは、第2チャンネルのLED群と、演出モータM1〜Mnとを駆動している。
一方、入力バッファ44には、主制御部21からの制御コマンドCMD及びストローブ信号STBと、発射接続基板27からのタッチ信号TCHが入力されている。そして、制御コマンドCMDとタッチ信号TCHは、入力バッファ44を経由して入力ポートPiに入力されている。また、コマンド出力ポートPoからは、出力バッファ45を経由して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’が出力されるよう構成されている。
入力ポートPiに供給されるタッチ信号TCHは、遊技者が発射ハンドル10を保持しているか否かを示す信号であり、遊技操作時は、タッチ信号TCHがON状態であって(TCH=Lレベル)、発射ハンドルから遊技者が手を離すと、タッチ信号TCHがOFF状態(TCH=Hレベル)となる。したがって、ワンチップマイコン40は、入力ポートPiを通して、タッチ信号TCHを把握することで、遊技者が遊技中か否かを判定することができる。
また、タッチ信号TCHは、入力バッファ44を経由して、ワンチップマイコン40のNMI(Non Maskable Interrupt)端子にも供給されており、タッチ信号TCHがHレベルからLレベルに変化すると、マスク不可の割込み処理が起動されるようになっている。つまり、本実施例では、異常OFFレベル(H)のタッチ信号TCHが、正常ONレベル(L)に復帰すると、ワンチップマイコン40は、NMI割込みによって、その事実を直ちに知ることができるようになっている。なお、タッチ信号TCHが正常ON(L)レベルから、異常OFF(H)レベルに変化してもNMI割込みは発生せず、ワンチップマイコン40は、その事実を、入力ポートPiを通して把握することになる。
上記した各信号の電圧レベルについて説明すると、制御コマンドCMDと、タッチ信号TCHと、ストローブ信号STBは、入力バッファ44において、ワンチップマイコン40の電源電圧3.3Vに対応する論理レベルに変換されて8ビット単位で、ワンチップマイコン40に供給される。先に説明した通り、タッチ信号TCHは、入力ポートPiと共に、ワンチップマイコン40のNMI端子に供給され、ワンチップマイコン40は、NMI割込みの起動によって、タッチ信号TCHが正常ONレベル(L)に復帰したことを把握する知ることができる。
一方、ストローブ信号STBは、ワンチップマイコン40の割込み(Maskable Interrupt)端子INTに供給され、受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得するよう構成されている。
演出制御部22のワンチップマイコン40が取得する制御コマンドCMDには、(1)異常報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(2)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、図柄種別を指定する制御コマンド(図柄指定コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当たり抽選における当否結果とが含まれている。
また、図柄指定コマンドには、大当たり抽選の結果に応じて、大当たりの場合には、大当たり種別に関する情報(15R確変、2R確変、15R通常、2R通常など)を特定する情報が含まれ、ハズレの場合には、ハズレを特定する情報が含まれている。変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、これらに加えて、リーチ演出や予告演出の有無などを含めて変動パターンコマンドで特定しても良いが、この場合でも、演出内容の具体的な内容は特定されていない。
そのため、演出制御部22(ワンチップマイコン40)では、変動パターンコマンドを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、画像制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した画像演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。
このような演出動作に同期した画像演出を実現するため、演出制御部22は、コマンド出力ポートPoを通して、画像制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、16ビット長の制御コマンドCMD’を画像インタフェイス基板28に向けて出力している。なお、演出制御部22は、図柄指定コマンドや、表示装置DSに関連する報知用制御コマンドや、その他の制御コマンドを受信した場合は、その制御コマンドを、16ビット長に纏めた状態で、割込み信号STB’と共に画像インタフェイス基板28に向けて出力している。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、出力バッファ45が設けられており、16ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を画像インタフェイス基板28に出力している。そして、これらのデータCMD’,STB’は、画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送される。なお、これらの信号は、ワンチップマイコン40の電源電圧3.3Vに対応する論理レベルである。
また、パラレルポートPi’には、係員が音量を設定するべく操作する設定スイッチSETからのスイッチ信号が供給されている。設定スイッチSETのスイッチ信号は、電源投入時に、そのレベルが判定されて初期状態の音量設定値が決定される。そして、その後も定時的に設定スイッチSETの設定位置が判定され、もし、初期状態から変化があれば、その時のスイッチ信号のレベルに応じた音量設定値となる。
また、演出制御基板22には、音声合成回路42から出力される音声信号を受ける2つのデジタルアンプ46a,46bが配置されている。先に説明した通り、音声合成回路42は、3.3Vと1.0Vの電源電圧で動作しており、また、デジタルアンプ46a,46bは、電源電圧12VでD級増幅動作しており、消費電力を抑制しつつ大音量の音声演出を可能にしている。
続いて、図8に基づいて駆動電源基板26について説明する。第3給電ラインCB3については、図5に関して説明した通りであるが、駆動電源基板26は、ランプ/モータ駆動基板30を経由して、演出制御基板22から、第3給電ラインCB3のDC35Vを受けると共に、電圧制御信号CTL1を受けている。
この駆動電源基板26は、DC−DCコンバータCNを中心に構成され、DC−DCコンバータCNの出力電圧Voutが、演出モータM1〜Mnの駆動電圧Vmとして、ランプ/モータ駆動基板30に伝送され、役物演出時には、演出モータM1〜Mnが動作するようになっている(図8(b)参照)。
実施例のDC−DCコンバータCNは、チョークコイルLを内蔵して構成され(図8(c)参照)、同期整流方式のステップダウン・チョッパ型レギュレータとして機能する。そこで、以下の説明では、このDC−DCコンバータを、便宜上、降圧コンバータCNと称することにする。
駆動電源基板26の具体的な回路構成は、図8(a)に示す通りであり、降圧コンバータCNと、降圧コンバータCNの出力電圧Voutを制御する可変抵抗回路VRと、入力コンデンサCinと、出力コンデンサCoutと、を有して構成されている。
入力コンデンサCinや出力コンデンサCoutの容量値は、演出モータM1〜Mnの消費電力に関連し、役物演出時の最大消費電力に対応して、20μF〜800μF範囲内の最適値に設定される。かかる観点から、図示の駆動電源基板26には、入力コンデンサCinとして、10μF程度のキャパシタンス素子が6個並列に配置され、出力コンデンサCoutとして、220μF程度のキャパシタンス素子が2個並列に配置されている。
可変抵抗回路VRは、互いに連動してスイッチング動作をするトランジスタQ1,Q2と、PNP型トランジスタQ1のバイアス抵抗R1,R2と、トランジスタQ1のコレクタ抵抗R3と、NPN型トランジスタQ2のバイアス抵抗R5,R6とで構成されている。本実施例では、コレクタ抵抗R3は、例えば400kΩ程度、バイアス抵抗R1,R2は、例えば10kΩ程度である。そして、トランジスタQ1のエミッタ端子が、降圧コンバータCNの出力端子Voutに接続され、コレクタ抵抗R3が、降圧コンバータCNの制御端子Adjに接続されている。このような構成において、本実施例では、バイアス抵抗R2に加えて、敢えてバイアス抵抗R1を配置するので、トランジスタQ2のOFF時に、トランジスタQ1を確実にOFF状態に維持することができる。
すなわち、トランジスタQ2のOFF時には、僅かとはいえ、トランジスタQ2にコレクタ漏れ電流Lkが流れるところ、もし、バイアス抵抗R1が存在しないと、このコレクタ漏れ電流LkがトランジスタQ1のエミッタ端子→ベース端子の経路で流れて、トランジスタQ1を、増幅動作又はON動作させてしまう可能性がある。なお、後述するように、トランジスタQ1は、コレクタ電流=数10μA程度で飽和状態となる。
これに対して、本実施例では、漏れ電流Lkをバイアス抵抗R1に流す構成を採り、且つ、その時の抵抗R1の両端電圧が、トランジスタQ1を動作させない電圧値に設計されているので、トランジスタQ1を確実にOFF状態に維持することができる。
図5や図8(a)に示す通り、トランジスタQ2は、演出制御基板22から電圧制御信号CTL1を受けるよう構成されており、電圧制御信号CTL1がHレベルであればトランジスタQ2がON動作をする。
そして、トランジスタQ2のON動作時には、バイアス抵抗R1,R2に電流が流れると共に、エミッタ端子→ベース端子の経路で数mA程度のベース電流が流れるので、PNP型トランジスタQ1は、確実にON動作する。なお、本実施例では、コレクタ抵抗R3が400kΩ程度であるので、トランジスタQ2のON動作時のコレクタ飽和電流は、数10μA程度となる。
何れにしても、電圧制御信号CTL1がHレベルの場合には、降圧コンバータCNの出力端子Voutと、制御端子Adjとの抵抗値は、コレクタ抵抗R3の抵抗値に対応して400kΩ程度となる。
一方、電圧制御信号CTL1がLレベルであれば、トランジスタQ2がOFF状態を維持するので、これに対応して、PNP型トランジスタQ1もOFF状態を維持する。したがって、電圧制御信号CTL1がLレベルの場合には、降圧コンバータCNの出力端子Voutと、制御端子Adjとの抵抗値は、実質的に∞となる。トランジスタQ2のコレクタ漏れ電流Lkに拘らず、トランジスタQ1が、確実にOFF状態を維持することは上記した通りである。
図8(c)は、降圧コンバータCNの内部構成を示す図面である。図示の通り、降圧コンバータCNは、相補的にON/OFF動作するMOS−FETであるパワートランジスタTR1,TR2と、各トランジスタTR1,TR2に適宜なデューティ比のPWM信号を供給するPWM回路と、トランジスタTR1,TR2のドレイン電流が流れるチョークコイルLと、出力電圧Voutを分圧して検出電圧Vrを得る分圧抵抗Ra,Rbと、検出電圧Vrを比較電圧REFと比較して比較電圧Vcを出力するコンパレータCOMと、を有して構成されている。
図示の通り、分圧抵抗Raは、降圧コンバータCNの出力端子Voutと、制御端子Adjとの間に配置される。また、PWM回路は、スイッチング周波数140kHzのPWM信号を出力するが、比較電圧Vcの出力タイミングに応じて、PWM信号のデューティ比が変化するようになっている。
以上を踏まえて、降圧コンバータCNの動作内容を説明する。先ず、トランジスタTR1がON状態で、トランジスタTR2がOFF状態のタイミングでは、実線で示すコイル充電電流が、増加傾向を示してチョークコイルLに流れ、チョークコイルLに電磁エネルギーが充電される。この動作に対応して、出力電圧Voutが増加し、これに合わせて検出電圧Vrも増加することになる。
そして、検出電圧Vrが比較電圧REFを超えるタイミングでは、PWM信号のレベルが遷移することで、トランジスタTR1がOFF状態、トランジスタTR2がON状態に遷移する。その後は、破線で示すコイル放電電流が、減少傾向を示してチョークコイルLに流れることで、電磁エネルギーが放電される。
そして、スイッチング周波数140kHzで規定されるタイミングで、トランジスタTR1がON状態、トランジスタTR2がOFF状態に戻り、先に説明したチョークコイルLの充電動作が再実行される。
以上の説明から明らかな通り、PWM信号のデューティ比は、検出電圧Vrが比較電圧REFを超えるタイミングで規定され、そのタイミングは、分圧抵抗Raに並列接続関係となる可変抵抗回路VRの等価抵抗Rxによって規定されることになる。
この等価抵抗Rxは、電圧制御信号CTL1のH/Lレベル応じて変化し、電圧制御信号CTL1=Hの場合にはRx=400kΩ、電圧制御信号CTL1=Lの場合にはRx=∞となる。この関係を言い換えると、電圧制御信号CTL1=Hの場合には、バイアス抵抗Raが実質的に低下することで、コイル充電動作からコイル放電動作の遷移タイミングが早くなることになり、出力電圧Voutが減少することになる。
減少状態の出力電圧Voutは、コレクタ抵抗R3の抵抗値に規定されるが、本実施例では、R3≒400kΩに設定することで、電圧制御信号CTL1=Hの場合には、出力電圧Voutが15V程度になり、電圧制御信号CTL1=Lの場合には、出力電圧Voutが18V程度になるよう構成されている。
すなわち、本実施例では、電圧制御信号CTL1のH/Lレベルに応じて、降圧コンバータCNの出力電圧Voutが、15V/18Vとなる。そして、この出力電圧Voutが、モータ駆動電圧Vmとして、演出モータM1〜Mnに供給される。
ここで、モータ駆動電圧Vmを15Vとするか18Vかに応じて、モータ駆動電流が、約20%(18/15=1.2)変化するが、ステッピングモータのトルク出力は、励磁磁束の強さに比例し、励磁磁束の強さは、励磁巻線の巻数と、巻線に流れる駆動電流に比例するので、本実施例のように、モータ駆動電圧Vmを制御することで回転トルクを20%程度変化させることができる。
電圧制御信号CTL1は、演出制御基板22から供給されるが、遊技機の動作状態に応じて、適宜にソフトウェア的に制御される。具体的には、大型の可動役物が可動する演出タイミングは、電圧制御信号CTL1=Lとし、小型の可動役物が可動する演出タイミングや、可動役物が機能しないタイミングでは、電圧制御信号CTL1=Hとする。そのため、大型の可動役物を駆動する演出モータに供給される駆動電圧Vmが18Vとなり、小型の可動役物を駆動する演出モータに供給される駆動電圧Vmは15Vとなることで、最適な役物演出が実現される。
また、可動役物が機能しない動作状態では、電圧制御信号CTL1=Hとすることで、消費電力を多少でも抑制している。なお、このような省電力動作の効果を高めるためには、可動役物による役物演出時に限って、降圧コンバータCNを機能させるのが好適である。
図9は、このような構成を示す図面であり、入力コンデンサCinと、降圧コンバータCNの間に、遮断回路CUTを配置している。図示の通り、遮断回路CUTは、PNP型のパワートランジスタQ3と、トランジスタQ3のバイアス抵抗R7,R8と、NPN型のスイッチングトランジスタQ4と、トランジスタQ4のバイアス抵抗R9,R10と、で構成されている。
この実施例では、演出制御基板22から駆動電源基板26に、トランジスタQ4をON/OFF制御する動作制御信号CTL2が供給される。役物演出を実行するタイミングでは、これに先行して、動作制御信号CTL2をCTL2=Hとすることで、降圧コンバータCNが動作を開始する。そして、役物演出が終了した後、動作制御信号CTL2をCTL2=Lとすることで、無駄な電力消費を解消することができる。
以上、演出制御部22のハードウェア構成を説明したので、最後に、演出制御部22で実行される省電力モードの動作について説明する。図10は、演出制御部22の動作内容の一部を説明するフローチャートであり、CPUリセット後に実行されるメイン処理(a)と、NMI割込み処理(b)とを示している。
図示の通り、ワンチップマイコン40のCPUがリセットされた後、初期処理を終えると(ST1)、所定時間毎に一連の動作(ST2〜ST8)が繰り返し実行される。具体的には、所定時間の経過が判定され(ST2)、先ず、タッチ信号TCHが入力ポートPiから取得される。そして、遊技者が遊技中であって、タッチ信号TCHがONレベルであれば、タイマ変数Tをゼロリセットして(ST5)、定常処理(ST8)を繰り返し実行する。
一方、タッチ信号がOFFレベルであって、遊技者が発射ハンドル10に触れていないと判定される場合には、経過時間を計測するタイマ変数Tをインクリメントする(ST6)。そして、タッチ信号がOFFレベルの状態が、継続して規定時間(Max)に達すると、ワンチップマイコン40を省電力モードの動作に切り替える(ST9)。便宜上、図10では、CPUがHALT命令を実行して、CPUコアのクロックを停止させる構成を図示している。なお、省電力モードに切り替えるまでに、降圧コンバータCNは、図9の構成に基づいて、既に、その動作を停止しているか、少なくとも、図8の構成に基づいて、省電力モードに移行している。
省電力モード時の動作は、上記したHALT命令の実行に何ら限定されず、例えば、ワンチップマイコン40の内部レジスタに、適当な動作パラメータを設定することで、適宜な省電力モードの動作が実現される。省電力モードの動作としては、例えば、(1)クロックの制御、(2)ドーズモードの動作、(3)スリープモードの動作、(4)スタンバイモードの動作などを好適に例示することができる。
なお、(1)クロックの制御には、(1a)動作クロックの分周比を変更して動作周波数を落とすこと、(1b)特定のクロックを停止させることが含まれる。(2)ドーズDozeモードの動作には、(2a)所定の動作率で、CPUを繰り返し間欠動作させることが含まれる。(3)スリープSleep モードの動作には、(3a)CPUの動作を停止させること(Halt命令など)、(3b)CPUとオンチップバスの動作を停止させることが含まれる。
また、(4)スタンバイモードの動作には、(4a)メインクロック発振以外の動作をすべて停止すること、(4b)メインクロック発振とメインタイマ以外のすべての動作を停止すること、(4c)すべてのクロック発振と動作を停止させることが含まれる。
そして、適宜な省電力モードが開始された後、省電力モードの動作を終了して、通常モードに復帰するには、省電力モードの動作内容に応じて、(A)所定の内部レジスタに、復帰用の動作パラメータを設定する、(B)CPUをリセットする、(C)NMI割込みなどの外部割込みを実行する、などの動作が必要となる。
そこで、本実施例では、省電力効果の高いスリープモードの動作を採用し、スリープ動作からの復帰のためにNMI割込みを利用している。なお、更に、省電力効果を上げるには、スタンバイモードの動作を採用すれば良く、この場合もNMI割込みによって動作復帰を果たすことができる。
図10(b)は、NMI割込み処理を示しており、適宜な復帰処理を実行して処理を終えている(ST11)。復帰処理は、例えば、スタックポインタに、適宜な復帰アドレスを設定することで実行される。スタックポインタに設定した復帰アドレスは、割込み復帰動作(IRET)によって実効化され、スタックポインタに設定された復帰アドレスから動作が再開される。なお、NMI割込みが起動したことで、スリープモードの動作や、スタンバイモードの動作は自動的に解消される。
なお、スリープモードの動作や、スタンバイモードの動作に代えて、クロックの低減制御や、ドーズモードの動作によって省電力を図る場合には、ワンチップマイコン40の所定の内部レジスタに、復帰用の動作パラメータを設定し、復帰アドレスを設定する(ST11)。
ところで、上記の復帰処理(ST11)に先行して、そのNMI割込み時が、省電力モードの動作中か否かを判定し(ST10)、もし、省電力モード中でなければ、復帰処理(ST11)をスキップして割込み処理を終えている。これは、ノイズなどの影響でNMI割込みが生じた場合に、意味なく演出動作を初期状態に戻さないためのフェールセーフ処理である。
ここで、そのNMI割込み時が省電力モードの動作中か否かの判定は、NMI割込み時にスタック領域に自動保存される戻り番地を判定することで実現される。すなわち、省電力モード中に割込みが生じた場合には、戻り番地が、ステップST9の最終処理、例えば、Halt命令の格納番地となる筈であり、それ例外の戻り番地となる場合には、NMI割込み時が遊技動作中であったことを意味する。そこで、遊技動作中に、誤ってNMI割込みが生じた場合には、復帰処理(ST11)を実行することなく、スタック領域に自動保存された戻り番地に処理を戻すことで、演出動作が正しく再開され遊技者に不信感を与えることがない。
何れにしても、本実施例では、タッチ信号TCHがOFFレベルの状態が、継続して規定時間(例えば5分)に達すると、演出制御部22のワンチップマイコン40の動作を停止しているが(ST9)、画像制御部28のワンチップマイコンやVDPについては、動作を継続させており、表示装置DSで実行されるデモ画像演出が途絶えることはない。但し、LEDバックライト部のPWM制御によって画面をやや暗くすることで省電力を図るのが好適である。この場合には、制御コマンドCMD’が活用される。
以上、実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定せず、適宜に変更可能である。例えば、上記の実施例では、演出制御部22について省電力モードの動作を実行したが、払出制御部24や主制御部21についても同様の動作を開始しても良い。
また、図4では、発射接続基板27にフォトカプラPHを配置したが、この構成を省略して、図11(a)の回路構成を採ることもできる。この場合には、タッチセンサ信号S1は、バッファICを経由して、一方向に払出制御部24、主制御部21、演出制御部22に伝送されている。
図11(a)の回路構成の場合には、主制御部21から適宜な周辺基板に対して、タッチセンサ信号S1を転送しても良いし、主制御部21から省電力コマンドを各制御部に伝送することで、省電力動作を開始させても良い。
但し、この回路構成では、発射接続基板27からタッチセンサ信号S1を出力する伝送線が、グランドレベルに落ちる異常が生じると、異常事態であるにも拘らず、遊技動作中であると判定されて発射動作が継続される問題があり、この意味において、図4の回路構成の方が優れている。なお、図4の回路構成では、タッチ信号TCHの伝送路が短絡しても、発射動作に影響を与えることがなく、単に、省電力モードの動作が開始されるだけである。
また、図4では、発射接続基板27にフォトカプラPHを配置したが、フォトカプラPHを発射制御基板25に配置しても良い。図11(b)は、この回路例であり、電流制限抵抗R31が、フォトダイオードPHのフォトダイオードと、センストランジスタQsのON電流を規定している。この回路構成では、上記した図11(a)の回路構成の欠点が解消され、また、タッチ信号TCHのON/OFFレベルが反転するので、タッチ信号TCHの伝送路の断線時に、省電力モードの動作が開始される。
但し、発射制御基板25を作り替えなければならない点で、必ずしも、優れていない。すなわち、枠側部材GM1である発射制御基板25は、長期間、遊技ホールに設置されており、その入れ替えが容易でないこと、及び、発射制御基板25は、定型的な動作をすれば足りるので、在庫ストックが可能であることなどを考慮すれば、発射制御基板25の設計変更は必ずしも優れていない。この点、図4の構成では、中継基板たる発射接続基板27の取り換えだけで足り、在庫ストックされている発射制御基板25が、仮に大量に存在しても、それらが無駄になることがない。