JP6335549B2 - クラッチユニット、および、モータ - Google Patents

クラッチユニット、および、モータ Download PDF

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Description

本発明は、クラッチユニット、および、モータに関する。
ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)やツーウェイクラッチ(二方向クラッチ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ワンウェイクラッチは、内輪と外輪を有し、内輪から外輪または外輪から内輪へ、一方向のみに回転力を伝達し、逆方向へは空転するクラッチ機構となっている。
ツーウェイクラッチは、ワンウェイクラッチの機能を正逆両回転方向に持たせたものであり、その方向を切替可能に構成されている。ツーウェイクラッチは、例えば、四輪駆動と二輪駆動の自動切替機構などに用いられている。
特開平4−29626号公報
しかしながら、上述した四輪駆動や二輪駆動の切替機構などに用いられるツーウェイクラッチは比較的大型であり、複雑な構造を有している。
このため、簡単な構造で小型のツーウェイクラッチが望まれている。
また、駆動源(非電気駆動源)として圧縮エアなどの流体により回転軸(出力軸)を駆動する小型のモータに用いるために、簡単な構造の小型のツーウェイクラッチが望まれている。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構造で小型のクラッチユニットを提供すること、簡単な構造で小型のクラッチユニットを有するモータを提供すること、などを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のクラッチユニットは、少なくとも、以下の構成を少なくとも具備するものである。
クラッチユニット(5)であって、
トルクが入力される入力部材(外輪部材45)と、
外周部に第1の傾斜部(7a)および該第1の傾斜部(7a)に対して逆傾斜の第2の傾斜部(7b)を備え、トルクを出力する被駆動回転軸(内輪部材:回転伝達軸7)と、
前記入力部材(45)と前記被駆動回転軸(7)との間に設けられた係合子(52:円柱部材)と、
前記入力部材(45)と前記被駆動回転軸(7)との間に配置された筒形状部を備え、前記筒形状部の側面に周方向に間隔をあけて複数設けられた孔部(53h)に前記係合子(52)を遊嵌して保持するとともに、前記孔部(53h)、前記入力部材(45)の内周、前記被駆動回転軸(7)の外周の前記第1の傾斜部(7a)により形成された第1の楔形空間、又は前記孔部(53h)、前記入力部材(45)の内周、前記被駆動回転軸(7)の外周の前記第2の傾斜部(7b)により形成された第2の楔形空間に、前記孔部(53h)に配置された前記係合子(52)を選択的に位置させるリテーナ(53)と、
前記リテーナ(53)の位置を規定するための位置決め機構と、を有し、
前記被駆動回転軸(7)は、筒状に形成され、
前記位置決め機構は、前記被駆動回転軸(7)内で軸方向に移動自在に設けられた回転切替部材(56:回転切替カム)を備え、前記回転切替部材(56)の位置に応じて、前記被駆動回転軸(7)に対して前記リテーナ(53)を正方向又は逆方向に所定角度だけ相対的に回転させて、前記係合子(52)を前記第1の楔形空間又は前記第2の楔形空間へ位置させる機構を有し、
前記第1の楔形空間に前記係合子(52)が位置する場合に、前記入力部材(45)の正方向のトルクのみを前記被駆動回転軸(7)に伝達し、前記第2の楔形空間に前記係合子(52)が位置する場合に、前記入力部材(45)の逆方向のトルクのみを前記被駆動回転軸(7)に伝達するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明のモータは、上記本発明のクラッチユニットを有し、圧縮エアなどの流体を駆動源として直線往復運動するピストンと、前記ピストンの直線往復運動を回転運動へ変換する変換機構と、出力軸と、を有し、前記クラッチユニットは、前記変換機構と出力軸との間に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構造で小型のクラッチユニットを提供することができる。
また、本発明によれば、簡単な構造で小型のクラッチユニットを有するモータを提供することができる。
本発明の実施形態に係るクラッチユニットを備えるモータの一例を示す斜視図、(a)は後方側からの斜視図、(b)は前方側(出力軸側)からの斜視図。 モータの断面図。 モータの断面構造および回路を説明するための図。 モータの上側断面図。 モータを後方側から視認した図。 図2に示したA−A線に沿った断面図。 ピストンや変換機構などの一例を示す図、(a)は側面図、(b)は(a)のE−E線に沿った断面図。 変換機構などの分解斜視図。 回転方向切替機構の分解斜視図。 図2に示したB−B線に沿った断面図。 クラッチユニット(正逆回転切替用クラッチ)の動作の一例を示す図、(a)は第1回転方向位置決め状態、(b)はニュートラル状態(中間状態)、(c)は第2回転方向位置決め状態をそれぞれ示す図。 回転方向切替機構の動作の一例を示す図、(a)は第1回転方向位置決め状態、(b)は第2回転方向位置決め状態をそれぞれ示す図。 クラッチユニット(同期回転用クラッチ)、回転伝達軸、出力軸の一例を示す斜視図。 図13に示すクラッチユニットの分解斜視図。 図2のC−C線に沿った断面図。 図2のD−D線に沿った断面図。 クラッチユニット(同期回転用クラッチ)の動作の一例を示す図、(a)は同期回転状態を示す図、(b)は回転伝達軸7の回転状態を示す図、(c)は停止状態をそれぞれ示す図。 モータの動作図(圧縮エア供給、駆動ピストン後退、回転方向切替用ピストンが前進位置)。 モータの動作図(圧縮エア供給、駆動ピストン前進、回転方向切替用ピストンが前進位置)。 モータの動作図(圧縮エア供給、駆動ピストン前進端部位置、回転方向切替用ピストンが前進位置)。 モータの動作図(圧縮エア供給、駆動ピストン前進端部位置、回転方向切替用ピストンが後退位置)。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
図1は本発明の実施形態に係るクラッチユニットを備えるモータ1の一例を示す斜視図である。詳細には、図1(a)は後方側からの斜視図、図1(b)は前方側(出力軸側)からの斜視図である。図2はモータ1の断面図である。図3はモータ1の断面構造および回路を説明するための図である。図4はモータ1の上側断面図である。図5はモータを後方側から視認した図である。図6は図2に示したA−A線に沿った断面図である。図7はピストンや変換機構4などの一例を示す図である。詳細には図7(a)は側面図、図7(b)は図7(a)のE−E線に沿った断面図である。図8は変換機構などの分解斜視図である。
<モータの構成>
本発明の実施形態に係るモータは、圧縮エアなどの気体や液体などの流体を駆動源として直線往復運動するピストンと、ピストンの直線往復運動を回転運動へ変換する変換機構と、出力軸と、クラッチユニットと、を有する。本発明の実施形態に係るクラッチユニットは、変換機構と出力軸の間に設けられている。
以下、本発明の実施形態に係るクラッチユニットを備えたモータの各構成要素について詳細に説明する。
モータ1は、筐体10を有する。筐体10は、駆動ピストン用筐体10sと、変換機構用筐体10tと、出力軸用筐体10uと、回転方向切替ピストン用筐体10vと、コントロール部用筐体10cと、などを有する。
筐体10の各構成要素は、ボルトなどの固定部材により固定されている。
駆動ピストン用筐体10sは、その内部に一つまたは複数のピストンを有する。変換機構用筐体10tは、駆動ピストン用筐体10sの前方側に配置されている。変換機構用筐体10tは、その内部に、ピストンの直線往復運動を回転運動に変換する変換機構を備える。
出力軸用筐体10uは変換機構用筐体10tの前方側に配置されている。出力軸用筐体10uのX軸方向端面に、外方に向けて突出した出力軸9が回転自在に設けられている。
駆動ピストン用筐体10s上に、コントロール部用筐体10cが設けられている。コントロール部用筐体10cは、スピード調整用回転部材111、エア切替弁、スピード調整用スプールなどを備える。モータ1は、スピード調整用回転部材111を回転させて排気速度を調整することで、出力軸9の回転速度を調整可能に構成されている。
コントロール部用筐体10cの側面に切替ボタン64が設けられている。切替ボタン64を操作することで、出力軸9を正回転方向または逆回転方向に回転させるように構成されている。尚、切替ボタン64を用いずに、エア制御により出力軸9の回転方向を規定するように、モータ1を構成してもよい。
詳細には、本発明の実施形態に係るモータ1は、駆動部2、駆動制御部3、変換機構4(直線回転変換機構)、クラッチユニット5(正逆回転切替用クラッチ:ツーウェイクラッチ)、回転方向切替制御部6、回転伝達部としての回転伝達軸7、クラッチユニット8(同期回転用クラッチ)、出力部としての出力軸9、などを有する。
モータ1は、供給源101からの圧縮エアなどの気体や液体などの流体を駆動源として駆動する。
供給源101は、エア供給路101aを介して駆動エア切替弁31に接続されている。また、供給源101は、エア供給路101aを介してエア切替弁61(回転方向切替用)に接続されている。
流体の排出部としての排気部102には、消音器103、絞弁104などが排気路102aにより接続されている。
本実施形態では、供給源101からの圧縮エアなどの流体を駆動源として、駆動制御部3の制御により、駆動部2に設けられたピストン20が直線往復運動を行い、その直線往復運動を変換機構4およびクラッチユニット5により、回転方向切替制御部6で規定された回転方向への回転運動に変換して回転伝達軸7を回転させ、クラッチユニット8を介して出力軸9を回転させる。
<駆動部2>
駆動部2は、一つまたは複数のピストン20を有する。本実施形態では、駆動部2は、第1のピストン21、第2のピストン22、第1のシリンダ23、第2のシリンダ24、および、駆動用ロッド25などを有する。
第1のシリンダ23,第2のシリンダ24は、駆動ピストン用筐体10s内に形成されている。第1のシリンダ23内に第1のピストン21が摺動自在に設けられている。第2のシリンダ24内に第2のピストン22が摺動自在に設けられている。第1のピストン21,第2のピストン22は、断面凹部、その断面凹部の反対側に断面円錐台形状部などを有する。第1のピストン21,第2のピストン22の外周にOリングが設けられている。
駆動用ロッド25は、その端部に第1のピストン21および第2のピストン22が設けられている。第1のピストン21,第2のピストン22はナットなどの固定部材21a,22aにより駆動用ロッド25に固定されている。
駆動用ロッド25は、筐体10に設けられた嵌合孔に軸方向に沿って摺動自在に配置されている。本実施形態では、駆動用ロッド25と嵌合孔との間には、駆動エア切替制御に用いられる筒部材36が摺動自在に設けられている。駆動用ロッド25と筒部材36との間にはエア通路が設けられており、そのエア通路以外の部分は、気密となるように構成されている。筐体10の嵌合孔の内面には複数のOリングが規定位置に設けられている。
本実施形態では、駆動用ロッド25は円筒形状の部材であり、駆動用ロッド25内に回転方向切替用ロッド67が所定間隔をあけて摺動自在に設けられている。駆動用ロッド25は、中央付近に通気用の孔25aが設けられている。
筒部材36は、通気用の第1の孔36a、第2の孔36bを有する。筒部材36の第1の孔36a,第2の孔36b、筒部材36と駆動用ロッド25との間の隙間、駆動用ロッド25の孔25a、駆動用ロッド25と回転方向切替用ロッド67との間の隙間、第2のシリンダ24内は連通した構造となっており、且つ、それらが制御エア排気路315、消音器103を介して排気部102に接続された構造となっている。
また、筒部材36の外周側面の中央部には短外径部36dが設けられている。この短外径部36dは、制御エアの通路として用いられる。
第1のシリンダ23には、第1の駆動エア通路341に連通する開口部341eが設けられている。第2のシリンダ24には、第2の駆動エア通路342に連通する開口部342eが設けられている。この第1の駆動エア通路341,第2の駆動エア通路342を介して駆動エアなどの流体が第1のシリンダ23,第2のシリンダ24に給排することで、第1のピストン21、第2のピストン22,駆動用ロッド25が軸方向(X軸方向)に沿って往復運動を行う。
<駆動制御部3>
駆動制御部3は、駆動部2の第1のピストン21、第2のピストン22の直線往復運動を制御する。詳細には、駆動制御部3は、筒部材36を備えたパイロット切替弁35、駆動エア切替弁31などを有する。
駆動エア切替弁31は、パイロット切替弁35からの制御エアに応じて、第1のシリンダ23、第2のシリンダ24に対して駆動エアの給排を行う。パイロット切替弁35は、駆動用ロッド25に連結されたピストン20(第1のピストン21,第2のピストン22)の位置に応じて移動する筒部材36により、エア通路を切り替え、駆動エア切替弁31へ制御エアを出力する。
詳細には、駆動エア切替弁31は、スプール32を有する(図6参照)。駆動ピストン用筐体10sに設けられたスプール室33内に、軸方向に沿って移動自在に細長形状のスプール32が設けられている。スプール室33は、軸方向の両端に第1のパイロット室331,第2のパイロット室332が設けられている。第1のパイロット室331,第2のパイロット室332には、第1の制御エア連通路311,第2の制御エア連通路312が連通されている。第1のパイロット室331,第2のパイロット室332への制御エアの給排によりスプール32の位置を制御可能に構成されている。駆動エア切替弁31の動作の詳細については後述する。
パイロット切替弁35は、筒部材36を有し、駆動用ロッド25に連結されたピストン20、詳細には第1のピストン21,第2のピストン22の位置に応じて、筒部材36が移動することにより、エア回路の流路を切り替える。
上述したように、筒部材36は、短外径部36d、通気用の第1の孔36a、第2の孔36bを有する。
筒部材36が後方側(第2のピストン22側)に位置する場合、制御エア供給路310と第1の制御エア連通路311が短外径部36dを介して連通した状態となり、且つ、第2の制御エア連通路312、筒部材36の第1の孔36a、駆動用ロッド25の孔25a、制御エア排気路315が連通した状態となる。
この場合、駆動エア切替弁31のスプール32の移動により、供給源101からエア供給路101aと第1の駆動エア通路341が連通して第1のシリンダ23に対して駆動エア供給状態となり、且つ、第2の駆動エア通路342と排気路102aと排気部102が連通して、第2のシリンダ24に対して駆動エア排気状態となる。
筒部材36が前方側(第1のピストン21側)に位置する場合、制御エア供給路310と第2の制御エア連通路312が短外径部36dを介して連通した状態となり、且つ、第1の制御エア連通路311、筒部材36の第2の孔36b、駆動用ロッド25の孔25a、制御エア排気路315が連通した状態となる。
この場合、駆動エア切替弁31のスプール32の移動により、供給源101からエア供給路101aと第2の駆動エア通路342が連通して第2のシリンダ24に対して駆動エア供給状態となり、且つ、第1の駆動エア通路341と排気路102aと排気部102が連通して、第1のシリンダ23に対して駆動エア排気状態となる。
<変換機構4(直線回転変換機構)>
変換機構4(直線回転変換機構)は、ピストン20(第1のピストン21,第2のピストン22)の直線往復運動を回転運動に変換する。
変換機構4は、ボールガイド部材40、ケース部材41、ボール部材42(係止子)、第1変換部4A、第2変換部4B、スラストベアリング48などを有する。第1変換部4A、第2変換部4Bは、外輪部材45などを有する。
ボールガイド部材40は、筒形状に形成され、内周に複数の溝部40dを備える。溝部40dにはボール部材42(係止子)が係合自在および摺動自在に配置される。
ケース部材41は、略筒形状に形成され、ボールガイド部材40の内周側に摺動自在に配置される。ケース部材41は、その端部が第1のピストン21に接続されており、第1のピストン21と連動して移動自在に構成されている。ケース部材41にはボール部材42を転動自在に保持する孔部41dが形成されている。孔部41dは、外輪部材45に形成された斜め溝45dに対応する位置に形成されている。本実施形態では、ケース部材41は、X軸方向に沿って複数列、周方向に沿って複数個のボール部材42を保持するように構成されている。
ボール部材42は、球形状に形成されており、例えば、鉄などの金属材料やセラミック材などの規定材料で構成されている。
外輪部材45は、筒形状に形成され、ケース部材41内に回転自在に配置されている。外輪部材45の内部にはクラッチユニット5(ツーウェイクラッチなど)や内輪部材としての回転伝達軸7が配置されている。
外輪部材45の外周部には、ボール部材42(係合部)が摺動自在に係合する一つまたは複数の斜め溝45dが形成されている。斜め溝45dは、ピストン20の直線往復運動方向に対して斜め方向に形成されている。本実施形態では、第1変換部4Aの外輪部材45と、第2変換部4Bの外輪部材45とが軸方向(X軸方向)に沿って並べて配置されており、第1変換部4Aの外輪部材45の斜め溝45dと、第2変換部4Bの外輪部材45の斜め溝45dの傾斜角度は、軸方向(X軸方向)を基準として互いに逆の角度となるように構成されている。
外輪部材45において、ピストン20の往復動方向(X軸方向)に対する斜め溝45dの角度が、通常、約5°より大きく約45°以下の角度範囲内に設定され、好ましくは約10°以上且つ20°以下に設定され、最適には15°程度に設定されている。斜め溝45dの角度は、出力軸9のトルクやピストン20のストローク量などを考慮して、適宜、設定することが好ましい。この斜め溝45dの角度が小さいほど、出力軸9のトルクが大きい(ただし角度>0)。斜め溝45dの上記角度を適宜設定することで、使用条件に応じて、必要なトルクを容易に得ることができるモータを提供することができる。
尚、本実施形態では、係合部としてボール部材42を採用したが、この形態に限られるものではない。例えば、ケース部材41の内周面から内側に向かって突起した突起部を設け、この突起部が外輪部材の外周面に形成された斜め溝45dに摺動自在に係合するように構成されていてもよい。
本実施形態では、3つのスラストベアリング48それぞれの間に、第1変換部4Aの外輪部材45、第2変換部4Bの外輪部材45が配置されている。
外輪部材45の内部に設けられたクラッチユニット5(ツーウェイクラッチなど)は、回転伝達軸7を設定された回転方向に回転させるように構成されている。
<直線往復運動から回転運動への変換動作>
駆動用ロッド25やピストン20が前進した場合(駆動用ロッド25が出力軸9に近づくように移動する場合)、ケース部材41の孔部41dに収容されたボール部材42(係合部)が、第1変換部4Aの外輪部材45の斜め溝21dに係合するとともに摺動することで、第1変換部4Aの外輪部材45が回転し、外輪部材45がクラッチユニット5により設定された回転方向に回転した場合、外輪部材45からクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達し、回転伝達軸7を設定された回転方向に回転させる。
この場合、第2変換部4Bの外輪部材45は、第1変換部4Aの外輪部材45に対して逆方向に回転する。第2変換部4Bの外輪部材45はクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達せずに、回転伝達軸7に対して空転するように構成されている。
駆動用ロッド25やピストン20が後退した場合(駆動用ロッド25が出力軸9から離れるように移動する場合)、ケース部材41の孔部41dに収容されたボール部材42(係合部)が、第2変換部4Bの外輪部材45の斜め溝21dに係合するとともに摺動することで、第2変換部4Bの外輪部材45が回転し、外輪部材45がクラッチユニット5により設定された回転方向に回転した場合、外輪部材45からクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達し、回転伝達軸7を設定された回転方向に回転させる。
この場合、第1変換部4Aの外輪部材45は、第2変換部4Bの外輪部材45に対して逆方向に回転する。第1変換部4Aの外輪部材45はクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達せずに、回転伝達軸7に対して空転するように構成されている。
つまり、ピストン20がX軸方向に沿って前進または後退した場合、回転伝達軸7は設定された回転方向に回転するように構成されている。
<クラッチユニット5(正逆回転切替用クラッチ:ツーウェイクラッチ)>
図9は回転方向切替機構の分解斜視図である。図10は図2に示したB−B線に沿った断面図である。図11はクラッチユニット5(正逆回転切替用クラッチ)の動作の一例を示す図である。詳細には、図11(a)は第1回転方向位置決め状態、図11(b)はニュートラル状態(中間状態)、図11(c)は第2回転方向位置決め状態をそれぞれ示す図である。図12は位置決め機構(回転方向切替機構)の動作の一例を示す図である。詳細には、図12(a)は第1回転方向位置決め状態、図12(b)は第2回転方向位置決め状態をそれぞれ示す図である。
クラッチユニット5は、トルクを入力する外輪部材45、トルクを出力する内輪部材であり被駆動回転軸としての回転伝達軸7、リテーナ53、円柱部材などの係合子52、位置決め機構(回転方向切替機構)、などを有する。クラッチユニット5は、位置決め機構により設定された回転方向に入力部材(外輪部材45)が回転した場合にのみ、外輪部材45のトルクを回転伝達軸7に伝達し、外輪部材45が逆回転した場合に、外輪部材45の逆トルクを回転伝達軸7へ伝達しないように構成されている。この位置決め機構は、正回転方向、逆回転方向に切替自在に構成されている。
回転伝達軸7は、外周部に第1の傾斜部7a、および該第1の傾斜部に対して逆傾斜の第2の傾斜部7b、およびその間に形成された平坦部7cが形成されている。回転伝達軸7の内周には、溝部7dが形成されている。溝部7dには、略円柱形状のカム回転止め部材58が摺動自在に配置されている。
回転伝達軸7の側面には内周と外周を連通する2つの孔7hが形成されており、係合子54を移動自在に保持している。2つの孔7hの間に回転伝達軸7の中心軸が位置するように形成されている。孔7hにはボール部材などの係合子54が配置されている。
円柱部材などの係合子52は、入力部材(外輪部材45)と被駆動回転軸(内輪部材:回転伝達軸7)との間に配置されている。
リテーナ53は、筒形状に形成されており、外輪部材45と回転伝達軸7との間に配置される。リテーナ53は、円柱部材などの係合子52を保持する複数の孔部53hを有する。
リテーナ53の孔部53hには、入力部材(外輪部材45)の内周と被駆動回転軸(回転伝達軸7)の外周の第1の傾斜部7aにより第1の楔形空間が形成されている。また、リテーナ53の孔部53hには、入力部材(外輪部材45)の内周と被駆動回転軸(回転伝達軸7)の外周に形成された第2の傾斜部7bにより第2の楔形空間が形成されている。
また、リテーナ53は、被駆動回転軸(回転伝達軸7)に対して相対的に回転移動することにより、第1の楔形空間または第2の楔形空間に係合子52を選択的に位置させるように構成されている。
詳細には、リテーナ53の内周には、凹部53a,凹部53bが形成されている。リテーナ53がニュートラル状態(中間状態)の場合、この凹部53a,凹部53bは、回転伝達軸7の2つの孔7hに対して周方向に僅かにずれるように形成されている(図11(b)参照)。2つの孔7hのうち何れか一方の孔7hに配置された係合子54が外周側に向かって移動することにより、係合子54が凹部53aまたは凹部53bに嵌合するように、リテーナ53が回転するように構成されている(図11(a),図11(c)参照)。
クラッチユニット5は、第1の楔形空間に係合子52が位置する場合に、外輪部材45の内周と回転伝達軸7の第1の傾斜部7aとの間に係合子52が係合し、入力部材(外輪部材45)の正方向のトルクのみを回転伝達軸7に伝達し、逆方向のトルクについては、外輪部材45と回転伝達軸7とが非係合状態となり、そのトルクを伝達しないように構成されている。
また、クラッチユニット5は、第2の楔形空間に係合子52が位置する場合に、外輪部材45の内周と回転伝達軸7の第2の傾斜部7bとの間に係合子52が係合し、入力部材(外輪部材45)の逆方向のトルクのみを回転伝達軸7に伝達し、正方向のトルクについては、外輪部材45と回転伝達軸7とが非係合状態となり、そのトルクを伝達しないように構成されている。
筒形状の回転伝達軸7の内部には、略筒形状の回転切替カム56がX軸方向に移動自在に設けられている。
回転切替カム56は、外周に凹部56a、凸部56bを有し、この凹部56a、凸部56bにより、回転伝達軸7の孔7hに配置された係合子54を移動可能に構成されている。
また、回転切替カム56の外周には孔部が形成されており、その孔部にカム回転止め部材58が配置されている。このカム回転止め部材58は、回転切替カム56と回転伝達軸7とが相対的に回転することを防止する。
回転切替カム56は、X軸方向に沿って移動自在に配置された回転方向切替用ロッド67の端部に、軸受部材561,562、ナットなどの固定部材563,割りピンなどの固定部材564などにより接続されている。
回転方向切替用ロッド67の他端には、回転方向切替用ピストン65が設けられており、固定部材65aなどに固定されている。この回転方向切替用ピストン65は、シリンダ66内に配置されている。
シリンダ66内への流体の給排により、回転方向切替用ピストン65がX軸方向に移動するとともに、駆動用ロッド25および回転切替カム56が移動することで、係合子54が移動するように構成されている。
つまり、本実施形態では、回転方向切替用ピストン65がX軸方向に沿って移動することにより、リテーナ53を回転移動させて、クラッチユニット5(ツーウェイクラッチ)のトルク伝達方向を切替可能としている。
<回転方向切替制御部6>
回転方向切替制御部6は、回転伝達軸7や出力軸9の回転方向を制御する。
本実施形態では、回転方向切替制御部6は、エア切替弁61を有する。エア切替弁61は、供給源101からシリンダ66内への流体の給排を制御し、回転方向切替用ピストン65をX軸方向に沿って移動させ、クラッチユニット5(ツーウェイクラッチ)のトルク伝達方向を切り替えることにより、回転伝達軸7や出力軸9の回転方向を制御する。
エア切替弁61は、詳細には、スプール室63内に、軸方向にそって移動自在の細長形状のスプール62を有する(図6参照)。スプール62の端部には、切替ボタン64(64a,64b)が設けられている。
切替ボタン64a,64bが押圧された場合、スプール62が移動して第1の状態または第2の状態となり、供給源101からシリンダ66内への流体の給排が切り替わるように構成されている。
第1の状態において、エア切替弁61は、供給源101、エア供給路101a、第1のエア通路611、シリンダ66内の第1空間(回転方向切替用ピストン65の後方側空間)とが連通し、且つ、排気口などの排気部102、排気路120a、第2のエア通路612、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の前方側空間)とが連通するように構成されている。
第2の状態において、エア切替弁61は、供給源101、エア供給路101a、第2のエア通路612、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の前方側空間)とが連通し、且つ、排気口などの排気部102、排気路120a、第1のエア通路611、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の後方側空間)とが連通するように構成されている。
<回転伝達軸7>
回転伝達部としての回転伝達軸7(駆動軸)は、変換機構4およびクラッチユニット5からのトルクを出力する。本実施形態では、回転伝達軸7は、変換機構4およびクラッチユニット5からのトルクを、クラッチユニット8を介して出力軸9に伝達する。
回転伝達軸7は、筒形状に形成されており、ベアリング416、ベアリング77などにより筐体内に回転自在に配置されている。ベアリング416は、固定部材415,417などにより筐体内に固定されている。
<クラッチユニット8(同期回転用クラッチ)>
図13はクラッチユニット8(同期回転用クラッチ)、回転伝達軸7、出力軸9の一例を示す斜視図である。図14は図13に示すクラッチユニット8の分解斜視図である。図15は図2のC−C線に沿った断面図である。図16は図2のD−D線に沿った断面図である。図17はクラッチユニット8の動作の一例を示す図である。詳細には、図17(a)は同期回転状態を示す図、図17(b)は回転伝達軸7の回転状態を示す図、図17(c)は停止状態をそれぞれ示す図である。
クラッチユニット8は、トルクが入力される回転伝達軸7(入力部材)と、トルクが出力される被駆動回転軸(出力軸9)との間に設けられ、回転伝達軸7と出力軸9とを同期して回転させるように構成されている。
詳細には、クラッチユニット8は、トルクが入力される入力部材(回転伝達軸7)と、トルクが出力される被駆動回転軸(出力軸9)と、被駆動回転軸(出力軸9)の外周側に設けられた筒状固定部材(クラッチリング88)と、筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)との間に設けられた係合子86(円柱部材)と、入力部材(回転伝達軸7)と一体的に回転するとともに、係合子86(円柱部材)を保持するリテーナ87と、入力部材(回転伝達軸7)と被駆動回転軸(出力軸9)とが相対的に所定角度だけ回転した場合、当接して係合する係合部(出力軸9の内周に形成された係合部9c,回転伝達軸7と同期して回転する出力軸駆動プレート82に形成された係合部82c)を有する。
入力部材(回転伝達軸7)に対して被駆動回転軸(出力軸9)が相対的に速い回転速度で回転する場合、被駆動回転軸(出力軸9)の外周に設けられた傾斜部9fと筒状固定部材(クラッチリング88)の内周とで構成される楔形空間に係合子86(円柱部材)が位置し、該係合子86(円柱部材)により筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)とがロックすることにより、被駆動回転軸(出力軸9)の回転速度が減速して、入力部材(回転伝達軸7)と被駆動回転軸(出力軸9)とが同期して回転する。
このため、簡単な構造で、回転伝達軸7と出力軸9とを同期して回転させることができる。
また、クラッチユニット8は、係合子86と被駆動回転軸(出力軸9)とを離間させる方向に、係合子86を付勢する付勢部材85を有する。
回転伝達軸7と出力軸9とが同期回転時には、付勢部材85により、係合子86と被駆動回転軸(出力軸9)の外周とが離間することで、筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)とが非係合状態となる。この場合、筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)との間でロックすることなく、回転伝達軸7と出力軸9とが同期回転することができる。
また、本実施形態では、モータの出力軸9の正回転および逆回転に対応できるように、クラッチリング88が設けられている。
詳細には、筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)との間に一対の係合子86(861,862)を設ける。
正回転方向または逆回転方向に回転する入力部材(回転伝達軸7)に対して被駆動回転軸(出力軸9)が相対的に速い回転速度で回転する場合、正回転方向または逆回転方向に対応する楔形空間に、一対の係合子86のいずれかが位置し、該係合子86により筒状固定部材(クラッチリング88)と被駆動回転軸(出力軸9)とがロックするように構成されている。
このため、回転伝達軸7が正回転または逆回転する場合であっても、出力軸9は回転伝達軸7に同期して回転することができる。
以下、クラッチユニット8の各構成について、詳細に説明する。
詳細には、クラッチユニット8は、回転伝達軸7、リテーナ駆動プレート81、出力軸駆動プレート82、係合部材83(駆動プレート用キー)、ナットなどの固定部材84、スプリングなどの付勢部材85、係合子86(出力ロック用コロ)、リテーナ87,クラッチリング88、出力軸9を有する。
リテーナ駆動プレート81は、回転伝達軸7の外周側に設けられており、回転伝達軸7に固定され、回転伝達軸7と同じ方向に回転するように構成されている。リテーナ駆動プレート81の外周には、周方向に凹凸形状に形成された係合部が形成されており、リテーナ87の側面の外周部付近に形成された凹凸形状の係合部に係合するように構成されている。
出力軸駆動プレート82は、回転伝達軸7の外周側、且つ、リテーナ駆動プレート81よりも出力軸9側に配置されている。出力軸駆動プレート82の外周には、複数の凸部82a、凹部82bが形成されている。
出力軸駆動プレート82の内周と回転伝達軸7との間には、複数の係合部材83(駆動プレート用キー)が設けられており、出力軸駆動プレート82と回転伝達軸7とを同期して回転させることにより、回転ズレを防止する。
リテーナ駆動プレート81と出力軸駆動プレート82は、回転伝達軸7にナットなどの固定部材84により固定されている。
出力軸9は、略円柱形状の本体部9aと、本体部9aの端部に設けられた筒形状の大径部9bと、大径部9bの内部に配置され、本体部9aから軸方向外側に延出した小径部9sとを有する。小径部9sは、回転伝達軸7の内部に挿入され、ベアリング905により回転自在に軸支されている。本体部9aはベアリング97により筐体内に回転自在に軸支されている。
出力軸9の大径部9bの内周には、複数の凸部9e,凹部9dが形成されている。出力軸9の大径部9bの凸部9e,凹部9dは、出力軸駆動プレート82の凹部82b,凸部82aに遊嵌するように形成されている。
回転伝達軸7と出力軸9とが相対的に所定角度だけ回転した場合、出力軸9の内周に形成された係合部9cと、回転伝達軸7と同期して回転する出力軸駆動プレート82に形成された係合部82cとが当接するように構成されている。
筒状固定部材としてのクラッチリング88は、出力軸9の大径部9bの外周に配置されており、筒形状に形成されている。クラッチリング88はモータの筐体内に固定されている。
リテーナ87は、クラッチリング88と、出力軸9の大径部9bとの間に配置され、略筒形状に形成されている。リテーナ87には係合子86としての円柱部材を回転自在に遊嵌して保持する複数の孔部が形成されている。孔部は、係合子86を回転方向に僅かに移動可能に構成されている。また、リテーナ87の側面の外周部付近には凹凸形状の係合部が形成されており、リテーナ駆動プレート81の外周に形成された凹凸形状の係合部に係合している。
つまり、回転伝達軸7と、リテーナ駆動プレート81と、出力軸駆動プレート82と、リテーナ87とは一体となって回転するように構成されている。
スプリングなどの付勢部材85はリテーナ87に設けられており、円柱部材などの係合子86を、クラッチリング88側に付勢する。本実施形態では、1つの付勢部材85が、隣り合う2つの係合子86(861,862)を付勢するような形状に形成されている(図17参照)。
クラッチユニット8(同期回転用クラッチ)の動作を説明する。
入力部材としての回転伝達軸7が停止状態の場合、図17(c)に示したように、出力軸9の係合部9cと、回転伝達軸7に固定された出力軸駆動プレート82の係合部82cとが離間した状態である。
出力軸9は、クラッチリング88に対して係合子86によりロックされた状態となっている。詳細には、クラッチリング88の内周部と出力軸9の傾斜部9fとにより形成された楔形空間に、係合子86(861、862)が位置することにより、出力軸9がクラッチリング88に対して係合子86によりロックされた状態となっている。
回転伝達軸7が所定方向、例えば、図17(b)に示す左方向に僅かに回転した場合、リテーナ87の孔部の壁部と係合子861とが当接して押圧することにより、係合子861を楔形空間から外れた位置とすることで、出力軸9とクラッチリング88のロックが解除される。
回転伝達軸7がさらに図17(c)に示す左方向に回転した場合、出力軸9の内周に形成された係合部9cと、回転伝達軸7と同期して回転する出力軸駆動プレート82に形成された係合部82cとが当接して係合した状態で、回転伝達軸7と出力軸9とが同期して回転する。この場合、係合子861と出力軸9の外周とは離間しており、出力軸9とクラッチリング88が非ロック状態となっている。
例えば、出力軸9に外力などが加わり、回転伝達軸7に対して出力軸9が相対的に速い回転速度で回転する場合、図17(c)に示したように、係合部9cと係合部82cとが離間した状態となり、出力軸9の外周に設けられた傾斜部9fとクラッチリング88の内周とで構成される楔形空間に係合子861(円柱部材)が位置し、係合子861によりクラッチリング88と出力軸9とがロックすることにより、出力軸9の回転速度が減速して、回転伝達軸7と出力軸9とが同期して回転する。
クラッチユニット8(同期回転用クラッチ)は、例えば、出力軸9側に逆トルクが入力され、回転伝達軸7に対して出力軸9が相対的に遅い回転速度で回転しようとした場合には、出力軸9の内周に形成された係合部9cと、回転伝達軸7と同期して回転する出力軸駆動プレート82に形成された係合部82cとが当接して係合した状態で、出力軸9を回転させる。このため、回転伝達軸7と出力軸9とが同期して回転する。
このように、トルクが入力される入力部材とトルクを出力する出力軸を備え、出力軸の回転方向と同じ方向に外力が加わった場合であっても、出力軸が必要以上に高速に回転することを防止することができる簡単な構造で小型のクラッチユニット8を提供することができる。
また、簡単な構造で小型のクラッチユニット8を有するモータ1を提供することができる。
<モータの動作>
次に、本発明の実施形態に係るモータの動作の一例を説明する。
エア非供給時(初期時)、図3に示したように、駆動用ロッド25、第1のピストン21、第2のピストン22が初期位置に静止している。詳細には、第1のピストン21が筒部材36に当接して、可動範囲の後端側に位置している。筒部材36が後方側(第2のピストン22側)に位置している。
エア切替弁61は、第1の状態となっている。詳細には、供給源101、エア供給路101a、第1のエア通路611、シリンダ66内の第1空間(回転方向切替用ピストン65の後方側空間)とが連通し、且つ、排気口などの排気部102、排気路120a、第2のエア通路612、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の前方側空間)とが連通している。
このため、図12(b)に示したように、回転切替カム56の凹部56a、凸部56bにより係合子54が所定位置に位置する。これにより、クラッチユニット5のリテーナ53が僅かに回転して、トルク伝達方向を規定する。
エア供給時、図18に示したように、駆動用ロッド25、第1のピストン21、第2のピストン22が初期位置に位置した状態で、供給源101(例えば、0.2〜0.7MPa程度の規定エア圧の圧縮エアを供給可能)から圧縮エアなどの流体を供給した場合、制御エア供給路310と第1の制御エア連通路311が短外径部36dを介して連通した状態となり、且つ、第2の制御エア連通路312、筒部材36の第1の孔36a、駆動用ロッド25の孔25a、制御エア排気路315が連通した状態となる。
この場合、駆動エア切替弁31のスプール32の移動により、供給源101からエア供給路101aと第1の駆動エア通路341が連通して第1のシリンダ23に対して駆動エア供給状態となり、且つ、第2の駆動エア通路342と排気路102aと排気部102が連通して、第2のシリンダ24に対して駆動エア排気状態となる。
第1のピストン21は、出力軸9側に押圧され、図19に示したように、第1のピストン21、第2のピストン22、駆動用ロッド25が出力軸9側へ移動する。
この場合、ケース部材41の孔部41dに収容されたボール部材42(係合部)が、第1変換部4Aの外輪部材45の斜め溝21dに係合するとともに摺動することで、第1変換部4Aの外輪部材45が回転し、外輪部材45がクラッチユニット5により設定された回転方向に回転した場合、外輪部材45からクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達し、回転伝達軸7を設定された回転方向に回転させる。また、第2変換部4Bの外輪部材45は、第1変換部4Aの外輪部材45に対して逆方向に回転する。第2変換部4Bの外輪部材45はクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達せずに、回転伝達軸7に対して空転する。
変換機構4およびクラッチユニット5により、回転方向切替制御部6で規定された回転方向への回転運動に変換して、回転伝達軸7を回転させ、クラッチユニット8を介して出力軸9を回転させる。
更に、第1のピストン21、第2のピストン22、駆動用ロッド25が出力軸9側へ移動した場合、図20に示したように、筒部材36が第2のピストン22により出力軸9側に押圧されて、前方側(第1のピストン21側)に位置する。
この場合、制御エア供給路310と第2の制御エア連通路312が短外径部36dを介して連通した状態となり、且つ、第1の制御エア連通路311、筒部材36の第2の孔36b、駆動用ロッド25の孔25a、制御エア排気路315が連通した状態となる。
また、駆動エア切替弁31のスプール32の移動により、供給源101からエア供給路101aと第2の駆動エア通路342が連通して第2のシリンダ24に対して駆動エア供給状態となり、且つ、第1の駆動エア通路341と排気路102aと排気部102が連通して、第1のシリンダ23に対して駆動エア排気状態となる(図3参照)。
これにより、図3に示したように、第1のピストン21、第2のピストン22が後方側(出力軸9と離れる方向)に移動する。
駆動用ロッド25やピストン20が後退した場合、ケース部材41の孔部41dに収容されたボール部材42(係合部)が、第2変換部4Bの外輪部材45の斜め溝21dに係合するとともに摺動することで、第2変換部4Bの外輪部材45が回転し、外輪部材45がクラッチユニット5により設定された回転方向に回転した場合、外輪部材45からクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達し、回転伝達軸7を設定された回転方向に回転させる。
第1変換部4Aの外輪部材45は、第2変換部4Bの外輪部材45に対して逆方向に回転する。第1変換部4Aの外輪部材45はクラッチユニット5を介して回転伝達軸7に回転力を伝達せずに、回転伝達軸7に対して空転するように構成されている。
つまり、ピストン20がX軸方向に沿って後退した場合であっても、回転伝達軸7は設定された回転方向に回転する。
また、筒部材36が第1のピストン21により押圧されて、筒部材36が後方側(第2のピストン22側)に移動する。この場合、制御エア供給路310と第1の制御エア連通路311が短外径部36dを介して連通した状態となり、且つ、第2の制御エア連通路312、筒部材36の第1の孔36a、駆動用ロッド25の孔25a、制御エア排気路315が連通した状態となる。また、駆動エア切替弁31のスプール32の移動により、供給源101からエア供給路101aと第1の駆動エア通路341が連通して第1のシリンダ23に対して駆動エア供給状態となり、且つ、第2の駆動エア通路342と排気路102aと排気部102が連通して、第2のシリンダ24に対して駆動エア排気状態となる。
上述したように、第1のシリンダ23,第2のシリンダ24への駆動源としての流体の給排により、第1のピストン21,第2のピストン22が直線往復運動を行い、その直線往復運動を変換機構4およびクラッチユニット5により、回転方向切替制御部6で規定された回転方向への回転運動に変換して回転伝達軸7を回転させ、クラッチユニット8を介して出力軸9を回転させる。
例えば、切替ボタン64が押圧されて、エア切替弁61が図21に示したように、第2の状態となった場合、供給源101、エア供給路101a、第2のエア通路612、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の前方側空間)とが連通し、且つ、排気口などの排気部102、排気路120a、第1のエア通路611、シリンダ66内の第2空間(回転方向切替用ピストン65の後方側空間)とが連通する。
これにより、回転方向切替用ピストン65が後方側(出力軸9に対して離れる方向)に移動する。この場合、図12(a)に示したように、回転切替カム56の凹部56a、凸部56bにより係合子54が所定位置に位置する。これにより、クラッチユニット5のリテーナ53が僅かに回転して、トルク伝達方向を逆回転方向に規定する。このため、出力軸9が逆回転する。
以上、説明したように、本発明によれば、簡単な構造で小型のクラッチユニットを提供することができる。また、本発明によれば、簡単な構造で小型のクラッチユニットを有するモータを提供することができる。
また、本発明に係るモータを、コンベアなどの装置に用いられる駆動源として採用してもよい。本発明に係るモータは電気を使用せずに、圧縮エアなどの流体を供給することにより出力軸9を駆動することができるので、水を使用する現場などで使用される装置の駆動源として用いられた場合であっても、漏電などによる不具合が発生せず、長時間安定してその装置を駆動させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、2つのピストンを有するモータを説明したが、この形態に限られるものではない。モータは、一つのピストン、2つ以上の複数のピストンを有していてもよい。
また、上記実施形態では、2つの外輪部材を備えていたが、この形態に限られるものではなく、例えば、1つの外輪部材だけであってもよいし、3つ以上の複数の外輪部材を設けてもよい。
また、上記実施形態では、圧縮エアを駆動源とするモータを説明したがこの形態に限られるものではない。気体や液体などの流体を駆動源とするモータであってもよい。
上記実施形態では、クラッチユニットを組み込んだモータを説明したが、この形態に限られるものではない。クラッチユニットは、上記構成のモータ以外であっても、所望の装置に用いることができる。
1 モータ
2 駆動部
3 駆動制御部
4 変換機構
4A 第1変換部
4B 第2変換部
5 クラッチユニット(正逆回転切替用クラッチ:ツーウェイクラッチ)
6 回転方向切替制御部
7 回転伝達軸(内輪部材;被駆動回転軸)
8 クラッチユニット(同期回転用クラッチ)
9 出力軸
10 筐体
20 ピストン
21 第1のピストン
22 第2のピストン
25 駆動用ロッド
31 駆動エア切替弁
35 パイロット切替弁
36 筒部材
40 ボールガイド部材
40d 溝部
41 ケース部材
42 ボール部材(係合子)
45 外輪部材(入力部材)
45d 溝
52 係合子(円柱部材)
53 リテーナ
53a 凹部
53b 凹部
53h 孔部
54 係合子(ボール部材)
56 回転切替カム
56a 凹部
56b 凸部
58 カム回転止め部材
61 エア切替弁
64 切替ボタン
65 回転方向切替用ピストン
67 回転方向切替用ロッド
81 リテーナ駆動プレート
82 出力軸駆動プレート
85 付勢部材
86 係合子(円柱部材)
87 リテーナ
88 クラッチリング(筒状固定部材)
101 供給源
102 排気部
861,862 係合子(円柱部材)

Claims (2)

  1. クラッチユニットであって、
    トルクが入力される入力部材と、
    外周部に第1の傾斜部および該第1の傾斜部に対して逆傾斜の第2の傾斜部を備え、トルクを出力する被駆動回転軸と、
    前記入力部材と前記被駆動回転軸との間に設けられた係合子と、
    前記入力部材と前記被駆動回転軸との間に配置された筒形状部を備え、前記筒形状部の側面に周方向に間隔をあけて複数設けられた孔部に前記係合子を遊嵌して保持するとともに前記孔部、前記入力部材の内周、前記被駆動回転軸の外周の前記第1の傾斜部により形成された第1の楔形空間、又は前記孔部、前記入力部材の内周、前記被駆動回転軸の外周の前記第2の傾斜部により形成された第2の楔形空間に、前記孔部に配置された前記係合子を選択的に位置させるリテーナと、
    前記リテーナの位置を規定するための位置決め機構と、を有し、
    前記被駆動回転軸は、筒状に形成され、
    前記位置決め機構は、前記被駆動回転軸内で軸方向に移動自在に設けられた回転切替部材を備え、前記回転切替部材の位置に応じて、前記被駆動回転軸に対して前記リテーナを正方向又は逆方向に所定角度だけ相対的に回転させて、前記係合子を前記第1の楔形空間又は前記第2の楔形空間へ位置させる機構を有し、
    前記第1の楔形空間に前記係合子が位置する場合に、前記入力部材の正方向のトルクのみを前記被駆動回転軸に伝達し、前記第2の楔形空間に前記係合子が位置する場合に、前記入力部材の逆方向のトルクのみを前記被駆動回転軸に伝達するように構成されていることを特徴とする
    クラッチユニット。
  2. 請求項1に記載のクラッチユニットを有するモータであって、
    流体を駆動源として直線往復運動するピストンと、
    前記ピストンの直線往復運動を回転運動へ変換する変換機構と、を有し、
    前記変換機構からのトルクが前記クラッチユニットの前記入力部材に入力されることを特徴とするモータ。
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