JP6335536B2 - 二重シール構造の密封形玉軸受 - Google Patents

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この発明は、内輪と外輪の間の軸受空間を二重のシールで密封した二重シール構造の密封形玉軸受に関する。
複数に分割されたドライブシャフトの接続部や複数に分割されたプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受(いわゆるセンターベアリング)は、車両の床下にあるので、自動車の走行中にダストや泥水等の飛散を受ける。そこで、軸受内部にダストや泥水等が侵入するのを防止するため、シール構造を持つ密封形玉軸受の外部に更にシール構造を設けたり、内輪と外輪の間の軸受空間を二重のシールで密封した二重シール構造の密封形玉軸受を使用したりすることが多い。
このような二重シール構造の密封形玉軸受として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1の二重シール構造の軸受は、図5に示すように、内輪51と、内輪51の径方向外側に同軸に設けられた外輪52と、内輪51と外輪52の間に形成される環状の軸受空間53内に周方向に間隔をおいて設けられた複数の玉54と、その複数の玉54の間隔を保持する保持器55と、軸受空間53の軸方向の両側を塞ぐように設けられた一対の内側シール56と、その一対の内側シール56の軸方向外側に設けられた一対の外側シール57とを有する。
特開2006−250194号公報
この発明の発明者は、図5に示すような二重シール構造の密封形玉軸受について、その小型化と軽量化を目的として、軸受の幅寸法を短縮することができないか究明を行なった。その結果、二重シール構造の密封形玉軸受の幅寸法を単に短縮したのでは、外輪52と内輪51の間にミスアライメントが生じたときに、軸受のシール性能が著しく低下するおそれがあることが分かった。以下説明する。
すなわち、複数に分割されたプロペラシャフトの接続部や複数に分割されたドライブシャフトの接続部を支持する中間軸受は、軸受の取り付け位置の寸法誤差等により、外輪52と内輪51の間にミスアライメントを生じることがある。ここで、ミスアライメントとは、軸受が組み付けられたときに、外輪52の中心線と内輪51の中心線の間に相対的な傾きが存在している状態をいう。そして、ミスアライメントが生じると、図5に示すような二重シール構造の密封形玉軸受では、外輪52に固定された内側シール56と、内輪51に固定された外側シール57の相対位置が変化するので、内側シール56と外側シール57が接触するおそれが生じる。
そこで、図5に示すような二重シール構造の密封形玉軸受では、内側シール56と外側シール57が接触して、シール性能の低下が生じるのを防止するため、内側シール56と外側シール57の間の軸方向間隔を十分に広く設定している。そのため、従来の二重シール構造の密封形玉軸受は、軸受の幅寸法が大きいという問題があった。
ここで、発明者は、二重シール構造の密封形玉軸受の幅寸法を短縮するために、内側シール56と外側シール57の間隔を狭く設定することができないかを検討した。
しかしながら、内側シール56と外側シール57の間隔を狭くすると、外輪52と内輪51の間のミスアライメントに伴い内側シール56と外側シール57の相対位置が変化したときに、外側シール57の立ち上がり部58が内側シール56のシールリップ59に接触するおそれがある。そして、外側シール57の立ち上がり部58が内側シール56のシールリップ59に接触すると、シールリップ59に好ましくない変形が生じ、軸受のシール性能が著しく低下する。特に、複数に分割されたドライブシャフトの接続部や複数に分割されたプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受として使用される場合、軸受の耐泥水性能を確保することができなくなる。
この発明が解決しようとする課題は、軸受の幅寸法を小さく設定することが可能であり、しかも外輪と内輪の間にミスアライメントが生じたときにシール性能の低下が生じにくい二重シール構造の密封形玉軸受を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成を二重シール構造の密封形玉軸受に採用している。
内輪と、その内輪の径方向外側に同軸に設けられた外輪と、前記内輪と前記外輪の間に形成される環状の軸受空間内に周方向に間隔をおいて設けられた複数の玉と、その複数の玉の間隔を保持する保持器と、前記軸受空間の側方を塞ぐように設けられた内側シールと、その内側シールの軸方向外側に設けられた外側シールとを有し、
前記内側シールが、前記外輪の内周に嵌合して固定される外周縁部と、その外周縁部から径方向内側に延びるフランジ部と、そのフランジ部の径方向内端から軸方向内側に延びる屈曲部と、その屈曲部の軸方向内端から軸方向外側に延びるように形成され、内輪の外周に摺接するゴム製のシールリップとを有し、
前記外側シールが、前記内輪の外周に嵌合して固定される円筒部と、その円筒部の軸方向内端から径方向外側に延びる立ち上がり部とを有する二重シール構造の密封形玉軸受において、
前記外側シールの立ち上がり部を、軸方向に見て前記内側シールのフランジ部と重なる部分を有するように、前記内側シールのフランジ部と軸方向に対向して配置するとともに、前記内側シールのシールリップの長さを、前記フランジ部の外側面よりも軸方向外側にはみ出さない長さとしたことを特徴とする二重シール構造の密封形玉軸受。
このようにすると、外側シールの立ち上がり部が、内側シールのフランジ部と軸方向に対向する配置とされ、かつ、内側シールのシールリップは、内側シールのフランジ部の外側面よりも軸方向外側にはみ出していないので、仮に、外側シールが内側シールに接触するような過大なミスアライメントが外輪と内輪の間に生じたことを想定したとしても、外側シールの立ち上がり部が内側シールのフランジ部に接触するにとどまり、外側シールが内側シールのシールリップに接触することがない。そのため、内側シールと外側シールの間隔を狭く設定したときにも、外輪と内輪の間のミスアライメントによる内側シールのシール性能の低下が生じにくい。
更に、前記内輪の外周が、前記玉が転走する軌道溝と、前記内側シールのシールリップが摺接する摺接面と、前記外側シールの円筒部が嵌合する嵌合面とを有し、前記摺接面と前記嵌合面が、前記軌道溝の縁から軸方向外側に向かって段差なく連続する同一の円筒面上に設けられている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、内側シールのシールリップが摺接する内輪の外周の摺接面が、内輪の外周の軌道溝の縁から軸方向外側に向かって段差なく連続する円筒面上に設けられているので、外輪と内輪の間のミスアライメントに伴い、内側シールが内輪に対して軸方向に相対移動したときにも、内輪の外周に対する内側シールのシールリップの接触状態が変化しにくく、内側シールのシール性能を確保することができる。また、内側シールのシールリップが摺接する摺接面と、外側シールの円筒部が嵌合する嵌合面との間に段差がないので、内輪の外周の加工が容易であり、内輪の製造コストを低減することができる。
また、前記外側シールが、前記立ち上がり部の径方向外端から軸方向外側に傾斜して延びる傾斜部と、その傾斜部の軸方向外側に設けられ、前記外輪の内周に摺接するゴム製の外側シールリップとを更に有し、
その外側シールリップを、前記立ち上がり部の内側面よりも軸方向内側にはみ出さないように形成した構成を採用すると好ましい。
このようにすると、外側シールリップが、外側シールの立ち上がり部の内側面よりも軸方向内側にはみ出していないので、外輪と内輪の間のミスアライメントに伴い内側シールと外側シールの相対位置が変化したときに、外側シールリップが内側シールに接触するのを防止することができる。そのため、内側シールと外側シールの間隔を狭く設定したときにも、外輪と内輪の間のミスアライメントによる外側シールのシール性能の低下が生じにくい。
また、前記内側シールの屈曲部を、前記内側シールのフランジ部の径方向内端から軸方向内方に向かって延びるように形成し、
前記保持器を、その径方向内側に前記内側シールの屈曲部を受け入れることができるように前記屈曲部の外径よりも大きい内径をもつ形状とし、
前記内側シールを、径方向に見て前記保持器と前記屈曲部とが重なる部分を有するように前記保持器に接近して配置すると好ましい。
このようにすると、外輪と内輪の間のミスアライメントに伴い、外輪に固定された内側シールが保持器に対して軸方向に相対移動したときにも、内側シールの屈曲部が保持器に干渉するのを防止することができる。
特に、複数に分割された自動車のドライブシャフトの接続部を支持する中間軸受または複数に分割された自動車のプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受は、軸受の取り付け位置の寸法誤差等により、外輪と内輪の間にミスアライメントを生じることが多く、しかも自動車の走行中にダストや泥水等の飛散を受けることから、上述の二重シール構造の密封形玉軸受を採用すると、効果的である。
この発明の二重シール構造の密封形玉軸受は、外側シールの立ち上がり部が、内側シールのフランジ部と軸方向に対向する配置とされ、かつ、内側シールのシールリップは、内側シールのフランジ部の外側面よりも軸方向外側にはみ出していないので、外輪と内輪の間のミスアライメントに伴い内側シールと外側シールの相対位置が変化したときに、外側シールが内側シールのシールリップに接触するのを防止することができる。そのため、軸受の幅寸法を小さく設定することが可能であり、しかも外輪と内輪の間にミスアライメントが生じたときにシール性能の低下が生じにくい。
この発明の実施形態にかかる二重シール構造の密封形玉軸受を示す断面図 図1に示す密封形玉軸受の拡大断面図 図2に示す密封形玉軸受の内側シールおよび外側シールの近傍の拡大断面図 この発明の実施形態にかかる二重シール構造の密封形玉軸受を、複数に分割された自動車のドライブシャフトの接続部を支持する中間軸受または複数に分割された自動車のプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受として使用した状態を示す図 従来の二重シール構造の密封形玉軸受を示す断面図
図1〜図3に、この発明の実施形態にかかる二重シール構造の密封形玉軸受を示す。この密封形玉軸受は、複数に分割された自動車のドライブシャフトの接続部または複数に分割された自動車のプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受(いわゆるセンターベアリング)として使用される。例えば、図4に示すように、自動車のディファレンシャルギヤから左右の車輪に回転を伝達するドライブシャフト40が、車輪側の等速ジョイント41、ディファレンシャルギヤ側の等速ジョイント42を介して接続された複数の分割軸43,44,45からなるときに、ディファレンシャルギヤ側の分割軸45を等速ジョイント42の近傍で支持する中間軸受46として使用される。
図1に示すように、この密封形玉軸受は、内輪1と、その内輪1の径方向外側に同軸に設けられた外輪2と、内輪1と外輪2の間に形成される環状の軸受空間3内に周方向に間隔をおいて設けられた複数の玉4と、その複数の玉4の間隔を保持する保持器5と、軸受空間3の両側を塞ぐように設けられた一対の内側シール6と、その内側シール6の軸方向外側に設けられた一対の外側シール7とを有する。軸受空間3には、図示しない潤滑剤が封入されている。この軸受は、外輪2を固定した状態で内輪1を回転させて使用する。
図2に示すように、保持器5は、軸方向に対向する2枚の環状体8からなる。各環状体8の対向面には、玉4を収容する円弧状のポケット9が周方向に間隔をおいて複数形成されている。図1に示すように、一方の環状体8の隣り合うポケット9の間に形成された結合部10と、他方の環状体8の隣り合うポケット9の間に形成された結合部10は、互いに結合されている。
図3に示すように、内側シール6は、外輪2の内周に嵌合して固定される外周縁部11と、外周縁部11から径方向内側に軸方向と直角に延びるフランジ部12と、フランジ部12の径方向内端から軸方向内側に延びる屈曲部13と、屈曲部13の軸方向内端から軸方向外側に延びるように形成されたゴム製のシールリップ14とを有する。シールリップ14は、内輪1の外周に摺接している。屈曲部13は、フランジ部12の径方向内端から軸方向内方に向かって直角に延びるように形成されている。
内側シール6は、環状の芯金15の表面にゴム材(例えばニトリルゴム)を加硫接着することにより形成されている。芯金15は、環状の平板部16と、平板部16の径方向外端から軸方向内側に直角に延びる環状の外筒部17と、平板部16の径方向内端から軸方向内側に直角に延び出す内筒部18とからなる。この芯金15は、金属板のプレス成形によって形成されている。
ここで、芯金15の平板部16とその表面に加硫接着されたゴム材は、内側シール6のフランジ部12を構成している。また、芯金15の外筒部17とその表面に加硫接着されたゴム材は、内側シール6の外周縁部11を構成している。芯金15の内筒部18とその表面に加硫接着されたゴム材は、内側シール6の屈曲部13を構成している。シールリップ14は、芯金15の内筒部18から径方向内側に延びるゴム材で構成されている。
シールリップ14の長さは、フランジ部12の外側面12aよりも軸方向外側にはみ出さない長さとされている。すなわち、屈曲部13の軸方向内端からシールリップ14の軸方向外端までの軸方向長さαは、屈曲部13の軸方向内端からフランジ部12の外側面12aまでの軸方向長さαよりも短い。
外側シール7は、内輪1の外周に嵌合して固定される円筒部20と、円筒部20の軸方向内端から径方向外側に軸方向と直角に延びる立ち上がり部21と、立ち上がり部21の径方向外端から軸方向外側に傾斜して延びる傾斜部22と、傾斜部22の軸方向外側に設けられたゴム製の外側シールリップ23とを有する。外側シールリップ23は、外輪2の内周に摺接している。この外側シール7も、内側シール6と同様、環状の芯金24の表面にゴム材(例えばニトリルゴム)を加硫接着することにより形成されている。
立ち上がり部21は、軸方向に見て内側シール6のフランジ部12と重なる部分を有するように、内側シール6のフランジ部12と軸方向に対向して配置されている。また、芯金24に加硫接着された外側シールリップ23を含むゴム材全体は、立ち上がり部21の内側面21aよりも軸方向内側にはみ出さないように形成されている(すなわち図3において、β≧0である。βは、軸方向外方を正方向、軸方向内方を負方向としたときの立ち上がり部21の内側面21aから芯金24に加硫接着されたゴム材の軸方向内端までの軸方向長さである)。
保持器5は、その径方向内側に内側シール6の屈曲部13を受け入れることができるように屈曲部13の外径よりも大きい内径をもつ形状とされている。そのような保持器5として、この実施形態では、玉4の中心を結ぶピッチ円径よりも玉4の直径の1〜10%程度小さい大きさの内径を有する保持器5を採用している。保持器5の内径を、玉4の中心を結ぶピッチ円径よりも、玉4の直径の1%以上小さい大きさに設定することにより、保持器5による玉4の保持を安定させることができ、保持器5の内径を、玉4の中心を結ぶピッチ円径よりも、玉4の直径の10%以下小さい大きさに設定することにより、保持器5と内側シール6の屈曲部13とが干渉するのを効果的に防止することができる。そして、内側シール6は、径方向に見て保持器5と屈曲部13とが重なる部分を有するように保持器5に接近して配置されている。
内輪1の外周には、玉4が転走する軌道溝30と、内側シール6のシールリップ14が摺接する摺接面31と、外側シール7の円筒部20が嵌合する嵌合面32とが設けられている。軌道溝30は、玉4の表面よりも曲率半径の大きい断面円弧状となるように形成されている。ここで、摺接面31と嵌合面32は、軌道溝30の縁30aから軸方向外側に向かって段差なく連続する同一の円筒面上に設けられている。
外輪2の内周には、玉4が転走する軌道溝33と、内側シール6の外周縁部11が係合して固定される係合溝34と、外側シール7の外側シールリップ23が摺接するテーパ面35とが設けられている。軌道溝33は、玉4の表面よりも曲率半径の大きい断面円弧状となるように形成されている。テーパ面35は、軸方向内側から軸方向外側に向かって次第に拡径する方向に傾斜している。
ところで、上記の二重シール構造の密封形玉軸受は、複数に分割されたプロペラシャフトの接続部または複数に分割されたドライブシャフトの接続部を支持する中間軸受として使用するとき、軸受の取り付け位置の寸法誤差等により、外輪2と内輪1の間にミスアライメントを生じることがある。ここで、ミスアライメントとは、軸受が組み付けられたときに、外輪2の中心線と内輪1の中心線の間に相対的な傾き(0°〜1°程度)が存在している状態をいう。そして、ミスアライメントが生じると、外輪2に固定された内側シール6と、内輪1に固定された外側シール7の相対位置が変化するので、内側シール6と外側シール7が接触するおそれが生じる。
そこで、上記の二重シール構造の密封形玉軸受は、外輪2と内輪1の間にミスアライメントが生じたときにシール性能の低下が生じるのを防止するため、外側シール7の立ち上がり部21を、軸方向に見て内側シール6のフランジ部12と重なる部分を有するように、内側シール6のフランジ部12と軸方向に対向して配置するとともに、内側シール6のシールリップ14の長さを、フランジ部12の外側面12aよりも軸方向外側にはみ出さない長さとしている。
すなわち、上記の二重シール構造の密封形玉軸受は、外側シール7の立ち上がり部21が、内側シール6のフランジ部12と軸方向に対向する配置とされ、かつ、内側シール6のシールリップ14は、内側シール6のフランジ部12の外側面12aよりも軸方向外側にはみ出していないので、仮に、外側シール7が内側シール6に接触するような過大なミスアライメントが外輪2と内輪1の間に生じたことを想定したとしても、外側シール7の立ち上がり部21が内側シール6のフランジ部12に接触するにとどまり、外側シール7が内側シール6のシールリップ14に接触することがない。そのため、内側シール6と外側シール7の間隔を狭く設定しても、外輪2と内輪1の間のミスアライメントによる内側シール6のシール性能の低下が生じにくい。そのため、外輪2と内輪1の間にミスアライメントを生じることが多く、かつ、自動車の走行中にダストや泥水等の飛散を受けやすい中間軸受46として使用したときにも、この二重シール構造の密封形玉軸受は、軸受の耐泥水性能を確保することが可能である。
また、この二重シール構造の密封形玉軸受は、内側シール6のシールリップ14が摺接する内輪1の外周の摺接面31が、内輪1の外周の軌道溝30の縁30aから軸方向外側に向かって段差なく連続する円筒面上に設けられているので、外輪2と内輪1の間のミスアライメントに伴い、内側シール6が内輪1に対して軸方向に相対移動したときにも、内輪1の外周に対する内側シール6のシールリップ14の接触状態が変化しにくく、内側シール6のシール性能を確保することができる。また、内側シール6のシールリップ14が摺接する摺接面31と、外側シール7の円筒部20が嵌合する嵌合面32との間に段差がないので、内輪1の外周の加工が容易であり、内輪1の製造コストを低減することができる。
また、この二重シール構造の密封形玉軸受は、外側シールリップ23が、外側シール7の立ち上がり部21の内側面21aよりも軸方向内側にはみ出していないので、外輪2と内輪1の間のミスアライメントに伴い内側シール6と外側シール7の相対位置が変化したときに、外側シールリップ23が内側シール6に接触するのを防止することができる。そのため、内側シール6と外側シール7の間隔を狭く設定しても、外輪2と内輪1の間のミスアライメントによる外側シール7のシール性能の低下が生じにくい。
また、この二重シール構造の密封形玉軸受は、保持器5の径方向内側に内側シール6の屈曲部13を受け入れることができるように、屈曲部13の外径よりも大きい内径をもつ保持器5を採用しているので、外輪2と内輪1の間のミスアライメントに伴い、外輪2に固定された内側シール6が保持器5に対して軸方向に相対移動したときにも、内側シール6の屈曲部13が保持器5に干渉するのを防止することができる。
上記実施形態では、この発明の二重シール構造の密封形玉軸受を、図4に示すように複数に分割された自動車のドライブシャフト40の接続部を支持する中間軸受(センターベアリング)46に使用する軸受として説明したが、この発明の二重シール構造の密封形玉軸受は、複数に分割された自動車のプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受(センターベアリング)としても使用することができる。例えば、自動車のエンジンからディファレンシャルギヤに回転を伝達するプロペラシャフト40が、等速ジョイント41,42を介して接続された複数の分割軸43,44,45からなるときに、そのプロペラシャフト40を等速ジョイント41または42の近傍で支持する中間軸受46として使用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 内輪
2 外輪
3 軸受空間
4 玉
5 保持器
6 内側シール
7 外側シール
11 外周縁部
12 フランジ部
12a 外側面
13 屈曲部
14 シールリップ
20 円筒部
21 立ち上がり部
21a 内側面
22 傾斜部
23 外側シールリップ
30 軌道溝
30a 縁
31 摺接面
32 嵌合面

Claims (3)

  1. 内輪(1)と、その内輪(1)の径方向外側に同軸に設けられた外輪(2)と、前記内輪(1)と前記外輪(2)の間に形成される環状の軸受空間(3)内に周方向に間隔をおいて設けられた複数の玉(4)と、その複数の玉(4)の間隔を保持する保持器(5)と、前記軸受空間(3)の側方を塞ぐように設けられた内側シール(6)と、その内側シール(6)の軸方向外側に設けられた外側シール(7)とを有し、
    前記内側シール(6)が、前記外輪(2)の内周に嵌合して固定される外周縁部(11)と、その外周縁部(11)から径方向内側に延びるフランジ部(12)と、そのフランジ部(12)の径方向内端から軸方向内側に延びる屈曲部(13)と、その屈曲部(13)の軸方向内端から軸方向外側に延びるように形成され、内輪(1)の外周に摺接するゴム製のシールリップ(14)とを有し、
    前記外側シール(7)が、前記内輪(1)の外周に嵌合して固定される円筒部(20)と、その円筒部(20)の軸方向内端から径方向外側に延びる立ち上がり部(21)とを有する二重シール構造の密封形玉軸受において、
    前記外側シール(7)の立ち上がり部(21)を、軸方向に見て前記内側シール(6)のフランジ部(12)と重なる部分を有するように、前記内側シール(6)のフランジ部(12)と軸方向に対向して配置するとともに、前記内側シール(6)のシールリップ(14)の長さを、前記フランジ部(12)の外側面(12a)よりも軸方向外側にはみ出さない長さとし
    前記内輪(1)の外周は、前記玉(4)が転走する軌道溝(30)と、前記内側シール(6)のシールリップ(14)が摺接する摺接面(31)と、前記外側シール(7)の円筒部(20)が嵌合する嵌合面(32)とを有し、前記摺接面(31)と前記嵌合面(32)は、前記軌道溝(30)の縁(30a)から軸方向外側に向かって段差なく連続する同一の円筒面上に設けられ
    前記外側シール(7)が、前記立ち上がり部(21)の径方向外端から軸方向外側に傾斜して延びる傾斜部(22)と、その傾斜部(22)の軸方向外側に傾斜して延び、前記外輪(2)の内周に摺接するゴム製の外側シールリップ(23)とを更に有し、
    その外側シールリップ(23)を含むゴム材全体を、前記立ち上がり部(21)の内側面(21a)よりも軸方向内側にはみ出さないように形成し、
    前記外側シール(7)の立ち上がり部(21)の内側面(21a)から前記外側シール(7)の芯金(24)に加硫接着されたゴム材の軸方向内端までの軸方向長さ(β)は、前記内側シール(6)のフランジ部(12)の外側面(12a)から前記外側シール(7)の立ち上がり部(21)の内側面(21a)までの軸方向長さよりも小さいことを特徴とする二重シール構造の密封形玉軸受。
  2. 前記内側シール(6)の屈曲部(13)を、前記内側シール(6)のフランジ部(12)の径方向内端から軸方向内方に向かって延びるように形成し、
    前記保持器(5)を、その径方向内側に前記内側シール(6)の屈曲部(13)を受け入れることができるように前記屈曲部(13)の外径よりも大きい内径をもつ形状とし、
    前記内側シール(6)を、径方向に見て前記保持器(5)と前記屈曲部(13)とが重なる部分を有するように前記保持器(5)に接近して配置した請求項に記載の二重シール構造の密封形玉軸受。
  3. 複数に分割された自動車のドライブシャフトの接続部を支持する中間軸受または複数に分割された自動車のプロペラシャフトの接続部を支持する中間軸受に使用される請求項1または2に記載の二重シール構造の密封形玉軸受。
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