JP6333411B2 - 刃セット、毛切断装置、及び、関連の製造方法 - Google Patents

刃セット、毛切断装置、及び、関連の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、毛切断装置、具体的には、電動式毛切断装置に関し、より具体的には、そのような装置のための刃セットにおける静止刃に関する。刃セットは、毛を切るために移動方向に毛を通って動かされるように配置され得る。静止刃は、間にガイドスロットを定める第1壁部と第2壁部から構成され得る。可動切断刃は、少なくとも部分的に取り囲まれ且つ保護され得る。さらに、本開示は、毛切断装置のための静止刃及び刃セットの製造方法に関する。
国際公開第2013/150412号は、毛切断装置及び毛切断装置における対応する刃セットを開示している。その刃セットは、静止刃及び可動刃を有する。可動刃は、ヘア(毛)を切るために静止刃に関して往復駆動され得る。その刃セットは、トリミング動作及びシェービング動作の双方を可能にするのに特に適している。
体毛を切るために、基本的には、かみそりとヘアトリマー又はクリッパーという、習慣的に区別される2つのタイプの電動装置が存在する。通常、かみそりはシェービング(すなわち、そり痕のない滑らかな皮膚を得るために皮膚のレベルで体毛をスライスすること)のために用いられる。ヘアトリマーは、通常、皮膚からある選ばれた距離のところで毛を切るために、すなわち所望の長さに毛を切るために用いられる。用途の違いは、各装置に組み入れられる切断刃構成の異なる構造及びアーキテクチャに反映されている。
電動かみそりは、通常、フォイル(すなわち極薄の有孔スクリーン)と、フォイルの内側に沿って且つフォイルに関して移動可能な切断刃とを含む。使用中、フォイルの外側は皮膚に置かれ且つ皮膚に対して押し付けられ、フォイルを通る全ての毛が、その内側に関して動く切断刃によって切り取られ、且つ、そのかみそりの内側にある凹んだヘア回収部内に入るようにする。
一方、電動ヘアトリマーは、通常、歯付き縁を有する大抵2つの切断刃を含む。2つの切断刃は、歯付き縁のそれぞれが重なるように他方の上に一方が置かれている。動作時に、それらの切断刃は互いに関して往復動し、それらの歯の間に捕捉された全ての毛をはさみ作用で切り取る。毛が切り取られるところである皮膚の上の正確なレベル(高さ)は、通常、(スペーサ)ガード又はくし状部と呼ばれる追加の取付可能な部品を用いて決定される。
更に、基本的にシェービング目的及びトリミング目的の双方に適応する複合装置が知られている。しかしながら、これらの装置は、単に2つの別々の異なる切断セクション、すなわち、上述したような電動かみそりのコンセプトに合致する構成を有するシェービングセクションと、その一方でヘアトリマーのコンセプトに合致する構成を有するトリミングセクションとを含むのみである。
一般的な電動かみそりは、皮膚の上の所望の可変長さで毛を切ること、すなわち正確なトリミング動作に特に適しているというわけではない。これは、少なくとも部分的には、皮膚から距離を空けてフォイル(そしてその結果として切断刃)を位置付けるための機構をそれらが含んでいないという事実によって説明され得る。しかし、例えば間隔形成用くし状部等の付属のスペーサ部品を追加することで、たとえそれらがそのような機構を含むようにしたとしても、通常は多数の小さい孔を含むそのフォイルの構成は、最も短く且つ硬い毛を除く全ての毛の効率的な捕捉を損なってしまう。
同様に、一般的なヘアトリマーは、シェービングに特に適しているというわけではない。主に、個々の切断刃が、変形することなくはさみ作用を実現するために、一定の剛性、ひいては厚みを必要とするという理由による。皮膚の近くにある毛が切り取られるのを妨げるのは、その皮膚に向き合う刃の最低限必要な刃厚である。その結果、自身の体毛をシェービングすること及びトリミングすることの双方を望むユーザは、2つの別々の装置を購入して利用する必要があり得る。
さらに、複合シェービング・トリミング装置はいくつかの欠点を示す。それらは、基本的に、2つの切断刃セットと個別の駆動機構とを必要とするためである。その結果、それらの装置は、標準的なタイプの単一目的の毛切断装置よりも重く且つ摩耗の影響を受け易く、また、費用のかかる製造プロセス及び組立プロセスも必要とする。同様に、それらの複合装置を動作させることは、しばしば、かなりの不快さと複雑さを感じさせる。2つの別々の切断セクションを有する従来の複合シェービング・トリミング装置が利用される場合でさえ、その装置の取り扱い、及び、異なる動作モード間の切り替えは、時間が掛かるもので、且つ、あまりユーザフレンドリではないと見なされ得る。切断セクションは、通常、装置の異なる場所に備えられているため、誘導精度(及びその結果としての切断精度)は低減され得る。ユーザは、動作の際に2つの全く異なる主要な保持位置に慣れる必要があるためである。
上記の国際公開第2013/150412号は、シェービングのために使用されるときに皮膚と向き合う可動刃の側に静止刃の第1部分が配置されるように、且つ、使用の際に皮膚に背を向ける可動刃の側に静止刃の第2部分が配置されるように可動刃を収容する静止刃を有する刃セットを提供することによって、これらの問題のいくつかに取り組んでいる。さらに、歯付きの刃先のところで、静止刃の第1部分と第2部分が接続され、それによって、可動刃の個々の歯をカバーする複数の静止歯を形成している。その結果、可動刃は、静止刃によって保護される。
この配置は、皮膚に背を向ける可動刃の側にも静止刃が存在するため、静止刃が刃セットにより大きな強度及び剛性をもたらす限りにおいて有利である。これは、ほとんどの場合、可動刃の皮膚に向き合う側にある静止刃の第1部分の厚みの低減を可能にし得る。その結果、このようにして動作中に可動刃が皮膚により近づき得るため、上記の刃セットは、ヘアシェービング動作によく適している。それに加えて、刃セットは、ヘアトリミング動作にも特に適している。スロットと交互になっている個々の歯を含め、刃先の構成は、より長い毛がそのスロットに入るのを可能にし、その結果、可動刃と静止刃との間の相対的な切り取り動作によって切断されるのを可能にするためである。
国際公開第2013/150412号 独国特許第4410543号明細書
しかしながら、毛切断装置及び個々の刃セットでは、それでもなお、改善の必要性が存在する。これは、具体的には、ユーザの快適さに関する側面と、性能に関する側面と、製造に関する側面とを含み得る。製造に関する側面は、連続生産又は大量生産に関する適合性を含み得る。
本開示の目的は、代替的な静止刃と、シェービング及びトリミングの双方を可能にする対応する刃セットとを提供することである。具体的には、シェービング動作及びトリミング動作の双方での快適なユーザ体験に貢献し得る静止刃及び刃セットが提供され得る。より具体的には、本開示は、例えば上述のような既知の従来技術の毛切断刃につきものの少なくとも複数の欠点に対処し得る。切断動作に必要な時間を好適に減らしながらも改善された動作性能を示し得る刃セットを提供することが更に有利であろう。そのような静止刃の対応する製造方法を提供することが更に望ましい。特に、コスト効率の高い方法で且つ適切な工程能力で刃セット(具体的には静止刃)の生産を可能にし得る製造方法を提示することが望ましい。
本発明の第1の態様では、毛切断装置の刃セットのための静止刃が提示される。刃セットは、毛を切るために移動方向に毛を通って動かされるように配置されている。静止刃は、
・作動中に皮膚に対向する壁の機能を果たすように配置された第1壁部、
・可動切断刃を受け入れるように配置されるガイドスロットを第1壁部と第2壁部がそれらの間に定めるように第1壁部から少なくとも部分的にずらされた第2壁部、
・第1壁部と第2壁部によって共同で形成される複数の歯を有する少なくとも1つの歯付き先端縁、を有する。
静止歯は、一体的に形成された金属−プラスチック複合の静止刃であり、
第1壁部は、少なくとも部分的に金属材料で作られ、
第2壁部は、少なくとも部分的にプラスチック材料で作られ、且つ、
第1壁部と第2壁部は、規定のはめ合い方法でガイドスロット内に可動切断刃を受け入れるように配置されている。
この態様は、予め定められた方法で可動切断刃を収容するように静止刃が構成され得るという見識に基づく。具体的には、可動切断刃は、直接的に、すなわち追加の付勢要素又はバネ要素をガイドスロット内に取り付ける必要なく、静止刃のところで受け入れられ得る。より具体的には、可動切断刃は、ガイドスロット内に摺動可能に受け入れられ得る。一方、従来の刃セットの構成は、典型的には、可動刃を静止刃に緊密に接触させるように促すバネ要素のような追加の付勢要素を含む。
ガイドスロット内の可動刃の規定のはめ合いは、規定のすきまばめ、中間ばめ及び締まりばめ(干渉ばめ)を含み得る。規定のはめ合いは、ガイドスロットでの規定のクリアランスとかなり厳しい精度とを提供することによって実現され得る。
皮膚と緊密に接触し得る第1壁部であり、基本的に、毛を切るために可動切断刃と協働するように構成される第1壁部は、望ましくは、かなりの剛性とロバスト性を有する。第1壁部は、少なくとも部分的には金属材料で作られ得る。具体的には、例えばステンレス鋼のような鉄材で作られ得る。それ故に、皮膚の近くで毛を切ることできるように第1壁部が小さい厚みを好適に有する場合であっても、それは適切な強度をもたらし得る。さらに、第2壁部は、静止刃を更に強化するために、通常、皮膚に背を向ける側に追加され得る。第1壁部と第2壁部は、ガイドスロットを形成するように協働し得る。
好適には、静止刃は、基本的には同時にプラスチック材料を形成し且つそのプラスチック材料を金属材料に接合することを含む複合製造プロセスで取得され得る。静止刃が第1壁部及び第2壁部からなること、すなわち、静止刃を完成させるために更なる必須の構成要素がそれに取り付けられる必要がないことが特に望ましい。通常、静止刃は、2つの構成要素が一体的に且つ固定的に相互接続されている、2つの構成要素で構成される部品と見なされ得る。
一実施例では、第1壁部と第2壁部は、それらの間に直接的に(具体的には追加の付勢要素無しに)可動切断刃を受け入れるように構成される。それ故に、製造コスト及び組立コストは、低減され得る。
一実施例では、静止刃は、金属部材(具体的にはシートメタルインサート)と金属部材に接合されるプラスチック部材とを更に有する。第1壁部の少なくとも中央部は金属部材で形成される。これは、金属部材が、具体的には、ユーザの皮膚に極めて近いところで毛を切るのを可能にし得る薄壁となり得るという利点を有し得る。その結果、シェービング性能が改善され得る。
一実施例では、第1壁部と第2壁部は、静止刃のガイドスロット内での可動切断刃の規定のすきまばめを可能にする。そして、ガイドスロットの鉛直隙間高さ寸法lclは、好適には、取付対象の可動切断刃の期待鉛直厚み寸法ltよりも大きい。それ故に、可動切断刃に関する規定のすきまばめがもたらされ得る。
一実施例では、第1壁部と第2壁部は、静止刃のガイドスロット内での可動切断刃の規定の予圧ばめのはめ合い(pre-stressed fit mating)を可能にする。そして、ガイドスロットの鉛直隙間高さ寸法lclは、好適には、取付対象の可動切断刃の期待鉛直厚み寸法ltよりも小さい。それ故に、可動切断刃に関する規定の締まりばめ、或いは少なくとも規定の中間ばめがもたらされ得る。
一実施例では、第2壁部は、第1壁部に向き合う少なくとも1つの突出接触部(具体的には少なくとも1つの横方向に延びる接触隆起部(contact ridge))を有する。少なくとも1つの突出接触部は、可動切断刃の底面と接触するように構成される。その底面は、裏面とも呼ばれ得る。少なくとも1つの突出接触部は、第2壁部から第1壁部に向かって内側に突出し得る。少なくとも1つの接触部と第1壁部(具体的には皮膚に背を向けるその表面)との間の結果として生じる隙間は、鉛直隙間高さ寸法lclを定め得る。横方向に延びるという用語は、突出接触部が連続的な態様で横方向に延びることを必要とするというような限定的な意味に解釈されてはならない。
一実施例では、少なくとも1つの突出接触部は、取り付けられた状態で、第1壁部に対して可動切断刃を促すように構成される。それ故に、静止刃そのものが、可動切断刃のはめ合い条件を確かなものとする付勢要素としての機能を果たし得る。
一実施例では、少なくとも1つの歯付き先端縁の歯は、横方向Yに垂直な切断面で見た場合、第1壁部のところにある第1脚部と第2壁部のところにある第2脚部を含むほぼU字形状を有する。第1脚部と第2脚部は、歯の先端で互いに結合して1つになる。また、第2壁部は、第2脚部に隣接する傾斜部を有する。少なくとも1つの突出接触要素は、好適には、第2脚部と傾斜部との間の推移部のところに配置される。第1脚部と第2脚部の間には、可動切断刃(具体的にはその歯)のための規定の取り付け用の隙間又はスロットが提供され得る。これは、切断性能を更に高め得る。
一実施例では、第1壁部は基本的に剛性の壁部であり、第2壁部は基本的に可撓性の壁部である。第1壁部の少なくとも中央部は、第2壁部の少なくとも中央部を形成する材料の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する材料で作られる。基本的には、第2壁部は第1壁部よりも顕著に厚く、そのことも、第2壁部にかなりの強度特性を提供し得る。それ故に、刃セットそのものが補強され得る。
一実施例では、静止刃(具体的にはそのプラスチック部材)は、残留応力(具体的には、射出成形に関連するゆがみに起因する残留曲げ応力)を示し、また、そのゆがみの結果として、少なくとも1つの先端縁が中央部に関して曲げられる。具体的には、少なくとも1つの先端縁は、横方向Yに垂直な切断面で見た場合、結果として得られる鉛直隙間高さ寸法lclが低減されるように、後方に曲げられ得る。通常、プラスチック部材のゆがみの結果として、静止刃は曲げられ得る。具体的には、横方向Yに垂直な切断面で見たときに凸状に湾曲され得る。これは、静止刃が少なくとも部分的に、付勢力を可動刃に加え得る板バネ又は重ねバネ要素のような役割を果たすことを含み得る。
一実施例では、静止刃は、ガイドスロットのところで少なくとも1つの歯付き先端縁の近くに形成される隙間部を更に有する。その隙間部は、第2壁部のところにある底側隙間、及び、第1壁部と第2壁部との間の推移部のところにある前側隙間のうちの少なくとも1つを有する。隙間部は、少なくとも部分的に凹状に形成された内側くぼみである。隙間部は、ガイドスロットとその中に受け入れられる可動切断刃の歯付き先端縁との間の残存隙間lvg、lfgをもたらすように配置される。好適には、隙間部は、毛(具体的には切断された毛の部分)を受け入れるように構成される。言い換えれば、隙間部は、切断された毛の期待寸法(例えば期待径)に合わせられ得る。隙間部は、突出接触部に隣接してガイドスロットのところに形成され得る。静止刃は、それぞれの歯付き先端縁に関連付けられた第1隙間部と第2隙間部を有し得る。
これは、第2壁部と可動切断刃との間の隙間部に毛(具体的には切断された毛)が入るのを可能にし得るという利点を有し得る。本書で更に示されるように、ガイドスロットと可動切断刃との間でかなりの(摩擦)力を発生させること無しには、その隙間が小さすぎて毛を受け入れることができない場合、切断された毛が可動切断刃と第2壁部との間の隙間に入ってブロックする傾向があるという可能性はなくはない。通常、切断された毛の主な部分は、その隙間に入ること無しに、ガイドスロットから放出され得るが、いくつかの毛はその隙間に引き入れられ、その結果、その隙間内にはまり込む可能性は無くはない。それは、切断性能を低減させ得る。これは、電力消費、及び、刃セットの摩擦熱の発生を増大させ得る。通常、低減された切断速度(例えば、低減されたモータの回転速度)は、電力の損失としてユーザに受け止められ、それ故に、品質悪化と見なされ得る。
一方、この問題は、可動切断刃と静止刃のガイドスロットとの間の隙間を最小限に抑えることによって、対処され得る。しかしながら、このアプローチは、刃セットの構成要素を高精度で製造する必要があり、製造コストを更に増大させ得る。他方、この問題は、可動切断刃が静止刃に関して作動させられたときに、顕著な摩擦力を発生させることなく毛を受け入れるための十分なクリアランスをもたらす規定の増大された隙間を提供することによって、上述の実施例に従って対処され得る。それ故に、複数の毛を受け入れるように隙間部が配置されることが好ましいこととなり得る。切断作用の過程で、遅かれ早かれ、毛は、切断性能を顕著に悪化させることなく、隙間の外に導き出され得る。
隙間部は、第1壁部と可動切断刃との間に配置され得る。それ故に、隙間部は、底側隙間又は裏側隙間を有し得る。底側隙間又は裏側隙間は、鉛直隙間延長又は高さ隙間延長lvgを有する鉛直隙間を定め得る。しかしながら、隙間部は、静止刃の歯の先端と可動切断刃の歯の先端との間に更に配置され得る。それ故に、隙間部は、前側隙間又は先端(nose)隙間を有し得る。前側隙間又は先端隙間は、縦方向隙間延長lfgを有する縦方向隙間を定め得る。いくつかの実施例では、鉛直隙間延長lvg及び縦方向隙間延長lfgは、もしあれば、約50〜約250μm(マイクロメートル)の間の範囲内であり、望ましくは、約100μm〜約200μmの間の範囲内であり、より望ましくは、約120μm〜約180μmの間の範囲内である。
通常、隙間部は、ガイドスロットのところで、湾曲した内側くぼみとして配置され得る。湾曲したくぼみは、突出接触部に隣接し且つ突出接触部から延びる傾斜側面を有し得る。傾斜側面は、可動切断刃の歯の先端に隣接する湾曲移行部に結合して1つになり得る。いくつかの実施例では、湾曲移行部は、第2壁部から第1壁部に及び、それによって、前側(先端)隙間を形成し得る。いくつかの実施例では、湾曲移行部は、第1壁部まで延びることなく、第2壁部のところで終わる。それ故に、それらの実施例では、湾曲移行部は、必ずしも前側先端隙間を定める必要はない。
一実施例では、第2壁部は、隙間部の反対側に、突出する膨張部又は膨らみを有し得る。隙間部は、基本的に第2壁部を弱める凹んだ隙間部となり得るため、第2壁部の反対側に材料が追加されることが望ましいこととなり得る。突出する膨らみ部は、隙間部の少なくとも部分的なオフセット(埋め合わせ)として配置され得る。それ故に、第2壁部の壁厚は、少なくとも実質的には、隙間部のところでも維持され得る。
本開示は、更に、本開示に従った静止刃の第1態様に関連する上述の実施例及び改良版のうちの何れかの有益な典型的な改良版と見なされ得る静止刃の実施例に関する。しかしながら、これは、限定的な意味に解釈されることはない。それ故に、代替例における以下の実施例及び改良版も、本開示における、或いは、少なくともいくつかの点では独立してクレームされ得る別の区別可能な発明における、別の態様の一部を形成し得る。
個々の実施例に従って、静止刃は、複数の孔が提供される孔あき部(具体的には、第1歯付き先端縁と第2歯付き先端縁との間の中央部に配置される孔あき部)を更に有する。それらの孔は、少なくとも部分的には、第1壁部における皮膚に背を向ける側に刃先を有する。
それ故に、上述の実施例は、毛切断装置の刃セットのための静止刃において、孤立して実施され得る。刃セットは、毛を切るために移動方向に毛を通って動かされるように配置される。静止刃は、
・作動中に皮膚に対向する壁としての機能を果たすように配置された第1壁部、
・第1壁部と第2壁部がそれらの間で、可動切断刃を受け入れるように配置されたガイドスロットを定めるように、第1壁部から少なくとも部分的にずらされた第2壁部、
・第1壁部と第2壁部によって合同で形成される複数の歯を有する少なくとも1つの歯付き先端縁、を有する。
第1壁部と第2壁部は、規定のはめ合い方法でガイドスロット内に可動切断刃を受け入れるように配置されている。
それ故に、孔あき領域における孔を含む実施例が、実際には、本開示の主な態様との関連で実施されているか、或いは、切り離されて実施されるかにかかわらず、皮膚に極めて近いところで毛を剃るという静止刃の能力(具体的にはシェービング能力)は、更にずっと高められ得る。言い換えれば、第1壁部と第2壁部によって合同で定められた少なくとも1つの歯付き先端縁が提供され、且つ、追加的に、複数の孔を含む孔あき領域が提供されるので、静止刃がそれに対応する形状の可動切断刃と協働する場合、かなり短くそしてそれゆえに硬い毛がその孔あき領域で切断され(cut)或いは切り取られ(chop)得る。言い換えれば、孔あき領域は、長い毛をトリミングし或いはシェービングするのに特に適しているというわけではない。長い毛は、実際には、孔あき領域における個々の孔にほとんど入らないためである。しかしながら、既に強調されたように、静止刃は、トリミング及びシェービングの双方に十分に適している二重目的(double-purpose)式毛切断装置と呼ばれ得る毛切断装置に特に適しているため、毛切断装置の全体性能は更にずっと高められ得る。
好適には、単一の静止刃と単一の一体的に形成された可動切断刃のみを有するかなり単純な構成は、その縦方向端のそれぞれで、少なくとも1つの歯付き先端縁(具体的には、縦方向に互いにずらされている第1歯付き先端縁及び第2歯付き先端縁)を提供し得る。それ故に、トリミングプロセス及びシェービングプロセスのために配置される第1毛切断領域が提供され得る。また、第1毛切断領域から分離されているが第1毛切断領域に隣接して配置されている第2毛切断領域が提供され得る。
この関連において、第1切断ゾーン及び第2切断ゾーンを実現する従来の毛トリミング装置が知られていることが認識されているが、これらの毛切断装置は、通常、第1毛切断領域と第2毛切断領域を定めるために、2つの構成要素のみではなくそれ以上の構成要素を必要とすることが強調される。言い換えれば、第1切断領域及び第2切断領域の双方において、通常、少なくとも2つの個別の構成要素が毛を切るために協働するため、従来技術の毛トリミング装置のそれぞれは、例えば4つの個別の構成要素を必要とし、それらのうちの2つが静止刃又は保護刃と呼ばれ、それらのうちの残りの2つのものが可動切断刃と見なされ得る。例えば、これらの従来技術の装置は、従来型の箔(foil)シェービング構成と従来型の毛トリミング構成を実現し得る。それらのそれぞれは、2つの個別の協働部品によって定義される。そのような装置の典型例は、例えば、独国特許第4410543号に開示されている。
上述の代替的な態様の更なる実施例では、静止刃は、一体化された箔シェービング領域を共同で定めるために、対応する孔あき部を有する可動切断刃を受け入れるように配置されている。第1壁部における複数の孔の刃先は、静止刃と可動切断刃との間の相対運動の際のせん断作用において、可動切断刃のところに提供された対応する刃先と協働するように配置されている。その結果、個別の静止刃と個別の切断刃が取り付けられた刃セットの全体の外観は、独国特許第4410543号に開示されているような従来型の複合シェービング・トリミング毛切断装置のための従来型の切断刃と似ているかもしれない。しかしながら、従来技術の各装置とは対照的に、本開示に従った刃セットは、少なくともいくつかの実施例では、2つの協働する構成要素、すなわち、静止刃と可動切断刃を必要とするのみであり、それらのそれぞれは、一方において切断歯を備え、且つ、他方において個別のシェービング孔を備えている。
本書で用いられているように、一体化された箔シェービング領域は、第1壁部のかなりの部分を形成する静止刃の金属部材と、可動切断刃とによって合同で定められ得る。それ故に、一体化された箔シェービング領域という用語は、静止刃の側に必然的に(極薄の)せん断箔を要求するというような限定的な意味で解釈されてはならない。むしろ、第1壁部及び/又はその金属部材は、歯付き先端縁のところにかなり硬い歯を定めるために、十分に硬い(そしてそれ故に厚い)態様で配置され得る。好適には、金属部材の厚み又は高さは、歯付き先端縁及び孔あき領域の双方で同じである。
この態様の更なる改良版では、第1壁部の孔あき部は、円形壁として配置される孔のパターンを有する。通常、幅、或いはより明確には、孔の(横方向)径は、静止刃にある横方向に延びる歯付き先端縁の各歯の間に形成されるスロットの(横方向)スロット幅に適合され得る。通常、孔は、ハニカム孔、円形孔、縦方向に延びるスロット、傾斜スロット、及びそれらの組み合わせで構成されるグループから選択される形状を有し得る。静止要素の側にも可動要素の側にも基本的にただ1つの個別の構成要素が備えられているのみであるため、少なくとも1つの歯付き先端縁での切断作用又は切断動作と箔シェービング領域を形成し得る孔あき部での切断作用又は切断動作とは基本的に同じであることがこの関連において言及する価値がある。それ故に、協働する孔あき部のレベルのところでも、主に横方向切断動作(具体的には往復動する横方向切断動作)が存在し得る。
本発明の更なる態様では、毛切断装置の刃セットが提示される。その刃セットは、毛を切るために移動方向に毛を通って動かされるように配置される。その刃セットは、
・本開示の少なくともいくつかの態様に従った静止刃、及び
・少なくとも1つの歯付き先端縁を有する可動切断刃、を有し、
静止刃に関する可動切断刃の相対運動の際に、静止刃と可動切断刃の間に挟まれた毛の切断作用による切断を可能にするため、可動切断刃における少なくとも1つの歯付き先端縁が静止刃における対応する刃と協働するように、可動切断刃は、静止刃によって定められるガイドスロット内に移動可能に配置されている。
刃セットが静止刃及び可動切断刃で構成されることが特に望ましい。これは、可動切断刃のための駆動力伝達部材を含み得る。しかしながら、付勢バネ要素のような別個の付勢要素によって付勢されることなく、ガイドスロット内に可動切断刃が配置されることが特に望ましい。可動刃のための更なる取付要素又は締結要素が省略され得ることが更に望ましい。それ故に、可動切断刃の上側が第1壁部と接触し、且つ、可動切断刃の底側(すなわち裏側)が第2壁部と接触することが望ましい。
第1壁部及び第2壁部のそれぞれに関して特定のクリアランス又ははめ合いで可動切断刃がガイドスロット内に配置され得ることは言うまでもない。可動切断刃は望ましくはガイドスロットのところに摺動可能に配置されるためである。本書で使用されるように、相対運動は、静止刃に関する可動切断刃の往復運動を含み得る。いくつかの実施例では、相対運動は、切断刃に関する可動刃の回転を含み得る。
刃セットの一実施例では、可動切断刃は、その皮膚に対向する側で、第1壁部に直接的に接触し、皮膚に背を向ける側で、第2壁部(具体的には少なくとも1つの突出接触部のところ)に直接的に接触する。
刃セットの一実施例では、静止刃は、横方向Yに垂直な切断面で見た場合、可動切断刃が第1壁部及び第2壁部と部分的に接触するように少なくとも部分的に後方に曲げられている。そして、可動切断刃と第1壁部との間の接触面積は、可動切断刃と第2壁部との間の接触面積から縦方向にずらされている。望ましくは、静止刃はアーチ状又は円弧状である。所望の変形は、静止刃のプラスチック部材の金型に関するゆがみの結果であってもよい。望ましくは、2つの個別の接触面のセットは、静止刃における向かい合って配置される歯付き先端縁のところに提供される。望ましくは、それらの接触面は、可動切断刃の全体的な表面に関して比較的小さい。それらの接触面は比較的狭い線接触面を含み得る。静止刃は、上面図で見たときに、基本的に凸形状を有し得る。それ故に、静止刃は、バネ(具体的には板バネ要素)の機能を果たし得る。可動切断刃は、大きな遊びもなく、ガイドスロット内に配置され得る。可動切断刃は、静止刃の変形の結果として僅かにプレロードされ得る。
刃セットの一実施例では、横方向Yに垂直な切断面で見ると、鉛直方向にプレロードされ且つ僅かに曲げられた態様で可動切断刃がガイドスロット内に受け入れられるように、可動切断刃は前方に曲げられている。その結果、上面図で見ると、可動切断刃は、基本的に凹形状を有し得る。それ故に、可動切断刃も、バネ(具体的には板バネ要素)の機能を果たし得る。可動切断刃は、ガイドスロットでの大きな遊び無しに配置され得る。可動切断刃は、僅かにプレロードされ得る。引き起こされた静止刃及び可動切断刃の変形に関する上述の実施例が組み合わされ得ることは言うまでもない。
刃セットの一実施例では、可動切断刃は、その少なくとも1つの歯付き先端縁のところで、第1壁部のところにある刃先と協働するように構成される頂部刃先と、第2壁部のところにある底部刃先と協働するように構成される底部刃先とを有する。
これは、毛(具体的には切断された毛)が第2壁部と可動切断刃との間の隙間に入るのが防止されるという利点を有し得る。可動切断刃が基本的に第1壁部に対して付勢され且つその結果として少なくとも部分的に第2壁部から持ち上げられるため、歯付き先端縁の領域で可動切断刃の底側に小さい隙間が提供される可能性がなくはない。毛は隙間内にはまり込み得る。そして、破片が隙間のところで生成され得る。それ故に、刃セットは、行き詰まった状態となり得る。可動刃の上側及び底側のところで毛を切る能力を刃セットに提供することによって、はまり込む毛の量は大幅に低減され得る。この点において、第2壁部のところにある底部刃先がプラスチック部材で形成され得る場合であっても、静止刃と可動切断刃はかなりのせん断力を発生させ、その結果、可動刃の底側のところで、切断された毛を発生させ得ることは言及する価値がある。
上述のような静止刃の代替実施例と同様に、一体的な箔シェービング領域を形成するために刃セット端のところに且つ可動切断刃のところに孔あき部を追加することによって、刃セットは改良され得る。その結果、有益な改良と見なされ、且つ、追加的に、代替的形態では別個の発明の一部をも形成し得る本開示の別個の態様と見なされ得る、上述のような刃セットの更なる実施例では、可動切断刃は、静止刃の孔あき部と適合する孔あき部を有する。その孔あき部のところには、複数の孔がもたらされ、且つ、可動切断刃の孔は、少なくとも部分的には、可動切断刃における皮膚に対向する側にある刃先を構成する。
上述のように、刃セットのデザイン(具体的には、その静止刃のデザイン)は、規定のはめ合い方法で静止刃のところに定められるガイドスロット内への可動切断刃の取り付けをもたらす。それ故に、当業者は、比較的厳しいすきまばめのはめ合いの利益をもたらすことができる。望ましくは、可動切断刃の皮膚に対向する側と、静止刃の第1壁部における皮膚に背を向ける側とが緊密に接触している(具体的には、緊密に面接触している。)。これは、一方では、毛を切り或いはトリミングするために可動切断刃の各歯と静止刃とが協働し得るところである歯付き刃先に当てはまる。他方では、これは、望ましくは刃の縦方向端に形成される各歯の間の中央領域に配置される各孔あき部にも当てはまる。それ故に、追加的な手間をほとんどかけずに、刃セットのシェービング能力が顕著に改善され得る。さらに、皮膚のレベルから規定の距離のところで典型的には長い毛が切られるところである個別の毛トリミングモードでは、孔あき部は、毛トリミング性能を損なうことはなく、或いは、台無しにすることはない。
言い換えれば、第1タイプの切断領域と第2タイプの切断領域を備える刃セットの代替的な態様の主な利点は、皮膚に対向する側の中央部に配置される箔タイプの切断領域がシェービング性能を改善し、一方で、少なくとも1つの歯付き先端縁(具体的には、刃セットにおける横方向に延びる縦方向端に配置される第1及び第2の歯付き先端縁)が、トリミング動作に関する刃セットの能力を改善し得るという点にある。通常、毛のトリミングは、処理対象の毛又はひげの部分の十分な可視性を必要とし得る。一方、シェービングは、通常、処理対象の皮膚の部分の大きな可視性を必要としない。それ故に、刃セットの中央部は、箔シェービング領域のために有利的に使用され得る。
プラスチック部材の固有の材料特性は、所望の方法で可動切断刃と緊密に接触させるように金属部材を付勢する内部の或いは固有のサスペンションをもたらすために利用され得る。例として、刃セットの横断面図を考えると、可動切断刃の切断面又は接触面と、第1壁部のかなりの部分を形成する金属部材との間の既定の線接触が望まれる。好適には、各ゾーン又は領域において(すなわち、少なくとも1つの歯付き先端縁のところ、及び、箔シェービング領域のところにおいて)、可動切断刃と金属部材との間の既定レベルの接触力が実現され得る。実質的に刃先が提供されていない第1壁部及び可動切断刃の領域では、個々の接触力はより小さいものとなり得る。
通常、切断作用を可能にするために可動切断刃と第1壁部(具体的にはその金属部材)が互いに関して動かされるので、可動切断刃が静止刃に関して摺動するときに熱が生成される。発熱のレベルを低減させるため、少なくともいくつかの実施例では、可動切断刃及び第1壁部のための金属部材のうちの少なくとも1つを更に処理することが望ましいこととなり得る。個々の処理は、材料除去処理を含み得る。この目的のため、例えば、エッチング、又は、同様の電気化学的研磨(ECM)法が利用され得る。例として、互いに向き合う可動切断刃と金属部材の接触面の少なくとも1つが、切断動作のために必要とされないそれらの領域における材料を取り除くために、処理され得る。言い換えれば、可動切断刃及び/又は第1壁部のための金属部材は、少なくとも部分的或いはセクション的には、刃先(又は対応する歯若しくは孔)が提供されていない領域で薄くされ得る。その結果、刃先での更に良好な接触が実現され得る。さらに、このようにして事実上の接触面又は領域が低減され得るので、発熱のレベルは低減され得る。
箔シェービング領域の更なる利益は、皮膚の表面での刃セット(具体的にはその皮膚に対向する上面)の摺動能力が改善され得る点にある。いくつかの応用において、具体的には、比較的無精ひげが多い皮膚の部分をシェービングする場合、歯付き先端縁のところで捉えられず且つ除去され得ない残っている無精ひげは、皮膚に沿った刃セットの摺動動作を損ない得る。それ故に、皮膚を滑らかにするための刃セットの上面の中央部での個別のシェービング動作を可能にするための個別の箔シェービング領域を提供することが有益となり得る。
刃セットの孔あき可動切断刃の更なる改善では、取り付けられた状態において、可動切断刃の孔あき部と静止刃の孔あき部との間で面積的な表面接触がもたらされる。その結果、切断性能及びユーザ体験に悪影響があるかもしれない、静止刃と可動切断刃との間の個別の隙間への毛の侵入が防止され得る。本書で用いられている面積的な表面接触は、可動切断刃と静止刃との間のそれらの孔あき部での十分に大きな接触面積と見なされ得る。言い換えれば、本書で用いられているように、面積的な表面接触は、単なる点接触又は線接触ではなく、むしろ、接触している2つの刃の間で十分に大きい接触面を定める面接触である。さらに、静止刃と可動切断刃が互いに対して動かされるときの切断動作の過程で面接触が維持されることが望ましい。
刃セットの別の実施例によると、横方向に垂直な切断面で見ると、第1壁部と可動切断刃は凸状に曲げられている。そして、第1壁部と可動切断刃は、非付勢状態では、異なるように曲げられている。この実施例は、可動切断刃と第1壁部が緊密に面接触するように、取り付けられた状態において、規定の方法でそれら構成要素を付勢するように、意図的に平坦でない或いは平面的でない態様でそれら構成要素を形成することによって、可動切断刃と静止刃の第1壁部との間の所望の面接触が実現され得るという見識に基づく。異なるように曲げられた形状を第1壁部及び可動切断刃のところに提供することが有益となり得る。このように、既に上述されたように個々の付勢力を加えることによって所望の接触状態が確実に実現され得るためである。既に説明されたように、静止刃の第1壁部の少なくともかなりの部分は金属部材(具体的には個別の金属シート)によって形成されている。それ故に、静止刃のレベルのところで、非付勢状態での所望の湾曲形状が、金属部材のところで好適にもたらされる。
刃セットの孔を含む実施例の更に別の改善例では、非付勢状態において、第1壁部(具体的には金属部材)の曲率は、可動切断刃の曲率とは異なる。取り付けられた状態では、可動切断刃と第1壁部とが面積的な態様で互いに接触するように、可動切断刃と第1壁部は互いに対して付勢される。異なる曲率の部分は、少なくとも部分的に、可動切断刃の縦方向延長部、及び、第1壁部のかなりの部分を形成する金属部材の縦方向延長部のそれぞれに沿って存在し得る。好適には、第1壁部での曲率半径は、可動切断刃での曲率半径と異なる。いくつかの実施例では、本書で非付勢状態と呼ばれる状態は、想像上の非付勢状態と見なされ得る。可動切断刃と、具体的には第1壁部(より具体的には金属部材)とは、必ずしも、製造プロセスの過程で、説明され且つ定められた形状で、孤立して存在する必要がないためである。それ故に、いくつかの実施例では、非付勢状態は、既に取り付けられ或いは既に成形されている構成要素が互いに分離された場合に存在するであろう想像上の状態と見なされ得る。
好適には、第1壁部及び可動切断刃の双方は凸状に形成されている。それ故に、可動切断刃の曲率半径が、第1壁部を形成する金属部材の曲率半径よりも小さい場合、非付勢状態では、中央領域(具体的には構成要素の孔あき部)での線接触が実現され得る。その結果、例えば、可動切断刃の各縦方向端は、接触面積を増大させるために、金属部材の対応する縦方向端に対して促され或いは付勢される必要がある。可動切断刃の曲率半径が金属部材の曲率半径よりも大きい場合、付勢状態では、基本的に構成要素間の2つの線接触が、それらの各縦方向端(具体的には各歯に隣接するところ或いは各歯のところ)で実現され得る。その結果、取り付け状態では、可動切断刃の中央部は、所望の接触面を実現するために、金属部材の対応する部分に対して促され或いは付勢されるはずである。
本発明の更なる態様では、毛切断装置のための刃セットの金属−プラスチック複合の静止刃の製造方法が提示される。その方法は、
・少なくとも実質的に第1壁部の中央部を形成する金属部材(具体的にはシートメタル部材)を提供するステップ、
・プラスチック部材の形を定める金型(具体的には射出成形金型)を提供するステップ、
・金型内に金属部材を配置するステップ、
・成形の際に形成対象の静止刃のガイドスロットを確保するように構成される代替構成要素であり、取付対象の可動切断刃の期待鉛直厚み寸法ltに適合される代替構成要素を金型内に提供するステップ、
・プラスチック部材を形成する(具体的には射出成形する)ステップ、
(プラスチック部材と金属部材は、静止刃における第1壁部と第2壁部とを定め、第1壁部は、作動中に皮膚に対向する壁としての機能を果たすように配置され、第2壁部は、第1壁部と第2壁部がそれらの間に可動切断刃のためのガイドスロットを定めるように、第1壁部から少なくとも部分的にずらされ、
第1壁部と第2壁部は、複数の歯を有する少なくとも1つの歯付き先端縁を合同で形成し、且つ、
第1壁部と第2壁部は、静止刃のガイドスロットにおける可動切断刃の規定のはめ合いを可能にする。)
・金属−プラスチック複合の静止刃から代替構成要素を取り除くステップ、を有する。代替構成要素は、静止刃のための金型のスライドとして配置され得る。代替例では、代替構成要素は、金型に挿入され且つ成形後に金型から静止刃と共に取り除かれ得る別個の構成要素として形成され得る。通常、代替構成要素は、再使用可能な代替構成要素として配置され得る。しかしながら、いくつかの実施例では、代替構成要素は、喪失コア(lost core)とも呼ばれ得る再使用不可能な代替構成要素として配置されてもよい。
その方法の一実施例では、プラスチック部材を形成するステップは、ゆがみに関する残留応力を静止刃(具体的にはそのプラスチック部材)に含めることを有する。静止刃は、横方向Yに垂直な切断面で見ると、可動切断刃が第1壁部と第2壁部に部分的に接触するように、冷却後に少なくとも部分的に後方に曲げられている。
その方法の一実施例では、代替構成要素を金型内に提供するステップは、以下のステップの少なくとも1つを有する。
・可動切断刃のためのガイドスロットを定める少なくとも1つの横方向スライドを金型内に提供するステップ、及び、
・別個の置換ダミー構成要素(具体的には、再使用可能なダミー構成要素)を金型内に配置するステップ(ダミー構成要素は、金型の外で、金属−プラスチック複合の静止刃から取り除かれる。)。
その製造方法の更なる実施例では、箔シェービング領域を定めるために金属部材の中央領域で複数の孔を有する孔あき部を形成することを含む金属部材を処理するステップが提供される。
本発明の更なる態様では、毛切断装置のための刃セットの製造方法が提示される。その方法は以下のステップを有する。
・本開示に従った静止刃製造方法における少なくともいくつかの態様に従って静止刃を製造するステップ、
・静止刃における少なくとも1つの歯付き先端縁と協働するように配置された少なくとも1つの歯付き先端縁を有する可動切断刃を提供するステップ、及び、
・可動切断刃を静止刃のガイドスロットに挿入する(具体的には静止刃の側部開口を通じて可動切断刃を通す)ステップ。
可動切断刃を提供するステップの上流で実行され得る更なるステップにおいて、可動切断刃は製造され得る。これは、静止刃と協働して箔シェービング領域を定めるために可動切断刃の中央領域で複数の孔を有する孔あき部を形成することを含む、可動切断刃を処理することを含み得る。
本発明の好適な実施例は従属項に定められている。クレームされた方法は、クレームされた装置、及び、従属項で定められたのと同様の且つ/或いは同一の好適な実施例を有することが理解されるべきである。
本開示のこれらの及び他の態様は、以下で説明される実施例から明らかとなり、且つ、それらの実施例を参照して明らかにされる。
本開示に従った刃セットの典型的な実施例が取り付けられた典型的な電動毛切断装置の概略斜視図を示す。 本開示に従った刃セットを有する、リンク機構に取り付けられた切断ヘッドの概略上面図を示す。 図2に示された刃セットの分解底面斜視図である。 説明目的のために静止刃の隠された縁が示されている、図2に示された刃セットにおける静止刃の部分上面図である。 図3に示された静止刃の金属部材の部分底面斜視図である。 図4のVI−VI線に沿った、図4に示された静止刃の断面図である。 図4のVII−VII線に沿った、図4に示された静止刃の部分側断面図である。 図6に示された静止刃の先端縁部分の拡大詳細図である。 基本的に図8の図に対応する静止刃における金属部材の拡大詳細図である。 図2及び図3に示された静止刃におけるプラスチック部材の底面斜視図である。 図10に示されたプラスチック部材の上面斜視図である。 図2及び図3に示された刃セットの部分上面図である。 図12のXIII−XIII線に沿った、図12に示された刃セットの側断面図である。 図12のXIV−XIV線に沿った、図12に示された刃セットの更なる側断面図である。 基本的に中立な形態にある、図15に従った静止刃の実施例の簡略化された側面図である。 (変形が強調された状態で示されている)僅かに変形した形態で示されている静止刃の更なる側面図である。 結果として生じる接触力が図17のブロック矢印で示されている、図16に示された静止刃と協働するように構成された可動切断刃の側面図である。 本開示に従った典型的な刃セットの静止刃の歯付き先端縁のところの側断面図を示す(断面は歯付き先端縁の歯のところに位置付けられている。)。 本開示に従った典型的な刃セットの静止刃の歯付き先端縁のところの更なる側断面図を示す(断面は歯付き先端縁の歯のところに位置付けられている。)。 本開示に従った典型的な刃セットの静止刃の歯付き先端縁のところの更に別の側断面図を示す(断面は歯付き先端縁の歯のところに位置付けられている。)。 本開示の実施例に従った静止刃と協働するように構成される、基本的に平坦な状態で示されている可動切断刃の側面図を示す。 僅かに変形された状態で示されている可動切断刃の更に別の側面図(変形が強調された表現)を示す。 静止刃と図20で示された実施例に従って形成された可動切断刃とを含む刃セットの更に別の側面図(静止刃での可動切断刃の規定のはめ合いが提供されている)である。 可動切断刃及び静止刃を含む刃セットの先端縁での刃セットの部分底面図である。 図22のXXIII−XXIII線に沿った、図22に示された刃セットの拡大正面断面図である。 基本的に図23の図に対応する姿勢で示された、静止刃と変形可動切断刃を含む刃セットの更なる部分正面断面図である。 図24に示された可動切断刃の部分正面図である。 本開示に従った静止刃の更に別の実施例の各歯を通る部分側断面図である。 本開示に従った刃セットの更に別の実施例の、静止刃及び可動切断刃の各歯を通る、部分側断面図である。 本開示の少なくとも複数の態様に従った刃セットの代替実施例の分解上面斜視図である。 図28に示されるような刃セットの分解上面斜視図である。 図28及び図29で示されるような刃セットの側断面図である。 図28及び図29で示されるような刃セットの部分上面斜視図である。 図28〜図31で示されるような刃セットのための可動切断刃の代替的構成の底面斜視図である。 図28〜図31で示されるような刃セットのための可動切断刃の別の代替的構成の底面斜視図である。 刃セットにおける可動切断刃、及び、静止刃の第1壁部のための金属部材の簡略化された概略側面図である(可動切断刃及び金属部材は平坦な状態で示されている。)。 可動切断刃、及び、静止刃の第1壁部のための金属部材の更なる簡略化された概略側面図である(可動切断刃及び金属部材は縦方向延長部に沿って湾曲している。)。 図35で示されるような可動切断刃及び金属部材を組み込んだ刃セットの更なる代替実施例の側断面図である(可動切断刃及び金属部材は面接触するように付勢されている。)。 可動切断刃、及び、静止刃の第1壁部のための金属部材の別の簡略化された概略側面図である(可動切断刃及び金属部材は縦方向延長部に沿って湾曲している。)。 図37で示されるような可動切断刃及び金属部材を組み込んだ刃セットの別の代替実施例の側断面図である(可動切断刃及び金属部材は面接触するように付勢されている。)。
図1は、毛切断装置10(具体的には電動毛切断装置10)の典型的な実施例を単純化された斜視図で概略的に示す。毛切断装置10は、ハウジング12、ハウジング12内において破線ブロック14で示されるモータ、及び、ハウジング12内において破線ブロック16で示される駆動機構すなわちドライブトレインを有し得る。モータ14に電力を供給するために、少なくとも毛切断装置10のいくつかの実施例では、ハウジング12内の破線ブロック17で示される、例えば再充電可能バッテリ、交換式バッテリ等のような電気バッテリが提供され得る。しかしながら、いくつかの実施例では、毛切断装置10は、電源を接続するための電力ケーブルを更に備えていてもよい。電源コネクタが、(内部)電気バッテリ17に加えて或いはその代わりに提供されてもよい。
毛切断装置10は、切断ヘッド18を更に有していてもよい。切断ヘッド18では、刃セット20が毛切断装置10に取り付けられ得る。刃セット20は、切断動作を可能にするため、駆動機構すなわちドライブトレイン16を介し、モータ14によって駆動され得る。切断動作は、通常、例えば図3で示され且つより詳細に説明され、且つ、以下で説明され且つ検討される、静止刃22と可動刃24との間の相対運動と見なされ得る。通常、ユーザは、毛を切るために、毛切断装置10を把持し、保持し、且つ、移動方向28に毛を通って毛切断装置10を手動でガイドし得る。毛切断装置10は、通常、ハンドガイド式及びハンド操作式の電動装置と見なされ得る。さらに、切断ヘッド18、或いはより具体的には刃セット20は、旋回可能な方法(図1の参照数字26で示される湾曲した双方向矢印を参照)で毛切断装置10のハウジング12に接続され得る。いくつかの実施例では、毛切断装置10、或いはより具体的には、刃セット20を含む切断ヘッド18は、皮膚に生えている毛を切るために、皮膚に沿って動かされ得る。皮膚に近いところで毛を切るときには、基本的には、皮膚のレベルで毛を切り或いは切断(chop)することを目的としてシェービング動作が実行され得る。しかしながら、刈り取り(clip)動作(又はトリミング動作)も想定され得る。その動作では、刃セット20を有する切断ヘッド18は、皮膚に関して所望の距離のところで、ある経路に沿って通過させられ得る。
ガイドされて毛を通って動かされるとき、刃セット20を含む毛切断装置10は、通常、図1の参照数字28で示される一般的な移動方向に沿って動かされる。毛切断装置10が、通常、手動でガイドされ且つ動かされることを考慮すると、移動方向28は、必ずしも、毛切断装置10の姿勢、及び、刃セット20が取り付けられているその切断ヘッド18の姿勢に関して固定的な定義及び関係を有する正確な幾何学的基準として解釈される必要はない点はこの文脈で言及する価値がある。すなわち、皮膚のところにある切断対象の毛に関する毛切断装置10の全体的な姿勢は、多少不安定なものと解釈され得る。しかしながら、説明目的のため、毛切断装置10の構造的特徴を説明するための手段として以下で役立ち得る座標系の主中心平面に対して(仮想)移動方向28が平行(或いはほぼ平行)であることがかなり想定され得る。
参照し易くするために、本書では、座標系が複数の図で示されている。例として、デカルト座標系X−Y−Zが図1に示されている。本開示のために、各座標系の軸Xは、大抵は長さに関連付けられてほぼ縦の方向に延びる。本開示のために、その座標系の軸Yは、幅に関連付けられて横(横断)方向に延びる。その座標系の軸Zは、少なくともいくつかの実施例では、説明のためにほぼ鉛直な方向として参照され得る高さ(鉛直)方向に延びる。座標系X−Y−Zと、毛切断装置10の特有の特徴及び/又は実施例との関連づけが主として説明のために提供され、且つ、限定的な方法で解釈されてはならないことは言うまでもない。代替の実施例、及び、別の姿勢を含む図及びイラストのそれぞれと向き合うときに、本書で提供される座標系を当業者が容易に変換し且つ/或いは移動させ得ることが理解されるべきである。さらに、本開示のために、その座標系X−Y−Zが、刃セット20を含む切断ヘッド18の主方向及び幾何学的配置とほぼ一致している点は言及する価値がある。
図2は、図1に示されるような毛切断装置に取り付けられ得る切断ヘッド18の典型的な実施例の上面斜視図を示す。切断ヘッド18は、上述のような刃セット20を備える。刃セット20は、静止刃22及び(図2では隠されている。)可動刃24を有する。これに関連し、図3に示された刃セット20の分解図が更に参照される。静止刃22及び可動切断刃24は、互いに対して動くように構成されている。それによって、それらの個別の刃先で毛を切ることができる。
静止刃22は、皮膚に対向する表面と見なされ得る頂面32を更に有する。通常、シェービング装置として動作する際には、毛切断装置10は、頂面32が基本的に皮膚に平行となるように、或いは、皮膚に関して僅かに傾けられるように方向付けられる。しかしながら、代替的な動作モードも想定され得る。そのモードでは、頂面32は、必ずしも皮膚に平行或いは少なくともほぼ平行である必要はない。例えば、毛切断装置10は、ひげのスタイリング、或いはより一般的には、ヘア(毛)のスタイリングのために更に使用されてもよい。毛のスタイリングは、異なるように処置されたユーザの2つの毛部分又は2つのひげ部分の間のかなり鋭い境界又は推移の処理を目的とし得る。例として、毛のスタイリングは、もみあげ(sideburn)又は顔の毛の更に目立つ部分(patch)の正確な整形を含み得る。その結果、スタイリングモードで使用された場合、頂面32と現に処置される皮膚の部分とが角度をなして、具体的には互いにほぼ垂直に配置される。
しかしながら、主に説明目的のために、頂面32、並びに、毛切断装置10における同様に方向付けられる部分及び構成要素は、以下では、皮膚に対向する構成要素及び部分と見なされ得る。その結果、反対のやり方で方向付けられる要素及び部分は、以下では、後方に方向付けられた要素及び部分というよりはむしろ皮膚に背を向ける要素及び部分と見なされ得る。
上述のように、静止刃22は、少なくとも1つの歯付き先端縁30を定め得る。図2に示されるように、静止刃22は、縦方向Xにおいて互いにオフセットされている(ずらされている)第1先端縁30a及び第2先端縁30bを定め得る。少なくとも1つの歯付き先端縁30a、30bは、通常、横方向Yに延び得る。頂面32は、縦方向X及び横方向Yによって定められる平面にほぼ平行である表面と見なされ得る。少なくとも1つの歯付き先端縁30のところには、静止刃22の複数の歯36が提供され得る。歯36は、個々の歯スロットと交互に配置され得る。歯スロットは、歯36間の隙間を定め得る。毛を通って毛切断装置10が移動方向28(図1)に動かされたときに、毛はそれらの隙間に入り得る。
静止刃22は、例えば、金属−プラスチック複合の構成要素として配置され得る。言い換えれば、静止刃22は、金属部材40(図3も参照。)を提供するステップ、及び、金属部材40とプラスチック部材38の接合ステップを含むプラスチック部材38の形成ステップ(より正確には成形ステップ)を含み得る複数ステップの製造方法から取得され得る。これは、具体的には、インサート成形プロセス、アウトサート成形プロセス又はオーバーモールドプロセスによって静止刃22を形成することを含み得る。通常、静止刃22は、2つの構成要素で構成される静止刃22と見なされ得る。しかしながら、静止刃22は望ましくは一貫製造プロセスによって形成されるので、基本的には、静止刃22を形成するときに従来の組み立てステップは必要とされない。むしろ、一貫製造プロセスは、ネットシェイプ(net shape)製造ステップ、又は、少なくとも、ニアネットシェイプ(near net shape)製造プロセスを含み得る。例として、プラスチック部材38を金属部材40に接合することも含み得るプラスチック部材38の成形は、静止刃22のニアネットシェイプ又はネットシェイプ構成を容易に定め得る。金属部材40がシートメタルから作られることが特に望ましい。プラスチック部材38が射出成形可能なプラスチック材料から作られることが特に望ましい。
異なる構成要素から静止刃22を形成すること、具体的には、静止刃22を一体的に形成することは、作動中に高い荷重に耐える必要があるその一部が、個別の高強度材料(例えば金属材料)で形成され、一方で、通常は作動中に大きな荷重にさらされないその一部が、製造コストを顕著に低減させ得る別の材料で形成され得るという利点を更に有し得る。プラスチック−金属の複合部品として静止刃22を形成することは、皮膚接触がより快適なものとしてユーザに体験され得るという利点を更に有し得る。具体的には、プラスチック部材38は、金属部材40と比較した場合、大幅に低減された熱伝導率を示し得る。その結果、毛を切るときにユーザによって感知される熱放射は低減され得る。従来の毛切断装置では、発熱は、切断性能を改善することに対する大きな障壁と見なされ得る。発熱は、基本的には、毛切断装置の出力及び/又は切断速度を制限する。基本的に断熱材(例えばプラスチック材料)を加えることによって、発熱スポット(例えば刃先)からユーザの皮膚への熱伝達は大幅に低減され得る。これは、具体的には、プラスチック材料で形成され得る静止刃22の歯36の先端に当てはまる。
静止刃22を一体的に形成された金属−プラスチック複合部品として形成することは、更なる機能が静止刃22のデザイン内に統合され得るという利点を更に有し得る。言い換えれば、静止刃22は、追加的な構成要素をそれに取り付け或いは搭載する必要なく、高められた機能性を提供し得る。
例として、静止刃22のプラスチック部材38には、いわゆる側面プロテクタとも見なされ得る側方保護要素42を装着され得る。側方保護要素42は、静止刃22の側端をカバーし得る(図3及び図10も参照。)。その結果、金属部材40の比較的鋭利な側端での直接的な皮膚接触が回避され得る。これは、シェービングの際に皮膚に近いところで毛を切ることができるように静止刃22の金属部材40が比較的薄くなっているため、特に有益となり得る。しかしながら、その一方で、金属部材40の比較的薄い構成は、シェービングの際に皮膚表面を摺動するときに皮膚炎を引き起こし得る。具体的には、金属部材40のうちの皮膚と接触する部分は、実際には極めて薄いので比較的鋭利な刃先が残り得るため、金属部材40及び静止刃22が実際に薄いほど、皮膚炎或いは更には皮膚の切り傷のリスクがより高くなり得る。それ故に、少なくともいくつかの実施例では、金属部材40の側面を隠蔽することが望ましい。側方保護要素42は、鉛直方向すなわち高さ方向Zにおいて、頂面から突出し得る。少なくとも1つの側方保護要素42は、プラスチック部材38の一体化された部分として形成され得る。
静止刃22は、リンク機構50への迅速な取り付け及びリンク機構50からの迅速な取り外しを可能にし得る取付要素48を更に備え得る。取付要素48は、プラスチック部材38のところに(具体的にはプラスチック部材38と一体的に形成されて)配置され得る(図3及び図10も参照。)。取付要素48は、取付突起(具体的にはスナップオン式取付要素)を有し得る。取付要素48は、リンク機構50における個別の取付要素と協働するように構成され得る。更に別個の取付部材無しに、刃セット20がリンク機構50に取り付けられ得ることが特に望ましい。
リンク機構50(図2参照。)は、毛切断装置10における刃セット20とハウジング12を接続し得る。リンク機構50は、刃セット20が毛を通って案内されているときに、作動中に刃セット20が回動し或いは旋回し得るように構成され得る。リンク機構50は、刃セット20に輪郭追従能力を提供し得る。いくつかの実施例では、リンク機構50は、4バー・リンク機構として配置される。これは、刃セット20の規定の旋回特性を可能にし得る。リンク機構50は、刃セット20のための実質上の旋回軸を定め得る。
図2は、偏心結合機構58を更に示している。偏心結合機構58は、毛切断装置10の駆動機構すなわちドライブトレイン16の一部と見なされ得る。偏心結合機構58は、回転駆動運動(図2の参照数字64で示される湾曲矢印を参照。)を静止刃22に関する可動刃24の往復運動(この点に関しては図12の参照数字126で表される双方向矢印も参照。)に変換するように配置され得る。偏心結合機構58は、軸62の回りを回転駆動されるように構成される駆動シャフト60を有し得る。刃セット20に向き合う駆動シャフト60の前端のところには、偏心部66が提供され得る。偏心部66は、(中心)軸62からオフセットされている円筒部を有し得る。駆動シャフト60が回転すると、偏心部66は、軸62の回りを周回し得る。偏心部66は、可動刃24に取り付けられ得る伝達部材70と係合するように配置される。
図3に示される分解図を更に参照し、伝達部材70が更に詳細に説明される。伝達部材70は、駆動シャフト60の偏心部66によって係合されるように構成され得る往復動要素72を有し得る(図2参照。)。その結果、往復動要素72は、駆動シャフト60によって往復駆動され得る。伝達部材70は、可動刃24(具体的にはその主部78)と接触するように構成され得る接続ブリッジ74を更に有し得る。例として、接続ブリッジ74は、可動切断刃24に接合され得る。接合は、はんだ付け、溶接、及び、同様のプロセスを含み得る。しかしながら、少なくともいくつかの実施例では、伝達部材70における接続ブリッジ74又は同様の接続要素は、むしろ可動切断刃24に取り付けられてもよい。本書で用いられる取り付けは、プラグイン、押し込み、圧入、又は、同様の取付工程を含み得る。伝達部材70は、接続ブリッジ74のところに配置され得る取付要素76を更に有し得る。取付要素76のところで、往復動要素72は、接続ブリッジ74に取り付けられ得る。例として、接続ブリッジ74及び取付要素76は、金属部品として配置され得る。例として、往復動要素72は、プラスチック部品として配置され得る。例えば、取付要素76は、接続ブリッジ74のところで往復動要素72を固定するためのスナップオン式の要素を含み得る。しかしながら、代替例では、取付要素76は、往復動要素72が接続ブリッジ74にしっかりと接合される場合には、往復動要素72のための固着要素と見なされ得る。
この点に関し、伝達部材70が主として横往復駆動運動を可動切断刃24に伝えるために配置され得ることに言及する価値がある。しかしながら、伝達部材70は更に、刃セット20における可動切断刃24のための損失防止装置としての機能を果たすために配置され得る。
図3は、静止刃22のプラスチック部材38及び金属部材40を分解状態で更に示している。静止刃22が一体的に形成されることが望ましいため、プラスチック部材38は、通常、切り離された単一の状態では存在しないことはこの文脈において言及する価値がある。むしろ、少なくともいくつかの実施例では、プラスチック部材38を形成することは、プラスチック部材38を金属部材40にしっかりと接合することを必然的に含む。
静止刃22は、少なくとも1つの側部開口68を有し得る。可動切断刃24は、その少なくとも1つの側部開口68を通じて挿入され得る。それ故に、可動切断刃は、横方向Yに挿入され得る。しかしながら、少なくともいくつかの実施例では、伝達部材70は、基本的に鉛直方向Zに沿って可動切断刃24のところに動かされ得る。それ故に、可動切断刃24と伝達部材70を結合することは、最初に、静止刃22の側部開口68を通じて可動切断刃24を挿入し、そして第2に、可動切断刃24が静止刃22内に配置されたときに、可動切断刃24に伝達部材が接続されるように、鉛直方向Zに沿って伝達部材を静止刃22に供給し或いは動かすことを含み得る。
通常、可動切断刃24は、主部78に隣接する少なくとも1つの歯付き先端縁80を有し得る。具体的には、可動切断刃24は、第1先端縁80aと、第1先端縁80aから縦方向にオフセットされた第2先端縁80bとを有し得る。少なくとも1つの先端縁80には、各歯スロットと交互に配置される複数の歯82が形成され得る。歯82のそれぞれは、具体的にはその側面に刃先84を備え得る。可動切断刃24における少なくとも1つの歯付き先端縁80は、可動切断刃24と静止刃22との相対運動が引き起こされたときに、静止刃22における各歯付き先端縁30と協働するように配置され得る。その結果、静止刃22の歯36と可動切断刃24の歯82は、毛を切るために協働し得る。
図4〜図9を特に参照し、静止刃22の典型的な実施例の構造及び構成が更に詳説され且つ図解される。図4は、静止刃22の部分上面図であり、金属部材40の隠されている部分が説明目的のために示されている(図5も参照。)。静止刃22の歯36には先端86が形成され得る。先端86は、主にプラスチック部材38によって形成され得る。しかしながら、歯36のかなりの部分が、金属部材40によって形成され得る。図5から最もよく見て取れるように、金属部材40は、歯36のかなりの部分を形成し得るいわゆる歯幹部88を有し得る。歯幹部88は、可動切断刃24の歯82の刃先84と協働するように構成される個々の刃先94を備え得る。歯幹部88の縦方向の端部には固着要素90が配置され得る。固着要素90は、金属部材40とプラスチック部材38の接続を更に強め得る確動ばめ(positive fit)接触要素と見なされ得る。
例として、固着要素90は、刻み目(undercut)又は凹部(recess portion)を備え得る。その結果、固着要素90は、かかり付き(barbed)固着要素として配置され得る。好ましくは、固着要素90と接触するプラスチック部材38の各部は、損傷或いは破壊なしでは、金属部材40から切り離されず或いは解放されない。言い換えれば、プラスチック部材38は、切り離せないように金属部材40に関連づけられ得る。図5に示されるように、固着要素90は、凹部又は穴92を備え得る。穴92は、例えば、スロット穴として配置され得る。プラスチック部材38を成形する場合、プラスチック材料は、穴92に入り得る。図6及び図8から最もよく見て取れるように、プラスチック材料は、(鉛直)両側から、すなわち、上側及び底側から固着要素90の凹部又は穴92を満たし得る。その結果、固着要素90は、プラスチック部材38によって完全に覆われ得る。固着要素90に隣接して先端86は形成され得る。プラスチック部材38から先端86を形成することは、比較的柔らかい材料から先端縁30の前端が形成されるという利点を更に有し得る。前端は、縁を柔らかくするために更に丸められ或いは面取りされ得る。その結果、先端縁30の前端とユーザの皮膚との接触は、通常、皮膚炎又は同様の悪影響を引き起こすものとして体験されることはない。また、プラスチック部材38は、通常、金属部材40に比べ、比較的低い熱伝導率係数を備えるので、先端36での高温スポットは回避され得る。
図6、図7及び図8の断面図から最もよく見て取れるように、先端縁30の前端における歯36の先端86の縁は顕著に丸められ得る。更に見て取れるように、歯36の領域における頂面32での金属部材40とプラスチック部材38との間の推移は、実質的にシームレス或いはステップレスとなり得る。この点については図9が更に参照される。固着要素90の上側(皮膚に対向する側)が頂面32からオフセットされるように固着要素90を形作ることが有利となり得る。その結果、固着要素90の皮膚に対向する側も、プラスチック部材によってカバーされ得る(図8も参照。)。一実施例では、固着要素90は、頂面32に関して傾けられ得る。固着要素90は、歯幹部88に関して角度α(アルファ)で配置され得る。頂面32に関して固着要素90が後方に曲げられることが更に望ましいこととなり得る。少なくともいくつかの実施例では、固着要素90は、歯幹部88より薄くてもよい。これは、成形の際にプラスチック部材38によって満たされ得る空間を更に大きくし得る。
図6を更に参照し、静止刃22が更に詳細に説明される。静止刃22は、可動切断刃24のためのガイドスロット96を定め且つ取り囲み得る。この目的のため、静止刃22は、第1壁部100及び第2壁部102を有し得る。この開示の目的のため、第1壁部100は、皮膚に対向する壁部と見なされ得る。これは、刃セット20がシェービングのために使用される場合に特に当てはまる。その結果、第2壁部102は、皮膚に背を向ける壁部と見なされ得る。言い換えれば、第1壁部100は、上側壁部としても参照され得る。第2壁部102は、底側壁部としても参照され得る。
第1壁部100及び第2壁部102は、一緒になって静止刃の歯36を定め得る。歯36は、可動切断刃24(具体的には少なくとも1つの歯付き先端縁80に配置された歯82)のためのスロットすなわち隙間を有し得る。上述のように、第1壁部100の少なくともかなりの部分は、金属部材40で形成され得る。第2壁部102の少なくともかなりの部分は、プラスチック部材38で形成され得る。図6に示される典型的な実施例では、第2壁部102は、完全にプラスチック部材38で形成されている。一方、第1壁部100は、プラスチック部材38及び金属部材40で一緒に形成されている。これは、特に先端縁30に当てはまる。第1壁部100は、その歯部のそれぞれのところで、接合部106を有し得る。そこでは、プラスチック部材38が金属部材40に接合される。接合部106は、金属部材40の固着要素90と、固着要素90を覆うプラスチック部材38のプラスチック材料とを含み得る。
図6及び図8は歯36を通る断面を示す(図4のVI−VI線も参照。)。一方、図7は、歯スロットを通る断面を示す(図4のVII−VII線を参照。)。図6及び図7から見て取れるように、第1壁部100及び第2壁部102は、歯36を含む先端縁30を一緒に形成し得る。第1壁部100及び第2壁部102は、各歯36の基本的にU字形状の横断面を一緒に定め得る。第1壁部100は、そのU字形状の第1脚部110を定め得る。第2壁部102は、そのU字形状の第2脚部112を定め得る。第1脚部110及び第2脚部112は、歯36の先端86のところで接続され得る。第1脚部110と第2脚部112との間には、可動切断刃24のためのスロットすなわち隙間が備えられ得る。
図6から更に見て取れるように、第1壁部100は、静止刃22の第2壁部102より顕著に薄くてもよい。その結果、皮膚に対向する第1壁部100で、毛は、皮膚に極めて近いところで切断され得る。それ故に、第1壁部100(特に金属部材40)の厚みを低減させることが望ましい。例として、金属部材40の厚みltm(図7参照。)は、具体的には歯幹部88のところで、約0.08mmから0.15mmまでの範囲内となり得る。その結果、第1壁部100そのものは、かなり小さい強度と剛性を示し得る。それ故に、第2壁部102を追加することで、第1壁部100を補強し或いは強化することが有益である。第2壁部102の厚みは、最小限の実現可能な切断長さ(例えば皮膚に残っている毛の長さ)に基本的に影響しないため、第2壁部102の厚みは、具体的には各先端縁30のところで、第1壁部100(具体的には金属部材40)の厚さltmよりも顕著に大きいものとなり得る。これは、静止刃22に十分な強度と安定性をもたらし得る。図6から更に見て取れるように、第1壁部100及び第2壁部102は、少なくとも部分的にその横方向延長部に沿って、基本的に閉じた輪郭を形成し得る(この関連では図10及び図11も参照。)。これは、静止刃22が第1先端縁30a及び第2先端縁30bを備える場合に、特に当てはまり得る。その結果、静止刃22の剛性、具体的には曲げ応力又はねじり応力に対する剛性は、更に増大され得る。
一実施例では、第2壁部102は、各先端縁30における第2脚部112に隣接して、傾斜部116を有し得る。鉛直方向Z及び横方向Yによって定められる中心平面に関して静止刃22が基本的に対称形状である場合を想定すると、第2壁部102は、傾斜部116に隣接する中央部118を更に有し得る。それ故に、中央部118は、第1傾斜部116と第2傾斜部116との間に置かれ得る。第1傾斜部116は、第1先端縁30aのところで各第2脚部112に隣接して位置付けられ得る。第2傾斜部116は、第2先端縁30bのところで各第2脚部に隣接して位置付けられ得る。それ故に、図6から最もよく見て取れるように、第2壁部102は、主に傾斜部116及び中央部118によって定められる基本的にM字形状の断面を有し得る。
図10及び図11を更に参照し、静止刃22のプラスチック部材38の典型的な実施例の形状及び構成が更に詳細に説明される。図10で最もよく見て取れるように、傾斜部116a、116bは、基本的に、プラスチック部材38の全長(横方向長さ)にわたって延び得る。先端縁30a、30bは、通常、プラスチック部材38の両(側方)端に配置される第1側方保護要素42と第2側方保護要素42の間に延び得る。基本的にガイドスロット96の底側を定める、図8に示されるプラスチック部材の凹部は、通常、金属部材40によって覆われる(図2参照。)。
図11から最もよく見て取れるように、傾斜部116a、116bの間の中央部118は、通常、プラスチック部材38の全長(横方向長さ)のかなりの部分にわたって延び得る。しかしながら、中央部118と並行して、少なくとも1つの開口スロット120が提供され得る。図10及び図11に示される典型的な実施例に従って、中央部118は、第1開口スロット120aと第2開口スロット120bとの間に配置され得る。開口スロット120a、120bは、少なくとも1つの開口を定め得る。組み立てられた状態で、可動切断刃24は、その少なくとも1つの開口を通じて、伝達部材70によって接触され得る。図10で最もよく見て取れるように、プラスチック部材38は、少なくとも1つのガイド要素122(具体的には、接続ブリッジ74ひいてはそれに接続される可動切断刃24をガイドするように構成され得る複数のガイド要素122)を更に有し得る。一実施例では、複数のガイド要素122は、対で配置され得る。そして、各対は、中央部118の横方向にずらされた端部に配置される。ガイド要素122は、基本的に鉛直に延びる凸状輪郭として配置され得る。ガイド要素122は、伝達部材70及び可動切断刃24の縦方向位置を定め得る。
中央部118、及び、具体的には伝達部材70のための少なくとも1つの開口スロット120は、代替実施例では異なるように構成され得ることは、この点において更に言及する価値がある。例として、一実施例では、中央部118は、単一の開口スロット120によって中断される。そして、接続ブリッジ74は、その単一の開口スロット120を通じ、可動切断刃24と接触し得る。それ故に、伝達部材70の接続ブリッジ74が必ずしも、図3で見て取れるように横方向Yにおいて互いからかなり間隔を空けて配置される、可動切断刃24のための2つの接触スポットを有する必要がないことが強調される。むしろ、接続ブリッジ74は、(横方向)中央部で可動切断刃24と接触してもよい。
図12、図13及び図14を特に参照し、可動刃24が取り付けられた静止刃22を含む刃セット20が更に詳細に説明される。図12は、刃セット20の部分上面図であり、可動切断刃24の隠されている輪郭が破線で示されている。図13は、図12に示された構成の断面図である。そこでは、断面は、静止刃22のところにある歯36と、可動切断刃24のところにある歯スロットとを含む(図12のXIII−XIII線を参照。)。一方、図14に示される断面図は、静止刃22のところにある歯スロットと、可動切断刃24のところにある歯82とを含む(図12のXIV−XIV線を参照。)。可動切断刃24は、往復動の方法で静止刃22に関して駆動され得る(図12の126で示された双方向矢印を参照。)。静止刃22と可動切断刃24の相対運動の際に、各歯36及び各歯82は、各歯スロットに入る毛を切るために協働し得る。
基本的に駆動運動を可動切断刃24に伝達するように構成される伝達部材70は、静止刃22を通って延び得る。具体的には、静止刃22の中央部118と関連付けられた少なくとも1つの開口スロット120を通って延び得る(図11参照。)。図14は、伝達部材70ひいては可動切断刃24をガイドし得る一対のガイド要素122を更に示す。ガイド要素122は、静止刃22のところで伝達部材70及び可動切断刃24の縦方向の位置を定め得る。
少なくともいくつかの実施例では、規定の方法で可動切断刃24がガイドスロット96内に配置されることが特に望ましい。可動切断刃24をその所望の位置に維持し且つ第1壁部100と密接した状態を維持するために、更なる取付部材(具体的には付勢部材)が必要とされないことが更に望ましいものとなり得る。これは、静止刃22が第1壁部100と第1壁部100の反対側にある第2壁部102とを備えるために実現され得る。壁部100、102の双方は、可動切断刃24の鉛直位置(Z位置)が精密(close tolerance)に定められ得るように、可動切断刃24(具体的にはその歯82)のための正確なはめ合いスロットを定め得る。これは、刃セット20の製造コスト及び組み立てコストを顕著に低減させ得る。
例として、静止刃22及び可動切断刃24は、可動切断刃24が少なくとも部分的にほぼ平坦な態様で第1壁部100と接触するように構成され得る。これは、各歯部に特に当てはまる。刃セット20が作動させられたときにそのような構成が実際には完璧な面接触を必要としないことはこの文脈において言及する価値がある。一方、少なくとも作動の際に、小さな接触面積のみが残るように、静止刃22及び/又は可動切断刃24が曲げられ或いはプレロードされる(前もって負荷が加えられる)ことが想定され得る。しかしながら、第1壁部100は、少なくとも、(鉛直)方向Zにおける可動切断刃24のための規定のリミット停止部としての機能を果たし得る。第2壁部102は、各歯付き先端縁30に関連付けられた突出接触面130を有し得る。突出接触面130は、第2壁部102における第2脚部112と傾斜部116との間の推移部のところに配置され得る(図14参照。)。突出接触面130は、可動切断刃24のためのガイドスロット96のところにおける結果として生じる隙間すなわち高さの寸法を定め得る。結果として生じる隙間lcl(図7参照。)は、取り付け対象の可動切断刃24のための規定のクリアランスが提供されるように、定められ得る。その結果、可動切断刃24は、少なくとも非作動状態で、顕著なプレロード無しに、静止刃22のところに配置され得る。しかしながら、更に別の実施例では、スロット96における取り付け対象の可動切断刃24のための隙間すなわち高さの寸法は、基本的に締まりばめがもたらされるように、定められ得る。その結果、可動切断刃24は、静止刃22によって少なくとも僅かにプレロードされ得る。可動切断刃24の高さの寸法すなわち厚みの寸法lt(図14参照。)は、少なくとも、その少なくとも1つの歯付き先端縁80のところで、0.1mmから0.18mmの範囲内となり得る。
図15は、静止刃22の側面図を示す。この点に関しては、各側断面図を示す図6が更に参照される。図6で最もよく見て取れるように、静止刃22のプラスチック部材38は、基本的に、開いた輪郭を形成し得る。可動切断刃24のためのガイドスロット96を取り囲む閉じた輪郭は、プラスチック部材38と金属部材40によって一緒に形成され得る(図6も参照。)。しかしながら、例えば図10及び図11に示された側方保護要素42に関し、注目すべきは、プラスチック部材38が実際には部分的に閉じた輪郭を形成し得ることである(図15も参照。)。しかしながら、具体的には、静止刃22の歯付き先端縁30a、30bのところで、プラスチック部材38は、開いた輪郭と見なされ得る。既に示されたように、追加の付勢要素の必要なしに、静止刃22が規定の方法で可動切断刃24を受け入れるように構成されることが特に好ましい。それ故に、規定の厚み寸法ltを有する可動切断刃24(図17参照。)が規定の方法でガイドスロット96内に取り付けられるように、ガイドスロット96が規定のクリアランス寸法lclをもたらすことが好ましい。
毛切断装置10の切断作用は、基本的には、静止刃22に関する可動切断刃24の相対運動(具体的には往復横方向運動(図12の矢印126を参照。))に起因する。可動切断刃24と静止刃22との間の相対運動、具体的には相対滑走運動又は滑り運動は、基本的には摩擦を含み、それ故に、熱を発生させ得る。それ故に、顕著なプレロード力無しに、具体的には、鉛直方向(Z方向)における顕著なプレロード無しに、可動切断刃24がガイドスロット96内に受け入れられることが好ましい。一方で、基本的に遊び無しで、或いは、少なくともほぼ遊び無し(この状態は、鉛直方向Zにおいて極めて僅かなクリアランスで可動切断刃24を取り付けることを含み得る。)で、可動切断刃24がガイドスロット96のところに受け入れられることが好ましい場合がある。その結果、ガイドスロット96内の結果として生じるクリアランス寸法lclを定めることは、発熱と電力消費を大きく見せる原因となり得る(鉛直方向の)プレロード力の低減と、切断性能を悪化させる恐れがある(可動切断刃24と静止刃22との間のそれらの刃先での最小の隙間(具体的には鉛直方向における最小の隙間)が大きくなり過ぎたときに毛の詰まりさえも伴う恐れがある)、ガイドスロット96内で結果として生じる可動切断刃24の遊び(具体的には鉛直方向の遊び)の極小化とのトレードオフと見なされ得る。
少なくともいくつかの実施例では、静止刃22を金属−プラスチック複合部材として形成することが好ましいとされるため、製造の特殊性が考慮される必要がある。具体的には、プラスチック部材38に関し、成形プロセスに伴う効果が考慮される必要がある。成形部品、具体的には射出成形部品は、通常、プラスチック部材38の性能に悪影響を与え得る、収縮、反り、及び、ある程度の水分吸収にさらされる。
しかしながら、プラスチック部材38及び各金型の形状及び構造を定めるときに、当業者は、収縮及び反りを考慮に入れ、そして、結果として得られるプラスチック部材38が所望の形状を有するように、成形対象のプラスチック部材38のための金型を形成し得る。言い換えれば、反り及び収縮は予測され得る。そして、それは、金型を“間違った”形状で形成することを含み得る。成形されたプラスチック部材38は、具体的には冷却の際に、ゆがみ或いは収縮し、その結果として、所望の最終形状まで変形する。この点において、ゆがみ及び収縮に影響を与えることができる点は更に言及する価値がある。これは、例えば冷却時間を変えることで、冷却プロセスに影響を与えることを含み得る。ゆがみ及び反りに影響を与えるための更なる手段は、プラスチック部材38が冷却されているときにその形状を定めるために、ガイドスロット96のところに冷却ゲージ(cooling gage)を配置することを含み得る。そのような冷却ゲージは、ガイドスロット96のためのダミーと見なされ得る。通常、金属部材40と一緒に静止刃22のための金型内に置かれる代替構成要素によってガイドスロット96が定められることが望ましい場合がある。成形された金属−プラスチック複合の静止刃22の金型内での滞留時間ばかりでなく、代替構成要素のガイドスロット96内での滞留時間も、プラスチック部材38の最終形状に影響を与え得る。
一体化された金属−プラスチックの静止刃22を形成するときに、当業者は、各先端縁30のところで(具体的には向かい合って配置された2つの先端縁30a、30bのところで)プラスチック部材38及び金属部材40が互いに接合されているという事実を更に考慮に入れる必要があるかもしれない。その結果、基本的に2つの異なる材料(金属材料及びプラスチック材料)が組み合わされるという事実が考慮される必要がある。通常、例えばシートメタル鋼といった金属材料は、プラスチック材料に対してかなり硬いものと見なされ得る。言い換えれば、金属部材40は、基本的に、固着要素90とプラスチック材料が互いに接合されるところである接合部106のところでプラスチック部材38の場所を定める(図4及び図5も参照。)。
プラスチック部材38及び成形プロセスは、静止刃22の完成状態において金属部材40が基本的に平面的で且つ平らとなるように、構成され得る。そのような実施例は図15に示されている。その結果、可動切断刃24(図17参照。)は、基本的に、その皮膚に対向する側の少なくともかなりの部分で金属部材40と接触し得る。皮膚に背を向ける側では、可動切断刃24は、ガイドスロット96のクリアランス寸法lclを定める突出接触面130によってガイドされ得る。突出接触面130は、個別の接触要素158を有し得る。金属部材40の裏側(又は底側)と接触要素158は、可動切断刃24のためのガイドスロット96内で個別の隙間を定め得る。少なくともいくつかの実施例では、結果として生じるクリアランス寸法lclが、可動切断刃24の厚み寸法ltよりも僅かに大きくなるような方法でプラスチック部材38を形成することが特に望ましい。しかしながら、少なくともいくつかの代替実施例では、ガイドスロット96のクリアランス寸法lclは、可動切断刃24の厚み寸法ltよりも僅かに小さいものとなり得る。従って、静止刃22のところで可動切断刃24の締まりばめをもたらすことができる。
更に別の典型的な実施例では、静止刃22は、可動刃24のための有益な取り付け及び接触構成が実現されるように、規定の方法で成形される際に変形され得る。そのような実施例は、図16及び図17に関連して、更に詳細に説明される。プラスチック材料は、成形後の冷却の際に基本的に収縮する。さらに、比較的小さい厚みを有している壁部は、通常、より大きな厚みを有する壁部よりも早く固まる。厚みが大きくなるほど、壁部は、冷却のときに消散される必要があるより多くの熱エネルギを包含し得る。上述のように、冷却プロセスは、更に、静止刃22の所望の最終形状を得るために、少なくともある程度は制御され得る。冷却管理は、静止刃22のための金型にある各流路における冷却流体の流れを選択的に作動させ且つ制御することを更に含み得る。
強調された状態で図16に示されるように、当業者は、プラスチック部材38の収縮に関連するゆがみから利益を得ることができる。金属部材40は比較的硬い部品であるため、基本的に金属部材40で形成される第1壁部100(図6参照。)のところでは基本的に顕著な収縮は存在しない。しかしながら、少なくとも実質的にプラスチック部材38によって形成される第2壁部102のところでは、顕著な収縮、及びその結果としてのゆがみが発生し得る。言い換えれば、第2脚部112、傾斜部116及び中央部118は、冷却に関連する収縮を受け得る。その結果、静止刃22は、参照数字150で表される湾曲矢印によって図16で示されるように、全体として僅かに変形され得る。言い換えれば、第2壁部102での顕著な収縮により、静止刃22の歯付き先端縁30a、30bは、ある程度まで後方に曲げられ得る。これは、いくつかの有益な効果を有し得る。
図16に示される静止刃22の主要な全体的な変形を考慮すると、突出接触面130にある接触要素158は、可動切断刃24の背面すなわち底面に関して基本的に内側に動かされ得る。これは、正確な接触スポットを定め得る。より具体的には、可動切断刃24が僅かにプレロードされるところである規定の接触線を定め得る(図17の参照数字152で指定される各ブロック矢印を参照。)。その結果、接触要素158は、鉛直方向(Z方向)に可動切断刃24を僅かに付勢し得る。一方、金属部材40の湾曲形状を考慮すると、可動切断刃24の頂面又は前面に与えられる各反作用接触力は、縦方向にオフセットされた位置のところで可動切断刃24に加えられ得る(図17の参照数字154で示される各ブロック矢印を参照。)。例示目的のため、図17のブロック矢印154は、とがっていない先端を有する。これは、金属部材40から可動切断刃24に加えられる反作用プレロード力が基本的に面積的に(すなわち分散された方法で)それに加えられることを示し得る。プラスチック部材38の収縮に関連するゆがみによって少なくとも僅かに曲げられ或いは変形されているが、金属部材40は、それでもなお、比較的平らな構成要素と見なされ得る。金属部材40の歯幹部88(図5参照。)と可動切断刃24の歯82は、基本的に位置合わせされ且つ広範囲にわたって接触していることが特に望ましい。これは、具体的には、歯82及び歯幹部88のそれぞれの刃先84、94での摩耗を最小限に抑え得る。さらに、切断性能は、このようにして向上され得る。
可動刃24の上側及び底側で可動刃24に加えられたプレロードを考慮すると、静止刃22の主な湾曲変形に従って、可動切断刃24も僅かに変形し得る。それ故に、接触力(図17の参照数字152)が可動切断刃24の底面に加えられるところである接触スポットが、プレロード(図17の参照数字154)が可動切断刃24の頂面に加えられるところである個別の接触スポットから内側にオフセットされていることが特に有益である。
図18a、図18b及び図18cを更に参照すると、突出接触部130と接触要素158の典型的な実施例が図解され且つ以下で詳細に説明される。図15及び図16で既に示されたように、突出接触部130は、第2壁部102における第2脚部112と傾斜部116の間の推移部のところに提供され得る。図15及び図16では、接触要素158は、基本的に、第2脚部112と傾斜部116との交点又は境界として配置されている。そして、第1壁部100としての金属部材40に対向して内側を向き或いは金属部材40に向かって突出している。
図18a、図18b及び図18cで見て取れるように、突出接触部130は、代替的に、第2壁部102のところにある高くされた或いは隆起した要素として形成され得る。図18aで示されるように、突出接触部130は、例えば、ほぼ長方形の形状を有する。通常、突出接触部130は、接触面として形成された区別可能な接触要素158を有し得る。図18aに示された接触要素158は、第1壁部100の金属部材40の底面に実質的に平行に配置され得る。基本的に、平面的なすなわち平らな接触要素158と可動切断刃24との間の広範囲に及ぶ面接触が実現され得る。
図18b及び図18cは、突出接触部130が大まかには湾曲した接触要素158を有し得ることを示している。図18b及び図18cの各断面図は、接触要素158が基本的に半円形の或いは丸みを帯びた接触面を有し得ることを更に示している。図18bにおける突出接触部130は大まかには弓形に形成されているが、図18cにおける突出接触部130は、むしろ、可動切断刃24と接触するために接触要素158に配置されるところである丸められた先端を含むくさび形であってもよい。図15及び図18a〜図18cに示された突出接触部130の実施例に関し、それらの正確な外観及び形状が比較的広い範囲内で変更され得ることには更に注意すべきである。具体的には、接触要素158の形状は、静止刃22の第2壁部102と可動切断刃24との間で結果として生じる接触面のサイズに影響を与えるように変更され得る。さらに、可動切断刃24に関する接触要素158の縦方向位置(X位置)も変更され得る。しかしながら、少なくともいくつかの実施例では、第2壁部102と可動切断刃24との間の接触スポットが、第1壁部100と可動切断刃24との各接触スポットから内側にオフセットされることが望ましい(図17も参照。)。それ故に、ガイドスロット96において可動切断刃24がプレロードされ或いは予め曲げられ得る。その結果、僅かに凸状の全体形状を示し得る。
静止刃22及び可動切断刃24を含む基本的にプレロードされたアセンブリが、少なくとも僅かに張力をかけた付勢部材としての機能を果たし得ることが更に有益となり得る。結果として得られる刃セット20の組立構造が、少なくとも部分的に、少なくとも僅かに可撓性であることを考慮して、可動切断刃24のための規定の取り付け条件と、刃セットのための規定の動作条件とが提供され得る。しかしながら、図16におけるプレロードされた静止刃と、図20におけるプレロードされた可動切断刃とが、たとえそれらが反対の方向に変形されているとしても、組み合わされるかもしれないこともこの点において言及されるべきである。
図19、図20及び図21を特に参照し、静止刃22のガイドスロット96における可動切断刃24の規定のクリアランスでの取り付けの実現のための代替的なアプローチが更に説明され且つ図解される。図19は、基本的に平坦な形状を有する可動切断刃24の側面図を示す。図20は、予め僅かに曲げられ或いは荷重がかけられた(プレロードされた)可動切断刃24の側面図を示す。図21は、静止刃22と静止刃22の各ガイドスロット96に挿入されるプレロードされた可動切断刃24とを含む刃セット20の更なる側面図を示す。図21で示された構成を考慮すると、可動切断刃24は、金属部材40の頂面32に関し、基本的に凹状の或いは前方に曲げられた形状を有し得る。これは、基本的に、第2壁部102の中央部118にあるその底面で可動切断刃24が受けられることを含み得る。それ故に、中央部118でも、個別の接触部130が提供されてもよい。その結果、プレロード力(図20の参照数字164で示されるブロック矢印)が、可動切断刃24の縦方向中央部で、可動切断刃24に加えられ得る。
一方、その上側で、可動切断刃24は、その歯付き先端縁80の領域で金属部材40と接触し得る。その結果、図20で示される可動切断刃24の凹形状を考慮すると、個別の接触力又はプレロード力が、比較的距離が空けられた2つの接触スポットのところで、可動切断刃24に加えられ得る(参照数字166で示される各ブロック矢印を参照。)。また、このようにして、可動切断刃24のための規定のプレロードの取り付け条件が実現され得る。この場合もやはり、可動切断刃24がガイドスロット96内に取り付けられたときに、少なくとも可動切断刃24の歯82と金属部材40の歯幹部88とが位置合わせされ且つ基本的に広範囲で面接触することが望ましいものとなり得る。
図22〜図25を特に参照し、可動切断刃24の歯82の典型的な実施例が図解され且つ更に説明される。図23及び図24はそれぞれ、刃セット20の部分前断面図を示す。そこでは、静止刃22の歯36と可動切断刃24の歯82の双方が切断されている(図22のXXIII−XXIII線も参照。)。静止刃22の各歯36は、第2壁部102のところで部分的にプラスチック部材38で形成され、且つ、第1壁部100のところで金属部材40で形成されている。可動切断刃24は、第1壁部100と第2壁部102との間のスロット内に移動可能に受け入れられ且つガイドされる。静止刃22と可動切断は24との間の相対的な往復運動は、図23の参照数字126で指定された双方向矢印で示されている。図23から更に見て取れるように、歯36と歯82はそれぞれ、静止刃22の歯36の間の歯の隙間に入る毛を切るために互いに協働するように構成された刃先84、94を備え得る。静止刃では、刃先94が各歯幹部88のところに提供され得る。その結果、静止刃22の刃先94は、第1壁部100の少なくともかなりの部分を形成する金属部材40のところに備えられる。図23に示された実施例では、可動切断刃24は、対応するように、第1壁部100と向き合うその上側のところに刃先84を有する。その結果、刃先84、94は、互いに接触し且つ協働し得る。図23から更に見て取れるように、可動切断刃24の歯82は、基本的に台形状を有し得る。具体的には、切断刃84は、歯82の台形輪郭の鋭角のところに備えられる。可動切断刃24の底側では、台形輪郭は、基本的に鈍角を有し得る。
図23に例示的に示された構成は、皮膚に極めて近いところで毛を切るのに特に有益である。静止刃22の第2壁部102が基本的に静止刃22を強化し或いは硬くするので、第1壁部100の厚みはかなり低減され得る。その結果、より滑らかなシェービング性能をもたらし得る。可動切断刃24が、少なくともその歯82のところで、金属部材40(具体的にはその歯幹部88)と緊密に接触することが特に望ましいので、僅かに残っている隙間172が、第2壁部102と可動切断刃24との間で、歯82の底側のところに提供され得る。いくつかのケースでは、毛(具体的には切り取った毛)が隙間172に入り得る。これは、可動切断刃24と静止刃22との間の摩擦に悪影響を与えるかもしれない。毛は、隙間172内に詰まり得る。そして、破片が隙間のところで生成され得る。それ故に、刃セット20は、止まってしまう場合がある。さらに、かなりの量の毛が隙間172に押し込まれることを想定すると、毛切断装置10の電力消費が大きくなってしまう恐れがあり、或いは、反対に、その出力が低減されてしまう恐れがある。その結果、毛切断装置のシェービング性能及び耐久性が悪化してしまうおそれがある。
図24は、刃セット20の代替実施例を示す。そこでは、具体的には可動刃24が図23で示された実施例に関して変更されている。図24の前断面図及び図25の前面図から見て取れるように、この実施例に従った可動切断刃24は、第1壁部100と接触するその皮膚に対向する側のところに第1刃先84を備えている。さらに、可動切断刃24は、第2壁部102と向き合うその底側のところに裏側刃先176を有する。その結果、可動切断刃24の歯82は、基本的にX字形状の断面を有し得る。言い換えれば、可動切断刃24の歯82は、基本的に凹形状又は切り欠き形状を有する横側面178を有し得る。可動刃の歯82が実質的に多角形形状を有することが特に望ましい。多角形形状の上側にある2つの鋭角、及び、多角形形状の底側にある更なる2つの鋭角はそれぞれ、(上側)刃先84、及び、(底側)刃先176を定める。例として、図24及び図25の実施例に従った可動切断刃24は、エッチングプロセスによって形成され得る。エッチングプロセス又は同様の材料除去プロセスは、金属材料のところに比較的複雑な形状を形成し得る。可動切断刃24の形状のエッチングは、このようにして可動切断刃24のニアネットシェイプを創出するための単一のプロセスが用いられるため、特に望ましい。
図26は、本開示の少なくともいくつかの態様に従った静止刃22の別の典型的な実施例を示す。図27は、静止刃22の更に別の典型的な実施例を実現する刃セット20を示す。図26及び図27の双方は、基本的に静止刃22の片側の図を示す部分断面図である(この関連では図6及び図14も参照。)。図26は、静止刃22の歯36を通る断面を示す。図27は、静止刃22の歯36と可動切断刃24の歯82とを通る断面を示す。
図26及び図27から見て取れるように、静止刃22、具体的にはそのプラスチック部材38は、ガイドスロット96のところで隙間部170を有し得る。具体的には、隙間部170は、例えば、典型的なガイドスロットの標準形状168(図26及び図27の参照数字168で示された破線並びに図7を参照。)に関して凹んだ凹型隙間部として配置され得る。
隙間部170は、例えば、可動切断刃24からの高さオフセット(図27参照。)、又は同様に、約50から約250μm(マイクロメートル)の範囲にある鉛直(裏)隙間延長lvgを含む、突出接触部130からの高さオフセットを提供し得る。より好適には、鉛直隙間延長lvgは、約100から200μmの範囲内であってもよく、より望ましくは、約120から180μmの範囲内であってもよい。代替的に或いは追加的に、図27を参照し、隙間部170は、例えば、可動切断刃24からの縦方向オフセット、又は同様に、約50から約250μm(マイクロメートル)の範囲にある縦方向隙間延長すなわち前方隙間延長lfgを含む、突出接触部130からの縦方向オフセットを提供し得る。より好適には、前方隙間延長lfgは、約100から200μmの範囲内であってもよく、より望ましくは、約120から180μmの範囲内であってもよい。隙間部は、約0.5から約1.5mm(ミリメートル)の範囲内の全体縦方向隙間延長llgを更に有し得る。より好適には、約0.7から約1.1mmの範囲内であってもよい。全体縦方向隙間延長llgは、突出接触部130(具体的にはその接触要素158)から、歯36の先端86に隣接するガイドスロット96の縦方向前端まで延び得る。
通常、ガイドスロット96は、約7.0mmから約11.0mmの範囲内の全体縦方向延長lslを有し得る。より好適には、約8.0mmから約10.0mmの範囲内であってもよい。通常、(1つの歯付き刃先30での)全体縦方向隙間延長llgと全体縦方向延長lslと間の比は、約1:6から約1:12の範囲内となり得る。より好適には、約1:8から約1:11の範囲内であってもよい。上述のように、ガイドスロット96は、可動切断刃24の鉛直厚み寸法ltに適合する鉛直隙間高さ寸法lclを提供し得る。鉛直隙間高さ寸法lcl及び鉛直厚み寸法ltは、約0.1mmから約0.2mmの範囲内となり得る。好適には、約0.12mmから約0.17mmの範囲内であってもよい。
隙間部170は、ガイドスロット96の底側のところに底側隙間すなわち裏側隙間180を定め得る。隙間部170は、ガイドスロット96の前端のところで前側隙間すなわち先端(nose)隙間182を更に定め得る。裏側隙間180と先端隙間182は互いに結合して1つになり得る。隙間部170は、傾斜側面184と、傾斜側面184に隣接する湾曲移行部186とを有し得る。傾斜側面184と湾曲移行部186は互いに結合して1つになり得る。傾斜側面184及び湾曲移行部186は、凹んだ態様で形作られ得る。傾斜側面184及び湾曲移行部186は、通常、ガイドスロット96のところで内部凹み(internal indentation)を形成し得る。傾斜側面184及び湾曲移行部186は、実質的に第2壁部102のところ(具体的にはその第2脚部112のところ)に配置され得る。傾斜側面184及び湾曲移行部186は、プラスチック部材38から形成され得る。
図27で最もよく見て取れるように、膨らみ部192は、第2壁部102のところ(具体的にはその第2脚部112のところ)に提供され得る。膨らみ部192は、刃セット20が作動中のときに通常は皮膚に背を向けている第2壁部102の底側にある突出部として配置され得る。膨らみ部192は、隙間部170の近くで第2壁部102を強化し得る。通常、膨らみ部192は、隙間部170の内表面にほぼ一致し得る外表面を有し得る。膨らみ部192は、凸状の態様で形作られ得る。膨らみ部192のため、第2壁部102(具体的にはその第2脚部112)は、その全体の壁厚を維持し得る。
本開示の更なる有益な態様は、図28〜図38に関連して、以下で説明され且つ明らかにされる。この代替的な態様に従って、少なくとも僅かに異なる目的に適した様々な切断領域が刃セットで実現される。図28〜図38では、各刃セットが参照数字200で指定されている。既に説明されたように、刃セット200もまた、金属−プラスチック複合の刃セットと見なされ得る。しかしながら、この点に関し、様々な形状の複数の切断部分を実現する刃セット200が代替の製造原理に従って形成され得ることも明確に言及される。図28及び図29で示されるように、刃セット200は、静止刃22及び可動切断刃24を有する。好適には、刃セット200は、静止刃22及び可動切断刃24から成る。これは、当然ながら、可動切断刃24に結合される伝達部材が提供されることを含み得る(この点に関しては、例えば、図3を参照。)。しかしながら、それは別として、刃セット200が必ずしも更なる構成要素を有する必要がないことが望ましい。
図3で示されるような刃セット20の実施例と同様に、図28及び図29で示される刃セット200の静止刃22も、互いに接合されるプラスチック部材38と金属部材40を有する。それ故に、プラスチック部材38は、射出成形プロセスで形成され且つ金属部材40にぴったり合わせられ得る。その結果、刃セット200は、インサート成形式刃セット200、オーバーモールド式刃セット200等と呼ばれ得る。さらに、既に説明されたように、静止刃22は金属−プラスチック複合の静止刃22(具体的には一体的に成形され或いは形作られた静止刃22)と呼ばれ得るため、実際には、プラスチック部材38は、これらの実施例では、分離された状態では存在しない。
既に示されたように、静止刃22は第1壁部100及び第2壁部102を有する(図30も参照。)。第1壁部100は、少なくともそのかなりの部分は、金属部材40によって形成されている。図28〜図30の実施例でも同様に、第2壁部102は、第1壁部100の少なくとも僅かな部分又は一部も形成するプラスチック部材38によって形成されている。第1壁部100と第2壁部102は、可動切断刃24が摺動可能に受け入れられ得るガイドスロット96を一緒に定める。さらに、刃セット200の側端には、側部開口68が提供され得る。可動切断刃24は、側部開口68を通って挿入され得る。可動切断刃24が取り付けられた状態では、各伝達部材70は、可動切断刃24に取り付けられ、且つ、刃セット200の静止刃22のところで可動切断刃24をロックし或いは固定し得る(図3も参照。)。
組み立てられ且つ取り付けられた状態では、箔シェービング領域202が刃セット200のところに提供される(図31参照。)。箔シェービング領域202は、少なくとも1つの歯付き先端縁30a、30bに隣接して配置され且つ位置付けられる。好適には、第1歯付き先端縁30aと第1歯付き先端縁30aからオフセットされている第2歯付き先端縁30bを実現する図31の両側性刃セット200のように、箔シェービング領域202は、第1歯付き先端縁30aと第2歯付き先端縁30bの間に配置されている。しかしながら、かなり区別された2つのタイプの切断ゾーンすなわち切断領域30a、30bと202とは、基本的に、刃セット200における同じ構成要素によって定められる。
例として、第1壁部100の少なくともかなりの部分を形成している金属部材40は、成形状態又はオーバーモールド状態においてプラスチック部材38と協働して静止刃22の歯36を形成する個別の歯幹部88を備え得る。この目的のため、プラスチック部材38を射出成形し或いは形成する過程で、金型に入れられ且つ液化されたプラスチック材料が接合され得るところである固着要素90が歯幹部88の縦方向端に提供され得る。さらに、孔あき部204が金属部材40のところに提供され得る。それ故に、孔あき部204が第1壁部100のところにも存在し得る。孔あき部204は、縦方向に延びる歯幹部88の横方向に広がる系列のそれぞれの間に配置される。孔あき部204は、孔(perforation)206(具体的には円形の切り欠き)のシリーズ又はパターンを有する。作動の際に皮膚に背を向ける(底側とも呼ばれる)側では、孔206は、少なくとも部分的に刃先216を備え得る。
孔あき部204に備えられた孔206の配置又はパターンは、個別の孔206の規定数の行と規定数の列を含む配置を有し得る。しかしながら、例えばジグザグ状パターン(staggered pattern)の孔206といった他のタイプ又は形の孔パターンが提供されてもよい。
可動切断刃24では、複数の孔210を有する対応する孔あき部208が提供され得る。孔あき部208は、可動切断刃24における第1歯付き先端縁80aと第2歯付き先端縁80bとの間に配置され且つ位置付けられる。第1歯付き先端縁80a及び第2歯付き先端縁80bのそれぞれは、横方向Yに延び、且つ、基本的に縦方向に延びる歯82を備える。個々の歯82は刃先84を備える。図28及び図29から最もよく見て取れるように、そこで示された孔あき部208は、互い違いの六角形の孔210のパターンを有する。言い換えれば、孔210は、ハニカム状の様式(honeycomb fashion)で配置され得る。それ故に、図28及び図29で示されるように、孔あき部208におけるパターンの隣接する行及び列は、オフセットされた或いはインクリメントされた様式で配置され得る。そこでは、隣接する行及び列の間のオフセット寸法は、その特定の行又は列内の隣接する孔210の距離の約半分になり得る。当然ながら、他のタイプ及び形状の各パターンが想定され得る。
図28の上面分解斜視図で示されるようにハニカム状孔群として配置され且つ孔あき部208を形成する孔210のそれぞれの刃先は、参照数字218で示されている。皮膚に背を向ける側(底側)で金属部材40の孔206のところに形成されている対応する刃先は、図29の参照数字216で示されている。
箔シェービング領域202を定めるために孔あき部208を組み入れる可動切断刃24の代替実施例が図32及び図33に示されている。例えば、図32の可動切断刃24の孔あき部208は、基本的に縦方向に延びる一連の孔212を含む。好適には、孔212のそれぞれは、その上側(皮膚に対向する側)で、少なくともそれらの縦方向延長Xに沿って、刃先218を備える。孔あき部208を形成し得る孔214の代替的な配置が図33に示されている。可動切断刃24は、縦方向Xに関して少なくとも僅かに傾いた主延長部を有するスロットとして配置される傾斜孔214のパターンを含む。図32の実施例と同様、図33のスロット状の孔214のそれぞれは、皮膚に対向する上側に刃先218を有し得る。
少なくとも実質的には金属部材40によって定められる第1壁部100の孔206に入る比較的短く且つ硬い毛は、可動切断刃24と静止刃22の相対運動の際のせん断切断動作で切断され得る。それ故に、個々の歯付き先端縁30a、30bのところばかりでなく、箔シェービング領域202のところでも、皮膚に極めて近いところで、更には皮膚のレベルで、毛が切断され得る(図30も参照。)。図28〜図33で見て取れるように、金属部材40と可動切断刃24は、縦方向Xにおけるそれらの延長部に沿って少なくとも僅かに曲げられている。刃セット200の切断性能を更に改善するために、取り付けられた状態において、可動切断刃24と静止刃22とを緊密に面接触させることが望ましい。
可動切断刃24(具体的にはその皮膚に対向する側)と第1壁部100(具体的には皮膚に背を向ける側)とが少なくとも僅かに互いに対して付勢され、その結果、面積的な様式で互いに接触する場合を想定すると、中央部における箔シェービング領域202と、刃セット200の縦方向の両端に配置されている各周辺切断領域との双方が、切断作用に貢献し得る。例として、主に可動切断刃24における歯と静止刃22における(歯付き先端縁30a、30bのそれぞれのところにある)対応する歯によって定められる切断領域は、トリミング領域又はせん断領域と呼ばれ得る。歯付き先端縁30a、30bに隣接して、或いはより明確には、歯付き先端縁30a、30bの間に、箔シェービング領域202は提供され得る。
図34から図38を特に参照し、刃セット200の構成要素の有益な改良版及び実施例が更に詳細に説明される。主に説明目的のために、図34は、可動切断刃24と静止刃22の第1壁部100(具体的には金属部材40)との概略的な簡略化された側面図を示す。可動切断刃24及び金属部材40のそれぞれは、基本的に、比較的平坦で且つ平面的な様式で延びる。言い換えれば、図28から図31の実施例に従って孔があけられ得る、第1壁部100の切断面220及び可動切断刃24の切断面222のそれぞれは、それらの間で毛を切るように互いに協働し得る。しかしながら、基本的に不可避の製造上の公差、不正確さ等のため、少なくともいくつかの実施例では、規定の湾曲した様式で可動切断刃24と静止刃22の金属部材40とを定め且つ形成すること、及び、各接触面220、222での所望の面接触を実現するために、最終的に取り付けられた状態でそれらを互いに接触させるように促すことが有利となり得る。
このアプローチに関連する典型的な実施例は、図35から図38に示されている。図35及び図37は、可動切断刃24と静止刃22の第1壁部100のための金属部材40との概略的な簡素化された側面図を示す。図35及び図37の双方において、可動切断刃24及び金属部材40は、予め曲げられたシートメタル材料から形成され得る。さらに、各可動切断刃24及び各金属部材40は、基本的に凸状に湾曲した部分又は外形を有し得る。可動切断刃24での湾曲面230及び金属部材40での対応する湾曲面232のそれぞれの曲率は、初期状態において、少なくとも僅かに互いに異なり得る。湾曲面230は、接触面220に対応する。湾曲面232は、接触面222に対応する(図34も参照。)。
図35で見て取れるように、湾曲面230の曲率半径は、湾曲面232の曲率半径よりも小さい。一方、図37で見て取れるように、湾曲面230の曲率半径は、湾曲面232の曲率半径よりも大きい。これは、可動切断刃24及び金属部材40に規定の荷重を及ぼすことで、図36及び図38の各側断面図で示されるように、可動切断刃24及び金属部材40が、最終的に取り付けられた状態で面接触するように付勢され且つ促され得るという利点を有し得る。図36は、図35で示されるような可動切断刃24と静止刃22のところにある金属部材40とを組み込んだ刃セット200の実施例の、組み立てられ且つ取り付けられた状態を示す。図38は、図37で示されるような可動切断刃24と静止刃22のところにある金属部材40とを組み込んだ刃セット200の実施例の側断面図を示す。
上述のように、静止刃22のプラスチック部材38は、可動切断刃24が第1壁部100と面接触するように促し得る少なくとも1つの突出接触面130を備え得る。既に検討されたように、プラスチック部材38の収縮に関連するゆがみも、第1壁部100の少なくともかなりの部分を形成する金属部材40を可動切断刃24と接触させるように付勢し或いは引っ張るために、利用され得る。繰り返しを避けるため、この文脈では、図13〜図21及びそれらの対応する説明部分が参照される。したがって、プラスチック部材38に関する形状及び製造プロセスは、取り付けられた状態において反対向きの接触力152、154が金属部材40及び可動切断刃24に加えられるように、調整され得る(図35参照。)。好適には、接触力152、154の各対は、異なるように湾曲している金属部材40と可動切断刃24が緊密な面接触となるように付勢されるのを確実にするため、縦方向において互いにオフセットされている(ずらされている)。
図35及び図36に示されるような実施例は、初期段階において可動切断刃24及び金属部材40の縦方向端に隣接して隙間が提供されるところの、可動切断刃24と金属部材40の構成に適している。縦方向端のところで可動刃24と金属部材40とを互いに接触させるように付勢することで、その隙間が閉じられ得る。
一方、図37及び図38の実施例では、初期状態において、可動切断刃24と金属部材40の曲率の違いにより、中央隙間が存在し得る。その結果、中央接触力164を加えることで、中央隙間が閉じられ、そして、可動切断刃24と金属部材40が面接触すべく付勢され得る。皮膚に対向する側すなわち上側32では、相反する接触力166が金属部材40に加えられ得る。接触力166は、第1壁部100と第2壁部102が接続されるところである先端86を介して伝えられ得る。それ故に、図37で示されるように、金属部材40の縦方向端の近くにある2つの矢印166は、結果として生じる反力を示す。接触力164及び相反する接触力166は、湾曲面230と湾曲面232の間の中央隙間を“閉じ”且つ両者を面接触させるために、可動切断刃24と金属部材40とを互いに対して付勢し得る。
本発明は図に示され且つ前述の説明で詳細に説明されたが、そのような図及び説明は、例示的或いは典型的なものとされ制限的なものとはされない。本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他の変形例は、クレームされた発明を実施するときの、図、開示内容、及び添付の請求項の検討から、当業者に理解され且つ実現され得る。
請求項では、“有する”という語は、他の要素又はステップを排除しない。不定冠詞“a”又は“an”は複数を排除しない。単一の要素又は他のユニットは、請求項に記載された複数のアイテムの機能を果たし得る。複数の手段が互いに別々の従属項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが利益を得るために利用できないということを意味することはない。
請求項における何れの参照符号もその範囲を限定するものとして解釈されることはない。

Claims (24)

  1. 毛切断装置の刃セットのための静止刃であって
    前記刃セットは、毛を切るために移動方向に毛を通じて動かされるように配置され
    当該静止刃は、
    作動中に皮膚に対向する壁としての機能を果たすように配置され第1壁部と、
    第2壁部であり、前記第1壁部と前記第2壁部との間に可動切断刃を受け入れるように配置されるガイドスロットを前記第1壁部と前記第2壁部とが定めるように、前記第1壁部から少なくとも部分的にずらされている前記第2壁部と、
    前記第1壁部と前記第2壁部とによって合同で形成される複数の歯を有する少なくとも1つの歯付き先端縁と、を含み
    前記静止刃は、一体的に形成された金属−プラスチック複合の静止刃であり、
    前記第1壁部は、少なくとも部分的には金属材料で作られており、
    前記第2壁部は、少なくとも部分的にはプラスチック材料で作られており、且つ、
    前記第1壁部及び前記第2壁部は、規定のはめ合い方法で、前記ガイドスロット内に前記可動切断刃を受け入れるように配置されている、
    静止刃。
  2. 金属部材と前記金属部材に接合されるプラスチック部材とを更に含み
    前記第1壁部の少なくとも中央部は、前記金属部材によって形成されている、
    請求項1の静止刃。
  3. 前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記静止刃の前記ガイドスロット内で前記可動切断刃の規定のすきまばめのはめ合いを可能にし、且つ、
    前記ガイドスロットの鉛直隙間高さ寸法は、取付対象の可動切断刃の鉛方向の厚み寸法よりも大きい、
    請求項1又は2の静止刃。
  4. 前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記静止刃の前記ガイドスロット内で前記可動切断刃の規定の予圧ばめのはめ合いを可能にし、且つ、
    前記ガイドスロットの鉛直隙間高さ寸法は、取付対象の可動切断刃の鉛方向の厚み寸法よりも小さい、
    請求項1又は2の静止刃。
  5. 前記第2壁部は、前記第1壁部に対向する少なくとも1つの突出接触部を含み
    前記少なくとも1つの突出接触部は、前記可動切断刃の底面と接触するように構成されている、
    請求項1乃至4の何れかの静止刃。
  6. 前記少なくとも1つの突出接触部は、取り付けられた状態において、前記第1壁部に対して前記可動切断刃を付勢するように構成されている、
    請求項5の静止刃。
  7. 前記少なくとも1つの歯付き先端縁は、横方向に垂直な切断面で見ると、前記第1壁部のところにある第1脚部と前記第2壁部のところにある第2脚部とを有する実質的にU字形状を含み
    前記第1脚部と前記第2脚部とは、歯の先端で互いに結合して1つになり、
    前記第2壁部は、前記第2脚部に隣接する傾斜部を含み
    前記少なくとも1つの突出接触部は、前記第2脚部と前記傾斜部との間の推移部のところに配置されている、
    請求項5又は6の静止刃。
  8. 前記第1壁部は、基本的に剛性の壁部であり、
    前記第2壁部は、基本的に可撓性の壁部であり、
    前記第1壁部の少なくとも中央部は、前記第2壁部の少なくとも中央部を形成する材料の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する材料で作られている、
    請求項1乃至7の何れかの静止刃。
  9. 前記静止刃は、残留応力を示し、
    該残留応力の結果として、前記少なくとも1つの先端縁は、横方向に垂直な切断面で見ると、結果として得られる鉛直隙間高さ寸法が低減されるように、後方に曲げられている、
    請求項3乃至8の何れかの静止刃。
  10. 前記ガイドスロットのところで前記少なくとも1つの歯付き先端縁の近くに形成される隙間部を更に含み
    前記隙間部は、前記第2壁部のところにある底側隙間、及び、前記第1壁部と前記第2壁部との間の推移部のところにある前側隙間のうちの少なくとも1つを含み
    前記隙間部は、少なくとも部分的に凹状に形成された内側くぼみであり、
    前記隙間部は、前記ガイドスロットとその中に受け入れられる可動切断刃の歯付き先端縁との間の残存隙間をもたらすように配置され、
    前記隙間部は、毛を受け入れるように構成されている、
    請求項1乃至9の何れかの静止刃。
  11. 前記第1壁部は、複数の孔が提供される孔あき部を更に含み
    前記孔は、少なくとも部分的には、前記第1壁部における皮膚に背を向ける側に刃先を含む
    請求項1乃至10の何れかの静止刃。
  12. 前記静止刃は、複数の孔のパターンを含む孔あき部を含み、前記静止刃は、対応する複数の孔のパターンを含む孔あき部を含む前記可動切断刃を受け入れるように構成されることにより、前記可動切断刃と共同で統合的な箔シェービング領域を定める
    前記第1壁部における前記孔の前記刃先は、前記静止刃と前記可動切断刃との間の相対運動の際のせん断作用において、前記可動切断刃のところに提供された対応する刃先と協働するように配置されている、
    請求項11の静止刃。
  13. 前記第1壁部の前記孔あき部は、円形孔として配置される孔のパターンを含む、請求項11又は12の静止刃。
  14. 毛を切るために移動方向に毛を通って動かされるように配置される、毛切断装置のための刃セットであって、
    請求項1乃至13の何れかの静止刃と、
    少なくとも1つの歯付き先端縁を有する可動切断刃、含み
    前記静止刃に関する前記可動切断刃の相対運動の際に、前記静止刃と前記可動切断刃との間に挟まれた毛の切断作用による切断を可能にするため、前記可動切断刃における前記少なくとも1つの歯付き先端縁が前記静止刃における対応する刃と協働するように、前記可動切断刃は、前記静止刃によって定められる前記ガイドスロット内に移動可能に配置され、
    前記可動切断刃は、その皮膚に対向する側で、前記第1壁部と直接的に接触し、且つ、前記皮膚に背を向ける側で、前記第2壁部と直接的に接触している、
    刃セット。
  15. 前記静止刃は、横方向に垂直な切断面で見ると、前記可動切断刃が前記第1壁部及び前記第2壁部と部分的に接触するように少なくとも部分的に後方に曲げられ、前記可動切断刃と前記第1壁部との間の接触面積は、前記可動切断刃と前記第2壁部との間の接触面積から縦方向にずらされている、請求項14の刃セット。
  16. 前記可動切断刃は、横方向に垂直な切断面で見ると、鉛直方向に付勢され且つ僅かに曲げられた態様で前記可動切断刃が前記ガイドスロット内に受け入れられるように、前方に曲げられている、請求項14又は15の刃セット。
  17. 前記可動切断刃は、その前記少なくとも1つの歯付き先端縁のところで、前記第1壁部のところにある刃先と協働するように構成される頂部刃先と、前記第2壁部のところにある底部刃先と協働するように構成される底部刃先とを含む、請求項14乃至16の何れかの刃セット。
  18. 前記可動切断刃は、前記静止刃の孔あき部と適合する孔あき部を含み、前記孔あき部のところには、複数の孔がもたらされ、且つ、前記可動切断刃の前記孔は、少なくとも部分的には、前記可動切断刃における前記皮膚に対向する側にある刃先を構成する、請求項14乃至17の何れかの刃セット。
  19. 前記可動切断刃の前記孔あき部は、ハニカム孔、円形孔、縦方向に延びるスロット、傾斜スロット、及びそれらの組み合わせで構成されるグループから選択される形状を含む、孔のパターンを含む、請求項18の刃セット。
  20. 取り付けられた状態において、前記可動切断刃の前記孔あき部と前記静止刃の前記孔あき部との間で面積的な表面接触がもたらされる、請求項18又は19の刃セット。
  21. 横方向に垂直な切断面で見ると、前記第1壁部及び前記可動切断刃は凸状に曲げられ、前記第1壁部及び前記可動切断刃は、非付勢状態では、異なるように曲げられている、請求項14乃至20の何れかの刃セット。
  22. 非付勢状態において、前記第1壁部の曲率は、前記可動切断刃の曲率とは異なり、取り付けられた状態では、前記可動切断刃と前記第1壁部とが面積的な態様で互いに接触するように、前記可動切断刃と前記第1壁部とは互いに対して付勢されている、請求項21の刃セット。
  23. 毛切断装置のための刃セットの金属−プラスチック複合の静止刃の製造方法であって、
    少なくとも実質的に第1壁部の中央部を形成する金属部材を提供するステップ
    プラスチック部材の形を定める金型を提供するステップ
    前記金型内に前記金属部材を配置するステップ
    成形の際に形成対象の前記静止刃のガイドスロットを確保するように構成される代替構成要素であり、取付対象の可動切断刃の期待鉛直厚み寸法に適合される前記代替構成要素を前記金型内に提供するステップ
    前記プラスチック部材を形成するステップ
    金属−プラスチック複合の前記静止刃から前記代替構成要素を取り除くステップ、含み
    前記プラスチック部材と前記金属部材は、前記静止刃における第1壁部と第2壁部とを定め、
    前記第1壁部は、作動中に、皮膚に対向する壁としての機能を果たすように配置され、
    前記第1壁部と前記第2壁部との間に前記可動切断刃のための前記ガイドスロットを前記第1壁部と前記第2壁部とが定めるように、前記第2壁部は、前記第1壁部から少なくとも部分的にずらされ、
    前記第1壁部と前記第2壁部は、複数の歯を有する少なくとも1つの歯付き先端縁を合同で形成し、且つ、
    前記第1壁部と前記第2壁部は、前記静止刃の前記ガイドスロットにおける前記可動切断刃の規定のはめ合いを可能にしている、
    方法。
  24. 箔シェービング領域を定めるために前記金属部材の中央領域で複数の孔を含む孔あき部を形成することを含む、前記金属部材を処理するステップ、を更に含む、請求項23の方法。
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