JP6332002B2 - 送電装置、送電装置を搭載した車両及び無線電力伝送システム - Google Patents

送電装置、送電装置を搭載した車両及び無線電力伝送システム Download PDF

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本開示は、送電コイル及び受電コイルの間の電磁誘導によって非接触で交流電力を伝送する送電装置、送電装置を搭載した車両及び無線電力伝送システムに関する。
携帯電話機をはじめとする様々なモバイル機器が普及している。モバイル機器の消費電力量は、機能及び性能の向上、並びにコンテンツの多様化に起因して増大し続けている。予め決められた容量のバッテリで動作するモバイル機器の消費電力量が増大すると、当該モバイル機器の動作時間が短くなる。バッテリの容量の制限を補うための技術として、無線電力伝送システムが注目されている。無線電力伝送システムは、送電装置における送電コイルと受電装置における受電コイルとの間の電磁誘導によって送電装置から受電装置に非接触で交流電力を伝送する。特に、共振型の送電コイル及び受電コイルを用いた無線電力伝送システムは、送電コイル及び受電コイルの位置が互いにずれているときであっても高い伝送効率を維持できる。このため、共振型の無線電力伝送システムは様々な分野に応用されている。
近年、携帯電話機などのモバイル機器(受電装置)を非接触で充電する送電装置を車両に搭載したシステムが普及し始めている。そのようなシステムでは、車の中でモバイル機器を非接触で充電することができる。送電装置は、多くの場所を占有しないように、できるだけ薄くすることが望まれる。
特開2008−205215号公報
しかし、係る従来技術では、送電装置を薄型にすることにより、送電コイルの損失が増大し、伝送効率が低下するため、高効率で交流電力を伝送する送電装置が求められていた。
本開示の一態様に係る送電装置は、受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、前記送電装置は、前記受電装置に対して送電する送電面と、直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備える。前記2N個の平面コイルは、i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、前記コイル群の各々は並列に接続される。
本開示の他の態様に係る送電装置は、受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、前記受電装置に対して送電する送電面と、直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備える。前記M個の平面コイルは、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
本開示のさらに他の態様に係る受電装置は、送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置であって、前記送電装置から受電する受電面と、前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から入力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備える。前記2N個の平面コイルは、i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記受電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、前記コイル群の各々は並列に接続される。
本開示のさらに他の態様に係る受電装置は、送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置であって、前記送電装置から受電する受電面と、前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から出力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備える。前記M個の平面コイルは、前記受電面に1番目に近い平面コイルから前記受電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
上記態様によると、高効率で交流電力を伝送する薄型の送電装置を提供できる。
車両に搭載された無線電力伝送システムの一例を示す図である。 特許文献1に開示された積層コイルと同様の構成を有する複数の平面コイルを示す分解斜視図である。 図2に示す積層コイルの等価回路図である。 磁性体を有する送電装置と、受電装置とを備える無線電力伝送システムを模式的に示す図である 平面コイルL1からL4の片側に磁性体を配置した構成例を示す斜視図である。 図5に示す送電コイルの等価回路図である。 無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 送電回路の一例を示すブロック図である。 実施形態1における送電コイルの断面図である。 実施形態1における送電コイルの分解斜視図である。 実施形態1における送電コイルの等価回路図である。 比較例における送電コイルの分解斜視図である。 実施形態2における送電コイルの分解斜視図である。 実施形態2における送電コイルの等価回路図である。 実施形態3における送電コイルの分解斜視図である。 実施形態3における送電コイルの等価回路図である。 実施形態1および実施形態3における送電コイルの特性を示すグラフである。 実施形態4における送電コイルの分解斜視図である。 実施形態4における送電コイルの等価回路図である。 実施形態1の変形例を示す等価回路図である。 実施形態1の他の変形例を示す等価回路図である。 実施形態5における送電装置を示す斜視図である。 実施形態5における送電装置の上に受電装置が置かれた状態を示す斜視図である。 実施形態5における送電装置の上に受電装置が置かれた他の状態を示す斜視図である。 実施形態5における送電装置の概略構成を示す図である。 無線電力伝送システムの一例を示す図である。 送電装置を備える車両の一例を示す図である。 磁性体および積層された複数の平面コイルを備える受電装置の構成例を示す断面図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した送電装置に関し、以下の問題が生じることを見いだした。
図1は、車両に搭載された無線電力伝送システムの一例を示す斜視図である。このシステムは、車載のコンソールボックス400内に搭載された送電装置100と、受電装置200とを備える。送電装置100は、受電装置に対して送電する送電面に垂直に積層された複数の平面コイルを有する少なくとも1つの送電コイルを備える。
特許文献1は、無線電力伝送システムに使用される積層コイルユニットを開示している。この積層コイルユニットは、複数個の平面状空芯コイルを有する。各コイルは、絶縁基板上に形成された渦巻状の導電パターンから構成され、絶縁基板の厚さ方向に積層される。
図2は、特許文献1に開示された積層コイルと同様の構成を有する複数の平面コイルを示す分解斜視図である。図3は、図2で図示された複数の平面コイルの等価回路を示す図である。この積層コイルでは、絶縁基板として、フレキシブル基板のような薄い基板が用いられている。フレキシブル基板上に導体パタ−ン(0.035mm)を渦巻状に形成した1つの平面コイルが作製される。これと同様の方法で4つの平面コイルが作製される。これらの4つの平面コイルを積層した状態で、図2、3に示すように各平面コイルが電気的に接続される。4つの平面コイルのうち、2つが直列に接続され、残りの2つも直列に接続される。これらの2組の平面コイルの対は、並列に接続される。特許文献1には、このような構成により、薄型で、Q値(Quality Factor)を向上させた送電装置を提供できることが記載されている。
一般的に、このように積層された複数の平面コイルの各々における導体パタ−ンの巻き数および大きさがほぼ同じであれば、それらのインダクタンス値がほぼ同じ値になる。しかし、実際の無線電力伝送システムでは、送電装置100に装荷された磁性体の影響により、これらの平面コイルのインダクタンス値は一定にはならない。
図4は、磁性体120が装荷された送電装置100と、受電装置200とを備える無線電力伝送システムの一例を模式的に示す断面図である。この例における送電装置100は、送電アンテナ110と、送電回路140と、磁性体120とを有する。受電装置200は、受電アンテナ210と、受電回路220と、二次電池230とを有する。送電アンテナ110は、図2に示すような複数の平面コイルを含む送電コイルと、不図示の共振キャパシタとを有する。図4に示すように、実際の無線電力伝送システムでは、送電アンテナ110の渦電流損失を低減するために、送電アンテナ110に対して送電面130とは逆側に磁性体120を装荷することがほとんどである。しかし、特許文献1に示す構成にこのような磁性体120を装荷した送電装置を実際に作製し、評価してみると、発熱量が高く、伝送効率が低下することが判明した。本発明者らは、この原因を以下のように分析した。
図5は、一群の平面コイルL1からL4(これらをまとめて「送電コイル」と称する。)の片側に磁性体120を配置した構成例を示す斜視図である。特許文献1には開示されていないが、本発明者らは、図5に示すような構成を実際に作製し、この状態における平面コイルL1からL4の各々のインダクタンスLおよび交流抵抗Rの特性を解析した。表1は、その解析結果を示している。
Figure 0006332002
表1に示すように、各々のインダクタンス値は、磁性体120に近い平面コイルから遠い平面コイルの順番に、すなわち、L4からL1の順番に、大きい値から小さい値になっていることがわかる。ここで、解析には汎用の電磁界解析シミュレータを用いた。解析条件は、ガラスエポキシ樹脂(FR4)基板上に銅パターンによって各平面コイルを形成した。各平面コイルの外径をΦ45mm、線幅を0.5mm、線間のピッチを1mm、巻数を10ターン、銅厚を70um、各層の銅パターン表面間距離を0.2mmとした。磁性体については、比透磁率を200、サイズを50x50x1mm3とした。解析周波数は150kHzとした。磁性体の直下には、放熱板を模擬した不図示のアルミ板(50x50x0.5mm3)を配置した。
図6は、平面コイルL1からL4の電気的接続を示す等価回路図である。図6に示すように、平面コイルL1とL2とが直列に接続され、平面コイルL3とL4とが直列に接続されている。これらの2組の平面コイル対は並列に接続されている。平面コイルL1からL4は、互いに結合状態にある。平面コイルL1からL4のインダクタンス値を、それぞれL1からL4で表すと、L1<L2<L3<L4である。
ここで、直列に接続された複数のコイルを「コイル群」と呼ぶことにする。例えば、図6に示す例では、平面コイルL1とL2とが第1のコイル群であり、平面コイルL3とL4とが第2のコイル群である。第1のコイル群の合成インダクタンス値は、4つのインダクタンス値のうち、最も小さいインダクタンス値L1と、2番目に小さいインダクタンス値L2とを合成することによって得られる。第2のコイル群の合成インダクタンス値は、4つのインダクタンス値のうち、最も大きいインダクタンス値L4と、2番目に大きいインダクタンス値L3とを合成することによって得られる。したがって、第1のコイル群の合成インダクタンス値は、第2のコイル群の合成インダクタンス値よりも小さい。
このように、特許文献1に開示された平面コイルの構成では、並列に接続されている第1のコイル群の合成インダクタンス値と、第2のコイル群の合成インダクタンス値との間に差が生じる。この差により、交流電力を伝送した場合、第1のコイル群のインピーダンスと第2のコイル群のインピーダンスとのバランスが崩れる。インピーダンスのバランスが崩れると、積層された平面コイルに流れる電流による損失が大きくなる。その結果、インピーダンスがより低い第1のコイル群に熱が生じ、伝送効率が低下することが判明した。
なお、上記の例では、磁性体を配置することで、並列に接続されている第1のコイル群のインダクタンス値と、第2のコイル群のインダクタンス値との間に差が生じていたことを発見した。しかし、磁性体を配置するか否かに関わらず、並列に接続されている第1のコイル群のインダクタンス値と、第2のコイル群のインダクタンス値との間に差が生じる条件下では、同様の課題が生じ得る。
本発明者らは、上記の技術的知見に基づき、平面コイルのインダクタンスに着目することによって、発熱量を抑えて伝送効率を改善する技術を鋭意検討した。そして、本発明者らは、送電装置の薄型化を図りつつ、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減し、伝送効率を向上させるため、以下の発明の各態様を想到するに至った。
本開示の一態様に係る送電装置は、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記2N個の平面コイルは、
i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
前記コイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、送電装置の内部に積層された2N個の平面コイルにおいて、並列に接続されたコイル群(直列に接続された複数の平面コイル)の各々の合成インダクタンス値が、近い値になるように平均化される。
具体的には、i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成することで、コイル群の各々の合成インダクタンス値が近い値になるように平均化される。
このことにより、並列に接続されたコイル群の間でインピーダンスのバランスが崩れることが抑制されるので、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減させることができる。その結果、不要な発熱を低減させ、伝送効率を向上させることができる。
本開示の別の態様に係る送電装置は、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記M個の平面コイルは、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、
前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、前記送電装置の内部に積層されたM個の平面コイルにおいて、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有している。
このことにより、前記コイル群の各々の合成インダクタンス値をできるだけ近い値になるように平均化することができる。並列に接続されたコイル群の間でインピーダンスのバランスが崩れることを抑制されるので、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減させることができる。その結果、不要な発熱を低減させ、伝送効率を向上させることができる。
以下、本開示の実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。以下の説明において、重複する事項についての説明は省略することがある。
(実施形態1)
[1.全体構成]
図7は、本開示の第1の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示すブロック図である。この無線電力伝送システムは、送電装置100と、受電装置200とを備える。送電装置100における送電アンテナ110から受電装置200における受電アンテナ210に非接触で電力が伝送される。
受電装置200は、受電コイル212と、共振キャパシタ214a、214bとを有する受電アンテナ210と、受電回路220と、二次電池230とを備えている。受電コイル212と、共振キャパシタ214a、214bとは、直列および並列共振回路を構成している。受電回路220は、受電コイル212が受け取った交流電力を整流して出力する。二次電池230は、受電回路220から出力された直流電力によって充電される。二次電池230に蓄えられたエネルギは、不図示の負荷によって消費される。
受電回路220は、整流回路や周波数変換回路、定電圧・定電流制御回路、通信用の変復調回路などの各種の回路を含み得る。受け取った交流エネルギを負荷が利用可能な直流エネルギまたは低周波の交流エネルギに変換するように構成される。受電コイル212から出力される電圧・電流などを測定する各種センサを受電回路220中に含めてもよい。
送電装置100は、送電コイル112と、共振キャパシタ114とを含む送電アンテナ110と、送電回路140とを備える。また、図4に示すように、送電装置100の内部で、送電アンテナ110に対して送電面130の側とは逆側に設けられた磁性体120を備えている。ここで送電面130とは、送電装置100において、送電動作時に受電装置200に対向する表面を意味する。送電コイル112は、共振キャパシタ114と直列に接続されている。共振キャパシタ114は、送電回路140に接続されている。
送電コイル112は、例えば、基板パターンで形成された1つの薄型の平面コイルを複数積層した構成であり得る。このほか、銅線やリッツ線、ツイスト線などを用いた巻き線コイルを用いることもできる。共振キャパシタ114、214a、214bは、必要に応じて設ければよい。各コイルが有する自己共振特性をこれらのキャパシタの代わりに用いてもよい。
送電回路140は、例えば、フルブリッジ型のインバータ、またはD級もしくはE級などの発振回路を含む。図8は、一例として、フルブリッジ型のインバータと、これを制御する制御回路150とを送電回路140が有する例を示している。送電回路140は、通信用の変復調回路や電圧・電流などを測定する各種センサを有していてもよい。送電回路140は、外部の直流(DC)電源300に接続されている。直流電源300から入力された直流電力を交流電力に変換して出力する。この交流電力は、送電コイル112によって空間に送出される。
電力伝送時の周波数は、例えば、送電コイル112および共振キャパシタ114によって構成される送電共振器の共振周波数と同じ値に設定される。しかし、これに限定されない。例えば、その共振周波数の85〜115%程度の範囲内の値に設定されていてもよい。電力伝送の周波数帯は、例えば100kHz〜200kHzの範囲内の値に設定され得るが、この範囲外の値に設定されてもよい。
DC電源300は、商用電源、一次電池、二次電池、太陽電池、燃料電池、USB(Universal Serial Bus)電源、高容量のキャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)、商用電源に接続された電圧変換器、または、それらの組み合わせであり得る。
送電回路140は、送電装置100全体の動作を制御するプロセッサである制御回路150を備える。制御回路150は、例えばCPUと、コンピュータプログラムを格納したメモリとの組み合わせによって実現され得る。制御回路150は、本実施形態の動作を実現するように構成された専用の集積回路であってもよい。制御回路150は、送電回路140による送電制御(送電状態の調整)を行う。
制御回路150は、受電装置200との間で通信を行う通信回路を有していてもよい。通信回路によって、例えば、受電装置200の負荷のインピーダンスの変動を示す情報を得ることができる。制御回路150は、その情報に基づき、例えば負荷に一定の電圧が供給されるように、送電回路140に送電パラメータを変更するように指示することができる。そのような送電パラメータは、例えば周波数、インバータのスイッチング素子対間の位相差、またはインバータの入力電圧であり得る。入力電圧を調整する場合、送電回路140は、DC電源300とインバータとの間にDC/DCコンバータを有し得る。これらの送電パラメータを変化させることにより、負荷に供給される電圧を変化させることができる。
送電装置100は、上記の構成要素以外の要素を備えていてもよい。例えば、制御回路150による受電コイル212または異物の検出結果を表示する表示素子を備えていてもよい。そのような表示素子は、例えば、LEDなどの光源であり得る。また、異物検出用の発振回路および検出コイルを設けてもよい。
受電装置200の構成は、図7に示すものに限定されない。送電コイル112から送出されるエネルギの少なくとも一部を受け取る受電コイル212を有している限り、その構成は任意に設計してよい。
[2.送電コイルの構成]
次に、本実施形態における送電コイル112の構成を説明する。図4に示されているように、送電コイル112は、送電装置100の内部の送電面130側に設けられている。送電コイル112は、送電面130に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含む。ここで、「送電面130に垂直に積層される」とは、送電面130に垂直な方向から2N個の平面コイルを見たとき、各平面コイルの少なくとも一部が互いに重なるように位置していることを意味する。必ずしも2N個の平面コイルの中心が送電面130に垂直な直線上に位置している必要はない。2N個の平面コイルの大きさおよび形状は、必ずしも同一である必要はない。送電コイル112は、送電回路140から出力された交流電力を受電コイル212に送出する。
本実施形態における2N個の平面コイルは、i=1〜Nとした場合に、2N個の平面コイルの中で、送電面130にi番目に近い平面コイルと、磁性体120にi番目に近い平面コイルとを直列に接続した複数のコイル群を構成する。これらのコイル群の各々は並列に接続される。2N個の平面コイルは、例えば絶縁基板又は誘電体基板上に導体パターンを巻回した基板を2N個積層した多層基板によって実現され得る。以下、N=2の場合を例に、送電コイル112の詳細な構成を説明する。
図9は、本実施形態における送電コイル112の一部の断面を示す図である。この例は、N=2の場合の4つの平面コイルを4層基板によって構成した例である。この送電コイル112は、絶縁基板であるガラスエポキシ樹脂170の上に銅パターン160を巻回して形成した平面コイルを積層した多層基板によって実現されている。送電コイル112に対して送電面130とは逆側に磁性体120が装荷されている。
図10は、本実施形態における送電コイル112の分解斜視図である。各層における平面コイル同士はスルーホールによって接続されている。送電コイル112の両端は端子180に接続されている。ここで、送電面130の側に最も近い平面コイルL1の層を第1層とする。第1層の平面コイルL1の内端と第4層の平面コイルL4の内端とを接続するスルーホールと、第2層の平面コイルL2の内端と第3層の平面コイルL3の内端とを接続するスルーホールとは、互いに導通しないようにずらして配置されている。
図11は、本実施形態における送電コイル112の等価回路図である。図示されていないが、平面コイルL1からL4の各々は、互いに結合状態にある。図10および図11に示すように、直列に接続された平面コイルL1、L4が第1のコイル群を構成し、直列に接続された平面コイルL2、L3が第2のコイル群を構成している。第1のコイル群と第2のコイル群とは並列に接続されている。
ここで、磁性体120の影響により、平面コイルL1からL4の各々のインダクタンス値の大きさの順序は、送電面130からの距離の順序と同じである(L1<L2<L3<L4)。したがって、送電面130に1番目に近い平面コイルL1および磁性体に1番目に近い平面コイルL4によって構成された第1のコイル群のインダクタンス値と、送電面130に2番目に近い平面コイルL2および磁性体120に2番目に近い平面コイルL3によって構成された第2のコイル群のインダクタンス値とは、ほぼ同じ値となる。よって、第1のコイル群および第2のコイル群の各々のインピーダンスのバランスが崩れることを抑制できる。その結果、並列接続における送電コイル112の損失低減効果が向上する。
本発明者らは、本実施形態の効果を検証するために、図5を参照しながら説明した解析の条件と同様の条件において、4つの平面コイルL1からL4を、図10に示すように接続した実施例1の送電コイルの特性を解析した。一方、4つの平面コイルL1からL4を、図12に示すように接続した比較例についても送電コイルの特性を解析した。表2は、実施例1および比較例における送電コイルの合成インダクタンスLおよび交流抵抗Rの解析結果を示している。
Figure 0006332002
表2に示すように、インダクタンスLの値はほぼ変わらないが、交流抵抗Rの値は、実施例1では比較例に比べて17.4%低減されている。このことから、本実施形態の構成では、不要な発熱を抑え、伝送効率を向上させることができることがわかる。
(実施形態2)
図13は、本開示の実施形態2における送電コイル112の構成を示す分解斜視図である。図14は、本実施形態における送電コイル112の等価回路図である。本実施形態における送電コイル112は、N=3、すなわち6個の平面コイルを有する点で、実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と共通または対応する構成要素には同じ参照符号を付し、共通する事項についての説明は繰り返さない。
本実施形態における送電コイル112は、実施形態1からさらなる損失低減を図るために、6層3並列の構成を採用している。図13、図14に示すように、本実施形態における送電コイル112は、6個の平面コイルL1からL6を有する。平面コイルL1、L6は、直列に接続され、第1のコイル群を構成する。平面コイルL2、L5は、直列に接続され、第2のコイル群を構成する。平面コイルL3、L4は、直列に接続され、第3のコイル群を構成する。第1から第3のコイル群は並列に接続されている。このように、第1のコイル群は、送電面130に1番目に近い平面コイルL1と磁性体120に1番目に近い平面コイルL6とによって構成される。第2のコイル群は、送電面130に2番目に近い平面コイルL2と磁性体120に2番目に近い平面コイルL5とによって構成される。第3のコイル群は、送電面130に3番目に近い平面コイルL3と磁性体120に3番目に近い平面コイルL4とによって構成される。このような構成により、第1のコイル群のインダクタンス値と、第2のコイル群のインダクタンス値と、第3のコイル群のインダクタンス値とは、ほぼ同じ値になる。
本実施形態でも、第1から第3のコイル群の各々のインピーダンスのバランスが崩れることを抑制できる。その結果、並列接続における送電コイル112の損失低減効果が向上する。
なお、本実施形態では、N=3であるが、N=4であってもよいし、N>4であってもよい。送電コイル112の厚さが許容される範囲内で層数および並列数を増やすことにより、さらなる損失低減効果が期待できる。
(実施形態3)
次に、本開示の第3の実施形態を説明する。本実施形態における送電コイル112は、送電面130に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含む。M個の平面コイルは、送電面130に1番目に近い平面コイルから送電面130からM番目の平面コイルの中から、1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有する。2以上のコイル群の各々は並列に接続される。ここで、「1からMの順序とは異なる順序」とは、少なくとも一部に1からMの並びとは異なる並びの部分が含まれた順序を意味する。一例として、M≧4として、送電面130に1番目に近い平面コイルと、2番目に近い平面コイルと、4番目に近い平面コイルとが1つのコイル群を構成している場合を想定する。この場合、2番目に近い平面コイルおよび4番目に近い平面コイルの並びが、1からMの並びとは異なっている。このため、この順序は「1からMの順序とは異なる順序」に該当する。以下、M=4の場合を例に、本実施形態を説明する。
図15は、M=4の場合の送電コイル112の構成を示す分解斜視図である。図16は、図15の等価回路図である。図15、図16に示すように、本実施形態における送電コイル112は、4つの平面コイルL1からL4を有する。平面コイルL1、L3は、直列に接続され、第1のコイル群を構成する。平面コイルL2、L4は、直列に接続され、第2のコイル群を構成する。第1および第2のコイル群は、並列に接続されている。このように、第1のコイル群は、送電面130に1番目に近い平面コイルL1と、送電面130に3番目に近い平面コイルL3とによって構成される。第2のコイル群は、送電面130に2番目に近い平面コイルL2と、送電面130に4番目に近い平面コイルL4とによって構成される。
ここで、磁性体120の影響により、平面コイルL1からL4の各々のインダクタンス値の大きさの順序は、送電面130からの距離の順序と同じである(L1<L2<L3<L4)。したがって、平面コイルL1、L3によって構成された第1のコイル群のインダクタンス値と、平面コイルL2、L4によって構成された第2のコイル群のインダクタンス値とは、平均化される。すなわち、インダクタンス値の大きさの順序とは異なる順序の平面コイル同士を直列に接続することで、第1および第2のコイル群のインダクタンス値が平均化される。よって、第1のコイル群および第2のコイル群の各々のインピーダンスのバランスが崩れることを抑制できる。その結果、並列接続における送電コイル112の損失低減効果が向上する。
本発明者らは、本実施形態の効果を検証するために、図5を参照しながら説明した解析の条件と同様の条件において、4つの平面コイルL1からL4を、図15に示すように接続した実施例2の送電コイルの特性を解析した。表3は、実施例2および前述の比較例における送電コイルの合成インダクタンスLおよび交流抵抗Rの解析結果を示している。
Figure 0006332002
表3に示すように、インダクタンスLの値はほぼ変わらないが、交流抵抗Rの値は、実施例2では比較例に比べて11.8%低減されている。このことから、本実施形態の構成では、不要な発熱を抑え、伝送効率を向上させることができることがわかる。
図17は、本実施形態および実施形態1における送電コイルの特性と比較例における送電コイルの特性とを比較した結果を示すグラフである。平面コイルL1からL4の各々の接続を比較例における接続から変更することにより、特に交流抵抗Rの低減が図れていることがわかる。
(実施形態4)
図18は、本開示の実施形態4における送電コイル112の構成を示す分解斜視図である。図19は、本実施形態における送電コイル112の等価回路図である。本実施形態における送電コイル112は、M=6、すなわち6個の平面コイルを有する点で、実施形態3とは異なっている。以下、実施形態3と共通する事項についての説明は繰り返さない。
図18および図19に示すように、本実施形態における送電コイル112は、6個の平面コイルL1からL6を有する。平面コイルL1、L3、L6は直列に接続され、第1のコイル群を構成する。平面コイルL2、L4、L5は、直列に接続され、第2のコイル群を構成する。第1および第2のコイル群は並列に接続されている。このように、第1のコイル群は、送電面130に1番目に近い平面コイルL1と、3番目に近い平面コイルL3と、6番目に近い平面コイルL6とによって構成される。第2のコイル群は、送電面130に2番目に近い平面コイルL2と、4番目に近い平面コイルL4と、5番目に近い平面コイルL5とによって構成される。第1のコイル群および第2のコイル群の各々が、1からM(=6)の順序とは異なる順序で選択されているため、第1および第2のコイル群のインダクタンス値は平均化される。よって、第1のコイル群および第2のコイル群の各々のインピーダンスのバランスが崩れることを抑制できる。その結果、並列接続における送電コイル112の損失低減効果が向上する。
本実施形態および実施形態3では、複数のコイル群の各々を構成する直列に接続された複数の平面コイルのうち、少なくとも一組の平面コイルが、インダクタンス値の順序とは異なる順序で選択されている。これにより、コイル群のインダクタンス値が平均化されている。例えば、図19に示す構成では、第2のコイル群を構成する平面コイルL4と平面コイルL5とがインダクタンス値の順序の通り接続されているが、平面コイルL2と平面コイルL4とがインダクタンス値の順序とは異なる順序で接続されている。このため、第1および第2のコイル群のインダクタンス値は平均化され、損失低減効果が向上する。
本実施形態では、M=6であるが、N≧7であってもよい。送電コイル112の厚さが許容される範囲内で層数および並列数を増やすことにより、さらなる損失低減効果が期待できる。
なお、上述の各実施形態における複数の平面コイルを積層した送電コイルに、さらに新たに平面コイルを積層し、それを直列または並列に接続してもよい。
図20Aは、実施形態1における送電コイル112に、新たに直列に平面コイルLaを接続した変形例を示す等価回路図である。図20Bは、実施形態1における送電コイル112に、新たに並列に平面コイルLbを接続した変形例を示す等価回路図である。無線電力伝送システムの回路設計上、インダクタンスを微調整する必要がある場合などに、図20A、20Bのような構成が有効である。実施形態1の構成に限らず、実施形態2〜4の構成に、新たな平面コイルを追加してもよい。また、図示はしないが、新たに追加する平面コイルは1つでなくてもよい。例えば、直列および並列に1つずつ追加してもよいし、直列に2つ、あるいは並列に2つ追加してもよい。
(実施形態5)
次に、複数の送電コイル112を備える送電装置100に係る実施形態5を説明する。
図21Aから図21Cは、実施形態5における送電装置100の外観および動作を示す図である。この送電装置100は、ワイヤレス充電器であり、平板状の構造を有している。図21Aに示すように、この送電装置100は、一列に配列された複数の送電コイル112(この例では7個の送電コイル112a〜112g)を備える。各送電コイルは、上述した実施形態のいずれかにおける複数の平面コイルを積層した構成を有する。各送電コイルは、配列方向(図における横方向)に短く、配列方向に垂直な方向に長い形状を有している。図示されていないが、送電装置100は、各送電コイルに交流電力を供給する送電回路、および送電回路と各送電コイルとの間の接続状態を制御する制御回路も備える。
送電装置100に、受電コイル212を備える受電装置200が近接すると、制御回路は、受電コイル212に最も近い2つの送電コイルと送電回路とを電気的に接続する。例えば、図21Bに示す状態では、2つの送電コイル112c、112dのみが送電回路に接続される。図21Cに示す状態では、2つの送電コイル112f、112gのみが送電回路に接続される。この例では、常に2つの送電コイルに給電されるが、同時に給電される送電コイルの数は、2以外の数であってもよい。同時に給電される送電コイルの数は、送電コイルの総数よりも小さい数であればよい。
図22は、本実施形態における送電装置100の概略構成を示すブロック図である。図7と共通または対応する構成要素には同じ参照符号を付しており、共通する事項についての説明は繰り返さない。
送電装置100は、複数の送電コイル112と、複数のスイッチ190と、共振キャパシタ114と、送電回路140とを備える。送電回路140は、制御回路150を含む。複数のスイッチ190は、それぞれ、複数の送電コイル112に接続されている。ここで「接続される」とは、電気的に導通するように接続されることを意味する。複数の送電コイル112は、複数のスイッチ190を介して、送電回路140に対して互いに並列に接続される。各送電コイルの一端は、キャパシタ114の一方の電極に接続されている。キャパシタ114の他方の電極は、送電回路140に接続されている。複数のスイッチ190は、それぞれ、複数の送電コイル112におけるキャパシタ114が接続されていない側の端子に接続されている。これは、キャパシタ114と複数の送電コイル112との間では電圧の変動が大きいためである。
制御回路150は、複数の送電コイル112に対する受電コイル212の相対位置の検出を行う。これに加えて、送電コイル112に近接する金属などの異物の検出を行ってもよい。受電コイル212の位置の検出および異物の検出は、回路上の電圧、電流、周波数、インダクタンスといったインピーダンスの変化に伴って変動するパラメータの測定値に基づいて行われ得る。より具体的には、制御回路150は、複数のスイッチ190を一定の数(例えば2個)ずつ順番にオンにし、その都度、上記のいずれかのパラメータを測定する。規定の範囲からずれた値が測定されたとき、そのときに給電している送電コイルの近傍に受電コイル212または異物が存在すると判定することができる。このような検出を可能にするため、制御回路150は、不図示の検出回路を備え得る。本開示では、受電コイル212の検出および異物の検出は、特定の方法に限定されず、公知の任意の方法で行うことができる。
本実施形態における制御回路150は、複数の送電コイル112に対する受電コイル212の相対位置に応じて、電力伝送に用いる2つの送電コイルを選択する。そして、選択した2つの送電コイルのみに送電回路140から交流電力が供給されるように、複数のスイッチ190の導通状態を切り替える。その結果、選択された2つの送電コイルから空間に交流エネルギが送出される。
本実施形態では、送電装置100が複数の送電コイルを有している。これにより、単一の送電コイルを有する構成と比較して、送電可能な範囲が拡大する。このため、受電装置200の位置合わせを容易に行うことができる。
(他の実施形態)
本開示の技術は、上述した実施形態に限定されず、多様な変形が可能である。以下、他の実施形態の例を説明する。
図23は、病院などで用いられるロボット500に、壁から電力を非接触で伝送する無線電力伝送システムの構成例を示す図である。この例では、送電装置100が壁に埋め込まれている。ロボット500は、図4または図7に示す受電装置200と同様の構成要素を備える。さらに、駆動用電気モータ240と、移動のための複数の車輪270とを備える。このようなシステムにより、例えば病院内のロボット500に、壁から電力を非接触で伝送し、人の手を借りることなく自動で充電を行うことができる。なお、ロボット500の代わりに、電気自動車などの電動車両に同様の構成を適用してもよい。
図24は、本開示における送電装置100を搭載した車両600を模式的に示すブロック図である。車両600は、例えば図1に示すコンソールボックス400の内部に送電装置100を備える。これにより、ユーザは、車両600内で携帯電話などの電子機器を充電することができる。
以上の実施形態では、送電コイルが、積層された複数の平面コイルを有しているが、受電コイルが同様の複数の平面コイルを有していてもよい。受電コイルの近傍に磁性体が配置される機器においても上述した課題が生じ得るため、そのような機器に本開示のコイルの構成を適用することは有効である。
図25は、そのような受電装置200を備えた無線電力伝送システムの一例を示す断面図である。この例では、受電装置200は、送電装置100から受電する受電面260と、受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路220と、受電装置200の内部の受電面260側に設けられた少なくとも1つの受電コイル(受電アンテナ210の一部)と、受電装置200の内部で受電コイルに対して受電面260側とは逆側に設けられた磁性体250とを備える。少なくとも1つの受電コイルは、受電面260に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、受電面260から入力された交流電力を受電回路220に出力する。2N個の平面コイルは、i=1〜Nとした場合に、2N個の平面コイルの中で、受電面260にi番目に近い平面コイルと、磁性体250にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成する。これらのコイル群の各々は並列に接続される。ここで「受電面」とは、受電時に送電装置100の送電面130に対向する受電装置200の表面を意味する。
上記少なくとも1つの受電コイルは、上記構成の代わりに、受電面260に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、M個の平面コイルが、受電面260に1番目に近い平面コイルから受電面260からM番目の平面コイルの中から、1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有していてもよい。この場合も2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
なお、図25に示す例では、送電装置100が磁性体120を備え、送電アンテナ110内の送電コイルが、本開示における積層された複数の平面コイルを含む。しかし、この例に限らず、受電装置200に磁性体250および積層された複数の平面コイルを設ける場合、送電装置100に磁性体120および積層された複数の平面コイルが設けられていなくてもよい。
以上のように、本発明者らは、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減し、伝送効率を向上させるため、以下の発明の各態様に想到した。
(1)本開示の第1の態様に係る送電装置は、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記2N個の平面コイルは、
i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
前記コイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、送電装置の内部に積層された2N個の平面コイルにおいて、並列に接続されたコイル群(直列に接続された複数の平面コイル)の各々の合成インダクタンス値が、近い値になるように平均化される。
具体的には、i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成することで、コイル群の各々の合成インダクタンス値が近い値になるように平均化される。
このことにより、並列に接続されたコイル群の間でインピーダンスのバランスが崩れることが抑制されるので、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減させることができる。その結果、不要な発熱を低減させ、伝送効率を向上させることができる。
(2)本開示の第2の態様に係る送電装置は、本開示の第1の態様に係る送電装置において、
Nが2の場合、前記送電面に1番目に近い平面コイルと、前記磁性体に1番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に2番目に近い平面コイルと、前記磁性体に2番目に近い平面コイルとが直列に接続される。
上記態様によると、送電装置の内部に積層された4個の平面コイルにおいて、並列に接続されたコイル群(直列に接続された複数の平面コイル)の各々の合成インダクタンス値が、近い値になるように平均化される。
(3)本開示の第3の態様に係る送電装置は、本開示の第1の態様に係る送電装置において、
Nが3の場合、前記送電面に1番目に近い平面コイルと、前記磁性体に1番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に2番目に近い平面コイルと、前記磁性体に2番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に3番目に近い平面コイルと、前記磁性体に3番目に近い平面コイルとが直列に接続される。
上記態様によると、送電装置の内部に積層された6個の平面コイルにおいて、並列に接続されたコイル群(直列に接続された複数の平面コイル)の各々の合成インダクタンス値が、近い値になるように平均化される。
(4)本開示の第4の態様に係る送電装置は、本開示の第1から第3のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記送電面に1番目に近い平面コイルのインダクタンス値が最も小さく、前記磁性体に1番目に近い平面コイルのインダクタンス値が最も大きい。
上記態様によると、インダクタンス値が最も小さい平面コイルと、インダクタンス値が最も大きい平面コイルとが1つの同一のコイル群に属することになるため、各コイル群の合成インダクタンス値の平均化の効果が高くなる。
(5)本開示の第5の態様に係る送電装置は、本開示の第1から第4のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記2N個の平面コイルが、絶縁基板又は誘電体基板上に導体パターンを巻回した基板を2N個積層した多層基板である。
上記態様によると、送電装置の薄型化を図ることができる。
(6)本開示の第6の態様に係る送電装置は、本開示の第1から第5のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記少なくとも1つの送電コイルが複数の送電コイルを含む。
上記態様によると、複数の送電コイルを送電面に平行な方向に配列した場合に、送電可能なエリアを広げることができる。
(7)本開示の第7の態様に係る送電装置は、本開示の第1から第6のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記送電コイルが、前記2N個の平面コイルと直列に接続された第1の追加の平面コイル、または、前記2N個の平面コイルと並列に接続された第2の追加の平面コイルを含む。
上記態様によると、回路設計上、インダクタンスを微調整する必要がある場合などに、容易にインダクタンスを調整できる。
(8)本開示の第8の態様に係る車両は、本開示の第1から第7のいずれか1つの態様に係る送電装置を搭載した車両である。
上記態様によると、車両内で電子機器への充電を高い電力伝送効率で行うことができる。
(9)本開示の第9の態様に係る無線電力伝送システムは、本開示の第1から第7のいずれか1つの態様に係る送電装置と、前記受電装置とを備えている。
上記態様によると、電力伝送効率の高い薄型の送電装置を備える無線電力伝送システムを実現できる。そのような無線電力伝送システムは、例えば、医療用ロボットまたは搬送用ロボットのシステムであり得る。
(10)本開示の第10の態様に係る送電装置は、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置に用いられる送電コイルであって、
前記送電装置には、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、が備えられ、
前記送電コイルは、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、
前記2N個の平面コイルは、
i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
前記コイル群の各々は並列に接続される、
送電コイル。
上記態様によると、第1の態様と同様の効果を得ることができる。
(11)本開示の第11の態様に係る送電アンテナは、本開示の第10の態様に係る送電コイルと、共振キャパシタとを備えている。
上記態様によると、第1の態様と同様の効果を得ることができる。
(12)本開示の第12の態様に係る送電装置は、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記M個の平面コイルは、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、
前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、前記送電装置の内部に積層されたM個の平面コイルにおいて、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有している。
このことにより、前記コイル群の各々の合成インダクタンス値をできるだけ近い値になるように平均化することができる。並列に接続されたコイル群の間でインピーダンスのバランスが崩れることを抑制されるので、積層された平面コイルに流れる電流による損失を低減させることができる。その結果、不要な発熱を低減させ、伝送効率を向上させることができる。
(13)本開示の第13の態様に係る送電装置は、本開示の第12の態様に係る送電装置において、
前記送電面に1番目に近い平面コイルのインダクタンス値が最も小さく、前記送電面にM番目に近い平面コイルのインダクタンス値が最も大きい。
上記態様によると、インダクタンス値の大小の順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を構成する。このため、コイル群の各々の合成インダクタンス値をできるだけ近い値になるように平均化することができる。
(14)本開示の第14の態様に係る送電装置は、本開示の第12または13の態様に係る送電装置において、
前記M個の平面コイルが、絶縁基板又は誘電体基板上に導体パターンを巻回した基板をM個積層した多層基板である。
上記態様によると、送電装置の薄型化を図ることができる。
(15)本開示の第15の態様に係る送電装置は、本開示の第12から14のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記少なくとも1つの送電コイルが複数の送電コイルを含む。
上記態様によると、複数の送電コイルを送電面に平行な方向に配列した場合に、送電可能なエリアを広げることができる。
(16)本開示の第16の態様に係る送電装置は、本開示の第12から15のいずれか1つの態様に係る送電装置において、
前記送電コイルが、前記M個の平面コイルと直列に接続された第3の追加の平面コイル、または、前記M個の平面コイルと並列に接続された第4の追加の平面コイルを含む。
上記態様によると、回路設計上、インダクタンスを微調整する必要がある場合などに、容易にインダクタンスを調整できる。
(17)本開示の第17の態様に係る車両は、本開示の第12から16のいずれか1つの態様に係る送電装置を搭載した車両である。
上記態様によると、車両内で電子機器への充電を高い電力伝送効率で行うことができる。
(18)本開示の第18の態様に係る無線電力伝送システムは、本開示の第12から16のいずれか1つの態様に係る送電装置と、前記受電装置とを備えている。
上記態様によると、電力伝送効率の高い薄型の送電装置を備える無線電力伝送システムを実現できる。そのような無線電力伝送システムは、例えば、医療用ロボットまたは搬送用ロボットのシステムであり得る。
(19)本開示の第19の態様に係る送電コイルは、
受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置に用いられる送電コイルであって、
前記送電装置には、
前記受電装置に対して送電する送電面と、
直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、が備えられ、
前記送電コイルは、
前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、
前記M個の平面コイルは、前記送電面に1番目に近い平面コイルから前記送電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、
前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される、
送電コイル。
上記態様によると、第12の態様と同様の効果を得ることができる。
(20)本開示の第20の態様に係る送電アンテナは、本開示の第19の態様に係る送電コイルと、共振キャパシタとを備える。
上記態様によると、第12の態様と同様の効果を得ることができる。
(21)本開示の第21の態様に係る受電装置は、
送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置であって、
前記送電装置から受電する受電面と、
前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、
前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から入力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、
前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記2N個の平面コイルは、
i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記受電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
前記コイル群の各々は並列に接続される、
受電装置。
上記態様によると、第1の態様と同様の効果を有する受電装置を実現できる。
(22)本開示の第22の態様に係る受電コイルは、
送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置に用いられる受電コイルであって、
前記受電装置には、
前記送電装置から受電する受電面と、
前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、
前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から入力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、
前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、が備えられ、
前記受電コイルは、
前記2N個の平面コイルは、
i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記受電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
前記コイル群の各々は並列に接続される、
受電コイル。
上記態様によると、第21の態様と同様の効果を得ることができる。
(23)本開示の第23の態様に係る受電アンテナは、本開示の第22の態様に係る受電コイルと、共振キャパシタとを備える。
上記態様によると、第21の態様と同様の効果を得ることができる。
(24)本開示の第24の態様に係る受電装置は、
送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置であって、
前記送電装置から受電する受電面と、
前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、
前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から出力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、
前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
前記M個の平面コイルは、前記受電面に1番目に近い平面コイルから前記受電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、
前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、第12の態様と同様の効果を有する受電装置を実現できる。
(25)本開示の第25の態様に係る受電コイルは、
送電コイルを備える送電装置から非接触で交流電力を受電する受電装置に用いられる受電コイルであって、
前記受電装置には、
前記送電装置から受電する受電面と、
前記受電した交流電力を直流電力に変換する受電回路と、
前記受電装置の内部の前記受電面側に設けられ、前記受電面に垂直に積層されたM個(Mは3以上の自然数)の平面コイルを含み、前記受電面から出力された前記交流電力を前記受電回路に出力する少なくとも1つの受電コイルと、
前記受電装置の内部で前記受電コイルの前記受電面側とは逆側に設けられた磁性体と、が備えられ、
前記M個の平面コイルは、
前記受電面に1番目に近い平面コイルから前記受電面からM番目の平面コイルの中から、前記1からMの順序とは異なる順序で選択された2以上の平面コイルが一組として直列に接続されたコイル群を含む2以上のコイル群を有し、
前記2以上のコイル群の各々は並列に接続される。
上記態様によると、第24の態様と同様の効果を得ることができる。
(26)本開示の第26の態様に係る受電アンテナは、本開示の第25の態様に係る受電コイルと、共振キャパシタとを備える。
上記態様によると、第24の態様と同様の効果を得ることができる。
本開示の送電装置および無線電力伝送システムは、例えば、電気自動車、AV機器、電池、医療機器などへの充電あるいは給電を行う用途に広く適用可能である。
100 送電装置
110 送電アンテナ
112 送電コイル
114 共振キャパシタ
120 磁性体
130 送電面
140 送電回路
150 制御回路
160 銅パターン
170 ガラスエポキシ樹脂
180 端子
190 スイッチ
200 受電装置
210 受電アンテナ
212 受電コイル
214a、214b 共振キャパシタ
220 受電回路
230 二次電池
240 駆動用電気モータ
250 磁性体
260 受電面
270 車輪
300 DC電源
400 コンソールボックス
500 病院用ロボット
600 車両

Claims (11)

  1. 受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置であって、
    前記受電装置に対して送電する送電面と、
    直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
    前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
    前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、を備え、
    前記2N個の平面コイルは、
    i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
    前記コイル群の各々は並列に接続される、
    送電装置。
  2. Nが2の場合、前記送電面に1番目に近い平面コイルと、前記磁性体に1番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に2番目に近い平面コイルと、前記磁性体に2番目に近い平面コイルとが直列に接続される、
    請求項1に記載の送電装置。
  3. Nが3の場合、前記送電面に1番目に近い平面コイルと、前記磁性体に1番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に2番目に近い平面コイルと、前記磁性体に2番目に近い平面コイルとが直列に接続され、前記送電面に3番目に近い平面コイルと、前記磁性体に3番目に近い平面コイルとが直列に接続される、
    請求項1に記載の送電装置。
  4. 前記送電面に1番目に近い平面コイルのインダクタンス値は最も小さく、前記磁性体に1番目に近い平面コイルのインダクタンス値は最も大きい、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の送電装置。
  5. 前記2N個の平面コイルは、絶縁基板又は誘電体基板上に導体パターンを巻回した基板を2N個積層した多層基板である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の送電装置。
  6. 前記少なくとも1つの送電コイルは複数の送電コイルを含む、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の送電装置。
  7. 前記送電コイルは、前記2N個の平面コイルと直列に接続された第1の追加の平面コイル、または、前記2N個の平面コイルと並列に接続された第2の追加の平面コイルを含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の送電装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の送電装置を搭載した車両。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の送電装置と、前記受電装置とを備えた
    無線電力伝送システム。
  10. 受電コイルを備える受電装置に対して非接触で交流電力を送電する送電装置に用いられる送電コイルであって、
    前記送電装置には、
    前記受電装置に対して送電する送電面と、
    直流電源から入力された直流電力を交流電力に変換する送電回路と、
    前記送電回路から出力された前記交流電力を前記受電コイルに送電する少なくとも1つの送電コイルと、
    前記送電装置の内部で前記送電コイルの前記送電面側とは逆側に設けられた磁性体と、が備えられ、
    前記送電コイルは、
    前記送電装置の内部の前記送電面側に設けられ、前記送電面に垂直に積層された2N個(Nは2以上の自然数)の平面コイルを含み、
    前記2N個の平面コイルは、
    i=1〜Nとした場合に、前記2N個の平面コイルの中で、前記送電面にi番目に近い平面コイルと、前記磁性体にi番目に近い平面コイルとを直列に接続したコイル群を構成し、
    前記コイル群の各々は並列に接続される、
    送電コイル。
  11. 請求項10に記載の送電コイルと、共振キャパシタとを備えた送電アンテナ。
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