以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
<前扉枠14>
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
<内枠13>
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース50を主体に構成されている。内枠ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と内枠ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース50が幕板の上に載ることとなる。
内枠ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
内枠ベース50の中央部分には遊技盤ユニット60を収容する遊技盤収容部53が形成されている。遊技盤収容部53は遊技盤ユニット60の外形に合わせて遊技機後方に窪んだ凹部であり、遊技盤ユニット60はこの遊技盤収容部53に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。遊技盤収容部53の底部には、略矩形状の窓孔54が形成されており、この窓孔54を通じて遊技盤ユニット60の背面構成(後述する背面ブロック60b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔54については、内枠ベース50に装着された遊技盤ユニット60によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
<遊技盤ユニット60>
遊技盤ユニット60は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤60aと、遊技盤60aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がブロックベース136に搭載されてなる背面ブロック60bとが一体化されてなり、背面ブロック60bの前面部分が遊技盤60aを通じて視認可能となっている。
遊技盤60aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤60aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤60a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図4、図5、図6に基づき遊技盤ユニット60(特に遊技盤60aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤ユニット60の正面図、図5は遊技盤ユニット60を右前方から見た斜視図、図6は遊技盤ユニット60を左前方から見た斜視図である。なお、図5、図6においては遊技盤60aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット60を見た場合の概観に近い状態としている。
図4、図5、図6に示すように、遊技盤60aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口61、可変入賞装置64、作動口62,63、スルーゲート65等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、可変入賞装置64及び作動口62,63に遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤60aの最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、可変入賞装置64、作動口62,63への遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤60aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤60aの中央には中央開口72が形成されており、この中央開口72を遊技盤60aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー(図示略)が取り付けられている。この中央開口72の背後には、背面ブロック60bに属する可変表示ユニット67等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口72(開口カバー)を通じて可変表示ユニット67等を視認可能となっている。
ちなみに、遊技盤60aは、その透明な板材に重ねられた不透明なシート材を有している。このシート材は、透明な板材の前面側の板面に貼り付けられており、遊技盤60aの背面側への視線を遮ることになる。このため、背面ブロック60bにおいて遊技機前方から視認できる範囲は、遊技盤60aの中央開口72を通じて遊技機前方に露出する部分に限られることになる。
遊技盤60aにおいては、中央開口72の周辺に作動口62,63やスルーゲート65等が配設されている。作動口62,63は、可変表示ユニット67の下方に配設された上作動口62と、上作動口62の直下に配設された下作動口63とによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)63には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、左右一対の可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口63への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口63よりも上流側(詳しくは可変表示ユニット67の側方)には上記スルーゲート65が配置されており、遊技球のスルーゲート65の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口63への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口62に対する下作動口63の有利性を高める上では、上作動口62に係る払出個数よりも下作動口63に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)64には、遊技盤60aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤60aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置64の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット67について補足説明する。可変表示ユニット67は、作動口62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75を有している。図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置170(図23参照)によりその表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤60aには、中央開口72を囲むようにしてセンターフレーム77が設けられている。センターフレーム77は、遊技盤60a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム77と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム77)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム77の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム77の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム77に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が上作動口62へと比較的流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバーによって中央開口72を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック60b(可変表示ユニット67)側へ移動しないように規制されている。
作動口62,63は、中央開口72(可変表示ユニット67)寄りとなる位置に配置されている。作動口62,63への入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口62,63に入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動口62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤60aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット60の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット81や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット81について補足説明する。主表示ユニット81は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口62への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット81の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート65への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート65への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート65への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート65への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート65を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース50において遊技盤60aの搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース50に固定されることで内枠ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60a側、詳しくは遊技盤60aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60aにおいて出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
内枠ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(内枠ベース50及び遊技盤ユニット60)の背面構成について説明する。
内枠ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で内枠ベース50に固定するための固定レバーが複数設けられている。
既に説明したように、内枠ベース50における遊技盤収容部53の底部分には、内枠ベース50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース50の背面側に開放された窓孔54が形成されており、その窓孔54が遊技盤収容部53に収容された遊技盤ユニット60によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット60(背面ブロック60b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔54を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット60の背面の構成について説明する。
また、遊技盤60aの背面に取り付けられた背面ブロック60bは、遊技盤60a側に開放された略箱状のブロックベース136を有してなり、このブロックベース136が遊技盤60aの背面に固定されることで、遊技盤60aと背面ブロック60bとが一体化されている。
ブロックベース136の前面側は、可動式の演出機構(例えば、後述する可動演出ユニット230)や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット67(図柄表示装置75)の配置領域となっている。
より具体的には、ブロックベース136の一部が内枠ベース50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置75と、その図柄表示装置75を駆動するための表示制御装置170とが取り付けられている。これら図柄表示装置75及び表示制御装置170は前後方向(内枠ベース50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置170が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ブロックベース136の背面部には、表示制御装置170の後方に位置するようにして報知・演出制御装置143が搭載されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置170の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置143の下方には、ブロックベース136を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット60(詳しくは背面ブロック60b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
ブロックベース136の前面部において遊技盤60aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口61,可変入賞装置64、作動口62,63の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口61等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット60の下方に集合する構成となっている。つまり、ブロックベース136には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット60の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット60の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口68についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口68を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック60bを構成するブロックベース136には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口61に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入賞装置64に入賞した遊技球を検知する可変入賞装置用検知センサと、作動口62,63に入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
<裏パックユニット15>
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技盤60aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック60bを設け、遊技盤60aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図5、図6(遊技盤ユニット60の斜視図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック60bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット60の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック60bを遊技盤60aの背後に設けることにより、可変表示ユニット67と遊技盤60aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。本実施の形態においては、かかる可動演出装置に関して特徴的な構成を有している。
遊技盤60aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、図5、図6に示すように、遊技盤60aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック60b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技盤60a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
既に説明したように、背面ブロック60bは、可変表示ユニット67等の各種演出装置や報知・演出制御装置143等の各種制御装置が搭載される台座として上記ブロックベース136を有している。
ブロックベース136は、遊技盤60aの背面に対向する平板状の対向部137と、対向部137から後方に膨出するベース膨出部138とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり、正面視における外形が遊技盤60aとほぼ同じ大きさ(詳しくは上下幅が若干ちいさい)となるように構成されている。
ベース膨出部138は、前方(遊技盤60a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部137が構成されている。対向部137が遊技盤60aの背面に当接した状態で当該遊技盤60aにねじ止めされることにより、遊技盤60aと背面ブロック60bとが1ユニット化されている(図3参照)。
ベース膨出部138の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技盤60aの中央開口72と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット67はこの開放部を塞ぐようにしてベース膨出部138の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置75の表示画面75aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置143及び表示制御装置170が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)に対して積層配置されており、更にその下方には、ベース膨出部138に対して主制御装置162が取り付けられている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している。
<可動演出ユニット230>
背面ブロック60bは、演出効果を高めるために動作する可動演出ユニット230を有している。可動演出ユニット230は、ブロックベース136と遊技盤60aとの間に配置されており、遊技盤60aの背面側において中央開口72及び表示画面75aの各周縁部に沿って延びている。この場合、可動演出ユニット230は、遊技機前方からでは遊技盤60aに遮られて視認しにくくなっているとともに、遊技機前方からの表示画面75aへの視線を遮らないようになっている。
可動演出ユニット230について図7、図8を参照しつつ説明する。図7は可動演出ユニット230の正面図、図8は可動演出ユニット230の分解斜視図である。
図7、図8に示すように、可動演出ユニット230は、略矩形枠状のユニット本体231と、ユニット本体231に取り付けられた第1装飾装置232及び第2装飾装置233とを有している。ユニット本体231は、上下方向に延びている一対の縦枠部231aと、それら縦枠部231aを連結している一対の横枠部231bとを有しており、一対の縦枠部231aのうち一方に第1装飾装置232が取り付けられ、他方に第2装飾装置233が取り付けられている。例えば、遊技機前方から見て右側の縦枠部231aに第1装飾装置232が取り付けられ、左側の縦枠部231aに第2装飾装置233が取り付けられている。なお、第1装飾装置232がリンク装置に相当し、第2装飾装置233が演出装置に相当する。
ユニット本体231は、各縦枠部231a及び各横枠部231bにより囲まれた枠開口231cを有しており、第1装飾装置232と第2装飾装置233とは枠開口231cを挟んで配置されている。この場合、第1装飾装置232と第2装飾装置233とは、横並びの状態で互いに離間している。また、ユニット本体231は、遊技盤60aの背面側に隠れた状態で、ブロックベース136に固定されている。
<第1装飾装置232>
第1装飾装置232について図9〜図11を参照しつつ説明する。図9は第1装飾装置232の分解斜視図、図10は第1装飾装置232の概略正面図、図11はリンク部242,243の動作について説明するための模式図である。なお、図10においては、(a)に第1装飾装置232が退避状態にある場合を示し、(b)に第1装飾装置232が演出状態にある場合を示す。また、図10(a)においては移動演出部243bの図示を省略し、図10(b)においては移動演出部243bを仮想線で図示している。
図9に示すように、第1装飾装置232は、ユニット本体231に取り付けられている本体部241と、その本体部241に対して回動可能に設けられた第1リンク部242及び第2リンク部243とを有している。第1装飾装置232においては、固定リンクとしての本体部241に対して第1リンク部242と第2リンク部243とが互いに連動して回動するリンク機構が構築されており、第1装飾装置232はリンク機構を有するリンク装置に相当する。第1装飾装置232においては、本体部241の前面側に第1リンク部242が配置され、その第1リンク部242の更に前面側に第2リンク部243が配置されている。
本体部241は、略長方形の板状に形成されており、その長辺が上下に延びる向きでユニット本体231の縦枠部231aに沿って延びている。本体部241は、その厚み方向が遊技機前後方向となる向きで、縦枠部231aの前面に取り付けられている。この場合、本体部241は、遊技盤60aの中央開口72と前後に重ならず、遊技機前方から遊技盤60aにより覆い隠される位置に配置されている。
第1リンク部242及び第2リンク部243は、本体部241の前面に沿って延びている。第1リンク部242は、第1軸部244を介して本体部241に接続されている。第1リンク部242は、長尺板状に形成されており、その厚み方向が本体部241の厚み方向となる向きで配置されている。
第1軸部244は、本体部241及び第1リンク部242のそれぞれに固定された固定軸部である。本実施形態では、第1軸部244が、第1リンク部242から本体部241に向けて突出した凸部であり、本体部241に形成された凹部244aに入り込んだ状態でその本体部241に固定されている。この場合、第1軸部244は、本体部241の上端部と第1リンク部242の一方の端部とを接続している。
第2リンク部243は、第2軸部245を介して本体部241に接続され、且つ第3軸部246を介して第1リンク部242に接続されている。第2軸部245は、第2リンク部243に固定されている一方で、本体部241に対してはスライド移動が可能になっている。
第2リンク部243は、第2軸部245及び第3軸部246が設けられたリンク部本体243aと、リンク部本体243aの前面側に設けられた移動演出部243bとを有している。リンク部本体243aは、板状に形成され、本体部241の前面に沿って第2軸部245から第3軸部246を越えて延びており、第2軸部245及び第3軸部246を軸に本体部241及び第1リンク部242に対して回動することが可能になっている。移動演出部243bは、犬の顔を模した形状及び色を有し、リンク部本体243aを遊技機前方から覆い隠す状態でそのリンク部本体243aに取り付けられており、リンク部本体243aの回動(リンク機構の動作)に伴って退避位置PA1(図6参照)と演出位置PA2(図4参照)とに移動する。退避位置PA1と演出位置PA2とは、第2軸部245の移動方向とは交差する方向に沿って並んでいることになる。
第1装飾装置232は、移動演出部243bを退避位置PA1から演出位置PA2に移動させることで演出効果を高めることが可能であり、第1装飾装置232を演出装置と称することもできる。また、第1装飾装置232は、移動演出部243bが退避位置PA1に移動することで退避状態に移行することになり、移動演出部243bが演出位置PA2に移動することで演出状態に移行することになる。
第2軸部245は、第2リンク部243のリンク部本体243aに固定されている一方で、本体部241の板面に沿って移動可能になっている。第2リンク部243においては、第2軸部245がリンク部本体243aの端部に固定されている。第1装飾装置232が退避状態にある場合、リンク部本体243aは、第2軸部245側を下端として上方に向けて延びている。なお、第2軸部245は、リンク部本体243aにおいて本体部241に向けて突出した部分の先端に取り付けられている。
第3軸部246は、第1リンク部242及び第2リンク部243のそれぞれに固定され、これらリンク部242,243の回動に伴って移動する移動軸部になっている。本実施形態では、第3軸部246が、第2リンク部243のリンク部本体243aから第1リンク部242に向けて突出した凸部であり、第1リンク部242に形成された凹部246aに入り込んだ状態でその第1リンク部242に固定されている。また、第3軸部246は、第1リンク部242における第1軸部244とは反対側の端部に配置されている一方で、第2リンク部243の中間位置に配置されている。
第1軸部244、第2軸部245及び第3軸部246の各軸線は、第1装飾装置232の厚み方向(本体部241、第1リンク部242及び第2リンク部243の重なり方向)に沿って延びている。この場合、第1リンク部242及び第2リンク部243は、軸部244〜246を軸に本体部241の板面に沿って回動することになる。
第1装飾装置232においては、第2軸部245が本体部241に沿って上下方向にスライド移動することで、移動演出部243bが遊技機幅方向(左右方向)に移動可能になっている。第2軸部245は、第1軸部244よりも下方位置においてあらかじめ定められた所定範囲で移動可能になっており、移動演出部243bは、図10(a)に示すように、第2軸部245がその移動範囲内において最下位置LA1にあることで退避位置PA1にあり、図10(b)に示すように、第2軸部245がその移動範囲内において最上位置HA1に移動することで演出位置PA2に移動することになる。
移動演出部243bは、退避位置PA1にある場合に、遊技盤60aの背面側に隠れた状態になっており、遊技機前方からでは第2装飾装置233側の側面が視認できる程度になっている(図6参照)。また、この場合、第2リンク部243における移動演出部243b以外の部分(例えばリンク部本体243a)及び第1リンク部242も遊技盤60aの背面側に隠れた状態になっており、移動演出部243bの側面以外は遊技機前方から視認できないようになっている。
演出位置PA2は、退避位置PA1よりも第2装飾装置233側の位置であり、且つユニット本体231の一対の縦枠部231aの中間位置になっている。移動演出部243bは、演出位置PA2にある場合に、表示画面75aの前方に露出した状態になり、遊技機前方から中央開口72を通じてほぼ全体を視認できるようになる(図4参照)。その一方で、リンク部本体243a及び第1リンク部242は移動演出部243bの背面側に隠れた状態になっており、移動演出部243b以外は遊技機前方から視認できないようになっている。
第1装飾装置232においては、第2軸部245の移動範囲を構造的に制限することで、移動演出部243bの移動範囲を設定しており、それによって、移動演出部243bが退避位置PA1と演出位置PA2との間を移動可能になっている。
図9に示すように、本体部241は、第2軸部245のスライド方向を案内する本体案内部251を有している。第2軸部245は、本体案内部251に係止された状態で、軸線の向きを保持したまま本体案内部251に沿って移動することが可能になっている。本体案内部251は、第1軸部244から下方に離間した位置と、本体部241の下端から上方に離間した位置との間において、本体部241の前面に沿って上下方向に直線状に延びている。
第1軸部244は、本体案内部251の延長線上に配置されている。この場合、第2軸部245は、第1リンク部242及び第2リンク部243の回動に伴って、第2軸部245のスライド方向とは交差する方向(遊技機幅方向)に移動することになる。
<リンク部242,243の動き>
図10(a)に示すように、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合、第3軸部246は、本体案内部251と前後に重なった位置(第2軸部245の移動軌跡上)に配置されている。この場合、図11(a)に示すように、第2軸部245は、第1装飾装置232のリンク機構において下死点又はそれに近い位置にあり、この位置を最下位置LA1としている。本体案内部251は、最下位置LA1にある場合に第2軸部245が存在する位置よりも下方まで延びている。本実施形態では、第2軸部245が本体案内部251の下端部に達することで最下位置LA1に移動したことになる。
そして、図11(b)に示すように、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する場合、第1リンク部242及び第2リンク部243の回動に伴って、第3軸部246が中央開口72側(第2装飾装置233側)に向けて移動するとともに、第2軸部245が上方(第1軸部244)に向けて移動する。
図10(b)に示すように、移動演出部243bが演出位置PA2に移動した場合、第1軸部244よりも低い位置において、第2軸部245と第3軸部246とが横並びに配置されている。この場合、図11(c)に示すように、第2軸部245は、第3軸部246とほぼ同じ高さ位置又はそれよりも若干高い位置に配置されており、この位置を最上位置HA1と称している。また、この場合、第3軸部246は、第1装飾装置232のリンク機構において本体案内部251(第2軸部245の移動軌跡)から最も離間した位置にある。
移動演出部243bが演出位置PA2にある場合、第2軸部245は、最上位置HA1よりも上方に移動することが規制されている。本体案内部251は、第2軸部245が最上位置HA1よりも上昇することを規制する上昇ストッパ252を有しており、移動演出部243bが演出位置PA2にある場合、第2軸部245は、上昇ストッパ252に下方から引っ掛かった状態になっている。
第2軸部245が最上位置HA1にある場合、第1リンク部242において第1軸部244と第3軸部246とを結んだ第1直線N1に対して、第2リンク部243において第2軸部245と第3軸部246とを結んだ第2直線N2が交差している。これら第1直線N1と第2直線N2との交差部分において、第1軸部244と第2軸部245との間のリンク角度α1は、90度よりも小さくなっている。なお、第2直線N2は、第1リンク部242の回動に伴って第3軸部246が移動軌跡として描く曲線の接線に直交していないことになる。また、リンク角度α1は、第1リンク部242と第2リンク部243との交差角度に相当する。
ここで、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向き(本体部241と第1リンク部242との間の角度が小さくなる向き)で第1リンク部242に外力が加えられた場合、その外力は、第2軸部245にも上昇させる向きで加えられることになるが、第2軸部245の上昇は上昇ストッパ252により規制されるため、第2軸部245は最上位置HA1にて位置保持される。この場合、リンク角度α1が90度よりも小さくなっているため、第2リンク部243に対して第2軸部245が下方に移動する向き(第1軸部244から遠ざかる向き)に外力が加えられない限り、リンク部242,243は回動せず、移動演出部243bも演出位置PA2にて位置保持されることになる。
なお、移動演出部243bが演出位置PA2にある場合、第2リンク部243は、リンク角度α1が90度以下になっていることで、中間アーム261が縮むことを規制する収縮規制状態になっている。また、リンク角度α1が90度よりも大きくなっていることで、中間アーム261が縮むことを許可する収縮許可状態になっている。
移動演出部243bは、退避位置PA1から演出位置PA2に向けて移動することで遊技盤60aの裏側から表示画面75aの前方に出現することになるが、第2軸部245が最上位置HA1を越えて第1軸部244側に移動した場合、その第2軸部245が第1軸部244に近付くにつれて移動演出部243bが再び遊技盤60aの裏側に隠れる向きで移動することになる。したがって、上昇ストッパ252は、移動演出部243bを表示画面75aの前方に露出した部分が最も大きい状態で保持するという機能を有していることになる。
<中間アーム261>
図9の説明に戻り、第1装飾装置232は、第1リンク部242の中間部分を本体部241に連結する中間アーム261を有している。中間アーム261は、伸縮可能であり、伸縮することで第1リンク部242を本体部241に対して回動させることが可能になっている。中間アーム261は、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合に縮み状態にあり、その縮み状態から伸びることで、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向き(演出向き)で第1リンク部242を回動させ、移動演出部243bが演出位置PA2に到達した場合に伸び状態になっている。また、伸び状態から縮むことで、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向き(退避向き)で第1リンク部242を回動させる。
中間アーム261は、本体部241の前面側において第1リンク部242に横並びに配置されている。この場合、第1リンク部242と中間アーム261とは遊技機幅方向に横並びに配置されている。中間アーム261は、本体側軸部262を介して本体部241に接続され、且つリンク側軸部263を介して第1リンク部242に接続されている。本体側軸部262は、中間アーム261及び本体部241のそれぞれに固定されており、リンク側軸部263は、中間アーム261及び第1リンク部242のそれぞれに固定されている。
中間アーム261は、本体部241の前面側に配置されている。本実施形態では、本体側軸部262が、中間アーム261から本体部241に向けて突出した凸部であり、本体部241に形成された凹部262aに入り込んだ状態でその本体部241に固定されている。また、中間アーム261は、第1リンク部242とは本体部241の前面に沿って横並びに配置されている。第1リンク部242の側面には凹部が形成されており、その凹部に中間アーム261の端部が入り込んでいる。リンク側軸部263は、第1リンク部242の凹部内で中間アーム261を貫通した状態で、第1リンク部242に固定されている。
リンク側軸部263は、第1リンク部242において、第1軸部244と第3軸部246との間という中間位置に配置されている。リンク側軸部263は、第1軸部244と第3軸部246との真ん中の位置よりも第3軸部246寄りに配置されており、リンク側軸部263と第3軸部246との離間距離が、リンク側軸部263と第1軸部244との離間距離よりも大きくなっている。
図10、図11に示すように、本体側軸部262は、本体部241の幅方向において、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合の第1リンク部242の位置よりも、演出位置PA2とは反対側(第2装飾装置233とは反対側)に配置されている。このため、中間アーム261が第1リンク部242に横並びに配置された構成であっても、第1リンク部242を本体側軸部262に接触しない状態で回動させることができる。つまり、中間アーム261が第1リンク部242の回動の支障になるということを回避できる。なお、本体側軸部262は、第2軸部245の移動軌跡(本体案内部251)を挟んで演出位置PA2とは反対側に配置されていることになる。
また、本体側軸部262は、本体部241の上下方向において、第1軸部244よりも低い位置であって、第2軸部245の移動範囲(本体案内部251)よりも高い位置に配置されており、中間アーム261の伸縮に伴って第1リンク部242が回動する場合に、中間アーム261が第2軸部245の移動範囲内に侵入しないようになっている。このため、本体側軸部262が本体案内部251を挟んで演出位置PA2とは反対側に配置されている構成であっても、第2軸部245を中間アーム261に接触しない状態でスライド移動させることができる。つまり、中間アーム261が第2リンク部243の回動の支障になることを回避できる。
図9に示すように、中間アーム261は、本体側軸部262を介して本体部241に接続された第1アーム部264と、リンク側軸部263を介して第1リンク部242に接続された第2アーム部265と、これらアーム部264,265を接続している中間軸部266とを有している。第1アーム部264と第2アーム部265とは、中間軸部266を軸として相対的に回動することが可能になっており、中間アーム261は、第1アーム部264と第2アーム部265とがそれらの交差角度が大きくなる向きで相対的に回動することで伸び、交差角度が小さくなる向きで相対的に回動することで縮む。
中間軸部266の軸線は、第1装飾装置232の厚み方向に沿って延びており、中間軸部266は、中間アーム261の伸縮に伴って前記本体部241の板面に沿って移動する。第1アーム部264と第2アーム部265とは、中間軸部266の軸線方向に沿って並べて設けられている。第2アーム部265が第1アーム部264の第1リンク部242側に配置されており、第1アーム部264は第2アーム部265と本体部241との間に入り込んだ状態になっている。この場合、第1リンク部242に対しては、第1アーム部264及び第2アーム部265のそれぞれが本体部241の板面に沿って横並びに配置されている。
本実施形態では、中間軸部266が、第1アーム部264から第2アーム部265に向けて突出した凸部であり、第2アーム部265には、中間軸部266が挿通されたアーム長孔265aが形成されている。第2アーム部265を挟んで第1アーム部264の反対側には、第1アーム部264との間に第2アーム部265を回動可能な状態で挟み込んでいる挟み込み部材267が設けられており、その挟み込み部材267は、中間軸部266の先端にネジ等で固定されている。アーム長孔265aは、第2アーム部265の長手方向(中間軸部266とリンク側軸部263との並び方向)に沿って延びており、その長手方向に沿った中間軸部266のスライド移動を可能にしている。この場合、中間軸部266は、その軸線の向きを保持したままスライド移動することになる。
<中間アーム261の動き>
図10(a)、図11(a)に示すように、中間アーム261は、縮み状態にある場合(移動演出部243bが退避位置PA1にある場合)に折り畳まれた状態になっており、第1アーム部264と第2アーム部265とが折り重なって平行に延びている。この場合、第1アーム部264と第2アーム部265との交差角度はほぼ0度になっている。また、この場合、第1アーム部264及び第2アーム部265はいずれも遊技機幅方向に沿って延びている。ここで、第1アーム部264における本体側軸部262と中間軸部266との離間距離は、第2アーム部265におけるリンク側軸部263と中間軸部266との離間距離より小さくされており、中間アーム261が縮み状態にある場合は、本体側軸部262がリンク側軸部263と中間軸部266との間に入り込んだ状態になっている。
中間アーム261が縮み状態から伸びていく場合、第1アーム部264及び第2アーム部265の回動に伴って、それら第1アーム部264と第2アーム部265との交差角度が大きくなっていく。この場合、中間軸部266は、本体側軸部262を挟んでリンク側軸部263とは反対側から、本体側軸部262とリンク側軸部263との間に向けて移動していくことになる。
図11(b)に示すように、中間アーム261が縮み状態から伸び状態に移行する場合、第1アーム部264及び第2アーム部265は、それぞれの回動先端側(中間軸部266)が本体側軸部262の下方を通る向きで回動する。つまり、正回動する。この場合、中間軸部266は、本体側軸部262を挟んで第1軸部244とは反対側において、本体側軸部262と本体案内部251との間を通ることになる。
図10(b)、図11(c)に示すように、中間アーム261は、伸び状態にある場合(移動演出部243bが演出位置PA2にある場合)に折り畳みが解消され、第1アーム部264と第2アーム部265とが直線状に延びた状態になっている。この場合、第1アーム部264と第2アーム部との間の角度はほぼ180度になっている。そして、中間アーム261が伸び状態から縮む場合も、第1アーム部264及び第2アーム部265は、中間軸部266が本体側軸部262の下方を通る向きで回動する。
中間アーム261が伸縮すると、本体側軸部262の位置は変化しない一方で、リンク側軸部263は本体部241の幅方向に沿って移動することになる。中間アーム261が伸びた場合、リンク側軸部263は本体側軸部262から離れる向きで移動し、それに伴って、中間アーム261が第1リンク部242を側方に押し出すような状態になる。一方、中間アーム261が縮んだ場合、リンク側軸部263は本体側軸部262に近付く向きで移動し、それに伴って、中間アーム261が第1リンク部242を本体部241側に引き寄せるような状態になる。
なお、中間アーム261は、第1装飾装置232の厚み方向において本体案内部251に重ならない領域で伸縮する。つまり、本体側軸部262に対して移動するリンク側軸部263及び中間軸部266の各移動軌跡が、第2軸部245のスライド移動に伴う移動軌跡と交わらないようになっている。このため、中間アーム261の伸縮と第2軸部245のスライド移動とが互いに干渉することが回避される。
第1装飾装置232は、中間アーム261が縮み状態から伸び状態に移行する場合に、第1アーム部264及び第2アーム部265が逆向きに回動することを規制する逆回動ストッパ269(図9参照)を有している。逆回動ストッパ269は、本体部241から遊技機前方に向けて突出した凸部であり、本体側軸部262を挟んで第1リンク部242の反対側に配置されている。中間アーム261が縮み状態にある場合、第1アーム部264及び第2アーム部265の少なくとも一方が下方から逆回動ストッパ269に接触することで、中間軸部266が第1軸部244側に移動する向きでアーム部264,265が回動するということが規制される。
図11(a)に示すように、中間アーム261が縮み状態にある場合、本体側軸部262、リンク側軸部263及び中間軸部266は直線上に並んでおり、中間アーム261においてリンク側軸部263と中間軸部266とを結ぶアーム直線N3は、第1リンク部242の第1直線N1と交差している。アーム直線N3と第1直線N1との交差部分において、中間軸部266と第3軸部246との間のアーム角度α2は、ほぼ90度になっている。
この場合、中間アーム261が第1リンク部242に対してほぼ直交しており、アーム直線N3が、第1リンク部242の回動に伴ってリンク側軸部263が移動軌跡として描く曲線の接線にほぼ一致している。このため、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きで第1リンク部242や第2リンク部243に外力が加えられても、アーム部264,265は、アーム角度α2が小さくなる向き(正回動の向き)には回動しにくい。つまり、中間アーム261が伸びにくくなっている。
また、アーム角度α2が大きくなる向き(逆回動の向き)にリンク部242,243に外力が加えられることも想定される。この場合、アーム部264,265の逆回動は逆回動ストッパ269により阻止されているため、アーム部264,265が逆回動して中間アーム261が伸びるということも規制される。したがって、アーム部264,265の正回動及び逆回動のいずれもが規制され、その結果、中間アーム261が伸びて移動演出部243bが意図せずに演出位置PA2に移動するということを阻止できる。
図10(b)に示すように、第2リンク部243は、第3軸部246から第1軸部244とは反対側に向けて突出した突出部分271を有している。突出部分271は、リンク部本体243a及び移動演出部243bのそれぞれを含んで構成されており、移動演出部243bが第2軸部245から第3軸部246を越えて延びている。このため、移動演出部243bが演出位置PA2に移動した場合に、例えば第2リンク部243が突出部分271を有していない構成に比べて、本体部241からの移動演出部243bの突出寸法が大きくなる。これにより、演出位置PA2に移動した移動演出部243bの存在感を高めることができる。
移動演出部243bが退避位置PA1にある場合、突出部分271と本体部241との間の隙間に、第1リンク部242及び中間アーム261が入り込んだ状態になっている。ここで、中間アーム261は、第1リンク部242に対して本体部241の前面に沿って横並びに配置された状態で、リンク側軸部263を介して第1リンク部242に接続されているため、中間アーム261が第1リンク部242に接続されていることを理由として、第2リンク部243と本体部241との離間距離を大きくするという必要がなくなる。つまり、第1装飾装置232の厚み寸法を極力小さくできる。
<駆動部281,282>
図9に示すように、第1装飾装置232は、第1リンク部242を回動させるために駆動する第1駆動部281と、第2リンク部243を回動させるために駆動する第2駆動部282とを有している。駆動部281,282は、回転軸部を有するステッピングモータ等のモータであり、この回転軸部が回転することでリンク部242,243を回動させることが可能になっている。駆動部281,282は、いずれも本体部241の背面側に突出した状態でその本体部241に取り付けられており、本体部241に沿って上下に並べて配置されている。この場合、第1駆動部281が第2駆動部282の上方に配置されている。なお、第1駆動部281を第1モータと称し、第2駆動部282を第2モータと称することもできる。また、第1駆動部281が伸縮駆動部に相当する。
第1駆動部281と第2駆動部282とでは駆動に関する性能が異なっている。駆動トルクの定格値については、第1駆動部281の方が第2駆動部282よりも大きく、駆動速度(回転軸部の回転速度)の定格値については、第2駆動部282の方が第1駆動部281よりも大きくされている。この場合、第1駆動部281がトルク駆動部に相当し、第2駆動部282が速度駆動部に相当する。ここで、第1装飾装置232においては、第1リンク部242と第2リンク部243とが連動して回動するため、それらリンク部242,243を回動させるための負荷を第1駆動部281と第2駆動部282とが分担することになる。
例えば、第1駆動部281と第2駆動部282とが同時に駆動開始した場合、第1駆動部281の方が定格トルクが大きいため、第1駆動部281の駆動力によるリンク部242,243の加速の方が、第2駆動部282の駆動力によるリンク部242,243の加速より大きくなる。この場合、リンク部242,243は第2駆動部282の駆動力により回動開始することになり、例えば第2駆動部282の駆動力だけでリンク部242,243が回動開始した場合に比べて、リンク部242,243の回動開始の加速度が大きくなる。
また、第2駆動部282の方が定格速度が大きいため、駆動部281,282が駆動開始してから所定時間が経過すると、加速の遅かった第2駆動部282の駆動速度が第1駆動部281の駆動速度を追い越す。この場合、リンク部242,243は第1駆動部281の駆動力により回動することになり、例えば第1駆動部281の駆動力だけでリンク部242,243が回動している場合に比べて、リンク部242,243の最高速度が大きくなる。
駆動部281,282は、正逆両方向に回転することが可能であり、それぞれの回転軸部を所定の演出角度だけ回転させることで、移動演出部243bが退避位置PA1と演出位置PA2との間を移動するのに必要な角度だけリンク部242,243を回動させることになる。この場合、第2駆動部282の演出角度(例えば270度)が、第1駆動部281の演出角度(例えば120度)よりも大きくなるように設定されている。これにより、第1駆動部281として、定格速度が小さくても定格トルクが大きければよいというトルク重視のモータを選定することができ、第2駆動部282として、定格トルクが小さくても定格速度が大きければよいという速度重視のモータを選定することができる。つまり、これら駆動部281,282について、定格トルク及び定格速度の両方が大きいモータを選定する必要がない。したがって、駆動部281,282として使用するモータについてコスト負担を低減できる。
<バネ部材291>
第1装飾装置232は、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きでリンク部242,243を付勢する付勢手段としてバネ部材291を有している。バネ部材291は、直線状に延びているコイルバネの一種であり、引っ張られた状態で縮む方向に付勢力を発揮する引張バネである。バネ部材291は、第1駆動部281や第2駆動部282によるリンク部242,243の回動を補助するものであり、バネ部材291の付勢力がリンク部242,243に加えられることで、例えば駆動部281,282の駆動力だけでリンク部242,243を回動させる場合に比べて、リンク部242,243の回動開始の加速度や最高速度が大きくなる。
バネ部材291は、引っ張られた状態で第1リンク部242と本体部241とに接続されている。第1リンク部242は、バネ部材291の一端が引っ掛けられたリンク側引掛部292を有し、本体部241は、バネ部材291の他端が引っ掛けられた本体側引掛部293を有しており、バネ部材291は、リンク側引掛部292と本体側引掛部293とに掛け渡された状態で設けられている。リンク側引掛部292及び本体側引掛部293は、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きで第1リンク部242が回動することで、それら引掛部292,293の離間距離が近付く位置に配置されている。
バネ部材291の長さ寸法は、リンク側引掛部292と本体側引掛部293との離間距離よりも小さい。このため、バネ部材291は、移動演出部243bが演出位置PA2に移動するまで、リンク側引掛部292と本体側引掛部293とが近付く向き(移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向き)で第1リンク部242に付勢力を継続して付与することになる。
本体側引掛部293は、本体案内部251を挟んで移動演出部243bの出現方向(演出位置PA2)とは反対側に設けられており、本体部241の幅方向において本体案内部251に横並びに配置されている。この場合、本体側引掛部293は、逆回動ストッパ269や本体側軸部262の下方位置に配置されていることになる。本体側引掛部293は、本体部241から遊技機前方に向けて突出した凸部を有しており、バネ部材291の端部はその凸部に引っ掛けられた状態でネジ等により固定されている。この場合、バネ部材291は、本体側引掛部293の凸部を軸として本体部241の前面に沿って回動可能になっている。
第1リンク部242は、第1軸部244から第3軸部246とは交差する方向(ほぼ直交する方向)において、演出位置PA2とは反対側に向けて膨出した膨出部294を有しており、その膨出部294がリンク側引掛部292を有している。リンク側引掛部292は、膨出部294から遊技機前方に向けて突出した凸部を有しており、バネ部材291の端部はその凸部に引っ掛けられた状態でネジ等により固定されている。この場合、バネ部材291は、リンク側引掛部292の凸部を軸として膨出部294の前面に沿って回動可能になっている。
膨出部294は、第1リンク部242においてリンク側軸部263よりも第1軸部244側の部分が本体部241の前面に沿って膨出した状態になっており、膨出先端側に向けて徐々に膨出部294の幅寸法(上下寸法)が小さくなっている。リンク側引掛部292は膨出部294の先端に配置されており、膨出部294の膨出寸法は本体部241の幅寸法とほぼ同じになっている。つまり、第1軸部244とリンク側引掛部292との離間距離は、本体部241の幅寸法とほぼ同じになっている。
バネ部材291は、逆回動ストッパ269を挟んで本体側軸部262や本体案内部251とは反対側において、本体部241の前面に沿って上下方向に延びた状態になっている。ここで、リンク側引掛部292の回動半径が、本体部241の幅寸法とほぼ同じという極力大きな寸法とされているため、第1リンク部242の回動に伴うリンク側引掛部292の移動方向がほぼ上下方向に限定されている。この場合、バネ部材291は、本体部241の幅方向において逆回動ストッパ269よりも本体側軸部262側にはみ出さずに伸縮することが可能になっており、それによって、中間アーム261の伸縮や第2軸部245のスライド移動と、バネ部材291の伸縮とが互いに干渉することが回避される。
また、リンク側引掛部292の回動半径が極力大きくされていることは、バネ部材291の付勢力を第1リンク部242を回動させるための回動力として利用する構成において、その回動力を増大させることにもなる。ここで、第1軸部244を支点とし、リンク側引掛部292を力点とし、第3軸部246を作用点とした場合、支点と作用点との離間距離に対する支点と力点との離間距離に対する比が極力大きくされたことになるため、バネ部材291の付勢力によりリンク部242,243の回動開始の加速度や最高速度を極力大きくできる。
<伝達部301,302>
第1装飾装置232は、第1駆動部281の駆動力を第1リンク部242に伝える第1伝達部301と、第2駆動部282の駆動力を第2リンク部243(第2軸部245)に伝える第2伝達部302とを有している。ここでは、第1伝達部301及び第2伝達部302について図12を参照しつつ説明する。図12は本体部241の分解斜視図である。なお、図12は本体部241を前面側から見た図である。
図12に示すように、第1伝達部301及び第2伝達部302は、本体部241に搭載されている。本体部241は、その前面を形成する前面ケース体311と、その背面を形成する背面ケース体312とを有しており、これらケース体311,312の間に伝達部301,302が収納されている。前面ケース体311と背面ケース体312とは、それぞれの厚み方向(前後方向)に重ね合わされた状態でネジ等により互いに固定されている。ケース体311,312は、透明性を有する合成樹脂材料等により形成されており、それらケース体311,312の間に配置された伝達部301,302がケース体311,312を通じて視認可能になっている。この場合、本体部241においては、伝達部301,302を含めて内部構造が視認可能になっているため、本体部241のメンテナンス作業が容易になっている。
<第1伝達部301>
第1伝達部301は、第1駆動部281の回転軸部に固定された第1歯車321と、中間アーム261の本体側軸部262に固定されたアーム側歯車322と、中間アーム261の状態を検出するための検出用歯車323とを有している。これら歯車321〜323は、それぞれの回転軸が本体部241の厚み方向に延びた向きで、本体部241の板面に沿って並べられている。第1歯車321は、第1駆動部281の回転軸部と共に回転する駆動歯車になっている。アーム側歯車322及び検出用歯車323は、それぞれの歯が第1歯車321の歯に噛み合う位置に配置されており、第1歯車321の回転に伴って回転する従動歯車になっている。
第1駆動部281から第1伝達部301に伝えられた駆動力は、中間アーム261を介して第1リンク部242に伝えられる。第1伝達部301においては、第1駆動部281の駆動に伴って第1歯車321及びアーム側歯車322が連動して回転し、アーム側歯車322の回動に伴って本体側軸部262が回動することで中間アーム261が伸縮する。ちなみに、歯車321〜323は、第1リンク部242の回動に伴って中間アーム261が伸縮した場合に、その伸縮に伴って回転することにもなる。
なお、第1駆動部281が、中間アーム261を伸縮させる伸縮駆動部に相当し、第1伝達部301が、第1駆動部281の駆動力を第2アーム部265に伝達するアーム伝達手段に相当する。また、第2伝達部302が、第2軸部245に駆動力を伝えて第2リンク部243を回動させることで中間アーム261を収縮規制状態から収縮許可状態に移行させるリンク伝達手段に相当する。
上述したように、中間アーム261においては、第1アーム部264の中間軸部266が第2アーム部265のアーム長孔265aに沿ってスライド移動が可能になっている。したがって、中間アーム261を伸ばす向きで第1駆動部281が駆動している場合、第1アーム部264の回動方向がアーム長孔265aの長手方向に近付く又は一致すると、中間軸部266がリンク側軸部263に向けてスライド移動することになり、第1アーム部264が第1駆動部281の駆動力により回動しても中間アーム261がそれ以上伸びない状態になる。中間アーム261について、この状態を折れ状態という。中間アーム261は、第1駆動部281の回転軸部が所定の折れ角度(例えば90度)に達した場合に、折れ状態に移行することになる。第1駆動部281においては、折れ角度が演出角度よりも小さくされている。
なお、中間アーム261が縮み状態から伸びている最中は、第1アーム部264と第2アーム部265との交差角度が90度に達した場合に、第1アーム部264の回動方向がアーム長孔265aの長手方向に一致する。したがって、これらアーム部264,265の交差角度が90度に近付いた場合に第2アーム部265に対する中間軸部266のスライド移動が可能となる。
また、リンク側軸部263が中間軸部266に近付く向きで第2リンク部243に外力が加えられた場合、第2リンク部243がアーム長孔265aの長手方向に沿ってスライド移動することが可能となる。この場合、第1アーム部264が回動していないにもかかわらず、中間アーム261が縮み、本体側軸部262とリンク側軸部263との離間距離が小さくなる。したがって、中間アーム261が伸び状態にある場合など、第1アーム部264と第2アーム部265との交差角度が90度よりも小さい場合に、第1アーム部264を回動させなくても、リンク側軸部263が本体側軸部262に近付く向きで第1アーム部264を回動させることが可能になる。
本体部241には、中間アーム261の状態を検出するアームセンサ325が設けられている。検出用歯車323は、アームセンサ325の検出対象となる被検出部(図示略)を有しており、アームセンサ325は、被検出部が所定位置にあることを検出することが可能になっている。アームセンサ325は、検出用歯車323の背面側に配置されており、被検出部は、検出用歯車323から背面側のアームセンサ325に向けて突出した凸部とされている。
被検出部は、中間アーム261が縮み状態にある場合(移動演出部243bが退避位置PA1にある場合)にアームセンサ325により検出され、中間アーム261が縮み状態から伸びた場合(移動演出部243bが退避位置PA1から移動した場合)には検出されない。被検出部は、中間アーム261が縮み状態から伸び状態に移行するまでに、アームセンサ325により再び検出されることはない。ここでは、第1歯車321と検出用歯車323とのギア比が、中間アーム261が縮み状態から伸び状態に移行するまでに検出用歯車323が360度よりも小さい角度(例えば120度)だけ回転する大きさとされている。また、被検出部は、検出用歯車323の周縁部側に配置されており、検出用歯車323の回転に伴ってその検出用歯車323の周方向に沿って移動することになる。
<第2伝達部302>
第2伝達部302は、第2駆動部282の回転軸部に固定された第2歯車331と、第2歯車331に連動して回転するピニオン歯車332と、ピニオン歯車332の回転運動に連動して直進運動を行うラック333とを有している。第2歯車331及びピニオン歯車332は、それぞれの回転軸が本体部241の厚み方向に延びた向きで、本体部241の板面に沿って並べられている。ラック333は、本体部241の板面に沿って延びている長尺状の板材であり、その長辺に沿って並べられた複数の歯を有している。
第2歯車331は、第2駆動部282の回転軸部と共に回転する駆動歯車になっている。ピニオン歯車332は、その歯が第2歯車331及びラック333のそれぞれの歯に噛み合う位置に配置されており、第2歯車331の回転に伴って回転する従動歯車になっている。ラック333は、ピニオン歯車332の回転に伴って直線的に移動する従動ラックになっている。
ラック333は、本体案内部251の長手方向に沿って延びる向きで配置されており、その本体案内部251に沿って移動する移動部材になっている。この場合、ラック333は、本体部241の前面ケース体311を挟んで本体案内部251の背面側に配置されている。本体部241は、ラック333の移動方向を案内する案内溝(図示略)を有しており、ラック333は、案内溝に入り込んだ状態で設けられている。案内溝は、本体部241の前面ケース体311に設けられており、その前面ケース体311の内側面(背面ケース体312側の面)が凹むことで形成されている。案内溝は、本体案内部251に沿って延びている。
ラック333には、本体案内部251を介して第2軸部245が接続されており、ラック333がスライド移動することで第2軸部245が本体案内部251に沿って移動する。本体案内部251は、本体部241の前面ケース体311に形成された本体長孔251aにより形成されており、第2軸部245は、この本体長孔251aから離脱しない状態で前面ケース体311に取り付けられている。
本体長孔251aは、前面ケース体311を前後方向に貫通しており、第2軸部245は、本体長孔251aに挿通され、且つ本体案内部251を前後から挟み込んだ状態で設けられている。この場合、第2軸部245は、前面ケース体311の前面に引っ掛かった状態で前方から本体長孔251aに挿し込まれた前側軸片245aと、前面ケース体311の裏面に引っ掛かった状態で後方から本体長孔251aに挿し込まれた後側軸片245bとを有しており、これら前側軸片245aと後側軸片245bとがネジ等により固定されている。
第2軸部245の移動可能な範囲は、本体長孔251aにより上下方向について制限されている。本体長孔251aの内周面のうち、下方を向いている天井面251bは、下方から当接した第2軸部245が最上位置HA1よりも上方に移動することを規制するものであり、上昇ストッパ252はこの天井面251bである。上方を向いている底面251cは、上方から当接した第2軸部245が最下位置LA1よりも下方に移動することを規制する下降規制部である。なお、上述したように、第2軸部245は、最下位置LA1にある場合に下死点又はそれに近い位置にあるため、底面251cにより下降が規制されなくても最下位置LA1よりも下方には移動しないという場合も想定される。
第2軸部245は、本体部241の内部においてラック333に引っ掛かった状態で、そのラック333と共に移動することが可能になっている。ラック333には、第2軸部245が前方から入り込んでいる引っ掛け孔335が形成されている。引っ掛け孔335は、ラック333の移動方向に沿って延びた長孔とされており、ラック333を前後方向に貫通している。第2軸部245において、引っ掛け孔335に入り込んでいる入り込み部(図示略)は、ラック333に向けて突出した凸部であり、この凸部は、後側軸片245bの一部により形成されている。
引っ掛け孔335は、本体部241の幅方向において、本体案内部251(本体長孔251a)と前後に重なる位置に配置されている。引っ掛け孔335の幅寸法は、本体長孔251aの幅寸法とほぼ同じにされている。引っ掛け孔335の長さ寸法は、本体長孔251aの長さ寸法よりも小さい一方で、第2軸部245の入り込み部の上下寸法よりも大きくされている。このため、第2軸部245は、引っ掛け孔335内に入り込んだ状態でその引っ掛け孔335に対して相対的に上下に移動することが可能になっている。
ラック333においては、引っ掛け孔335の内周面のうち、上下方向に延びている側面が第2軸部245の移動方向を上下方向に制限する制限手段になっている。また、引っ掛け孔335の内周面のうち、下方を向いている天井面335aは、ラック333が下方に移動した場合に第2軸部245を下方に向けて押す下向き押し部であり、上方を向いている底面335bは、ラック333が上方に移動した場合に第2軸部245を上方に向けて押す上向き押し部である。
第2軸部245が上方に移動した場合、移動演出部243bは演出位置PA2に向けて移動することになるため、底面335bは、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きで第2軸部245を押す第1押し部に相当し、天井面335aは、移動演出部243bが退避位置PA1に戻る向きで第2軸部245を押す第2押し部に相当する。天井面335aと底面335bとは第2軸部245を挟んで対向しており、それら天井面335aと底面335bとの離間距離は、第2軸部245の高さ寸法より大きくされている。このため、第2軸部245は、天井面335a及び底面335bの両方に同時に接触しているという状態にはならない。
ラック333は、引っ掛け孔335の少なくとも一部が本体長孔251aと前後に重なる範囲において移動可能になっている。ラック333が、その移動可能な範囲において最も高い位置である最上位置HA2にある場合(図14(c)参照)、引っ掛け孔335の底面335bと本体長孔251aの天井面251bとの間に第2軸部245が挟まった状態になっている。この場合、ラック333が押し上げている第2軸部245が、本体長孔251aの天井面251bに引っ掛かっていることで最上位置HA1にて位置保持されており、ラック333がその最上位置HA2よりも上方に移動することが第2軸部245により規制されている。
ちなみに、ラック333は、第2軸部245に対して相対的にスライド移動することが可能であるため、例えば第2軸部245が最上位置HA1にある場合でも、ラック333の最上位置HA2から引っ掛け孔335の天井面335aが第2軸部245に当接する位置まで、下方に移動することが可能になっている。
一方、ラック333が、その移動可能な範囲において最も低い位置である最下位置LA2にある場合(図13(a)参照)、引っ掛け孔335の底面335bが本体長孔251aの底面251cとほぼ同じ高さ位置にある。この場合、引っ掛け孔335の底面335bの上に第2軸部245が載った状態になっており、第2軸部245が底面335bから上方に離間している場合とは異なり、ラック333が上方に向けて移動することで引っ掛け孔335の底面335bが即座に第2軸部245を押し上げることになる。また、この状態を、第2軸部245が引っ掛け孔335の底面335bを押し下げることでラック333が最下位置LA2に移動した状態ということもできる。
本体部241には、ラック333が最下位置LA2にあることを検出するラックセンサ337が取り付けられている。ラック333は、ラックセンサ337の検出対象となる被検出部338を有しており、ラックセンサ337は、被検出部338が所定位置にあることを検出することでラック333が最下位置LA2にあることを検出する。ラックセンサ337は、ラック333の前面側に配置された状態で本体部241の前面ケース体311にネジ等で固定されており、被検出部338は、ラック333から被検出部338に向けて前方に突出した凸部とされている。
被検出部338は、ラック333において引っ掛け孔335の下方に配置されており、ラック333が最下位置LA2にある場合にラックセンサ337により検出され、ラック333が最下位置LA2から上方に移動した場合には検出されない。被検出部338は、本体長孔251aを通じて本体部241の前面側に突出しており、その突出部分がラックセンサ337により検出される部分になっている。本体部241の前面ケース体311には、本体長孔251aから下方に向けて延びたスリットが形成されており、ラック333が最下位置LA2に向けて移動した場合、被検出部338は、本体長孔251aの底面251cよりも下方位置にそのスリットを通じて移動することで、ラックセンサ337により検出される。
なお、被検出部338は、ラック333の長手方向(上下方向)に沿って延びており、その上下方向において所定の長さ寸法を有している。この長さ寸法は、上下方向においてラックセンサ337の検出範囲の長さ寸法よりも大きくされている。この場合、ラックセンサ337は、ラック333が最下位置LA2にある場合はもちろんのこと、ラック333が最下位置LA2よりも若干高い位置にある場合でも、被検出部338を検出することができる。例えば、上下方向において被検出部338の長さ寸法が極めて小さい構成では、ラック333が最下位置LA2にあるにもかかわらず、被検出部338がラックセンサ337の検出範囲から外れた位置に存在していることでラックセンサ337が被検出部338を検出できないということが懸念される。
<第1装飾装置232の動作>
次に、第1装飾装置232の動作態様について、図10、図13、図14を参照しつつ説明する。図13は、第1装飾装置232が退避状態から演出状態に移行する場合の動作図、図14は、第1装飾装置232が演出状態から退避状態に移行する場合の動作図である。なお、図13、図14においては、第2軸部245の軸線の高さ位置を最上位置HA1又は最下位置LA1として示し、ラック333の下端の高さ位置を最上位置HA2又は最下位置LA2として示している。また、前面ケース体311の図示を省略して本体部241の内部構造の概略図を示し、伝達部301,302の歯車321〜323,331,332やラック333については歯の図示を省略している。さらに、図13(a)〜(c)、図14(a),(b)の拡大図においては、第2軸部245と引っ掛け孔335との位置関係を示し、図14(c)の拡大図においては、中間アーム261において中間軸部266とアーム長孔265aとの位置関係を示している。
<移動演出部243bの出現>
まず、第1装飾装置232において、移動演出部243bが退避位置PA1から演出位置PA2に向けて移動する場合について説明する。
図13(a)に示すように、第1装飾装置232が退避状態にある場合(移動演出部243bが退避位置PA1にある場合)、第2軸部245及びラック333は、それぞれ最下位置LA1,LA2にある。この場合、縮み状態にある中間アーム261が第1リンク部242及び第2リンク部243の回動を規制していることで、バネ部材291の付勢力によりリンク部242,243が回動するということが抑止されており、移動演出部243bが表示画面75aの前方に出現しないようになっている。
第1装飾装置232は、第1駆動部281及び第2駆動部282の両方が移動演出部243bを演出位置PA2に移動させる向き(正回転)で駆動することで、演出状態に移行する。これら駆動部281,282が同時に駆動開始した場合、上述したように、第1駆動部281の加速度の方が第2駆動部282の加速度よりも大きくなる。このため、第1駆動部281の駆動開始に伴って中間アーム261が伸びてリンク部242,243を回動させる動作が、第2駆動部282の駆動開始に伴ってラック333が第2軸部245を押し上げてリンク部242,243を回動させる動作よりも早く行われる。
駆動部281,282の駆動開始から所定期間は、第1駆動部281の駆動に伴う第2軸部245の上昇速度が、第2駆動部282の駆動に伴うラック333の上昇速度がよりも大きくなっており、図13(b)に示すように、第2軸部245がラック333の引っ掛け孔335の底面335bから上方に離間した状態になる。この場合、例えば、第2軸部245がラック333に対してスライド移動しない状態で固定されている構成とは異なり、第2駆動部282がラック333を持ち上げるという作業が行われていないことになる。つまり、第1駆動部281の駆動力が、第2伝達部302のラック333やピニオン歯車332、第2歯車331などを動作させることや、第2駆動部282の回転軸部を回転させることに利用されず、第1リンク部242を回動させることに効率良く使われていることになる。
しかも、バネ部材291の付勢力が第1リンク部242に付与されているため、リンク部242,243は、第1駆動部281の駆動力により得られる回動速度よりも大きい速度で回動する。したがって、リンク部242,243が第1駆動部281の駆動力により回動している期間において、演出位置PA2に向けた移動演出部243bの移動の高速化を図ることができる。
その後、第1駆動部281の駆動速度が最高速度に達すると、やがて、第2駆動部282の駆動に伴うラック333の上昇速度が、第1駆動部281の駆動に伴う第2軸部245の上昇速度よりも大きくなり、図13(c)に示すように、第2軸部245から遅れて上昇していたラック333が第2軸部245に追い付く。この場合、第2軸部245が引っ掛け孔335の天井面335aに引っ掛かった状態でラック333を押し上げるため、第1駆動部281の駆動力による速度よりも大きい速度で、第2駆動部282の駆動力によりリンク部242,243が回動する。これにより、第1駆動部281の駆動力による移動演出部243bの移動速度よりも大きい速度で、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する。
駆動部281,282の駆動に加えて、バネ部材291の付勢力が第1リンク部242に付与されているため、リンク部242,243は、第2駆動部282の駆動力により得られる回動速度よりも大きい速度で回動する。これにより、移動演出部243bは、表示画面75aの前方に勢い良く出現することになる。
また、第1駆動部281は、ラック333が第2軸部245に追い付いた場合に、駆動停止される。ここで、ラック333が第2軸部245を押し上げている状態では、第1駆動部281の回転軸部が、その第1駆動部281の定格速度よりも速い速度で回転することになり、第1駆動部281においては、低格速度を超過した回転速度を下げる向き(回転軸部の回転を阻止する向き)で起電力が生じてしまう。つまり、第1駆動部281が第2軸部245の上昇(リンク部242,243の回動)に対して抑止力を発揮する発電ブレーキのような働きをしてしまう。このため、第2駆動部282の駆動力が第1駆動部281の駆動速度に付与する状態になった時点で、第1駆動部281の駆動を停止することで、リンク部242,243の回動の更なる高速化を図ることができる。
そして、図14(a)に示すように、ラック333が最上位置HA2に到達した場合、そのラック333により押し上げられた第2軸部245も最上位置HA1に到達し、移動演出部243bが演出位置PA2に移動したことになる。この場合、第2軸部245が本体案内部251の上昇ストッパ252(本体長孔251aの天井面251b)に引っ掛かることで、リンク部242,243の回動が急停止する。つまり、移動演出部243bの移動が急停止する。移動演出部243bが演出位置PA2にある場合、ラック333の引っ掛け孔335の天井面335aは第2軸部245から上方に離間している。
駆動部281,282は、移動演出部243bが演出位置PA2に移動したことに伴って駆動停止する。駆動部281,282が駆動停止した場合、バネ部材291の付勢力により第1リンク部242と本体部241との間の角度が小さくなる向き(移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向き)で第1リンク部242が回動することが懸念される。これに対して、上述したように、移動演出部243bが演出位置PB2にある場合においては、第1リンク部242と第2リンク部243との交差角度(リンク角度α1)が90度より小さくなっていること、及び第2軸部245が上昇ストッパ252に引っ掛かっていることにより、バネ部材291の付勢力に抗して第1リンク部242の回動が阻止される。したがって、駆動部281,282が駆動停止した状態でも、移動演出部243bが演出位置PA2にて位置保持される。
<移動演出部243bの収納>
次に、移動演出部243bが演出位置PA2から退避位置PA1に戻る場合について説明する。
第1装飾装置232が退避状態に移行する場合、まず、駆動部281,282のうち第2駆動部282だけが、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向き(逆回転)で駆動する。この場合、第2駆動部282の駆動開始に伴ってラック333が下方に向けて移動する一方で、第1駆動部281が駆動開始しないことで第2軸部245は移動しない。このため、図14(b)に示すように、ラック333の引っ掛け孔335の天井面335aが第2軸部245に上方から引っ掛かった状態になり、その状態のまま下方に移動するラック333が第2軸部245を引き下げることになる。この場合、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向きで、バネ部材291の付勢力に抗してリンク部242,243が回動することになる。
第1駆動部281が駆動していない状態で第2軸部245が下方に移動すると、第1リンク部242の回動に伴って、中間アーム261が折り畳まれない状態でリンク側軸部263が中間軸部266に近付く向きに移動することになる(図14(c)参照)。この場合、中間アーム261は、第1アーム部264及び第2アーム部265が回動しなくても、中間軸部266がアーム長孔265aに沿って相対的に移動することで、中間軸部266とリンク側軸部263との離間距離が小さくなって中間アーム261が縮むことになる。つまり、中間軸部266が第2アーム部265に対してスライド移動しない状態で固定されている構成とは異なり、第1リンク部242が本体側軸部262に近付く向きで回動することを中間アーム261が阻止することや、第1リンク部242の回動に伴って第1アーム部264が本体側軸部262を軸として回動することが回避される。
特に、ラック333により第2軸部245が引き下げられても第1リンク部242が回動しなくても済むことで、第2駆動部282の駆動力が、第1リンク部242を回動させることや、第1伝達部301の歯車321〜323を回転させること、第1駆動部281の回転軸部を回転させることに利用されないため、第2駆動部282の駆動力を第1リンク部242及び第2リンク部243を回動させることに効率良く使うことになる。
そして、図14(c)に示すように、第2駆動部282の駆動力により下降しているラック333が最下位置LA2に到達した場合、第2駆動部282が停止される一方で、第1駆動部281が駆動開始される。なお、ラックセンサ337によりラック333の被検出部338が検出されることで、ラック333が最下位置LA2に到達したことが検出される。また、ラック333が最下位置LA2に到達した場合の移動演出部243bの位置が切替位置に相当する。この場合、第2軸部245は、まだラック333の引っ掛け孔335の天井面335aに引っ掛かった状態になっている。
第1駆動部281の駆動が開始された場合、その第1駆動部281の駆動開始に伴って第1アーム部264が回動することで、中間軸部266がアーム長孔265aに沿ってリンク側軸部263から遠ざかる側に移動し、その中間軸部266がアーム長孔265aの端部に引っ掛かることで中間アーム261の折り畳みが開始される。そして、中間アーム261の折り畳みに伴ってリンク部242,243が回動することで、第2軸部245がラック333の引っ掛け孔335内を下方に向けて移動し、中間アーム261が縮み状態に移行することで最下位置LA1に到達する。
第1駆動部281は、中間アーム261が縮み状態に移行したことに伴って駆動停止する。なお、アームセンサ325により検出用歯車323の被検出部が検出されることで、中間アーム261が縮み状態に移行したことが検出される。
第1駆動部281の駆動に伴って第2軸部245がラック333の引っ掛け孔335内を移動することは、第1駆動部281の駆動力が、第2伝達部302のラック333やピニオン歯車332、第2歯車331などを動作させることや、第2駆動部282の回転軸部を回転させることに利用されず、リンク部242,243を回動させることに効率よく使われていることになる。
また、移動演出部243bを演出位置PA2から退避位置PA1に移動させる場合に、第2駆動部282と第1駆動部281とを同時に駆動させないことで、第1装飾装置232にて消費する電力のピーク値を低減できる。これにより、例えば第1装飾装置232が搭載されたパチンコ機10が複数設置された遊技ホールにおいて、各パチンコ機10の第1装飾装置232が同時に演出状態から退避状態に移行したとしても、遊技ホールでの消費電力のピーク値が過剰に大きくなるということを回避できる。
<移動演出部243b>
第2リンク部243の移動演出部243bは、退避位置PA1にある場合と演出位置PA2にある場合とで形状や大きさが異なっている。ここでは、移動演出部243bに関する構成について図15を参照しつつ説明する。図15は第2リンク部243の分解斜視図である。
図15に示すように、移動演出部243bは、この移動演出部243bの中間部分を形成する中間部材341と、上側部分を形成する上側部材342と、下側部分を形成する下側部材343とを有している。中間部材341は、リンク部本体243aに対して移動しない状態で取り付けられており、上側部材342及び下側部材343は、中間部材341を挟んで互いに離間する向きに移動可能になっている。上側部材342は、犬の顔の目元を模した形状及び色を有し、中間部材341は、犬の首、鼻及び上顎を模した形状及び色を有し、下側部材343は、犬の顔の下顎を模した形状及び色を有している。
なお、移動演出部243bが退避位置にある場合に、下側部材343は、中間部材341に対して演出位置PA2側に配置され、上側部材342は中間部材341に対して演出位置PA2とは反対側に配置されている。下側部材343の下面(演出位置PA2側の面)は、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合に、遊技盤60aの中央開口72の周縁部に沿って上下方向に延びており、中央開口72を通じて遊技機前方から視認できる位置に配置されている。そこで、下側部材343の下面には、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合でも視認されることで演出効果を高める補助表示部343aが設けられている。補助表示部343aには、「猛犬注意」などの文字が表示されており、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合に中央開口72を通じて遊技機前方から読み取れる位置に配置されている。
移動演出部243bは、上側部材342及び下側部材343の下地としてリンク部本体243aに取り付けられた上側下地345及び下側下地346とを有している。これら下地345,346は、いずれもリンク部本体243aの前面側に配置されており、そのリンク部本体243aに対して変位可能に取り付けられている。ここで、中間部材341は、リンク部本体243aに対して変位しない状態でそのリンク部本体243aに固定されている。この場合、下地345,346がリンク部本体243aに対して相対的に変位することで、上側部材342及び下側部材343が中間部材341に対して相対的に変位することになる。
移動演出部243bは、全体として縮小された縮小状態と、全体として縮小されていない非縮小状態とに移行可能になっている。上側部材342及び下側部材343は、互いに近付くことで移動演出部243bを縮小させた縮小位置Q1a,Q1b(図16(a)参照)と、互いに遠ざかることで移動演出部243bを拡張させた拡張位置Q2a,Q2b(図16(c)参照)とにそれぞれ移動可能になっており、移動演出部243bは、これら上側部材342及び下側部材343がそれぞれ縮小位置Q1a,Q1bに移動することで縮小状態に移行し、拡張位置Q2a,Q2bに移動することで拡張状態に移行する。
移動演出部243bは、拡張状態にある場合に全体として犬の顔を模した形状になっている。一方、縮小状態にある場合に、上側部材342及び下側部材343が中間部材341の内側に入り込んだ状態になることで、移動演出部243bの上下寸法が縮小され、犬の顔が上下に潰れたような状態になっている。
第2リンク部243においては、上側下地345及び下側下地346が互いに近付く側に移動することで上側部材342及び下側部材343がそれぞれ縮小位置Q1a,Q1bに移動し、上側下地345及び下側下地346が互いに遠ざかる側に移動することで上側部材342及び下側部材343が拡張位置Q2a,Q2bに移動する。
<動作変換部355>
第2リンク部243は、その第2リンク部243が第1リンク部242に対して相対的に回動することで上側下地345及び下側下地346を移動させるリンク機構を有しており、このリンク機構はリンク部本体243aに搭載されている。リンク部本体243aは、その前面を形成する前面ケース体351と、その背面を形成する背面ケース体352とを有しており、これらケース体351,352の間には、第1リンク部242に対する第2リンク部243の回動を上側下地345及び下側下地346の移動に変換する動作変換部355が収納されている。前面ケース体351と背面ケース体352とは、それぞれの厚み方向に重ね合わされた状態でネジ等により互いに固定されている。
ケース体351,352は、透明性を有する合成樹脂材料等により形成されており、これらケース体351,352の間に配置された動作変換部355等がケース体351,352を通じて視認可能になっている。この場合、リンク部本体243aにおいては、動作変換部355を含めて内部構造が視認可能になっているため、リンク部本体243aのメンテナンス作業が容易になっている。
動作変換部355は、第3軸部246に固定された第3歯車361と、上側部材342を支持する上側歯車362と、下側部材343を支持する下側歯車363とを有している。第3歯車361は、第3軸部246に対して相対的に回転する歯車ではなく、第3軸部246を介して第1リンク部242に固定されていることで、第1リンク部242に対して第2リンク部243が回動した場合に第2リンク部243に対して相対的に回転する歯車になっている。第3歯車361、上側歯車362及び下側歯車363の各軸線は、いずれも第3軸部246の軸線と平行にリンク部本体243aと下地345,346との並び方向に沿って延びている。
動作変換部355は、第3歯車361に噛み合う位置に設けられた補助歯車364を有している。動作変換部355においては、上側歯車362が複数(例えば2個)設けられており、補助歯車364は、複数の上側歯車362のうち1つの上側歯車362に噛み合う位置に配置されている。複数の上側歯車362は、リンク部本体243aの幅方向(犬の顔の幅方向)に沿って、互いに噛み合う位置に並べられている。また、下側歯車363は、第3歯車361に直接噛み合う位置に配置されている。したがって、第2リンク部243に対して第3歯車361が相対的に回転した場合に、その第3歯車361の回転に伴って各上側歯車362及び下側歯車363がそれぞれ回転することになる。
各上側歯車362は、上側部材342を支持する上側支持部362aを有している。上側支持部362aは、上側歯車362から前方に向けて棒状に延びており、前面ケース体351を貫通した状態で上側下地345に固定されている。上側支持部362aは、上側歯車362の周縁部側に配置されており、上側歯車362の回転に伴ってその上側歯車362の周方向に沿って移動することになる。
前面ケース体351には、上側支持部362aが挿通された上側挿通孔371が形成されている。上側挿通孔371は上側歯車362ごとに個別に設けられている。上側挿通孔371は、上側歯車362の周縁部に沿って延びた湾曲形状の長孔とされており、上側支持部362aは、上側歯車362の回転に伴って上側挿通孔371に沿ってスライド移動することが可能になっている。上側部材342を縮小位置Q1aと拡張位置Q2aとに移動させるために必要な上側歯車362の回動角度は、180度よりも小さくなっている。上側挿通孔371の両端部は、複数の上側歯車362の並び方向とは交差する方向(リンク部本体243aの高さ方向)に沿って並べられている。
上側下地345は、各上側歯車362の上側支持部362aに掛け渡された状態になっており、その状態のままリンク部本体243aの高さ方向に直線的に移動することが可能になっている。上側下地345には、ネジ等により上側支持部362aに固定された上側軸部372が、リンク部本体243aの幅方向に沿ってスライド移動可能な状態で取り付けられている。上側下地345には、リンク部本体243aの幅方向に延びている上側交差孔373が形成されており、上側軸部372は、上側交差孔373に沿ってスライド移動する。この場合、上側歯車362の回転に伴って、上側支持部362aが上側挿通孔371及び上側交差孔373の両方に沿って移動することで、上側下地345が上側挿通孔371に沿って曲線的に移動するのではなく、リンク部本体243aの高さ方向に直線的に移動することになる。
なお、上側交差孔373の長さ寸法は、上側挿通孔371の湾曲寸法(上側挿通孔371においてその両端部を結んだ直線に対する湾曲部分の突出寸法)と同じ又はそれよりも大きくされている。
下側歯車363は、下側部材343を支持する下側支持部363aを有している。下側支持部363aは、下側歯車363から前方に向けて棒状に延びており、前面ケース体351を貫通した状態で下側下地346に固定されている。下側支持部363aは、下側歯車363の周縁部側に配置されており、下側歯車363の回転に伴ってその下側歯車363の周方向に沿って移動することになる。
前面ケース体351には、下側支持部363aが挿通された下側挿通孔375が形成されている。下側挿通孔375は、下側歯車363の周縁部に沿って延びた湾曲上の長孔とされており、下側支持部363aは、下側歯車363の回転に伴って下側挿通孔375に沿ってスライド移動することが可能になっている。下側部材343を縮小位置Q1bと拡張位置Q2bとに移動させるために必要な下側歯車363の回動角度は、180度よりも小さくなっている。下側挿通孔375の両端部は、上側挿通孔371の両端部と同様に、リンク部本体243aの高さ方向に沿って並べられている。
下側下地346は、リンク部本体243aの高さ方向に直線的に移動することが可能になっている。下側下地346には、ネジ等により下側支持部363aに固定された下側軸部376が、リンク部本体243aの幅方向に沿ってスライド移動可能な状態で取り付けられている。下側下地346には、リンク部本体243aの幅方向に延びている下側交差孔377が形成されており、下側軸部376は、下側交差孔377に沿ってスライド移動する。また、リンク部本体243aには、下側下地346の移動方向を案内する下側レール部378が設けられており、その下側レール部378は、リンク部本体243aの高さ方向に直線状に延びている。この場合、下側歯車363の回転に伴って、下側支持部363aが下側挿通孔375及び下側交差孔377の両方に沿って移動することで、下側下地346が下側挿通孔375に沿って曲線的に移動するのではなく、下側レール部378に沿ってリンク部本体243aの高さ方向に直線的に移動することになる。
なお、下側交差孔377の長さ寸法は、下側挿通孔375の湾曲寸法と同じ又はそれよりも大きくされている。
下側部材343は、下側下地346に対して相対的に揺れることが可能な状態になっている。下側部材343は、揺れ部材381を介して下側下地346に取り付けられている。揺れ部材381は、下側下地346の前面側に配置されており、揺れ軸部382を軸として下側下地346に対して回動可能になっている。
下側下地346には、その下側下地346に対する揺れ部材381の回動角度(揺れ角度)を制限する角度制限部383が設けられている。角度制限部383は、下側下地346から揺れ部材381に向けて突出した凸部であり、揺れ部材381に形成された角度制限孔384に入り込んだ状態になっている。揺れ軸部382の周方向において、角度制限部383の長さ寸法は角度制限孔384の長さ寸法よりも若干小さくされており、角度制限部383が角度制限孔384に対して少しだけ移動することが可能になっている。この場合、角度制限部383の移動範囲が角度制限孔384により制限されることで、揺れ部材381が揺れ軸部382を軸として下側下地346に対して所定角度(例えば3度)だけ揺れることが可能になっている。
揺れ軸部382は、リンク部本体243aの幅方向において下側部材343の端部寄りの位置に配置されており、揺れ軸部382の軸線は下側下地346と揺れ部材381との並び方向に沿って延びている。この場合、下側部材343は一方の端部を軸として中間部材341に対して揺れることになる。
下側部材343においては、揺れ軸部382側(回動基端側)の部分が犬の下顎の付け根側を模しており、揺れ軸部382とは反対側(回動先端側)の部分が犬の下顎の先端側を模している。この場合、下側部材343が下側下地346に対して揺れることで、犬が口の開閉を小さく繰り返している状態を模すことになる。
下側下地346に対する下側部材343の揺れは、下側部材343が縮小位置Q1bにある場合に規制され、下側部材343が拡張位置Q2bにある場合に規制されない。リンク部本体243aには、下側部材343が縮小位置Q1bにある場合にその下側部材343に引っ掛かることで揺れを規制する揺れ規制部385が設けられている。揺れ規制部385は、リンク部本体243aから下側部材343に向けて突出した凸部であり、下側部材343が縮小位置Q1bにある場合にその下側部材343に対向し、且つ下側部材343が拡張位置Q2bにある場合にその下側部材343に対向しない位置に配置されている。揺れ規制部385は、下側レール部378から下側下地346とは反対側に向けてリンク部本体243aの前面に沿って延びている。
<移動演出部243bの変形>
次に、移動演出部243bの変形について説明する。図16は移動演出部243bの変形について説明するための図である。なお、図16においては、リンク部本体243aに対する上側下地345及び下側下地346の位置関係を明確にするために、移動演出部243bを仮想線(二点鎖線)で図示している。また、上側軸部372及び下側軸部376の高さ位置を上側部材342及び下側部材343の高さ位置として図示している。
図16(a)に示すように、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合、上側部材342及び下側部材343はいずれも縮小位置Q1a,Q1bにある。ここで、中間部材341とリンク部本体243aとの間には隙間が形成されており、縮小位置Q1a,Q1bにある上側部材342及び下側部材343は、その隙間(中間部材341の背面側)に入り込んだ状態になっている。この場合、移動演出部243bの幅寸法(犬の顔の高さ寸法)は、本体部241の幅寸法とほぼ同じになっており、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合に表示画面75aの前方にはみ出さないようになっている。
移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きでリンク部242,243が回動した場合、第3歯車361が第1リンク部242と共に第2リンク部243に対して相対的に回転する。この場合、図16(b)に示すように、第3歯車361の回転に伴って上側支持部362a(上側軸部372)が上側挿通孔371及び上側交差孔373に沿って移動することで、上側部材342が中間部材341から離れる向きで移動する。また、第3歯車361の回転に伴って下側支持部363a(下側軸部376)が下側挿通孔375及び下側交差孔377に沿って移動することで、下側部材343が中間部材341から離れる向きで移動する。移動演出部243bが演出位置PA2に近付くほど上側部材342及び下側部材343の移動距離が大きくなり、移動演出部243b全体として犬の顔が上下に拡張されていくことになる。
そして、図16(c)に示すように、移動演出部243bが演出位置PA2に到達した場合、上側部材342及び下側部材343がそれぞれ拡張位置Q2a,Q2bに移動することで、移動演出部243bが全体として犬の顔を模した状態になる。この場合、移動演出部243bの高さ寸法は、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合の高さ寸法(本体部241の幅寸法)よりも大きくなっている。ここで、移動演出部243bが表示画面75aの前方に勢い良く出現した場合、その移動演出部243bが大きいほど遊技者が驚きやすくなる。したがって、本実施形態のように、移動演出部243bが演出位置PA2への移動に伴って拡張状態に移行する構成は、移動演出部243bが縮小状態のまま演出位置PA2に移動する構成に比べて、移動演出部243bの出現に伴う演出効果を高めることができる。
また、移動演出部243bは、退避位置PA1から演出位置PA2に向けて高速で移動し、演出位置PA2にて急停止する。この場合、第2リンク部243の一部として第3軸部246を軸として回動していた下側部材343も急停止することになるため、下側部材343は、急停止の衝撃により揺れ軸部382を軸として最大の揺れ幅で揺れることになる。つまり、犬の口が小刻みに開閉することになる。このように、移動演出部243bが演出位置PA2で停止した後も、その移動演出部243bの形状を変化させることで移動演出部243bによる演出効果を高めることができる。なお、移動演出部243bの出現速度が高速であるほど、移動演出部243bの急停止に伴って下側部材343に加えられる衝撃が大きくなり、下側部材343が激しく揺れて演出効果が高められることになる。
移動演出部243bが演出位置PA2に移動した後、退避位置PA1に戻る場合、移動演出部243bが退避位置PA1に近付くにつれて上側部材342及び下側部材343が縮小位置Q1a,Q1bに近付き、移動演出部243bは退避位置PA1への到達に伴って縮小状態に移行する。移動演出部243bは、退避位置PA1にある場合の高さ寸法(犬の顔の高さ寸法)が演出位置PA2にある場合の高さ寸法よりも小さくなることで、中央開口72側にはみ出さない状態で遊技盤60aの背面側に収納される。このため、移動演出部243bが拡張状態のまま退避位置PA1に移動する構成に比べて、遊技盤60aの背面側において移動演出部243bを収納するための収納スペースが小さくて済む。つまり、移動演出部243bが変形することで、演出効果の向上及び移動演出部243bの収納スペースの縮小化の両方を実現することができる。
さらに、第1リンク部242に対する第2リンク部243の相対的な回動を利用して、移動演出部243bの変形(上側部材342及び下側部材343の移動)が行われるため、移動演出部243bを変形させるために専用の駆動部を用いるという必要がない。これにより、移動演出部243bが変形する構成において省エネ化を図ることができる。
<第1装飾装置232の電気配線>
第1装飾装置232は、複数の発光部(図示略)を有している。第1装飾装置232においては、発光部が移動演出部243bの移動に合わせて発光することで演出効果が高められている。発光部は、LED等の発光体と、その発光体が複数搭載された発光基板とを有しており、第2リンク部243に設けられている。第2リンク部243においては、上側部材342や下側部材343、中間部材341の一部が光透過性を有する部材により光透過部として形成されており、発光部は光透過部の背面側に配置されている。発光部が発光することで、例えば、犬の口の内部や、犬の目、補助表示部343aが光った状態になる。
発光部には電気配線が接続されており、その電気配線を通じて電源・発射制御装置191から発光基板に電力が供給される。電気配線は、リンク部242,243の回動や移動演出部243bの変形の支障にならない状態で、リンク部242,243の内部に敷設されている。第1軸部244及び第3軸部246においては、それぞれの軸線に重なる位置に配線通し孔が形成されており、電気配線は、本体部241の背面側から第1軸部244の配線通し孔を通じて第1リンク部242の内部に入り込み、第3軸部246の配線通し孔を通じて第2リンク部243の内部に入り込んだ状態になっている。第2リンク部243においては、リンク部本体243aと移動演出部243bとの間に、電気配線を敷設可能な配線スペースが形成されている。
<第2装飾装置233>
第2装飾装置233について図17〜図19を参照しつつ説明する。図17は第2装飾装置233の分解斜視図、図18は第2装飾装置233の概略正面図、図19は第2リンク部403の分解斜視図、である。なお、図18においては、(a)に第2装飾装置233が退避状態にある場合を示し、(b)に第2装飾装置233が退避状態と演出状態との間の状態にある場合を示し、(c)に第2装飾装置233が演出状態にある場合を示し、(a)〜(c)のいずれにおいても回転演出部403bを仮想線で図示する。また、第2軸部405の軸線の高さ位置を最上位置HB1又は最下位置LB1として示し、ラック493の下端の高さ位置を最上位置HB2又は最下位置LB2として示す。さらに、(a)〜(c)の各拡大図においては、第2軸部405と引っ掛け孔495との位置関係を示す。
図17に示すように、第2装飾装置233は、第1装飾装置232と同様にリンク機構を有している。第2装飾装置233は、ユニット本体231に取り付けられている本体部401と、その本体部401に対して回動可能に設けられた第1リンク部402及び第2リンク部403とを有している。第2装飾装置233のリンク機構においては、固定リンクとしての本体部401に対して第1リンク部402と第2リンク部403とが互いに連動して回動する。第2装飾装置233は、リンク部402,403を回動させることで演出効果を高める演出装置に相当する。第2装飾装置233においては、本体部401の前面側に第1リンク部402が配置され、その第1リンク部402の更に前面側に第2リンク部403が配置されている。
本体部401は、略長方形の板状に形成されており、その長辺が上下に延びる向きでユニット本体231の縦枠部231aに沿って延びている。本体部401は、その厚み方向が遊技機前後方向となる向きで、縦枠部231aの前面に取り付けられている。この場合、本体部401は、遊技盤60aの中央開口72と前後に重ならず、遊技機前方から遊技盤60aにより覆い隠される位置に配置されている。なお、本体部401は、ユニット本体231の一対の縦枠部231aのうち、第1装飾装置232の本体部241とは異なる縦枠部231aに取り付けられている。また、上下方向において、本体部401の長さ寸法は、第1装飾装置232の本体部241の長さ寸法より大きくされている。
第1リンク部402及び第2リンク部403は、本体部401の前面に沿って延びている。第1リンク部402は、第1軸部404(図18、図20参照)を介して本体部401に接続されている。第1リンク部402は、長尺板状に形成されており、その厚み方向が本体部401の厚み方向となる向きで配置されている。第1リンク部402の長手寸法は、第1装飾装置232の第1リンク部242の長手寸法より大きくされている。この場合、第1軸部404と第2軸部405との離間距離が、第1装飾装置232における第1軸部244と第2軸部245との離間距離より大きくなっている。
第1軸部404は、本体部401及び第1リンク部402のそれぞれに固定された固定軸である。本実施形態では、第1軸部404が、第1リンク部402から本体部401に向けて突出した凸部であり(図20参照)、本体部401に形成された凹部404aに入り込んだ状態でその第1リンク部402に固定されている。この場合、第1軸部404は、本体部401の上端部と第1リンク部402の一方の端部とを接続している。
第2リンク部403は、第2軸部405を介して本体部401に接続され、且つ第3軸部406(図18、図19参照)を介して第1リンク部402に接続されている。第2軸部405は、第2リンク部403に固定されている一方で、本体部401に対してはスライド移動が可能になっている。なお、第2軸部405は、第2リンク部403において本体部401に向けて突出した部分の先端に取り付けられている。
第2リンク部403は、第2軸部405及び第3軸部406が設けられたリンク部本体403aと、リンク部本体403aに対して回転可能に設けられた回転演出部403bと、リンク部本体403aの前面側に取り付けられたリンク部装飾体403cと、リンク部本体403aの側面に取り付けられた補助表示部403dとを有している。リンク部本体403aは、本体部401の前面に沿って第2軸部405から第3軸部406を越えて延びており、第2軸部405及び第3軸部406を軸に本体部401及び第1リンク部402に対して回動することが可能になっている。リンク部本体403aは、全体として細長のアーム状に形成されており、演出アームに相当する。また、第2軸部405がアーム軸部に相当する。
回転演出部403bは、細長形状に形成されており、骨を模した形状及び色を有している。また、回転演出部403bにおいては、骨を模した部分に重ねて文字(例えば「Bowwow」)が配置されている。回転演出部403bは、リンク部本体403aの前面側に配置されており、リンク部本体403aの回動(リンク機構の動作)に伴って退避位置PB1(図6参照)と演出位置PB2(図4参照)とに移動する。退避位置PB1と演出位置PB2とは、第2軸部405の移動方向とは交差する方向に沿って並んでいることになる。
第2装飾装置233は、回転演出部403bを退避位置PB1から演出位置PB2に移動させることで演出効果を高めることが可能である。また、第2装飾装置233は、回転演出部403bが退避位置PB1に移動することで退避状態に移行することになり、回転演出部403bが演出位置PB2に移動することで演出状態に移動することになる。
回転演出部403bは、演出軸部407を介してリンク部本体403aに接続されている。演出軸部407は、リンク部本体403a及び回転演出部403bのそれぞれに固定されている。本実施形態では、演出軸部407が回転演出部403bからリンク部本体403aに向けて突出した凸部であり、リンク部本体403aに形成された凹部407aに入り込んだ状態でそのリンク部本体403aに固定されている。この場合、演出軸部407は、リンク部本体403aにおける第2軸部405とは反対側の端部と回転演出部403bの中央部分とを接続している。演出軸部407は、回転演出部403bの重心に重なる位置に配置されている。なお、リンク部本体403aにおいては、回転演出部403bに向けて突出した部分の先端面が凹むことで凹部407aが形成されている。
なお、回転演出部403bは、リンク部402,403が回動していない状態でも、演出軸部407を軸として回転することで変位することになるが、本実施形態では、演出位置PB2に移動した回転演出部403bが回転している状態でも、演出軸部407の位置が変化しなければ、回転演出部403bが演出位置PB2にあることにする。
補助表示部403dは、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合でも視認されることで演出効果を高めることが可能になっている。補助表示部403dには、「WAOOON」などの文字が表示されており、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に中央開口72を通じて遊技機前方から読み取れる位置に配置されている。
第2軸部405は、第1装飾装置232と同様に、第2リンク部403のリンク部本体403aに固定されている一方で、本体部401の板面に沿って移動可能になっている。第2リンク部403においては、第2軸部405がリンク部本体403aの端部に固定されている。第2装飾装置233が退避状態にある場合、リンク部本体403aは、第2軸部405側を下端として上方に向けて延びている。なお、第2軸部405は、リンク部本体403aにおいて本体部401に向けて突出した部分の先端に取り付けられている。
第3軸部406は、第1リンク部402及び第2リンク部403のそれぞれに固定され、これらリンク部402,403の回動に伴って移動する移動軸部になっている。本実施形態では、第3軸部406が、第2リンク部403のリンク部本体403aから第1リンク部402に向けて突出した凸部であり(図19参照)、第1リンク部402に形成された凹部406aに入り込んだ状態でその第1リンク部402に固定されている。また、第3軸部406は、第1リンク部402における第1軸部404とは反対側の端部に配置されている一方で、第2リンク部403の中間位置に配置されている。この場合、第3軸部406は、リンク部本体403aの長手方向において第2軸部405と演出軸部407との間に配置されている。
第1軸部404、第2軸部405、第3軸部406及び演出軸部407の各軸線は、第2装飾装置233の厚み方向(本体部401、第1リンク部402及び第2リンク部403の重なり方向)に沿って延びている。この場合、第1リンク部402及び第2リンク部403は、軸部404〜406を軸に本体部401の前面に沿って回動することになる。また、回転演出部403bは、演出軸部407を軸に第2リンク部403の前面に沿って回転することになる。
第2装飾装置233においては、第2軸部405が本体部401に沿って上下方向にスライド移動することで、回転演出部403bが遊技機幅方向(左右方向)に移動可能になっている。第2軸部405は、第1軸部404よりも下方位置においてあらかじめ定められた所定範囲で移動可能になっており、回転演出部403bは、図18(a)に示すように、第2軸部405がその移動範囲内において最下位置LB1にあることで退避位置PB1にあり、図18(c)に示すように、第2軸部405がその移動範囲内において最上位置HB1に移動することで演出位置PB2に移動することになる。
回転演出部403bは、退避位置PB1にある場合に、遊技盤60aの背面側に隠れた状態になっており、遊技機前方からでは第1装飾装置232側の側面(補助表示部403d)が視認できる程度になっている(図5参照)。また、この場合、第2リンク部403における回転演出部403b以外の部分(例えばリンク部本体403a)及び第1リンク部402も遊技盤60aの背面側に隠れた状態になっており、回転演出部403bの側面以外は遊技機前方から視認できないようになっている。
演出位置PB2は、退避位置PB1よりも第1装飾装置232側の位置であり、且つユニット本体231の一対の縦枠部231aの中間位置になっている。回転演出部403bは、演出位置PB2にある場合に、表示画面75aの前方に露出した状態になり、遊技機前方から中央開口72を通じてほぼ全体を視認できるようになる(図4参照)。この場合、第2装飾装置233においては、第1装飾装置232とは異なり、回転演出部403bに加えて、第1リンク部402やリンク部装飾体403cも遊技機前方の露出するようになっている。このため、第1リンク部402やリンク部装飾体403cには、第1リンク部402の内部構造やリンク部本体403aを遊技機前方から覆い隠すための装飾が施されている。
第2装飾装置233においては、第2軸部405の移動範囲を構造的に制限することで、回転演出部403bの移動範囲を設定しており、それによって、回転演出部403bが退避位置PB1と演出位置PB2との間を移動可能になっている。
図17に示すように、本体部401は、第2軸部405のスライド方向を案内する本体案内部411を有している。第2軸部405は、本体案内部411に係止された状態で、軸線の向きを保持したまま本体案内部411に沿って移動することが可能になっている。本体案内部411は、第1軸部404から下方に離間した位置と、本体部401の下端から上方に離間した位置との間において、本体部401の前面に沿って上下方向に直線状に延びている。
第1軸部404は、本体案内部411の延長線上に配置されている。この場合、第2軸部405は、第1リンク部402及び第2リンク部403の回動に伴って、第2軸部405のスライド方向とは交差する方向(遊技機幅方向)に移動することになる。
<リンク部402,403の動き>
図18(a)に示すように、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合、第3軸部406は、本体案内部411と前後に重なった位置(第2軸部405の移動軌跡上)に配置されている。この場合、第1装飾装置232が退避状態にある場合と同様に、第2軸部405は、第2装飾装置233のリンク機構において下死点又はそれに近い位置にあり、この位置を最下位置LB1としている。本体案内部411は、最下位置LB1にある場合に第2軸部405が存在する位置よりも下方まで延びている。本実施形態では、第2軸部405が本体案内部411の下端部に達することで最下位置LB1に移動したことになる。
そして、回転演出部403bが演出位置PB2に移動する場合、第1装飾装置232が演出位置PA2に移動する場合と同様に、第1リンク部402及び第2リンク部403の回動に伴って、第3軸部406が中央開口72側(第1装飾装置232側)に向けて移動するとともに、第2軸部405が上方(第1軸部404)に向けて移動する。
図18(c)に示すように、回転演出部403bが演出位置PB2に移動した場合、第1装飾装置232の移動演出部243bが演出位置PA2に移動した場合と同様に、第1軸部404よりも低い位置において、第2軸部405と第3軸部406とが横並びに配置されている。この場合、第2軸部405は、第3軸部406とほぼ同じ高さ位置又はそれよりも若干高い位置に配置されており、この位置を最上位置HB1と称している。また、この場合、第3軸部406は、第2装飾装置233のリンク機構において本体案内部411(第2軸部405の移動軌跡)から最も離間した位置にある。
第2軸部405は、最上位置HB1よりも上方に移動することが規制されている。本体案内部411は、第2軸部405が最上位置HB1よりも上昇することを規制する上昇ストッパ412を有しており、回転演出部403bが演出位置PB2にある場合、第2軸部405は、上昇ストッパ412に下方から引っ掛かった状態になっている。
第2軸部405が最上位置HB1にある場合、第1リンク部402において第1軸部404と第3軸部406とを結んだ第1直線M1に対して、第2リンク部403において第2軸部405と第3軸部406とを結んだ第2直線M2が交差している。これら第1直線M1と第2直線M2との交差部分において、第1軸部404と第2軸部405との間のリンク角度βは、90度よりも小さくなっている。なお、第2直線M2は、第1リンク部402の回動に伴って第3軸部406が移動軌跡として描く曲線の接線に直交していないことになる。また、リンク角度βは、第1リンク部402と第2リンク部403との交差角度に相当する。
ここで、回転演出部403bが退避位置PB1に移動する向き(退避向き)で第1リンク部402に外力が加えられた場合、その外力は、第2軸部405にも上昇させる向きで加えられることになるが、第2軸部405の上昇は上昇ストッパ412により規制されるため、第2軸部405は最上位置HB1にて位置保持される。この場合、リンク角度βが90度よりも小さくなっているため、第2リンク部403に対して第2軸部405が下方に移動する向き(第1軸部404から遠ざかる向き)に外力が加えられない限り、リンク部402,403は回動せず、回転演出部403bも演出位置PB2にて位置保持されることになる。
ここで、回転演出部403bは、退避位置PB1から演出位置PB2に向けて移動することで遊技盤60aの裏側から表示画面75aの前方に出現することになるが、第2軸部405が最上位置HB1を越えて第1軸部404側に移動した場合、その第2軸部405が第1軸部404に近付くにつれて回転演出部403bが再び遊技盤60aの裏側に隠れる向きで移動することになる。したがって、上昇ストッパ412は、回転演出部403bを表示画面75aの前方に露出した部分が最も大きい状態で保持するという機能を有していることになる。
第2リンク部403は、第3軸部406から第1軸部404とは反対側に向けて突出した突出部分431を有している。突出部分431は、リンク部本体403a、回転演出部403b、リンク部装飾体403c及び補助表示部403dのそれぞれを含んで構成されており、演出軸部407は突出部分431の先端部(第3軸部406を挟んで第2軸部405とは反対側の端部)に配置されている。このため、回転演出部403bが演出位置PB2に移動した場合に、例えば第2リンク部403が突出部分431を有していない構成に比べて、本体部401からの演出軸部407(回転演出部403b)の離間距離が大きくなる。これにより、演出位置PA2に移動した回転演出部403bの存在感を高めることができる。
<リンク駆動部442>
図17の説明に戻り、第2装飾装置233は、第2リンク部403を回動させるために駆動するリンク駆動部442を有している。リンク駆動部442は、回転軸部を有するステッピングモータ等のモータであり、この回転軸部が回転することで第2軸部405を本体案内部411に沿って移動させることが可能になっている。リンク駆動部442は、本体部401の背面側に突出した状態でその本体部401に取り付けられている。なお、リンク駆動部442がアーム駆動部及びスライド駆動部に相当する。
リンク駆動部442は、正逆両方向に回転することが可能であり、その回転軸部を所定の演出角度(例えば480度)だけ回転させることで、回転演出部403bが退避位置PB1と演出位置PB2との間を移動するのに必要な角度だけリンク部402,403を回動させることになる。
<バネ部材451>
第2装飾装置233は、第1装飾装置232と同様に、回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向き(演出向き)でリンク部402,403を付勢する付勢手段としてバネ部材451を有している。バネ部材451は、直線状に延びているコイルバネの一種であり、引っ張られた状態で縮む方向に付勢力を発揮する引張バネである。バネ部材451は、リンク駆動部442によるリンク部402,403の回動を補助するものであり、バネ部材451の付勢力がリンク部402,403に加えられることで、例えばリンク駆動部442の駆動力だけでリンク部402,403を回動させる場合に比べて、リンク部402,403の回動開始の加速度や最高速度が大きくなる。
バネ部材451は、引っ張られた状態で第1リンク部402と本体部401とに接続されている。第1リンク部402は、バネ部材451の一端が引っ掛けられたリンク側引掛部452を有し、本体部401は、バネ部材451の他端が引っ掛けられた本体側引掛部453を有しており、バネ部材451は、リンク側引掛部452と本体側引掛部453とに掛け渡された状態で設けられている。リンク側引掛部452及び本体側引掛部453は、回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向きで第1リンク部402が回動することで、それら引掛部452,453の離間距離が近付く位置に配置されている。
バネ部材451の長さ寸法は、リンク側引掛部452と本体側引掛部453との離間距離よりも小さい。このため、バネ部材451は、回転演出部403bが演出位置PB2に移動するまで、リンク側引掛部452と本体側引掛部453とが近付く向き(回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向き)で第1リンク部402に付勢力を継続して付与することになる。
本体側引掛部453は、本体案内部411を挟んで回転演出部403bの出現方向(演出位置PB2)とは反対側に設けられており、本体部401の幅方向において本体案内部411に横並びに配置されている。本体側引掛部453は、本体部401から遊技機前方に向けて突出した凸部を有しており、バネ部材451の端部はその凸部に引っ掛けられた状態でネジ等により固定されている。この場合、バネ部材451は、本体側引掛部453の凸部を軸として本体部401の前面に沿って回動可能になっている。
第1リンク部402は、第1軸部404から第3軸部406とは交差する方向(ほぼ直交する方向)において、演出位置PB2とは反対側に向けて膨出した膨出部454を有しており、その膨出部454がリンク側引掛部452を有している。リンク側引掛部452は、膨出部454から遊技機前方に向けて突出した凸部を有しており、バネ部材451の端部はその凸部に引っ掛けられた状態でネジ等により固定されている。この場合、バネ部材451は、リンク側引掛部452の凸部を軸として膨出部454の前面に沿って回動可能になっている。
膨出部454は、第1リンク部402において第1軸部404から第1リンク部402とは交差する方向(本体部401の幅方向)に向けて本体部241の前面に沿って膨出している。リンク側引掛部452は膨出部454の先端に配置されており、膨出部454の膨出寸法は本体部401の幅寸法とほぼ同じになっている。つまり、第1軸部404とリンク側引掛部452との離間距離は、本体部401の幅寸法とほぼ同じになっている。
バネ部材451は、本体案内部411を挟んで回転演出部403bの出現方向とは反対側において、本体部401の前面に沿って上下方向に延びた状態になっている。ここで、リンク側引掛部452の回動半径が、本体部401の幅寸法とほぼ同じという極力大きな寸法とされているため、第1リンク部402の回動に伴うリンク側引掛部452の移動方向がほぼ上下方向に限定されている。
また、リンク側引掛部452の回動半径が極力大きくされていることは、バネ部材451の付勢力を第1リンク部402を回動させるための回動力として利用する構成において、その回動力を増大させることにもなる。ここで、第1軸部404を支点とし、リンク側引掛部452を力点とし、第3軸部406を作用点とした場合、支点と作用点との離間距離に対する支点と力点との離間距離に対する比が極力大きくされたことになるため、バネ部材451の付勢力によりリンク部402,403の回動開始の加速度や最高速度を極力大きくできる。
<本体部401>
第2装飾装置233は、リンク駆動部442の駆動力を第2リンク部403(第2軸部405)に伝えるリンク伝達部462を有しており、リンク伝達部462は本体部401に搭載されている。リンク伝達部462は、リンク駆動部442の回転軸部に固定されたリンク歯車491を有している。リンク歯車491は、その回転軸がリンク駆動部442の回転軸部に沿って本体部401の厚み方向に沿って延びており、本体部401の前方に配置されている。この場合、リンク駆動部442の回転軸部は本体部401から遊技機前方に向けて突出しており、その突出部分にリンク歯車491が固定されている。
第2装飾装置233は、本体部401の上部において第1軸部404及びリンク側引掛部452を遊技機前方から覆っている上部カバー体465と、本体部401の下部においてリンク歯車491及び本体側引掛部453を遊技機前方から覆っている下部カバー体466と、上部カバー体465の前面に取り付けられた上部装飾体467とを有している。
第2装飾装置233は、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、第2リンク部403が演出位置PB2とは反対側に向けて回動することを規制する逆回動ストッパ469を有している。逆回動ストッパ469は、下部カバー体466から遊技機前方に向けて突出した凸部であり、第2リンク部403を挟んで演出位置PB2とは反対側に配置されている。ここで、第2装飾装置233においては、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、第2軸部405が下死点に存在するため、バネ部材451の付勢力により第2リンク部403が演出位置PB2とは反対側に向けて回動することが懸念される。これに対して、第2リンク部403の下部における演出位置PB2とは反対側の側面が逆回動ストッパ469に接触することで、第1軸部404と第2軸部405とを結ぶ直線を挟んで演出位置PB2とは反対側に第3軸部406が移動することが規制される。
第2装飾装置233においては、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、第2リンク部403が演出位置PB2とは反対側に向けて回動することが、逆回動ストッパ469に加えて上部カバー体465によっても規制される。上部カバー体465は、本体部401の厚み方向において第2リンク部403の少なくとも一部に重なる部分を有しており、第2リンク部403の上部における演出位置PB2とは反対側の側面が上部カバー体465に接触することで、回転演出部403bが退避位置PB1にある状態で第2リンク部403が逆向きに回動することが規制される。この場合、第2リンク部403においては、その下部に逆回動ストッパ469が引っ掛かり、その上部に上部カバー体465が引っ掛かることになる。
なお、逆回動ストッパ269が、第2リンク部403のリンク部本体403aにおける第3軸部406と第1軸部404との間の部分に当接する第1ストッパに相当し、上部カバー体465が、リンク部本体403aにおける第3軸部406を挟んで第2軸部405とは反対側の部分に当接する第2ストッパに相当する。また、逆回動ストッパ469及び上部カバー体465が逆回動規制手段を構成している。
<第2リンク部403>
第2装飾装置233は、回転演出部403bを回転させるために駆動する演出駆動部475を有している。演出駆動部475は、回転軸部を有するステッピングモータ等のモータであり、この回転軸部の回転に伴って回転演出部403bを回転させることが可能になっている。演出駆動部475は、第2リンク部403の前面側に突出した状態でその第2リンク部403に取り付けられている。演出駆動部475は、正逆両方向に回転することが可能であり、回転演出部403bは演出駆動部475の回転方向に合わせて回転する。
リンク駆動部442と演出駆動部475とでは駆動に関する性能が異なっている。駆動トルクの定格値については、リンク駆動部442の方が演出駆動部475よりも大きく、駆動速度(回転軸部の回転速度)の定格値については、演出駆動部475の方がリンク駆動部442よりも大きくされている。この場合、リンク駆動部442は、リンク部402,403の回動に必要な駆動力を発揮する必要があるため、十分に大きな駆動トルクを有している必要がある。一方、演出駆動部475は、回転演出部403bを回転させることさえできれば過剰に大きな駆動トルクを発揮する必要はなく、回転演出部403bの回転について最高速度と最低速度との差を大きくするために極力大きな定格速度を有している。なお、リンク駆動部442がアーム駆動部に相当する。
演出駆動部475は、第2リンク部403の長手方向において第2軸部405寄りの位置に配置されている。この場合、演出駆動部475は、第2リンク部403の長手方向において、第3軸部406を挟んで演出軸部407の反対側、つまり、第2軸部405と第3軸部406との間に配置されている。演出駆動部475は、遊技機前方からリンク部装飾体403cにより覆われており、第2リンク部403の回動状態に関係なく遊技機前方からは視認できないようになっている。演出駆動部475は、第2リンク部403の長手方向に沿って演出駆動部475及び回転演出部403bに横並びに配置されている。
第2装飾装置233は、演出駆動部475の駆動力を回転演出部403bに伝える演出伝達部476を有している。図19に示すように、演出伝達部476は、第2リンク部403に搭載されている。第2リンク部403のリンク部本体403aは、その前面を形成する前面ケース体481と、その背面を形成する背面ケース体482とを有しており、これらケース体481,482の間に演出伝達部476が収納されている。前面ケース体481と背面ケース体482とは、それぞれの厚み方向に重ね合わされた状態でネジ等により互いに固定されている。
ケース体481,482は、透明性を有する合成樹脂材料等により形成されており、これらケース体481,482の間に配置された演出伝達部476がケース体481,482を通じて視認可能になっている。この場合、リンク部本体403aにおいては、演出伝達部476を含めて内部構造が視認可能になっているため、リンク部本体403aのメンテナンス作業が容易になっている。
演出伝達部476は、演出駆動部475の回転軸部に固定された回転用歯車484と、演出軸部407に固定された演出歯車485と、回転用歯車484から演出歯車485に駆動力を伝達する複数の伝達歯車486とを有している。これら歯車484〜486は、それぞれの回転軸が第2リンク部403の厚み方向に延びた向きで、リンク部本体403aの板面に沿って並べられている。回転用歯車484は、演出駆動部475の回転軸部と共に回転する駆動歯車になっている。
複数の伝達歯車486は、回転用歯車484と演出歯車485との間において、リンク部本体403aの長手方向に沿って並べられている。これら伝達歯車486には、回転用歯車484に噛み合った歯車及び演出歯車485に噛み合った歯車が含まれており、各伝達歯車486及び演出歯車485は、回転用歯車484の回転に伴って回転する従動歯車になっている。
複数の伝達歯車486には、第3軸部406に重なる位置に設けられた重ね歯車486aが含まれている。重ね歯車486aは、その軸線が第3軸部406の軸線に一致した状態で設けられており、第3軸部406に対する相対的な回転が可能になっている。この場合、第3軸部406の状態(第1リンク部402に対する第2リンク部403の角度など)に関係なく、演出駆動部475の駆動に伴って重ね歯車486aが回転することになる。
第2リンク部403には、リンク部本体403aに対する回転演出部403bの回転角度を検出する演出センサ487が設けられている。演出歯車485は、演出センサ487の検出対象となる被検出部487aを有しており、演出センサ487は、被検出部487aが所定位置にあることを検出することが可能になっている。演出センサ487は、演出歯車485の背面側に配置されており、被検出部487aは、演出歯車485からその径方向に向けて突出した凸部とされている。演出センサ487は、リンク部本体403aの長手方向に回転演出部403bの長手方向が重なった状態の回転演出部403bの角度をゼロ角度として検出することが可能になっている。回転演出部403bは、ゼロ角度にある場合にその長手方向が、第2軸部405と第3軸部406との並び方向に一致している。
<回転演出部403bの動作>
第2装飾装置233においては、リンク駆動部442の駆動に合わせて演出駆動部475が駆動することで、演出位置PB2に向けた回転演出部403bの移動の高速化が図られている。ここでは、リンク部402,403の回動と回転演出部403bの回転との関係について説明する。
図18(a)に示すように、第2装飾装置233が退避状態にある場合、回転演出部403bは、退避位置PB1において本体部401に沿って上下方向に延びた状態になっている。この場合、回転演出部403bは、リンク部本体403aに対してゼロ角度になっており、そのほぼ全体が本体部401や第1リンク部402などに前後方向に重なった状態になっている。ゼロ角度にある回転演出部403bにおいては、回転演出部403bの一方の端部が上端部とされ、他方の端部が下端部とされており、上端部がリンク部本体403aよりも上方に突出した状態で、第1軸部404に前後に重なる位置に配置されている。また、下端部が第3軸部406に前後に重なる位置に配置されている。
第2装飾装置233は、リンク駆動部442及び演出駆動部475の両方が駆動することで、演出状態に移行する。この場合、リンク駆動部442は、回転演出部403bを演出位置PB2に移動させる向き(正回転)で駆動し、演出駆動部475は、回転演出部403bの上端を演出位置PB2側(第1装飾装置232側)に移動させる向き(正回転)で駆動する。
図18(b)に示すように、第2リンク部403においては、リンク駆動部442及び演出駆動部475の駆動開始に伴って、リンク部本体403aの上端部(演出軸部407)が演出位置PB2側に向けて移動するとともに、回転演出部403bの上端部が演出位置PB2側に向けて移動する。この場合、回転演出部403bの上端部が演出位置PB2に向けて移動する力(回転演出部403bの回転力)が演出軸部407に付与され、その回転力により演出軸部407の移動速度(リンク部本体403aの回動速度)が高められることになる。
演出駆動部475は、回転演出部403bが演出位置PB2に移動するまでの間に、その回転演出部403bをリンク部本体403aに対して一回転させる。この場合、リンク駆動部442の回転軸部が480度だけ回転するのに対して、演出駆動部475の回転軸部が360度だけ回転することになる。
図18(c)に示すように、演出駆動部475は、回転演出部403bが演出位置PB2に移動した後でも、継続して駆動することで回転演出部403bを回転させることが可能になっている。この場合、回転演出部403bが回転しながら表示画面75aの前方に勢い良く出現し、さらに、その回転演出部403bの回転が継続されるため、回転演出部403bによる演出効果を高めることができる。
<リンク伝達部462>
次に、リンク伝達部462の構成について図20を参照しつつ説明する。図20は本体部401の分解斜視図である。なお、図20は本体部401を背面側から見た図である。
図20に示すように、リンク伝達部462が搭載された本体部401は、その前面を形成する前面ケース体488と、その背面を形成する背面ケース体489とを有しており、リンク伝達部462は、これらケース体488,489の間や前面ケース体488の前面側に配置されている。前面ケース体488と背面ケース体489とは、それぞれの厚み方向に重ね合わされた状態でネジ等により互いに固定されている。
ケース体488,489は、透明性を有する合成樹脂材料等により形成されており、これらケース体488,489の間に配置されたリンク伝達部462等がケース体488,489を通じて視認可能になっている。この場合、本体部401においては、ケース体488,489を含めて内部構造が視認可能になっているため、本体部401のメンテナンス作業が容易になっている。
リンク伝達部462は、リンク歯車491に加えて、リンク歯車491に連動して回転するピニオン歯車492と、ピニオン歯車492の回転運動に連動して直進運動を行うラック493と、リンク歯車491からピニオン歯車492に駆動力を伝達する伝達歯車494a,494bとを有している。これらリンク歯車491、ピニオン歯車492及び伝達歯車494a,494bは、それぞれの回転軸が本体部401の厚み方向に延びた向きで、本体部401の板面に沿って並べられている。ラック493は、本体部401の板面に沿って延びている長尺状の板材であり、その長辺に沿って並べられた複数の歯を有している。
リンク伝達部462においては、リンク歯車491が前面ケース体488の前面側に配置されている一方で、ピニオン歯車492及びラック493は前面ケース体488と背面ケース体489との間に収納されている。ここで、伝達歯車494aは、前面ケース体488の前面側に配置され、リンク歯車491に噛み合っており、伝達歯車494bは、前面ケース体488と背面ケース体489との間に配置され、ピニオン歯車492に噛み合っている。これら伝達歯車494a,494bは、それぞれの軸線が一致した状態で回転軸同士で連結されており、その連結部分は前面ケース体488を貫通している。
リンク歯車491は、リンク駆動部442の回転軸部と共に回転する駆動歯車になっており、ピニオン歯車492及び伝達歯車494a,494bは、リンク歯車491の回転に伴って回転する従動歯車になっている。また、ラック493は、ピニオン歯車492の回転に伴って直線的に移動する従動ラックになっている。
ラック493は、本体案内部411の長手方向に沿って延びる向きで配置されており、その本体案内部411に沿って移動する移動部材になっている。この場合、ラック493は、本体部401の前面ケース体488を挟んで本体案内部411の背面側に配置されている。本体部401は、ラック493の移動方向を案内する案内溝(図示略)を有しており、ラック493は、案内溝に入り込んだ状態で設けられている。案内溝は、本体部401の前面ケース体488及び背面ケース体489に設けられており、それら前面ケース体488や背面ケース体489の内側面が凹むことで形成されている。案内溝は、本体案内部411に沿って延びている。
ラック493には、本体案内部411を介して第2軸部405が接続されており、ラック493がスライド移動することで第2軸部405が本体案内部411に沿って移動する。本体案内部411は、本体部401の前面ケース体488に形成された本体長孔411aにより形成されており、第2軸部405は、この本体長孔411aから離脱しない状態で前面ケース体488に取り付けられている。
第2軸部405の移動可能な範囲は、本体長孔411aにより上下方向について制限されている。本体長孔411aの内周面のうち、下方を向いている天井面411bは、下方から当接した第2軸部405が最上位置HB1よりも上方に移動することを規制するものであり、上昇ストッパ412はこの天井面411bである。上方を向いている底面411cは、上方から当接した第2軸部405が最下位置LB1よりも下方に移動することを規制する下降規制部である。なお、上述したように、第2軸部405は、最下位置LB1にある場合に下死点又はそれに近い位置にあるため、底面411cにより下降が規制されなくても最下位置LB1よりも下方には移動しないという場合も想定される。
本体長孔411aは、前面ケース体488を前後方向に貫通しており、ラック493には、第2軸部405が前方から入り込んでいる引っ掛け孔495が形成されている。引っ掛け孔495は、ラック493の移動方向に沿って延びた長孔とされており、ラック493を前後方向に貫通している。第2軸部405は、本体部401の内部においてラック493に引っ掛かった状態で、そのラック493と共に移動することが可能になっている。
第2軸部405は、本体長孔411a及び引っ掛け孔495に挿通され、且つ本体案内部411及びラック493を前後から挟み込んだ状態で設けられている。この場合、第2軸部405は、前面ケース体488の前面に引っ掛かった状態で前方から本体長孔411aに挿し込まれた前側軸片405aと、ラック493の裏面に引っ掛かった状態で後方から引っ掛け孔495に挿し込まれた後側軸片405bとを有しており、これら前側軸片405aと後側軸片405bとがネジ等により固定されている。
引っ掛け孔495は、本体部401の幅方向において、本体案内部411(本体長孔411a)と前後に重なる位置に配置されている。引っ掛け孔495の幅寸法は、本体長孔411aの幅寸法とほぼ同じにされている。引っ掛け孔495の長さ寸法は、本体長孔411aの長さ寸法よりも小さい一方で、第2軸部405の入り込み部の上下寸法よりも大きくされている。このため、第2軸部405は、引っ掛け孔495に挿通された状態でその引っ掛け孔495に対して相対的に上下に移動することが可能になっている。
ラック493においては、引っ掛け孔495の内周面のうち、上下方向に延びている側面が第2軸部405の移動方向を上下方向に制限する制限手段になっている。また、引っ掛け孔495の内周面のうち、下方を向いている天井面495aは、ラック493が下方に移動した場合に第2軸部405を下方に向けて押す下向き押し部であり、上方を向いている底面495bは、ラック493が上方に移動した場合に第2軸部405を上方に向けて押す上向き押し部である。
第2軸部405が上方に移動した場合、回転演出部403bは演出位置PB2に向けて移動することになるため、底面495bは、回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向きで第2軸部405を押す第1押し部に相当し、天井面495aは、回転演出部403bが退避位置PB1に戻る向きで第2軸部405を押す第2押し部に相当する。天井面495aと底面495bとは第2軸部405を挟んで対向しており、それら天井面495aと底面495bとの離間距離は、第2軸部405の高さ寸法より大きくされている。このため、第2軸部405は、天井面495a及び底面495bの両方に同時に接触しているという状態にはならない。
ラック493は、引っ掛け孔495の少なくとも一部が本体長孔411aと前後に重なる範囲において移動可能になっている。ラック493が、その移動可能な範囲において最も高い位置である最上位置HB2にある場合(図22(b)参照)、引っ掛け孔495の底面495bと本体長孔411aの天井面411bとの間に第2軸部405が挟まった状態になっている。この場合、ラック493が押し上げている第2軸部405が、本体長孔411aの天井面411bに引っ掛かっていることで最上位置HB1にて位置保持されており、ラック493がその最上位置HB2よりも上方に移動することが第2軸部405により規制されている。
ちなみに、ラック493は、第2軸部405に対して相対的にスライド移動することが可能であるため、例えば第2軸部405が最上位置HB1にある場合でも、ラック493の最上位置HB2から引っ掛け孔495の天井面495aが第2軸部405に当接する位置まで、下方に移動することが可能になっている。
一方、ラック493が、その移動可能な範囲において最も低い位置である最下位置LB2にある場合(図18(a)参照)、引っ掛け孔495の底面495bが本体長孔411aの底面411cとほぼ同じ高さ位置にある。この場合、引っ掛け孔495の底面495bの上に第2軸部405が載った状態になっており、第2軸部405が底面495bから上方に離間している場合とは異なり、ラック493が上方に向けて移動することで引っ掛け孔495の底面495bが即座に第2軸部405を押し上げることになる。また、この状態を、第2軸部405が引っ掛け孔495の底面495bを押し下げることでラック493が最下位置LB2に移動した状態ということもできる。
本体部401には、ラック493が最下位置LB2にあることを検出するラックセンサ497が取り付けられている。ラック493は、ラックセンサ497の検出対象となる被検出部498を有しており、ラックセンサ497は、被検出部498が所定位置にあることを検出することでラック493が最下位置LB2にあることを検出する。ラックセンサ497は、ラック493の前面側に配置された状態で本体部401の前面ケース体488にネジ等で固定されており、被検出部498は、ラック493からラックセンサ497に向けて前方に突出した凸部とされている。
被検出部498は、ラック493において引っ掛け孔495の下方に配置されており、ラック493が最下位置LB2にある場合にラックセンサ497により検出され、ラック493が最下位置LB2から上方に移動した場合には検出されない。被検出部498は、本体長孔411aを通じて本体部401の前面側に突出しており、その突出部分がラックセンサ497により検出される部分になっている。本体部401の前面ケース体488には、本体長孔411aから下方に向けて延びたスリットが形成されており、ラック493が最下位置LB2に向けて移動した場合、被検出部498は、本体長孔411aの底面411cよりも下方位置にそのスリットを通じて移動することで、ラックセンサ497により検出される。
なお、被検出部498は、ラック493の長手方向(上下方向)に沿って延びており、その上下方向において所定の長さ寸法を有している。この長さ寸法は、上下方向においてラックセンサ497の検出範囲の長さ寸法よりも大きくされている。この場合、ラックセンサ497は、ラック493が最下位置LB2にある場合はもちろんのこと、ラック493が最下位置LB2よりも若干高い位置にある場合でも、被検出部498を検出することができる。例えば、上下方向において被検出部498の長さ寸法が極めて小さい構成では、ラック493が最下位置LB2にあるにもかかわらず、被検出部498がラックセンサ497の検出範囲から外れた位置に存在していることでラックセンサ497が被検出部498を検出できないということが懸念される。
<第2装飾装置233のロック機構>
第2装飾装置233は、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、その回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向きで第1リンク部402及び第2リンク部403が回動することを規制する退避ロック機構を有している。上述したように、第2装飾装置233において、ラック493が第2軸部405に対して相対的に移動することが可能になっているため、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、第2軸部405が最下位置LB1にある一方で、ラック493は最下位置LB2にあるとは限らない。退避ロック機構は、このことを利用して、第2軸部405が最下位置LB1にあり且つラック493が最下位置LB2にある場合に、ロック状態として第2軸部405の移動を規制しており、第2軸部405が最下位置LB1にあってもラック493が最下位置LB2にない場合に、ロック解除状態として第2軸部405の規制を解除する。
ここでは、この退避ロック機構について図20、図21を参照しつつ説明する。図21は、本体部401の内部構造を示す図であり、(a)にラック493が最下位置LB2にある場合を示し、(b)にラック493がロック解除位置LB3にある場合を示す。なお、図21においては、ラック493の下端の高さ位置をロック解除位置LB3として示す。
図20に示すように、第1リンク部402は、その主要部分を形成する長板形状のアーム部材402aと、膨出部454を形成する膨出部材402bとを有している。膨出部材402bは、アーム部材402aの端部に取り付けられ、アーム部材402aから交差する方向に延びており、その交差角度は例えば90度になっている。アーム部材402aと膨出部材402bとは、アーム部材402aの厚み方向に重ねられた状態で固定されており、第1リンク部402においては、アーム部材402aと膨出部材402bとが重なっている部分に第1軸部404が配置されている。膨出部材402bは、本体部401に向けて突出した凸部を有しており、この凸部により第1軸部404が形成されている。
本体部401は、ラック493に引っ掛かることで第1リンク部402の回動を規制する回動規制部材511と、回動規制部材511を膨出部材402bに連結している連結部材512とを有している。回動規制部材511及び連結部材512は、いずれも前面ケース体488と背面ケース体489との間に収納されている。なお、回動規制部材511は、第1リンク部402の回動に伴って回動する回動体に相当する。
回動規制部材511は、本体部401の厚み方向において、ピニオン歯車492に重なり、且つ直進運動するラック493の位置に関係なくそのラック493の少なくとも一部に重なる位置に配置されており、規制軸部513(図21参照)を軸として回動することが可能になっている。回動規制部材511は、ラック493の背面側に配置されており、ラック493から背面ケース体489側に離間している。この場合、回動規制部材511は、背面ケース体489とラック493との間に入り込んだ状態になっている。
規制軸部513は、回動規制部材511を背面ケース体489に対して回動可能に接続しており、規制軸部513の軸線は、本体部401の厚み方向に沿って延びている。規制軸部513は、背面ケース体489から回動規制部材511に向けて突出した凸部であり、回動規制部材511に形成された凹部513aに入り込んだ状態でその回動規制部材511に固定されている。回動規制部材511は、規制軸部513を軸として本体部401の板面に沿って回動することになる。規制軸部513は、本体部401の厚み方向において、本体案内部411及びラック493に重なる位置に配置されている。
回動規制部材511は、全体として板状に形成されており、背面ケース体489の内側面に沿って延びている。回動規制部材511は、ラック493に引っ掛かることが可能な規制引掛部515と、連結部材512に接続された規制接続部516とを有している。規制引掛部515及び規制接続部516は、規制軸部513に対して回動規制部材511の板面に沿って並べられており、いずれも規制軸部513から離間した位置に配置されている。規制引掛部515及び規制接続部516は、それぞれ規制軸部513から異なる方向に離間している。
なお、規制引掛部515と規制軸部513とを結ぶ直線は、規制接続部516と規制軸部513とを結ぶ直線と交差しており、その交差角度は例えば90度に設定されている。回動規制部材511は、全体として扇形に形成されており、その円弧の一端側に規制接続部516が配置され、他端側に規制引掛部515が配置されている。
回動規制部材511においては、規制引掛部515が規制軸部513の上方位置に配置され、規制接続部516が規制軸部513の側方位置に配置されている。ここで、規制引掛部515は、回動規制部材511の回動に伴って本体部401の幅方向に沿って曲線上を移動することになる。例えば、規制引掛部515は、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、本体部401の幅方方向において連結部材512から最も離れた位置(演出位置PB2に近い位置)にあり、回転演出部403bが演出位置PB2にある場合に、連結部材512に最も近い位置にある。
一方、規制接続部516は、回動規制部材511の回動に伴って上下方向に沿って曲線上を移動することになる。例えば、規制接続部516は、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に最も高い位置にあり、回転演出部403bが演出位置PB2にある場合に最も低い位置にある。
連結部材512は、ラック493に沿って上下方向に延びている縦長形状の板材とされている。連結部材512は、本体部401の幅方向においてラック493に横並びに配置されている。連結部材512においては、その上端部が膨出部材402bに回動可能に接続され、その下端部が回動規制部材511に回動可能に接続されている。連結部材512の下端部は、回動規制部材511の前面に重ねられた状態で規制接続部516に接続されている。この場合、回動規制部材511が、背面ケース体489と連結部材512との間に入り込んだ状態になっている。
なお、回動規制部材511と連結部材512との接続部分においては、回動規制部材511の規制接続部516が連結部材512とは反対側に向けて凹んだ凹部とされ、連結部材512に形成された凸部516aが規制接続部516(凹部)に入り込んだ状態で、規制接続部516が連結部材512に固定されている。
また、連結部材512と膨出部材402bとの接続部分においては、連結部材512の上端部が膨出部材402bの背面側に配置された状態でその膨出部材402bに接続されている。膨出部材402bは、前面ケース体488を貫通して連結部材512に向けて突出した膨出接続部517を有しており、この膨出接続部517が、連結部材512に形成された凹部(図示略)に入り込んだ状態で連結部材512に固定されている。膨出接続部517は、膨出部454においてリンク側引掛部452の背面側に配置されている。この場合、膨出接続部517は、第1軸部404と第3軸部406との並び方向に交差する方向において、第1軸部404から離間した位置に配置されており、第1リンク部402の回動に伴って上下方向に移動する。
前面ケース体488には、膨出接続部517が挿通された接続用孔518が形成されている。接続用孔518は、第1リンク部402の回動に伴って膨出接続部517が描く軌跡に沿って上下方向に延びる湾曲形状の長孔とされている。回動規制部材511の規制接続部516は、膨出接続部517の下方位置に配置されており、これら規制接続部516及び膨出接続部517の移動曲線はほぼ同じになっている。
なお、第1リンク部402においては、膨出接続部517が第1リンク部402の回動に伴って変位するリンク変位部に相当する。また、回動規制部材511においては、規制接続部516が回動規制部材511の回動に伴って変位する回動変位部に相当し、規制軸部513が回動軸部に相当する。
回動規制部材511において、規制引掛部515は、ラック493の背面に向けて突出している。ラック493は、規制引掛部515が引っ掛かることが可能なラック受け部521を有している。ラック受け部521は、ラック493から回動規制部材511に向けて後方に突出している。なお、規制引掛部515が、第1リンク部402の回動に伴って変位する第1変位部に相当し、ラック受け部521が、第2リンク部403の回動に伴って変位する第2変位部に相当する。
ラック受け部521は、ラック493の厚み方向に延びている側面として、ラック493が最下位置LB2にある場合に規制引掛部515が引っ掛かる受け面521aを有している。受け面521aは、ラック受け部521の側面において、連結部材512とは反対側(演出位置PB2側)を向いている面である。
図21(a)に示すように、ラック493が最下位置LB2にある場合、ラック受け部521は、本体部401の幅方向において規制引掛部515と連結部材512との間に入り込んだ状態になっており、受け面521aは、規制引掛部515の移動軌跡に沿ってその規制引掛部515に横並びに配置されている。受け面521aは、上下方向に沿って延びていることで、規制引掛部515の移動方向にほぼ直交している。この場合、規制引掛部515が受け面521aに当接することで回動規制部材511の回動が阻止されるため、連結部材512を介して回動規制部材511に連結された第1リンク部402の回動も阻止される。
受け面521aは、ラック493が上方に向けて移動した場合に、規制引掛部515よりも高い位置に移動することになる。図21(b)に示すように、ラック493が最下位置LB2よりも高い位置であるロック解除位置LB3にある場合、回動規制部材511の回動に伴って規制引掛部515がラック受け部521側に向けて側方に移動しても、その規制引掛部515が受け面521aに引っ掛からない状態になっている。最下位置LB2とロック解除位置LB3とは、上下方向において引っ掛け孔495と第2軸部405との間の隙間の大きさの分だけ離間しており、ラック493がロック解除位置LB3にある場合でも、第2軸部405は最下位置LB1にある。
また、ラック493の被検出部498においては、上下方向の長さ寸法が最下位置LB2とロック解除位置LB3との離間距離とほぼ同じ大きさになっている。ここで、ラック493が最下位置LB2及びロック解除位置LB3のいずれにある場合でも、被検出部498はラックセンサ497の検出範囲内に存在している。つまり、ラックセンサ497により検出されるようになっている。このため、ラックセンサ497は、ラック493がロック解除位置LB3よりも高い位置に移動した場合に被検出部498を検出しない状態になる。
ラック受け部521の側面においては、受け面521aがラック受け部521の上端から下方に向けて延びており、受け面521aの下端には、ラック493が下方に向けて移動している場合に規制接続部516を受け面521aに向けて案内する案内面521bが接続されている。案内面521bは、受け面521aの下端から連結部材512側に向けて斜め下方に直線的に延びている。この場合、ラック受け部521の幅寸法は、全体として下端に近付くにつれて徐々に小さくなっている。なお、案内面521bは、ラック493の幅方向においてラック受け部521の外側に膨らむように湾曲していても、内側に凹むように湾曲していてもよい。
ラック受け部521は、ラック493がロック解除位置LB3及び最下位置LB2に向けて移動することで、規制接続部516よりも高い位置から規制接続部516に横並びになる位置に移動することになる。この場合、ラック493の幅方向において、規制接続部516がラック受け部521を挟んで連結部材512とは反対側に入り込みさえすれば、その後は、規制接続部516が案内面521bに沿って移動することで受け面521aにまで案内されることになる。
なお、第2装飾装置233においては、第1リンク部402、ラック493、回動規制部材511及び連結部材512を含んでロック機構が構成されている。ロック機構は、ラック493が最下位置LB2にある場合にロック状態にあり、ラック493がロック解除位置LB3よりも高い位置にある場合にロック解除状態にある。この場合、ラック493の最下位置LB2がロック位置に相当する。
<第2装飾装置233の動作>
次に、第2装飾装置233の動作態様について、図18、図21、図22を参照しつつ説明する。図22は、第2装飾装置233が演出状態から退避状態に移行する場合の動作図である。なお、図22の拡大図においては、第2軸部405と引っ掛け孔495との位置関係を示す。
<回転演出部403bの出現>
まず、第2装飾装置233において、回転演出部403bが退避位置PB1から演出位置PB2に向けて移動する場合について説明する。
図18(a)、図21(a)に示すように、第2装飾装置233が退避状態にあり(回転演出部403bが退避位置PB1にあり)且つラック493が最下位置LB2にある場合、ロック機構がロック状態になっており、回転演出部403bが演出位置PB2に向けて移動することが規制されている。この場合、回動規制部材511がラック493に引っ掛かっていることで、バネ部材451の付勢力によりリンク部402,403が回動するということが抑止されており、回転演出部403bが表示画面75aの前方に出現しないようになっている。
ここで、リンク駆動部442の駆動に伴って、第2軸部405が最下位置LB1から移動しない状態で、ラック493だけが最下位置LB2からロック解除位置LB3に移動するため、ロック機構によるロック解除とリンク部402,403の回動とが同時ではなく順番に行われることで、ロック解除後にリンク部402,403が急速に回動開始することになる。この場合、退避位置PB1から演出位置PB2に向けた回転演出部403bの移動が突然開始されるため、回転演出部403bを表示画面75aの前方に出現させることによる演出効果を高めることができる。
これに対して、例えば、ラック493が最下位置LB2からロック解除位置LB3に移動する際に第2軸部405も押し上げるようになっている構成では、ロック解除を行いながらリンク部402,403がゆっくりと回動開始することになる。
第2装飾装置233は、リンク駆動部442が正回転で駆動することで演出状態に移行する。ここで、リンク部402が駆動開始した場合、図21(b)に示すように、ラック493が最下位置LB2からロック解除位置LB3に移動することで、ラック493に対する回動規制部材511の引っ掛かりが解除され、ロック機構がロック解除状態に移行する。
ロック機構がロック解除状態に移行した場合、回転演出部403bが演出位置PB2に移動する向きで第1リンク部402にバネ部材451の付勢力が付与される。また、ラック493は、ロック解除位置LB3を越えて上方に移動することで、第2軸部405を引っ掛け孔495の底面495bに引っ掛けた状態で押し上げ、その第2軸部405が最下位置LB1から上方に移動する。これらのことにより、バネ部材451の付勢力及びリンク駆動部442の駆動力の両方により、第1リンク部402及び第2リンク部403の回動が開始される。
ここで、ラックセンサ497は、ラック493が最下位置LB2からロック解除位置LB3に達するまでは、ラック493の被検出部498を検出しており、ラック493がロック解除位置LB3よりも上方に移動した場合に、被検出部498を検出しない状態になる。このため、ラックセンサ497は、ラック493がロック解除位置LB3を越えて上方に移動したこと(ロック機構がロック解除状態に移行したこと)を検出することが可能であり、ラックセンサ497によりロック解除が検出された場合、演出駆動部475が駆動する。
図18(b)に示すように、演出駆動部475が駆動することで、回転演出部403bが第2リンク部403の回動を加速させる向きで回動した場合、バネ部材451の付勢力及びリンク駆動部442の駆動力に回転演出部403bの回転力が加えられるため、例えば回転演出部403bが回転しない構成に比べて、回転演出部403bの移動速度(リンク部402,403の回動速度)が大きくなる。
ここで、リンク駆動部442が駆動開始した後、ラックセンサ497によりロック解除が検出されてから演出駆動部475が駆動開始することで、回転演出部403bが退避位置PB1において回転するということを回避できる。遊技盤60aの背面側においては、回転演出部403bがゼロ角度で収納されることを想定したスペースが確保されており、例えば、回転演出部403bが退避位置PB1において回転した場合、回転演出部403bにおいて演出位置PB2とは反対側に向けて移動する下端部が、第2装飾装置233を挟んで中央開口72とは反対側に配置された機器などに接触することが懸念される。これに対して、本実施形態では、リンク部402,403の回動が開始されることで、回転演出部403bが退避位置PB1から演出位置PB2に向けて移動した位置において回転開始するため、回転演出部403bが回転することで他の機器などに接触するということが回避される。これにより、回転演出部403bや他の機器などの破損や変形を抑制できる。
そして、図18(c)に示すように、ラック493が最上位置HB2に到達した場合、そのラック493により押し上げられた第2軸部405も最上位置HB1に到達し、回転演出部403bが回転しながら演出位置PB2に移動したことになる。この場合、第2軸部405が本体案内部411の上昇ストッパ412(本体長孔411aの天井面411b)に引っ掛かることで、リンク部402,403の回動が停止し、それに伴って、回転演出部403bの移動が停止する。回転演出部403bが演出位置PB2にある場合、ラック493の引っ掛け孔495の天井面495aは第2軸部405から上方に離間している。
リンク駆動部442は、回転演出部403bが演出位置PB2に移動したことに伴って駆動停止する。リンク駆動部442が駆動停止した場合、バネ部材451の付勢力により第1リンク部402と本体部401との間の角度が小さくなる向き(回転演出部403bが退避位置PB1に移動する向き)で第1リンク部402が回動することが懸念される。これに対して、上述したように、回転演出部403bが演出位置PB2にある場合においては、第1リンク部402と第2リンク部403との交差角度(リンク角度β)が90度より小さくなっていること、及び第2軸部405が上昇ストッパ412に引っ掛かっていることにより、バネ部材451の付勢力に抗して第1リンク部402の回動が阻止される。したがって、リンク駆動部442が駆動停止した状態でも、回転演出部403bが演出位置PB2にて位置保持される。
<回転演出部403bの収納>
次に、回転演出部403bが演出位置PB2から退避位置PB1に戻る場合について説明する。
第2装飾装置233は、リンク駆動部442が逆回転で駆動することで退避状態に移行する。リンク駆動部442が駆動開始した場合、ラック493が最上位置HB2から下方に向けて移動することで、図22(a)に示すように、ラック493の引っ掛け孔495の天井面495aが第2軸部405に上方から引っ掛かった状態になる。そして、ラック493が第2軸部405を引っ掛けた状態のまま下方に移動することで、図22(b)に示すように、ラック493により引き下げられた第2軸部405が最上位置HB1よりも下方に移動することになる。この場合、回転演出部403bが退避位置PB1に移動する向きで、バネ部材451の付勢力に抗してリンク部402,403が回動することになる。
そして、図18(a)に示すように、リンク駆動部442の駆動力により下降することで、ラック493がロック解除位置LB3を通過して最下位置LB2に到達した場合、リンク駆動部442が停止される。ここでは、ラックセンサ497によりラック493の被検出部498が検出されることで、ラック493が最下位置LB2に到達したことが検出される。
ラック493が最下位置LB2に到達した場合、第2軸部405も最下位置LB1に到達しており、それに伴って、回転演出部403bも退避位置PB1に到達している。この場合、第2装飾装置233のロック機構は、回動規制部材511の規制引掛部515がラック493のラック受け部521に引っ掛かることでロック状態になっている。これにより、バネ部材451の付勢力に抗してリンク部402,403の回動が規制されている。
演出駆動部475は、回転演出部403bを退避位置PB1に移動させる場合に、リンク駆動部442が逆回転での駆動を開始したことに合わせて、演出のための回転演出部403bの回転駆動を停止させ、第2リンク部403のリンク部本体403aに対して回転演出部403bがゼロ角度となる向きで駆動する。この場合、第2装飾装置233においては、回転演出部403bを退避位置PB1に移動させる向きでリンク部402,403が回動しながら、回転演出部403bがゼロ角度となる向きで回転することになる。これにより、リンク部本体403aに対して回転演出部403bがゼロ角度になった状態で、その回転演出部403bが退避位置PB1に到達することになる。
<第2装飾装置233の電気配線>
第2装飾装置233は、複数の発光部(図示略)を有している。第2装飾装置233においては、発光部が回転演出部403bの移動に合わせて発光することで演出効果が高められている。発光部は、LED等の発光体と、その発光体が複数搭載された発光基板とを有しており、第2リンク部403に設けられている。第2リンク部403においては、回転演出部403bの前面部分が光透過性を有する部材により光透過部として形成されており、発光部は光透過部の背面側に配置されている。発光部が発光することで、例えば、骨を模した部分や文字が光った状態になる。
発光部には電気配線が接続されており、その電気配線を通じて電源・発射制御装置191から発光基板に電力が供給される。電気配線は、リンク部402,403の回動や回転演出部403bの変形の支障にならない状態で、リンク部402,403の内部に敷設されている。第1軸部404及び第3軸部406においては、それぞれの軸線に重なる位置に配線通し孔が形成されており、電気配線は、本体部401の背面側から第1軸部404の配線通し孔を通じて第1リンク部402の内部に入り込み、第3軸部406の配線通し孔を通じて第2リンク部403の内部に入り込んだ状態になっている。
第2リンク部403においては、演出駆動部475や演出センサ487にも電気配線が接続されている。これらの電気配線は、発光部用の電気配線と同様に、第1軸部404の配線通し孔を通じて第1リンク部402の内部に敷設されている一方で、第3軸部406の配線通し孔を通じてリンク部本体403aの前面側に引き出されている。演出駆動部475には、リンク部本体403aの前面側において電気配線が接続されており、演出センサ487には、電気配線が再びリンク部本体403aの内部に引き込まれた部分において接続されている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成を図23のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。
また、図示は省略するが、MPU602には、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の入賞検知センサ、上作動口62用の入賞検知センサ、下作動口63用の入賞検知センサ、可変入賞装置64用の入賞検知センサ、スルーゲート65用の入賞検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、上作動口62及び下作動口63への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート65への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置64への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口62への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口63への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動用コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。特に、遊技回用のコマンドとしての変動用コマンドには、当該各種情報として、各遊技回の遊技結果の情報及び各遊技回の変動表示時間に関する情報に加えて、第1装飾装置232及び第2装飾装置233を動作させるか否かの情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下作動口63に付随した電動役物71を駆動させる役物駆動部、可変入賞装置64の開閉扉を駆動させる可変入球駆動部、及び主表示ユニット81が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置64の大入賞口が開閉されるように、MPU602において可変入賞装置64における可変入球駆動部の駆動制御が実行される。また、下作動口63の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において電動役物71の役物駆動部の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
<各種カウンタについて>
次に、主制御装置162のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図24を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりの発生抽選、主表示ユニット81の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図24に示すように、大当たりの発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、リーチ発生の有無及びその種別を振り分ける際に使用されるリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSを用いることとしている。さらに、下作動口63の電動役物71を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物用カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ631において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口62又は下作動口63への入賞が発生した場合に、RAM604に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア632に格納される。
保留球格納エリア632は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、第1エリアRa1,Rb1、第2エリアRa2,Rb2、第3エリアRa3,Rb3、第4エリアRa4,Rb4を備えており、上作動口62又は下作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ631に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリアRa1,Rb1〜第4エリアRa4,Rb4には、上作動口62又は下作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1,Rb1→第2エリアRa2,Rb2→第3エリアRa3,Rb3→第4エリアRa4,Rb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4が設けられていることにより、上作動口62又は下作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア632には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口62又は下作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、主表示ユニット81の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1エリアRa1,Rb1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口62又は下作動口63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口62又は下作動口63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口63の電動役物71におけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数種の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口63の電動役物71が単位時間当たりに受入状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物用カウンタC4を用いた電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役受入状態当選となった際に電動役物71が受入状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の受入時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役受入状態当選となり電動役物71の受入状態が複数回発生する場合において、1回の受入状態が終了してから次の受入状態が開始されるまでの待ち時間は、1回の受入時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口63よりも上作動口62の入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口62よりも下作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役受入状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、受入状態への切替回数を多くする、受入時間を長くする、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用結果表示部における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置75における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、可変入賞装置64が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置75の表示画面75aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置162において行うのではなく、報知・演出制御装置143又は表示制御装置170において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81における変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、主表示ユニット81における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物用カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物用カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート65に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物用カウンタC4の値によって下作動口63の電動役物71を受入状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物71を受入状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物71を受入状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、主表示ユニット81における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリアが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、主表示ユニット81における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
<報知・演出制御装置143及び表示制御装置170の電気的構成について>
再び図23のブロック図を参照して、報知・演出制御装置143及び表示制御装置170の電気的構成について説明する。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を制御するものである。
報知・演出制御装置143はMPU652が搭載された音声ランプ制御基板651を有してなり、MPU652には各種制御プログラムや固定値データを記憶したROM653、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM654が内蔵されている。
MPU652には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU652の入力側には、主制御装置162が接続されており、主制御装置162からの各種コマンドを受信する。MPU652の出力側には、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29が接続されているとともに表示制御装置170が接続されている。
表示制御装置170は、MPU702が搭載された表示制御基板701を有してなり、そのMPU702には、各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROMや、そのプログラムROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAMなどが内蔵されている。
表示制御基板701には、図柄表示装置75と、第1装飾装置232の駆動部281,282と、第2装飾装置233の駆動部442,475が接続されている。表示制御装置170のMPU702は、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御や、駆動部281,282,442,475の駆動制御を行う。この場合、MPU702は、駆動部281,282,442,475に対して指令信号を出力する。なお、表示制御装置170では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
また、MPU702では、主制御装置162から入力した変動用コマンドに基づいて、各遊技回において第1装飾装置232及び第2装飾装置233が特別演出を実行するタイミングを決定する。具体的には、MPU702のワークRAMに格納されている各特別演出タイミング判定用カウンタの値を参照して、いずれかの特別演出を開始するタイミングであるか否かを判定する。
特別演出としては、第1装飾装置232を動作させる第1特別演出と、第2装飾装置233を動作させる第2特別演出とがある。第1特別演出は、第1装飾装置232の移動演出部243bを退避位置PA1から演出位置PA2に移動させることで、犬の顔を模した移動演出部243bを表示画面75aの前方に出現させるものである。第2特別演出は、第2装飾装置233の回転演出部403bを退避位置PB1から演出位置PB2に移動させることで、骨を模した回転演出部403bを表示画面75aの前方に回転させながら出現させるものである。
第1特別演出及び第2特別演出は、その実行タイミングが一の遊技回中においてランダムとなっている。例えば、図柄表示装置75の表示画面75aにおいて各図柄の変動表示を開始してから当該変動表示を終了するまでの間のいずれかのタイミングや、図柄表示装置75の表示画面75aにおいてリーチ表示を開始してから当該リーチ表示を終了するまでの期間中などにおいて行われる。
第1特別演出及び第2特別演出は、それぞれ単独で実行されることもあれば、重なったタイミングで実行されることもある。これら特別演出のいずれが実行されるかによって、各遊技回においていずれかの大当たり結果となる期待度が異なっている。例えば、第2特別演出→第1特別演出→第1特別演出及び第2特別演出の両演出の順で期待度が高く設定されている。この場合、第2特別演出が行われる場合が最も期待度が低く、第1特別演出及び第2特別演出の両方が行われる場合が最も期待度が高くなっている。
また、表示制御装置170には、第1装飾装置232のアームセンサ325及びラックセンサ337と、第2装飾装置233の演出センサ487及びラックセンサ497とが接続されており、これらセンサ325,337,487,497は検出信号をMPU702に対して出力する。MPU702は、アームセンサ325及びラックセンサ337の検出信号に基づいて、第1装飾装置232の状態判定や、第1駆動部281及び第2駆動部282への指令信号の設定を行う。また、演出センサ487及びラックセンサ497の検出信号に基づいて、第2装飾装置233の状態判定や、リンク駆動部442及び演出駆動部475への指令信号の設定を行う。
<特別演出処理>
表示制御装置170のMPU702は、特別演出処理を実行することで第1装飾装置232及び第2装飾装置233のそれぞれに第1特別演出及び第2特別演出を行わせる。ここでは、演出処理について、図25、図26のフローチャートを参照しつつ説明する。図25は、表示制御装置170が実行する演出処理を示すフローチャート、図26は、第2装飾装置233の動作処理を示すフローチャートである。なお、MPU702は、特別演出処理を所定周期(例えば2msec)で繰り返し実行する。
図25において、ステップS101では、第1装飾装置232による第1特別演出を実行するか否かを判定する。ここでは、特別演出タイミング判定用カウンタの値に基づいて、第1特別演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。なお、第1装飾装置232が退避状態にあるか否かの判定をあらかじめ行っておき、退避状態にある場合に第1特別演出を実行するか否かの判定を行う。ちなみに、第1装飾装置232が退避状態にあるか否かの判定としては、中間アーム261が縮み状態にあるか否かの判定が挙げられ、この判定は、アームセンサ325の検出信号に基づいて行う。
第1特別演出を実行する場合、ステップS102に進み、第1駆動部281及び第2駆動部282をそれぞれ正回転で駆動開始させる。ここでは、第1駆動部281及び第2駆動部282の両方に対して指令信号を出力することでこれら駆動部281,282の駆動が同時に開始されることになる。これにより、第1装飾装置232においては、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きで第1リンク部242及び第2リンク部243が回動する。この場合、中間アーム261が縮み状態から伸び状態に向けて延びている。
S103では、中間アーム261が折れ状態に移行したか否かを判定する。ここでは、第1駆動部281の回転角度が折れ角度に達したか否かを判定し、折れ角度に達した場合に、中間アーム261が折れ状態に移行したとする。なお、第2アーム部265に対する第1アーム部264の角度や、本体部241に対する第2アーム部265の角度、第1リンク部242に対する第1アーム部264の角度を検出するセンサが設けられていれば、このセンサの検出信号に基づいて、中間アーム261が折れ状態に移行したか否かを判定してもよい。例えば、センサの検出信号に基づいて、第2アーム部265に対する第1アーム部264の角度が所定角度よりも小さくなったか否かを判定し、小さくなった場合に、中間アーム261が折れ状態に移行したと判定する。
中間アーム261が折れ状態に移行した場合、ステップS104に進み、第1駆動部281の駆動を停止させる。これにより、例えば第1駆動部281及び第2駆動部282の両方が、移動演出部243bが演出位置PA2に到達するまで継続して駆動する構成に比べて、省エネルギ化を図ることができる。ここで、なお、中間アーム261が折れ状態に移行した場合の移動演出部243bの位置が駆動停止位置に相当する。
なお、中間アーム261は、第1駆動部281の駆動が停止された後でも、第2駆動部282の駆動力により回動する第1リンク部242により引っ張られる状態で伸び状態に移行する。この場合、第1駆動部281も中間アーム261の第1アーム部264の回動に合わせて回転するため、移動演出部243bが演出位置PA2に移動することで、第1駆動部281の回転角度が演出角度に到達することになる。また、中間アーム261が折れ状態に移行していない場合、移行するまで本特別演出処理を繰り返し実行する。
ステップS105では、移動演出部243bが演出位置PA2に到達したか否かを判定する。ここでは、第2駆動部282の回転角度が演出角度に達したか否かを判定し、演出角度に達した場合に、移動演出部243bが演出位置PA2に到達したとする。この場合、第2軸部245及びラック333は、それぞれ最上位置HA1,HA2に移動した状態になっている。なお、本体部241に対する第1リンク部242の角度や、第2軸部245が最上位置HA1に移動したことを検出するセンサが設けられていれば、このセンサの検出信号に基づいて、移動演出部243bが演出位置PA2に移動したか否かの判定を行ってもよい。例えば、センサの検出信号に基づいて、第2軸部245が最上位置HA1に移動したか否かを判定し、移動した場合に、移動演出部243bが演出位置PA2に到達したと判定する。
移動演出部243bが演出位置PA2に到達した場合、ステップS106に進み、第2駆動部282の駆動を停止させる。この場合、第1装飾装置232が演出状態に移行し、第1特別演出を実行していることになる。なお、移動演出部243bが演出位置PA2に到達していない場合、到達するまで本特別演出処理を繰り返し実行する。
そして、ステップS107では、第1特別演出を終了するか否かを判定する。ここでは、特別演出タイミング判定用カウンタの値に基づいて、第1特別演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。なお、第1装飾装置232が演出状態にあるか否かの判定をあらかじめ行っておき、演出状態にある場合に第1特別演出を終了するか否かの判定を行う。
第1特別演出を終了する場合、ステップS108に進み、第2駆動部282を逆回転で駆動させる。この場合、第1装飾装置232においては、ラック333が最上位置HA2から下方に移動し、それに伴って、第2軸部245も最上位置HA1から下方に移動する。これにより、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向きで第1リンク部242及び第2リンク部243が回動する。
ステップS109では、ラックセンサ337の検出信号に基づいて、ラック333が最下位置LA2に到達したか否かを判定する。なお、第2駆動部282の回転軸部の回転角度(駆動角度)に基づいて、ラック333が最下位置に到達したか否かを判定してもよい。例えば、移動演出部243bを演出位置PA2に移動させる前の状態(ラック333が最下位置LA2にある状態)における第2駆動部282の回転軸部の角度を基準角度として、第2駆動部282の駆動角度が基準角度に戻ったか否かを判定し、戻った場合に、ラック333が最下位置LA2にあると判定する。
ラック333が最下位置LA2に到達した場合、ステップS110にて、第2駆動部282の駆動を停止させ、ステップS111にて、第1駆動部281を駆動させる。この場合、第1駆動部281の駆動に伴って中間アーム261が縮むため、第2駆動部282の駆動が停止しても、移動演出部243bが退避位置PA1に移動する向きでのリンク部402,403の回動が継続して行われる。なお、ラック333が最下位置LA2に到達していない場合、到達するまで本特別演出処理を繰り返し実行する。
ステップS112では、移動演出部243bが退避位置PA1に到達したか否かを判定する。ここでは、上述したように、アームセンサ325の検出信号に基づいて、中間アーム261が縮み状態にあるか否かの判定を行い、中間アーム261が縮み状態にある場合に、移動演出部243bが退避位置PA1に到達したと判定する。なお、第1駆動部281の駆動角度に基づいて、移動演出部243bが退避位置PA1に到達したか否かを判定してもよい。例えば、移動演出部243bを演出位置PA2に移動させる前の状態(第2軸部245が最下位置LA1にある状態)における第1駆動部281の回転軸部の角度を基準角度として、第1駆動部281の駆動角度が基準角度に戻ったか否かを判定し、戻った場合に、移動演出部243bが退避位置PA1にあると判定する。
移動演出部243bが退避位置PA1に移動した場合、ステップS113に進み、第1駆動部281の駆動を停止させる。この場合、第1装飾装置232が退避状態に移行し、第1特別演出を終了させたことになる。なお、移動演出部243bが退避位置PA1に到達していない場合、到達するまで本特別演出処理を繰り返し実行する。
ステップS114では、第2装飾装置233の動作処理を実行する。第2装飾装置233の動作処理については、図26を参照しつつ説明する。
図26において、ステップS201では、第2装飾装置233による第2特別演出を実行するか否かを判定する。ここでは、特別演出タイミング判定用カウンタの値に基づいて、第2特別演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。なお、第2装飾装置233が退避状態にあるか否かの判定をあらかじめ行っておき、退避状態にある場合に第2特別演出を実行するか否かの判定を行う。ちなみに、第2装飾装置233が退避状態にあるか否かの判定としては、ラック493が最下位置LB2にあり且つ回転演出部403bがゼロ角度にあるか否かの判定が挙げられる。ラック493が最下位置LB2にあるか否かの判定は、ラックセンサ497の検出信号に基づいて行い、回転演出部403bがゼロ角度にあるか否かの判定は、演出センサ487の検出信号に基づいて行う。
第2特別演出を行う場合、ステップS202に進み、リンク駆動部442を正回転で駆動させる。これにより、第2装飾装置233においては、ラック493が最下位置LB2から上方に向けて移動する。
ステップS203では、ロック機構による第1リンク部402及び第2リンク部403の回動規制が解除されたか否かを判定する。ここでは、ラックセンサ497の検出信号に基づいて、ラック493がロック解除位置LB3を通過して上方に移動したか否かを判定し、ロック解除位置LB3を通過している場合に、回動規制が解除されたと判定する。なお、リンク駆動部442の駆動角度に基づいて、ロック機構による回動規制が解除されたか否かを判定してもよい。例えば、回転演出部403bを演出位置PB2から退避位置PB1に移動させた場合のリンク駆動部442の回転軸部の角度を基準角度として、その基準角度に対する駆動角度が所定角度に達した場合に、ラック333がロック解除位置LB3に到達したとして、ロック機構による回動規制が解除されたと判定する。
回動規制が解除された場合、ステップS204に進み、演出駆動部475を正回転で駆動開始させる。この場合、リンク駆動部442の駆動力に加えて演出駆動部475の回転力がリンク部402,403に付与されるため、これらリンク部402,403の回動が加速される。なお、回動規制が解除されていない場合、解除されるまで本動作処理を繰り返し実行する。
ステップS205では、回転演出部403bが演出位置PB2に到達したか否かを判定する。ここでは、リンク駆動部442の回転角度が演出角度に達したか否かを判定し、演出角度に達した場合に、回転演出部403bが演出位置PB2に到達したとする。この場合、第2軸部405及びラック493は、それぞれ最上位置HB1,HB2に移動した状態になっている。なお、本体部401に対する第1リンク部402の角度や、第2軸部405が最上位置HB1に移動したことを検出するセンサが設けられていれば、このセンサの検出信号に基づいて、回転演出部403bが演出位置PB2に移動したか否かの判定を行ってもよい。例えば、センサの検出信号に基づいて、第2軸部405が最上位置HB1に移動したか否かを判定し、移動した場合に、回転演出部403bが演出位置PB2に到達したと判定する。
回転演出部403bが演出位置PB2に到達した場合、ステップS206に進み、リンク駆動部442の駆動を停止させる。この場合、第2装飾装置233が演出状態に移行し、第2特別演出を実行していることになる。また、回転演出部403bが演出位置PB2に移動した後は、演出駆動部475を、演出効果を高める態様で回転演出部403bが回転するように駆動させる。演出効果を高める態様としては、例えば、正回転と逆回転とを交互に行うことや、駆動速度を不規則に変化させることなどが挙げられる。なお、回転演出部403bが演出位置PB2に到達していない場合、到達するまで本動作処理を繰り返し実行する。
そして、ステップS207では、第2特別演出を終了するか否かを判定する。ここでは、特別演出タイミング判定用カウンタの値に基づいて、第2特別演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。なお、第2装飾装置233が演出状態にあるか否かの判定をあらかじめ行っておき、演出状態にある場合に第2特別演出を終了するか否かの判定を行う。
第2特別演出を終了する場合、ステップS208に進み、リンク駆動部442を逆回転で駆動させ、且つ回転演出部403bがゼロ角度になる向きで演出駆動部475を駆動させる。この場合、第2装飾装置233においては、ラック493が最上位置HB2から下方に移動し、それに伴って、第2軸部405も最上位置HB1から下方に移動する。これにより、回転演出部403bが退避位置PB1に移動する向きで第1リンク部402及び第2リンク部403が回動する。なお、演出駆動部475については、正回転及び逆回転のいずれが、回転演出部403bをゼロ角度に移行させるのに要する回転角度が小さいかを判定し、所要回転角度が小さい方の向きで演出駆動部475を回転させる。
ステップS209では、演出センサ487の検出信号に基づいて、回転演出部403bがゼロ角度に移行したか否かを判定する。なお、演出駆動部475の回動角度に基づいて、回転演出部403bがゼロ角度にあるか否かを判定してもよい。例えば、回転演出部403bが退避位置PB1にあり且つ回転開始する前の状態(演出駆動部475を駆動させる前の状態)における演出駆動部475の回転軸部の角度を基準角度として、演出駆動部475の駆動角度が基準角度に戻ったか否かを判定し、戻った場合に、回転演出部403bがゼロ角度に移行したと判定する。
回転演出部403bがゼロ角度に移行した場合、ステップS210に進み、演出駆動部475の駆動を停止させる。なお、回転演出部403bがゼロ角度に移行していない場合、到達するまで本動作処理を繰り返し実行する。
ステップS211では、回転演出部403bが退避位置PB1に到達したか否かを判定する。ここでは、上述したように、ラックセンサ497の検出信号に基づいて、ラック493が最下位置LB2にあるか否かの判定を行い、さらに、回転演出部403bが演出位置PB2から移動開始した後のリンク駆動部442の回転角度が演出角度に達したか否かの判定を行う。そして、ラック493が最下位置LB2にあり、且つリンク駆動部442の回転角度が演出角度に達した場合に、回転演出部403bが退避位置PB1に到達したと判定する。これにより、ラック493がロック解除位置LB3よりも低い位置にあれば、ラックセンサ497によりラック493の被検出部498が検出されるという構成であっても、ラック493が最下位置LB2に移動したことについての判定の正確性を高めることができる。
なお、ラック493が最下位置LB2にあることと、ロック解除位置LB3にあることとを個別に検出するセンサが設けられていれば、このセンサの検出信号に基づいて、回転演出部403bが退避位置PB1に到達したか否かの判定を行ってもよい。例えば、センサの検出信号に基づいて、ラック493が最下位置LB2に移動したか否かを判定し、ラック493が最下位置LB2に移動した場合に、リンク駆動部442の回動角度に関する判定を行うことなく、回転演出部403bが退避位置PB1に到達したと判定する。
回転演出部403bが退避位置PB1に移動した場合、ステップS212に進み、リンク駆動部442の駆動を停止させる。この場合、第2装飾装置233が退避状態に移行し、第2特別演出を終了させたことになる。なお、回転演出部403bが退避位置PB1に到達していない場合、到達するまで本動作処理を繰り返し実行する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
<第1装飾装置232の第1駆動部281及び第2駆動部282について>
第1装飾装置232が本体部241及びリンク部242,243を含むリンク機構を有しているため、移動演出部243bの移動範囲を拡張することや、移動演出部243bの動作態様を多様化させることが可能になる。このため、移動演出部243bを演出位置PA2に移動させることでその移動演出部243bに対する注目度を高めることができる。
第1リンク部242及び第2リンク部243に対して第1駆動部281及び第2駆動部282が個別に設けられているため、リンク部242,243のそれぞれの動作態様などに合わせて個別に選択したモータ等を駆動部281,282としてそれぞれ設定することができる。このため、第1駆動部281として定格トルクが極力大きいモータ等を選択し、第2駆動部282として定格速度が極力大きいモータ等を選択することが可能となる。これにより、コスト負担の低減を目的として、専用品ではなく汎用品のモータ等を駆動部281,282として選択しても、リンク機構に付与される駆動力について、そのリンク機構を動作させるために必要なトルクを確保しつつ、移動演出部243bを演出位置PA2に素早く移動させるために必要な最高速度を確保することができる。したがって、第1装飾装置232の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
定格トルクについては、第1駆動部281の方が第2駆動部282よりも大きくされ、定格速度については、第2駆動部282の方が第1駆動部281よりも大きくされているため、リンク部242,243の回動について、第1駆動部281の駆動力により加速を速やかに行い、第2駆動部282により最高速度を大きくすることができる。この場合、第1駆動部281と第2駆動部282とが異なる役割を果たせばよいため、汎用品のモータ等を駆動部281,282として選択することができる。
第1特別演出が実行される場合に、第1駆動部281及び第2駆動部282がそれぞれ駆動されるため、第1駆動部281の方が駆動速度が大きい期間を、第2駆動部282を加速させるための期間として利用することができる。したがって、駆動部281,282について都度の駆動速度が大きい方の駆動力を選択的に利用して、リンク部242,243の回動速度を速くすることができる。
第1特別演出の実行に際して、第2駆動部282の駆動に伴って移動するラック333が、第1駆動部281の駆動に伴って移動する第2軸部245に追い付いた後、第1駆動部281の駆動が停止されるため、第1駆動部281が発電ブレーキの役割を果たしてしまうことを回避できる。
第2駆動部282の回転軸部の演出角度が第1駆動部281の回転軸部の演出角度よりも大きいため、第2駆動部282の駆動速度が定格速度に到達するのに必要な回転確保を確保しやすくなる。この場合、移動演出部243bを演出位置PA2まで移動させる際に、第2駆動部282が有する性能の最大値が発揮されるため、リンク部242,243の回動速度を速くすることができる。
第1特別演出の終了に際して、第2駆動部282の駆動開始及び停止が行われた後に、第1駆動部281の駆動開始及び停止が行われるため、電力消費のピーク値を抑えることができる。これは、本パチンコ機10を複数設置している遊技ホール等において、電力設備の保全に関して有効である。
ラック333に引っ掛け孔335が形成されていることで、第2軸部245がラック333に対して相対的に移動可能になっているため、第1駆動部281と第2駆動部282とで駆動速度が相違することを、第2軸部245とラック333との間で許容することができる。このため、第2軸部245がラック333に対して相対移動できない構成とは異なり、第1特別演出を開始した際に、第1駆動部281の駆動に伴うラック333の移動速度が、第2駆動部282の駆動に伴う第2軸部245の移動速度に合わせて遅くなるということを回避できる。したがって、リンク部242,243が演出向きで回動開始した直後において移動演出部243bの移動速度を速くすることができる。
ラック333に対する第2軸部245の移動方向が、本体部241に対するラック333の移動方向に一致しているため、ラック333が第2軸部245を押す場合や、第2軸部245がラック333を押す場合において力の損失が生じにくくなっている。この場合、駆動部281,282の駆動力が効率良くリンク部242,243に伝わるため、リンク部242,243の回動速度を速くすることができる。
第2駆動部282の回転運動が、ピニオン歯車332及びラック333によりラック333の直進運動に変換されるため、第2駆動部282の駆動力がラック333に伝わる際の損失が生じにくくなっている。
バネ部材291の付勢力が演出向きでリンク部242,243に付与されているため、リンク部242,243の回動速度を速くすることができる。また、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合の方が演出位置PA2にある場合に比べて、バネ部材291の伸び率が大きくなっていることに起因してバネ部材291の付勢力が大きくなっている。これに対して、第1特別演出を終了する際に、定格トルクが小さい方の第2駆動部282を駆動開始及び停止させた後に、定格トルクが大きい方の第1駆動部281を駆動開始及び停止させることで、電力消費のピーク値を抑えた上で、リンク部242,243の退避向きでの回動がバネ部材291の付勢力により過剰に遅くなるということを抑制できる。
駆動部281,282の両方が本体部241に搭載されているため、駆動部281,282がリンク部242,243に搭載されている構成に比べて、リンク部242,243の軽量化を図ることができる。この場合、定格トルクが少しでも小さいモータ等を駆動部281,282として選択することが可能になるため、リンク部242,243の回動速度を向上させることがすることができる。
本体案内部251の延長線上に第1軸部244が配置されているため、第2軸部245が死点に移動しても、第1駆動部281の駆動方向によりリンク部242,243の回動方向を適正に選択することができる。このため、第2軸部245の移動範囲に死点が含まれていることで、移動演出部243bの移動範囲を極力大きく確保した構成を実現でき、しかも、この構成であってもリンク部242,243を適正な向きで回動させることができる。
<第1装飾装置232の中間アーム261について>
第1駆動部281の駆動力が中間アーム261を介して第1リンク部242の中間位置に付与されるため、中間アーム261のリンク側軸部263が第1リンク部242の第1軸部244から離間している分だけ、第1リンク部242を回動させるための力のモーメントを大きくすることができる。このため、定格トルクが極力大きいモータ等の中で定格トルクが少しだけ小さいものを第1駆動部281として選択しても、リンク部242,243を回動させるための力のモーメントを確保することが可能になる。これにより、少しでも定格速度が大きいモータ等を第1駆動部281として選択することができる。この場合、リンク部242,243の演出向きでの回動速度を大きくすることが可能となり、その結果、第1装飾装置232の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
リンク部242,243は、中間アーム261の伸縮に伴って演出向き又は退避向きに回動するため、中間アーム261が第1リンク部242の中間位置に接続されていても、中間アーム261が第1リンク部242の回動範囲を制限しない構成を実現できる。
中間アーム261が中間軸部266を軸に折れ曲がった状態で伸縮するため、第1駆動部281の回転運動を中間アーム261の伸縮運動に変換する構成を容易に実現できる。また、中間アーム261の伸縮に際しては、第1アーム部264及び第2アーム部265が第1リンク部242と共に回動運動するため、第2アーム部265の回動が第1リンク部242の回動運動の支障にならない構成を実現できる。
中間アーム261が縮み状態にあることでリンク部242,243の演出向きでの回動が規制されるため、リンク部242,243とは独立して動作する専用部材を使用しなくても、移動演出部243bが表示画面75aの前方に意図せずに出現することを抑止できる。この場合、移動演出部243bを適正に移動させることができる構成を実現する上で、第1装飾装置232の構成が複雑になることを抑制できる。
中間アーム261は、縮み状態にある場合に第1リンク部242から演出位置PA2とは反対側に向けて延びた状態になっているため、移動演出部243bが退避位置PA1にある場合に中間アーム261が表示画面75aの前方に露出するということを回避できる。しかも、この場合、リンク部242,243の回動状態に関係なく、中間アーム261が第1リンク部242を挟んで演出位置PA2とは反対側に配置されているという構成を実現できるため、第1リンク部242と中間アーム261とを本体部241の幅方向に沿って配置することができる。これにより、例えば中間アーム261が本体部241と第1リンク部242との間に配置された構成に比べて、第1装飾装置232の厚み寸法を低減できる。第1装飾装置232の厚み寸法を低減することは、遊技盤60aの背面側(遊技盤60aとユニット本体231との間)という限られた領域に第1装飾装置232を設置する上で効果的である。
中間アーム261が縮み状態にある場合に、第2アーム部265の逆回動が逆回動ストッパ269により規制されるため、第1駆動部281の駆動方向が同一であるにもかかわらず中間アーム261が伸びること及び縮むことの両方が実行されるということを回避できる。したがって、第1駆動部281の駆動方向を選択することで、中間アーム261の伸び及び縮みを適正に管理することができる。
中間アーム261においては、第1駆動部281の駆動力が第2アーム部265に付与されるため、第1駆動部281や第1伝達部301を中間アーム261や第1リンク部242に搭載する必要がない。したがって、第1リンク部242や中間アーム261の軽量化を図ることが可能となり、その結果、リンク部242,243の演出向きでの回動速度を速くすることができる。
移動演出部243bが演出位置PA2にある場合に、第1リンク部242に対する第2リンク部243のリンク角度α1が所定角度(例えば90度)以下になっていることで、中間アーム261が縮むことで第1リンク部242を退避向きで回動させることが規制される。このため、移動演出部243bが演出位置PA2に移動した後に、駆動部281,282の駆動が停止された状態でも、リンク部242,243が退避向きで意図せずに回動することを抑制できる。つまり、移動演出部243bが退避位置PA1に向けて意図せずに移動することを抑制できる。
また、リンク角度α1が所定角度以下であっても、第2軸部245が第2リンク部243を退避向きに回動させる向き(下向き)に移動することで、中間アーム261の縮みによる第1リンク部242の回動規制を解除することができる。このため、リンク部242,243とは独立して動作する専用部材を設けなくても、第2軸部245の移動というリンク機構の動作の一部を利用して、退避向きでのリンク部242,243の回動を再開することができる。
第1特別演出の終了に伴って、リンク角度α1が所定角度より大きくなった場合に、第1駆動部281の駆動開始に伴って中間アーム261が縮むことでリンク部242,243が退避向きで回動するため、リンク部242,243の演出向き及び退避向きの両方の回動について第1駆動部281の駆動力を使用することができる。したがって、リンク部242,243を退避向きで回動させるための専用の駆動部を設ける必要がないため、コスト負担の低減を図ることができる。
中間アーム261が伸縮する場合として、第1アーム部264が中間軸部266を軸として第2アーム部265に対して回動する場合と、第1アーム部264が中間軸部266と共に第2アーム部265の長手方向に沿ってスライド移動する場合との両方があるため、リンク部242,243が退避向きで回動する場合に、必ずしもアーム部264,265が回動する必要がない。つまり、中間アーム261が伸び状態から縮む際に、必ずしも第1伝達部301が動作する必要がない。したがって、第2駆動部282の駆動力によりリンク部242,243が退避向きで回動する場合に、第1伝達部301を動作させる分の電力を消費しなくて済む。
第1特別演出が終了される場合に、第2駆動部282の駆動開始及び停止の後に、第1駆動部281の駆動開始及び停止が行われるため、駆動部281,282の両方が重なるタイミングで駆動する構成に比べて、電力消費のピーク値を抑えることができる。
中間アーム261が第2リンク部243の突出部分271の背面側に隠れる位置に配置されているため、中間アーム261が遊技機前方から視認しにくい状態を実現できる。また、中間アーム261が本体部241の幅方向において第1リンク部242に横並びに配置されているため、例えば中間アーム261が第1リンク部242に前後に重なる位置に配置された構成に比べて、第1装飾装置232の厚み寸法を低減できる。
<第2装飾装置233の回転演出部403b及び演出駆動部475について>
第2リンク部403においては、リンク部本体403a及び回転演出部403bの両方を動作させることで、回転演出部403bの移動範囲を拡張することや、回転演出部403bの動作態様を多様化させることが可能になる。このため、回転演出部403bを演出位置PB2に移動させることでその回転演出部403bに対する注目度を高めることができる。
リンク部本体403a及び回転演出部403bのそれぞれに対してリンク駆動部442及び演出駆動部475から個別に駆動力が付与されるため、リンク部本体403a及び回転演出部403bのそれぞれの動作態様などに合わせて個別に選択したモータ等を駆動部442,475として設定することができる。このため、リンク駆動部442として定格トルクが極力大きいモータ等を選択し、回転演出部403bとして定格速度が極力大きいモータ等を選択することが可能となる。この場合、コスト負担の低減を目的として、専用品ではなく汎用品のモータ等をリンク駆動部442や演出駆動部475として選択しても、リンク部本体403aを回動させるために必要な力のモーメントを確保しつつ、回転演出部403bの回転による演出効果を高めるために必要な回転速度を確保することができる。
しかも、リンク部本体403aが演出向きで回動する場合に、その演出向きに合わせて回転演出部403bが回転するため、回転演出部403bの回転力をリンク部本体403aの回動高速化に利用することができる。この場合、回転演出部403bの回動速度を向上させることでその回転演出部403bによる演出効果を高めることができる。したがって、第2装飾装置233の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
回転演出部403bが長尺状に形成され、リンク部402,403が演出向きで回動する場合に、回転演出部403bの上端部がリンク部本体403aの上端部より高い位置から回転開始するため、回転演出部403bの上端部が移動する力のモーメントをリンク部本体403aの上端部の加速に利用することができる。
しかも、回転演出部403bの長手方向の中央部分に演出軸部407が配置されているため、回転演出部403bが回転してもその回転演出部403bの重心が変位しない。したがって、回転演出部403bからリンク部本体403aに付与される回転力が、回転演出部403bの重心が移動することで増減するということを回避できる。これにより、リンク部本体403aを安定した状態で演出向きに回動させることができる。
第2特別演出が実行される場合に、リンク部本体403aの回動が開始された後に、回転演出部403bの回転が開始されるため、遊技盤60aの背面側に配置された他の機器等に回転演出部403bが接触するということを回避できる。
リンク駆動部442の駆動力により第2軸部405が直線的にスライド移動するため、回転演出部403bを退避位置PB1から演出位置PB2に移動させるまでに必要なリンク駆動部442の駆動量が、例えばリンク駆動部442の駆動力により第1軸部404が回動する構成に比べて大きくなる。ここで、リンク部402,403の回動速度を大きくするには、定格速度が極力大きいモータ等をリンク駆動部442として選択することが好ましいという観点において、リンク駆動部442が定格速度に達するまでに必要な駆動量を確保できる。しかも、リンク部402,403の回動開始に際しては、リンク駆動部442の駆動力に加えて回転演出部403bの回転力によりリンク部402,403の回動が加速されるため、リンク部402,403を加速させる上でリンク駆動部442の定格トルクが不足していたとしても、その不足分を回転演出部403bの回転力で補うことができる。
第2装飾装置233が本体部401及びリンク部402,403を含むリンク機構を有しているため、回転演出部403bの移動範囲を拡張することや、回転演出部403bの動作態様を多様化させることが可能になる。また、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、リンク部402,403が退避向きで回動することが逆回動ストッパ469及び上部カバー体465により規制されるため、遊技盤60aの背面側において回転演出部403bや第1リンク部402などが他の機器に接触することを回避できる。
リンク部本体403aの長手方向において、演出軸部407と演出駆動部475とが重ならない位置に配置されているため、例えば演出軸部407と演出駆動部475とが軸線同士で一致する位置に配置された構成に比べて、第2リンク部403の厚み寸法を低減できる。
さらに、演出駆動部475は、回転演出部403bの回転範囲に含まれない位置に配置されているため、演出駆動部475と回転演出部403bとをリンク部本体403aの長手方向において横並びに配置できる。この場合、演出駆動部475との接触を避ける分だけ回転演出部403bをリンク部本体403aから離間させるという必要がないため、第2リンク部403の厚み寸法を極力小さくすることができる。
<第2装飾装置233の回動規制部材511及びラック受け部521について>
回動規制部材511の規制引掛部515がラック493のラック受け部521に引っ掛かることで、リンク部402,403が演出向きに回動することが規制されるため、リンク部402,403とは独立して動作する専用部材を第2装飾装置233に設置しなくても、回転演出部403bが表示画面75aの前方に意図せずに出現することを抑制できる。この場合、演出位置PB2への回転演出部403bの移動を意図した場合に制限できるため、それによって、回転演出部403bが演出位置PB2に移動することに対する遊技の期待度を高めることができる。
規制引掛部515の移動軌跡は、回動規制部材511が回動することに起因して曲線状に延びている。一方、ラック受け部521の移動軌跡がラック493の移動方向に沿って直線状になるため、この移動軌跡が延びている方向は所定方向(上下方向)に統一されている。したがって、ラック受け部521の移動軌跡に回動規制部材511の規制引掛部515の移動軌跡を交差させるには、ラック受け部521の直線状の移動軌跡に対して、規制引掛部515の移動軌跡の位置及び角度を対応させるだけで済むため、例えば規制引掛部515及びラック受け部521の各移動軌跡が両方とも曲線状である構成に比べて、ラック受け部521と規制引掛部515との位置合わせが容易になる。これにより、ラック493と回動規制部材511との相対的な動作態様を設定する作業が煩雑になるということを抑制できる。
回動規制部材511が連結部材512を介して第1リンク部402に連結されているため、回動規制部材511が第1リンク部402から離間した位置に配置しても、その回動規制部材511が第1リンク部402に連動して回動する構成を実現できる。また、回動規制部材511の設置位置に関する自由度が連結部材512により高められているため、回動規制部材511をその規制引掛部515がラック受け部521に引っ掛かる位置に配置することができる。
第1リンク部402における第1軸部404と膨出接続部517との並び方向に沿って、回動規制部材511における規制軸部513と規制接続部516とが並べられているため、第1リンク部402の回動に伴う膨出接続部517の変位量を規制接続部516にそのまま付与できるため、ラック受け部521に対する規制引掛部515の引っ掛け及び引っ掛け解除を行う上で必要な変位量を、回動規制部材511について適正に確保することができる。しかも、第1リンク部402の回動に伴って回動規制部材511が回動する構成が複雑になることを抑制できる。
ラック受け部521は、リンク駆動部442の回転運動を直進運動に変換するためのラック493に設けられているため、ラック受け部521を直進運動させるためにリンク機構とは独立して動作する専用部材を設けるという必要がない。したがって、リンク部402,403の回動を規制するロック機構の構成が複雑になることを抑制できる。
第2特別演出の実行のためにラック493が移動する場合に、規制引掛部515とラック受け部521との引っ掛かりが解除される動作と、ラック493が第2軸部405を移動させる動作とが、重ならないタイミングで順番に実行されるため、これらの動作が同時に行われる構成に比べて、各動作を行うために必要な駆動トルクのピーク値を低減できる。したがって、ラック493を移動させるために駆動するリンク駆動部442として、ピーク値を低減した分だけ定格トルクが小さく、且つその分だけ定格速度の大きいモータ等を選択することができる。これにより、リンク駆動部442の駆動に伴うリンク部402,403の演出向きへの回動速度を速くすることができる。
ラック493に対する第2軸部405の移動方向が、本体部401に対するラック493の移動方向に一致しているため、ラック493が第2軸部405を押す場合や、第2軸部405がラック493を押す場合において力の損失が生じにくくなっている。この場合、リンク駆動部442の駆動力が効率良くリンク部402,403や回動規制部材511に伝わるため、リンク部402,403の回動速度を速くすることや、規制引掛部515とラック受け部521との引っ掛かり及び引っ掛かり解除を適正に行うことが可能となる。
回動規制部材511がラック493を挟んでリンク部402,403とは反対側に配置されているため、回動規制部材511がリンク部402,403の回動の支障になることを回避できる。
回転演出部403bが退避位置PB1にある場合、規制引掛部515とラック受け部521とが引っ掛かっていることで、バネ部材451の付勢力に抗してリンク部402,403の回動が規制されているため、回転演出部403bの出現速度がバネ部材451の付勢力により大きくされている構成であっても、回転演出部403bが表示画面75aの前方に意図せずに出現するということを好適に抑止できる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。
(a1)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第2軸部245が本体部241に沿ってスライド移動可能になっていたが、第2軸部245が第2リンク部243に沿ってスライド移動可能になっていてもよい。この場合でも、第1リンク部242及び第2リンク部243が、第3軸部246が第2軸部245に近付く向きで回動することで、移動演出部243bが退避位置に向けて移動する。また、第1リンク部242及び第2リンク部243が、第3軸部246が第2軸部245から遠ざかる向きで回動することで、移動演出部243bが演出位置に向けて移動する。なお、第2軸部245が、本体部241及び第2リンク部243の両方に対してスライド移動可能にされていてもよい。
また、第3軸部246が第1リンク部242及び第2リンク部243の少なくとも一方に沿ってスライド移動可能なスライド軸部とされていてもよい。この場合でも、第1リンク部242及び第2リンク部243が、第3軸部246が第1軸部244及び第2軸部245の少なくとも一方に近付く向きで回動することで、移動演出部243bが退避位置に向けて移動する。また、第1リンク部242及び第2リンク部243が、第3軸部246が第1軸部244及び第2軸部245の少なくとも一方から遠ざかる向きで回動することで、移動演出部243bが演出位置に向けて移動する。
(a2)上記実施形態では、第1装飾装置232において、移動演出部243bが第2リンク部243に含まれていたが、移動演出部243bは、第1リンク部242に含まれていてもよい。この場合でも、移動演出部243bは、第2軸部245が第1軸部244に近付く向きでリンク部242,243が回動することで演出位置に向けて移動し、第2軸部245が第1軸部244から離れる向きでリンク部242,243が回動することで退避位置に向けて移動する。
(a3)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第2軸部245が第1軸部244に近付くことで移動演出部243bが演出位置PA2に向けて移動する構成としたが、第2軸部245が第1軸部244に近付くことで移動演出部243bが退避位置PA1に向けて移動する構成としてもよい。例えば、第2軸部245が第1軸部244に近付いた場合に、第3軸部246が演出位置PA2とは反対側(第2装飾装置233とは反対側)に向けて移動する構成とする。この構成では、第2リンク部243において、移動演出部243bがリンク部本体243aから演出位置PA2に向けて延びており、移動演出部243bにおいて第3軸部246よりも演出位置PA2側に突出した部分が、表示画面75aの前方に出現することになる。
(a4)上記実施形態では、第1装飾装置232において、本体案内部251の延長線上に第1軸部244が配置されていたが、第1軸部244は、本体案内部251の延長線上に配置されていなくてもよい。例えば、第1軸部244が本体案内部251の延長線よりも演出位置PA2側に配置された構成とする。
(a5)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第1リンク部242及び第2リンク部243が本体部241の前面側に配置されていたが、これらリンク部242,243は本体部241の背面側に配置されていてもよい。この場合でも、本体部241が遊技盤60aの背面側に隠れた位置に配置されていれば、本体部241が遊技機前方に露出するということは回避できる。
(a6)上記実施形態では、第1装飾装置232において、ラック333に対する第2軸部245の相対的な移動が可能にされていたが、第2軸部245は、ラック333に対する相対的な移動をしない状態でそのラック333に対して接続されていてもよい。
(a7)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第1駆動部281の回転運動がラック333及びピニオン歯車332により第2軸部245の直進運動に変換されていたが、運動変換手段により回転運動が直進運動に変換される構成であればよい。運動変換手段としては、巻取部がワイヤ等の線状部材を巻き取るという構成が挙げられる。例えば、第2軸部245に線状部材が接続され、第1駆動部281の回転に伴って巻取部が回転する構成により、第1駆動部281の回転運動が第2軸部245の直進運動に変換される。
(a8)上記実施形態では、第1装飾装置232において、バネ部材291が第1リンク部242と本体部241とに掛け渡された状態で設けられていたが、バネ部材291は、第2リンク部243と本体部241とに掛け渡された状態で設けられていてもよく、第1リンク部242と第2リンク部243とに掛け渡された状態で設けられていてもよい。要は、移動演出部243bが演出位置PA2に移動する向きでリンク部242,243を付勢する状態でバネ部材291が設けられていればよい。
(a9)上記実施形態では、第1装飾装置232において、本体案内部251が本体長孔251aとされていたが、本体案内部251は、本体部241の外側に突出した凸部や内側に凹んだ凹部により形成されていてもよい。この場合、本体案内部251の上昇ストッパ252は、本体長孔251aの天井面251bではなく、凸部や凹部により形成されていればよい。
(a10)上記実施形態では、第1装飾装置232において、移動部材としてのラック333において、第2軸部245が引っ掛け孔335に引っ掛かった状態で移動したが、第2軸部245は、ラック333の外側に突出した凸部や内側に凹んだ凹部に引っ掛かった状態で移動してもよい。この場合、第2軸部245を押す第1押し部や第2押し部は、引っ掛け孔335の天井面335aや底面335bではなく、凸部や凹部により形成されていればよい。
(a11)上記実施形態では、第1装飾装置232について、第1駆動部281の駆動力が中間アーム261を介して第1リンク部242に付与される構成としたが、第1駆動部281の駆動力が中間アーム261を介さずに第1リンク部242に付与される構成としてもよい。例えば、第1駆動部281の回転軸部が歯車等を介して第1軸部244に接続された構成とする。
(a12)上記実施形態では、第1装飾装置232について、回転運動を行うモータ等の駆動源が第1駆動部281や第2駆動部282とされていたが、直進運動を行う駆動源が第1駆動部281や第2駆動部282とされていてもよい。例えば、直進運動を行う駆動源が第2駆動部282とされた構成とする。この構成では、第2駆動部282が第2伝達部302を介さずに第2駆動部282に駆動力を直接付与する構成としてもよい。
(a13)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第1駆動部281の方が第2駆動部282より定格トルクが大きくされ、第2駆動部282の方が第1駆動部281より定格速度が大きくされていたが、定格トルクは第2駆動部282の方が第1駆動部281より大きくされていてもよく、定格速度は第1駆動部281の方が第2駆動部282より大きくされていてもよい。また、定格トルクや定格速度は、第1駆動部281と第2駆動部282とで同じにされていてもよい。
また、第1駆動部281や第2駆動部282の駆動力が第1伝達部301や第2伝達部302により変換されることで、第1リンク部242や第2リンク部243を回動させるための駆動速度や駆動トルクが増減されていてもよい。例えば、速度伝達比が第1伝達部301の方が第2伝達部302よりも大きく設定された構成とする。この構成では、仮に第1駆動部281と第2駆動部282とで定格トルクが同じであっても、第1リンク部242に付与される駆動力の駆動トルクを、第2リンク部243に付与される駆動力の駆動トルクよりも大きくできる。また、第2リンク部243に付与される駆動力の駆動速度を、第1リンク部242に付与される駆動力の駆動速度よりも大きくできる。
さらに、第1駆動部281の演出角度が第2駆動部282の演出角度より大きくされていてもよい。
(a14)上記実施形態では、第1特別演出を実行する場合に、第1駆動部281と第2駆動部282とが同時に駆動開始する構成としたが、これら駆動部281,282は異なるタイミングで駆動開始してもよい。例えば、第1駆動部281と第2駆動部282とが所定間隔(例えば10msec)で連続して駆動開始される構成とする。
また、第1駆動部281が駆動開始した後、所定の条件が満たされた場合に第2駆動部282を駆動開始する構成とする。この構成では、第1駆動部281の駆動開始に伴って第1リンク部242及び第2リンク部243が回動し、第2軸部245が最下位置LA1から上昇することでラック333を押し上げることになる。ここで、所定の条件としては、ラック333が最下位置LA2から上方に移動したことが挙げられる。
この構成において、表示制御装置170のMPU702は、第1駆動部281を駆動開始させた後、第2軸部245のじラックセンサ337の検出信号に基づいて、ラック333が最下位置LA2から上方に移動したか否かを判定し、最下位置LA2から上方に移動した場合に、第1駆動部281の駆動を停止させ、その後、第2駆動部282を駆動開始させる。第2駆動部282が駆動開始した場合、ラック333が上昇することで、その引っ掛け孔335の底面335bが第2軸部245に引っ掛かり、その状態でラック333が第2軸部245を押し上げることになる。このため、第1駆動部281の駆動が停止された後でも、リンク部242,243の回動が継続して行われ、それによって、移動演出部243bが演出位置PA2に移動することになる。
この構成によれば、移動演出部243bを退避位置PA1から演出位置PA2に移動させる場合に、第1駆動部281と第2駆動部282とが重ならないタイミングで順番に駆動するため、電力消費のピーク値を抑えることができる。
(a15)上記実施形態では、第1特別演出を実行する場合に、第1駆動部281及び第2駆動部282の両方が駆動している状態において、中間アーム261が折れ状態になった場合に第1駆動部281が駆動停止される構成としたが、第1駆動部281が駆動停止されるのは移動演出部243bが駆動停止位置に到達した場合とされていればよい。例えば、移動演出部243bが駆動停止位置に到達したことを検出するセンサが設けられ、そのセンサの検出信号に基づいて第1駆動部281を駆動停止させる構成とする。このセンサとしては、第2リンク部243に対する第1リンク部242の角度を検出するセンサや、第1駆動部281の回転軸部の回転角度を検出するセンサ、第2軸部245の位置を検出するセンサなどが挙げられる。
また、第2駆動部282の駆動力によるラック333の上昇速度が、第1駆動部281の駆動力による第2軸部245の上昇速度を越えた場合に、第1駆動部281を駆動停止させる構成としてもよい。この構成によれば、第1駆動部281が発電ブレーキのような働きをすることを抑制できる。
さらに、中間アーム261が折れ状態になった場合に、第1駆動部281から中間アーム261への駆動力の伝達が遮断されてもよい。例えば、第1伝達部301のアーム側歯車322に歯車の無い歯無し部分が設けられた構成とする。この構成では、中間アーム261が折れ状態に移行することで、歯無し部分によりアーム側歯車322が第1歯車321に噛み合わない状態になり、第1駆動部281から中間アーム261への駆動力の伝達が遮断される。
(a16)上記実施形態では、第1特別演出を実行する場合に、第1駆動部281及び第2駆動部282が両方とも駆動している状態から、先に第1駆動部281が駆動停止され、その後に第2駆動部282が駆動停止されていたが、第2駆動部282の方が先に駆動停止されてもよく、これら駆動部281,282が同時に駆動停止されてもよい。
(a17)上記実施形態では、第1特別演出を終了する場合に、第2駆動部282が駆動開始及び駆動停止された後に、第1駆動部281が駆動開始及び駆動停止されたが、この駆動の順番は逆にされていてもよい。要は、第1駆動部281と第2駆動部282とが重複しないタイミングで順番に駆動される構成であれば、これら駆動部281,282が重なるタイミングで駆動される構成に比べて、電力消費のピーク値を低減することができる。
また、第1駆動部281及び第2駆動部282は、重複するタイミングで駆動されてもよい。例えば、第1駆動部281及び第2駆動部282が同時に駆動開始され、同時に駆動停止される構成とする。
(b1)上記実施形態では、第1装飾装置232において、第1駆動部281及び第2駆動部282が設けられていたが、いずれか一方だけが設けられていてもよい。例えば、第1駆動部281だけが設けられ、この第1駆動部281の駆動力が第1伝達部301及び第2伝達部302の少なくとも一方を介して第1リンク部242及び第2リンク部243に付与される構成とする。この構成でも、第1駆動部281の駆動に伴って中間アーム261が伸縮すれば、その中間アーム261の伸縮によりリンク部242,243を回動させることができる。
(b2)上記実施形態では、第1装飾装置232において、中間アーム261が2つのリンク部242,243を有していたが、3つ以上のリンク部を有していてもよい。また、これらリンク部は、相対的に回動するのではなく、それぞれの長手方向に沿って相対的にスライド移動してもよい。この場合でも、複数のリンク部が互いに重なる向きでスライド移動することで中間アーム261が縮み状態に移行し、複数のリンク部が互いの重なり部分が短くなる向きでスライド移動することで中間アーム261が伸び状態に移行することになる。
(b3)上記実施形態では、第1装飾装置232の第1リンク部242において、第1軸部244と第3軸部246との間に中間アーム261が接続されていたが、中間アーム261は、第1リンク部242のどの部分に接続されていてもよい。例えば、中間アーム261が第1リンク部242の膨出部294に接続された構成とする。この場合でも、中間アーム261の伸縮に伴って第1リンク部242が回動することになる。
(b4)上記実施形態では、第1装飾装置232において、移動演出部243bが、中間アーム261が伸びることで演出位置PA2に向けて移動し、中間アーム261が縮むことで退避位置PA1に向けて移動したが、移動演出部243bは、中間アーム261が伸びることで退避位置PA1に向けて移動し、中間アーム261が縮むことで演出位置PA2に向けて移動してもよい。例えば、中間アーム261が第1リンク部242を挟んで演出位置PA2とは反対側に配置されているのではなく、第1リンク部242より演出位置PA2側に配置された構成とする。この構成では、中間アーム261の本体側軸部262がリンク側軸部263よりも演出位置PA2側に配置されており、中間アーム261が第1リンク部242を本体側軸部262側に引き寄せることで、移動演出部243bが演出位置PA2に向けて移動することになる。
(b5)上記実施形態では、第1装飾装置232において、中間アーム261が縮み状態にある場合に、第1アーム部264と第2アーム部265とが中間軸部266の軸線方向に重なった状態になっていたが、この場合に、第1アーム部264と第2アーム部265とは、これらアーム部264,265の回動方向に沿って横並びに配置されていてもよい。この構成でも、これらアーム部264,265が平行に重なることで、中間アーム261が縮み状態になっている。
(b6)上記実施形態では、第1装飾装置232において、本体側軸部262が第1リンク部242の回動状態に関係なくその第1リンク部242と本体部241との間には入り込まない位置に配置されていたが、本体側軸部262は、中間アーム261が縮み状態にある場合に第1リンク部242と本体部241との間に入り込む位置に配置されていてもよい。
(b7)上記実施形態では、第1装飾装置232において、縮み状態にある中間アーム261が逆回動ストッパ269に下方から当接することで中間アーム261(第1アーム部264及び第2アーム部265)の回動が規制される構成としたが、縮み状態にある中間アーム261が逆回動ストッパ269に上方から当接することで中間アーム261の回動が規制される構成としてもよい。この構成でも、逆回動ストッパ269により中間アーム261の伸びが規制されるため、第1駆動部281の駆動方向が制御されることで中間アーム261の伸縮状態を適正に管理することができる。
また、逆回動ストッパ269は、本体部241ではなく、第1リンク部242や第1アーム部264、第2アーム部265に設けられていてもよい。例えば、第2アーム部265から第1アーム部264側に向けて突出した凸部が逆回動ストッパ269とされた構成とする。この構成では、中間アーム261が縮み状態にある場合に、第1アーム部264の回動方向のうち一方側から逆回動ストッパ269が第1アーム部264に当接することで、第2アーム部265に対する第1アーム部264の回動が規制される。
(b8)上記実施形態では、第1装飾装置232において、移動演出部243bが演出位置PA2にある場合に、第2リンク部243が中間アーム261の縮みを規制する収縮規制状態になっていたが、第2リンク部243は、収縮規制状態に移行せずに、常に収縮許可状態になっていてもよい。
(b9)上記実施形態では、第1装飾装置232の中間アーム261において、中間軸部266が第2アーム部265に沿ってスライド移動する構成としたが、中間軸部266が第1アーム部264に沿ってスライド移動する構成としてもよい。つまり、アーム長孔265aが第1アーム部264に形成されていてもよい。
(b10)上記実施形態では、第1装飾装置232において、中間アーム261が第1リンク部242に横並びに設けられていたが、中間アーム261は、第1リンク部242と本体部241との間や、第1リンク部242と第2リンク部243との間に設けられていてもよい。
(c1)第2装飾装置233のリンク機構の構成について、第1装飾装置232と同様に(a1)〜(a10)の構成としてもよい。なお、この場合、本体部、第1リンク部、第2リンク部、第1軸部、第2軸部、第3軸部、バネ部材、本体案内部、本体長孔、ラック、引っ掛け孔、演出位置、退避位置などはそのまま置き換え、移動演出部243bは回転演出部403bに置き換える。
(c2)第2装飾装置233において、回転演出部403bの回転力により第2リンク部243の回動が加速される構成では、リンク機構が構築されていなくてもよい。例えば、第1リンク部242が設けられておらず、第2リンク部243のリンク部本体243aを演出アームとして、その演出アームが第2軸部245を軸に回動する構成とする。この構成でも、演出アームの回動に合わせて回転演出部403bを回転させることで、演出アームの回動速度を高めることができる。
また、この場合、第2軸部245のスライド移動に伴って演出アームが回動する構成としてもよい。例えば、第2軸部245に歯車が固定され、その歯車に噛み合う複数の歯が本体案内部251に設けられた構成とする。この構成では、本体案内部251の複数の歯が第2軸部245のスライド方向に沿って並べられており、第2軸部245が本体案内部251に沿ってスライド移動した場合に、第2軸部245の歯車が回転して演出アームが回動することになる。
(c3)上記実施形態では、第2装飾装置233の第2リンク部403において、回転演出部403bがリンク部本体243aの回動先端部に配置されているが、回転演出部403bはリンク部本体243aの中間部分に配置されていてもよい。例えば、回転演出部403bが、リンク部本体403aの回動先端部と第3軸部406との間に配置された構成とする。この構成では、回転演出部403bの回転半径が、リンク部本体243aの回動先端部と演出軸部407との離間距離より小さくされていてもよい。つまり、第2装飾装置233が退避状態にある場合に、回転演出部403bがリンク部本体403aよりも回動先端側に突出していなくてもよい。
(c4)上記実施形態では、第2装飾装置233の第2リンク部403において、演出軸部407が回転演出部403bの重心に重なる位置に配置されていたが、演出軸部407は、回転演出部403bの重心に重ならない位置に配置されていてもよい。この構成としては、演出軸部407が、回転演出部403bの中央部分からずれた位置に配置された構成や、回転演出部403bの両端のうち一端側に重り部材が設けられた構成とする。
演出軸部407が回転演出部403bの重心からずれた位置に配置された構成では、第2装飾装置233が退避状態にある場合に、回転演出部403bが、演出軸部407より高い位置に重心が配置される向きでゼロ角度に保持されていることが好ましい。この場合に第2特別演出が実行されると、回転演出部403bの重心を演出軸部407よりも低い位置に引っ張る重力を利用して、回転演出部403bの回転速度を速くできる。このため、回転演出部403bの回転力が大きくなり、それによって、第2リンク部403の回動速度も速くなる。
また、回転演出部403bは、細長形状にされていなくてもよく、例えば円形や正方形とされていてもよい。
(c5)上記実施形態では、第2装飾装置233において、逆回動ストッパ469及び上部カバー体465等の逆回動規制手段が本体部401に設けられていたが、逆回動規制手段は、第1リンク部402や第2リンク部403に設けられていてもよい。例えば、第1リンク部402から第2リンク部403に向けて突出した凸部が逆回動規制手段とされた構成とする。この構成では、回転演出部403bが退避位置PB1にある場合に、第2リンク部403における演出位置PB2とは反対側の側面に逆回動規制手段が当接することで、第1リンク部402に対する第2リンク部403の回動が規制される。
(c6)上記実施形態では、第2装飾装置233の第2リンク部403において、演出駆動部475が第3軸部406を挟んで演出軸部407とは反対側に配置されていたが、演出駆動部475は、演出軸部407や第3軸部406に重ならない位置に配置されていればよい。例えば、演出駆動部475が演出軸部407と第3軸部406との間に配置された構成とする。この構成でも、演出駆動部475が、その演出駆動部475の軸線に交差する方向において、演出軸部407や第3軸部406に横並びに配置されているため、第2リンク部403の厚み寸法を低減できる。
(c7)上記実施形態では、第2特別演出を実行する場合に、リンク駆動部442の駆動開始に伴ってラック493がロック解除位置LB3に到達した後に、演出駆動部475が駆動開始する構成としたが、リンク駆動部442の駆動開始後、所定時間が経過した場合に演出駆動部475が駆動開始する構成としてもよい。要は、ロック機構による回動規制が解除された後に、演出駆動部475が駆動開始すればよい。
また、上記実施形態では、リンク駆動部442が駆動開始した後に、演出駆動部475が駆動開始する構成としたが、これら駆動部442,475が同時に駆動開始する構成としてもよい。この場合、回転演出部403bが退避位置PB1にて回転開始しても、その回転演出部403bが遊技盤60aの背面側において他の機器に接触しない構成とすることが好ましい。
退避位置PB1にある回転演出部403bがゼロ角度でなくても、この回転演出部403bが他の機器に接触しない構成であれば、演出駆動部475が回動開始した後に、リンク駆動部442が回動開始してもよい。つまり、回転演出部403bが回転開始した後に、第2リンク部243が回動開始してもよい。また、第2装飾装置233が退避状態にある場合に、回転演出部403bが第2リンク部403に交差する方向に延びた状態になっていてもよい。さらに、第2特別演出を終了する場合に、リンク駆動部442を駆動させることで回転演出部403bを退避位置PB1に移動させ、その後、演出駆動部475を回動させて回転演出部403bをゼロ角度に移行させてもよい。
(d1)第2装飾装置233が退避状態にある場合に、回動規制部材511がラック受け部521に引っ掛かることで第1リンク部402及び第2リンク部403の回動が規制される構成では、これらリンク部402,403が自重により回動する構成とされていてもよい。例えば、第2装飾装置233が中央開口72の上方位置に配置され、回動規制部材511とラック受け部521との引っ掛かりによる回動規制が解除された場合に、回転演出部403bが中央開口72(演出位置PB2)側に移動する向きでリンク部402,403が回動開始する構成とする。この場合、リンク駆動部442やバネ部材451が設けられていなくてもよい。
(d2)上記実施形態では、第2装飾装置233において、回動規制部材511がラック493の背面側に配置されていたが、回動規制部材511は、ラック493の前面側に配置されていてもよく、ラック493に横並びに配置されていてもよい。例えば、回動規制部材511がラック493に横並びに配置された構成では、ラック受け部521が回動規制部材511側に向けてラック493から側方に突出していることが好ましい。
(d3)上記実施形態では、第2装飾装置233において、第1変位部が回動規制部材511の規制引掛部515とされ、第2変位部がラック493のラック受け部521とされていたが、第1変位部は、第1リンク部402の回動に伴って変位する部材に設けられていればよく、第2変位部は、第2リンク部403の回動に伴って変位する部材に設けられていればよい。例えば、第1変位部が第1リンク部402に設けられ、第2変位部がラック493に設けられた構成とする。この構成では、リンク部402,403の回動状態に関係なく、本体部401の厚み方向においてラック493が第1軸部404に重なる状態で配置され、回転演出部403bが退避位置PB1に移動することで、ラック493の第2変位部が第1リンク部402の第1変位部に引っ掛かる。
(d4)上記実施形態では、第2装飾装置233において、回動規制部材511及びラック493が本体部401の内部に収納されているが、これら回動規制部材511及びラック493は、本体部401の前面側や背面側に配置されていてもよい。
(e1)上記実施形態では、第1装飾装置232や第2装飾装置233が中央開口72の側方に配置されていたが、これら装飾装置232,233は、中央開口72の上方や下方に配置されていてもよい。この構成では、装飾装置232,233において、移動演出部243bや回転演出部403bが遊技機幅方向ではなく、遊技機高さ方向に移動することになる。この場合、退避位置PA1,PB1と演出位置PA2,PB2とが横並びではなく、縦並びに配置された状態になっている。
(e2)上記実施形態では、装飾装置232,233において、移動演出部243bや回転演出部403bが退避位置PA1,PB1にある場合に全体が遊技盤60aの背面側に隠れた状態になっていたが、移動演出部243bや回転演出部403bは、退避位置PA1,PB1にある場合でも少なくとも一部が遊技盤60aの背面側に隠れていない状態になっていてもよい。この場合でも、演出位置PA2,PB2が退避位置PA1,PB1よりも中央開口72の中央側に設定されていることで、移動する移動演出部243bや回転演出部403bについて注目度を高めることができる。
(e3)第1装飾装置232及び第2装飾装置233のそれぞれの構成要素を組み合わせてもよい。例えば、回転可能な回転演出部403bと、その回転演出部403bに駆動力を付与する演出駆動部475という第2装飾装置233の構成が、第1装飾装置232に搭載されていてもよい。また、回動規制部材511がラック受け部521に引っ掛かることで、第1リンク部402及び第2リンク部403の回動が規制されるという第2装飾装置233の構成が、第1装飾装置232に搭載されていてもよい。
(e4)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
下記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。
また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。
ここで、演出用手段の演出に対する注目度の向上を図るには、演出用手段を単に動作させるだけでは注目度の向上に限界がある。そこで、演出用手段の動作範囲を拡張することや、演出用手段の動作態様を多様化することなどにより、演出用手段の演出に対する注目度を向上させることが考えられる。しかしながら、演出用手段について動作範囲の拡張や動作態様の多様化を実現させた場合、演出用手段の動作速度が低下し、それによって演出用手段による演出効果が損なわれる、ということが懸念される。
特徴A1.固定リンクとしての本体部(本体部241)に第1リンク部(第1リンク部242)及び第2リンク部(第2リンク部243)が接続され、且つそれら第1リンク部と第2リンク部とが互いに接続されていることでリンク機構が構成され、該リンク機構を有するリンク装置(第1装飾装置232)が設けられた遊技機であって、
前記第1リンク部は、第1軸部(第1軸部244)を介して前記本体部に回動可能に接続されており、
前記第2リンク部は、第2軸部(第2軸部245)を介して前記本体部に回動可能に接続され、且つ第3軸部(第3軸部246)を介して前記第1リンク部に回動可能に接続されており、
前記第1軸部は、前記本体部及び前記第1リンク部のそれぞれに固定された固定軸部とされており、
前記第2軸部は、前記本体部又は前記第2リンク部に沿ってスライド移動可能なスライド軸部とされており、
前記リンク装置は、
前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方により構成され、前記本体部に対して前記第1リンク部及び前記第2リンク部が互いに連動して回動することに伴って、遊技機前方から視認可能となる演出位置(演出位置PA2)と該演出位置から退避した退避位置(退避位置PA1)とに移動することが可能な移動演出部(移動演出部243b)と、
前記固定軸部を軸として前記第1リンク部を前記本体部に対して回動させる第1駆動部(第1駆動部281)と、
前記スライド軸部を軸として前記第2リンク部を前記本体部に対して回動させるために、該スライド軸部をスライド移動させる第2駆動部(第2駆動部282)と、
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1では、リンク装置がリンク機構を有しているため、第1リンク部と第2リンク部とを連動して回動させることで、移動演出部の移動範囲を拡張することや、移動演出部の動作態様を多様化させることが可能になる。このため、移動演出部を演出位置に移動させることでその移動演出部に対する注目度を高めることができる。
ここで、リンク機構においては、第1リンク部や第2リンク部の動作態様が複雑になることや、複数の部材を連動して動作させることなどに起因して、動作速度が遅くなることが懸念される。第1リンク部及び第2リンク部の回動速度が遅くなると、移動演出部の移動速度も遅くなり、演出効果を高めるためにリンク機構を採用したにもかかわらず、移動演出部が演出位置に移動することによる演出効果が低下してしまう。
また、第1リンク部及び第2リンク部に対して1つの駆動部だけから駆動力が付与される構成では、これらリンク部のうち一方が原動リンクとされ、他方が従動リンクとされることになり、原動リンクが従動リンクを動作させる状態になる。この場合、原動リンク及び従動リンクの両方を動作させるという観点では、定格トルクが極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい一方で、これらリンクを高速で動作させるという観点では、定格速度が極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい。そこで、定格トルク及び定格速度の両方が大きいモータ等を専用品として製作することが考えられるが、これではコスト負担が大きくなってしまう。
これに対して、特徴A1によれば、第1リンク部及び第2リンク部に対して第1駆動部及び第2駆動部が個別に設けられているため、各リンク部のそれぞれの動作態様などに合わせて個別に選択したモータ等を第1駆動部及び第2駆動部として設定することができる。このため、第1駆動部及び第2駆動部のうち、一方の駆動部として定格トルクが極力大きいモータ等を選択し、他方の駆動部として定格速度が極力大きいモータ等を選択することが可能となる。これにより、コスト負担の低減を目的として、専用品ではなく汎用品のモータ等を第1駆動部や第2駆動部として選択しても、リンク機構に付与される駆動力について、そのリンク機構を動作させるために必要なトルクを確保しつつ、移動演出部を演出位置に素早く移動させるために必要な最高速度を確保することができる。したがって、リンク装置の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴A2.前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうち、一方の駆動部は、他方の駆動部よりも駆動トルクの定格値が大きいトルク駆動部であり、他方の駆動部は、前記トルク駆動部よりも駆動速度の定格値が大きい速度駆動部であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1リンク部及び第2リンク部の回動について、トルク駆動部により加速を速やかに行い、速度駆動部により最高速度を向上させることができる。換言すれば、トルク駆動部と速度駆動部とが異なる役割を果たせばよいため、汎用品のモータ等をトルク駆動部や速度駆動部として選択することができる。
特徴A3.前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に向けて移動開始させるために、前記トルク駆動部及び前記速度駆動部を両方とも駆動開始させる手段(ステップS102の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
トルク駆動部と速度駆動部とがそれぞれの回転軸部を揃って駆動開始させた場合、トルク駆動部の方が加速度が大きいことに起因して、回転軸部の回転速度は、駆動開始からある程度の期間まではトルク駆動部の方が速度駆動部よりも大きいが、やがて速度駆動部がトルク駆動部を追い越すことになる。
そこで、特徴A3によれば、トルク駆動部及び速度駆動部が揃って駆動開始されるため、駆動開始からある程度の期間までは、トルク駆動部の駆動力により第1リンク部及び第2リンク部が回動され、その期間を過ぎた後は速度駆動部の駆動力により第1リンク部及び第2リンク部が回動されることになる。この場合、速度駆動部の駆動速度がトルク駆動部の駆動速度に追い付くまでの期間を、速度駆動部を加速させるための期間として利用していることになる。したがって、トルク駆動部と速度駆動部とで駆動速度が大きい方の駆動部の駆動力を選択的に利用して、移動演出部が退避位置から演出位置に移動する際の移動演出部の高速化を図ることができる。
特徴A4.前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に向けて移動させるために前記トルク駆動部が駆動している状態で、前記移動演出部が前記演出位置よりも手前の駆動停止位置(中間アーム261が折れ状態に移行した場合の移動演出部243bの位置)に到達した場合に、当該トルク駆動部を駆動停止させる手段(ステップS104の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
トルク駆動部及び速度駆動部が駆動開始した後、回転軸部の回転速度について、トルク駆動部が先行して速度駆動部がトルク駆動部を追い越した場合、第1リンク部及び第2リンク部が速度駆動部の駆動力により回動することになるため、トルク駆動部は、駆動していることで発電ブレーキのような働きとして、第1リンク部及び第2リンク部の回動に対して抑止力を発揮してしまうことが懸念される。
これに対して、特徴A4によれば、トルク駆動部及び速度駆動部が駆動開始した後、移動演出部が駆動停止位置に到達することでトルク駆動部の駆動が停止されるため、トルク駆動部が発電ブレーキの役割を果たしてしまうことを回避できる。これにより、回転軸部の回転速度について、先行していたトルク駆動部を速度駆動部が追い越した後に、第1リンク部及び第2リンク部の回動速度がトルク駆動部の駆動に伴って制限されてしまうということを抑制できる。
特徴A5.前記演出位置にある前記移動演出部を前記退避位置に戻すために前記速度駆動部を駆動させる手段(ステップS108の処理を実行する機能)と、
前記速度駆動部の駆動に伴って前記移動演出部が前記退避位置よりも手前の切替位置(ラック333が最下位置LA2に到達した場合の移動演出部243bの位置)に到達した場合に、前記速度駆動部を駆動停止させる手段(ステップS110の処理を実行する機能)と、
前記速度駆動部が駆動停止された後に、前記トルク駆動部を駆動開始させる手段(ステップS111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A5によれば、移動演出部を演出位置から退避位置に向けて移動させる場合に、トルク駆動部と速度駆動部とが重複しないタイミングで順番に駆動するため、例えば、トルク駆動部及び速度駆動部の両方を同時に駆動させて移動演出部を退避位置に移動させる構成に比べて、電力消費のピーク値を抑えることができる。電力消費のピーク値を抑えることは、本遊技機を複数設置している遊技ホール等において効果的である。
特徴A6.前記第1駆動部は、前記トルク駆動部として、前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に移動させる場合に所定の第1角度(第1駆動部281の演出角度)だけ回転する第1モータであり、
前記第2駆動部は、前記速度駆動部として、前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に移動させる場合に前記第1角度よりも大きい所定の第2角度(第2駆動部282の演出角度)だけ回転し、前記第1モータよりも回転トルクの定格値が小さく且つ前記第1モータよりも回転速度の定格値が大きい第2モータであることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A6によれば、移動演出部が退避位置から演出位置まで移動するのに必要な回転角度が、第2モータの方が第1モータよりも大きいため、第2モータの回転速度が定格速度に到達するのに必要な回転角度を確保することができる。これにより、移動演出部が演出位置に移動する場合に、第2モータが有する性能の最大値を発揮させることで、移動演出部の高速移動を実現できる。
特徴A7.前記リンク装置は、
前記速度駆動部の駆動力により移動し、移動することで前記第2軸部をスライド移動させる移動部材(ラック333)を有しており、
前記移動部材は、
前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第2軸部を押す第1押し部(引っ掛け孔335の底面335b)と、
前記移動演出部が前記退避位置に戻る向きで前記第2軸部を押す第2押し部(引っ掛け孔335の天井面335a)と、
を有しており、
前記第2軸部は、前記第1押し部と前記第2押し部との間において当該第2軸部の移動方向に沿ってスライド移動可能になっていることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A7によれば、速度駆動部の駆動力が第2軸部に付与されることで第2リンク部が回動し、トルク駆動部の駆動力により第1リンク部が回動する構成において、速度駆動部の駆動力により移動する移動部材が第2軸部に対して相対的に移動することが可能になっているため、移動部材と第2軸部とで移動速度が相違することを許容できる。この場合、速度駆動部及びトルク駆動部が駆動開始した後、それぞれの回転軸部の回転速度について、トルク駆動部の方が速度駆動部よりも速い期間において、各リンク部を介してトルク駆動部の駆動力により移動する第2軸部の移動速度を、速度駆動部の駆動力により移動する移動部材の移動速度よりも速くさせることができる。このため、例えば移動部材が第2軸部に対して相対的に移動できない構成とは異なり、速度駆動部の駆動速度の遅さに合わせて第2軸部の移動速度が遅くなるということを回避できる。したがって、トルク駆動部の加速度の大きさを有効に利用して、移動演出部が移動を開始した直後において移動演出部の高速移動を実現できる。
特徴A8.前記移動部材に対する前記第2軸部の移動方向は、前記移動部材の移動方向と同じであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、移動部材の移動方向と第2軸部の移動方向とが一致しているため、先行していたトルク駆動部の駆動速度を速度駆動部の駆動速度が追い越した後、移動部材の第1押し部が第2軸部を押している状況において、第1押し部が第2軸部を押す力について損失が生じにくくなっている。このため、移動演出部を高速移動させる上で、速度駆動部の駆動力を効率良く活用することができる。
特徴A9.前記リンク装置は、
前記速度駆動部の駆動に伴って回転するピニオン歯車(ピニオン歯車332)を有しており、
前記移動部材は、前記ピニオン歯車の歯に噛み合う複数の歯を有する長尺状のラック(ラック333)であることを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、直進運動するラックが移動部材とされているため、移動部材の移動方向をスライド軸部の移動方向に一致させた構成を容易に実現できる。しかも、速度駆動部の駆動力がピニオン歯車を介してラックに付与されているため、速度駆動部の回転運動をラックの直進運動に変換する際に駆動力の損失が生じにくくなっている。
特徴A10.前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第1リンク部及び前記第2リンク部を回動させるように、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方を付勢する付勢手段(バネ部材291)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1駆動部及び第2駆動部の各駆動力に加えて、付勢手段の付勢力が第1リンク部や第2リンク部に加えられるため、移動演出部が演出位置に移動する場合のより一層の高速化を図ることができる。
なお、移動演出部が演出位置に移動する向きで各リンク部に対して付勢手段から付勢力が付与される構成では、移動演出部が演出位置にある場合に比べて退避位置にある場合の方が、付勢手段の付勢力が大きくなりやすい。したがって、移動演出部が退避位置に移動する向きで各リンク部が回動する場合、移動演出部が退避位置い近付くほど各リンク部を回動させるために大きなトルクが必要になる。
そこで、本特徴を特徴A5に適用することが好ましい。この場合、付勢力が比較的小さい移動範囲(演出位置から切替位置までの範囲)においては速度駆動部の駆動力により各リンク部を回動させ、付勢力が比較的大きい移動範囲(切替位置から退避位置までの範囲)においてはトルク駆動部の駆動力により各リンク部を回動させることで、各リンク部を速やかに回動させて移動演出部を極力素早く退避位置に移動させることができる。
特徴A11.前記演出位置にある前記移動演出部を前記退避位置に戻すために前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうち一方の駆動部を駆動させる手段(ステップS108の処理を実行する機能)と、
前記移動演出部が前記退避位置よりも手前の切替位置(ラック333が最下位置LA2に到達した場合の移動演出部243bの位置)に到達した場合に、前記切替位置まで駆動していた方の駆動部を停止させる手段(ステップS110の処理を実行する機能)と、
前記切替位置まで駆動していた方の駆動部が駆動停止された後に、前記切替位置まで駆動していなかった方の駆動部を駆動開始させる手段(ステップS111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1駆動部と第2駆動部とを順番に駆動させることで、移動演出部を演出位置から退避位置に移動させることができるため、例えば、第1駆動部及び第2駆動部の両方を同時に駆動させて移動演出部を退避位置に移動させる構成に比べて、本遊技機を複数設置している遊技ホール等においては、電力消費のピーク値を抑えることができる。
特徴A12.前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、いずれも前記本体部に設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1駆動部及び第2駆動部が本体部に搭載されているため、これら駆動部が例えば第1リンク部や第2リンク部に搭載されている構成に比べて、これらリンク部の軽量化を図ることができる。この場合、少しでも定格トルクが小さくて定格速度が大きいモータ等を、第1駆動部や第2駆動部として選択することが可能になるため、移動演出部の移動速度を向上させることができる。
特徴A13.前記第1軸部は、前記第2軸部の移動線の延長線上に配置されていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴A13によれば、リンク機構において第2軸部が死点に移動した場合でも、第1駆動部が第1リンク部及び第2リンク部の回動方向を決定することができる。このため、第1駆動部及び第2駆動部のうち第2駆動部の駆動力だけが、第1リンク部及び第2リンク部に付与される構成とは異なり、移動演出部が退避位置にある場合にその移動演出部を演出位置とは反対側に移動する向きで各リンク部が回動するということを抑止できる。したがって、第2軸部の死点を活用することで、移動演出部の移動範囲を極力大きく確保したリンク機構であっても、第1リンク部及び第2リンク部を適正に動作させることができる。
<特徴B群>
下記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。
また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。
ここで、演出用手段の演出に対する注目度の向上を図るには、演出用手段を単に動作させるだけでは注目度の向上に限界がある。そこで、演出用手段の動作範囲を拡張することや、演出用手段の動作態様を多様化することなどにより、演出用手段の演出に対する注目度を向上させることが考えられる。しかしながら、演出用手段について動作範囲の拡張や動作態様の多様化を実現させた場合、演出用手段の動作速度が低下し、それによって演出用手段による演出効果が損なわれる、ということが懸念される。
特徴B1.固定リンクとしての本体部(本体部241)に第1リンク部(第1リンク部242)及び第2リンク部(第2リンク部243)が接続され、且つそれら第1リンク部と第2リンク部とが互いに接続されていることでリンク機構が構成され、該リンク機構を有するリンク装置(第1装飾装置232)が設けられた遊技機であって、
前記第1リンク部は、第1軸部(第1軸部244)を介して前記本体部に回動可能に接続されており、
前記第2リンク部は、第2軸部(第2軸部245)を介して前記本体部に回動可能に接続され、且つ第3軸部(第3軸部246)を介して前記第1リンク部に回動可能に接続されており、
前記第1軸部は、前記本体部及び前記第1リンク部のそれぞれに固定された固定軸部とされており、
前記第2軸部は、前記本体部又は前記第2リンク部に沿ってスライド移動可能なスライド軸部とされており、
前記リンク装置は、
前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方により構成され、前記本体部に対して前記第1リンク部及び前記第2リンク部が互いに連動して回動することに伴って、遊技機前方から視認可能となる演出位置(演出位置PA2)と該演出位置から退避した退避位置(退避位置PA1)とに移動することが可能な移動演出部(移動演出部243b)と、
本体側軸部(本体側軸部262)を介して前記本体部に回動可能に接続され、且つリンク側軸部(リンク側軸部263)を介して前記第1リンク部における前記第1軸部と前記第3軸部との中間位置に回動可能に接続されていることで、前記本体部と前記第1リンク部とを連結し、伸縮することで前記本体部に対して前記第1リンク部を回動させることが可能な中間アーム(中間アーム261)と、
前記中間アームを伸縮させるための駆動力を該中間アームに付与する伸縮駆動部(第1駆動部281)と、
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1では、リンク装置がリンク機構を有しているため、第1リンク部と第2リンク部とを連動して回動させることで、移動演出部の移動範囲を拡張することや、移動演出部の動作態様を多様化させることが可能になる。このため、移動演出部を演出位置に移動させることでその移動演出部に対する注目度を高めることができる。
ここで、リンク機構においては、第1リンク部や第2リンク部の動作態様が複雑になることや、複数の部材を連動して動作させることなどに起因して、動作速度が遅くなることが懸念される。第1リンク部及び第2リンク部の回動速度が遅くなると、移動演出部の移動速度も遅くなり、演出効果を高めるためにリンク機構を採用したにもかかわらず、移動演出部が演出位置に移動することによる演出効果が低下してしまう。
また、リンク機構において、ジョイントとしての軸部に対して駆動力が付与される構成では、リンク部を回動させるために必要なトルクを確保するために、大きな駆動力を軸部に加える必要がある。ところが、駆動部から大きな駆動力を軸部に加えるという観点では、定格トルクが極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい一方で、リンク機構を高速で動作させるという観点では、定格速度が極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい。そこで、定格トルク及び定格速度の両方が大きいモータ等を専用品として製作することが考えられるが、これではコスト負担が大きくなってしまう。
これに対して、特徴B1によれば、中間アームを介して第1リンク部の中間位置に駆動力が付与されるため、第1リンク部の第1軸部や第3軸部に対して駆動力が付与される構成に比べて、第1リンク部に対する中間アームの接続位置が第1軸部や第3軸部から離間している分だけ、第1リンク部を回動させるためのトルクを大きくすることができる。このため、中間アームを介して第1リンク部に駆動力を付与する伸縮駆動部として、定格トルクが極力大きいモータ等の中で定格トルクが比較的小さめのものを選択しても、第1リンク部を回動させるためのトルクを確保することが可能になり、それに伴って、定格速度が少しでも速いものを伸縮駆動部として選択することが可能になる。この場合、コスト負担の低減を目的として、専用品ではなく汎用品のモータ等を伸縮駆動部として選択しても、リンク機構に付与される駆動力について、そのリンク機構を動作させるために必要なトルクを確保しつつ、移動演出部を演出位置に素早く移動させるために必要な速度を確保することができる。したがって、リンク装置の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴B2.前記中間アームは、前記伸縮駆動部から駆動力が伝えられることで伸縮し、その伸縮に伴って前記第1リンク部を回動させるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、中間アームが伸縮するため、中間アームが第1リンク部の中間位置に接続されていても、第1リンク部の回動範囲を制限しない状態で、中間アームが伸縮駆動部の駆動力を第1リンク部に伝えるという構成を実現できる。
なお、前記中間アームは、伸びることで前記移動演出部を前記退避位置に移動させる向きで前記第1リンク部を回動させ、縮むことで前記移動演出部を前記演出位置に移動させる向きで前記第1リンク部を回動させることが好ましい。この構成によれば、中間アームが伸びて第1リンク部を押し出す状態になることで移動演出部を演出位置に向けて移動させることになる。この場合、第1リンク部に対して演出位置側に中間アームを配置せずに済むため、第1リンク部の回動範囲を中間アームが規制しない構成を容易に実現できる。
特徴B3.前記中間アームは、
前記本体側軸部を軸に回動する第1アーム部(第1アーム部264)と、
前記リンク側軸部を軸に回動する第2アーム部(第2アーム部265)と、
前記第1アーム部と前記第2アーム部とを相対的な回動が可能な状態で連結している中間軸部(中間軸部266)と、
を有しており、前記中間軸部を軸として前記第1アーム部と前記第2アーム部とが折り畳まれる向きで相対的に回動することで縮み、折り畳みが解消される向きで相対的に回動することで伸びるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、中間アームは、第1アーム部及び第2アーム部のそれぞれが中間軸部を軸として回動することで伸縮するため、例えば伸縮駆動部として回転運動を行うモータ等が選択されていた場合に、伸縮駆動部の回転軸部が回転することで中間アームに付与される駆動力を中間アームの伸縮運動に変換する構成を容易に実現できる。また、中間アームの伸縮に際して第2アーム部が回動運動するため、同じく回動運動する第1リンク部に第2アーム部が接続されていても、第2アーム部が第1リンク部の回動運動の支障になるということを回避できる。
特徴B4.前記中間アームは、
前記移動演出部が前記演出位置に移動するまで伸びることで伸び状態に移行し、前記移動演出部が前記退避位置に移動するまで縮むことで縮み状態に移行し、当該中間アームが前記縮み状態にある場合に、前記第1アーム部と前記第2アーム部とが互いに折り重なった状態で前記第1リンク部の回動に伴う前記リンク側軸部の移動方向に沿って延びていることで、前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第1リンク部が回動することを規制するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、中間アームは、縮み状態に移行することで第1リンク部の回動を規制することが可能になっている。このため、例えば第1リンク部及び第2リンク部とは独立して動作する専用部材を使用しなくても、退避位置にある移動演出部が意図せずに演出位置に向けて移動することを規制できる。この場合、移動演出部を適正に移動させることができるリンク機構を実現する上で、構成が複雑になることを抑制できる。
特徴B5.前記中間アームは、前記縮み状態にある場合に、前記第2アーム部が前記第1リンク部から前記演出位置とは反対側に向けて延びた状態になっていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、移動演出部が退避位置にある場合に、第1リンク部の回動向きとは反対側に向けて第2アーム部が延びているため、中間アームは、第1アーム部及び第2アーム部のいずれも演出位置側にはみ出さない状態で第1リンク部の回動を規制できる。しかも、この場合、移動演出部の位置に関係なく、中間アームが第1リンク部を挟んで演出位置とは反対側において伸縮する、という構成を実現できるため、第1リンク部の回動方向において中間アームを第1リンク部に横並びに配置することができる。これにより、例えば中間アームが第1リンク部と本体部との間に配置された構成に比べて、リンク装置の厚み寸法を低減できる。リンク装置の厚み寸法を低減することは、遊技機の内部という限られた領域にリンク装置を設置する上で効果的である。
特徴B6.前記リンク装置は、
前記中間アームが前記縮み状態から前記伸び状態に移行する場合に前記第1アーム部に対する前記第2アーム部の回動方向のうち一方を規制する逆回動規制部(逆回動ストッパ269)を有していることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
中間アームにおいては、その中間アームが縮み状態から伸び状態に移行する場合に、第2アーム部が本体側軸部を中心として第1軸部側及び第3軸部側の両方に回転可能になっている。このため、伸縮駆動部が駆動することで、中間アームが伸び状態から縮み状態に移行した場合に、伸縮駆動部が駆動停止しなければ、中間アーム部が縮み状態から再び伸びていってしまう。したがって、中間アームが伸びている最中及び縮んでいる最中のいずれの状態にあるのかが、伸縮駆動部の駆動方向だけでは判断することができないことになる。
これに対して、特徴B6によれば、第2アーム部の回動が逆回動規制部により規制されるため、中間アームは伸縮駆動部が特定の方向(正方向)で駆動した場合に限って伸び、特定の方向とは反対向き(逆方向)で駆動した場合に限って縮むことになる。したがって、伸縮駆動部の駆動方向を制御することで中間アームの伸縮状態を適正に管理することができる。
特徴B7.前記伸縮駆動部の駆動力を前記第2アーム部に伝達するアーム伝達手段(第1伝達部301)を備え、
前記中間アームは、前記伸縮駆動部の駆動力により前記第2アーム部が前記本体側軸部を軸に回動することで伸縮するものであることを特徴とする特徴B3乃至B6のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴B7によれば、伸縮駆動部の駆動力が第2アーム部に付与されるため、アーム伝達手段は、伸縮駆動部の回転軸部及び第2アーム部の本体側軸部のそれぞれに連結された歯車等を含んで構成されていればよい。この場合、伸縮駆動部及びアーム伝達手段を本体部に搭載することが可能になるため、例えば伸縮駆動部及びアーム伝達手段が第1リンク部に搭載されている構成に比べて、リンク装置の構造を簡易化することができる。
特徴B8.前記第2リンク部は、前記移動演出部が前記演出位置に移動することで、前記第1リンク部及び前記本体部に対する当該第2リンク部の回動角度が前記伸縮駆動部の駆動力による前記中間アームの収縮を規制する大きさになっている収縮規制状態に移行するものであり、
前記第2リンク部が前記収縮規制状態にある場合でも、前記移動演出部が前記退避位置に移動する向きで前記第2リンク部に駆動力を伝えることで、前記第2リンク部を前記伸縮駆動部の駆動力により前記中間アームの収縮を許可する収縮許可状態に移行させるリンク伝達手段(第2伝達部302)が設けられていることを特徴とする特徴B3乃至B7のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1リンク部に対する第2リンク部が所定角度に達することで、中間アームを収縮させるだけでは、移動演出部が退避位置に移動する向きで第1リンク部を回動させることができない状態になる。つまり、中間アームにより移動演出部が演出位置に位置保持されている。この場合、演出位置にある移動演出部が意図せずに退避位置に向けて移動することが規制されるため、移動演出部が演出位置に移動した後に伸縮駆動部の駆動が停止されても、移動演出部の位置を適正に管理することができる。
また、中間アームにより移動演出部が演出位置に位置保持されている場合でも、移動演出部が退避位置に移動する向きでリンク伝達手段から第2リンク部に駆動力を加えられることで、中間アームによる移動演出部の位置保持を解除することができる。このように、第2リンク部の回動というリンク機構の動作の一部を利用して、中間アームによる第1リンク部の回動規制を解除できるため、例えばリンク機構とは独立して動作する専用部材により移動演出部の位置保持を解除するという構成に比べて、リンク装置の構成が複雑になることを抑制できる。
特徴B9.前記中間アームは、
前記中間軸部が前記第1アーム部及び前記第2アーム部の各長手方向の少なくとも一方に沿ってスライド移動を可能にし、且つ該スライド移動を案内するアーム案内部(アーム長孔265a)を有しており、
前記中間軸部は、前記第2リンク部が前記収縮規制状態にある場合に、前記リンク伝達手段からの駆動力の伝達により前記移動演出部が前記退避位置に移動する向きで当該第2リンク部が回動した場合に、前記アーム案内部に沿ってスライド移動するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、中間アームが伸縮する場合として、中間軸部を軸として第1アーム部が第2アーム部に対して相対的に回動する場合に加えて、第1アーム部が中間軸部と共にアーム案内部に沿って第2アーム部に対してスライド移動する場合がある。ここで、第1アーム部が第2アーム部に重なる向きでスライド移動した場合、第2アーム部を回動させなくても中間アームが縮むため、演出位置にある移動演出部が退避位置に移動する向きで第1リンク部を回動させることが可能となる。したがって、中間アームが伸び状態にある場合でも、第2リンク部を回動させることが可能となり、その結果、中間アームによる第1リンク部の回動規制を解除することができる。
特徴B10.前記リンク伝達手段からの駆動力の伝達に伴って前記第2リンク部が前記収縮許可状態に移行した場合に、前記移動演出部が前記退避位置に移動する向きで前記第1リンク部の回動を開始させるために、前記中間アームを縮める向きで前記伸縮駆動部を駆動させる縮み制御手段(ステップS111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第2リンク部が収縮規制状態にあることで収縮駆動部の駆動力では中間アームを収縮させることができない構成であっても、第2リンク部を収縮許可状態に移行させることで、収縮駆動部の駆動力により中間アームを収縮させることができる。この場合、収縮駆動部が、移動演出部を演出位置に移動させる場合とは反対向きの駆動力を発揮することで、移動演出部が退避位置に向けて移動することになるため、移動演出部を退避位置に移動させるための専用の駆動部を設置する必要がない。これにより、リンク機構の構造を利用して第1リンク部の回動を規制する構成においても、コスト負担の低減を図ることができる。
特徴B11.前記リンク伝達手段からの駆動力の伝達に伴って前記第2リンク部が前記収縮許可状態に移行した場合に、前記リンク伝達手段から前記第2リンク部への駆動力の伝達を停止する手段(ステップS110の処理を実行する機能)を備え、
前記縮み制御手段は、前記リンク伝達手段から前記第2リンク部への駆動力の伝達が停止された後に、前記伸縮駆動部を駆動開始させるものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、移動演出部を演出位置から退避位置に移動させる場合に、第2リンク部に駆動力を付与するタイミングと、中間アームに駆動力を付与するタイミングとが重複しないため、例えば、第2リンク部及び中間アームに同時に駆動力を付与する構成に比べて、電力消費のピーク値を抑えることができる。電力消費のピーク値を抑えることは、本遊技機を複数設置している遊技ホール等において効果的である。
特徴B12.前記第2リンク部は、前記第1軸部から前記第2軸部とは反対側に向けて突出した突出部分(突出部分271)を有しており、
前記移動演出部は、少なくとも前記突出部分を含んで前記第2リンク部により構成されており、
前記第1リンク部は、前記移動演出部が前記退避位置にある場合に、該移動演出部と前記本体部との間に入り込んだ位置にあり、
前記第1リンク部及び中間アームは、互いに横並びに配置され、且つ前記移動演出部が前記退避位置にある場合に前記突出部分と前記本体部との間にそれぞれ入り込んだ状態になるものであることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴B12によれば、移動演出部が第2リンク部により形成されている構成において、第1リンク部及び中間アームの両方が第2リンク部の背面側に配置されているため、移動演出部の位置に関係なく、第1リンク部及び中間アームが遊技機前方から視認しにくい状態を実現できる。
しかも、中間アームが第1リンク部に横並びに配置されているため、例えば中間アームが第1リンク部に前後に重なる位置に配置された構成に比べて、リンク装置の厚み寸法を低減できる。リンク装置の厚み寸法を低減することは、遊技機の内部という限られた領域にリンク装置を設置する上で効果的である。
<特徴C群>
下記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。
また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。
ここで、演出用手段の演出に対する注目度の向上を図るには、演出用手段を単に動作させるだけでは注目度の向上に限界がある。そこで、演出用手段の動作範囲を拡張することや、演出用手段の動作態様を多様化することなどにより、演出用手段の演出に対する注目度を向上させることが考えられる。しかしながら、演出用手段について動作範囲の拡張や動作態様の多様化を実現させた場合、演出用手段の動作速度が低下し、それによって演出用手段による演出効果が損なわれる、ということが懸念される。
特徴C1.所定の取付対象(ユニット本体231)に取り付けられる本体部(本体部401)と、
アーム軸部(第2軸部405)を介して前記本体部に回動可能に接続された演出アーム(第2リンク部403のリンク部本体403a)と、
前記演出アームの回動先端側に設けられ、該演出アームが回動することに伴って、遊技機前方から視認可能となる演出位置(演出位置PB2)と該演出位置から退避した退避位置(退避位置PB1)とに移動することが可能な移動演出部(回転演出部403b)と、
を有する演出装置(第2装飾装置233)が設けられた遊技機であって、
前記移動演出部は、演出軸部(演出軸部407)を介して前記演出アームに回転可能に接続されており、
前記演出装置は、
前記アーム軸部を軸として前記演出アームを前記本体部に対して回動させるアーム駆動部(リンク駆動部442)と、
前記演出軸部を軸として前記移動演出部を前記演出アームに対して回転させる演出駆動部(演出駆動部475)と、
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C1では、回動可能な演出アームに対して回転可能な移動演出部が取り付けられているため、これら演出アーム及び移動演出部の両方を動作させることで、移動演出部の移動範囲を拡張することや、移動演出部の動作態様を多様化させることが可能になる。このため、移動演出部を演出位置に移動させることでその移動演出部に対する注目度を高めることができる。
ここで、演出アームの回動先端側に移動演出部が設けられた構成においては、移動演出部の重量などにより演出アームの回動速度が遅くなることが懸念される。演出アームの回動速度が遅くなることは、移動演出部の移動速度が遅くなることであり、演出効果を高めるために演出アームの先端側に移動演出部を配置したにもかかわらず、移動演出部が演出位置に移動することによる演出効果が低下してしまう。
また、例えば、演出アームの駆動及び移動演出部の回転が1つの駆動部の駆動力により実施される構成では、演出アーム及び移動演出部の両方を動作させるために必要なトルクを確保するために、演出アーム及び移動演出部に対して大きな駆動力を付与する必要がある。ところが、演出アーム及び移動演出部の両方を動作させるという観点では、定格トルクが極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい一方で、演出アームの回動や移動演出部の回転を高速化するという観点では、定格速度が極力大きいモータ等を駆動部として選択することが好ましい。そこで、定格トルク及び定格速度の両方が大きいモータ等を専用品として製作することが考えられるが、これではコスト負担が大きくなってしまう。
これに対して、特徴C1によれば、演出アーム及び移動演出部に対してアーム駆動部及び演出駆動部から個別に駆動力が付与されるため、演出アーム及び移動演出部のそれぞれの動作態様などに合わせて個別に選択したモータ等をアーム駆動部及び演出駆動部として設定することができる。このため、アーム駆動部として定格トルクが極力大きいモータ等を選択し、演出駆動部として定格速度が極力大きいモータ等を選択することが可能となる。この場合、コスト負担の低減を目的として、専用品ではなく汎用品のモータ等をアーム駆動部や演出駆動部として選択しても、演出アームを動作させるために必要なトルクを確保しつつ、移動演出部の回転による演出効果を高めるために必要な回転速度を確保することができる。
しかも、演出アームが演出位置に向けて回動する場合に、その演出アームの回動方向に合わせて移動演出部を回転させることにより、移動演出部の回転力を演出アームの回動高速化に利用することができる。例えば、演出アームの回動先端側の移動方向と同じ向きで移動演出部を回転させることで、移動演出部の回動により演出アームの回動先端側の移動が加速されやすくなる。この場合、移動演出部が演出位置に高速で出現することになるため、移動演出部による演出効果を高めることができる。
以上により、演出装置の演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴C2.前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に向けて移動させるために前記アーム駆動部が駆動する場合に、該アーム駆動部の駆動に合わせて、前記演出アームが回動する向きと同じ向きで前記移動演出部が回転するように前記演出駆動部を駆動させる回転開始手段(ステップS204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、移動演出部が演出位置に向けて移動開始する場合に、その移動演出部の回転方向が演出アームの回動方向と同じにされているため、移動演出部の回転力により演出アームの回動を加速させることができる。
特徴C3.前記移動演出部は、長尺状に形成されており、前記退避位置にある場合に、前記演出アームに沿って延び且つ当該移動演出部の一端が前記演出軸部よりも前記演出アームの回動先端側に突出した姿勢で保持されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、移動演出部が退避位置に収納されている場合に、演出アームに沿ってその演出アームに重なった状態になっているため、移動演出部が演出アームに交差する方向に延びた状態で収納されている構成に比べて、演出アーム及び移動演出部の収納スペースを縮小できる。
しかも、移動演出部が退避位置にある場合には、移動演出部の上端部が演出アームの上端部よりも回動先端側に突出した位置に配置されているため、アーム軸部からの離間距離は移動演出部の上端部の方が演出アームの上端部よりも大きくなっている。この場合、例えば移動演出部の上端部が演出アームの上端部よりも演出軸部に近い位置に配置された構成に比べて、移動演出部の回転に伴ってその移動演出部の上端部が移動する場合にその上端部に生じた慣性力が大きくなるため、演出アームの回動速度を増加させることが可能になる。
特徴C4.前記演出軸部は、前記移動演出部の長手方向の中央部分に配置されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、移動演出部の回転に伴ってその移動演出部の重心が移動するということを抑制することができる。この場合、演出アームが回動しながら移動演出部が回転する構成において、移動演出部の重心の移動により演出アームの回動速度が増減するということが抑制されるため、演出アームを安定した状態で回動させることができる。
特徴C5.前記移動演出部を前記退避位置から前記演出位置に向けて移動させるために、前記アーム駆動部を駆動開始させる手段(ステップS202の処理を実行する機能)を備え、
前記回転開始手段は、前記アーム駆動部が駆動開始された後に、前記移動演出部を回動させるために前記演出駆動部を駆動開始させるものであることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
演出軸部が移動演出部の中央部分に配置されている構成では、移動演出部が退避位置にある状態で回転すると、移動演出部の下端部が、遊技機の内部において移動演出部を挟んで演出位置とは反対側に配置された他の機器等に接触することが懸念される。
これに対して、特徴C5によれば、移動演出部が演出位置に移動する向きで演出アームが回動を開始した後に、その移動演出部の回転が開始される。この場合、移動演出部が他の機器等から離間した位置で回動することになるため、その移動演出部の下端部が他の機器等に接触することを抑制できる。つまり、移動演出部や他の機器等が破損したり変形したりすることを抑制できる。
特徴C6.前記アーム軸部は、前記本体部に沿ってスライド移動が可能であり、
前記演出装置は、前記アーム軸部のスライド移動に伴って前記演出アームが前記本体部に対して回動する構成を有しており、
前記アーム駆動部は、前記アーム軸部をスライド移動させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴C6では、アーム軸部が本体部に沿ってスライド移動することで、移動演出部の移動範囲を拡張することができる。これにより、移動演出部に対する注目度を更に高めることができる。
ここで、アーム駆動部の駆動力によりアーム軸部がスライド移動する構成では、移動演出部を高速移動させる上で、定格速度が極力大きいモータ等をアーム駆動部として選択することが好ましいと考えられる。ところが、定格速度が大きいモータ等においては、定格トルクが小さくなりやすく、このモータ等をアーム駆動部として選択すると、移動演出部が退避位置にある状態から演出アームを回動開始させる場合に、演出アームの加速度が小さくなることが懸念される。
これに対して、本特徴は、移動演出部の回転力を利用して演出アームの回動速度が高められる構成に適用されるため、演出アームの回動開始に合わせて移動演出部を回転させることで、演出アームの回動についてその加速度を高めることができる。これにより、低格速度が大きいモータ等がアーム駆動部として選択されても、そのモータ等の定格トルクの不足分を移動演出部の回転力により補うことが可能となる。
特徴C7.前記演出装置は、
固定リンク部としての前記本体部に第1リンク部(第1リンク部402)及び第2リンク部(第2リンク部403)が接続され、且つそれら第1リンク部と第2リンク部とが互いに接続されていることで構成されたリンク機構を有しており、
前記第1リンク部は、第1軸部(第1軸部404)を介して前記本体部に回動可能に接続されており、
前記第2リンク部は、前記演出アーム及び前記移動演出部を有しており、
前記演出アームは、第2軸部(第2軸部405)としての前記アーム軸部を介して前記本体部に回動可能に接続され、且つ第3軸部(第3軸部406)を介して前記第1リンク部に回動可能に接続されていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴C7によれば、演出装置において、アーム軸部のスライド移動に伴って演出アームが本体部に対して回動する構成を、リンク機構を構築することで実現できる。リンク機構においては、第1リンク部と第2リンク部とを連動して回動させることで、移動演出部の移動範囲を拡張することや、移動演出部の移動態様を多様化させることが可能になる。
特徴C8.前記移動演出部が前記退避位置にある場合に、前記第3軸部が前記第2軸部の移動方向の延長線上に移動しないように前記演出アーム及び前記第1リンク部の少なくとも一方の回動を規制する逆回動規制手段(逆回動ストッパ469、上部カバー体465)を備えていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
第1リンク部と第2リンク部とが連動して回動するリンク機構においては、退避位置にある移動演出部が演出位置とは反対側に移動する向きで各リンク部が回動する可能性がある。この場合、移動演出部を含む第2リンク部や第1リンク部が、遊技機の内部において移動演出部を挟んで演出位置とは反対側に配置された他の機器等に接触することが懸念される。
これに対して、特徴C8によれば、第1リンク部及び第2リンク部の回動が逆回動規制手段により規制されるため、退避位置にある移動演出部が演出部とは反対側に移動する向きで、第2リンク部に含まれる演出アームが回動することを阻止できる。これにより、第2リンク部や第1リンク部が、他の機器等に接触することを抑制できる。つまり、リンク機構や他の機器等が破損したり変形したりすることを抑制できる。
特徴C9.前記逆回動規制手段は、
前記演出アームにおける前記第3軸部と前記アーム軸部との間の部分に当接することで前記演出アームの回動を規制する第1規制部(逆回動ストッパ469)と、
前記演出アームにおける前記第3軸部を挟んで前記アーム軸部とは反対側の部分に当接することで前記演出アームの回動を規制する第2規制部(上部カバー体465)と、
を有していることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、演出アームにおいては、第3軸部よりも回動基端側の部分に第1規制部が当接し、且つ第3軸部よりも回動先端側の部分に第2規制部が当接することで回動が規制されるため、演出アームの逆回動をより確実に抑制することができる。
特徴C10.前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第1リンク部及び前記第2リンク部を回動させるように、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方を付勢する付勢手段(バネ部材451)を備えていることを特徴とする特徴C7乃至C9のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴C10によれば、アーム駆動部の駆動力及び移動演出部の回転力に加えて、付勢手段の付勢力が第1リンク部や第2リンク部に加えられるため、移動演出部が演出位置に移動する場合のより一層の高速化を図ることができる。
特徴C11.前記演出アームにおいては、前記演出駆動部と前記演出軸部とが該演出軸部の軸線方向とは交差する方向に沿って横並びに設けられており、前記演出駆動部と前記演出軸部との間には、前記演出駆動部の駆動力を前記演出軸部に伝える演出伝達部(演出伝達部476)が設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴C11によれば、演出アームにおいて、移動演出部と演出駆動部とが演出軸部の軸線方向に沿って重ならない位置に配置されているため、例えば演出軸部の軸線方向に沿って移動演出部と演出駆動部とが重なる位置に配置された構成に比べて、演出装置の厚み寸法を低減できる。演出装置の厚み寸法を低減することは、遊技機の内部という限られた領域に演出装置を設置する上で効果的である。
特徴C12.前記演出駆動部は、前記演出軸部の軸線方向において前記移動演出部の回転角度に関係なく該移動演出部に重ならない位置に配置されていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、演出軸部と演出駆動部との離間距離が移動演出部の回転半径より大きくされているため、その離間距離が移動演出部の回転半径以下とされている構成に比べて、演出装置の厚み寸法を低減できる。
<特徴D群>
下記特徴D群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。
また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。
ここで、演出用手段の演出に対する注目度の向上を図るには、演出用手段を単に動作させるだけでは注目度の向上に限界がある。そこで、演出用手段の動作範囲を拡張することや、演出用手段の動作態様を多様化することなどにより、演出用手段の演出に対する注目度を向上させることが考えられる。
しかしながら、演出用手段について動作範囲の拡張や動作態様の多様化を実現させた場合、演出用手段の構成が複雑になることが想定される。しかも、演出用手段を動作させることで演出効果を高める構成では、演出用手段を動作させない状態で保持することも必要であり、例えば演出用手段とは独立して動作する専用部材を演出用手段に取り付けることで、その専用部材により演出用手段の動作を規制することはできても、演出用手段の構成がより一層複雑なものになってしまう。
特徴D1.固定リンクとしての本体部(本体部401)に第1リンク部(第1リンク部402)及び第2リンク部(第2リンク部403)が接続され、且つそれら第1リンク部と第2リンク部とが互いに接続されていることでリンク機構が構成され、該リンク機構を有する演出装置(第2装飾装置233)が設けられた遊技機であって、
前記第1リンク部は、第1軸部(第1軸部404)を介して前記本体部に回動可能に接続されており、
前記第2リンク部は、第2軸部(第2軸部405)を介して前記本体部に回動可能に接続され、且つ第3軸部(第3軸部406)を介して前記第1リンク部に回動可能に接続されており、
前記第1軸部は、前記本体部及び前記第1リンク部のそれぞれに固定された固定軸部とされており、
前記第2軸部は、前記本体部又は前記第2リンク部に沿ってスライド移動可能なスライド軸部とされており、
前記演出装置は、
前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方により構成され、前記本体部に対して前記第1リンク部及び前記第2リンク部が互いに連動して回動することに伴って、遊技機前方から視認可能となる演出位置(演出位置PB2)と該演出位置から退避した退避位置(退避位置PB1)とに移動することが可能な移動演出部(回転演出部403b)と、
前記第1リンク部の回動に伴って変位する第1変位部(回動規制部材511の規制引掛部515)と、
前記第2リンク部の回動に伴って変位する第2変位部(ラック493のラック受け部521)と、
を有しており、
前記第1変位部及び前記第2変位部は、前記移動演出部が前記退避位置にある場合に互いに引っ掛かっていることで、前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第1リンク部及び前記第2リンク部の回動を規制し、互いの引っ掛かりが解除されることで各リンク部の回動規制を解除するものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1では、演出装置がリンク機構を有しているため、第1リンク部と第2リンク部とを連動して回動させることで、移動演出部の移動範囲を拡張することや、移動演出部の動作態様を多様化させることが可能になる。このため、移動演出部を演出位置に移動させることでその移動演出部に対する注目度を高めることができる。
ここで、リンク機構においては、少なくとも第1リンク部及び第2リンク部を含んで複数の部材を連動して動作させることなどに起因して、構成が複雑になることが懸念される。また、第1リンク部及び第2リンク部の回動を規制するために、これらリンク部とは独立して動作する専用部材をリンク機構に付加した場合、リンク機構の構成がより一層複雑になってしまう。しかも、専用部材を第1リンク部及び第2リンク部とは別の態様で動作させるには、これらリンク部を動作させる駆動部とは別の駆動部により専用部材を動作させる必要があり、リンク機構の動作制御も複雑なものになってしまう。
これに対して、特徴D1によれば、第1リンク部の回動に伴って変位する第1変位部と、第2リンク部の回動に伴って変位する第2変位部とが互いに引っ掛かった状態になるため、これらリンク部とは独立して動作する専用部材をリンク機構に取り付けなくても、第1リンク部及び第2リンク部の回動を規制することができる。したがって、リンク機構の構成や動作が複雑になることを抑制できる。
しかも、第1変位部と第2変位部とは、移動演出部が退避位置に移動した場合に互いに引っ掛かった状態になるため、移動演出部が演出位置に移動する向きで第1リンク部及び第2リンク部が意図せずに回動するということを規制できる。このため、演出位置への移動演出部の移動を意図した場合に限ることが可能となり、それによって、移動演出部が移動することで遊技に対する遊技の期待感を高めることができる。
以上により、リンク機構による演出に対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴D2.前記演出装置は、
前記第2リンク部の回動に伴って前記第2軸部と共にスライド移動する移動部材(ラック493)と、
前記第1リンク部の回動に伴って回動する回動体(回動規制部材511)と、
を有しており、
前記第1変位部は前記回動体に設けられ、該回動体の回動に伴って変位するものであり、
前記第2変位部は前記移動部材に設けられ、該移動部材のスライド移動に伴って変位するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2では、第2軸部の移動方向に合わせて第2変位部を直線運動させることが可能となるため、第1変位部及び第2変位部の両方が曲線運動を行う構成に比べて、第1変位部の移動軌跡と第2変位部の移動軌跡とが交差する位置においてこれら第1変位部と第2変位部とが互いに引っ掛かるという構成を容易に実現できる。
ここで、第1変位部と第2変位部とが引っ掛かりやすい位置は、第1変位部の移動軌跡と第2変位部の移動軌跡とが交差する角度がほぼ90度になる位置であり、第1変位部及び第2変位部の各移動軌跡が両方とも曲線である場合には、例えば第1変位部及び第2変位部のそれぞれについて、移動軌跡の位置とその位置での移動軌跡の角度とを対応させて、第1変位部の移動軌跡と第2変位部の移動軌跡とが直交する位置を算出する必要がある。このため、第1変位部と第2変位部との相対的な動作態様を設定する作業が煩雑になることが懸念される。
これに対して、本特徴によれば、第2変位部の移動軌跡が直線状になるため、第2変位部の移動軌跡については、どの部分でも移動軌跡の角度が同一になっている。この場合、移動軌跡の位置とその位置での移動軌跡の角度とを対応させる必要があるのは、第2変位部についてだけになるため、第1変位部と第2変位部とがそれぞれの移動軌跡が直交する位置にて互いに引っ掛かる構成を実現することが容易化できる。したがって、回動体及び移動部材の位置関係や第1変位部と第2変位部との相対的な動作態様を設定する作業が煩雑になるということを抑制できる。
特徴D3.前記移動演出部は、前記第2軸部が前記第1軸部から遠ざかる向きで前記第1リンク部及び前記第2リンク部が回動した場合に、前記退避位置に向けて移動するものであり、
前記第1リンク部は、前記第1軸部と前記第3軸部との並び方向とは交差する方向において、前記第1軸部から離間した位置に配置され、当該第1リンク部の回動に伴って変位するリンク変位部(膨出接続部517)を有しており、
前記回動体は、当該回動体の回動軸部(規制軸部513)から離間した位置に配置され、同回動体の回動に伴って変位する回動変位部(規制接続部516)を有しており、
前記リンク変位部と前記回動変位部とが連結部材(連結部材512)により連結されていることで、前記第1リンク部の回動に伴って前記回動体が回動することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、回動体が連結部材を介して第1リンク部に連結されているため、回動体を第1軸部から離間した位置に配置することができる。この場合、移動部材の移動範囲に重なる位置に第1変位部を配置することが可能になるため、第1変位部と第2変位部とがそれぞれの移動規制が交差する位置において互いに引っ掛かった状態になる構成を容易に実現できる。
特徴D4.前記回動体においては、前記回動軸部と前記回動変位部とが、前記第1軸部と前記リンク変位部との並び方向に沿って並べられており、
前記連結部材は、前記第1軸部と前記回動軸部との並び方向に沿って延びていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、第1リンク部の回動に伴って変位するリンク変位部の変位量をそのまま第1変位部の変位量に変換することができるため、第1リンク部の回動に伴って第1変位部を変位させる構成が複雑になることを抑制できる。
特徴D5.前記演出装置は、
前記第2リンク部を前記本体部に対して回動させるために前記第2軸部をスライド移動させるスライド駆動部(リンク駆動部442)と、
前記スライド駆動部の駆動に伴って回転するピニオン歯車(ピニオン歯車492)と、
を有しており、
前記移動部材は、前記ピニオンの歯に噛み合う複数の歯を有するラックであり、
前記第2変位部は、前記ラックにおいて該ラックの移動方向における前記第1軸部側の端部に設けられていることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、直進運動するラックが移動部材とされているため、第2変位部を直線運動させる構成を容易に実現できる。しかも、スライド駆動部の駆動力がラックを介して第2軸部及び第2変位部のそれぞれに付与されているため、例えば第2変位部を変位させるための専用部材が設けられている構成に比べて、演出装置の構成が複雑になることを抑制できる。さらに、第2軸部をスライド移動させるラックスライド駆動部の駆動力がピニオン歯車を介してラックに付与されているため、スライド駆動部の回転運動をラックの直線運動に変換する際に駆動力の損失が生じにくくなっている。
特徴D6.前記移動部材は、
前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第2軸部を押す第1押し部(引っ掛け孔495の底面495b)と、
前記移動演出部が前記退避位置に戻る向きで前記第2軸部を押す第2押し部(引っ掛け孔495の天井面495a)と、
を有しており、
前記第2軸部は、前記第1押し部と前記第2押し部との間において当該第2軸部の移動方向に沿って移動可能になっており、
前記移動部材は、前記第1変位部と前記第2変位部とが互いに引っ掛かった状態になる引っ掛け位置(最下位置LB2)と、前記第1変位部と前記第2変位部との引っ掛かりが解除される引っ掛け解除位置(ロック解除位置LB3)とに移動可能であり、前記第2押し部で前記第2軸部を押すことで前記移動演出部が前記退避位置に移動した場合に前記引っ掛け位置に移動し、前記移動演出部が前記退避位置にある場合に前記第1押し部が前記第2軸部を押さない範囲で前記第2押し部が前記第2軸部から離間する向きに移動することで前記引っ掛け解除位置に移動するものであることを特徴とする特徴D2乃至D5のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴D6によれば、移動演出部が退避位置から演出位置に向けて移動する場合、第1変位部と第2変位部との引っ掛かりが解除される動作と、移動部材の第1押し部が第2軸部を押すことで第1リンク部及び第2リンク部が回動開始する動作とが、重ならないタイミングで順番に実施される。このため、これらの動作が同時に行われる構成に比べて、各動作を行うために必要な駆動力のピーク値を低減できる。したがって、第1リンク部や第2リンク部に駆動力を付与する駆動部として、ピーク値を低減した分だけ定格トルクの小さいモータ等を選択することができる。これにより、コスト負担の低減を図ることができる。
特徴D7.前記移動部材に対する前記第2軸部の移動方向は、前記移動部材の移動方向と同じであることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、移動部材の移動方向と第2軸部の移動方向とが一致しているため、第1変位部と第2変位部との引っ掛かりが解除された後に、移動部材の第1押し部が第2軸部を押している状況において、第1押し部が第2軸部を押す力について損失が生じにくくなっている。このため、第2軸部の移動速度を高めることができ、それによって、移動演出部の高速移動が実現されてその移動演出部による演出効果を高めることができる。
特徴D8.前記回動体は、前記移動部材を挟んで前記第1リンク部及び前記第2リンク部とは反対側に設けられていることを特徴とする特徴D2乃至D7のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴D8によれば、演出装置の厚み方向において、回動体が移動部材や第1リンク部、第2リンク部に重なる位置に配置されていても、その回動体が第1リンク部及び第2リンク部の回動の支障になることを回避できる。
特徴D9.前記移動演出部が前記演出位置に移動する向きで前記第1リンク部及び前記第2リンク部を回動させるように、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一方を付勢する付勢手段(バネ部材451)を備え、
前記第1変位部及び前記第2変位部は、互いに引っ掛かっていることで前記付勢手段による付勢力に抗して前記第1リンク部及び前記第2リンク部の回動を規制するものであることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴D9によれば、付勢手段の付勢力が第1リンク部や第2リンク部に加えられるため、移動演出部を退避位置から演出位置に向けての移動速度を高めることができる。ここで、第1リンク部や第2リンク部に付勢手段の付勢力が付与される構成では、これらリンク部が付勢力により意図せずに回動することが懸念されるが、移動演出部が退避位置にある場合には、第1変位部と第2変位部とが引っ掛かっていることで各リンク部の回動が規制されている。したがって、退避位置にある移動演出部が演出位置に向けて意図せずに移動することで、移動演出部による演出効果が低下するということを抑制できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。