以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、発明の理解を容易にするために、添付図面において、本発明に関係ない一部の部材については図示を省略している。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る蓄電装置は、蓄電素子としての電池セル14を複数(例えば8個)接続して形成された電池モジュール10である。電池モジュール10は、複数組み合わされることで電池パックを構成してもよいし、単独で使用されてもよい。
図1〜図4を参照しながら、電池モジュール10の構成について説明する。なお、以下の説明において、「上」、「下」及び「横」を含む用語、並びに「側面」という用語は、添付図面に示す電池モジュール10の姿勢における方向を示すものであり、必ずしも実際の使用状態における方向と一致するものでない。
図2に示すように、電池モジュール10を構成する各電池セル14は、扁平な角形のケーシング30と、該ケーシング30の上面開口部を塞ぐ蓋体32とを備える。ケーシング30は例えば金属製である。ケーシング30の表面は、例えば樹脂製の外装フィルム(図示せず)で全体的に覆われるようにしてもよい。蓋体32は細長い矩形の金属板である。蓋体32の長手方向両端部には正極端子22aと負極端子22bが設けられている。また、蓋体32には安全弁24と液栓26が設けられている。安全弁24の上方には、安全弁24から排出されたガスが導入される排気パイプ36(図1参照)が取り付けられる。本実施形態において、電池セル14は、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、ケーシング30及び蓋体32の中には電極体と電解液が収容されている。
ただし、本発明において、電池モジュール10を構成する電池セル14の個数、及び、各電池セル14の具体的構成は特に限定されるものでない。また、本発明において、蓄電素子は、リチウムイオン電池以外の二次電池、又は、キャパシタであってもよい。
電池セル14は、スペーサ16を介して厚さ方向(矢印D1方向)に積層されている。スペーサ16は、電池セル14を部分的に覆う例えば樹脂製のカバー部材である。隣接する電池セル14間にスペーサ16が介装されることによって電池セル14のケーシング30間がより確実に電気的に絶縁されている。また、スペーサ16によって電池セル14を位置決めしながら積層することができる。
このように積層された状態において、電池セル14の端子22(22a,22b)は、2列に分かれて積層方向(矢印D1方向)に並べて配置される。端子22の各列では、2つの正極端子22aと2つの負極端子22bが交互に並べられる。
図3に示すように、各列において隣り合う複数の端子22は、バスバー28(28a,28b,28c,28d,28e)を介して互いに電気的に接続される。積層方向(矢印D1方向)の両側において、最も外側に積層された電池セル14の更に外側には、それぞれエンドプレート18a,18bが重ねて設けられている。エンドプレート18a,18bは例えば樹脂からなる。エンドプレート18a,18bの外側の面には金属板38が重ねられており、これにより、エンドプレート18a,18bの剛性が高められている。
このように積層された電池セル14、スペーサ16、エンドプレート18a,18b、及び金属板38からなる積層体12は、複数(例えば4本)の金属製の拘束バンド50(50a,50b,50c,50d)によって積層方向の両側から挟持されるようにして固定される。なお、金属板38の外側に重ねられる拘束バンド50の端部は、金属板38と共に例えばボルト(図示せず)によってエンドプレート18a,18bに固定される。
図2に示すように、スペーサ16は、隣接する電池セル14間に挟まれるメインプレート部40と、該メインプレート部40の周縁部に設けられた複数のフランジ部42,44,46a,46b,48a,48bとを備える。
メインプレート部40の形状は略矩形である。図2に現れるメインプレート部40の一方の面には、複数の補強リブ54が設けられている。これらの補強リブ54は、互いに上下方向に間隔を空けて、それぞれ横方向に延びるように設けられている。補強リブ54が設けられていることによって、メインプレート部40の剛性が高められるとともに、メインプレート部40を挟んで隣接する電池セル14間の断熱効果が得られる。
スペーサ16のフランジ部としては、上面フランジ部42、下面フランジ部44、一対の上部側面フランジ部46a,46b、及び、一対の下部側面フランジ部48a,48bが設けられている。いずれのフランジ部42,44,46a,46b,48a,48bも、積層方向(矢印D1方向)に平行な面に沿って設けられている。
上面フランジ部42は、メインプレート部40の上縁部から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。下面フランジ部44は、メインプレート部40の下縁部から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。上面フランジ部42及び下面フランジ部44は、横方向(矢印D2方向)に延びるように細長く形成されている。
一方の上部側面フランジ部46aは、メインプレート部40における横方向(矢印D2方向)の一方の側縁部(右側縁部)における上下方向中央部よりも上側部分から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。他方の上部側面フランジ部46bは、メインプレート部40の他方の側縁部(左側縁部)における上下方向中央部よりも上側部分から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。これら一対の上部側面フランジ部46a,46bは、横方向(矢印D2方向)の両側から電池セル14の上側部分を挟み込むように配置されている。
一方の下部側面フランジ部48aは、メインプレート部40における横方向(矢印D2方向)の一方の側縁部(右側縁部)における上下方向中央部よりも下側部分から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。他方の下部側面フランジ部48bは、メインプレート部40の他方の側縁部(左側縁部)における上下方向中央部よりも下側部分から積層方向(矢印D1方向)両側に突出するように設けられている。これら一対の下部側面フランジ部48a,48bは、横方向(矢印D2方向)の両側から電池セル14の下側部分を挟み込むように配置されている。
図4に示すように、バスバー28(28a,28b,28c,28d,28e)は、バスバーフレーム60によって一体的に支持されている。バスバーフレーム60は、全てのバスバー28を支持した状態で、例えばエンドプレート18a,18bにねじ留めされることによって、図2に示す積層体12に取り付けられる(図1参照)。これにより、全てのバスバー28を、積層体12に対して同時に位置決めすることができる。
バスバーフレーム60は、積層体12の上面を部分的に覆う例えば樹脂製のカバー部材である。バスバーフレーム60は、一対のベース部62a,62bと、これらのベース部62a,62bを連結する例えば一対の連結部66a,66bと、を備えている。ベース部62a,62bは、例えば矩形のプレート状に形成されている。連結部66a,66bは、排気パイプ36(図1参照)の上方を跨ぐようにアーチ状に形成されている。
各ベース部62a,62bの外側縁部には、例えば方形枠状のフレーム部64(64a,64b,64c,64d,64e)が連ねて設けられている。各バスバー28は、フレーム部64の内側に収容されて、該フレーム部64に支持される。一方のベース部62aに連なるフレーム部64a,64c,64eに支持されたバスバー28a,28c,28eは、バスバーカバー68aによって上側から覆われる。他方のベース部62bに連なるフレーム部64b,64dに支持されたバスバー28b,28dは、別のバスバーカバー68bによって上側から覆われる。
バスバーカバー68a,68bは、例えば樹脂からなる絶縁部材である。バスバーカバー68a,68bの形状は、例えば細長い矩形のプレート状となっている。バスバーカバー68a,68bの長さ方向両端部には係合部69が設けられている。これらバスバーカバー68a,68bの係合部69と、フレーム部64a,64b,64d,64eに設けられた係合部67とが係合することで、バスバーフレーム60にバスバーカバー68a,68bが取り付けられる(図1参照)。
図1及び図4に示すように、電池モジュール10は、電池セル14の温度を検知する温度センサ2を保持する保持機構70を備えている。以下、保持機構及びこれに関連する構成について、実施形態毎に説明する。
[第1の実施形態]
図1及び図4〜図8を参照しながら、第1の実施形態に係る保持機構70について説明する。
図1及び図4に示すように、保持機構70は、バスバーフレーム60のベース部62a,62bに設けられている。なお、図1及び図4には、各ベース部62a,62bに1個の保持機構70が設けられ、保持機構70毎に1個の温度センサ2が保持される例が図示されているが、電池モジュール10に設けられる保持機構70の個数、及び、電池モジュール10に取り付けられる温度センサ2の個数は限定されるものでない。
図5〜図8は、バスバーフレーム60の一方のベース部62aに設けられた保持機構70を示している。ただし、他方のベース部62bに設けられた保持機構70の構成も同様である。なお、図8には、保持機構70に加えて、温度センサ2及びこれに取り付けられたリード線8が図示されており、図6及び図7には、温度センサ2及びリード線8が仮想線としての二点鎖線で図示されている。
図6〜図8に示すように、温度センサ2の外形は略直方体である。なお、温度センサ2の表面部分は例えば金属製のケースで構成されており、該ケース内にサーミスタ素子が収容されている。第1の実施形態に係る保持機構70には、温度センサ2から上方へリード線8が延びるような向きで、温度センサ2が取り付けられる。温度センサ2の測温部6は、温度センサ2の下面に設けられている。
図6に示すように、平面視において、温度センサ2の外形は長方形である。温度センサ2は、第1の方向(矢印E1方向)に平行な一対の短側面3aと、第2の方向(矢印E2方向)に平行な一対の長側面3bとを有する。
第1の方向(矢印E1方向)と第2の方向(矢印E2方向)とは、互いに垂直であり、且つ、ベース部62aが配置された面に平行な方向である。なお、図1及び図4には、電池セル14の積層方向(矢印D1方向)と第2の方向(矢印E2方向)とが一致し、電池セル14の横方向(矢印D2方向)と第1の方向(矢印E1方向)とが一致する例が図示されているが、第1及び第2の方向と、積層方向(矢印D1方向)及び横方向(矢印D2方向)との関係は、図1及び図4に図示された例に限定されるものでない。
各短側面3aには、上下一対の凹部4,5が設けられている。これらの凹部4,5は、温度センサ2のケース内でサーミスタ素子を位置決めするために形成されたケース内面の突出部に対応しており、多くの温度センサに一般的に設けられるものである。
図7及び図8に示すように、第1の実施形態では、電池セル14の上面14aの一部が、温度センサ2によって温度が検知される被測温部となっている。バスバーフレーム60のベース部62aは、電池セル14の上方に間隔を空けて、電池セル14の上面14aに略平行に配置される。図5〜図8に示すように、ベース部62aには、電池セル14の被測温部を露出させるための貫通穴65が設けられている。貫通穴65の形状は、例えば、第1の方向(矢印E1方向)に平行な長辺と、第2の方向(矢印E2方向)に平行な短辺とを有する長方形である。
図5〜図8に示すように、保持機構70は、温度センサ2の測温部6を電池セル14に加圧接触させる押し付け部72を備えている。押し付け部72は、測温部6を電池セル14に押し付ける方向の弾性力が作用した状態で温度センサ2に当接する一対の弾性部72a,72bを備えている。
図5及び図8に示すように、各弾性部72a,72bは、ベース部62aにおける貫通穴65の第1の方向(矢印E1方向)の縁部から内側に突出する基部73aと、該基部73aの先端から上方へ延びる立ち上がり部73bと、該立ち上がり部73bの上端から上方に膨出するように湾曲しながら第1の方向(矢印E1方向)の内側へ延びる湾曲部73cと、該湾曲部73cの先端から下方へ延びる当接部73dと、を備えている。当接部73dの下端は自由端となっている。
図8に示すように、一対の弾性部72a,72bの当接部73d同士は互いに対向配置されている。第1の方向(矢印E1方向)において、各当接部73dの内側の面には、抜け止め用の係合部74が突設されている。係合部74は、第1の方向(矢印E1方向)の内側に向かって下側へ傾斜した傾斜面74aを有する。一対の当接部73d間に温度センサ2を上方から差し込むと、温度センサ2の下端部が係合部74の傾斜面74aに押し当てられる。このとき、弾性部72a,72bは、当接部73dの下端部が第1の方向(矢印E1方向)の外側へ拡がるように弾性変形する。これにより、温度センサ2の測温部6を、係合部74よりも下方へ押し込むことができる。
温度センサ2が当接部73d間に上方から差し込まれるとき、温度センサ2の下側の凹部5の高さが係合部74の高さに等しくなると、凹部5に係合部74が嵌まり込む。これにより、温度センサ2の凹部5の内面に係合部74が上側から係合するため、温度センサ2を保持機構70に確実に保持させることができる。
一対の当接部73d間に温度センサ2が差し込まれた状態において、弾性部72a,72bには、温度センサ2を第1の方向(矢印E1方向)の内側および下方へ押し付ける方向の弾性力が作用する。この弾性力によって、一対の当接部73d間に温度センサ2が挟持され、これにより、保持機構70は温度センサ2を保持できる。また、温度センサ2の測温部6は、弾性部72a,72bによる下方への弾性力によって加圧された状態で、電池セル14の上面14aに押し当てられる。そのため、温度センサ2の測温部6が電池セル14に押し当てられた状態を確実に維持することができる。したがって、電池セル14の温度検知の応答性および精度を高めることができる。
図5〜図8に示すように、保持機構70は、一対の弾性部72a,72b間に温度センサ2を案内する一対のガイド部76a,76bを備えている。
ガイド部76a,76bは、ベース部62aにおける貫通穴65の第2の方向(矢印E2方向)の縁部から立ち上がるガイド面部77aを備えている。一対のガイド面部77aは、互いに対向するように、且つ、第1の方向(矢印E1方向)に平行に配置されている。第2の方向(矢印E2方向)において、一対のガイド面部77aは、弾性部72a,72bの当接部73dを挟んだ両側に配置されている。
また、ガイド部76a,76bは、ガイド面部77aにおける第1の方向(矢印E1方向)の両端部から第2の方向(矢印E2方向)の外側へ突出する一対のリブ部77b,77cを備えている。リブ部77b,77cは、ベース部62aの上面とガイド面部77aの外側の面とに跨がるように、例えば三角形状に形成されている。
一方のガイド部76aには、ガイド面部77aから第2の方向(矢印E2方向)の内側に突出する一対のサブガイド面部77d,77eが設けられている。第1の方向(矢印E1方向)において、一方のサブガイド面部77dは、一方の弾性部72bの当接部73dよりも僅かに外側に配置され、他方のサブガイド面部77eは、他方の弾性部72aの当接部73dよりも僅かに外側に配置されている。
第2の方向(矢印E2方向)において、一対のガイド面部77a間の間隔は、温度センサ2の寸法(短側面3aの寸法)よりも僅かに大きい。第1の方向(矢印E1方向)において、一対のサブガイド面部77d,77e間の間隔は、温度センサ2の寸法(長側面3bの寸法)よりも僅かに大きい。
温度センサ2を一対の弾性部72a,72b間に嵌め込むとき、第1の方向(矢印E1方向)については一対のサブガイド面部77d,77eによって、第2の方向(矢印E2方向)については一対のガイド面部77aによって、それぞれ位置決めすることができる。したがって、温度センサ2をガイド部76a,76bによって案内しながら一対の弾性部72a,72b間に簡単に嵌め込むことができる。
以上のように構成された保持機構70は、バスバーフレーム60のベース部62aに一体に設けられている。したがって、バスバーフレーム60が樹脂成形品である場合、低コストで簡単に保持機構70を形成することができる。また、保持機構70はバスバーフレーム60に設けられているため、温度センサ2に特殊な加工を施す必要がなく、一般的で安価な温度センサを用いることができる。したがって、電池モジュール10に複数の温度センサ2が取り付けられる場合、特に効果的にコストが低減される。
さらに、一対の弾性部72a,72b間に温度センサ2を押し込むだけで、バスバーフレーム60に温度センサ2を簡単に取り付けることができる。また、温度センサ2の測温部6は、加圧状態で電池セル14に当接されるため、電池セル14の上面高さのばらつきに対応して、電池セル14の上面14aに確実に測温部6を押し当てることができる。
[第2の実施形態]
図9〜図13を参照しながら、第2の実施形態に係る保持機構80の構成について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、説明を省略するとともに、図9〜図13において同じ符号を付している。
図9に示すように、第2の実施形態に係る保持機構80も、第1の実施形態と同様、バスバーフレーム60のベース部62a,62bに一体に設けられている。第2の実施形態において、保持機構80は、リード線8が温度センサ2から水平に延びるような向きで温度センサ2を保持する。なお、図示された例において、保持機構80は、ベース部62a,62b毎に1個ずつ設けられているが、保持機構80の個数は特に限定されるものでない。
図10〜図13は、バスバーフレーム60の一方のベース部62aに設けられた保持機構80を示している。ただし、他方のベース部62bに設けられた保持機構80の構成も同様である。なお、図10には、保持機構80に加えて、温度センサ2及びリード線8が図示されており、図11〜図13には、温度センサ2及びリード線8が仮想線としての二点鎖線で図示されている。
図11に示すように、平面視において、温度センサ2の外形は長方形である。温度センサ2は、第1の方向(矢印F1方向)に平行な一対の短側面103a,103cと、第2の方向(矢印F2方向)に平行な一対の長側面103bとを有する。
第1の方向(矢印F1方向)と第2の方向(矢印F2方向)とは、互いに垂直であり、且つ、ベース部62aが配置された面に平行な方向である。なお、図9には、電池セル14の積層方向(矢印D1方向)と第2の方向(矢印F2方向)とが一致し、電池セル14の横方向(矢印D2方向)と第1の方向(矢印F1方向)とが一致する例が図示されているが、第1及び第2の方向と、積層方向(矢印D1方向)及び横方向(矢印D2方向)との関係は、図9に図示された例に限定されるものでない。
図12に示すように、各長側面103bには、一対の凹部104,105が設けられている。これらの凹部104,105は、第1の実施形態における凹部4,5(図7及び図8参照)と同じものである。温度センサ2の測温部106は、温度センサ2の下面に設けられている。
特に図11に示すように、ベース部62aには、電池セル14の上面14aの被測温部を露出させるための貫通穴165が設けられている。貫通穴165の形状は、例えば十字状となっている。貫通穴165における第2の方向(矢印F2方向)の一方の縁部には延長部165aが設けられている。図12に示すように、ベース部62aの上面には、延長部165aの先端部に隣接して傾斜面166が設けられている。傾斜面166は、延長部165aに近づくに従って低くなるように形成されている。この傾斜面166によって、リード線8は斜め上方へ案内されて、ベース部62aの上側に導かれている。
図10〜図13に示すように、保持機構80は、温度センサ2の測温部106を電池セル14に加圧接触させる押し付け部82を備えている。押し付け部82は、測温部106を電池セル14に押し付ける方向の弾性力が作用した状態で温度センサ2に当接する一対の弾性部82a,82bを備えている。
弾性部82a,82bの構造は、第1の実施形態における弾性部72a,72bと同様である。具体的に、各弾性部82a,82bは、ベース部62aにおける貫通穴165の第1の方向(矢印F1方向)の縁部から内側に突出する基部83aと、該基部83aの先端から上方へ延びる立ち上がり部83bと、該立ち上がり部83bの上端から上方に膨出するように湾曲しながら第1の方向(矢印F1方向)の内側へ延びる湾曲部83cと、該湾曲部83cの先端から下方へ延びる当接部83dと、を備えている。当接部83dの下端は自由端となっている。
図13に示すように、一対の弾性部82a,82bの当接部83d同士は互いに対向配置されている。第1の方向(矢印F1方向)において、各当接部83dの内側の面には、抜け止め用の第1係合部84が突設されている。第1係合部84は、第1の方向(矢印F1方向)の内側に向かって下側へ傾斜した傾斜面84aを有する。一対の当接部83d間に温度センサ2を上方から差し込むと、温度センサ2の下端部が第1係合部84の傾斜面84aに押し当てられる。このとき、弾性部82a,82bは、当接部83dの下端部が第1の方向(矢印F1方向)の外側へ拡がるように弾性変形する。これにより、温度センサ2の測温部106を、第1係合部84よりも下方へ押し込むことができる。
温度センサ2が上方から当接部83d間に差し込まれるとき、温度センサ2の凹部105の高さが第1係合部84の高さに等しくなると、凹部105に第1係合部84が嵌まり込む。これにより、温度センサ2の凹部105の内面に第1係合部84が上側から係合するため、温度センサ2を保持機構80に確実に保持させることができる。
一対の当接部83d間に温度センサ2が差し込まれた状態において、弾性部82a,82bには、温度センサ2を第1の方向(矢印F1方向)の内側および下方へ押し付ける方向の弾性力が作用する。この弾性力によって、一対の当接部83d間に温度センサ2が挟持され、これにより、保持機構80は温度センサ2を保持できる。また、温度センサ2の測温部106は、弾性部82a,82bによる下方への弾性力によって加圧された状態で、電池セル14の上面14aに押し当てられる。そのため、温度センサ2の測温部106が電池セル14に押し当てられた状態を確実に維持することができる。したがって、電池セル14の温度検知の応答性および精度を高めることができる。
保持機構80は、抜け止め用の第2係合部89を備えている。図12に示すように、第2係合部89は、第2の方向(矢印F2方向)における貫通穴165の縁部から立ち上がる立ち上がり部89aと、該立ち上がり部89aの上端から第2の方向(矢印F2方向)の内側へ突出する爪部89bと、を備えている。立ち上がり部89aは、温度センサ2の一方の短側面103aに対向配置される。爪部89bは、一対の弾性部82a,82b間に挟持された温度センサ2の上面107に上側から係合する。これにより、より確実な温度センサ2の抜け止めを実現できる。
図10及び図11に示すように、保持機構80は、一対の弾性部82a,82b間に温度センサ2を案内する第1ガイド部86及び第2ガイド部87を備えている。第2の方向(矢印F2方向)において、押し付け部82を挟んだ一方の側に第1ガイド部86が配置され、他方の側に第2ガイド部87が配置されている。
第1ガイド部86は、ベース部62aにおける貫通穴165の第1の方向(矢印F1方向)の縁部から立ち上がる一対のガイド面部86a,86bを備えている。一対のガイド面部86a,86bは、互いに対向するように、且つ、第2の方向(矢印F2方向)に平行に配置されている。ガイド面部86a,86bは、第1の方向(矢印F1方向)において弾性部82a,82bの当接部83dよりも僅かに外側に配置されている。
第2ガイド部87は、ベース部62aにおける貫通穴165の第1の方向(矢印F1方向)の縁部から立ち上がる一対のガイド面部87a,87bを備えている。一対のガイド面部87a,87bは、互いに対向するように、且つ、第1ガイド部86のガイド面部86a,86bと同一面上に配置されている。また、第2ガイド部87は、ガイド面部86a,86bにおける第2の方向(矢印F2方向)の一端部から第1の方向(矢印F1方向)の内側に突出するサブガイド面部88a,88bが設けられている。第2ガイド部87のガイド面部86a,86b及びサブガイド面部88a,88bの高さは、一対の弾性部82a,82b間に保持された温度センサ2の上面107の高さ以下となっている。
第1の方向(矢印F1方向)において、第1ガイド部86の一対のガイド面部86a,86b間の間隔、及び、第2ガイド部87の一対のガイド面部87a,87b間の間隔は、温度センサ2の寸法(短側面103a,103cの寸法)よりも僅かに大きい。第2の方向(矢印F2方向)において、第2係合部89の立ち上がり部89aと、第2ガイド部87のサブガイド面部88a,88bとの間隔は、温度センサ2の寸法(長側面103bの寸法)よりも僅かに大きい。
温度センサ2を一対の弾性部82a,82b間に嵌め込むとき、第1の方向(矢印F1方向)については第1ガイド部86及び第2ガイド部87のガイド面部86a,86b,87a,87bによって、第2の方向(矢印F2方向)については第2係合部89の立ち上がり部89a及び第2ガイド部87のサブガイド面部88a,88bによって、それぞれ位置決めすることができる。したがって、温度センサ2を第1ガイド部86、第2ガイド部87及び第2係合部89によって案内しながら一対の弾性部82a,82b間に簡単に嵌め込むことができる。
第2の実施形態においても、保持機構80はバスバーフレーム60に設けられているため、一般的で安価な温度センサ2を保持機構80に取り付けることができる。また、一対の弾性部82a,82b間に温度センサ2を押し込むだけで、バスバーフレーム60に温度センサ2を簡単に取り付けることができる。さらに、温度センサ2の測温部106は、加圧状態で電池セル14に当接されるため、電池セル14の上面高さのばらつきに対応して、電池セル14の上面14aに確実に測温部106を押し当てることができる。
[第3の実施形態]
図14及び図15を参照しながら、第3の実施形態に係る保持機構90について説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同じ構成要素については、説明を省略するとともに、図14及び図15において同じ符号を付している。
図14及び図15に示すように、第3の実施形態に係る保持機構90は、隣接する一対のスペーサ16間に設けられたカバープレート92に設けられている。なお、図14には、1個の保持機構90が図示されているが、電池モジュール10に設けられる保持機構90の個数は限定されるものでない。
カバープレート92は、電池セル14の上面を部分的覆う例えば樹脂製のカバー部材である。カバープレート92は、一対のスペーサ16の上面フランジ部42間に嵌め込まれた状態で、一対のスペーサ16に取り付けられる。ただし、カバープレート92は、隣接する一方のスペーサ16に一体に設けられてもよい。
保持機構90はカバープレート92に設けられるため、一般的で安価な温度センサ2を保持機構90に取り付けることができる。保持機構90のその他の構成は、第2の実施形態に係る保持機構80と同様である(図10〜図13参照)。したがって、第2の実施形態と同様、温度センサ2の簡単な取り付けを実現できる。また、保持機構90に取り付けられた温度センサ2の測温部は電池セル14の上面に加圧状態で押し付けられるため、電池セル14の上面高さのばらつきに対応して、温度センサ2の測温部を電池セル14の上面に確実に押し当てることができる。
ただし、第3の実施形態において、保持機構90の構成は、第1の実施形態に係る保持機構70と同様にしてもよく、この場合、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施形態]
図16を参照しながら、第4の実施形態に係る保持機構100について説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同じ構成要素については、説明を省略するとともに、図16において同じ符号を付している。
図16に示すように、第4の実施形態に係る保持機構100は、電池セル14の側面に対向配置されたカバープレート102に設けられている。なお、図16には、1個の保持機構100が図示されているが、電池モジュール10に設けられる保持機構100の個数は限定されるものでない。
カバープレート102は、電池セル14の側面を部分的に覆う例えば樹脂製のカバー部材である。カバープレート102は、隣接する一対のスペーサ16のメインプレート部40における側縁部間に嵌め込まれた状態で、一対のスペーサ16に取り付けられる。ただし、カバープレート102は、隣接する一方のスペーサ16に一体に設けられてもよい。
保持機構100はカバープレート102に設けられるため、一般的で安価な温度センサを保持機構100に取り付けることができる。カバープレート102は電池セル14の側面に対向配置されるため、保持機構100に取り付けられた温度センサ2の測温部は、電池セル14の側面に押し当てられる。保持機構100のその他の構成は、第2の実施形態に係る保持機構80と同様である(図10〜図13参照)。したがって、第2の実施形態と同様、温度センサ2の簡単な取り付けを実現できる。また、保持機構100に取り付けられた温度センサ2の測温部は電池セル14の側面に加圧状態で押し付けられるため、横方向(矢印D2方向)における電池セル14の側面の位置のばらつきに対応して、温度センサ2の測温部を電池セル14の側面に確実に押し当てることができる。
ただし、第4の実施形態において、保持機構100の構成は、第1の実施形態に係る保持機構70と同様にしてもよく、この場合、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5の実施形態]
図17を参照しながら、第5の実施形態に係る保持機構110について説明する。なお、第5の実施形態では、保持機構110がバスバーフレーム60の一方のベース部62aに設けられる場合について説明するが、保持機構110は、バスバーフレーム60の他方のベース部62b、又は、第3又は第4の実施形態のようにスペーサ16に取り付けられるか若しくは一体に設けられるカバープレート92,102に設けられてもよい。
図17に示すように、第5の実施形態で用いられる温度センサ202は、例えば矩形のプレート部202aと、該プレート部202aから下方に突出する例えば直方体の本体部202bと、を備えている。プレート部202aの短辺は第1の方向(矢印G1方向)に平行に配置され、プレート部202aの長辺は第2の方向(矢印G2方向)に平行に配置されている。
第1の方向(矢印G1方向)と第2の方向(矢印G2方向)とは、互いに垂直であり、且つ、ベース部62aが配置された面に平行な方向である。なお、第1及び第2の方向と、電池セル14の積層方向(矢印D1方向)及び横方向(矢印D2方向)との関係は、特に限定されるものでない。
プレート部202aは、本体部202bよりも第1の方向(矢印G1方向)の両側に突出している。これにより、プレート部202aには、本体部202bの上端から第1の方向(矢印G1方向)に突出した一対の突片203a,203bが形成されている。温度センサ202の測温部204は、温度センサ202の下面に設けられている。
以上のような温度センサの構造は、一般的に知られた構造であり、本実施形態を適用するための特殊な構造ではない。
保持機構110に対して、温度センサ202は、本体部202bから側方にリード線208が延びる向きで取り付けられる。
保持機構110は、温度センサ202の測温部204を電池セル14に加圧接触させる押し付け部としての弾性部118を備えている。弾性部118は、第2の方向(矢印G2方向)において、ベース部62aに設けられた貫通穴265の縁部から貫通穴265の内側に向かって延びる舌部120を備えている。舌部120の先端は自由端となっている。ベース部62には、舌部120を含む部分において第2の方向(矢印G2方向)に延びるスロット121が形成されている。
舌部120には、第1の方向(矢印G1方向)においてスロット121を挟んだ両側に配置された一対のガイドフレーム部120a,120bと、ガイドフレーム部120a,120bの先端同士を繋ぐ連結フレーム部120cとが形成されている。ガイドフレーム部120a,120bは第2の方向(矢印G2方向)に延びるように配置され、連結フレーム部120cは第1の方向(矢印G1方向)に延びるように配置されている。
ガイドフレーム部120a,120bは、第1の方向(矢印G1方向)に対向する貫通穴265の縁部に、連結部122a,122bを介して連結されている。連結部122a,122bは、上方に膨出するように湾曲したアーチ状に形成されている。これにより、舌部120は、一対の連結部122a,122bによって支持されている。
また、弾性部118はクリップ部124を備えている。クリップ部124は、舌部120の先端に設けられた連結フレーム部120cから立ち上がる立ち上がり部124aと、該立ち上がり部124aの上端から舌部120の基端側へ第2の方向(矢印G2方向)に延びる押さえ部124bと、を備えている。押さえ部124bは、ベース部62aに略平行に配置され、押さえ部124bの先端は自由端となっている。上下方向において、舌部120のガイドフレーム部120a,120bの上面と押さえ部124bの下面との間隔は、温度センサ202のプレート部202aの厚みよりも僅かに小さい。
保持機構110に温度センサ202を取り付けるときは、ベース部62aのスロット121に温度センサ202の本体部202bを上方から差し込んだ後、温度センサ202の一対の突片203a,203bを舌部120のガイドフレーム部120a,120bの上面に押し当てながら、温度センサ202を第2の方向(矢印G2方向)にスライドさせて、クリップ部124の押さえ部124bと舌部120との間に温度センサ202のプレート部202aを差し込む。このとき、押さえ部124bの先端を舌部120に対して相対的に上方へ押し拡げながら、舌部120と押さえ部124bとの間に温度センサ202のプレート部202aを差し込む。以上のように、ねじ留めを行うことなく、簡単に温度センサ202を保持機構110に取り付けることができる。
図18に示すように、温度センサ202は、クリップ部124と舌部120とによって挟持されることで、保持機構111に保持される。この保持状態において、クリップ部124には、温度センサ202を下方へ押し付ける方向の弾性力が作用する。この弾性力によって、温度センサ202の測温部204は、ベース部62aの下方に配置された電池セル14に加圧状態で押し付けられる。したがって、第5の実施形態においても、電池セル14の被測温部の位置のばらつきに対応して、温度センサ2の測温部204を電池セル14に確実に押し当てることができる。
また、図18に示す保持状態において、クリップ部124の押さえ部124bは、温度センサ202の上面に上側から係合する抜け止め用の係合部として機能する。したがって、保持機構110から温度センサ202が容易に脱落することを防止できる。
以上の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明において、保持機構の弾性部およびガイド部の形状は、上述の実施形態で説明した形状に限られるものでなく、本発明の範囲内で適宜変更である。
また、上述の実施形態では、直方体の温度センサを保持する保持機構について説明したが、本発明は、直方体以外の形状を有する温度センサが用いられる場合にも適用可能である。この場合、温度センサの形状に合わせて、保持機構の構造を適宜変更すればよい。
さらに、上述の実施形態では、バスバーフレーム又はカバープレートに保持機構を設ける場合について説明したが、本発明において、保持機構は、蓄電素子の外側に取り付けられるバスバーフレーム又はカバープレート以外のカバー部材に設けられてもよい。
またさらに、上述の実施形態において、保持機構の抜け止め用の係合部は、温度センサの凹部又は温度センサの外側の面に係合されるが、本発明において、抜け止め用の係合部は、温度センサに設けられた突出部に係合可能な凹部で構成されてもよい。
また、本発明は、複数の蓄電素子を備えた蓄電装置に限られず、蓄電素子を1つのみ備えた蓄電装置にも適用することができる。