JP6329538B2 - エポキシ樹脂とポリイミン硬化剤とを含むゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特にタイヤまたはタイヤ用の半製品の製造を意図するゴム組成物、特に高剛性を示すゴム組成物に関する。
タイヤの数種の部品において、タイヤの微小歪み中に高剛性を示すゴム組成物を使用することは知られている(WO 02/10269号参照)。微小歪みに対する抵抗性は、タイヤが受けた応力に対して応答するためにタイヤが示さなければならない性質の1つである。
この剛性は、補強用充填剤の含有量を増大させることによって或いはある種の補強用樹脂を上記のタイヤ部品の構成ゴム組成物中に混入することによって得ることができる。
しかしながら、知られている通り、充填剤の含有量を増大させることによるゴム組成物の剛性の増強は、ヒステリシス特性、ひいてはタイヤの転がり抵抗特性にとって有害であり得る。現実的に、継続している目標は、タイヤの転がり抵抗性を低めて経済的且つ環境的目的において燃料消費を節減することである。
通常、剛性のこの増強は、メチレン受容体/供与体系をベースとする補強用樹脂を混入することによって得られる。“メチレン受容体”および“メチレン供与体”なる用語は、当業者にとっては周知であり、一緒に反応して、縮合により、一方の補強用充填剤/エラストマーネットワークおよび他方のエラストマー/イオウネットワーク(架橋剤がイオウである場合)と重なり合い且つ浸透するようになる3次元補強用樹脂を生成することのできる化合物を示すのに広く使用されている。上記のメチレン受容体は、この受容体を架橋または硬化させ得、“メチレン供与体”としても一般に知られている硬化剤と結合させる。その後、樹脂の架橋が、ゴムマトリックスの硬化中に、樹脂のフェノール核のオルソおよび/またはパラ位置の炭素とメチレン供与体との間のメチレンブリッジ(−CH2−)の形成によってもたらされ、そのようにして三次元樹脂ネットワークが生じる。
タイヤ用のゴム組成物において通常使用するメチレン受容体は、ヘキサメチレンテトラミン(HMTと略記する)またはヘキサメトキシメチルメラミン(HMMMまたはH3Mと略記する)またはヘキサエトキシメチルメラミンである。
しかしながら、上記通常の補強用樹脂の代替物を見出すことが望ましい。
以前に、本出願法人は、調査研究中に、上記標準の補強用樹脂を硬化剤としてのジアミンと一緒のエポキシ樹脂で有利に置き換え得ることを見出している。この対のエポキシ樹脂とジアミンの使用は、文献FR 2 951 182号に記載されているように、通常のゴム組成物と比較して、ヒステリシスを有意に悪化させることなく、より高い低歪み剛性を示すゴム組成物を取得することを可能にしている。
調査研究の継続中、本出願法人は、今回、エポキシ樹脂の上記ジアミン硬化剤をポリイミン、即ち、複数個のイミン官能基を含む硬化剤、即ち、アルジミンおよび/またはケチミン硬化剤で有利に置換え得ることを見出した。この発見は、エポキシ樹脂とポリイミン硬化剤をベースとする補強用樹脂によってもたらされる組成物が、驚くべきことに、改良された加工特性、特に、スコーチ安全性を示すと共に、従来技術の補強用樹脂を含む組成物の性質と同等な剛性およびヒステリシス特性を保持していることによる。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系、1〜20phrの範囲内の含有量のエポキシ樹脂、および0.2〜15phrの範囲内の含有量のポリイミ硬化剤をベースとすることを特徴とするゴム組成物に関する。
好ましくは、本発明の主題は、上記エラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また好ましくは、本発明の主題は、エポキシ樹脂の上記含有量が、3〜20phr、より好ましくは5〜18phrの範囲内である上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらに好ましくは、本発明の主題は、上記硬化剤が、下記の式を有するポリイミンである上記で定義したとおりのゴム組成物である:
Figure 0006329538
(式中、・R1およびR2は、個々に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断されて得るかおよび/または置換され得;
・R3およびR4は、個々に、水素或いは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断され得るかおよび/または置換され得;
・Aは、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている少なくとも2個の炭素原子を含む炭化水素基である)。
さらにより好ましくは、本発明の主題は、R1およびR2が、個々に、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換され得る上記で定義したとおりのゴム組成物である。
好ましくは、本発明の主題は、R1およびR2が、各々、6〜24個の炭素原子を有するアリール基、さらにより好ましくは、必要に応じて置換されているフェニル基を示す上記で定義したとおりのゴム組成物である。
好ましくは、本発明の主題は、R3およびR4が、個々に、水素或いは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換され得る上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらに好ましくは、本発明の主題は、R3およびR4が、個々に、水素原子または6〜24個の炭素原子を有するアリール基を示す上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また好ましくは、本発明の主題は、R3およびR4が、個々に、水素または必要に応じて置換されているフェニル基を示す上記で定義したとおりのゴム組成物である。
好ましくは、本発明の主題は、Aが、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている2〜18個の炭素原子を含む炭化水素基を示す上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また好ましくは、本発明の主題は、Aが、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアルキレンまたはシクロアルキレン、或いは8〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアラルキレンを示す上記で定義した通りのゴム組成物であって、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている上記アルキレンまたはアラルキレン炭素鎖においては、炭素原子間に二重または三重結合が存在し得るもの理解されたい。
好ましくは、本発明の主題は、Aが、2〜12個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子を含むアルキレン基を示し、この基が、必要に応じて、置換されている上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらに好ましくは、本発明の主題は、R1、R2、R3、R4およびA基の少なくとも1つが、アルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボキシルおよびカルボニル基から選ばれる少なくとも1個の基によって置換されている上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また好ましくは、本発明の主題は、Aが、下記の式(II)の1個以上のイミン単位(entities)によって、および/またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアラルキル基から選ばれ、これらの基自体が下記の式(II)の1個以上のイミン単位で置換されている1個以上の基によって、置換されている上記で定義したとおりのゴム組成物である:
Figure 0006329538
(式中、R5は、R1およびR2を上記で定義しているとおりに定義され;R6は、R3およびR4を上記で定義しているとおりに定義され;矢印は、式(II)の1個以上の基とこれらの基を担持する原子との結合点を示す)。
好ましくは、本発明の主題は、基Aが置換されていない上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらに好ましくは、本発明の主題は、R1、R2、R3、R4およびA基が置換されていない上記で定義したとおりのゴム組成物である。
極めて好ましくは、本発明の主題は、上記硬化剤がポリアルジミンである上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また好ましくは、本発明の主題は、上記硬化剤がポリケチミンである上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらにより好ましくは、本発明の主題は、硬化剤の上記含有量が0.5〜12phr、より好ましくは2〜10phrの範囲内である上記で定義したとおりのゴム組成物である。
好ましくは、本発明の主題は、上記補強用充填剤がカーボンブラック、シリカ、またはカーボンブラックとシリカの混合物を含む上記で定義したとおりのゴム組成物である。
さらに好ましくは、本発明の主題は、補強用充填剤の量が20phrと200phrの間の量である上記で定義したとおりのゴム組成物である。
また、本発明は、上記で定義したとおりのゴム組成物を含むタイヤにも関する。
また、本発明は、上記で定義したとおりのゴム組成物を含む最終または半製ゴム物品にも関する。
また、本発明は、下記の段階を含むことを特徴とする、上記で定義したとおりのゴム組成物の製造方法にも関する:
・ジエンエラストマー中に、第1段階(“非生産”段階)において、補強用充填剤、1phrと20phrの間の量のエポキシ樹脂および0.2phrと15phrの間の量のポリイミン硬化剤を混入し、全てを、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、第2段階(“生産”段階)において、架橋系を混入する段階;
・全てを、110℃よりも低い最高温度まで混練する段階。
また、本発明は、下記の段階を含むことを特徴とする、上記で定義したとおりのゴム組成物の製造方法にも関する:
・ジエンエラストマー中に、第1段階(“非生産”段階)において、補強用充填剤を混入し、全てを、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、第2段階(“生産”段階)において、架橋系、1phrと20phrの間の量のエポキシ樹脂および0.2phrと15phrの間の量のポリイミン硬化剤を混入する段階;
・全てを、110℃よりも低い最高温度まで混練する段階。
また、本発明は、下記の段階を含むことを特徴とする、上記で定義したとおりのゴム組成物の製造方法にも関する:
・ジエンエラストマー中に、第1段階(“非生産”段階)において、補強用充填剤および1phrと20phrの間の量のエポキシ樹脂を混入し、全てを、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、第2段階(“生産”段階)において、架橋系および0.2phrと15phrの間の量のポリイミン硬化剤を混入する段階;
・全てを、110℃よりも低い最高温度まで混練する段階。
また、本発明は、下記の段階を含むことを特徴とする、上記で定義したとおりのゴム組成物の製造方法にも関する:
・ジエンエラストマー中に、第1段階(“非生産”段階)において、補強用充填剤および0.2phrと15phrの間の量のポリイミン硬化剤を混入し、全てを、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、第2段階(“生産”段階)において、架橋系および1phrと20phrの間の量のエポキシ樹脂を混入する段階;
・全てを、110℃よりも低い最高温度まで混練する段階。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物を含む最終または半製ゴム物品、特にトレッドである。
本発明に従うタイヤは、特に、乗用車用;さらに、二輪車(オートバイ、自転車);バン類、“大型車両”(即ち、地下鉄、バス、大型道路輸送車(例えば、トラック、トラクターまたはトレイラー)または道路外車両(農業用車両または地ならし機)、飛行機、および他の輸送または操作車両から選ばれる産業用車両用を意図する。
本発明およびその利点は、以下の説明および実施例に照らせば容易に理解し得るであろう。
I. 試験
上記ゴム組成物は、硬化前後において、下記に示すようにして特性決定する。
I. 1. スコーチ時間(または固化時間)
測定は、フランス規格NF T 43−005に従い115℃で実施する。時間の関数としての稠度測定指数(consistometric index)の変化は、上記規格に従いパラメーターT5 (大ローターの場合)によって算定し、分で表し、この指数に関して測定した最低値よりも5単位高い稠度測定指数の上昇を得るのに要する時間(MUで表す)として定義するスコーチ時間を判定するのを可能にする。
I. 2. ムーニー粘度(ムーニー可塑度)
フランス規格NF T 43−005 (1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度測定は、次の原理に従って実施する:生状態(即ち、硬化前)の組成物を100℃に加熱した円筒状チャンバー内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験標本内で2回転/分で回転し、この運動を維持するための仕事トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1+4)は、“ムーニー単位”(MU;1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
I. 3. 動的特性
40℃における動的特性G*(10%)およびtan(δ)max)を、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦波剪断応力に、10Hzの周波数で、規格ASTM D 1349−99に従う標準温度条件(23℃)下に或いは必要に応じて異なる温度にて供した加硫組成物のサンプル(厚さ4mmおよび400mm2の断面積を有する円筒状試験標本)の応答を記録する。歪み振幅掃引を、0.1%から50%まで(外向きサイクル)、次いで、50%から1%まで(戻りサイクル)で実施する。使用する結果は、複素動的剪断モジュラスG*および損失係数tan(δ)である。10%歪みにおいて、40℃にて観察され、tan(δ)maxで示すtan(δ)の最高値および複素動的剪断モジュラスG*(10%)は、戻りサイクルにおいて示される。
当業者等にとっては周知の通り、40℃におけるtan(δ)maxの値は、その材料のヒステリシス、ひいては転がり抵抗性を代表することを思い起こすべきである:40℃におけるtan(δ)maxが低いほど、転がり抵抗性はより低下する。
II. 発明を実施する条件
本発明に従うゴム組成物は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系、1〜20phrの範囲内の含有量のエポキシ樹脂、および0.2〜15phrの範囲内の含有量のポリイミ硬化剤をベースとする。
“ベースとする”組成物なる表現は、使用する各種構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味するものとして理解すべきである;これらのベース構成成分の数種は、組成物の製造の各種段階において、特に、組成物の架橋または加硫中に少なくとも部分的に互いに反応し得るか或いは反応するように意図する。
本説明においては、特に明確に断らない限り、示す百分率(%)は、全て質量パーセントである。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに及ぶ値の範囲を示し(即ち、限界値aとbは排除される)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
II. 1. ジエンエラストマー
本発明に従うゴム組成物は、ジエンエラストマーを含む。
用語“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通り、ジエンモノマー(共役型または非共役型炭素−炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来する1種以上のエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。一般に、“本質的に不飽和”とは、共役ジエンモノマーに少なくとも部分的に由来し、15%(モル%)よりも多いジエン由来の単位(共役ジエン)含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい;従って、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエンとα‐オレフィンとのコポリマーのようなジエンエラストマーは、上記の定義に属さず、特に、“本質的に飽和”のジエンエラストマー(低いまたは極めて低い、常に15%よりも低いジエン由来の単位含有量)として説明し得る。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては““高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン由来の単位(共役ジエン)含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
これらの定義を考慮すれば、本発明に従う組成物において使用することのできるジエンエラストマーは、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
・4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー;
・1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマー;
・エチレンおよび3〜6個の炭素原子を含有するα‐オレフィンを、6〜12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーと共重合させることによって得られる3成分コポリマー、例えば、上記タイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンと一緒のエチレンおよびプロピレンから得られるエラストマーのような;および、
・イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、特に、塩素化または臭素化形。
本発明は、任意のタイプのジエンエラストマーに当てはまるけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、本発明は、好ましくは、特に上記タイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマーと一緒に使用するものであることを理解されたい。
以下は、特に共役ジエンとして適している:1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3-ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5アルキル)‐1,3‐ブタジエン;アリール‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2,4‐ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ‐、メタ‐およびパラ‐メチルスチレン;“ビニルトルエン”市販混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
上記のコポリマーは、99質量%と20質量%の間のジエン単位と1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。上記エラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。上記エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液中または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤或いは官能化剤によってカップリングしおよび/または星型枝分れ化し或いは官能化し得る。カーボンブラックにカップリングさせるには、例えば、C‐Sn結合を含む官能基または例えばベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる;シリカのような補強用無機充填剤とカップリングさせるには、例えば、シラノール官能基またはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)を挙げることができる。
下記が適している:ポリブタジエン、特に、4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブジエンまたは80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン;ポリイソプレン;ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、0℃と−70℃の間、特に−10℃と−60℃の間のTg (ガラス転移温度、規格ASTM D3418に従い測定)、5質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー;ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー;または、イソプレン/スチレンコポリマー、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含有量および−25℃と−50℃の間のTgを有するコポリマー。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合は、5質量%と50質量%の間、特に10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%の間、特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分1,2‐+3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適している。
要するに、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選ばれる。
1つの特定の実施態様によれば、上記ジエンエラストマーは、主として(即ち、50phrよりも多くにおいて)、SBR (エマルジョン中で調製したSBR (“ESBR”)または溶液中で調製したSBR (“SSBR”)のいずれか)であるか、或いは、SBR/BR、SBR/NR (またはSBR/IR)、BR/NR (またはBR/IR)或いはSBR/BR/NR (またはSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)である。SBR (ESBRまたはSSBR)エラストマーの場合、特に、例えば20質量%と35質量%の間の中程度のスチレン含有量または例えば35〜45質量%の高スチレン含有量、15%と70%の間のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%と75%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)および−10℃と−55℃の間のTgを有するSBRを使用する;そのようなSBRは、有利には、好ましくは90%(モル%)よりも多いシス‐1,4‐結合を有するBRとの混合物として使用し得る。
“イソプレンエラストマー”は、知られているとおり、イソプレンホモポリマーまたはイソプレンコポリマー、換言すれば、可塑化または解凝固されていてもよい天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、特に、イソブテン/イソプレン(ブチルゴム;IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)の各コポリマーが挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは、90%よりも多い、さらに好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
好ましくは、本発明によれば、上記エラストマーは、上記のイソプレンエラストマーから選ばれ、さらに好ましくは、本発明に従う組成物は、主として、天然ゴム(NR)を、単独でまたは1種以上の他のジエンエラストマーとのブレンドとして含む。
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、上記ゴム組成物は、−70℃と0℃の間のTgを示す1種以上の“高Tg”ジエンエラストマーと−110℃と−80℃の間、より好ましくは−105℃と−90℃の間の“低Tg”の1種以上のジエンエラストマーとのブレンドを含む。高Tgエラストマーは、好ましくは、S‐SBR、E‐SBR、天然ゴム、合成ポリイソプレン(好ましくは95%よりも高いシス‐1,4‐連鎖化物(enchainment)含有量(モル%)を示す)、BIR、SIR、SBIRおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる。低Tgエラストマーは、好ましくは、少なくとも70%に等しい含有量(モル%)に従うブタジエン単位を含む;低Tgエラストマーは、好ましくは、90%よりも多いシス‐1,4‐連鎖化物含有量(モル%)を示すポリブタジエン(BR)からなる。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記ゴム組成物は、例えば、30〜100phr、特に50〜100phrの高Tgエラストマーを、0〜70phr、特に0〜50phrの低Tgエラストマーとのブレンドとして含む;もう1つの例によれば、上記ゴム組成物は、100phrの全体において、溶液中で調製した1種以上のSBRを含む。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、90%よりも多いシス‐1,4‐連鎖化物含有量(モル%)を示すBR (低Tgエラストマーとして)と1種以上のS‐SBRまたはE‐SBR (高Tgエラストマーとして)とのブレンドを含む。
本発明の組成物は、1種のみのジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーの混合物を含み得る;これらの単独または複数のジエンエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマーと、実際にはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーとさえ組合せて使用することが可能である。
II. 2. 補強用充填剤
タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、シリカのような補強用無機充填剤、またはこれら2つのタイプの充填剤のブレンド、特に、カーボンブラックとシリカとのブレンドを使用することができる。
全てのカーボンブラック、特に、タイヤにおいて通常使用するHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック類(“タイヤ級”ブラック類)が、カーボンブラックとして適している。さらに詳細には、後者のうちでは、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック類のような100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)が、或いは、目標とする用途次第では、より高級シリーズのブラック類(例えば、N660、N683またはN772)も挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、イソプレンエラストマー中に既に混入させていてもよい(例えば、出願 WO 97/36724号またはWO 99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO−A−2006/069792号、WO−A−2006/069793号、WO−A−2008/003434号およびWO−A−2008/003435号に記載されているような官能化ポリビニル有機充填剤を挙げることができる。
“補強用無機充填剤”とは、本特許出願においては、定義によれば、カーボンブラックと対比して、“白色充填剤”、“透明充填剤”としても、または“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、その補強役割において、通常のタイヤ級カーボンブラックと置換わり得る、任意の無機または鉱質充填剤(その色合およびその由来、天然または合成の如何にかかわらない)を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られているとおり、その表面でのヒドロキシル(−OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な濃密化形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、用語“補強用無機充填剤”は、種々の補強用無機充填剤、特に、下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)は、補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET比表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降またはヒュームドシリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”)としては、例えば、Degussa社からのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ類;Rhodia 社からのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ類;PPG社からのHi‐Sil EZ150Gシリカ;Huber社からのZeopol 8715、8745または8755シリカ類;または、出願 WO 03/16837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
使用する補強用無機充填剤は、特にシリカである場合、好ましくは45m2/gと400m2/gの間、より好ましくは60m2/gと300m2/gの間のBET比表面積を有する。
好ましくは、補強用充填剤全体(カーボンブラックおよび/またはシリカのような補強用無機充填剤)の含有量は、20phrと200phrの間、より好ましくは30phrと150phrの間の量であり、最適量は、知られている通り、目標とする特定の用途によって異なる:例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、勿論、継続的に高速走行し得るタイヤ、例えば、オートバイタイヤ、乗用車用タイヤ、または大型車のような実用車用タイヤに関して要求される補強レベルよりも低い。
本発明の好ましい実施態様によれば、30phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の量の有機充填剤、特にカーボンブラックと、任意構成成分としてのシリカとを含む補強用充填剤を使用する;シリカは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.1phrと10phrの間)の含有量で使用する。この好ましい実施態様は、上記組成物の主要エラストマーがイソプレンゴム、特に、天然ゴムである場合に特に好ましい。
また、本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、30phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の量の無機充填剤、特にシリカと、任意構成成分としてのカーボンブラックとを含む補強用充填剤を使用する;カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.1phrと10phrの間)の含有量で使用する。この好ましい実施態様は、上記ゴム組成物が、−70℃と0℃の間のTgを示す1種以上の“高Tg”ジエンエラストマーと−110℃と−80℃の間の1種以上の“低Tg”ジエンエラストマーとのブレンドを含む場合に特に好ましい。
知られている通り、補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合をもたらすことを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサン類を使用する。
特に、例えば出願 WO03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造に応じて“対称形”または“非対称形”と称するシランポリスルフィドを使用する。
特に適するのは、以下の定義に限定されることなく、下記の一般式(I)に相応する“対称形”と称するシランポリスルフィドである:

(I) Z ‐ A ‐ Sx ‐ A ‐ Z

[式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、特にC1〜C10アルキレン、特にC1〜C4アルキレン、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 0006329538
(式中、R1基は、置換されているかまたは置換されてない、互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、特にメチルおよび/またはエチル)を示し;
R2基は、置換されているかまたは置換されてない、互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1〜C8アルコキシルおよびC5〜C8シクロアルコキシルから選ばれる基、さらにより好ましくはC1〜C4アルコキシルから選ばれる基、特にメトキシルおよびエトキシル)を示す)]。
上記式(I)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、特に、通常の商業的に入手可能な混合物の場合、“x”指数の平均値は、好ましくは2と5の間の、より好ましくはほぼ4の分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x = 2)によっても有利に実施し得る。
さらに詳細には、シランポリスルフィドの例としては、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドのような、ビス((C1〜C4)アルコキシル(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド類)が挙げられる。特に、これらの化合物のうちでは、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(または、US 2004/132880号)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド類)、特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド類以外のカップリング剤の例としては、特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド(上記式Iにおいて、R2 = OH)、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOS類が挙げられる。
本発明に従うゴム組成物においては、カップリング剤の含有量は、好ましくは4phrと12phrの間、より好ましくは4phrと8phrの間の量である。
当業者であれば、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層で被覆されているか、或いは、その表面に、充填剤とエラストマー間の結合を形成させるためにカップリング剤の使用を必要とする官能部位、特にヒドロキシルを含むかを条件として使用し得ることを理解されたい。
II. 3. エポキシ樹脂
本発明において使用するエポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物および脂肪族エポキシ化合物のような全てのポリエポキシ化合物がある。特に芳香族エポキシ化合物のうちでは、エポキシノボラック樹脂、2,2−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]プロパン、ポリ[(o−クレシルグリシジルエーテル)−コ−ホルムアルデヒド]およびこれらの化合物の混合物が好ましい。例えば、Huntsman社から販売されている樹脂 “ECN1273”、“ECN1280”、“ECN1299”および“ECN9511”、またはDow Chemicals社から販売されている樹脂 “DER 332”、“DER 354”、“DER 383”、“DEN 425”、“DEN 431”、“DEN 438”および“DEN 439”を挙げることができる。
エポキシ樹脂の量は、1〜20phrの範囲内である;上記最低値よりも少ないと、目標とする技術的効果が不十分であり、一方、上記最大値よりも多いと、剛性の過剰に大きな上昇およびヒステリシスが過剰に不利となるリスクが生じる。全てこれらの理由により、好ましくは3〜20phr、より好ましくは5〜18phrの範囲内の量を選択する。
II. 4. 硬化剤
上記樹脂は、上記樹脂を架橋または硬化させることのできる硬化剤と組合せて使用する。本発明によれば、また、エポキシ樹脂と組合せて、この硬化剤は、ポリイミン化合物、即ち、アルジミンおよび/またはケチミンのような複数個のイミン官能基を含む化合物である。特に、この硬化剤は、ポリアルジミン化合物、ポリケチミン化合物、1個以上のアルジミン官能基および1個以上のケチミン官能基の双方を担持する化合物、またはこれらの混合物であり得る。
上記樹脂の架橋は、ゴムマトリックスの硬化中に、上記樹脂と上記硬化剤のイミン官能基との間の共有結合の形成によってもたらされる。
硬化剤の量は、好ましくは、0.2〜15phrの範囲内である;上記最低値よりも少ないと、目標とする技術的効果が不十分であることが判明しており、一方、上記最大値よりも多いと、上記組成物の生状態における加工性が不利益を受けるリスクが生じる。好ましくは、硬化剤の量は、0.5〜12phr、さらにより好ましくは2〜10phrの範囲内である。
本発明の組成物は、ポリイミンであり得る硬化剤を使用し得る。ポリイミンは、少なくとも2個のイミン官能基を有する任意の化学化合物であり得る。これらの化合物は、当業者であれば、容易に識別し得るであろう。
ポリイミン類としては、特に、また、好ましくは、下記の一般式(I)を有するポリイミン化合物がある:
Figure 0006329538
(式中、・R1およびR2は、個々に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断され得るかおよび/または置換され得;
・R3およびR4は、個々に、水素或いは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断され得るかおよび/または置換され得;
・Aは、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている少なくとも2個の炭素原子を含む炭化水素基である)。
好ましくは、R1およびR2は、個々に、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換されていてもよい。さらに好ましくは、R1およびR2は、各々、6〜24個の炭素原子を有するアリール基、さらにより好ましくは、必要に応じて置換されているフェニル基を示す。
R3およびR4は、個々に、水素或いは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換されていてもよい。さらに好ましくは、R3およびR4は、個々に、水素原子または6〜24個の炭素原子を有するアリール基、さらにより好ましくは水素または必要に応じて置換されているフェニル基を示す。
また好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている炭化水素基を示す。さらに好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアルキレンまたはシクロアルキレン基、或いは8〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアラルキレンを示す;必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている上記アルキレンまたはアラルキレン炭素鎖においては、炭素原子間に二重または三重結合が存在し得るもの理解されたい。極めて好ましくは、Aは、2〜12個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子(特に6個の炭素原子)を含むアルキレン基を示し、この基は、必要に応じて置換されている。
前節において述べたように、R1、R2、R3、R4およびA基は、必要に応じて、ヘテロ原子、例えば、S、OまたはN、好ましくはNまたはOによって遮断され得る。本発明の意義の範囲内において、“ヘテロ原子によって遮断された基”なる用語は、その基末端原子(該当する炭化水素基の定義によって明示されるとおりの炭素原子である)間に、上記で示したような1個以上ヘテロ原子を含む基を意味するものと理解すべきである。好ましくは、R1、R2、R3、R4およびA基は、ヘテロ原子によって遮断されていない。
前節において述べたように、R1、R2、R3、R4およびA基は置換され得る。これらの基を置換する基は、当業者にとって既知の通常の基、例えば、アルキル(好ましくはメチル、tert−ブチルまたはイソプロピル)、シクロアルキル(好ましくはシクロヘキシル)、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボキシルおよびカルボニル基であり得る。
さらにまた、Aは、下記の式(II)の1個以上のイミン単位によって、および/またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアラルキル基のような、これらの基自体も下記の式(II)の1個以上のイミン単位で置換されている1個以上の基によっても置換され得る:
Figure 0006329538
(式中、R5は、R1およびR2を上記で定義しているとおりに定義され;R6は、R3およびR4を上記で定義しているとおりに定義され;矢印は、式(II)の1個以上の基とこれらの基を担持する原子との結合点を示す)。
従って、式(I)の化合物は、少なくとも2個のイミン単位を含み、A基を置換する基の性質に応じて、より多くの、例えば、3個または4個のイミン単位を含み得る。
式(I)の化合物のイミン単位は、R3、R4およびR6が水素原子または上記で定義したような他の性質の基のいずれであるかに従い、アルジミンおよび/またはケチミンであり得る。
好ましい実施態様によれば、式(I)の化合物は、2個のイミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(II)の1個以上イミン単位を含む基によって置換されていない。
もう1つの好ましい実施態様によれば、式(I)の化合物は、2個よりも多いイミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(II)の1個以上イミン単位を含む基によって置換されている。
さらに好ましくは、これらのポリイミン化合物は、以下に示すまたは以下の化合物に由来するポリアルジミンまたはポリケチミン化合物から選択する:
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]エタン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]−3−[9−(3−アミノプロピル)−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデシ−3−イル]プロパン−1−アミン、
・N,N’−ビス[4−メトキシフェニルメチレン]−3−[9−(3−アミノプロピル)−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデシ−3−イル]プロパン−1−アミン、
・N,N,N−トリス(2−{[フェニルメチレン]アミノ}エチル)アミン、
・N,N’−ビス[(4−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[メシチルメチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−ジエチルアミノフェニル)メチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[メシチルメチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2−ジエチルアミノフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリシクロヘキシルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(フェニルメチレン)−1,4−ベンゼンジメタンアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,4−ジメチルペンタン−3−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,4−ジメチルペンタン−3−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ジシクロペンチリデンヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ジシクロペンチリデンオクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンオクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンシクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンシクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N−(4−メチルペンタン−2−イリデン)−N’,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデンアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン、
・N−(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)−N’,N’−ビス(2−(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデンアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン。
好ましくは、ポリイミン化合物としては、ジイミン、トリイミンおよびテトライミン化合物を使用する。これらのポリイミン化合物は、例えば、アミンをアルデヒドおよび/またはケトンと縮合させることによって合成し得る。イミンのこの調製方法は、"Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis" by F. A. Carey and R. J. Sundberg, 4th Edition, pp 31‐33および"Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure" by J. March, 5th Edition, pp 1185‐1187に、さらに、これらの著作物に引用されている文献に記載されている。
例えば、ジイミンを考慮する場合、一般式(I)のジイミンは、特に、ジアミンとアルデヒドおよびケトンから選ばれる1種以上のカルボニル化合物との、分子が対称形または非対称形のいずれであるかに従って同時または連続の縮合によって調製し得る。
同じタイプの反応は、適切な出発反応物、例えば、一般式(I)のトリイミン用のトリアミン、一般式(I)のテトライミン用のテトラミン等を使用することによってポリイミンの合成に応用可能である。
一般式(I)の化合物に関しては、これらの生成物の合成において使用するポリアミンとアルデヒドは、ポリアルジミンの合成について以下で説明しているものと同じであり、ケトンは、これも以下で説明しているポリケチミンの合成において使用しているものと同じである。
II. 4. 1. ポリアルジミン硬化剤
上記式(I)のR3およびR4基が水素原子である好ましい例においては、本発明の組成物は、ポリアルジミンである硬化剤を使用する。この場合、ポリアルジミンは、少なくとも2個のアルジミン官能基を有する任意の化学化合物であり得る。これらの化合物は、当業者であれば、容易に識別し得るであろう。
ポリアルジミンとしては、特に、下記の一般式(III)を有するポリアルジミン化合物がある:
Figure 0006329538
(式中、・R1およびR2は、個々に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断され得るかおよび/または置換され得;
・Aは、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている少なくとも2個の炭素原子(好ましくは2〜18個)を含む炭化水素基を示す)。
好ましくは、R1およびR2は、個々に、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換されていてもよい。さらに好ましくは、R1およびR2は、各々、6〜24個の炭素原子を有するアリール基、さらにより好ましくは、必要に応じて置換されているフェニル基を示す。
また好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている炭化水素基を示す。さらに好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアルキレンまたはシクロアルキレン基、或いは8〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアラルキレンを示す;必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている上記アルキレンまたはアラルキレン炭素鎖においては、炭素原子間に二重または三重結合が存在し得るもの理解されたい。極めて好ましくは、Aは、2〜12個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子(特に6個の炭素原子)を含むアルキレン基を示し、この基は、必要に応じて置換されている。
前節において述べたように、R1、R2およびA基は、必要に応じて、ヘテロ原子、例えば、S、OまたはN、好ましくはNまたはOによって遮断され得る。本発明の意義の範囲内において、“ヘテロ原子によって遮断された基”なる用語は、その基末端原子(該当する炭化水素基の定義によって明示されるとおりの炭素原子である)間に、上記で示したような1個以上ヘテロ原子を含む基を意味するものと理解すべきである。好ましくは、R1、R2およびA基は、ヘテロ原子によって遮断されていない。
前節において述べたように、R1、R2およびA基は置換され得る。これらの基を置換する基は、当業者にとって既知の通常の基、例えば、アルキル(好ましくはメチル、tert−ブチルまたはイソプロピル)、シクロアルキル(好ましくはシクロヘキシル)、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボキシルおよびカルボニル基であり得る。
さらにまた、Aは、下記の式(IV)の1個以上のアルジミン単位によって、および/またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアラルキル基のような、これらの基自体も下記の式(IV)の1個以上のアルジミン単位で置換されている1個以上の基によって、置換され得る:
Figure 0006329538
(式中、R3は、個々に、上記R1およびR2を定義しているとおりに定義され;矢印は、式(IV)の1個以上の基とこれらの基を担持する原子との結合点を示す)。
従って、式(III)の化合物は、少なくとも2個のアルジミン単位を含み、A基を置換する基の性質に応じて、より多くの、例えば、3個または4個のアルジミン単位を含み得る。
好ましい実施態様によれば、式(III)の化合物は、2個のアルジミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(IV)の1個以上アルジミン単位を含む基によって置換されていない。
もう1つの好ましい実施態様によれば、式(III)の化合物は、2個よりも多いアルジミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(IV)の1個以上アルジミン単位を含む基によって置換されている。
さらに好ましくは、これらのポリアルジミン化合物は、下記の化合物から選択する:
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]エタン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス[フェニルメチレン]−3−[9−(3−アミノプロピル)1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデシ−3−イル]プロパン−1−アミン、
・N,N’−ビス[4−メトキシフェニルメチレン]−3−[9−(3−アミノプロピル)1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデシ−3−イル]プロパン−1−アミン、
・N,N,N−トリス(2−{[フェニルメチレン]アミノ}エチル)アミン、
・N,N’−ビス[(4−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[メシチルメチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−ジエチルアミノフェニル)メチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[メシチルメチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−メチルフェニル)メチレン]オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス[(4−メトキシフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2−ジエチルアミノフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,4,6−トリシクロヘキシルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス[(2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェニル)メチレン]ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(フェニルメチレン)−1,4−ベンゼンジメタンアミン。
好ましくは、ポリアルジミン化合物としては、ジアルジミン、トリアルジミンおよびテトラアルジミン化合物を使用する。これらの化合物およびこれら化合物の調製方法は、当該技術の状況においては、車両用タイヤの製造を意図するゴム組成物の耐摩耗性を改良することについて(この点に関しては、特許出願JP2006063206A1号を挙げることができる)或いは特許US 3 668 183号に記載されている方法に従う樹脂の調製について本質的に説明されている。
ポリアルジミン化合物は、例えば、アミンをアルデヒドと縮合させることによって合成し得る。アルジミンのこの調製方法は、"Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis" by F. A. Carey and R. J. Sundberg, 4th Edition, pp 31‐33および"Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure" by J. March, 5th Edition, pp 1185‐1187に、さらに、これらの著作物に引用されている文献に記載されている。
例えば、ジアルジミンを考慮する場合、一般式(III)のジアルジミンは、特に、ジアミンと1種または2種のアルデヒドとの、分子が対称形または非対称形のいずれであるかに従って同時または連続の縮合によって調製し得る。
同じタイプの合成は、適切な出発反応物、例えば、一般式(III)のトリアルジミン用のトリアミン、一般式(III)のテトラアルジミン用のテトラミン等を使用することによってポリアルジミンの合成に応用可能である。
一般式(III)の化合物に関しては、これらの生成物の合成において使用するアミン類は、少なくとも2個のアミン官能基を含む化合物である。そのようなものとして、これらの化合物は、ジアミン、またはトリアミン、テトラミン等のポリアミンであり得る。
本発明におけるジアルジミンの合成において使用するジアミンの例としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ネオペンタンジアミン、(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン)、1,8−オクタメチレンジアミン、1,3−ジアミンプロパン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、好ましくは1,8−オクタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンまたは3−[9−(3−アミノプロピル)−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデシ−3−イル]プロパン−1−アミンを挙げることができる。
また、例えば、4,7,10−トリオキサデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、N−3−アミノ−(3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルアミン)、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N−4−アミン−(N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−s−トリアジン、メラミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、2,2',2''−ニトリロトリエチルアミン、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、N,N,N−トリス(2−アミノエチル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2−(2−アミノエトキシ)エタンアミン、3−{2−[2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン−1−アミン、3−[4−(3−アミノプロポキシ)フェノキシ]プロパン−1−アミン、3−{2−(3−アミノプロポキシ)−1−[(3−アミノプロポキシ)メチル]エトキシ}プロパン−1−アミン、2−({2−[(2−アミノフェニル)チオ]エチル}チオ)アニリン、2−[(3−{[(2−アミノフェニル)チオ]メチル}−2,4,6−トリメチルベンジル)チオ]アニリン、2−({4−[(2−アミノフェニル)チオ]ブテ−2−エニル}チオ)アニリン、好ましくN,N−ビス(2−アミノエチル)エタン−1,2−ジアミンも挙げることができる。
本発明におけるトリアルジミンおよびテトラアルジミンの合成において使用するトリアミンおよびテトラミンの例としては、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−N−{2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル}アミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)ブタン−1,4−ジアミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−N−{2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]エチル}アミン、2−(アミノメチル)ヘキサン1,6−ジアミン、2,2−ビス(アミノメチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、2,5−ビス(アミノメチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、3,5−ジアミノシクロヘキシルアミンまたは1−[3,5−ビス(アミノメチル)フェニル]メタンアミンを挙げることができる。
本発明におけるトリアルジミンおよびテトラアルジミンの合成において使用するアルデヒドの例としては、ベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、4−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、2,6−ジイソプロピル−4−メチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリイソプロピルベンズアルデヒド、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリ(tert−ブチル)ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリシクロヘキシル−4−メチルベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、1,1’−ビフェニル−2−カルバルデヒド、1H−インドール−5−カルバルデヒド、5−メチルチオフェン−2−カルバルデヒド、3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルバルデヒド、1−エチル−1H−ピロール−2−カルバルデヒド、1H−インドール−3−カルバルデヒドまたはキノリン−4−カルバルデヒドを挙げることができる。
II. 4. 2. ポリケチミン硬化剤
上記式(I)のR3およびR4基が水素原子でない、この場合も好ましい例においては、本発明の組成物は、ポリケチミンである硬化剤を使用する。この場合、ポリケチミンは、少なくとも2個のケチミン官能基を有する任意の化学化合物であり得る。これらの化合物は、当業者であれば、容易に識別し得るであろう。
ポリケチミンとしては、特に、また、好ましくは、下記の一般式(V)を有するポリケチミン化合物がある:
Figure 0006329538
(式中、・R1、R2、R3およびR4は、個々に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて、ヘテロ原子によって遮断され得るかおよび/または置換され得;
・Aは、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている少なくとも2個の炭素原子(好ましくは2〜18個)を含む炭化水素基を示す)。
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、個々に、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、必要に応じて置換されていてもよい。さらに好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、各々、6〜24個の炭素原子を有するアリール基、さらにより好ましくは、必要に応じて置換されているフェニル基を示す。
また好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている炭化水素基を示す。さらに好ましくは、Aは、2〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアルキレンまたはシクロアルキレン基、或いは8〜18個の炭素原子を含み、必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されているアラルキレンを示す;必要に応じてヘテロ原子によって遮断され、さらに、必要に応じて置換されている上記アルキレンまたはアラルキレン炭素鎖においては、炭素原子間に二重または三重結合が存在し得るもの理解されたい。極めて好ましくは、Aは、2〜12個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子(特に6個の炭素原子)を含むアルキレン基を示し、この基は、必要に応じて置換されている。
前節において述べたように、R1、R2、R3、R4およびA基は、必要に応じて、ヘテロ原子、例えば、S、OまたはN、好ましくはNまたはOによって遮断され得る。本発明の意義の範囲内において、“ヘテロ原子によって遮断された基”なる用語は、その基末端原子(該当する炭化水素基の定義によって明示されるとおりの炭素原子である)間に、上記で示したような1個以上ヘテロ原子を含む基を意味するものと理解すべきである。好ましくは、R1、R2、R3、R4およびA基は、ヘテロ原子によって遮断されていない。
前節において述べたように、R1、R2、R3、R4およびA基は、置換され得る。これらの基を置換する基は、当業者にとって既知の通常の基、例えば、アルキル(好ましくはメチル、tert−ブチルまたはイソプロピル)、シクロアルキル(好ましくはシクロヘキシル)、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボキシルおよびカルボニル基であり得る。
さらにまた、Aは、下記の式(VI)の1個以上のケチミン単位によって、および/またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアラルキル基のような、これらの基自体も下記の式(VI)の1個以上のケチミン単位で置換されている1個以上の基によって、置換され得る:
Figure 0006329538
(式中、R5およびR6は、個々に、上記のR1、R2、R3およびR4を定義しているとおりに定義され;矢印は、式(VI)の1個以上の基とこれらの基を担持する原子との結合点を示す)。
従って、式(V)の化合物は、少なくとも2個のケチミン単位を含み、A基を置換する基の性質に応じて、より多くの、例えば、3個または4個のケチミン単位を含み得る。
好ましい実施態様によれば、式(V)の化合物は、2個のケチミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(VI)の1個以上のケチミン単位を含む基によって置換されていない。
もう1つの好ましい実施態様によれば、式(V)の化合物は、2個よりも多いケチミン単位を含む、即ち、A基は、上記で定義したような式(VI)の1個以上ケチミン単位を含む基によって置換されている。
さらに好ましくは、これらのポリケチミン化合物は、下記の化合物から選択する:
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,4−ジメチルペンタン−3−イリデン)ヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,4−ジメチルペンタン−3−イリデン)オクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ジシクロペンチリデンヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ジシクロペンチリデンオクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンヘキサン−1,6−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンオクタン−1,8−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ビス(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンシクロヘキサン−1,4−ジアミン、
・N,N’−ジシクロヘキシリデンシクロヘキサン−1,2−ジアミン、
・N−(4−メチルペンタン−2−イリデン)−N’,N’−ビス(4−メチルペンタン−2−イリデンアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン、
・N−(2,6−ジメチルヘプタン−4−イリデン)−N’,N’−ビス(2−(2,6ージメチルヘプタン−4−イリデンアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン。
好ましくは、ポリケチミン化合物としては、ジケチミン、トリケチジミンおよびテトラケチミン化合物を使用する。ポリケチミン化合物は、例えば、アミンをケトンと縮合させることによって合成し得る。ケチミンのこの調製方法は、"Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis" by F. A. Carey and R. J. Sundberg, 4th Edition, pp 31‐33および"Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure" by J. March, 5th Edition, pp 1185‐1187に、さらに、これらの著作物に引用されている文献に記載されている。
例えば、ジケチミンを考慮する場合、一般式(IV)のジケチミンは、特に、ジアミンと1種または2種のケトンとの、分子が対称形または非対称形のいずれであるかに従って同時または連続の縮合によって調製し得る。
同じタイプの反応は、適切な出発反応物、例えば、一般式(V)のトリケチミン用のトリアミン、一般式(V)のテトラケチミン用のテトラミン等を使用することによってポリケチミンの合成に応用可能である。
一般式(V)の化合物に関しては、これらの生成物の合成において使用するポリアミン類は、ポリアルジミンの合成に関して上記で説明したポリアミン類と同じである。
本発明におけるポリケチミンの合成において使用するケトンの例としては、ペンタン−3−オン、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、4−メチルペンタン−2−オン、2,4−ジメチルペンタン−3−オン、2,6−ジメチルヘプタン−4−オン、シクロヘキサノン、アセトン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,4,4−テトラメチルペンタン−3−オン、(1,1’:3’,1”)ター(シクロヘキサン)−2’−オン、ジシクロヘキシルメタノン、ジシクロペンチルメタノン、シクロペンタノン、ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン、ジシクロプロピルメタノン、2,6−ジ(tert−ブチル)シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノンまたは2,4−ジメチル−3−ペンタノン、好ましくは4−メチルペンタン−2−オン、2,4−ジメチルペンタン−3−オン、2,6−ジメチルヘプタン−4−オン、シクロヘキサノンまたはシクロペンタノンを挙げることができる。
II. 5. 架橋系
架橋系は、加硫系であり得る;加硫系は、好ましくは、イオウまたはイオウ供与体と一次加硫促進剤(好ましくは0.5〜10.0phrの一次促進剤)をベースとする。この加硫系に、必要に応じて、各種既知の二次加硫促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛(好ましくは0.5〜10.0phrで)、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)等(好ましくは各々0.5〜10.0phrで)を添加する。イオウは、例えば、好ましくは0.5phrと10phrの間、より好ましくは0.5phrと5.0phrの間、例えば、本発明をタイヤトレッドに応用する場合は0.5phrと3.0phrの間の含有量で使用する。
(一次または二次)促進剤としては、イオウの存在下にジエンエラストマーの加硫促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、チアゾールタイプの促進剤およびその誘導体並びにチウラムおよびジチオカルバミン酸亜鉛タイプの促進剤を使用する。これらの促進剤は、さらに好ましくは、2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記する)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“CBS”と略記する)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“DCBS”と略記する)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“TBBS”と略記する)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(“TBSI”と略記する)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(“ZBEC”と略記する)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる。好ましくは、上記スルフェンアミドタイプの一次促進剤を使用する。
本発明の特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、グアニジン誘導体を含まないかまたは0.5phr未満のグアニジン誘導体しか含まない。好ましくは、本発明の組成物は、そのような化合物を完全に含まないか、或いは本発明の組成物は、0.45phr未満、好ましくは0.4phr未満、より好ましくは0.3phr未満、好ましくは0.2phr未満、極めて好ましくは0.1phr未満のそのような化合物しか含まない。用語“グアニジン誘導体”とは、タイヤ組成物において、特に加硫促進剤として知られている化合物のようなグアニジン官能基を主官能基として担持する有機化合物、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)またはジ(オルソ−トリル)グアニジン(DOTG)を意味するものと理解されたい。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、本発明に従うタイヤにおいては、本発明の前提条件にとって必要なエポキシ樹脂を含む組成物は、亜鉛も含まないか或いは0.5phr未満、好ましくは0.3phr未満、より好ましくは0.2phr未満、極めて好ましくは0.1phr未満の亜鉛しか含まない。
II. 6. 各種添加剤
また、本発明に従うトレッドのゴム組成物は、例えば、顔料;オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤または酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;上記で説明した補強用樹脂以外の補強用樹脂または可塑剤のような、トレッドの製造を意図するエラストマー組成物において一般的使用する通常の添加剤の全部または1部も含む。好ましくは、上記可塑剤は、固形炭化水素樹脂(即ち可塑化用樹脂、)増量剤オイル(即ち可塑化用オイル)またはこれら2成分の混合物である。
また、これらの組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、無機充填剤の被覆用の薬剤、或いは、知られている通り、ゴムマトリックス中での充填剤の分散性を改良し且つ組成物の粘度を低下させることによって、生状態における組成物の加工されるべき能力を改良することのできるより一般的な加工助剤も含み得る;これらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシランのような加水分解性シラン;ポリオール;ポリエーテル;第一級、第二級または第三級アミン;或いは、ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
II. 7. ゴム組成物の製造
本発明のトレッドにおいて使用する上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する第1段階(“非生産”段階)、および、その後の、典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度まで機械加工する第2の段階(“生産”段階)を使用して製造し、この仕上げ段階において、架橋系を混入する。
そのような組成物を製造する方法は、例えば、下記の段階を含む:
・ジエンエラストマー中に、第1段階(“非生産”段階)において、補強用充填剤を混入し、全てを、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階(例えば、1回以上);
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、第2段階(“生産”段階)において、架橋系を混入する段階;
・全てを、110℃よりも低い最高温度まで混練する段階。
エポキシ樹脂および硬化剤は、上記非生産段階または生産段階のいずれかにおいて混入し得る。好ましくは、エポキシ樹脂は非生産段階において、硬化剤は生産段階において混入する。
例えば、上記非生産段階は、1回の熱機械段階で実施し、その間に、第1工程において、全ての必須ベース構成成分(ジエンエラストマー、補強用充填剤および他の成分)を、標準の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に導入し、その後、第2工程において、例えば1〜2分の混錬後、架橋系を除いた他の添加剤、任意構成成分としての上記充填剤を被覆するためのさらなる薬剤または任意構成成分としてのさらなる加工助剤を導入する。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは、1分と15分の間の時間である。この段階において、エポキシ樹脂と硬化剤を或いはエポキシ樹脂のみを場合に応じて添加し得る。エポキシ樹脂と硬化剤をこの段階において添加しない場合、両者は、下記の次の段階において添加して、本発明の前提条件にとって必要なエポキシ樹脂と硬化剤が完成組成物中に存在するようにしなければならない。
そのようにして得られた混合物を冷却した後、架橋系を、この場合、低温(例えば、40℃と100℃の間の)に維持したオープンミルのような開放ミキサー内で混入する。その後、混ぜ合せた混合物を、数分間、例えば、2分と15分の間の時間混合する(生産段階)。この段階において、エポキシ樹脂と硬化剤を或いはエポキシ樹脂を上記非生産段階において添加した場合の硬化剤のみを場合に応じて添加し得る。
そのようにして得られた最終組成物を、その後、例えば、特に実験室での特性決定のためのシートまたはプラークの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、例えば、タイヤの製造において使用するゴム形状要素を形成する。
本発明は、生状態(即ち、硬化前)および硬化加硫状態(即ち、架橋または加硫後)双方の上記タイヤ、上記タイヤ用の半製品、ゴム物品に関する。
II. 8. 本発明のタイヤ
本発明に従うゴム組成物は、タイヤの種々の部品内で、特に、クラウン、ビード領域、側壁領域およびトレッド(特にトレッドの下地層中)内で使用することができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、上記ゴム組成物は、タイヤ内で、タイヤの少なくとも1つの部品内の硬質エラストマー層として使用し得る。
エラストマー“層”とは、ゴム(または“エラストマー”、両者は同義とみなす)組成物製の、任意の形状と厚さを有する任意の三次元構成要素、特に、シート、ストリップまたは任意の断面、例えば、矩形または三角形を有する他の構成要素を意味するものと理解されたい。
先ずは最初に、上エラストマー層は、タイヤのクラウン内に位置し、一方のトレッド、即ち、走行中に道路と接触することを意図する部分と他方の上記クラウンを補強するベルトとの間のトレッド下地層として使用し得る。このエラストマー層の厚さは、好ましくは0.5〜10mmの範囲内、特に1〜5mmの範囲内である。
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、本発明に従うゴム組成物は、タイヤのビード領域の、カーカスプライ、ビードワイヤーおよびカーカスプライの折返し間の半径方向の領域内に位置するエラストマー層を形成するのに使用し得る。
同様に、本発明に従う組成物は、クラウン(タイヤベルト)のプライ内またはクラウンプライおよびカーカスプライの各末端間の領域内で使用し得る。
本発明のもう1つの好ましい実施態様は、本発明に従う組成物をタイヤの側壁領域内に位置するエラストマー層を形成するための使用であり得る。
また、本発明の組成物は、タイヤのトレッドにおいて有利に使用し得る。
III. 本発明の実施例
III. 1. 組成物の製造
下記の試験を、以下の方法で実施する:ジエンエラストマー、補強用充填剤およびエポキシ樹脂、さらにまた、加硫系および硬化剤を除いた各種他の成分を、初期容器温度が約60℃である密閉ミキサー内に連続して導入する(最終充填度合;約70容量%)。その後、熱機械的加工(非生産段階)を1段階で実施する;この段階は、180℃の最高“落下”温度に達するまで全体でおよそ3〜4分続く。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、イオウ、スルフェンアミドタイプの促進剤および硬化剤を30℃のミキサー(ホモ・フィニッシャー)において混入し、全てを、適切な時間(例えば、5分と12分の間の時間)混合する(生産段階)。
そのようにして得られた組成物を、その後、その物理的または機械的性質の測定のためのゴムのプラーク(2〜3mm厚)または薄シートの形にカレンダー加工するか、或いは、形状要素の形に押出加工する。
III. 2. ゴム組成物関する試験
この試験は、タイヤの特に下地層内または底部領域内で使用することのできるゴム組成物を例証する;これらの領域は、高い低歪み剛性を必要とする。これらの組成物は、通常のゴム組成物(フェノール樹脂とメチレン供与体としてのHMTとを含む)よりも高い剛性を示すと共に、同等で且つ許容し得るレベルのヒステリシスを保持している;さらにまた、本発明の組成物の加工性とスコーチ安全性は、エポキシ樹脂とポリアミン硬化剤とを含む組成物と対比して著しく改良されている。
そのため、複数のゴム組成物を、上記で述べたようにして製造した;これらの組成物の幾つかは本発明に従い(C3、C5、C6およびC10)、幾つかは本発明に従わない(対照C1、C2、C4、C7、C8およびC9) (表1参照)。
組成物C1〜C6は、低含有量の補強用樹脂を含む組成物であり、一方、組成物C7〜C10は、高含有量の補強用樹脂を含む組成物である。
組成物C1〜C6は、この場合phrで示しているものの、同じモル量の硬化剤(14ミリモル)を含む。表1に示すphrでの含有量の変動は、各硬化剤間のモル質量の違いに基づく。
また、組成物C7〜C10もphrで示している。C7とC8は、質量で同じ量の補強用樹脂を示して、質量による置換えの効果を示しており、この質量は組成物C9では減じている。本発明に従う組成物C10は、組成物C9と同じモル量の樹脂と硬化剤を含む。
組成物C1〜C10の各性質は前述したようにして測定した;結果は、下記の表2に示している。
表1
Figure 0006329538
(1) 天然ゴム;
(2) カーボンブラック N326 (規格ASTM D-1765に従う品名);
(3) 酸化亜鉛 (工業級、Umicore社);
(4) Stearin (Uniqema社からのPristerene 4931);
(5) N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6-PPD);
(6) 80%不溶性イオウ;
(7) 促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド (Flexsys社からのSantocure CBS)またはN−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド (TBBS);
(8) 樹脂 1:フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂 (Perstorp社からのPeracit 4536K);
(9) 樹脂 2:エポキシ樹脂 (Dow Chemical社からのDEN 439);
(10) 硬化剤 1:ヘキサメチレンテトラミン (Degussa社から);
(11) 硬化剤 2:p−キシレンジアミン (Sigma−Aldrich社)、MW = 136.2;
(12) 硬化剤 3:N,N'−ビス(フェニルメチレン)−1,4−ベンゼンジメタンアミン (CAS 52384−47−1)、MW = 312.4;
(13) 硬化剤 4:1,8−ジアミノオクタン (Sigma−Aldrich社)、MW = 144.3;
(14) 硬化剤 5:N,N’−ビス(フェニルメチレン)オクタン−1,8−ジアミン (CAS 7519−05−5), MW = 320.5;
(15) 硬化剤 6:N,N'−ジベンジリデンエチレンジアミン (Sigma−Aldrich社)、MW = 236.3。
表2
Figure 0006329538
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂/HMT硬化剤対の本発明の組成物(C3、C5、C6およびC10)におけるエポキシ樹脂とポリイミン硬化剤とによる置換えは、上記組成物それぞれの対照組成物の値よりも高く、本発明に従う組成物の低歪み剛性の増強を表す40℃での複素動的剪断モジュラスG*(10%)を得ると共に、特にタイヤの一定の領域における40℃での損失係数(tan(δ)maxで表す)の上昇、即ち、許容し得るままのヒステリシスを抑制することを可能にしていることが注目される。さらにまた、本発明の組成物においては、低下したムーニー値および/または上昇した固化時間によって示される各組成物の加工性の著しい改良にも注目される。
要するに、これらの試験の結果は、本発明の組成物におけるエポキシ樹脂とポリイミン硬化剤の使用が、道路挙動の改良と同義である通常の組成物(この場合、対照組成物)の低歪み剛性に対して優れた低歪み剛性を有するゴム組成物を取得すると共に、特にタイヤの一定の領域において、特に、底部領域および下地層において許容し得るヒステリシスを保持することを可能にすることを実証している。これらの組成物は、対照組成物と少なくとも同等の極めて良好な加工性を有している。

Claims (12)

  1. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系、1〜20phrの範囲内の含有量のエポキシ樹脂、および0.2〜15phrの範囲内の含有量のポリイミン硬化剤をベースとすることを特徴とするゴム組成物であって、
    前記ポリイミン硬化剤が、下記の式を有するポリイミンである、ゴム組成物:
    Figure 0006329538
    (式中、
    ・R 1 およびR 2 は、個々に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、ヘテロ原子によって遮断されていてもよくおよび/または置換されていてもよく;
    ・R 3 およびR 4 は、個々に、水素或いは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、5〜24個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7〜25個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、ヘテロ原子によって遮断されていてもよくおよび/または置換されていてもよく;
    ・Aは、ヘテロ原子によって遮断されていてもよく、さらに、置換されていてもよい少なくとも2個の炭素原子を含む炭化水素基を示す)。
  2. R1およびR2が、個々に、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、置換されていてもよい、請求項記載のゴム組成物。
  3. R3およびR4が、個々に、水素或いは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基または7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれる同一または異なる基を示し、これらの基は、置換されていてもよい、請求項または記載のゴム組成物。
  4. Aが、ヘテロ原子によって遮断されていてもよく、さらに、置換されていてもよい2〜18個の炭素原子を含む炭化水素基を示す、請求項のいずれか1項記載のゴム組成物。
  5. Aが、2〜18個の炭素原子を含み、ヘテロ原子によって遮断されていてもよく、さらに、置換されていてもよいアルキレンまたはシクロアルキレン基、或いは8〜18個の炭素原子を含み、ヘテロ原子によって遮断されていてもよく、さらに、置換されていてもよいアラルキレンを示し;ヘテロ原子によって遮断されていてもよく、さらに、置換されていてもよい前記アルキレンまたはアラルキレン炭素鎖においては、炭素原子間に二重または三重結合が存在していてもよい、請求項記載のゴム組成物。
  6. R1、R2、R3、R4およびA基の少なくとも1つが、アルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボキシルおよびカルボニル基から選ばれる少なくとも1個の基によって置換されている、請求項のいずれか1項記載のゴム組成物。
  7. Aが、下記の式(II)の1個以上のイミン単位によって、および/またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアラルキル基から選ばれ、これらの基自体が下記の式(II)の1個以上のイミン単位で置換されている1個以上の基によって、置換されている、請求項のいずれか1項記載のゴム組成物:
    Figure 0006329538
    (式中、R5は、R1およびR2を前記で定義したように定義され;R6は、R3およびR4を前記で定義したように定義され;矢印は、式(II)の1種以上の基とこれらの基を担持する原子との結合点を示す)。
  8. 基Aが、置換されていない、請求項のいずれか1項記載のゴム組成物。
  9. R1、R2、R3、R4およびA基が、置換されていない、請求項のいずれか1項記載のゴム組成物。
  10. 前記ポリイミン硬化剤が、ポリアルジミン又はポリケチミンである、請求項1〜のいずれか1項記載のゴム組成物。
  11. 前記ポリイミン硬化剤が、ポリアルジミンである、請求項1〜10のいずれか1項記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ。
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