JP6328591B2 - 高圧絶縁監視方法および高圧絶縁監視装置 - Google Patents

高圧絶縁監視方法および高圧絶縁監視装置 Download PDF

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本発明は、非接地系電路で発生した地絡事故により非接地系電路に接続された構内高圧電路に発生する零相電流を検出することにより、構内高圧電路の絶縁劣化状態について地絡抵抗を計測することで監視する高圧絶縁監視方法および高圧絶縁監視装置に関する。
非接地系電路に接続している高圧電路には、各種の電気設備(例えば、変圧器、進相コンデンサ、計器用変圧器、変流器など)が接続されており、その高圧電路に設置された零相変流器ZCTにより、地絡事故の発生時に構内高圧電路に流れる零相電流を検出することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。高圧電路との接続点である受電点から負荷側を構内と称して保護範囲とし、前述の受電点から系統側を構外と称して保護範囲外としているのが一般的である。
このようにして、地絡事故の発生時に構内高圧電路に流れる零相電流を零相変流器ZCTで検出することにより、その地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。従来、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する手段として、例えば、特許文献1に開示されたものが提案されている。
この特許文献1は、非接地系電路の線路定数を活線状態で計測すると共に、この線路定数から電路の絶縁状態を的確に把握する線路定数計測装置、およびこれによって計測された線路定数に基づいて算出した零相電流から地絡電流を精度よく求めることができる非接地系電路の地絡監視装置を開示したものである。
つまり、特許文献1に開示された線路定数計測装置は、非接地系電路に流れる零相電流を検出する零相電流検出手段と、その非接地系電路の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、電路の一部の電圧を検出して零相分を除いた基準電圧を作成する基準電圧作成手段と、線路定数計測開始時の零相電流と零相電圧を記憶し、検出している零相電圧がこの記憶値から所定値以上変動したとき、検出している零相電流と零相電圧を記憶する電路変化検出手段と、各相の対地アドミタンスのベクトル和を第1の線路定数とし、各相の対地アドミタンスの不平衡分によって流れる零相電流を基準電圧によって表した式における対地アドミタンスを第2の線路定数とするとき電路変化検出手段によって記憶された零相電圧および零相電流に基づき、二元連立ベクトル方程式を解いて、第1の線路定数および第2の線路定数を算出する線路定数演算手段とを備えたものである。
また、特許文献1に開示された地絡監視装置は、前述の線路定数計測装置を有し、この装置によって算出した第1の線路定数と第2の線路定数を用い、零相電流、零相電圧、基準電圧をベクトル量として入力し、所定の演算式に基づくベクトル演算を行って地絡電流を算出する地絡電流演算手段を備えたものである。
特許第2992615号公報
ところで、特許文献1では、電路に現出した零相電圧を零相電圧検出手段により検出するようにしている。この零相電圧検出手段は、電路にスター接続された3つのコンデンサの中心接続点とアース間に分圧コンデンサを接続し、その分圧コンデンサの両端電圧を変成器を介して取り出す構成のものである。この場合、変成器自体が高価なものであり、また、地絡電流の計測時、変圧器の取り付けおよび取り外しに手間がかかり、その変圧器の取り付けおよび取り外し時には電路を停電させなければならないという改善すべき点が残されていた。
また、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する手段として、JISC4601,4609で規定されているように一般的に普及している地絡継電器(GR/DGR)や、本出願人が先に提案した高圧絶縁監視装置(特開平11−271384号公報)がある。
しかしながら、前者の地絡継電器では、零相電流が100mA程度以下である構内高圧電路での地絡事故を検出する機能がない。また、後者の高圧絶縁監視装置では、構内高圧電路の各相電圧(対地電圧)の位相を計測する手段を備えていないので、演算により得られた地絡電流が抵抗性地絡、誘導性地絡あるいは容量性地絡のいずれであるかを特定することができない。さらに、この高圧絶縁監視装置では、零相電流が20mA以下である微小地絡を検出する機能がない。
そこで、本発明は前述の改善点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡易な手段により活線状態で、構内高圧電路の絶縁劣化状態を安価に監視し得る高圧絶縁監視方法および高圧絶縁監視装置を提供することにある。
本発明は、非接地系電路での地絡事故の発生時、非接地系電路に接続された構内高圧電路に設置された電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流を変流器で検出し、そのシールド線に流れる零相電流に基づいて構内高圧電路の対地電圧を算出する高圧絶縁監視方法および高圧絶縁監視装置である。
前述した目的を達成するための技術的手段として、本発明の高圧絶縁監視方法は、トリプレックス型電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出することを特徴とする。また、本発明の高圧絶縁監視装置は、トリプレックス型電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出する演算部を具備したことを特徴とする。
本発明では、地絡事故の発生時に電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流を変流器で検出する。これにより、簡易な手段により活線状態で、構内高圧電路の絶縁劣化状態について地絡抵抗を計測することで監視する安価な装置を実現できる。また、本発明では、トリプレックス型電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出する。この対地電圧の監視により、高圧電路の異常を判定することができる。
本発明によれば、地絡事故の発生時に電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流を変流器で検出することにより、簡易な手段により活線状態で、構内高圧電路の絶縁劣化状態について地絡抵抗を計測することで監視する安価な装置を実現できる。また、本発明によれば、トリプレックス型電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出することにより、その対地電圧の監視で高圧電路の異常を判定することができる。その結果、特別高圧の受電設備における非接地系電路の地絡監視を実現することができる。
本発明の実施形態で、一線地絡時の構内高圧電路および高圧絶縁監視方法を説明するための図である。 本発明の他の実施形態で、一線地絡時の構内高圧電路および高圧絶縁監視方法を説明するための図である。 電源投入から計測開始時を経て計測開始後に至る零相電流I0,I0Sを示す波形図である。 本発明の実施形態で、微小地絡時の構内高圧電路および高圧絶縁監視装置を示す構成図である。 本発明の他の実施形態で、微小地絡時の構内高圧電路および高圧絶縁監視装置を示す構成図である。 一線地絡事故の発生時の等価回路図である。 一線地絡事故の発生時のベクトル図である。 抵抗性地絡Rgにおいて、(A)は地絡電流Igを位相検波した各相地絡電流Iga,Igb,Igcを示すベクトル図、(B)は各相地絡電流Iga,Igb,Igcの大きさを示すグラフである。 誘導性地絡Lgにおいて、(A)は地絡電流IgLを位相検波した各相地絡電流Iga,Igb,Igcを示すベクトル図、(B)は各相地絡電流Iga,Igb,Igcの大きさを示すグラフである。 容量性地絡Cgにおいて、(A)は地絡電流IgCを位相検波した各相地絡電流Iga,Igb,Igcを示すベクトル図、(B)は各相地絡電流Iga,Igb,Igcの大きさを示すグラフである。 各相地絡電流Iga,Igb,Igcおよびその三乗和ΣIg3を示す位相特性図である。 図11の波形を極座標で表示した特性図である。 各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3を正規化し、その平方根を複数回演算した結果を示す位相特性図である。 図13の波形を極座標で表示した特性図である。 各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3をオフセットした結果を示す位相特性図である。 図15の波形を極座標で表示した特性図である。 A相が地絡した場合における地絡継電器および高圧絶縁監視装置の監視感度を比較した図である。
本発明の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、非接地系電路での地絡事故の発生時、その非接地系電路に接続された構内高圧電路に流れる零相電流、および電力ケーブル(例えば、JISC3606に規程される高圧架橋ポリエチレンケーブル)のシールド線に流れる零相電流に基づいて、地絡抵抗を計測する高圧絶縁監視方法を説明する。
図1は本発明の一つの実施形態を示し、図2は本発明の他の実施形態を示す。図1および図2に示す6.6kVの非接地系電路(三相回路)では、変電所11から延びる構内高圧電路12に設置された電力ケーブル13に各種の電気設備(例えば、変圧器、進相コンデンサ、計器用変圧器、変流器など)が接続されている。
地絡事故の発生時、構内高圧電路12に流れる零相電流I0、および電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sを検出することにより、構内高圧電路12の絶縁劣化状態について地絡抵抗を計測することで監視するようにしている。この絶縁監視では、高圧電路12と電力ケーブル13の接続点である受電点から負荷側を構内と称して保護範囲とし、受電点から系統側を構外と称して保護範囲外としている。
なお、図1および図2は電力ケーブル13に接続された構内電気設備のA相に一線地絡事故が発生した場合を例示し、その時の地絡電流をIg、地絡抵抗をRgとする。図1および図2における符号CA1,CB1,CC1は高圧電路12と大地との間に存在する構外の対地静電容量であり、符号CA2,CB2,CC2は電力ケーブル13および各種電気機器と大地との間に存在する構内の対地静電容量である。また、符号IA,IB,ICは、各相に流れる電流である〔IA=(Ea−V0)・jωCA2、IB=(Eb−V0)・jωCB2、IC=(Ec−V0)・jωCC2〕。
図1に示す実施形態では、高圧電路12に設置された零相変流器ZCT15により、地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0を検出する構成を採用している。一方、図2に示す実施形態では、地絡保護継電器16が接続された既設の零相変流器ZCT15の二次側にクランプ式変流器17を接続し、このクランプ式変流器17により、地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0を検出する構成を採用している。
図2に示す実施形態の場合、既設の零相変流器ZCT15の二次側にクランプ式変流器17を取り付けるだけで簡易に絶縁監視を行うことができる。しかも、電力ケーブル13に雷サージ等の過電圧が印加されても、その過電圧が高圧絶縁監視装置19へ直接印加することがないので過電圧に対する保護も確実となって信頼性の向上が図れる。なお、零相変流器ZCT15の二次側に接続する変流器としては、クランプ式以外に、例えば、貫通式変流器であってもよい。
この高圧絶縁監視装置19では、高圧電路12に設置された零相変流器ZCT15(図1参照)、あるいはその零相変流器ZCT15の二次側に接続されたクランプ式変流器17(図2参照)により、地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0を検出する。また、構内高圧電路12に設置された電力ケーブル13のシールド線14にクランプ式変流器18を取り付け、そのクランプ式変流器18により、地絡事故の発生時に電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sを検出する。
このクランプ式変流器18も、前述のクランプ式変流器17と同様、電力ケーブル13のシールド線14に取り付けるだけで簡易に絶縁監視を行うことができ、しかも、電力ケーブル13に雷サージ等の過電圧が印加されても、その過電圧が高圧絶縁監視装置19へ直接印加することがないので過電圧に対する保護も確実となって信頼性の向上が図れる。なお、電力ケーブル13のシールド線14に接続する変流器としては、クランプ式以外に、例えば、貫通式変流器であってもよい。
これらクランプ式変流器17,18は、磁気回路を構成して電流を検出するリング状部が本体先端に開閉可能に設けられた構造を具備する。クランプ式変流器17,18の零相変流器ZCT15の二次側および電力ケーブル13のシールド線14への装着は、リング状部を手動操作により開いてその内部に地絡保護継電器16との接続線および電力ケーブル13のシールド線14を取り込んだ後に閉じることで、磁気回路を構成するリング状部に接続線および電力ケーブル13のシールド線14を貫通させるようにして行われる。このような簡単な操作でその取り付け作業が容易であるので、現場における作業も効率よく実施できてその実用的価値は大きい。
ここで、地絡事故の発生により、構内高圧電路12に流れる零相電流I0および電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sは、電力ケーブル13に接続された構内電気設備の投入や遮断により変動する。図3は、高圧絶縁監視装置19の電源投入から計測開始時を経て計測開始後に至って増加する零相電流I0,I0Sを示す。
電源投入時(図中のA点)から零相電流I0,I0Sが共に高圧絶縁監視装置19において演算可能な最低レベルL(例えば2mA)に増加するまでを待機モードとし、零相電流I0,I0Sが共に演算可能な最低レベルLに達した時点で地絡抵抗Rgを計測開始する。この計測開始時(図中のB点)の零相電流I0,I0Sを零相電流I01,I0S1とし、計測開始後(図中のC点)に計測された零相電流I0,I0Sを現在値として零相電流I02,I0S2とする。
なお、前述した計測開始時の零相電流I01,I0S1は、地絡抵抗Rgを演算するときの基準値の役目を負うので次のように扱う。つまり、最初に計測した零相電流I01,I0S1を標準として固定値とする。また、演算結果の地絡抵抗Rgが無限大に近く構内高圧電路12に地絡事故がないと判定できる時には、計測された現在値の零相電流I02,I0S2を零相電流I01,I0S1として自動または手動により更新する。この更新は、外部からの通信指令や、外部からの直接入力手段によって行われる。
高圧絶縁監視装置19では、零相電流I0,I0Sが共に演算可能な最低レベルLに達した時点、つまり、計測開始により、待機モードから暫定モードへ移行する。この暫定モードでは、零相電流I0の変動分ΔI0(=I02−I01)が0に近似する区間である(I02≒I01)。さらに、その変動分ΔI0(=I02−I01)が0よりも大きくなると、暫定モードから確定モードへ移行する。この待機モードから暫定モードへの移行、および暫定モードから確定モードへの移行は、高圧絶縁監視装置19の判定部20で行われる。なお、零相電流I0の変動分ΔI0が0に近似する場合と、零相電流I0の変動分ΔI0が0よりも大きくなる場合との境界値は、高圧絶縁監視装置19の計測および演算性能に依存するものである。
ここで、電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sは、地絡事故の発生で高圧電路12に現出した零相電圧V0でもって、電力ケーブル13の芯線と大地間の対地静電容量C0S=CAS+CBS+CCS(図示せず)により流れる電流である〔I0S=ω・C0S・V0、ただし、ω=2π・電源周波数(Hz)〕。この電力ケーブル13の芯線と大地間の各相の対地静電容量CAS,CBS,CCSは、電力ケーブル13の太さ、長さおよび製造メーカ等の仕様により異なる。この対地静電容量CAS,CBS,CCSとしては、JISC3606または前述の仕様に示された値を使用し、構内電気設備の敷設記録による情報を基にして電力ケーブル13の仕様を高圧絶縁監視装置19に手動または自動で設定する。
手動設定方法としては、外部に設けた設定器(またはパソコン)と高圧絶縁監視装置19との通信手段により、電力ケーブル13の対地静電容量CAS,CBS,CCSまたは仕様を各相(A相,B相,C相)ごとに入力する方法や、高圧絶縁監視装置19の内部に設定回路を設けてダイヤルスイッチにより、電力ケーブル13の対地静電容量CAS,CBS,CCSまたは仕様を各相ごとに入力する方法がある。
この方法を採用した場合、電力ケーブル13の構内対地間インピーダンスZ0Sは、各相の対地静電容量CAS,CBS,CCSと電源周波数の角速度ωを乗算したものの逆数の和になる〔Z0S=(1/ωCAS+1/ωCBS+1/ωCCS)〕。この構内対地間インピーダンスZ0Sの逆数である電力ケーブル13の構内対地間アドミタンスY0S(以下、単に構内対地間アドミタンスY0Sと称す)は、Y0S=1/(1/ωCAS+1/ωCBS+1/ωCCS)として、構内高圧電路12の健全時および地絡時の構内対地間アドミタンスY(以下、単に構内対地間アドミタンスYと称す)を算出するための演算処理に供される。
自動設定方法としては、図3に示す確定モードにおいて、構内対地間アドミタンスYを演算部23で算出することにより、その構内対地間アドミタンスYの虚数部jYiが求められる。従って、この構内対地間アドミタンスYの虚数部jYiのスカラ量|Yi|と構内対地間アドミタンスY0Sのスカラ量|Y0S|は、零相電流I0の変動分ΔI0と零相電流I0Sの変動分ΔI0Sの比に比例する。つまり、構内対地間アドミタンスY0Sのスカラ量は、|Y0S|=(ΔI0S/ΔI0)・|Yi|の式で求められ、構内対地間アドミタンスYを算出するための演算処理に供される。なお、構内対地間アドミタンスYの虚数部(|Yi|=|ωC|)を電源周波数の角速度ω(=2π×電源周波数)で除算すると構内の対地静電容量C(三相あたり)となる。
地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0には、構内対地間アドミタンスYの不平衡の影響を受けた零相電流Ifが含まれる〔If=jω(CA2・Ea+CB2・Eb+CC2・Ec)〕。この構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifは、零相電圧V0の項がないので零相電圧V0の変動による影響を受けない。また、送電側の各相電圧(=Ea,Eb,Ec)が平衡三相電圧であるので影響を受けない。この零相電流Ifが変動の影響を受けるのは、構内の対地静電容量CA2,CB2,CC2の不平衡である。従って、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifは、通常10mA以下で計測される。
また、電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sには、構内対地間アドミタンスY0Sの不平衡の影響を受けた零相電流If0Sが含まれる。この零相電流If0Sが変動の影響を受けるのは、電力ケーブル13の対地静電容量であるが、その電力ケーブル13の対地静電容量は各相で等しいので(CAS=CBS=CCS)、零相電流If0Sは、通常、0mAとして計測される。
高圧絶縁監視装置19では、構内高圧電路12に設置された零相変流器ZCT15あるいはその二次側に接続されたクランプ式変流器17により検出された零相電流I0と、電力ケーブル13のシールド線14に取り付けられたクランプ式変流器18により検出された零相電流I0Sと、電力ケーブル13の芯線と大地間の対地静電容量CAS,CBS,CCSを電力ケーブル13の太さ、長さおよび製造メーカ等の仕様により手動設定または自動設定することで得られた対地間アドミタンスY0Sと、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifとに基づいて、以下の要領でもって地絡抵抗Rgを計測する。
まず、図1に示す符号IA,IB,IC,Igは、IA=(Ea−V0)・jωCA2、IB=(Eb−V0)・jωCB2、IC=(Ec−V0)・jωCC2、Ig=(Ea−V0)/Rgで表される。また、構内高圧電路12に設置された零相変流器ZCT15あるいはその二次側に接続されたクランプ式変流器17により検出される零相電流I0は、I0=IA+IB+IC+Igとなる。
従って、その零相電流I0は、I0=Ig−jω(CA2+CB2+CC2)・V0+jω(Ea・CA2+Eb・CB2+Ec・CC2)で表される。ここで、Y=jω(CA2+CB2+CC2)、If=jω(Ea・CA2+Eb・CB2+Ec・CC2)であることから、零相電流I0は、I0=Ig−Y・V0+Ifで表される。
地絡電流Igは、Ig=I0−(−Y・V0+If)で表される。また、監視当初は構内電気設備の対地間絶縁が良好で地絡電流が流れないので(Ig=0)、零相電流I0は、I0=−Y・V0+Ifとなる。さらに、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifは、If=I0−(−Y・V0)となる。零相電圧V0を計測しないので、V0=I0S/Y0Sを用いると、If=I0−{−Y・(I0S/Y0S)}=I0−{−(Y/Y0S)・I0S}となる。
図3に示す待機モードでは、零相電流I01,I0S1の値が演算可能な最低レベルLに達していないので絶縁監視はできない。次の暫定モードに移行した時は、零相電流I01,I0S1の値が演算可能な最低レベルLに達した時点でこれらを基準値とする。ここで、零相電流I0S1の値を基準値とするのは、電力ケーブル13には、絶縁体(架橋ポリエチレン)の特性上、絶縁破壊(電力ケーブル13の絶縁体である架橋ポリエチレンに起きる水トリー現象等による絶縁体間の橋絡現象)に至る直前まで電力ケーブル13の内部劣化による地絡電流はほとんど流れないからである。また、電力ケーブル13における三相の電線は同じサイズの同軸構造となっており同じ長さを有する構造であることから、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifが流れることもない。
なお、電力ケーブル13が絶縁破壊に至った場合には、その電力ケーブル13に大電流が流れるが、その電力ケーブル13の絶縁破壊状態は、絶縁監視の対象外である。また、基準値とする零相電流I01については、監視当初で電気機器に地絡事故が生じていない状態(地絡電流Ig=0)を想定している。これ以後の計測値は、零相電流I02,I0S2の値として、暫定モードでの地絡電流Igおよび地絡抵抗Rgの算出に供される。以下、基本式に基づく確定モードを暫定モードよりも先に説明する。
高圧絶縁監視装置19における確定モードでは、零相電流I0の変動分ΔI0(=I02−I01)が0よりも大きいことから(I02≠I01)、その変動分ΔI0を高圧絶縁監視装置19で演算することが容易である。そこで、この確定モードにおいて、高圧絶縁監視装置19では、まず、演算部23により、零相変流器ZCT15あるいはクランプ式変流器17により検出された零相電流I0と、クランプ式変流器18により検出された零相電流I0Sとを基準にして構内対地間アドミタンスYを以下の関係式でもって算出する。
この確定モードでは、前述の式I0=−Y・V0+Ifを用いると、零相電流I01は、I01=−Y・V01+Ifとなり、また、零相電流I02は、I02=−Y・V02+Ifとなる。現在値の零相電流I02と計測開始時の零相電流I01との差分I02−I01=−Y(V02−V01)を算出することで、構内対地間アドミタンスYを演算部23で算出する〔−Y=(I02−I01)/(V02−V01)〕。
ここで、零相電圧V01,V02は計測していないので、その代わりに、クランプ式変流器18により検出された電力ケーブル13のシールド線14の零相電流I0S1,I0S2を演算処理に供する。つまり、これら零相電流I0S1,I0S2は、この零相電圧V01,V02と構内対地間アドミタンスY0Sを乗算したもの(V01=I0S1/Y0S,V02=I0S2/Y0S)であることから、−Y=(I02−I01)/(V02−V01)は、−Y=(I02−I01)/{(I0S2/Y0S)−(I0S1/Y0S)}=(I02−I01)/{(I0S2−I0S1)/Y0S)}={(I02−I01)/(I0S2−I0S1)}・Y0Sとなる。
ここで、零相電流I0の変動分(I02−I01)をΔI0、零相電流I0Sの変動分(I0S2−I0S1)をΔI0Sとすると、−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sとなり、この関係式から構内対地間アドミタンスYが求まる。このように、電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sを基準値として構内高圧電路12に流れる零相電流I0から構内対地間アドミタンスYが求められる。つまり、零相電流I0の変動分ΔI0と零相電流I0Sの変動分ΔI0Sの比(ΔI0/ΔI0S)に構内対地間アドミタンスY0Sを乗算することにより、構内対地間アドミタンスYが求められる。
この構内対地間アドミタンスYを複素数計算すると、−Y=Yr+jYiから、実数部Yrと虚数部Yiが求まる。−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sの分子の項に対地間の地絡電流Igが含まれる時は、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrを演算部24で算出することにより、地絡抵抗Rgを確定的に計測することができる〔Rg=1/Yr〕。
また、前述した式I0=Ig−Y・V0+Ifを用いることにより、零相電流I02から地絡電流Igを求める。この時は、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifが不明であるので、地絡抵抗Rgが無限大に近い値の時に零相電流I0から構内対地間アドミタンスYと零相電圧V0を乗算したものをベクトル減算して求めて確定する(If=I0+Y・V0)。
監視当初は地絡電流Igが流れないので(Ig=0)、現在値の零相電流I02から、地絡電流Igは、Ig=I02−(If−Y・V02)で表され、零相電圧V02は計測していないことから、V02=I0S2/Y0Sを用いると、Ig=I02−{If−Y・(I0S2/Y0S)}=I02−{If−(Y/Y0S)・I0S2}となり、地絡電流Igが得られる。
この地絡検出時に地絡抵抗が大きい時(Rg>約10kΩ)は、実数部|Yr|≪虚数部|Yi|となる。従って、相電圧Ea,Eb,Ecと対地電圧Va,Vb,Vcとはほぼ等しい。相電圧=線間電圧/√3=6600V/√3=3810Vであることから、この相電圧Ea,Eb,Ecとほぼ等しい対地電圧Va,Vb,Vcを用いて地絡抵抗Rgが次の式で求められる。つまり、地絡抵抗Rg=対地電圧/地絡電流=3810V/Igとなる。
本出願人は、模擬電気室(一線地絡電流=7.89A)を用いて以下の試験条件で地絡実験(確定モード)を行った。
・電力ケーブル:公称断面積22mm2、長さ20m=0.0162[μF](1相当たり)電源周波数60Hz
・地絡抵抗Rg:1000[kΩ]
・構内の対地静電容量C:0.2[μF]
・残留電圧:約100[V]
Figure 0006328591
[計算値]
0S=1/(1/ωC)=ωC=6.107×10-6∠90[S]
Y={(35.3×10-3∠293.2−24.3×10-3∠293.2)}/{(0.696×10-3∠291.7−0.465×10-3∠291.1)}×6.107×10-6∠90
−Y=−1.031×10-6+j0.2155×10-3
Rg=1/Yr=1/1.031×10-6=970.1[kΩ]
C=Yi/3ω=0.2155×10-3/1130.97=0.1905[μF]
以上のように、確定モードにおける計算結果として得られた地絡抵抗Rg(970.1[kΩ])は、実際の地絡抵抗Rg(1000[kΩ])に近似することから、地絡抵抗Rgを精度よく検出できることが判明した。また、構内の対地静電容量についても、計算結果として得られた構内の対地静電容量C(0.1905[μF])は、実際の構内の対地静電容量(0.2[μF])に近似することが判明した。
なお、前述した確定モードにおいて、計測開始時の零相電流I01と、計測開始後の零相電流I02とが等しくなった時には、零相電流I0の変動分ΔI0(=I02−I01)〔−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sの分子〕が0なので、構内対地間アドミタンスYが0となる。その結果、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrが無限大となることから、地絡抵抗(Rg=∞)がなく健全であると判定する。
一方、計測開始時の零相電流I0S1と、計測開始後の零相電流I0S2とが等しくなった時には、零相電流I0Sの変動分ΔI0S〔−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sの分母〕が0となるので、構内対地間アドミタンスYが無限大となる。その結果、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrが0となることから、地絡抵抗(Rg=0)がなるので、この場合、地絡抵抗Rgの演算を行わないか、あるいは、暫定モードで地絡抵抗Rgの演算を行う。
次に、高圧絶縁監視装置19における暫定モードでは、待機モードで計測した零相電流I0,I0Sの計測値が有効となり、この2つの計測値を基準である零相電流I01,I0S1とし、現在値としての零相電流I02の計測値と零相電流I0S2の計測値が得られた時に暫定モードとなる。暫定モードに入った直後は、零相電流I01と零相電流I02、零相電流I0S1と零相電流I0S2は近似している。従って、−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sの変動分ΔI0が0に近似する状態になるので、構内対地間アドミタンスYが正確に計算できない。
そこで、この暫定モードにおいて、高圧絶縁監視装置19では、まず、演算部21により、零相変流器ZCT15あるいはクランプ式変流器17により検出された零相電流I0と、クランプ式変流器18により検出された零相電流I0Sとに基づいて構内対地間アドミタンスYを以下の関係式でもって算出する。
なお、この暫定モードでは、零相電流I0Sを基準にした時に、零相電流I0が+90°≦I0≦−90°(構内地絡相当の位相)になる場合が通常であるが、零相電流I0が小さい場合や雷サージによる乱れた波形では、その零相電流I0が−90°≦I0≦+90°(構外地絡相当の位相)になる場合もある。そのため、暫定モードでは、構内対地間アドミタンスYの算出を、零相電流I0が+90°≦I0≦−90°の場合と、零相電流I0が−90°≦I0≦+90°の場合とに分けて以下に説明する。
[構内地絡相当の位相]
零相電流I0S1を基準にした時に、零相電流I02が+90°≦I0≦−90°になる場合、ΔI0≒0、ΔI0S≒0の状態では、−Y=(I02−I01)/(V02−V01)の演算により、構内対地間アドミタンスYを求めることができない。この時は、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifが不明であるので、零相電流I0Sの位相を基準として計測された零相電流I0(複素数)の虚数部(=I0image)を零相電流Ifの虚数部(=Ifimage)に代入する。零相電流Ifの実数部(=Ifreal)は、0[mA]にして演算処理に使用する。従って、I0=−Y・V0+Ifに現在値として測定された零相電流I02,I0S2を適用する。なお、計測直後なので地絡電流Igは観測されない。
零相電流I02は、I02=−Y・V02+Ifとなり、この式から、構内対地間アドミタンスYは、−Y=(I02−If)/V02で表される。ここで、零相電圧V02は計測していないので、V02=I0S2/Y0Sを用いると、−Y=(I02−If)/(I0S2/Y0S)={(I02−If)/I0S2}・Y0Sとなり、この関係式から構内対地間アドミタンスYが求まる。
この構内対地間アドミタンスYを複素数計算すると、−Y=Yr+jYiから、実数部Yrと虚数部Yiが求まる。−Y={(I02−If)/I0S2}・Y0Sの分子の項に対地間の地絡電流Igが含まれる時は、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrを演算部24で算出することにより、地絡抵抗Rgを暫定的に計測することができる〔Rg=1/Yr〕。
また、前述した式I0=Ig−Y・V0+Ifを用いることにより、零相電流I02から地絡電流Igを求める。つまり、地絡電流Igは、Ig=I02−(If−Y・V02)で表され、零相電圧V02は計測していないので、V02=I0S2/Y0Sを用いると、Ig=I02−{If−Y・(I0S2/Y0S)}=I02−{If−(Y/Y0S)・I0S2}となり、地絡電流Igが得られる。
この地絡検出時に地絡抵抗が大きい時(Rg>約10kΩ)は、実数部|Yr|≪虚数部|Yi|となる。従って、相電圧Ea,Eb,Ecと対地電圧Va,Vb,Vcとはほぼ等しい。相電圧=線間電圧/√3=6600V/√3=3810Vであることから、この相電圧Ea,Eb,Ecとほぼ等しい対地電圧Va,Vb,Vcを用いて地絡抵抗Rgが次の式で求められる。つまり、地絡抵抗Rg=対地電圧/地絡電流=3810V/Igとなる。
[構外地絡相当の位相]
零相電流I0S1を基準にした時、零相電流I02が−90°≦I0≦+90°になる場合は、零相電流I0が小さい場合や雷サージによる乱れた状態である。この時は、構内対地間アドミタンスYの不平衡による零相電流Ifが不明であるので、零相電流I0Sの位相を基準として計測された零相電流I01を零相電流Ifに相当するものとして用いる〔If=I01〕。
零相電流I02は、I02=−Y・V02+I01となり、この式から、構内対地間アドミタンスYは、−Y=(I02−I01)/V02で表される。ここで、零相電圧V02は計測していないので、V02=I0S2/Y0Sを用いると、−Y=(I02−I01)/(I0S2/Y0S)={(I02−I01)/I0S2}・Y0Sとなり、この関係式から構内対地間アドミタンスYが求まる。
この構内対地間アドミタンスYを複素数計算すると、−Y=Yr+jYiから、実数部Yrと虚数部Yiが求まる。−Y={(I02−I01)/I0S2}・Y0Sの分子の項に対地間の地絡電流Igが含まれる時は、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrを演算部24で算出することにより、地絡抵抗Rgを暫定的に計測することができる〔Rg=1/Yr〕。
また、前述した式I02=Ig−Y・V02+I01を用いることにより、零相電流I02から地絡電流Igを求める。つまり、地絡電流Igは、Ig=I02−(I01−Y・V02)で表され、零相電圧V02は計測していないので、V02=I0S2/Y0Sを用いると、Ig=I02−{I01−Y・(I0S2/Y0S)}=I02−{I01−(Y/Y0S)・I0S2}となり、地絡電流Igが得られる。
この地絡検出時に地絡抵抗が大きい時(Rg>約10kΩ)は、実数部|Yr|≪虚数部|Yi|となる。従って、相電圧Ea,Eb,Ecと対地電圧Va,Vb,Vcとはほぼ等しい。相電圧=線間電圧/√3=6600V/√3=3810Vであることから、この相電圧Ea,Eb,Ecとほぼ等しい対地電圧Va,Vb,Vcを用いて地絡抵抗Rgが次の式で求められる。つまり、地絡抵抗Rg=対地電圧/地絡電流=3810V/Igとなる。
本出願人は、模擬電気室(一線地絡電流=7.89A)を用いて以下の試験条件で地絡実験(暫定モード)を行った。
・電力ケーブル:公称断面積22mm2、長さ20m=0.0162[μF](1相当たり)電源周波数60Hz
・地絡抵抗Rg:1000[kΩ]
・構内の対地静電容量C:0.2[μF]
・残留電圧:約100[V]
Figure 0006328591
[計算値]
0S=1/(1/ωC)=ωC=6.107×10-6∠90[S]
Y={(I02−If)/I0S2}×Y0S
={(24.3×10-3∠293.2−0.460×10-3∠180.0)}/(0.696×10-3∠291.7)×6.107×10-6∠90
−Y=−6.910×10-6+j0.1589×10-3
Rg=1/Yr=1/6.910×10-6=144.7[kΩ]
C=Yi/3ω=0.1589×10-3/1130.97=0.140[μF]
以上のように、暫定モードにおける計算結果として得られた地絡抵抗Rg(144.7[kΩ])は、実際の地絡抵抗Rg(1000[kΩ])よりも小さい値となって地絡抵抗Rgの精度が低いが、暫定モードであっても地絡事故の有無を監視できることが判明した。また、構内の対地静電容量については、計算結果として得られた構内の対地静電容量C(0.140[μF])は、実際の構内の対地静電容量(0.2[μF])に近似することが判明した。
以上のようにして、地絡事故の発生時に電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sをクランプ式変流器18で検出することにより、簡易な手段により活線状態で、構内高圧電路12の絶縁劣化状態について地絡抵抗Rgを計測することで監視する安価な装置を実現できる。
また、計測開始時に零相電流I0の変動分ΔI0が0に近似する場合、構内対地間アドミタンスYを−Y={(I02−If)/I0S2}・Y0Sあるいは−Y={(I02−I01)/I0S2}・Y0Sの関係式でもって算出することにより、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrを暫定モードでの地絡抵抗Rgとして計測することができる。このようにして、暫定モードでの地絡抵抗Rgを計測することで、計測開始時における構内高圧電路12の絶縁劣化状態を的確に判定することができる。
さらに、計測開始後に零相電流I0の変動分ΔI0が0よりも大きくなった場合、構内対地間アドミタンスYを−Y=(ΔI0/ΔI0S)・Y0Sの関係式でもって算出することにより、構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの逆数1/Yrを確定モードでの地絡抵抗Rgとして計測することができる。このようにして、確定モードでの地絡抵抗Rgを計測することで、計測開始後における構内高圧電路12の絶縁劣化状態を的確に判定することができる。
以上で説明した地絡電流Igは、電力ケーブル13に接続された構内電気設備の投入などにより増加することがある。このような地絡電流Igの増加が発生すると、地絡事故の誤検出となる。一方、抵抗性地絡電流Igrは、電力ケーブル13に接続された構内電気設備の投入などにより増加することがない。そこで、この抵抗性地絡電流Igrに基づいて地絡抵抗Rgを計測することにより、地絡事故を正確に検出することができる。また、地絡事故が微小地絡(例えば、20mA以下)の場合、抵抗性地絡電流Igrに基づいて地絡抵抗Rgを計測する必要があることも判明した。
この抵抗性地絡電流Igrは、図4および図5に示す高圧絶縁監視装置25により、以下の要領でもって算出される。なお、図4および図5において、図1および図2と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。図4は、高圧電路12に設置された零相変流器ZCT15により、地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0を検出する構成を例示する(図1参照)。図5は、地絡保護継電器16が接続された既設の零相変流器ZCT15の二次側にクランプ式変流器17を接続し、このクランプ式変流器17により、地絡事故の発生時に構内高圧電路12に流れる零相電流I0を検出する構成を例示する(図2参照)。
構内高圧電路12の構内電気設備で発生した地絡電流Igから抵抗性地絡電流Igrを計測する機能を追加するためには、構内高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相を特定する必要がある。構内高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相を特定するために、電力供給側の変電所では接地形計器用変圧器(EVT)を使用する。しかしながら、高圧受電設備規程(JEAC8011−2008)では、自家用構内電気設備で接地形計器用変圧器(EVT)を使用することが認められていない。
そこで、図4および図5に示す構内高圧電路12の自家用構内電気設備では、接地用計器用変圧器(EVT)を使用せず、対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相を特定するために、トリプレックス型電力ケーブル(CVTケーブル)13のシールド線14に流れる零相電流I0Sを利用する。この電力ケーブル13は、3本の単相ケーブル13a,13b,13cが撚り合わさった構造を有する。図4および図5の高圧絶縁監視装置25では、電力ケーブル13の各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCを、クランプ式変流器18a,18b,18cでもって検出する構成を例示する。
なお、各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCをベクトル加算することにより、シールド線14に流れる零相電流I0Sが得られる。このような演算処理を実行することにより、シールド線14に流れる零相電流I0Sを計測値として検出するクランプ式変流器18を省略することができる。また、三相一括シールド構造の電力ケーブル(CVケーブル)のみが敷設されている場合には、そのCVケーブルとは別に、短いトリプレックス型電力ケーブル(CVTケーブル)を付設すればよい。
また、各相ケーブル13a,13b,13cの長さが短い場合、シールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCが小さくなるため、クランプ式変流器18a,18b,18cによる零相電流I0SA,I0SB,I0SCの検出が困難となる。このような場合には、クランプ式変流器18a,18b,18cにおける巻数(ターン数)をn倍することにより、クランプ式変流器18a,18b,18cの検出感度を高くすることで零相電流I0SA,I0SB,I0SCの検出を容易にすることができる。高圧絶縁監視装置25では、クランプ式変流器18a,18b,18cにより検出された零相電流I0SA,I0SB,I0SCの計測値を1/n倍することにより、演算処理時、巻数のn倍に対する補正を行う。この補正は、シールド線14に流れる零相電流I0Sをクランプ式変流器18により検出する場合についても同様である。
高圧絶縁監視装置25では、前述した−Y=(I02−I01)/(V02−V01)の関係式に基づいて、現在値の零相電圧V02が、V02=I0S2/ωC0Sであり、計測開始時の零相電圧V01が、V01=I0S1/ωC0Sであることから、構内高圧電路12の健全時の構内対地間アドミタンスY0(以下、単に構内対地間アドミタンスY0と称す)を、−Y0=(I02−I01)ωC0S/(I0S2−I0S1)の関係式でもって演算部26により算出する。ここで、現在値の零相電流I02と計測開始時の零相電流I01には、地絡電流Igが含まれない。
一方、構内対地間アドミタンスYは、−Y=Yr+jYiで表される。構内対地間アドミタンスY0は、地絡電流Igを含まないことから、この構内対地間アドミタンスYの虚数部Yiに相当する。地絡事故が発生すると、零相変圧器ZCT15あるいはクランプ式変流器17により検出された零相電流I0は、地絡電流Igが含まれた電流(I0=I01+IgあるいはI0=I02+Ig)になる。
そこで、零相電流I01,I0S1を基準とした場合、構内対地間アドミタンスYを、−Y=(I0−I01)ωC0S/(I0S−I0S1)の関係式でもって演算部27により算出する。また、零相電流I02,I0S2を基準とした場合、構内対地間アドミタンスYを、−Y=(I0−I02)ωC0S/(I0S−I0S2)の関係式でもって演算部27により算出する。構内対地間アドミタンスYの実数部Yrを、Yr=Y−Y0の関係式でもって演算部28により算出する。その結果、この構内対地間アドミタンスYの実数部Yrは、Yr=(Ig・ωC0S)/(I0S2−I0S1)となり、地絡電流Igは、Ig=Yr(I0S2−I0S1)/ωC0Sとなる。なお、構内対地間アドミタンスYの虚数部Yiは、Yi=1/ω(CA2+CB2+CC2)であることから、構内電気設備の構内全体の対地間静電容量を監視することができる。
図6は一線地絡事故が発生した場合の等価回路を示す。この地絡電流Igは、図7に示すように、対地電圧Va,Vb,Vc(Va=Ea−V0,Vb=Eb−V0,Vc=Ec−V0)を基準とした各相成分Iga,Igb,Igc(以下、各相地絡電流と称す)からなる。そこで、電力ケーブル13の各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCをクランプ式変流器18a,18b,18cでもって検出する。
この電力ケーブル13の各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる各相の零相電流I0SA,I0SB,I0SCは、各相の構内対地間アドミタンスY0A,Y0B,Y0Cから、I0SA=Va・Y0A、I0SB=Vb・Y0B、I0SC=Vc・Y0Cとなる。この零相電流I0SA,I0SB,I0SCは、対地静電容量に流れる電流なので、対地電圧Va,Vb,Vcを基準にして、進み90°位相差を持っている。
構内高圧電路12の構内電気設備で発生した地絡電流Igから抵抗性地絡電流Igrを計測する機能を追加するため、構内高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相を特定する。つまり、この高圧絶縁監視装置25では、クランプ式変流器18a,18b,18cにより検出された各相シールド線14a,14b,14cの零相電流I0SA,I0SB,I0SCの進み90°位相差を演算部32で補正する。
この補正処理としては、簡易的に遅延回路(50Hzまたは60Hzの1/4サイクル時間遅延)を設ける方法、電源同期したPLL回路により電源周波数の逓倍の高周波を生成し、ロジックカウンタで遅延する方法、零相電流をADC変換してフーリエ変換した複素数に遅れ90°の単位ベクトルを乗算する方法、シールド線に流れる各相の零相電流を各相の対地間アドミタンスで除算する方法などがある。このように、零相電流I0SA,I0SB,I0SCを演算部32で位相補正することにより、対地電圧Va,Vb,Vcが得られる。
この対地電圧Va,Vb,Vcに基づいて、地絡電流Igを演算部29で位相検波(フーリエ変換)することにより、各相地絡電流Iga,Igb,Igcを得る。図7に示すように、対地電圧Va,Vb,Vcを基準とした場合、地絡抵抗Rgに流れる各相地絡電流Iga,Igb,Igcは対地電圧Va,Vb,Vcと同位相となる。
ここで、抵抗性地絡Rg(図11参照)の場合、図8(A)(B)に示すように、地絡電流Igについて、A相地絡電流Igaを+1.0puとした場合、B相地絡電流Igbは、−0.5puとなり、C相地絡電流Igcは、−0.5puとなる。また、誘導性地絡Lg(図11参照)の場合、図9(A)(B)に示すように、地絡電流IgLについて、A相地絡電流Igaは、0.0puとなり、B相地絡電流Igbは、+0.866puとなり、C相地絡電流Igcは、−0.866puとなる。さらに、容量性地絡Cg(図11参照)の場合、図10(A)(B)に示すように、地絡電流IgCについて、A相地絡電流Igaは、0.0puとなり、B相地絡電流Igbは、−0.866puとなり、C相地絡電流Igcは、+0.866puとなる。
前述したように、特定の一相(A相)に一線地絡が発生し、他の二相(B相、C相)が健全である場合を想定している。この高圧絶縁監視装置25では、三相の対地電圧Va,Vb,Vcを基準にして位相検波することにより、各相地絡電流Iga,Igb,Igcを得ている。従って、A相が地絡した場合、A相地絡電流Igaは、地絡監視する上で意味があるが、他のB相地絡電流IgbおよびC相地絡電流Igcは、地絡監視する上で意味を持たない。
しかしながら、前述したように、抵抗性地絡Rgだけでなく、誘導性地絡Lgや容量性地絡Cgを考慮すると、地絡している相(A相)と、地絡していない他の二相(B相、C相)とを検出してしまう。この高圧絶縁監視装置25では、各相地絡電流Iga,Igb,Igcを得た段階でA相地絡、B相地絡あるいはC相地絡を区別して判定することができない。そのため、各相地絡電流Iga,Igb,Igcから、構内高圧電路12の対地間絶縁劣化で生じた抵抗性地絡電流Igrを求める必要がある。
そこで、高圧絶縁監視装置25の演算部30では、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3=Iga3+Igb3+Igc3を算出する。つまり、基本的に三角関数を二乗すると周波数は二倍になり、同様に、三角関数を三乗すると周波数は三倍になる。このことから、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の波形が、三相の対地電圧Va,Vb,Vcと同期することにより、抵抗性地絡電流Igrを得ることが可能となる。
ここで、三乗和ΣIg3の最大値nは、図11に示すように1.0よりも小さくなる。つまり、この三乗和ΣIg3の最大値nは、(1/π∫i3dθ)1/3=(Imax3/π∫sin3θdθ)1/3=Imax(4/π)1/3=0.75となる(i=Imax・sinθ、i=Iga,Igb,Igc)。演算部30では、三乗和ΣIg3の最大値nを1.0にするため、三乗和ΣIg3をその最大値nの逆数倍(1/n)で補正することにより、三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nが得られる。この三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nの立方根{(ΣIg3)/n}1/3を算出することにより、構内高圧電路12の対地間絶縁劣化で生じた抵抗性地絡電流Igrが得られる。
この実施形態では、三乗和について説明したが、奇数乗和を用いることも可能である。この奇数乗和の次数が大きくなると、5乗和では0.9375、7乗和では0.9844、9乗和では0.9961、11乗和では0.9990のように1.0に近づくことになる。このように、奇数乗和を用いる場合には、抵抗性地絡電流Igrを得るため、奇数乗和の奇数乗根を算出する必要がある。しかしながら、正規化した値で奇数乗和を用いる場合には、奇数乗根の演算は省略することも可能である。
なお、本出願人が先に提案した高圧絶縁監視装置(特開平11−271384号公報参照)から算出される地絡電流Ig{=I0−(−YV0+If)}を用いて、同一の演算により抵抗性地絡電流Igrとして算出することができる。また、この実施形態では、基本調波に基づいて抵抗性地絡電流Igrを算出しているが、例えば、第3調波あるいは第9調波を含む奇数調波からなる高調波成分を用いて抵抗性地絡電流Igrを算出するようにしてもよい。
この地絡検出時に地絡抵抗が大きい時(Rg>約10kΩ)は、実数部|Yr|≪虚数部|Yi|となる。従って、相電圧Ea,Eb,Ecと対地電圧Va,Vb,Vcとはほぼ等しい。相電圧=線間電圧/√3=6600V/√3=3810Vであることから、この相電圧Ea,Eb,Ecとほぼ等しい対地電圧Va,Vb,Vcを用いて地絡抵抗Rgが次の式で求められる。つまり、地絡抵抗RgをRg=対地電圧/Igrの関係式でもって演算部31で算出する。
本出願人は、模擬電気室(一線地絡電流=7.89A)を用いて以下の試験条件で抵抗性地絡の人工地絡試験を行った。
・電力ケーブル:公称断面積22mm2、長さ20m=0.0162[μF](1相当たり)電源周波数60Hz
・地絡抵抗Rg:200[kΩ]
・構内の対地静電容量C:0.5[μF]
・残留電圧:約100[V]
[抵抗性地絡](A相で地絡した場合)
構内対地間アドミタンスY0を演算するための各計測値は、以下のとおりである。
01:5.57[mA]∠178.18[deg]
02:21.55[mA]∠217.96[deg]
0S1:0.69[mA]∠36.12[deg]
0S2:1.77[mA]∠45.00[deg]
ωC0S:2×π×60×3×0.607×10-6
=4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg](電源周波数:60Hz)
前述の各計測値を用いた構内対地間アドミタンスY0の演算は、以下のとおりである。
−Y0=(I02−I01)ωC0S/(I0S2−I0S1
=(21.55[mA]∠217.96[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S]∠90.0[deg]/(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])
=0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
構内対地間アドミタンスYを演算するための各計測値は、以下のとおりである。
0(=I02+Ig):9.64[mA]∠75.80[deg](I0は、I02にIgが加算された値で計測される。)
0S:1.06[mA]∠41.52[deg]
前述の各計測値を用いた構内対地間アドミタンスYの演算は、以下のとおりである。
−Y=(I0−I01)ωC0S/(I0S−I0S1
=(9.64[mA]∠75.80[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]/(1.06[mA]∠41.52[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])
=1.897×10-3[S-1]∠269.00[deg]
この構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの演算は、以下のとおりである。
Yr=Y−Y0
=1.897×10-3[S-1]∠269.00[deg]−0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
=1.158×10-3[S-1]∠269.47[deg]
地絡電流Igの演算は、以下のとおりである。
Ig=Yr(I0S2−I0S1)/ωC0S
=1.158×10-3[S-1]∠269.47[deg]×(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])/4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]
=18.16[mA]∠49.6[deg]
ここで、各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCから得た位相を90°補正して得られた高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相は、電源電圧AC100Vの電圧位相から、次の位相差を持っていた。
A相:49.5[deg]
B相:289.5[deg]
C相:169.5[deg]
前述の各位相を基準にして位相検波した結果、各相地絡電流Iga,Igb,Igcは、以下のとおりである。
Iga=(18.17+j0.03)×10-3[A]
Igb=(−9.11+j15.73)×10-3[A]
Igc=(−9.05−j15.73)×10-3[A]
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの実数部を使用して三乗和ΣIg3の演算は、以下のとおりである。
ΣIg3=Iga3+Igb3+Igc3
=18.173+(−9.11)3+(−9.05)3
=4497.5
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3をその最大値n=0.75の逆数倍で補正することにより、三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/n=5996.7が得られる。この三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nの立方根{(ΣIg3)/n}1/3を算出することにより、抵抗性地絡電流Igr=18.17[mA]が得られる。その結果、地絡抵抗Rg=Eg/Igr=3810[V]/18.17[mA]=209.7[kΩ]となる。
Figure 0006328591
上表のように、抵抗性地絡では、A相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrが18.17mAで、その時の地絡抵抗Rgが209.7kΩという結果が得られた。また、B相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrが19.60mAで、その時の地絡抵抗Rgが194.2kΩという結果が得られた。さらに、C相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrが19.89mAで、その時の地絡抵抗Rgが191.2kΩという結果が得られた。このようにして、抵抗性地絡の場合には、抵抗性地絡電流Igrおよび地絡抵抗Rgを計測することが可能であることが判明した。
以上では、抵抗性地絡の人工地絡試験について説明したが、本出願人は、模擬電気室(一線地絡電流=7.89A)を用いて以下の試験条件で誘導性地絡の人工地絡試験も行った。
・電力ケーブル:公称断面積22mm2、長さ20m=0.0162[μF](1相当たり)電源周波数60Hz
・地絡抵抗Lg:68[kΩ]{空芯コイル200mH、210V(Tr6300/210Vタップ)}
・構内の対地静電容量1C:0.5[μF]/相
[誘導性地絡](A相で地絡した場合)
構内対地間アドミタンスY0を演算するための各計測値は、以下のとおりである。
01:5.57[mA]∠178.18[deg]
02:21.55[mA]∠217.96[deg]
0S1:0.69[mA]∠36.12[deg]
0S2:1.77[mA]∠45.00[deg]
ωC0S:2×π×60×3×0.607×10-6
=4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg](電源周波数:60Hz)
前述の各計測値を用いた構内対地間アドミタンスY0の演算は、以下のとおりである。
−Y0=(I02−I01)ωC0S/(I0S2−I0S1
=(21.55[mA]∠217.96[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S]∠90.0[deg]/(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])
=0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
構内対地間アドミタンスYを演算するための各計測値は、以下のとおりである。
0(=I02+Ig):32.01[mA]∠323.39[deg](I0は、I02にIgが加算された値で計測される。)
0S:1.45[mA]∠339.79[deg]
前述の計測値を用いた構内対地間アドミタンスYの演算は、以下のとおりである。
−Y=(I0−I01)ωC0S/(I0S−I0S1
=(32.01[mA]∠323.39[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]/(1.45[mA]∠339.79[deg]−1.77[mA]∠45.00[deg])
=1.121×10-3[S-1]∠168.75[deg]
この構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの演算は、以下のとおりである。
Yr=Y−Y0
=1.121×10-3[S-1]∠168.75[deg]−0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
=1.448×10-3[S-1]∠138.62[deg]
地絡電流Igの演算は、以下のとおりである。
Ig=Yr(I0S2−I0S1)/ωC0S
=1.448×10-3[S-1]∠138.62[deg]×(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])/4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]
=55.64[mA]∠322.09[deg]
ここで、各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCから得た位相を90°補正して得られた高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相は、電源電圧AC100Vの電圧位相から、次の位相差を持っていた。
A相:49.5[deg]
B相:289.5[deg]
C相:169.5[deg]
前述の各位相を基準にして位相検波した結果、各相地絡電流Iga,Igb,Igcは、以下のとおりである。
Iga=(2.52−j55.6)×10-3[A]
Igb=(46.9+j30.0)×10-3[A]
Igc=(−49.6+j25.6)×10-3[A]
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの実数部を使用して三乗和ΣIg3の演算は、以下のとおりである。
ΣIg3=Iga3+Igb3+Igc3
=2.523+46.93+(−49.4)3
=−17483.8
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3をその最大値n=0.75の逆数倍で補正することにより、三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/n=−23311.8が得られる。この三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nの立方根{(ΣIg3)/n}1/3を算出することにより、抵抗性地絡電流Igr=−28.56[mA]が得られる。このように、抵抗性地絡電流Igrがマイナス値となることから、地絡抵抗Rgの演算は不能となる。
Figure 0006328591
上表のように、誘導性地絡では、A相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrが−28.56mAで、その時の地絡抵抗Rgが計測不能という結果が得られた。また、B相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrが−43.89mAで、その時の地絡抵抗Rgが計測不能という結果が得られた。さらに、C相で地絡した場合、抵抗性地絡電流Igrおよび地絡抵抗Rgの両方が計測不能という結果が得られた。このようにして、誘導性地絡の場合には、抵抗性地絡電流Igrがマイナス値あるいは計測不能となるので、地絡抵抗Rgが計測されることはない。
以上では、誘導性地絡の人工地絡試験について説明したが、本出願人は、模擬電気室(一線地絡電流=7.89A)を用いて以下の試験条件で容量性地絡の人工地絡試験も行った。
・地絡抵抗Cg:0.2[μF](構内対地間インピーダンスZ0S=132.6[kΩ]、定格電圧6600V、0.2[μF])
・構内の対地静電容量1C:0.5[μF]/相
[容量性地絡](A相で地絡した場合)
構内対地間アドミタンスY0を演算するための各計測値は、以下のとおりである。
01:5.57[mA]∠178.18[deg]
02:21.55[mA]∠217.96[deg]
0S1:0.69[mA]∠36.12[deg]
0S2:1.77[mA]∠45.00[deg]
ωC0S:2×π×60×3×0.607×10-6
=4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg](電源周波数:60Hz)
前述の各計測値を用いた構内対地間アドミタンスY0の演算は、以下のとおりである。
−Y0=(I02−I01)ωC0S/(I0S2−I0S1
=(21.55[mA]∠217.96[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S]∠90.0[deg]/(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])
=0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
構内対地間アドミタンスYを演算するための各計測値は、以下のとおりである。
0(=I02+Ig):23.53[mA]∠146.80[deg](I0は、I02にIgが加算された値で計測される。)
0S=0.78[mA]∠87.78[deg]
前述の計測値を用いた構内対地間アドミタンスYの演算は、以下のとおりである。
−Y=(I0−I01)ωC0S/(I0S−I0S1
=(23.53[mA]∠146.80[deg]−5.57[mA]∠178.18[deg])×4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]/(0.78[mA]∠87.78[deg]−1.77[mA]∠45.00[deg])
=0.917×10-3[S-1]∠344.9[deg]
この構内対地間アドミタンスYの実数部Yrの演算は、以下のとおりである。
Yr=Y−Y0
=0.917×10-3[S-1]∠344.9[deg]−0.739×10-3[S-1]∠269.00[deg]
=1.021×10-3[S-1]∠29.05[deg]
地絡電流Igの演算は、以下のとおりである。
Ig=Yr(I0S2−I0S1)/ωC0S
=1.021×10-3[S-1]∠29.05[deg]×(1.77[mA]∠45.00[deg]−0.69[mA]∠36.12[deg])/4.574×10-3[S-1]∠90.0[deg]
=29.45[mA]∠140.1[deg]
ここで、各相ケーブル13a,13b,13cのシールド線14a,14b,14cに流れる零相電流I0SA,I0SB,I0SCから得た位相を90°補正して得られた高圧電路12の対地電圧Va,Vb,Vcの基準位相は、電源電圧AC100Vの電圧位相から、次の位相差を持っていた。
A相:49.5[deg]
B相:289.5[deg]
C相:169.5[deg]
前述の各位相を基準にして位相検波した結果、各相地絡電流Iga,Igb,Igcは、以下のとおりである。
Iga=(−0.29+j29.44)×10-3[A]
Igb=(−25.35−j14.98)×10-3[A]
Igc=(25.65−j14.47)×10-3[A]
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの実数部を使用して三乗和ΣIg3の演算は、以下のとおりである。
ΣIg3=Iga3+Igb3+Igc3
=(−0.29)3+(−25.35)3+25.653
=−5580.46
この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3をその最大値n=0.75の逆数倍で補正することにより、三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/n=−773.95が得られる。この三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nの立方根{(ΣIg3)/n}1/3を算出することにより、抵抗性地絡電流Igr=−9.18[mA]が得られる。このように、抵抗性地絡電流Igrがマイナス値となることから、地絡抵抗Rgの演算は不能となる。
Figure 0006328591
上表のように、容量性地絡では、A相で地絡した場合、地絡電流Igrが−9.18mAで、その時の地絡抵抗Rgが計測不能という結果が得られた。また、B相で地絡した場合、地絡電流Igrが−8.83mAで、その時の地絡抵抗Rgが計測不能という結果が得られた。さらに、C相で地絡した場合、地絡電流Igrが−15.3mAで、その時の地絡抵抗Rgが計測不能という結果が得られた。このようにして、容量性地絡の場合には、地絡電流Igrがマイナス値となるので、地絡抵抗Rgが計測されることはない。
次に、図12は、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の波形(図11参照)を極座標表示したものである。図12に示すように、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の値は、各相対地電圧Va,Vb、Vcの位相から若干でもずれると、急激に減少する傾向にある。つまり、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の波形では、各相対地電圧Va,Vb,Vcの位相近傍での曲率が大きな曲線をなす。
そこで、この各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3を監視レベル(例えば、20mAを1とする)で正規化し、その平方根を複数回演算することにより、位相検出角度φを広角度化することができる。このように、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3を監視レベルで正規化し、その平方根を複数回演算することにより、各相対地電圧Va,Vb,Vcからの位相ずれがあっても、その三乗和ΣIg3の値の減少を小さくすることができるので、抵抗性地絡電流Igrを正確に算出することができる。なお、位相検出角度φとは、各相での最大値の80%の値が各相となす角度を意味する。
つまり、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の波形では、図13および図14に示すように、各相対地電圧Va,Vb,Vcの位相近傍での曲率を小さくすることができる。正規化した三乗和ΣIg3の平方根を複数回演算すると、三乗和ΣIg3の波形では、各相対地電圧Va,Vb,Vcの位相近傍での曲線を平坦に近づけることができ、位相検出角度φを広角度化することができる。
例えば、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3を正規化すると、その位相検出角度φ(0.8値)が±12°となり、その平方根を3回繰り返すと、位相検出角度φは、1回目の平方根(ΣIg31/2で±16°、2回目の平方根(ΣIg31/4で±20°、3回目の平方根(ΣIg31/8で±24°となる。このように、平方根を3回繰り返すと、位相検出角度φを正規化の2倍に広角度化することができる。
なお、演算部30では、三乗和ΣIg3の最大値nを1.0にするため、三乗和ΣIg3にその最大値nの逆数倍(1/n)を乗算することにより、抵抗性地絡電流Igrを補正するようにしている。また、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3を正規化することにより、抵抗性地絡電流Igrの位相角度を補正するようにしている。なお、健全相と地絡相の境界は、地絡相の対地電圧位相を基準に±90°位相差で区別している。この位相境界には6°以下程度の位相余裕を設けてもよい。
このような手段以外に、図15および図16に示すように、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3をDCバイアスによりオフセットすることにより、抵抗性地絡電流Igrの補正および位相角度の補正を実現することが可能である。
図17は、一般的に普及している地絡継電器(GR/DGR)と、本出願人が先に提案した高圧絶縁監視装置(特開平11−271384号公報)と、本発明の実施形態における高圧絶縁監視装置25について、例えばA相が地絡した場合における各装置の監視感度を比較したものである。
同図に示すように、地絡継電器(GR/DGR)では、零相電流が100mA程度より大きな領域S1で監視可能であり、特開平11−271384号公報を開示された高圧絶縁監視装置では、零相電流が20mAより大きな領域S2で監視可能である。これに対して、本発明の実施形態における高圧絶縁監視装置25では、零相電流が20mA以下の領域S3で監視可能であることから、微小地絡を検出することができる。
以上で説明した実施形態では、各相地絡電流Iga,Igb,Igcの三乗和ΣIg3の真値(ΣIg3)/nの立方根{(ΣIg3)/n}1/3を算出することにより得られた抵抗性地絡電流Igrを用いて地絡抵抗Rgを算出するようにしている。これ以外に、演算部32で位相補正することにより得られた対地電圧Va,Vb,Vcを用いることも可能である。つまり、各相対地電圧Va,Vb,Vcを各相地絡電流Iga,Igb,Igcで除算することにより、各相地絡抵抗Rga(=Va/Iga),Rgb(=Vb/Igb),Rgc(=Vc/Igc)を算出し、この各相地絡抵抗Rga,Rgb,Rgcの三乗和の立方根を算出することにより、正確な地絡抵抗Rgを得ることもできる。
また、この高圧絶縁監視装置25では、対地電圧Va,Vb,Vcが得られることにより、接地形計器用変圧器(EVT)と同様に対地電圧Va,Vb,Vcの監視が可能になる。構内電気設備が正常に稼働している時は、対地電圧Va,Vb,Vcは平衡している(Va≒Vb≒Vc)。この対地電圧Va,Vb,Vcは、高圧電路12の絶縁劣化やその他の異常要因の発生により不平衡となる。従って、対地電圧Va,Vb,Vcを監視することにより、高圧電路12の異常を判定することができる。
ここで、各相の対地電圧Va(=Ea−V0),Vb(=Eb−V0),Vc(=Ec−V0)を演算部33でベクトル加算することにより零相電圧V0を算出することができる(Va+Vb+Vc=Ea+Eb+Ec−3V0、但し、Ea+Eb+Ec=0であることから、Va+Vb+Vc=−3V0)。この零相電圧V0を用いることにより、特別高圧の受電設備における非接地系電路の地絡監視を実現することができる。
また、この高圧絶縁監視装置25では、零相電圧V0および構内対地間アドミタンスY0Sを算出している。一方、電力ケーブル13のシールド線14に流れる零相電流I0Sをクランプ式変流器18により検出するようにしている。従って、計測値である零相電流I0Sと、演算値である零相電圧V0および構内対地間アドミタンスY0Sとが、Y0S・V0=I0Sの条件を満足すれば、電力ケーブル13のシールド線14が健全であると判定することができる。また、Y0S・V0=I0Sの条件を満足しない場合、電力ケーブル13のシールド線14の絶縁劣化が生じていると判定することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
12 (構内)高圧電路
13 電力ケーブル
14 電力ケーブルのシールド線
18 変流器(クランプ式変流器)
25 高圧絶縁監視装置
32 演算部

Claims (2)

  1. 非接地系電路での地絡事故の発生時、その非接地系電路に接続された構内高圧電路に設置された電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流を変流器で検出し、前記シールド線に流れる零相電流に基づいて前記構内高圧電路の対地電圧を算出する高圧絶縁監視方法であって、
    前記電力ケーブルはトリプレックス型電力ケーブルであり、前記電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、前記零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出することを特徴とする高圧絶縁監視方法。
  2. 非接地系電路での地絡事故の発生時、その非接地系電路に接続された構内高圧電路に設置された電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流を変流器で検出し、前記シールド線に流れる零相電流に基づいて前記構内高圧電路の対地電圧を算出する高圧絶縁監視装置であって、
    前記電力ケーブルはトリプレックス型電力ケーブルであり、前記電力ケーブルの各相ケーブルのシールド線に流れる零相電流の進み90°位相差を補正し、前記零相電流の進み90°位相差の補正により、構内高圧電路の対地電圧を算出する演算部を具備したことを特徴とする高圧絶縁監視装置。
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