以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従う燃焼装置の代表例として示される給湯装置10の概略構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、給湯装置10は、燃焼缶体6と、燃焼バーナ7と、点火トランス78と、送風ファン8と、入水管11と、熱交換器12と、出湯管16と、排煙筒30と、マイクロコンピュータ100とを含む。図1の構成例では、給湯装置10のうちの燃焼バーナ7およびマイクロコンピュータ100によって、本実施の形態による燃焼装置を構成することができる。
入水管11は、たとえば水道管と接続されて、水道水を被加熱媒体として熱交換器12に入力するように構成される。燃焼バーナ7の噴射ノズル70は、燃焼缶体6の上部に配設される。
燃焼バーナ7は、たとえば、液体燃料として石油(灯油)を噴霧する噴射ノズル70を有するガンタイプバーナによって構成される。燃焼バーナ7は、さらに、電磁開閉弁71と、電磁ポンプ72と、燃料供給管73と、リターン管74と、油温検出センサ75と、流量制御弁76とを有する。送風ファン8は、燃焼バーナ7に燃焼用空気を供給する。
噴射ノズル70から噴霧された燃料は、送風ファン8からの燃焼用空気と混合される。点火トランス78によって着火されることにより、噴射ノズル70からの燃料が燃焼されて火炎が生じる。燃焼バーナ7からの火炎によって生じる燃焼熱は、燃料缶体6内で熱交換器12へ与えられる。燃焼缶体6の燃焼ガスの流れ方向下流側には熱交換後の燃焼排ガスを排出処理するための排煙筒30が開口されている。
熱交換器12は、燃焼バーナ7からの燃焼熱によって、熱交換器12内を通流する入水管11からの水道水を加熱する。熱交換器12によって加熱された湯は、出湯管16を経由してカラン15等から出湯される。
入水管11には、入水温度を検出するための温度センサ17と、通水流量を検出する流量センサ18が設けられる。出湯管16には、出湯温を検出するための温度センサ19が設けられている。
マイクロコンピュータ100は、ユーザ操作に応じて、給湯装置10の動作を制御する。たとえば、ユーザ操作は、給湯運転のオンオフ指示や、給湯の設定温度を含む。代表的な機能として、マイクロコンピュータ100は、出湯温度Thが設定温度Trに従って制御されるように、燃焼バーナ7への制御指令を生成する。制御指令に従って燃焼バーナ7による燃焼熱が制御されることにより、給湯装置10における出湯温度Thが制御される。
図2は、燃焼バーナ7の構成を詳細に説明するためのブロック図である。
図2を参照して、燃料供給管73は、図示しない燃料タンクから噴射ノズル70へ液体燃料(以下、単に燃料とも称する)を導く。燃料供給管73には、電磁開閉弁71および電磁ポンプ72が介装される。
電磁開閉弁71は、図示しない燃料タンクから燃料供給管73への燃料供給をオンオフするために、マイクロコンピュータ100からの制御指令Soに応じて開閉する。電磁ポンプ72は、電源供給を受けると作動して、開状態の電磁開閉弁71を経由して供給された燃料を昇圧する。電磁ポンプ72によって昇圧された燃料は、噴射ノズル70から霧状に噴射される。後述するように、電磁ポンプ72に対する電力供給は、マイクロコンピュータ100によって制御される。
リターン管74は、燃料供給管73により供給された液体燃料の一部を、燃料供給管73に戻すように配設される。図2の例では、リターン管74は、電磁開閉弁71よりも下流側であって、電磁ポンプ72よりも上流側に燃料を戻すように構成される。
リターン管74には、リターン油の油温を検出する油温検出センサ75と、リターン油の流量を制御するための流量制御弁76と、リターン油の逆流を防止するための逆止弁77とが介装されている。
流量制御弁76の弁開度は、マイクロコンピュータ100からの制御指令Svに応じて調整される。電磁ポンプ72が作動する下で流量制御弁76によってリターン油の流量が調整されることにより、噴射ノズル70から噴霧される燃料量(以下、単に「燃料量」とも称する)が制御される。基本的には、燃焼バーナ7による燃焼量は、燃料量に比例する。したがって、流量制御弁76の弁開度を制御することによって、燃焼バーナ7による燃焼量を制御できる。
噴射ノズル70による燃料噴霧口の周囲には、バーナコーン80が配設される。バーナコーン80には、送風ファン8から供給された燃焼用空気を導入するための孔(図示せず)が複数設けられている。導入された空気と噴霧後に蒸発した燃料との混合気が燃焼されることにより、各孔に火炎が形成される。
次に、図3を用いて、燃焼バーナ7の主要機器に対する電源供給の制御構成を説明する。
図3を参照して、交流電源105は、電力線PLおよび電力線NLと接続されて、交流電圧Vacを供給する。電力線CLは、点火トランス78および電磁ポンプ72と共通に接続される。コモンリレー120は、電力線PLおよび電力線CLの間に電気的に接続される。
リレー130は、電力線CLおよび電力線NLの間に、電磁ポンプ72と直列に接続される。さらに、電磁ポンプ72に対しては、ダイオードD0が直列に接続されている。リレー140は、電力線CLおよび電力線NLの間に、点火トランス78と直接に接続される。
コモンリレー120は、電力線CL、すなわち、電磁ポンプ72および点火トランス78に対する電源供給を共通に制御する。一方で、リレー130および140は、電磁ポンプ72および点火トランス78のそれぞれに対する電源供給を独立に制御する。以下では、リレー130をEPリレー130とも称する。また、リレー140をITリレー140とも称する。
コモンリレー120のオンオフは、マイクロコンピュータ100からの制御信号Pcrに応じて、励磁回路200によって制御される。EPリレー130のオンオフは、マイクロコンピュータ100からの制御信号Seprに応じて、励磁回路300によって制御される。同様に、リレー140のオンオフは、マイクロコンピュータ100からの制御信号Sitに応じて、励磁回路350によって制御される。
このように、電磁ポンプ72は、交流電源105に対して、コモンリレー120およびEPリレー130と直列に接続される。したがって、コモンリレー120がオンされた状態で、EPリレー130をオンすることによって、電磁ポンプ72に電源が供給される。これにより、電磁ポンプ72が作動して燃料を圧送することによって、燃料供給が実行される。電磁ポンプ72は、特許文献2と同様に、交流電圧VacをダイオードD0によって半波整流した直流電圧を電源として作動する。
同様に、コモンリレー120がオンされた状態で、ITリレー140をオンすることによって、点火トランス78に電源が供給される。これにより、点火トランス78は、マイクロコンピュータ100からの指令に応じて、燃料に着火するための火花を発生することが可能な状態となる。
マイクロコンピュータ100は、給湯装置10の動作制御の一環として、電磁ポンプ72および点火トランス78の作動期間を制御するとともに、当該作動期間に対応して電磁ポンプ72および点火トランス78に対する電源供給を制御する。すなわち、電磁ポンプ72および点火トランス78の少なくとも一方の作動期間においてコモンリレー120をオンし、電磁ポンプ72の作動期間においてEPリレー130をオンし、点火トランス78の作動期間においてITリレー140をオンするように、マイクロコンピュータ100は、制御信号Pcr,Sepr,Sitを生成する。
なお、実施の形態1において、電磁ポンプ72は、燃料供給のための「第1の機器」の一実施例に対応し、コモンリレー120は「第1の開閉器」の一実施例に対応し、励磁回路200は「第1の励磁回路」に対応する。また、制御信号Pcrは「第1の制御信号」に対応する。
図4は、コモンリレー120の励磁回路の構成の比較例を示す回路図である。
図4を参照して、比較例に従う励磁回路200♯は、電源配線101および接地配線102の間に直列に接続された、励磁コイル210、制限抵抗211および制御トランジスタ220を有する。n型トランジスタで構成された制御トランジスタ220がオン状態になると、電源配線101から接地配線102に至る電流経路が形成されるため、励磁コイル210は通電される。励磁コイル210の通電時において、図3に示したコモンリレー120は、接点間が電気的に接続されてオンする。一方で、励磁コイル210の非通電時には、コモンリレー120はオフされる。たとえば、コモンリレー120は、励磁コイル210の通電によって生じる電磁力によって接点間が電気的に接続されるように構成される。
マイクロコンピュータ100は、コモンリレー120をオンすべき期間には、論理ローレベル(以下、単に「Lレベル」とも称する)および論理ハイレベル(以下、単に「Hレベル」とも称する)を交互に繰返すパルス信号を、制御信号Pcrとして出力する。一方で、マイクロコンピュータ100は、コモンリレー120をオフすべき期間には、パルス信号(制御信号Pcr)を発生しない。
励磁回路200♯は、微分回路205を有する。微分回路205は、制御信号Pcrが伝達されるノードおよびノードN1の間に直列に接続された抵抗素子R0およびキャパシタC0を有する。さらに、微分回路205は、ダイオードD1およびD2を有する。ダイオードD1は、ノードN1およびノードN2の間に、ノードN1からノードN2に向かう方向を順方向として接続される。ダイオードD2は、接地配線102およびノードN1の間に、接地配線102からノードN1へ向かう方向を順方向として接続される。
励磁回路200♯は、さらに、抵抗素子R1,R2と、キャパシタC1とを有する。キャパシタC1は、ノードN2および接地配線102の間に電気的に接続される。抵抗素子R1は、ノードN2と制御トランジスタ220の制御電極(ゲート)との間に電気的に接続され、抵抗素子R2は、接地配線102および制御トランジスタ220のゲートの間に電気的に接続される。
抵抗素子R1,R2は、キャパシタC1によって保持された電荷を接地配線102へ放電することによって、ノードN2の電圧(制御電圧Vcn)を低下させる。制御トランジスタ220のゲート電圧Vgは、制御電圧Vcnを抵抗素子R1,R2によって分圧した電圧となる。制御トランジスタ220は、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vthよりも高いとオン状態となる一方で、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vthよりも低いとオフ状態となる。
図5は、図4に示された比較例の励磁回路の正常動作時の波形図である。
図5を参照して、制御信号Pcrは、マイクロコンピュータ100からパルス信号として出力される。微分回路205によって、制御信号PcrがLレベルからHレベルに変化する毎に、ノードN2の電圧(制御電圧Vcn)が、Hレベル電圧に従って上昇する。一方で、それ以外の期間では、制御電圧Vcnは、上記のRC時定数に従って徐々に低下する。この結果、制御電圧Vcnは、図5に示すように、のこぎり波状に周期的に変化する。制御トランジスタ220のゲート電圧Vgは、制御電圧Vcnに従って変化する。
パルス信号(Pcr)の入力時にVg>Vthが維持されることにより、マイクロコンピュータ100が制御信号Pcrとしてパルス信号を出力する期間に対応させて、制御トランジスタ220をオン状態に維持することができる。
再び図4を参照して、制御信号PcrがHレベルまたはLレベルに固定される場合には、微分回路205中のキャパシタC0によって直流分がカットされるため、制御信号PcrがHレベルまたはLレベルに維持される期間を通じて、制御電圧Vcnおよびゲート電圧Vgは、抵抗素子R1,R2により接地電圧GNDへ向けて低下し続ける。これにより、制御トランジスタ220がオフされるので、励磁コイル210は非通電とされてコモンリレー120はオフされる。
図6は、励磁回路200♯に異常が生じた場合の動作波形図である。図6には、励磁回路200♯において、微分回路205の故障(たとえば、ダイオードD1の短絡故障)により、パルス信号がノードN2にそのまま伝達される異常が発生した場合の動作が示される。
図6を参照して、ノードN2にパルス信号(制御信号Pcr)が伝達されると、ゲート電圧Vgも、ノードN2に伝達されたパルス信号を分圧したパルス状の電圧となる。この結果、制御トランジスタ220は、パルス信号の周波数に従ってオンオフを繰り返す。これにより、コモンリレー120は、オンオフを高速に繰り返す、チャタリング状態となる。
すなわち、図4に示した励磁回路200♯は、パルス信号(Pcr)の入力期間にのみ、コモンリレー120をオンするように作動できる一方で、微分回路205に異常が発生すると、パルス信号(Pcr)の入力に応じてコモンリレー120にチャタリング状態が発生するため、リレー故障の誘発が懸念される。
したがって、本実施の形態では、このようなチャタリング状態の発生を防止可能な励磁回路の構成を説明する。
図7は、実施の形態1に従うコモンリレー120の励磁回路200の構成を説明する回路図である。
図7を図4と比較して、実施の形態1に従う励磁回路200は、比較例に従う励磁回路200♯(図4)と比較して、ゲート電圧Vgを保持するためのキャパシタC2をさらに有する。キャパシタC2は、制御トランジスタ220の制御電極(ゲート)と接地配線102との間に接続される。微分回路205、抵抗素子R1,R2およびキャパシタC1の配置については、励磁回路200♯と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図7の構成において、ノードN2は「制御ノード」に対応し、励磁コイル210は「第1の励磁コイル」に対応する。さらに、キャパシタC1は「第1のキャパシタ」に対応し、キャパシタC2は「第2のキャパシタ」に対応し、抵抗素子R1は「第1の抵抗素子」に対応し、抵抗素子R2は「第2の抵抗素子」に対応する。
励磁回路200では、ノードN2の電圧(制御電圧Vcn)が低下する速度は、励磁回路200♯と同様に、キャパシタC1および抵抗素子R1,R2によるRC時定数によって決まる。一方で、制御トランジスタ220のゲート電圧Vgが低下する速度は、キャパシタC2および抵抗素子R2によるRC時定数によって決まるので、励磁回路200♯よりも遅くなる。
微分回路205の正常動作時には、励磁回路200は、励磁回路200♯による図5の動作波形図とほぼ同等に動作する。厳密には、ゲート電圧Vgの上昇時(パルス信号のHレベル時)および低下時(パルス信号のLレベル時)における電圧変化速度が図5よりも低下するが、図5と同様に安定的にVg>Vthとすることについては、特に支障はない。このため、励磁回路200についても、マイクロコンピュータ100からのパルス信号(制御信号Pcr)の出力に応じて、励磁コイル210に通電することによってコモンリレー120をオンすることができる。さらに、マイクロコンピュータ100の異常によって、制御信号Pcrがアクティブレベル(Hレベル)に固定される異常が生じた場合にも、コモンリレー120が誤ってオンされることがない。
図8には、励磁回路200に図6と同様の微分回路205の異常が発生したときの動作波形図が示される。すなわち、ノードN2に、パルス信号(制御信号Pcr)が伝達されたときのゲート電圧Vgの推移が示されている。
図8を図6と比較して、励磁回路200では、キャパシタC2の配置により、パルス信号に応じたゲート電圧Vgの上昇速度および低下速度が抑制される。したがって、ゲート電圧Vgの低下、特に、Vgの最低電圧Vgminの低下が抑制できる。
Vgminは、RCの回路定数によって決まる放電速度に加えて、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数およびデューティにも依存する。したがって、さらに、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数を適切にすることによって、Vgmin>Vthとできる。
図9には、図8の動作波形図と同等の条件下でパルス信号の周波数を上昇したときの励磁回路200の動作波形が示される。
図9を参照して、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数を上昇することによって、Vgの最低電圧Vgminを、制御トランジスタ220のしきい値電圧Vthよりも高くすることができる。これにより、励磁回路200は、微分回路205の故障時にも、パルス信号の入力に応じてチャタリングを発生させることなく、コモンリレー120をオンすることができる。
このように、本実施の形態1に従う燃焼装置では、交流電源105に対して電磁ポンプ72と直列に接続されたリレー(コモンリレー)をパルス信号の有無に応じて開閉駆動(励磁回路200)することによって、マイクロコンピュータ100に異常が発生した場合にも、電磁ポンプ72への電源供給の遮断により燃料供給を確実に停止できるシステム構成を実現することができる。特に、励磁回路200にキャパシタC2を設けるとともに、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数またはデューティの適正化(たとえば、図9相当の周波数)によって、励磁回路200内に故障(微分回路205の故障)が生じた場合であっても、マイクロコンピュータ100からのパルス信号の出力時に、チャタリングを発生することなく安定的にリレーをオンすることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数を、図9相当の高周波数に固定することによって、微分回路205が故障してもチャタリングが回避される。しかしながら、パルス信号の周波数を常時高くすることは、マイクロコンピュータ100の負荷や、回路素子での熱損失(たとえば、キャパシタ)の面で問題が生じることが懸念される。
図10は、実施の形態2に従う励磁回路201の構成を示す回路図である。実施の形態2において、燃焼装置を含む給湯装置の構成は、励磁回路の構成を除いて、実施の形態1と同様である。
図10を参照して、実施の形態2に従う励磁回路201は、実施の形態1に従う励磁回路200と比較して、電圧監視回路222をさらに有する点で異なる。励磁回路201のその他の構成は、実施の形態1に従う励磁回路200と同様であるので説明は繰り返さない。
電圧監視回路222は、制御トランジスタ220および制限抵抗211の接続ノードの電圧Vdをマイクロコンピュータ100へ出力する。電圧Vdは、制御トランジスタ220のオン時とオフ時で異なる電圧となる。したがって、マイクロコンピュータ100では、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数を考慮したサンプリング周期で、電圧監視回路222からの電圧Vdを監視することによって、制御トランジスタ220がオンオフを繰り返している状態、すなわち、チャタリング状態であるか否かを判定することができる。電圧監視回路222は、制御トランジスタ220のオンオフ状態を検知するための「検知回路」の一実施例に対応する。
図11は、実施の形態2に従う燃焼装置におけるパルス信号の制御を説明するためのフローチャートである。図11に示されたフローチャートに従う制御処理は、マイクロコンピュータ100がバルス信号を制御信号Pcrとして出力している期間(すなわち、コモンリレー120をオンすべき期間)において、繰り返し実行される。
図11を参照して、マイクロコンピュータ100は、ステップS100により、電圧監視回路222からの電圧Vdを一定期間監視する。そして、マイクロコンピュータ100は、ステップS110により、一定期間監視したVdに基づいて、制御トランジスタ220がオンオフを繰り返す状態(チャタリング状態)が発生しているか否かを判定する。
チャタリング状態の非発生時(S110のNO判定時)、すなわち、制御トランジスタ220がオン状態を維持している場合には、マイクロコンピュータ100は、ステップS120に処理を進めて、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数fepを基本周波数f1に設定する。
図12は、パルス信号周波数が基本周波数のときの励磁回路の動作を説明する動作波形図である。
図12には、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数fepがf1(基本周波数)のときのゲート電圧Vgについて、微分回路205に故障が発生していない正常動作時の電圧波形が点線で示される一方で、微分回路205の故障によりパルス信号がノードN2に伝達されたときの電圧波形が実線で示されている。
図12を参照して、パルス信号(制御信号Pcr)のLレベルからHレベルへの変化のみに応じてノードN2の電圧(制御電圧Vcn)が上昇する正常動作時には、パルス信号周波数が低くても(fep=f1)、Vg>Vthの状態が安定的に維持できる。したがって、チャタリングの非発生時には、パルス信号周波数をf1に抑制できる。
一方で、微分回路205の故障によりパルス信号がノードN2に伝達された場合には、キャパシタC2の配置によってゲート電圧Vgの低下は抑制されているものの、パルス信号周波数が低いとき(fep=f1)には、一時的にVg<Vthとなる期間が繰り返し出現する。これにより、制御トランジスタ220がオンオフを繰り返すことにより、チャタリングが発生する。このとき、図10の電圧監視回路222の出力も、制御トランジスタ220のオンオフに対応して変動するので、上述のように、マイクロコンピュータ100は、チャタリングの発生を検出することができる。
再び図11を参照して、マイクロコンピュータ100は、チャタリング状態の発生時(S110のYES判定時)には、ステップS130に処理を進めて、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数fepを基本周波数f1よりも高いf2へ上昇させる。すなわち、f1は「第1の周波数」に対応し、f2は「第2の周波数」に対応する。
図13は、パルス信号周波数の上昇時における励磁回路の動作を説明する動作波形図である。
図13を参照して、周波数f2は、実施の形態1で説明したのと同様に、微分回路205の故障によりパルス信号がノードN2に伝達されたときにも、Vg>Vthの状態が維持されるように決められる。すなわち、周波数f2は、図9の場合におけるパルス信号周波数と同等に設定される。
これにより、微分回路205の故障によってチャタリングが発生した場合には、パルス信号(制御信号Pcr)の周波数を上昇することによって、制御トランジスタ220を安定的にオン状態に維持することができる。
このように、実施の形態2に従う燃焼装置によれば、パルス信号の有無に応じて開閉駆動されるリレーの励磁回路に異常が発生したときに限定して、チャタリング回避のためにパルス信号の周波数を上昇させる。すなわち、通常時(チャタリング非発生時)には、パルス信号の周波数を抑制できるので、実施の形態1のように、パルス信号周波数を常時高める構成と比較して、マイクロコンピュータ100の負荷および回路素子の熱損失が無用に増大することを回避できる。
なお、実施の形態2では、チャタリングの発生が検出されて、パルス信号周波数が上昇された場合には、ガイダンスによって故障発生の旨を通知するとともに、以降では、パルス信号周波数についてはfep=f2に固定することが好ましい。
また、実施の形態1および2では、コモンリレー120をパルス信号の有無に応じて開閉駆動する構成を例示したが、EPリレー130をパルス信号の有無に応じて開閉駆動する構成とすることも可能である。この場合にも、EPリレー130のオフによって、電磁ポンプ72への電源供給の遮断により燃料供給を確実に停止できるので、同様の効果を享受することができる。すなわち、実施の形態1および2では、コモンリレー120およびEPリレー130の各々が「第1の開閉器」に対応し得る。
[実施の形態3]
実施の形態3では、電磁ポンプ72に対して直列に接続される複数のリレーの制御について説明する。
図14は、実施の形態3に従う燃焼バーナの主要機器に対する電源供給の制御構成を説明するためのブロック図である。
図14を参照して、実施の形態3に従う構成では、図3に示した構成と比較して、入力電圧監視回路150がさらに設けられている。なお、コモンリレー120は、実施の形態1または2に従う励磁回路200または201によって駆動される。
実施の形態3に従う燃焼装置では、EPリレー130の開閉は、特許文献2と同様に、交流電圧の位相に応じて制御される。すなわち、実施の形態3では、コモンリレー120は「第1の開閉器」に対応し、EPリレー130は「第2の開閉器」に対応する。
図15には、EPリレー130の励磁回路300の回路構成例が示される。
図15を参照して、励磁回路300は、電源配線101および接地配線102の間に直列に接続された、励磁コイル310、制限抵抗311および、トランジスタ320を有する。トランジスタ320は、npnトランジスタによって構成される。トランジスタ320の制御電極(ベース)には、抵抗素子R3を経由して、マイクロコンピュータ100からの制御信号Seprが入力される。制御信号Seprは、電磁ポンプ72の停止期間にLレベルに設定される一方で、電磁ポンプ72の作動期間にHレベルに設定される、ハイアクティブの制御信号である。
制御信号SeprがHレベルに設定されると、トランジスタ320のオンに応じて、励磁コイル310が通電される。これにより、EPリレー130がオンされる。一方で、制御信号SeprがLレベルに設定されると、トランジスタ320がオフされることにより、励磁コイル310は非通電となる。これにより、EPリレー130がオフされる。すなわち、励磁コイル300は「第2の励磁回路」に対応し、励磁コイル310は「第2の励磁コイル」に対応し、制御信号Seprは「第2の制御信号」に対応する。
なお、図示は省略するが、ITリレー140の励磁回路350についても、励磁回路300と同様の構成とすることが可能である。すなわち、ハイアクティブの制御信号Sitに応じて、ITリレー140のオンオフを制御することが可能である。EPリレー130およびITリレー140についても、コモンリレー120と同様に、対応の励磁コイルの通電によって生じる電磁力によって接点間が電気的に接続されるように構成することができる。
EPリレー130は、コモンリレー120がオンされた状態で、ターンオンまたはターンオフされる。しかしながら、電流が流れている状態でEPリレー130をターンオフすると、あるいは、電圧がゼロでない状態でEPリレー130をターンオンすると、火花の発生によってリレー溶着が発生する虞がある。
したがって、実施の形態3では、特許文献2と同様に、EPリレー130のターンオンタイミングおよびターンオフタイミングのうち、少なくともターンオフタイミングについては、電圧および電流がゼロの期間に設けられるように、交流電圧Vacの位相に応じて制御される。なお、好ましくは、以下に例示するように、ターンオンタイミングおよびターンオフタイミングの両方とも、電圧および電流がゼロの期間に設けられる。
図16は、交流電圧位相を検出するための入力電圧監視回路150の構成例を説明する回路図である。
図16を参照して、入力電圧監視回路150は、ダイオードD3aと、抵抗素子R4a〜R7aと、キャパシタC5aと、フォトカプラ152とを有する。フォトカプラ152は、フォトダイオードPD1およびフォトトランジスタPT1を有する。フォトトランジスタPT1は、フォトダイオードPD1の通電期間にオンする一方で、非通電期間にオフする。
ダイオードD3a、抵抗素子R4aおよび、キャパシタC5aは、電力線PLおよび電力線NLの間に直列に接続される。抵抗素子R5aおよびフォトダイオードPD1は、キャパシタC5aと並列に接続される。フォトトランジスタPT1は、抵抗素子R6aと直列に、電源配線101および接地配線102の間に接続される。抵抗素子R7aは、抵抗素子R6aと直列に、電源配線101と検出信号Szcを出力する出力ノードNsとの間に接続される。
図17は、入力電圧監視回路150の動作およびEPリレーの開閉タイミングを説明するための波形図である。
図17を参照して、交流電源105の出力電圧Vacは、一定周波数で、正電圧期間(Vac>0)および負電圧期間(Vac<0)を交互に繰り返す正弦波状の電圧である。
図16に示された入力電圧監視回路150において、負電圧期間(Vac<0)には、ダイオードD3aが非導通となるので、フォトダイオードPD1も非通電状態となる。これにより、フォトトランジスタPT1がオフするので、出力ノードNsは、抵抗素子R6a,R7aを経由して電源配線101と接続される。これにより、出力ノードNsの電圧は電源電圧Vcとなる。
一方で、正電圧期間(Vac>0)には、ダイオードD3aが導通するのに応じて、フォトダイオードPD1が導通する。これにより、フォトトランジスタPT1がオンするので、出力ノードNsは、フォトトランジスタPT1および抵抗素子R7aを経由して接地配線102と接続される。これにより、出力ノードNsの電圧は、負電圧期間よりも低下する。
この結果、図17に示されるように、入力電圧監視回路150の出力ノードNsに生成される検出信号Szcは、交流電圧Vacの正電圧期間および負電圧期間に応じてLレベルおよびHレベルに設定される、パルス信号となる。入力電圧監視回路150がパルス信号(検出信号Szc)を出力しているか否かの監視により、交流電源105から交流電圧が正常に出力されているか否かを監視することができる。
さらに、図17から理解されるように、検出信号SzcのLレベルからHレベルへの遷移タイミングおよびHレベルからLレベルへの遷移タイミングは、交流電圧Vacのゼロクロス点と対応している。
電磁ポンプ72は誘導性負荷であるため、電磁ポンプ72を流れる電流Iepは、交流電圧Vacに対して位相が遅れる。この位相遅れ時間Tdlは、実機実験等によって予め求めることができる。
したがって、検出信号SzcがLレベルからHレベルに変化する時刻t0から位相遅れ時間Tdlが経過した時刻t1から、次に検出信号SzcがHレベルからLレベルに変化する時刻t2までの間にEPリレー130をターンオンおよびターンオフすれば、EPリレー130を電圧および電流がゼロの状態で開閉することができる。なお、時刻t0〜t2の間の経過時間は、交流電圧Vacの半周期に相当する所定時間である。
したがって、マイクロコンピュータ100は、EPリレー130をターンオフする場合には、検出信号SzcがLレベルからHレベルに変化するタイミング(時刻t0)から、所定時間Txが経過した時刻t3において、制御信号SeprをHレベルからLレベルに変化させる。なお、所定時間Txは、位相遅れ時間Tdlと、制御信号Seprの設定からEPリレー130が実際に開閉されるまでの所要時間とを考慮して、予め定めることが可能である。
同様に、EPリレー130をターンオンする場合にも、マイクロコンピュータ100は、同様の期間内(時刻t1〜t2)において、制御信号SeprをLレベルからHレベルに変化させればよい。
図18は、マイクロコンピュータ100によるコモンリレー120およびEPリレー130の開閉を制御するための機能ブロック図である。図18中の各機能ブロックは、マイクロコンピュータ100によるソフトウェア処理(プログラム実行)および/またはハードウェア処理(電子回路の動作)によって実現される。
図18を参照して、マイクロコンピュータ100は、パルス生成部110およびタイミング制御部115を有する。
パルス生成部110は、電磁ポンプ72の作動および停止を指示する制御信号Ponと、点火トランス78の作動および停止を指示する制御信号Tonとに応じて、制御信号Pcrを生成する。たとえば、制御信号Ponおよび制御信号Tonは、電磁ポンプ72および点火トランス78のそれぞれの作動期間にHレベルに設定される一方で、停止期間にLレベルに設定される。
パルス生成部110は、制御信号Ponおよび制御信号Tonの少なくとも一方がHレベルに設定されると、パルス信号を制御信号Pcrとして出力する。一方で、パルス生成部110は、制御信号Ponおよび制御信号Tonの両方がLレベルのときには、パルス信号の出力を非実行とする。
タイミング制御部115は、制御信号Ponおよび検出信号Szcに応じて、ハイアクティブの制御信号Seprを出力する。タイミング制御部115は、制御信号PonがLレベルからHレベルに変化するのに応じて、EPリレー130をターンオンするために制御信号SeprをLレベルからHレベルに変化させる。上述のように、制御信号Seprの変化タイミングは、検出信号SzcがLレベルからHレベルへ変化するタイミング(図8の時刻t0)から所定時間Txが経過したタイミング(時刻t3)となるように制御される。
一方で、タイミング制御部115は、制御信号PonがHレベルからLレベルに変化するのに応じて、EPリレー130をターンオフするために制御信号SeprをHレベルからLレベルに変化させる。この際にも、制御信号Seprの変化タイミングは、EPリレー130をターンオンする場合と同様に、電圧および電流がゼロの期間内となるように制御される。
これにより、マイクロコンピュータ100は、コモンリレー120をオンすべき期間に対応してパルス信号を制御信号Pcrとして出力するとともに、コモンリレー120のオフ期間にはパルス信号の出力を停止することができる。
また、EPリレー130をオンすべき期間に対応して制御信号SeprをHレベルに設定する一方で、EPリレー130をオフすべき期間には制御信号SeprをLレベルに設定することができる。
なお、図15の励磁回路300では、制御信号Seprが抵抗素子R3を経由して、トランジスタ320の制御電極(ベース)に直接入力される。これに対して、図7の励磁回路200では、制御トランジスタ220の制御電極(ゲート)の電圧は、微分回路205、抵抗素子R1,R2およびキャパシタC1,C2を経由して、制御信号Pcr(パルス信号)の入力に対して間接的に制御される。したがって、マイクロコンピュータ100からの制御信号によってリレーの実際の開閉タイミングを精度良く制御するためには、励磁回路300を用いたハイアクティブの制御信号によるリレーの開閉制御の方が有利であることが理解される。
一方で、パルス信号を制御信号とする励磁回路200によるリレーの開閉制御では、当該制御信号がアクティブレベル(たとえば、Hレベル)に固定される異常が発生した場合にも、確実にリレーをオフできるため安全性の面で有利である。
このように、実施の形態3に従う燃焼装置によれば、燃料供給のための電磁ポンプ72に対して直列に接続されるコモンリレー120およびEPリレー130のうちの、コモンリレー120を、実施の形態1,2で説明したように、パルス信号の発生時にオンすることができる。
さらに、EPリレー130については、ハイアクティブの制御信号(Sepr)に応じて、電圧および電流がゼロの期間に開閉することが可能である。これにより、EPリレー130が溶着の発生によって固定的にオン状態となることを防止できる。EPリレー130の溶着防止を通じて、異常時における電磁ポンプ72による燃料供給の停止をさらに確実化することができる。
したがって、実施の形態3に従う燃焼装置によれば、燃料供給に関連する電磁ポンプ72に対して直列に接続されたコモンリレー120およびEPリレー130の開閉制御について、パルス信号に応じた開閉駆動(励磁回路200)とハイアクティブの制御信号に応じた開閉タイミング制御を伴う開閉制御(励磁回路300)との組み合わせによって、リレー溶着の発生を防止した上で、マイクロコンピュータ100に異常が発生した場合にも、電磁ポンプ72への電源供給の遮断により燃料供給を確実に停止できるシステム構成を実現することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4では、コモンリレー120の励磁回路の構成の変形例を説明する。
図19は、実施の形態2に従うコモンリレー120の励磁回路202の構成を説明する回路図である。
図19を参照して、実施の形態4に従う燃焼装置では、励磁回路202は、実施の形態1に従う構成と比較して、遮断トランジスタ225と、制御回路240と、遮断回路250とをさらに有する。
遮断トランジスタ225は、電源配線101および接地配線102の間に、励磁コイル210および制御トランジスタ220と直列に接続される。したがって、遮断トランジスタ225をオフすることにより、制御トランジスタ220がオンしていても、励磁コイル210への通電を強制的に遮断することができる。たとえば、遮断トランジスタ225は、pnpトランジスタにより構成される。
制御トランジスタ220のオンオフを制御する制御回路230は、図4に示された、微分回路205、抵抗素子R1,R2およびキャパシタC1,C2による、励磁回路200の構成と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
制御回路240は、マイクロコンピュータ100からの制御信号Scrに応じて、遮断トランジスタ225のオンオフを制御する。制御回路240は、抵抗素子R7〜R9と、トランジスタQ1とを有する。トランジスタQ1は、たとえば、npnトランジスタによって構成される。
トランジスタQ1は、遮断トランジスタ225の制御電極(ベース)と接地配線102との間に、抵抗素子R11と直列に接続される。抵抗素子R10は、遮断トランジスタ225のベースと電源配線101との間に接続される。抵抗素子R7およびR8は、制御信号Scrが入力されるノードと、トランジスタQ1のベースとの間にノードN3を挟んで直列に接続される。抵抗素子R9は、トランジスタQ1のベースと接地配線102との間に接続される。
遮断回路250は、マイクロコンピュータ100からのパルス信号Pwdを受ける。遮断回路250は、トランジスタQ2〜Q4と、抵抗素子R12〜R20と、キャパシタC3,C4と、信号バッファ252とを有する。トランジスタQ2〜Q4の各々は、たとえば、npnトランジスタによって構成される。
パルス信号Pwdは、直列接続された抵抗素子R12,R13およびキャパシタC3を経由して、トランジスタQ2の制御電極(ベース)に入力される。トランジスタQ2のベースは、抵抗素子R14によって接地電圧GNDにプルダウンされている。トランジスタQ2は、ノードN4を挟んで、電源配線101および接地配線102の間に抵抗素子R15と直列に接続されている。
さらに、ノードN4および接地配線102の間には、抵抗素子R16およびキャパシタC4が直列に接続される。信号バッファ252は、キャパシタC4に保持される電圧に、応じて、Hレベル(電圧Vc)またはLレベル(接地電圧GND)の信号を出力する。
信号バッファ252の出力は、抵抗素子R17を経由して、トランジスタQ3の制御電極(ベース)に伝達される。同様に、信号バッファ252の出力は、抵抗素子R19を経由して、トランジスタQ4の制御電極(ベース)に伝達される。
トランジスタQ3は、制御回路240のノードN3と接地配線102との間に接続される。同様に、トランジスタQ4は、制御回路230のノードN2と接地配線102との間に接続される。トランジスタQ3,Q4の各々は、npnトランジスタによって構成され、制御電極(ベース)がHレベルとなったときにオンする。トランジスタQ3およびQ4のベースは、抵抗素子R18およびR20をそれぞれ経由して接地配線102と接続される。
図20は、実施の形態4に従う燃料装置におけるコモンリレーおよびEPリレーの開閉制御を説明する機能ブロック図である。
図20を参照して、マイクロコンピュータ100は、実施の形態4に従う構成では、図18に示されたパルス生成部110およびタイミング制御部115に加えて、パルス生成部112および制御信号生成部135をさらに含む。
パルス生成部110およびタイミング制御部115は、実施の形態3と同様に動作する。これにより、電磁ポンプ72の作動期間に対応させて、パルス信号で構成される制御信号Pcrおよびハイアクティブの制御信号Seprが生成される。
一方で、パルス生成部112は、マイクロコンピュータ100の正常作動時において、パルス信号Pwdを継続的に発生する。たとえば、マイクロコンピュータ100の正常作動時に継続的に出力されるウォッチドッグパルスによって、パルス信号Pwdを構成することができる。このように、パルス生成部112は、パルス生成部110とは独立に、パルス信号Pwdを生成している。
制御信号生成部135は、制御信号Ponおよび制御信号Tonに応じて、コモンリレー120の作動期間においてHレベルに設定されるハイアクティブの制御信号Scrを出力する。したがって、制御信号Scrは、パルス生成部110がパルス信号(制御信号Pcr)を出力する期間において、Hレベルに設定される。
再び、図19を参照して、制御回路240では、制御信号ScrがHレベルに設定されてノードN3の電圧がHレベルになると、トランジスタQ1のオンにより、遮断トランジスタ225のベースが接地配線102と電気的に接続される。これにより、遮断トランジスタ225がオンするので、制御トランジスタ220がさらにオンすると、励磁コイル210に通電することができる。一方で、制御信号ScrがLレベルに設定されてノードN3の電圧がLレベルになると、トランジスタQ1がオフされることにより、遮断トランジスタ225もオフされる。遮断トランジスタ225のオフにより、制御トランジスタ220がオンしても、励磁コイル210は非通電とされる。
次に、遮断回路250の動作について説明する。まず、パルス信号Pwdが入力されている場合には、トランジスタQ2がパルス信号PwdのHレベルおよびLレベルに応じて周期的にオンする。トランジスタQ2のオフ期間には、ノードN4は、抵抗素子R15,R16およびキャパシタC4によるRC時定数に従って、電源電圧Vcへ向けて充電される。これに対して、トランジスタQ2のオン期間には、ノードN4は、抵抗素子R16およびキャパシタC4によるRC時定数に従って、接地電圧GNDへ向けて放電される。したがって、放電速度は、充電速度よりも高いことが理解される。
したがって、マイクロコンピュータ100がパルス信号Pwd(50%デューティ)を出力している場合には、ノードN4の電圧は上昇しないため、信号バッファ252の出力はLレベルとなる。これにより、トランジスタQ3,Q4はオフ状態に維持される。この結果、制御回路230のノードN2および制御回路240のノードN3の電圧は、制御信号Pcrおよび制御信号Scrによってそれぞれ制御される。
これに対して、マイクロコンピュータ100が異常の発生によってパルス信号Pwdを出力しなくなると、キャパシタC3が直流分をカットすることにより、パルス信号Pwdが入力されるノードがHレベルおよびLレベルのいずれに固定されても、トランジスタQ2はオフ状態に維持される。したがって、ノードN4の電圧が電源電圧Vcに固定されるので、信号バッファ252の出力はHレベルとなる。これにより、トランジスタQ3,Q4がオンするので、制御回路230のノードN2および制御回路240のノードN3は、トランジスタQ3,Q4を経由して、接地配線102と接続される。この結果、制御トランジスタ220および遮断トランジスタ225がオフされるので、励磁コイル210は強制的に非通電とされる。
このように、実施の形態4に従う励磁回路202では、マイクロコンピュータ100からのパルス信号Pwdの非出力時には、励磁コイル210への通電が強制的に遮断される。なお、図19の構成例では、トランジスタQ3,Q4を設けて制御トランジスタ220および遮断トランジスタ225の両方を強制的にオフ可能としているが、トランジスタQ3およびQ4の一方については省略することも可能である。すなわち、遮断回路250は、パルス信号Pwdの非発生時において、制御トランジスタ220および遮断トランジスタ225の少なくとも一方を強制的にオフするように構成されればよい。
図21は、図19に示された励磁回路202の動作を整理した図表である。
図21を参照して、制御信号ScrがHレベルに設定されるとともに、パルス信号PwdおよびPcrが出力されていると、遮断回路250のトランジスタQ1のオンにより遮断トランジスタ225がオンし、かつ、制御トランジスタ220もオンされる。これにより、励磁コイル210は通電されるので、コモンリレー120がオンする。
これに対して、パルス信号で構成される制御信号Pcrの出力が停止されると、制御トランジスタ220がオフされることにより、励磁コイル210は非通電となって、コモンリレー120がオフされる。同様に、制御信号ScrがLレベルに設定されると、トランジスタQ1のオフにより、遮断トランジスタ225がオフされるので、励磁コイル210は非通電となる。
また、マイクロコンピュータ100の異常によりパルス信号Pwdの出力が停止されると、遮断回路250のトランジスタQ3,Q4がオンされることにより、遮断トランジスタ225および制御トランジスタ220がオフされる。このため、励磁コイル210は非通電となって、コモンリレー120がオフされる。すなわち、パルス信号Pwdは、「所定パルス信号」の一実施例に対応する。
このように実施の形態4に従う燃料装置によれば、マイクロコンピュータ100から独立に出力されるパルス信号PwdおよびPcrの両方が正常であるときに限って、励磁回路200が励磁コイル210に通電することによって、コモンリレー120がオンされる。したがって、マイクロコンピュータ100に何らかの異常が発生した場合に、コモンリレー120をより確実にオフすることができるので、電磁ポンプ72による燃料供給をさらに確実に停止することが可能となる。
なお、実施の形態4において、制御トランジスタ220のオンオフを制御する制御回路230については、実施の形態2に従う励磁回路201と同様に構成することも可能である。
また、実施の形態3は、実施の形態1,2,4と適宜組み合わせることが可能である。すなわち、実施の形態3において、パルス信号で駆動されるコモンリレー120の励磁回路は、実施の形態1,2,4あるいはこれらの組み合わせのいずれに従う構成とすることも可能である。
本実施の形態1〜4では、給湯装置に適用される、石油(灯油)を燃料とする燃焼装置における電磁ポンプに対する電源供給を例示したが、本発明の適用はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、ガス等の他の燃料を供給する機器を有する燃焼装置において、当該燃料供給に関する機器に対する電源供給を、本実施の形態1〜4と同様に制御することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。