JP6326964B2 - 無線装置及び歪補償制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線装置及び歪補償制御方法に関し、特に、移動通信システムの無線基地局装置に適用される無線装置及び歪補償制御方法に関する。
移動通信システムにおいては、モバイル端末の普及に伴う通信量の増大とユーザースループットの増大に向けて、現行のLTE(Long Term Evolution)システムからLTE-Advanced、更にはその先のFuture Radio Accessの検討が行われている。
LTE-Advancedについては、3GPP(Three Generation Partnership Project)のRel.10及びRel.11で標準化の検討が行われている。その代表的な手法は、HetNet(Heterogeneous Network)と呼ばれる階層的な大小セル構成や、CoMP(Cooperative Multi Point)と呼ばれる基地局間・Cell間協調の技術である。
端末ユーザの密集するホットスポットでは、大セルのマクロ基地局ではなく、小セルのスモールセル基地局やフェムトセル基地局により対応し、マルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)のアンテナビームフォーミングにより高スループットを実現する方式が考えられている。
一方、無線基地局装置に関しては、スプリアス規格、隣接チャネル漏えい電力減衰比規格、オペレーティングバンド不要発射規格などの厳しい無線規格を満足することが要求されている。このため、無線基地局装置では、DPD(Digital Pre-Distortion)による歪補償を行うことで不要波を抑圧し、高い減衰特性を持つ送信フィルタを用いることで、広い周波数範囲に亘ってスプリアスを低減している。
図8に、下り送信信号の歪補償方式にDPD方式を用いた無線基地局装置の無線部の一般的な構成を示す。
無線部は、ベースバンド処理部10、DAC(Digital to Analog Convertor)2、ADC(Analog to Digital Convertor)13、23、周波数変換器3、12、22、前段増幅器4、後段増幅器9、分岐回路11、デュプレクサ41及びアンテナ34を有する。
ベースバンド処理部10は、ベースバンド帯域の下り送信信号(デジタル信号)を出力する。ベースバンド処理部10から出力された下り送信信号は、DAC2、周波数変換器3、前段増幅器4及び後段増幅器9を介してデュプレクサ41に供給される。
DAC2は、下り送信信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。周波数変換器3は、DAC2より出力された下り送信信号(アナログ信号)を無線周波数帯域の信号にアップコンバートする。前段増幅器4及び後段増幅器9は、周波数変換器3より出力された下り送信信号の電力を増幅する。
デュプレクサ41は、送信フィルタ42及び受信フィルタ33を有する。後段増幅器9より出力された下り送信信号は、送信フィルタ42に供給されるとともに、分岐回路11、周波数変換器12及びADC13を介してベースバンド処理部10に入力される。ここで、分岐回路11、周波数変換器12及びADC13の経路は、DPD制御のためのフィードバック経路である。
送信フィルタ42は、不要波を減衰するためのものであり、DPD制御ループの歪補償帯域の外側に、高い減衰特性を有する。送信フィルタ42を通過した下り送信信号は、アンテナ34により無線信号として放射される。
ベースバンド処理部10は、DPD制御を行う機能を有する。周波数変換器12は、後段増幅器9より出力された下り送信信号を、ベースバンド帯域の信号にダウンコンバートする。ADC13は、周波数変換器12より出力されたベースバンド帯域の信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADC13の出力信号は、ベースバンド処理部10に供給される。
ベースバンド処理部10は、DAC2に供給した下り送信信号を保持しており、この保持した下り送信信号(元の下り送信信号)と、フィードバック経路を介して供給された下り送信信号(帰還信号)とを比較する。そして、ベースバンド処理部10は、元の下り送信信号のスペクトラムと帰還信号のスペクトラムが一致するように、DAC2に供給する下り送信信号の位相及び振幅を調整する。
アンテナ34により受信した信号(上り送信信号)は、受信フィルタ33、増幅器21、周波数変換器22及びADC23を介してベースバンド処理部10に供給される。増幅器21は、受信フィルタ33を通過した信号に対する電力増幅を行う。周波数変換器22は、増幅器21より出力された信号を、ベースバンド帯域の信号にダウンコンバートする。ADC23は、周波数変換器22より出力されたベースバンド帯域の受信信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
ベースバンド処理部10は、ADC23からのベースバンド帯域の受信信号に対して所定の処理(誤り訂正や復号などの処理)を行う。
DPD方式を用いた無線基地局装置に関する関連技術として、特許文献1には、プリディストーション型無線基地局送信機が記載されている。この送信機では、ベースバンド処理部より出力された直交IQ信号が、プリディストーション部、D/A変換器及び直交変調器を介して電力増幅器に供給される。プリディストーション部は、ベースバンド処理部より出力された直交IQ信号に対して電力増幅器にて生じる歪を抑制するための歪補償処理を行う。
また、特許文献2には、無線基地局の送信部に設けられる、プリディストーション歪補償増幅器が記載されている。このプリディストーション歪補償増幅器は、高周波入力信号の振幅及び位相を調整するプリディストーション回路と、プリディストーション回路の出力を増幅する増幅器とを備える。振幅及び位相の補正データが格納されたメモリを参照して、増幅器で発生する歪成分が相殺されるように、高周波入力信号の振幅及び位相の調整が行われる。
特許文献1、2に記載のものにおいても、スプリアス規格、隣接チャネル漏えい電力減衰比規格、オペレーティングバンド不要発射規格などの無線規格を満足するために、DPD補償に加えて、不要波を減衰させるための送信フィルタを最終段に設ける必要がある。
一般に、周波数分割多重(FDD)方式の場合は、送信フィルタと受信フィルタを一体化したデュプレクサが用いられ、時分割多重(TDD)方式の場合は、1つのフィルタを送信用及び受信用として共用するシンプレクサが用いられる。
特開2006−080931号公報 特開2002−290161号公報
上述した送信フィルタを最終段に備えるDPD方式の無線基地局装置においては、無線周波数帯域にも依存するが、DPDの歪補償能力には限界があるため、送信フィルタには高い減衰量が要求される。このため、通常は、空洞共振器を用いた金属筐体の送信フィルタが用いられる。しかし、この金属筐体の送信フィルタは、高価であり、その外形寸法も大きいため、無線基地局装置の大型化やコスト増大を招くといった問題を生じる。特に、スモールセル基地局やフェムトセル基地局の無線装置においては、そのような大型化やコスト増大は重大な問題となる。
本発明の目的は、上記問題を解決し、小型化、軽量化及び低コスト化を図ることができる無線装置及び歪補償制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、
前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタと、
前記増幅部の出力が帰還信号として入力され、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行う制御部と、を有し、
前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成され、
前記制御部は、前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、前記第1の経路が選択された第1の期間は、前記歪補償制御を停止し、前記第2の経路が選択された第2の期間は、前記歪補償制御を行う、無線装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、
所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタとを有し、前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成された無線装置にて行われる歪補償制御方法であって、
前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、
前記第2の経路が選択された期間は、前記増幅部の出力信号を帰還信号として取得し、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行い、
前記第1の経路が選択された期間は、前記歪補償制御を停止する、歪補償制御方法が提供される。
本発明によれば、無線基地局装置の無線装置(無線部)の小型化、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態による無線装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す無線装置のベースバンド処理部内に設けられるDPD制御部の一構成例を示すブロック図である。 図1に示す無線装置のDPD動作期間及びDPD停止期間を説明するための図である。 図1に示す無線装置のデュプレクサの入力端での下り送信信号のスペクトラムの一例を示す特性図である。 図1に示す無線装置の段間フィルタの減衰特性を示す特性図である。 図4に示すDPD歪補償後のスペクトラムと図5に示す段間フィルタの減衰特性を合成したスペクトラムを示す特性図である。 本発明の第2の実施形態による無線装置の構成を示すブロック図である。 無線基地局装置の無線部の一般的な構成を示すブロック図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による無線装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す無線装置は、例えば、移動通信システムの無線基地局装置(BTS: Base Transceiver Station)の無線部(RE: Radio Equipment)を構成するものである。図1に示すように、無線装置は、ベースバンド処理部1、DAC2、ADC13、23、周波数変換器3、12、22、増幅部20、分岐回路11、デュプレクサ31及びアンテナ34を有する。ここで、DAC2、ADC13、23、周波数変換器3、12、22、分岐回路11及びアンテナ34は、図8に示したものと同じであるので、これらに関する詳細な説明は省略する。
増幅部20は、前段増幅器4、切り替え器5、8、段間フィルタ7、後段増幅器9を有する。ここで、前段増幅器4及び後段増幅器9は、図8に示したものと同じであるので、これら増幅器4、9に関する詳細な説明は省略する。
切り替え器5は、前段増幅器4の出力に接続された入力端子と、該入力端子に選択的に接続される第1及び第2の出力端子を備える。切り替え器8は、後段増幅器9の入力に接続された出力端子と、該出力端子に選択的に接続される第1及び第2の入力端子とを備える。
切り替え器5の第1の出力端子は、段間フィルタ7を含む第1の経路6aを介して切り替え器8の第1の入力端子に接続されている。切り替え器5の第2の出力端子は、第2の経路6bを介して切り替え器8の第2の入力端子に接続されている。第2の経路6bは、第1の経路6aと同じ伝送遅延を生じるように構成されている。
ベースバンド処理部1は、DPD制御を行うとともに切り替え器5、8の切り替え動作を制御するDPD制御部を有する。図2に、DPD制御部の一構成例を示す。
図2を参照すると、DPD制御部50は、制御部51、比較部52及びプリディストータ53を有する。プリディストータ53は、ベースバンド帯域の下り送信信号(デジタル信号)を入力とし、該入力信号に対して歪補正を行う。プリディストータ53の出力信号は、DAC2に供給されるとともに、レファレンス信号として比較部52の一方の入力に供給される。
比較部52の他方の入力には、ADC13の出力(帰還信号)が供給される。比較部52は、プリディストータ53からのリファレンス信号とADC13からの帰還信号とを比較する。具体的には、比較部52は、リファレンス信号のスペクトラムと帰還信号のスペクトラムとを比較し、両スペクトラムの差分を示す差信号をプリディストータ53に供給する。この比較において、リファレンス信号と帰還信号との間で伝送遅延による時間的な誤差を補正するための遅延補正が行われる。具体的には、リファレンス信号に対して所定の遅延量(増幅部20、分岐回路11、周波数変換器12及びADC13からなる経路にて生じる伝送遅延に対応する遅延量)を与える。所定の遅延量を与えるために、リファレンス信号を保持する回路を設けてもよい。
プリディストータ53は、比較部52からの差信号が0になるように、すなわち、リファレンス信号のスペクトラムと帰還信号のスペクトラムとが一致するように、DAC2に供給する下り送信信号の位相及び振幅を調整するDPD制御(歪補償制御)を行う。
制御部51は、制御信号S1によりプリディストータ53のDPD制御御動作を制御するとともに、切り替え信号S2により切り替え器5、8の切り替え動作を制御する。
具体的には、制御部51は、切り替え器5、8にて第1の経路6a及び第2の経路6bを交互に選択させる。第1の経路6aが選択された第1の期間(DPD停止期間)は、制御部51は、プリディストータ53によるDPD制御を停止する。一方、第2の経路6bが選択された第2の期間(DPD動作期間)は、制御部51は、プリディストータ53によるDPD制御を行わせる。
制御信号S1及び切り替え信号S2は基本的に同じ信号である。図3に、制御信号S1及び切り替え信号S2として用いる信号の波形を示す。T1はDPD動作期間を示し、T2(>T1)はDPD停止期間を示す。
DPD動作期間T1において、プリディストータ53はDPD制御を行い、切り替え器5、8は第2の経路6bを選択する。DPD動作期間T1の期間内で、DPD制御により、比較部52からの差信号が略0に収束する(リファレンス信号のスペクトラムと帰還信号のスペクトラムが略一致した収束状態になる)ものとする。
DPD停止期間T2において、プリディストータ53はDPD制御動作を停止し、切り替え器5、8は第1の経路6aを選択する。なお、収束状態は、DPD制御を停止した後も、ある程度の期間は維持されるが、前段増幅器4及び後段増幅器9で生じる歪は温度や経年劣化などにより変化するため、徐々に収束状態から外れていく。このため、DPD動作期間T1とDPD停止期間T2を交互に切り替えている。
制御部51は、DPD動作期間T1とDPD停止期間T2を規定した情報を予め保持し、この情報を参照して、制御信号S1及び切り替え信号S2を生成してもよい。DPD動作期間T1とDPD停止期間T2の時間比率は適宜に設定することができる。
次に、本実施形態の無線装置の動作について説明する。
DPD動作期間T1において、ベースバンド処理部10より出力されたベースバンド帯域の下り送信信号は、DAC2、周波数変換器3、前段増幅器4、第2の経路6b及び後段増幅器9を介してデュプレクサ41に供給される。さらに、後段増幅器9より出力された下り送信信号は、帰還信号として、分岐回路11、周波数変換器12及びADC13を介してベースバンド処理部10に入力される。そして、DPD制御部50によるDPD制御が行われる。
一方、DPD停止期間T2においては、ベースバンド処理部10より出力されたベースバンド帯域の下り送信信号は、DAC2、周波数変換器3、前段増幅器4、第1の経路6a(段間フィルタ7)及び後段増幅器9を介してデュプレクサ41に供給される。
図4に、デュプレクサ31の入力端での下り送信信号のスペクトラムの一例を示す。実線で示した波形は、歪補償を行っていない、即ちDPDが動作していない状態のスペクトラムを表す。点線で示した波形は、DPD動作を行って歪補償された状態のスペクトラムを示す。図4において、矢印で示した範囲がDPD歪補償帯域であり、この周波数範囲内で不要波が抑圧される。
図5に、段間フィルタ7の減衰特性を示す。破線で示した曲線が段間フィルタ7の減衰特性であり、図4に示した下り送信信号のスペクトラムに重ねて示されている。段間フィルタ7は、下り送信帯域の近傍上側(高周波側)に急峻な減衰特性(破線で示した曲線の折れ曲がりの部分に相当する)を有している。この急峻な減衰特性の周波数帯域は、DPD歪補償帯域の内側にある。
図6に、図4の点線で示したDPD歪補償後のスペクトラムと、図5の破線で示した段間フィルタ7の減衰特性を合成したスペクトラムを示す。一点鎖線で示す波形が合成スペクトラムであり、デュプレクサ31の入力端での所要スペクトラムに相当する。
DPD停止期間T2では、DPD制御が収束した状態が略維持されており、下り送信信号が段間フィルタ7を通過することで、図5に示したような合成スペクトラムを得られるため、デュプレクサ31の入力端での所要スペクトラムを得ることができる。
一方、DPD動作期間T1では、下り送信信号は段間フィルタ7を経由しないため、デュプレクサ31の入力端での下り送信信号の不要波の大きさは、所要レベルより悪化した値となる。本実施形態では、DPD動作期間T1とDPD停止期間T2を交互に切り替え、DPD動作の実施時間率を小さく抑えるように時間率制御を行う。これにより、スペクトラムエミッションマスクやオペレーティングバンド不要発射規格で規定される下り送信信号帯域近傍の不要波の時間平均値の悪化を抑制し、法規制を満足する。このように時間平均値を低減できるので、結果として、デュプレクサ31の入力端での所要スペクトラムを得ることができる。
なお、第1の経路6a(段間フィルタ7)を選択した状態でDPD制御を行った場合は、フィードバック経路により取得する歪量は、段間フィルタ7の周波数特性を含んだスペクトラムとなる。このため、DPD制御部50は、段間フィルタ7の周波数特性を含めてベースバンド出力スペクトラムとフィードバック経路の帰還スペクトラムが一致するよう制御することになる。この場合、せっかく段間フィルタ7を挿入しても、DPD制御により、段間フィルタ7の減衰量は打ち消されてしまい、デュプレクサ31の入力端での所要スペクトラムを得ることができない。
DPD動作期間T1及びDPD停止期間T2は、上記時間平均値を低減できるのであれば、どのような値に設定してもよい。また、DPD停止期間T2は、一定時間であってもよく、また、DPD動作期間T1を任意のタイミングで切り替えるように不定期間であってもよい。
以上説明した本実施形態の無線装置によれば、図8に示したような、アンテナ手前の送信端に配置した1つの送信フィルタで集約減衰する構成と比較して、以下のような作用効果を奏する。
下り送信信号の不要波を段間フィルタ7と送信フィルタ32の2箇所で分散減衰する構成となっている。段間フィルタ7は後段増幅器9より前段に配置されるため、段間フィルタ7を通過する送信信号電力は、送信フィルタ32を通過する送信信号電力に比べ、概ね後段増幅器9の利得分だけ低い。このため、段間フィルタ7には、耐電力の劣る小型フィルタを採用することができる。
また、段間フィルタ7は前段増幅器4の後段に配置されているので、段間フィルタ7の送信帯域の通過損失は、送信フィルタ32の通過損失より大きくても、安価に実現可能な前段増幅器4の利得増加で吸収可能である。したがって、段間フィルタ7には、送信フィルタ32に比べて通過損失の大きな素子を採用することが可能である。例えば、段間フィルタ7として、表面実装デバイスで実現されるような、通過損失は大きいものの小型・軽量・安価な素子が採用することができる。
また、送信フィルタ32に要求される減衰性能は、段間フィルタ7に配分した減衰量相当を削減したものとなるため、送信フィルタ32の段数を削減することができ、その結果、送信フィルタ32を小型化及び軽量化することができ、コストを削減することができる。
本実施形態では、第1の経路6aで生じる伝送遅延量と第2の経路6bで生じる伝送遅延量は同じであるので、無線通信システムのパフォーマンスに影響を与えるRE遅延量を一定に保つことができる。
無線部に必要なフィルタ減衰量を、段間フィルタの減衰量と送信フィルタの減衰量に割振り・分割する。これにより、送信フィルタの所要減衰量を低減することができるため、送信フィルタの構成段数を削減でき、小型軽量の送信フィルタが採用可能となる。
一方で、段間フィルタにより減衰量を獲得する必要があるが、段間フィルタは無線部の中で後段増幅器より前段に配置されることから、通過電力が小さいため、耐電力の小さいフィルタが採用可能であることと、段間フィルタの通過損失は消費電力に支配的でないため、通過損失の大きい小型・軽量・安価なフィルタが採用可能である。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態による無線装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態では、FDD方式の無線部に好適な無線装置を説明した。ここでは、TDD方式の無線部に好適な無線装置について説明する。
図7に示す無線装置は、図1に示した構成のうち、受信フィルタ33以外の構成を有し、さらに、サーキュレータ30及びスイッチ24を有する。送信フィルタ32は、受信フィルタとしても機能する。ここでは、「送信フィルタ32」を単に「フィルタ32」と称す。
サーキュレータ30は、送信系と受信系を分離するものであって、後段増幅器9より出力された下り送信信号をフィルタ32に供給し、アンテナ34からフィルタ32を介して供給される受信信号をスイッチ24を介して増幅器21に供給する。
スイッチ24は、送信時に受信回路を破損しないよう動作する。具体的には、送信時は、スイッチ24はオフ状態となり、それ以外は、スイッチ24はオン状態となる。スイッチ24のオンオフ制御は、不図示の制御部により行われる。
本実施形態の無線装置においても、第1の実施形態の無線装置と同様の動作が行われる。よって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明した本発明によれば、無線基地局装置の無線部の小型化及び軽量化を行うことができ、しかも、安価な無線部を提供することができる。
本発明は、特に、スモールセル基地局やフェムトセル基地局の無線装置に有効である。以下に、その理由を簡単に説明する。
例えば、スモールセル基地局装置は、数W程度の下り送信出力を有する小型省電力装置を目指しており、省スペースの特徴を活かした設置の容易性により、モバイルネットワーク拡充への貢献が期待されている。ところが、スプリアス規格等の厳しい無線規格を満足するためには、マクロ基地局装置と同様、送信フィルタに対して高減衰量が要求される。また、装置の消費電力低減には、送信フィルタの送信帯域内の通過損失低減が必要である。このため、スモールセル基地局装置でも、マクロ基地局装置と同様に、外形寸法が大きく、重量の重い高価な送信フィルタを備えることが必要となり、スモールセル基地局装置の内容積の多くを送信フィルタが占有してしまっていた。このため、定格出力がマクロ基地局装置より小さいスモールセル基地局装置であるにもかかわらず、送信フィルタの大きさが律則となり、装置の小型化及び軽量化が困難であった。本発明をスモールセル基地局装置に適用すれば、小型かつ軽量で安価な送信フィルタを用いることができるので、これまで困難とされた装置の小型化及び軽量化が可能であり、さらに、低コスト化も可能である。
以上説明した各実施形態の無線装置は本発明の一例であり、その構成及び動作は適宜に変更することができる。
また、本発明は、以下の付記1〜5のような形態をとり得るが、これら形態に限定されない。
[付記1]
所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、
前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタと、
前記増幅部の出力が帰還信号として入力され、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行う制御部と、を有し、
前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成され、
前記制御部は、前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、前記第1の経路が選択された第1の期間は、前記歪補償制御を停止し、前記第2の経路が選択された第2の期間は、前記歪補償制御を行う、無線装置。
[付記2]
前記増幅部は、
第1及び第2の増幅器と、
前記送信信号が前記第1の増幅器を介して入力される入力端子と、前記第1の経路に接続された第1の出力端子と、前記第2の経路に接続された第2の出力端子とを備え、前記入力端子が前記第1及び第2の出力端子に選択的に接続される第1の切り替え器と、
前記第1の経路に接続された第1の入力端子と、前記第2の経路に接続された第2の入力端子と、前記第2の増幅器の入力に接続された出力端子とを備え、前記出力端子が前記第1及び第2の入力端子に選択的に接続される第2の切り替え器と、をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の期間は、前記第1の切り替え器の前記入力端子と前記第1の出力端子を接続させ、かつ、前記第2の切り替え器の前記出力端子と前記第1の入力端子を接続させ、前記第2の期間は、前記第1の切り替え器の前記入力端子と前記第2の出力端子を接続させ、かつ、前記第2の切り替え器の前記出力端子と前記第2の入力端子を接続させる、付記1に記載の無線装置。
[付記3]
前記第1の期間は前記第2の期間より長い、付記1または2に記載の無線装置。
[付記4]
前記第2のフィルタは、前記歪補償制御による歪補償帯域内に減衰帯域を有する、付記1から3のいずれか1つに記載の無線装置。
[付記5]
所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタとを有し、前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成された無線装置にて行われる歪補償制御方法であって、
前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、
前記第2の経路が選択された期間は、前記増幅部の出力信号を帰還信号として取得し、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行い、
前記第1の経路が選択された期間は、前記歪補償制御を停止する、歪補償制御方法。
上記付記1〜4に記載の無線装置において、増幅部、第1のフィルタ、制御部はそれぞれ前述の第1または第2の実施形態における増幅部20、送信フィルタ32、DPD制御部50に対応する。
1 ベースバンド処理部
2 DAC
3、12、22 周波数変換器
4 前段増幅器
5、8 切り替え器
6a、6b 経路
7 段間フィルタ
9 後段増幅器
11 分岐回路
13、23 ADC
20 増幅部
31 デュプレクサ
34 アンテナ

Claims (5)

  1. 所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、
    前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタと、
    前記増幅部の出力が帰還信号として入力され、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行う制御部と、を有し、
    前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成され、
    前記制御部は、前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、前記第1の経路が選択された第1の期間は、前記歪補償制御を停止し、前記第2の経路が選択された第2の期間は、前記歪補償制御を行う、無線装置。
  2. 前記増幅部は、
    第1及び第2の増幅器と、
    前記送信信号が前記第1の増幅器を介して入力される入力端子と、前記第1の経路に接続された第1の出力端子と、前記第2の経路に接続された第2の出力端子とを備え、前記入力端子が前記第1及び第2の出力端子に選択的に接続される第1の切り替え器と、
    前記第1の経路に接続された第1の入力端子と、前記第2の経路に接続された第2の入力端子と、前記第2の増幅器の入力に接続された出力端子とを備え、前記出力端子が前記第1及び第2の入力端子に選択的に接続される第2の切り替え器と、をさらに有し、
    前記制御部は、前記第1の期間は、前記第1の切り替え器の前記入力端子と前記第1の出力端子を接続させ、かつ、前記第2の切り替え器の前記出力端子と前記第1の入力端子を接続させ、前記第2の期間は、前記第1の切り替え器の前記入力端子と前記第2の出力端子を接続させ、かつ、前記第2の切り替え器の前記出力端子と前記第2の入力端子を接続させる、請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記第1の期間は前記第2の期間より長い、請求項1または2に記載の無線装置。
  4. 前記第2のフィルタは、前記歪補償制御による歪補償帯域内に減衰帯域を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の無線装置。
  5. 所定の周波数帯の送信信号を入力とし、該送信信号の電力増幅を行う増幅部と、前記増幅部の出力を入力とし、前記所定の周波数帯以外の不要波を減衰する第1のフィルタとを有し、前記増幅部は、所定の減衰帯域を有する第2のフィルタを備えた第1の経路と、前記第1の経路と同じ伝送遅延を生じるように構成された第2の経路とを有し、前記第1及び第2の経路を選択的に切り替え、選択した経路により前記送信信号を伝送するように構成された無線装置にて行われる歪補償制御方法であって、
    前記増幅部にて前記第1及び第2の経路を交互に選択させ、
    前記第2の経路が選択された期間は、前記増幅部の出力信号を帰還信号として取得し、該帰還信号のスペクトラムと前記送信信号のスペクトラムとが一致するように、前記増幅部に入力される前記送信信号の位相及び振幅を調整する歪補償制御を行い、
    前記第1の経路が選択された期間は、前記歪補償制御を停止する、歪補償制御方法。
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