JP6326775B2 - ポリエチレン樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

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Description

本発明は加工性が良好で、開口性、引裂強度、及び透明性に優れたフィルムを製造可能なポリエチレン樹脂組成物に関するものである。
直鎖状低密度ポリエチレン重合体(LLDPE)は成形性、強度、ヒートシール特性に優れており、各種フィルム成形用樹脂として広く用いられている。しかしながら、近年、二酸化炭素の削減等の環境保全、労働負荷低減、及び、材料コスト削減等の観点から、フィルムの薄膜化、及び軽量化が求められている。フィルムは薄膜化により、その強度が低下するため、この強度低下を抑制可能なフィルム原料が求められている。このような要求に対しては、狭い分子量分布と組成分布を有する高強度のエチレン−α−オレフィン共重合体が適しているが、該共重合体の成形においては、以下に述べる問題点が有る。
(1)押出機のモーターに対する負荷が大きい。
(2)フィルム表面が肌荒れしてフィルムの透明性が低下する。
(3)該共重合体は高結晶成分を持たないためフィルム同志がブロッキングしやすく、フィルムの開口性が悪い。
(4)フィルムの縦方向(成形加工時のフィルム流れ方向)の引裂強度が低下する。
上記(1)及び(3)の問題点を解決する方法としてエチレン−α−オレフィン共重合体に高密度ポリエチレンを配合する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2)。また、上記の問題(4)を解決する技術として、エチレン−α−オレフィン共重合体に高密度ポリエチレン及び高圧法低密度ポリエチレンを配合する方法が開示されている(例えば、特許文献3)。これらの技術により成形加工時の押出機の負荷、フィルムの引裂強度、フィルムの開口性は改良されるものの、依然としてフィルムの透明性は満足できるレベルになく、透明性が要求される用途に適用可能なポリエチレン樹脂組成物が求められていた。
特開平10−110068号 特開平8−291235号 特開2012−97201号
本発明の目的は、押出加工性、フィルムの引裂き強度と開口性に優れ、高い透明性を有するフィルムを成形可能なポリエチレン樹脂組成物を提供する。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、エチレン/α−オレフィン共重合体に、高密度ポリエチレン(以下、HDPE)、及び特定の高圧法低密度ポリエチレンを配合することによって、押出加工性が良好であり、開口性、引裂強度、透明性にも優れたフィルムを成形可能な、従来にないポリエチレン樹脂組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エチレン−α―オレフィン共重合体(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び下記要件(a)及び(b)を満たす高圧法低密度ポリエチレン(C)からなり、(A)100重量部に対して、(B)3〜15重量部、(C)0.2〜10重量部を含むフィルム成形用ポリエチレン組成物に関するものである。
(a)ビニリデン基量(Vd)が1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下。
(b)溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体であり、炭素数3以上のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が挙げられる。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は890〜940kg/mであることが好ましく、更に好ましくは890〜935kg/m、特に好ましくは890〜940kg/mである。密度がこの範囲にあれば、耐衝撃強度や引裂強度に優れ、また開口性にも優れているため好ましい。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は0.1〜10g/10分であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜8、特に好ましくは0.5〜5である。MFRがこの範囲にあると、押出機への負荷が小さく、ドロ−ダウンが大きいため生産速度が大きく、更に成膜安定性にも優れており安定的にポリエチレンフィルムを得ることが出来る。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の分子量の分散度Mw/Mnは1.5〜4であることが好ましく、更に好ましくは1.8〜4、特に好ましくは2〜4である。分散度がこの範囲にあるとフィルム成形加工時の押出機への負荷が小さく、フィルムの表面平滑性が高く、耐衝撃性にも優れており、好ましい。本発明でいう分散度Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリエチレン換算値として測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比を用いて算出することができる
本発明で用いる高密度ポリエチレン(HDPE)(B)の密度は940〜970kg/mであることが好ましく、更に好ましくは940〜960kg/mであり、特に好ましくは940〜950kg/mである。密度がこの範囲であれば、得られたポリエチレンフィルムの開口性が優れているため好ましい。
本発明で用いる高密度ポリエチレン(B)のMFRは3〜50g/10分であることが好ましく、更に好ましくは5〜45g/10分、特に好ましくは10〜40g/10分である。MFRがこの範囲に有れば、本発明の組成物をインフレーション成形、或いはキャスト成形する際、成膜安定性が高く、安定的にフィルム成形出来る上、得られたフィルムのエルメンドルフ引裂強度が高くなるため好ましい。
本発明で用いる高密度ポリエチレン(B)は公知のチーグラーナッタ重合触媒による配位アニオン重合法により製造することが可能であり、例えば(商品名)ニポロンハード(東ソー(株)製)等を挙げることができる。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(C)のビニリデン基量は1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、好ましくは1.3個/10C以上1.9個/10C以下であり、更に好ましくは1.5個/10C以上1.8個/10C以下である。ビニリデン基量が1.2個/10C未満であるとフィルム製膜時の安定性が低下し、歩留りが低下するため好ましくなく、2.1個/10Cを超えるとドローダウンが小さくなり、生産性が低くなるため好ましくない。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(C)のMFRは0.1g/10分以上6.0g/10分以下であり、好ましくは0.5g/10分以上5.0g/10分以下、更に好ましくは1.0g/10分以上5.0g/以下である。0.1g/10分未満ではドローダウンが小さく生産性が低くなり、また、6.0g/10分を超えるとフィルム製膜時の安定性が低下し、歩留りが悪くなる上に、フィルムの透明性が低下するため好ましくない。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(C)の溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)は50mN以上200mN以下であり、好ましくは60mN以上180mN以下、更に好ましくは70mN以上160mNである。溶融張力がこの範囲内にあるとフィルム製膜時の安定性、歩留り、及び生産性が高く、更にフィルムの透明性にも優れるため好ましい。
本発明で用いる高弾性低密度ポリエチレンの分子量分布は特に制限されないが、押出加工性の観点から、分散度Mw/Mnが7以上12以下が好ましく、更に好ましくは8以上11以下である。分散度がこの範囲にあれば、押出加工性、及びフィルムの透明性に優れるため好ましい。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンの製造はラジカル重合開始剤の存在下で、溶媒の存在下あるいは不存在下において、必要に応じて主に分子量調節を目的に連鎖移動剤を添加して、高圧圧縮機を備えた連続式のベッセル型、或いはチューブラー型高圧法ポリエチレン製造装置により製造できるが、反応器内部の温度分布を制御し易いベッセル型重合装置が好適に用いられる。本発明の低密度ポリエチレンは反応器内の平均反応温度を出来る限り高温にしてビニリデン基量を高め、同時に、MFRを可能な限り低下させるため、高分子量成分を生成する低温領域を同一反応器内に設けて、反応器内部に温度勾配を生じさせた上で、所望のビニリデン基量とMFRとなるように、反応圧力、及び反応器内部に供給するエチレンの温度を最適化することで容易、かつ効率的に製造することが出来る。
重合圧力としては100MPa以上400MPa以下、好ましくは150MPa以上190MPa以下が用いられる。この圧力の範囲内であれば、ビニリデン基量が高く、かつMFRが低い低密度ポリエチレンを得ることが出来るため好ましい。
反応温度としては100℃以上330℃以下、好ましくは200℃以上280℃以下が用いられる。反応器内部の最高温度と最低温度の差は10℃以上200℃以下、好ましくは13℃以上100℃以下の条件が用いられる。反応器の温度が100℃以上であり、かつ反応器上部と下部の温度差が上記の範囲内であれば、ビニリデン基量が高く、かつMFRが低い低密度ポリエチレンを得ることが出来るため好ましい。
反応器に供給するエチレンの供給量と温度は、反応圧力、反応温度に依存し、所望のビニリデン基量とMFRとするため、適宜変更され、エチレン供給量は生産速度に応じても適宜変更し得る。エチレン供給量としては10kg/h以上30kg/h以下が用いられ、エチレンの温度は10℃以上100℃以下が用いられる。エチレン供給量が10kg/h以上であり、エチレン温度が10℃以上であれば、低密度ポリエチレンが経済性に優れた生産速度で製造出来るため好ましい。
ラジカル重合開始剤としては例えば酸素、過酸化水素、ジエチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシピバレート等を用いることが出来るが、反応温度に応じて最適な分解温度の開始剤を選定出来る。本発明で用いる開始剤の量は、開始剤の種類、反応器内部の温度、高圧反応器へ導入するエチレン流量、及びエチレンの温度に合わせ適宜調整されるため、厳密に特定の範囲に限定し得るものではないが、一般的には1〜25kg/hである。
連鎖移動剤は主に分子量の増大を抑える目的で使用でき、また二重結合量を増加させる目的でも使用できる。連鎖移動剤の例としてはエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のオレフィン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(C)は、従来の高圧法低密度ポリエチレンに比べ、溶融押出によりペレット化する際の溶融粘度、及び溶融張力の変化が大きいため、ペレットを製造する際には造粒可能な温度範囲内で出来る限り低温で行い、造粒機の温度としては120以上200℃以下が用いられ、好ましくは120℃以上180℃以下、更に好ましくは120℃以上150℃である。造粒時の温度が200℃を超えると造粒工程において溶融張力、及び溶融粘度の増大が顕著となり、得られたペレットを用いて押出ラミネート加工等を行う際、押出機のトルクが上昇するため好ましくない。造粒時の温度が120℃以下では造粒に用いる押出機のトルクが高く、生産性が低いため好ましくない。また、造粒速度は用いる造粒機の能力に依存して適宜、変更し得る。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(C)の造粒方法に特に制限はなく、一般的に用いられている公知の方法を用いることができる。造粒方法の例としてストランドカット、アンダーウォーターカット等が例示される。本発明で用いる造粒機の押出機内のスクリューは溶融樹脂に強いせん断力がかからず、樹脂がせん断発熱しにくいニーディングゾーンの無いシングルフライト型スクリューを備えた一軸押出機を用いるのが好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物における、高密度ポリエチレン(B)の添加量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して3〜15重量部、好ましくは3〜12重量部、更に好ましくは5〜12重量部である。添加量が5重量部未満では、フィルムの開口性が低下し、添加量が15重量部を超えるとフィルムの透明性が低下するため好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物における高圧法低密度ポリエチレン(C)の添加量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して0.2〜10重部であり、好ましくは0.2〜8重量部であり、更に好ましくは0.2〜6重量部である。0.2重量部未満では溶融張力が小さく安定した成形が難しくなり、更にフィルムの透明性が低下するため、好ましくない。また、8重量部を超えるとフィルムの透明性は向上するが、フィルムの引裂き強度が低下するため好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)、高密度ポリエチレン(B)及び高圧法低密度ポリエチレン(C)のペレットをドライブレンドしたものでもよく、単軸及び2軸押出機、ニーダー、バンバリー、ロール等で溶融混練したものでもより。
本発明のポリエチレン樹脂組成物のフィルムの製造は、フィルムの成膜が可能であれば如何なる方法を用いることが可能であり、一般的な商業的な成膜方法を用いることができる。例えば空冷インフレーション法、水冷インフレーション法、Tダイキャスト法等の製造方法を用いることができる。また、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等により成形された多層フィルムの一層として用いることもできる。これらのフィルムは農業用ハウスの被覆材、包装用フィルム、及び液体充填用フィルムなどの用途に幅広く利用出来る。
加工性が良好で、開口性、引裂強度、及び透明性に優れたフィルムを製造可能なポリエチレン組成物を提供できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
以下に本発明において用いた物性評価方法、分析方法を示す。
(1)ビニリデン基量
樹脂を窒素下、150℃、2分間プレスを行って厚み200μmのフィルムを作製し、パーキンエルマー社製Spectrum One赤外分光光度計を用い、ビニリデン基の特性吸収ピーク888cm−1を用いて定量分析し、炭素原子10000個当たりのビニリデン基の個数(個/10C)を求めた。
(2)密度
JIS K 7112に準拠して測定した。
(3)スウェル比(SR)
JIS K 7210で使用されるメルトインデクサーを用いて、温度235℃、押出量3g/分により押出されたストランドの径(D)、及びメルトインデクサーのオリフィス径(D)から、SR=D/Dにより求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に準拠して、190℃,21.18Nの荷重下で測定した。
(5)ヘーズ値
ASTM D1003に準拠して、ヘーズメーター(日本電色株式会社製、型式NDH−20D)を用いてフィルムのヘーズ値(%)を測定した。
(6)エルメンドルフ引裂強度
JIS K 7128−2:1998(エルメンドルフ引裂法)に基づいて、フィルムの成形方向の引裂強度を測定した。
(7)フィルム成形
プラコー株式会社製のインフレーション成形装置(押出機シリンダー径50mmφ、ダイス径75mmφ、リップクリアランス2mm)を用い、押出機、ダイの設定温度190℃、引取速度14m/分、フィルム厚み0.05mm、チューブ折径240mmの条件で成形した。
合成例1
実施例、及び比較例で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体は以下の方法で製造した。
触媒の合成、及び重合反応は窒素雰囲気下で行った。なお、反応溶媒は予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素して使用し、反応原料は公知の方法により合成したものを用いた。
<触媒(I)の調製>
窒素雰囲気下、脱水ヘプタン4.4リットルでトリエチルアルミニウムを4.5molと、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド10mmolを反応させて得られた赤色懸濁液に、N,N−ジメチル−オクタデシルアンモニウム塩酸塩で変性したモンモリロナイト300gを加えて反応させ、脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を加えて、ジルコニウム濃度0.5mmol/Lの触媒スラリーを調製した。
<触媒(II)の調製>
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドに替え、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外、触媒(I)と同様の方法で反応を行いジルコニウム濃度0.5mmol/Lの触媒(II)を得た。
<エチレン−α−オレフィン共重合体の製造>
エチレン、1−ヘキセン、及びエタンを連続的にオートクレーブ内に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を16mol%とした。速度1500rpmで攪拌を開始した後、触媒(I)および触媒(II)を反応器内に連続供給し、オートクレーブの内温を209℃に維持して重合した。その結果、MFR 1.0g/分、密度920kg/mのエチレン−ヘキセン―1共重合体を得た。
合成例2
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.1kg/hを温度45℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド7.1g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度276℃で連続的に重合し、密度919kg/m、ビニリデン基量1.2個/10C、メルトフローレート(MFR)1.7g/10分、溶融張力(MS)149mNの高圧法低密度ポリエチレンC1を得た。
合成例3
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン20.5kg/hを温度42℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド11.5g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度276℃で連続的に重合し、密度919kg/m、ビニリデン基量1.3個/10C、MFR2.0g/10分、MS136mNの高圧法低密度ポリエチレンC2を得た。
合成例4
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.5kg/hを温度40℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド12.9g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合し、密度919kg/m、ビニリデン基量1.4個/10C、MFR2.2g/10分、MS131mNの高圧法低密度ポリエチレンC3を得た
合成例5
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.8kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド13.5g/hを添加し、圧力188MPa、反応器上部の温度256℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合し、密度918kg/m、ビニリデン基量1.4個/10C、MFR2.5g/10分、MS122mNの高圧法低密度ポリエチレンC4を得た。
表1に、実施例で用いた高密度ポリエチレン及び高圧法低密度ポリエチレンの物性値を示す。
Figure 0006326775
実施例1
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード2000 11.1重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.2重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.5%、エルメンドルフ引裂強度が156kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
実施例2
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1200 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)1.1重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.2%、エルメンドルフ引裂強度が150kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
実施例3
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1200 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.1重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.3%、エルメンドルフ引裂強度が155kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
実施例4
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード2000 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)5.3重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.6%、エルメンドルフ引裂強度が162kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
実施例5
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハードOSO2F 11.1重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.2重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.4%、エルメンドルフ引裂強度が151kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
実施例6〜8
高圧法低密度ポリエチレンとして合成例3〜5で得られたC2〜C4を用いた以外は実施例1と同様の手法で、表2に示した配合で、ドライブレンドにより組成物を得た。この組成物をインフレーション成形して得られたフィルムの特性を表2に示す。
比較例1
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360を用いた以外は、実施例1と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が5.0%、エルメンドルフ引裂強度が143kN/mであり実施例1に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
比較例2
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン172を用いた以外は、実施例2と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.5%、エルメンドルフ引裂強度が130kN/mであり実施例2に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
比較例3
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン183を用いた以外は、実施例3と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.3%、エルメンドルフ引裂強度が130kN/mであり実施例3に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
比較例4
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360を用いた以外は、実施例4と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.0%、エルメンドルフ引裂強度が120kN/mであり実施例3に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
比較例5〜8
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360、ペトロセン172、ペトロセン183を用いた以外は、実施例5〜8と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形し、フィルムのヘーズ値、及び、エルメンドルフ引裂強度を評価した結果を表1に示す。何れも、実施例5〜8で得られたフィルムに対して透明性、及び引裂き強度ともに劣っていた。
Figure 0006326775

Claims (2)

  1. エチレン−α―オレフィン共重合体(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び下記要件(a)及び(b)を満たす高圧法低密度ポリエチレン(C)からなり、(A)100重量部に対して、(B)3〜15重量部、(C)0.2〜10重量部を含むフィルム成形用ポリエチレン樹脂組成物。
    (a)ビニリデン基量(Vd)が1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下。
    (b)溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下。
  2. 請求項1に記載のフィルム成形用ポリエチレン樹脂組成物からなるフィルム。
JP2013235464A 2013-11-13 2013-11-13 ポリエチレン樹脂組成物及びフィルム Active JP6326775B2 (ja)

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