JP6326775B2 - ポリエチレン樹脂組成物及びフィルム - Google Patents
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Description
(1)押出機のモーターに対する負荷が大きい。
(2)フィルム表面が肌荒れしてフィルムの透明性が低下する。
(3)該共重合体は高結晶成分を持たないためフィルム同志がブロッキングしやすく、フィルムの開口性が悪い。
(4)フィルムの縦方向(成形加工時のフィルム流れ方向)の引裂強度が低下する。
即ち、本発明は、エチレン−α―オレフィン共重合体(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び下記要件(a)及び(b)を満たす高圧法低密度ポリエチレン(C)からなり、(A)100重量部に対して、(B)3〜15重量部、(C)0.2〜10重量部を含むフィルム成形用ポリエチレン組成物に関するものである。
(a)ビニリデン基量(Vd)が1.2個/104C以上2.1個/104C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下。
(b)溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下。
本発明で用いる高密度ポリエチレン(HDPE)(B)の密度は940〜970kg/m3であることが好ましく、更に好ましくは940〜960kg/m3であり、特に好ましくは940〜950kg/m3である。密度がこの範囲であれば、得られたポリエチレンフィルムの開口性が優れているため好ましい。
(1)ビニリデン基量
樹脂を窒素下、150℃、2分間プレスを行って厚み200μmのフィルムを作製し、パーキンエルマー社製Spectrum One赤外分光光度計を用い、ビニリデン基の特性吸収ピーク888cm−1を用いて定量分析し、炭素原子10000個当たりのビニリデン基の個数(個/104C)を求めた。
(2)密度
JIS K 7112に準拠して測定した。
(3)スウェル比(SR)
JIS K 7210で使用されるメルトインデクサーを用いて、温度235℃、押出量3g/分により押出されたストランドの径(D)、及びメルトインデクサーのオリフィス径(D0)から、SR=D/D0により求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に準拠して、190℃,21.18Nの荷重下で測定した。
(5)ヘーズ値
ASTM D1003に準拠して、ヘーズメーター(日本電色株式会社製、型式NDH−20D)を用いてフィルムのヘーズ値(%)を測定した。
(6)エルメンドルフ引裂強度
JIS K 7128−2:1998(エルメンドルフ引裂法)に基づいて、フィルムの成形方向の引裂強度を測定した。
(7)フィルム成形
プラコー株式会社製のインフレーション成形装置(押出機シリンダー径50mmφ、ダイス径75mmφ、リップクリアランス2mm)を用い、押出機、ダイの設定温度190℃、引取速度14m/分、フィルム厚み0.05mm、チューブ折径240mmの条件で成形した。
実施例、及び比較例で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体は以下の方法で製造した。
<触媒(I)の調製>
窒素雰囲気下、脱水ヘプタン4.4リットルでトリエチルアルミニウムを4.5molと、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド10mmolを反応させて得られた赤色懸濁液に、N,N−ジメチル−オクタデシルアンモニウム塩酸塩で変性したモンモリロナイト300gを加えて反応させ、脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を加えて、ジルコニウム濃度0.5mmol/Lの触媒スラリーを調製した。
<触媒(II)の調製>
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドに替え、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外、触媒(I)と同様の方法で反応を行いジルコニウム濃度0.5mmol/Lの触媒(II)を得た。
<エチレン−α−オレフィン共重合体の製造>
エチレン、1−ヘキセン、及びエタンを連続的にオートクレーブ内に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を16mol%とした。速度1500rpmで攪拌を開始した後、触媒(I)および触媒(II)を反応器内に連続供給し、オートクレーブの内温を209℃に維持して重合した。その結果、MFR 1.0g/分、密度920kg/m3のエチレン−ヘキセン―1共重合体を得た。
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.1kg/hを温度45℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド7.1g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度276℃で連続的に重合し、密度919kg/m3、ビニリデン基量1.2個/104C、メルトフローレート(MFR)1.7g/10分、溶融張力(MS)149mNの高圧法低密度ポリエチレンC1を得た。
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン20.5kg/hを温度42℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド11.5g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度276℃で連続的に重合し、密度919kg/m3、ビニリデン基量1.3個/104C、MFR2.0g/10分、MS136mNの高圧法低密度ポリエチレンC2を得た。
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.5kg/hを温度40℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド12.9g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合し、密度919kg/m3、ビニリデン基量1.4個/104C、MFR2.2g/10分、MS131mNの高圧法低密度ポリエチレンC3を得た
合成例5
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.8kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド13.5g/hを添加し、圧力188MPa、反応器上部の温度256℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合し、密度918kg/m3、ビニリデン基量1.4個/104C、MFR2.5g/10分、MS122mNの高圧法低密度ポリエチレンC4を得た。
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード2000 11.1重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.2重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.5%、エルメンドルフ引裂強度が156kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1200 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)1.1重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.2%、エルメンドルフ引裂強度が150kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1200 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.1重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.3%、エルメンドルフ引裂強度が155kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハード2000 5.3重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)5.3重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.6%、エルメンドルフ引裂強度が162kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
合成例1で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体100重量部に対して、高密度ポリエチレンである東ソー(株)製、商品名ニポロンハードOSO2F 11.1重量部、合成例2で製造した高圧法低密度ポリエチレン(C1)2.2重量部となるように配合し、ドライブレンドして組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が2.4%、エルメンドルフ引裂強度が151kN/mと透明性と強度に優れたフィルムを得た。
高圧法低密度ポリエチレンとして合成例3〜5で得られたC2〜C4を用いた以外は実施例1と同様の手法で、表2に示した配合で、ドライブレンドにより組成物を得た。この組成物をインフレーション成形して得られたフィルムの特性を表2に示す。
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360を用いた以外は、実施例1と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が5.0%、エルメンドルフ引裂強度が143kN/mであり実施例1に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン172を用いた以外は、実施例2と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.5%、エルメンドルフ引裂強度が130kN/mであり実施例2に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン183を用いた以外は、実施例3と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.3%、エルメンドルフ引裂強度が130kN/mであり実施例3に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360を用いた以外は、実施例4と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形した結果、ヘーズ値が3.0%、エルメンドルフ引裂強度が120kN/mであり実施例3に比べ、強度、透明性共に劣っていた。
高圧法低密度ポリエチレンとして東ソー(株)製、商品名ペトロセン360、ペトロセン172、ペトロセン183を用いた以外は、実施例5〜8と同様の手法により、ポリエチレン重合体組成物を得た。この組成物をインフレーション成形し、フィルムのヘーズ値、及び、エルメンドルフ引裂強度を評価した結果を表1に示す。何れも、実施例5〜8で得られたフィルムに対して透明性、及び引裂き強度ともに劣っていた。
Claims (2)
- エチレン−α―オレフィン共重合体(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び下記要件(a)及び(b)を満たす高圧法低密度ポリエチレン(C)からなり、(A)100重量部に対して、(B)3〜15重量部、(C)0.2〜10重量部を含むフィルム成形用ポリエチレン樹脂組成物。
(a)ビニリデン基量(Vd)が1.2個/104C以上2.1個/104C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下。
(b)溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下。 - 請求項1に記載のフィルム成形用ポリエチレン樹脂組成物からなるフィルム。
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