JP6326610B2 - 超音波流量計及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を利用して流体の流量を測定する超音波流量計及びその製造方法に関するものである。
従来、半導体の製造に用いられるCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置において、フッ酸や硫酸などの薬液(流体)の流量を管理するために超音波流量計が使用されている。超音波流量計では、測定用流体としての薬液を流す配管を有し、その配管の上流側及び下流側に一対の超音波振動子が設置されている。そして、それら超音波振動子を用いて超音波を送受信し、上流側から下流側に伝搬する超音波の伝搬時間と下流側から上流側に伝搬する超音波の伝搬時間との時間差に基づいて測定用流体の流量を求めている。また、薬液を流す配管として耐薬品性に優れたフッ素樹脂が用いられている。
CMP装置では、研磨処理の効率を高めるために高温(100℃〜200℃)の薬液が用いられる。フッ酸や硫酸などのような特殊な薬液を高温で使用する場合、ガス化した薬液が配管のフッ素樹脂を透過し、超音波振動子側に浸透する。この薬液の浸透によって、電極等が腐食することにより超音波流量計の寿命が短くなってしまう。
因みに、特許文献1の超音波検出器では、フッ素樹脂である四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)を用いて樹脂ホルダを有底筒状に形成し、その樹脂ホルダの底部に超音波振動子が配置されている。この超音波検出器では、樹脂ホルダの表面(内面または外面)に非ガス透過性の金属薄膜が形成されており、金属薄膜によって、液体の気化ガスが樹脂ホルダの底部を通して内部に浸透するのを阻止するようになっている。
特許第4106499号公報
ところで、特許文献1に開示されている超音波検出器では、樹脂ホルダの形成材料として、耐薬品性に優れるフッ素樹脂(PFA)が用いられているが、この樹脂は離型性が良好でものが付着し難いといった性質を有している。このため、樹脂ホルダの表面に対して、十分な密着強度を有する金属薄膜を形成することが困難である。特に、CMP装置等で使用する場合のように、高温(100℃〜200℃)の薬液の流量を測定する場合には、金属薄膜よりも樹脂が膨張するため樹脂ホルダの表面と金属薄膜との境界部分に応力が働く。さらに、熱によって樹脂が軟化する。このため、樹脂ホルダの表面から金属薄膜が剥がれ易くなったり、金属薄膜に皺がよったりするといった問題が懸念される。そして、この問題が生じる場合には、金属薄膜によって薬液の気化ガスを遮断することが困難となるため、超音波振動子の電極や配線等が腐食することにより、超音波検出器の寿命が短くなってしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波振動子の電極や配線の腐食を確実に防止し、製品寿命を向上することができる超音波流量計を提供することにある。また、別の目的は、製品寿命の長い超音波流量計を効率よく確実に製造することができる超音波流量計の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、流体が流れる流路を形成する管を有する樹脂製の流量計本体と、前記流路における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁を隔てて対向配置された位置関係にあり、前記管壁を介して超音波の送受信を行う一対の超音波振動子と、剛体からなる有底筒状の部材であり、前記超音波振動子をそれぞれ収納した状態で前記管壁の外側に装着される一対の振動子ホルダとを備え、前記一対の超音波振動子間で送受信される超音波の伝搬時間の差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、前記振動子ホルダは、側面と、前記超音波振動子が固定される内底面と、前記内底面の反対側に位置する外底面とを有する板状に形成され、前記超音波振動子と前記管壁との間に介在される音響整合層として機能する底部材と、前記底部材の前記内底面における外縁部に接合され、前記外底面を前記管壁側に押し付ける筒部材とを備えて構成され、前記振動子ホルダの外面において、前記底部材の前記外底面から前記底部材の前記側面を経て前記底部材と前記筒部材との接合部分にわたる領域を隙間なく連続的に覆うように、非ガス透過性の金属薄膜としての金または白金からなる蒸着膜が密着形成され、前記底部材は、前記超音波の波長λに応じたλ/4の厚みを有しかつ前記超音波振動子の厚さよりも薄く形成され、前記金属薄膜は、前記超音波の波長λの1/8の厚さよりも薄く形成され、前記底部材の表面は、前記管壁の外面よりも表面粗さの値が大きいことを特徴とする超音波流量計をその要旨とする。
従って、手段1に記載の発明によると、流路が形成された管を有する樹脂製の流量計本体において、超音波振動子をそれぞれ収納した一対の振動子ホルダが管壁の外側に装着される。各振動子ホルダに収納されている一対の超音波振動子は、流路における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁を隔てて対向配置された位置関係にある。このため、一対の超音波振動子間で超音波を送受信すると、流路を流れる流体の速度に応じて超音波の伝搬時間に差が生じる。従って、その伝搬時間の差に基づいて、流体の速度を求めることができ、さらにその流体の速度に基づいて、流体の流量を計測することができる。本発明の超音波流量計において、流量計本体における管内の流路に、腐食をもたらす流体(例えば、硫酸やフッ酸等の薬液)を流す場合には、耐薬品性に優れた樹脂(例えば、フッ素樹脂)を用いて流量計本体を形成したとしても、流体の濃度や温度が高くなると、液体の気化ガスが流路の管壁(樹脂部分)に浸透してしまうことがある。この対策として、本発明では、振動子ホルダの外面において、底部材の外底面から底部材の側面を経て底部材と筒部材との接合部分にわたる領域を少なくとも覆うように、金属薄膜が形成される。そして、その金属薄膜によって振動子ホルダ内へのガスの浸透が遮断される。この結果、振動子ホルダ内に収容された超音波振動子の電極や配線等の腐食を回避することができる。また、本発明の超音波流量計において、金属薄膜は、樹脂製の流量計本体側ではなく、剛体からなる振動子ホルダ(底部材及び筒部材)の表面に形成されている。従って、高温の流体の流量を計測する場合であっても、振動子ホルダの外面は樹脂表面のような熱膨張が生じ難いため、その振動子ホルダの外面に金属薄膜が密着した状態で確実に保持される。この結果、超音波流量計を長期間使用した場合でも、金属薄膜によって超音波振動子等の腐食を回避することができる。さらに、振動子ホルダにおいて、底部材の内底面に超音波振動子が固定されるとともに、その内底面における外縁部に接合された筒部材によって底部材の外底面が管壁側に押し付けられている。この底部材は、超音波振動子と管壁との間に介在され、音響整合層として機能するため、超音波振動子から出力された超音波を管壁を介して流体に効率よく伝搬させることができ、流体の流量を正確に測定することができる
また、本発明によると、金属薄膜を金または白金で形成していることから、腐食をもたらす流体(例えばフッ酸や硫酸などの薬液)を流路に流す場合であっても、その流体に対して十分な耐腐食性を確保することができる。前記底部材の表面は、前記管壁の外面よりも表面粗さの値が大きいことから、底部材の表面(側面及び外底面)に、密着強度(剥離強度)が高く、剥離し難い金属薄膜を確実に形成することができる。前記底部材は、前記超音波の波長λに応じたλ/4の厚みを有することから、底部材を音響整合層として機能させることができ、管壁を介して液体に超音波を効率よく伝搬させることができる。前記金属薄膜は、前記超音波の波長λの1/8の厚さよりも薄く形成されることから、金属薄膜の表面において超音波が反射することがなく、超音波の伝搬に影響することがない。さらに、金属薄膜の材料費を低く抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記振動子ホルダにおける前記外面の全体に、前記金属薄膜を形成したことをその要旨とする。
従って、請求項2に記載の発明によると、振動子ホルダにおける外面の全体に、金属薄膜が形成されることにより、振動子ホルダ内の超音波振動子の電極や配線等の腐食を確実に防止することができる。またこの場合、金属薄膜をシールド層として機能させることができ、超音波振動子の出力信号に電気ノイズが重畳することを防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記振動子ホルダにおける前記外面の全体及び内面の全体に、前記金属薄膜を形成したことをその要旨とする。
従って、請求項3に記載の発明によると、振動子ホルダにおける外面の全体及び内面の全体に、2重に金属薄膜が形成されるため、振動子ホルダ内の超音波振動子の電極や配線等の腐食をより確実に防止することができる。またこの場合、2重のシールド構造によって超音波振動子や配線等が保護されるため、電気ノイズに対するシールド効果を高めることができる。
手段4に記載の発明は、流体が流れる流路を形成する管を有する樹脂製の流量計本体と、前記流路における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁を隔てて対向配置された位置関係にあり、前記管壁を介して超音波の送受信を行う一対の超音波振動子と、剛体からなる有底筒状の部材であり、前記超音波振動子をそれぞれ収納した状態で前記管壁の外側に装着される一対の振動子ホルダとを備え、前記一対の超音波振動子間で送受信される超音波の伝搬時間の差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、前記振動子ホルダは、側面と、前記超音波振動子が固定される内底面と、前記内底面の反対側に位置する外底面とを有する板状に形成され、前記超音波振動子と前記管壁との間に介在される音響整合層として機能する底部材と、前記底部材の前記内底面における外縁部に接合され、前記外底面を前記管壁側に押し付ける筒部材とを備えて構成され、前記振動子ホルダの外面において、前記底部材の前記外底面から前記底部材の前記側面を経て前記底部材と前記筒部材との接合部分にわたる領域を隙間なく連続的に覆うように、非ガス透過性の金属薄膜としての金または白金からなる蒸着膜が密着形成され、前記筒部材は、導電性金属製のパイプからなり、底部材接合側の端部とは反対の端部側に、U字状の切り欠き部が形成されるとともに、前記筒部材の中心軸線を介して前記切り欠き部に対向する箇所に2本のスリット溝が形成され、前記2本のスリット溝に挟まれた舌片状部分に対し、前記超音波振動子の電極に接続された前記グランド線がはんだ付けされていることを特徴とする超音波流量計をその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記底部材は、音響インピーダンスが前記超音波振動子よりも小さく、かつ前記管壁よりも大きいセラミックスであることをその要旨とする。
従って、請求項5に記載の発明によれば、超音波振動子と管壁との間に底部材を介在させることにより、各部材間の界面における音響インピーダンスの差を小さくすることができる。このため、流路を流れる液体に超音波を効率よく確実に伝搬させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記流量計本体の流路は、ストレート状に延設された直管部を有するとともにその直管部の両端が直角に曲がった形状の管路であり、前記直管部における上流側及び下流側の各端部に前記一対の超音波振動子が設けられていることをその要旨とする。
従って、請求項6に記載の発明によれば、一対の超音波振動子を用いて、直管部を流れる流体を介して超音波が送受信され、液体の流れに対して正方向及び逆方向に超音波が伝搬する際の伝搬時間がそれぞれ測定される。そして、それら伝搬時間の差から液体の流速を求めることができ、さらにその流速を流量に変換することにより、液体の流量を測定することができる。
手段に記載の発明は、手段1乃至のいずれか1項において、前記振動子ホルダにおいて前記金属薄膜を形成した前記外底面は、耐熱性及び耐薬品性を有するゴム製のシート状の緩衝部材を介して前記管壁に密着されることをその要旨とする。
従って、手段に記載の発明によれば、底部材の外底面がシート状の緩衝部材を介して管壁に密着されるので、超音波を確実に伝搬させることができる。ここで、底部材の外底面と管壁との間にグリス等を介在させる場合、高温で長期間使用すると、グリスはその形状を保持することができないため、それら部材間に隙間が生じて密着性が低下することがある。これに対して、本発明では、耐熱性及び耐薬品性を有するシート状の緩衝部材を用いているので、長期間使用しても緩衝部材が劣化することなく、底部材の外底面を管壁に確実に密着させることができる。
手段に記載の発明は、手段1乃至のいずれか1項に記載の超音波流量計を製造する方法であって、前記筒部材と前記底部材とを接着剤を用いて接合し、前記有底筒状の振動子ホルダを形成する接合工程と、前記接合工程の後、前記振動子ホルダの外面に、非ガス透過性の金属薄膜を形成する薄膜形成工程とを含むことを特徴とする超音波流量計の製造方法をその要旨とする。
従って、手段に記載の発明によれば、接合工程において、筒部材と底部材とを接合して有底筒状の振動子ホルダを形成した後に薄膜形成工程が実施されるので、振動子ホルダの外面において、筒部材と底部材との接合部分を塞ぐように金属薄膜を確実に形成することができる。この結果、金属薄膜によって振動子ホルダ内に液体の気化ガスが入り込むことを防止することができ、振動子ホルダ内に収容された超音波振動子の電極や配線等の腐食が回避される。従って、本発明によると、製品寿命の長い超音波流量計を効率よく確実に製造することができる。
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によると、超音波振動子の電極や配線の腐食を確実に防止し、超音波流量計の製品寿命を向上することができる。また、請求項に記載の発明によると、製品寿命の長い超音波流量計を効率よく確実に製造することができる。
一実施の形態の超音波流量計を示す断面図。 一実施の形態の超音波流量計の要部を示す拡大断面図。 一実施の形態の超音波振動子を示す断面図。 一実施の形態の超音波振動子を示す斜視図。 一実施の形態の振動子ホルダを示す分解斜視図。 一実施の形態の振動子ホルダを示す断面図。 別の実施の形態の振動子ホルダを示す断面図。 別の実施の形態の振動子ホルダを示す断面図。
以下、本発明を超音波流量計に具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示される超音波流量計10は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置の薬液供給ラインの途中に設けられ、CMP装置に供給される薬液W1(流体)の流量を測定する。本実施の形態において、CMP装置に供給される薬液W1はフッ酸または硫酸であり、薬液W1の液温は100℃以上200℃以下の温度である。
超音波流量計10は、薬液W1が流れる流路11を形成する管12を有する樹脂製の流量計本体13と、流路11における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁14を隔てて対向配置された位置関係にある一対の超音波振動子16とを備える。流量計本体13の流路11は、薬液循環ラインに接続される液体圧送用の管路であり、流れの方向に沿ってコ字状に形成されている。つまり、流量計本体13の流路は、ストレート状に延設された直管部18を有するとともにその直管部18の両端が同一方向(図1では上側)に直角に曲がった形状の管路である。この流量計本体13において、流路11の直管部18における上流側及び下流側の各端部に一対の超音波振動子16が設けられている。流量計本体13は、耐熱性及び耐薬品性に優れるフッ素樹脂(具体的には、PFA)を用いて形成されており、直管部18の長さは10cm程度である。流量計本体13の管12内に形成される流路11の断面形状は円形であり、その口径は6mm程度である。
図1及び図2に示されるように、本実施の形態の超音波流量計10は、剛体からなる有底筒状の部材であり、超音波振動子16をそれぞれ収納した状態で流量計本体13に装着される一対の振動子ホルダ20をさらに備えている。より詳しくは、本実施の形態の振動子ホルダ20は、円筒状の筒部材21と、円板状の底部材22とによって有底円筒状に形成されている(図5参照)。また、流量計本体13において、直管部18の両端に位置する管壁14の外側には、収容凹部23がそれぞれ形成されている。そして、各収容凹部23内において、振動子ホルダ20の底部材22を直管部18(管壁14)側に向け、かつその底部材22を緩衝部材24を介して流路11の管壁14に当接させた状態で振動子ホルダ20が収容されている。
緩衝部材24は、耐熱性及び耐薬品性に優れた材料(シリコーンゴムやフッ素ゴムなど)を用いて形成されたゴム製のシート状の部材である。なお、緩衝部材24は、超音波の伝搬に影響がない厚さ(例えば、200μm程度の厚さ)であり、底部材22よりも薄く形成されている。また、シート状の緩衝部材24に代えてグリス(例えばシリコーングリス)を塗布し、振動子ホルダ20の底部材22と管壁14との密着性を保つように構成してもよい。
振動子ホルダ20を構成する筒部材21は、シールド部材として機能する銅パイプからなり、外径が12.5mm程度、長さが15mm程度である。また、筒部材21の内径は超音波振動子16の直径よりも若干大きい。この筒部材21の内側に超音波振動子16を収容した状態では、筒部材21の内面と超音波振動子16の側面との間に隙間が形成されている。
振動子ホルダ20を構成する底部材22は、シリカ(SiO)を含んで構成されたシリカ系のセラミックスであり、側面26と、超音波振動子16が固定される内底面27と、内底面27の反対側に位置する外底面28とを有する円板状に形成されている(図5等参照)。底部材22は、超音波振動子16よりも大きい直径(筒部材21と等しい12.5mm程度の直径)を有している。そして、底部材22の内底面27において、超音波振動子16の固定部よりも外側となる外縁部に筒部材21の端部29が接着剤を用いて接合されている。
本実施の形態の超音波振動子16は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなり、直径10mm、厚さ1.0mm程度のサイズを有する円板状に形成されている。図3及び図4に示されるように、超音波振動子16は、第1主面31とその裏面側に設けられた第2主面32とを有している。超音波振動子16の各主面31,32には、折り返し電極33aを有する一対の電極33,34が設けられている。
より詳しくは、超音波振動子16において、第1主面31側には第1電極33(接地電極)が設けられており、その第1電極33の表面が振動子ホルダ20の底部材22の内底面27に接着固定されている(図5参照)。また、超音波振動子16において、第2主面32側には、第1主面31側から折り返された第1電極33の一部33aと第2電極34(作動電極)とが設けられている。各電極33,34は銀を用いて形成されている。図5に示されるように、超音波振動子16の第2主面32側において電極33aにグランド線36が接続されるとともに、第2電極34に信号線37が接続される。なお、第2主面32において、電極33aと電極34とは所定の間隔をあけて設けられており、それら電極間が絶縁されている(図3及び図4参照)。
図2に示されるように、超音波振動子16において、第1主面31全体が振動子ホルダ20における底部材22に接着されており、その第1主面31が、超音波を放射するための音響放射面として機能する。また、流路11の管壁14と超音波振動子16との間に介在され、超音波振動子16の音響放射面(第1主面31)に接着される底部材22が音響整合層として機能する。つまり、底部材22は、音響インピーダンスが超音波振動子16よりも小さく、かつ管壁14よりも大きい部材であり、超音波を効率よく伝搬する。具体的には、超音波振動子16(PZT)の音響インピーダンスは、30.0×10N・s/mであり、底部材22(音響整合層)の音響インピーダンスは、12.5×10N・s/mであり、管壁14(PFA)の音響インピーダンスは、2.6×10N・s/mである。
また、本実施の形態では、超音波振動子16の共振周波数をfとし、底部材22中の音速をvとしたときに、底部材22の厚みt(=0.625mm)が、t={v/(4f)}±10%の関係を満たすように底部材22を形成している。つまり、超音波の波長λ(=v/f)の1/4倍に対応する厚みtで底部材22が形成されている。なお、超音波振動子16の共振周波数fは2MHzであり、底部材22中の音速vは5000m/s程度である。また、超音波振動子16と底部材22との間に介在する接着層(図示略)は、超音波の伝搬に影響がない厚さ(数十μm程度の厚さ)であり、底部材22よりも薄く形成されている。
図5に示されるように、振動子ホルダ20を構成する筒部材21において、底部材22が接合される一方(図では下方)の端部29とは反対側に位置する他方(図では上方)の端部30側には、その端部30から一方の端部29側に延びるようにU字状の切り欠き部40が形成されている。さらに、筒部材21においてU字状の切り欠き部40と対向する位置には、2本の細長いスリット溝41が形成されている。そして、筒部材21の内面において、2本のスリット溝41にて挟まれた部位に、グランド線36がはんだ付けされるようになっている。なお、本実施の形態では、超音波振動子16の電極33aに接続されたグランド線36の途中にて、その被覆の一部が除去されることで導線部分36aが露出しており、その露出した導線部分36aが筒部材21にはんだ接続されている。
図2に示されるように、筒部材21において、切り欠き部40やスリット溝41が形成される端部30には、銅からなる円板状の蓋部材43がその端部30の開口を塞ぐように配置されている。このように、筒部材21、底部材22及び蓋部材43の各部材が超音波振動子16を包囲するように配置される。
流量計本体13の収容凹部23に振動子ホルダ20を装着した場合、筒部材21の切り欠き部40が上方に位置し、切り欠き部40よって上方が開口した形態となる。また、振動子ホルダ20において、筒部材21の切り欠き部40には、同軸ケーブル用のレセプタクル45が配置される。本実施の形態のレセプタクル45は、SMB仕様のレセプタクルであり、レセプタクル固定ナット46及びレセプタクルワッシャ47等を用いて流量計本体13に固定されている。そして、そのレセプタクル45には、同軸ケーブル48の先端に取り付けられた同軸プラグ49が結合されている。なお、同軸プラグ49は、レセプタクル45に結合可能なプラグ型のSMB同軸コネクタである。さらに、流量計本体13において、レセプタクル45と同軸プラグ49との結合部を覆うように、有底二段円筒状のカバー部材51が装着されている。カバー部材51は、流量計本体13と同様に、耐熱性及び耐薬品性に優れるフッ素樹脂(例えば、PFA)を用いて形成されている。
また、レセプタクル45の中心導体53と、超音波振動子16の第2電極34とが信号線37を介して接続される。一方、レセプタクル45の接地導体54と、筒部材21及び超音波振動子16の第1電極33の一部33aとがグランド線36を介して接続される。この結果、超音波振動子16の第1電極33(接地電極)、筒部材21、及び蓋部材43が同電位(グランド電位)とされる。この構成により、信号線37は、いずれも接地された超音波振動子16の第1電極33、筒部材21、蓋部材43、及びレセプタクル45の接地導体54によって囲まれた空間内に配置されている。従って、信号線37の信号、つまり超音波振動子16の出力信号にノイズが重畳することが効果的に防止される。
さらに、振動子ホルダ20の蓋部材43の外側(図2では右側)には、波ワッシャ56を介して押さえ蓋57が配設されている。押さえ蓋57は、流量計本体13の収容凹部23に螺着されており、波ワッシャ56を介して振動子ホルダ20を押圧する。この結果、振動子ホルダ20において、筒部材21を介して底部材22の外底面28が流路11の管壁14側に押し付けられる。これにより、振動子ホルダ20の底部材22(音響整合層)が緩衝部材24を介して流路11の管壁14に密着されるようになっている。
図6に示されるように、振動子ホルダ20の外面58において、底部材22の外底面28から底部材22の側面26を経て底部材22と筒部材21との接合部分60にわたる領域を少なくとも覆うように、非ガス透過性の金属薄膜61が形成されている。具体的には、金属薄膜61によって、底部材22の外底面28及び底部材22の側面26の全面が被覆されるとともに、底部材22と筒部材21との接合部分60を基準として、筒部材21側に数mm程度の位置まで筒部材21の外面62が被覆されている。本実施の形態における金属薄膜61は、耐腐食性に優れる金属材料(具体的には金または白金)からなる薄膜であり、数μm程度の厚さを有する。なお、この金属薄膜61は、金または白金の真空蒸着によって形成された蒸着膜であり、気化した腐食性ガス3を全くあるいは殆ど透過させない性質を持つ。また、底部材22は、シリカ系セラミックスからなり、その表面は、樹脂製の管壁14(PFA)の外面よりも表面粗さRaの値が大きくなっている。具体的には、底部材22の表面粗さRaは1μm以上であり、管壁14(PFA)の表面粗さRaは0.1μm以下である。従って、底部材22の側面26及び外底面28に形成される金属薄膜61は、十分な密着強度(剥離強度)を有している。
図1に示される超音波流量計10は、同軸ケーブル48を介して図示しない制御装置に接続されている。制御装置は、CPU、ROM、RAM、入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、同軸ケーブル48を介して入出力される信号の演算処理を行う。
本実施の形態の超音波流量計10では、流量計本体13に装着された一対の超音波振動子16を用い、流路11の直管部18を流れる薬液W1を介して超音波を送受信する。このとき、制御装置では、超音波の送信信号及び超音波の受信信号に基づいて、薬液W1の流れに対して正方向及び逆方向に超音波が伝搬する際の伝搬時間がそれぞれ測定される。そして、それら伝搬時間の差から薬液W1の流速が求められる。さらに、その流速を流量に変換することで、薬液W1の流量が測定される。そして、制御装置は、この測定結果に基づいて、CMP装置に供給する薬液W1の流量を管理する。
次に、超音波流量計10の製造方法について以下に説明する。
先ず、筒部材21及び底部材22を準備する。具体的には、銅からなるパイプ材を切断して所定の長さ(本実施の形態では15mmの長さ)の筒部材21にする。その後、切削加工等を行うことにより、筒部材21の端部30にU字状の切り欠き部40を形成するとともに2本の細長いスリット溝41を形成する。なおここでは、切り欠き部40及び細長いスリット溝41を形成した後に、パイプ材を所定の長さに切断して筒部材21を形成してもよい。さらに、シリカ(SiO)を含んだ板状のセラミックスを円板状に切削加工することで、直径が12.5mmの底部材22を形成する。なおここで、セラミックスの未焼成材料を円板状に成形した後、焼成工程を行うことで、直径が12.5mmの底部材22を形成してもよい。
そして、底部材22において内底面27となる一方の表面に超音波振動子16の第1電極33を接着固定する。なおここでは、超音波振動子16の第2主面32における第1電極33の折り返し部分の電極33aにグランド線36をはんだ接続するとともに第2電極34に信号線37をはんだ接続した配線付きの超音波振動子16を予め準備する。そして、底部材22の内底面27と超音波振動子16の第1電極33の表面とのいずれか一方に接着剤を塗布した後、底部材22の内底面27に超音波振動子16を接着固定する。
この後、筒部材21と底部材22との接合工程を行う。この接合工程では、筒部材21において切り欠き部40及びスリット溝41が形成されていない一方の端面と底部材22の内底面27における外縁部とのいずれか一方に接着剤を塗布し、それら筒部材21と底部材22とを接着固定する。この結果、有底筒状の振動子ホルダ20を形成する。
この後、薄膜形成工程では、金または白金の真空蒸着により、振動子ホルダ20の外面58に金属薄膜61を形成する。このとき、振動子ホルダ20の外面58において、底部材22の外底面28及び側面26に金または白金の薄膜を蒸着させるとともに、底部材22と筒部材21との接合部分60を含む領域(筒部材21の外面62の一部を含む領域)にも金または白金の薄膜を蒸着させる。本実施の形態の振動子ホルダ20では、底部材22と筒部材21との接合部分60を基準として、筒部材21側に数mm程度の位置まで外面58が被覆されるように金属薄膜61を形成する。
次に、筒部材21の内面64において、2本のスリット溝41に挟まれた部位に、超音波振動子16の電極33aから延びるグランド線36にて露出した導線部分36aをはんだ接続する。そして、レセプタクル45の接地導体54にグランド線36をはんだ接続するとともに、レセプタクル45の中心導体53に超音波振動子16の第2電極34から延びる信号線37をはんだ接続する。その後、底部材22の外底面28にシート状の緩衝部材24を密着配置させた状態で、流量計本体13の収容凹部23に振動子ホルダ20を挿入する。またこのとき、筒部材21におけるU字状の切り欠き部40が上方に開口するよう振動子ホルダ20を配置する。そして、切り欠き部40にレセプタクル45を配置し、レセプタクル固定ナット46及びレセプタクルワッシャ47等を用いてレセプタクル45を流量計本体13に固定する。さらに、収容凹部23において、振動子ホルダ20の後方から蓋部材43を被せるとともに波ワッシャ56を介して押さえ蓋57を螺着する。この結果、押さえ蓋57によって振動子ホルダ20が押圧され、蓋部材43及び筒部材21を介して底部材22の外底面28が流路11の管壁14側に押し付けられた状態で振動子ホルダ20が収容凹部23に装着される。
そして、同軸ケーブル48の先端に設けられた同軸プラグ49をレセプタクル45に結合させる。さらに、流量計本体13において、レセプタクル45と同軸プラグ49との結合部を覆うようにカバー部材51を装着する。以上の工程を経て、図1に示すような超音波流量計10が製造される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の超音波流量計10では、振動子ホルダ20の外面58において、底部材22の外底面28から底部材22の側面26を経て底部材22と筒部材21との接合部分60にわたる領域を含み、外面58の一部を覆うように、金属薄膜61が形成される。この金属薄膜61によって振動子ホルダ20内へのガス(薬液W1の気化ガス)の浸透が遮断される。この結果、振動子ホルダ20内に収容された超音波振動子16の電極33,34や配線(グランド線36や信号線37)等の腐食を回避することができる。また、本実施の形態の超音波流量計10において、金属薄膜61は、樹脂製の流量計本体13側ではなく、剛体からなる振動子ホルダ20(筒部材21及び底部材22)の表面に形成されている。従って、高温の薬液W1の流量を計測する場合であっても、振動子ホルダ20の外面58は樹脂表面のような熱膨張が生じ難いため、振動子ホルダ20の外面58に金属薄膜61が密着した状態で確実に保持される。この結果、超音波流量計10を長期間使用した場合でも、金属薄膜61によって超音波振動子16等の腐食を回避することができる。
(2)本実施の形態の超音波流量計10では、振動子ホルダ20において、底部材22の内底面27に超音波振動子16が固定されるとともに、その内底面27における外縁部に接合された筒部材21によって底部材22の外底面28が管壁14側に押し付けられている。この底部材22は、超音波振動子16と管壁14との間に介在され、音響整合層として機能する。具体的には、底部材22の音響インピーダンスは、超音波振動子16よりも小さく、管壁14よりも大きい。従って、超音波振動子16と管壁14との間にその底部材22を介在させることにより、各部材間の界面における音響インピーダンスの差を小さくすることができる。さらに、底部材22は、超音波の波長λに応じたλ/4の厚みを有する。このようにすると、超音波振動子16から出力された超音波を管壁14を介して薬液W1に効率よく伝搬させることができ、薬液W1の流量を正確に測定することができる。
(3)本実施の形態の超音波流量計10において、金属薄膜61は、金または白金からなるので、腐食をもたらす薬液W1(フッ酸や硫酸などの薬液)を流路11に流す場合であっても、その薬液W1に対して十分な耐腐食性を確保することができる。
(4)本実施の形態の超音波流量計10において、底部材22はセラミックスであり、その表面は、樹脂製の管壁14の外面よりも表面粗さRaの値が大きくなっている。このようにすると、底部材22の側面26及び外底面28に、密着強度(剥離強度)が高く、剥離し難い金属薄膜61を確実に形成することができる。
(5)本実施の形態の超音波流量計10において、金属薄膜61の厚さは数μmであり、金属薄膜61を伝搬する超音波の波長λの1/8(200μm)の厚さよりも薄く形成されている。このように、金属薄膜61を薄く形成することにより、金属薄膜61の表面において超音波が反射することがなく、超音波の伝搬に影響することがない。さらに、金属薄膜61の材料費を低く抑えることができる。
(6)本実施の形態の超音波流量計10では、底部材22の外底面28がゴム製のシート状の緩衝部材24を介して管壁14に密着されているので、超音波を確実に伝搬させることができる。また、緩衝部材24は、耐熱性及び耐薬品性を有するので、長期間使用しても緩衝部材24が劣化することなくシート形状が保持されるので、底部材22の外底面28を管壁14に確実に密着させることができる。
(7)本実施の形態では、接合工程において、筒部材21と底部材22とを接合して有底筒状の振動子ホルダ20を形成した後に薄膜形成工程が実施される。従って、振動子ホルダ20の外面58において、筒部材21と底部材22との接合部分60を塞ぐように金属薄膜61を形成することができる。そして、金属薄膜61によって振動子ホルダ20内に薬液W1の気化ガスが入り込むことを防止することができ、振動子ホルダ20内に収容された超音波振動子16の電極33,34や配線36,37等の腐食が回避される。従って、本実施の形態によると、製品寿命の長い超音波流量計10を効率よく確実に製造することができる。
(8)本実施の形態の超音波流量計10では、振動子ホルダ20を構成する筒部材21の端部30側に2本のスリット溝41が形成されており、それらスリット溝41に挟まれた部分にグランド線36がはんだを用いて接続されている。このようにスリット溝41を形成すると、はんだ接続の際にはスリット溝41間の部位から熱が逃げ難くなるため、グランド線36のはんだ接続を容易に行うことができる。
(9)本実施の形態では、超音波流量計10の測定結果に基づいて、半導体の研磨処理に必要な量の薬液W1をCMP装置に確実に供給することができる。また、薬液W1は高温であるため、半導体の研磨処理を効率よく確実に行うことができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態の薄膜形成工程では、金または白金の真空蒸着によって金属薄膜61を振動子ホルダ20の外面58に形成するものであったが、これに限定されるものではない。CVDや無電解めっき等の他の手法により、金属薄膜61を形成してもよい。なお、無電解めっきで金属薄膜61を形成する場合、先ず、無電解銅めっきを行って下地層となる銅めっき層を形成した後、金または白金の無電解めっきを行う。このようにしても、振動子ホルダ20の外面58に、耐腐食性に優れる金または白金の薄膜を形成することができる。
・上記実施の形態の薄膜形成工程では、振動子ホルダ20において、底部材22と筒部材21との接合部分60を含む外面58の一部に金属薄膜61を形成するものであったが、これに限定されるものではない。図7に示されるように、振動子ホルダ20Aの外面62の全体に金属薄膜61を形成してもよい。また、図8に示されるように、振動子ホルダ20Bの外面58の全体に加えて内面65の全体にも金属薄膜61を形成してもよい。このように金属薄膜61を形成すると、振動子ホルダ20A,20B内の超音波振動子16の電極33,34や配線(信号線37及びグランド線36)等の腐食をより確実に防止することができる。
・上記実施の形態の超音波流量計10において、振動子ホルダ20を構成する筒部材21は銅からなる金属製の部材であったが、これに限定されるものではない。図7や図8に示される振動子ホルダ20A,20Bのように、外面58の全体や内面65の全体に金属薄膜61を形成する場合、金属薄膜61によって電気ノイズに対するシールド機能が確保される。このため、底部材22と同様にセラミックス(剛体)によって筒部材21を形成してもよい。
・上記実施の形態では、底部材22の内底面27に超音波振動子16を接着固定した後に、薄膜形成工程を行っていたが、これに限定されるものではない。これとは逆に、薄膜形成工程を行った後、底部材22の内底面27に超音波振動子16を接着固定してもよい。
・上記実施の形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる超音波振動子16を用いたが、超音波振動子16の形成材料には特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム系(ニオブ酸アルカリ系)の圧電セラミックスからなる超音波振動子を用いてもよい。また、流量計本体13の形成材料として、フッ素樹脂(具体的には、PFA)を用いたが、耐熱性及び耐薬品性に優れるものであれば他の樹脂材料を用いてもよい。さらに、音響整合層として機能する底部材22の形成材料についても、超音波振動子16の音響インピーダンスや流量計本体13の音響インピーダンスに応じて、適宜変更してもよい。
・上記実施の形態の超音波流量計10では、コ字状の流路11が形成された管12を有する流量計本体13を用いたが、これに限定されるものではない。具体的には、直管部18の両端がそれぞれ逆方向(例えば上側及び下側)に直角に曲がったZ字状の流路や、それ以外の形状の流路が形成された管を有する流量計本体を用いてもよい。
・上記実施の形態の超音波流量計10は、CMP装置の薬液供給ラインに用いられるものであったが、これに限定するものではない。薬液W1を用いて部品の洗浄や薬剤の生成等の処理を行う他の処理装置に超音波流量計10を用いてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至10のいずれか1項において、前記筒部材は、円筒形の銅パイプであり、円板状の前記超音波振動子よりも若干大きな内径を有していることを特徴とする超音波流量計。
(2)技術的思想(1)において、前記筒部材には、前記超音波振動子の接地電極が電気的に接続されることを特徴とする超音波流量計。
(3)請求項1乃至10のいずれか1項において、前記流体は、半導体製造装置の薬液循環ラインを流れる薬液であることを特徴とする超音波流量計。
(4)請求項1乃至10のいずれか1項において、前記流体は、半導体製造装置の薬液循環ラインを流れる薬液としてのフッ酸または硫酸であり、前記薬液の液温は100℃以上200℃以下であることを特徴とする超音波流量計。
(5)請求項1乃至10のいずれか1項において、前記流量計本体は、フッ素樹脂からなることを特徴とする超音波流量計。
(6)請求項1乃至10のいずれか1項において、前記超音波の周波数は、2MHz以上であることを特徴とする超音波流量計。
(7)請求項11において、前記薄膜形成工程では、金または白金の蒸着によって前記金属薄膜を形成することを特徴とする超音波流量計の製造方法。
(8)請求項11において、前記薄膜形成工程では、金または白金の無電解めっきによって前記金属薄膜を形成することを特徴とする超音波流量計の製造方法。
(9)請求項11において、前記薄膜形成工程では、前記底部材の表面に無電解銅めっきを行って下地層を形成した後に、金または白金の無電解めっきを行って金または白金の薄膜を形成することを特徴とする超音波流量計の製造方法。
10…超音波流量計
11…流路
12…管
13…流量計本体
14…管壁
16…超音波振動子
20,20A,20B…振動子ホルダ
21…筒部材
22…底部材
24…緩衝部材
26…側面
27…内底面
28…外底面
58…外面
60…接合部分
61…金属薄膜
65…内面

Claims (8)

  1. 流体が流れる流路を形成する管を有する樹脂製の流量計本体と、
    前記流路における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁を隔てて対向配置された位置関係にあり、前記管壁を介して超音波の送受信を行う一対の超音波振動子と、
    剛体からなる有底筒状の部材であり、前記超音波振動子をそれぞれ収納した状態で前記管壁の外側に装着される一対の振動子ホルダと
    を備え、前記一対の超音波振動子間で送受信される超音波の伝搬時間の差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、
    前記振動子ホルダは、
    側面と、前記超音波振動子が固定される内底面と、前記内底面の反対側に位置する外底面とを有する板状に形成され、前記超音波振動子と前記管壁との間に介在される音響整合層として機能する底部材と、
    前記底部材の前記内底面における外縁部に接合され、前記外底面を前記管壁側に押し付ける筒部材と
    を備えて構成され、
    前記振動子ホルダの外面において、前記底部材の前記外底面から前記底部材の前記側面を経て前記底部材と前記筒部材との接合部分にわたる領域を隙間なく連続的に覆うように、非ガス透過性の金属薄膜としての金または白金からなる蒸着膜が密着形成され、
    前記底部材は、前記超音波の波長λに応じたλ/4の厚みを有しかつ前記超音波振動子の厚さよりも薄く形成され、
    前記金属薄膜は、前記超音波の波長λの1/8の厚さよりも薄く形成され、
    前記底部材の表面は、前記管壁の外面よりも表面粗さの値が大きい
    ことを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記振動子ホルダにおける前記外面の全体に、前記金属薄膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記振動子ホルダにおける前記外面の全体及び内面の全体に、前記金属薄膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  4. 流体が流れる流路を形成する管を有する樹脂製の流量計本体と、
    前記流路における上流側位置及び下流側位置にて各々管壁を隔てて対向配置された位置関係にあり、前記管壁を介して超音波の送受信を行う一対の超音波振動子と、
    剛体からなる有底筒状の部材であり、前記超音波振動子をそれぞれ収納した状態で前記管壁の外側に装着される一対の振動子ホルダと
    を備え、前記一対の超音波振動子間で送受信される超音波の伝搬時間の差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、
    前記振動子ホルダは、
    側面と、前記超音波振動子が固定される内底面と、前記内底面の反対側に位置する外底面とを有する板状に形成され、前記超音波振動子と前記管壁との間に介在される音響整合層として機能する底部材と、
    前記底部材の前記内底面における外縁部に接合され、前記外底面を前記管壁側に押し付ける筒部材と
    を備えて構成され、
    前記振動子ホルダの外面において、前記底部材の前記外底面から前記底部材の前記側面を経て前記底部材と前記筒部材との接合部分にわたる領域を隙間なく連続的に覆うように、非ガス透過性の金属薄膜としての金または白金からなる蒸着膜が密着形成され、
    前記筒部材は、導電性金属製のパイプからなり、底部材接合側の端部とは反対の端部側に、U字状の切り欠き部が形成されるとともに、前記筒部材の中心軸線を介して前記切り欠き部に対向する箇所に2本のスリット溝が形成され、
    前記2本のスリット溝に挟まれた舌片状部分に対し、前記超音波振動子の電極に接続された前記グランド線がはんだ付けされている
    ことを特徴とする超音波流量計。
  5. 前記底部材は、音響インピーダンスが前記超音波振動子よりも小さく、かつ前記管壁よりも大きいセラミックスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  6. 前記流量計本体の流路は、ストレート状に延設された直管部を有するとともにその直管部の両端が直角に曲がった形状の管路であり、
    前記直管部における上流側及び下流側の各端部に前記一対の超音波振動子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  7. 前記振動子ホルダにおいて前記金属薄膜を形成した前記外底面は、耐熱性及び耐薬品性を有するゴム製のシート状の緩衝部材を介して前記管壁に密着されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波流量計
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波流量計を製造する方法であって、
    前記筒部材と前記底部材とを接着剤を用いて接合し、前記有底筒状の振動子ホルダを形成する接合工程と、
    前記接合工程の後、前記振動子ホルダの外面に、非ガス透過性の金属薄膜を形成する薄膜形成工程と
    を含むことを特徴とする超音波流量計の製造方法。
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