JP6326566B2 - 呼吸補助装置 - Google Patents

呼吸補助装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6326566B2
JP6326566B2 JP2013104152A JP2013104152A JP6326566B2 JP 6326566 B2 JP6326566 B2 JP 6326566B2 JP 2013104152 A JP2013104152 A JP 2013104152A JP 2013104152 A JP2013104152 A JP 2013104152A JP 6326566 B2 JP6326566 B2 JP 6326566B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blower
user
air
exhalation valve
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013104152A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014223186A (ja
Inventor
新田 一福
一福 新田
真市 塩田
真市 塩田
雅司 東裏
雅司 東裏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Metran Co Ltd
Original Assignee
Metran Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Metran Co Ltd filed Critical Metran Co Ltd
Priority to JP2013104152A priority Critical patent/JP6326566B2/ja
Publication of JP2014223186A publication Critical patent/JP2014223186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6326566B2 publication Critical patent/JP6326566B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、呼吸補助装置に関する。
睡眠時の無呼吸は、睡眠中に気道の筋肉が弛緩して舌根部や軟口蓋が下がり、気道を閉塞することによって生じる。この種の呼吸障害の患者に対しては、気道に陽圧(正圧)を印加する送風機(ブロア)を備えた呼吸補助装置が利用される(特許文献1及び2、並びに非特許文献1参照)。
特表2007−506482号公報 特開2011−156410号公報
株式会社メトラン、[online]、製品情報>ジャスミン、[平成24年6月29日検索]、インターネット(URL:http://www.metran.co.jp/products/products2/190.html)
特許文献1及び2の呼吸補助装置では、送風機を、利用者の口及び鼻を覆うマスクと一体化している。これにより、送風機から気道までの経路を短くし、応答性を高めている。一方、送風機の重さが利用者の顔に掛かり、負担になる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、利用者の負担を軽減する呼吸補助装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、利用者の口を覆わずに鼻を覆うマスクと、前記利用者の口の上に設けられ、前記マスクに気体を送り出す送風機と、前記マスク及び前記送風機を互いに連結する部材であって、かつ、前記送風機から送り出された気体を前記マスクに通す通気孔が形成された板部材と、を備えることを特徴とする、呼吸補助装置である。
本発明によれば、利用者の体の中心軸から送風機の重心までの距離を、従来と比較して短くすることができる。これにより、横になる利用者が寝返りを打ったり顔の向きを変えたりする場合に、送風機によるモーメントを小さくすることができる。また、送風機が口の上に置かれるので、寝返りを打ったり顔の向きを変えたりした場合に、送風機を顔で枕に押し付けることにならずにすむ。結果として、利用者の負担を軽減することができる。
なお、送風機が頬の上に置かれていることを仮に想定すると、寝返りを打ったり顔の向きを変えたりした場合には、頬(顔)で送風機を枕などに押し付けることになり、利用者に負担が掛かってしまう。すなわち、送風機は、体のセンターライン上に置かれることが必須であり、そのセンターライン上のうち、利用者にとって気になりにくい口の上に置かれることになる。
そして、マスクは、利用者の口を覆わずに鼻を覆うものであり、利用者の口及び鼻を覆うものと比較して、サイズが小さい。このため、マスクの内外の圧力差が小さい場合であっても、マスクを、利用者の肌に密着させることが容易である。また、マスクの内外の圧力差を大きくする必要がなく、マスクを利用者の肌から取り外す際に、小さな力で行うことができる。よって、取扱いが簡便である。
(2)本発明はまた、前記送風機は、前記利用者の口に接触して、該口を閉じたままにすることを支援することを特徴とする、上記(1)に記載の呼吸補助装置である。
上記発明によれば、送風機が利用者の口を押さえることになり、口を閉じたままにすることを支援できる。これにより、鼻呼吸時に望まれる口を閉じた状態となり、利用者の負担が軽減される。なお、口への接触は、直接的であっても間接的であってもよい。
(3)本発明はまた、前記マスク及び前記送風機は、前記板部材を介して互いに着脱可能であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の呼吸補助装置である。
上記発明によれば、マスクの交換が可能であり、便利である。
(4)本発明はまた、前記送風機は、前記気体を取り込む吸気口、周回するように設けられ前記吸気口から取り込んだ前記気体を流す流路、及び前記流路を流れた前記気体を前記マスクに向けて送り出す吐出口、を有する筐体と、前記吸気口に自身の正面が面するように前記筐体内に配置される羽根車と、前記羽根車の背面側に、前記筐体の内周面に沿って周回するスリットを有するように配置されることで、前記羽根車が配置される空間、及び、前記スリットに沿って周回する前記流路に仕切る仕切り部材と、を備えることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の呼吸補助装置である。
上記発明によれば、羽根車が配置される空間と、吐出口に繋がる流路と、の二段構造を採用したので、吸気口から吸い込む空気の流れと、吐出口から送り出す空気の流れと、を分離することができる。これにより、吸気口から吸い込む空気の流れと、吐出口から送り出す空気の流れと、が衝突することを防止できる。すなわち、空気の流れが互いに衝突することによるノイズの発生を防止できる。
また、羽根車が配置される空間と流路を結ぶスリットを空気が流れることにより、ノイズが発生する。このノイズによって、羽根車の回転に伴って発生する他のノイズをキャンセルすることができる。これにより、騒音による利用者への負担を軽減できる。
(5)本発明はまた、前記送風機から前記利用者の鼻までの経路に形成された通気孔を覆うように設けられた呼気弁を備え、前記呼気弁は、電圧の印加量に応じて変位するピエゾ素子を有してなり、該ピエゾ素子が前記経路を構成する面に対して離隔し又は近接して当接するように変位することで、該ピエゾ素子自体が前記通気孔を開閉することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の呼吸補助装置である。
上記発明によれば、呼気弁がピエゾ素子を有してなり、その開放量を微調整できるので、当該呼気弁から放出される呼気の流量が急激に変化することを防止できる。すなわち、送風機から利用者の鼻までの経路内の気圧が急激に変化することを防止することとなり、利用者に掛かる負担が増加することを防止できる。
そして、吸気時に経路内が気密となるように呼気弁を閉じることができるので、当該呼気弁から漏出する気体の量を軽減できる。また、呼気弁がピエゾ素子を有してなるので、応答性が速く、利用者への負担が小さい。具体的に、呼気弁として電磁弁を採用する場合には、8msec〜10msec程度の時間で開閉するが、上記発明のように、ピエゾ素子を有してなる呼気弁の場合には、100μsec程度の短い時間で開閉できる。
さらに、呼気弁がピエゾ素子を有してなるので、呼気弁として電磁弁を採用する場合と比較して耐久期間が長く、壊れにくい。次いで、呼気弁がピエゾ素子を有してなるので、呼気弁として電磁弁を採用する場合などと比較して、呼吸補助装置を小型化したり軽量化したりできる。このため、利用者の顔に掛かる呼吸補助装置の重力を低減でき、利用者の負担を減らすことができる。
(6)本発明はまた、前記呼気弁は、経路の内側で変位することを特徴とする、上記(5)に記載の呼吸補助装置である。
上記発明によれば、開閉時の呼気弁が何らかの物品と干渉することが防止できる。結果として、呼気弁の誤動作を防止できる。
本発明の上記(1)〜(6)に記載の呼吸補助装置によれば、利用者の負担を軽減できるという優れた効果を奏し得る。
本発明の第1実施形態に係る呼吸補助装置の断面図である。 送風機の側面図である。 送風機の断面図である。 羽根車の正面図である。 流路の断面図である。 筐体の内周面に沿って周回するスリットの幅とノイズキャンセルレベルとの関係を示すグラフであり、横軸にスリットの幅を、縦軸にノイズキャンセルレベルをそれぞれ示す。 制御ユニットのハード構成を示すブロック図である。 制御ユニットの機能構成を示す概略図である。 チャンバー部分の断面図であり、(A)は呼気弁の開放時を示し、(B)は呼気弁の閉鎖時を示す。 呼吸補助装置の使用状態図である。 モーメントを説明する呼吸補助装置の使用状態図であり、(A)は第1実施形態に係る呼吸補助装置の場合を示し、(B)は従来の呼吸補助装置の場合を示す。 本発明の第2実施形態に係る呼吸補助装置の正面図である。 第3実施形態に係る呼吸補助装置の正面図である。 比較例に係る送風機の断面図である。 (A)はマイクロポンプの構成例を示す断面図であり、(B)は同マイクロポンプの圧力−流量線を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係る呼吸補助装置について詳細に説明する。
[第1実施形態]まず、図1〜図11を用いて、本発明の実施形態に係る呼吸補助装置1の構成について説明する。図1は、呼吸補助装置1の断面図である。図2は、送風機10の側面図である。図3は、送風機10の断面図である。図4は、羽根車23の正面図である。図5は、流路32の断面図である。図6は、筐体21の内周面に沿って周回するスリットdの幅wとノイズキャンセルレベルとの関係を示すグラフであり、横軸にスリットdの幅wを、縦軸にノイズキャンセルレベルをそれぞれ示す。図7は、制御ユニット16のハード構成を示すブロック図である。図8は、制御ユニット16の機能構成を示す概略図である。図9は、チャンバー11部分の断面図であり、図9(A)は呼気弁15の開放時を示し、図9(B)は呼気弁15の閉鎖時を示す。図10は、呼吸補助装置1の使用状態図である。図11は、モーメントを説明する呼吸補助装置の使用状態図であり、図11(A)は呼吸補助装置1の場合を示し、図11(B)は従来の呼吸補助装置100の場合を示す。なお、各図において、一部の構成や、断面を示すハッチング等を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、各図において、部材の大きさを適宜誇張して表現する。
図1に示される呼吸補助装置1は、気道に陽圧を作り出すためのものであり、呼吸障害の患者が利用する。この呼吸補助装置1は、いわゆる鼻マスクタイプである。具体的に、呼吸補助装置1は、送風機10と、チャンバー11と、鼻マスク12と、気圧計13と、流量計14と、呼気弁15と、制御ユニット16と、ケース17と、板部材18と、利用者に装着するためのバンド(図示省略)と、を備えている。
図2〜図5に示される送風機10は、チャンバー11及び板部材18を介して鼻マスク12に繋がる。この送風機10は、鼻マスク12を介して利用者の鼻腔(気道)に空気を送り出す。これにより、送風機10は、気道に陽圧を作り出す。具体的に、送風機10は、筐体21と、整流部材22と、羽根車23と、モーター24と、仕切り部材25と、を備えている。
筐体21は、樹脂で成型された送風機10の本体であり、外観形状が略円錐台の上部21aと、外形形状が略円柱の下部21bと、この下部21bから側方に延出した吐出管21cと、から構成される。上部21aは、上方に向けて滑らかに湾曲している。そして、上部21aは、上端に円形の吸気口26を有している。下部21bには、羽根車23の回転軸28を支持する軸受として機能するベアリング21dが埋め込まれている。吐出管21cは、先端に吐出口17を有している。このような筐体21は、吸気口26から空気を取り込み、そして、吐出口27から空気を送り出す。なお、空気に限定されず、薬品を混合した空気や、酸素など、その他の気体であってもよい。
整流部材22は、ガスタービン型のジェットエンジンを模したもので、先端が突出した形状を呈する。この整流部材22は、吸気口26の中心に、当該吸気口26の外側に突出するように設けられる。そして、整流部材22は、例えば3本の連結部材22aによって、吸気口26の縁に連結されて固定されている。また、整流部材22は、ベアリング22bが埋め込まれており、羽根車23の回転軸28を支持する軸受を兼ねる。
図3及び図4に示される羽根車23は、自身の正面が吸気口26に面するように筐体21内に配置される。すなわち、羽根車23は、後述する流路32よりも、回転軸28方向における吸気口26側に位置する。この羽根車23は、回転軸28の周りに配置された複数の羽根29と、これら複数の羽根29の背面側(図3における下側)を覆う被覆部材30と、を備えている。そして、羽根車23は、複数の羽根29の吸気口26側が開放している。すなわち、複数の羽根29の吸気口26側には、被覆部材30のような部材が設けられていない。複数の羽根29は、被覆部材30と一体に成型されている。
これら複数の羽根29は、筐体21の内周面に面している。そして、複数の羽根29は、設計通りに作ることが可能であるならば、筐体21の内周面との間の隙間が限りなく0[mm]に近いことが好ましい。ただし、設計誤差を考慮した場合、羽根29と筐体21内周面との衝突を防止する観点から、ある程度の隙間(設計誤差と同じ大きさの隙間:設計誤差が±0.8[mm]であるならば、0.8[mm]の隙間)を空けることが好ましい。被覆部材30は、吸気口26側に突出する傘型を呈する。すなわち、被覆部材30は、吸気口26側に突出する円錐面を有する。これにより、被覆部材30の背面側(図3における下側)には、モーター24などを配置する空間を形成する。羽根車23の回転軸28は、筐体21に埋め込まれたベアリング21dと、整流部材22に埋め込まれたベアリング22bと、によって、両端支持されている。
図3に示されるモーター24は、羽根車23(被覆部材30)の背面側(図3における下側)に若干収容されるように設けられている。このモーター24は、羽根車23を回転軸28中心に回転させる動力源となる。回転数は、一般的な10000[rpm]〜20000[rpm]程度であることが好ましい。
仕切り部材25は、羽根車23の背面側に、筐体21の内周面に沿って周回する1.0mm以下の幅wのスリットdを有するように配置されることで、羽根車23が配置される空間31、及び、スリットdに沿って周回して吐出口27に繋がる流路32に仕切る。スリットdは、ノイズを小さくする観点からすると0.6mm以下であることが好ましく、更にエネルギー損失を少なくする観点からすると、その中でも大きい0.6mmであることがより好ましい。図6に示されるように、スリットdが0.6mmより大きくなるとノイズキャンセルレベルが徐々に低下し、1.0mmより大きくなるとノイズキャンセルレベルが急激に低下するからである。そして、スリットdが狭くなればなる程、エネルギー損失が大きくなるからである。なお、スリットdは、筐体21の内周直径Dの1.5%以下の幅wであることが好ましい。
図3及び図5に示される流路32は、モーター24を周回するように同心円環状(断面積一定の円環状)に配置され、吐出管21cに繋がる。そして、羽根車23の回転軸28に沿った方向に、当該羽根車23、モーター24、流路32の順に配置されるように、モーター24よりもやや下方(図3における下方)に流路32が設けられている。この流路32は、輪切りにした断面形状が真円形状であることが最も好ましく、その次に、羽根車23の半径方向(図3における左右方向)に相対的に長い形状であることが好ましい。本実施形態において流路32は、高さ方向(図3における上下方向)の小型化(薄型化)のため、輪切りにした断面形状として、羽根車23の半径方向に相対的に長い形状(図3において、L>L)を採用している。また、流路32は、輪切りにした断面積が可能な限り大きく設定されていることが好ましい。
次に、図3及び図5を用いて、送風機10における空気の流れを説明する。
図3に示されるように、羽根車23の回転により、当該羽根車23が配置される空間31内の空気が、外周方向(図3における左右方向)に移動する。これにより、羽根車23が配置される空間31の内周寄り(図3における中央寄り)の気圧が低くなる。これに伴って、吸気口26から筐体21内の空間31に空気が吸い込まれる。すなわち、吸気口26から筐体21内のスリットdに向けた気流が生じる。
また、羽根車23が配置される空間31内の空気が、外周方向(図3における左右方向)に移動することで、当該空間31の外周寄り(図3における左右寄り)の気圧が高くなる。これに伴って、羽根車23が配置される空間31内の空気が、スリットdから流路32に向けて移動する。すなわち、羽根車23が配置される空間31から流路32に向けた気流が生じる。
そして、スリットdから流路32に向けて移動した空気は、当該流路32の壁面、底面、天井面に沿って移動する。また、スリットdから流路32に向けて移動した空気は、羽根車23の回転によって、当該羽根車23の回転方向(右回り)に回転する力が作用している。このため、図5に示されるように、スリットdから流路32に向けて移動した空気は、流路32内を右回りに回転する。その後、流路32内を右回りに回転した空気は、吐出管21cを伝って吐出口27からチャンバー11内に送り出される(図1参照)。
図1に戻って説明する。チャンバー11は、送風機10から送り出された空気の経路となる。このチャンバー11には、板部材18が取り付けられる通気孔11aと、呼気弁15によって開閉される通気孔11bと、送風機10の吐出口27が接続される接続口11cと、が形成されている。鼻マスク12は、利用者の口を覆わずに鼻を覆うように装着されるものであり(図10及び図11(A)参照)、板部材18の通気孔18aを介してチャンバー11の通気孔11aに着脱可能に取り付けられる。これにより、鼻マスク12は、送風機10から送り出された空気を吸気として利用者の鼻腔に導く(図9(B)参照)。また、鼻マスク12は、利用者の呼気をチャンバー11に導く(図9(A)参照)。気圧計13は、チャンバー11内に配置される。この気圧計13は、チャンバー11内の気圧を計測し、計測結果を信号にして制御ユニット16に出力する。流量計14は、送風機10の吐出管21c内に配置される。この流量計14は、送風機10から送り出される空気の流量を計測し、計測結果を信号にして制御ユニット16に出力する。
呼気弁15は、チャンバー11に形成された通気孔11bを塞ぐように、当該チャンバー11内に配置される。この呼気弁15は、チャンバー11内に導かれた呼気を大気に放出し、その逆流を防止する逆止弁として機能する。この呼気弁15は、電圧の印加量に応じて変位するピエゾ素子(圧電素子)33を金属板34に積層したモノモルフ(ユニモルフ)構造であって、かつ、片持ち梁(カンチレバー)構造の弁である。このため、呼気弁15は、ピエゾ素子33が反ったり延びたりするように変位することで開閉する。すなわち、呼気弁15は、ピエゾ素子33が、チャンバー11の内面に対して離隔し又は近接して当接するように変位することで、当該ピエゾ素子33自体が、チャンバー11に形成された通気孔11bを開閉する。
具体的に、呼気弁15は、図9(A)に示されるように、ピエゾ素子33に電圧が印加されていない初期状態の時に呼気経路の内側に向けて反った形状になり、チャンバー11に形成された通気孔11bを開放する。そして、呼気弁15は、図9(B)に示されるように、ピエゾ素子33に電圧が印加された時に延びた形状になり、チャンバー11に形成された通気孔11bを閉鎖する。なお、呼気弁15は、例えばネジ(図示省略)などによって適宜固定されている。
ここでは、呼気弁15としてモノモルフ構造を紹介しているが、勿論、2枚のピエゾ素子を貼り合わせたバイモルフ構造を採用することもできる。なお、呼気弁15の片持ち長さは、30mm以上40mm以下程度であることが好ましい。また、呼気弁15が変位するストロークは、2mm以上3mm以下であることが好ましい。
図7に示されるように、制御ユニット16は、CPU36と、第1記憶媒体37と、第2記憶媒体38と、バス39と、等を備えている。
CPU36は、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて本制御ユニット16の各種機能を実現する。第1記憶媒体37は、いわゆるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)であり、CPU36の作業領域として使用される。第2記憶媒体38は、いわゆるROM(リード・オンリー・メモリー)であり、CPU36で実行されるプログラムを記憶する。バス39は、CPU36、第1記憶媒体37、第2記憶媒体38等を一体的に接続して通信を行う配線となる。
図8に示されるように、制御ユニット16は、機能構成として、センシング部41と、呼気弁制御部42と、流量制御部43と、を備えている。センシング部41は、気圧計13のセンシングデータを常に取得して呼気弁制御部42に伝達する。更に、このセンシング部41は、気圧計13及び流量計14のセンシングデータを常に取得して流量制御部43に伝達する。呼気弁制御部42は、センシング部41のセンシングデータを参照して、呼気弁15への制御信号を、目標となる開放量に近づくように制御する。流量制御部43は、センシング部41のセンシングデータを参照して、送風機10のモーター24への制御信号を、目標となる流量値に近づくように制御する。
なお、図1において、制御ユニット16をケース17の外に図示して理解を容易にしているが、実際には、制御ユニット16は、ケース17の中に収容されている。
次に、図1、図9(A)及び図9(B)を用いて、呼吸補助装置1における呼気弁15の制御例について説明する。
利用者が呼気する場合、チャンバー11内が昇圧する。チャンバー11内が昇圧すると、その昇圧した値が気圧計13によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット16に出力される。制御ユニット16は、センシングデータに基づいて、呼気弁15を制御する。すなわち、制御ユニット16は、呼気弁15を動作させ、チャンバー11の通気孔11bを開放する(図9(A)参照)。呼気は、通気孔11bから放出される。
呼気の放出により、チャンバー11内が減圧する。チャンバー11内が減圧すると、その減圧した値が気圧計13によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット16に出力される。制御ユニット16は、センシングデータに基づいて、呼気弁15を制御する。すなわち、制御ユニット16は、呼気弁15を動作させ、通気孔11bを閉鎖する(図9(B)参照)。これにより、チャンバー11内に閉空間が形成され、吸気動作が可能になる。
続いて、利用者が吸気する場合、チャンバー11内が減圧する。チャンバー11内が減圧すると、その減圧した値が気圧計13によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット16に出力される。制御ユニット16は、センシングデータに基づいて、送風機10のモーター24を制御する。すなわち、制御ユニット16は、モーター24を駆動して、送風機10から吸気として空気を送り出す。
送風機10から空気が吸気として送り出されることにより、チャンバー11内が昇圧する。チャンバー11内が昇圧すると、その昇圧した値が気圧計13によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット16に出力される。制御ユニット16は、センシングデータに基づいて、送風機10のモーター24を制御する。すなわち、制御ユニット16は、モーター24を停止して、送風機10から吸気として空気が送り出されることを停止する。以後同様に、呼気動作と吸気動作とを繰り返す。
図1に戻って説明する。ケース17は、送風機10と、チャンバー11と、制御ユニット16と、等を収容する。このケース17には、チャンバー11の通気孔11a,11bに対応するように、通気孔17a,17bが形成されている。通気孔17aには、板部材18を介して鼻マスク12が着脱可能に取り付けられる。通気孔17bは、呼気経路として機能する。また、ケース17には、送風機10の吸気口26に空気を導入する導入口(図示省略)が形成されている。なお、導入口には、塵埃の導入を防止する多孔質部材(連続気泡のスポンジ等)が充填されていることが好ましい。この多孔質部材には、吸音効果もある。板部材18には、ケース17の通気孔11a、及び鼻マスク12の通気孔12aに対応するように、通気孔18aが形成されている。
次に、図10、図11(A)及び図11(B)を用いて、呼吸補助装置1の使用状態について説明する。
図10及び図11(A)に示されるように、呼吸補助装置1は、鼻マスク12を鼻に覆い被せて用いる。ケース17は、送風機10を収容した部分が利用者の口の上に置かれ、当該利用者の口に接触する。すなわち、送風機10は、利用者の口に間接的に接触する。図11(A)に示されるように、送風機10の重心は、利用者の体の中心軸CからR[mm]離れた位置にある。一方、図11(B)に示されるように、従来の呼吸補助装置100の重心は、利用者の体の中心軸CからR[mm](>R)離れた位置にある。この呼吸補助装置100は、送風機がマスクの外側に一体に設けられている。
以上説明したように、呼吸補助装置1によれば、利用者の体の中心軸から送風機10の重心までの距離を、従来と比較して短くすることができる。これにより、横になる利用者が寝返りを打ったり顔の向きを変えたりする場合に、送風機10によるモーメントを小さくすることができる。また、送風機10が口の上に置かれているので、寝返りを打ったり顔の向きを変えたりした場合に、送風機10を顔で枕に押し付けることにならずにすむ。結果として、利用者の負担を軽減することができる。
なお、送風機が頬の上に置かれていることを仮に想定すると、寝返りを打ったり顔の向きを変えたりした場合には、頬(顔)で送風機を枕などに押し付けることになり、利用者に負担が掛かってしまう。すなわち、送風機10は、体のセンターライン上に置かれることが必須であり、そのセンターライン上のうち、利用者にとって気になりにくい口の上に置かれることになる。
そして、送風機10(ケース17の送風機10を収容した部分)が利用者の口を押さえることになり、口を閉じたままにすることを支援できる。これにより、鼻呼吸時に望まれる口を閉じた状態となり、利用者の負担が軽減される。なお、口への接触は、直接的であっても間接的であってもよい。
また、マスクは、利用者の口を覆わずに鼻を覆うものであり、利用者の口及び鼻を覆うものと比較して、サイズが小さい。このため、マスクの内外の圧力差が小さい場合であっても、マスクを、利用者の肌に密着させることが容易である。また、マスクの内外の圧力差を大きくする必要がなく、マスクを利用者の肌から取り外す際に、小さな力で行うことができる。よって、取扱いが簡便である。
さらに、送風機10において、羽根車23が配置される空間31と、吐出口27に繋がる流路32と、の二段構造を採用したので、吸気口26から吸い込む空気の流れと、吐出口27から送り出す空気の流れと、を分離することができる。これにより、吸気口26から吸い込む空気と、吐出口27から送り出す空気の流れと、が衝突することを防止できる。すなわち、空気の流れが互いに衝突することによりノイズの発生を防止できる。
そして、羽根車23が配置される空間31と流路32を結ぶスリットdを空気が流れることにより、ノイズが発生する。このノイズによって、羽根車23の回転に伴って発生する他のノイズをキャンセルすることができる。これにより、騒音による利用者への負担を軽減できる。
また、羽根車23が配置される空間31から流路32に流れ込んだ空気は、流路32の側面、底面、天井面に沿って滑らかに移動する。これにより、乱流の発生が防止される。ひいては、ノイズの発生が防止される。
さらに、流路32がモーター24を周回するように配置されているので、羽根車23の回転軸28方向の小型化を実現できる。
そして、整流部材22が吸気口26の外側に突出するように設けられているので、整流部材を備えていない場合や、整流部材が吸気口26の外側に突出せず内側に収まっている場合と比較して、吸気口26付近における空気の衝突を防止できる。例えば、整流部材を備えていない場合、吸気口26から吸い込まれた空気は、羽根車23やその回転軸28に衝突することになるが、上記送風機10では、そのような衝突は生じない。また、整流部材が吸気口26の外側に突出せず内側に収まっている場合、整流部材によって筐体21内が急激に狭くなって、筐体21内に吸い込まれた空気が衝突するが、上記の送風機10では、そのような衝突は生じない。これにより、ノイズの発生を防止できる。
また、整流部材22が羽根車23の回転軸28の一端を支持するので、羽根車23の振動を防止できる。ひいては、ノイズの発生を防止できる。また、整流部材22が羽根車23の回転軸28の一端を支持する機能を兼ねているので、部品点数を減らすことができ、軽量化、小型化を実現できる。これにより、泊まりがけの旅行や出張などに気軽に持ち運ぶことができる。
さらに、羽根車23において、複数の羽根29の吸気口26側が開放しているので、複数の羽根29の吸気口26側を覆う被覆部材を備えている場合と比較して、軽量化、小型化を実現できる。これにより、泊まりがけの旅行や出張などに気軽に持ち運ぶことができる。
そして、被覆部材30が吸気口26側に突出する円錐面を有するので、吸気口26から筐体21内に吸い込まれた空気を、滑らかに被覆部材30に沿って流すことができる。これにより、吸気口26から筐体21内に吸い込まれた空気が被覆部材30に衝突することが防止できる。ひいては、ノイズの発生を防止できる。
また、呼気弁15がピエゾ素子33を有してなり、その開放量を微調整できるので、当該呼気弁15から放出される呼気の流量が急激に変化することを防止できる。すなわち、送風機10から利用者の鼻までの経路内の気圧が急激に変化することを防止することとなり、利用者に掛かる負担が増加することを防止できる。
さらに、吸気時に経路内が気密となるように呼気弁15を閉じることができるので、当該呼気弁15から漏出する気体の量を軽減できる。そして、呼気弁15がピエゾ素子33を有してなるので、応答性が速く、利用者への負担が小さい。具体的に、呼気弁15として電磁弁を採用する場合には、8msec〜10msec程度の時間で開閉するが、上記実施形態のように、ピエゾ素子33を有してなる呼気弁15の場合には、100μsec程度の短い時間で開閉できる。
また、呼気弁15がピエゾ素子33を有してなるので、呼気弁15として電磁弁を採用する場合と比較して耐久時間が長く、壊れにくい。次いで、呼気弁15がピエゾ素子33を有してなるので、呼気弁15として電磁弁を採用する場合などと比較して、呼吸補助装置1を小型化したり軽量化したりできる。このため、利用者などの顔に掛かる呼吸補助装置1の重力を低減でき、利用者の負担を減らすことができる。
さらに、睡眠時無呼吸症候群などの患者が在宅人工呼吸器として使用できる。
[第2実施形態]次に、図12を用いて、本発明の第2実施形態に係る呼吸補助装置2の構成について説明する。図12は、呼吸補助装置2の正面図である。
なお、ここでは、呼吸補助装置2の特徴部分のみを説明し、呼吸補助装置2と同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。また、以降の実施形態についても、特徴部分のみを説明する。
図12に示されるように、呼吸補助装置2は、さらに、利用者に装着するためのバンドを取り付ける一対のフレーム45を備えている。一対のフレーム45は、ケース17を安定的に支持する。この一対のフレーム45は、ケース17が利用者の口に接触しないようにケース17を支持するものであってもよい。すなわち、一対のフレーム45は、ケース17と利用者の口との間に僅かな隙間を設けるように、当該ケース17を支持するものであってもよい。
このような呼吸補助装置2によれば、一対のフレーム45がケース17を支持することで、当該ケース17を安定させることが可能となり、ケース17がぐらつく等して利用者の負担となることを防止できる。
[第3実施形態]次に、図13を用いて、第3実施形態に係る呼吸補助装置3の構成について説明する。図13は、呼吸補助装置3の正面図である。
図13に示されるように、呼吸補助装置3は、鼻マスク12に代えて、一対のプロング46を備えている。送風機10は、一対のプロング46を介して利用者の鼻腔(気道)に空気を送り出す。一対のプロング46は、利用者の鼻に挿入されるノズルであり、チャンバー11の通気孔に着脱可能に取り付けられる。これにより、一対のプロング46は、送風機10から送り出された空気を吸気として利用者の鼻腔に導く。また、一対のプロング46は、利用者の呼気をチャンバー11に導く。
次に、実験1〜実験4を順に説明する。
実験1及び実験2では、図14に示されるマスタとなる送風機110による比較実験を行った。送風機110は、上記各実施形態に係る送風機10と同様、呼吸障害の患者が利用する呼吸補助装置に必要となる動力源であり、気道に陽圧を作り出すために送風する。
この送風機110は、上記各実施形態に係る送風機10とは異なり、整流部材を備えていない。そして、送風機110は、羽根と筐体内周面との間の隙間が1.9[mm]に設定されている。また、送風機110は、羽根車が配置される空間と、吐出口に繋がる流路と、が連続する一段構造を採用している。すなわち、送風機110は、上記各実施形態に係る送風機10のスリットdに相当する構成は備えていない。さらに、送風機110は、流路の輪切り断面積が吐出口に向けて徐々に広くなるスクロール形状(渦巻き形状)を呈している。そして、送風機110は、羽根車の回転軸に沿った方向に、当該羽根車、流路、モーターの順に配置されている。なお、送風機110は、株式会社メトラン(埼玉県川口市)が販売する持続的自動気道陽圧ユニット(商品名:ジャスミン)に採用されているものである。
実験3では、上記各実施形態に係る送風機10とその変形形態に係る送風機との比較を行った。実験4では、上記各実施形態に係る送風機10と他社製品との比較実験を行った。
[実験1]まず、整流部材によるノイズ低減を調べた実験1を説明する。この実験1では、マスタとなる送風機110と、当該送風機110に整流部材を取り付けたものと、の騒音レベル[dB]を比較した。その結果、整流部材を取り付けることで、騒音レベルが1.7[dB]〜2.5[dB]程度低減した。約750[Hz]以上の中高域で音響パワー[dB]が低減した。
[実験2]そして、羽根と筐体内周面との隙間によるノイズへの影響を調べた実験2を説明する。この実験2では、マスタとなる送風機110と、当該送風機110に整流部材を取り付けると共に羽根と筐体内周面との隙間を0.8[mm]に狭くしたものと、の騒音レベル[dB]を比較した。その結果、整流部材を取り付けると共に羽根と筐体内周面との隙間を0.8[mm]に狭くすることで、騒音レベルが3.8[dB]〜4.2[dB]程度低減した。整流部材を取り付けると共に羽根と筐体内周面との隙間を0.8[mm]に狭くすることで、特に、約3200[Hz]以下の中低域で音響パワー[dB]が低減した。実験1を考慮すると、羽根と筐体内周面との隙間を0.8[mm]に狭くすることで、中低域で音響パワー[dB]が低減することが分かる。
[実験3]また、筐体内周面に沿って周回するスリットによるノイズへの影響を調べた実験3を説明する。この実験3では、上記実施形態に係る送風機10と、当該送風機10における仕切り部材25と筐体21内周面とのスリットdの幅wを1.5[mm]又は2.0[mm]に変更したものと、の騒音レベル[dB]を比較した。すなわち、スリットdが1.0[mm]、1.5[mm]、2.0[mm]のそれぞれの場合の騒音レベル[dB]を比較した。その結果、仕切り部材25と筐体21内周面とのスリットdの幅wを1.0[mm]に狭くすることで、1.5[mm]、2.0[mm]のそれぞれの場合と比較して、騒音レベルが0.9[dB]〜3.2[dB]程度低減した。一方、当該スリットdの幅wを1.5[mm]や2.0[mm]とした場合には、互いの間で騒音レベルに大きな変化はなかった。仕切り部材25と筐体21内周面とのスリットdの幅wを1.0[mm]に狭くすることで、略全域で音響パワー[dB]が低減した。
[実験4]さらに、他社製品との騒音レベルを比較した実験4を説明する。この実験4では、上記各実施形態に係る送風機10と、本出願時に世界最高水準の低騒音を実現しているレスメドリミテッド社(オーストラリア)、レスメド株式会社(東京都文京区)が販売する持続的自動気道陽圧ユニット(商品名:S9Elite)に採用されている送風機(特許第4497809号参照)と、の騒音レベル[dB]を比較した。その結果、上記各実施形態に係る送風機10は、世界最高水準の低騒音を実現している上記他社製品と比較して、騒音レベルが1.4[dB]〜3.0[dB]程度低くなった。上記各実施形態に係る送風機10は、世界最高水準の低騒音を実現している上記他社製品と比較して、約750[Hz]以上約6400[Hz]以下の中域で音響パワー[dB]が低減した。
本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
すなわち、上記各実施形態において、各構成の位置、大きさ(寸法)、形状、材質、向き、数量は適宜変更できる。
あるいは、上記各実施形態において、空気を送り出す送風機として、羽根車23を有する送風機10を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マイクロポンプ等を備えるようにしてもよい。マイクロポンプは、圧電素子が固定されたダイヤフラムを採用するポンプであり、次に説明する構造を有している。
次に、図15を用いて、マイクロポンプ200の構成を説明する。
図15(A)に示されるマイクロポンプ200は、特許文献WO2008/069266で提案されているものであり、一次ブロア室201と、この一次ブロア室201の外側に形成された二次ブロア室202と、を備えている。
一次ブロア室201は、振動源となる圧電素子203と、この圧電素子203が固定されたダイヤフラム204と、このダイヤフラム204と共に空間を形成する振動枠205と、を備えている。振動枠205は、一次ブロア室201の内外で流体を移動させる開口206を有している。二次ブロア室202は、ダイヤフラム204側に吸入口207を有すると共に、開口206に対向するように吐出口208を有している。
以上のマイクロポンプ200では、圧電素子203によってダイヤフラム204が共振すると、一次ブロア室201と二次ブロア室202との間で流体が移動し、これによる流体抵抗によって振動枠205が共振する。このダイヤフラム204と振動枠205との共振によって、吸入口207から流体が吸い込まれて、吐出口208から流体が放出される。
このマイクロポンプ200は、気体を搬送するブロア用途に適しており、逆止弁を用いることなく搬送できる。マイクロポンプ200は、外径が20mm×20mm×2mm程度の箱形状であって極めて小さいものの、入力正弦波を15Vpp(Volt peak to peak)で26kHzとした場合で、最大約1L/分(静圧0Pa時)の空気を搬送でき、また最大約2kPa(流量0L/分)の静圧を得ることができる。
一方、マイクロポンプ200は、圧電素子203によるダイヤフラム204の振動で流体を搬送するから、搬送可能な流体の体積に自ずと限界があり、この静圧/流量特性も図15(B)に示されるような直線を示す。すなわち、例えば約1kPaの静圧を得る場合、流量は0.5L/分となる。
なお、入力正弦波のVppを10や20に変化させた場合、圧電素子203の振幅が変化するので、流量及び圧力を変化させることができる。すなわち、入力正弦波のVppを滑らかに変化させた場合には、流量及び圧力を滑らかに変化させることができる。あるいは、入力正弦波の周波数を変化させた場合、流量及び圧力を変化させることができる。すなわち、入力正弦波の周波数を滑らかに変化させた場合には、流量及び圧力を滑らかに変化させることができる。ただし、流量及び圧力には、圧電素子203の能力や部材の強度や耐久性によって上限がある。通常は定格のVpp及び周波数で使用される。
なお、ここでは1つの圧電素子203をダイヤフラム204に貼り付けたモノモルフ(ユニモルフ)構造を紹介しているが、勿論、2つの圧電素子を貼り合わせて振動量を増やすバイモルフ構造を採用することもできる。
また、上記各実施形態において、可能な範囲で他の実施形態の構成を適用してもよい。具体的に、第1実施形態の呼吸補助装置1に対し、一対のプロングを着脱可能に取り付けるようにしてもよい。利用者は、一対のプロングを介して鼻呼吸することになるが、送風機10から供給される空気がプロングから漏れた場合であっても、鼻マスク12内に留め、当該鼻マスク12を介して鼻腔に供給することができる。
1,2 呼吸補助装置
10 送風機
11 チャンバー(経路)
12 鼻マスク(マスク)
15 呼気弁
23 羽根車
25 仕切り部材
26 吸気口
27 吐出口
31 空間
32 流路
22 ピエゾ素子
200 マイクロポンプ(送風機)
d スリット

Claims (6)

  1. 利用者の口を覆わずに鼻を覆うマスク又は前記鼻の各鼻腔にセットされるプロングと、
    前記利用者の口の上に設けられ、前記マスク又は前記プロングに気体を送り出す送風機と、
    前記送風機から送り出された気体を前記マスク又は前記プロングに通す空気の経路と、
    前記経路に形成され、前記利用者の呼気を排出する通気孔と、
    前記通気孔に配設され、電気的な駆動によって前記通気孔を開閉する呼気弁と、
    前記利用者の吸気時に前記呼気弁を閉じ、且つ、前記利用者の呼気時に前記呼気弁を開くように前記呼気弁を制御する制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする、
    呼吸補助装置。
  2. 前記送風機は、前記利用者の口に接触して、該口を閉じたままにすることを支援することを特徴とする、
    請求項1に記載の呼吸補助装置。
  3. 前記マスク又は前記プロングと前記送風機との間には、前記空気の経路の一部を構成するチャンバーが配置されており、前記チャンバーに前記通気孔及び前記呼気弁が設けられることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の呼吸補助装置。
  4. 前記送風機は、
    前記気体を取り込む吸気口、周回するように設けられ前記吸気口から取り込んだ前記気体を流す流路、及び前記流路を流れた前記気体を前記マスクに向けて送り出す吐出口、を有する筐体と、
    前記吸気口に自身の正面が面するように前記筐体内に配置される羽根車と、
    前記羽根車の背面側に、前記筐体の内周面に沿って周回するスリットを有するように配置されることで、前記羽根車が配置される空間、及び、前記スリットに沿って周回する前記流路に仕切る仕切り部材と、を備えることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の呼吸補助装置。
  5. 前記呼気弁は、電圧の印加量に応じて変位するピエゾ素子を有してなり、該ピエゾ素子が前記経路を構成する面に対して離隔し又は近接して当接するように変位することで、該ピエゾ素子自体が前記通気孔を開閉することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の呼吸補助装置。
  6. 前記呼気弁は、経路の内側で変位することを特徴とする、
    請求項5に記載の呼吸補助装置。
JP2013104152A 2013-05-16 2013-05-16 呼吸補助装置 Active JP6326566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013104152A JP6326566B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 呼吸補助装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013104152A JP6326566B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 呼吸補助装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014223186A JP2014223186A (ja) 2014-12-04
JP6326566B2 true JP6326566B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=52122394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013104152A Active JP6326566B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 呼吸補助装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6326566B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4116269B2 (ja) * 2001-07-06 2008-07-09 エア・ウォーター防災株式会社 人工呼吸器用呼気弁装置および人工呼吸器
GB2404866B (en) * 2003-08-15 2008-02-27 Shahar Hayek Respiratory apparatus
JP4638249B2 (ja) * 2005-02-02 2011-02-23 積水化学工業株式会社 マイクロバルブの流量調節方法
US20080142013A1 (en) * 2006-09-11 2008-06-19 Michael David Hallett Exhaust Apparatus For Use in Administering Positive Pressure Therapy Through the Nose or Mouth
ES2767176T3 (es) * 2009-07-17 2020-06-16 CleanSpace IP Pty Ltd Respirador
EP4059553A1 (en) * 2009-08-11 2022-09-21 ResMed Motor Technologies Inc. Modular ventilator system
US20120157794A1 (en) * 2010-12-20 2012-06-21 Robert Goodwin System and method for an airflow system
JP5925463B2 (ja) * 2011-10-26 2016-05-25 株式会社メトラン 呼吸補助装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014223186A (ja) 2014-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5358773B1 (ja) 呼吸補助装置
JP5211302B1 (ja) 送風機
JP6326569B2 (ja) 呼吸補助装置
JP6279904B2 (ja) 送風機およびpapシステム
JP6240823B2 (ja) 開閉具及び呼吸補助装置
US20210196912A1 (en) Fan unit with improved surge characteristics
JP2015033522A (ja) Cpap装置およびcpap装置用の送風ユニット
JP5417561B2 (ja) 呼気弁及び呼吸補助装置
JP2016527430A (ja) 低騒音送風機
CN106456924B (zh) Cpap装置
JP2022009347A (ja) 呼吸補助システム及び呼吸補助システムのための送風機
JP6326566B2 (ja) 呼吸補助装置
JP2015073830A (ja) 開閉具及び呼吸補助装置
JP6114912B2 (ja) 送風機
JP6273420B2 (ja) 呼気弁及び呼吸補助装置
JP6205564B2 (ja) 呼吸補助装置
JP5286483B2 (ja) 呼吸補助装置
JP5593471B2 (ja) 呼吸補助装置
WO2019021630A1 (ja) Cpap装置
JP5933462B2 (ja) 呼吸補助装置
AU2021201727B2 (en) A fan unit with improved surge characteristics
JP2021528183A (ja) 小型の流体移動アセンブリ及びそれを利用する装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6326566

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250