JP6326432B2 - リソグラフィ装置及びリフレクタ装置 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2013年3月15日出願の米国仮出願第61/789,752号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置及びリフレクタ装置に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
[0004] リソグラフィは、IC及びその他のデバイス及び/又は構造を製造する際の主要なステップの1つとして広く認識されている。しかし、リソグラフィを使用して製造される特徴の寸法がより微細になると共に、リソグラフィは小型IC又はその他のデバイス、及び/又は構造の製造を可能にするためのより決定的なファクタになってきている。
[0005] パターン印刷の限界の理論的な推定値は式(1)に示すようなレイリーの解像基準によって得られる。
Figure 0006326432

但し、λは使用される放射の波長、NAはパターンを印刷するために使用される投影システムの開口数、k1はレイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは印刷される特徴のフィーチャサイズ(すなわちクリティカルディメンション)である。式(1)から、特徴の印刷可能な最小サイズの縮小は3つの方法で達成できることが分かる。すなわち、露光波長λの短縮によるもの、開口数NAの増加によるもの、又はk1の値の減少によるものである。
[0006] 露光波長を短縮し、それによって印刷可能な最小サイズを縮小するため、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されてきた。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。更に、例えば6.7nm又は6.8nmのように5〜10nmの範囲内の、10nm未満の波長を有するEUV放射を使用できることが提案されている。このような放射は極端紫外線放射、又は軟x線放射と呼ばれている。可能な放射源には例えば、レーザ生成プラズマ放射源、放電プラズマ放射源、又は電子蓄積リングにより与えられるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
[0007] EUV放射はプラズマを使用して生成することができる。EUV放射を生成するための放射システムは、燃料を励起してプラズマを提供するレーザ、及びプラズマを封じ込めるための放射源を含んでもよい。プラズマは例えば、適切な材料(例えばスズ)の粒子、又はXeガスもしくはLi蒸気等の適切なガスもしくは蒸気の流れのような燃料に、レーザビームを向けることによって生成することができる。その結果生ずるプラズマは例えばEUV放射などの出力放射を放出し、これは放射コレクタを使用して収集される。放射コレクタは、放射を受け、放射をビームに合焦する鏡像化垂直入射コレクタであってもよい。放射源は、プラズマを支える真空環境を提供する閉鎖構造又はチャンバを含んでもよい。このような放射システムは通常レーザ生成プラズマ(LPP)放射源と呼ばれる。
[0008] 先行技術に対して新規性及び進歩性があるようにリフレクタ(例えばミラー)の温度を制御することが望ましい。リフレクタは例えば、リソグラフィ装置の一部を形成するか、又はレーザの一部を形成するか、又はビームデリバリシステムの一部を形成してもよい。
本発明の第1の態様によれば、
−リフレクタと、リフレクタの近位にありリフレクタと熱的に接触する第1の端部とリフレクタから遠位にある第2の端部とを各々有する熱電ヒートポンプのアレイと、
−熱電ヒートポンプを制御するように構成され、それによって、熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧からリフレクタの温度を判定するように構成されたコントローラと、
を備えるリフレクタ装置が提供される。
[0009] 各々の熱電ヒートポンプは、第1のブロックが正にドープされ、第2のブロックが負にドープされた1対の半導体ブロックを備えてもよい。
[0010] 熱電ヒートポンプのアレイは、二次元アレイでもよい。
[0011] 熱電ヒートポンプは、六角形のアレイ又は矩形のアレイでもよい。
[0012] リフレクタ装置はさらに、熱電ヒートポンプを制御するように構成されたコントローラを備えてもよい。
[0013] コントローラは、熱電ヒートポンプの両端間に印加される電圧を制御するように構成されてもよい。
[0014] コントローラは、熱電ヒートポンプを制御するためにフィードフォワード補正を用いるように構成されてもよい。
[0015] コントローラは、熱電ヒートポンプを制御するためにフィードバック補正を用いるように構成されてもよい。
[0016] コントローラは、熱電ヒートポンプの両端間の電圧を周期的に測定することによってフィードバック補正の測定値を得るように構成されてもよい。
[0017] 熱電ヒートポンプは、個々に制御可能であってもよい。
[0018] コントローラは、隣接する熱電ヒートポンプに接続されたミラー領域間の温度差を維持することによって、リフレクタにより反射される放射の波面を調整するように構成されてもよい。
[0019] コントローラは、熱電ヒートポンプを使用してリフレクタにわたる温度を実質的に等しく維持するように構成されてもよい。
[0020] コントローラは、放射がリフレクタに入射すると熱電素子に供給される電流の極性を反転させるように構成されてもよい。
[0021] 各熱電ヒートポンプの第2の端部は、温度安定化ブロックに接続されてもよい。
[0022] 本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様のリフレクタ装置を備えるレーザ又はビームデリバリシステムが提供される。本発明の第1の態様の任意の特徴を本発明の第2の態様と組み合わせてもよい。
[0023] 本発明の第3の態様によれば、リソグラフィ装置であって、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、基板を保持するように構築された基板テーブルと、放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、を備え、照明システム又は投影システムのリフレクタが、本発明の第1の態様のリフレクタ装置であるリソグラフィ装置が提供される。本発明の第1の態様の任意の特徴を本発明の第3の態様と組み合わせてもよい。
[0024] リソグラフィ装置はさらに、放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構築された支持体を備えてもよい。
[0025] 本発明の第4の態様によれば、リフレクタの温度を制御する方法であって、リフレクタの近位にありリフレクタと熱的に接触する第1の端部と、リフレクタから遠位にある第2の端部と、を各々有する熱電ヒートポンプのアレイに電力を供給することを含み、熱電ヒートポンプのアレイに供給された電力によってリフレクタから熱を除去するか、又はリフレクタに熱を伝達するようにされる方法が提供される。
[0026] 隣接する熱電ヒートポンプに接続されたミラー領域間の温度差を維持し、それによって、リフレクタによって反射される放射の波面を調整してもよい。
[0027] 放射が入射する燃料の分布により密に対応するように放射の空間強度を調整してもよい。
[0028] 熱電ヒートポンプを使用して、リフレクタにわたって実質的に等しい温度を維持してもよい。
[0029] 本発明の別の特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者はさらなる実施形態を容易に思い付くであろう。特に、上記のリフレクタ以外の別のオブジェクトを熱調節するために熱電ヒートポンプのアレイを適用してもよい。一例として、熱電ヒートポンプのアレイを例えば、基板又はパターニングデバイスの温度調節のために適用してもよい。このような配置では、本発明を基板又はパターニングデバイスなどのオブジェクトを支持するための支持体で実施してもよく、支持体はオブジェクトを受けるように構成された支持面を備え、支持体はさらに、
−支持面の近位にあり支持面と熱的に接触する第1の端部と、支持面から遠位にある第2の端部と、を各々有する熱電ヒートポンプのアレイと、
−熱電ヒートポンプを制御するように構成され、それによって、熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧からオブジェクトの温度を判定するように構成されたコントローラと、
を備える。
[0030] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0031] 本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0032] リソグラフィ装置LPの更に詳細な図である。 [0033] 本発明の実施形態によるリフレクタ装置の概略断面図である。 [0034] 図3のリフレクタ装置の拡大断面図である。
[0035] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照符号が全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことでさらに明白になろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、又は構造が類似する要素を示す。ある要素が最初に出現する図面は、対応する参照番号の左端の1つ又は複数の数字によって示される。
[0036] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
[0037] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」、「幾つかの実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
[0038] 図1は、本発明の一実施形態による放射源コレクタ装置SOを含むリソグラフィ装置LPを概略的に示す。この装置は以下を備えている。
[0039] 放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL。
[0040] パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構築されると共に、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT。
[0041] 基板(例えばレジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構築されると共に、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WT。
[0042] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイから成る)上に投影するように構成された投影システム(例えば反射型投影システム)PS。
[0043] 照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0044] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
[0045] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0046] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0047] 照明システムのような投影システムは、使用する露光放射、又は真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用には真空を使用することが望ましいことがある。したがって、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に真空環境を設けてもよい。
[0048] 本明細書で示すように、本装置は(例えば反射マスクを使用する)反射タイプである。
[0049] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0050] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源コレクタ装置SOから極端紫外線放射ビームを受光する。EUV放射を生成する方法は、物質を、少なくとも1つの元素、例えば、キセノン、リチウム又はスズを有し、EUV範囲の1つ以上の輝線を有するプラズマ状態に変換することを含むが、必ずしもこれに限定されない。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような1つの方法では、必要な輝線放出元素を有する物質の小滴、流れ、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することで必要なプラズマを生成できる。放射源コレクタ装置SOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(図1には示さず)を含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として得られるプラズマは、放射源内に配置された放射コレクタを用いて収集される出力放射、例えば、EUV放射を放出する。例えばCOレーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを供給する場合、レーザ及び放射源コレクタ装置は別個の構成要素であり得る。そのような場合、レーザはリソグラフィ装置LPの一部を形成すると見なされず、レーザビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを備えたビームデリバリシステムを用いて、レーザから放射源コレクタ装置SOへと渡される。
[0051] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えていてもよい。通常、少なくとも、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、ファセットフィールドミラーデバイス及びファセット瞳ミラーデバイスのような他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0052] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAで反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせしてもよい。
[0053] 図示する装置は、以下のモードの少なくとも1つで用いることができる。
[0054] 1.ステップモードにおいては、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、異なるターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
[0055] 2.スキャンモードにおいては、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
[0056] 3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用できる。
[0057] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0058] 図2は、放射源コレクタ装置SO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むリソグラフィ装置LPを更に詳細に示す。放射源コレクタ装置SOは、この放射源コレクタ装置の閉鎖構造2内に真空環境を維持することができるように構築及び配置されている。
[0059] レーザ4は、液流生成器8から供給されるスズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料にレーザビーム6を介してレーザエネルギーを蓄積するように配置されている。液体(すなわち溶融)スズ(ほとんどの場合が液滴の形態)、又は液状の別の金属は、現在最も有望であると考えられており、したがってEUV放射源の燃料として可能性のある選択である。燃料にレーザエネルギーを蓄積すると、数十電子ボルト(eV)の電子温度を有する高電離プラズマがプラズマ形成領域を生成する。これらのイオンの脱励起及び再結合中に発生するエネルギー放射はプラズマ10から放出され、近垂直入射放射コレクタ14(場合によってはより一般的に垂直入射放射コレクタと呼ばれる)によって集光され、合焦される。コレクタ14は、例えば、特定の波長の放射(例えば、特定のEUV波長の放射)を反射し、より容易に反射し、又は好適に反射するように調整された多層構造を有していてもよい。コレクタ14は、2つの自然楕円焦点を有する楕円構成であってもよい。以下に記載するように、一方の第1の焦点10はプラズマ形成領域12にあり、他方の第2の焦点は中間焦点16にある。
[0060] 閉じ込め構造2内のコレクタ14はまた、(この例では)放射源コレクタ装置SOの一部も形成する。
[0061] レーザビーム6が入射する前に燃料を予熱するように構成された第2のレーザ(図示せず)を備えてもよい。この方法を用いたLPP放射源は、デュアルレーザパルシング(DPL)放射源と呼んでもよい。このような第2のレーザは、例えば、修正されたターゲットを提供するためにそのターゲットの特性を変更するために燃料ターゲットにプレパルスを提供するものとして記載されている。特性の変更は、例えば、温度、サイズ、形状などの変更でよく、これは一般にターゲットの熱によって生じる。
[0062] 図1には図示されていないが、燃料流生成器は、例えば、軌道に沿ってプラズマ形成領域12へと燃料液滴の流れを誘導するように構成されたノズルを備えてもよく、又はノズルに接続されてもよい。
[0063] 放射コレクタ14によって反射される放射Bはポイント16で合焦されて、イルミネータIL用の放射源として機能するプラズマ形成領域12の像を形成する。放射Bが合焦されるポイント16は一般に中間焦点と呼ばれ、放射源コレクタ装置SOは、中間焦点16が閉じ込め構造2内の開口18に、又はその近傍に位置するように配置される。放射放出プラズマ10の像は中間焦点16に形成される。
[0064] その後、放射Bは、パターニングデバイスMAでの放射ビームBの所望の角分散とパターニングデバイスMAでの放射強度の所望の均一性とを提供するように構成されたファセットフィールドミラーデバイス20と、ファセット瞳ミラーデバイス22と、を含んでもよい照明システムILを横切る。支持構造MTに保持されたパターニングデバイスMAで放射ビームが反射すると、パターン付ビーム24が形成され、パターン付ビーム24は、投影システムPSによって、反射要素26、28を介して、ウェーハステージ又は基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。
[0065] 一般に、照明光学系IL及び投影システムPS内には図示したよりも多くの要素があってもよい。さらに、図示した以上のミラーがあってもよく、図2に示した以上の、例えば1〜6個の追加の反射要素が投影システムPS内にあってもよい。
[0066] レーザビーム6にEUV放出プラズマを生成するための十分な強度を与えるため、レーザ4は2つ以上の利得媒体を含んでいてもよい。レーザビームを利得媒体の間に案内するためにミラーを使用してもよい。ミラーは、レーザビーム6をレーザ4から放射源コレクタ装置SOへと伝送するために使用されるビームデリバリシステム(図示せず)で使用されてもよい。レーザビーム6のパワーは、これらのミラーのかなりの加熱を引き起こすようなパワーでよい。レーザビーム6はミラーの表面にわたって均一に熱を伝達するのではなく、レーザビームの強度プロファイル(例えば、ガウシアン、トップハットなど)に対応するプロファイルの熱を伝達する。レーザビーム6は周期的に遮断されてもよく、又はレーザが周期的にスイッチオフされてもよい。これは、露光された基板Wが基板テーブルWTから取り外され、露光される新たな基板と置き換えられる場合に行われてもよい。
[0067] 上記の理由で、レーザ内、又はビームデリバリシステム内のミラーの表面にわたる温度分布がある場合があり、さらにこの温度分布は経時とともに変化することがある(これを熱不安定性と呼んでもよい)。レーザ、又はビームデリバリシステムのミラーの熱不安定性は、レーザビーム6が合焦される位置の不安定性を引き起こすことがある。これは例えば、レーザビーム6が向く方向のずれ、及び/又はレーザビームが合焦される平面のシフトに起因することがある。これは、放射源コレクタ装置SOによって生成されるEUV放射のパルス間の不要なパワー変動を避けるように、レーザビーム6が一貫して燃料液滴と位置合わせされる必要があるため望ましくない。本発明の実施形態はこのような課題に対処するものである。
[0068] 図3は、本発明の実施形態によるリフレクタ装置36の断面図を概略的に示している。リフレクタ装置36は、リフレクタ(この場合はミラー30)と、熱電ヒートポンプ38〜40のアレイと、を備えている。熱電ヒートポンプ38〜40は、ミラーの温度を制御するために使用されてもよい。これは、レーザビーム6が合焦される位置の不要な熱誘起移動を低減するか、又は排除する。ミラー30は、例えば、レーザ4(図2を参照)内に、又はレーザビーム6をレーザから放射源コレクタ装置SOに送るように構成されたビームデリバリシステム内に位置していてもよい。ミラー30は、例えば、銅から形成されてもよい。銅は、COレーザによって生成される赤外線放射の優れたリフレクタである(図2のレーザ4はCOレーザであってもよい)。
[0069] ミラー30は基板32によって支持される。熱電ヒートポンプ38〜40のアレイ及び温度安定化ブロック34は、ミラー30と基板32との間に位置している。各熱電ヒートポンプ38〜40の第1の端部はミラー30の近位に位置し、ミラーと熱的に接触している。各熱電ヒートポンプ38〜40の第2の端部はミラー30から遠位に位置する。「熱的接触」という用語は、相当量の熱(例えば、ミラーの温度を制御できる十分な熱)が熱電ヒートポンプ38〜40とミラー30との間を流れることができるという意味に解釈してもよい。電気絶縁体41などの材料がヒートポンプ38〜40とミラー30との間に位置している場合でも熱的接触は存在する。何故なら、熱はこれらの材料を通って流れることができるからである。
[0070] 温度安定化ブロック34には、使用時に水(又はその他の流体)がそれを通って流れることができる複数の導管35が設けられている。水は所望の温度(例えば21℃)であり、温度安定化ブロックをその温度で安定化させる。任意の適切な形態の温度安定化ブロックを使用してもよい。
[0071] 熱電ヒートポンプ38〜40のアレイは二次元アレイである。各熱電ヒートポンプ38〜40は1対の半導体ブロックを備えており、1対の半導体ブロックのうちの第1の半導体ブロックはpドープ半導体であり、1対の半導体ブロックのうちの第2の半導体ブロックはnドープ半導体である。
[0072] 半導体ブロックの第1の対38a、38bが図4の拡大図に概略的に示されている。図4は、熱電ヒートポンプ38がミラー30の温度を制御する態様を概略的に示している。導体46は、半導体ブロックのミラー側でpドープ半導体38aをnドープ半導体38bに電気的に接続する。導体46とミラー30との間の電気伝導を防止するため、(ミラーが導電性材料から形成されている場合)これらの間に電気絶縁体41が設けられている。熱がミラー30から熱電ヒートポンプ38へと容易に通過できるように、電気絶縁体41は薄くてよい。電気絶縁体41は、例えばセラミック(例えばセラミック板)でよい。使用できる電気絶縁体には、熱伝導率がそれぞれ385、及び301Wm−1−1である窒化アルミニウム(AlN)、又は酸化ベリリウム(BeO)が含まれる。BeOには毒性があるため、BeOよりもAlNのほうが好ましい。Alなどのより安価な代替材料を使用してもよいが、これらの熱伝導率は大幅に低い(例えば、約30Wm−1−1)。
[0073] 半導体ブロック38a、38bは反対側(すなわち、温度安定化ブロック34に面する側)では接続されない。その代わり、pドープ半導体ブロック38aのこちらの側は導体42を介して電源43の負の端子に接続される。nドープ半導体ブロック38bの同等の側は導体44を介して電源43の正の側に接続される。使用時には、電源43によって電圧が印加され、電流が矢印で示す方向で導体42、44、46を通過させ、また矢印で示す方向で半導体ブロック38a、38bも通過する。
[0074] 先ずnドープ半導体ブロック38bを参照すると、電源43によって半導体ブロックの両端間に設定された電圧によって、半導体ブロックのミラー側から半導体ブロックの温度安定化ブロック側に電子が流れる。慣例により、矢印で示された電流の方向は電子の流れとは反対方向である。半導体ブロック38bのミラー側の電子はミラー30からの熱によって加熱される(ミラーは入射するレーザビーム(図示せず)によって加熱される)。加熱されたこれらの電子は半導体ブロック38bの温度安定化ブロック側に進行し、したがって熱を半導体ブロックのミラー側から温度安定化ブロック側に伝達する。熱は温度安定化ブロック34側で受けられ、導管35を流れる水(又はその他の流体)によって温度安定化ブロックから熱が除去される。
[0075] 同等のプロセスがpドープ半導体ブロック38aでも行われ、正電荷キャリア(正孔)が半導体ブロックのミラー側から半導体ブロックの温度安定化ブロック側に熱を運ぶ。この熱は温度安定化ブロック34で受けられ、温度安定化ブロックから熱が除去される。
[0076] このようにして、電源43は加熱したキャリアを半導体ブロック38a、38bのミラー側から温度安定化ブロック側へと駆動する。したがって、熱電ヒートポンプ38はミラー30を冷却する。使用される冷却効果を熱電効果、又はペルティエ効果と呼んでもよい。
[0077] 電源43によって提供される電力を調整することによって、熱電ヒートポンプ38によって提供される冷却の量を制御してもよい。図3を再び参照すると、個々の熱電ヒートポンプ38〜40に供給される電力は、各対の熱電ヒートポンプが所望の冷却量を提供するように独立して制御される。この独立した制御は、導体42、44、46に別個の電気接続45を行うことによって達成される。電気接続45は図示のように、温度安定化ブロック34を通って導体42、44、46の方向に上方に通過してもよい(又は幾つかの別の構成では導体に接続されてもよい)。
[0078] ある実施形態では、ミラー30の中心にある熱電ヒートポンプ39は、ミラーの側にある熱電ヒートポンプ38、40よりも多くの熱を受けるようにしてもよい。したがって、この熱電ヒートポンプ39に提供される電力はその他の熱電ヒートポンプ38、40に提供される電力よりも大きく、そのためミラーの側に提供される冷却よりも多くの冷却がミラー30の中心に提供される。図3は3つの熱電ヒートポンプ38〜40を示しているが、(例えば2次元アレイで備えられる場合は)より多くの熱電ヒートポンプを使用してもよい。
[0079] 熱電ヒートポンプのサイズは、例えば(以下に詳細に記載するように)ミラーの表面にわたる空間分解能を有するミラー30の温度を制御するように選択されてもよい。ある実施形態では、各熱電ヒートポンプ38〜40のサイズは、(熱電ヒートポンプに向けてz方向から見て)例えば約15mm×15mmでよい。しかしながら、熱電ヒートポンプ38〜40のサイズは任意の適切なサイズでよい。
[0080] 電気絶縁体50は熱電ヒートポンプ38〜40の間、及び導体42、44、46の間に設けてもよい。電気絶縁体50は良好な熱伝導体であってよい。それによって、隣接する熱電ヒートポンプ38〜40間の温度差を低減するのに役立つ(これは、ミラー30の表面にわたって実質的に一定の温度を維持したい場合に有利である)。
[0081] 温度安定化ブロック34は電気絶縁材料から形成されてもよい。温度安定化ブロック34が電気絶縁材料から形成されていない場合は、導体42、44と温度安定化ブロックとの間に電気絶縁材料を設けてもよい。同様に、ミラー30が電気絶縁材料から形成されれば、電気絶縁体41は不要である。
[0082] 温度安定化ブロック34の温度はある温度になる傾向がある(これを温度安定化されたと見なしてもよい)。例えば、温度安定化ブロック34に供給される流体の温度が21℃である場合は、ブロックはその温度になる傾向がある。ミラー30が温度安定化ブロック34に伝達される温度を受けると、それがブロックの温度を21℃以上に上昇させることがあるが、流体はブロックの温度が21℃に戻るまでブロックから熱を除去する。熱が(例えばレーザによって)継続的にミラー30に伝達されると、温度安定化ブロック34は流体の温度よりもやや高い温度を有することがある。
[0083] リフレクタ装置36は、例えばコントローラCTによって制御されてもよい。コントローラCTは例えば、各熱電ヒートポンプ38〜40に供給される電力を決定するプロセッサを備えていてもよい。図4を再び参照すると、電源43がスイッチオフされると、導体42、44の両端間の電圧がミラー30と温度安定化ブロック34との間の温度差を示す。温度安定化ブロック34の温度は(例えばセンサを用いた測定により)知ることができる。したがって、導体42、44の両端間の電圧を用いてミラー30の温度を判定してもよい。温度測定は、各熱電ヒートポンプ38〜40の近傍のミラー30の温度の測定でもよい。熱電ヒートポンプ38〜40はミラー30の下の二次元アレイで配列されているため、熱電ヒートポンプは、ミラーの表面にわたる位置のアレイでのミラーの温度測定値を提供する。
[0084] ある実施形態では、熱電ヒートポンプのアレイのうち1つ以上の専用の熱電ヒートポンプセットが温度測定のために使用される。このような実施形態では、専用のセットは例えば、リフレクタの表面全体を実質的にカバーするように選択されてもよく、又はリフレクタの表面の対象となる特定領域の温度を査定するように選択されてもよい。
[0085] 代替的に又は追加的に、1つ以上の熱電ヒートポンプを温度センサとして、及び熱源又はドレンとして交互に適用してもよい。このような構成では、リフレクタを加熱、又は冷却し、熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つを供給電圧から遮断して熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間の電圧を測定できるようにするため、熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つに供給電圧を交互に印加するようにコントローラCTを構成してもよい。そうすることによって、(例えば最も近い1つ又は複数の熱電ヒートポンプを温度センサとして適用することによって)対象となる特定の位置又は領域での温度を正確に検査し、次いで同じヒートポンプを熱源又はドレンとして適用することによってその温度を調整してもよい。
[0086] ある実施形態では、コントローラCTは、電源から熱電ヒートポンプへの電力供給を周期的に遮断して、ミラー30の表面にわたる温度測定値を周期的に得るようにしてもよい。これらの温度測定値はフィードバックを提供し、コントローラCTは、このフィードバックを使用して熱電ヒートポンプ38〜40に供給される電力を調整し、したがって熱電ヒートポンプにより提供される冷却(又は以下にさらに説明するように熱電ヒートポンプにより提供される加熱)を局所的に調整してもよい。
[0087] 代替実施形態では、熱電ヒートポンプ38〜40から形成されていない温度センサのアレイを使用してミラーの温度を測定し、かつコントローラCTへのフィードバックを提供してもよい。温度センサは、例えばアレイとして提供される、例えば従来の温度センサでよい。温度センサはミラー30に、又はその近傍に設けられてもよい。温度センサがミラー30から離れた位置に(例えば導体42に隣接して)設けられると、モデリングを使用して、得られた温度測定値とミラーの温度とを関連付けてもよい。モデリングは、例えば、熱損失及び/又はクロストークを考慮に入れてもよい。
[0088] コントローラCTは、電源から熱電ヒートポンプに送られる電力を少なくとも部分的に判定するためにフィードフォワードモデルを使用してもよい。フィードフォワードモデルには例えば、レーザ強度測定値、及び/又はレーザトリガ信号が含まれてもよい。フィードフォワードモデルは、リソグラフィ装置の公知の動作プロセス中にミラー30の熱挙動をモデリングしてもよい。例えば、図2を参照すると、連続する基板の露光の間にレーザ4がスイッチオフ又は遮断されてもよい。レーザがスイッチオフされるとミラー30が冷却し、次にレーザが再びスイッチオンされる態様がモデリングされてもよい。このモデルを用いて、電源によって熱電ヒートポンプにどれほどの電力を送るべきかを判定してもよい。リソグラフィ装置の動作中のレーザビーム6のプロファイルは事前に分かっており、フィードフォワード制御を提供するために使用されるモデルに組み込んでもよい。
[0089] フィードフォワードモデリングは、例えば上記の方法で測定されたようなフィードバックで補完されてもよい。フィードバックは、そうしないと経時とともに生じることがあるミラー30の温度のドリフトを防止する役割を果たし得る。
[0090] ある実施形態では、リフレクタ装置36を使用して、ミラー30をミラーの表面にわたって実質的に一定の温度に保持してもよい。(図3でz方向と記されている、ミラーの表面に対して垂直方向に)ミラー30に温度勾配が存在することがある。すなわち、ミラー30の放射受光面は、熱電ヒートポンプと熱的に接触するミラーの側よりも高温であることがある。この温度勾配を最小にするため、ミラーを薄くしてもよいが、必要ないずれかの機械的、光学的特性を得るために十分な厚さは保たれる。ミラーは例えば、反射特性を有する薄膜の形態でもよく、薄膜は支持基板上に備えられる。
[0091] さらに上述したように、レーザビーム6が、ミラー30に入射しないように、レーザビーム6が遮断又はスイッチオフされる期間を設けてもよい。レーザビームがミラーにその後もう一度入射した場合のミラーの再加熱によりレーザビームが不安定になることがあるため、このような状況で生じるミラー30の冷却を防止、又は低減することが望ましいことがある。このような状況で、リフレクタ装置36を使用してミラー30に熱を送ってもよい。これは、電源によって熱電ヒートポンプ38〜40に印加される電力の極性を反転させることによって達成される。ミラー30にわたる異なる位置に与えられる熱量を決定するためにフィードフォワードモデルを利用してもよい(追加的に及び/又は代替的にフィードバックを使用してもよい)。
[0092] リフレクタ装置36は、それが望ましい任意の状況でミラー30に熱を送り込むために使用されてもよい。例えば、レーザビームがミラーの中央領域だけに送られると、ミラーの縁部はミラーの中心よりも極めて低くなるであろう。このような状況では、ミラーの縁部に熱を送り込むことが望ましい。
[0093] リフレクタ装置36は、例えばミラー30を温度安定化ブロック34の温度と実質的に等しい温度に保つために使用されてもよい。この文脈で、「実質的に等しい」という用語は、0.1℃以下の差、又は0.01℃以下の差を有するものと解釈してもよい。温度安定化ブロック34は任意の適切な温度に保持されてもよい。温度安定化ブロック34は例えば約21℃の温度に保持されてもよい。導管35を通過する流体(例えば水)は、冷却ブロック34を安定した方法で所望の温度に維持されてもよい。
[0094] ある実施形態では、本発明はミラー30の温度を所望の温度に維持するために使用されてもよい。所望の温度は、例えばミラーが製造中に研磨された際にミラーが保持された温度でよい。このことは、ミラーが製造された温度と、ミラーが使用されミラーに不要な歪みが生じる温度と、の差を防ぐため有利である。
[0095] 本発明の実施形態により、レーザ4及びビームデリバリ装置のミラーを集光ミラーにすることが可能になる。先行技術のシステムでは、例えばレーザビーム6の強度変化によってミラーによる集光の不要な変動を引き起こして熱歪みが生じるため、集光ミラーの使用は一般に回避されている。それによって、レーザビームが集光される位置が不安定になる。本発明の実施形態により、レーザビームの強度が変化する際にミラーによって提供される集光の大幅な変化を回避するのに十分正確にミラーの温度が制御されるため、上記の問題は避けられる。
[0096] 上記で説明したように、ミラー30の反射面にわたる温度差を防止、又は低減するために本発明の実施形態を使用してもよい。追加的に又は代替的に、ミラー30上の特定位置での温度差を意図的に導入するために熱電ヒートポンプ38〜40を使用してもよい。例えば、熱電ヒートポンプを使用して、例えば(図3及び図4でz方向と記されている)ミラーの表面に垂直な方向にミラー30の一部を調整してもよい。これは、ミラー30の一部をz方向に変形するものであると考えてもよい。レーザビーム6の波面を何らかの方法で補正又は調整するために(例えばレーザビームからの収差を低減又は除去するために)これを行ってもよい。例えば、放射源SOでレーザビームの強度プロファイルを変更するためにこれを行ってもよい。
[0097] ミラー30上の異なる位置間に温度差があることが望ましい実施形態では、熱電ヒートポンプ38〜40間に熱絶縁が設けられる。それによって熱電ヒートポンプ間のクロストークを防止、又は低減し得る。すなわち、熱絶縁は、熱電ヒートポンプ間の熱の流れを防止、又は低減し得る。熱絶縁は、例えば(電気絶縁体としても機能し得る)図3に示す材料50から構成されるものでよい。また、電気絶縁もなし得るこの材料はミラー30内に上方に延在してもよい。熱絶縁50は、ミラーの表面の手前で終端してもよい。熱絶縁50の厚さは例えば約1mmでよい。熱絶縁の材料は、熱伝導率が例えば約0.033Wm−1−1の材料でよい。
[0098] これとは対照的に、ミラーの反射面にわたって均一、又は実質的に均一な温度にすることが望ましい実施形態では、熱電ヒートポンプ間の熱絶縁を省いてもよい。熱電ヒートポンプ間に熱が流れると、ミラーの反射面にわたる温度を均一化する傾向があり、それによって有利な効果が得られる。
[0099] 波面補正を行うことができるようにするため、z方向でのミラーの位置を制御する精度は、少なくとも部分的に、ミラーに入射する放射の波長によって左右される。例えば、ミラーのz方向の位置を(他の精度を用いてもよいが)入射放射の波長の約0.01倍の精度で制御できるように熱電ヒートポンプ38〜40を配置してもよい。放射が、例えば、波長が10.6ミクロンのCO2レーザによって生成された赤外線レーザビームである場合は、ミラーの温度が制御される精度は例えば約0.1ミクロンのz方向位置の精度に対応するものでよい。一般に、z方向位置を制御する精度は、収差を補償できる精度に影響を及ぼす。したがって、制御の精度はより低くてもよいが、それによって収差の補償精度が低下する。
[00100] ミラーがz方向に移動する範囲は、例えば入射放射の波長の約1倍以下でよい。z方向へのミラーの移動範囲は、補償可能な収差の大きさを決定付ける(範囲がより大きいと、より大きい収差の補償が可能になる)。一般に、z方向へのミラーの移動範囲は、ミラーを使用して行うことができる波面調整の大きさを決定付ける。
[00101] ミラーの移動範囲は、ミラーを含む(後述の)膨張コラムの厚さによって少なくとも部分的に決定付けられる。既に上述したように、ミラー30の表面にわたって均一な温度にすることが望ましい実施形態では、薄いミラーを設けてもよい。これに対して、ミラーの一部をz方向に移動することが望ましい実施形態では、より厚いミラー(膨張コラムを形成するより厚いミラー)を設けてもよい。
[00102] 所与のミラー用に設けられる熱電ヒートポンプの数は、ミラーを使用して提供することが望ましいツェルニケ多項式調整の次数に左右されることがある。例えば、10×10の熱電ヒートポンプのアレイを使用してツェルニケ多項式調整の実質的な数を提供してもよい。ミラーに入射する放射ビームのサイズがミラーよりも大幅に小さいと予測される場合は、より多数の熱電ヒートポンプのアレイ(例えば20×20の熱電ヒートポンプ)を使用して、放射ビームを調整するために約10×10の熱電ヒートポンプを利用できるようにしてもよい。言及したアレイのサイズは単なる例であり、任意の適切な数(例えば、10×10未満)の熱電ヒートポンプを使用してもよい。
[00103] ミラー30をz方向に1つの波長分だけ移動させるのに必要な隣接する熱電ヒートポンプ間の温度差を決定することができる。図3を参照すると、ミラー30、電気絶縁体41及び導体46は、それらの温度が上昇するとすべてz方向に膨張する。これらの材料は共に膨張コラムと呼ばれてもよい。膨張コラムは、(例えばミラーの反射面の方向に延在するが反射面を貫通しない絶縁を使用して)隣接する膨張コラムから熱的に絶縁されてもよい。概算として、厚さ5cmの銅製の膨張コラムを想定してもよい。z方向に10.6ミクロンだけ移動させるために必要な温度差は、以下のように計算し得る。
Figure 0006326432

但し、ΔTmaxは隣接する熱電ヒートポンプ間の温度差であり、hmaxは隣接する熱電ヒートポンプ間の高さ差であり、hexpは膨張コラムの厚さであり、αは膨張コラムの線形熱膨張係数である。所望の高さ差hmaxは10.6ミクロンとされ、膨張コラムの厚さhexpは5cmであり、銅の線形熱膨張係数は17×10−6oK−1である。この例では、z方向に1つの波長分(すなわち10.6ミクロン)だけ移動させるには12.5Kの温度差が必要である。すなわち、z方向に移動される(ピクセルであると考えてもよい)ミラー領域は、隣接するミラーピクセルの温度よりも12.5Kだけ高い温度に加熱される必要がある。
[00104] ある実施形態では、隣接する熱電ヒートポンプ間に熱のクロストークが生じることがある。そのような場合は、このクロストークを少なくとも部分的に補償するためにフィードフォワードモデルを使用してもよい。
[00105] リフレクタ装置36の利点は、その応答時間が迅速なことである。リフレクタ装置36の応答時間は、ミラーへの放射入射のパワーが急激に変化してもミラー30の表面上で所望の温度を維持するのに十分に迅速であり得る。リフレクタ装置36に応答時間は1ミリ秒未満であり得る。したがって、例えばレーザビーム6がスイッチオフ、又は遮断されると、リフレクタ装置36は、例えば熱電ヒートポンプ38〜40を流れる電流の方向と大きさを調整することによって、それに迅速に反応する。この反応は例えば、レーザ4又はセンサ(例えばパルスエネルギーセンサ、又は連続レーザ用のパワーセンサ)からのコントローラCTへの入力によってトリガされてもよい。
[00106] レーザビームの波面補正、又はその他の収差の補正には、既に上述したようにミラー30がz方向に相当移動する必要がある。これらの相当の移動には、例えば数10秒程度の相当の期間が必要であろう。それは、z方向に移動させるためにミラー30に送られなければならない熱量によるものである。これは比較的遅いが、波面の誤差、及びその他の収差は極めて緩慢に起こる傾向があるため、それでも波面補正には十分である。より迅速な補正が必要な場合は、それは例えば、熱電ヒートポンプ38〜40の厚さ(すなわちz方向の長さ)を縮小することによって達成されてもよい。
[00107] ミラーをz方向に移動できる分解能が波面補正を達成できる精度を決定する。上記の方程式(2)を参照すると、約±0.1Kの温度安定性は、(10.6ミクロンの放射の場合)波長の約±0.01の精度の補正がなされることが分かる。約0.01K内で安定する熱電ヒートポンプを利用できる。
[00108] 熱電ヒートポンプ38〜40は、例えば(上方から見て、例えばz方向に熱電ヒートポンプを見下ろして)二次元アレイで配置されてもよい。二次元アレイは(上から見て)矩形(例えば四角形)、六角形、又はその他の任意の適切な形状であってよい。熱電ヒートポンプの集中的配置を可能にする六角形、又はその他の形状は、(例えば入射レーザビームによって生成されるような)集中的熱付加を補償する冷却をより容易にするため有利であろう。これらはまた、円板状又は環状の波面収差の補正をより容易にするため有利であろう。
[00109] 波面補正(例えば収差の補正)に加えて、又はその代わりに、放射ビームの強度の空間分布を調整するために、1つ以上のミラーの形状が熱電ヒートポンプによって制御されてもよい。EUV放出プラズマが形成される位置でのレーザの強度分布は、スズ(又はその他の燃料)の質量分布により密に対応するように調整されてもよい。このようにして、エネルギーはレーザビームからスズにより均一に伝達される。その結果、結果として生じるより多くのプラズマが所望の温度を有し、従って所望の波長のEUV放射を放出し得る。ミラーの形状調整は、例えば燃料によって放出されるEUV放射の強度測定値などのフィードバックを考慮に入れてもよい。
[00110] 上記の記述は一般に、赤外線レーザビームを誘導するのに使用されるミラーに向けられている。しかしながら、本発明は、例えばEUV放射を反射するために使用されるミラー(例えばリソグラフィ装置の一部を形成するミラー)などの任意の波長の放射を誘導するために使用されるミラーにも使用し得る。EUVミラーは多層スタック(例えばモリブデン及びシリコンを使用して形成される)でよい。ある実施形態では、EUV反射ミラーの表面にわたる温度変化を低減又は除去するために本発明を使用してもよい。ある実施形態では、EUV放射がミラーに入射しない場合にEUV反射ミラーを所望の温度に維持するために本発明を使用してもよい。ある実施形態では、EUV放射がミラーに入射する場合にEUV反射ミラーを所望の温度に維持するために本発明を使用してもよい。
[00111] ある実施形態では、EUV反射ミラーから反射したEUV放射の波面補正を得るために本発明を使用してもよい。しかしながら、既に上述したように、波面補正を得るために、熱電ヒートポンプのz方向での位置の精度は、入射放射の波長よりも相当細かいことが必要である。それには、1ナノメートル未満の精度でz方向に制御できる位置を有する熱電ヒートポンプを設ける必要がある。これは例えば、リソグラフィ技術を使用して熱電素子を製造することによって達成してもよい。熱膨張率が低い材料を使用してもよい。例えば、(SiO及びTiO製の)超低膨張ガラス(ULE)を使用してもよい。
[00112] 水が温度安定化ブロック34の導管35を通って循環すると、ある程度の振動が生じることがある。ミラーがレーザ4又はビームデリバリシステムの一部を形成する場合は、この振動はミラー30に顕著な影響を及ぼさない程度に十分に小さい。しかしながら、ミラー30がリソグラフィ装置のEUV反射ミラーである場合は、振動は顕著で不要な影響をもたらすことがある。振動が顕著で不要な影響をもたらす場合は、温度安定化ブロックへの代替の接続部を使用してもよい。例えば、熱電ヒートポンプを温度安定化ブロックに強固に固定するのではなく、熱電ヒートポンプと温度安定化ブロックとを別個に取り付けてもよい(それによって両者間での振動の伝達を防止、又は最小にしてもよい)。例えば可撓性の銅線から形成された可撓性熱ブリッジを使用して、熱電ヒートポンプを温度安定化ブロックに接続してもよい。これらの可撓性熱ブリッジが過度の振動を伝達する場合は、これを省いてもよい。この場合は、熱電ヒートポンプと温度安定化ブロックとは、両者間で熱を伝達するために放射性熱伝達を使用できるように互いに(接触はしないが)十分に接近した位置にあってもよい。
[00113] 熱電ヒートポンプは、例えばテルル化ビスマス(BiTe)、及びテルル化アンチモン(SbTe)、又はその他の適切な半導体から形成されてもよい。
[00114] 熱電ヒートポンプは、例えば4×10Wm−1程度の冷却流束を提供できる材料から形成されてもよい。
[00115] 本発明の実施形態をミラー30に関連して記載してきた。ミラー30は図3及び図4には平坦であるように示されている。しかしながら、ミラーの形状は所望のどのような形状でもよい。ミラーはリフレクタの一例であると見なしてもよい。本発明の実施形態を任意の適切なリフレクタに関連して使用してもよい。例えば、放射源コレクタ装置SO(図2を参照)のコレクタ14に関連して本発明の実施形態を使用してもよい。
[00116] 本発明の実施形態では、熱電ヒートポンプは各々、リフレクタの近位にあり、リフレクタと熱的に接触する第1の端部を有してもよい。「熱的接触」という用語は、相当量の熱が熱電ヒートポンプとリフレクタとの間を流れることができる意味であると解釈してもよい。それは例えば、1つ以上の材料が熱電ヒートポンプとリフレクタとの間に位置することを除外するものではない。
[00117] ある実施形態では、波面及び/又は強度補正用の光学系の温度安定化又は適応化をレーザの光共振器内で用いてもよい。別の実施形態では、レーザの光共振器内の熱変形を軽減し、それによって品質係数を高めるために温度安定化を用いてもよい。さらに別の実施形態では、レーザの共振器ミラーのアライメントを向上させ、それによって、これも品質係数を高めるために光学系の適応化を用いてもよい。さらにまた、レーザの共振器長を調整するために光学系の適応化を用いてもよい。最後に、光学系の適応化を用いて様々なレーザモードの減衰を制御し、それによってレーザの強度分布を制御してもよい。
[00118] 上記の記述は一般にミラーなどのリフレクタに誘導されているが、熱電ヒートポンプのアレイは他の光学系の熱調節用に適用してもよい。一例として、熱電ヒートポンプのアレイを例えば、基板又はパターニングデバイスの温度調節のために適用してもよい。このような配置では、本発明は、基板又はパターニングデバイスなどのオブジェクトを支持するための支持体内で実施してもよく、支持体はオブジェクトを受けるように構成された支持面を備え、支持体はさらに、
各々が支持面の近位にあり各々が支持面と熱的に接触する第1の端部を有し、かつ、支持面から遠位にある第2の端部を有する熱電ヒートポンプのアレイと、
熱電ヒートポンプを制御するように構成され、それによって、使用時に熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧からオブジェクトの温度を判定するように構成されたコントローラと、を備える。
[00119] このような支持体は、例えば上述のような支持構造MT、又は支持テーブルWTなどの支持構造又は支持テーブルの一部であってもよい。このような支持体には、例えばオブジェクトを支持面上に保持するための1つ以上のクランプ、又はクランプ手段を備えてもよい。このようなクランプ、又はクランプ手段には、例えば静電クランプ、又は真空クランプが含まれてもよい。このような支持体を使用すると、温度センサとして(上述のように、専用センサとして、あるいは交互にセンサ又は熱源としてのいずれかに)1つ以上の熱電ヒートポンプを使用することによって、オブジェクトの温度分布を正確に判定し得る。オブジェクト(例えば基板、又はパターニングデバイス)の実際の温度分布を監視し、必要な場合は熱電ヒートポンプのアレイを使用して温度分布を補正することによって、オブジェクトの望ましくない熱誘起変形を軽減又は回避し得る。
[00120] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00121] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[00122] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折型、反射型、磁気型、電磁型及び静電型光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
[00123] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (13)

  1. リフレクタと、
    前記リフレクタの近位にあり前記リフレクタと熱的に接触する第1の端部と、前記リフレクタから遠位にある第2の端部と、を各々有する熱電ヒートポンプのアレイと、
    前記熱電ヒートポンプを制御し、それによって、前記熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧から前記リフレクタの温度を判定するコントローラと、を備え
    前記コントローラが、隣接する前記熱電ヒートポンプに接続されたリフレクタ領域間の温度差を維持することによって、前記リフレクタにより反射される放射の波面を調整する、
    リフレクタ装置。
  2. 前記コントローラが、前記熱電ヒートポンプの両端間に印加される供給電圧を制御する、請求項1に記載のリフレクタ装置。
  3. 前記装置が、前記熱電ヒートポンプの両端間に供給電圧を印加するための電源をさらに備える、請求項2に記載のリフレクタ装置。
  4. 前記コントローラが、前記リフレクタを加熱又は冷却するために前記熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つに前記供給電圧を交互に印加し、前記熱電ヒートポンプのうちの前記少なくとも1つを前記供給電圧から遮断し、前記熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間の前記電圧を測定できるようにする、請求項2又は3に記載のリフレクタ装置。
  5. 前記コントローラが、前記熱電ヒートポンプのうち前記少なくとも1つの両端間で測定された前記電圧から前記リフレクタの温度を周期的に判定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリフレクタ装置。
  6. 前記コントローラが、フィードフォワード補正を用い、前記熱電ヒートポンプを制御する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリフレクタ装置。
  7. 前記コントローラが、フィードバック補正を用い、前記熱電ヒートポンプを制御する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリフレクタ装置。
  8. 各々の熱電ヒートポンプが、第1のブロックが正にドープされ第2のブロックが負にドープされた1対の半導体ブロックを備える、請求項1に記載のリフレクタ装置。
  9. 前記コントローラが、放射が前記リフレクタに入射することを停止すると、前記熱電ヒートポンプに供給される電流の極性を反転させる、請求項1に記載のリフレクタ装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の前記リフレクタ装置を備える、レーザ又はビームデリバリシステム。
  11. 放射ビームを調整する照明システムと、
    基板を保持する基板テーブルと、
    前記放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、を備え、
    前記照明システム又は前記投影システムのリフレクタが、請求項1〜のいずれか一項に記載のリフレクタ装置である、
    リソグラフィ装置。
  12. リフレクタの温度を制御する方法であって、
    前記リフレクタの近位にあり前記リフレクタと熱的に接触する第1の端部と、前記リフレクタから遠位にある第2の端部と、を各々有する熱電ヒートポンプのアレイに電力を供給することを含み、前記熱電ヒートポンプのアレイに供給された前記電力によって前記リフレクタから熱を除去するか、又は、前記リフレクタに熱を伝達するようにされ、
    前記方法が、
    前記熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧から前記リフレクタの温度を判定することと、
    隣接する前記熱電ヒートポンプに接続されたリフレクタ領域間の温度差を維持することによって、前記リフレクタにより反射される放射の波面を調整することと、
    をさらに含む、方法。
  13. オブジェクトを受ける支持面を備え、前記オブジェクトを支持する支持体であって、
    前記支持面の近位にあり前記支持面と熱的に接触する第1の端部と、前記支持面から遠位にある第2の端部と、を各々有する熱電ヒートポンプのアレイと、
    前記熱電ヒートポンプを制御し、それによって、前記熱電ヒートポンプのうち少なくとも1つの両端間で測定された電圧から前記オブジェクトの温度を判定するコントローラと、を備え
    前記コントローラが、隣接する前記熱電ヒートポンプに接続された支持面領域間の温度差を維持することによって、前記オブジェクトにより反射される放射の波面を調整する、支持体。
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