従来技術に対して新規且つ進歩的な放射コレクタ及び/又はリソグラフィ装置を提供することが望ましい。
本発明のある態様によると、放射コレクタが提供される。この放射コレクタは、放射コレクタからある距離を置いた第1位置に実質的に集光するように放射を導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第1コレクタセグメントと、放射コレクタから前記距離を置いた第2位置に実質的に集光するように放射を導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第2コレクタセグメントと、を備える。第1位置と第2位置は、相互に分離されている。
放射コレクタは、1つ以上の追加のコレクタセグメントをさらに備えてもよい。各追加のコレクタセグメントは、放射コレクタから前記距離を置いた位置に実質的に集光するように放射を導くよう構成された斜入射リフレクタシェルを備え、各追加のコレクタセグメントは、他のコレクタセグメントのそれぞれの位置から分離している。
例えば、放射コレクタは、第3コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第3コレクタセグメントは、放射コレクタから前記距離を置いた第3位置に実質的に集光するように放射を導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える。第3位置は、第1位置及び第2位置から分離している。
放射コレクタは、第4コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第4コレクタセグメントは、放射コレクタから前記距離を置いた第4位置に実質的に集光するように放射を導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える。第4位置は、第1位置、第2位置及び第3位置から分離している。
コレクタセグメントは、放射コレクタの光軸の周りに配置されてもよい。
各コレクタセグメントは、放射コレクタのそれぞれの角度部分を備えてもよい。一例として、第1コレクタセグメントは、放射コレクタの第1角度部分を備えてもよく、第2コレクタセグメントは、放射コレクタの第2角度部分を備えてもよい。
放射コレクタは、光軸の周りに実質的に円周方向に延びていてもよい。
放射コレクタにより導かれる放射は、放射コレクタにより導かれる放射が実質的に通過しないボリュームを規定してもよい。
ボリュームの断面積は、放射コレクタからの距離とともに増大してもよい。ボリュームの断面積は、放射コレクタからの距離とともに単調に増大してもよい。
第1位置および第2位置、並びに当てはまる場合は第3および第4位置は、光軸から実質的に等距離に位置していてもよい。
第1コレクタセグメントにより第1位置に導かれる放射は、ファーフィールド位置において放射の第1強度分布を形成し、第2コレクタセグメントにより第2位置に導かれる放射は、ファーフィールド位置において放射の第2強度分布を形成してもよい。
ファーフィールド位置において第1強度分布と第2強度分布との間に実質的にオーバーラップが存在しなくてもよい。
本発明の第2の態様によると、放射コレクタが提供される。この放射コレクタは、放射を第1位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第1コレクタセグメントと、放射を第2位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第2コレクタセグメントと、を備える。第1位置と第2位置は、相互に分離されている。
放射コレクタは、放射を第3位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第3コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第3位置は、第1位置及び第2位置から分離している。
放射コレクタは、放射を第4位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第4コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第4位置は、第1位置、第2位置及び第3位置から分離している。
第1コレクタセグメントおよび第2コレクタセグメントは、放射コレクタの光軸の周りに配置されてもよい。
第1コレクタセグメントは、放射コレクタの第1角度部分を備えてもよく、第2コレクタセグメントは、放射コレクタの第2角度部分を備えてもよい。
放射コレクタは、光軸の周りに実質的に円周方向に延びていてもよい。
第1位置および第2位置は、光軸から実質的に等距離に位置していてもよい。
第1コレクタセグメントにより第1位置に導かれる放射は、ファーフィールド位置において放射の第1強度分布を形成し、第2コレクタセグメントにより第2位置に導かれる放射は、ファーフィールド位置において放射の第2強度分布を形成してもよい。
ファーフィールド位置において第1強度分布と第2強度分布との間に実質的にオーバーラップが存在しなくてもよい。
放射コレクタにより導かれる放射は、放射コレクタにより導かれる放射が実質的に通過しないボリュームを規定してもよい。
ボリュームの断面積は、放射コレクタからの距離とともに単調に増大してもよい。
本発明の第3の態様によると、放射源が提供される。この放射源は、燃料がEUV放射を放出する位置に燃料を供給するよう構成された燃料源と、本発明の第1または第2の態様に係る放射コレクタと、を備える。
コレクタセグメントは、放射コレクタの光軸の周りに配置されてもよい。この場合、燃料がEUV放射を放出する位置は、光軸上またはその近傍に位置してもよい。
放射コレクタにより導かれる放射は、放射コレクタにより導かれる放射が実質的に通過しないボリュームを規定してもよい。この場合、放射源はミラーをさらに備えてもよい。ミラーは、ボリュームの内側に配置され、ミラーは、燃料がEUV放射を放出する位置にレーザビームを合焦するよう構成される。
放射コレクタにより導かれる放射は、放射コレクタにより導かれる放射が実質的に通過しないボリュームを規定してもよい。放射源は、燃料源と放射コレクタの中間の汚染物質トラップであって、汚染物質を捕らえるよう構成されたトラップ部分を備える汚染物質トラップと、トラップ部分を汚染物質トラップの中心軸周りに回転するよう構成された駆動システムであって、少なくとも一部がボリュームの内側に位置する駆動システムと、をさらに備えてもよい。
本発明の第4の態様によると、放射源が提供される。この放射源は、燃料がEUV放射を放出する位置に燃料を供給するよう構成された燃料源を備える。この放射源はさらに放射コレクタを備え、該放射コレクタは、放射を第1位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第1コレクタセグメントと、放射を第2位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第2コレクタセグメントと、を備える。第1位置と第2位置は、相互に分離されている。
放射コレクタは、放射を第3位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第3コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第3位置は、第1位置及び第2位置から分離している。
放射コレクタは、放射を第4位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第4コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第4位置は、第1位置、第2位置及び第3位置から分離している。
第1コレクタセグメントおよび第2コレクタセグメントは、放射コレクタの光軸の周りに配置されてもよい。
燃料がEUV放射を放出する位置は、光軸上またはその近傍に位置してもよい。
放射コレクタにより導かれる放射は、放射コレクタにより導かれる放射が実質的に通過しないボリュームを規定してもよい。
放射源はミラーをさらに備えてもよい。ミラーは、ボリュームの内側に配置され、ミラーは、燃料がEUV放射を放出する位置にレーザビームを合焦するよう構成される。
本発明の第5の態様によると、本発明の第3または第4の態様に係る放射源を備えるリソグラフィ装置が提供される。このリソグラフィ装置は、放射源からのEUV放射を基板上に投影するよう構成される。
本発明の第6の態様によると、放射源からのEUV放射を基板上に投影するよう構成されたリソグラフィ装置が提供される。放射源は、燃料がEUV放射を放出する位置に燃料を供給するよう構成された燃料源を備える。放射源はさらに放射コレクタを備え、該放射コレクタは、放射を第1位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第1コレクタセグメントと、放射を第2位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第2コレクタセグメントと、を備える。第1位置と第2位置は、相互に分離されている。
放射コレクタは、放射を第3位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第3コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第3位置は、第1位置及び第2位置から分離している。
放射コレクタは、放射を第4位置に導くよう構成された複数の斜入射リフレクタシェルを備える第4コレクタセグメントをさらに備えてもよい。第4位置は、第1位置、第2位置及び第3位置から分離している。
本発明の第7の態様によると、汚染物質トラップが提供される。この汚染物質トラップは、汚染物質を捕らえるよう構成されたトラップ部分と、トラップ部分の中心領域を通って延びる孔と、汚染物質トラップの中心軸周りにトラップ部分を回転するよう構成された駆動システムと、を備える。中心軸は孔を通って延びている。駆動システムは、中心軸から半径方向末端位置に位置している。
駆動システムは、非同期インダクタンスモータであってよい。
トラップ部分は、孔の外周から半径方向外側に延びる一連のフォイルシーツを備えてもよい。
汚染物質トラップは、さらに、1つ以上のシールドを備えてもよい。1つ以上のシールドは、汚染物質が駆動システムに入るのを防ぐよう構成される。
中心軸に沿った汚染物質の位置は、1つ以上のベアリングにより維持されてもよい。
1つ以上のプリテンションベアリングが汚染物質トラップの第1の側に配置され、1つ以上の磁気抵抗ベアリングが汚染物質トラップの第2の側に配置されてもよい。
本発明の第8の態様によると、汚染物質トラップが提供される。この汚染物質トラップは、第1半径を有し、汚染物質トラップの中心軸周りに配置されるインナーリングと、第2半径を有し、汚染物質トラップの中心軸周りに配置されるアウターリングとを備える。
が提供される。第2半径は、第1半径よりも大きい。アウターリングは、アウターリングに対して半径方向に移動可能である複数のバネ部分と、複数のフォイルシーツとを備える。各フォイルシーツは、インナーリングとアウターリングの間に延びており、フォイルシーツの半径方向末端は、それぞれアウターリングのバネ部分に取り付けられる。
アウターリングは、複数のブリッジ部分により結合された第1リング及び第2リングを備える。第1リング及び第2リングはそれぞれ、第1及び第2リングに対して半径方向に移動可能である複数のバネ部分を備える。フォイルシーツの半径方向末端は、それぞれ第1リングのバネ部分および第2リングのバネ部分に取り付けられる。
ブリッジ部分は、開口を規定してもよい。フォイルシーツに激突する汚染物質は、該開口を通って半径方向外側に飛び散る。
汚染物質トラップは、汚染物質トラップを駆動して回転させるモータをさらに備えてもよい。
本発明の第9の態様によると、放射源が提供される。この放射源は、燃料がEUV放射を放出する位置に燃料を供給するよう構成された燃料源を備える。放射源は、汚染物質トラップをさらに備える。汚染物質トラップは、第1半径を有し、汚染物質トラップの中心軸周りに配置されるインナーリングと、第2半径を有し、中心軸周りに配置されるアウターリングとを備える。第2半径は、第1半径よりも大きい。アウターリングは、アウターリングに対して半径方向に移動可能である複数のバネ部分と、複数のフォイルシーツとを備える。各フォイルシーツは、インナーリングとアウターリングの間に延びており、フォイルシーツの半径方向末端は、それぞれアウターリングのバネ部分に取り付けられる。
本発明の第10の態様によると、放射源からのEUV放射を基板上に投影するよう構成されたリソグラフィ装置が提供される。放射源は、汚染物質トラップをさらに備える。汚染物質トラップは、第1半径を有し、汚染物質トラップの中心軸周りに配置されるインナーリングと、第2半径を有し、中心軸周りに配置されるアウターリングとを備える。第2半径は、第1半径よりも大きい。アウターリングは、アウターリングに対して半径方向に移動可能である複数のバネ部分と、複数のフォイルシーツとを備える。各フォイルシーツは、インナーリングとアウターリングの間に延びており、フォイルシーツの半径方向末端は、それぞれアウターリングのバネ部分に取り付けられる。
本発明の第11の態様によると、汚染物質トラップが提供される。汚染物質トラップは、中心軸を有し、中心軸から第1半径距離の第1位置と中心軸から第2半径距離の第2位置との間に延びる複数のファイバを備える。第2半径距離は、第1半径距離よりも大きい。
複数のファイバは、カーボンカーボンファイバであってよい。
汚染物質トラップは、汚染物質を駆動して回転するよう構成されたモータをさらに備えてよい。
複数のファイバは、複数のファイバ列に配置されてもよい。
複数のファイバ列は、中心軸に対して実質的に平行に配置されてもよい。
本発明の第12の態様によると、燃料源を備える放射源が提供される。燃料源は、燃料がEUV放射を放出する位置に燃料を供給するよう構成された燃料源を備える。放射源は、汚染物質トラップをさらに備える。汚染物質トラップは、中心軸を有し、中心軸から第1半径距離の第1位置と中心軸から第2半径距離の第2位置との間に延びる複数のファイバを備える。第2半径距離は、第1半径距離よりも大きい。
本発明の第13の態様によると、放射源からのEUV放射を基板上に投影するよう構成されたリソグラフィ装置が提供される。放射源は、汚染物質トラップを備える。汚染物質トラップは、中心軸を有し、中心軸から第1半径距離の第1位置と中心軸から第2半径距離の第2位置との間に延びる複数のファイバを備える。第2半径距離は、第1半径距離よりも大きい。
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明の種々の実施の形態の構造及び動作とともに付属の図面を参照して以下に詳述される。本書に説明される特定の実施の形態に本発明は限定されないことに留意される。こうした実施の形態は説明の目的で本書に提示されるにすぎない。追加の実施の形態は、本書に含まれる教示に基づき当業者に明らかであろう。
この明細書は、本発明の特徴を含む実施の形態を開示する。開示される実施の形態は、本発明を例示のみする。本発明の範囲は、開示される実施の形態に限定されない。本発明は、本書に添付される請求項によって定義される。
本明細書における「一つの実施の形態」、「ある実施の形態」、「ある例示的な実施の形態」、「いくつかの実施の形態」などといった言及は、その説明される実施の形態がある特定の特徴、構造、又は性質を含んでもよいことを表すが、その特定の特徴、構造、又は性質がどの実施の形態にも必ず含まれうることを表すものではない。また、こうした言い回しは同一の実施の形態に言及するものでは必ずしもない。さらに、ある特定の特徴、構造、又は性質がある実施の形態と結びつけて説明されるとき、そうした特徴、構造、又は性質を他の実施の形態と結びつけてもたらすことはそれが明示的に説明されているか否かにかかわらず当業者の知識の範囲内にあるものと理解される。
図1は、本発明の1つの実施の形態に係る放射源SOを含むリソグラフィ装置100を模式的に示す図である。本装置は、以下の構成を備える。
放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するよう構成されている照明システム(イルミネータ)IL。
パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するよう構築されている支持構造(例えばマスクテーブル)MTであって、パターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成されている第1位置決め部PMに接続されている支持構造MT。
基板(例えば、レジストで覆われたウエハ)Wを保持するよう構築されている基板テーブル(例えばウエハテーブル)WTであって、基板を正確に位置決めする第2位置決め部PWに接続されている基板テーブルWT。
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1以上のダイを備える)目標部分Cに投影する投影システム(例えば反射投影システム)PS。
照明システムは、放射を方向付け、成形し、又は制御するための、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、又はこれらの任意の組合せを含み得る。
支持構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置のデザイン、及びその他の条件(パターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等)に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械的固定、真空固定、静電固定、又は、パターニングデバイスを保持するその他の固定技術を用いてもよい。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。支持構造は、例えば投影システムに対して所望の位置にパターニングデバイスを位置決めすることを保証してもよい。
「パターニングデバイス」なる用語は、例えば基板の目標部分にパターンを生成するために放射ビームの断面にパターンを付与するのに使用可能な何らかのデバイスを指し示すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、目標部分に生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応してもよい。
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスには例えば、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるというものがある。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームにパターンを付与する。
照明システムと同様に、投影システムは、使用される露光放射に応じて、又はその他の要因(真空の使用等)に応じて適切である限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、又はこれらの任意の組合せを含み得る。他のガスは放射を吸収しすぎるかもしれないので、EUV放射については真空を使用することが望ましい。したがって、真空壁及び真空ポンプによってビーム経路の全体に真空環境が提供されてもよい。
図示されるように、本装置は、(例えば反射型マスクを使用する)反射型である。
リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれより多数の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有する形式であってもよい。このような「多重ステージ」型の装置においては、追加的なテーブルが並行して使用されてもよく、あるいは1以上のテーブルが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから極端紫外線放射ビームを受け取る。EUV放射を生成する方法は、必ずしもそれに限定されるわけではないものの、EUV範囲にひとつ以上の輝線を有する例えばキセノン、リチウム、又はスズなどの少なくともひとつの元素を有するプラズマ状態に物質を変換することを含む。こうしたひとつの方法(これは多くの場合レーザ生成プラズマ(「LPP」)と称される)においては、要求される輝線を放出する元素を有する物質の滴、流、又はクラスタなどの燃料にレーザビームを照射することによって、要求されるプラズマを生成することができる。放射源SOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザ(図1に図示せず)を含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として得られるプラズマは出力放射、例えばEUV放射を放出する。この出力放射は、放射源内に設けられる放射コレクタを使用して集められる。例えば燃料励起のためのレーザビームを提供するのにCO2レーザが使用される場合には、レーザと放射源とは別体であってもよい。
こうした場合、レーザはリソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、レーザビームはレーザからビーム搬送系を介して放射源へと通過していく。ビーム搬送系は例えば適切な方向変更用ミラー及び/又はビームエキスパンダを含む。
別の方法では、よく放電生成プラズマ(DPP)と称されるEUV放出プラズマが、放電を用いて燃料を気化することにより生成される。燃料は、EUV範囲に1つ以上の輝線を有する例えばキセノン、リチウム、又はスズなどの元素であってよい。放電は、放射源の一部を形成してもよいし又は放射源への電気的接続を介して接続された別体であってもよい電源により発生されてよい。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも外側半径範囲及び/又は内側半径範囲(通常それぞれσアウタ、σインナと呼ばれる)が調整されうる。加えてイルミネータILは、ファセット型フィールド及び瞳ミラーデバイスなどの種々の他の要素を備えてもよい。イルミネータはビーム断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられてもよい。
放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射して、当該パターニングデバイスによりパターンが付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wの目標部分Cに合焦させる。第2位置決め部PWと位置センサPS2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは、例えば放射ビームBの経路に異なる複数の目標部分Cをそれぞれ位置決めするように、正確に移動されることができる。同様に、第1位置決め部PMと別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせされてもよい。
図示の装置は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で1つの目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められてもよい。
3.別のモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTは移動又は走査される。このモードでは一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、又は連続する放射パルスと放射パルスの間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用可能である。
上記の使用モードを組み合わせて動作させてもよいし、使用モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別の使用モードを用いてもよい。
図2は、放射源SO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むリソグラフィ装置をより詳細に示す。放射源SOは、放射源SOの囲み構造220内で真空環境が維持されうるように構築、構成される。EUV放射放出プラズマ210は、レーザ生成プラズマ源LPPや放電生成プラズマ源DPPにより形成されてもよい。
EUV放射は、電磁スペクトルのEUV帯の放射を放出するよう非常に高温のプラズマ210が生成された、例えばXeガス、Li蒸気又はSn蒸気などのガス又は蒸気によって生成されてよい。
レーザ生成プラズマ源LPPの場合、レーザLAは、レーザエネルギを燃料に与えるよう構成される。燃料は例えばキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又は、リチウム(Li)であり、数10eVの電子温度を有する高度にイオン化されたプラズマ210が生成される。これらのイオンの脱励起及び再結合の間に生成された強力な放射は、プラズマから放出される。
放電生成プラズマ源DPPの場合、非常に高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電により生成される。例えば分圧10PaのXe,Li,Sn蒸気または他の適切なガスまたは蒸気が、放射の十分な発生に必要とされる。一実施形態では、EUV放射を生成するために、励起されたスズ(Sn)のプラズマが提供される。
高温のプラズマ210により放出された放射は、ソースチャンバ211の開口中またはその後方に位置する選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(ある場合には汚染物質バリア又はフォイルトラップとも称される)を通って、ソースチャンバ211からコレクタチャンバ212中に通過する。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含んでよい。また、汚染物質トラップは、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造の組み合わせを含んでもよい。本明細書にさらに指し示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、少なくとも、技術的に周知のチャネル構造を含む。
コレクタチャンバ212は、いわゆる斜入射コレクタであってもよい放射コレクタCOを含んでもよい。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251と、下流放射コレクタ側252とを有する。コレクタCOを横切る放射は、随意に、格子スペクトルフィルタ240から反射して、仮想放射源ポイントIFで合焦することができる。仮想放射源ポイントIFは一般に中間焦点と呼ばれ、放射源は、中間焦点IFが囲み構造220内の開口221に、又はその近傍に、放射コレクタからある距離を置いて位置するように配置される。中間焦点IFは、放射放出プラズマ210の像である。図示を簡略化するために、放射源SOは、開口221又はその近傍にただ1つの中間焦点IFを有するとして図2に図示されている。しかしながら、実際には放射源SOは、複数の開口又はその近傍で、放射を複数の中間焦点IFに合焦してよい(さらに下記で説明する)。
次に、放射は照明システムILを通過する。照明システムILはファセット型フィールドミラーデバイス22とファセット型瞳ミラーデバイス24とを含んでもよい。それらのミラーデバイスは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21に所望の角度分布を提供し、かつ、パターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度の一様性を提供するよう構成される。支持構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21が反射されると、パターンが付与されたビーム26が形成され、そのパターンが付与されたビーム26は、投影システムPSによって反射性要素28、30を介して、ウエハステージ又は基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
照明光学ユニットIL及び投影システムPSには、示されているよりも多くの要素が一般には存在しうる。リソグラフィ装置の形式によっては、格子スペクトルフィルタ240が任意選択として存在してもよい。また、図示されるよりも多くのミラーが存在してもよい。例えば、投影システムPSには、図2に示されるよりも1個から6個の追加的な反射性要素が存在してもよい。
図2に図示されるように、コレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の例と同様に斜入射リフレクタシェル253、254および255を有する入れ子式コレクタである。斜入射リフレクタシェル253、254および255は、光軸Oを中心に軸対称に配置されてよい。
図3は、放射源SOのレーザ生成プラズマ(LPP)の実施形態を示す。EUV放出プラズマ210は、例えば、燃料に第1レーザビーム271、次に第2レーザビーム272を未千々区ことにより生成されてよい。燃料は、適切な物質(例えばスズ)の粒子、又は例えばXeガスやLi蒸気等の適切なガス又は蒸気の流れであってよい。燃料は、燃料をプラズマ210が形成されるべき位置に供給する燃料供給装置(図示せず)により供給されてよい。例えば、燃料の液滴は、燃料供給装置によって光軸Oと交差する経路に沿って供給されてよい。燃料の液滴は、第1レーザビーム271によって捕らえられ、その後第2レーザビーム272によって捕らえられ、その結果燃料からEUV放射が放出される。
第1レーザビーム271は、プレパルスレーザビームである。プレパルスレーザビーム271は、レンズ261により燃料上に合焦される。レンズ261は、大きな開口数を有する。例えば、レンズ261は、0.05〜0.15の範囲の開口数を有してよい。別の実施形態では、レンズ261は、大きな開口数を有するミラーにより置換され、プレパルスレーザビーム271は、ミラーにより反射して燃料上に合焦される。プレパルスレーザビーム271は、プラズマ210が形成されるべき位置において、燃料の液滴を燃料の霧に膨らませる。
第2レーザビーム272はメインレーザビームである。メインレーザビーム272は、プレパルスレーザビーム271の数倍大きな強度を有する。例えば、メインパルスレーザビーム272は、プレパルスレーザビーム271の強度の10倍から100倍(又はそれ以上)の強度を有してよい。メインパルスレーザビーム272は、例えばCO2レーザにより形成されてよい。メインパルスレーザビーム272は、レンズ263によりメインパルスミラー262上に合焦される。レンズ263は、例えば、プレパルスレーザビームを合焦するのにレンズ261より小さい開口数を有してよい。別の実施形態では、レンズ263が集束ミラーにより置換され、レンズ263は、集束ミラーで反射して、メインパルスミラー262上に合焦される。
メインパルスレーザビーム272は、メインパルスミラー262により、プレパルスレーザビーム271により生成された燃料の霧上に反射及び合焦される。メインパルスレーザビーム272は、燃料の霧をプラズマ210に変化させる。プラズマ210は、EUV放射を放出する。EUV放射は、放射コレクタCOにより集められ、中間焦点IFに導かれる。放射コレクタCOは図3にEUV放射を中間焦点IFに直接的に合焦するものとして図示されているが、EUV放射が中間焦点IFに到達する前に、1つ以上の反射型又は透過型の光学素子がEUV放射の経路に追加されてもよい。1つ以上の光学素子は、例えば図2に図示したような格子スペクトルフィルタ240を含んでもよい。
本明細書において、中間焦点IFという用語は、放射コレクタCOにより導かれる放射が実質的に集光する位置を意味するために用いられる。放射コレクタCOは、放射コレクタCOの異なる部分に入射したプラズマ210からの放射が、全体にわたって中間焦点IFと称される複数の位置に実質的に集光するよう、放射を導く。本実施形態において、中間焦点IFは全て、放射コレクタCOから実質的に同じ距離にある。
プラズマ210は、非等方性分布を有するEUV放射を放出してもよい。特にプラズマ210は、メインパルスレーザビーム272を受ける半球方向にEUV放射を優先的に放出してもよい。従って、プラズマのコレクタ側からプラズマ210に入射するメインパルスレーザビーム272を用いてプラズマを発生させることは有利であり、その結果プラズマは放射コレクタCOに向かって優先的にEUV放射を放出する。これは、中間焦点IFにおいて、その他の場合よりも大きなEUV放射の強度をもたらす。他の実施形態では、プレパルスレーザビーム271およびメインパルスレーザビーム272は、両方とも燃料のコレクタ側から燃料に入射してもよい。
放射コレクタCOは、3つの反射型の斜入射リフレクタシェル253,254および255を備える斜入射放射コレクタである。一実施形態では、放射コレクタCOは、2つ以上の斜入射リフレクタシェルを備える。例えば、いくつかの実施形態では、放射コレクタCOは、4,5,6,7,8,9又はそれ以上の斜入射リフレクタシェルを備えてよい。
放射コレクタCOは、汚染物質トラップ230により、プラズマ210から生じた汚染物質から保護される。汚染物質トラップ230は、回転フォイルトラップ、静止フォイルトラップまたは任意の他の形態の汚染物質トラップであってよい。汚染物質トラップは、メインパルスレーザビーム272がホローモータ231を通って光軸Oに沿って通るように、光軸O周りに円周方向に延びるホローモータ231により光軸O周りに回転してよい。ホローモータ231は、インダクタンスモータ又は任意の他の適切なモータであってよい。
汚染物質トラップ230およびホローモータ231は、放射源SOの任意構成要素である。放射源SOの他の実施形態は、加えて又は代えて、1つ以上のガスバリアなどの他の破片低減システムを含んでもよい。あるいは、放射源は、汚染物質トラップ230又はホローモータ231を含まなくてもよい。
各斜入射リフレクタシェル253,254および255は、上流コレクタ側251から下流コレクタ側252へ延びている。斜入射リフレクタシェルは、その長さに沿って光軸に対して実質的に不変の角度を作ってもよい。斜入射リフレクタシェルは、それに代えて、その長さに沿って異なる点で光軸Oに対して異なる角度を作ってもよい。例えば、斜入射リフレクタシェルは、その長さに沿って光軸Oに対して2,3,4又はそれ以上の角度を作ってもよい。他の実施形態では、斜入射リフレクタシェルは、斜入射リフレクタシェルが光軸Oに対して実質的に曲がるように、光軸Oに対して、その長さに沿って連続的に変化する角度を作ってもよい。
各斜入射リフレクタシェルは、それぞれ光軸Oの異なる角度部分の周囲に延びる複数のセグメントを備えてもよい。各斜入射リフレクタシェルは、同数のセグメントを備えてもよい。これは、放射コレクタCOが放射を導く中間焦点IFの数に等しくてよい。リフレクタシェルのセグメントは、光軸Oから実質的に等距離に位置してもよい。
図4は、光軸Oに沿って中間焦点IFから見た放射コレクタCOを示す。図示を簡略化するために、内側の斜入射リフレクタシェル255と外側の斜入射リフレクタシェル253のみが図4に図示されている。しかしながら、放射コレクタCOは、外側の斜入射リフレクタシェル253と内側の斜入射リフレクタシェル255との間に配置された1つ以上の斜入射リフレクタシェルをさらに備えてよい。外側の斜入射リフレクタシェル253と内側の斜入射リフレクタシェル255の両者は、それぞれ、4つのセグメント253a−d及び255a−dを備える。
内側の斜入射リフレクタセグメント255aは、その関連した外側の斜入射リフレクタセグメント253aと実質的に同様の角度範囲を占めている。内側のセグメント255aおよび外側のセグメント253aは、それら両者がEUV放射を共通の中間焦点IFaに導くよう配向される。その他の内側のセグメント255b−dおよび関連する外側のセグメント253b−dは、EUV放射を中間焦点IFb、IFcおよびIFdにそれぞれ導くよう同じように配向される。内側の斜入射リフレクタセグメント255a−dおよび外側の斜入射リフレクタセグメント253a−dのそれぞれは、EUV放射を4つの中間焦点IFa−dにそれぞれ導く4つのコレクタセグメント256a−dを形成する。
他の実施形態では、コレクタセグメント256a−dは、外側の斜入射リフレクタセグメントシェル253a−dと内側の斜入射リフレクタセグメント255a−dの中間に配置された1つ以上の追加の斜入射リフレクタをさらに備える。追加の斜入射リフレクタセグメントのそれぞれは、内側のセグメント255a−d及び外側のセグメント253a−dと実質的に同様の角度範囲を占めてよい。追加の斜入射リフレクタセグメントのそれぞれは、EUV放射を中間焦点IFa−dに導いてもよい。
コレクタセグメントという用語は、放射を中間焦点IF等の1つだけの位置に導く放射コレクタの一部を意味することを目的としている。中間焦点IFは、プラズマ210からの放射が実質的に集光するスペース中の点である。放射を集光することにより、囲み構造220中の開口221に又はその近くにプラズマ210の像が形成される。中間焦点IFに形成されるプラズマ210の像は、中間焦点IFが位置する又は近くに位置する開口221の直径よりも小さい。開口221は、例えば約7mmの直径を有してよい。コレクタセグメントは、複数の斜入射リフレクタシェルを備えてよい。各コレクタセグメントを備える斜入射リフレクタシェルは、実質的に同様の放射コレクタCOの角度範囲を占めてよい。
図5は、A−A線に沿った放射コレクタCOの断面を示す。図5から分かるように、斜入射リフレクタセグメントから中間焦点IFa−cへのEUV放射の経路は、集められ中間焦点IFa−dに導かれるEUV放射が実質的に通過しないボリューム280を規定する。ボリューム280は、実質的に円錐形であり、実質的に円形の断面積281で(図4参照)プラズマ210から延びている。実質的に円形の断面積281は、中間焦点IFa−dの位置で直径dを有する。図示を簡略化するために、ボリューム280は、図5において光軸Oに沿って中間焦点IFに向かって約半分だけ延びるように描かれている。しかしながら実際には、ボリューム280は、光軸Oに沿って中間焦点IFまでずっと延びている。
ボリューム280は実質的に円形状の断面積281を備える実質的に円錐形状を有してよいが、実際には、ボリューム280は円錐形状と異なってもよいし、断面積281は円形状と異なってもよい。例えば、斜入射リフレクタセグメントは、それらの間に、例えば図4に示すギャップ257a−dなどのギャップが存在するように位置してもよい。ギャップ257a−dの領域では、断面積281の周囲は、実質的に円形状のセグメントの中間において実質的に直線状のセグメントを含んでよい。
他の実施形態では、ボリューム280は、他の形状をとってもよい。形状は、集められ中間焦点IFa−dに導かれるEUV放射の(光軸Oに対して)内側の経路により規定される。
ボリューム280の断面積は、放射コレクタCOからの距離とともに単調に増大してよい。
放射源SOの構成要素は、そうでなければ放射コレクタCOにより集められ中間焦点IFに導かれるEUV放射を遮ることなく、ボリューム280の内側に位置してよい。ボリューム280の外側に位置する放射源の構成要素は、そうでなければ中間焦点IFに導かれていたEUV放射を遮る可能性があり、それにより中間焦点IFでEUV放射の強度が減少する。従って、放射源の構成要素はボリューム280の内側に位置することが望ましい。
ボリューム280の内側に位置する放射源の構成要素は、例えば、メインパルスレーザビーム272をプラズマ210上に反射及び合焦するメインパルスミラー262を含んでよい。メインパルスミラー262は、ボリューム250の内側に適合する最大開口数を有してよい。メインパルスミラー262の開口数は、プラズマ210の位置でメインパルスレーザビームの焦点調節を決定してよい。例えば高開口数を有するメインパルスミラー262は、低開口数を有するメインパルスミラー262により反射及び合焦されるメインパルスレーザビーム272よりも、プラズマ210の位置で合焦するメインパルスレーザビーム272を提供してよい。一般的に、プラズマ210の位置におけるメインパルスレーザビーム272の合焦強度は、メインパルスミラー262の開口数とともに増大してよい。一般的に、プラズマ210により放出されるEUV放射の量は、プラズマ210の位置におけるメインパルスレーザビーム272の合焦強度とともに増大してよい。従って、メインパルスレーザビーム272がプラズマ210の位置で高い合焦強度を有するよう、高開口数を有するメインパルスミラー262を提供することは有利である。しかしながら、メインパルスレーザビーム272の合焦強度が高すぎる場合、所望するよりも短い波長のEUV放射を放出するプラズマ210が生成される可能性がある。従って、所望の波長及び強度のEUV放射を放出するプラズマ210を生成するために、メインパルスレーザビーム272の合焦強度を最適化することが望ましい。
ボリューム280の内側に適合するメインパルスミラー262のサイズは、メインパルスミラー262が位置する光軸Oに沿った領域におけるボリューム280の断面積281により制限される。メインパルスミラー262の開口数は、メインパルスミラー262のサイズとメインパルスミラー262が位置するプラズマ210からの距離の両方に依存する。
図5に示された実施形態では、ボリューム280の断面積281は、光軸Oに沿ってプラズマ210からの距離とともに増大している。この実施形態では、ボリューム280の内側に適合するメインパルスミラー262のサイズは、光軸Oに沿ってメインパルスミラーをプラズマ210からさらに遠くに位置させることにより増大されてよい。メインパルスミラー262のサイズを増大するとともにプラズマ210からさらに遠くに位置させることは、プラズマ210から生じる汚染物質へのメインパルスミラー262の露出を低減する可能性がある。加えて、大きなメインパルスミラー262を用いることは、メインパルスレーザビーム272からメインパルスミラー262への熱負荷を低減する可能性がある。
プラズマ210から所与の距離においてボリューム280の内側に適合するメインパルスミラー262の最大開口数は、メインパルスミラー262の位置における断面積281を大きくすることにより増大されてよい。プラズマ210からの所与の距離におけるボリューム280の断面積281は、中間焦点IFa−dをつなぐ実質的に円形状の直径dが増大するように、中間焦点IFa−dの位置を移動して互いに離すことにより大きくされてよい。これは、例えば、中間焦点IFa−dの位置が光軸Oから半径方向外側に移動するように、コレクタセグメント256a−dの上流のコレクタ側251をプラズマ210に向けて傾けることにより達成されてよい。これは、ボリューム280を増大し、それによって、ボリューム280の内側に適合するメインパルスミラーの最大開口数を増大する。
そこで、本実施形態における中間焦点IFa−dは全て、放射コレクタから実質的に同じ距離Lにおいて、光軸Oに対して垂直な面内に位置している。
本実施形態では、全ての中間焦点が同一平面に存在しているが、2つ以上の中間焦点が放射コレクタから第1距離において第1平面に存在し、他の中間焦点が放射コレクタから第2の距離において第2平面に存在することも想定される。ここで、第1距離は第2距離と異なる。しかしながら、第1又は第2平面内においてそれぞれの中間焦点は異なる位置に位置するので、これは依然として本発明の範囲に含まれる。
コレクタセグメント256a−dの上流のコレクタ側251をプラズマ210に向けて傾斜することにより、プラズマから放出されるEUV放射がコレクタセグメント256a−dにより集められる角度が変化する。特に、EUV放射が集められる最大角度及び最小角度は、コレクタセグメント256a−dの上流のコレクタ側251がプラズマ210に向けて傾斜するにつれて変化する。最大角度及び最小角度が実質的に不変のままとなるように、コレクタセグメント256a−dの上流のコレクタ側251をプラズマ210に向かって傾斜することが望ましい。プラズマ210は、非等方性の強度分布を有するEUV放射を放出してもよい。その結果、プラズマから放出されるEUV放射がコレクタセグメント256a−dにより集められる角度を変化させることにより、放射コレクタCOにより集められるEUV放射の総量が変化する。
ボリューム280の内側に位置する放射源SOの他の構成要素は、ホローモータ231を含んでもよい(図3参照)。ボリューム280を増大することにより、集められ中間焦点IFに導かれるEUV放射を遮ることなく、ホローモータ231のサイズ調整及び位置調整において高い柔軟性が可能となる。ボリューム280内に追加の光学部品などのメインパルスレーザビーム272を合焦するための放射源SOの他の構成要素を配置することが望ましい。
光軸Oに対する中間焦点の位置は、例えば図2に示すようなファセット型フィールドミラーデバイス22等のファーフィールド位置におけるEUV放射の強度分布に影響を与える。ファセット型フィールドミラーデバイス22は、パターニングデバイスMAにおける放射強度の所望の均一性だけでなく、パターニングデバイスMAにおける所望の角度分布を有する放射ビームを提供するために、ファセット型瞳ミラーデバイス24とともにファーフィールド位置においてEUV放射が反射するよう構成されてもよい。
図6a−cは、放射源SOの実施形態と、放射源SOにより作られるファーフィールド位置におけるEUV放射の強度分布の形状を示す。図6a−cに示す各実施形態において、放射コレクタCOは、プラズマ210から中間焦点IFa−dにEUV放射を導く。光軸Oに沿ったプラズマ210と中間焦点IFa−dとの間の距離Lは、約200cmである。放射コレクタCOは、約70cmの外径ODを有してよい。図6a−cの実施形態ではそれぞれ、中間焦点IFa−dをつなぐ円の直径は、約21cm、10cm及び7.5cmであってよい。
中間焦点IFa−dをつなぐ円の異なる直径dは、そうでなければ集められ中間焦点IFa−dに導かれるEUV放射を遮ることなく放射源SOの構成要素が位置する異なるボリューム280を作る。一般的に中間焦点IFa−dをつなぐ円の直径dが大きくなるほど、ボリューム280は大きくなる。従って、直径dが、放射源SOの構成要素が位置する十分に大きなボリューム280を作り出すのに十分大きくなるよう、放射コレクタCOを構成することは有利である。
図6a−cの実施形態における中間焦点IFa−dをつなぐ円の異なる直径は、また、ファーフィールド位置におけるEUV放射の異なる強度分布を作り出す。図6aに示す実施形態では、各コレクタセグメント256a−dは、EUV放射ビームを4つの中間焦点IFa−dのうち1つに導く。EUV放射のビームは、後でファーフィールド位置において領域FFa−dに入射する。図6aの領域FFa−dは、ファーフィールド位置においてオーバーラップせず、従って、ファーフィールド位置に入射するEUV放射の強度は、EUV放射が入射するファーフィールド位置の領域にわたって実質的に不変であってよい。例えばファセット型フィールドミラーデバイス22(図3参照)などのファセット型ミラーデバイスが、ファーフィールド位置に設けられてよい。ファセット型フィールドミラーデバイス22は、放射強度の所望の均一性と同様に所望の角度分布を有する放射ビームを提供するために、EUV放射の実質的に不変な強度分布(例えば図6aに示す実施形態により作り出される強度分布など)を反射するよう容易に構成されてよい。
図6b及び図6cに示す実施形態において中間焦点IFa−dをつなぐ円の直径dは、両方とも図6aに示す実施形態の同等な直径よりも小さい。結果として、中間焦点IFa−dの各々を通過するEUV放射の部分は、ファーフィールド位置においてオーバーラップする。従って、ファーフィールド位置のいくつかの領域には、2つ以上の中間焦点IFから発生するEUV放射が入射する。ファーフィールド位置の他の領域には、1つの中間焦点IFから発生するEUV放射が入射してよい。ファーフィールド位置におけるEUV放射の強度は、従って、EUV放射が入射するファーフィールド位置の領域にわたって大きな変動を含んでよい。ファセット型フィールドミラーデバイスは、放射強度の所望の均一性と同様に所望の角度分布を有する放射ビームを提供するために、EUV放射の一定でない強度分布(例えば図6b及び図6cに示す実施形態により作り出される強度分布など)を反射するよう容易に構成されてよい。しかしながら、実質的に一定でない強度分布とは対照的にEUV放射の強度分布が実質的に一定である場合には、所望の角度分布及び強度分布の均一性を有する放射ビームを提供するためにEUV放射の強度分布を反射するようファセット型フィールドミラーデバイスを構成することがより簡単である。
他の実施形態では、放射コレクタCOは、4つより多くの、又は4つ未満のコレクタセグメントを備えてもよい。各コレクタセグメントは、EUV放射を関連する中間焦点に導いてよい。従って、中間焦点の数は、コレクタセグメントの数と等しくてよい。例えば、放射コレクタCOは、EUV放射を2,3,4,5,6,7,8又はそれより多くの中間焦点にそれぞれ導く2,3,4,5,6,7,8又はそれより多くのコレクタセグメントを備えてよい。
コレクタセグメントの数及び中間焦点IFの数及び中間焦点IF位置決めは、ボリューム280の形状及びサイズに影響を与える。放射コレクタCOがEUV放射を1つの中間焦点に導く1つの実質的に円筒状のコレクタを備える場合(従来技術の場合である)、ボリューム280に相当するボリュームは非常に限定されるであろう。さらに、それは、例えば図5に示すボリューム280が有する連続的に増大する断面積を有しないであろう。その代わりとして、それは、最初に転移点まで増大する断面積を有し、その後断面積は減少するであろう(中間焦点でゼロまで減少する)。このような構成は、ボリュームの内側に適合するメインパルスミラーの最大開口数及び位置に対して大きな制限を課す。
上記の不利点は、上述したように、本発明に係る放射コレクタCOにより克服される。本発明の実施形態に係る放射コレクタは、EUV放射を2つ以上の中間焦点に導く2つ以上のコレクタセグメント256を備える。3つ以上のコレクタセグメント256を備え、且つ放射を3つ以上の中間焦点IFに導く放射コレクタCOは、放射源の構成要素が実質的にEUV放射を妨げることなく位置するボリューム280をさらに増大してもよい。従って、放射を3つ以上の中間焦点に導く3つ以上のコレクタセグメント256を放射コレクタCOが備えることはさらに有利である。例えば図4及び5に示すように、4つのコレクタセグメント256は有利である。
2つ以上のコレクタセグメント256を備える放射コレクタCOの実施形態では、EUV放射は、光軸Oからかなりの距離に位置する2つ以上の中間焦点IFに導かれてよい。そうでなければファーフィールド位置に到達するEUV放射は、光軸Oに近いどの障害物にも入射しない。2つ以上のコレクタセグメント256を備える放射コレクタCOは、従って、光軸Oに近い任意の障害物を避けるために用いられてよく、これにより、遮られるEUV放射の量が低減する。
上述の放射源SOの様々な実施形態の寸法は、純粋に可能性のある寸法の例である。放射源SOの実施形態は、放射源SOの特定のアプリケーションに適している他の寸法を有してもよいことを理解すべきである。例えば、放射源SOのいくつかの実施形態では、図6a−cに示す実施形態よりも、光軸Oに沿ったプラズマ210に近い又はプラズマ210から遠い中間焦点IFにEUV放射を導くことが望ましい。光軸Oに沿ったプラズマ210と中間焦点IFの間の距離は、放射源SOの寸法により、特に、放射が中間焦点IFに合焦される又は近傍の囲み構造220の開口221の光軸Oに沿った距離により決定されてよい。
本発明の特定の実施形態がレーザ生成プラズマ源LPPに関して説明および示されているが、本発明の実施形態は、放電生成プラズマ源DPPとともに用いられてもよい。本発明の実施形態は、例えば破片低減装置が位置する追加的なボリュームが設けられるという点において、放電生成プラズマ源DPPと共に有利である。本発明の実施形態はまた、放電生成プラズマ源DPPと共に使用されるときに、放射源の光軸Oに近い任意の障害物によるEUV放射の障害を緩和する。
図7は、フォイルトラップFTを含む放射源SOの実施形態を示す。図8は、フォイルトラップFTの断面図を示す。フォイルトラップFTは、燃料及びプラズマ210を発生源とする汚染物質を捕らえ、汚染物質が放射コレクタCOを汚染するのを防ぐ役割を果たす。燃料及びプラズマ210からの汚染物質は、原子、イオンおよび燃料の微粒子を含む。
フォイルトラップは、実質的に円形の断面を有するトラップ部分301と、トラップ部分301の外周の周りに延びるロータ部分304とを備える。トラップ部分は、ロータ部分304の内周からフォイルトラップFTの中心を通って延びる孔305の外周まで放射状に延びている一連のフォイルシーツ306を備える。孔305は、メインパルスレーザビーム272が孔305を通過するのを可能とするのに十分な直径を有する。図7に示すように、フォイルトラップFTの各側面からフォイルトラップFTのトラップ部分301の外周に向かって、シールド302が延びている。
フォイルシーツ306は、フォイルトラップに入射するEUV放射がフォイルシーツ306により実質的に遮られないほど十分に薄い。フォイルシーツ306は、従って、フォイルトラップFTを通過するEUV放射の総量を実質的に低減しない。
フォイルトラップFTの外周は、ステータ部品303の間に位置している。ステータ部品303は、光軸Oから半径方向末端にあり、フォイルトラップFTの周囲に回転地場の発生を可能とする部品である。ステータ部品は、例えば、フォイルトラップFTの周囲に回転地場を発生させるためにAC電流が流れる一連のコイルであってよい。フォイルトラップFTのロータ部分304は、フォイルトラップFTを回転地場の存在下で回転させる物質を備える。ロータ部分304は、例えば、銅やアルミニウム領域などの一連の導電領域を備えてよい。
ステータ部品303及びロータ部分304は一緒に非同期インダクタンスモータを形成する。非同期インダクタンスモータは、光軸O又はその近傍を回転中心としてフォイルトラップを回転する役割を果たす。非同期インダクタンスモータは、光軸Oから半径方向末端にある。フォイルトラップの回転速度は、フォイルトラップFTを通過する汚染物質の速度に対して十分に高いため、回転フォイルシーツ306は、フォイルトラップFTを通過する汚染物質の多くを捕らえる。従って、回転フォイルシーツ306は、放射コレクタCOに到達する汚染物質を低減する役割を果たす。シールド302は、汚染物質がステータ部品303とロータ部分304の間のギャップに入り込むのを防ぐ役割を果たす。
フォイルトラップFTは、動作の間加熱される。例えば、加熱は、EUV放射へのフォイルトラップFTの露光の結果として生じる。フォイルトラップFTの加熱は、フォイルトラップFTの膨張をもたらす。特に、フォイルトラップFTは、半径方向外側に膨張する。ステータ部品303をロータ部分304の両側に配置することにより、フォイルトラップFTは、ステータ部品303と接触することなく、半径方向外側に自由に膨張する。
光軸Oに沿ったフォイルトラップFTの位置は、1つ以上のベアリングにより維持されてよい。ベアリングは、ステータ部品303とロータ部分304の中間に位置してよい。1つ以上のプリテンションベアリングが、光軸Oに沿った実質的に不変の位置でフォイルトラップFTを保持してもよい。1つ以上の磁気抵抗ベアリングが、ロータ部分304の第2面に位置してもよい。1つ以上の磁気抵抗ベアリングは、フォイルトラップFTの膨張に起因するフォイルトラップFTの半径方向位置及び軸方向位置のいくらかの変化を可能とする。
フォイルトラップFTは、非同期インダクタンスモータ以外の駆動システムにより回転されてもよい(非同期インダクタンスモータは、駆動システムの単なる一例である)。例えば、フォイルトラップFTは、別の種類のインダクタンスモータ、別の種類の電気モータ又はガスタービンエンジンにより回転されてよい。駆動システムは、フォイルトラップFTの外周の近く(すなわち、光軸Oから半径方向末端)に設けられてよい。フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムを設けることにより、駆動システムをプラズマ210からの汚染物質及び/又はEUV放射から保護することができる。また、フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムを設けることにより、光軸Oの近くに位置するフォイルトラップFTの部品が減少する。光軸Oの近くに位置するフォイルトラップFTの部品を減らすことにより、光軸Oの近くに追加スペースがもたらされる。追加スペースは、メインパルスレーザビーム272が通過する断面積を増大する。
追加スペースは、孔305を通るパージガスの供給を提供するために用いられてもよい。パージガスの供給は、フォイルトラップFTの放射コレクタCO側から孔305を通ってフォイルトラップFTのプラズマ210側に提供されてもよい。パージガスの供給は、孔305を通るプラズマ210からの汚染物質の流れを低減し、さらに放射コレクタCOの汚染物質を低減する。
フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムが設けられた、回転フォイルトラップFTが、EUV放射を1つの中間焦点IFに導く放射源SOの一部を備えるように、図8に示されている。フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムが設けられた、回転フォイルトラップFTは、また、図3〜6に示す放射源SO等の、EUV放射を1つ以上の中間焦点IFに導く放射源SOの一部を備えてもよい。
フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムが設けられた、回転フォイルトラップFTは、近法線入射放射コレクタCO等の他の種類の放射源SOの一部を備えてもよい。図9は、近法線入射放射コレクタCOを備える放射源SOの実施形態を示す。レーザLAは、燃料中にレーザエネルギーを与えるよう配置され、プラズマ210が生成される。プラズマ210は、EUV放射を放出する。EUV放射は、近法線入射放射コレクタCOにより集められ、囲み構造220中の開口221又はその近傍において中間焦点IFに合焦される。フォイルトラップFTの外周の近くに駆動システムが設けられた、回転フォイルトラップFTは、プラズマ210と放射コレクタCOの間に位置する。フォイルトラップは、燃料及びプラズマ210からの汚染物質が放射コレクタCOに到達するのを防ぐ。放射源SOは、さらに、フォイルトラップFT中の孔305を通るパージガス流を備えてもよい。パージガス流は、フォイルトラップFTの放射コレクタCO側からフォイルトラップFTのプラズマ210側に流れ、燃料プラズマ210からの汚染物質が放射コレクタCOに到達するのをさらに防ぐ。
複数のフォイルシーツを備える回転汚染物質トラップ(これは回転フォイルトラップとも称される)は、最大トラップ速度v
max未満の速度で汚染物質トラップを通過する(燃料及びプラズマ210からの)汚染物質に激突する。最大トラップ速度v
maxは、汚染物質トラップを形成するフォイルシーツの数n
f、フォイルシーツの深さd
f及び汚染物質トラップが回転する角周波数fの関数である。最大とラップ速度は、式(1)により与えられる。
回転汚染物質トラップを通過して放射コレクタCOに入射する汚染物質の割合を減らすために、回転汚染物質トラップに激突する汚染物質の最大速度vmaxを増大することが望ましい。汚染物質トラップが回転すると、フォイルシーツは向心負荷(centripetal load)がかかる。向心負荷は、汚染物質トラップのフォイルシーツに応力を与える。応力が大きくなりすぎると、汚染物質トラップに損傷を与える可能性がある。回転汚染物質トラップは、汚染物質トラップが損傷するより前に耐えられる最大向心負荷を有する。従って、汚染物質トラップは、向心負荷が最大向心負荷を超えて汚染物質トラップが損傷する前に回転できる最大角周波数fを有する。角周波数fは、最大トラップ速度vmaxを制限する要素の1つである(式(1)参照)。従って、最大トラップ速度vmaxを増大するために、最大角周波数fを増大することが望ましい。
図10Aは、インナーリング704とアウターリング702の間に延びる複数のフォイルシーツ700を備える汚染物質トラップ701の概略図である。フォイルシーツ700は、例えば、モリブデンのシーツであってよい。インナーリングとアウターリングは、汚染物質トラップ701の中心軸705周りに配置される。中心軸705は、例えば、放射源SOの光軸Oと一直線になってよい。インナーリング704は、中心軸705から第1半径距離に配置され、アウターリング702は、中心軸705から第2半径距離に配置される。第2半径距離は、第1半径距離より大きい。インナーリング704は、孔を囲む中空のシリンダであってよい。放射源SOに使用するとき、レーザビームは、孔703を通過して、燃料がEUV放射を放出する位置に入射してよい。
図10Bは、インナーリング704の一部の詳細図である。フォイルシーツ700は、インナーリング704に取り付けられている。
図10Cは、アウターリング702の一部の詳細図である。アウターリング702は、アウターリング702の切り抜きである複数のギャップ706を含む。ギャップ706は、該バネ部分にフォイルシーツ700の半径方向末端が取り付けられるアウターリング702のバネ部分710を規定する。フォイルシーツ700が取り付けられるバネ部分710は、アーム708によりアウターリング702の本体に接続される。アーム708は、バネ部分710が半径方向内側又は外側に力を受けられるようフレキシブルである。バネ部分710は、バネ部分710に取り付けられたフォイルシーツ700によりバネ部分710に与える力の下で、半径方向内側又は外側に力を受ける。アーム708は、例えば、約6mmの長さ、約160ミクロンの高さ及び約40mmの深さを有してよい。
汚染物質トラップ701は、インナーリング704を駆動して回転させることにより回転してよい。例えば、モータ(図示せず)は、インナーリング704を駆動して回転させるよう構成されてよい。あるいは、汚染物質トラップ701は、アウターリング702を駆動して回転させることにより回転してよい。例えば、モータ(図示せず)は、アウターリング702を駆動して回転させるよう構成されてよい。
アウターリング702は、汚染物質トラップ701が回転したときにフォイルシーツ700に与えられる応力を低減する役割を果たす。アウターリング702は、従って、汚染物質トラップ701が汚染物質トラップ701が損傷する前の増大した角周波数fで回転することを可能とする。増大した角周波数fで汚染物質トラップ701を回転することは、最大トラップ速度vmaxを増大する。最大トラップ速度の増大は、回転汚染物質トラップを通過して放射コレクタCOに入射する汚染物質の割合を減少する。これは、放射コレクタCOの汚染を減らし、これにより放射コレクタCOの有益なライフタイムが増大する。
あるいは、汚染物質トラップ701が回転する角周波数fを増大することにより、実質的に最大トラップ速度vmaxを減らすことなく、フォイルシーツの数nfを減らすことが可能となる。フォイルシーツの数nfを減らすことは、フォイルシーツ700の総断面積を減らし、従ってフォイルシーツ700により遮断されるEUV放射の量を減らす。加えて又は代えて、実質的に最大トラップ速度vmaxを減らすことなく、フォイルシーツ700の深さを減らしてもよい。フォイルシーツ700の深さを減らすことは、汚染物質トラップ701のために放射源SOに必要とされるスペースを減らす可能性がある。これにより、放射源SO内に放射源SOの他の部品のためのスペースが確保される。
放射源SOの使用の間、汚染物質トラップ701の部品は、熱的及び/又は機械的に膨張する可能性がある。バネ部分710をアウターリング702につなぐフレキシブルアーム708は、フォイルシーツ700の半径方向末端が半径方向内側及び外側に動くことを可能とする。これは、フォイルシーツ700に損傷応力を与えることなく、汚染物質トラップ701の部品の熱的及び/又は機械的膨張を可能とする。
例えば、汚染物質トラップ701が回転するとき、向心力によりフォイルシーツ700が延びる可能性がある。フォイルシーツ700が延びることにより、フォイルシーツ700の半径方向末端が取り付けられたバネ部分710が半径方向外側に動くようにアーム708が曲がる。
動作の間、汚染物質トラップ701は加熱を受ける可能性がある。例えば、汚染物質トラップ701は、汚染物質トラップ701に入射するEUV放射により加熱される可能性がある。汚染物質トラップ701は、燃料プラズマ210から発生するイオンによりさらに加熱される可能性がある。汚染物質トラップ701の加熱により、汚染物質トラップ701の部品が膨張する可能性がある。例えば、インナーリング704が加熱下で膨張する可能性がある。これにより、フォイルシーツ700が取り付けられたインナーリングのポイントが半径方向外側に動く可能性がある。これにより、フォイルシーツ700の半径方向末端を含むフォイルシーツ700が半径方向外側に動き、それ故に、アーム708が曲がり、フォイルシーツ700の半径方向末端が取り付けられたバネ部分710が半径方向外側に動く可能性がある。フォイルシーツ700もまた、加熱されて、膨張及び延びる可能性がある。フォイルシーツ700が延びることにより、アーム708がさらに曲がり、バネ部分710がさらに半径方向外側に動く可能性がある。
使用の間、フォイルシーツ700は、燃料及びプラズマ210から発生する汚染物質と激突する可能性がある。汚染物質は、汚染物質トラップ701の回転により半径方向外側に飛ばされる可能性がある。従って、アウターリング702に開口を設けることが望ましい。該開口を通って、フォイルシーツ700に激突する汚染物質が半径方向外側に飛ばされる。
図11Aは、汚染物質トラップ701の実施形態の斜視図である。図11Bは、図11Aに示す斜視図の一部の詳細図である。図11A及び図11Bに示す実施形態では、アウターリング702は、第1リング714及び第2リング716を備えるよう構成される。第1及び第2リングは、ブリッジ部分718により結合される。第1及び第2リングは両方とも、複数のフォイルシーツ700の半径方向末端が取り付けられる第1及び第2リングのバネ部分710を規定する複数のギャップ706を含む。バネ部分710は、バネ部分及び従ってフォイルシーツ700の半径方向末端が半径方向内側及び外側に動くことを可能とするフレキシブルアーム708により第1及び第2リングの本体に接続されている。
ブリッジ部分718は、汚染物質が通過する開口712により分離されている。汚染物質は、汚染物質トラップ701の回転により半径方向外側に飛ばされ、開口712を通過する。汚染物質コレクタ(図示せず)は、汚染物質トラップ701に隣接して位置しており、汚染物質トラップ701から半径方向外側に飛ばされた汚染物質を受けるよう構成される。
他の実施形態では、アウターリング702の軸方向の深さは、実質的にフォイルシーツ700の深さ未満であってよい。この実施形態では、アウターリング702は、ただ1つのリングを備えてよく、汚染物質が通過する開口712を含んでいなくてよい。フォイルシーツ700に激突した汚染物質は、その代わりに、アウターリング702の軸方向前方又は後方の位置において半径方向外側に通過してよい。
図12Aは、インナーリング804を備える他の汚染物質トラップ801の概略図である。インナーリング804から、複数の並んだファイバ802が半径方向外側に延びている。インナーリング804は、汚染物質トラップ801の中心軸805からある半径距離に配置された中空のシリンダを備えてもよい。例えば、中心軸805は、汚染物質トラップ801が位置する放射源SOの光軸Oと一直線になってよい。図12Bは、1つのファイバ800の単列802を示す汚染物質トラップ801の一部の詳細斜視図を示す。
「列」という用語は、ファイバが全て同じ周方向位置を有しなければならないことを意味することを意図していない。例えば、一列のファイバは、実質的に同じ軸位置にあるが、互いに周方向に変位したファイバの組から形成されてよい。ある実施形態では、一列のファイバは、3つ以上のファイバのサブ列を備えてもよい。ファイバのサブ列は、互いに十分近くに位置しているため、汚染物質がそれらの間のギャップを埋める。ある実施形態では、一列のファイバは、3つのサブ列又は4つのサブ列を備えてよい。
ファイバ800の列802は、中心軸805と実質的に平行に揃えられてよい。ファイバ800は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)を用いて製造されたカーボン−カーボンファイバであってよい。ファイバ800は、それぞれ約5ミクロン直径を有してよい。ファイバ800は、例えば、以下の特性を有してよい:密度約1800kgm−3、引っ張り強さ約5700MPa、ヤング率約300GPa、縦方向熱膨張率約−0.7×10−6K−1、及び熱伝導率約2000Wm−1K−1。これらのファイバ800の特性は、約2800Kの温度まで維持されてよい。ファイバ800は、疎水性であってよい。
汚染物質トラップ801は、回転されてもよい。例えば、モータ(図示せず)は、シリンダ804を駆動して回転させるよう構成されてよい。回転すると、ファイバ列802は、汚染物質トラップ801を通過する汚染物質と激突する。ファイバ列802は、従って、図10及び図11に示す汚染物質トラップ701のフォイルシーツ700に似た方法で動作する。
ファイバ列802を回転することにより激突する汚染物質の最大トラップ速度v
maxは、式(2)により与えられてよい。
ここで、nrは汚染物質トラップ802のファイバの列の数であり、drは各ファイバ列802の深さ(例えばdrは中心軸805に沿った各ファイバ列の深さであってよい)及びfは汚染物質トラップ801が回転する角周波数である。
ファイバ800は、フォイルシーツ700よりも実質的に低い密度を有する。ファイバ800によりかかる向心負荷は、従って、実質的にフォイルシーツ700によりかかる向心負荷未満である。ファイバ800は、フォイルシーツ700よりも実質的に高い引っ張り強さを有し、それ故、ファイバ800が損傷する前に、実質的に大きな応力(向心負荷によりファイバに与えられる)に耐えることができる。ファイバ800の密度が減少し且つ引っ張り強さが高くなることにより、ファイバが損傷する前に、ファイバ800が高い角周波数fで回転することが可能となる(フォイルシーツ700と比較したとき)。例えば、汚染物質トラップ801は、ファイバ800を損傷することなく、約1000Hzの角周波数fで回転してよい。
汚染物質トラップ801が回転する角周波数fを増大することにより、ファイバ列802が激突する汚染物質の最大トラップ速度vmaxが増大する(式(2)参照)。汚染物質トラップ801が回転する角周波数fを増大することにより、最大トラップ速度vmaxを大幅に減らすことなく、ファイバ列802の数nrを減らすことができる。ファイバ列802の数nrを減らすことにより、ファイバ列802の総断面積が減少し、従ってファイバ列802により遮断されるEUV放射の量が減少する。加えて又は代えて、ファイバ列802の深さdrが、最大トラップ速度vmaxを大幅に減らすことなく、減らされてもよい。ファイバ列802の深さdrを減らすことにより、汚染物質トラップ801のために放射源SOに必要とされるスペースが減少する。これにより、放射源SO内に放射源SOの他の部品のためのスペースが確保される。
汚染物質トラップ801は、例えば約250のファイバ列802を備えてよい。汚染物質トラップ801は、例えば、約1000Hzの角周波数で回転してよい。汚染物質トラップ801は、約10,000ms−1の最大トラップ速度を有してよい。汚染物質トラップ801は、汚染物質トラップ801に入射するEUV放射の約0.003%を遮断してよい。
ファイバ列802は、(中心軸805に沿って見たときに)フォイルシーツ700よりも小さい断面積を有してよい。これにより、ファイバの列に入射するEUV放射の量が減少する。また、これにより、他の放射源からの熱移動が減少する。これらの要因は、EUV放射源SOの使用中にファイバの列が受ける熱負荷を減らす。ファイバ列802は、フォイルシーツ700よりも効率的に、ファイバ列802から熱を伝導し放射する。これにより、EUV放射源SOの使用中にファイバ列802が受ける温度上昇が低減される。
ファイバ列802は、スズ粒子(約500Kの溶融温度を有する)などの、ファイバ列802が激突する汚染物質の溶融温度よりも大きな温度で動作することが望ましい。これにより確実に、汚染物質がファイバ800に沿って流れ、汚染物質トラップ801の回転により半径方向外側に飛ばされる流体状態となる。ファイバ800に沿った流動的な汚染物質の流れは、流動的な汚染物質がファイバ800にくっつくのを防ぐファイバ800の疎水性特性により促進される。ファイバ800は、お互いから距離をあけて配置されてよい。これにより、ファイバ800間のギャップが毛細管として機能し、流動的な汚染物質が毛細管現象によりファイバ800に沿って強制的に流れる。実質的に同じ軸方向位置にファイバ800を備えるが、お互いから円周方向に変位したファイバの列は、毛細管現象によりファイバ800に沿った流動的な汚染物質の流れを有利に増大する。
ファイバ列802が、ファイバの列が激突する汚染物質の溶融温度未満に低下した場合、汚染物質は、ファイバ800上に凝固し、ファイバ800にくっつく可能性がある。しかしながら、ファイバ800上の固化した汚染物質は、ファイバ800の熱容量を増大する可能性があり、これは、ファイバ800の温度を上昇させるよう働く可能性がある。ファイバ800の温度が上昇すると、汚染物質が溶けて、ファイバ800の回転及び
ファイバ800間の毛細管現象によってファイバ800に沿って流れる。ファイバ上の汚染物質の固化によるファイバの熱容量の増大により、ファイバは汚染物質の溶融温度に近い温度で熱平衡に達する。
図13は、ファイバ列802の一部の断面図である。ファイバ列802は、矢印812により指し示す方向に移動している。ファイバ列802は、例えば、ファイバ列802を備える汚染物質トラップ801の観点によって移動する。汚染物質808は、矢印810により指し示す方向に移動する。この方向は、ファイバ列802の移動方向に対して実質的に垂直である。汚染物質808は、例えば、スズの粒子又は液滴であってよい。汚染物質808は、例えば、プラズマがEUV放射源SO中に形成される位置から放射コレクタCOの位置に向かって移動中であってもよい。ファイバ列802は、汚染物質808に激突することが望ましい。汚染物質808が放射コレクタCOに到達し、放射コレクタCOを汚染するのを防ぐために、汚染物質808との激突により、汚染物質が放射コレクタCOに向かう方向に移動し続けるのを防ぐことがさらに望ましい。その結果、放射コレクタCOの有益なライフタイムが増大する。
ファイバ列が方向812に移動すると、ファイバ列は汚染物質808と激突する。汚染物質808と激突するファイバは、ファイバ列802中におけるそれらの位置から変形する可能性がある。例えば、図13には、汚染物質808との激突により、ファイバ列802中のそれらの位置800a、800b及び800cから、変形位置800a’、800b’及び800c’にそれぞれ変形した3つのファイバが示されている。ファイバがファイバ列802中のそれらの元の位置800a、800b及び800cから変形すると、ファイバのテンションがファイバを下の位置800a、800b及び800cに戻すよう働く力を発生させる。これらの力は、図13において矢印803a、803b及び803cにより表されている。力803a及び803bは、主にファイバ列802の移動方向812に向いている。力803cは、汚染物質808の移動方向810と反対方向に多くの成分を有する。従って、力803cは、移動方向810への汚染物質808を減速するよう作用する。従って、汚染物質の進行方向の運動量がファイバにより減少するようにファイバ800が汚染物質との激突で変形するため、ファイバ列802を備える汚染物質トラップ801は有利である。これにより、汚染物質がファイバ列802をはじいて放射コレクタCOに向かう方向に移動を続ける機会が減少する。これにより、放射コレクタCOに到達して放射コレクタCOを汚染する汚染物質の数が減少する。その結果、放射コレクタCOの有益なライフタイムが増大する。
図14A及び図14Bは、ファイバ820を備える汚染物質トラップ821の組立て方法を概略的に示す。図15Aは、汚染物質トラップ821の中心軸829から第1半径距離827に円形に位置する複数の第1シャフト834を示す。複数の第2シャフト832は、中心軸829から第2半径距離828に円形に位置している。複数の第1シャフト834と第2シャフト832の間には連続的なファイバ820が配置されている。シャフト834及び832は、例えば、いくらかの軸方向範囲(axial extent)を有する中空シリンダであってよい。さらに連続的なファイバ820は、シャフトの軸方向範囲に沿った異なる位置で複数の第1シャフトと第2シャフトの間に位置している。その結果、連続的なファイバ列を形成している。
複数の第1シャフト834は、矢印826により指し示されるように汚染物質トラップ821の中心軸829に向かって移動する。図14Bは、中心軸829から半径距離825に位置するように複数のシャフトが中心軸829に向かって動いた後の汚染物質トラップ821を示す。ファイバ820は、中心軸829に向かって及び中心軸829から離れて延びるように引き延ばされる。従って、ファイバ820は、中心軸829から第1半径距離825の複数の第1シャフト834と中心軸から第2半径距離827の複数の第2シャフト832との間に延びる部分822を備える。汚染物質トラップ821は、さらに、シャフト832及び834を適切な位置に保持するリジッド構造を備えてもよい。汚染物質トラップ821は、例えば、シャフト834及び/又はシャフト832を回転するよう構成されたモータ(図示せず)により、回転駆動されてよい。
図15は、外半径845を有するシリンダを備える汚染物質トラップ841を概略的に示す。シリンダは、汚染物質トラップ841の中心軸849の周囲に配置される。汚染物質トラップ841は、さらに、中心軸849から半径距離847に配置された複数のシャフト843を備える。図15に示すように、ファイバ840は、シリンダ844と複数のシャフト843の周りに巻き付けられている。シャフト843及びシリンダ844は、中心軸849の方向にいくらかの軸方向範囲を有する。さらに、ファイバ840は、シリンダ844とシャフト843に沿った異なる軸方向位置でシリンダ844とシャフト843の周りに巻き付けられており、それによってファイバ列840を形成している。ファイバ840の位置842は、中心軸849から第1半径距離845のシリンダ844の位置と中心軸849から第2半径距離847のシャフト843の位置の間で延びている。第2半径距離847は、第1半径距離845よりも大きい。汚染物質トラップ841は、さらに、シャフト843を適切な位置に保持するリジッド構造を備えてもよい。汚染物質トラップ841は、例えば、シリンダ844及び/又はシャフト843を回転するよう構成されたモータ(図示せず)により、回転駆動されてよい。
汚染物質トラップ821及び841のファイバ820及び840は、それぞれシャフト832及び843の近くで切断され、シャフトが汚染物質トラップ821及び841から除去されてもよい。ファイバ820及び840は、シャフト832及び843なしでも適切な位置を保つほど十分にリジッドであってよい。
図16Aは、内半径857を有するシリンダ854を備える汚染物質トラップ851を示す。ファイバ850は、汚染物質トラップ851の中心軸859を実質的に通って延びるように、シリンダ854の内周の異なる点に取り付けられている。シリンダ854は、中心軸859の方向にいくらかの軸方向範囲を有する。さらに、ファイバは、シリンダ854に沿った異なる軸方向位置において、シリンダ854の内周に取り付けられており、それによってファイバ列850を形成している。ファイバ850は、中心軸859から半径距離857において中心軸859上の位置とシリンダ854上の位置との間に延びる部分852を備える。汚染物質トラップ851は、例えば、シリンダ854を駆動して回転するよう構成されたモータ(図示せず)により、回転駆動されてよい。シリンダ854は、例えば、シリンダ854の強度を高めるカーボン−カーボンファイバを備えてもよい。
図16Bは、内側半径867を有するシリンダ864を備える汚染物質トラップ861を示す。ファイバ860は、汚染物質トラップ861の中心軸869を通らずにシリンダ864を横切って延びるように、シリンダ864の内周の異なる点に取り付けられている。ファイバ860は、ファイバ860が存在しない中心孔866を規定するように配置されている。中心孔は、半径865を有する。シリンダ864は、中心軸869方向にいくらかの軸方向範囲を有する。さらに、ファイバは、シリンダ864に沿った異なる位置においてシリンダ864の内周に取り付けられており、それによってファイバ列860を形成する。ファイバ860は、中心軸869から第1半径距離865の孔866のエッジ上の位置と中心軸869から第2半径距離867のシリンダ864上の位置との間に延びる部分862を備える。第2半径距離867は、第1半径距離865よりも大きい。汚染物質トラップ861は、例えば、シリンダ864を駆動して回転するよう構成されたモータ(図示せず)により、回転駆動されてよい。シリンダ864は、例えば、シリンダ854の強度を高めるカーボン−カーボンファイバを備えてもよい。
図16A及び図16Bに示す汚染物質トラップ851及び861は、中心軸859,869と実質的に平行に伝搬するEUV放射を実質的に遮断する汚染物質トラップの中心軸859,869の近くに少しもボディを含まない。従って、汚染物質トラップ851及び861は、汚染物質トラップ851及び861に入射するEUV放射のかなりの部分を遮ることなく、放射源SOに有利に用いられてよい。
上記に示し且つ説明した以外の配置に構成された複数のファイバを備える汚染物質トラップの他の実施形態が本明細書では意図されている。他の実施形態では、フォイルシーツの熱挙動及び疎水性特性を改善するために、ファイバがフォイルシーツ上に配置されてもよい。
極紫外線(EUV)放射源という用語は、5〜20nmの範囲内、例えば、13〜14nmの範囲内、又は6.7nmや6.8nmなど5〜10nmの範囲内の波長を有する電磁放射に言及するものとして解釈されてよい。
本書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、本明細書に説明したリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用案内パターン及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本書に言及された基板は露光前又は露光後において、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/又はインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらの又は他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は、処理された多数の層を既に含む基板をも意味し得る。
「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折光学部品、反射光学部品、磁気的光学部品、電磁気的光学部品、静電的光学部品を含む各種の光学部品のうちいずれか1つ、又はこれらの組み合わせを指し示してもよい。
本発明の特定の実施形態が上述されたが、説明したもの以外の態様で本発明が実施されてもよい。例えば、本発明は、上述の方法を記述する機械で読み取り可能な命令の1以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又は、そうしたコンピュータプログラムを記録したデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気ディスク、又は光ディスク)の形式をとってもよい。上述の説明は例示であり、限定を意図しない。よって、以下に述べる請求項の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、当業者には明らかなことである。