JP6325511B2 - 熱交換器及び熱交換システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換システムに関し、より具体的には、格子状熱交換器、及びその熱交換器を用いた熱交換システムに関するものである。
排熱エネルギーを回収して給湯などに再利用する手法は、既に、各種提案され実施されている。
特許文献1に記載の熱交換器は、金属製の中空箱体で構成されたケーシング内に、表面及び裏面に多数の突起部を備えた金属製の平板を多層形成した伝熱体を配置して、平板の表面側突起と裏面側突起との当接によって生じた間隔を上下交互に異なる流路とし、一方の第1流路には高温の流体が流通し、他方の第2流路には低温の流体が流通して熱交換を実施するものである。
特許文献2に記載の熱交換器は、交互に配置された第1の熱交換プレートと第2の熱交換プレートとの間に、プレート面から突出配置するガスケットやプレート面に備える凹凸部の当接によって生じる2つの間隔を設け、一方の間隔には第1の熱媒を通水し、他方の間隔には第2の熱媒を通水して熱交換を実施するものである。
特開2012−117681号公報 特表2009−500588号公報 特許第5567103号明細書
特許文献1に記載の熱交換器は、平板の上下端が、熱交換器の短辺方向に亘って側板シール部材に被覆されて縁押え金具に密接配置するが、高温空気の流通による側板シール部材の熱変化やそれ自体の経年劣化で、第1流路及び第2流路の気密性確保に問題が生じるおそれがある。また、金属製のケーシング内に金属製の平板を多層形成した伝熱体を配置しているため、重量が重く、製作、運搬及び取付時の作業性やメンテナンス作業性に課題がある。
特許文献2に記載の金属製プレート式熱交換器は、異物が多い流体を熱媒として用いる場合には、隣接する熱交換プレート間の凹部や凸部が閉塞し、熱交換プレート間の流水に支障を与え、熱交換能力の低下を招く。したがって、高頻度の洗浄を要するが、熱交換プレートの洗浄は、締付けボルトを取外してプレートごとに洗浄するため煩雑な作業となる。熱交換プレート及びガスケットは、熱媒に応じて材料を選定することになり、例えば腐食性の高い流体を熱媒として利用する場合には、高価となる。ガスケットは、プレートの取外しで損傷を受けると共に、熱媒の影響やガスケット自体の経年変化によって、劣化が生じる。さらに、金属製であるため、重量が重く、製作、運搬及び取付の際の作業性が悪い。
本発明者らは、例えば特許文献3において、全プラスチック樹脂製の柵状熱交換器を用いた冷暖房システムを提案している。この熱交換器は、上下ヘッダ間に複数の縦管を並列に配置したパネルを複数枚積層させた構成である。このような柵状熱交換器においては、あるパネルの縦管の間を通り抜けた熱媒がその後方のパネルの細管に当たるようにすれば、熱量をさらに回収することができ、より効率の高い熱交換器が実現可能である。
本発明は、これらの従来例の問題を解決して、種々の気体及び液体の排熱から高効率で熱エネルギーを回収することができるとともにメンテナンス性の高い熱交換器と、こうした熱交換器を用いた熱交換システムとを提供することを目的とする。
本発明はさらに、熱交換効率に悪影響を及ぼす可能性のある熱交換器内の空気だまりを防止することができる格子状の熱交換器と、こうした熱交換器を用いた熱交換システムとを提供することを目的とする。
第1の態様において、本発明は、熱交換器を提供する。熱交換器は、複数の横パネルと複数の縦パネルとを備える。横パネルは、並列に配置された複数の横管と、該複数の横管の両端部がそれぞれ連通する第1縦ヘッダ及び第2縦ヘッダとを有し、複数の横管によって形成される面が並列に配置されている。縦パネルは、並列に配置された複数の縦管と、該複数の縦管の両端部がそれぞれ連通する第1横ヘッダ及び第2横ヘッダとを有し、複数の縦管によって形成される面が並列に配置されているとともに、それらの面が複数の横管によって形成される面と並列に配置されている。
熱交換器は、さらに、熱媒供給頂部ヘッダと、熱媒供給底部ヘッダと、熱媒収集頂部ヘッダとを備える。熱媒供給頂部ヘッダは、横ヘッダのうち上側に位置する第1横ヘッダの一方の端部に接続され、複数の縦パネルに熱媒を供給する。熱媒供給底部ヘッダは、縦ヘッダのうち第1縦ヘッダに接続され、複数の横パネルに熱媒を供給する。熱媒収集頂部ヘッダは、第1横ヘッダの他方の端部と第2縦ヘッダとに接続され、複数の縦パネル及び複数の横パネルから排出される熱媒を収集する。
一実施形態においては、第1横ヘッダは、内部空間を二分割する仕切板を有し、該仕切板によって二分割された内部空間の一方の空間に連通する縦管内の熱媒の流れと、仕切板によって二分割された内部空間の他方の空間に連通する縦管内の熱の流れとが逆方向となるように構成されることが好ましい。
本発明は、第1の態様と同様の複数の横パネルと複数の縦パネルとを備える熱交換器の第2の態様を提供する。この熱交換器は、熱媒供給底部ヘッダと、熱媒収集頂部ヘッダとを備える。熱媒供給底部ヘッダは、横ヘッダのうち下側に位置する第2横ヘッダの一方の端部と縦ヘッダのうち第1縦ヘッダとに接続され、複数の縦パネル及び複数の横パネルに熱媒を供給する。熱媒収集頂部ヘッダは、第1横ヘッダの他方の端部と第2縦ヘッダとに接続され、複数の縦パネル及び複数の横パネルから排出される熱媒を収集する。すなわち、第1の態様の熱交換器と異なり、第2の態様の熱交換器の内部を流れる熱媒は、熱交換器の下方の熱媒供給ヘッダから供給され、横パネル及び縦パネルの内部を上方に向かって流れ、上方の熱媒収集ヘッダによって収集された後、熱交換器から出て行くことになる。
一実施形態においては、第1及び第2の態様の熱交換器は、複数の横パネルと複数の縦パネルとが交互に配置されていることが好ましい。
一実施形態においては、熱媒供給底部ヘッダと第1縦ヘッダとの間及び熱媒収集頂部ヘッダと第2縦ヘッダとの間は、接続管を介して連通されており、接続管は、第1縦ヘッダ及び第2縦ヘッダの端部に設けられた貫通孔を有する小口板から突出する鞘管の内側に、一方の端部が嵌合するように設けられることが好ましい。
一実施形態においては、熱媒供給底部ヘッダが接続されていない第2縦ヘッダの下端には、熱媒供給底部ヘッダに対応する位置に転倒防止用部材が設けられることが好ましい。また、一実施形態に置いては、複数の縦管、複数の横管、一対の横ヘッダ、一対の縦ヘッダ、熱媒供給頂部ヘッダ、熱媒供給底部ヘッダ、及び熱媒収集頂部ヘッダのいずれか又は全ては、プラスチック樹脂製であることが好ましい。
第3の態様において、本発明は、第1の熱媒と第2の熱媒との間で熱交換を行う熱交換システムを提供する。熱交換システムは、第1の熱媒が内部を流れる上述の熱交換器と、熱交換器を収容する函体と、函体内に、熱交換器によって熱が回収される第2の熱媒を供給する供給部と、函体内から第2の熱媒を排出する排出部とを有する。一実施形態においては、熱交換器の熱媒供給頂部ヘッダ及び熱媒収集頂部ヘッダは、函体の外部に配置されていることが好ましい。
本発明に係る熱交換器は、複数の横パネルと複数の縦パネルとが小間隔で、好ましくは交互に配置されているため、複数の横パネルの各々に設けられた複数の横管と、複数の縦パネルの各々に設けられた複数の縦管とによって、格子状の集熱面が形成される。したがって、ある横パネル(又は縦パネル)の複数の横管(又は複数の縦管)の間を抜け、そのパネルでは熱回収が行われなかった第2の熱媒の一部が、その後方の縦パネル(又は横パネル)の複数の縦管(又は複数の横管)に当たって熱回収されるため、貫流する第2の熱媒から均質かつ高効率に温熱を回収することが出来る。このような効果は、第2の熱媒が気体の場合に特に顕著である。
また、本発明の熱交換器は、プラスチック樹脂を用いて形成された場合には、軽量で、製作、運搬、取付作業が容易である。複数の横パネル及び複数の縦パネルを構成する縦ヘッダ、横ヘッダ、複数の横管、複数の縦管並びに頂部ヘッダは、押出成形によるパイプで準備することができるため、安価、均質かつ高品質である。縦ヘッダ、横ヘッダ及び頂部ヘッダは、大径のパイプの一側面に自動孔開機で穿設される複数の取付孔を備えており、縦ヘッダと複数の横管との接続、横ヘッダと複数の縦管との接続、並びに、縦ヘッダ及び横ヘッダから突出する複数の接続管と頂部ヘッダとの接続は、融着によって行うことができるため、均質の横パネル及び縦パネルを簡単かつ低コストで作製することができる。横パネルの縦ヘッダ、縦パネルの横ヘッダ及び頂部ヘッダは同質同径であり、複数の横管及び複数の縦管も同質同径であるため、パイプの切断、部材管理、融着が容易である。
さらに本発明の熱交換器は、横パネルに下方から熱媒が供給され上方から排出されるように構成されているため、横パネル内の空気や熱媒内の溶存酸素が熱媒の流れによって熱交換器から押し出され、空気溜まりの発生を防止することができ、より熱交換効率を高めることができる。
本発明の一実施形態による熱交換器の全体図であり、(A)は熱交換器の正面図、(B)は熱交換器の上面図、(C)は熱交換器の左側面図である。 本発明の一実施形態による熱交換器を構成するパネルの説明図であり、(A)は横パネルの正面図、(B)は横パネルの側面図、(C)は縦パネルの正面図、(D)は縦パネルの側面図である。 本発明の一実施形態による熱交換器の内部を流れる熱媒の流れを説明するための図であり、(A)は縦パネルにおける流れを熱交換器の左側面からみた図、(B)は縦パネルにおける流れを正面からみた図、(C)は縦パネルにおける流れを右側面からみた図、(D)は横パネルにおける流れを熱交換器の左側面からみた図、(E)は横パネルにおける流れを正面からみた図、(F)は横パネルにおける流れを右側面からみた図である。 本発明の一実施形態による熱交換器の部分断面図であり、(A)は横パネルの縦ヘッダの長さ方向に沿った断面の一部を示す図、(B)は縦パネルの横ヘッダの長さ方向に沿った断面の一部を示す図である。 本発明の一実施形態による熱交換器の部分断面図であり、(A)は頂部ヘッダの長さ方向に沿った断面の一部を左側面からみた図であり、(B)は頂部ヘッダの長さ方向に沿った断面の一部を右側面からみた図である。 本発明の一実施形態による熱交換器を用いた熱交換システムの具体例を示す図であり、(A)は熱交換システムの上面図、(B)は函体内に収納された状態の熱交換器の正面図、(C)は函体内に収納された状態の熱交換器の左側面図である。 図6に示される熱交換システムにおいて熱交換器を収納する函体の斜視図である。 本発明の一実施形態による熱交換器を用いた別の熱交換システムの具体例を示す図であり、(A)は熱交換システムの上面図、(B)は槽内に収納された状態の熱交換器の正面図、(C)は槽内に収納された状態の熱交換器の右側面図である。
[本発明に係る熱交換器の概要]
図1は、本発明の一実施形態による熱交換器Heを示す。図2は、熱交換器Heを構成する二種類の集熱パネルを示す。図3は、熱交換器He内における第1の熱媒の流れを示す。図4及び図5は、熱交換器Heの部分断面図を示す。
熱交換器Heは、図1に示されるように、複数の集熱パネルが並列に配置され、それらの集熱パネルの各々と、頂部ヘッダ3a及び頂部ヘッダ3bとが接続された構造を有する。複数の集熱パネルは、図2(A)に示される横パネル1と、図2(B)に示される縦パネル2とを、それぞれ複数枚ずつ備えて構成することができる。熱交換器Heは、複数の横パネル1の各々と複数の縦パネル2の各々とが、交互に配置されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば横パネル1の間に2枚の縦パネル2が配置されるようにしてもよく、2枚の横パネル1と2枚の縦パネル2とが交互に配置されるようにしてもよい。
複数の横パネル1の各々は、図2(A)に示されるように、概ね平行に配置された第1縦ヘッダ10aと第2縦ヘッダ10bとの間に、これらの縦ヘッダ10a、10bより径が小さい同径同長の複数の横管11が、第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bの長さ方向に沿って並列に配置された構造を有する。複数の横管11は、その両端部において第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bと連通している。第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bの上端部には、接続管13a、13bが上方に突出して設けられ、第1縦ヘッダ10aの下端部には、接続管13cが下方に突出して設けられている。
複数の縦パネル2の各々は、図2(C)に示されるように、概ね平行に配置された第1横ヘッダ20aと第2横ヘッダ20bとの間に、これらの横ヘッダ20a、20bより径が小さい同径同長の複数の縦管21が、第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bの長さ方向に沿って並列に配置された構造を有する。複数の縦管21は、その両端部において第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bと連通している。第1横ヘッダ20aの左端部上面には接続管23aが、右端部上面には接続管23bが、それぞれ上方に突出して設けられ、第2横ヘッダ20bの左端部下面には接続管23cが、下方に突出して設けられている。
第1縦ヘッダ10aに設けられた接続管13aと、第1横ヘッダ20aの左端部に設けられた接続管23aとには、縦パネル2に供給される第1の熱媒を案内する熱媒供給頂部ヘッダ3aの側面が接続されている。縦ヘッダ10bに設けられた接続管13bと、第1横ヘッダ20aの右端部に設けられた接続管23bとには、横パネル1及び縦パネル2から排出される第1の熱媒を収集する熱媒収集頂部ヘッダ3bの側面が接続されている。熱媒供給頂部ヘッダ3a及び熱媒収集頂部ヘッダ3bは、その長さ方向が複数の横管11及び複数の縦管21によって形成される集熱面と直交する方向になるように、配置される。なお、本発明において熱交換器内を流れる第1の熱媒は、気体や、水道水、井水などといった異物のない液体であり、典型的には、水道水である。
第1縦ヘッダ10aに設けられた接続管13cと、第2横ヘッダ20bの左端部に設けられた接続管23cとには、横パネル1に供給される第1の熱媒を案内する熱媒供給底部ヘッダ3cの側面が接続されている。熱媒供給底部ヘッダ3cは、その長さ方向が複数の横管11及び複数の縦管21によって形成される集熱面と直交する方向になるように、配置される。
熱媒供給頂部ヘッダ3aは、縦パネル2に供給される第1の熱媒を案内するためのものであるため、接続管23aと連通しており、接続管13aとは連通していない。また、熱媒供給底部ヘッダ3cは、横パネル1に供給される第1の熱媒を案内するためのものであるため、接続管13cと連通しており、接続管23cとは連通していない。熱媒収集頂部ヘッダ3bは、横パネル1及び縦パネル2から排出される第1の熱媒を収集するためのものであるため、接続管13b及び接続管23bと連通している。
第2縦ヘッダ10bの下端部に、接続管13dが下方に突出して設けられ、第2横ヘッダ20bの右端部下面に、接続管23dが下方に突出して設けられることが好ましい。さらに、接続管13d及び接続管23dには、熱媒供給底部ヘッダ3cに対応する位置に、熱媒供給底部ヘッダ3cと同長同径の部材3dが接続されることが好ましい。接続管13d及び23dは、それぞれ第2縦ヘッダ10b及び第2横ヘッダ20bと連通していない。部材3dは、熱交換器Heの転倒防止用部材として機能する。
縦パネル2において、第1横ヘッダ20aは、内部空間を二分割する仕切板24を有する。仕切板24の位置は、図2(C)においては、最も左側の縦管21と、左から2番目の縦管21との間に相当する位置とされているが、この位置に限定されるものではない。仕切板24の位置は、例えば左から3番目の縦管21と4番目の縦管21との間に相当する位置や、最も右側の縦管21と右から2番目の縦管21との間に相当する位置であってもよい。第1横ヘッダ20aに仕切板24を設けることによって、仕切板24で分割された一方の空間20a1(図4(B)参照)に連通する1つ(又は複数)の縦管21内の第1の熱媒の流れと、仕切板24で分割された他方の空間20a2(図4(B)参照)に連通する1つ(又は複数)の縦管21内の第1の熱媒の流れとを逆方向の流れにすることができる。このことによって、例えば図3を用いて後述されるような、複数の縦パネル2における第1の熱媒の流れを実現することができる。
熱媒供給頂部ヘッダ3aには、複数の縦パネル2に供給される第1の熱媒が通る入水管30aが接続され、熱媒収集頂部ヘッダ3bには、複数の横パネル1及び複数の縦パネル2から排出される第1の熱媒が通る出水管30bが接続される。また、熱媒供給底部ヘッダ3cには、複数の横パネル1に供給される第1の熱媒が通る入水管30cが接続される。
図3は、熱交換器He内における第1の熱媒の流れを示す図である。本実施形態においては、第1の熱媒は、入水管30aから熱媒供給頂部ヘッダ3aに入り、接続管23aを介して複数の縦パネル2に供給される(図3(A))。同時に、第1の熱媒は、入水管30cから熱媒供給底部ヘッダ3cにも入り、接続管13cを介して複数の横パネル1に供給される(図3(D))。
縦パネル2における第1の熱媒の流れは、以下のとおりである。入水管30aから供給される第1の熱媒の流れfaは、熱媒供給頂部ヘッダ3a内を横水流fbとして流れる。第1の熱媒は、熱媒供給頂部ヘッダ3aの下面から垂下する接続管23aによって下降流fcに方向転換され、第1横ヘッダ20aに入るが、第1横ヘッダ20aには仕切板24が設けられているため、第1の熱媒は、第1横ヘッダ20aの空間20a1を経由して、複数の縦管21のうち仕切板24より左側の縦管21内を下降流fdとして流れる(図3(A)、図3(B))。第1の熱媒は、左側の縦管21から横ヘッダ20bに入って横水流feとして流れ、その後、複数の縦管21のうち仕切板24より右側の縦管21内を上昇流ffとして流れる(図3(B))。複数の縦管21内を流れている間、第1の熱媒と第2の熱媒との間で熱交換が行われる。第1の熱媒は、次に第1横ヘッダ20aの空間20a2に入って横水流fgとなり、接続管23bを上昇流fhとして流れた後、熱媒収集頂部ヘッダ3b内を横水流f7として流れ、出水管30bから排出流f8として排出される(図3(C))。
縦パネル2の第1横ヘッダ20aにおける仕切板24の位置を変えた場合には、熱媒供給頂部ヘッダ3aから接続管23aを介して縦パネル2に入った第1の熱媒が下降流fdとして流れる縦管21の本数と、上昇流ffとして流れる縦管21の本数とが、仕切板24の位置に応じて変わることになる。第1の熱媒の流水により熱交換器内の空気が効果的に抜けて排出されるように、複数の縦パネル2における複数の縦管21内の流れの方向は上昇流であることが好ましい。したがって、仕切板24の位置及び第1の熱媒の流れの方向は、複数の縦管21のうちできるだけ多くの縦管21において第1の熱媒が上昇流ffとして流れるように、設定されることが好ましい。
横パネル1における第1の熱媒の流れは、以下のとおりである。入水管30cから供給される第1の熱媒の流れf1は、熱媒供給底部ヘッダ3cに入り、横水流f2として流れる(図3(D))。第1の熱媒は、接続管13cによって上昇流f3に方向転換され、第1縦ヘッダ10aに入り、第1縦ヘッダ10a内を上昇流f4として流れる。第1の熱媒は、第1縦ヘッダ10aから複数の横管11に入り、複数の横管11内を横水流f5として流れる(図3(E))。複数の横管11内を流れている間、第1の熱媒と第2の熱媒との間で熱交換が行われる。第1の熱媒は、次に第2縦ヘッダ10bに入り、その内部を上昇流f6として流れ、接続管13bを通って熱媒収集頂部ヘッダ3bを横水流f7として流れた後、出水管30bから排出流f8として排出される(図3(F))。横パネル1においては、第1の熱媒が左下方から入り、横管11内を横向きに流れた後に、右上から排出されるため、横パネル1内の空気や第1の熱媒の溶存酸素は、第1の熱媒の通水による押圧で、横パネル1から排出される。
熱交換器Heにおいて、隣接する接続管(例えば、接続管13aと接続管23a)の長さ方向中心線間の間隔(gA)、縦ヘッダ10と横ヘッダ20との間の間隔(gB)、隣接する横管11の間又は隣接する縦管21の間の間隔(gC)、横パネル1の横管11と縦パネル2の縦管21との間の間隔(gD)については、第2の熱媒の種類や性状に応じて適切に設計されればよく、特に限定されるものではないが、第2の熱媒として異物が含まれる流体を用いる場合でも、少なくともその異物が上記間隔の各々に閉塞しない程度に密接していることが好ましい。本発明において、熱交換器Heの外部を流れる第2の熱媒は、特に限定されないが、第1の熱媒より高温の気体又は液体とすることができ、高温の気体であることがより好ましい。
複数の横パネル1の各々においては、第1縦ヘッダ10a内を上昇流として流れる第1の熱媒が、複数の横管11の各々に均等に分配されて流入し、複数の横パイプ11の各々の内部を反対側の第2縦ヘッダ10bに向かって流れ、第2縦ヘッダ10b内で上昇流として収集される。したがって、複数の横パネル1の各々においては、各々の集熱面は、実質的に均斉な集熱作用を奏する。複数の縦パネル2の各々においては、第1横ヘッダ20aの左側端部の位置、すなわち複数の縦管21への第1の熱媒の実質的な供給位置から、第1横ヘッダ20aの右側端部の位置、すなわち第1の熱媒の排出位置までの、第1の熱媒の流水経路は、いずれの縦管21を経由する場合でも同一長である。したがって、複数の縦パネル2の各々においても、各々の集熱面は、実質的に均斉な集熱作用を奏する。
また、複数の横管11によって形成される面を集熱面とする横パネル1と、複数の縦管21によって形成される面を集熱面とする縦パネル2とは、複数の横管11及び複数の縦管21の間の間隔、複数のパネル間の前後間隔(横パネル1と縦パネル2との間の間隔)を保って配置されるため、横管11及び縦管21の周囲を流れる空気や温水などの第2の熱媒の温熱を効率良く回収して、複数の横管11及び複数の縦管21内の第1の熱媒に均斉な加熱作用を奏する。
熱交換器Heは、横パネル1においては大径の第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bが両側に略平行に存在し、縦パネル2においては大径の第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bが上下に略平行に存在するため、隣接する横パネル1と縦パネル2との間隔、すなわち両パネルの集熱面間の間隔は、下端から上端まで同一寸法で上下開通状態となる。したがって、熱交換器He内における第2の熱媒の流れは、澱むことなくスムーズに貫流し、高い熱伝達を達成する。
第1の熱媒の流れの影響で生じることがある熱交換器He内の空気は、複数の横パネル1においては右側の縦ヘッダ10b上端部から、縦パネル2においては上側の横ヘッダ20aの右端部から、熱媒収集頂部ヘッダ3b及び出水管30bを経て、熱源機に常備される膨張タンクやエア抜き具から放出させることができる。したがって、熱交換器He自体にエア抜き装置を設けることは不要であり、高性能で稼働率に優れた熱交換器を提供することが出来る。
熱交換器Heは、一部をプラスチック樹脂により形成することができ、全体をプラスチック樹脂により形成することがより好ましい。全体がプラスチック樹脂により形成される場合には、軽量かつ安価で、作業性に優れるものとなる。また、全プラスチック樹脂製熱交換器Heは、耐腐食性が高く、第2の熱媒が高温かつ腐食性の気体である場合や、酸性やスケール分、浮遊物質、油分がある水質、源泉にシャンプーや石鹸、毛髪、垢などが含まれる排湯水の場合でも、長期間使用後の引張強度結果や破断試験結果は良好であり、物性低下がなく、耐久性に優れる。
全プラスチック樹脂製熱交換器Heは、熱交換器Heの構成要素である縦ヘッダ10及び横管11、横ヘッダ20及び縦管21、並びに頂部ヘッダ3a、3b及び底部ヘッダ3cを、いずれも単純かつ安価な形状の押出成形で準備することができ、縦ヘッダ10への横管11の取付位置、横ヘッダ20への縦管21の取付位置、縦ヘッダ10及び横ヘッダ20の頂部ヘッダ3a、3b及び底部ヘッダ3cへの取付位置などの配置も自由に選択することができる。したがって、複数の横管11及び複数の縦管21を並列に配置した高性能なパネルを、簡単かつ安価に製作することが可能であり、さらに、横パネル1及び縦パネル2の数を容易に増減することができるため、需要者の要求に容易に対応することが可能である。
全プラスチック樹脂製熱交換器Heは、頂部ヘッダ3a、3bで各パネルの上部を連結するだけでなく、底部ヘッダ3c及び転倒防止用部材3dで下部を連結することにより、熱媒の押圧による各パネル群の変形を小さくし、各管の変形によって生じる管内の圧力損失が小さくなり、各パネル群は均質な採熱を達成することができる。
[熱交換器の実施例]
以下に、全プラスチック製熱交換器Heを例として、本発明に係る熱交換器の実施例を説明する。
(熱交換器Heの構造)
熱交換器Heは、図1に示されるように、複数の横パネル1と複数の縦パネル2とを交互に並列に配置し、これらの複数の横パネル1及び複数の縦パネル2を、熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、熱媒供給底部ヘッダ3c、及び転倒防止用部材3dを介して一体に接続したものである。横パネル1は、図2(A)、(B)に示されるように、外径27mm、肉厚5mmの第1縦ヘッダ10aと第2縦ヘッダ10bとの間に、外径13mm、肉厚1.6mmの複数の横管11が、露出長さLを896mm、間隔gCを7mmとして並列に配置されたものである。第1縦ヘッダ10aの下端部及び第2縦ヘッダ10bの上端部には、図4(A)に示されるように、貫通孔Hbを備えた小口板12bが配置され、第1縦ヘッダ10aの上端部及び第2縦ヘッダ10bの下端部には、プレート状の小口板12aが配置される。第1縦ヘッダ10aの下端部の小口板12bには、鞘管14の内面に下端部を篏合した接続管13cが起立し、第2縦ヘッダ10bの上端部の小口板12bには、同様に接続管13bが起立している。鞘管14を設けることによって、接続管13b及び13cと小口板12bとの間の接続部分の強度を高めることができる。集熱面は、幅Lが950mm、高さhが600mmである。
縦パネル2は、図2(C)、(D)に示されるように、横パネル1の第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bと同径同厚の第1横ヘッダ20aと第2横ヘッダ20bとの間に、横パネルの横管11と同径同厚の複数の縦管21が、露出長さhを546mm、間隔gCを7mmとして並列に配置されたものである。第1横ヘッダ20a、第2横ヘッダ20bの両端部には、図4(B)に示されるように、プレート状の小口板22が配置され、横ヘッダ20aの左端部付近には、第1横ヘッダ20aの内部空間を空間20a1と空間20a2とに二分割する仕切板24が配置されている。第1横ヘッダ20aの両端部の上面には、図4(B)に示されるように、取付孔Haが設けられており、取付孔Haには、接続管23a、23bが挿入されている。集熱面の幅L及び高さhは、横パネルの集熱面と同じ幅(950mm)及び高さ(600mm)である。
熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、熱媒供給底部ヘッダ3c、及び転倒防止用部材3dは、第1縦ヘッダ10a、第2縦ヘッダ10b、第1横ヘッダ20a、及び第2横ヘッダ20bと同径同厚である。図5(A)及び(B)に示されるように、熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、及び熱媒供給底部ヘッダ3cの後端部には、プレート状の小口板32bが配置され、前端部には貫通用孔Hcを有する小口板32aが配置される。小口板32aには、鞘管33の内面に一方の端部を篏合した入水管30a、入水管30c、及び出水管30bが起立している。熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、及び熱媒供給底部ヘッダ3cには、横パネル1の接続管13a、13b、13c、縦パネル2の接続管23a、23b、23cと連通することを要する位置に、複数の取付孔Haが設けられており、これらの複数の取付孔Haに、必要に応じて、接続管13a、13b、13c、23a、23b、23cが挿入されている。熱交換器Heは、幅Lが950mm、高さ(h:650mm+d:77mm)が727mm、奥行きDが265mmである。
横パネル1の第2縦ヘッダ10bの下端部には、接続管13dが接続され、縦パネル2の第2横ヘッダ20bの右端部には、接続管23dが接続されている。これらの接続管の下端は、転倒防止用部材3dに設けられた取付孔Haに挿入されている。第2縦ヘッダ10bと接続管13dとの間、及び、第2横ヘッダ20bと接続管23dとの間は、連通していない。
(熱交換器Heの製造方法)
横パネル1の第1縦ヘッダ10a、第2縦ヘッダ10b、及び複数の横管11は、ポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(PPR樹脂)を押出成形して準備することができる。第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bの各々には、図4(A)に示されるように、孔径が横管11の外径と同寸である13mmの複数の取付孔Haを設ける。複数の取付孔Haの間隔は、複数の横管11の配置間隔gC(7mm)と整合させておく。
次いで、図4(A)に示されるように、第1縦ヘッダ10a及び第2縦ヘッダ10bの取付孔Haの各々に、横管11の各々の両端部の外周面を融着することによって、第1縦ヘッダ10aと第2縦ヘッダ10bとの間に複数の横管11を並列に取り付ける。
次いで、第1縦ヘッダ10aの上端部及び第2縦ヘッダ10bの下端部に、これらのヘッダと同質同径で3mm厚の小口板12aを融着する。また、第1縦ヘッダ10aの下端部及び第2縦ヘッダ10bの上端部に、これらのヘッダと同質同径で3mm厚の小口板12bを融着する。小口板12bには、孔径が13mmの貫通孔Hbを設ける。小口板12bには、外径が17mm、肉厚2mm、長さ15mmの鞘管14を融着し、鞘管14の内面に、横管11と同質同径で露出長さが50mmの接続管13b及び13cを融着する。
縦パネル2の第1横ヘッダ20a、第2横ヘッダ20b、及び複数の縦管21は、ポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(PPR樹脂)を押出成形して準備することができる。第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bの各々には、図4(B)に示されるように、孔径が縦管21の外径と同寸である13mmの複数の取付孔Haを設ける。複数の取付孔Haの間隔は、複数の縦管21の配置間隔gC(7mm)と整合させておく。
第1横ヘッダ20aには、図2(C)及び図4(B)に示されるように、左端の縦管21と左から2番目の縦管21との間に、第1横ヘッダ20aの内部空間を空間20a1と20a2とに二分割するプレート状の仕切板24を配置する。本実施形態においては、第1横ヘッダ20aは、2つのヘッダ管20c及び20d(図2(C)参照)を、間に仕切板24を挟んで融着することによって形成されるが、仕切板24を設ける方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1横ヘッダ20aを1本のヘッダ管として形成し、仕切板24を設ける位置に形成されたスリットから内部に仕切板24を挿入することによって、第1横ヘッダ20aの内部空間を二分割してもよい。
次いで、図4(B)に示されるように、第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bの取付孔Haの各々に、縦管21の各々の両端部の外周面を融着することによって、第1横ヘッダ20aと第2横ヘッダ20bとの間に複数の縦管21を並列に取り付ける。
第1横ヘッダ20a及び第2横ヘッダ20bの両端部には、これらのヘッダと同質同径で3mm厚のプレート状の小口板22を融着する。第1横ヘッダ20aの両端部上面に、両端の縦管21の延長線上に位置する径13mmの取付孔Haを設け、この取付孔Haに、縦管21と同質同径で露出長さが50mmの接続管23a、23bを上方に突出するように嵌合し、融着する。
熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、熱媒供給底部ヘッダ3c及び転倒防止用部材3dは、ポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(PPR樹脂)を押出成形することによって得ることができる。熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、熱媒供給底部ヘッダ3c及び転倒防止用部材3dは、一方の小口板32aから他方の小口板32bまでの長さDが265mmとなるように用意し、一側面に、図5に示されるように、複数の接続管13a〜13d、23a〜23dを嵌合して融着するための複数の取付孔Haを設ける。
図1及び図5に示されるように、熱媒供給頂部ヘッダ3a、熱媒収集頂部ヘッダ3b、熱媒供給底部ヘッダ3c及び転倒防止用部材3dの後端部に、これらのヘッダと同質同径で3mm厚の小口板32bを融着し、前端部に、これらのヘッダと同質同径で3mm厚の小口板32aを融着する。転倒防止用部材3d以外の小口板32aには、孔径が13mmの貫通孔Hcを設ける。小口板32aの外方に、外径が22mm、肉厚2.5mmの鞘管33を融着し、鞘管33の内面に、外径が17mm、肉厚2mm、長さが1000mmの入水管30a、出水管30b及び入水管30cを融着する。
次いで、図1及び図5に示されるように、複数の横パネル1と複数の縦パネル2とを、縦ヘッダ10と横ヘッダ20との間の間隔gBが17mm、横管11と縦管21との間隔gDが27mmとなるように配置する。複数の横パネル1の各々に設けられた接続管13a〜13dの端部と、複数の縦パネル2の各々に設けられた接続管23a〜23dの端部とを、ヘッダ3a〜3c及び部材3dの側面に設けられた取付孔Haに嵌入して融着する。
[排気熱利用熱交換システム]
以下に、本発明に係る熱交換器を用いた熱交換システムの具体例を詳細に示す。図6は、本発明に係る熱交換器Heを用いるのに最も適した気液熱交換システム4の構成を示す。図7は、気液熱交換システム4において熱交換器Heを収容する函体40を示す。この気液熱交換システム4は、第2の熱媒である高温の気体から熱を回収する目的で用いられるものである。気液熱交換システム4は、函体40内に熱交換器Heを配置し、函体40の開放前面40dに、函体40内に第2の熱媒を供給する供給部42aが接続され、開放後面40eに、開放後面40eから第2の熱媒を排出する排出部42cが接続される。図6においては、供給部42aは、送風機41と連通するダクト配管であり、排出部42cは、排気ガラリ43を収納するダクト配管である。送風機41によって送られた第2の熱媒が、函体40内の熱交換器Heを貫流し、横管11及び縦管21によって形成される集熱面において、第2の熱媒と熱交換器He内を流れる第1の熱媒との間で熱交換が行われる。
函体40は、例えば亜鉛鉄板製であり、図7に示されるように、前面及び後面が開放されており、底板40bと、底板40bの両端部から起立する側板40cとを有する。熱交換器Heは、この函体40内に、横管11及び縦管21によって形成される集熱面が開放前面40dと略平行になるように配置される。函体40は、両方の側板40cの上端に配置される、例えば鋼板製のL字形状の受アングル44を備えており、受アングル44の上辺には、例えば亜鉛鉄板製の上板40aが配置され、溶接される。上板40aは、函体40の側板40cに対応する位置にある両端部に、複数の貫通孔H4を有する。この貫通孔H4には、接続管13a、13b、23a、23bが通る。すなわち、上板40aの一方の端部に位置する複数の貫通孔H4の各々からは、接続管13aと接続管23aとが交互に上方に突出し、他方の端部に位置する複数の貫通孔H4の各々からは、接続管13bと接続管23bとが交互に上方に突出する。熱媒供給頂部ヘッダ3a及び熱媒収集頂部ヘッダ3bは、函体40の内部ではなく、函体40の外部に配置され、熱媒供給底部ヘッダ3c及び転倒防止用部材3dは、函体40の内部に配置される。
熱媒供給頂部ヘッダ3aの前端部から延出する入水管30aと、熱媒供給底部ヘッダ3cの前端部から延出する入水管30cとは、慣用の継手46を介して給水管47と接続される。また、熱媒収集頂部ヘッダ3bの前端部から延出する出水管30bは、慣用の継手46を介して排出管48と接続される。熱交換器Heの内部を流水しながら第2の熱媒との間で熱交換を行った第1の熱媒は、出水管30bから排出管48を通ってボイラー55に送水され、ボイラー55によって温度が調節されて、蛇口57から、例えば給湯水として供給される。このようにして排気熱を利用する気液熱交換システムは、優れた化石燃料由来のエネルギー削減効果を奏する。
函体40の開放前面周縁には、例えば鋼板製のL字形状の接続アングル45を備えており、接続アングル45を介して、函体40に、漏斗状のダクト配管42aの一方の端部が接続される。ダクト配管42aの他方の端部には、送風機41が接続され、送風機41の反対側にはダクト配管42bが接続される。ダクト配管42bの端部に配置された吸気口(図示せず)から吸入された第2の熱媒は、送風機41によって、ダクト配管42aから函体40内に送風される。ダクト配管42a及び42bと、送風機41との間には、送風機41の振動を吸収するためのキャンパス継手41aを接続することが好ましい。
一方、函体40の開放後面40eには、ダクト配管42cの一方の端部が接続されている。ダクト配管42cは、外壁OWを貫通し、他方の端部が屋外に開放されている。ダクト配管42cは、屋外からの風や雨水の侵入を阻止する構造のガラリ43を収納する。熱交換器Heによって熱交換された第2の熱媒は、函体4からダクト配管42cを通って屋外に排出される。
[排湯熱利用熱交換システム]
本発明に係る熱交換器Heは、排湯熱利用熱交換システムに用いることもできる。排湯熱利用熱交換システムは、例えば、図8に示されるように、現場打ちコンクリート製の貯湯槽5の内部に、第2の熱媒である排湯水の流出入方向に両側面が相対するように熱交換器Heを配置する。第2の熱媒は、例えば硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の給湯管50からヘアキャチャー56を経由して、流入側壁5a側から貯湯槽5に供給され、熱交換器Heを上方から下方に向かって貫流し、流入側壁5aと相対する流出側壁5b側から、給湯管50と同質同径の排水管51に排出される。
熱交換器Heには、給水源から給水管53と入水管30a及び入水管30cとを介して第1の熱媒が流入し、熱媒は、複数の横管11及び複数の縦管21によって形成される集熱パネル内を流れる。第1の熱媒は、集熱パネル内を流れる間に、集熱パネルの周囲を流れる第2の熱媒との間で熱交換が行われる。熱交換器Heから排出された第1の熱媒は、出水管30b及びそれに接続された排出管54からボイラー55に供給され、ボイラー55で温水温度が調節された後、蛇口57から給湯水として供給される。
[本発明に係る熱交換器の別の実施形態]
これまで説明された熱交換器Heは、横パネル1においては、第1の熱媒が熱媒供給底部ヘッダ3cから供給され、縦パネル2においては、第1の熱媒が熱媒供給頂部ヘッダ3aから供給されるように構成されている。これに対して、別の実施形態における熱交換器He’は、横パネル1にも縦パネル2にも、熱媒供給底部ヘッダ3cから第1の熱媒が供給されるように構成することができる。熱交換器He’においては、熱交換器Heにおいて縦パネル2に第1の熱媒を供給するための熱媒供給頂部ヘッダ3aと縦パネル2とは連通していない(図4(B)及び図5(A)に示される頂部ヘッダ3aと接続管23aとの間及び/又は接続管23aと第1横ヘッダ20aとの間は、塞がっている)。なお、熱交換器He’では、熱交換器Heにおける熱媒供給頂部ヘッダ3aに相当する部材は、必ずしも設ける必要はないが、全体の強度を維持するためには設けることが好ましい。
この構成においては、横パネル1と熱媒供給底部ヘッダ3c及び熱媒収集頂部ヘッダ3bとの連通は、上述の実施形態の熱交換器Heと同じ構成を用いて実現することができる。すなわち、熱交換器He’においては、熱媒供給底部ヘッダ3cと横パネル1の第1縦ヘッダ10aとは、接続管13cを介して連通しており、熱媒収集頂部ヘッダ3bと横パネル1の第2縦ヘッダ10bとは、接続管13bを介して連通している。したがって、第1の熱媒の流れは、熱交換器Heの場合と同様である。
一方、熱交換器He’においては、縦パネル2と熱媒供給底部ヘッダ3cとが、接続管23cを介して連通し、縦パネル2と熱媒収集頂部ヘッダ3bとが、接続管23bを介して連通するように構成されている。すなわち、熱交換器He’においては、第2横ヘッダ20bと該第2横ヘッダ20bの左端部に設けられた接続管23cとが連通しており(図4(B)及び図5(A)における第2横ヘッダ20bと接続管23cとの間が開いている)、接続管23cと熱媒供給底部ヘッダ3cとが連通している(図4(B)及び図5(A)における接続管23cと熱媒供給底部ヘッダ3cとの間が開いている)。したがって、入水管30cから供給される第1の熱媒は、熱供給底部ヘッダ3cに入り、接続管23cによって上昇流に方向転換され、第2横ヘッダ20bに入る。第1の熱媒は、第2横ヘッダ20bから縦管21を上昇流として流れ、第1横ヘッダ20aに入り、その後は、熱交換器Heの場合と同様に流れて、出水管30bから排出される。
熱交換器He’の縦パネル2においては、仕切板24は不要である。また、熱交換器He’を用いた排気熱利用熱交換システム4及び排湯熱利用熱交換システム5においては、頂部ヘッダ3aに第1の熱媒を供給するための配管及び入水管は不要であるため、熱交換器Heを用いた熱交換システムと比べて、配管構成を簡略化することができる。
1:横パネル
2:縦パネル
3a:熱媒供給頂部ヘッダ
3b:熱媒収集頂部ヘッダ
3c:熱媒供給底部ヘッダ
3d:転倒防止用部材
4:気液熱交換システム
5:貯湯槽
5a:流入側壁
5b:流出側壁
10a:第1縦ヘッダ
10b:第2縦ヘッダ
11:横管
12a、12b、22、32a、32b:小口板
13a、13b、13c、13d、23a、23b、23c、23d:接続管
14、33:鞘管
20a:第1横ヘッダ
20b:第2横ヘッダ
20a1、20a2:第1縦ヘッダ20a内部の空間
21:縦管
24:仕切板
30a、30b、30c:入出水管
40:函体
40a:上板
40b:底板
40c:側板
40d:開放前面
40e:開放後面
41:送風機
42a、42b:ダクト配管
43:排気ガラリ
44:受アングル
45:接続アングル
46:継手具
47、53:給水管
48、54:排出管
50:給湯管
51:排水管
52:継手具
55:ボイラー
56:ヘアキャッチャー
57:蛇口
H4、Hb、Hc:貫通孔
Ha:取付孔
He、He’:熱交換器
OW:外壁

Claims (9)

  1. 並列に配置された複数の横管と、該複数の横管の両端部がそれぞれ連通する第1縦ヘッダ及び第2縦ヘッダとを有し、前記複数の横管によって形成される面が並列に配置された、複数の横パネルと、
    並列に配置された複数の縦管と、該複数の縦管の両端部がそれぞれ連通する第1横ヘッダ及び第2横ヘッダとを有し、前記複数の縦管によって形成される面が並列に配置されるとともに、それらの面が前記複数の横管によって形成される面と並列に配置された、複数の縦パネルと、
    前記横ヘッダのうち上側に位置する第1横ヘッダの一方の端部に接続され、前記複数の縦パネルに熱媒を供給する、熱媒供給頂部ヘッダと、
    前記縦ヘッダのうち第1縦ヘッダに接続され、前記複数の横パネルに熱媒を供給する熱媒供給底部ヘッダと、
    前記第1横ヘッダの他方の端部と前記第2縦ヘッダとに接続され、前記複数の縦パネル及び前記複数の横パネルから排出される熱媒を収集する、熱媒収集頂部ヘッダと
    を備えた熱交換器。
  2. 前記第1横ヘッダは、内部空間を二分割する仕切板を有し、前記仕切板によって二分割された前記内部空間の一方の空間に連通する縦管内の熱媒の流れと、前記仕切板によって二分割された前記内部空間の他方の空間に連通する縦管内の熱の流れとが逆方向となるように構成された、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記複数の横パネルと前記複数の縦パネルとが交互に配置された、請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記熱媒供給底部ヘッダと前記第1縦ヘッダとの間及び前記熱媒収集頂部ヘッダと前記第2縦ヘッダとの間は、接続管を介して連通されており、前記接続管は、前記第1縦ヘッダ及び前記第2縦ヘッダの端部に設けられた貫通孔を有する小口板から突出する鞘管の内側に、一方の端部が嵌合するように設けられている、請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記熱媒供給底部ヘッダが接続されていない前記第2縦ヘッダの下端には、前記熱媒供給底部ヘッダに対応する位置に転倒防止用部材が設けられた、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記複数の縦管、前記複数の横管、前記一対の横ヘッダ、前記一対の縦ヘッダ、前記熱媒供給頂部ヘッダ、前記熱媒供給底部ヘッダ、及び前記熱媒収集頂部ヘッダの1つ又は複数がプラスチック樹脂製である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 第1の熱媒が内部を流れる請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱交換器と、
    前記熱交換器を収容する函体と、
    前記函体内に、前記熱交換器によって熱が回収される別の熱媒を供給する供給部と、
    前記函体内から前記別の熱媒を排出する排出部と、
    を有する熱交換システム。
  8. 前記熱媒供給頂部ヘッダ及び熱媒収集頂部ヘッダが前記函体の外部に配置されている、請求項に記載の熱交換システム。
  9. 前記請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱交換器を用いた熱交換システム。
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