JP6323172B2 - グロープラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンを予熱するためのグロープラグと、その製造方法に関する。
エンジンの始動時に該エンジンを予熱するためのグロープラグとして、筒状のハウジングと、該ハウジング内に配された導電用中軸と、ハウジングの先端に設けられたセラミック製のヒータとを備えたものが知られている。このグロープラグは、エンジンの壁部に貫通形成したプラグ挿入孔に差し込まれる。これにより、上記ヒータを燃焼室内に挿入するよう構成されている。導電用中軸とヒータとは電気的に接続しており、この導電用中軸を介してヒータに電流を流すことにより、ヒータを発熱させ、エンジンを加熱するようになっている。
ヒータの電極と導電用中軸の先端部とは、例えばキャップリードと呼ばれる、金属からなる筒状の部材によって、電気的に接続される(図19〜図21参照)。このキャップリードの先端側の開口部にヒータを嵌合し、基端側の開口部に導電用中軸を嵌合してある。これにより、ヒータと導電用中軸とを電気的に接続している。
しかし、キャップリードを用いると、グロープラグを製造する際に、ヒータに大きな応力が加わるおそれがある。すなわち、グロープラグの製造時には、導電用中軸がハウジングに対して傾いている場合があるため、この傾きを矯正し、導電用中軸をハウジングに対して平行にする場合がある(図21参照)。この際、導電用中軸の基端部に力を加えて、導電用中軸の傾きを矯正する。このとき、大きな力で矯正をしてしまうと、キャップリードの様に全体が硬い部品を用いる場合は、このキャップリードがてこの支点となり、導電用中軸の基端部がてこの力点となり、ヒータが作用点となるため、導電用中軸に加えた力によってヒータに大きな応力が作用することになる。
この問題を解決するため、リード線を螺旋状に巻回した螺旋状リード線を用いて、ヒータと導電用中軸とを接続したグロープラグが開示されている(下記特許文献1参照)。螺旋状リード線は弾性変形するため、この螺旋状リード線を用いて導電用中軸とヒータとを接続すれば、製造時に導電用中軸の傾きを矯正したときに、螺旋状リード線を変形させることができ、ヒータに大きな応力が作用することを防止できる。
特開平3−247916号公報
しかしながら、上記螺旋状リード線は全体が弾性変形するため、この螺旋状リード線を用いると、グロープラグの使用時に、エンジンの振動によって導電用中軸の先端部が揺動しやすくなる(図23参照)。そのため、螺旋状リード線にストレスが加わりやすくなる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、製造時にヒータに強い応力が加わることを抑制でき、かつ使用時に導電用中軸の先端部が揺動しにくいグロープラグと、その製造方法を提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、筒状のハウジングと、
該ハウジング内に設けられ、該ハウジングの軸線方向における基端側の部位が上記ハウジングに固定された導電用中軸と、
上記ハウジングの先端に取り付けられた筒状のスリーブと、
通電により発熱する発熱体と、該発熱体を内蔵するセラミック製の本体部と、上記発熱体に導通し上記軸線方向における基端側にて上記本体部の表面から露出するヒータ電極とを有し、上記スリーブに挿入されたヒータと、
1本のリード線を螺旋状に巻回して形成され、上記導電用中軸の先端に形成された中軸先端部と上記ヒータ電極とを電気接続する螺旋状リード線とを備え、
該螺旋状リード線は、弾性変形可能に形成され上記中軸先端部に接続した変形可能部と、該変形可能部よりも上記軸線方向における先端側に形成され、上記軸線方向に隣り合う巻線部同士が互いにろう付けされると共に、上記ヒータ電極にろう付けされ、上記ヒータに外嵌した硬化部とを有し、
上記中軸先端部は、上記変形可能部を貫通すると共に、上記硬化部に内嵌し保持されていることを特徴とするグロープラグにある。
また、本発明の第2の態様は、上記グロープラグの製造方法であって、
上記螺旋状リード線を上記ヒータに外嵌する外嵌工程と、
ろう材を用いて、上記螺旋状リード線の先端側の部位を構成する上記巻線部同士をろう付けすると共に、該巻線部を上記ヒータ電極にろう付けするろう付け工程と、
上記中軸先端部を上記螺旋状リード線に挿入し、上記硬化部に内嵌し保持させる保持工程と、
上記変形可能部と上記中軸先端部とを互いに溶接する溶接工程と、
を行うことを特徴とするグロープラグの製造方法にある。
上記グロープラグにおいては、螺旋状リード線に、上記硬化部と上記変形可能部との、2つの部位を形成してある。そして、上記中軸先端部を変形可能部に貫通させ、上記硬化部に内嵌し保持させてある。
そのため、グロープラグの製造時に、セラミック製のヒータに大きな応力が加わることを抑制できる。すなわち、グロープラグを製造する際には、上述したように、導電用中軸の傾きを矯正して、導電用中軸をハウジングに対して平行にする必要がある。この際、導電用中軸の基端部に力を加え、中軸先端部を中心として、導電用中軸を僅かに傾斜させる作業を行う。上記グロープラグでは、螺旋状リード線全体は硬化しておらず、基端側に弾性変形する部位(変形可能部)を形成してある。そのため、中軸先端部を中心として導電用中軸を傾斜させる力が加わったときに、ヒータを保持する硬化部に対して、変形可能部を変形させることができる。そのため、大きな力がヒータに作用することを抑制できる。
また、上記グロープラグにおいては、螺旋状リード線の先端側に、巻線部同士を互いにろう付けした硬化部を形成してある。そして、中軸先端部を硬化部に内嵌し保持させてある。そのため、グロープラグの使用時にエンジンの振動が伝わっても、中軸先端部は揺動しにくくなる。したがって、グロープラグの使用時に螺旋状リード線にストレスが加わることを抑制できる。
また、上記グロープラグの製造方法においては、ろう材を用いて、螺旋状リード線のうち先端側に存在する巻線部同士をろう付けすると共に、該巻線部をヒータ電極にろう付けする(ろう付け工程)。そのため、螺旋状リード線をヒータ電極に接続する工程と、巻線部同士をろう付けして硬化させる工程とを同時に行うことができる。したがって、製造時の工程数を低減でき、グロープラグの製造コストを低減することができる。
以上のごとく、本発明によれば、製造時にヒータに強い応力が加わることを抑制でき、かつ使用時に導電用中軸の先端部が揺動しにくいグロープラグと、その製造方法を提供することができる。
なお、上記「先端側」とは、グロープラグをエンジンに取り付けた状態において、上記軸方向の、燃焼室に近い側を意味する。また、上記「基端側」とは、軸線方向における、上記先端側とは反対側を意味する。
実施例1における、グロープラグの断面図であって、導電用中軸と螺旋状リード線とヒータの左側を側面図にしたもの。 実施例1における、密巻ろう材を配置する工程での、グロープラグの要部拡大断面図。 実施例1における、外嵌工程を説明するための要部拡大断面図。 実施例1における、ろう付け工程を説明するための要部拡大断面図。 実施例1における、螺旋状リード線とヒータのろう付けを完了した状態での要部拡大断面図。 実施例1における、保持工程を説明するための要部拡大断面図。 実施例1における、溶接工程を説明するための要部拡大断面図。 実施例1における、溶接工程を完了した状態でのグロープラグの要部拡大断面図。 実施例1における、導電用中軸の傾斜を矯正する際の、グロープラグの断面図であって、導電用中軸と螺旋状リード線とヒータの左側を側面図にしたもの。 図9に続く図。 図10に続く図。 図11に続く図。 実施例1における、ヒータの斜視図。 図7のXIV-XIV断面図。 実験例1における、導電用中軸の傾き矯正試験の説明図。 実験例1における、共振周波数調査の説明図。 図16のXVII-XVII断面図。 実験例2の結果を説明するためのグラフ。 比較例1における、グロープラグの断面図。 比較例1における、キャップリードの斜視図。 比較例1における、グロープラグの製造工程説明図。 比較例1における、グロープラグをエンジンに取り付ける工程の説明図。 比較例2における、グロープラグの要部拡大断面図。 比較例3における、グロープラグの要部拡大断面図。
上記グロープラグは、車両用ディーゼルエンジンに取り付けられる、車載用グロープラグとすることができる。
(実施例1)
本発明に係る実施例について、図1〜図14を用いて説明する。図1に示すごとく、本例のグロープラグ1は、筒状のハウジング3と、導電用中軸4と、スリーブ5と、ヒータ6と、螺旋状リード線2とを備える。
導電用中軸4は、ハウジング3内に設けられている。導電用中軸4は、ハウジング3の軸線方向(Z方向)における基端側の部位が、固定部材31によってハウジング3に固定されている。スリーブ5は筒状に形成されおり、ハウジング3の先端に溶接されている。
ヒータ6は、通電により発熱する発熱体60と、本体部61と、ヒータ電極62とを有する。本体部61は窒化珪素から成るセラミック製であり、発熱体60を内蔵している。ヒータ電極62はリード部621を介して発熱体60に導通しており、Z方向における基端側にて本体部61の表面から露出(図13参照)している。ヒータ6は、スリーブ5に挿入されている。そして、ろう付けにより保持され、固定されている。発熱体60は、スリーブ5からZ方向における先端側に突出している。
螺旋状リード線2は、1本のリード線を螺旋状に巻回することにより形成されている。螺旋状リード線2によって、ヒータ電極62と、導電用中軸4の先端に形成された中軸先端部40とを電気接続している。
図8に示すごとく、螺旋状リード線2は、変形可能部22と、硬化部21とを有する。変形可能部22は、弾性変形可能に形成されており、中軸先端部40に接続している。硬化部21は、変形可能部22よりもZ方向における先端側に形成されており、Z方向に隣り合う巻線部200同士が互いにろう付けされている。また、硬化部21は、ヒータ電極62にろう付けされている。硬化部21は、ヒータ6に外嵌している。
中軸先端部40は、変形可能部22を貫通すると共に、硬化部21に内嵌し、保持されている。
図1に示すごとく、グロープラグ1は、エンジン8に形成したプラグ挿入孔80に挿入される。プラグ挿入孔80の内周面には、雌螺子部84が形成されている。また、グロープラグ1の上記ハウジング3には、雄螺子部34が形成されている。この雄螺子部34を雌螺子部84に螺合することにより、グロープラグ1をエンジン8に締結してある。また、プラグ挿入孔80には、先端側に向かうほど内径が次第に縮径する縮径部801が形成されている。この縮径部801に、スリーブ5の拡径部50が当接している。これにより、燃焼室890内の燃焼ガスが外部に漏出することを防止している。
ヒータ6は、セラミック製の本体部61と、発熱部60と、リード部621,631と、ヒータ電極62と、スリーブ接続用ヒータ電極63とを備える。図13に示すごとく、本体部61の表面から、ヒータ電極62と、スリーブ接続用ヒータ電極63とが露出している。さらにこれらの電極62,63の表面はメタライズ層で覆われ、後のロウ流れ範囲を決定付けている。ヒータ電極62は、図1に示すごとく、螺旋状リード線2に接続し、該螺旋状リード線2は導電用中軸4に接続している。また、スリーブ接続用ヒータ電極63はスリーブ5に接続し、該スリーブ5はエンジン8に接触している。エンジン8と導電用中軸4との間に電圧を加えることにより、発熱体60に電流を流し、該発熱体60を発熱させている。これにより、エンジン8を加熱するよう構成されている。
図1に示すごとく、導電用中軸4の基端部49は、固定部材31によって、ハウジング3に固定されている。固定部材31は溶着ガラスや熱硬化樹脂等からなる。また、基端部49には、導電用中軸4をハウジング3の中心に配置するための位置決めリング32が設けられている。そして、ハウジング3の基端部には絶縁ブッシュ35ならびに該絶縁ブッシュ35を固定するターミナルナット36が配置されている。
図8に示すごとく、螺旋状リード線2は、上述したように、硬化部21と変形可能部22とを有する。硬化部21は、ろう材10によって、ヒータ電極62に接続されている。硬化部21を構成する巻線部200は、ろう材10によって互いにろう付けされ補強されている。そのため、硬化部21の隣り合う巻線部200同士は結合し、全体が硬化している。また、変形可能部22を構成する、隣り合う巻線部200同士はろう付けされていない。そのため、柔軟で弾性変形可能になっている。
硬化部21は、ヒータ外嵌部211と縮径部212とを有する。ヒータ外嵌部211は、ヒータ6の本体部61に外嵌している。また、縮径部212は、ヒータ外嵌部211よりも縮径している。この縮径部212に、中軸先端部40が内嵌し、保持されている。ヒータ6は、縮径部212に当接している。
変形可能部22は、粗巻部221と密巻部222とを有する。粗巻部221は、縮径部212よりも拡径されて基端側に形成されており、縮径部212よりも巻線部200間の間隔が広い。密巻部222は、粗巻部221よりも基端側に形成されている。密巻部222は、中軸先端部40に溶接されている。密巻部222は、粗巻部221よりも巻線部200間の間隔が狭い。
密巻部222と粗巻部221とは、その内径r1が互いに等しい。縮径部212の内径r2は、密巻部222と粗巻部221の内径r1よりも小さい。また、ヒータ外嵌部211の内径r3は、縮径部212の内径r2よりも大きい。
図6に示すごとく、中軸先端部40は、第1円柱部401と、テーパ状部402と、第2円柱部403とを備える。第1円柱部401は、密巻部222に溶接される(図7参照)。また、テーパ状部402は、第1円柱部401よりも先端側に形成されている。テーパ状部402は、先端側に向かうほど半径Rが次第に小さくなる形状に形成されている。第2円柱部403は、テーパ状部402よりも先端側に形成されている。
また、導電用中軸4には、第1円柱部401よりも基端側に、中軸本体部48が形成されている。中軸本体部48は、第1円柱部401よりも拡径している。第1円柱部401と中軸本体部48との間には段部480が形成されている。
図8に示すごとく、中軸先端部40を螺旋状リード線2に挿入すると、螺旋状リード線2が段部480に当接する。これにより、密巻部222と第1円柱部401との、Z方向における位置決めを行うよう構成されている。また、中軸本体部48の外径R4は、密巻部222の外径R1よりも僅かに小さい。
テーパ状部402は、縮径部212の内周面に当接している。また、中軸先端部40とヒータ6との間には隙間Gが形成されている。すなわち、中軸先端部40は、ヒータ6に当接していない。
次に、グロープラグ1の製造方法について説明する。図2に示すごとく、グロープラグ1を製造する際には、まずスリーブ5にヒータ6を挿入し、スリーブ5の先端部からヒータ6が所定寸法突き出す様に、治具等(図示しない)を用いて位置決めをする。次いで、図3に示すごとく、スリーブ5に形成された溝部51に、密巻きろう材105を配置する。その後、螺旋状リード線2のヒータ外嵌部211をヒータ6に外嵌し、縮径部212にヒータ6を当接させる(外嵌工程)。
次いで、図4に示すごとく、螺旋状リード線2の基端側から、リング状ろう材100を嵌入する。リング状ろう材100は、例えば銀ろうからなる。リング状ろう材100の内径は、ヒータ外嵌部211の外径R3よりも小さい。そのため、リング状ろう材100は、ヒータ外嵌部211よりも僅かに基端側の位置、すなわち縮径部212において係止する。
その後、ヒータ6と螺旋状リード線2とリング状ろう材100とをろう付け炉に入れ、加熱する。これによりリング状ろう材100を溶融し、螺旋状リード線2の先端側の部位を構成する巻線部200同士をろう付けすると共に、該巻線部200をヒータ電極62にろう付けする(ろう付け工程)。
なお、ろう付け工程を行うと、密巻きろう材105も溶融し、ろうが、スリーブ5とヒータ6との隙間を充填する。そのため、ヒータ6がスリーブ5内に固定されると共に、スリーブ接続用ヒータ電極63がスリーブ5に電気接続される。
上述したように、粗巻部221は、縮径部212よりも巻線間の間隔が広い。そのため、ろう材10は粗巻部221よりも基端側に這い上がらない。したがって、粗巻部221の巻線部200同士はろう付けされず、弾性変形可能な状態を維持する。同様に、密巻部222にもろう材10の這い上がりが及ばないため、密巻部222の内径変化は生じず、中軸先端部40の挿入にも阻害を与えない。これにより、密巻部222と第1円柱部401との溶接性の安定化が図れる。
上記ろう付け工程を行った後、図6に示すごとく、中軸先端部40を螺旋状リード線2に挿入すると共に、硬化部21に内嵌し、保持させる(保持工程)。このとき、密巻部222が段部480に当接する。これにより、第1円柱部401と密巻部222との、Z方向における位置決めをしている。また、保持工程において、テーパ状部402は、縮径部212の内周面に当接するまで挿入される。尚、密巻部222と段部480の当接、及びテーパ状部402と縮径部212の内周面との当接は、粗巻部221の巻線間の間隔を調整することで容易に可能となる。
上記保持工程を行った後、図7に示すごとく、2つの溶接具11a,11bによって密巻部222を挟持し、これら2つの溶接具11a,11bの間に交流電流を流す。これにより、密巻部222と第1円柱部401とを溶接する(溶接工程)。
その後、図9〜図11に示すごとく、ハウジング3を先端側から導電用中軸4へ挿入し、ハウジング3の先端部をスリーブ5の溶接部39に突き合わせる。この工程を行うと、導電用中軸4の傾きが矯正される。この後、ハウジング3とスリーブ5とを、レーザ溶接によって全周溶接し、溶接部39を形成する。そして、ハウジング3の基端部から、導電用中軸4をハウジング3の中心へ配置するための位置決めリング32を挿入する。以上の作業を行うことにより、導電用中軸4の中心軸線A2とハウジング3の中心軸線A1とを一致させ、導電用中軸4をハウジング3に対して平行にし、導電用中軸4の傾きを矯正する。
本例の作用効果について説明する。図1、図8に示すごとく、本例では、螺旋状リード線2に、硬化部21と変形可能部22との、2つの部位を形成してある。そして、中軸先端部40を変形可能部22に貫通させると共に、硬化部21に内嵌し、保持してある。
そのため、グロープラグ1の製造時に、セラミック製のヒータ6に大きな応力が加わることを抑制できる。すなわち、グロープラグ1を製造する際に、上述したように、導電用中軸4の傾きを矯正して、導電用中軸4をハウジング3に対して平行にする場合があるが、本例のグロープラグ1では、螺旋状リード線2の全体は硬化しておらず、基端側に弾性変形する部位(変形可能部22)を形成してある。そのため、中軸先端部40を中心として導電用中軸4を傾斜させるときに通常よりも大きな力が加わったときにも、ヒータを保持する硬化部21に対して、変形可能部22を変形させることができる。そのため、大きな力がヒータ6に作用することを抑制できる。
また、本例のように、変形可能部22を有する螺旋状リード線2を用いれば、グロープラグ1をエンジン8に取り付ける作業を行う際に、導電用中軸4に、回転による捩じれ力が発生しても、変形可能部22が周方向に弾性変形し応力を吸収するため、力がヒータ6に伝わりにくい。また、導電用中軸4をZ方向における先端側に押し込む力が発生した場合、力は中軸先端部40に形成されたテーパ部402を介し、硬化部21の内周面の当接部に作用する。しかし巻線部同士をろう付けして補強かつ硬化した硬化部21は、その形成目的が、中軸先端部40の径方向への揺動抑制と保持およびZ方向の位置決めであるため、高い剛性は不要であり、本発明品ではろう付け後の線部の硬度は100Hvと低い。つまり、当接部に受けた力はテーパ部402の角度に垂直、言い換えれば略径方向に作用するため、低剛性の硬化部21は内周から径方向に弾性変形し応力を吸収させることができる。従って、螺合によって発生するZ方向に押し込む力は、ヒータ6には殆ど伝わらない。
そのため、エンジン装着時に衝撃力が作用する場合に於いても、ヒータ6に応力が加わることを抑制できる。
また、本例では図1、図8に示すごとく、螺旋状リード線2の先端側に、巻線部200同士を互いにろう付けした硬化部21を形成してある。そして、中軸先端部40を硬化部21に内嵌し、保持させてある。そのため、グロープラグ1の使用時に、エンジン8の振動が伝わっても、中軸先端部40は硬化部21内でZ方向および径方向にも略拘束されているため、振動及び揺動が抑制される。したがって、グロープラグ1の使用時に螺旋状リード線2にストレスが加わることを抑制できる。
仮に図23に示すごとく、硬化部21を形成せず、中軸先端部940を硬化部21に保持させなかったとすると、グロープラグ91の使用時に、エンジンの振動によって中軸先端部940が揺動しやすくなる。これにより、螺旋状リード線2に振動ストレスが加わり易くなるため、螺旋状リード線2のストレングスは低下し、不具合を招くおそれがある。これに対して、本例のように、螺旋状リード線2を硬化部21に内嵌し、保持させれば、中軸先端部40が揺動しにくくなるため、螺旋状リード線2に応力が加わることを抑制できる。
また、本例では図6に示すごとく、中軸先端部401にテーパ状部402を形成してある。そして図8に示すごとく、このテーパ状部402を、硬化部21の内周面に当接させてある。
そのため、ヒータ6に対する、導電用中軸4のZ方向における位置ばらつきを小さくすることができる。すなわち、硬化部21は、巻線部200間がろう材で補強されており、中軸先端部40の当接やエンジン振動の負荷では弾性変形しないため、硬化部21のZ方向長さLは、一定に保ちやすい。そのため、この硬化部21の内周面にテーパ状部402を当接させれば、ヒータ6からテーパ状部402までの距離Lのばらつきを小さくすることができる。したがって、ヒータ6に対する、導電用中軸4のZ方向における位置ばらつきを小さくすることができる。つまり、生産時の全長寸法のばらつきが低減でき、エンジン搭載の安定化に繋げることができる。
仮に、図23に示すごとく、螺旋状リード線92のうち弾性変形可能な部位922に中軸先端部940を溶接したとすると、この部位922のZ方向における位置が規制されていないため、ヒータ96から中軸先端部940までの距離L’を一定に保ちにくくなる。これに対して、本例のように、硬化部21の内周面にテーパ状部402を当接させれば、このような不具合を抑制できる。
また、本例では図8に示すごとく、中軸先端部40とヒータ6との間に隙間Gを設けてある。上述したように、グロープラグ1をエンジン8に固定する際に、ハウジング3をプラグ挿入孔80に螺合するのであるが、このときの回転力によって、導電用中軸4を先端側に押し込む力が発生する。しかしながら、本例のように隙間Gを設けておけば、導電用中軸4が先端側に押し込まれても、ヒータ6に当接しなくなる。そのため、ヒータ6を打撃する様な応力の、ヒータ6への印加を低減することができる。
また、図3、図4に示すごとく、本例の硬化部21は、ヒータ外嵌部211と縮径部212とを備える。そのため、螺旋状リード線2をヒータ6に外嵌する際に、ヒータ6を縮径部212に当接させることができる。したがって、ヒータ外嵌部211とヒータ電極62との位置決めを容易に行うことができる。
また、図4、図5に示すごとく、本例の変形可能部22は、巻線部200の間隔が縮径部212よりも広い粗巻部221を備える。そのため、ろう付け工程を行うときに、表面張力や毛細管現象によって、ろう材10が粗巻部221および密巻部222側に這い上がることを抑制できる。これにより、粗巻部221および密巻部222を構成する巻線部200同士がろう付けされることを防止でき、ろう付け工程を完了した後でも、粗巻部221および密巻部222を、柔軟で弾性変形可能な状態に維持することができる。
また、図8に示すごとく、縮径部212の内径r2は、密巻部222と粗巻部221の内径r1よりも小さい。そのため、第1円柱部401を密巻部222に内嵌しつつ、テーパ状部402を縮径部212の内周面に当接させることができる。
また、図7に示すごとく、中軸本体部48の外径R4は、密巻部222の外径R1よりも小さい。これにより、溶接工程を行う際に、溶け込みによって密巻部222の外径R1が縮径しても、溶接具11a,11bが中軸本体部48に接触することを防止でき、溶接の安定化が図れる。
また、本例では、2つの溶接具11a,11bの間に交流電流を流すことにより、密巻部222と第1円柱部401とを溶接している。図14に示すごとく、2つの溶接具11a,11bによって密巻部222を挟持して溶接すると、一方の溶接具11aに近い溶接点47aと、他方の溶接具11bに近い溶接点47bとの、2種類の溶接点47が形成される。ここで仮に、直流式電源を用いて溶接工程を行ったとすると、溶接具のプラス・マイナス電極の極性の違いにより、一方の溶接点47aと他方の溶接点47bとの発熱量が互いに異なるため、これらの溶接点47a,47bが不均一に溶接される場合がある。しかし、本例のように交流式電源を用いて溶接工程を行えば、溶接点47a,47bには交互に両電極極性の電流が流れるため、発熱量が均一化され易くなり、安定した溶接が可能となる。
また、本例では、硬化部21(図8参照)を構成する巻線部200間のZ方向の間隔は、0.005〜0.1mmになっている。仮にこの間隔が0.1mmを超えると、ろう材10(銀ろう)の毛細管現象が薄れ、浸透が不均一となり、巻線部同士の結合力低下を招き、目的とする巻線部の補強・硬化が阻害される。したがって、縮径部212に於ける中軸先端部40の揺動抑制とヒータ外嵌部211におけるヒータ6への保持強度確保に支障を来すこととなる。一方、間隔が0.005mmを下まわると、ろう材10の内周面への浸透が阻害されるため、同様に良好な結果が得られない。好ましくは、上記間隔は0.005〜0.05mmである。
また、本例のグロープラグ1の製造方法では、図4、図5に示すごとく、ろう材10を用いて、螺旋状リード線2のうち先端側に存在する巻線部200同士をろう付けすると共に、該巻線部200をヒータ電極62に接続し、巻線部200をヒータ6へ固定する。(ろう付け工程)。そのため、螺旋状リード線2をヒータ電極62に接続し、螺旋状リード線2をヒータ6に固定する工程と、巻線部200同士をろう付けして硬化させる工程とを同時に行うことができる。したがって、製造時の工程数を低減でき、グロープラグ1の製造コストを低減することができる。
以上のごとく、本例によれば、製造時にヒータに強い応力が加わることを抑制でき、かつ使用時に導電用中軸の先端部が揺動しにくいグロープラグと、その製造方法を提供することができる。
(実験例1)
本例の効果を確認するための実験を行った。まず、図1に示すグロープラグを作成し、本発明の範囲に含まれるサンプル1とした。また、図19に示すように、キャップリード92を用いて導電用中軸94とヒータ電極962とを接続したグロープラグを作成し、本発明外の比較サンプル1とした。さらに、図24に示すように、螺旋状リード線92を用いて導電用中軸94とヒータ電極962とを接続すると共に、中軸先端部940をヒータ96に当接させたグロープラグを作成し、本発明外の比較サンプル2とした。
そして、個々のサンプルについて、下記表1に示すように、導電用中軸の傾き矯正試験と、エンジンへの取付試験と、寸法ばらつき調査と、共振周波数調査と、振動耐久性試験とを行った。
Figure 0006323172
本発明に係るサンプル1の製造条件について、詳細に説明する。サンプル1では、硬度200Hv以上、線径0.7mm、98質量%以上のNiを含有するリード線を用いて、ばね指数D/dが4.3〜5.8の螺旋状リード線2を形成した。
密巻部222の内径を2.5mmとし、巻数を2.5巻にし、巻線部200間の間隔は0.1mm以下とした。また、中軸先端部40の第1円柱部401の直径を2.5mm以下に形成することにより、第1円柱部401が密巻部222に内嵌できるようにした。
粗巻部221は、内径を2.5mmにし、巻線部200間の間隔を1.2mmにした。また、巻数1.5巻にした。これにより、ろう付け工程(図4、図5参照)においてろう材10が基端側に這い上がらないようにした。これにより、密巻部222の内径はろう材による影響を受けず寸法は維持されるため、中軸先端部40の第1円柱部401は内嵌できる。
縮径部212は、内径を2.3mmにし、巻数を3.5巻にした。また、巻線部200間の間隔を0.005〜0.1mmにした。これにより、ろう付け工程(図5参照)において、ろう材10が巻線部200間の内周面に、毛細管現象によって浸透しやすくなるようにした。また、ろう付け後のろう材10の付着厚さは0.02〜0.08mmとし、これにより縮径部212の径方向におけるせん断強度を500N以上に確保した。なお、中軸先端部40のテーパ状部402は、中心軸線A2(図6参照)との間の角度が10°になるよう構成した。このテーパ状部402を縮径部212の内周面に当接し、保持させた。
ヒータ外嵌部212は、内径を3.25mmにし、巻数を5.0巻にした。また、巻線部200間の間隔を0.005〜0.1mmにした。これにより、ろう付け工程において、ろう材10が巻線部200間の内周面に、毛細管現象によって浸透しやすくなるようにした。なお、ヒータ外嵌部212の内径と、ヒータ6の外径との間の隙間は0.05〜0.15mmにした。
なお、螺旋状リード線2の巻回方向は時計回り、反時計周りでも同様の効果が得られる。そのため、本発明においては、螺旋状リード線2を巻く方向は、特に限定されない。
リング状ろう材100(図4参照)は、Ag72質量%、Cu28質量%の銀ろうを用いて形成した。リング状ろう材100の線径は0.9mm、内径は4mmとし、密巻部222と粗巻部221に外嵌可能であり、かつ縮径部212の外周側に配置できる寸法とした。
次に、導電用中軸4の傾き矯正試験について説明する。この試験では、図15に示すごとく、ヒータ6と導電用中軸4とは接続されており、かつハウジング3を取り付けていない仮組体190を、サンプル1と、比較サンプル1、2について用意した。そして、各仮組体190を、固定治具180を用いて水平に固定し、導電用中軸4の基端部49を軸線に対し垂直方向に10mm押圧し、変位させた。この値は、通常の製造時に想定される値を大きく超える4倍の値である。
各サンプルの仮組体190を20個ずつ用意して、この試験を行い、傾斜させたときに生じる応力によってヒータが破損する確率を確認した。破損する確率が2%以上の場合は×と判定し、2%未満の場合は○と判定した。上記表1から、螺旋状リード線を用いたサンプル(サンプル1及び比較サンプル2)はヒータの破損率が低く、キャップリードを用いた比較サンプル1はヒータの破損率が高いことが分かる。これは、キャップリードは全体の剛性が高く硬いため、導電用中軸を傾斜させたときに応力がヒータに伝わりやすいためだと考えられる。なお、サンプル1及び比較サンプル2の破損率は0%であり、比較サンプル1の破損率は4%であった。
次に、エンジンへの取付試験について説明する。この試験では、高速エアーインパクトレンチを用いて、各サンプルをエンジンに取り付けた。取り付け時の回転速度は6000rpmとし、締付けトルクは17.5Nmとした。回転速度6000rpmは、通常の製品を取り付ける際に想定される回転速度を大きく超える、約3倍の値である。
各サンプルを20個ずつ用意して、ヒータが破損する確率を調査した。破損率が2%以上の場合は×と判定し、2%未満の場合は○と判定した。表1から、本発明に係るサンプル1は、ヒータの破損率が低く、本発明外の比較サンプル1、2は破損率が高いことが分かる。サンプル1は、エンジンに取り付けるときに導電用中軸4に回転による捩り力と、Z方向における先端側に押し込む力が発生しても、この力を変形可能部22と縮径部212において吸収でき、減衰できる。また、導電用中軸4はヒータ6に当接していないため、力はヒータ6に殆ど伝播しない。これらの理由により、上記結果が得られたと考えられる。また、比較サンプル1は全体の剛性が高く、硬いキャップリード92を用いているため、回転による捩り力とZ方向における先端側に押し込む力はヒータ6に伝わりやすい。比較サンプル2は、導電用中軸4がヒータ6に当接しているため、回転による捩り力は吸収されても、Z方向における先端側に押し込む力が、ヒータ6に対し直接的な打痕力となって作用する。そのため、ヒータ6の破損率が高いと考えられる。なお、本試験において、比較サンプル1の破損率は4%、比較サンプル2の破損率は6%であり、本発明に係るサンプル1の破損率は0%であった。
次に、寸法ばらつき調査について説明する。この調査では、サンプル1、比較サンプル1、2をそれぞれ30個用意し、グロープラグの全長を測定(公差±2)して、寸法ばらつきの工程能力指数Cpを確認した。Cpが1.33以上の場合は○とし、1.33未満の場合は×と判断した。
上記表1から、全てのサンプルにおいて寸法ばらつきのCpは1.33以上と良好であることが分かる。つまり、サンプル1の中軸先端部40は硬化された縮径部212に当接され、比較サンプル1の導電用中軸94はキャップリード92によってかしめ保持され、比較サンプル2の導電用中軸94の先端部はヒータ96に直接当接されているため、どのサンプルも導電用中軸94の位置決めが保障される構成となっているからである。
次に、共振周波数調査について説明する。本調査では図16、図17に示すごとく、エンジン8(図1参照)のプラグ挿入孔80と同じ寸法のプラグ取付孔179を形成した、アルミ合金製の取付治具170に、各サンプルを、推奨締付けトルクである17.5Nmで締め付け、振動試験機の定盤に対して水平(厳しい方向)に固定し、非接触式のレーザードップラー振動計を用いて、上下振動に対する共振周波数を解析した。また、取付治具170の中央には、グロープラグ1の一部が露出するように幅4mmの溝174を設けた。溝174の範囲は、ヒータ6と導電用中軸4との接続部材(螺旋状リード線、キャップリード)から、導電用中軸4の固定部材31直下までとした。そして、溝174を介して、共振が懸念される主な部位を目視できるように、ハウジング3に、外径4mmの貫通穴350を複数個形成した。また、振動計のレーザー光が反射するように、振動を測定する各部位に反射テープ359を貼り付けた。これにより、各サンプルの振動解析ができるようにした。尚、サンプル1の調査部位は、螺旋状リード線2の硬化部21、変形可能部22、中軸本体部48の段差480付近、導電用中軸4の位置決めリング32直下とした。比較サンプル1は、キャップリード92の先端側の開口部921、キャップリード92、導電用中軸94が挿入されるキャップリード92の基端側の開口部922、導電用中軸94の位置決めリング直下とした。比較サンプル2は、螺旋状リード線92のヒータ電極962付近(サンプル1の硬化部21に相当)、螺旋状リード線92(変形可能部22に相当)、導電用中軸94の位置決めリング直下とした。また、取付治具170は共振しないよう形状は簡素化し、振動試験機へは、べた付けとした上で、共振しないことを予め確認した。
振動解析は各サンプルを4本用意し、加速度は3G一定とし、周波数は50〜2000Hzを10分かけ往復、スイープさせ共振周波数を調査した。共振周波数が2000Hz未満の場合は×と判定し、2000Hz以上の場合は○と判定した。
上記表1から、導電用中軸の先端部をキャプリード92又は螺旋状リード線2の硬化部21で保持したサンプル1と比較サンプル1は、共振周波数が高く、導電用中軸の先端部をヒータに当接した比較サンプル2は共振周波数が低くなっていることが分かる。これは、サンプル1と比較サンプル1は、導電用中軸の先端部の、径方向への揺動が充分に拘束されているのに対し、比較サンプル2は、揺動が充分に拘束されていないためと考えられる。尚、本試験において、比較サンプル2の最も低い共振周波数は螺旋状リード線92の1500Hzであり、比較サンプル1及び本発明に係るサンプル1の共振周波数は2000Hzまで検出されなかった。
次に、振動耐久性試験について説明する。本試験では、エンジン8(図1参照)のプラグ挿入孔80と同じ寸法のプラグ取付孔を形成した、アルミ合金製の取付治具に、各サンプルを、推奨締付けトルクである17.5Nmで締め付け、振動試験機の定盤に対し水平に固定した。各サンプルを4本用意し、振動回数1.0×107回、周波数50〜200Hz未満は加速度25G、周波数200以上〜2000Hzは加速度10Gで往復、スイープさせ振動試験を行った。振動試験後、各サンプルに定格電圧を印加させ、ヒータ通電特性にて温度低下あるいは通電不可が確認された場合は×と判定し、ヒータ通電特性に変化が認められない場合は、○と判定した。尚、試験条件はJIS D 1601の自動車部品振動試験方法を基本としたが、加速度の設定は実情に合わせ、実際に搭載される実機エンジンを振動解析し、50〜2000Hzの周波数下において、実機の状態を大きく超える約3倍の加速度が印加されるように条件設定した。上記表1から分かるように、導電用中軸の先端部をキャプリード92もしくは螺旋状リード線2の硬化部21で保持したサンプル1と比較サンプル1は異常は認められなかったが、導電用中軸の先端部をヒータに当接した比較サンプル2は、螺旋状リード線2が疲労破壊にて断線し、通電不可となった。これは、サンプル1と比較サンプル1は、導電用中軸の先端部の、径方向への揺動が充分に拘束されているのに対し、比較サンプル2は、揺動が充分に拘束されていないためと考えられる。尚、本試験において、比較サンプル2の断線発生率は75%であった。
(実験例2)
ろう材の質量と、せん断強度の関係について調査した。実施例1と同一形状の螺旋状リード線2を製造し、この螺旋状リード線2の先端側の部位を、ろう材10を用いて硬化させて硬化部21を形成した。そして、この硬化部21のせん断強度を測定した。また、ろう材10の質量を0g、0.04g、0.06g、0.08g、0.12gに条件振りした。ろう材の質量とせん断強度の関係を図18に示す。
同図から、ろう材10の質量が0.07g以上であれば、500N以上のせん断強度を得られることが分かる。硬化部21のせん断強度が500N以上であれば、中軸先端部40をしっかりと保持でき、グロープラグ1の使用時にエンジンの振動が伝わっても、ろう付けされた巻線部200間は分離することなく、中軸先端部40が揺動することを充分に防止することができる。
1 グロープラグ
2 螺旋状リード線
21 硬化部
22 変形可能部
3 ハウジング
4 導電用中軸
40 先端部
5 スリーブ
6 ヒータ
60 発熱体
61 本体部
62 ヒータ電極

Claims (6)

  1. 筒状のハウジング(3)と、
    該ハウジング(3)内に設けられ、該ハウジング(3)の軸線方向における基端側の部位が上記ハウジング(3)に固定された導電用中軸(4)と、
    上記ハウジング(3)の先端に取り付けられた筒状のスリーブ(5)と、
    通電により発熱する発熱体(60)と、該発熱体(60)を内蔵するセラミック製の本体部(61)と、上記発熱体(60)に導通し上記軸線方向における基端側にて上記本体部(69)の表面から露出するヒータ電極(62)とを有し、上記スリーブ(5)に挿入されたヒータ(6)と、
    1本のリード線を螺旋状に巻回して形成され、上記導電用中軸(4)の先端に形成された中軸先端部(40)と上記ヒータ電極(62)とを電気接続する螺旋状リード線(2)とを備え、
    該螺旋状リード線(2)は、弾性変形可能に形成され上記中軸先端部(40)に接続した変形可能部(22)と、該変形可能部(22)よりも上記軸線方向における先端側に形成され、上記軸線方向に隣り合う巻線部(200)同士が互いにろう付けされると共に、上記ヒータ電極(62)にろう付けされ、上記ヒータ(6)に外嵌した硬化部(21)とを有し、
    上記中軸先端部(40)は、上記変形可能部(22)を貫通すると共に、上記硬化部(21)に内嵌し保持されていることを特徴とするグロープラグ(1)。
  2. 上記中軸先端部(40)には、上記軸線方向における先端側に向かうほど縮径するテーパ状部(402)が形成されており、該テーパ状部(402)が上記硬化部(21)の内周面に当接し保持されていることを特徴とする請求項1に記載のグロープラグ(1)。
  3. 上記中軸先端部(40)と上記ヒータ(6)との間に隙間(G)が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグロープラグ(1)。
  4. 上記硬化部(21)は、上記ヒータ(6)に外嵌するヒータ外嵌部(211)と、該ヒータ外嵌部(211)よりも基端側に形成され該ヒータ外嵌部(211)よりも縮径した縮径部(212)とを有し、該縮径部(212)に上記中軸先端部(40)が内嵌し保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のグロープラグ(1)。
  5. 上記変形可能部(22)は、上記縮径部(212)よりも拡径し、該縮径部(212)よりも基端側に形成されると共に、該縮径部(212)よりも上記巻線部(200)間の間隔が広い粗巻部(221)と、該粗巻部(221)よりも基端側に形成され該粗巻部(221)よりも上記巻線部(200)間の間隔が狭い密巻部(222)とを有し、該密巻部(222)を上記中軸先端部(40)に溶接してあることを特徴とする請求項4に記載のグロープラグ(1)。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のグロープラグ(1)の製造方法であって、
    上記螺旋状リード線(2)を上記ヒータ(6)に外嵌する外嵌工程と、
    ろう材(10)を用いて、上記螺旋状リード線(2)の先端側の部位を構成する上記巻線部(200)同士をろう付けすると共に、該巻線部(200)を上記ヒータ電極(62)にろう付けするろう付け工程と、
    上記中軸先端部(40)を上記螺旋状リード線(2)に挿入し、上記硬化部(21)の内周面に内嵌し保持させる保持工程と、
    上記変形可能部(22)と上記中軸先端部(40)とを互いに溶接する溶接工程と、
    を行うことを特徴とするグロープラグの製造方法。
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