JP6322953B2 - シリカ濃度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検査水のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置に関する。
逆浸透膜モジュールや電気脱イオンスタック等の純水製造機器、クーリングタワー、蒸気ボイラなどの濃縮水系では、水中のシリカ(二酸化珪素:SiO)濃度が一定以上になると、スケールの付着による様々な運転障害を引き起こす。そのため、補給水や濃縮水等の検査水中のシリカ濃度を定期的に測定することが要求される。
シリカ濃度測定方法は、日本工業規格(JIS K 0101:1998 44.シリカ)にも定められており、代表的なものとして、モリブデン黄吸光光度法(モリブデンイエロー法)とモリブデン青吸光光度法(モリブデンブルー法)とがある。
モリブデン黄吸光光度法は、イオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物の黄色の吸光度を測定して、シリカを定量する方法である。また、モリブデン青吸光光度法は、イオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物をL(+)−アスコルビン酸で還元してモリブデン青に変え、その吸光度を測定してシリカを定量する方法である。
ここで、モリブデン黄吸光光度法を利用してシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置として、例えば、測定波長の切り替えにより、低濃度のシリカ濃度と、高濃度シリカ濃度とを測定することができるシリカ濃度測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、モリブデン黄吸光光度法においては、JIS K 0101に記載されているように、410〜450nmの吸光度を測定するとされているが、低濃度のシリカ濃度を精度よく測定することが難しかった。
これに対し、モリブデン黄吸光光度法による測定を行うシリカ濃度測定装置において、340nm〜400nmのピーク波長を有する発光ダイオードを光源として、検査水と試薬とを反応させた反応溶液の透過率測定を行うシリカ濃度測定装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のシリカ濃度測定装置は、低濃度のシリカ濃度を精度よく検出できるとされる。
特許第4894003号公報 特許第3353096号公報
しかし、低濃度のシリカ濃度を測定するための測定波長においては、未反応の試薬自体が光を吸収する傾向があるため、試薬の添加量のばらつきによって、シリカ濃度に±0.1mgSiO/L程度の誤差が生じ得る。そのため、0.1mgSiO/Lのシリカ濃度の違いを正確に検出することが難しく、シリカ濃度を精度よく検出できない場合があった。従って、試薬の添加量にばらつきがあっても、シリカ濃度を精度よく検出することが望まれる。
本発明は、試薬の添加量にばらつきがあっても、シリカ濃度を精度よく検出することができるシリカ濃度測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、モリブデン黄吸光光度法により検査水のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置であって、試薬が充填された試薬パックと、前記試薬パックに接続される弾性チューブと、を有し、ローラポンプを駆動して前記弾性チューブをしごくことにより、前記弾性チューブを介して、前記試薬パック内の試薬を測定セルに向けて所定量注入する試薬カートリッジと、試薬が添加された検査水における370〜400nmの波長の吸光度を測定する吸光度測定部と、前記吸光度測定部により測定される試薬が添加された検査水の吸光度について、試薬が添加されてから第1時間経過後の検査水の吸光度と、試薬が添加されてから前記第1時間よりも長い第2時間経過後の検査水の吸光度との変化量を算出する変化量算出部と、前記変化量算出部により算出された吸光度の変化量に基づいて、シリカ濃度を検出するシリカ濃度検出部と、を備えるシリカ濃度測定装置に関する。
また、前記第2時間は、検査水と試薬との反応が終了した試薬反応終了時間であることが好ましい。
また、前記第1時間は、検査水に試薬が添加されてから3分以内であることが好ましい。
本発明によれば、試薬の添加量にばらつきがあっても、シリカ濃度を精度よく検出することができるシリカ濃度測定装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るシリカ濃度測定装置1の全体構成を示す図である。 試薬W2の添加量がばらついた場合において、検査水W1のシリカ濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 検査水W1のシリカ濃度が0mgSiO/Lと0.1mgSiO/Lとの場合において、測定波長と検査水W1の吸光度との関係を示すグラフである。 検査水W1のシリカ濃度が0mgSiO/L(蒸留水)と0.1mgSiO/Lと0.2mgSiO/Lの場合において、試薬添加開始からの経過時間と、検査水W1の吸光度と、の関係を示すグラフである。 検査水W1と試薬W2との反応後において検査水W1のシリカ濃度と吸光度との相関関係(検量線)示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るシリカ濃度測定装置1について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシリカ濃度測定装置1の全体構成を示す図である。
本実施形態のシリカ濃度測定装置1は、モリブデンイエロー法(モリブデン黄吸光光度法)により検査水W1のシリカ濃度を測定する装置である。図1に示すように、シリカ濃度測定装置1は、測定セル2と、試薬注入部3と、吸光度測定部の一部を構成する光学検出部4と、攪拌部5と、表示部6と、制御部10と、検査水導入ラインL1と、検査水排出ラインL2と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
測定セル2は、シリカ濃度を測定する検査水W1を収容する容器である。測定セル2は、不透明の樹脂材料により形成されている。測定セル2は、その側壁に一対の光透過窓21,22が形成されている。光透過窓21,22には、透明な板材211,221が嵌め込まれている。
検査水導入ラインL1は、測定セル2への検査水W1の導入を行うラインである。検査水導入ラインL1は、図1に示すように、測定セル2の光透過窓21,22よりも下方の側壁に接続されている。検査水導入ラインL1は、測定セル2へ検査水W1を導入する流路である。検査水導入ラインL1には、電磁弁23が設けられている。電磁弁23は、検査水W1を採取する際に用いられる弁である。電磁弁23の開閉は、制御部10から出力される駆動信号により制御される。
検査水排出ラインL2は、測定セル2からの検査水W1(試薬W2を含む)の排出を行うラインである。検査水排出ラインL2は、図1に示すように、測定セル2の光透過窓21,22よりも上方の側壁に接続されている。検査水排出ラインL2は、測定セル2から検査水W1を排出する流路である。
試薬注入部3は、測定セル2の内部へ試薬W2を注入する設備である。試薬注入部3は、試薬W2を内部に保持しており、所望の量の試薬W2を測定セル2の内部に吐出して供給する。試薬W2には、検査水W1に含まれるシリカと反応して、発色する呈色物質が配合されている。本実施形態では、モリブデンイエロー法によりシリカ濃度を測定しており、試薬としては、七モリブデン酸六アンモニウムおよび無機酸を含む水溶液を用いる。本実施形態に好適な一液型の試薬水溶液の組成は、本願の出願人による特許第5169809号公報に詳細に開示されているため、当該特許文献を引用して詳細な説明を省略する。
試薬注入部3は、試薬カートリッジ31と、ローラポンプ機構32と、を備える。試薬カートリッジ31は、試薬W2(上述した一液型の試薬水溶液)が充填された試薬パック(不図示)と、試薬パックに一端側が接続され且つ他端にノズルを有する弾性チューブとからなる注入体(不図示)とが収納された容器である。
ローラポンプ機構32は、図1に示すように、測定セル2の上方に設けられている。ローラポンプ機構32の上部には、カートリッジ差込口33が設けられている。試薬カートリッジ31は、カートリッジ差込口33に着脱自在に装着される。
ローラポンプ機構32は、ローラポンプ34を備える。ローラポンプ34を駆動して、試薬カートリッジ31に収納された注入体の弾性チューブをしごくことにより、試薬パック内の試薬W2をノズルから測定セル2に向けて注入することができる。ローラポンプ34の駆動は、制御部10から出力される駆動信号により制御される。
光学検出部4は、試薬W2と共に攪拌された検査水W1の吸光度を測定する設備である。光学検出部4は、図1に示すように、第1発光素子41と、第2発光素子42と、発光基板43と、第1受光素子44と、第2受光素子45と、受光基板46と、を備える。
第1発光素子41及び第2発光素子42は、発光基板43に実装されている。第1発光素子41及び第2発光素子42は、測定セル2の光透過窓21に向けて光を照射する素子である。第1発光素子41及び第2発光素子42は、それぞれ発光波長の異なるLED(発光ダイオード)により構成される。本実施形態においては、第1発光素子41は、低濃度のシリカ濃度を測定するために、375nmの波長(低濃度測定波長)の光を発光可能な発光素子である。第2発光素子42は、高濃度のシリカ濃度を測定するために、450nmの波長(高濃度測定波長)の光を発光可能な発光素子である。なお、第1発光素子41において低濃度測定波長として375nmを選択した理由については後述する。
第1発光素子41及び第2発光素子42の点灯/消灯は、制御部10から出力される駆動信号により制御される。
第1受光素子44及び第2受光素子45は、受光基板46に実装されている。第1受光素子44及び第2受光素子45は、測定セル2の光透過窓22を通過した透過光を受光する素子である。第1受光素子44及び第2受光素子45は、フォトトランジスタにより構成される。第1受光素子44及び第2受光素子45は、受光した透過光量に対応した検出値信号を制御部10に出力する。
攪拌部5は、測定セル2の内部に収容された検査水W1及び試薬W2を攪拌する設備である。図1に示すように、攪拌部5は、測定セル2の底部に設けられている。攪拌部5は、攪拌子51と、ステータコイル52と、を備える。攪拌子51は、測定セル2の底部に、回転可能に配置されている。ステータコイル52は、測定セル2の周囲を囲むようにリング状に形成された電磁誘導コイルである。ステータコイル52に駆動電流を供給すると、電磁誘導の作用により、測定セル2の底部に配置された攪拌子51が非接触で回転する。ステータコイル52の動作は、制御部10から供給される駆動電流により制御される。
表示部6は、測定した検査水W1のシリカ濃度の測定値やシリカ濃度測定装置1の動作状況等を表示する装置である。表示部6は、液晶表示パネルにより構成される。
制御部10は、シリカ濃度測定装置1の動作を制御する装置である。制御部10は、第1発光素子41、第2発光素子42を制御する。制御部10は、第1受光素子44及び第2受光素子45からの出力を受信する。制御部10は、光学検出部4により検出された吸光度に基づいて、検査水W1に含まれるシリカ成分の濃度を測定する。制御部10は、測定した検査水W1のシリカ濃度の測定値を表示部6に表示させる。制御部10は、後述する検量線を、測定波長毎に内部のメモリに格納している。
制御部10は、低濃度のシリカ濃度を測定するために、吸光度測定部の一部を構成する吸光度算出部11と、変化量算出部12と、計時部13と、シリカ濃度検出部14と、を有する。
吸光度算出部11は、光学検出部4により検出された透過光量の検出値に基づいて、第1時間T1及び第2時間T2(図4参照)において、検査水W1の吸光度を算出する。これにより、本実施形態においては、光学検出部4及び吸光度算出部11は、試薬W2が添加された検査水W1における375nmの吸光度を測定する。
第1時間T1は、試薬W2が添加された直後の時間である(図4参照)。第1時間T1は、好ましくは、検査水W1に試薬W2が添加されてから3分以内である。なお、第1時間T1は、規定量の試薬W2の添加を実行可能な範囲で、規定量の試薬W2の添加が完了された直後に近い時間が採用される。本実施形態においては、第1時間T1は、2分程度である(図4参照)。また、試薬W2の添加操作に要する時間が極く短時間の場合には、第1時間T1は、検査水W1に試薬W2が添加された時間と同時である0分であってもよい。
第2時間T2は、検査水W1と試薬W2との反応が終了した試薬反応終了時間である(図4参照)。第2時間T2は、検査水W1と試薬W2との呈色反応がほぼ完結し、検査水W1の発色が安定する時間であり、予め試験等により求められた時間であって、予め制御部10のメモリ(不図示)に記憶されている。本実施形態においては、第2時間T2は、試薬W2の添加が開始されてから、20分程度である(図4参照)。
計時部13は、第2時間T2を計時する。計時部13により計時された第2時間T2において、吸光度算出部11は、検査水W1の吸光度を算出する。
変化量算出部12は、光学検出部4及び吸光度算出部11により測定される試薬W2が添加された検査水W1の吸光度について、試薬W2が添加されてから第1時間T1経過後の検査水W1の吸光度A1と、試薬W2が添加されてから第1時間T1よりも長い第2時間T2経過後の検査水W1の吸光度A2との変化量、すなわち差分A2−A1を算出する。
シリカ濃度検出部14は、変化量算出部12により算出された吸光度の変化量(差分)に基づいて、シリカ濃度を検出する。具体的には、シリカ濃度検出部14は、算出された吸光度の変化量(差分)を検査水W1の吸光度と見做し、この吸光度に対してシリカ濃度と吸光度との検量線(図5参照)を用いて検査水W1中のシリカ濃度を求める。検量線は、予めシリカ標準液を用いてシリカ濃度と吸光度との関係線として作成されており、制御部10のメモリ(不図示)に記憶されている。本実施形態においては、メモリ(不図示)には、検査水W1の吸光度とシリカ濃度との検量線として、検査水W1と試薬W2との呈色反応が完結された状態で作成された検量線が記憶されている。
次に、従来の問題点と本発明の態様とについて、図2を参照しながら説明する。図2は、試薬W2の添加量がばらついた場合において、検査水W1のシリカ濃度と吸光度との関係を示すグラフである。
従来、モリブデンイエロー法において、特に低濃度のシリカ濃度を検出する場合に、検査水W1の375nm程度の吸光度を測定しても、図2に示すように、測定した吸光度の値が、試薬W2の添加量のばらつき(添加誤差)によって異なる傾向があった。このような傾向となる原因は、試薬の性質にあり、低濃度のシリカ濃度を測定するための測定波長において、検査水W1中の存在量不明のシリカ成分に対して過剰に添加された試薬W2のうち、未反応の試薬W2が光を吸収する傾向があるためである。
具体的には、図2に示すグラフにおいて、試薬W2の添加量がばらついていてもシリカ濃度が高いと吸光度が高くなるという傾向は同じである。しかし、試薬W2の添加誤差によって、試薬W2の添加量が標準よりも少ない場合には一番下の右上がりの直線状のグラフ(白三角のマーカ)となり、試薬W2の添加量が標準の場合には真中の右上がりの直線状のグラフ(白丸のマーカ)となり、試薬W2の添加量が標準よりも多い場合には一番上の右上がりの直線状のグラフ(黒丸のマーカ)となる。例えば、図2に示すように、吸光度が0.025Absである場合に、試薬W2の添加量が標準のときにはシリカ濃度が0.08mgSiO/L程度であり、試薬W2の添加量が標準よりも多いときにはシリカ濃度が0.022mgSiO/L程度である。このように、吸光度が同じであっても、試薬W2の添加誤差によって、シリカ濃度が異なる結果となっていた。
また、図2に示すグラフにおいて、未反応の試薬W2が光を吸収する傾向があるため、シリカ濃度が0mgSiO/Lにおいて、吸光度が検出されている。詳細には、シリカ濃度が0mgSiO/Lにおいて、試薬W2の添加量が標準よりも少ない場合には吸光度が0.01Abs程度となっており、試薬W2の添加量が標準の場合には吸光度が0.02Abs程度となっており、試薬W2の添加量が標準よりも多い場合には吸光度が0.023Abs程度となっている。つまり、シリカ濃度が0mgSiO/Lにおいて、未反応の試薬W2が光を吸収しており、吸光度が検出されていると考えられる。
そのため、測定波長が同じであっても、試薬W2の添加量のばらつき(添加誤差)によって吸光度に差が生じるため、吸光度を測定しても、シリカ濃度が高いのか又は試薬W2の添加量が多いのかを区別できないという問題点があった。
そこで、本発明は、試薬W2の添加量のばらつき(添加誤差)の影響を受けずにシリカ濃度を検出するために、モリブデンイエロー法において検査水W1に試薬W2を添加しても発色に時間を要するという性質を利用し、測定操作の構成を改良したものである。本発明は、上述したように、検査水W1に試薬W2を添加した直後の時間(第1時間T1)と、試薬W2を添加してから所定時間(第2時間T2)経過後において、吸光度の変化量を算出して、この吸光度の変化量に基づいてシリカ濃度を検出するように構成される。
ここで、本実施形態においては、前述の通り、第1発光素子41において低濃度のシリカ濃度を測定する測定波長として375nmを選択している。測定波長として375nmを選択した理由について、図3を参照しながら説明する。図3は、検査水W1のシリカ濃度が0mgSiO/Lと0.1mgSiO/Lとの場合において、測定波長と検査水W1の吸光度との関係を示すグラフである。
本発明は、モリブデンイエロー法においては検査水W1に試薬W2を添加しても発色に時間を要するため、試薬W2を添加した直後の時間(第1時間T1)と、試薬W2を添加してから所定時間(第2時間T2)経過後において、吸光度の変化量を算出することができ、この吸光度の変化量に基づいてシリカ濃度を検出することで、試薬W2の添加量の変化による測定誤差を低減して、シリカ濃度を精度よく測定することができるという知見から想到した発明である。
そのため、シリカ濃度を精度よく測定するためには、シリカ濃度が0mgSiO/Lと0.1mgSiO/Lとにおいて、吸光度の変化量を算出するため、吸光度の差が大きいことが好ましい。図3によれば、測定波長が480nmよりも大きいと、シリカ濃度が0mgSiO/Lと0.1mgSiO/Lとにおいて、吸光度の差が小さくなるため、測定波長は480nm以下であることが好ましい。
また、シリカ濃度が0mgSiO/Lにおいて、未反応の試薬W2の影響を少なくするため、吸光度が高くないことが好ましい。図3によれば、測定波長が360nmよりも小さいとシリカ濃度が0mgSiO/Lにおいて吸光度が高くなるため、測定波長は360nm以上であることが好ましい。
従って、図3において、シリカ濃度を精度よく測定するための測定波長は、360〜480nmの範囲(図3における範囲H1)であることが好ましい。
更に、シリカ濃度を一層精度よく測定するための測定波長は、シリカ濃度が0mgSiO/Lと0.1mgSiO/Lとの場合において、吸光度の差が大きいことが明確な範囲が好ましく、また、シリカ濃度が0mgSiO/Lの場合において、吸光度が高くないことが明確な範囲が好ましい。そのため、シリカ濃度を一層精度よく測定するための測定波長は、370〜400nmの範囲(図3における範囲H2)であることが更に好ましい。また、本実施形態においては、測定波長として375nmを選択した。375nmの測定波長は、370〜400nmの範囲に含まれている。
次に、上記のように構成されたシリカ濃度測定装置1の動作について、図1、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、検査水W1のシリカ濃度が0mgSiO/L(蒸留水)と0.1mgSiO/Lと0.2mgSiO/Lの場合において、試薬添加開始からの経過時間と、検査水W1の吸光度と、の関係を示すグラフである。図5は、検査水W1と試薬W2との呈色反応が完結された状態で作成された検査水W1のシリカ濃度と吸光度との相関関係を示すグラフ(検量線)である。
本実施形態の動作の説明においては、低濃度のシリカ濃度を測定する動作について説明する。具体的には、第1発光素子41を発光させて、試薬W2が添加された検査水W1における375nmの波長の吸光度を測定する場合について説明する。
まず、図1に示すように、測定セル2内には、前回の測定時に導入された検査水W1が貯留されている。この状態で、制御部10は、検査水導入ラインL1に設けられた電磁弁23を開状態になるように制御する。これにより、新たな検査水W1として、検査水W1は、検査水導入ラインL1から測定セル2へ導入される。制御部10は、測定セル2の内部が新たな検査水W1で置換され、且つ所定量が貯留されると、電磁弁23を閉状態になるように制御する。
次に、制御部10は、試薬注入部3のローラポンプ34を駆動して、試薬カートリッジ31から測定セル2に向けて試薬W2を所定量注入させる。また同時に、制御部10は、攪拌部5のステータコイル52を制御して、攪拌子51を回転させる。
検査水W1と試薬W2とを攪拌したときに、検査水W1にシリカ成分が含まれる場合、試薬W2に含まれる七モリブデン酸六アンモニウムがこのシリカ成分と反応し、検査水W1が黄色に発色する。制御部10は、光学検出部4において375nmの波長の光を発光する第1発光素子41を点灯させる。制御部10は、光学検出部4において第1受光素子44から透過光量の検出値信号を取得する。
吸光度算出部11は、図4に示すように、第1時間T1及び第2時間T2において、光学検出部4により検出された透過光量の検出値に基づいて、検査水W1の吸光度を算出する。第1時間T1は、試薬W2が添加された直後の時間であり、本実施形態においては、検査水W1に試薬W2が添加されてから2分程度である。また、第2時間T2は、検査水W1と試薬W2との反応が終了した試薬反応終了時間であり、本実施形態においては、20分程度である。計時部13は、第2時間T2を計時する。
変化量算出部12は、光学検出部4及び吸光度算出部11により測定される試薬W2が添加された検査水W1の吸光度について、試薬W2が添加されてから第1時間T1経過後の検査水W1の吸光度A1と、試薬W2が添加されてから第1時間T1よりも長い第2時間T2経過後の検査水W1の吸光度A2との変化量、すなわち差分A2−A1を算出する。
そして、シリカ濃度検出部14は、変化量算出部12により算出された吸光度の変化量(差分)に基づいて、シリカ濃度を検出する。シリカ濃度検出部14は、図5に示す検査水W1の吸光度とシリカ濃度との検量線を参照して、算出された吸光度の変化量(差分)を検査水W1の吸光度と見做し、この吸光度から検査水W1中のシリカ濃度を求める。これにより、試薬W2の添加量にばらつきがあっても、試薬W2の添加量の変化に影響を受けずに、シリカ濃度を精度よく検出することができる。シリカ濃度検出部14により検出されたシリカ濃度は、制御部10により、表示部6に表示される。
上述した本実施形態のシリカ濃度測定装置1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態のシリカ濃度測定装置1においては、モリブデン黄吸光光度法により検査水W1のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置1であって、試薬W2が添加された検査水W1における375nmの波長の吸光度を測定する吸光度測定部(光学検出部4及び吸光度算出部11)と、吸光度測定部(光学検出部4及び吸光度算出部11)により測定される試薬W2が添加された検査水W1の吸光度について、試薬W2が添加されてから第1時間T1経過後の検査水W1の吸光度A1と、試薬W2が添加されてから第1時間T1よりも長い第2時間T2経過後の検査水W1の吸光度A2との変化量(すなわち、差分A2−A1)を算出する変化量算出部12と、変化量算出部12により算出された吸光度の変化量に基づいて、シリカ濃度を検出するシリカ濃度検出部14と、を備える。そのため、吸光度の変化量に基づいてシリカ濃度を検出することができるため、試薬W2の添加量にばらつきがあっても、シリカ濃度を精度よく検出することができる。
また、本実施形態のシリカ濃度測定装置1においては、第2時間T2は、検査水W1と試薬W2との反応が終了した試薬反応終了時間である。そのため、検査水W1と試薬W2との反応が終了しているため、吸光度を安定させた状態で、変化量算出部12は、吸光度の変化量を算出することができる。これにより、シリカ濃度を一層精度よく検出することができる。
また、本実施形態のシリカ濃度測定装置1においては、第1時間T1は、検査水W1に試薬W2が添加されてから3分以内である。そのため、変化量算出部12は、検査水W1と試薬W2との反応が終了する前の検査水W1の吸光度A1と、第2時間T2経過後の検査水W1の吸光度A2の変化量(すなわち、差分A2−A1)を精度よく算出することができる。これにより、シリカ濃度を一層精度よく検出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、検査水W1の測定波長を375nmとしたが、これに制限されない。前記実施形態においても示したように、検査水W1の測定波長は、360〜480nmの波長の範囲であることが好ましく、370〜400の波長の範囲であることが更に好ましい。
また、前記実施形態においては、低濃度のシリカ濃度を検出する際に検査水W1における375nmの波長の吸光度の変化量を算出してシリカ濃度を検出するように構成したが、これに制限されない。例えば、高濃度のシリカ濃度を検出する際に、例えば検査水W1における450nmの波長の吸光度の変化量を算出してシリカ濃度を検出するように構成してもよい。
1 シリカ濃度測定装置
4 光学検出部(吸光度測定部)
11 吸光度算出部(吸光度測定部)
12 変化量算出部
14 シリカ濃度検出部
W1 検査水
W2 試薬

Claims (3)

  1. モリブデン黄吸光光度法により検査水のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置であって、
    試薬が充填された試薬パックと、前記試薬パックに接続される弾性チューブと、を有し、ローラポンプを駆動して前記弾性チューブをしごくことにより、前記弾性チューブを介して、前記試薬パック内の試薬を測定セルに向けて所定量注入する試薬カートリッジと、
    試薬が添加された検査水における370〜400nmの波長の吸光度を測定する吸光度測定部と、
    前記吸光度測定部により測定される試薬が添加された検査水の吸光度について、試薬が添加されてから第1時間経過後の検査水の吸光度と、試薬が添加されてから前記第1時間よりも長い第2時間経過後の検査水の吸光度との変化量を算出する変化量算出部と、
    前記変化量算出部により算出された吸光度の変化量に基づいて、シリカ濃度を検出するシリカ濃度検出部と、
    を備えるシリカ濃度測定装置。
  2. 前記第2時間は、検査水と試薬との反応が終了した試薬反応終了時間である
    請求項1に記載のシリカ濃度測定装置。
  3. 前記第1時間は、検査水に試薬が添加されてから3分以内である
    請求項1又は2に記載のシリカ濃度測定装置。
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