JP6322408B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア、中間層及びカバーを備えたゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の要求は、高飛距離性能である。ゴルファーは、特に、ドライバーショットにおける高飛距離性能を重視する。高飛距離性能は、ゴルフボールの反発性能と相関する。反発性能に優れたゴルフボールが打撃されると、速い速度で飛行し、大きな飛距離が達成される。
大きな飛距離が達成されるには、適度な弾道高さが必要である。弾道高さは、スピン速度及び打ち出し角度に依存する。大きなスピン速度によって高い弾道を達成するゴルフボールでは、飛距離が不十分である。大きな打ち出し角度によって高い弾道を達成するゴルフボールでは、大きな飛距離が得られる。飛距離の観点からは、小さなスピン速度と大きな打ち出し角度とが好ましい。
ゴルファーは、ゴルフボールのスピン性能も重視する。バックスピンの速度が大きいと、ランが小さい。ゴルファーにとって、バックスピンのかかりやすいゴルフボールは、目標地点に静止させやすい。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。ゴルファーにとって、サイドスピンのかかりやすいゴルフボールは、意図的に曲げやすい。スピンがかかりやすいゴルフボールは、アプローチ性能に優れている。上級ゴルファーは、特にショートアイアンでのショットにおけるアプローチ性能を重視する。
ゴルファーはさらに、ゴルフボールの打球感にも関心がある。硬いカバーは、打球感を悪化させる。ゴルファーは、ソフトな打球感を好む。
諸性能の達成の観点から、多層構造を有するゴルフボールが提案されている。特開2009−95365号公報には、内側包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーを備えたゴルフボールが開示されている。この中間層は、内側包囲層、外側包囲層及びカバーよりも硬い。特開2008−149131号公報にも、同様のゴルフボールが開示されている。米国特許第6152834号明細書には、コアと少なくとも3層のカバーとを備えたゴルフボールが開示されている。このゴルフボールでは、最外層に軟質で厚いカバーが形成されている。
特開2009−95365号公報 特開2008−149131号公報 米国特許第6152834号明細書
打ち出し角度が大きく、かつスピン速度が小さなゴルフボールがドライバーで打撃されると、大きな飛距離が得られる。しかし、スピン速度の小さなゴルフボールは、アプローチ性能に劣る。ゴルファーのゴルフボールに対する要求は、近年ますますエスカレートしている。大きな飛距離と、優れたアプローチ性能とが高次元で両立されたゴルフボールが切望されている。さらに、ショットの際の打球感がソフトなゴルフボールが求められている。
本発明の目的は、ドライバーショットでの高飛距離性能とショートアイアンショットでの優れたアプローチ性能とを備え、良好な打球感を与えるとともに、耐久性が良いゴルフボールの提供にある。
本発明に係る好ましいゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えている。上記中間層は、第1中間層と、この第1中間層の外側に位置する第2中間層と、この第2中間層の外側に位置する第3中間層とを有している。上記第1中間層の体積(mm)がVinmとされ、上記第1中間層のショアD硬度がHinmとされ、上記第2中間層の体積(mm)がVmとされ、上記第2中間層のショアD硬度がHmとされ、上記第3中間層の体積(mm)がVoumとされ、上記第3中間層のショアD硬度がHoumとされ、上記カバーの体積(mm)がVcとされ、上記カバーのショアD硬度がHcとされ、ボール全体の体積がVとされる。このゴルフボールは、以下の関係式(a)から(f)を満たす。
(a)Hinm<Hm>Houm>Hc
(b)Vinm<Vm>Voum>Vc
(c)Hm−Hc>25
(d)(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V<0.40
(e)Vm/Vc>1.50
(f)(Vm・Hm)/(Vc・Hc)>3.0
好ましくは、上記ゴルフボールは、以下の関係式(g)を満たす。
(g)Vc/V<0.08
好ましくは、上記硬度Hcは36以下である。
好ましくは、上記第2中間層は樹脂組成物で形成されている。好ましくは、この樹脂組成物の基材樹脂の主成分は、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物から選択される。
好ましくは、上記硬度Hmは68以上である。
好ましくは、上記コアの表面のJIS−C硬度Hsは、上記コアの中心のJIS−C硬度Hoよりも大きい。好ましくは、上記硬度Hsと上記硬度Hoとの差(Hs−Ho)は28以上である。
好ましくは、上記硬度Hinmは、上記硬度Houmよりも小さい。
好ましくは、上記コアは、ゴム組成物が架橋されることで得られたものである。好ましくは、上記ゴム組成物は、
(A)カルボン酸及び/又はその塩
を含んでいる。
このゴルフボールでは、それぞれの層の硬度及び体積が適正な範囲に設定されている。このゴルフボールがショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。このゴルフボールは、アプローチ性能に優れる。このゴルフボールでは、コアの反発性能が阻害されない。このゴルフボールがドライバーで打撃されたときのスピン速度は、小さい。優れた反発性能と小さなスピン速度とにより大きな飛距離が達成される。このゴルフボールの打球感はソフトである。このゴルフボールの耐久性は良好である。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボール2は、コア4と、このコア4の外側に位置する中間層6と、この中間層6の外側に位置するカバー8とを有する。コア4は、球状である。
中間層6の表面は球面状である。ゴルフボール2において、中間層6は、複数の層によって形成されている。中間層6は、第1中間層10と、第2中間層12と、第3中間層14とを有する。ゴルフボール2において、中間層6は、3層である。中間層6は、4以上の層を有していても良い。
第2中間層12は、第1中間層10の外側に位置している。第3中間層14は、第2中間層12の外側に位置している。第2中間層12は、第1中間層10と第3中間層14との間に位置している。第1中間層10の外面は、第2中間層12の内面に接している。第2中間層12の外面は、第3中間層14の内面に接している。第1中間層10は、中間層6の最内層である。第3中間層14は、第1中間層10の最外層である。
ゴルフボール2において、カバー8は、単一の層である。後述する通り、ボール2において、第3中間層14とカバー8との間に、補強層が設けられている。カバー8は、ペイント層(図示されず)に覆われている。カバー8の表面は、ペイント層に接している。
カバー8の表面には、多数のディンプル16が形成されている。カバー8の表面のうちディンプル16以外の部分は、ランド18である。このゴルフボール2は、カバー8の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
好ましくは、コア4は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するポリブタジエンの量の比率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。ポリブタジエンにおけるシス−1,4結合の比率は40%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
コア4のゴム組成物は、共架橋剤を含む。共架橋剤により、コア4の高反発性が達成される。反発性能の観点から、好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。α,β−不飽和カルボン酸の金属塩は、基材ゴムの分子鎖にグラフト重合することにより、ゴム分子を架橋する。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と金属化合物とが配合されてもよい。この金属化合物は、ゴム組成物中でα,β−不飽和カルボン酸と反応する。この反応によって得られた塩が、基材ゴムの分子鎖にグラフト重合する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
好ましい金属化合物の例示として、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム及び水酸化ナトリウムのような金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛及び酸化銅のような金属酸化物;並びに炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸カリウムのような金属炭酸化物が挙げられる。金属酸化物が好ましい。より好ましくは、二価金属を含む酸化物である。二価金属を含む酸化物は、共架橋剤と反応して、金属架橋を形成する。特に好ましい金属酸化物としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、コア4における共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して25質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、共架橋剤と共に有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。汎用性の観点から、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、コア4における有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。好ましい有機硫黄化合物の例示として、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;及びビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体が挙げられる。好ましい有機硫黄化合物の他の例示として、2−チオナフトール、1−チオナフトール、2−クロロ−1−チオナフトール、2−ブロモ−1−チオナフトール、2−フルオロ−1−チオナフトール、2−シアノ−1−チオナフトール、2−アセチル−1−チオナフトール、1−クロロ−2−チオナフトール、1−ブロモ−2−チオナフトール、1−フルオロ−2−チオナフトール、1−シアノ−2−チオナフトール、1−アセチル−2−チオナフトール等のチオナフトール類並びにこれらの金属塩が例示される。有機硫黄化合物は、反発性能に寄与する。より好ましい有機硫黄化合物は、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド、ジフェニルジスルフィド及び2−チオナフトールである。特に好ましい有機硫黄化合物は、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.10質量部以上が好ましく、0.15質量部以上がより好ましく、0.20質量部以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この量は5.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、
(A)カルボン酸及び/又はその塩
を含む。
このカルボン酸及び/又はその塩(A)は、共架橋剤と反応しうる。カルボン酸及び/又はその塩(A)は、カチオン成分との反応性を有する。カルボン酸は、コア4の加熱・成形時に解離して、共架橋剤のカチオン成分と反応する。カルボン酸は、コア4の内部で、共架橋剤による金属架橋を阻害すると考えられる。カルボン酸塩に含まれる酸成分は、共架橋剤との間で、カチオン成分を交換する。カルボン酸塩は、コア4の加熱・成形時に、共架橋剤による金属架橋を切断すると推測される。
共架橋剤との反応性という観点から、カルボン酸及び/又はその塩(A)におけるカルボン酸成分の炭素数は、1以上が好ましく、4以上がより好ましい。カルボン酸及び/又はその塩(A)におけるカルボン酸成分の炭素数は、30以下が好ましく、25以下が特に好ましい。
好ましいカルボン酸及び/又はその塩(A)として、脂肪族カルボン酸(脂肪酸)及びその塩並びに芳香族カルボン酸及びその塩が例示される。ゴム組成物が、飽和脂肪酸及びその塩を含んでもよく、不飽和脂肪酸及びその塩を含んでもよい。コア4の外剛内柔構造が得られるとの観点から、脂肪族カルボン酸及びその塩並びに芳香族カルボン酸及びその塩が、好ましい。
脂肪族カルボン酸として、酪酸(C4)、吉草酸(C5)、カプロン酸(C6)、エナント酸(C7)、カプリル酸(オクタン酸)(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(デカン酸)(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、ミリストレイン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、パルミトレイン酸(C16)、マルガリン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、エライジン酸(C18)、バクセン酸(C18)、オレイン酸(C18)、リノール酸(C18)、リノレン酸(C18)、12−ヒドロキシステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ガドレイン酸(C20)、アラキドン酸(C20)、エイコセン酸(C20)、べヘニン酸(C22)、エルカ酸(C22)、リグノセリン酸(C24)、ネルボン酸(C24)、セロチン酸(C26)、モンタン酸(C28)及びメリシン酸(C30)が例示される。2種以上の脂肪族カルボン酸が併用されてもよい。カプリル酸(オクタン酸)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びベヘニン酸が好ましい。
芳香族カルボン酸は、芳香環とカルボキシル基とを有する。芳香族カルボン酸として、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸(ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸)、トリメリット酸(ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸)、トリメシン酸(ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸)、メロファン酸(ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸)、プレーニト酸(ベンゼン−1,2,3,5−テトラカルボン酸)、ピロメリット酸(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸)、メリット酸(ベンゼンヘキサカルボン酸)、ジフェン酸(ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸)、トルイル酸(メチル安息香酸)、キシリル酸、プレーニチル酸(2,3,4−トリメチル安息香酸)、γ−イソジュリル酸(2,3,5−トリメチル安息香酸)、ジュリル酸(2,4,5−トリメチル安息香酸)、β−イソジュリル酸(2,4,6−トリメチル安息香酸)、α−イソジュリル酸(3,4,5−トリメチル安息香酸)、クミン酸(4−イソプロピル安息香酸)、ウビト酸(5−メチルイソフタル酸)、α−トルイル酸(フェニル酢酸)、ヒドロアトロパ酸(2−フェニルプロパン酸)及びヒドロケイ皮酸(3−フェニルプロパン酸)が例示される。安息香酸が好ましい。
カルボン酸及び/又はその塩(A)が、ヒドロキシル基、アルコキシ基又はオキソ基で置換された芳香族カルボン酸であってもよい。このカルボン酸としては、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、アニス酸(メトキシ安息香酸)、クレソチン酸(ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、o−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸)、m−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸)、p−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸)、o−ピロカテク酸(2,3−ジヒドロキシ安息香酸)、β−レソルシル酸(2,4−ジヒドロキシ安息香酸)、γ−レソルシル酸(2,6−ジヒドロキシ安息香酸)、プロトカテク酸(3,4−ジヒドロキシ安息香酸)、α−レソルシル酸(3,5−ジヒドロキシ安息香酸)、バニリン酸(4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸)、イソバニリン酸(3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸)、ベラトルム酸(3,4−ジメトキシ安息香酸)、o−ベラトルム酸(2,3−ジメトキシ安息香酸)、オルセリン酸(2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸)、m−ヘミピン酸(4,5−ジメトキシフタル酸)、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、シリング酸(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸)、アサロン酸(2,4,5−トリメトキシ安息香酸)、マンデル酸(ヒドロキシ(フェニル)酢酸)、バニルマンデル酸(ヒドロキシ(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸)、ホモアニス酸((4−メトキシフェニル)酢酸)、ホモゲンチジン酸((2,5−ジヒドロキシフェニル)酢酸)、ホモプロトカテク酸((3,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸)、ホモバニリン酸((4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸)、ホモイソバニリン酸((3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)酢酸)、ホモベラトルム酸((3,4−ジメトキシフェニル)酢酸)、o−ホモベラトルム酸((2,3−ジメトキシフェニル)酢酸)、ホモフタル酸(2−(カルボキシメチル)安息香酸)、ホモイソフタル酸(3−(カルボキシメチル)安息香酸)、ホモテレフタル酸(4−(カルボキシメチル)安息香酸)、フタロン酸(2−(カルボキシカルボニル)安息香酸)、イソフタロン酸(3−(カルボキシカルボニル)安息香酸)、テレフタロン酸(4−(カルボキシカルボニル)安息香酸)、ベンジル酸(ヒドロキシジフェニル酢酸)、アトロラクチン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸)、トロパ酸(3−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸)、メリロット酸(3−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン酸)、フロレト酸(3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸)、ヒドロカフェー酸(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸)、ヒドロフェルラ酸(3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン酸)、ヒドロイソフェルラ酸(3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパン酸)、p−クマル酸(3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリル酸)、ウンベル酸(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸)、カフェー酸(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸)、フェルラ酸(3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アクリル酸)、イソフェルラ酸(3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アクリル酸)及びシナピン酸(3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)アクリル酸)が例示されうる。
カルボン酸及び/又はその塩(A)に含まれるカチオン成分は、金属イオン又は有機陽イオンである。金属イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、銀イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、カドミウムイオン、銅イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、錫イオン、ジルコニウムイオン及びチタンイオンが例示される。2種以上のイオンが併用されてもよい。亜鉛イオン及びマグネシウムイオンが好ましい。
有機陽イオンは、炭素鎖を有する。有機陽イオンとして、有機アンモニウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンとして、ステアリルアンモニウムイオン、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン及び2−エチルヘキシルアンモニウムイオンのような1級アンモニウムイオン;ドデシル(ラウリル)アンモニウムイオン及びオクタデシル(ステアリル)アンモニウムイオンのような2級アンモニウムイオン;トリオクチルアンモニウムイオンのような3級アンモニウムイオン;並びにジオクチルジメチルアンモニウムイオン及びジステアリルジメチルアンモニウムイオンのような4級アンモニウムイオンが例示される。2種以上の有機陽イオンが併用されてもよい。
前述のカチオン交換反応の容易性から、脂肪族カルボン酸塩が用いられてもよい。脂肪族カルボン酸と脂肪族カルボン酸塩とが併用されてもよく、2種以上の脂肪族カルボン酸塩が併用されてもよい。
好ましい脂肪族カルボン酸塩として、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びベヘニン酸のカリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、ニッケル塩及びコバルト塩が例示される。カルボン酸の亜鉛塩が特に好ましい。好ましいカルボン酸塩の具体例として、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。
スピン抑制の観点から、カルボン酸及び/又はその塩(A)の量は、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この量は40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
共架橋剤として、アクリル酸亜鉛が好んで用いられている。ゴムへの分散性の向上を目的として、その表面がステアリン酸又はステアリン酸亜鉛でコーティングされているアクリル酸亜鉛が存在する。このアクリル酸亜鉛をゴム組成物が含む場合、アクリル酸亜鉛にコーティングされているステアリン酸又はステアリン酸亜鉛は、カルボン酸及び/又はその塩(A)の概念には含まれない。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、比重調整の役割のみならず、架橋助剤としても機能する。コア4には、硫黄、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の中心のJIS−C硬度Hoは、40以上70以下が好ましい。硬度Hoが40以上であるコア4により、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、硬度Hoは45以上がより好ましく、50以上が特に好ましい。硬度Hoが70以下であるコア4により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度Hoは65以下がより好ましく、60以下が特に好ましい。コア4が切断されて得られる半球の切断面の中心点に、JIS−C型硬度計が押しつけられることにより、硬度Hoが測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
コア4の表面のJIS−C硬度Hsは、80以上96以下が好ましい。硬度Hsが80以上であるコア4により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度Hsは82以上がより好ましく、84以上が特に好ましい。硬度Hsが96以下であるコア4により、優れた耐久性が得られる。この観点から、硬度Hsは94以下がより好ましく、92以下が特に好ましい。コア4の表面にJIS−C型硬度計が押しつけられることにより、硬度Hsが測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
好ましくは、硬度Hsは、硬度Hoよりも大きい。このコア4では、外剛内柔構造が形成されている。このコア4を備えたゴルフボール2では、ドライバーショットにおけるスピン速度が抑制される。この観点から、硬度Hsと硬度Hoとの差(Hs−Ho)は27以上が好ましく、28以上がより好ましく、30以上がより好ましい。反発性能の観点から、差(Hs−Ho)は40以下が好ましく、37以下がより好ましく、35以下がより好ましい。
カルボン酸及び/又はその塩(A)は、コア4の外剛内柔構造に寄与する。この外剛内柔構造は、ドライバーショットにおけるスピン速度を抑制しうる。差(Hs−Ho)を大きくする観点から、コア4の上記ゴム組成物は、カルボン酸及び/又はその塩(A)を含むのが好ましい。
反発性能の観点から、コア4の直径は36.0mm以上が好ましく、36.5mm以上がより好ましい。コア4の直径は42.0mm以下が好ましく、41.0mm以下がより好ましく、40.2mm以下が特に好ましい。コア4の質量は、25g以上42g以下が好ましい。コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。たとえばコア4が、球状のセンターと、このセンターの外側に位置する包囲層とを有していても良い。
第1中間層10には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材樹脂として、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。
第1中間層10が、高弾性樹脂を含んでもよい。高弾性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミノビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセアール、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−スチレン共重合体が例示される。
反発性能の観点から、第1中間層10における好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂である。このゴルフボール2のカバーは薄い。このゴルフボール2が打撃されると、カバーが薄いことに起因して、中間層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂及びポリアミド樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂を含む第1中間層10は、反発性能に寄与する。アイオノマー樹脂とポリアミド樹脂とが混合されて用いられてもよい。
第2中間層12には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材樹脂として、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。
第2中間層12が、高弾性樹脂を含んでもよい。高弾性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミノビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセアール、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−スチレン共重合体が例示される。
反発性能の観点から、第2中間層12における好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂である。このゴルフボール2のカバーは薄い。このゴルフボール2が打撃されると、カバーが薄いことに起因して、中間層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂及びポリアミド樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂を含む第2中間層12は、反発性能に寄与する。アイオノマー樹脂とポリアミド樹脂とが混合されて用いられてもよい。
第3中間層14には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材樹脂として、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。
第3中間層14が、高弾性樹脂を含んでもよい。高弾性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミノビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセアール、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−スチレン共重合体が例示される。
反発性能の観点から、第3中間層14における好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂である。このゴルフボール2のカバーは薄い。このゴルフボール2が打撃されると、カバーが薄いことに起因して、中間層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂及びポリアミド樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂又はポリアミド樹脂を含む第3中間層14は、反発性能に寄与する。アイオノマー樹脂とポリアミド樹脂とが混合されて用いられてもよい。
上述の通り、第1中間層10、第2中間層12及び第3中間層14には、アイオノマー樹脂が用いられうる。特に、第2中間層12には、アイオノマー樹脂が好適に用いられうる。好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体である。
二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランAM7337」、「ハイミランMK7320」、「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが併用されてもよい。
上述の通り、第1中間層10、第2中間層12及び第3中間層14には、ポリアミド樹脂が用いられうる。特に、第2中間層12には、ポリアミド樹脂が好適に用いられうる。ポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−NH−CO−)を複数有する重合体である。脂肪族系ポリアミド、芳香族系ポリアミド及びアミド共重合体等が挙げられる。脂肪族系ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T及びポリアミド612が例示される。芳香族系ポリアミドとしては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド及びポリ−m−フェニレンイソフタルアミドが例示される。アミド共重合体としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエステルアミド共重合体、ポリエーテルエステルアミド共重合体及びポリアミドイミド共重合体が例示される。ポリアミド樹脂が、2以上のポリアミドを含有してもよい。脂肪族系ポリアミドが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド11及びポリアミド12が特に好ましい。汎用性の観点から、好ましいポリアミド樹脂は、ナイロン6である。
ポリアミド樹脂の具体例としては、三菱エンジニアリング社の商品名「ノバミッドST220」、「ノバミッド1010C2」及び「ノバミッドST145」;アルケマ社の商品名「ペバックス4033SA」;宇部興産社の商品名「UBEナイロン1018I」、「UBEナイロン1030J」、「UBESTAP3014U」、「UBESTA3035JU6」及び「UBESTA PAE1200U2」;デュポン社の商品名「ザイテルFN716」及び「ザイテルST811HS」;東レ社の商品名「アミランU441」、「アミランU328」及び「アミランU141」並びに旭化成社の商品名「レオナ1300S」が挙げられる。
アイオノマー樹脂とポリアミド樹脂とが併用される場合、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされるのが好ましい。全基材ポリマーに占めるアイオノマー樹脂の比率は50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70%以上が特に好ましい。アイオノマー樹脂とポリアミド樹脂からなる基材樹脂が、さらに他の樹脂を含んでもよい。
第1中間層10、第2中間層12及び第3中間層14の樹脂組成物には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の量は、中間層6の各層において意図した比重が達成されるように適宜決定される。
中間層6の各層の配合は、後述される条件を考慮して設定されうる。反発性能の観点から、第2中間層12が樹脂組成物で形成されており、この樹脂組成物の基材樹脂の主成分が、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物から選択されるのが好ましい。
第1中間層10の厚みTinmは、第1中間層10の体積Vinmについて後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。耐久性の観点から、厚みTinmは、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、厚みTinmは1.2mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。
第2中間層12の厚みTmは、第2中間層12の体積Vmについて後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。耐久性の観点から、厚みTmは、0.8mm以上が好ましく、0.9mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、厚みTmは1.4mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましい。
第3中間層14の厚みToumは、第3中間層14の体積Voumについて後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。耐久性の観点から、厚みToumは、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、厚みToumは1.2mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。
好ましくは、中間層6の外径は、40.9mm以上42.1mm以下である。
第1中間層10の体積Vinmは、後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。好ましくは、体積Vinmは2700mm以上4600mm以下である。
第2中間層12の体積Vmは、後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。好ましくは、体積Vmは3900mm以上5400mm以下である。
第3中間層14の体積Voumは、後述する条件が満たされるように、適宜調整されうる。好ましくは、体積Voumは3500mm以上4500mm以下である。
ドライバーショットでのスピン抑制の観点から、第2中間層12のショアD硬度Hmは68以上がより好ましく、69以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。打球感の観点から、硬度Hmは80以下が好ましく、76以下がより好ましい。
本発明では、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、第2中間層12の硬度Hmが測定される。測定には、ショアD型硬度計が取り付けられた自動ゴム硬度計(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。測定には、熱プレスで成形された、第2中間層12と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
反発性能及び耐久性能の観点から、第1中間層10のショアD硬度Hinmは40以上が好ましく、48以上がより好ましい。打球感の観点から、硬度Hinmは58以下が好ましく、55以下がより好ましい。硬度Hinmは、硬度Hmと同様の方法にて測定される。
ドライバーショットでのスピン抑制の観点から、第3中間層14のショアD硬度Houmは45以上が好ましく、48以上がより好ましい。アプローチ性能の観点から、硬度Houmは60以下が好ましく、55以下がより好ましい。硬度Houmは、硬度Hmと同様の方法にて測定される。
カバー8には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の好ましい基材樹脂は、ウレタン樹脂又はウレア樹脂である。この樹脂組成物のより好ましい基材樹脂は、ウレタン樹脂である。ウレタン樹脂の主成分はポリウレタンである。ポリウレタンは、軟質である。ポリウレタンを含む樹脂組成物からなるカバー8を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。この樹脂組成物からなるカバー8は、ショートアイアンでのショットにおけるアプローチ性能に寄与する。ポリウレタンは、カバー8の耐擦傷性能にも寄与する。さらに、ポリウレタンは、パター又はショートアイアンで打撃されたときの優れた打球感にも寄与しうる。
カバー8の成形容易の観点から、好ましい基材樹脂は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分のためのイソシアネートとしては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー8の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー8の損傷が抑制される。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY83A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY88A」、「エラストランNY90A」、「エラストランNY97A」、「エラストランNY585」、「エラストランXKP016N」、「エラストラン1195ATR」、「エラストランET890A」及び「エラストランET88050」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び「レザミンPS62490」が挙げられる。カバー8の小さな硬度が達成されうるとの観点から、「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY83A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY90A」及び「エラストランNY97A」が特に好ましい。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用されてもよい。併用されうる樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー及びアイオノマー樹脂が挙げられる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用される場合、スピン性能及び耐擦傷性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占める熱可塑性ポリウレタンエラストマーの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー8には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。
カバー8のショアD硬度Hcは、36以下が好ましい。硬度Hcが36以下であるカバー8を有するゴルフボール2は、アプローチ性能及び打球感に優れる。この観点から、硬度Hcは、30以下がより好ましい。ドライバーショットにおける飛距離の観点から、硬度Hcは10以上が好ましく、15以上がより好ましい。硬度Hcは、硬度Hmと同様の方法にて測定される。
このゴルフボール2が打撃されたとき、ポリウレタンを含むカバー8が衝撃を吸収する。この吸収により、ソフトな打球感が達成される。特に、ショートアイアン又はパターで打撃されたとき、軟質のカバー8によって優れた打球感が達成される。
カバー8の厚みTcは、カバー8の体積Vcについて後述する条件が満たされるように適宜調整されうる。ドライバーショットでの高飛距離性能の観点から、好ましい厚みTcは、0.6mm以下である。厚みTcは、0.4mm以下がより好ましく、0.3mm以下が特に好ましい。耐久性及びアプローチ性能の観点から、好ましい厚みTcは、0.1mm以上である。厚みTcは、ランド18において測定される。
なお、体積Vcは、ディンプル16の容積を含む。体積Vcの算出において、カバー8の外面は、ランド18の表面を含む球面と見なされる。
カバー8の体積Vcは、後述する条件が満たされるように適宜調整されうる。好ましくは、体積Vcは、1500mm以上3200mm以下である。
カバー8の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。カバー8の成形時に、成形型のキャビティ面に形成されたピンプルにより、ディンプル16が形成される。
耐久性の観点から、中間層6とカバー8との間にさらに補強層20を有するゴルフボール2が好ましい(図1参照)。補強層20は、中間層6とカバー8との間に位置している。補強層20は、中間層6と堅固に密着し、カバー8とも堅固に密着する。補強層20により、カバー8の中間層6からの剥離が抑制される。このゴルフボール2は、比較的薄いカバー8を備える。薄いカバーがクラブフェースのエッジで打撃されると、シワが生じやすい。補強層20により、シワが抑制され、ゴルフボール2の耐久性が向上する。
補強層20の基材ポリマーには、二液硬化型熱硬化性樹脂が好適に用いられる。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。補強層20の強度及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
二液硬化型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂がポリアミド系硬化剤で硬化されることで得られる。二液硬化型エポキシ樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂が例示される。柔軟性、耐薬品性、耐熱性及び強靭性のバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。ポリアミド系硬化剤の具体例としては、ポリアミドアミン硬化剤及びその変性物が挙げられる。エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤との混合において、エポキシ樹脂のエポキシ当量とポリアミド系硬化剤のアミン活性水素当量との比は、1.0/1.4以上1.0/1.0以下が好ましい。
二液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤との反応によって得られる。ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有する主剤と活性水素を有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が用いられうる。特に、ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
補強層20が、着色剤(典型的には二酸化チタン)、リン酸系安定剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含んでもよい。添加剤は、二液硬化型熱硬化性樹脂の主剤に添加されてもよく、硬化剤に添加されてもよい。
補強層20は、主剤及び硬化剤が溶剤に溶解又は分散した液が、中間層6の表面に塗布されることで得られる。作業性の観点から、スプレーガンによる塗布が好ましい。塗布後に溶剤が揮発し、主剤と硬化剤とが反応して、補強層20が形成される。好ましい溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブチルアルコール及び酢酸エチルが例示される。
シワの抑制の観点から、補強層20の厚みは、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。補強層20が容易に形成されるとの観点から、厚みは100μm以下、さらには50μm以下、さらには20μm以下が好ましい。厚みは、ゴルフボール2の断面がマイクロスコープで観察されることで測定される。粗面処理により中間層6の表面が凹凸を備える場合は、凸部の直上で厚みが測定される。
シワの抑制の観点から、補強層20の鉛筆硬度は4B以上が好ましく、B以上がより好ましい。ゴルフボール2が打撃されたときの、カバー8から中間層6までの力の伝達ロスが小さいとの観点から、補強層20の鉛筆硬度は3H以下が好ましい。鉛筆硬度は、「JIS K5400」規格に準拠して測定される。
補強層20は、設けられなくてもよい。例えば、中間層6とカバー8とが十分に密着しており、シワが生じにくい場合は、補強層20が設けられなくてもよい。
打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量は、2.0mm以上が好ましく、2.2mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、この球体の圧縮変形量は3.6mm以下が好ましく、3.2mm以下がより好ましい。
圧縮変形量の測定では、球体(ゴルフボール2)が金属製の剛板の上に置かれる。この球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初期荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、測定される。
ゴルフボール2は、以下の関係式(a)から(g)を満たしている。
(a)Hinm<Hm>Houm>Hc
(b)Vinm<Vm>Voum>Vc
(c)Hm−Hc>25
(d)(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V<0.40
(e)Vm/Vc>1.50
(f)(Vm・Hm)/(Vc・Hc)>3.0
(g)Vc/V<0.08
[(a)Hinm<Hm>Houm>Hc]
第1中間層10の硬度Hinmは第2中間層12の硬度Hmより小さいのが好ましい。硬度Hmは、第3中間層14の硬度Houmより大きいのが好ましい。硬度Houmは、カバー8の硬度Hcよりも大きいのが好ましい。
硬度Hcが小さくされることで、アプローチ性能が向上する。より好ましくは、硬度Hcは、硬度Hinmよりも小さい。より好ましくは、4つの硬度Hinm、Hm、Houm及びHcの中で、硬度Hcが最小とされる。硬度Hmが硬度Hinmより大きくされることで、反発性能が向上する。
ドライバーショットにおけるスピン抑制及び反発性能の観点から、硬度Houmは、硬度Hinmよりも大きいのが好ましい。
4つの硬度Hinm、Hm、Houm及びHcの中で、硬度Houmが最も大きい場合、打球感が硬くなる。この硬い打球感を回避するために、カバー8が厚くされると、ドライバーショットでの飛距離性能が低下しうる。上記(a)の硬度順序は、飛距離性能と打球感との両立に寄与する。
ボール表面の近傍は、大きく変形しやすい。この近傍において、ボール2は、第2中間層12、第3中間層14、カバー8の順に、硬度が小さくなる。即ち、このゴルフボール2では、大きく変形しやすい部分において、硬度が急激には変動しない。このゴルフボール2では、打撃されたときに局所的な負荷がかかりにくい。このゴルフボール2は、耐久性に優れる。
[(b)Vinm<Vm>Voum>Vc]
第1中間層10の体積Vinmは第2中間層12の体積Vmより小さいのが好ましい。体積Vmは、第3中間層14の体積Voumより大きいのが好ましい。体積Voumは、カバー8の体積Vcよりも大きいのが好ましい。
体積Vcが小さくされることで、軟質なカバー8であっても、反発性能が阻害されない。より好ましくは、体積Vcは、体積Vinmよりも小さい。より好ましくは、4つの体積Vinm、Vm、Voum及びVcの中で、体積Vcが最小とされる。体積Vmが体積Vinmより大きくされることで、反発性能が向上する。ドライバーショットでのスピン抑制及び反発性能の観点から、体積Voumは、体積Vinmよりも大きいのが好ましい。
4つの体積Vinm、Vm、Voum及びVcの中で、体積Voumが最も大きく、且つ、硬度Houmが硬度Hcより大きい場合、打球感が硬くなる。この硬い打球感を回避するために、カバー8が厚くされると、ドライバーショットでの飛距離性能が低下しうる。上記(b)の体積順序は、飛距離性能と打球感との両立に寄与する。
ゴルフボール2では、コア4の外側からボール表面にかけて、第1中間層10、第2中間層12、第3中間層14及びカバー8が適正なバランスで配置されている。球体であるゴルフボール2では、各層の体積の変動が、諸性能に対して大きな影響を及ぼす。本発明に係るゴルフボール2では、第1中間層10、第2中間層12、第3中間層14及びカバー8が、それぞれの層の体積を基準にして配置されている。このゴルフボール2では、打球感及び耐久性が阻害されることなく、高飛距離性能と、アプローチ性能とが高次元で両立されうる。
上記(b)の体積順序は、上記(a)の硬度順序に対応している。上記(a)の硬度順序と、上記(b)の体積順序とにより、相乗効果が奏される。この相乗効果は、飛距離性能と打球感との両立に寄与する。
[(c)Hm−Hc>25]
第2中間層12の硬度Hmとカバー8の硬度Hcとの差(Hm−Hc)は、25より大きいのが好ましい。この条件が満たされるゴルフボール2では、ドライバーショットにおけるスピン速度が十分に抑制されうる。このゴルフボール2がドライバーで打撃された時の飛距離は大きい。この観点から、差(Hm−Hc)は、27以上がより好ましく、35以上がより好ましい。耐久性の観点から、差(Hm−Hc)は、55以下が好ましく、50以下がより好ましい。
[Houm−Hc]
アプローチ性能と反発性能との両立の観点から、第3中間層14の硬度Houmとカバー8の硬度Hcとの差(Houm−Hc)は、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がより好ましい。差(Hm−Hc)の好ましい範囲を考慮すると、差(Houm−Hc)は、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がより好ましい。
[(d)(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V<0.40]
第1中間層10の体積Vinm、第2中間層12の体積Vm、第3中間層14の体積Voum及びカバー8の体積Vcの総和が考慮される。この総和(Vinm+Vm+Voum+Vc)の、ボール2の体積Vに対する比[(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V]が考慮される。この比[(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V]は、0.40より小さいのが好ましい。このゴルフボール2では、十分に大きいコア4が形成されることにより、コア4の優れた反発性能が発揮されうる。この観点から、比[(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V]は、0.38以下が好ましく、0.36以下がより好ましい。中間層6及びカバー8の総体積とコア4の体積とのバランスの観点から、比[(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V]は、0.28以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。
なお、ボール2の体積Vは、ディンプル16の容積を含む。体積Vの算出において、カバー8の外面は、ランド18の表面を含む球面と見なされる。
[(e)Vm/Vc>1.50]
第2中間層12の体積Vmの、カバー8の体積Vcに対する比(Vm/Vc)は、1.50より大きいのが好ましい。ゴルフボール2では、最も軟質なカバー8と、カバー8よりも硬質な第2中間層12とがバランス良く配置されている。このゴルフボール2では、カバー8が軟質であるにもかかわらず、ドライバーショットでのスピン速度が十分に抑制されうる。この観点から、比(Vm/Vc)は、1.70以上がより好ましく、2.50以上が特に好ましい。カバー8と第2中間層12とのバランスの観点から、Vm/Vcは、3.5以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。
[Voum/Vc]
第3中間層14の体積Voumの、カバー8の体積Vcに対する比(Voum/Vc)は、1.20以上が好ましく、1.30以上がより好ましい。ゴルフボール2では、最も軟質なカバー8と、カバー8よりも硬質な第3中間層14とがバランス良く配置されている。第3中間層14は、第2中間層12に起因する効果を阻害しない。このゴルフボール2は、カバー8が軟質であるにもかかわらず、反発性能に優れる。第3中間層14とカバー8とのバランスの観点から、Voum/Vcは、3.50以下が好ましい。
[(f)(Vm・Hm)/(Vc・Hc)>3.0]
第2中間層12に関して、体積Vmと硬度Hmとの積(Vm・Hm)は、体積及び硬度を反映した総合的な指標である。カバー8に関して、体積Vcと体積Hcとの積(Vc・Hc)は、体積及び硬度を反映した総合的な指標である。
好ましくは、積(Vm・Hm)及び積(Vc・Hc)について、以下の関係(f)が成立する。
(f)(Vm・Hm)/(Vc・Hc)>3.0
即ち、比[(Vm・Hm)/(Vc・Hc)]が、3.0より大きい。このゴルフボール2では、第2中間層12と、カバー8とのバランスが適正である。このゴルフボール2では、カバー8が軟質であるにもかかわらず、ドライバーショットでのスピン速度が十分に抑制されうる。この観点から、比[(Vm・Hm)/(Vc・Hc)]は、4.0以上がより好ましく、6.0以上がより好ましい。第2中間層12とカバー8とのバランスの観点から、(Vm・Hm)/(Vc・Hc)は、9.5以下が好ましく、8.5以下がより好ましい。
[(g)Vc/V<0.08]
好ましくは、カバー8の体積Vcの、ボール2の体積Vに対する比(Vc/V)が、0.08より小さい。このゴルフボール2では、ドライバーショットにおけるスピン抑制が、軟質なカバー8の存在により阻害されない。この観点から、比(Vc/V)は、0.07以下がより好ましく、0.04以下がより好ましい。耐久性の観点から、比(Vc/V)は、0.01以上が好ましい。
このゴルフボール2のカバー8の硬度Hcは、第2中間層12の硬度Hmよりも小さく、且つ、第3中間層14の硬度Houmよりも小さい。このゴルフボール2がドライバーで打撃されたとき、ヘッド速度が大きいので、コア4及び中間層6からなる球体が大きく歪む。コア4には、外剛内柔構造が形成されている。このコア4により、スピン速度が抑制される。コア4の変形と復元とにより、ゴルフボール2が速い速度で打ち出される。スピン速度の抑制と、速い打ち出し速度とにより、大きな飛距離が達成される。このゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたとき、ヘッド速度が小さいので、コア4及び中間層6からなる球体の歪みは小さい。ショートアイアンで打撃されたときのゴルフボール2の挙動は、主としてカバー8に依存する。このゴルフボール2では、カバー8が軟質なので、ゴルフボール2とクラブフェースとのスリップが抑制される。スリップの抑制により、大きなスピン速度が得られる。大きなスピン速度により、優れたアプローチ性能が達成される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
コアの組成として、表1のタイプ1が採用された。100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、33質量部のアクリル酸亜鉛(三新化学工業社の商品名「サンセラーSR」)、5質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、5質量部の安息香酸(東京化成工業社製)、0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日油社の商品名「パークミルD」)及び0.5質量部のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド(PBDS:川口化学工業社製)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、150℃の温度下で20分間加熱して、直径が36.9mmである球状のコアを得た。ボール質量が45.6gとなるように、硫酸バリウムの量が調整された。
第1中間層の組成として、表2のタイプfが採用された。26質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7337」)、35質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7329」)、16質量部のエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ニュクレルN1050H」)、23質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンT3221C」)及び3質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。押出条件は、スクリュー径が45mmであり、スクリュー回転数が200rpmであり、スクリューL/Dが35であり、ダイ温度が160℃から230℃であった。金型に、コアを投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに射出し、第1中間層を成形した。この第1中間層の厚みは、0.8mmであった。
第2中間層の組成として、表2のタイプaが採用された。50質量部のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン8150」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン9150」)及び3質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で前述の押出条件にて混練し、樹脂組成物を得た。金型に、コア及び第1中間層からなる球体を投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にて球体の周りに射出し、第2中間層を成形した。この第2中間層の厚みは、1.0mmであった。
第3中間層の組成として、表2のタイプeが採用された。31.5質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7337」)、38.5質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7329」)、16質量部のエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ニュクレルN1050H」)、14質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンT3221C」)及び3質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で前述の押出条件にて混練し、樹脂組成物を得た。金型に、コア、第1中間層及び第2中間層からなる球体を投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にて球体の周りに射出し、第3中間層を成形した。この第3中間層の厚みは、0.8mmであった。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とからなる。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の二酸化チタンとからなる。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を第3中間層の表面にエアガンで塗布し、23℃雰囲気下で12時間保持して、補強層を得た。補強層の厚みは、7μmであった。
カバーの組成として、表3のタイプAが採用された。100質量部の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(前述の「エラストランNY82A」)、0.2質量部のヒンダードアミン系光安定剤(チバジャパン社の商品名「チヌビン770」)、4質量部の二酸化チタン及び0.04質量部のウルトラマリンブルーを二軸混練押出機で前述の押出条件にて混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを成形した。このハーフシェル2枚で、コア、第1中間層、第2中間層、第3中間層及び補強層からなる球体を被覆した。共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなり、キャビティ面に多数のピンプルを備えたファイナル金型に、上記球体及びハーフシェルを投入した。圧縮成形法にて、カバーを得た。このカバーの厚みは、0.3mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。このカバーの表面を研磨した。このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料をエアガンで塗装し、乾燥硬化して、直径が42.7mm、質量45.6gである実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2から10及び比較例1から9]
コア、第1中間層、第2中間層、第3中間層及びカバーの仕様を下記の表4から7に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から10及び比較例1から9のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下記の表1に示されている。中間層の樹脂組成物の詳細が、下記の表2に示されている。カバーの樹脂組成物の詳細が、下記の表3に示されている。比較例5に係るゴルフボールの中間層は二層である。比較例5は、第3中間層を有さない。比較例7に係るゴルフボールの中間層は二層である。比較例7は、第1中間層を有さない。実施例6では、第1、第2及び第3の中間層のうち、第2中間層のみが、ポリアミド樹脂を含む。
[反発係数]
重量198.4gの金属製円筒物を、45m/secの速度でゴルフボールに衝突させた。衝突前後の金属製円筒物及びゴルフボールの速度を測定することにより、反発係数を算出した。12個のゴルフボールについて得られた平均値が、指数として下記の表8から11に示されている。指数が大きいほど、ゴルフボールの反発性能が優れている。
[ドライバー(W#1)でのショット]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、チタンヘッドを備えたドライバー(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.0°)を装着した。ヘッド速度が45m/secである条件で、ゴルフボールを打撃した。打撃直後のバックスピン速度、及び、発射地点から静止地点までの距離を測定した。10回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表8から11に示されている。
[サンドウエッジ(SW)による打撃]
ツルテンパー社のスイングマシンに、サンドウエッジ(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:R、ロフト角:56.0°)を装着した。ヘッド速度が21m/secである条件で、ゴルフボールを打撃した。打撃直後のバックスピン速度を測定した。10回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表8から11に示されている。
[耐久性]
ツルテンパー社製のスイングロボットM/Cに、チタンヘッドを備えたドライバー(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.0°)を装着した。23℃の温度下に12時間保管されたゴルフボールが測定に用いられた。ヘッドスピードが45m/秒である条件で、ゴルフボールを繰り返し打撃した。ゴルフボールが破壊されるまでの打撃回数が測定された。12個のゴルフボールについて得られた平均値が、指数として、下記の表8から11に示されている。指数が大きいほど、ゴルフボールの耐久性は優れている。
[打球感]
ゴルファーにドライバー(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.0°)にてゴルフボールを打撃させ、下記の基準により格付けを行った。この結果が、下記の表8から11に示されている。
A:極めて良好(ソフト)
B:良好(ややソフト)
C:やや不良(やや硬い)
D:不良(硬い)
Figure 0006322408
表1に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
BR730:JSR社の、ハイシスポリブタジエン(シス−1,4−結合含有量:96質量%、1,2−ビニル結合含有量:1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃)):55、分子量分布(Mw/Mn):3)
サンセラーSR:三新化学工業社のアクリル酸亜鉛(10質量%ステアリン酸コーティング品)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社の商品名「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社の商品名「硫酸バリウムBD」
安息香酸:東京化成工業社
ジクミルパーオキサイド:日油社の商品名「パークミルD」
PBDS:川口化学工業社のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド
Figure 0006322408
表2に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
ナイロン6:東レ社のポリアミド樹脂
二酸化チタン:石原産業社
Figure 0006322408
Figure 0006322408
Figure 0006322408
Figure 0006322408
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表4から7において、直径Iはコアの直径(mm)であり、直径IIはコアと第1中間層とからなる球体の直径(mm)であり、直径IIIはコア、第1中間層及び第2中間層からなる球体の直径(mm)であり、直径IVはコア、第1中間層、第2中間層及び第3中間層からなる球体の直径(mm)である。
Figure 0006322408
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表8から11に示されるように、実施例のゴルフボールは、高飛距離性能、アプローチ性能、打球感及び耐久性において優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおけるプラクティスに用いられうる。
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8・・・カバー
10・・・第1中間層
12・・・第2中間層
14・・・第3中間層
16・・・ディンプル
18・・・ランド
20・・・補強層

Claims (7)

  1. コアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えており、
    上記中間層が、第1中間層と、この第1中間層の外側に位置する第2中間層と、この第2中間層の外側に位置する第3中間層とを有しており、
    上記第1中間層の体積(mm)がVinmとされ、
    上記第1中間層のショアD硬度がHinmとされ、
    上記第2中間層の体積(mm)がVmとされ、
    上記第2中間層のショアD硬度がHmとされ、
    上記第3中間層の体積(mm)がVoumとされ、
    上記第3中間層のショアD硬度がHoumとされ、
    上記カバーの体積(mm)がVcとされ、
    上記カバーのショアD硬度がHcとされ、
    ボール全体の体積がVとされるとき、
    以下の関係式(a)から(g)を満たすゴルフボール。
    (a)Hinm<Hm>Houm>Hc
    (b)Vinm<Vm>Voum>Vc
    (c)Hm−Hc≧34
    (d)(Vinm+Vm+Voum+Vc)/V≦0.38
    (e)Vm/Vc≧1.70
    (f)(Vm・Hm)/(Vc・Hc)≧4.1
    (g)Vc/V≦0.07
  2. 上記硬度Hcが36以下である請求項に記載のゴルフボール。
  3. 上記第2中間層が樹脂組成物で形成されており、
    この樹脂組成物の基材樹脂の主成分が、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物から選択される請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記硬度Hmが68以上である請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 上記コアの表面のJIS−C硬度Hsが、上記コアの中心のJIS−C硬度Hoよりも大きく、
    上記硬度Hsと硬度Hoとの差(Hs−Ho)が28以上である請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記硬度Hinmが、上記硬度Houmよりも小さい請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記コアが、ゴム組成物が架橋されることで得られたものであり、
    上記ゴム組成物が、
    (A)カルボン酸及び/又はその塩
    を含んでいる請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
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