JP6322328B1 - 育苗容器用播種装置の繰出ロール - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来、横軸繰出ロールを、所定厚さのリング形状のリング板を重層させて形成し、繰出凹部を千鳥状に配置した構成は、公知である(特許文献2参照)。
すなわち、播種作業は田植機により圃場に移植する植付苗を得るために行われ、育苗容器に種子を播種して育苗する播種方法周知である。そして、一つの育苗容器に多くの種子を播く所謂厚播き播種して得られる植付苗は密集して育苗されるため、病気発生という課題があり、一つの育苗容器に少ない種子を播く所謂薄播き播種による植付苗は健康に育苗できるが、生産コストが係るという課題があり、従来の播種装置は、種々の間隔で繰出凹部を設けた横軸繰出ロールを搭載し、厚播きあるいは薄播きの専用機化している。
前記公知例のうちの後者の繰出ロールは、単に、単板を軸に挿通して重ねる構成のため、軸に挿通する作業が面倒であり、また、各単板の位置合わせおよび位置決めができず、繰出ロールの製造精度が低いという課題がある。また、繰出ロールの繰出凹部が千鳥状に配置されているが、単粒の種子が入る繰出凹部であり、厚播きに対応することはできず、厚播き対応を前提とした薄播きはできない。
本発明は、同じ横軸繰出ロールを使用しながら、厚播きから薄播きまでの播種作業の実現を可能にし、しかも、薄播きであっても均等な播種できるようにしたものである。
移送台1は、図示は省略するが、育苗容器Aのロールやベルト等の移送手段を有していればよく、支脚を有して床上に載置される。
播種装置Hは、フレーム10を前記移送台1の上方に設ける。フレーム10には種子供給ホッパー11を着脱自在に取付ける。
横軸繰出ロール15は直径150ミリメートル以上の大径に形成し、種子供給ホッパー11の前側誘導板12の先端は横軸繰出ロール15の真上より回転上昇側の側方に位置させ、繰出凹部16への種子の嵌合を良好にさせている。
播種装置Hによる播種は、一枚の育苗容器Aに1合(180cc)程度の種子を播種する所謂薄播きと同じ一枚の育苗容器Aに4合(720cc)程度播種する所謂厚播きとに対応させようとしており、薄播きでは健康な成苗を得ることを目的とし、厚播きでは多量の苗を得ることにより育苗コストを低減させることを目的としている。
しかし、従来の播種方法では、この薄播き播種する場合、単に、横軸繰出ロール15の回転速度を遅くするしか方法はなく、従来の播種方法では、図4のように、一列の横条溝から一列の種子群Gが播種され、各一列の種子群Gの育苗容器Aの長さ方向における播種列間隔が広くなってしまい、その結果、育苗容器Aの長さ方向の種子群Gの播種密度に比し一列の種子群Gの播種密度が高くなり、育苗容器A全体で均等に播種されず、健全な育苗は期待できない。
なお、図3の模式図では、理解を容易にするため、種子群Gを直線状に図示しているが、繰出凹部16への嵌り具合や種子の大きさ等の種々の要因により、図5のように、実際の播種状態では育苗容器Aの移送方向に前後にずれることになり、この点でも、育苗容器A全体に均等に播種されることになる。
なお、図2は繰出凹部16と空間部Kとの配置の理解を容易にするために、掻出用ナイフ18が嵌合するスリット17の図示を省略しているが、各繰出凹部16にスリット17を設けてもよい。
すなわち、横軸繰出ロール15を軸心方向において所定長さ(左右方向の所定幅)ごとに複数の播種ブロック25とし、各播種ブロック25の繰出凹部16は播種ブロック25の母線方向に播種ブロック25と同幅の横条溝に形成し、この各播種ブロック25の繰出凹部16が互いに同一直線上(同一母線上)に位置しないように円周方向にずらして配置する(図6、7)。
そのため、播種ブロック25の繰出凹部16の横には隣接する播種ブロック25のロール外面部24が位置し、このロール外面部24の横には隣接する播種ブロック25の繰出凹部16が交互に位置するので、育苗容器Aの種子群Gと空間部Kが育苗容器Aの移送方向(長さ方向)および幅方向に千鳥状に配置される。
したがって、横軸繰出ロール15の繰出凹部16に嵌合した種子は図3の模式図のように、播種ブロック25ごとに種子群Gとなって繰り出されて千鳥状に分散し、非常に種子量の少ない薄播きであっても、育苗容器Aの移送方向のみならず幅方向にも播種間隔を均等にすることができ、均等播種精度を向上させることができる。
しかして、横軸繰出ロール15の製造方法(組立方法)は任意であるが、本例では、所定厚さのリング形状のリング板30を合成樹脂の射出成形等により形成し、このリング板30を軸方向に複数重ねて横軸繰出ロール15に形成する。
各リング板30の外面側には、リング板30を重ねたときに横軸繰出ロール15の繰出凹部16となる凹部31を一対設け、一対の凹部31間にスリット17を形成する。
そのため、各リング板30は、重ねると、リング板30の嵌合段部33とフランジ部34とが嵌合して嵌り合うので、リング板30の重ね作業を容易にする。
各リング板30には内面側の所定位置には、後述する取付軸36を挿入する取付孔37を設けたボス部40を設け、ボス部40の一方側には前記嵌合用突部Tの一部を構成する突出部41を、他方側に前記嵌合用凹部Pの一部を構成する嵌合孔42を設ける。
なお、突出部41と前記フランジ部34とは、それぞれ反対方向に突出させ、突出部41および嵌合孔42とフランジ部34と嵌合段部33とが互いに嵌め合う方向で嵌合する構成とし、各リング板30の嵌め合いを強固にしている。
また、各リング板30を重ねると、ボス部40の突出部41と嵌合孔42とが嵌合して嵌り合うので、リング板30の重ね作業を容易にする。
これにより、播種ブロック25Aでは、各リング板30の凹部31が直線状に並んで、各凹部31により一条の繰出凹部16となる。
したがって、各播種ブロック25のリング板30のロール外面部24の側面26に次の播種ブロック25のリング板30の繰出凹部16が対峙することになる(図7、図8)。
47は横軸繰出ロール15のロール回転軸である。
また、各リング板30は、一対の凹部31と凹部31の間にスリット17を設けて構成する(図10)。
そのため、リング板30は、横軸繰出ロール15を構成するにあたり、一枚当たりのリング板30に単一の凹部31を有したものに比し、一対の凹部31を有しているので、一本の横軸繰出ロール15を構成するために必要な凹部31の数に対して半分の数のリング板30を用意すればよく、部品点数を減らして、製造および組立を容易にできる。
また、各リング板30のロール外面部24の側面26には、樹脂成形の際に生じる縮み(所謂ヒケ)発生防止用の凹部50を設ける(図8、図9)。
そのため、横軸繰出ロール15の製造精度を向上させることができる。
本実施形態では、4枚のリング板30により一つの播種ブロック25を構成し、5個の播種ブロック25により一本の横軸繰出ロール15となり、左右両側のリング板30のそれぞれの外側には円板状の固定用の側板44を設け、左右の側板44の外側の取付軸36には固定用ボルト46を螺合させる。
また、各リング板30と取付軸36と左右の側板44とは互いが互いの強度メンバーとなるので、別途ロールの骨格フレーム等を要することなく、横軸繰出ロール15を組み立てることができ、部品点数を減少させ、製造・組立コストを低減させられる。
前記側板44の外周面には、リング板30の凹部(繰出凹部16)31に対応した位置に凹部(繰出凹部16)31を設ける(図5、図12)。
そのため、育苗容器Aの内側幅寸法と同幅に横軸繰出ロール15の播種ブロック25を形成し、育苗容器Aの側壁51の上方に位置する横軸繰出ロール15の側板44にも凹部(繰出凹部16)31を設けているので、種子落下量の少なくなる育苗容器Aの左右側にも十分に種子を落下させられる。
そのため、約6ミリメートル平均の種子(種籾)の場合、凹部31に1粒嵌合し、各播種ブロック25の4個の凹部31により形成する一条の繰出凹部16には8粒嵌合(図3)する計算となる(なお、一部重なって嵌合する種子の数は考慮しておらず、実際の播種粒数とは相違すことはある。)。
しかして、横軸繰出ロール15の下方には条播ガイド52を着脱自在に設ける。条播ガイド52は並設したガイド体53により形成する分割落下口54を並設し、リンク機構55により上下自在に取付ける。
本発明は上記構成であり、播種装置Hの種子供給ホッパー11に種子を張り込み、移送台1に育苗容器Aを供給して移送させると、種子供給ホッパー11内の種子は前側誘導板12と後側誘導板13に誘導されて種子嵌合部14に至り、種子嵌合部14にて回転する横軸繰出ロール15の繰出凹部16に嵌合し、繰出凹部16に嵌合した種子は種子戻し回転ブラシ19の下方を通過し、繰出凹部16に嵌合していない種子は種子嵌合部14に掃き戻される。
この場合、横軸繰出ロール15は回転数を移送台1による育苗容器Aの移送速度に対して早くすると、種子の供給量(播種量)が多くなって所謂厚播きとなり、横軸繰出ロール15の回転数を移送台1による育苗容器Aの移送速度に対して遅くすると、種子の供給量(播種量)が少なくなって薄播きになるが、この薄播き播種する場合、単に、横軸繰出ロール15の回転速度を遅くすると、図4のように、育苗容器Aの長さ方向において播種列間隔が広くなってしまい、一列の種子群Gの播種密度が高くなり、均等に播種されないことになる。
換言すると、単に、母線方向に一直線状に形成した繰出凹部16を設けた横軸繰出ロール15で播種すると、母線方向に種子は密集すると共に、横軸繰出ロール15の回転方向には間隔が広くなってしまうが、本発明では、繰出凹部16を有する播種ブロック25が回転方向にずれているので、繰出凹部16とロール外面部24とが横軸繰出ロール15の回転方向および母線方向に交互に位置して播種されて、図3のように、種子群Gが千鳥状に分散される。
しかして、横軸繰出ロール15の製造方法(組立方法)は任意であるが、本例では、所定厚さのリング形状のリング板30を合成樹脂の射出成形等により形成し、このリング板30を軸方向に複数重ねて横軸繰出ロール15に形成しているので、切削加工による製造に比し、安価に製造できる。
各リング板30には内面側の所定位置には、後述する取付軸36を挿入する取付孔37を設けたボス部40を設け、ボス部40の一方側に突出部41を、他方側に嵌合孔42を設けているので、各リング板30を重ねるときに、ボス部40の突出部41と嵌合孔42を合わせるので、突出部41と嵌合孔42とが重ねる際の位置決めとなり、リング板30の重ね作業を容易にする。
リング板30の重ね方法は任意であるが、例えば、所定場所に載置したリング板30Aに上方から次のリング板30Bを、リング板30Aの突出部41(フランジ部34)にリング板30Bの嵌合孔42(嵌合段部33)が嵌合するように重ね、これを反復して、4枚のリング板30を重ねて播種ブロック25Aとなるので、播種ブロック25Aでは、各リング板30の凹部31が直線状に並んで組み立てたときの繰出凹部16となる。
また、各リング板30のロール外面部24の側面26には、樹脂成形の際に生じる縮み(所謂ヒケ)発生防止用の凹部50を設けているので、横軸繰出ロール15の製造精度を向上させることができる。
前記側板44の外周面には、リング板30の凹部(繰出凹部16)31に対応した位置に凹部(繰出凹部16)31を設けているので、育苗容器Aの内側幅寸法と同幅に横軸繰出ロール15を形成していても、育苗容器Aの側壁51の上方に位置する横軸繰出ロール15の側板44の凹部(繰出凹部16)31から種子が落下して、種子落下量の少なくなる育苗容器Aの左右側にも十分に種子を落下させられる。
Claims (1)
- 供給ホッパーの下方に設置して移送台1により移送中の育苗容器Aに種子を供給する横軸繰出ロール15であって、横軸繰出ロール15の外周面には、所定量の種子群Gが嵌合する横条溝形状の繰出凹部16を、横軸繰出ロール15の回転方向に所定間隔をおいて複数並設すると共に、前記繰出凹部16と略同じ大きさのロール外面部24とを横軸繰出ロール15の軸心方向に交互に配置し、もって、育苗容器Aに、繰出凹部16により播種される所定量の種子群Gとロール外面部24により播種されない空間部Kとが育苗容器Aの幅方向および移送方向に交互に千鳥状に位置するように構成し、前記横軸繰出ロール15は、所定厚さのリング形状のリング板30を合成樹脂の射出成形により形成し、このリング板30を横軸繰出ロール15の軸心方向に複数重ねて形成する構成とし、各リング板30の外面側には、このリング板30を重ねたときに前記横軸繰出ロール15の繰出凹部16となる凹部31と前記ロール外面部24とを、横軸繰出ロール15の回転方向に交互に設け、前記凹部31は略一粒の種子が嵌合する大きさとすると共に、一枚のリング板30に横軸繰出ロール15の軸心方向に2個並設し、この2個の凹部31の境目に繰出凹部16内に詰まった種子を落とす掻出用ナイフ18が嵌合するスリット17を設け、前記リング板30の側面の一方側には嵌合段部33を設け、該嵌合段部33の他方側には嵌合段部33に嵌合するフランジ部34を設け、各リング板30の内面側の所定位置には、重ねたリング板30に貫通するように挿入する取付軸36の取付孔37を設けたボス部40を設け、ボス部40の一方側には突出部41を、他方側には突出部41が嵌合する嵌合孔42を設け、前記嵌合段部33と前記フランジ部34および前記突出部41と前記嵌合孔42は、各リング板30を重ねたとき互いに嵌め合ったままとする構成とし、前記横軸繰出ロール15の幅に複数重ねたリング板30の左右両側面には側板44のみを当接させ、該側板44に固定用ボルト46を螺合させて各リング板30を固定した育苗容器用播種装置の繰出ロール。
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