以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素または特徴は、別に明示しない限り、選択的なものと考慮しなければならない。各構成要素または特徴が他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/または特徴を結合させて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に代えてもよい。
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末との間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われることもある。
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局、または基地局以外の他のネットワークノードにより行われうるということは自明である。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。また、本文書で基地局という用語は、セルまたはセクターを含む概念として用いることができる。一方、中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更可能である。
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されることがある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることかできる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明しない段階または部分を、上記の標準文書でサーポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書により説明することができる。
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)とすることができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術とすることができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術とすることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
図1は、本発明を実行するユーザー機器(UE)及び基地局(BS)の構成要素を示すブロック図である。
UEは、上りリンクでは送信装置として動作し、下りリンクでは受信装置として動作する。一方、BSは、上りリンクでは受信装置として動作し、下りリンクでは送信装置で動作する。
UE及びBSは、情報及び/またはデータ、信号、メッセージなどを受信できるアンテナ500a,500b、アンテナを制御してメッセージを伝送する送信器(Transmitter)100a,100b、アンテナを制御してメッセージを受信する受信器(Receiver)300a,300b、無線通信システム内の通信に関連した各種の情報を保存するメモリー200a,200bを備える。また、UE及びBSは、UEまたはBSに備えられた送信器、受信器、メモリーなどの構成要素と連動し、それらの構成要素を制御して本発明を実行するように構成されたプロセッサ400a,400bをそれぞれ備える。UE内の送信器100a、受信器300a、メモリー200a、プロセッサ400aはそれぞれ、別個のチップ(chip)により独立した構成要素として具現されてもよく、2つ以上が一つのチップ(chip)により具現されてもよい。同様に、BS内の送信器100b、受信器300b、メモリー200b、プロセッサ400bもそれぞれ、別個のチップにより独立した構成要素として具現されてもよく、2つ以上が一つのチップにより具現されてもよい。送信器と受信器とを統合してUEまたはBS内で単一の送受信器(transceiver)にしてもよい。
アンテナ500a,500bは、送信器100a,100bで生成された信号を外部に伝送したり、外部から無線信号を受信して受信器300a,300bに伝達する機能を果たす。アンテナ500a,500bはアンテナポートと呼ばれることもある。各アンテナポートは一つの物理アンテナに相当してもよく、一つよりも多い物理アンテナ要素(element)の組み合わせにより構成されてもよい。各アンテナポートから伝送された信号はUE内の受信器300aでそれ以上分解されることはない。該当のアンテナポートに対応して伝送された参照信号はUEの観点からのアンテナポートを定義し、チャネルが一物理アンテナからの単一(single)無線チャネルなのか、或いは、当該アンテナポートを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルなのかにかからわず、UEが当該アンテナポートに対するチャネル推定を行えるようにする。すなわち、アンテナポートは、当該アンテナポート上のシンボルを伝達するチャネルが、同アンテナポート上の他のシンボルが伝達されるチャネルから導出され得るように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援する送受信器は2個以上のアンテナに接続可能である。
プロセッサ400a,400bは、一般に、UEまたはBS内の各種モジュールの動作全般を制御する。特に、プロセッサ400a,400bは、本発明を実行するための各種の制御機能、サービス特性及び伝播環境によるMAC(Medium Access Control)フレーム可変制御機能、遊休モード動作を制御するための電力節約モード機能、ハンドオーバー(Handover)機能、認証及び暗号化機能などを実行することができる。プロセッサ400a,400bは、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ばれることもある。一方、プロセッサ400a,400bを、ハードウェア(hardware)、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、またはこれらの結合により具現することができる。ハードウェアを用いて本発明を具現する場合には、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、またはFPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ400a,400bに備えることができる。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を具現する場合には、本発明の機能または動作を行うモジュール、手順または関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行し得るように構成されたファームウェアまたはソフトウェアは、プロセッサ400a,400b内に備えられてもよく、メモリー200a,200bに保存されてプロセッサ400a,400bにより駆動されてもよい。
送信器100a,100bは、プロセッサ400a,400bまたは該プロセッサに接続したスケジューラからスケジューリングされて外部に伝送される信号及び/またはデータに所定の符号化(coding)及び変調(modulation)を行ってからアンテナ500a,500bに伝達する。例えば、送信器100a,100bは、伝送しようとするデータ列に逆多重化、チャネル符号化及び変調過程などを行ってK個のレイヤーに変換する。K個のレイヤーは送信器内の送信処理器を経て送信アンテナ500a,500bから伝送される。UE及びBSの送信器100a,100b及び受信器300a,300bは、送信信号及び受信信号を処理する過程によって異なる構成とすることができる。
メモリー200a,200bは、プロセッサ400a,400bの処理及び制御のためのプログラムを保存することができ、入出力される情報を臨時保存することができる。メモリー200a,200bはバッファーとして用いられてもよい。メモリーは、フラッシュメモリータイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)またはカードタイプのメモリー(例えば、SDまたはXDメモリーなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、PROM(Programmable Read−Only Memory)、磁気メモリー、磁気ディスク、光ディスクなどを用いて具現することができる。
図2は、ユーザー機器及び基地局内の送信器構造の一例を示す図である。図2を参照して、送信器100a,100bの動作についてより具体的に説明する。
図2を参照すると、UEまたは基地局内の送信器100a,100bは、スクランブラ301、変調マッパー302、レイヤーマッパー303、プリコーダ304、リソース要素マッパー305、及びOFDM信号生成器306を備えることができる。
送信器100a,100bは、一つ以上のコードワード(codeword)を送信することができる。各コードワード内の符号化されたビット(coded bits)はそれぞれ、スクランブラ301によりスクランブリングされて物理チャネル上で伝送される。コードワードは、データ列と呼ばれることもあり、MAC層が提供するデータブロックと等価である。MAC層が提供するデータブロックは伝送ブロックと呼ばれることもある。
スクランブルされたビットは、変調マッパー302により複素変調シンボル(complex−valued modulation symbols)に変調される。変調マッパー302は、スクランブルされたビットを既に決定された変調方式によって変調して、信号コンステレーション(signal constellation)上の位置を表現する複素変調シンボルに配置することができる。変調方式(modulation scheme)には制限がなく、m−PSK(m−Phase Shift Keying)またはm−QAM(m−Quadrature Amplitude Modulation)などを、上記の符号化されたデータの変調に用いることができる。
複素変調シンボルは、レイヤーマッパー303により一つ以上の伝送レイヤーにマッピングされる。
各レイヤー上の複素変調シンボルは、アンテナポート上での伝送のためにプリコーダ304によりプリコーディングされる。具体的に、プリコーダ304は、複素変調シンボルを多重送信アンテナ500−1,…,500−Ntに基づくMIMO方式で処理して、アンテナ特定シンボルを出力し、アンテナ特定シンボルを該当のリソース要素マッパー305に分配する。すなわち、伝送レイヤーのアンテナポートへのマッピングはプリコーダ304により行われる。プリコーダ304は、レイヤーマッパー303の出力xをNt×Mtのプリコーディング行列WとかけてNt×MFの行列zとして出力することができる。
リソース要素マッパー305は、各アンテナポートへの複素変調シンボルを適切なリソース要素(resource elements)にマッピング/割り当てる。リソース要素マッパー305は、各アンテナポートに対する複素変調シンボルを適切な副搬送波に割り当て、ユーザーに基づいて多重化することができる。
OFDM信号生成器306は、各アンテナポートに対する複素変調シンボル、すなわち、アンテナ特定シンボルを、OFDMまたはSC−FDM方式で変調し、複素時間ドメイン(complex−valued time domain)OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル信号またはSC−FDM(Single Carrier Frequency Division Multiplexing)シンボル信号を生成する。OFDM信号生成器306は、アンテナ特定シンボルにIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行うことができ、IFFTの行われた時間ドメインシンボルにはCP(Cyclic Prefix)を挿入することができる。OFDMシンボルは、デジタル−アナログ(digital−to−analog)変換、周波数アップ変換などを経て、各送信アンテナ500−1,…,500−Ntから受信装置に送信される。OFDM信号生成器306は、IFFTモジュール、P挿入器、DAC(Digital−to−Analog Converter)、及び周波数アップ変換器(frequency upconverter)などを備えることができる。
一方、送信器100a,100bがコードワードの送信にSC−FDM接続(SC−FDMA)方式を採択する場合は、送信器100a,100bが離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)モジュール307(あるいは、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)モジュール)を有することができる。この離散フーリエ変換は、アンテナ特定シンボルにDFT(Discrete Fourier Transform)あるいはFFT(Fast Fourier Transform)(以下、DFT/FFT)を行い、このDFT/FFTされたシンボルをリソース要素マッパー305に出力する。SC−FDMA(Single carrier FDMA)は、伝送信号のPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)あるいはCM(Cubic Metric)を下げて伝送する方式である。SC−FDMAによれば、伝送される信号が電力増幅器(power amplifier)の非線形(non−linear)歪み区間を避けて伝送されることが可能になる。そのため、送信器が既存のOFDM方式に比べてより低い電力で信号を伝送しても、受信器が一定の強度と誤り率を満たす信号を受信することとなる。すなわち、SC−FDMAによれば、送信装置の電力消耗を減らすことができる。
既存のOFDM信号生成器では、各副搬送波に載せられていた信号がIFFTを通過しながら多重搬送波変調(Multi Carrier Modulation、MCM)によって同時に並列に伝送されるため、電力増幅器効率が低下する問題があった。これに対し、SC−FDMAでは、副搬送波に信号をマッピングする前にまず情報をDFT/FFTする。DFT/FFTモジュール307を通過した信号はDFT/FFTの効果によりPAPRが増加する。DFT/FFTされた信号は、リソース要素マッパー305により副搬送波にマッピングされた後、再びIFFTされて時間ドメイン信号に変換される。すなわち、SC−FDMA送信器は、OFDM信号生成器の前段でDFTあるいはFFT演算をさらに行うから、PAPRがFFT入力端で増加してから、再びIFFTを通過しながら最終伝送信号のPAPRが減るようにする。この形態は、既存のOFDM信号生成器の前にDFTモジュール(あるいはFFTモジュール)307が追加されたのと同様であることから、SC−FDMAは、DFT−s−OFDM(DFT−spread OFDM)とも呼ばれる。
SC−FDMAは、単一搬送波性質を満たさなければならない。図3は、単一搬送波特性を満たしながら、入力シンボルを周波数ドメインで副搬送波にマッピングする例を示す図である。図3(a)及び図3(b)のいずれかによって、DFTされたシンボルが副搬送波に割り当てられると、単一搬送波性質を満たす伝送信号が得られる。図3(a)は局地的(localized)マッピング方法を、図3(b)は分散的(distributed)マッピング方法を示している。
一方、クラスタ(clustered)DFT−s−OFDMという方式が送信器100a,100bに採択されてもよい。クラスタDFT−s−OFDMは、既存のSC−FDMA方式の変形であり、DFT/FFTモジュール307及びプリコーダ304を経た信号を、いくつかのサブブロックに分けた後、副搬送波に不連続的にマッピングする方法である。図4乃至図6は、クラスタDFT−s−OFDMにより入力シンボルが単一搬送波にマッピングされる例を示す図である。
図4は、クラスタSC−FDMAにおいてDFTプロセス出力サンプルが単一搬送波にマッピングされる信号処理過程を示す図である。図5及び図6は、クラスタSC−FDMAにおいてDFTプロセス出力サンプルが多重搬送波(multi−carrier)にマッピングされる信号処理過程を示す図である。図4は、イントラ搬送波(intra−carrier)クラスタSC−FDMAを適用する例に相当し、図5及び図6は、インター搬送波(inter−carrier)クラスタSC−FDMAを適用する例に相当する。図5は、周波数ドメインで連続的(contiguous)にコンポーネント搬送波(component carrier)が割り当てられた状況下で、隣接したコンポーネント搬送波間の副搬送波間隔(spacing)が整列された場合に、単一のIFFTブロックを用いて信号を生成する場合を示している。図6は、周波数ドメインで不連続的(non−contiguous)にコンポーネント搬送波が割り当てられた状況下で複数のIFFTブロックを用いて信号を生成する場合を示している。
図7は、セグメント(segmented)SC−FDMAの信号処理過程を示す図である。
セグメントSC−FDMAは、任意個数のDFTと同じ個数のIFFTが適用されてDFTとIFFTとの関係構成が一対一関係を有するもので、単に既存のSC−FDMAのDFT拡散とIFFTの周波数副搬送波マッピング構成を拡張したものであることから、NxSC−FDMAまたはNxDFT−s−OFDMAと表現されることもある。本明細書は、これらをセグメントSC−FDMAと総称する。図7を参照すると、セグメントSC−FDMAは、単一搬送波特性条件を緩和するために、全体時間ドメイン変調シンボルをN(Nは1よりも大きい整数)個のグループに束ねてグループ単位にDFTプロセスを行う。
再び図2を参照すると、受信器300a,300bの信号処理過程は、送信器の信号処理と逆の過程となる。具体的に、受信器300a,300bは、外部からアンテナ500a,500bを介して受信した無線信号に復号(decoding)及び復調(demodulation)を行って該当のプロセッサ400a,400bに伝達する。受信器300a,300bに接続しているアンテナ500a,500bは、Nr個の多重受信アンテナを有することができ、受信アンテナを介して受信した信号のそれぞれは、基底帯域信号に復元された後、多重化及びMIMO復調化を経て、送信器100a,100bが本来伝送しようとしたデータ列に復元される。受信器300a,300bは、受信した信号を基底帯域信号に復元するための信号復元器、受信処理された信号を結合して多重化する多重化器、多重化された信号列を該当のコードワードに復調するチャネル復調器を有することができる。信号復元器、多重化器、及びチャネル復調器は、それらの機能を実行する統合された一つのモジュールまたはそれぞれの独立したモジュールにすることができる。さらにいうと、信号復元器は、アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(analog−to−digital converter)、該デジタル信号からCPを除去するCP除去器、CPの除去された信号にFFT(fast Fourier transform)を適用して周波数ドメインシンボルを出力するFFTモジュール、周波数ドメインシンボルをアンテナ特定シンボルに復元するリソース要素デマッパー(resource element demapper)/等化器(equalizer)を有することができる。アンテナ特定シンボルは多重化器により伝送レイヤーに復元され、伝送レイヤーは、チャネル復調器により、送信装置が伝送しようとしたコードワードに復元される。
一方、受信器300a,300bが、図3乃至図7で説明したSC−FDMA方式により伝送された信号を受信する場合、受信器は300a,300bは、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform、IDFT)モジュール(あるいは、IFFTモジュール)をさらに有する。IDFT/IFFTモジュールは、リソース要素デマッパーにより復元されたアンテナ特定シンボルにIDFT/IFFTを行い、IDFT/IFFTされたシンボルを多重化器に出力する。
参考として、図1乃至図7ではスクランブラ301、変調マッパー302、レイヤーマッパー303、プリコーダ304、リソース要素マッパー305、及びOFDM信号生成器306が送信器100a,100bに備えられるとしたが、送信装置のプロセッサ400a,400bが、スクランブラ301、変調マッパー302、レイヤーマッパー303、プリコーダ304、リソース要素マッパー305、及びOFDM信号生成器306を有するように構成されてもよい。同様に、図1乃至図7では信号復元器、多重化器、チャネル復調器が受信器300a,300bに備えられるとしたが、受信装置のプロセッサ400a,400bが、信号復元器、多重化器、及びチャネル復調器を有するように構成されてもよい。以下では、説明の便宜のために、スクランブラ301、変調マッパー302、レイヤーマッパー303、プリコーダ304、リソース要素マッパー305、及びOFDM信号生成器306(SC−FDMA方式ではDFTモジュール307をさらに含む。)が、それらの動作を制御するプロセッサ400a,400bと分離した送信器100a,100bに備えられ、信号復元器、多重化器、及びチャネル復調器が、それらの動作を制御するプロセッサ400a,400bとは分離した受信器300a,300bに備えられているとして説明する。しかし、スクランブラ301、変調マッパー302、レイヤーマッパー303、プリコーダ304、リソース要素マッパー305及びOFDM信号生成器306,307がプロセッサ400a,400bに備えられた場合、及び信号復元器、多重化器、チャネル復調器(SC−FDMA方式ではIFFTモジュールをさらに含む。)が、プロセッサ400a,400bに備えられた場合にも本発明の実施例を同様に適用することができる。
図8には、無線通信システムで用いられる無線フレーム構造の例を示す。特に、図8(a)は、3GPP LTE/LTE−Aシステムのフレーム構造タイプ1(FS−1)による無線フレームを例示しており、図8(b)は、3GPP LTE/LTE−Aシステムのフレーム構造タイプ2(FS−2)による無線フレームを例示している。図8(a)のフレーム構造は、FDD(Frequency Division Duplex)モード、及び半(half)FDD(H−FDD)モードで適用可能である。図8(b)のフレーム構造は、TDD(Time Division Duplex)モードで適用可能である。
図8を参照すると、3GPP LTE/LTE−Aで用いられる無線フレームは、10ms(307200Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレームで構成される。1無線フレーム内の10個のサブフレームにはそれぞれ番号を与えることができる。ここで、Tsは、サンプリング時間を表し、Ts=1/(2048×15kHz)で表示される。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロットで構成される。1無線フレーム内で20個のスロットは0から19まで順にナンバリングされてもよい。各スロットは0.5msの長さを有する。1サブフレームを伝送するための時間は伝送時間間隔(TTI:transmission time interval)で定義される。時間リソースは、無線フレーム番号(あるいは無線フレームインデックスともいう。)、サブフレーム番号(あるいは、サブフレームインデックスともいう。)、スロット番号(あるいは、スロットインデックスともいう。)などにより区別可能である。
無線フレームはデュプレックス(duplex)モードによって異なる構成とすることができる。例えば、FDDモードで、下りリンク伝送及び上りリンク伝送は周波数により区別されるので、無線フレームは、下りリンクサブフレームまたは上りリンクサブフレームのいずれか一方のみを含む。
一方、TDDモードでは、下りリンク伝送及び上りリンク伝送が時間によって区別されるため、フレーム内のサブフレームは、下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレームとに区別される。表1は、TDDモードにおいてUL−DL構成を例示したものである。
表1で、Dは下りリンクサブフレームを、Uは上りリンクサブフレームを、Sは特異(special)サブフレームを表す。特異サブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot TimeSlot)、GP(Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot TimeSlot)の3つのフィールドを含む。DwPTSは、下りリンク伝送用に留保される時間区間であり、UpPTSは、上りリンク伝送用に留保される時間区間である。
図9は、無線通信システムにおいてDL/ULスロット構造の一例を示す図である。特に、同図には、3GPP LTE/LTE−Aシステムのリソース格子(resource grid)の構造を示す。アンテナポート当たり1個のリソース格子がある。
図9を参照すると、スロットは、時間ドメインで複数のOFDMシンボルを有し、周波数ドメインで複数のリソースブロック(resource block、RB)を有する。OFDMシンボルは1シンボル区間を意味することもある。リソースブロックは、周波数ドメインで複数の副搬送波を有する。OFDMシンボルを多重接続方式によってOFDMシンボル、SC−FDMシンボルなどと呼ぶこともできる。1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、チャネル帯域幅、CP長によって様々に変更可能である。例えば、正規(normal)CPの場合には、1スロットが7個のOFDMシンボルを含み、拡張(extended)CPの場合には、1スロットが6個のOFDMシンボルを含む。図8では、説明の便宜のために、1スロットが7 OFDMシンボルで構成されるサブフレームを例示したが、本発明の実施例は、他の個数のOFDMシンボルを有するサブフレームにも同一の適用が可能である。参考として、1 OFDMシンボル及び1副搬送波で構成されたリソースを、リソース要素(resource element、RE)あるいはトーン(tone)と呼ぶ。
図9を参照すると、各スロットで伝送される信号は、NDL/UL RBNRB sc個の副搬送波(subcarrier)とNDL/UL symb個のOFDMあるいはSC−FDMシンボルとで構成されるリソース格子(resource grid)で表現することができる。ここで、NDL RBは、下りリンクスロットでのリソースブロック(resource block、RB)の個数を表し、NUL RBは、上りリンクスロットでのRBの個数を表す。NDL RBとNUL RBは、下りリンク伝送帯域幅と上りリンク伝送帯域幅にそれぞれ依存する。各OFDMシンボルは、周波数ドメインで、NDL/UL RBNRB sc個の副搬送波を含む。1搬送波に対する副搬送波の個数は、FFT(Fast Fourier Transform)サイズによって決定される。副搬送波の類型は、データ伝送のためのデータ副搬送波、参照信号の伝送のための参照信号副搬送波、ガードバンド(guard band)及びDC成分のためのヌル副搬送波とに分類可能である。DC成分のためのヌル副搬送波は、未使用のまま残される副搬送波のことであり、OFDM信号生成過程で搬送波周波数(carrier frequency、f0)にマッピングされる。搬送波周波数は中心周波数(center frequency)とも呼ばれる。NDL symbは、下りリンクスロット内のOFDMあるいはSC−FDMシンボルの個数を表し、NUL symbは、上りリンクスロット内のOFDMあるいはSC−FDMシンボルの個数を表す。NRB scは、一つのRBを構成する副搬送波の個数を表す。
換言すると、物理リソースブロック(physical resource block、PRB)は、時間ドメインにおいてNDL/UL symb個の連続したOFDMシンボルあるいはSC−FDMシンボルで定義され、周波数ドメインにおいてNRB sc個の連続した副搬送波で定義される。したがって、一つのPRBは、NDL/UL symb×NRB sc個のリソース要素で構成される。
リソース格子内の各リソース要素は、1スロット内のインデックス対(k,l)により固有に定義可能である。kは、周波数ドメインにおいて0からNDL/UL RBNRB sc−1まで与えられるインデックスであり、lは、時間ドメインにおいて0からNDL/UL symb−1まで与えられるインデックスである。
図10は、無線通信システムにおいて下りリンクサブフレーム構造の一例を示す図である。
図10を参照すると、各サブフレームを、制御領域(control region)とデータ領域(data region)とに区別することができる。制御領域は、先頭のOFDMシンボルから始めて一つ以上のOFDMシンボルを含む。サブフレーム内の制御領域に用いられるOFDMシンボルの個数はサブフレーム別に独立して設定されればよく、OFDMシンボルの個数はPCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)により伝送される。基地局は、制御領域を用いて各種の制御情報をユーザー機器に伝送することができる。制御情報の伝送のために、制御領域にはPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)、PCFICH、PHICH(Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)などが割り当てられうる。
基地局は、伝送チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報、DAI(Downlink Assignment Index)などをPDCCH上で各ユーザー機器またはユーザー機器グループに伝送する。
基地局は、データ領域を用いてユーザー機器あるいはユーザー機器グループのためのデータを伝送することができる。データ領域で伝送されるデータをユーザーデータと呼ぶことができる。ユーザーデータの伝送のために、データ領域にはPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)が割り当てられうる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを通じて伝送される。ユーザー機器は、PDCCHを通じて伝送される制御情報を復号して、PDSCHを通じて伝送されるデータを読むことができる。PDSCHのデータがどのユーザー機器あるいはユーザー機器グループに伝送されるものであるか、ユーザー機器あるいはユーザー機器グループがどのようにPDSCHデータを受信して復号すべきか、などを表す情報がPDCCHに含まれて伝送される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスキング(masking)されており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」という伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて伝送されるデータに関する情報が特定サブフレームで伝送されると仮定する。該当のセルのUEは、自身が持っているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングし、「A」のRNTIを有しているUEはPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報から、「B」と「C」により指示されるPDSCHを受信する。
複数のPDCCHが制御領域で伝送され、UEは、複数のPDCCHをモニターして、自身のPDCCHを検出することができる。1 PDCCHが運ぶDCIは、PUCCHフォーマットによってそのサイズ及び用途が異なり、符号化率によってそのサイズが異なることがある。
DCIフォーマットは各UE別に独立して適用され、1サブフレーム中に複数のUEのPDCCHが多重化されてもよい。各UEのPDCCHは独立してチャネルコーディングされてCRC(cyclic redundancy check)が付加される。CRCは、各UEが自身のPDCCHを受信できるように、各UEの固有識別子でマスク(mask)される。しかし、基本的にUEは、自身のPDCCHが伝送される位置を知っておらず、毎サブフレームごとに該当するDCIフォーマットの全てのPDCCHを、自身の識別子を有しているPDCCHを受信するまでブラインド検出(ブラインド復号(decoding)という。)する。
図11は、無線通信システムにおいて上りリンクサブフレーム構造の一例を示す図である。
図11を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数ドメインで制御領域とデータ領域とに区別可能である。1つまたは複数のPUCCH(physical uplink controlchannel)がUCI(uplink control information)を運ぶために、制御領域に割り当てられるうる。1つまたは複数のPUSCH(physical uplink shared channel)がユーザーデータを運ぶために、データ領域に割り当てられうる。UEが上りリンク伝送にSC−FDMA方式を採択する場合に、単一搬送波特性を維持するために、PUCCHとPUSCHを同時に伝送してはならない。
一つのPUCCHが運ぶUCIは、PUCCHフォーマットによってそのサイズ及び用途が異なり、符号化率によってそのサイズが異なっくることがある。例えば、下記のようにPUCCHフォーマットを定義することができる。
上りリンクサブフレームでは、DC(Direct Current)副搬送波を基準に遠く離れた副搬送波が制御領域として用いられる。換言すると、上りリンク伝送帯域幅の両端部に位置する副搬送波が、上りリンク制御情報の伝送に割り当てられる。DC副搬送波は、信号伝送に使用されずに残される成分であって、OFDM/SC−FDM信号生成器306による周波数アップ変換過程で搬送波周波数f0にマッピングされる。
一UEに対するPUCCHは、1サブフレーム内のRB対に割り当てられ、該RB対に属したRBは2つのスロットでそれぞれ異なる副搬送波を占有する。このように割り当てられるPUCCHを、PUCCHに割り当てられたRB対がスロット境界で周波数ホッピングすると表現する。ただし、周波数ホッピングが適用されない場合には、RB対が同じ副搬送波を占有する。周波数ホッピングの有無にかかわらず、一UEに対するPUCCHは1サブフレーム内のRB対に割り当てられるので、同一PUCCHが一つのULサブフレーム内の各スロットで1個のRBを通じて一回ずつ、総2回伝送される。
以下では、1サブフレーム内の各PUCCH伝送に用いられるRB対をPUCCH領域(PUCCH region)またはPUCCHリソース(PUCCH resource)ともいう。また、以下では、説明の便宜のために、PUCCHのうち、ACK/NACKを運ぶPUCCHをACK/NACK PUCCH、CQI/PMI/RIを運ぶPUCCHをCSI(Channel State Information)PUCCH、SRを運ぶPUCCHをSR PUCCHと呼ぶ。
UEには、上位(higher)層シグナリング、あるいは明示的(explicit)方式または暗黙的(implicit)方式によりBSからUCIの伝送のためのPUCCHリソースが割り当てられる。
ACK/NACK(ACKnowledgment/negative ACK)、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Information)、SR(Scheduling Request)などの上りリンク制御情報(UCI)が、上りリンクサブフレームの制御領域上で伝送されうる。
無線通信システムにおいて、BSとUEはデータを相互送信/受信する。BS/UEがデータをUE/BSに伝送すると、該UE/BSは、受信したデータを復号(decode)し、そのデータ復号に成功するとBS/UEにACKを伝送し、データ復号に失敗するとBS/UEにNACKを伝送する。基本的に、3GPP LTEシステムにおいて、UEはBSからデータユニット(例えば、PDSCH)を受信し、該データユニットに関するスケジューリング情報を運ぶPDCCHリソースにより決定される暗黙的PUCCHリソースを用いて、各データユニットに対するACK/NACKをBSに伝送する。
図12は、ACK/NACKのためのPUCCHリソースを決定する例を示す図である。
LTEシステムにおいてACK/NACKのためのPUCCHリソースは、各UEにあらかじめ割り当てられているのではなく、複数のPUCCHリソースをセル内の複数のUEが毎時点ごとに分けて使用する。具体的に、UEがACK/NACKを伝送するのに使用するPUCCHリソースは、該当の下りリンクデータを運ぶPDSCHに関するスケジューリング情報を運ぶPDCCHに基づいて暗黙的方式で決定される。それぞれのDLサブフレームにおいてPDCCHが伝送される全体領域は複数のCCE(Control Channel Element)で構成され、UEに伝送されるPDCCHは一つ以上のCCEで構成される。CCEは、複数(例えば、9個)のREG(Resource Element Group)を含む。1 REGは、参照信号(Reference Signal:RS)を除外した状態で、隣接する4個のRE(Resource Element)で構成される。UEは、自身が受信したPDCCHを構成するCCEのインデックスのうち、特定CCEインデックス(例えば、先頭のあるいは最も低いCCEインデックス)の関数により誘導(derive)あるいは計算(calculate)される暗黙的PUCCHリソースを用いてACK/NACKを伝送する。
図12を参照すると、それぞれのPUCCHリソースインデックスはACK/NACKのためのPUCCHリソースに対応する。図12のように、4〜6番CCEで構成されたPDCCHを通じて、PDSCHに関するスケジューリング情報がUEに伝送されると仮定すると、UEは、PDCCHを構成する最低CCEである4番CCEのインデックスから誘導あるいは計算されたPUCCH、例えば、4番PUCCHを用いてACK/NACKをBSに伝送する。図12は、DLに最大M’個のCCEが存在し、ULに最大M個のPUCCHが存在する場合を例示する。M’=Mでもよいが、M’値とM値とを異なるように設計し、CCEとPUCCHリソースとのマッピングが重なるようにすることも可能である。
例えば、PUCCHリソースインデックスを下記のように定めることができる。
ここで、n(1) PUCCHは、ACK/NACK伝送のためのPUCCHリソースインデックスを表し、N(1) PUCCHは、上位レイヤーから伝達されたシグナリング値を表す。nCCEは、PDCCH伝送に用いられたCCEインデックスのうち、最も小さい値を表すことができる。
図13は、単一搬送波状況で通信を行う例を示す図である。図13は、LTEシステムでの通信例に対応する。
図13を参照すると、一般的なFDD方式無線通信システムは、一つの下りリンク帯域とこれに対応する一つの上りリンク帯域を通じてデータ送受信を行う。BSとUEは、サブフレーム単位にスケジューリングされたデータ及び/または制御情報を送受信する。データは、上り/下りリンクサブフレームに設定されたデータ領域を通じて送受信され、制御情報は、上り/下りリンクサブフレームに設定された制御領域を通じて送受信される。そのために、上り/下りリンクサブフレームは種々の物理チャネルを通じて信号を運ぶ。図13は、便宜上、FDD方式を中心に説明したが、上述した内容は、図8の無線フレームを時間領域で上り/下りリンクに区別することによってTDD方式にも適用可能である。
図14には、多重搬送波状況下で通信を行う例を示す。
LTE−Aシステムは、より広い周波数帯域を用いるために、複数の上り/下りリンク周波数ブロックを束ねて、より大きい上り/下りリンク帯域幅を用いる搬送波アグリゲーション(carrier aggregationまたはbandwidth aggregation)技術を用いる。多重搬送波システムまたは搬送波アグリゲーション(carrier aggregation、CA)システムは、広帯域支援のために目標帯域(bandwidth)よりも小さい帯域を有する複数の搬送波を束ねて用いるシステムのことをいう。目標帯域よりも小さい帯域を有する複数の搬送波を束ねるとき、束ねられる搬送波の帯域は、既存システムとの互換(backward compatibility)のために、既存システムで用いる帯域幅に制限されるとよい。例えば、既存のLTEシステムは、1.4、3、5、10、15、20MHzの帯域幅を支援し、LTEシステムから進展したLTE−A(LTE−Advanced)システムは、LTEで支援する帯域幅のみを用いて20MHzよりも大きい帯域幅を支援することができる。または、既存システムで使用する帯域幅によらず、新しい帯域幅を定義して搬送波アグリゲーションを支援してもよい。多重搬送波は、搬送波アグリゲーション及び帯域幅アグリゲーションと同じ意味で使われる。また、搬送波アグリゲーションは、隣接した(contiguous)搬送波アグリゲーション、隣接していない(non−contiguous)搬送波アグリゲーションを総称する。参考として、TDDで1個のコンポーネント搬送波(component carrier、CC)のみが通信に用いられる場合、図13の単一搬送波状況(non−CA)下における通信に相当する。ここで、UL CC及びDL CCはそれぞれ、ULリソース(UL resources)及びDLリソース(DL resources)とも呼ばれる。
例えば、図14を参照すると、上り/下りリンクにそれぞれ5個の20MHzのCCが束ねられて100MHz帯域幅を支援することができる。それぞれのCCは、周波数領域で互いに隣接していても、非−隣接していてもよい。図14は、便宜上、UL CCの帯域幅とDL CCの帯域幅とがいずれも同一且つ対称である場合を示している。しかし、各CCの帯域幅は独立して定められてもよい。一例として、UL CCの帯域幅は、5MHz(UL CC0)+20MHz(UL CC1)+20MHz(UL CC2)+20MHz(UL CC3)+5MHz(UL CC4)のように構成されてもよい。また、UL CCの個数とDL CCの個数とが異なる非対称の搬送波アグリゲーションにしてもよい。非対称の搬送波アグリゲーションは、可用周波数帯域の制限により発生することもあり、ネットワーク設定により人為的に発生することもある。一例として、BSがX個のDL CCを管理しても、特定UEが受信可能な周波数帯域はY(≦X)個のDL CCに限定されることがある。この場合、UEは、Y個のCCを通じて伝送されるDL信号/データをモニターすればよい。また、BSがL個のUL CCを管理しても、特定UEが送信可能な周波数帯域はM(≦L)個のUL CCに限定されることがある。このように、特定UEに限定されたDL CCあるいはUL CCを、特定UEでの設定された(configured)サービング(serving)ULあるいはDL CCと呼ぶ。BSは、該BSが管理するCCのうち一部または全部を活性化(activate)したり、一部のCCを非活性化(deactivate)することで、UEに所定の個数のCCを割り当てることができる。BSは活性化/非活性化されるCCを変更することができ、活性化/非活性化されるCCの個数を変更することができる。一方、BSは、セル−特定あるいはUE−特定にUEが優先してモニター/受信すべきZ個のDL CC(ここで、1≦Z≦Y≦X)を主要(main)DL CCと構成することができる。また、BSは、セル−特定あるいはUE−特定にUEが優先して送信するN個のUL CC(ここで、1≦N≦M≦L)を主要(main)UL CCと構成することができる。このように特定UEに限定された主要DLあるいはUL CCを、特定UEでの設定された(configured)サービング(serving)ULあるいはDL CCとも呼ぶ。搬送波アグリゲーションに関する種々のパラメータは、セル−特定(cell−specific)、UEグループ−特定(UE group−specific)またはUE−特定(UE−specific)に設定することができる。
一応BSがUEに利用可能なCCをセル−特定あるいはUE−特定に割り当てると、該UEへのCC割当が全面的に再構成されたり、UEがハンドオーバーしない限り、一応割り当てられたCCのうち少なくとも一つは非活性化されない。以下では、UEへのCC割当の全面的な再構成でない限り非活性化されないCCをPCC(Primary CC)と称し、BSが自由に活性化/非活性化し得るCCをSCC(Secondary CC)と称する。単一搬送波通信は、1個のPCCをUEとBS間の通信に使用し、SCCは通信に使用しない。一方、PCCとSCCは制御情報を基準に区別されてもよい。例えば、特定制御情報は特定CCのみを通じて送受信されるように設定されることがあり、このような特定CCをPCCと呼び、残りのCCをSCC(s)と呼ぶことができる。例えば、PUCCHを通じて伝送される制御情報がこのような特定制御情報に相当する。このように、PUCCH上で伝送される制御情報がPCCのみを通じてUEからBSへと伝送可能な場合、該UEのPUCCHが存在するUL CCをUL PCCと呼び、残りのUL CCはULSCC(s)と呼ぶことができる。他の例として、UE−特定的CCが用いられる場合に、特定UEは、DL同期シグナル(synchronization signal、SS)を特定制御情報としてBSから受信することができる。この場合、特定UEがDL SSを受信して初期DL時間同期を取ったDL CC(換言すると、BSのネットワークへの接続を試みるのに用いたDL CC)をDL PCCと呼び、残りのDL CCをDL SCC(s)と呼ぶことができる。LTE−A release−10に基づく通信システムでは、多重搬送波通信は各UE当たり1個のPCCと0個または1個以上の副SCC(s)が通信に用いられる。しかし、これはLTE−A標準に基づく定義であり、将来、UE当たり複数のPCCを通信に用いることが許容されるだろう。PCCは、主CC(primary CC)、アンカーCC(anchor CC)あるいは主搬送波(primary carrier)と呼ぶこともでき、SCCは、副セル(secondary CC)あるいは副搬送波(secondary CC)と呼ぶこともできる。
LTE−Aは、無線リソースを管理するためにセル(cell)の概念を用いる。セルは、下りリンクリソース(DL resources)と上りリンクリソース(UL resources)との組み合わせ、すなわち、DL CCとUL CCとの組み合わせで定義され、上りリンクリソースは必須要素ではない。しかし、これは、現在LTE−A標準における定義であり、将来、セルが上りリンクリソース単独で構成されることも可能になる。したがって、セルは、下りリンクリソース単独、または下りリンクリソース及び上りリンクリソースの両方で構成可能である。搬送波アグリゲーションが支援される場合に、下りリンクリソース(または、DL CC)の搬送波周波数(carrier frequency)と上りリンクリソース(または、UL CC)の搬送波周波数とのリンケージ(linkage)をシステム情報で指示することができる。例えば、システム情報ブロックタイプ2(System Information Block type 2、SIB2)リンケージにより、DLリソースとULリソースとの組み合わせを指示することができる。ここで、搬送波周波数とは、各セルあるいはCCの中心周波数(center frequency)を意味する。主周波数(Primary frequency)(または、PCC)上で動作するセルを主セル(Primary Cell、PCell)と呼び、副周波数(Secondary frequency)(または、SCC)上で動作するセルを副セル(Secondary Cell、SCell)と呼ぶことができる。主周波数(あるいはPCC)とは、UEが初期接続設定(initial connection establishment)過程を行ったり、接続再−設定(connection re−establishment)過程を始めるのに用いられる周波数(またはCC)を意味する。PCellは、ハンドオーバー過程で指示されたセルのことを指すこともある。副周波数(またはSCC)とは、RRC接続が設定された後に構成可能であり、追加の無線リソースを提供するのに使用可能な周波数(あるいはCC)を意味する。PCellとSCellはサービングセル(serving cell)と総称されてもよい。したがって、RRC_CONNECTED状態にあるが、搬送波アグリゲーションが設定されていないか、搬送波アグリゲーションを支援しないUEの場合は、PCellのみで構成されたサービングセルが一つのみ存在する。一方、RRC_CONNECTED状態であり、且つ搬送波アグリゲーションが設定されたUEの場合は、一つ以上のサービングセルが存在し、全体サービングセルには一つのPCellと一つ以上のSCellが含まれる。ただし、将来、サービングセルが複数のPCellを含むことが許容されることも可能になるだろう。搬送波アグリゲーションのために、ネットワークは初期保安活性化(initial security activation)過程が開始された後、接続設定過程で初期に構成されるPCellに加えて、一つ以上のSCellを搬送波アグリゲーションを支援するUEのために構成することができる。しかし、UEが搬送波アグリゲーションを支援しても、ネットワークはSCellを付加せずに、PCellのみをUEのために構成することもできる。PCellを主Cell(primary Cell)、アンカーCell(anchor Cell)あるいは主搬送波(primary carrier)と呼ぶこともでき、SCellを、副セル(secondary Cell)あるいは副搬送波(secondary carrier)と呼ぶこともできる。
多重搬送波システムにおいて、BSは、複数のデータユニットを与えられたセル(あるいはCC)上でUEに伝送することができ、UEは、サブフレームで当該複数のデータユニットに対するACK/NACKを伝送することができる。下りリンクデータ受信のためのPDSCHを受信する一つまたは複数のセル(あるいはDL CC)をUEに割り当てることができる。UEのためのセル(あるいはDL CC)は、RRCシグナリングによって半−静的(semi−static)に構成(configure)あるいは再構成可能である。また、UEのためのセル(あるいはDL CC)は、L1/L2(MAC)制御シグナリングによって動的に活性化/非活性化されてもよい。したがって、UEが伝送するACK/NACKビットの最大個数は、UEが利用可能なセル(あるいはDL CC)によって異なることがある。すなわち、UEが伝送するACK/NACKビットの最大個数は、RRCにより構成/再構成されたり、L1/L2シグナリングにより活性化されたDL CC(あるいは、構成されたサービングセル)によって異なってくる。
図15は、基地局で一つのMACが多重搬送波を管理する概念を説明する。図16は、ユーザー機器で一つのMACが多重搬送波を管理する概念を説明する。
図15及び16を参照すると、一つのMACが一つ以上の周波数搬送波を管理及び運営して送受信を行う。一つのMACで管理される周波数搬送波は互いに隣接(contiguous)する必要がないため、リソースの管理側面でより柔軟(flexible)であるというメリットがある。図15及び図16で、一つのPHYは、便宜上、一つのコンポーネント搬送波を意味するとする。ここで、一つのPHYは必ずしも独立したRF(Radio Frequency)デバイスを意味しない。一般に、一つの独立したRFデバイスは一つのPHYを意味するが、必ずしもこれに限定されるわけではなく、一つのRFデバイスが複数のPHYを含むこともできる。
図17は、基地局で複数のMACが多重搬送波を管理する概念を説明する。図18は、ユーザー機器で複数のMACが多重搬送波を管理する概念を説明する。図19は、基地局で複数のMACが多重搬送波を管理する他の概念を説明する。図20は、ユーザー機器で複数のMACが多重搬送波を管理する他の概念を説明する。
図15及び図16のような構造の他、図17乃至図20のように、複数の搬送波を一つのMACではなく複数のMACが制御する構造も可能である。
図17及び図18のように、それぞれの搬送波をそれぞれのMACが1:1で制御することもでき、図19及び図20のように、一部の搬送波については、それぞれの搬送波をそれぞれのMACが1:1で制御し、残り1個以上の搬送波を一つのMACが制御することもできる。
上記のシステムは、1個からN個までの複数の搬送波を含むシステムであり、各搬送波は、隣接または非隣接(non−contiguous)するように用いられる。これは、上り/下りリンクを問わず共通に適用可能である。TDDシステムは、それぞれの搬送波内に下りリンクと上りリンクの伝送を含むN個の複数の搬送波を運営するように構成され、FDDシステムは、複数の搬送波を上りリンクと下りリンクにそれぞれ使用するように構成される。FDDシステムでは、上りリンクと下りリンクで束ねられる搬送波の数及び/または搬送波の帯域幅が互いに異なる非対称の搬送波アグリゲーションも支援可能である。
上りリンクと下りリンクで束ねられるコンポーネント搬送波の個数が同一であると、全てのコンポーネント搬送波を既存システムと互換可能に構成することができる。しかし、互換性を考慮しないコンポーネント搬送波が本発明から除外されるわけではない。
以下では、説明の便宜のために、PDCCHが下りリンクコンポーネント搬送波#0で伝送されたとき、該当のPDSCHも下りリンクコンポーネント搬送波#0で伝送されるとして説明するが、交差−搬送波スケジューリング(cross−carrier scheduling)が適用されて、該当のPDSCHが他の下りリンクコンポーネント搬送波を通じて伝送されてもよいことは明らかである。
図21及び図22は、ACK/NACK伝送のためのPUCCHフォーマット1a及び1bのスロットレベル構造を例示する。
図21には、正規CPにおいてのPUCCHフォーマット1aと1bを示す。図22には、拡張CPにおいてのPUCCHフォーマット1aと1bを示す。PUCCHフォーマット1aと1bは、同じ内容の制御情報がサブフレーム内でスロット単位に反復される。各ユーザー機器でACK/NACK信号は、CG−CAZAC(Computer−Generated Constant Amplitude Zero Auto Correlation)シーケンスの互いに異なったサイクリックシフト(cyclic shift:CS)(周波数ドメインコード)と直交カバーコード(orthogonal cover or orthogonal cover code:OC or OCC)(時間ドメイン拡散コード)とで構成された互いに異なったリソースを通じて伝送される。OCは、例えばウォルシュ(Walsh)/DFT直交コードを含む。CSの個数が6個であり、OCの個数が3であると、単一アンテナを基準に総18個のユーザー機器を同じPRB(Physical Resource Block)中に多重化できる。直交シーケンスw0,w1,w2,w3は、(FFT変調後に)任意の時間ドメインで、または(FFT変調前に)任意の周波数ドメインで適用可能である。SR(Scheduling Request)伝送のためのPUCCHフォーマット1のスロットレベル構造は、変調方法以外は、PUCCHフォーマット1a及び1bと同一である。
SR伝送と半−持続的スケジューリング(semi−persistent scheduling、SPS)に対するACK/NACKフィードバックのために、CS、OC及びPRB(Physical Resource Block)で構成されたPUCCHリソースが、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを通じてユーザー機器に割り当てられうる。図12で説明した通り、動的ACK/NACK(あるいは、非持続的スケジューリング(non−persistent scheduling)に対するACK/NACK)フィードバック、及びSPS解除を指示するPDCCHに対するACK/NACKフィードバックのために、PUCCHリソースは、PDSCHに対応するPDCCHあるいはSPS解除のためのPDCCHの最小(lowest or smallest)のCCEインデックスを用いて暗黙的に(implicitly)ユーザー機器に割り当てられうる。
図23は、搬送波アグリゲーションが支援される無線通信システムにおいて、上りリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)が伝送されるシナリオを例示する。便宜上、本例は、UCIがACK/NACK(A/N)である場合を仮定する。しかし、これは説明の便宜のためのもので、これに限定されず、UCIは、チャネル状態情報(例、CQI、PMI、RI)、スケジューリング要請情報(例、SR)のような制御情報も含むことができる。
図23は、5個のDL CCが1個のUL CCとリンクされた非対称の搬送波アグリゲーションを例示する。例示した非対称の搬送波アグリゲーションは、UCI伝送観点で設定されたものであってもよい。すなわち、UCIのためのDL CC−UL CCリンケージとデータのためのDL CC−UL CCリンケージとが互いに異なるように設定されることもある。便宜上、各DL CCが最大2つのコードワードを運ぶことができ、各CCに対するACK/NACK応答の個数が、CC当たりに設定された最大コードワードの個数に依存すると仮定すると(例えば、特定CCで基地局から設定された最大コードワードの個数が2の場合に、該CCで特定PDCCHがコードワードを1個のみ使用しても、これに対するACK/NACK応答は、CCでの最大コードワードの数である2個からなる)、UL ACK/NACKビットは、各DL CC当たり少なくとも2ビットを必要とする。この場合、5個のDL CCを通じて受信したデータに対するACK/NACKを一つのUL CCを用いて伝送するためには、少なくとも10ビットのACK/NACKビットが必要である。もし、DL CC別にDTX(discontinuous transmission)状態(state)も別途に区別するためには、ACK/NACK伝送のために少なくとも12ビット(=55=3125=11.61ビット)が必要となる。既存のPUCCHフォーマット1a/1bは2ビットまでACK/NACKを送ることができるため、このような構造では、増加したACK/NACK情報を伝送することができない。便宜上、UCI情報の量が増加する原因として搬送波アグリゲーションを例示したが、アンテナ個数の増加、TDDシステム、リレーシステムでのバックホールサブフレームの存在などによってもUCI情報の量が増加することがある。ACK/NACKと同様に、複数のDL CCに関連した制御情報を一つのUL CCを用いて伝送する場合にも、伝送されるべき制御情報の量が増加する。例えば、複数のDL CCに対するCQI/PMI/RIを伝送しなければならない場合にUCIペイロードが増加することがある。
図23で、ULアンカーCC(UL PCCあるいはUL主(primary)CCともいう。)は、PUCCHあるいはUCIが伝送されるCCであり、セル−特定/UE−特定に決定可能である。また、DTX状態は、明示的にフィードバックされてもよく、NACKと同じ状態を共有するようにフィードバックされてもよい。
以下、図面を参照して、増加した上りリンク制御情報を效率的に伝送するための方案を提案する。具体的に、増加した上りリンク制御情報を伝送するための新しいPUCCHフォーマット/信号処理過程/リソース割当方法などを提案する。説明のために、本発明で提案する新しいPUCCHフォーマットを、CA(Carrier Aggregation)PUCCHフォーマット、または既存LTEリリース8/9にPUCCHフォーマット2まで定義されている点からPUCCHフォーマット3と呼ぶ。本発明で提案するPUCCHフォーマットの技術的思想は、上りリンク制御情報を伝送し得る任意の物理チャネル(例、PUSCH)にも同一または類似の方式で容易に適用可能である。例えば、本発明の実施例は、制御情報を周期的に伝送する周期的PUSCH構造または制御情報を非周期的に伝送する非周期的PUSCH構造にも適用可能である。
以下の図面及び実施例は、PUCCHフォーマット3に適用されるサブフレーム/スロットレベルのUCI/RSシンボル構造であり、既存LTEのPUCCHフォーマット1/1a/1b(正規CP)のUCI/RSシンボル構造を用いる場合を中心に説明する。ただし、図示のPUCCHフォーマット3においてサブフレーム/スロットレベルのUCI/RSシンボル構造は例示のために便宜上定義されたもので、本発明が特定構造に制限されることはない。本発明に係るPUCCHフォーマット3においてUCI/RSシンボルの個数、位置などはシステム設計によって自由に変形可能である。例えば、本発明の実施例に係るPUCCHフォーマット3は、既存LTEのPUCCHフォーマット2/2a/2bのRSシンボル構造を用いて定義されてもよい。
本発明の実施例に係るPUCCHフォーマット3は、任意の種類/サイズの上りリンク制御情報を伝送するのに用いることができる。例えば、本発明の実施例に係るPUCCHフォーマット3はHARQ ACK/NACK、CQI、PMI、RI、SRなどの情報を伝送でき、これらの情報は任意サイズのペイロードを有することができる。説明の便宜上、図面及び実施例では、本発明に係るPUCCHフォーマット3がACK/NACK情報を伝送する場合を中心に説明する。
図24乃至図27は、複数個のACK/NACKビットをフィードバックするためのPUCCHフォーマットの構造及びそのための信号処理過程を例示する。例えば、多重搬送波環境で複数個のACK/NACKビットをフィードバックする場合に、このようなPUCCHフォーマットを用いることができる。このようなPUCCHフォーマットは、既存のPUCCHフォーマット1系列及び2系列と区別されるように、PUCCHフォーマット3と呼ぶこともできる。
図24乃至図27は、DFT−ベースのPUCCHフォーマットの構造を例示する。DFT−ベースのPUCCH構造によれば、PUCCHは、DFTプリコーディングが行われ、SC−FDMAレベルで時間ドメインOC(Orthogonal Cover)が適用されて伝送される。以下では、DFT−ベースのPUCCHフォーマットをPUCCHフォーマット3と総称する。
図24は、SF=4の直交コード(Orthogonal Code、OC)を用いたPUCCHフォーマット3の構造を例示する。図24を参照すると、チャネルコーディングブロック(channel coding block)は、情報ビットa_0,a_1,…,a_M−1(例、多重ACK/NACKビット)をチャネルコーディングしてコーディングビット(encoded bit、coded bit or coding bit)(またはコードワード)b_0,b_1,…,b_N−1を生成する。Mは、情報ビットのサイズを表し、Nは、コーディングビットのサイズを表す。情報ビットは、上りリンク制御情報(UCI)、例えば、複数のDL CCを通じて受信した複数のデータ(または、PDSCH)に対する多重ACK/NACKを含む。ここで、情報ビットa_0,a_1,…,a_M−1は、情報ビットを構成するUCIの種類/個数/サイズにかかわらずにジョイントコーディングされる。例えば、情報ビットが複数のDL CCに対する多重ACK/NACKを含む場合に、チャネルコーディングはDL CC別、個別ACK/NACKビット別に行われず、全体ビット情報を対象に行われ、これにより単一コードワードが生成される。チャネルコーディングは、これに制限されるわけではないが、単純反復(repetition)、単純コーディング(simplex coding)、RM(Reed Muller)コーディング、パンクチャリングされたRMコーディング、TBCC(Tail−biting convolutional coding)、LDPC(low−density parity−check)あるいはターボ−コーディングを含む。図示してはいないが、コーディングビットについて、変調次数とリソース量を考慮してレート−マッチング(rate−matching)が行われてもよい。レートマッチング機能は、チャネルコーディングブロックの一部として含まれてもよく、別途の機能ブロックを用いて行われてもよい。例えば、チャネルコーディングブロックは複数の制御情報に対して(32,0)RMコーディングを行って単一コードワードを得、これに対して循環バッファーレート−マッチングを行うことができる。
変調器(modulator)は、コーディングビットb_0,b_1,…,b_N−1を変調して、変調シンボルc_0,c_1,…,c_L−1を生成する。Lは、変調シンボルのサイズを表す。変調は、伝送信号のサイズと位相を変形することによってなされる。変調方法は、例えば、n−PSK(Phase Shift Keying)、n−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を含む(nは、2以上の整数)。具体的に、変調方法には、BPSK(Binary PSK)、QPSK(Quadrature PSK)、8−PSK、QAM、16−QAM、64−QAMなどを用いることができる。
分周器(divider)は、変調シンボルc_0,c_1,…,c_L−1を各スロットに分周する。変調シンボルを各スロットに分周する順序/パターン/方式は特に制限されない。例えば、分周器は、変調シンボルを前から順にそれぞれのスロットに分周することができる(ローカル型方式)。この場合、図示のように、変調シンボルc_0,c_1,…,c_L/2−1はスロット0に分周し、変調シンボルc_L/2,c_L/2+1,…,c_L−1は、スロット1に分周できる。また、変調シンボルはそれぞれのスロットへの分周時にインタリービング(またはパーミュテーション)されてもよい。例えば、偶数変調シンボルは、スロット0に分周し、奇数変調シンボルはスロット1に分周することができる。変調過程と分周過程は互いに順序が換わってもよい。
DFTプリコーダ(precoder)は、単一搬送波波形(single carrier waveform)を生成するために、それぞれのスロットに分周された変調シンボルに対してDFTプリコーディング(例、12−ポイントDFT)を行う。同図で、スロット0に分周された変調シンボルc_0,c_1,…,c_L/2−1は、DFTシンボルd_0,d_1,…,d_L/2−1としてDFTプリコーディングされ、スロット1に分周された変調シンボルc_L/2,c_L/2+1,…,c_L−1は、DFTシンボルd_L/2,d_L/2+1,…,d_L−1としてDFTプリコーディングされる。DFTプリコーディングは、相応する他の線形演算(linear operation)(例、walsh precoding)に代替されてもよい。
拡散ブロック(spreading block)は、DFTされた信号を、SC−FDMAシンボルレベルで(時間ドメイン)拡散する。SC−FDMAシンボルレベルの時間ドメイン拡散は、拡散コード(シーケンス)を用いて行われる。拡散コードは、準直交コードと直交コードを含む。準直交コードは、これに制限されるわけではないが、PN(Pseudo Noise)コードを含む。直交コードは、これに制限されるわけではないが、ウォルシュコード、DFTコードを含む。本明細書は、説明の容易性のために、拡散コードの代表例として直交コードを挙げて説明するが、これは例示であり、直交コードは準直交コードに代替されてもよい。拡散コードサイズ(または、拡散因子(Spreading Factor:SF))の最大値は、制御情報伝送に用いられるSC−FDMAシンボルの個数によって制限される。一例として、1スロットで4個のSC−FDMAシンボルが制御情報伝送に用いられる場合に、スロット別に長さ4の(準)直交コードw0,w1,w2,w3を用いることができる。SFは、制御情報の拡散度を意味し、ユーザー機器の多重化次数(multiplexinig order)またはアンテナ多重化次数と関連を持つことができる。SFは、1、2、3、4、…のように、システムの要求条件によって可変されてもよく、基地局と端末間にあらかじめ定義されたり、DCIあるいはRRCシグナリングを通じて端末に知らせられてもよい。例えば、SRSを伝送するために、制御情報用SC−FDMAシンボルのうちの一つをパンクチャリングする場合に、当該スロットの制御情報にはSFの縮小した(例、SF=4の代わりにSF=3)拡散コードを適用することができる。
上の過程を経て生成された信号は、PRB内の副搬送波にマッピングされた後に、IFFTを経て時間ドメイン信号に変換される。時間ドメイン信号にはCPが付加され、生成されたSC−FDMAシンボルはRF端を通じて伝送される。
5個のDL CCに対するACK/NACKを伝送する場合を挙げて、各過程をより具体的に説明する。それぞれのDL CCが2個のPDSCHを伝送できる場合に、これに対するACK/NACKビットは、DTX状態を含む場合に12ビットでよい。QPSK変調とSF=4時間拡散を想定する場合に、(レートマッチング後の)コーディングブロックサイズは48ビットでよい。コーディングビットは24個のQPSKシンボルに変調され、生成されたQPSKシンボルは12個ずつ各スロットに分周される。各スロットで12個のQPSKシンボルは12−ポイントDFT演算を通じて12個のDFTシンボルに変換される。各スロットにおいて12個のDFTシンボルは時間ドメインでSF=4拡散コードを用いて4個のSC−FDMAシンボルに拡散されてマッピングされる。12個のビットが[2ビット*12個の副搬送波*8個のSC−FDMAシンボル]を通じて伝送されるので、コーディングレートは0.0625(=12/192)である。また、SF=4の場合に、1 PRB当たり最大4個のユーザー機器を多重化することができる。
図25は、SF=5の直交コード(Orthogonal Code、OC)を用いたPUCCHフォーマット3の構造を例示する。
基本的な信号処理過程は、図25を参照して説明した通りである。ただし、UCI SC−FDMAシンボルとRS SC−FDMAシンボルの個数/位置が、図24のそれと異なる。このとき、拡散ブロック(spreading block)がDFTプリコーダの前段であらかじめ適用されてもよい。
図25で、RSはLTEシステムの構造を継承することができる。例えば、基本シーケンスにサイクリックシフトを適用することができる。データ部分は、SF=5により、多重化容量(multiplexing capacity)が5となる。しかし、RS部分は、サイクリックシフト間隔である△shift PUCCHによって多重化容量が決定される。例えば、多重化容量は12/△shift PUCCHで与えられる。この場合、△shift PUCCH=1、△shift PUCCH=2、△shift PUCCH=3の場合における多重化容量はそれぞれ12、6、4となる。図25で、データ部分の多重化容量はSF=5によって5となる反面に、RSの多重化容量は、△shift PUCCHの場合に4となり、全体多重化容量は、両者のうち、小さい値である4に制約されうる。
図26は、スロットレベルで多重化容量が増加し得るPUCCHフォーマット3の構造を例示する。
図24及び図25で説明したSC−FDMAシンボルレベル拡散をRSに適用して全体多重化容量を増加させることができる。図26を参照すると、スロット内でウォルシュカバー(あるいはDFTコードカバー)を適用すると、多重化容量が2倍に増加する。これにより、△shift PUCCHの場合にも多重化容量が8になり、データ区間の多重化容量が低下しなくなる。図26で、[y1 y2]=[1 1]あるいは[y1 y2]=[1 −1]や、その線形変換形態(例えば、[j j][j −j]、[1 j][1 −j]など)もRSのための直交カバーコードとして用いることができる。
図27は、サブフレームレベルで多重化容量が増加し得るPUCCHフォーマット3の構造を例示する。
スロット−レベルで周波数ホッピングを適用しないと、スロット単位にウォルシュカバーを適用することによって、多重化容量を再び2倍に増加させることができる。ここで、上述した通り、直交カバーコードには[x1 x2]=[1 1]または[1 −1]を用いることができ、その変形形態を用いることもできる。
参考として、PUCCHフォーマット3の処理過程は、図24乃至図27に示した順序に拘わらない。
チャネル選択
チャネル選択(channel selection)とは、複数のリソースの中から特定リソースを選択して特定情報を表現/伝達することを意味する。一般的なチャネル選択は、リソース(resource)とコンステレーション(constellation)との組み合わせにより特定情報を伝達する方式である。
ここで、物理的な時間−周波数リソース及び/またはシーケンスリソース(例えば、サイクリックシフト値)によってリソースを特定することができる。例えば、LTEリリース−8PUCCHフォーマット1/1a/1bの場合には、OC(Orthogonal Code)、CS(Cyclic Shift)及びPRU(Physical Resource Unit)の組み合わせで特定リソースを選択することができる。チャネル選択が行われる複数のリソースは、上記のように3つのリソースの組み合わせにより区別されると仮定することができる。例えば、下記の表3のようなチャネル選択方法を用いることができる。
上記の表3及び以下の説明で、a,b,c,…で表示される値は、Ch−x(x=1,2,3,…)での変調(例えば、BPSK、QPSKなど)によるコンステレーション値を意味することができる。または、a,b,c,…で表示される値は、コンステレーション値ではなく、割り当てられたシーケンスまたは割り当てられたコードによりかけられた値、スクランブリングされた値またはカバリングされた値に相当してもよい。このように、Ch−xに対してa,b,c,…で表示される値は互いに区別可能な値であればよく、その区別される方法に制限はない。ただし、以下の説明では、説明の便宜のために、Ch−xに対してa,b,c,…で表示される値を、変調された値と称する。
また、a,b,c,…で表示される値は0以外の値であり、あらかじめ定められた特定値でもよい。例えば、aとして‘+1’を使用し、bとしては‘+1’あるいは‘−1’を用いることができる。
上記の表3の例示において同じ値が伝送されても、どのチャネルで伝送されるかによって異なった情報(すなわち、ACKまたはNACK)が伝送されることがある。例えば、ACKを伝送する場合は、リソース1(すなわち、ch1)のRS部分でa値が伝送され、Data部分でb値が伝送される。NACKを伝送する場合は、リソース2(すなわち、ch2)のRS部分でa値が伝送され、Data部分でb値が伝送される。このように、どのリソースを通じて信号が伝送されるかによって異なった情報を伝達する方法を、チャネル選択ということができる。
上記の表3の例示では複雑なコンステレーションマッピングを使用しない簡単な例示を示したが、コンステレーションマッピングをさらに用いてより多い情報を伝送することもできる。表4では、2個に区分されるコンステレーションマッピング(例えば、BPSK)を用いた例示を表す。
上記の表4で、a、b、cはそれぞれ、あらかじめ定められた0以外の特定値でよい。ただし、bとcはコンステレーション上で相互間の距離(distance)が大きいものを用いることが好ましい。例えば、aは‘+1’を用い、bとcは‘+1’と‘−1’、あるいは‘−1’と‘+1’を用いることができる。表4の例示で、ACK/ACKを伝送する場合はリソース1(=ch1)でbに変調して伝送し、ACK/NACKを伝送する場合は、リソース1(=ch1)でcに変調して伝送することを意味する。また、NACK/ACKを伝送する場合は、リソース2(=ch2)でbに変調して伝送し、NACK/NACKを伝送する場合は、リソース2(=ch2)でcに変調して伝送することを意味する。
既存のLTEリリース−8/9で用いられる、TDDでのACK/NACK伝送のためのチャネル選択のためのマッピング関係が、下記の表5、表6及び表7のように定義されている。LTEリリース−8/9でTDD ACK/NACK多重化(multiplexing)は、TDD ACK/NACKチャネル選択と同じ意味で使われてもよいが、後述する多重搬送波支援システム(例えば、LTE−AまたはLTEリリース−10)ではそうでない。
下記の表5、表6及び表7でM値を、TDDシステムでの下りリンク関連セットインデックス
(後述の表12の通りに定義される。)によって決定することができる。例えば、表5で、M=2の場合に、空間(spatial)バンドリング(すなわち、複数個のコードワードに対するACK/NACKバンドリング)を含む2種のACK/NACK情報の伝達のために2つのPUCCHリソース
を使用しながら、各PUCCHリソース内でQPSKコンステレーション
を使用することができる。
具体的に、端末は、サブフレームnにおいてACK/NACKリソース
上でビット
をPUCCHフォーマット1bを用いて伝送する。
の値及びACK/NACKリソース
を、下記の表5、表6及び表7に基づくチャネル選択(channel selection)によって生成することができる。表5、表6及び表7はそれぞれ、M=2、M=3、M=4の場合におけるACK/NACK多重化の伝送に関するものである。
がN/Aにマッピングされる場合に、端末はサブフレームnでACK/NACK応答を伝送しない。
上記の表5、表6及び表7で、HARQ−ACK(i)は、i−番目のデータユニット(0≦i≦3)のHARQ ACK/NACK/DTX結果を表す。DTX(Discontinuous Transmission)は、HARQ−ACK(i)に対応するデータユニットの伝送がないか、或いは端末がHARQ−ACK(i)に対応するデータユニットの存在を検出できなかった場合を表す。本明細書でHARQ−ACKはACK/NACKと同じ意味で使われる。それぞれのデータユニットと関連して最大4個のPUCCHリソース(すなわち、n(1) PUCCH,0〜n(1) PUCCH,3)が占有されうる。多重化されたACK/NACKは、占有されたPUCCHリソースから選択された一つのPUCCHリソースを通じて伝送される。表5、表6及び表7に記載されたn(1) PUCCH,xは、実際にACK/NACKを伝送するのに用いられるPUCCHリソースを表す。
は、選択されたPUCCHリソースを通じて伝送される2ビットを表し、QPSK方式で変調される。一例として、表7のように、端末が4個のデータユニットを成功的に復号した場合に、端末は、n(1) PUCCH,1と連結されたPUCCHリソースを通じて(1,1)を基地局に伝送する。PUCCHリソースとQPSKシンボルとの組み合わせが、可能なACK/NACK仮定を全て表すのには足りず、一部の場合を除いてはNACK及びDTXはカップリングされる(NACK/DTXと表示される)。
一方、本発明の適用に関連する多重搬送波を支援するLTE−A(または、LTEリリース−10)システムの場合に、チャネル選択方法を適用するために用いるチャネル選択マッピング関係に特別な制約がない。例えば、下記の表8乃至表10のようなACK/NACK情報を伝送するためのチャネル選択マッピング関係を定義することができる。表8は2−ビットACK/NACKのためのマッピング関係を、表9は3−ビットACK/NACKのためのマッピング関係を、表10は4−ビットACK/NACKのためのマッピング関係、を例示的に定義したものである。
または、下記の表11のような1−ビット乃至4−ビットのACK/NACKのためのチャネル選択マッピング関係を定義することもできる。表11の例示で、1−ビットACK/NACK情報を伝送するためにb0を、2−ビットACK/NACK情報を伝送するためにb0,b1を、3−ビットACK/NACK情報を伝送するためにb0,b1,b2を、4−ビットACK/NACK情報を伝送するためにb0,b1,b2,b3を生成及び伝送することができる。
多重搬送波支援システムにおいて下りリンク伝送に対する上りリンク確認応答の伝送
多重搬送波または搬送波アグリゲーションを支援するシステムにおいて、下りリンクリソースをDL CC(Component Carrier)、上りリンクリソースをUL CCと定義することができる。また、下りリンクリソース及び上りリンクリソースの組み合わせをセル(cell)と呼ぶことができる。ただし、DL CCとUL CCとが非対称に構成される場合に、セルはDL CC(またはUL CC)のみを指すこともある。例えば、特定端末に一つのサービングセル(configured serving cell)が設定される(configured)場合に、該特定端末は、1 DL CCと1 UL CCを有するようになる。しかし、特定端末に2つ以上のサービングセルが設定される場合には、該特定端末は、セルの個数だけのDL CCを有し、UL CCの個数はDL CCの個数と同一または小さくなる。または、特定端末に複数のサービングセルが設定される場合に、DL CCの数よりもUL CCの数が多い多重搬送波環境が支援されてもよい。
下りリンクリソースの搬送波周波数(セルの中心周波数)と上りリンクリソースの搬送波周波数との連係(linkage)は、下りリンクリソース上で伝送されるシステム情報(SI)で指示(indicate)可能である。例えば、SIB2(System Information Block Type2)で定義される連係(linkage)によってDLリソースとULリソースとの組み合わせ(combination)を構成することができる。
このような定義から、搬送波アグリゲーション(CA)は、搬送波周波数が互いに異なる2つ以上のセルの結合であるということができる。すなわち、搬送波周波数が互いに異なる1個超過のサービングセルが特定端末に設定される場合を、CA環境ということができる。CAを支援する端末に対して、一つ以上のSCell(Secondary cell)がPCell(Primary Cell)と共に用いられることによって、増加した帯域幅の支援が可能になる。
ここで、サービングセルは、PCellまたはSCellでよい。RRC接続が設定された(RRC_CONNECTED)端末がCAを支援しない場合には、PCellを含む一つのサービングセルのみ存在する。一方、RRC_CONNECTED端末がCAを支援する場合には、サービングセルという用語は、PCell及びSCellを含む一つ以上のセルの集合(set)を意味する。
PCellは、CA環境で設定されたサービングセルのうち、制御関連通信の中心となるセルである。端末が初期接続確立手順(initial connection establishment procedure)、接続再確立手順(connection re−establishment procedure)またはハンドオーバー手順で指示または利用されたセルがPCellになり得る。端末は、自身のPCellでのみPUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースが割り当てられ、PUCCHを伝送することができる。また、端末は、システム情報獲得及び変更に対するモニタリング手順をPCellでのみ行うことができる。CAを支援する端末に対して、基地局は、mobilityControlInfoを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージを使用するハンドオーバー手順を用いてのみPCellを変更することができる。
次に、SCellは、CA環境で設定されたサービングセルのうち、PCell以外のセルを意味する。SCellではPUCCHが存在しない。SCellを追加する場合に、基地局は、CAを支援する端末に専用シグナリングを通じてRRC_CONNECTED状態の該当のセルでの動作に関連した全てのステム情報を提供することができる。SCellに対して、システム情報の変更は、一つのRRCConnectionReconfigurationメッセージを用いた該当のSCellの解除(release)及び追加(addition)によって行うことができる。基地局は、該当のSCellで、ブロードキャストメッセージに含まれたパラメータとは異なるパラメータを有する専用シグナリングを端末に伝送することができる。初期保安活性化手順(initial security activation procedure)の後に、基地局はPCell(接続確立手順の間にサービングセルに設定されるセル)に加えて、一つ以上のSCellを端末に設定することができる。PCellは保安入力及び上位層システム情報を提供するのに用いられ、SCellは追加の下りリンクリソースを提供し、必要時には上りリンクリソースを提供するのに用いられうる。基地局は、mobilityControlInfoを含んだり含まないRRCConnectionReconfigurationメッセージを使用するRRC接続再確立手順を用いてSCellを独立して追加、除去または修正することができる。
搬送波アグリゲーション環境でのRRC関連パラメータ(parameter)/情報要素(Information Element;IE)としてPhyCellId、SCellIndex、ServCellIndexなどを定義することができる。PhyCellIdは、0〜503範囲の整数値を有することができ、Cellの物理層識別子とすることができる。SCellIndexは、1〜7範囲の整数値を有することができ、SCellの識別子とすることができる。ServCellIndexは、0〜7範囲の整数値を有し、サービングセル(PCellまたはSCell)の識別子とすることができ、0値はPCellに適用され、SCellにはSCellIndexが適用されない。すなわち、ServCellIndexで最小(または、最低)のセルインデックスを有するセルをPCellと定義することができる。
要するに、搬送波アグリゲーションにおいて、多重搬送波はPCellとSCellとに区別され、これは端末−特定パラメータ(UE−specific parameter)である。特定端末は、一つ以上の設定されたサービングセルを有することができ、複数の設定されたサービングセルが存在する場合に、それらのセルのうち、一つのセルはPCellとなり、残りのセルはSCellsとなる。また、TDDの場合に、端末が複数の設定されたサービングセルを有するとき、特定DLサブフレームで伝送されるPDSCHに対するACK/NACKがどのULサブフレームで伝送されるかを定義するUL−DL設定(UL−DL configuration)は全てのセルで同一でよい。
また、端末は、一つ以上のCCから測定(measurement)されたCSI(Channel State Information)(CQI、RI、PMIなどを総称する。)、HARQ ACK/NACKなどの上りリンク制御情報を、あらかじめ定められた一つのCCで基地局へ伝送することができる。例えば、端末は、PCell DL CCとSCell(s) DL CCから受信された複数のACK/NACKフィードバックを必要とする場合に、これらACK/NACKフィードバックを集めて(例えば、ACK/NACK多重化(multiplexing)またはACK/NACKバンドリング(bundling)など)PCell内のUL CCで一つのPUCCHを用いて伝送することができる。
本発明では、複数個の下りリンク伝送に対する複数個のACK/NACKが一つの上りリンクPUCCHを通じて伝送される場合に、複数個の下りリンク伝送を構成する単位(一つ以上のサブフレーム及び/または一つ以上の搬送波)をバンドリングウィンドウと称する。すなわち、時間ドメインバンドリングとは、複数個のサブフレームでの下りリンク伝送に対するACK/NACKをバンドリングすることを意味し、CCドメインバンドリングとは、複数個のCCでの下りリンク伝送に対するACK/NACKをバンドリングすることを意味し、時間/CCドメインバンドリングとは、複数個のサブフレーム及び複数個のCCでの下りリンク伝送に対するACK/NACKをバンドリングすることを意味する。ACK/NACKバンドリングは論理積(logical AND)演算により行われるが、これに制限されず、論理和(logical OR)などの他の方法により行われてもよい。
また、実際に論理積(または論理和)演算などを用いて時間ドメイン及び/またはCCドメインバンドリングが行われる単位を、実際バンドリングウィンドウ(real bundling window)と称することができる。すなわち、一つのバンドリングウィンドウ内には一つ以上の実際バンドリングウィンドウが存在可能である。言い換えると、バンドリングウィンドウのサイズは、実際バンドリングウィンドウサイズと同一または大きい。ここで、一つの下りリンク伝送に対する複数個のACK/NACKビットの空間(spatial)バンドリング(すなわち、複数個のコードワードに対するACK/NACKバンドリング)は、バンドリングウィンドウか実際バンドリングウィンドウかに関わらずに適用可能である。
3GPP LTEシステムで定義する、下りリンク伝送に対するACK/NACKフィードバックが必要な場合について説明する。ここで、サブフレームnでACK/NACKが伝送される場合に、該ACK/NACKは、サブフレームn−kでの下りリンク伝送に対するものである。
まず、TDDシステムの場合には、下記の表12のように、サブフレームnとサブフレームn−kとの関係について、上記の表1のUL−DL構成別に下りリンク関連セットインデックスK:
を与えることができる。
FDDの場合に、Mは常に1であり、Kは常に{k0}={4}である。
サブフレームn−kでの下りリンク伝送に対するACK/NACKがサブフレームnで伝送される場合に、サブフレームn−kでの下りリンク伝送は、下記の3つの場合のうち一つ以上に関するものでよい。
ケース1は、サブフレームn−kで検出されたPDCCHにより指示されるPDSCHに対してACK/NACKフィードバックが必要な場合である。ここで、k∈Kであり、Kは、サブフレームインデックス(n)とUL−DL構成によって異なり、M個の元素(element)からなる{k0,k1,…kM−1})。上記の表12は、K:{k0,k1,…kM−1}を例示する。ケース1は、一般のACK/NACKフィードバックが必要なPDSCHに関するものである。以下の説明では、ケース1を、「PDSCHに対するACK/NACK」または「PDSCH with PDCCHに対するACK/NACK」と称する。
ケース2は、サブフレームn−k内の下りリンクSPS(Semi−Persistent Scheduling)解除(release)を指示するPDCCHに対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合である。ここで、k∈Kであり、Kは、ケース1で説明した通りである。ケース2のACK/NACKは、SPS解除のためのPDCCHに対するACK/NACKフィードバックを意味する。一方、DL SPS解除に対するACK/NACKフィードバックは行われるが、SPS活性化(activation)を指示するPDCCHに対するACK/NACKフィードバックは行われない。以下の説明では、ケース2を「DL SPS解除PDCCHに対するACK/NACK」と称する。
ケース3は、サブフレームn−kで検出された対応PDCCHがないPDSCH伝送に対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合である。ここで、k∈Kであり、Kは、ケース1で説明した通りである。ケース3は、PDCCHのないPDSCHに関するもので、SPS PDSCHに対するACK/NACKフィードバックを意味する。以下の説明では、ケース3を「DL SPS PDSCHに対するACK/NACK」と称する。
以下の説明では、対応するPDCCHを有するPDSCH、DL SPS解除のためのPDSCH、対応するPDCCHのないPDSCHを総称して、「ACK/NACK伝送が必要な下りリンク伝送」という。
このような下りリンク伝送に対するACK/NACKの伝送が多重搬送波システムで適用される場合に関する本発明の例示について以下に具体的に説明する。
説明の便宜のために、下記のような仮定を前提として本発明の例示について説明する。しかし、本発明の実施例が下記のような仮定下でのみ実施されるというわけではない。
(1)一つのPCellと一つ以上のSCellが存在可能である。
(2)該当のPDCCHを有するPDSCH(PDSCH with corresponding PDCCH)はPCell及びSCellに存在可能である。
(3)DL SPS解除を指示するPDCCHはPCellにのみ存在可能である。
(4)該当のPDCCHのないPDSCH(=SPS PDSCH)はPCellにのみ存在可能である。
(5)PCellからSCellへのクロス−スケジューリングは支援可能である。
(6)SCellからPCellへのクロス−スケジューリングは支援されない。
(7)SCellから他のSCellへのクロス−スケジューリングは支援可能である。
本発明の説明でいう時間ドメイン及び/またはCCドメインバンドリングは、論理AND演算を意味するが、論理OR演算などの他の方法で行われてもよい。すなわち、以下でいう時間ドメインあるいはCCドメインバンドリングは、単一PUCCHフォーマットを用いたACK/NACK応答において複数のサブフレームあるいは複数のCCにわたる複数のACK/NACKを少ないビット数で表現するための方法を総称する。すなわち、M−ビットのACK/NACK情報をN−ビット(M≧N)で表現するための任意の方法を総称する。
多重搬送波及び/またはTDDが適用されるシステムにおいて、複数個のACK/NACKビットは、PUCCHフォーマット1a/1bを用いるチャネル選択、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット3を用いるチャネル選択などにより伝送することができる。これらのPUCCHフォーマットに対するPUCCHリソースインデックスについては、暗黙的(implicit)マッピングが用いられてもよく、明示的(explicit)マッピングが用いられてもよく、または暗黙的マッピングと明示的マッピングとが複合的に用いられてもよい。暗黙的マッピングには、例えば、該当するPDCCHの最低CCEインデックスに基づいてPUCCHリソースインデックスを誘導する方法がある。明示的マッピングには、例えば、該当のPDCCH内のARI(ACK/NACK Resource Indicator)値に基づいて、該当のPUCCHリソースインデックスを、RRC構成などによりあらかじめ定められたセットから指示(indicate)または誘導する方法がある。
本発明と関連して、複数個のACK/NACKビットを伝送するための新しいPUCCHフォーマット(例えば、図24乃至図27で説明したPUCCHフォーマット3)を用いる場合に、PUCCHフォーマット3のリソース割当(resource allocation)は明示的リソース割当(explicit resource allocation)にすることを基本とする。
具体的に、PUCCHフォーマット3に設定されているUEは、当該フォーマットのための直交リソース(orthogonal resource)が明示的に(例えば、RRCシグナリングにより)指示されうる。また、RRC構成などによりあらかじめ定められた直交リソースのうち、SCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCH内のARIの値によって最終的なPUCCHリソースを決定してもよい。このとき、ARIは、明示的にシグナリングされたPUCCHリソース値を基準とするオフセット(offset)値であってもよく、または、一つ以上のPUCCHリソースセットのうちのいずれを用いるかを指示(indication)するものであってもよい。
PDCCH内にARI情報を含める方案として、既存のPDCCHに定義されているフィールドをARI用に再使用(reuse)する方案を考慮することができる。PDCCHにはTPC(Trnansmit Power Control)フィールドが含まれることがある。このTPCフィールドの元来の目的は、PUCCH伝送電力を制御することにあり、2ビットの値で構成可能である。
上述したように、SCellでのみARIが伝送されるようにする場合に、SCellに対するPDCCH内のTPC(Trnansmit Power Control)フィールドをARI用途に再使用することができる。一方、PCellに対するPDCCH内のTPCフィールドは、本来の目的のまま、PUCCH伝送電力制御用にすればよい。
また、LTEリリース−10システムでは、PCellのPDSCHをスケジューリングするPDCCHをSCellで受信することができないので(すなわち、SCellのPDCCHによってPCellのPDSCHを交差−搬送波スケジューリングすることが許容されないので)、UEがPDSCHをPCellでのみ受信するという意味は、PDCCHをPCellでのみ受信する(UE receives PDCCH only on PCell)という意味と等価である。
RRCによって設定される明示的なACK/NACKリソース割当は、下記のように行われるとよい。
まず、SCell上でのPDSCHに対応するPDCCH(すなわち、PDSCHをスケジューリングするPDCCH)は、RRCにより設定されたリソースから特定PUCCHリソースを誘導する情報(例えば、ARI)を含むことができる。
次に、PDSCHに対応するPDCCHがSCellで受信されず、PDSCHがPCellで受信される場合には、次のいずれか一つが適用されうる。その一つは、LTEリリース−8で定義されたPUCCHリソース(すなわち、PUCCHフォーマット1a/1bリソース)が用いられる。もう一つは、PCell上でのPDSCHに対応するPDCCHが、RRCにより設定されたリソースから特定PUCCHリソースを誘導する情報(例えば、ARI)を含むことができる。
また、UEは、SCellでPDSCHに対応するPDCCHがいずれも同じARIを有すると仮定することができる。
このようなARI情報がSCellでのみ伝送されるように定義すると、多重搬送波及び/またはTDDが適用されるシステムにおいて、UEがPCellのためのPDSCHのみを受信した場合(または、PCellでのみPDCCHを受信した場合)には、SCellから伝送されるARI情報が確認できず、UEが使用するPUCCHフォーマット(PUCCHフォーマット3)のためのリソースインデックスを最終的に決定できなくなる問題がある。
本発明ではこのような問題を解決するために、UEがPCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合(または、PCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)にも、PUCCHフォーマットのためのリソースインデックスを最終的に決定し得る方案を提案する。
本発明の種々の例示において、UEがPCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合(または、PCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)を、説明の便宜のために「PCell−only−receiving」と略称する。ここで、PCell−only−receivingはUEの受信の立場で定義されたものである。また、多重搬送波環境で本発明が適用される場合に、UEは、一つの設定されたセル(configured cell)を有することもでき、または、複数の設定されたセル(configured cells)を有することもできる。UEが一つの設定されたセルを有する場合には、そのセルがPCellになり、複数の設定されたセルを有する場合に、それらのセルは一つのPCellと一つ以上のSCellとからなる構成でよい。これらの場合のいずれか一方または両方において本発明を適用することができる。すなわち、CA環境または非−CA(non−CA)環境のいずれにおいても本発明で定義するPCell−only−receivingを定義することができる。
また、前述したように、複数個のACK/NACKビットを伝送するために用いられる新しいPUCCHフォーマット、すなわち、PUCCHフォーマット3は、UEが一つの設定されたセルを有する場合にも、TDDシステムにおいて複数個の下りリンクサブフレームを通じて受信された下りリンク伝送に対するACK/NACKの伝送のために用いることができる。または、PUCCHフォーマット3は、UEが複数の設定されたセルを有する場合にFDDまたはTDDシステムに用いることもできる。すなわち、PUCCHフォーマット3は、搬送波アグリゲーション(CA)システムにも、非−搬送波アグリゲーション(non−CA)TDDシステムにも適用可能である。
また、本発明の種々の例示で、PUCCHフォーマット3のために用いられるリソース候補セット(resource scandidate set)はRRCによって設定(configured)可能である。このようなPUCCHリソース候補セットから、SCellのARI情報(PDCCHのTPCフィールドを再使用することによって表現される。)の値によって特定PUCCHリソースが決定または誘導され得ることを前提とする。これを簡略に表現すると、UEが使用するPUCCHフォーマット3リソースは、RRC設定されたリソース候補から、PDCCHに含まれたARIによって誘導されるものであるといえる。ここで、ARIはXビットのサイズを有し、前述したように、SCellでPDCCH内のTPCフィールド(2ビットサイズ)を再使用してARIを表現する場合には、X=2と定義できる。例えば、2ビットサイズのARIを使用すると、4個のPUCCHリソース候補のうち一つのリソースを表すことができる。
本発明では、PUCCHフォーマット3の適用と関連した説明の便宜のために、1個の直交リソースを必要とする単一アンテナ伝送を取り上げて説明する。しかし、本発明はこれに制限されるものではなく、PUCCHフォーマット3にSORTD(spatial orthogonal−resource transmit diversity)のような伝送ダイバーシティ(Transmit Diversity)手法のような多重アンテナ伝送手法が適用される場合にも、本発明の原理が同一に適用され得ることは明らかである。
前述の内容をまとめて、PUCCHフォーマット3リソース割当に関する本発明の例示的な仮定について説明する。
PUCCHフォーマット3のためのリソースを
と表現し、PUCCHフォーマット3のための4個の直交リソース候補をそれぞれ、
と表現することができる。これら4個の直交リソースはRRCシグナリングにより任意のUEに割り当てられうる。このようなRRCシグナリングは、例えば、個別の4個のRRCシグナリングであってもよく、4個の直交リソースで構成された一つのセット
を一つのRRCシグナリングを通じて該当のUEに知らせるものであってもよい。4個のPUCCHリソース候補が割り当てられたUEは、追加的に受信するARIが表す値に基づいて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース
を最終的に決定することができる。
下記の表13に、単一アンテナ(single antenna)伝送の場合にPUCCHフォーマット3のためのリソース割当を例示的に表す。
以下では、上述の内容に基づいて、本発明の種々の例示について具体的に説明する。
実施例1
本実施例1は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、あらかじめ定義された(pre−defined)リソース割当を用いる方案に関する。
PCell−only−receivingの場合に、PUCCHフォーマット3のリソースインデックスをあらかじめ定めておくことが可能である。すなわち、端末は、PCell−only−receivingでない場合には、SCellで受信されるARIからPUCCHリソースインデックスを誘導し、PCell−only−receivingの場合には、あらかじめ定められたPUCCHリソースインデックスを用いることが可能である。
具体的に、端末がPCell−only−receivingの場合に使用するPUCCHフォーマット3リソースを決定し得るように、新しいインデックスをあらかじめ定めておくことができる。この新しいインデックスは、SCellでのARIと同じ意味を有することができる。言い換えると、この新しいインデックスは、RRCにより設定されたリソース候補セットのうち、いずれか一つを指示(indicate)する用途に用いることができる。この新しいインデックスは、リソース候補セットのうち、特定順番の(例えば、最初または最後の)リソースを指示する、あらかじめ定義される規則(または特定値)の形態とすることができる。
例えば、PCell−only−receivingの場合に、PUCCHフォーマット3リソースを決定するインデックスは、システム−特定値(system−specific value)とすることができる。または、このインデックスは、基地局−特定値(eNB−specific value)または端末−特定値(UE−specific value)としてRRC設定されてもよい。
図28は、PCell−only−receivingの場合にPUCCHリソース決定のためにあらかじめ定義されたリソース割当の例示を示すフローチャートである。
段階S2810で、端末は、上位層設定(higher−layer configuration)(例えば、RRCシグナリング)により、PUCCHフォーマット3のための4個のリソースを含むPUCCHリソース候補セット
を受信することができる。
段階S2820で、ACK/NACK伝送のためにPUCCHフォーマット3を使用する場合に、端末はPCell−only−receivingか否かを判定することができる。段階S2820の結果がNOである(すなわち、PCell−only−receivingでない)と、段階S2830が行われ、段階S2820の結果がYESであると(すなわち、PCell−only−receivingであると)、段階S2840が行われる。
段階S2830で、端末は、SCellのPDCCH(s)内のTPCフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
一方、段階S2840では、SCellでのPDCCHの受信がないので、端末は、あらかじめ定義された規則(または、あらかじめ定義されたインデックス)によって、4個のPUCCHリソース候補から一つのPUCCHリソースを選択することができる。図28の例示では、あらかじめ定義された規則が、PUCCHリソース候補セットから最後のPUCCHリソースインデックスを選択するようになっている。すなわち、段階S2840で端末は、
を計算/選択することができる。
段階S2830または段階S2840の後、端末は、計算/選択されたインデックスに該当するリソースを用いてPUCCHフォーマット3を使用してACK/NACK情報を伝送することができる。
実施例2
本実施例2は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、追加の(additional)リソースインデックスをあらかじめ定めてPUCCHリソース割当に用いる方案に関する。
PCell−only−receivingの場合に、PUCCHフォーマット3の追加のリソースインデックスをあらかじめ定めておくことが可能である。すなわち、端末は、PCell−only−receivingでない場合には、SCellで受信されるARIからPUCCHリソースインデックスを誘導すればよく、PCell−only−receivingの場合には、あらかじめ定められた追加のPUCCHリソースインデックスを用いることができる。前述の実施例1でいうあらかじめ定められたインデックスは、端末に設定されるPUCCHリソース候補のうちの一つに対してあらかじめ定められたインデックスであるのに対し、本実施例2では、端末に設定されるPUCCHリソース候補とは別途に追加のリソースインデックスをあらかじめ定めておく。
本実施例によれば、例えば、2ビットサイズのARIが用いられる場合に4個のRRC設定されたリソース候補セットが定義される場合において、RRCシグナリングを通じて追加の一つのリソース候補を端末に知らせることができる。そのために、RC設定されたリソース候補セットを5個のPUCCHリソースインデックスで構成し、そのいずれか一つのあらかじめ定められたリソースインデックス(例えば、最後のリソースインデックス)をPCell−only−receivingの場合にのみ用いられるものと設定することができる。または、4個のRRC設定されたリソース候補セットと別に、PCell−only−receivingのための一つのリソース候補を設定してもよい。これら両場合のいずれにおいても、PCell−only−receivingの場合にのみ使用するための(すなわち、SCellでのARIにより指示されない)余分のリソースインデックスを端末に割り当てることができる。ここで、PCell−only−receivingのための一つの追加のリソース候補は、既存のRRC設定される4個のリソース候補と重複しないように設定されることが好ましいが、場合によっては重複して設定されることを許容してもよい。
図29は、PCell−only−receivingの場合にPUCCHリソース決定のためにあらかじめ定義された追加のリソース割当の例示を示すフローチャートである。
段階S2910で、端末は、上位層設定(higher−layer configuration)(例えば、RRCシグナリング)により、5個のPUCCHフォーマット3のためのリソースを含むPUCCHリソース候補セット
を受信することができる。
段階S2920で、ACK/NACK伝送のためにPUCCHフォーマット3を使用する場合に、端末は、PCell−only−receivingか否かを判定できる。段階S2920の結果がNOである(すなわち、PCell−only−receivingでない)と、段階S2930が行われ、段階S2920の結果がYESである(すなわち、PCell−only−receivingである)と、段階S2940が行われる。
段階S2930で端末は、5個のPUCCHリソース候補セットのうち、あらかじめ定められた所定の規則によって決定された4個のPUCCHリソース候補(例えば、インデックスの低い4個のPUCCHリソース、
から、SCellのPDCCH(s)内のTPCフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、自身が使用する一つのPUCCHリソースを計算/選択することができる。
一方、段階S2940ではSCellでのPDCCHの受信がないので、端末は、あらかじめ定義された規則によって一つのPUCCHリソースを計算/選択することができる。ここで、あらかじめ定められた規則は、例えば、RRC設定された5個のPUCCHリソース候補のうち、最後のリソース
を選択する規則と定義することができる。ここで、段階S2930で5個のうち4個のPUCCHリソース候補を決定する規則と、段階S2940で5個のうち1個のPUCCHリソース候補を決定する規則は、互いに重ならないように定義されるとよいが、場合によって、リソース候補が重なって選択されるように定義されてもよい。
段階S2930または段階S2940の後、端末は、計算/選択されたインデックスに該当するリソースを用いてPUCCHフォーマット3を使用してACK/NACK情報を伝送することができる。
実施例3
本実施例3は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、DAI(Downlink Assignment Index)をPUCCHリソース割当に用いる方案に関する。
前述の実施例1及び2では、追加の物理層シグナリング(例えば、PDCCHシグナリング)無しに、PCell−only−receivingの場合にPUCCHフォーマット3のためのリソースインデックスを誘導する方案について説明した。本実施例3では、SCellでのPDCCHの受信がない場合であるから、既存の方式のようにSCell上でARIを受信することはできないが、PCell上で受信される物理層シグナリングのうち、ARIの機能を担当し得る情報を定義して用いる方案に関する。具体的に、本実施例では、PCell−only−receivingの場合に、PDCCH内に含まれるDAI情報をARI情報として用いる方案に関する。
PDCCH内のDAIフィールドはTDDシステムに対して定義されるもので、DL割当(またはPDSCHスケジューリング)に対して与えられるインデックスである。端末が複数個のDL割当(PDSCH)に対するACK/NACKを一つの上りリンクサブフレームで伝送するに当たり、DAIから、ACK/NACK伝送されるDL割当(PDSCH)の個数に関する情報を導出することができる。例えば、端末が基地局に、複数個のDL割当(PDSCH)に対するACK/NACK信号を(ACK/NACKバンドリングなどを用いて)伝送するに当たり、複数個のPDCCHのうち一部を端末が受信できない(すなわち、逃す)ことがある。こうなると、端末は、自身が逃したPDCCHに該当するPDSCHが自身に送られた事実さえ知らず、よって、ACK/NACK生成に誤りが発生しうる。このような問題を解決するためにDAIを用いることができる。既存のTDDシステムにおいて、例えば、N個のDLサブフレームに対して一つのULサブフレームが対応している場合に、N個のDLサブフレーム区間に伝送されるPDCCHに順次にDAIを付与(すなわち、順次にカウント)すると、端末は、PDCCH中のDAI情報から、これまでPDCCHを正確に受信したか否かが判断できる。
本実施例では、PUCCHフォーマット3が使用される場合に、PCellのPDCCH内のDAIが元来の用途に用いられない場合を考慮して、DAIを、PUCCHリソース割当を決定するARIの用途に再使用することを提案する。具体的に、PUCCHフォーマット3がTDDシステムで用いられても、時間−ドメインあるいはCC−ドメイン(または、周波数−ドメイン)でバンドリングが行われないACK/NACKフルマルチプレクシング(full multiplexing)モードで動作する場合にはDAI情報が不要になる。したがって、DAIフィールドをPCell−only−receivingの場合にARIの用途に再使用することができる。
図30は、PCell−only−receivingの場合にPUCCHリソース決定のためにDAIフィールドをARIの用途に用いる例示を示すフローチャートである。
段階S3010で、端末は、上位層設定(higher−layer configuration)(例えば、RRCシグナリング)により、PUCCHフォーマット3のための4個のリソースを含むPUCCHリソース候補セット
を受信することができる。
段階S3020で、ACK/NACK伝送のためにPUCCHフォーマット3を使用する場合に、端末は、PCell−only−receivingか否かを判定できる。段階S3020の結果がNOである(すなわち、PCell−only−receivingでない)と、段階S3030が行われ、段階S3020の結果がYESである(すなわち、PCell−only−receivingである)と、段階S3040が行われる。
段階S3030で端末は、SCellのPDCCH(s)内のTPCフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
一方、段階S3040では、SCellでのPDCCHの受信がないので、端末は、PCellのPDCCH内のDAIフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
段階S3030または段階S3040の後、端末は、計算/選択されたインデックスに該当するリソースを用いてPUCCHフォーマット3を使用してACK/NACK情報を伝送することができる。
実施例3−1
本実施例3−1は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、バンドリングされたサブフレーム内で同じARI値を適用する例示に関する。
本発明の説明でいう「バンドリングされたサブフレーム(またはバンドリングウィンドウ)」とは、実際に時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でバンドリングが行われる単位を意味するのではなく、バンドリングウィンドウ内の下りリンクサブフレームに対するACK/NACK応答が一つの上りリンクPUCCHで伝送される場合に、それらの下りリンクサブフレームで構成された一つの単位を意味する。
例えば、LTEリリース−8 TDDシステムでは、上記の表12(下りリンク関連セットインデックス
を表した表)のように、特定ULサブフレーム(サブフレームn)で以前のどのDLサブフレーム(サブフレームn−k)に対するACK/NACK応答が伝送されるかを定義している。上記の表12の例示を参照してバンドリングサブフレームを説明すると、特定ULサブフレームで特定DLサブフレームに対するACK/NACKが伝送される場合に、該特定DLサブフレームをバンドリングサブフレームと称する。例えば、UL−DL configuration 4の場合に、ULサブフレーム2に対するバンドリングされたサブフレームはDLサブフレーム12、8、7、11であり、ULサブフレーム3に対するバンドリングされたサブフレームはDLサブフレーム6、5、4、7である。
PUCCHフォーマット3をTDDで使用する場合に、前述したように、複数のDLサブフレームに対するACK/NACK応答が一つのUL PUCCHを通じて伝送される場合がある。この場合、前述した実施例3によって、PCell−only−receivingの場合に複数個のDLサブフレームで一つ以上のPDCCHが検出されるとき、各PDCCHで指示するARI(=DAI)値が互いに異なると、それらのうちいずれのARI値によってPUCCHリソースを計算/選択すればよいか不明になる。
このような問題を防止するために、バンドリングされたサブフレームについては、PCellで伝送されるPDCCHのARI値(すなわち、DAIフィールドの値)を同一に維持させなければならない。
実施例3−2
本実施例3−2は、バンドリングされたCC内で同じARI値を適用する例示に関する。
本発明の説明でいう「バンドリングされたCC(またはバンドリングウィンドウ)」は、実際に時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でバンドリングが行われる単位を意味するのではなく、バンドリングの有無とは別に、バンドリングウィンドウ内の下りリンクCCに対するACK/NACK応答が一つの上りリンクPUCCHで伝送される場合に、それらの下りリンクCCで構成された一つの単位を意味する。例えば、ACK/NACKフルマルチプレクシングが適用される場合には、バンドリングされたCCは、端末に設定されたCCの個数と同じ意味で使われる。
PUCCHフォーマット3をTDDまたはFDDシステムで使用する場合に、前述したように、複数のDL CCに対するACK/NACK応答が一つのUL PUCCHを通じて伝送される場合がある。ここで、複数のDL CCに対するACK/NACK応答が伝送されるという意味は、PCell及び一つ以上のSCellで下りリンク伝送が存在する場合に該当可能である。このような場合、PCellのPDCCH内のARI値とSCellのPDCCH内のARI値とが異なっていると、そのうちいずれのARI値によってPUCCHリソースを計算/選択すればよいか不明になる。
したがって、このような問題点を予防するために、PCellでARIの用途に用いられるフィールド(DAIフィールド)の値を、SCellでのARI用途に用いられるフィールド(TPCフィールド)の値と同一に維持させなければならない。
実施例3−3
本実施例3−3は、バンドリングされたCC及びサブフレーム内で同じARI値を適用する例示に関する。
すなわち、前述した実施例3−1及び3−2を同時に考慮する場合(例えば、複数個のCC及び複数個のサブフレームが一つのバンドリング単位となる場合)に、それぞれのCellまたはそれぞれのサブフレームでのARI値が互いに異なっていると、PUCCHリソース計算/選択に不明瞭性が発生することがあり、PCell及びSCellでのPDCCH内のARIが同一に維持されると共に、複数個のサブフレーム上のPDCCH内のARIも同一に維持されなければならない。
実施例4
本実施例4は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、TPCフィールドをPUCCHリソース割当に用いる方案に関する。本実施例4は、ACK/NACKフルマルチプレクシングが適用される場合、適用されない場合のいずれにも適用可能である。また、本実施例4は、空間(spatial)バンドリング(複数個のコードワードに対するACK/NACKバンドリング)が適用される場合、適用されない場合のいずれにも適用可能である。
前述した実施例3では追加の物理層シグナリング無しでPCell−only−receivingにおいてもPUCCHリソース(例えば、PUCCHフォーマット3のリソース)のリソースインデックスを決定する方案について説明した。実施例3は、DAIが元来の用途(DL割当(またはPDSCHスケジューリング)に対して順次に与えられるインデックスの用途)に使用されない場合に、DAIをARI用途に用いる例示に関する。したがって、PUCCHフォーマット3がTDDシステムで用いられ、且つ時間−ドメインあるいはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でバンドリングが支援される場合には、正しいACK/NACK情報の生成のためにDAI情報が元来の用途に用いられる必要がある。
そのため、本実施例4では、PCell−only−receivingの場合にDAIフィールドを別の用途に再使用しない。本実施例4では、PCell−only−receivingの場合に、PCell上のPDCCH内のTPCフィールドをARIの用途に再使用する方案を提案する。
PCell−only−receivingでない場合(すなわち、SCell上でPDCCH伝送がある場合)には、SCellでのTPCフィールドがARIの用途に再使用されることは前述の通りである。しかし、PCell−only−receivingの場合には、SCell上でTPCフィールドの伝送がないので、正しいACK/NACK伝送のために新しい方案が定義される必要がある。
本実施例4によれば、PCell−only−receivingの場合に、PCell上であらかじめ定められた規則によって決定された特定PDCCH内のTPCフィールドは元来の伝送電力制御の用途のまま使用し、残りのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に再使用することができる。このように、端末は、PCell上であらかじめ定められた規則によって決定された特定PDCCHのTPCフィールドのみを本来の電力制御の用途に使用し、PCell上でそれ以外のPDCCHが受信される場合にはそのPDCCHのTPCフィールドをARIと解釈することができる。
ここで、TPCフィールドが元来の用途に使用されない場合に、または端末が電力制御用途のTPCフィールドを含むPDCCHを逃したり(miss)基地局がスケジューリングしない場合に、端末の上りリンク伝送電力の決定に対する動的制御性能が多少低下することがある。しかし、PDCCH内のTPC値は絶対値ではなく、以前の伝送電力に対する相対的なオフセット(offset)値であり、端末がTPC値を1〜2回アップデートしなくても、既存に設定された伝送電力は維持される。また、PDCCH内のTPCフィールド値を用いる伝送電力方案の他にも、補完的な電力制御方案が備えられている(これは、本発明の範囲から逸脱する部分であるから、具体的な説明は省く)。したがって、TPC値の落ちが実質的にネットワーク性能に大きい影響を与えることはない。
本実施例の適用において、PCell上であらかじめ定められた規則によって一つ以上のPDCCHのTPCフィールドを元来の用途(電力制御用途)に使用することができる。このあらかじめ定められた規則の例示について説明すると、下記の通りてある。
第一の例示として、バンドリングサブフレーム内でn番目のサブフレームで伝送されるPDCCHのTPCフィールドが元来の用途に用いられるように定義することができる。ここで、nは、バンドリングサブフレームのうち一部のサブフレームを指示する値でよい。例えば、バンドリングサブフレームのうち一つのサブフレームを指示する場合に、nは、0番目のサブフレームまたは最後のサブフレームを指示する値にすることができる。また、nは、バンドリングされるサブフレームの個数(または、バンドリングサブフレームのサイズ)によって異なるように定められてもよい。バンドリングされるサブフレームの個数は、例えば、上記の表12で表すように、1、2、3、4または9でよい。または、新しく定義されるバンドリング方式によって別の個数のサブフレームがバンドリングされてもよい。また、nは、バンドリングサブフレームのうちの複数個のサブフレームの集合を指示してもよい。例えば、n=0、1と表す場合に、バンドリングサブフレームのうち、0番目及び1番目のサブフレームで伝送されるPDCCHのTPCフィールドを元来の用途に用いることを意味することができる。このように、nが複数の値を有する場合に、後述するフォールバックテスト(fall−back test)のための受信されたPDCCH(received PDCCH)の個数もn値の個数だけ増加する。例えば、nが2個の値を有すると、フォールバックテストのための受信されたPDCCHの個数も2個にならなければならない。以下の本発明の説明では、便宜上、nが一つの値を有する場合を挙げて説明する。
第二の例示として、バンドリングサブフレーム内でn番目のDAI値を有するPDCCHでTPCフィールドが元来の用途に用いられるように定義することができる。ここで、nは、0,1,2,3,…のうち一つの値を有することができる。または、DAI値が1,2,3,4,…のように解釈される場合には、n=1,2,3,4,…のうち一つの値にすることができる。このような場合、ACK/NACKフルマルチプレクシングモード(時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)バンドリングが適用されない場合)でも、PCell上のPDCCH内にDAIフィールドが含まれうる。また、nは、複数個の値の集合の形態で定められてもよい。例えば、n=0、1のように与えられる場合に、0番目と1番目のDAI値を有するPDCCHでTPCフィールドが元来の用途に使用されることを表すことができる。または、DAI値が1から始まるものと解釈される場合には、n=1、2のように与えられると、1番目と2番目のDAI値を有するPDCCHでTPCフィールドが元来の用途に使用されることを表すことができる。このように、nが複数の値を有する場合に、後述するフォールバックテスト(fall−back test)のための受信されたPDCCH(received PDCCH)の個数もn値の個数だけ増加する。例えば、nが2個の値を有すると、フォールバックテストのための受信されたPDCCHの個数も2個にならなければならない。以下の本発明の説明では、便宜上、nが一つの値を有する場合を挙げて説明する。
第二の例示において、DAI値は、2ビットサイズを有し、端末に割り当てられるPDCCHに対する連続した(順次の)カウンターを意味することができる。実際に伝送されるDAIフィールドの値は、0、1、2、3(2ビット値で表現すると、00、01、10、11)のうち一つになり、これらはそれぞれ端末ではDAI値1、2、3、4と解釈される。これを、実際に伝送されるDAI値の観点と、端末が解釈するDAI値の観点とに分けて説明すると下記の通りである。
実際に伝送されるDAIフィールドの値が0、1、2または3であり、端末は、これをそれぞれ1、2、3または4番目のPDCCHと解釈することができる。この場合、実際に伝送されるDAI値の観点で、特定端末においてn=0(0、1、2、3のセットのうち)の場合が、最初のPDCCHを意味する。
実際に伝送されるDAI値が0,1、2または3であり、端末はこれをそれぞれ1、2、3または4番目のPDCCHと解釈することができる。この場合、端末で解釈されるDAI値の観点で、特定端末においてn=1(1、2、3、4のセットのうち)の場合が最初のPDCCHを意味する。
要するに、PDCCHに含まれる実際のDAIフィールドの値00、01、10、11は、端末が解釈するDAI値1、2、3、4にそれぞれマッピング可能である。
これらの例示のように、n値により決定される、n番目のサブフレームのPDCCHまたはDAI=nのPDCCHでのTPCフィールドは、元来の用途(電力制御の用途)に使用し、それ以外のPDCCHでのTPCフィールドはARIの用途に再使用できる。
図31は、PCell−only−receivingの場合にPUCCHリソース決定のためにTPCフィールドをARIの用途に用いる例示を示すフローチャートである。図31の例示で、あらかじめ定義された規則によって決定された特定の一つのPDCCHのTPCフィールドは元来の用途に使用され、残りのPDCCHのTPCフィールドはARIに再使用される場合を仮定する。
段階S3110で、端末は、上位層設定(higher−layer configuration)(例えば、RRCシグナリング)により、PUCCHフォーマット3のための4個のリソースを含むPUCCHリソース候補セット
段階S3120で、ACK/NACK伝送のためにPUCCHフォーマット3を使用する場合に、端末は、PCell−only−receivingか否かを判定できる。段階S3120の結果がNOである(すなわち、PCell−only−receivingでない)と、段階S3130が行われ、段階S3120の結果がYESである(すなわち、PCell−only−receivingである)と、段階S3140が行われる。
段階S3130で端末は、SCellのPDCCH(s)内のTPCフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
一方、段階S3140で、端末は、受信されたPDCCH(received PDCCH)の個数が1か否かを判定できる。段階S3140は、SCellでのPDCCHの受信がない場合に行われるので、受信されたPDCCHの個数は、PCellで受信されたPDCCHの個数を意味する。段階S3140の結果がYESである(すなわち、PCellで受信されたPDCCHの個数=1である)と、段階S3150が行われ、段階S3140の結果がNOである(すなわち、PCellで受信されたPDCCHの個数>1である)と、段階S3160が行われる。
段階S3150で、端末がPCellで一つのPDCCHのみを受信した場合に、端末は、そのPDCCHのTPCフィールドは元来の用途(電力制御の用途)に用いられ、他のPDCCHがないので、端末はARI値を受信できなかったと見なすことができる。この場合は、端末が既存のLTEリリース−8モードで動作するように定義することができる。これをフォールバック(fall−back)モードで動作するということができる。フォールバックモードは、既存に定義されたPUCCHフォーマット1a/1bを用いたACK/NACK伝送動作と同一であり、その具体的な説明は省略する。また、段階S3140で、受信されたPDCCHの個数が1か否か判定することは、フォールバックモードを適用するか否かを判定するという意味から、フォールバックテストと呼ぶことができる。
一方、段階S3160で、端末は、PCell上で受信されたPDCCHの個数が1よりも大きい場合であるから、それらのうち、一つのPDCCHでのTPCフィールドは元来の用途に使用し、残りのPDCCHでのTPCフィールドはARIの用途に使用することができる。これにより、端末は、PCellのPDCCH内のTPCフィールドを再使用して指示されるARIを用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
段階S3130または段階S3160の後、端末は、計算/選択されたインデックスに該当するリソースを用いてPUCCHフォーマット3を使用してACK/NACK情報を伝送することができる。
図31の例示では、端末で受信された(または検出された)PDCCHの個数のみを検出し、受信されたPDCCHの個数が1であると、当該PDCCHのTPCフィールドが元来の用途に用いられるPDCCHであると仮定した場合の動作について説明した。
しかし、受信されたPDCCHの個数が1の場合に、当該PDCCHが、TPCフィールドを元来の用途に用いるPDCCHである場合もあり、または、TPCフィールドがARI用途に再使用されるPDCCHである場合もある。したがって、受信されたPDCCHの個数が1であるからといって無条件にフォールバックモードで動作するのではなく、それについてより具体的に判定してもよい。
図32は、PCell−only−receivingの場合にPUCCHリソース決定のためにTPCフィールドをARIの用途に用いる他の例示を示すフローチャートである。図32の例示で、あらかじめ定義された規則により決定された特定の一つのPDCCHのTPCフィールドは元来の用途に用いられ、残りのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に再使用される場合を仮定する。
図32の例示の説明において、図31と重複する動作(段階S3210、S3220、S3230、S3240)についての説明は省略する。
段階S3250は、段階S3240の結果がYESの場合(すなわち、PCellで受信されたPDCCH個数が1の場合)に行われる。段階S3250では、受信された一つのPDCCHが、あらかじめ定義されたPDCCHである(すなわち、TPCフィールドが元来の用途に用いられるPDCCHである)か否かを判定する。例えば、受信されたPDCCHが、バンドリングサブフレーム内で最初のサブフレーム上のPDCCHであるか否か判定することができる。他の例示として、受信されたPDCCHが、DAI=1のPDCCHであるか否かを判定してもよい。その結果がYESであると段階S3260が行われ、NOであると段階S3270が行われる。
段階S3260では、受信された一つのPDCCHのTPCフィールドが元来の用途に用いられなければならず、端末はARI値を確認できないと見なし、フォールバックモードで動作(PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACK伝送)することができる。
段階S3270は、段階S3240の結果がNOの場合に行われる。すなわち、受信されたPDCCHの個数>1の場合に、TPCフィールドが元来の用途に用いられるPDCCHは一つのみ存在すると仮定したので、端末は少なくとも一つのPDCCHのTPCフィールドがARIとして再使用されることがわかる。端末は、該当のPDCCHのTPCフィールドからARI値を用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
また、段階S3270は、段階S3250の結果がNOの場合にも行われる。すなわち、受信されたPDCCHの個数が1であり、該PDCCHがTPCフィールドを元来の用途に用いるPDCCHでない場合であるから、端末は、該一つのPDCCHのTPCフィールドをARI用途に再使用することがわかる。端末は、該PDCCHのTPCフィールドからARI値を用いて、4個のPUCCHリソース候補から、自身が使用する一つのPUCCHリソース(すなわち、一つのリソースインデックス)を計算/選択することができる。
段階S3270の後、端末は、計算/選択されたインデックスに該当するリソースを用いてPUCCHフォーマット3を使用してACK/NACK情報を伝送することができる。
実施例4−1
本実施例4−1は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、バンドリングされたサブフレーム内で同じARI値を適用する例示に関する。
本発明の説明でいう「バンドリングされたサブフレーム(またはバンドリングウィンドウ)」は、実際に時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でバンドリングが行われる単位を意味するのではなく、バンドリングウィンドウ内の下りリンクサブフレームに対するACK/NACK応答が一つの上りリンクPUCCHで伝送される場合に、それらの下りリンクサブフレームで構成された一つの単位を意味する。
例えば、LTEリリース−8 TDDシステムでは、上記の表12(下りリンク関連セットインデックス
を表した表)のように、特定ULサブフレーム(サブフレームn)で以前のどのDLサブフレーム(サブフレームn−k)に対するACK/NACK応答が伝送されるかを定義している。上記の表12の例示を参照してバンドリングサブフレームを説明すると、特定ULサブフレームで特定DLサブフレームに対するACK/NACKが伝送される場合に、該特定DLサブフレームをバンドリングサブフレームと呼ぶ。例えば、UL−DL configuration 4の場合に、ULサブフレーム2に対するバンドリングされたサブフレームは、DLサブフレーム12、8、7、11であり、ULサブフレーム3に対するバンドリングされたサブフレームは、DLサブフレーム6、5、4、7である。
PUCCHフォーマット3をTDDで使用する場合に、前述したように、複数のDLサブフレームに対するACK/NACK応答が一つのUL PUCCHを通じて伝送される場合がある。この場合、前述の実施例4によって、PCell−only−receivingの場合に、複数個のDLサブフレームで複数個のPDCCHが検出され、そのうちTPCフィールドがARIとして再使用されるPDCCHのそれぞれで表すARI(=TPC)値が互いに異なると、それらのうちいずれのARI値によってPUCCHリソースを計算/選択すればよいか不明になる。
ここで、TPCフィールドがARIとして再使用されるPDCCHは、TPCが元来の用途に用いられるようにあらかじめ定義された規則によって決定されたPDCCH(例えば、DAI=1のPDCCH)以外の、残りのPDCCH(例えば、DAI>1のPDCCH)でよい。
このような問題を防止するためには、バンドリングされたサブフレーム内では、PCellで伝送される、TPCがARIの用途に再使用される(すなわち、TPCが元来の用途に用いられるPDCCH以外の)PDCCHのARI値(=TPCフィールドの値)を同一に維持させなければならない。
実施例4−2
本実施例4−2は、バンドリングされたCC内で同じARI値を適用する例示に関する。
本発明の説明でいうバンドリングされたCC(またはバンドリングウィンドウ)は、実際に時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でバンドリングが行われる単位を意味するのではなく、バンドリングの有無とは別に、バンドリングウィンドウ内の下りリンクCCに対するACK/NACK応答が一つの上りリンクPUCCHで伝送される場合に、それらの下りリンクCCで構成された一つの単位を意味する。例えば、ACK/NACKフルマルチプレクシングが適用される場合には、バンドリングされたCCは、端末に設定されたCCの個数と同じ意味で使われてもよい。
PUCCHフォーマット3をTDDまたはFDDシステムで使用する場合に、前述したように、複数のDL CCに対するACK/NACK応答が一つのUL PUCCHを通じて伝送される場合がある。ここで、複数のDL CCに対するACK/NACK応答が伝送されるという意味は、PCell及び一つ以上のSCellで下りリンク伝送が存在する場合に該当可能である。この場合、PCellでTPCフィールドがARIとして再使用されるPDCCH内のARI値とSCellのPDCCH内のARI値とが異なっていると、それらのうちいずれのARI値によってPUCCHリソースを計算/選択すればよいか不明になる。
したがって、このような問題点を予防するために、PCellでARI用途に用いられるフィールド(TPCフィールド)の値は、SCellでのARI用途に用いられるフィールド(TPCフィールド)の値と同一に維持させなければならない。
ここで、PCellでは、TPCが元来の用途に用いられるようにあらかじめ定義された規則によって決定されたPDCCH(例えば、DAI=1のPDCCH)以外の、残りのPDCCH(例えば、DAI>1のPDCCH)のARI値を、SCellでのARI値と同一に維持させることができる。
実施例4−3
本実施例4−3は、バンドリングされたCC及びサブフレーム内で同じARI値を適用する例示に関する。
すなわち、前述の実施例4−1及び4−2を同時に考慮する場合(例えば、複数個のCC及び複数個のサブフレームが一つのバンドリング単位となる場合)に、それぞれのCellまたはそれぞれのサブフレームでのARI値が互いに異なっていると、PUCCHリソース計算/選択に不明瞭性が発生することがあり、PCell及びSCellでのPDCCH内のARIが同一に維持されると共に、複数個のサブフレーム上のPDCCH内のARIも同一に維持されなければならない。
ここで、PCellでは、TPCが元来の用途に用いられるようにあらかじめ定義された規則によって決定されたPDCCH(例えば、DAI=1のPDCCH)以外の、残りのPDCCH(例えば、DAI>1のPDCCH)のARI値を同一に維持させることができる。
図33は、PCellでDAI値に基づいてTPCフィールドを元来の用途またはARI用途に用いる実施例を説明するための図である。
DAIフィールド値は、各cell別にPDCCHの累積カウンターの用途に用いられる。すなわち、一つのcell内でPDCCHごとに順次に1ずつ増加するDAI値が与えられる。このようなPDCCHが毎サブフレームごとに必ずしも存在するわけではない。
図33の例示では、PCellで最初及び3番目のサブフレームで下りリンク割当PDCCHが存在し、最初のサブフレームのPDCCHでのDAI値は0であり、3番目のサブフレームのPDCCHでのDAI値は1である。他のSCellに対しても、下りリンク割当PDCCHごとに順次にDAI値が与えられることを示した。図33では、DAI値が0,1,2,3,0,1,2,3,…のように与えられることを例示するが、これは、端末の解釈観点ではDAI=1,2,3,4,1,2,3,4,…と同じ意味であることは明らかである。
前述の本実施例4と関連して、PCellでDAI値によってPDCCH内のTPCフィールドが元来の用途に用いられることもあり、ARIの用途に用いられることもある。例えば、PCellでDAI=0(または、端末の解釈観点ではDAI=1)のPDCCH、すなわち、図33の例示では、PCellにおいて、最初のサブフレームのPDCCHでのTPCフィールドは元来の用途(電力制御の用途)に使用され、それ以外の残りPDCCHのTPCフィールドはARI用途に再使用される。
また、本実施例4−1乃至4−3と関連して、バンドリングされるサブフレーム及び/またはバンドリングされるCell内でARI値が同一に維持されるとよい。例えば、図33の例示で示す4個のサブフレーム及び5個のCellにわたってバンドリングウィンドウが適用される場合に、端末は、PCellの最初のサブフレーム(DAI=0)のPDCCHでのTPCフィールドを除いては、Pcell及びScellの残りPDCCHのTPCフィールド(すなわち、ARI用途に用いられるTPCフィールド)の値がいずれも同一であると仮定(assume)することができる。
実施例5
本実施例5は、PCell−only−receivingの場合(すなわち、PCellのためのPDSCH(s)のみを受信した場合、またはPCellでのみPDCCH(s)を受信した場合)において、TPCフィールドをPUCCHリソース割当に用いる方案に関する。本実施例5は、ACK/NACK部分バンドリング(partial bundling)の場合に適用される本発明の例示に関する。部分バンドリングとは、時間−ドメインでのみバンドリングが適用されたり、またはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)でのみバンドリングが適用されることを意味する。
基本的には、前述の実施例4と同様に、DAIフィールドを元来の用途(それぞれのCellでPDCCHの累積カウンターの用途)に使用し、PDCCH内のTPCフィールドをARIとして再使用することができる。ここで、あらかじめ定められた特定PDCCHのTPCフィールドは元来の用途に用いられる。このような特定PDCCHは、バンドリングサブフレーム内のn番目のサブフレームのPDCCHと定めることができる(これについての説明は、前述の実施例4の説明と重複するので省略する)。または、TPCが元来の用途に用いられるPDCCHは、DAI値に基づいて決定されてもよい。
前述した図31または図32の例示は、基本的な動作として本実施例5にも実質的に同一に適用され、その詳細は前述の実施例4の説明の通りである。
以下では、ACK/NACK部分バンドリングが適用される場合に、DAI値に基づいてTPCフィールドが元来の用途またはARIの用途に用いられる具体的な方案について説明する。
まず、PCellのバンドリングサブフレーム内でn番目のDAI値を有するPDCCHでTPCフィールドが元来の用途に用いられるように定義することができる。ここで、DAIフィールド自体の値は0,1,2,3,…のように与えられ、端末の解釈観点ではDAI=1,2,3,4,…になり得る。
このような場合、ACK/NACK部分バンドリングモード(時間−ドメインまたはCC−ドメイン(または周波数−ドメイン)バンドリングが適用される場合)において、PCell上のPDCCH内にDAIフィールドが含まれることが可能である。このとき、PCellのPDCCHに含まれるDAIフィールドの値は、あらかじめ定められた規則に従うべきであり、これに関する本発明の具体的な提案について以下に説明する。
ACK/NACK部分バンドリングが適用されるとすると、DAI=nのPDCCHのTPCフィールドが元来の用途(電力制御の用途)に用いられるようにあらかじめ定められた場合に、PDCCHのDAIフィールドは、下記のような種々の方式で決定することができる。
既存(LTEリリース−8)のTDDモードでのDAIは、端末に割り当てられたPDCCHの累積値を表し、これを単純に多重搬送波環境に適用すると、端末に設定された全Cell(またはCC)にわたって端末に割り当てられたPDCCHの累積値を表すのに用いることができる。例えば、図34の例示のように、4個のサブフレーム及び2個のCCにわたってACK/NACKバンドリングが適用される場合に、バンドリングウィンドウ内でCCインデックスが増加する方向を優先にしてDAI値が増加する方式でDAI値を決定することができる。しかし、このような方式は部分バンドリングではそのまま適用し難い。そこで、複数個のCC(またはCell)が構成されるLTEリリース−10のTDDモードでは、他の方式でDAI値を決定する方案が望まれる。
図35は、CA TDDシステムの場合にDAI値を決定する例示を示す図である。
一例示として、DAI値は、それぞれのCell別に複数個のサブフレームにわたって端末に割り当てられる累積PDCCHの個数を表すことができる(図35(a))。例えば、時間−ドメインでのバンドリングが適用される場合に、この例示のようにDAI値を決定することが好ましい。このとき、PDCCHの累積個数は、一つの無線フレーム内の全体サブフレーム内でのPDCCHに対してカウントされる方式で適用されてもよく、または、時間−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ(real bundling window、実際にACK/NACKバンドリングが行われる一つの単位)内でのPDCCHに対してカウントされる方式でPDCCH累積個数が適用されてもよい。図35(a)の例示で、SCell#2での4個のサブフレーム単位の実際バンドリングウィンドウ内において3個のサブフレーム上のPDCCHでのDAIはそれぞれ0、1、2に決定され、これは、当該PDCCHのそれぞれが1、2、3番目のPDCCHであることを表す累積カウンターとしてDAIフィールドが用いられた例示である。
他の例示として、DAI値は、それぞれのサブフレーム別に複数個のCC(またはCell)上で端末に割り当てられるPDCCHの全体(total)個数を表すこともできる(図35(b))。例えば、CC−ドメインでの部分バンドリングが適用される場合に、この例示のようにDAI値を決定することが好ましい。このとき、PDCCHの総(total)個数は、端末に設定された全体CC内のPDCCHの個数と決定されることが可能である。または、CC−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ(real bundling window、実際にACK/NACKバンドリングが行われる一つの単位)内でのPDCCHの個数としてPDCCHの総(total)個数が決定されてもよい。図35(b)の例示で、最初のサブフレームでのPDCCHのDAI=2であり、これは、DAIフィールドが、当該サブフレームでのPDCCH総個数が3であることを表す指示子として用いられた例示である。
または、DAI値は、それぞれのサブフレーム別に複数個のCC(またはCell)上で、端末に割り当てられるPDCCHの累積カウンターと決定されてもよい。このとき、PDCCHの累積個数は、端末に設定された全体CC内でCCインデックス(またはCellインデックス)が増加する順にPDCCHごとにカウントされるとよい。または、CC−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ内でCCインデックス(またはCellインデックス)が増加する順にPDCCHごとにカウントされてもよい。例えば、図35(b)の例示で、3番目のサブフレームでは、PCellでDAI=0、SCell#2でDAI=1、SCell#3でDAI=2、SCell#4でDAI=3のようにDAI値が決定されてもよい。
図35(a)の例示のように、時間−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ内で割り当てられたPDCCHの累積カウンターとしてDAIが用いられる場合には(すなわち、CC別にリセット(reset)される方式でDAI値が決定される場合には)、PCell上で特定DAI値を持つ(例えば、DAI=0の)PDCCH以外の残りPCell、及びSCell上のPDCCHのTPCフィールドをARI用途に用いる本発明の実施例を同一に適用することができる。
一方、図35(b)の例示のように、CC−ドメイン(または周波数−ドメイン)での実際バンドリングウィンドウ内で割り当てられたPDCCHの全体(total)個数(または累積カウンター)としてDAIが用いられる場合には、PCell上で特定DAI値を持つ(例えば、DAI=0の)PDCCH以外の残りPCell及びSCell上のPDCCHのTPCフィールドをARI用途に用いる本発明の実施例は適用し難い。
例えば、特定端末にPCell上で最初のサブフレームと2番目のサブフレームでPDCCHが割り当てられ、SCellではPDCCHが割り当てられない場合を仮定しよう。この場合は、PCell−only−receivingの場合に該当するが、端末で受信されたPDCCHのDAI値は2つのサブフレームとも同じ値(例えば、DAI=0)になる(DAIフィールドが該当のサブフレームでのPDCCH総個数指示子または累積カウンターとして用いられる両方の場合とも、上記の仮定によればDAI=0になる)。この場合、端末はPCellの2つのPDCCHのうち、いずれのPDCCHのTPCフィールドをARI用途に使用し、いずれのPDCCHのTPCフィールドを元来の用途に用いるかを決定できない不明瞭性が発生する。言い換えると、サブフレーム別にDAI値がリセットされる方式でDAI値が決定されると、PCell上で特定DAI値を持つ(例えば、DAI=0の)PDCCH以外の残りPCell及びSCell上のPDCCHのTPCフィールドをARI用途に用いる本発明の実施例を適用できない問題がある。
このような問題を解決するために、異なったDAI値の決定方式をPCell及びSCellに適用することを考慮することができる。例えば、SCellでは、周波数−ドメイン(またはCC−ドメイン)での実際バンドリングウィンドウ内で割り当てられるPDCCHの累積カウンターとしてDAIを使用し、PCellでは、時間−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ内で割り当てられるPDCCHの総個数指示子(または累積カウンター)としてDAIを使用することができる。
または、本実施例の適用のためには、少なくともPCellでのDAIを時間−ドメインでのPDCCHの累積カウンターとして定義する必要がある。したがって、PCell上のPDCCHのDAIは、時間−ドメインでの実際バンドリングウィンドウ内で割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いられ、SCell上のPDCCHのDAIは、PCellで用いられるDAIと同一または異なった方式で用いられてもよい。
以下に説明する本発明の例示では、説明の便宜のために、PDCCHのDAIフィールドが下記のような形態で用いられるとする。
まず、PDCCH内のDAIフィールドを、CC別にバンドリングウィンドウ内で複数個のサブフレーム上に割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いることができる。すなわち、DAI値は、CC別に独立して決定される。ここで、DAIフィールドのビット値0,1,2,3はそれぞれ、累積カウンター1,2,3,4を意味することができる。すなわち、DAIフィールドのビット値の観点では0,1,2,3と表現され、端末が解釈するDAI値の観点では1,2,3,4と表現される。
次に、PDCCH内のDAIフィールドを、サブフレーム別にバンドリングウィンドウ内で複数個のCC上に割り当てられるPDCCHの総個数の指示子として用いることができる。ここで、DAIフィールドのビット値0,1,2,3はそれぞれ、総個数1,2,3,4を意味することができる。すなわち、DAIフィールドのビット値の観点では0,1,2,3と表現され、端末が解釈するDAI値の観点では1,2,3,4と表現される。
図36乃至図39は、CC−ドメインバンドリングでのDAIフィールド使用の種々の例示を示すものである。図36乃至図39の例示では、端末に5個のCCが設定(configured)され、TDDで4 DL−1 UL設定(すなわち、4個のDLサブフレームでの下りリンク伝送に対するACK/NACK応答を集めて一つのULサブフレームのPUCCHを通じて伝送する設定)である場合を示す。また、図36乃至図39の例示で、バンドリングウィンドウは5個のCC及び4個のサブフレームで構成される。しかし、図36乃至図39で、実際バンドリングウィンドウの最大サイズは4、5または2である場合を示している。
図36の例示では、PCellにはCC−ドメインバンドリングが適用されない構成を示す(CC−ドメイン実際バンドリングウィンドウの最大サイズ=4)。この場合、PCellのDAIフィールドは、PCell内でサブフレームに割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いられる。SCellのDAIフィールドは、サブフレーム別にSCellのみに割り当てられるPDCCHの全体(total)個数として用いられる。
図37の例示では、PCellにCC−ドメインバンドリングが適用されない構成を示す(CC−ドメイン実際バンドリングウィンドウの最大サイズ=4)。この場合、PCellのDAIフィールドは、PCell内でサブフレームに割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いられる。SCellのDAIフィールドは、サブフレーム別にPCell及びSCellに割り当てられるPDCCHの全体(total)個数として用いられる。これにより、端末は、SCellのDAIから、該当のサブフレーム内で基地局が割り当てたPDCCHの総個数(PCell及びSCell全部でのPDCCHの総個数)がわかる。この情報に加えてPCellのDAIを用いて、端末は、実際バンドリングウィンドウ内で自身が検出/受信に失敗したPDCCHがあるか否かを判断できる。これにより、該当のサブフレーム内のCC−ドメインACK/NACKバンドリングを效果的に行うことができる。
例えば、図37の例示で、端末が2番目のサブフレームでSCell上で検出したPDCCH内のDAI=2の場合に、端末は、PCell及びSCellの両方で割り当てられたPDCCHの総個数が3であることがわかる。ここで、SCell#2で端末がPDCCHを受信できなかった場合を仮定しよう。この場合、単にSCell上でのDAI値からは、受信できなかったPDCCHが実際バンドリングウィンドウ内の(すなわち、SCell上の)PDCCHであるか、或いは実際バンドリングウィンドウ以外の(すなわち、PCell上の)PDCCHであるか確定できない。ここで、PCellでのDAI値は時間上累積カウンターで与えられるので、端末はPCell上で最初及び3番目のサブフレームでのDAI値が順次に与えられたことを確認することで、PCellでは、検出に失敗したPDCCHが無いことが確認できる。結論として、端末は、2番目のサブフレームでは、SCellのいずれか一つでPDCCH検出に失敗したことがわかる。
図38の例示では、PCell、SCell両方にCC−ドメインバンドリングが適用される構成を示す(CC−ドメイン実際バンドリングウィンドウの最大サイズ=5)。この場合、PCellのDAIフィールドは、PCell内でサブフレームに割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いられる。SCellのDAIフィールドは、該当のサブフレーム内でPCell及びSCellの両方で割り当てられたPDCCHの総個数として用いられる。これにより、端末は、SCellのDAIから、該当のサブフレーム内で基地局が割り当てたPDCCHの総個数(PCell及びSCellの両方でのPDCCHの総個数)がわかる。これは、実際バンドリングウィンドウ内のPDCCHの個数を表すから、端末は、該当の実際バンドリングウィンドウ内で自身が検出/受信に失敗したPDCCHが存在するか否かを判定できる。これにより、該当のサブフレーム内のCC−ドメインACK/NACKバンドリングを效果的に行うことができる。
図39の例示では、CC−ドメイン実際バンドリングウィンドウの最大サイズが2の場合を示す。この場合、PCellにはCC−ドメインバンドリングが適用されず、4個のSCellに対して最大サイズ2の実際バンドリングウィンドウ2個が構成される。この場合、PCellのDAIフィールドは、PCell内でサブフレームに割り当てられるPDCCHの累積カウンターとして用いられる。SCellのDAIフィールドは、サブフレーム別に、PCell以外の、実際バンドリングウィンドウ内のSCell(最大2個)で割り当てられるPDCCHの総個数として用いられる。
本実施例5は、ACK/NACK部分バンドリング(時間−ドメインまたは周波数−ドメインでのバンドリング)が適用される場合に関するもので、この場合にも、ARI(=TPCフィールド)値がバンドリングウィンドウ内で異なっていると、ACK/NACKバンドリング動作の不明瞭性が発生する。
したがって、PCell−only−receiving場合に、バンドリングされたサブフレーム内では、PCellでTPCフィールドがARI用途に再使用される(すなわち、TPCが元来の用途に用いられるPDCCH以外の)PDCCHのARI値を同一に維持させることができる。また、バンドリングされたCC内で、PCellでARI用途に用いられるフィールド(=TPCフィールド)の値は、SCellでのARI用途に用いられるフィールド(=TPCフィールド)の値と同一に維持させることができる。また、バンドリングされたCC及びサブフレーム内で、PCellでは、TPCが元来の用途に用いられるようにあらかじめ定義された規則によって決定されたPDCCH(例えば、DAI=1のPDCCH)以外の、残りのPDCCH(例えば、DAI>1のPDCCH)のARI値を同一に維持させることができる。これに関連する具体的な事項として前述した実施例4−1乃至4−3で説明した本発明の原理を、本実施例5にも同一に適用することができる。説明の明瞭性のために重複する説明は省略する。
多重搬送波支援システムにおいて下りリンク半−持続的スケジューリング伝送に対する上りリンク確認応答の伝送
LTEリリース−8システムは、半−持続的スケジューリング(Semi−Persistent Scheduling;SPS)を支援する。下りリンクSPS伝送の活性化(activation)の場合に、PDCCHによって、SPS伝送に関する時間/周波数リソースがあらかじめ割り当てられ、割り当てられたリソースを通じて対応のPDCCH無しでPDSCHが伝送される方式で動作することができる。また、SPS伝送の解除(release)については、SPS解除を指示するPDCCHを伝送することができる。
SPSに関連したACK/NACKフィードバックは2つの形態に区別可能である。その一つは「サブフレームn−k内で端末により検出される、下りリンクSPS解除を指示するPDCCH(PDCCH indicating downlink SPS release detected by the UE within the subframe(s)n−k)」に対するACK/NACKフィードバックがサブフレームnで伝送される形態である。もう一つは、「サブフレームn−k内で対応するPDCCHのないPDSCH伝送(PDSCH transmissions without a corresponding PDCCH within the subframe(s)n−k)」に対するACK/NACKフィードバックがサブフレームnで伝送される形態である。前者は、n−k(kは、一つの値または複数の値を含む)番目のサブフレームでのPDCCHが存在する場合に、そのPDCCHに対するACK/NACKフィードバックがn番目のサブフレームで伝送される場合に該当する。後者は、SPS活性化の後に別途のPDCCH無しでSPS伝送がn−k番目のサブフレームで受信される場合に、当該SPS伝送に対する規則的なACK/NACKフィードバックがn番目のサブフレームで伝送される場合に該当する。SPS伝送に関する具体的な内容は、3GPP TS 36.213文書を参照すればよい。
LTEリリース−8システムでのACK/NACKフィードバックのためのPUCCHリソースインデックスは、基本的に、PDCCHのCCEインデックスに基づいて決定される。n番目のサブフレームでの一つのPUCCHでのACK/NACK応答が、n−k番目のサブフレームでの一つ以上のPDCCH(一般的なPDCCHも、DL SPS解除を指示するPDCCHも含む)に対するACK/NACK応答を含む場合には、PDCCHのCCEインデックスからPUCCHリソースインデックスを誘導することができる。しかし、n−k番目のサブフレームでのPDCCHのないSPSに対するACK/NACK応答のみをn番目のサブフレームで伝送しなけはばならない場合には、該ACK/NACK応答のためのPUCCHリソースインデックスを決定することができない。このような問題を解決するために、LTEリリース−8システムでは、RRCシグナリングを用いて「対応するPDCCHのないPDSCH伝送(すなわち、SPS PDSCH伝送)」のみが存在する場合のためのPUCCHリソースインデックスセット(例えば、4個のPUCCHリソースインデックスで構成された一つのセット)をあらかじめ知らせる。また、SPS活性化を指示するPDCCH内のTPCフィールドを用いて、PUCCHリソースインデックスセットのうちいずれのPUCCHリソースを使用するかを指定する。DL SPSに対するPUCCHリソースインデックス
とTPCフィールドの値とのマッピング関係は、下記の表14のように定義される。
前述のようなDL SPS伝送が多重搬送波支援システムで行われる場合に、DL SPS伝送を考慮したACK/NACK伝送方案が望まれる。
これに関する本発明の種々の実施例は、前述した実施例4または実施例5と類似に、特定端末のためのPCellの最初のPDCCH(すなわち、DAI=1(DAI=1,2,3,4,…)のPDCCH)のTPCフィールドは、元来の用途である伝送電力制御の用途に用いられ、残りのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられることを前提に説明する。ただし、この仮定は説明の明瞭性のためのもので、本発明の適用例がこれに制限されるわけではなく、他の方式でARI情報が提供されてもよい。
n−k番目のサブフレームでの「対応するPDCCHのないPDSCH伝送」(以下では、「PDCCHのないSPS」と称する)に対するACK/NACK応答をn番目のサブフレームで伝送する場合に、n−k番目のサブフレーム内でPDCCHのないSPSが受信され、追加的に一つのPDCCHが検出されることがある。この場合、PDCCHに対するACK/NACK応答及びPDCCHのないSPSに対するACK/NACK応答が伝送される必要がある。ここで、一つの検出されたPDCCHが最初のPDCCH(例えば、DAI=1のPDCCH)である場合には、当該PDCCHのTPCフィールドは元来の用途に用いられるので、端末ではARI情報が受信されない場合に該当する。そのため、端末はPUCCHフォーマット3のためのリソースインデックスを決定することができない。以下では、このような問題を解決するための本発明の種々の実施例について説明する。
上述したように、以下の説明において、ACK/NACK伝送を必要とする場合は、次の3ケースのうち一つに該当する。ケース1は、「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKであり、ケース2は「DL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKであり、ケース3は「DL SPS PDSCH」に対するACK/NACKである。
ケース3は、「対応するPDCCHのないPDSCH」に対するACK/NACK、「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACK、または単に「SPS」に対するACK/NACKと称することもできる。また、ケース1で、「PDSCH with PDCCH」におけるPDCCHを「PDSCHに対応するPDCCH」と呼ぶこともできる。
実施例6
本実施例6は、常にPUCCHフォーマット3リソースを用いてACK/NACK応答を伝送する方案に関する。
SPSのみのためのPUCCHフォーマット3リソースインデックスセットを、RRCシグナリングを通じて端末に知らせることができる。例えば、上記の表13のような形態で
で構成されたセットに関する情報を端末に提供することができる。また、SPS活性化を指示するPDCCH内のTPCフィールドを通じて、PUCCHフォーマット3リソースインデックスセットのうちいずれのリソースインデックスを使用するかを端末に指定することができる。
一例として、PDCCHのないSPSのみに対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合に、RRC設定されたセットから、SPS活性化PDCCHを通じて指示された特定PUCCHフォーマット3リソースインデックスを選択及び使用することができる。すなわち、PDCCHのないSPSのみのACK/NACKも、PUCCHフォーマット3を用いて伝送することができる。
他の例示として、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合には、下記の方案を適用することができる。
第一の方案は、SPS活性化PDCCHを通じて指示されたPUCCHフォーマット3リソースインデックスを選択及び使用することである。すなわち、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKも、PUCCHフォーマット3を用いて伝送することができる。
第二の方案は、一つの「PDSCHに対応するPDCCH」にARI情報が含まれるか否かによって再び2つの方案に区別される。
一つの「PDSCHに対応するPDCCH」がARI情報を含まないPDCCH(例えば、最初のDAIを持つ(DAI=1の)PDCCH)の場合に、SPS活性化PDCCHを通じて指示されたPUCCHフォーマット3リソースインデックスを選択及び使用することができる。すなわち、「PDSCHに対応するPDCCH」からARI情報が獲得されない場合にも、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKを、PUCCHフォーマット3を用いて伝送することができる。
一つの「PDSCHに対応するPDCCH」が、ARI情報を含むPDCCH(例えば、最初のDAIを有しない(DAI>1の)PDCCH)の場合に(この場合は、最初のDAIを有するPDCCHを端末が逃した場合でもよい)、「PDSCHに対応するPDCCH」内のTPCフィールドが指示するARI値を用いて、PUCCHフォーマット3リソースインデックスを選択及び使用することができる。
一方、「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKを含む複数のACK/NACKフィードバックが伝送される場合には、前述した本発明の例示のように、PCell内の2番目以上の(例えば、DAI>1の)PDCCHまたはSCell内のPDCCHのTPCフィールドが指示するARI値によって、PUCCHフォーマット3リソースインデックスを決定することができる。
実施例7
本実施例7は、PDCCHのないSPS「のみ」の伝送に対するACK/NACKは、常にフォールバックモードで動作する方案に関する。ここで、フォールバックモードは、LTEリリース−8で定義される動作によってACK/NACK伝送が行われることであり、例えば、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送するモードを意味する。一方、「PDCCHのないSPS」及び他の下りリンク伝送(PDSCH with PDCCH)に対するACK/NACKを伝送する場合には、PUCCHフォーマット3を用いることができる。
そのために、SPS「のみ」が伝送される場合に使用するPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスセットを、RRCシグナリングを通じて端末に知らせることができる。PUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスセットは、例えば、上記の表14のように設定されるとよいが、別の方式で設定されてもよい。また、SPS活性化を指示する時に、SPS活性化PDCCH内のTPCフィールドを用いてPUCCHリソースインデックスセットのうちいずれを使用するかを指定することができる。
SPS伝送の時間/周波数リソースは基地局と端末間にあらかじめ設定されているため、基地局及び端末は、「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKフィードバックがいつ送受信されるかを知っている。そのため、特定端末へのSPSが存在するバンドリングウィンドウ内では、基地局はPCell内のPDCCHを区分せず、全てのPDCCHでのTPCフィールドをARIの用途に用いることができる。すなわち、PDCCHのないSPSのみに対するACK/NACKフィードバックの伝送において、PDCCHのないSPSが存在するバンドリングウィンドウ内で伝送されるPDCCHは、PCell、SCellを問わずいずれもTPCフィールドをARIの用途に用いることができる。
この場合、PDCCHのないSPSに対するACK/NACKフィードバックを伝送するPUCCHに対して、PDCCHのTPCフィールドが元来の用途(上りリンク伝送電力の制御)に用いられることがない。しかし、PDCCH内のTPC値は絶対値ではなく、以前伝送電力に対する相対的なオフセット(offset)値であるため、端末がTPC値を1〜2回アップデートしなくても、既存に設定された伝送電力は維持される。なお、PDCCH内のTPCフィールド値を用いる伝送電力方案の他にも、補完的な電力制御方案が備えられている。また、FDDモードでPDCCHのないSPSの伝送を必要とする場合に、端末には元来の用途のTPC値が得られないと既に定義されている。したがって、TDDモードで前述した発明の例示のように動作することによって、元来の用途のTPCが適用されなくても実質的にネットワーク性能に大きい影響を与えることはない。
本実施例7の一例によれば、PDDCHのないSPSのみに対するACK/NACKフィードバックが必要な場合に、RRC設定されたセットのうち、SPS活性化PDCCHを通じて指示された特定PUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスを選択及び使用することができる。すなわち、PDCCHのないSPSのみのACK/NACKの場合に、PUCCHフォーマット1a/1bを用いるフォールバックモードで動作できる。
他の例示として、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックが必要な場合には、前述したように、バンドリングウィンドウ内の全てのPDCCHのTPCフィールドがARIの用途に用いられるので、検出された一つのPDCCHのTPCフィールドが指示するARI値によってPUCCHフォーマット3リソースインデックスを選択及び使用することができる。
一方、PDDCHのないSPSに対するACK/NACKを含む複数のACK/NACKフィードバックが伝送される場合には、前述したように、バンドリングウィンドウ内の全てのPDCCHのTPCフィールドがARIの用途に用いられるので、PCell及び/またはSCell内のPDCCHのTPCフィールドが指示するARI値によってPUCCHフォーマット3リソースインデックスが決定することができる。
実施例8
本実施例8は、PDCCHのないSPS伝送を「含む」下りリンク伝送に対するACK/NACKは常にフォールバックモードで動作する方案に関する。
そのために、PUCCHのないSPS「のみ」が伝送される場合に使用するPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスセットをRRCシグナリングを通じて端末に知らせることができる。PUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスセットは、例えば、上記の表14のように設定されてもよく、別の方式で設定されてもよい。また、SPS活性化を指示する時に、SPS活性化PDCCH内のTPCフィールドを用いてPUCCHリソースインデックスセットのうちいずれを使用するかを指定することができる。
本実施例8の一例によれば、PDDCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACKフィードバックが必要な場合に、RRC設定されたセットのうち、SPS活性化PDCCHを通じて指示された特定PUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスを選択及び使用することができる。すなわち、PDCCHのないSPSのみのACK/NACKの場合にPUCCHフォーマット1a/1bを用いるフォールバックモードで動作可能である。ここで、PDCCHのないSPSに対するACK/NACKフィードバックは、コードワードの個数に応じて1ビットまたは2ビットのサイズを有することができ、それぞれPUCCHフォーマット1aまたは1bが用いられる。
他の例示として、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックが必要な場合には、RRC設定されたセットのうち、SPS活性化PDCCHを通じて指示された特定PUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスを選択及び使用することができる。すなわち、PDCCHのないSPSが含まれる伝送に対するACK/NACKフィードバックも、PUCCHフォーマット1a/1bを用いるフォールバックモードで動作可能である。ここで、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」のそれぞれに対するコードワードの個数に応じて2ビット乃至4ビットのフィードバックペイロードが必要となる(空間バンドリングの適用がないと、一つのコードワードに対して1ビットサイズのACK/NACK応答ビットが生成されるわけである)。
以下では、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合に関する本発明の具体的な例示について説明する。
実施例8−1
本実施例8−1は「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合に、M=2、3または4のチャネル選択手法を用いる方案に関する。すなわち、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックペイロードサイズは2ビット乃至4ビットであり、これを損失無く伝送するために、2、3または4個のPUCCHフォーマット1b(またはPUCCHフォーマット1a)を使用するチャネル選択方式が適用されるとよい。LTEリリース−8で定義されたPUCCHフォーマット1b(または1a)のためのチャネル選択手法を用いる場合は、LTEリリース−8のチャネル選択手法を使用するフォールバックモードで動作すると表現することができる。
ここで、チャネル選択のために用いられる複数のリソースのうち、一つのPUCCHフォーマット1b(または1a)リソースは、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導され、他のPUCCHフォーマット1b(または1a)リソースは、SPS活性化を指示するPDCCHを通じて指示可能である。このような2個のPUCCHフォーマット1b(または1a)リソースのうち一つを選択するチャネル選択方式でACK/NACK情報を伝送することができる。
追加のPUCCHリソースをさらに必要とする場合(例えば、M=3または4)に、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスに所定のオフセット(例えば、1)を加えた値(CCE index+offset)に該当するPUCCHリソースをチャネル選択に用いることができる。「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスに基づく追加のリソースに代えてまたは加えて、SPS活性化PDCCHを通じて割り当てられるリソースインデックスに所定のオフセット(例えば、1)を加えた値(SPS PDCCH indicated resource index+1)に該当するPUCCHリソースがチャネル選択に用いられてもよい。
または、前述した方式と類似に、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に関する情報から明示的及び/または暗黙的に定められるPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスを用いてチャネル選択方式が適用されてもよい。
本実施例8−1によって端末がACK/NACK情報を伝送するPUCCHリソースを決定する場合に、基地局の立場では、PUCCHフォーマット3領域(region)、PUCCHフォーマット1a/1b領域、チャネル選択(PUCCHフォーマット1b(または1a))領域の3つの場合に対してACK/NACK情報の受信を試みることができる。端末は、これら3つの場合のいずれか一つでACK/NACK伝送をするので、基地局は、これら3つの場合に対するブラインドデコーディング(blind decoding)を行わなければならない。
実施例8−2
本実施例8−2は、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックを必要とする場合に、空間(spatial)バンドリング(すなわち、複数個のコードワードに対するACK/NACKバンドリング)を用いて、LTEリリース−8で定義するPUCCHフォーマット1b(または1a)を用いるフォールバックモードで動作する方案に関する。
まず、「PDCCHのないSPS」が複数個の(例えば、2個の)コードワード伝送である場合に、これに対するACK/NACK応答に対して空間バンドリングを行う。同様に、「一つのPDSCH with PDCCH」が複数個の(例えば、2個の)コードワード伝送である場合に、これに対するACK/NACK応答に対して空間バンドリングを行う。仮に、「PDCCHのないSPS」または「一つのPDSCH with PDCCH」のいずれか一方が1コードワードであり、いずれか他方は2コードワードである場合に、2コードワードの伝送に対してのみ空間バンドリングが行われる。
これにより、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKペイロードサイズは、空間バンドリングが行われない場合の2乃至4ビットサイズから、空間バンドリングが行われると2ビットへと減少する。
2ビットサイズのACK/NACKフィードバックは、既存のLTEリリース−8のPUCCHフォーマット1b(または1a)を用いて伝送可能である。すなわち、空間バンドリングが行われると、LTEリリース−8のPUCCHフォーマット1b(または1a)を使用するフォールバックモードで動作できる。
このとき、一つの「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスが選択及び使用されてもよく、または、RRC設定されたリソースインデックスセットのうち、SPS活性化PDCCHを通じて指示されたPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスが選択及び使用されてもよい。言い換えると、それぞれのACK/NACK応答がPUCCHフォーマット1aにフォールバックして位相回転(phase rotation)により多重化(multiplexing)されること、すなわち、2つのACK/NACK応答のうちいずれか一方はIチャネルにマッピングされ、他方はQチャネルにマッピングされることと表現できる。または、2つのACK/NACK応答がPUCCHフォーマット1bにフォールバックして多重化されることと表現することもできる。
例えば、LTEリリース−8で定義されるPUCCHフォーマット1bで用いられる2ビットのACK/NACKのうち、MSB(Most Significant Bit)は「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKにマッピングされ、LSB(Least Significant Bit)は「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKにマッピングされてもよく、または、それぞれのACK/NACKをこの例示と逆にマッピングさせてもよい。
他の例示として、QPSKコンステレーションでI軸には「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKがマッピングされ、Q軸には「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKがマッピングされてもよい。または、それぞれのACK/NACKをこの例示と逆にマッピングさせてもよい。または、受信時間順序によって、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」のうち先に受信されたものに対するACK/NACKがI軸にマッピングされ、後で受信されたものに対するACK/NACKがQ軸にマッピングされてもよい。または、それぞれのACK/NACKをこの例示と逆にマッピングさせてもよい。
ここで、例えば、I軸には「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKがマッピングされ、Q軸には「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKがマッピングされるように設定された場合に、端末がPDCCH(すなわち、「PDSCHに対応するPDCCH」)の検出に失敗しても基地局では少なくともSPS伝送に対するACK/NACK応答は受信することができる。端末がPDCCH検出に失敗した場合に「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKがI軸上にマッピングされる場合のコンステレーション位置と、端末がPDCCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACK応答をPUCCHフォーマット1aを使用してBPSKコンステレーション(すなわち、I軸)を用いて伝送する場合のコンステレーション位置とが同一であるわけである。
さらに他の例示として、QPSKコンステレーションで「1,1」及び「0,0」は「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKにマッピングされ、「0,1」及び「1,0」は「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKにマッピングされるとよい。または、それぞれのACK/NACKをこの例示と逆にマッピングさせてもよい。
このようなコンステレーションマッピングは、それぞれのCellでの伝送モード(TM)がMIMOモードである場合にも、そうでない場合にも同一に適用可能である。または、空間バンドリングが実際に適用されるか否か(すなわち、2コードワード伝送が存在するか否か)にかかわらず、このようなコンステレーションマッピングが適用されてもよい。
本実施例8−2の適用において、PDCCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACKフィードバックの場合にも空間バンドリングを適用することができる。この場合、基地局の立場では、SPS「のみ」に対するACK/NACKのためのPUCCHフォーマット1a/1b領域、「PDCCHのないSPS」、「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKのためのPUCCHフォーマット1a/1b領域、及びPUCCHフォーマット3領域といった3つの場合に対するブラインドデコーディングを行わなければならない。
また、本実施例8−2の適用において、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるリソースインデックスをPUCCHリソースとして使用する代わりに、RRC設定されたPUCCHリソースセットのうち、SPS活性化PDCCHを通じて指定されるPUCCHリソースインデックスを使用し、その他の事項は同一に適用することも可能である。
実施例8−3
本実施例8−3は、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKフィードバックが必要な場合に、空間(spatial)バンドリング(すなわち、複数個のコードワードに対するACK/NACKバンドリング)を適用し、M=2のチャネル選択手法を使用する方案に関する。LTEリリース−8で定義されたPUCCHフォーマット1b(または1a)のためのチャネル選択手法を使用する場合は、LTEリリース−8のチャネル選択手法を使用するフォールバックモードで動作すると表現できる。
まず、「PDCCHのないSPS」が複数個の(例えば、2個の)コードワード伝送である場合に、これに対するACK/NACK応答に対して空間バンドリングを行う。同様に、「一つのPDSCH with PDCCH」が複数個の(例えば、2個の)コードワード伝送である場合に、これに対するACK/NACK応答に対して空間バンドリングを行う。仮に、「PDCCHのないSPS」または「一つのPDSCH with PDCCH」のうちいずれか一方のみが1コードワードであり、他方は2コードワードである場合に、2コードワードの伝送に対してのみ空間バンドリングが行われる。
これにより、「PDCCHのないSPS」及び「一つのPDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKペイロードサイズは、空間バンドリングが行われない場合における2乃至4ビットサイズから、空間バンドリングが行われると2ビットへと減少する。
2ビットサイズのACK/NACKフィードバックは、既存のLTEリリース−8のPUCCHフォーマット1b(または1a)を用いて伝送することができる。ここで、PUCCHフォーマット1b(/1a)を用いたM=2のチャネル選択方式を使用することができる。すなわち、空間バンドリングが行われた結果である2ビットサイズのACK/NACKフィードバックをPUCCHフォーマット1b(/1a)へのフォールバックモードを用いて伝送することができる。
ここで、M=2とは、空間バンドリングされた結果である2つのACK/NACK情報(2−ビットACK/NACK情報)を伝達することを意味することもでき、2個のPUCCHリソースを使用するチャネル選択を意味することもできる。このように、チャネル選択を使用することによって基地局での検出性能を向上させることができる。
このとき、チャネル選択のための2個のPUCCHリソースのうち、最初のPUCCHリソースは、SPS活性化PDCCHを通じて指定されたPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスが用いられ、2番目のPUCCHリソースは「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスが用いられてもよく、または、この例示とは逆に、最初及び2番目のPUCCHリソースが、それぞれSPS活性化PDCCHを通じて指定されたPUCCHリソースインデックス、及び「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるPUCCHリソースインデックスにマッピングされてもよい。このような2個のPUCCHフォーマット1b(または1a)リソースのうち一つを選択するチャネル選択方式によりACK/NACK情報を伝送することができる。
本実施例において、ACK/NACK情報及びPUCCHリソースのチャネル選択マッピング関係は、例えば、上記の表5または上記の表8のように設定することができる。しかし、これは、単なる例示であり、新しいチャネル選択マッピング関係が定義及び使用されてもよい。
本実施例の一例として、PUCCHフォーマット1bを用いたチャネル選択マッピング関係が上記の表5のように与えられる場合を仮定する。チャネル選択に用いられる2個のPUCCHリソース
のうち、SPS活性化PDCCHを通じて指定されるPUCCHリソースを
にマッピングさせ、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるPUCCHリソースを
にマッピングさせることができる。このようなマッピング設定は、「PDCCHのないSPS」及び「PDSCHに対応するPDCCH」の受信順序(受信時間)によらずに決定することができる。例えば、特定端末がPDCCH(すなわち、「PDSCHに対応するPDCCH」)を逃してSPSのみを受信した後、それに対する応答を伝送する場合が発生しても、基地局では少なくともSPSに対するACK/NACK応答を受信するようになる。端末がPDCCH検出に失敗した場合に「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACK伝送に用いるPUCCHリソース
と、端末がPDCCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACK伝送に用いるPUCCHリソース
とが同一であるわけである。一方、本例示の変形例として、それぞれのPUCCHリソースと下りリンク伝送の種類(PDCCHまたはSPS)がこの例示と逆にマッピングされてもよく、受信時間の順序によってマッピングされてもよい。
本実施例の他の例として、PUCCHフォーマット1bを用いたチャネル選択マッピング関係において、2ビットACK/NACKのうち、MSBには、SPSに対するA/Nをマッピング(すなわち、先のビットにSPSに対するACK/NACKをマッピング)し、LSBには、「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKをマッピング(すなわち、後のビットにPDSCH with PDCCHに対するACK/NACKをマッピング)して使用することができる。または、I軸には、SPSに対するACK/NACKをマッピングし、Q軸には、「一つのPDSCH with PDCCH」(例えば、DAI=1のPDCCH)に対するACK/NACKをマッピングして使用する場合に、端末がPDCCH(すなわち、「PDSCHに対応するPDCCH」)の検出に失敗しても、基地局では少なくともSPS伝送に対するACK/NACK応答は受信することができる。端末がPDCCH検出に失敗した場合に「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKがI軸上にマッピングされる場合のコンステレーション位置と、端末がPDCCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACK応答をPUCCHフォーマット1aを用いてBPSKコンステレーション(すなわち、I軸)を用いて伝送する場合のコンステレーション位置とが同一であるわけである。または、この例示とは逆のマッピング関係を設定することもでき、受信時間の順序によってマッピングすることもできる。
ここで、基地局が少なくともSPSに対するACK/NACK応答を受信することを保障するために、種々のACK/NACKフィードバックが伝送される場合において特定情報が特定PUCCHリソースにマッピングされるようにすることができる。例えば、前述したように、チャネル選択マッピング関係において、SPS伝送に対するACK/NACKがマッピングされるPUCCHリソースを、SPS「のみ」に対するACK/NACKが伝送されるPUCCHリソースと同一に設定することができる。
下記の表15は、既存のLTEリリース−8/9でPUCCHフォーマット1a及び1bのための変調シンボル(またはコンステレーション)を表すものである。
上記の表15で、b(0)値「0」はNACKであり、「1」はACKであると仮定する。これにより、b(0)、b(1)値「00」は、ACK/ACKを意味し、「11」は、NACK/NACKを意味する。この場合に、少なくとも、先の一つのビット(b(0))は、PUCCHフォーマット1aと1bで同一の変調シンボルを有するようになる。言い換えると、d(0)=1の場合に、PUCCHフォーマット1a及び1bのいずれにおいてもb(0)は常に0であり、d(0)=−1の場合にPUCCHフォーマット1a及び1bのいずれにおいてもb(0)は常に1である。これにより、基地局は、受信したACK/NACKフィードバックがPUCCHフォーマット1aで伝送されたものか、或いはPUCCHフォーマット1bで伝送されたものかが確認できなくても、少なくとも、先の一つのビット(b(0))に関する情報を受信して検出することができる。チャネル選択マッピング関係を設定する場合に、「PDCCHのないSPS」に対するACK/NACKは先の一つのビット(b(0))にマッピングされるPUCCHリソースを使用するようにすればよく、これにより、少なくとも基地局にとってのSPSに対するACK/NACKの受信を保障することができる。
例えば、M=2のチャネル選択において下記の表16のようなチャネル選択マッピング関係を用いることができる。
上記の表16で、HARQ−ACK(0)にSPSに対するACK/NACKがマッピングされ、HARQ−ACK(1)に「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACKがマッピングされる。
例えば、1コードワードを有するSPS「のみ」が受信され、それ以外に「PDSCH with PDCCH」は受信されない場合を仮定する。この場合、SPSに対するACK/NACK応答はPUCCHフォーマット1aを用いて伝送可能である。
一方、SPSと共に「PDSCH with PDCCH」が受信された場合には、本発明の例示によってチャネル選択が用いられるとよい。この場合に、SPSに対して上位層設定されたPUCCHリソースセットのうち、SPS活性化PDCCHで指示されたPUCCHリソースを上記の表16の
として使用することができる。また、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから、(あらかじめ定められた規則によって暗黙的に)誘導されるPUCCHリソースを上記の表16の
として使用することができる。このとき、端末で「PDSCHに対応するPDCCH」を逃したか否かにかからず、基地局ではSPSに対するACK/NACK応答を受信できるようにしなければならない。
前述したように、端末がSPSのみに対するACK/NACK応答を伝送する場合には
を使用する。この場合、ACKは、b(0)=1、d(0)=−1の変調シンボルに該当し、NACKは、b(0)=0、d(0)=1の変調シンボルに該当する。一方、端末がSPS及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を伝送する場合に、SPSに対するACK/NACK応答が伝送されるリソースは、上記の表16から確認すればよい。上記の表16において、
を使用する場合のうち、「ACK、NACK/DTX」の場合及び「NACK、NACK/DTX」の場合を調べてみる。「ACK、NACK/DTX」の場合は、b(0)b(1)=11、d(0)=−1の変調シンボルに該当する。「NACK、NACK/DTX」の場合は、b(0)b(1)=00、d(0)=1の変調シンボルに該当する。要するに、SPSのみに対するACK/NACK応答を伝送する場合も、SPS及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を伝送する場合も、
を使用するACK/NACK伝送においてSPSに対するACK/NACKは同じ変調シンボル(すなわち、ACKの場合はd(0)=−1、NACKの場合はd(0)=1)を用いて伝送される。したがって、基地局は、SPSのみに対するACK/NACK応答を受信したか、或いはSPS及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を受信したかにかかわらず、
上で信号が検出されると、少なくとも、SPSに対するACK/NACK応答を確認することができる。
一方、上記の表16で、「ACK、ACK」の場合及び「NACK/DTX、ACK」の場合は、「PDSCHに対応するPDCCH」のCCEインデックスから誘導されるリソース、すなわち、
を用いてACK/NACK応答を伝送することができる。基地局では、
上で信号が検出されると、「PDCCHのないSPS」及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を受信したということがわかる。
前述の例示では、説明の便宜上、PUCCHフォーマット1aを挙げて説明したが、本発明の同一の原理がPUCCHフォーマット1bの場合にも適用可能である。
例えば、2コードワードを有するSPS「のみ」に対するACK/NACK応答をPUCCHフォーマット1bを用いて伝送することもできる。一方、SPSと共に「PDSCH with PDCCH」が受信された場合には、本発明の例示によって空間バンドリングを用いることができる。これら2つの場合において、同一のチャネル(PUCCHリソース)及び変調シンボルを通じてSPSに対するACK/NACK情報が伝送される。具体的に、SPSの2コードワードに対するACK/ACK、ACK/NACK、NACK/ACK、NACK/NACKは、空間バンドリング(例えば、論理積)が適用されると、それぞれACK、NACK、NACK、NACKとなる。また、SPS及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を同時に伝送する場合に、SPSに対するACK/NACK応答は、空間バンドリングされた結果によってACKまたはNACKになり、これらはそれぞれ、SPSのみに対するACK/NACK応答に用いられるチャネル及び変調シンボルのACK/ACK及びNACK/NACKと同一になる。そのため、基地局にとっては、SPSのみに対するACK/NACK応答を受信したか、またはSPS及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答を受信したかにかかわらず、
上で信号が検出されると、少なくとも、SPSに対する先の信号(例えば、b(0))がACKかまたはNACKかによって空間バンドリングされた結果としてのACK/NACK応答を確認することができる。
このようなコンステレーションマッピングは、それぞれのCellでの伝送モード(TM)がMIMOモードである場合にも、そうでない場合にも同一の適用が可能である。または、空間バンドリングが実際に適用されるか否か(すなわち、2コードワード伝送が存在するか否か)にかかわらず、このようなコンステレーションマッピングが適用されてもよい。
本実施例8−3の適用において、PDCCHのないSPS「のみ」に対するACK/NACKフィードバックの場合にも空間バンドリングを適用することができる。こうすると、前述の実施例8−1または8−2に比べて、基地局でブラインドデコーディングを行うべき領域の個数を減らすことができる。さらにいうと、LTEリリース−8で定義するチャネル選択方式において、大きい値のMに対するチャネル選択方式は、小さい値のMに対するチャネル選択方式の上位集合(superset)となっている。例えば、M=2のチャネル選択において先の一つのビット(例えば、b(0))またはACK/NACKのみを伝送することは、チャネル選択の適用無しでPUCCHフォーマット1aを用いて1ビットのACK/NACKを伝送することと同じ結果となる。そのため、SPS「のみ」に対するACK/NACKのために、SPS活性化PDCCHを通じて指示されたPUCCHフォーマット1a/1bリソースインデックスを、チャネル選択で用いられる最初のリソースインデックスとして使用する場合に、チャネル選択が用いられる場合と用いない場合との区別が可能になる。こうなると、「PDCCHのないSPS」及び「PDSCH with PDCCH」に対するACK/NACK応答に対する検出が行われると、SPS「のみ」に対するACK/NACK応答に対する検出が自動で行われる。したがって、基地局の立場では、チャネル選択の場合に対するPUCCHフォーマット1a/1bリソース上のACK/NACK検出(つまり、SPS「のみ」に対するACK/NACK検出を含む)、及びPUCCHフォーマット3リソース上のACK/NACK検出という2領域でのブラインドデコーディングを行うことで済む。
以下では、本実施例8−3の詳細な適用例について説明する。
実施例8−3−1
前述したように、ACK/NACK応答は3つのケースに対して発生する。ケース1は、対応するPDCCHがあるPDSCH(PDSCH with a corresponding PDCCH)であり、ケース2は、下りリンクSPS解除を指示するPDCCH(PDCCH indicating downlink SPS release)であり、ケース3は、対応するPDCCHのないPDSCH(PDSCH without a corresponding PDCCH)である。ケース3は、SPS PDSCHに対するACK/NACKと表現することもできる。
本実施例の説明において、ACK/NACK応答に関連した「PDCCH」は、ケース1またはケース2を意味し、「SPS PDSCH」はケース3を意味するとし、特定UEがこれらの3つのケースに対する下りリンク受信をし、それに対するACK/NACKを伝送する動作について説明する。n番目のULサブフレームで伝送されるACK/NACK応答は、n−k番目(ここで、k∈Kであり、
上記の表12参照)サブフレームでの上の3つのケースの下りリンク伝送に対する確認応答という関係を有することができ、以下の説明でACK/NACK伝送サブフレーム位置についての説明は省略する。
本実施例では、性能低下無しにTPC命令による動的な電力制御を支援するために、PUCCHフォーマット1aを用いたあらかじめ定義されたチャネル選択手法(LTEリリース−8またはリリース−10で定義するチャネル選択手法)を用いることができる。
まず、一つのサービングセルが設定される場合について説明する。
この場合、TPCフィールドの用途は、下記の通りである。
DL DAI=1のPDCCH内のTPCフィールド(2−ビット)は元来の用途のTPC命令に用いられる。
DL DAI>1のPDCCH内のTPCフィールド(2−ビット)はARIの用途に用いられる。UEは、DL DAI>1の全てのPDCCHsで同じARI値を有すると仮定(assume)する。
また、PUCCHフォーマットの用途は、下記の通りである。
UEがSPS PDSCHのみを受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースが用いられる(すなわち、フォールバックモードで動作する)。
UEがDL DAI=1の一つのPDCCHのみを受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースが用いられる(すなわち、フォールバックモードで動作する)。
UEがSPS PDSCH及び追加的なDL DAI=1のPDCCHを受信する場合には、PUCCHフォーマット1aを用いたあらかじめ定義されたチャネル選択手法(LTEリリース−8またはリリース−10で定義するチャネル選択手法)が用いられる。ここで、1番目のPUCCHリソースは上位層設定によって決定され(例えば、RRC設定されたリソースセットのうち、SPS PDCCHのARIが指示するリソースとする。)、2番目のPUCCHリソースは、対応するPDCCH(すなわち、DL DAI=1のPDCCH)の伝送に用いられた最初のCCEの番号(または、インデックス)に基づいて決定される。
その他の場合には、設定されたPUCCHフォーマットとしてのPUCCHフォーマット3が用いられる。
一方、1個超過のサービングセルが設定される場合について説明する。
この場合、TPCフィールドの用途は、下記のように定められる。
PCell上でのみ、DL DAI=1のPDCCH内のTPCフィールド(2−ビット)は元来の用途のTPC命令として用いられる。
これ以外のPCell及びSCell上の全てのPDCCHのTPCフィールド(2−ビット)はARIの用途に用いられる。UEは、PCell及びSCell上の全てのPDCCHで同じARI値を有すると仮定(assume)する。
また、PUCCHフォーマットの用途は、下記のように定められる。
UEがSPS PDSCHのみを受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースが用いられる(すなわち、フォールバックモードで動作する)。
UEがPCell上でのみDL DAI=1の一つのPDCCHのみを受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースが用いられる(すなわち、フォールバックモードで動作する)。
UEがPCell上でのみSPS PDSCH及び追加的なDL DAI=1のPDCCHを受信する場合には、PUCCHフォーマット1aを用いたあらかじめ定義されたチャネル選択手法(LTEリリース−8またはリリース−10で定義するチャネル選択手法)が用いられる。ここで、1番目のPUCCHリソースは上位層設定によって決定され(例えば、RRC設定されたリソースセットのうち、SPS活性化PDCCHのARIが指示するリソース(上記の表14参照)とする。)、2番目のPUCCHリソースは、対応するPDCCH(すなわち、DL DAI=1のPDCCH)の伝送に用いられた最初のCCEの番号(またはインデックス)に基づいて決定される。
その他の場合は、設定されたPUCCHフォーマットとしてのPUCCHフォーマット3が用いられる。
実施例8−3−2
本実施例の説明において、前述の実施例8−3−1で説明した通り、ACK/NACK応答と関連した「PDCCH」はケース1またはケース2を意味し、「SPS PDSCH」はケース3を意味するとする。また、「DL DAI=1のPDSCH」または「DL DAI>1のPDSCH」とは、そのPDSCHに対応するPDCCHにより指示されるDL DAI=1またはDL DAI>1という意味である。また、以下の説明で、ACK/NACK伝送サブフレーム位置についての説明は省略する。
UEがSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDSCHを受信する場合にはARI情報がないため、UEには利用可能なPUCCHリソースがわからない。この問題を解決するために、下記の方案を考慮することができる。
LTEリリース−8でのM=2のチャネル選択を使用する場合についてまず説明する。
UEがSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDSCHのみを受信し、DL DAI>1のPDSCHは受信しなかった場合に、UEは、PDSCHに対する空間バンドリングを適用しながら、LTEリリース−8でのM=2のTDDチャネル選択によってACK/NACKを伝送する。LTEリリース−8 TDDチャネル選択を使用する場合に、UEは2個のACK/NACKビットを伝送する。ここで、LTEリリース−8でのチャネル選択マッピング関係(例えば、上記の表5乃至表7)またはLTEリリース−10でのチャネル選択マッピング関係(例えば、上記の表8乃至表11)のいずれか一方を用いることができ、これはRRC設定によって決定可能である。
LTEリリース−8チャネル選択を適用するにあたり、
の値はSPS PUCCHリソース(すなわち、上位層設定されたリソースセットのうち、SPS活性化PDCCHにより指示されるリソース、上記の表14参照))によって決定される。また、HARQ−ACK(0)は、SPS PDSCH伝送に対するACK/NACK/DTX応答である。これは、UEがDAI=1のPDSCHを逃す場合における不明瞭性を解消するためであり、SPS伝送に対するACK/NACK応答は確実に伝送することができる。
この場合、DL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドは実際にPUCCH電力制御に用いることができる。ただし、MIMO伝送(または、2コードワード伝送)を支援するセルでDAI=1のPDSCHに対する空間バンドリングによるACK/NACKビットの損失(loss)が発生することがある。
一方、PUCCHフォーマット3を使用する場合を考慮することができる。
UEがSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDSCHの両方を受信する場合に、UEは、DL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドがARIの用途に用いられると仮定することができる。これにより、UEは、PUCCHフォーマット3を用いて、2 ACK/NACKビット(MIMO cellでない場合)または3 ACK/NACKビット(MIMO cellの場合)を伝送することができる。
この場合は、ACK/NACKバンドリングの適用がないので、ACK/NACK情報の損失無くACK/NACKビットを伝送することができる。反面、元来のTPC命令の用途に用いられるTPCフィールドがないので(DL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドがARIの用途に用いられるので)、PUCCH電力制御が不正確に行われることがある。
この点を考慮して、搬送波アグリゲーション(CA)の場合にTDD PUCCHフォーマット3に対するリソース割当に関する下記の2方案を提案する。
第一の方案として、CAでFDD PUCCHフォーマット3に対するリソース割当を再使用する。この場合、PCell上のTPCは元来の用途のTPCに用いられ、SCell上のTPCはARIの用途に用いられることが可能である。端末がPCell上でのみPDSCHを受信する場合には、LTEリリース−8で定義するACK/NACKバンドリングを用いることができる。
第二の方案として、搬送波アグリゲーションが支援されない(すなわち、non−CA)場合のTDD PUCCHフォーマット3に対するリソース割当を再使用する。この場合、PCell上でDAI=1のPDCCHのTPCは元来の用途のTPCに用いられ、これ以外のPCell及びSCell上の全PDCCHのTPCはARIの用途に用いられることが可能である。端末がPCell上でのみSPS PDSCHまたはDL DAI=1のPDSCHを受信する場合に、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bを用いることができる(すなわち、フォールバックモードで動作する)。端末がSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDSCHの両方を受信するが、DL DAI>1のPDSCHを受信しなかった場合には、LTEリリース−8チャネル選択が用いられる。
TDDシステムでPUCCHを用いたACK/NACKの伝送
LTE−A(またはLTEリリース−10)でのACK/NACKバンドリング方法及びリソース割当方案について説明する。
PUCCHフォーマット3を用いたTDDでのACK/NACKフィードバックについてモード1及びモード2が定義される。モード1は、最大20ビットのACK/NACKペイロードサイズを支援することができる。指示される(indicated)ACK/NACKビットが20を超える場合には空間バンドリングが適用される。モード1では、指示されるACK/NACKビットが20以下である場合にはバンドリングが適用されない。一方、モード2は、空間バンドリングと共に部分バンドリング(時間−ドメインでのバンドリングまたはCC−ドメインでのバンドリング)が適用される方式である。すなわち、モード2では、指示されるACK/NACKビットがxを超える場合には、空間バンドリングを行いながら、部分バンドリングを適用することが可能である。
一方、PUCCHフォーマット1bを用いたTDDでのACK/NACKフィードバックにおいてチャネル選択が適用される場合に、モードa及びモードbが定義される。モードaは、指示されるACK/NACKビットが4以下である場合に、バンドリングを適用するしない方式である。モードbは、指示されるACK/NACKビットが4を超える場合に、空間バンドリングと共に部分バンドリング(時間−ドメインでのバンドリングまたはCC−ドメインでのバンドリング)を適用する方式である。
一方、PUCCHフォーマット3に関するリソース割当は、次のように定義される。PCell上のPDSCHに対応するPDCCH内のTPCフィールド(2−ビット)は元来の用途のTPC命令に用いられる。SCell上のPDSCHに対応するPDCCHのTPCフィールド(2−ビット)はARIの用途に用いられる。仮に、SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが受信されず、PCell上でPDSCHが受信される場合に、LTEリリース−8で定義する方式でPUCCHフォーマット1a/1bリソースが用いられる。
以下では、PCellでのみ(only on PCell)下りリンク受信がある場合に関するACK/NACKバンドリング方案及びリソース割当方案について説明する。
実施例9
本実施例9は、モード1での空間バンドリングに関する。
TDDに対するモード1は、最大20ビットの個別的な(individual)ACK/NACK伝送を支援することができる。しかし、指示されるACK/NACKビットが20を超える場合には、空間バンドリングが適用される必要がある。空間バンドリングが適用されると個別ACK/NACK情報が明確にフィードバックされず、HARQ動作の効率性が低減することがあるから、可能な限り個別(individual)ACK/NACK情報がバンドリング無しで伝送されるようにする方案が必要である。すなわち、空間バンドリングを単純に全てのACK/NACKビットに適用することは、下りリンク収率(throughput)性能を低減させる点で好ましくない。また、モード1は、可能なかぎり個別ACK/NACKフィードバックをそのまま伝送するための方式であり、よって、空間バンドリングの適用を最小限に抑えるべきである。そのため、空間バンドリングは、バンドリングされたACK/NACKビットが極力20に近いと同時に20以下になるように行われる必要がある。
指示されるACK/NACKビットが20を超える場合に空間バンドリングを行う具体的な方案について以下に説明する。
第一の方案として、CC単位に(CC−wise)空間バンドリングを行うことを考慮することができる。第一の方案によれば、特定の一つのCC内で全てのDLサブフレームにわたって空間バンドリングを適用することができる。このような方式で、実際に伝送されるACK/NACKビットが20以下になるまで他のCCに対して全サブフレームにわたって空間バンドリングを行うことができる。PCellがSCellに比べてより頻繁にスケジューリングされると仮定すると、空間バンドリングはPCellで最後に適用されるようにすることができる。
TDD設定が9DL:1UL(すなわち、9個のDLサブフレームでの下りリンク伝送に対するACK/NACKが1個のULサブフレームで伝送されるようにする設定、例えば、上記の表12のUL−DL configuration 5のsubframe 2の場合を参照)の場合は、設定されたCCの個数が2を超える場合に全CCに対して空間バンドリングを適用しても、ACK/NACKペイロードサイズは20ビットを超えることとなる。そのため、設定されたCC個数が2の場合は、全てのCCに対して空間バンドリングが適用されるようにする。
TDD設定が9DL:1ULでない場合には、論理インデックス上の最後のインデックス(または、最高のインデックス)を持つCCから始めて、2個のコードワードが、設定された
個のCCに対して空間バンドリングが適用される。PCellには最後に空間バンドリングが適用されるようにすることができる(すなわち、PCellに対しては最低の論理インデックスを付与できる)。ここで、
は一つのCCでACK/NACKフィードバックされるDLサブフレームの個数である。
は、一つのサブフレームにおいて全てのDL CC上でACK/NACKフィードバックされるコードワードの全体個数である。すなわち、
は、下記の式2のように定めることができる。
上記の式2で、
は、i番目のCCに対して設定されたコードワードの個数である。
第二の方案として、サブフレーム単位に(subframe−wise)空間バンドリングを行うことを考慮することができる。第二の方案によれば、特定の一つのDLサブフレーム内で全CCにわたって空間バンドリングを適用することができる。このような方式により、実際に伝送されるACK/NACKビットが20以下になるまで、他のDLサブフレームに対して全てのCCにわたって空間バンドリングを行うことができる。
前述の第一または第二の方案によれば、バンドリングされたACK/NACKビットは18、19または20ビットとなる。端末に設定されたCCの個数によって上記の第一または第二の方案が適用される場合のACK/NACKビットは、下記の表17のようになる。
上記第一の方案は第二の方案に比べて、PCellに対する個別ACK/NACKの伝送を極力支援することができ、より簡単に表現できる。したがって、指示されるACK/NACKビットが20ビットを超える場合には、CC−単位に空間バンドリングを行う(すなわち、第一の方案を適用する)ことが好ましい。
実施例10
本実施例10では、前述したモード2及びモードbに対する具体的な適用例について説明する。モード2は、PUCCHフォーマット3を用いたTDDでのACK/NACKフィードバックに対して空間バンドリングと共に部分バンドリング(時間−ドメインまたはCC−ドメインでのバンドリング)が適用する方式である。モードbは、PUCCHフォーマット1bを用いたTDDでのACK/NACKフィードバックにおいてチャネル選択が適用される場合に、指示されるACK/NACKビットが4を超える場合に、空間バンドリングと共に部分バンドリング(時間−ドメインまたはCC−ドメインでのバンドリング)が適用される方式である。
モード2は、電力−制限される端末に対してACK/NACK性能を改善するのに有利に適用することができる。最大10ビットのACK/NACKを支援するFDDの場合と最大20ビットのACK/NACKを支援するTDDの場合とを比較すると、TDDがFDDに比べてより小さい上りリンクカバレッジを有する。また、モード1(指示されるACK/NACKビットが20を超える場合には空間バンドリングが適用され、20ビット以下の場合には空間バンドリングが適用されないモード)は、TDD 9DL−1UL設定においてDL CCの個数が2を超える場合に対するACK/NACKフィードバックを支援できない。例えば、5個のDL CCが設定され、TDD 9DL−1UL設定においてACK/NACKフィードバックを支援するためには、空間バンドリングを適用するとしても、総45ビットのACK/NACKが必要となる。したがって、少なくともTDD 9DL−1UL設定においてACK/NACKフィードバックを支援するためには、PUCCHフォーマット3に対して前述のモード2を支援することが必要である。
以下では、モード2及びモードbに適用される部分バンドリングについて具体的に説明する。
実施例10−1
本実施例10−1では、時間−ドメインでの部分バンドリングについて説明する。本実施例での時間−ドメインバンドリングは空間バンドリングに追加して行われるとよい。
部分バンドリングとしての時間−ドメインバンドリングは、CC別にLTEリリース−8で定義される2−ビットDAIをそのまま用いて行うことができる。また、時間−ドメインバンドリングを適用するにあたり、CA(搬送波アグリゲーション)の種々の形態を考慮することなく、それぞれのCC別に時間−ドメインバンドリングを単純に適用することができる。すなわち、CAの種々のケースに対して一つの時間−ドメインバンドリング方案を定めることで済む。時間−ドメインバンドリングが適用された結果であるACK/NACK情報ビットのサイズは10ビットであるから、ACK/NACK伝送に用いられるPUCCHフォーマットとして、LTEリリース−10のPUCCHフォーマット3構造を用いることができる。
DAIは、割り当てられるPDCCHに対して順次に増加する値で与えられるので、DAIを使用する場合に、時間−ドメインバンドリングウィンドウ内で最後のPDCCHを逃す場合を端末は認識できない。このような問題を解決するために、CC別に最後に検出されたPDCCHに対するDAI値はACK/NACKマッパー(mapper)に入力されてエンコーディングされるとよい。
図40は、時間−ドメイン部分バンドリングの一例を示す図である。図40の例示で、それぞれのCCに対して4個のサブフレームにわたってACK/NACKバンドリングが適用されている。
図40の1番目のCCで、端末は1番目のサブフレームでDAI=0のPDCCHを受信し、2番目のサブフレームでDAI=1のPDCCHを受信したが、3番目のサブフレームでDAI=2のPDCCHそのものを受信できなかった。この場合、端末は、最後のPDCCH(DAI=2)が伝送されたか否かが確認できず、時間−ドメインバンドリングウィンドウ内の全てのPDCCHを受信したと認識できる。また、図40では、受信されたPDCCHによりスケジューリングされたPDSCHのそれぞれを成功的にデコーディングした場合(すなわち、ACK)を表し、その結果、バンドリングされたACK/NACK情報としてACKが生成される。生成されたACK情報と共に、端末は自身が最後に受信したDAI値、すなわち、DAI=1をエンコーディングすることができる。端末がACKと共にDAI=1をエンコーディングして伝送すると、基地局には端末がPDCCH(DAI=2)を逃したことがわ分かる。
図40の2番目のCCでの時間−ドメインバンドリング動作は、1番目のCCと類似に行われる。端末は、ACK情報と共に最後に受信したDAI値(すなわち、DAI=0)をエンコーディングする。端末がACKと共にDAI=0をエンコーディングして伝送するので、基地局には端末がPDCCH(DAI=1)を逃したことが認識できる。
図40の3番目のCCで、端末は、1番目のサブフレームでのPDCCH(DAI=0)を受信し、3番目のサブフレームでのPDCCH(DAI=2)を受信する。端末は、2番目のサブフレームでのPDCCH(DAI=1)の伝送が確認できないが、受信されたPDCCHのDAI値が順次に増加していないから、自身がPDCCH(DAI=1)を逃したことがわかる。図40では、受信されたPDCCHによりスケジューリングされたPDSCHのそれぞれを成功的にデコーディングした場合(すなわち、ACK)を示すが、一つのPDCCH伝送を逃したから、端末は、バンドリングされたACK/NACK情報としてNACKを生成する。
図40の4番目のCCで、端末は、DAI=0のPDCCHのみを受信し、該PDCCHによりスケジューリングされたPDSCHを成功的にデコーディングした場合に、ACK情報が生成されることを示している。生成されたACK情報は、最後に受信したDAI値(DAI=0)と共にエンコーディングされる。
図40の5番目のCCで、端末はDAI=0のPDCCHのみを受信する。端末は、4番目のサブフレームでのDAI=1のPDCCH伝送を知っていない。この例示では、端末が受信したPDCCHによりスケジューリングされるPDSCHが成功的にデコーディングされなかった場合(すなわち、NACK)を表す。したがって、端末はNACK情報を生成する。
このような時間−ドメイン部分バンドリングが適用される場合に、CCごとにLTEリリース−8のTDD DAI(2ビット)を修正することなく(すなわち、PDCCH累積カウンターとして)再使用することができる。
モード2の適用に関するPUCCHフォーマット3の一例として、チャネルコーディングが行われる前のCC別ACK/NACK状態(state)を、下の表18のように定義することができる。
表18のACK/NACK状態を用いて、図40でCC別に最後に受信されたPDCCHのDAI値と共にエンコーディングされたバンドリングされたACK/NACKの結果を表現すると、次の通りである。図40の1番目のCCでは「01(DAI=1)」で、2番目のCCでは「00(DAI=0)」で、3番目のCCでは「11(NACK)」で、4番目のCCでは「00(DAI=0)」で、5番目のCCでは「11(NACK)」である。
モード2が適用されるPUCCHフォーマット3においてチャネルコーディングが行われる前に5個のCCに対するACK/NACKペイロードを組み合わせる(aggregate)と、「0100110011」となる。
前述のモード2に関する本発明の原理はモードbにも同一の適用が可能である。モードbに適用するためには、チャネル選択マッピング関係(PUCCHリソースとACK/NACKビットとのマッピング関係)及びNACK/DAI値間の関係を定義すればいい。
したがって、時間−ドメインバンドリングが用いられる場合に、CC別にそれぞれのACK/NACK応答を、バンドリングされたACK/NACK情報で表現することができる。
実施例10−2
本実施例10−2では、CC−ドメインでの部分バンドリングについて説明する。本実施例では時間−ドメインバンドリングを空間バンドリングに追加して行うことができる。
CC−ドメインバンドリングにおいてDAI用途は、既存のDAIと同様にCC別に複数個のサブフレームでスケジューリングされたPDSCH(または、対応するPDCCH)の累積カウンターとして用いられるよりは、一つのサブフレームで複数個のCCで構成されたバンドリングウィンドウ内でスケジューリングされたPDSCH(または、対応するPDCCH)の総個数(total number)を表す指示子として用いられることが好ましい。サブフレーム別にPDSCH(またはPDCCH)の総個数を表す場合には、端末が時間順序上の最後のPDCCHを逃す場合への解決方案が不要となるわけである。
これにより、端末は、バンドリングウィンドウ内で成功的にデコーディングされた下りリンク伝送に対して生成されたACKの個数がバンドリングウィンドウ内の全体PDSCH(またはPDCCH)の個数と同じ場合にACKを伝送することができる。そうでないと、NACKが伝送される(この場合、DTXはNACKと表現される)。
以下では、モードb及びモード2に対するCC−ドメインバンドリングの適用について具体的に説明する。
図41を参照して、モードbにCC−ドメインバンドリングが適用されるチャネル選択について説明する。
この場合、基本的には、LTEリリース−10のチャネル選択マッピング関係(例えば、上記の表8乃至表11)が適用されると仮定する。
暗黙的に決定される(すなわち、PDCCHのCCEインデックスから誘導される)ACK/NACK PUCCHリソースが用いられる場合に、PCC(またはPCell)上のスケジューリングのためのPDCCHに動的に関連するPUCCHリソースがそれぞれのサブフレームで最優先的に選択されるとよい。
また、複数個のCCが設定され、PCC(またはPCell)でのみPDSCHがスケジューリングされる場合に、LTEリリース−8でのACK/NACKリソースマッピング(例えば、上記の表5乃至表7)を適用することができる。すなわち、LTEリリース−8でフォールバックするモードで動作できる。
図41の例示で、それぞれのサブフレームで2個のCell(PCC及びSCC)が設定されると仮定する。
図41のTDD 2DL:1UL設定の例示において、1番目のサブフレームでは、PCCにPDSCHスケジューリングがなく、SCCにPDSCHがスケジューリングされるので、SCC PDSCHをスケジューリングするPDCCHのCCEインデックスからPUCCHリソースが決定される。2番目のサブフレームではPCC PDSCHをスケジューリングするPDCCHのCCEインデックスからPUCCHリソースが決定される。このようなPUCCHリソースを用いてチャネル選択動作を行うことができる。例えば、表8のようなチャネル選択マッピング関係を用いてACK/NACK伝送を行うことができる。
図41のTDD 3DL:1UL設定の例示において、全てのサブフレームでPCCにのみPDSCHがスケジューリングされる。この場合には、前述したように、フォールバックモードで動作できる。例えば、表6のようなチャネル選択マッピング関係を用いてPUCCHフォーマット1bを通じてACK/NACK伝送を行うことができる。
図41のTDD 4DL:1UL設定の例示において、1番目のサブフレームではPCC及びSCCの両方でPDSCHスケジューリングがあるので、PCCでのPDSCHをスケジューリングするPDCCHのCCEインデックスに基づいてPUCCHリソースを決定することができる。2番目のサブフレームでは、PDSCHスケジューリングがなく、3番目及び4番目のサブフレームでは一つのCell(PCCまたはSCC)でのみPDSCHスケジューリングがあるので、該当のPDSCHのPDCCHのCCEインデックスに基づいてPUCCHリソースを決定することができる。このように、決定されたPUCCHリソースを用いてチャネル選択動作を行うことができる。例えば、表10のようなチャネル選択マッピング関係を用いてACK/NACK伝送を行うことができる。
図42を参照して、モード2にCC−ドメインバンドリングが適用される例示について説明する。
図42の例示では、最大ACK/NACKビット数が12であり、最大バンドリングウィンドウサイズは2個である(すなわち、最大2個のCCが一つのバンドリングウィンドウに含まれる)と仮定する。
また、個別ACK/NACK伝送を極力維持するために、12ビット以下において可能な限り12ビットに近いビット数になるまで、バンドリングが順次に(gradually)適用される。
また、PCell(またはPCC)はバンドリングウィンドウに含まれない。すなわち、バンドリングウィンドウは、SCell(SCC)に対してのみ構成される。また、CCインデックスが高い順にバンドリングウィンドウを適用することができる。
図42に示すように、CC−ドメインバンドリングは、ACK/NACKビット数(空間バンドリングが適用された後のACK/NACKビット数)が12ビット以下になるまで順次にバンドリングウィンドウ(2CCで構成される)を適用することができる。
図42の2DL:1ULの場合では、空間バンドリングが行われた後のACK/NACKビットが10であるから、バンドリングウィンドウが構成されない。
図42の3DL:1UL場合では、空間バンドリングが行われた後のACK/NACKビットが15ビットであるから、バンドリングウィンドウが構成され、2個のCC(SCC3及びSCC4)に対するバンドリングウィンドウが構成された後のACK/NACKビットは12ビットであるから、それ以上のバンドリングウィンドウは構成されない。
図42の4DL:1UL場合では、空間バンドリングが行われた後のACK/NACKビットが20ビットであるから、バンドリングウィンドウが構成される。2個のCC(SCC3及びSCC4)に対するバンドリングウィンドウが構成される場合に16ビットのACK/NACKビットが生成されるので、追加的なバンドリングウィンドウを構成するようになる。追加的なバンドリングウィンドウが2個のCC(SCC1及びSCC2)に対して構成されると、12ビットのACK/NACKビットが生成されるので、それ以上のバンドリングウィンドウが構成されない。
したがって、CC−ドメイン部分バンドリングが用いられる場合に、バンドリングウィンドウ内の全てのACK/NACKビットに対するバンドリング結果(例えば、論理積演算結果)がバンドリングされたACK/NACK情報として伝送される。また、PDCCH内のDAIは、一つのサブフレームで全てのCC上でスケジューリングされるPDSCHの総個数を指示する。また、PUCCHフォーマット3のための最大バンドリングウィンドウサイズは2に定められる(すなわち、最大2個のCC(またはCell)が一つのバンドリングウィンドウを構成する)ことが可能である。
実施例11
本実施例11は、PCellでのみPDCCH/PDSCHが受信される場合(以下では、PCell−only−receivingと称する)に、PUCCHフォーマット3を用いたACK/NACK伝送方案に関する。特に、TDDの場合にPCell−only−receivingについて具体的に説明する。
SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが受信されず、PDSCHがPCellでのみ受信される場合に、LTEリリース−8のPUCCHフォーマット1a/1bリソースを用いることができる(すなわち、フォールバックモードで動作できる)。
FDDの場合に、フォールバックモードは、LTEリリース−8で定義するPUCCHリソースを用いるための目的、及びSCellでARIを受信せずともPUCCHリソース決定を明確にする目的、のために適用することができる。
SCellでTPCフィールドがARI用途に用いられる場合に、TDD PCell−only−receivingの場合にはACK/NACKリソースの不明瞭性が発生することがある。これを解決するために、LTEリリース−8 TDDシステムで定義されるACK/NACKマルチプレクシングまたはACK/NACKバンドリングを適用することができる。しかし、ACK/NACK空間バンドリングや時間−ドメインバンドリングが適用されると、一部のACK/NACK情報は伝達されず、下りリンク収率性能の相当なる損失につながることがある。また、ACK/NACKマッピング関係において一部のACK/NACK状態(state)が互いに重なるため、LTEリリース−8 TDDシステムでの4ビットACK/NACKに対するACK/NACK性能も保障できなくなる。
したがって、以下では、PCell−only−receivingの場合におけるACK/NACK伝送方案について提案する。
実施例11−1
本実施例によれば、PCell上で一つのPDSCH(a single PDSCH)が受信される場合に、LTEリリース−8で定義するPUCCHフォーマット1a/1bのリソースを用いることができる。この場合、DAIの用途及びARIを下記のように定義できる。
図43は、DAI及びTPC使用の一例を示す図である。
図43の例示のように、PCellでのDAIは、LTEリリース−8 TDDシステムと同様にPDCCH(またはPDSCH)の累積カウンターとすることができる。SCellでのDAIは、LTEリリース−8 TDDシステムと同様にPDCCH(またはPDSCH)の累積カウンターとすることができる。または、SCellでのDAIは「00」に設定可能である。図43の例示では、SCellのPDCCHのDAI値はいずれも「00」に設定されている。SCellでのPDCCHのDAI値がいずれも「00」のように同一に設定されると、PDCCH下りリンク制御情報(DCI)が共通探索空間(common search space)内においてもスケジューリングされてもよい。あらかじめ定義された「00」値は、UE具現の観点で仮想CRCとして(すなわち、DAI=00以外の場合にエラー検出されるものとして)用いられてもよい。
図43の例示のように、PCell上で最初に割り当てられるPDCCH(すなわち、DAI=00のPDCCH)のTPCフィールドは、元来の用途のTPC命令に用いられる。PCell上でDAI=00のPDCCH以外の残り全ての(PCell及びSCellを含む)PDCCHのTPCフィールドは、ARIの用途に用いられる。PDCCHでARIに用いられるフィールドは、全てのPDCCHで同じ値を有しなければならない。
上の説明で、「PDSCH伝送があり、対応するPDCCHがない」場合は、DL SPS PDSCHに該当する。また、「DAI=「00」の一つのPDSCH」は、そのPDSCHに対応するPDCCH内のDAIフィールドが00であることを意味する。
本実施例11−1は、TDD ACK/NACKフィードバックに対する9DL:1ULサブフレーム設定、モード1、モード2に対する時間−ドメイン/CC−ドメインバンドリング、などのいずれの場合にも適用可能である。
本実施例11−1で説明した内容をまとめると、下記の通りである。
LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1b及びPUCCHフォーマット1a/1bのリソースが用いられる場合は、(1)PCell上で「対応するPDCCHがない一つのPDSCH」がある場合、(2)PCellでのみ「対応するPDCCHがある一つのPDSCH」があり、そのPDCCHのDAI=00の場合、または(3)PCellでのみ「DL SPS解除を指示する一つのPDCCH」があり、そのPDCCHのDAI=00の場合、である。
これらの(1)、(2)または(3)以外の場合にはLTEリリース−10 PUCCHフォーマット3が用いられる。
仮に、PCell上で「対応するPDCCHのないPDSCH(すなわち、DL SPS PDSCH)」がない場合には、次のように動作する。PCell上で「対応するPDCCHがあるPDSCH」があり、そのPDCCHのDAI=00であると、そのPDCCHのTPCフィールドは実際TPC命令に用いられる。PCell上で「DL SPS解除を指示するPDCCH」があり、そのPDCCHのDAI=00である、そのPDCCHのTPCフィールドは実際TPC命令に用いられる。それ以外の場合には、PDCCHのTPCフィールドがARIとして用いられる。
他の場合には(すなわち、PCell上で「対応するPDCCHのないPDSCH(すなわち、DL SPS PDSCH)」がある場合には)、PDCCHの全てのTPCフィールドがARIとして用いられる。
また、上記のいずれの場合においても、PDCCHでARIに用いられるフィールドはいずれも同じ値を有する。
実施例11−2
FDDの場合に、SCellでTPCフィールドがARIの用途に用いられ、PCellでのTPCフィールドは元来のTPC用途に用いられる。本実施例によれば、TDDでもFDDと類似に、PCellに対するPDCCH内のTPCフィールドは元来のTPC用途に用いられ、SCellに対するPDCCH内のTPCフィールドはARIの用途に用いられる。このように動作する場合に、既存のLTEリリース−8での動作に修正を加えることなくPUCCH電力制御動作を同一に行うことができる。
図44は、DAI及びTPC使用の他の例を示す図である。
図44の例示のように、PCellでのみPDSCHを受信する端末に対しては、PCellでのPDCCHのDAIフィールドをARIの用途に用いることができる。このようにDAIフィールドを用いることは、モード1に従う場合にも可能である。モード1は時間−ドメイン/CC−ドメインバンドリングでDAIを支援する必要がないわけである。また、PDCCHのARIとして用いられるフィールド(PCellでのDAIフィールド、SCellでのTPCフィールド)はいずれも同じ値を有しなければならない。
図44の例示では、SCellのPDCCHのDAI値がいずれも「00」に設定されるとする。その詳細は図43で説明した通りである。
これによるUE動作は、次のように定義できる。
前述の実施例9乃至実施例11の内容は、主に、TDDシステムにおいてPUCCHを用いたACK/NACK伝送に関する本発明の具体的な適用例であった。以下の実施例12では、PCellでTPCフィールドをARIとして再使用する本発明の内容が、FDD及びTDDシステムに適用される例示についしてより具体的に説明する。
実施例12
本実施例12ではPCellで「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」でのARIの使用方案について説明する。
具体的に、本実施例12は、SCellでのPDSCHがなく、PCellでSPS PDSCH(すなわち、対応するPDCCHのないPDSCH)がなく、PCellで一つの「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」を受信した場合に、「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」のTPCフィールドをARIとして再使用することによって、PUCCHフォーマット3を用いてACK/NACK伝送を可能にする方案に関する。すなわち、SPS PDSCH(すなわち、対応するPDCCHのないPDSCH)がなく、PCellで一つのPDSCHが受信された場合に対する方案(例えば、LTEリリース−8 FDDまたはTDDでのフォールバックモードで動作)について上述した。本実施例では、追加的な方案として、PCell上でPDSCH(対応するPDCCHのある/ないPDSCH)がなく、「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」が受信された場合におけるACK/NACK伝送方法について説明する。
FDDの場合におけるARIの使用方法は、次の通りである。
PCellでの「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」のTPCフィールドがARIの用途に用いられる。PCellで「下りリンクSPS解除を指示するPDCCH」以外の目的のPDCCHのTPCフィールドは、元来目的のTPC命令に用いられる。
また、SCellでのPDCCHのTPCフィールドはARIとして用いられる。端末は、PCell及びSCell上のARI値はいずれも同一であると仮定する。
これによる端末の動作は、次のように定義できる。
次に、TDDの場合におけるDAI及びARIの使用方法は、次の通りである。
PCellに対するDAIは、LTEリリース−8と同様にPDCCH/PDSCHの累積カウンターとして用いられる。SCellに対するDAIは、あらかじめ設定された値(例えば、「00」)に設定され、DCIが共通探索空間上でもスケジューリングできるようにする。ここで、あらかじめ設定された値は、UE具現の観点で仮想CRCとして用いられてもよい。
PCellで最初に割り当てられたPDCCH(すなわち、DAI=1またはDAI=「00」のPDCCH)のTPCフィールドは、元来のTPC命令の用途に用いられる。該PCellで最初に割り当てられたPDCCH以外の残り全てのPDCCH(PCellの他のPDCCH及びSCellのPDCCH)のTPCフィールドはARIの用途に用いられる。ここで、残り全てのPDCCHでDAI=「00」の場合にも同様、TPCフィールドはARIとして用いられる。また、UEは、ARI値がいずれも同一であると仮定する。
これによる端末の動作は、次のように定義できる。
実施例13
本実施例13は、SPS PDSCHの存在可否によってTPCフィールドが相異なるように用いられる方案に関する。
前述したように、ACK/NACK応答が3つのケースに対して発生する。ケース1は、対応するPDCCHがあるPDSCH(PDSCH with a corresponding PDCCH)であり、ケース2は、下りリンクSPS解除を指示するPDCCH(PDCCH indicating downlink SPS release)であり、ケース3は、対応するPDCCHのないPDSCH(PDSCH without a corresponding PDCCH)である。ケース3は、SPS PDSCHに対するACK/NACKと表現することもできる。
本実施例の説明において、ACK/NACK応答に関連した「PDCCH」は、ケース1またはケース2を意味し、「SPS PDSCH」はケース3を意味するとし、特定UEが上の3ケースの下りリンク受信をしてそれに対するACK/NACKを伝送する動作について説明する。n番目のULサブフレームで伝送されるACK/NACK応答は、n−k番目(ここで、k∈Kであり、
上記の表12を参照)のサブフレームでの上の3ケースの下りリンク伝送に対する確認応答という関係を有することができ、以下の説明でACK/NACK伝送サブフレーム位置についての説明は省略する。
端末から種々のフォーマットを用いてACK/NACK伝送をすると、基地局におけるACK/NACK解釈のためのブラインドデコーディングの複雑度が増加する。複雑なブラインドデコーディングの処理のような基地局での性能低下を改善し、リソースを效率的に活用するために、可能なかぎり上位層によって設定されたPUCCHフォーマットが用いられるようにするとよい。以下では、SPS PDSCH存在の有無によってTPCフィールドが異に用いられる方案について具体的に説明する。
一つのサービングセルが設定される場合には次のようにTPCフィールド(2−ビット)の用途が定められるとよい。SPS PDSCHが存在する場合には、PDCCH内のTPCフィールドがいずれもARIの用途に用いられ、端末は全てのPDCCHでARI値が同一であると仮定することができる。一方、SPS PDSCHが存在しない場合には、DL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、DL DAI>1のPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられ、端末は、DL DAI>1の全てのPDCCHでARI値が同一であると仮定することができる。
また、一つのサービングセルが設定される場合に、PUCCHフォーマットの使用は、下記のように定められるとよい。UEがSPS PDSCH「のみ」を受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースを用いることができる。または、UEがDL DAI=1の一つのPDCCH「のみ」を受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースを用いることができる。その他の場合には、上位層により設定されたPUCCHフォーマットとしてPUCCHフォーマット3を用いることができる。
DL DAIが単なるカウンター(PDCCH累積カウンター)として用いられる場合に、搬送波アグリゲーション(CA)の場合に対するTDD PUCCHフォーマット3のリソース割当は、単一搬送波(またはnon−CA)の場合に対するリソース割当と同様にして定めることができる。すなわち、PCellに対するリソース割当方案として、non−CAの場合でのリソース割当方案をそのまま用いることができる。また、CAの場合に、複数個のCellに対するPUCCHリソース割当は下記のように定めることができる。
1個超過のサービングセルが設定される場合に、TPCフィールドの用途は下記のように定めることができる。SPS PDSCHが存在する場合に、PCell及びSCell上の全てのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられ、端末は、PCell及びSCell上の全てのPDCCHでARI値が同一であると仮定することができる。一方、SPS PDSCHが存在しない場合に、PCell上でのみDL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、PCell及びSCell上の残りの全てのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられ、端末は、PCell及びSCell上の全てのPDCCHでARI値が同一であると仮定することができる。
また、1個超過のサービングセルが設定される場合に、PUCCHフォーマットの使用は下記のように定めることができる。UEがSPS PDSCH「のみ」を受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースを用いることができる。または、UEがPCell上でのみDL DAI=1の一つのPDCCH「のみ」を受信する場合には、LTEリリース−8 PUCCHフォーマット1a/1bリソースを用いることができる。その他の場合には、上位層により設定されたPUCCHフォーマットとしてPUCCHフォーマット3を用いることができる。
実施例14
本実施例14は、前述した実施例を総合的に考慮して、TDD HARQ ACK/NACK応答伝送のためのPUCCHリソース割当方案を説明するためのものである。
既存のLTEリリース−8/9システムでは、所定のビットサイズ(例えば、4ビット)を超えるACK/NACK伝送に対して、ACK/NACKバンドリング(空間バンドリング及び/または時間ドメインバンドリング)を適用することから、個別ACK/NACK情報の損失が発生した。そこで、LTEリリース−10(またはLTE−A)システムでは最大20ビットの個別ACK/NACK情報を伝送することを支援し得るようにPUCCHフォーマット3が設計された。搬送波アグリゲーション(CA)及び/またはTDDを支援するシステムでは20ビット超過のACK/NACKを伝送する場合も発生するため、可能なかぎりACK/NACK情報を損失無しで伝送しながら、リソースを效率的に使用する方案が要求される。
図45は、PDCCH内のTPCフィールドの使用に関する本発明の一例を示す図である。図45の例示で、ARIは、ACK/NACK伝送のためのPUCCHフォーマット3のリソースを指示(indicate)する情報であり、PCellでDAI=1のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられるが、その他のPCell及びSCellでのPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられている。端末は、PCell及びSCellでのARI値が同一であると仮定することができる。これにより、一つのARIのみを検出した場合にもPUCCHフォーマット3リソースを決定することができる。
このようにTPCフィールドをARIに再使用する場合に、PUCCH電力制御の精密度が低下することがある。しかし、ARI情報を用いてPUCCHフォーマット3リソースを明確に決定できるので、PUCCHフォーマット3を用いて損失無しにACK/NACK情報を伝送することが、PUCCH電力制御の精密度の低下と比較して、システム全体の観点では有利といえる。
図45の例示において、UEがARIの含まれている少なくとも一つのPDCCHの検出に成功した場合には、ARIにより指示されるPUCCHフォーマット3リソースを用いてACK/NACK応答を伝送することができる。しかし、UEがARIの含まれていないPDCCH(すなわち、PCellでDAI=1のPDCCH)「のみ」を検出すると、UEは、ARI情報を獲得できず、PUCCHフォーマット3リソースを決定することもてできない。この場合には、レガシー(legacy)フォーマット、すなわち、LTEリリース−8/9のPUCCHフォーマット1a/1bを用いて情報損失無しにACK/NACK応答を伝送するように動作できる。
これにより、一つ以上の下りリンクサブフレームで伝送される下りリンク伝送(PDCCH及び/またはPDSCH)に対するACK/NACK応答を損失無しに伝送し得るリソース割当方案を提供することができる。また、搬送波アグリゲーション(CA)の場合またはnon−CAの場合を問わず、同じ方式でPUCCHフォーマット及びPUCCHリソースが決定されるので、基地局側と端末側の動作を簡単且つ明確に特定することができる。
図46は、本発明で提案した種々の実施例を総合的に説明するフローチャートである。図46の例示では、上位層によってPUCCHフォーマット3が端末に設定されることを前提にして説明する。
段階S4610で、端末がPCellでのみDAI=1の一つのPDSCH(すなわち、DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH)を受信したか否か判定する。
段階S4610の結果がYESであると、段階S4620に移行する。PCellでDAI=1のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令に用いられるので、端末がDAI=1のPDCCHのみを受信した場合にはARI情報を獲得できない。したがって、端末は、PUCCHフォーマット3を使用しない。端末は、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送することができる。PUCCHフォーマット1a/1bリソースは、暗黙的マッピング(すなわち、PDCCH CCEインデックスから誘導されるPUCCHリソースインデックス)によって決定されうる。
一方、段階S4610の結果がNOであると、段階S4630に移行する。段階S4630で端末は、PCellでのみPDCCHのないPDSCH(すなわち、SPS PDSCH)一つを受信したか否か判定する。
段階S4630の結果がYESであると、段階S4640に移行する。端末は、PDCCHを受信できず、ARIも獲得できなかったので、PUCCHフォーマット3を使用しない。端末はPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送できる。ここで、端末は、PDCCHを受信しなかったため、PDCCH CCEインデックスから誘導されるPUCCHリソースインデックスを導出することができない。したがって、端末は、SPS活性化PDCCHに含まれた情報(例えば、SPS活性化PDCCH内のTPCフィールドを再使用して指示される情報)によってPUCCHリソースインデックスを決定できる。
一方、段階S4630の結果がNOであると、段階S4650に移行する。段階S4650で端末は、PCellでのみ「DAI=1のPDSCH」及び追加として「PDCCHのないPDSCH」を受信したか否か判定する。
段階S4650の結果がYESであると、段階S4660に移行する。この場合にも、端末はARI情報を獲得できないため、PUCCHフォーマット3を使用せずに、PUCCHフォーマット1a/1bを使用する。ここで、端末は、ACK/NACK情報損失を防止するために、チャネル選択方式でACK/NACK情報を伝送することができる。チャネル選択は、A(=2または3)個のPUCCHリソースからPUCCHリソースを選択する方式で行われるとよい。A値は、PDSCHのコードワード(または伝送ブロック)の個数によって決定することができる。
一方、段階S4650の結果がNOであると、段階S4670に移行する。段階S4670で端末は、PCellでDAI=1以外の(すなわち、DAI>1の)PDCCHのARI(すなわち、TPCフィールド)値とSCellの全てのPDCCHのARI(すなわち、TPCフィールド)値がいずれも同一であるか否か判定する。
段階S4670の結果がYESであると、段階S4680に移行する。この場合、端末は、ARIにより指示されるPUCCHフォーマット3リソースを用いてACK/NACK情報を伝送することができる。端末は、ARI値がいずれのPDCCHでも同一であると仮定し、少なくとも一つのPDCCHでARI値を用いて段階S4680を行うこともできる。
一方、段階S4670の結果がNOであると(すなわち、PCell及びSCellのARI値が同一でないと)、端末は、受信されたPDCCHを廃棄(discard)する。
要するに、端末がACK/NACKを伝送すべき「PDSCH with PDCCH」、「PDSCH without PDCCH(SPS−PDSCH)」及び「SPS release PDCCH」に対して、次のような端末の動作を定義できる。ただし、本発明の範囲がこれに制限されるわけではなく、前述した本発明の種々の実施例の可能な組み合わせによりTDD HARQ ACK/NACKリソース割当及び伝送動作が行われてもよい。
まず、搬送波アグリゲーションが適用されないシステム(すなわち、non−CA)での動作は、CA環境での「PCell−only−receiving」と同一に行うことができる。すなわち、端末に一つのサービングセルが設定される場合におけるTDD HARQ ACK/NACKリソース割当及び伝送動作は、端末に1超過のサービングセルが設定されるとき、PCellでのみPDSCH及び/またはPDCCHを受信する場合におけるTDD HARQ ACK/NACKリソース割当及び伝送動作と同一に行うことができる。したがって、以下、PCellでの動作に関する説明は、端末に一つのサービングセルのみ設定され、当該サービングセルでの動作に代えてもよい。
PCellのPDSCHに対応するPDCCH内のDAI=1であると、TPCフィールドは元来の電力制御用途に用いられる。PCellのPDSCHに対応するPDCCH内のDAI>1であると、TPCフィールドはARIの用途に用いられる。SCellの全てのPDSCHに対応するPDCCH内のTPCフィールドはARIの用途に用いられる。端末は全てのARIが同一であると仮定する。
PCellでのみ一つのSPS−PDSCHのみを受信すると、PUCCHフォーマット1a/1bにフォールバックする。
PCellでのみ一つのDAI=1のPDSCH(PDSCHに対応するPDCCH内のDAI=1)のみを受信すると、PUCCHフォーマット1a/1bにフォールバックする。
PCellでのみ一つのDAI=1のPDSCHと一つのSPS−PDSCHのみを受信すると、PUCCHフォーマット1bを使用するチャネル選択方式でACK/NACK伝送が行われる。ここで、チャネル選択に用いられるPUCCHリソースの個数(A)は、2または3である。
PCellでのみDAI>1のPDSCH(PDSCHに対応するPDCCHのDAI>1)を一つ以上受信すると、ARIにより指示されるPUCCHフォーマット3リソースを用いてACK/NACK伝送が行われる。
SCellでPDSCHを一つ以上受信すると、ARIにより指示されるPUCCHフォーマット3リソースを用いてACK/NACK伝送が行われる。
これにより、PCellでのみ、またはPCell及びSCellで、「PDSCH with PDCCH」、「PDSCH without PDCCH(SPS−PDSCH)」及び「SPS release PDCCH」のうち一つ以上を受信するいすれの場合においても、ACK/NACK情報の損失無しにACK/NACK情報を正確且つ效率的に伝送することができる。
実施例15
本実施例15は、PUCCHフォーマット3に関するリソース割当方案に関する。一つのサービングセルが設定される場合についてまず説明した後、1個超過のサービングセルが設定される場合について説明するものとする。
一つのサービングセルが設定される場合には、PUCCHフォーマット3を用いたり、M=2のチャネル選択を用いたり、またはPUCCHフォーマット1a/1bを用いたりすることができる。
PUCCHフォーマット3を用いる場合に、バンドリングウィンドウ内でSPS PDSCHが存在すると、端末は、DL DAI=1のPDCCHのTPCフィールドもARIの用途に用いられると仮定することができる。これにより、端末は、PUCCHフォーマット3リソースを決定し、ACK/NACKをPUCCHフォーマット3を用いて伝送することができる。
M=2のチャネル選択を用いる場合には次のように動作することができる。
端末がSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDCCHのみを受信し、DL DAI>1のPDCCHは受信しなかった場合には、端末は、SPS PDSCH、及びDL DAI=1のPDCCHにより指示されるPDSCHに対するACK/NACKの空間バンドリングを適用しながらM=2のチャネル選択を用いてACK/NACKを伝送することができる。端末が2ビットのACK/NACKを伝送するためにLTEリリース−8の暗黙的リソース割当(例えば、表5)規則に従うこともでき、またはLTEリリース−10のマッピング関係(例えば、表8)に従うこともできる。
端末がLTEリリース−8のマッピング関係に従うチャネル選択方式でACK/NACKを伝送するとすると、SPS PDSCH及びDAI=1のPDCCHが存在する場合とSPS PDSCHのみが存在する場合とが区別されない不明瞭性が発生したり、または、SPS PDSCH及びDAI=1のPDCCHが存在する場合とDAI=1のPDCCHのみが存在する場合とが区別されない不明瞭性が発生することがある。
これを解決するために、チャネル選択に対するリソース割当を適用するにあたり、
は、SPS PDSCHを活性化するPDCCHのTPCフィールドによって決定され、
は、PDSCHに対応するPDCCHのCCEインデックスから決定されるようにすることができる。また、HARQ−ACK(0)は、SPS PDSCH伝送に対するACK/NACK/DTX応答にマッピングされ、HARQ−ACK(1)は、対応PDCCHのあるPDSCH伝送に対するACK/NACK/DTX応答にマッピングされうる。これにより、端末が、DAI=1のPDCCHを逃す場合のSPS PDSCHに対するACK/NACK応答と、DAI=1のPDCCHを受信した場合のSPS PDSCH及びDAI=1のPDCCHに対応するPDSCHに対するACK/NACK応答における、SPS PDSCHに対するACK/NACK応答部分(選択されるチャネルとチャネル内で伝送されるビットあるいはコンステレーション)が互いに一致して伝送されることが可能になる。すなわち、基地局は、端末がDAI=1のPDCCHを検出したか否かにかかわらず、固定した応答部分(選択されるチャネルとチャネル内で伝送されるビットあるいはコンステレーション)の検出により、SPS PDSCHに対するACK/NACK応答を正確に受信することとなる。
次に、端末がSPS PDSCH及びDL DAI=1のPDCCHのみを受信し、DL DAI>1のPDCCHを受信しなかった場合に、端末はPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送することもできる。
この場合、1番目のPUCCHリソースインデックス
は、PDSCHに対応するPDCCHのCCEインデックスから誘導されてもよく、またはSPS活性化PDCCHのTPCフィールドによって指示されるSPS PUCCHリソースが用いられるように設定されてもよい。空間直交リソース伝送ダイバーシティ(Spatial Orthogonal Resource Transmit Diversity;SORTD)が用いられる場合に、2番目のPUCCHリソースインデックス
は、PDSCHに対応するPDCCHのCCEインデックスにオフセットを適用して「CCEインデックス+1」から誘導されてもよく、またはSPS PUCCHリソースの2番目のPUCCHリソースが用いられるように設定されてもよい。
一方、1個超過のサービングセルが設定される場合には、下記2つの方案を適用することができる。
第一の方案として、搬送波アグリゲーション(CA)に対してFDD PUCCHフォーマット3のリソース割当を再使用することができる。すなわち、PCell上のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、SCell上のPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられる。端末がPCellでのみSPS PDSCHまたはPDCCHを受信する場合に、LTEリリース−8で定義されるACK/NACKバンドリングを用いることができる。
第二の方案として、non−CAに対してTDD PUCCHフォーマット3のリソース割当を再使用することができる。すなわち、SPS PDSCHがない場合に、PCell上でのみDAI=1のPDCCHのTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、これ以外のPCell及びSCellのPDCCHのTPCフィールドはいずれもARIの用途に用いられる。一方、SPS PDSCHが存在する場合に、PCell及びSCellの全てのTPCフィールドがARIの用途に用いられてもよい。端末は、いずれのARIも同じ値であると仮定することができる。端末がPCellでのみSPS PDSCHまたはDAI=1のPDCCHを受信する場合に、LTEリリース−8で定義されるPUCCHフォーマット1a/1bを用いることができる。端末がPCellでのみSPS PDSCHとDAI=1のPDCCHのみを受信する場合に、LTEリリース−8で定義されるPUCCHフォーマット1a/1bを一つ以上使用するチャネル選択方法を用いることができる。
2種類以上の上りリンク制御情報伝送方案
前述した本発明の実施例1乃至実施例15では、端末にPUCCHフォーマット3が設定された状態で、CA、non−CA、PCell−only−receivingなどの場合に、「PDSCH with corresponding PDCCH」、「PDSCH without corresponding PDCCH(SPS PDSCH)」、「DL SPS release PDCCH」に対するACK/NACK伝送に関する本発明の様々な例示について説明した。
端末が伝送する上りリンク制御情報(UCI)には、ACK/NACK、スケジューリング要請(SR)、チャネル状態情報(CSI)などがある。CSIには、RI、PMI(第1のPMI、第2のPMI)、CQIなどの情報が含まれうる。場合によって、ACK/NACK情報は他のUCI(SRまたはCSI)と共に、すなわち、同じサブフレーム上で伝送される必要がある。ここで、ACK/NACK、SR、CSIの伝送はPUCCHを通じて伝送される場合について説明する。すなわち、PUSCH上にACK/NACK、SR、CSIがピギーバック(piggyback)して伝送される場合は、本発明の範囲に属しない。
以下では、端末にPUCCHフォーマット3が設定された状態で、ACK/NACKと共にSRが伝送されたり、ACK/NACKと共にCSIが伝送される場合に関する本発明の例示について説明する。言い換えると、以下に説明する本発明では、ACK/NACK及びSRの同時伝送、またはACK/NACK及びCSI(すなわち、周期的CSI)の同時伝送が、適切なPUCCHフォーマットにより行われる方案について説明する。
実施例16
本実施例16では、2つのACK/NACK応答が伝送されるべき状況で当該ACK/NACK応答と同時にSR伝送が必要な場合に対する伝送方案に関する。
ここで、2つのACK/NACK応答は、一つのSPS PDSCHに対する応答と一つの「PDSCH with a corresponding PDCCH」に対する応答でよい。または、2つのACK/NACK応答は、一つのSPS PDSCHに対する応答と一つの「DL SPS release PDCCH」に対する応答であってもよい。ここで、例えば、「PDSCH with a corresponding PDCCH」でPDCCHのDL DAI=1でよく、または、「DL SPS release PDCCH」のPDCCHのDL DAI=1でよい。また、本発明で、一つのACK/NACK応答は、一つのACK/NACK応答グループに対応してもよい。すなわち、2つのACK/NACK応答は2つのACK/NACK応答グループを意味することができる。
本発明では、このように2つのACK/NACK応答とSRとの同時伝送が必要な場合に、SRリソースを用いて、PUCCHフォーマット1bにより一つの(または一つのグループの)ACK/NACK応答及びバンドリングされた他のACK/NACK(または他のグループの)ACK/NACK応答を伝送することを提案する。
2つのACK/NACK応答のうち、2 CW(codeword)のDL伝送に対するACK/NACK応答に対しては空間バンドリングをまず行うことができる。例えば、2つのACK/NACK応答のうち、いずれか一方は1 CWに対するものであり、他方は、2 CWに対するものであると、2 CWに対してのみ空間バンドリングを行えばよい。また、LTEリリース−8/9では、SPS PDSCHで1 CWのみが存在するので、SPS PDSCHでは常に空間バンドリングが行われずに済み、「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」が2 CWで構成される場合にのみ空間バンドリングが行われればよい。これにより、ACK/NACKペイロードは、空間バンドリングが行われる前の2、3または4ビットから2ビットへと減る。このように、必要な場合に空間バンドリングが行われ、2ビットサイズのACK/NACK応答をPUCCHフォーマット1b(または1a)を用いて伝送することができる。
ここで、PUCCHフォーマット1b(/1a)のための1番目のPUCCHリソースには、SR伝送のために割り当てられたPUCCHフォーマット1のリソースが用いられてよい。また、必要な場合(SORTDが用いられる場合など)に、PUCCHフォーマット1b(/1a)のための2番目のPUCCHリソースには、SR伝送のために割り当てられたPUCCHフォーマット1の2番目のリソースが用いられてよい。このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、2つのACK/NACK応答のそれぞれがPUCCHフォーマット1aにフォールバックされ、位相回転(phase rotation)によってマルチプレクシングされること、すなわち、2つのACK/NACK応答のうち、いずれか一方はIチャネルにマッピングされ、他方はQチャネルにマッピングされることと表現することができる。または、このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、2つのACK/NACK応答がPUCCHフォーマット1bにフォールバックされることと表現することもできる。
言い換えると、SRリソースを用いてACK/NACK情報を伝送することによってスケジューリング要請を行い、SRリソース内のコンステレーション(constellation)マッピングを用いて「SPS PDSCH」に対するACK/NACK及び「PDCCHに対応するPDSCH」または「DL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKを伝送することができる。
例えば、LTEリリース−8で定義されるPUCCHフォーマット1bで用いられる2ビットのACK/NACKのうち、MSBは「SPS PDSCH」に対するACK/NACKにマッピングさせ、LSBは「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKにマッピングさせることができる。または、それぞれのACK/NACKを上の例示と逆にしてMSB及びLSBにマッピングさせてもよい。このようにマッピングした2ビットのACK/NACK情報をSRリソースを用いて伝送することができる。
他の例示として、QPSKコンステレーションにおいて、I軸には「SPS PDSCH」に対するACK/NACKがマッピングされ、Q軸には「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKがマッピングされてもよい。または、それぞれのACK/NACKを上の例示と逆にしてI軸及びQ軸にマッピングさせてもよい。または、受信時間順序によって「SPS PDSCH」、及び「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCHまたはDAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKのうち、先に受信されたものに対するACK/NACKがI軸にマッピングされ、後で受信されたものに対するACK/NACKがQ軸にマッピングされてもよい。または、それぞれのACK/NACKを上の例示と逆にしてI軸及びQ軸にマッピングさせてもよい。このようにマッピングした2ビットのACK/NACK情報をSRリソースを用いて伝送することができる。
さらに他の例示として、QPSKコンステレーションにおいて「1,1」及び「0,0」は「SPS PDSCH」に対するACK/NACKにマッピングされ、「0,1」及び「1,0」は「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKにマッピングされてもよい。または、それぞれのACK/NACKを上の例示と逆にしてQPSKコンステレーションにマッピングさせてもよい。このようにマッピングした2ビットのACK/NACK情報をSRリソースを用いて伝送することができる。
これらの例示のようにそれぞれの下方リンク伝送に対するACK/NACKをQPSKコンステレーションにマッピングさせることは、各セルの伝送モード(Transport Mode;TM)がMIMOであるか否かにかかわらずに、且つ空間バンドリングが実際に適用されるか否かにかかわらずに同じ方式で適用してもよい。
また、これら前述の例示によれば、SRリソースを通じて伝送されるACK/NACK情報のバンドリングを最小化し、且つSPS PDSCHに対するACK/NACK応答をよりロバスト(robust)に伝送することができる。
前述の例示では説明の便宜のために2個のACK/NACK応答が伝送される場合を仮定したが、2個よりも多いACK/NACK応答の伝送にも、2個のACK/NACK応答伝送方式を拡張して適用することができる。すなわち、2個よりも多いACK/NACK応答を仮想の2個のACK/NACK応答グループに指定し、前述の例示と同様にQPSKコンステレーションマッピングを用いて伝送することができる。例えば、「SPS PDSCH」に対するACK/NACK情報はI軸にマッピングさせ、残りのACK/NACK情報(すなわち、「PDCCHに対応するPDSCH」及び/または「DL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACK情報)を空間バンドリング及び時間−ドメインバンドリングを用いて1ビットのACK/NACK情報とし、それをQ軸にマッピングさせることができる。このようにマッピングされた2ビットのACK/NACK情報はSRリソースを用いて伝送することができる。このような例示によれば、SPS PDSCHに対するACK/NACK情報が他の下りリンク伝送に対するACK/NACK情報と区別可能になり、SPS PDSCHに対するACK/NACKの検出性能を高めることができる。
実施例16−1
TDDにおいて端末が一つの「SPS PDSCH」及びDAI=1の一つの「PDCCHに対応するPDSCHまたはDL SPS解除PDCCH」を受信したとき、これに対するACK/NACKと共にSRを同時に伝送しなければならない場合において、SRリソースを通じてPUCCHフォーマット1bを用いてACK/NACKカウンターを伝送することもできる。
ACK/NACKカウンターを伝送するということは、個別のACK/NACK応答(またはバンドリングの行われたACK/NACK情報)を伝送するのではなく、全体ACK/NACK応答のうち、ACKの発生した個数のみをフィードバックすることである。このようなACKの個数(ACKカウンター情報)はQPSKコンステレーションにマッピングして伝送されてよい。
例えば、QPSKコンステレーションにおいて、「00」はACKがないことを、「01」は1個のACKがあることを、「10」は2個のACKがあることを、「11」は3個のACKがあること、を表すことができる。こうすると、ACK/NACK伝送ペイロードは、既存の2〜4ビットから2ビットへと減ることとなる。2ビットACK/NACK情報はPUCCHフォーマット1b(/1a)を用いて伝送することができる。
ここで、PUCCHフォーマット1b(/1a)のための1番目のPUCCHリソースには、SR伝送のために割り当てられたPUCCHフォーマット1のリソースが用いられてよい。また、必要な場合(SORTDが用いられる場合など)に、PUCCHフォーマット1b(/1a)のための2番目のPUCCHリソースには、SR伝送のために割り当てられたPUCCHフォーマット1の2番目のリソースが用いられてよい。このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、ACK/NACKカウンター情報を表すそれぞれのビットがPUCCHフォーマット1aにフォールバックされ、位相回転(phase rotation)によってマルチプレクシングされること、すなわち、ACK/NACKカウンター情報を表すビットのうち、いずれか一方はIチャネルにマッピングされ、いずれか他方はQチャネルにマッピングされることと表現することができる。または、このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、ACK/NACKカウンター情報を表す2ビットがPUCCHフォーマット1bにフォールバックされることと表現することもできる。すなわち、SRリソースを用いてACK/NACK情報を伝送することによってスケジューリング要請を行い、SRリソース内のコンステレーション(constellation)マッピングを用いてACK/NACKカウンター情報を伝送することができる。
前述の例示では説明の便宜上2個のACK/NACK応答が伝送されることを説明したが、2個よりも多いACK/NACK応答の伝送にも、前述した本発明の原理を拡張して適用することができる。例えば、2個よりも多いACK/NACK応答のために、ACK/NACKカウンター情報が2ビットに重複マッピングされてもよい。例えば、QPSKコンステレーションにおいて、「00」はACKがないことを、「01」は1または4個のACKがあることを、「10」は2または5個のACKがあることを、「11」は3または6個のACKがあること、を表すこともできる。
実施例17
既存のLTEリリース−8システムにおいてCSI(CQI/PMI/RI)の伝送のためにPUCCHフォーマット2/2a/2bを定義している。CSIと共にACK/NACKを同時に伝送するためにPUCCHフォーマット2a/2bを用いることができる。具体的に、PUCCHフォーマット2a/2bのRSシンボルに変調を適用してACK/NACK情報を伝送することができる。
例えば、下記の表19に示すように、1ビット(b(20))または2ビット(b(20),b(21))のACK/NACK情報に変調を行って一つの変調シンボル(d(10))を生成することができる。
生成された変調シンボル(d(10))は、PUCCHのRSシーケンス生成時に掛けることによってPUCCHフォーマット2a/2bを用いて伝送することができる。PUCCHフォーマット2a/2bについてのより具体的な事項は、3GPP TS 36.211の5.4.2節などを参照すればいい。
本実施例17では、2つのACK/NACK応答が伝送されるべき状況で、ACK/NACKとCSIとを同時に(すなわち、同一のサブフレーム内で)伝送する方案について具体的に説明する。ここで、ACK/NACKとCSIとの同時伝送が上位層により設定(ACK/NACK及びCSI同時伝送パラメータ=TRUE)されたと仮定する。ACK/NACK及びCSI同時伝送パラメータがTRUEに設定されるという意味は、ACK/NACK及びCSI伝送が衝突(collision)する場合に、CSIを落とす(drop)ことなく、ACK/NACKとCSIとを同時に伝送するという意味である。
ここで、2つのACK/NACK応答は、一つの「SPS PDSCH」に対する応答と一つの「PDSCH with a corresponding PDCCH」に対する応答でよい。または、2つのACK/NACK応答は、一つの「SPS PDSCH」に対する応答と一つの「DL SPS release PDCCH」に対する応答であってもよい。ここで、例えば、「PDSCH with a corresponding PDCCH」でPDCCHのDL DAI=1でよく、または「DL SPS release PDCCH」のPDCCHのDL DAI=1でよい。また、本発明で一つのACK/NACK応答は一つのACK/NACK応答グループに対応してもよい。すなわち、2つのACK/NACK応答は2つのACK/NACK応答グループを意味することができる。
本発明では、このように2つのACK/NACK応答とCSIとの同時伝送が必要な場合に、PUCCHフォーマット2b(/2a)により上記の表19のようなRS変調シンボルを用いて一つの(または一つのグループの)ACK/NACK応答及びバンドリングされた他のACK/NACK(または他のグループの)ACK/NACK応答を伝送することを提案する。
2つのACK/NACK応答のうち、2 CW(codeword)のDL伝送に対するACK/NACK応答に対しては空間バンドリングをまず行うことができる。例えば、2つのACK/NACK応答のうち、いずれか一方は1 CWに対するものであり、他方は2 CWに対するものであると、2 CWに対してのみ空間バンドリングを行えばよい。また、LTEリリース−8/9では、SPS PDSCHで1 CWのみが存在するので、SPS PDSCHでは常に空間バンドリングが行われずに済み、「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」が2 CWで構成される場合にのみ空間バンドリングが行われればよい。これにより、ACK/NACKペイロードは空間バンドリングが行われる前の2、3または4ビットから2ビットへと減る。このように、必要な場合に空間バンドリングが行われ、2ビットサイズのACK/NACK応答をPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。
このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、2つのACK/NACK応答のそれぞれがPUCCHフォーマット2aを用いて位相回転(phase rotation)によりマルチプレクシングされること、すなわち、2つのACK/NACK応答のうち、一方はIチャネルにマッピングされ、他方はQチャネルにマッピングされることと表現することができる。または、このようなPUCCHフォーマット及びリソースの割当は、2つのACK/NACK応答がPUCCHフォーマット2bで多重化されることと表現することもできる。
言い換えると、PUCCHフォーマット2b(/2a)内のRS変調シンボルへのコンステレーションマッピングを用いて「SPS PDSCH」に対するACK/NACK及び「PDCCHに対応するPDSCH」または「DL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKを伝送することができる。
例えば、上記の表19のRS変調シンボル(d(10))における2ビットのうち、MSBは「SPS PDSCH」に対するACK/NACKにマッピングさせ、LSBは「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKにマッピングさせることができる。または、それぞれのACK/NACKを上の例示と逆にしてMSB及びLSBにマッピングさせてもよい。このように2ビットのACK/NACK情報をRS変調シンボルにマッピングさせてPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。
他の例示として、上記の表19のRS変調シンボル(d(10))におけるQPSKコンステレーションにおいて、I軸には「SPS PDSCH」に対するACK/NACKをマッピングさせ、Q軸には、「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKをマッピングさせることができる。または、それぞれのACK/NACKを上の例示とは逆にしてI軸及びQ軸にマッピングさせてもよい。または、受信時間順序によって、「SPS PDSCH」と「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCHまたはDAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKのうち、先に受信されたものに対するACK/NACKをI軸にマッピングさせ、後で受信されたものに対するACK/NACKをQ軸にマッピングさせてもよい。または、それぞれのACK/NACKを上の例示とは逆にしてI軸及びQ軸にマッピングさせてもよい。このように2ビットのACK/NACK情報をRS変調シンボルにマッピングさせてPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。
さらに他の例示として、上記の表19のRS変調シンボル(d(10))におけるQPSKコンステレーションにおいて、「1,1」及び「0,0」は「SPS PDSCH」に対するACK/NACKにマッピングさせ、「0,1」及び「1,0」は「DAI=1のPDCCHに対応するPDSCH」または「DAI=1のDL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACKにマッピングさせることができる。または、それぞれのACK/NACKを上の例示とは逆にしてQPSKコンステレーションにマッピングさせてもよい。このように2ビットのACK/NACK情報をRS変調シンボルにマッピングさせてPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。
これらの例示のようにそれぞれの下りリンク伝送に対するACK/NACKをQPSKコンステレーションにマッピングさせることは、各セルの伝送モード(Transport Mode;TM)がMIMOであるか否かにかかわらずに、且つ空間バンドリングが実際に適用されるか否かにかかわらずに同じ方式で適用されてもよい。
また、これら前述の例示によれば、CSIチャネルで伝送されるACK/NACK情報のバンドリングを最小化し、且つSPS PDSCHに対するACK/NACK応答をよりロバスト(robust)に伝送することができる。
前述の例示では説明の便宜のために、2個のACK/NACK応答が伝送される場合を仮定したが、2個よりも多いACK/NACK応答の伝送にも、2個のACK/NACK応答伝送方式を拡張して適用することができる。すなわち、2個よりも多いACK/NACK応答を仮想の2個のACK/NACK応答グループに指定し、前述の例示のようにしてQPSKコンステレーションマッピングを用いて伝送すればよい。例えば、「SPS PDSCH」に対するACK/NACK情報はI軸にマッピングさせ、残りのACK/NACK情報(すなわち、「PDCCHに対応するPDSCH」及び/または「DL SPS解除PDCCH」に対するACK/NACK情報)を空間バンドリング及び時間−ドメインバンドリングにより1ビットのACK/NACK情報とし、それをQ軸にマッピングさせることができる。このように2ビットのACK/NACK情報をRS変調シンボルにマッピングさせてPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。このような例示によれば、SPS PDSCHに対するACK/NACK情報が他の下りリンク伝送に対するACK/NACK情報と区別可能になるため、SPS PDSCHに対するACK/NACKの検出性能を高めることができる。
実施例17−1
TDDにおいて端末が一つの「SPS PDSCH」及びDAI=1の一つの「PDCCHに対応するPDSCHまたはDL SPS解除PDCCH」を受信したとき、これに対するACK/NACKと共にCSIを同時に伝送することが必要な場合がある。この場合、ACK/NACKとCSIとの同時伝送が上位層によって設定(ACK/NACK及びCSI同時伝送パラメータ=TRUE)された場合に、ACK/NACKとCSIが同時に(すなわち、同一サブフレーム内で)伝送される手法として、PUCCHフォーマット2b(/2a)を用いてACK/NACKカウンターを伝送することもできる。
ACK/NACKカウンターを伝送するということは、個別のACK/NACK応答(またはバンドリングの行われたACK/NACK情報)を伝送するのではなく、全体ACK/NACK応答のうち、ACKの発生した個数のみをフィードバックすることである。このようなACKの個数(ACKカウンター情報)は、上記の表19のようなRS変調シンボル(d(10))のQPSKコンステレーションにマッピングして伝送されてよい。
例えば、QPSKコンステレーションにおいて「00」はACKがないことを、「01」は1個のACKがあることを、「10」は2個のACKがあることを、「11」は3個のACKがあること、を表すことができる。こうすると、ACK/NACK伝送ペイロードは既存の2〜4(または2〜3)ビットから2ビットへと減ることとなる。2ビットACK/NACK情報はPUCCHフォーマット2b(/2a)を用いて伝送することができる。
前述した例示では説明の便宜上、2個のACK/NACK応答が伝送されることを説明したが、2個よりも多いACK/NACK応答の伝送にも前述の本発明の原理を拡張して適用することができる。例えば、2個よりも多いACK/NACK応答のために、ACK/NACKカウンター情報が2ビットに重複マッピングされてもよい。例えば、QPSKコンステレーションにおいて、「00」はACKがないことを、「01」は1または4個のACKがあることを、「10」は2または5個のACKがあることを、「11」は3または6個のACKがあること、を表すことができる。
実施例18
本実施例18では、FDD システムにおいて下りリンク伝送に対するACK/NACKと共に他のUCI(SRまたはCSI)を伝送する方案について説明する。
まず、搬送波アグリゲーション(CA)が設定されたFDD システムでのACK/NACKフィードバックのために基本的にPUCCHフォーマット3を用いることが設定された場合を仮定する。ここで、PCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCHあるいはDL SPS解除のためのPDCCH内のTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、SCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCH内のTPCフィールドはARIの用途に用いられると仮定する。
SCell上で少なくとも一つのPDSCHが存在する場合には、ACK/NACKフィードバックのためにPUCCHフォーマット3を用いることができる。
SCell上でのPDSCH伝送がない場合には、PUCCHフォーマット1a/1bのリソース及びACK/NACKマッピング規則を用いることができる。具体的に、SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCellでPDCCHもなくPDSCHもないと、何らの下りリンク伝送もない場合(すなわち、DTX)であるから、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。一方、SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCell上にPDSCH(SPS PDSCH、またはPDCCHに対応するPDSCH)が存在したり、PCell上でDL SPS解除を指示するPDCCHが存在すると、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送すればいい。
このようにACK/NACK伝送動作を仮定した場合において、上位層によってSR伝送の設定されたサブフレームにおいてACK/NACKが伝送されるべき場合には下記のように動作することができる。
PCell及びSCell上でPDSCHに対応するPDCCHが一つでも存在する場合には、SRとACK/NACK情報とのジョイントコーディング(joint coding)または多重化が行われ、PUCCHフォーマット3を用いた伝送が可能である。
SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCellでPDCCHもなくPDSCHもないと、何らの下りリンク伝送もない場合(すなわち、DTX)であるから、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。この場合には、肯定/否定(positive/negative)SR伝送がOOK(On Off Keying)方式で行われる。すなわち、SRリソース上で伝送が行われる場合は肯定SRに相当し、SRリソース上で伝送がない場合は否定SRに相当する。
SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCell上にPDSCH(SPS PDSCH、またはPDCCHに対応するPDSCH)が存在したり、PCell上でDL SPS解除を指示するPDCCHが存在する場合には、SRリソース上でPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACK情報を伝送することにより、SR+ACK/NACK情報を伝送することができる。具体的に、肯定(positive)SRの場合にはSR PUCCHリソース上でACK/NACK情報が伝送され、否定(negative)SRの場合にはACK/NACK PUCCHリソース上でACK/NACK情報が伝送されうる。
次に、ACK/NACKとCSIとの同時伝送について説明する。本実施例では、ACK/NACKとCSIとの同時伝送が上位層によって設定された場合を仮定する。
SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCellでPDCCHもなくPDSCHもないと、何らの下りリンク伝送もない場合(すなわち、DTX)であるから、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。この場合には、PUCCHフォーマット2系列を用いてACK/NACK伝送無しで周期的CSIを伝送することができる。
SCell上でPDSCHに対応するPDCCHが存在しない場合において、PCell上にPDSCH(SPS PDSCH、またはPDCCHに対応するPDSCH)が存在したり、PCell上でDL SPS解除を指示するPDCCHが存在する場合には、PUCCHフォーマット2系列を用いてACK/NACK情報とCSIとを多重化して伝送することができる。具体的に、PUCCHフォーマット2/2a/2bのRS変調シンボルを用いてACK/NACK情報を伝送することができる。また、正常(normal)CPの場合にはPUCCHフォーマット2a/2bを用いてCSI+ACK/NACK情報を伝送でき、拡張(extended)CPの場合にはPUCCHフォーマット2を用いてジョイントコーディングされたCSI+ACK/NACKを伝送することができる。
実施例19
本実施例19は、搬送波アグリゲーション(CA)が設定された場合にTDDシステムにおいて下りリンク伝送に対するACK/NACKと共に他のUCI(SRまたはCSI)を伝送する方案に関する。具体的に、本実施例は、PDCCHのDAIフィールドをARIとして用いる場合に関するものである。
まず、搬送波アグリゲーション(CA)が設定されたTDDシステムでのACK/NACKフィードバックのために基本的にPUCCHフォーマット3を用いると設定された場合を仮定する。ここで、PCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCH内のTPCフィールドは元来のTPC命令の用途に用いられ、PCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCH内のDAIフィールドはARIの用途に用いられると仮定する。また、SCellで伝送されるPDSCHのためのPDCCH内のTPCフィールド(またはDAIフィールド)はARIの用途に用いられると仮定する。
具体的に、PCell上でPDSCHをスケジューリングするPDCCHまたはSPS解除を指示するPDCCHにおいて、PDCCH内のTPCフィールドはTPC命令の用途に用いられ、DAIフィールドはPUCCHフォーマット3のためのARIの用途に用いられてよい。SCell上でPDSCHをスケジューリングするPDCCHのTPCフィールドはPUCCHフォーマット3のためのARIの用途に用いられてよい。ここで、PCell及びSCell上のPDCCHのARI値はいずれも同一であると仮定する。
SCell上で少なくとも一つのPDSCHが存在する場合、またはPCell上で少なくとも一つのPDSCHが存在する場合に、ACK/NACKフィードバックのためにPUCCHフォーマット3を用いることができる。
PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがない場合に、LTEリリース−8のPUCCHフォーマット1a/1bのリソース及びACK/NACKマッピング規則を用いることができる。具体的に、PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがない場合に、SPS PDSCHも存在しないとDTXに相当し、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。
または、PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがない場合に、PCell上でSPS PDSCHの伝送があると、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACK伝送を行えばよい。
ACK/NACK及びSRの伝送を下記のように設定することができる。
PCell及びSCell上でPDSCHに対応するPDCCHが少なくとも一つ存在する場合には、SR及びACK/NACK情報のジョイントコーディング(joint coding)または多重化が行われ、PUCCHフォーマット3を用いた伝送が可能である。
PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがなく、SPS PDSCHも存在しないと、DTXに相当し、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。この場合、SRリソースを用いてOOK方式でSR伝送を行えばよい。
PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがなく、PCell上でSPS PDSCHの伝送がある場合に、SRリソース上でPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACK情報を伝送することによってSR+ACK/NACK伝送を行うことができる。
ACK/NACK及びCSIの伝送を下記のように設定することができる。
PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがなく、SPS PDSCHも存在しないと、DTXに相当し、PUCCHフォーマット1a/1bの伝送がない。この場合には、PUCCHフォーマット2系列を用いて周期的CSIを伝送することができる。
PCell及びSCell上でPDCCHに対応するPDSCHがなく、PCell上でSPS PDSCHの伝送がある場合に、PUCCHフォーマット2系列を用いてACK/NACK情報とCSIとを多重化して伝送することができる。具体的に、正常(normal)CPの場合にはPUCCHフォーマット2a/2bを用いてCSI+ACK/NACK情報を伝送し、拡張(extended)CPの場合にはPUCCHフォーマット2を用いてジョイントコーディングされたCSI+ACK/NACKを伝送することができる。
実施例20
本実施例20は、搬送波アグリゲーション(CA)が設定された場合にTDDシステムにおいて下りリンク伝送に対するACK/NACKと共に他のUCI(SRまたはCSI)を伝送する方案に関する。具体的に、本実施例は、PDCCHのTPCフィールドをARIに用いる場合に関するものである。
まず、本実施例においてPDCCHのDAIフィールド及びTPCフィールドは下記のように定義されるとする。
PCellにおけるDAIフィールドはPCellにおけるPDCCHのカウンターとして用いられる。SCellにおけるDAIフィールドは、次のいずれかの方式に用いられるとする。その一つは、SCellのDAIフィールドが当該SCellにおけるPDCCHカウンターとして用いられる方式であり、もう一つは、SCellのDAIフィールドが「00」に設定され、共通探索空間内でもDCIがスケジューリングされるようにする方式である。ここで、あらかじめ定義された「00」値は、UE具現の観点では仮想CRCとして用いられてもよい。
一方、PCellで最初に割り当てられるPDCCH(すなわち、DAI=「00」またはDAI=1のPDCCH)のTPCフィールドは、元来のTPC命令の用途に用いられる。残り全てのPDCCH(PCell上のDAI>1のPDCCH、及びSCell上の全てのPDCCH)のTPCフィールドはARIの用途に用いられる。一つのPUCCH伝送に対応する全てのPDCCH上のARI値はいずれも同一であると仮定する。
これにより、端末は、PCell上でPDSCH伝送があり、それに対応するPDCCHがない場合に、次のように動作する。端末は、他のPDSCH伝送がないと、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送することができる。一方、端末は、他のPDSCH伝送があると、PUCCHフォーマット3を用いてACK/NACKを伝送することができる(ここでは、例外として、DAI=「00」のPDCCHのTPCフィールドもARIの用途にすることができる)。
その他、PCell上でPDCCH(DAI=「00」(またはDAI=1)のPDCCH)に対応する一つのPDSCHが存在したり、PCell上で下りリンクSPS解除を指示するPDCCH(DAI=「00」(またはDAI=1)のPDCCH)が一つ存在する場合に、端末はPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACKを伝送することができる。これ以外の場合には、端末はPUCCHフォーマット3を用いてACK/NACKを伝送することができる。
要するに、SCell上でPDSCHが存在するしない場合において、PCell上で対応PDCCHのないPDSCH(SPS PDSCH)が一つ存在する場合、PCellでのみ対応PDCCH(DAI=「00」(またはDAI=1)のPDCCH)のあるPDSCHが一つ存在する場合、またはPCellでのみDL SPS解除を指示するPDCCH(DAI=「00」(またはDAI=1)のPDCCH)が一つ存在する場合に、PUCCHフォーマット1a/1bを用いることができる。他の場合にはPUCCHフォーマット3を用いることができる。ここで、PCell上で対応PDCCHのないPDSCHが存在しない場合に、PCell上でDAI=「00」(またはDAI=1)のPDCCH(PDSCHに対応するPDCCH、またはDL SPS解除を指示するPDCCH)のTPCフィールドはTPC命令の用途に用いられ、他のPDCCHのTPCフィールドはARIの用途に用いられる。それ以外の場合、PDCCHの全てのTPCフィールドはARIとして用いられる。端末は、一つのPUCCH伝送に対応する全てのPDCCHにおいてARIの用途に用いられるフィールドの値はいずれも同一であると仮定する。
このようにACK/NACK伝送動作を仮定する場合に、上位層によってSR伝送が設定されたサブフレームで肯定SRがACK/NACKと共に伝送されるべき場合には、下記のように動作すればよい。
PCell上で対応PDCCHのないPDSCHが一つ存在する場合、PCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)のPDCCHに対応するPDSCHが一つ存在する場合、またはPCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)であり且つDL SPS解除を指示するPDCCHが一つ存在する場合には、SRリソース上でPUCCHフォーマット1a/1bを用いてACK/NACK情報を伝送することによってSR+ACK/NACK情報を伝送することができる。
例えば、TDDシステムにおいてACK/NACK情報とSRとが同じサブフレームで伝送されるように設定された場合に、前述のように、PCell−only−receivingの場合に該当すると、肯定SR伝送のために端末は、SRリソース上でPUCCHフォーマット1bを用いてACK/NACKカウンターを伝送することができる。ACK/NACKカウンターは、複数個のACK/NACK応答のうち、ACKの個数を表す情報である。例えば、ACK/NACKカウンターが2ビット(b(0),b(1))で表現される場合に、「00」はACKがないことを、「01」は1個のACKがあることを、「10」は2個のACKがあることを、「11」は3個のACKがあること、を表すことができる。または、ACKカウンター情報が2ビット(b(0),b(1))値に重複マッピングされることが許容される場合に、「00」はACKがないことを、「01」は1または4個のACKがあることを、「10」は2または5個のACKがあることを、「11」は3または6個のACKがあること、を表すことができる。一方、否定SR伝送のために端末は、ACK/NACK応答(例えば、バンドリングされたACK/NACK応答)をACK/NACK PUCCHリソースを用いて伝送する。
その他の場合(すなわち、PCell上で対応PDCCHのないPDSCHが一つ存在する場合、またはPCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)のPDCCHに対応するPDSCHが一つ存在する場合、またはPCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)であり、且つDL SPS解除を指示するPDCCHが一つ存在する場合に該当しない場合)には、SR及びACK/NACKのジョイントコーディングまたは多重化を行ってPUCCHフォーマット3を用いて伝送することができる。
次に、ACK/NACKとCSIとの同時伝送について説明する。本実施例では、ACK/NACKとCSIとの同時伝送が上位層によって設定された場合を仮定する。
PCell上で対応PDCCHのないPDSCHが一つ存在する場合、またはPCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)のPDCCHに対応するPDSCHが一つ存在する場合、またはPCell上でのみDAI=1(またはDAI=「00」)であり、且つDL SPS解除を指示するPDCCHが一つ存在する場合には、PUCCHフォーマット2系列を用いてACK/NACK情報とCSIとを多重化して共に伝送することができる。具体的に、PUCCHフォーマット2/2a/2bのRS変調シンボルを用いてACK/NACK情報を伝送することができる。また、正常(normal)CPの場合には、PUCCHフォーマット2a/2bを用いてCSI+ACK/NACK情報を伝送し、拡張(extended)CPの場合にはPUCCHフォーマット2を用いてジョイントコーディングされたCSI+ACK/NACKを伝送することができる。
TDDシステムでACK/NACK情報とCSI(CQI/PMI/RI)が同じサブフレームで伝送されると設定される場合において、前述のように、PCell−only−receivingの場合に該当してPUCCHフォーマット2系列を用いてACK/NACK情報とCSIとの同時伝送が行われる場合に、PUCCHフォーマット2/2a/2bのRS変調シンボルを用いてACK/NACKカウンター情報を伝送することができる。ACK/NACKカウンターは、複数個のACK/NACK応答のうち、ACKの個数を表す情報である。例えば、ACK/NACKカウンターが2ビット(b(0),b(1))で表現される場合に、「00」はACKがないことを、「01」は1個のACKがあることを、「10」は2個のACKがあることを、「11」は3個のACKがあること、を表すことができる。または、ACKカウンター情報が2ビット(b(0),b(1))値に重複マッピングされることが許容される場合に、「00」はACKがないことを、「01」は1または4個のACKがあることを、「10」は2または5個のACKがあることを、「11」は3または6個のACKがあること、を表すことができる。このようなACK/NACKカウンター情報は、正常CPの場合にPUCCHフォーマット2bを用いてCSIと共に伝送し、拡張されたCPの場合にPUCCHフォーマット2を用いてCSIと共に伝送することができる。
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者には、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解されるであろう。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化できる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈により定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることができる。