JP6322164B2 - 医療用x線撮影装置 - Google Patents

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Description

この発明は、医療用X線撮影装置に関する。
パノラマX線撮影等の医療用X線撮影装置に、セファロユニットを組み合わせることによって、頭部X線規格写真を得るための頭部X線規格撮影をする技術がこれまでにも知られている。
例えば、特許文献1には、パノラマX線撮影装置にセファロスタットを装着して、頭蓋骨の放射線透過写真撮影像を得る技術が開示されている。詳細には、放射線透過写真撮影像を得る場合、パノラマ露光で使用されるフィルムカセットを待避させ、X線発生器のブラインドで規制されたX線ビームを患者の頭部に照射している。また、軟組織も充分に識別し得る頭蓋骨の放射線透過写真撮影像を得るため、パノラマ露光で使用される可動のフィルムカセットの端部に軟組織フィルタを取付け、X線ビームの一部の光路上に配置することが記載されている。
また、特許文献2には、セファロ撮影の際、X線発生器からのX線ビームが、PAN/3D撮影の際に使用される検出器が収容されたケースを透過して、患者の頭部に照射する技術が開示されている(FIG.4c)。
特開平7−8483号公報 米国特許第8152373号明細書
特許文献1に開示された装置では、X線発生器のブラインドによって、X線ビームの広がりが規制されている。すると、放射線透過写真撮影では、X線発生器とフィルムまでの距離が、パノラマX線撮影等のときよりも長いため、ブラインドで生じるX線の散乱線が、フィルムへの入射位置が大きくずれることでコントラストや鮮明度が低下するそれがあった。
また、特許文献2に開示された装置では、セファロユニットに配された規制部材によって、X線ビームの広がりを規制している。このため、X線発生器でX線ビームの広がりを規制する場合に比べて散乱線の影響は小さくなるものの、規制部材をX線ビーム上に配置するための構成が必要となってしまう。
そこで、本発明は、医療用X線撮影装置の省スペース化を図りつつ頭部X線規格撮影時に散乱線の影響を低減できる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、X線ビームを発生させる発生器と、前記発生器からの前記X線ビームを検出する第1検出器を内部に収容する検出器収容部と、前記発生器及び前記第1検出器が対向可能となるように前記発生器及び前記検出器収容部を支持する支持部と、前記支持部を旋回させる旋回駆動部と、頭部をX線撮影する頭部X線規格撮影の際に、前記頭部を透過した前記X線ビームを検出する第2検出器と、前記頭部X線規格撮影の際に前記頭部を固定する頭部固定部とを備え、前記第1検出器が前記X線ビームを受けて撮影する第1撮影、及び、前記第2検出器が前記X線ビームを受けて前記頭部X線規格撮影する第2撮影を実行可能に構成された医療用X線撮影装置であって、前記第2撮影の際、前記検出器収容部が前記発生器と前記第2検出器との間に位置するように前記旋回駆動部を制御する旋回駆動制御部と、前記第1検出器を、前記第1撮影の際に前記X線ビームを受ける受光位置と、前記第2撮影の際に前記第2検出器に向かう前記X線ビームの光路上から待避する待避位置との間で移動させる待避移動機構とをさらに備え、前記検出器収容部は、前記発生器から前記第2検出器に向かう前記X線ビームの広がりを規制する頭部撮影用X線規制部と、前記検出器収容部の外装部を構成しており、前記発生器から前記第2検出器に向かう前記X線ビームを透過させる透過許容部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記頭部撮影用X線規制部は、前記第2検出器に向かう前記X線ビームの広がりを可変に規制する。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記頭部撮影用X線規制部が、前記頭部のうち顎顔面を除く領域へ前記X線ビームが照射されることを抑制する。
また、第4の態様は、第1から第3の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記頭部撮影用X線規制部は、前記X線ビームを一方向に延びるスリットによって規制して、X線の細隙ビームを形成するスリット状コリメータと、前記スリットを移動させることによって、前記細隙ビームで撮影対象領域を走査するスリット移動機構とを備え、前記第2検出器は、前記細隙ビームを検出する細長状検出面と、前記細隙ビームの移動に同期して前記細長状検出面を移動させる検出面移動機構とを備える。
また、第5の態様は、第1から第3の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記頭部撮影用X線規制部は、前記X線ビームを規制することによって、前記頭部における撮影対象領域に照射される広域X線ビームを形成する単射照射用コリメータ、を備え、前記広域X線ビームは、前記単射照射用コリメータによって前記撮影対象領域の全体に同時にX線の照射を行うように規制され、前記第2検出器は、撮影対象領域を透過した前記広域X線ビームを一度に検出する広域検出面、を備える。
また、第6の態様は、第5の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記単射照射用コリメータは、前記第2撮影において、前記頭部の正面を撮影する場合と前記頭部の側面を撮影する場合とで、前記X線ビームの広がりを規制する規制量を変更する。
また、第7の態様は、第1から第6の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記第1撮影を実行する第1撮影モード及び前記第2撮影を実行する第2撮影モードを含む複数の撮影モードから、特定の撮影モードの選択を受け付ける撮影モード選択受付部、をさらに備え、前記撮影モード選択受付部が前記第2撮影モードの選択を受け付けることで、前記待避移動機構が前記第1検出器を前記待避位置に移動させる。
また、第8の態様は、第7の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記発生器を内部に収容しており、前記支持部によって支持される発生器収容部と、前記発生器収容部の内部に収容され、遮蔽板によって前記発生器のX線管から出射されたX線を部分的に遮蔽することで前記X線ビームを形成し、前記X線ビームの照射範囲を規制するX線規制部とをさらに備え、前記撮影モード選択受付部が受け付けた撮影モードに応じて、前記X線規制部が前記遮蔽板を移動させることによって、前記X線ビームの照射範囲が変更される。
また、第9の態様は、第1から第8の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記第1撮影が、パノラマX線撮影及びCT撮影のうち少なくともいずれか一方である。
また、第10の態様は、第8の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記第1撮影として、パノラマX線撮影及びCT撮影が含まれ、前記X線規制部は、前記パノラマX線撮影では前記第1検出器の検出面に対して上向きに照射されるように前記X線ビームを規制し、前記CT撮影では前記第1検出器の検出器に対して直角に入射するように前記X線ビームを規制する。

また、第11の態様は、第1から第10の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記旋回駆動部は、前記支持部を前記発生器及び前記検出器収容部との間の位置に設定された旋回軸周りに旋回させ、前記待避移動機構は、前記第1検出器を前記旋回軸の軸方向に沿って移動させる。
また、第12の態様は、第1から第11の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記検出器収容部に収容されており、前記第2検出器に向かう前記X線ビームのうち一部の線量を低減する線量低減フィルタ、をさらに備える。
また、第13の態様は、第12の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記検出器収容部に収容されており、線量低減フィルタを前記頭部における軟組織の位置に合わせて移動させる線量低減フィルタ移動機構、をさらに備える。
また、第14の態様は、第1から第13の態様のうちいずれか1態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記検出器収容部に設けられており、前記第2検出器に向かう前記X線ビームのうちの軟X線を除去する軟X線除去フィルタ、をさらに備える。
また、第15の態様は、第14の態様に係る医療用X線撮影装置であって、前記軟X線除去フィルタが、前記透過許容部を構成するX線透過性金属板である。
第1の態様に係る医療用X線撮影装置によると、頭部X線規格撮影時に、X線の経路途中の地点に配された検出器収容部の頭部撮影用X線規制部によってX線ビームの広がりを規制するため、発生器の近傍で広がりを規制する場合に比べてX線投影像における散乱線の影響を低減でき、X線ビームの広がりをより高精度に規制できる。さらに、第1撮影に用いる第1検出器を収容した検出器収容部に、頭部撮影用X線規制部を収容して一体化することで、省スペース化を図ることができる。
また、第2の態様に係る医療用X線撮影装置によると、撮影範囲や撮影方法に合わせて、X線の広がりの規制量を変更することができる。
また、第3の態様に係る医療用X線撮影装置によると、顎顔面を含む領域に限定してX線を照射することができるため、被写体のX線被曝量を低減できる。
また、第4の態様に係る医療用X線撮影装置によると、第2検出器の面積を比較的小さくできるため、低コストで第2撮影を行うことができる。
また、第5の態様に係る医療用X線撮影装置によると、頭部X線規格撮影を短時間で行うことができるとともに、画像処理が特段不要となる。
また、第6の態様に係る医療用X線撮影装置によると、頭部正面を撮影する場合と頭部側面を撮影する場合とのそれぞれに合わせて、X線の広がりの規制量を好適に制御できる。
また、第7の態様に係る医療用X線撮影装置によると、オペレータが撮影モードを選択することで、当該撮影モードに対応した撮影を行うように医療用X線撮影装置を動作させることができる。このため、医療用X線撮影装置の操作を簡易化できる。
また、第8の態様に係る医療用X線撮影装置によると、遮蔽板を移動させることで、X線ビームを任意の形状に成形できる。
また、第9の態様に係る医療用X線撮影装置によると、CT撮影またはパノラマX線撮影と頭部X線規格撮影を同一装置で行える。
また、第10の態様に係る医療用X線撮影装置によると、X線ビームの第1検出器に対する入射角を、パノラマ撮影及びCT撮影のそれぞれに好適な角度となるように調整できる。
また、第14の態様に係る医療用X線撮影装置によると、軟X線除去フィルタによってX線ビームから軟X線を除去することで、被写体のX線被曝量を低減できる。
また、第15の態様に係る医療用X線撮影装置によると、軟X線除去フィルタを、検出器収容部の外装部を構成するX線透過性金属板とすることによって、検出器収容部内に軟X線除去フィルタを設置するスペースが不要となり、検出器収容部の厚みを薄くできる。また、検出器収容部の外装部をX線透過性金属板で構成することによって、検出器収容部の外観性、保護性が損なわれることを抑制できる。
第1実施形態に係る医療用X線撮影装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る発生器側コリメータを示す斜視図である。 第1実施形態に係る医療用X線撮影装置を示す正面図である。 第1実施形態に係る医療用X線撮影装置を示す平面図である。 図4に示すA−A断面位置から見た第1検出器収容部を示す正面図である。 図4に示すB−B断面位置から見た第1検出器を示す正面図である。 図4に示すC−C断面位置から見た頭部撮影用コリメータを示す正面図である。 図4に示すD−D断面位置から見た第2検出器を示す正面図である。 第1実施形態に係る線量低減フィルタユニットを示す図である。 Y方向から見た正面用のフィルタ部を示す正面図である。 側面用のフィルタ部の変形例を示す側面図である。 高感受性部位をX線の照射から保護するための高感受性部位照射規制ユニットの斜視図である。 高感受性部位をX線の照射から保護するための高感受性部位照射規制ユニットの斜視図である。 図10に示す正面セファロ撮影時の正面用のフィルタ部に対する遮蔽部の位置を示す図である。 図11に示す側面セファロ撮影時の側面用のフィルタ部に対する遮蔽部の位置を示す図である。 第1実施形態に係る線量低減フィルタユニット、発生器及び第2検出器の位置関係を示す概略斜視図である。 パノラマX線撮影時における医療用X線撮影装置を示す正面図である。 CT撮影時における医療用X線撮影装置を示す正面図である。 第1実施形態に係る医療用X線撮影装置の動作を示すフロー図である。 頭部X線規格撮影における撮影領域を説明するための概念図である。 第2実施形態に係る医療用X線撮影装置を示す正面図である。 第2実施形態に係る医療用X線撮影装置を示す平面図である。 図22に示すE−E断面位置から見た頭部撮影用コリメータを示す正面図である。 第2実施形態に係る一対の可動遮蔽板を示す概略平面図である。 図22に示すF−F断面位置から見た第2検出器を示す正面図である。 第2実施形態に係る医療用X線撮影装置の動作を示すフロー図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る医療用X線撮影装置1の構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態に係る発生器側コリメータ22を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る医療用X線撮影装置1を示す正面図である。図4は、第1実施形態に係る医療用X線撮影装置1を示す平面図である。図5は、図4に示すA−A断面位置から見た第1検出器収容部3を示す正面図である。図6は、図4に示すB−B断面位置から見た第1検出器30を示す正面図である。図7は、図4に示すC−C断面位置から見た頭部撮影用コリメータ34を示す正面図である。図8は、図4に示すD−D断面位置から見た第2検出器56を示す正面図である。
医療用X線撮影装置1は、パノラマX線撮影、CT撮影、及び、頭部X線規格写真撮影(セファロ撮影)を含む各種のX線撮影を実行可能に構成されている。
具体的に、医療用X線撮影装置1は、本体部10と、本体制御部70と、操作部80と、画像処理部90とを備えている。操作部80は、X線撮影に関する各種設定の入力を受け付けるとともに、医療用X線撮影装置1の本体部10に対する動作命令を与えるために操作される入力部である。本体部10は、該操作部80を介して入力された情報に基づいて、各種のX線撮影を行って、被写体(患者)のX線投影像を表す投影データを取得する。本体制御部70は、本体部10に各種のX線撮影を実行させるため、図示を省略するプログラムに従って本体部10の各要素の動作を制御する。画像処理部90は、本体部10によって取得された投影データを処理して、各種X線画像を生成する。本体制御部70と、本体部10、操作部80及び画像処理部90とは、有線通信あるいは無線通信可能に相互に接続されている。
<本体部>
好ましくは、本体部10は、X線撮影の現場において、中空の縦長直方体状の防X線室(図示せず。)に収容される。本体部10は、X線を発生させる発生器20(X線発生器)と、発生器20から放射されたX線を検出する第1検出器30を備える。発生器20は、発生器収容部2の内部に収容されており、第1検出器30は、第1検出器収容部3の内部に収容されている。発生器収容部2及び第1検出器収容部3は、一方向に延びる長尺状部材である旋回アーム4(支持部)の両端部にそれぞれ取付けられている。旋回アーム4は、発生器20及び第1検出器30が対向可能となるようにこれらを支持する支持部を構成している。
旋回アーム4は、発生器20と第1検出器収容部3との間の中間位置に接続された旋回軸12を介して、上部フレーム14に支持されている。上部フレーム14には、旋回アーム駆動部16が内蔵されている(図1参照)。旋回アーム駆動部16は、旋回アーム4をXYZの各方向に移動させるX軸駆動モータ161、Y軸駆動モータ163及びZ軸駆動モータ165、並びに、旋回アーム4を旋回軸12周りに旋回させる旋回駆動部167を備えている。
旋回駆動部167は、旋回アーム4を旋回軸12周りに旋回させるモータや、モータの駆動力を伝達するベルト等で構成されている。パノラマX線撮影又はCT撮影では、互いに対向する発生器20と第1検出器30の間に被写体(ここでは、頭部HP1)が配置された状態で、旋回アーム4が旋回軸12周りに回転する。そして、発生器20がX線ビームを出射しながら被写体の周りを旋回しつつ、第1検出器30が当該X線ビームを検出することによってパノラマX線撮影又はCT撮影が行われる。第1検出器30が発生器20からのX線を受けて撮影するパノラマX線撮影及びCT撮影は、第1撮影に相当する。
X軸駆動モータ161及びY軸駆動モータ163は、旋回アーム4を旋回軸12に垂直な方向(ここでは水平方向)に移動させる。Z軸駆動モータ165は、旋回軸12に平行な方向(ここでは鉛直方向)に移動させる。X軸駆動モータ161及びY軸駆動モータ163は、例えば旋回軸12を介して旋回アーム4を支持する上部フレーム14に固定されたXYテーブル(図示せず。)を構成する。このXYテーブルは、例えば、水平方向の一方向であるX軸方向に移動するテーブル部材、及び、X軸方向に垂直な水平方向であるY軸方向に移動するテーブル部材とで構成される。そして旋回軸12の上端部がXYテーブルに固定され、旋回軸12の下端部が旋回アーム4に固定される。XYテーブルのX軸駆動モータ161及びY軸駆動モータ163が駆動されることによって、旋回軸12とともに旋回アーム4が旋回軸12に垂直な方向へ移動する。なお、XYテーブルは、旋回アーム4側に設けることも可能である。この場合、旋回アーム4のみが旋回軸12に垂直な方向に移動することとなる。
上部フレーム14は、鉛直方向に沿って立設された支柱18に係合している。Z軸駆動モータ165は、上部フレーム14を支柱18に沿って鉛直方向であるZ軸方向に沿って上下に昇降させることで、旋回アーム4を上下に昇降させる。
なお、以下の説明では、発生器20及び第1検出器30が対向する方向を「y軸方向」とし、特に発生器20から第1検出器30へ向かう方向を+y方向とする。また、y軸方向に直交する水平方向を「x軸方向」とし、特に−y側から+y側に向いた場合の左手方向を+x側とする。さらに、x軸方向およびy軸方向に直交する鉛直方向をz軸方向とし、特に鉛直方向上向きを+z側とする。ただし、これらは医療用X線撮影装置1の各要素の位置関係等を説明するために定義されるものであり、本発明に係る医療用X線撮影装置の各要素の位置関係等を限定する趣旨のものではない。
<発生器収容部>
発生器収容部2には、発生器20及び発生器側コリメータ22が収容されている。
発生器20は、X線を発生させるX線管を備えている。図2に示すように、発生器20は、ハウジング21に収容されている(図2参照)。このハウジング21の前側(すなわち、+y側)には、X線管で発生したX線の通過を許容する出射口210が設けられている。そして、出射口210の前方(図2における手前側)に、X線規制部として機能する発生器側コリメータ22が配置されている。
発生器側コリメータ22は、一対の縦方向遮蔽板221,221と、縦方向移動機構222と、一対の横方向遮蔽板223,223と、これらを横方向に移動させる横方向移動機構224とを備えている。縦方向遮蔽板221及び横方向遮蔽板223は、発生器20から出射されたX線の遮蔽量を制御するX線遮蔽部材の一例である。
縦方向遮蔽板221,221は、出射口210の正面視上下(+z側および−z側)のそれぞれに配置された金属製(鉛等)の横長状板で構成されており、縦方向(z軸方向)に移動してX線を遮蔽する。横方向遮蔽板223は、出射口210の正面視左右(−x側および+x側)のそれぞれに配置された金属(鉛等)製の縦長状板で構成されており、横方向(x軸方向)に移動してX線を遮蔽する。なお、図2に示される例では、横方向遮蔽板223が縦方向遮蔽板221よりハウジング21に近い側(−y側)に配置されているが、縦方向遮蔽板221が横方向遮蔽板223よりハウジング21に近い側に配置されていてもよい。
縦方向移動機構222は、一対の縦方向遮蔽板221,221を個別に縦方向に移動させる。詳細には、縦方向移動機構222は、縦方向に延びる一対の縦方向ネジ軸222a,222aと、各縦方向ネジ軸222a,222aを正回転及び逆回転させる一対のモータ222b,222bを備えている。縦方向ネジ軸222a,222aのそれぞれには、各縦方向遮蔽板221,221に取付けられたナット部材221a,221aが螺合している。各モータ222b,222bの駆動によって、各縦方向ネジ軸222a,222aが正回転又は逆回転すると、各ナット部材221a,221aが縦方向に沿ってそれぞれ上下に移動する。したがって、各縦方向遮蔽板221,221は独立して縦方向に移動する。
縦方向移動機構222は、X線ビームの縦方向、すなわち旋回軸12の軸方向に関する広がり(照射範囲)を調整することで、X線ビームの照射方向(広がりの中心線が延びる方向)を制御する。
縦方向遮蔽板221,221のそれぞれには、筒状のスライド部材221b,221bが取付けられている。スライド部材221b,221bには、縦方向に沿って貫通する貫通孔が形成されている。当該各貫通孔には、縦方向に延びる棒状のシャフト221cが挿通されており、スライド部材221b,221bの横方向への移動が抑制されている。このため、縦方向遮蔽板221,221は、傾くことなく縦方向に移動することが可能とされている。
横方向移動機構224は、一対の横方向遮蔽板223,223を個別に横方向に移動させる。詳細には、横方向移動機構224は、横方向に延びる一対の横方向ネジ軸224a,224aと、各横方向ネジ軸224a,224aを正回転及び逆回転させる一対のモータ224b,224bを備えている。横方向ネジ軸224a,224aのそれぞれには、各横方向遮蔽板223,223に取付けられたナット部材223a,223aが螺合している。各モータ224b,224bの駆動によって、各横方向ネジ軸224a,224aが正回転又は逆回転すると、各ナット部材223a,223aが横方向に沿ってそれぞれ左右に移動する。これによって、各横方向遮蔽板223,223は独立して横方向に移動する。
横方向移動機構224は、X線ビームの横方向、すなわち旋回軸12の軸方向に垂直なX線軸方向の広がり(照射範囲)を調整することで、X線ビームの照射方向(広がりの中心線が延びる方向)を制御する。
横方向遮蔽板223,223のそれぞれには、筒状のスライド部材223b,223bが取付けられている。スライド部材223b,223bには、横方向に沿って貫通する貫通孔が形成されている。当該各貫通孔には、横方向に延びる棒状のシャフト223cが挿通されており、スライド部材223b,223bの縦方向への移動が抑制されている。このため、横方向遮蔽板223,223は、傾くことなく横方向に移動することが可能とされている。
このように、本実施形態では、発生器側コリメータ22が発生器20からのX線が出射される出射口210の前方に配置されることによって、発生器20にて発生したX線の照射範囲が遮蔽により規制され、第1検出器30に向けて角錐台状に広がるX線ビームが形成されることとなる。
詳細には、縦方向遮蔽板221,221における対向縁部221d,221d間の間隔が、縦方向移動機構222,222によって調整され、横方向遮蔽板223,223における対向縁部223d,223d間の間隔が、横方向移動機構224,224によって調整される。そして、対向縁部221d,221dおよび対向縁部223d,223dによって、所望形状のX線ビームを形成するための正面視四角形状の開口226すなわちX線開口が発生器20の手前に形成される。
例えば、対向縁部221d,221d間の間隔、及び、対向縁部223d,223d間の間隔が広く調整されることで、開口226が正面視において比較的大きな正方形状の大照射野用開口となる。大照射野用開口を通過したX線は、断面が正方形となり、第1検出器30に向けて正四角錐台状に広がるX線ビーム(X線コーンビーム)となる。
また、対向縁部221d,221d間の間隔が広く調整され、対向縁部223d,223d間の間隔が狭く調整されることで、開口226が正面視縦長である長方形状のパノラマX線撮影用開口とされる。パノラマX線撮影用開口を通過したX線は、断面が細長長方形状となり、第1検出器30に向けて縦長角錐台状に広がるX線細隙ビームとなる。
なお、発生器側コリメータ22は、4枚の遮蔽板で開口226を形成するものに限定されない。例えば、2つのL字状の遮蔽板を組み合わせるとともに、開口226を形成するようにしてもよい。この場合、当該2つのL字状の遮蔽板をx軸方向及びz軸方向に移動させることによって、開口226の大きさが変更可能とされる。
図6に示すように、第1検出器30の検出面は、パノラマX線撮影用X線ビーム(細隙X線ビーム)を受光する領域(パノラマ受光領域PA)、小照射野のCT撮影用X線ビームを受光する領域(小照射野CT受光領域NCA)及び大照射野のCT撮影用X線ビームを受光する領域(大照射野CT受光領域WCA)のいずれにも充分に対応できる広さを有している。このように、パノラマX線撮影及びCT撮影用の各種X線ビームの形成は、基本的には発生器側コリメータ22によって行われる。
<第1検出器収容部>
第1検出器収容部3の内部には、第1検出器30、待避移動機構32、頭部撮影用コリメータ34、及び、線量低減フィルタユニット36が設けられている。
第1検出器30は、2次元平面(ここでは、xz平面)に広がるように配置された複数のX線検出素子で構成されるイメージセンサで構成されている。X線検出素子は、X線の強度に応じた信号を電気信号に変換して外部に出力する。イメージセンサは、入射したX線を、所要のフレームレートで、フレーム画像データ(画像情報)に変換する。当該フレーム画像データは、画素毎に入射X線の強度に応じた画素値を有する画像を表すデータである。
第1検出器30としては、MOSセンサ、CMOSセンサが好適に利用できるが、フレーム画像が得られるのであれば、いずれの電気的撮像センサであっても構わない。具体的には、CCDセンサ等のフラットパネルディテクタ(FPD)、その他の固体撮像素子など、様々なものを用いることができる。
<待避移動機構>
図6に示すように、第1検出器収容部3に収容されている待避移動機構32は、モータ321と、ネジ軸323と、シャフト325とを備えている。ネジ軸323は、モータ321で回転駆動する。シャフト325は、鉛直方向に平行に延びる棒状の部材である。第1検出器30の両側部のうち一方側にはネジ軸323に螺合する2つのナット部材301,301が取付けられている。第1検出器30の両側部のうち他方側には、2つのスライド部材303,303が取付けられている。スライド部材303,303には鉛直方向に貫通する孔が設けられており、これらの孔にはシャフト325が挿通されている。
待避移動機構32は、ネジ軸323を回転させることで、ナット部材301,301とともに第1検出器30を鉛直方向(すなわち、旋回軸12と平行な方向)に昇降移動させる。その際にスライド部材303,303がシャフト325によって移動方向が規制されることで、第1検出器30が鉛直方向に沿って直線移動する。待避移動機構32は、第1検出器30を受光位置DTP及び待避位置EVPとの間で移動させる(図6等参照)。ここで、受光位置DTPは、パノラマX線撮影又はCT撮影(第1撮影)の際に第1検出器30がX線ビームを受ける位置である。また、待避位置EVPは、頭部X線規格撮影(第2撮影)の際に第2検出器56に向かうX線ビームの光路上から待避する位置である。
<スリット状コリメータ>
第1検出器30が待避位置EVPにある場合、発生器20から出射されたX線ビームは、第1検出器収容部3の中を通って、頭部撮影用コリメータ34によって規制される。頭部撮影用コリメータ34は、図7に示すように、一方向に延びる細長状の開口34S(スリット)が形成されている。開口34Sを通過したX線ビームは、頭部撮影用の細隙X線ビームNB1としてセファロスタットCSAの第2検出器収容部54内部の第2検出器56に入射する。頭部撮影用コリメータ34は、スリット状コリメータの一構成例である。
<スリット移動機構>
図1及び図7に示すように、第1検出器収容部3には、頭部撮影用コリメータ34をx軸方向に移動させるスリット移動機構340が収容されている。図7に示すように、スリット移動機構340は、ベルト341、モータ343、シャフト345及びスライド部材347,347で構成されている。
ベルト341には、頭部撮影用コリメータ34の背面側が固定されている。ベルト341は、x軸方向において離れた位置に配された一対のローラ部材341a,341aに巻回されている。一方のローラ部材341aはモータ343の駆動によって回転するように構成されており、他方のローラ部材341aは自由回転するように構成されている。頭部撮影用コリメータ34には、x軸方向に間隔をあけて2つのスライド部材347,347が取付けられている。スライド部材347,347のそれぞれにはx軸方向に貫通する孔が形成されており、それらの孔にはx軸方向に延びる棒状のシャフト345が挿通されている。
モータ343の駆動によってベルト341が回転すると、頭部撮影用コリメータ34がx軸方向に沿って左右に移動する。その際、スライド部材347,347がシャフト345に対して摺接移動ことで、頭部撮影用コリメータ34が直線移動する。これによって、頭部撮影用コリメータ34のスリット状の開口34Sが、x軸方向に移動する。
<セファロユニット>
本体部10は、頭部X線規格撮影を行うためのセファロユニット5を備えている。セファロユニット5は、支柱18から水平方向に延びるアーム50と、アーム50の先端部に取付けられた頭部固定部52及び第2検出器収容部54を備えている。
<頭部固定部>
頭部固定部52は、頭部X線規格撮影における撮影対象物である頭部HP1を固定するように構成されている。詳細には、頭部固定部52には、頭部HP1の両耳の穴に挿入される一対のイヤーロッド521,521及び前頭骨と鼻骨の境界点(ナジオン)に当てられるナジオン当接部523が設けられている。一対のイヤーロッド521,521及びナジオン当接部523は、水平方向に移動可能に保持されている。
例えば、頭部HP1を側面側から撮影する側面セファロ撮影の場合、図1に示すように、頭部HP1の両耳にイヤーロッド521,521が挿入されることで、頭部HP1がy軸方向において位置決めされる。また、頭部HP1のナジオンにナジオン当接部523が当接されることで、頭部HP1がx軸方向において位置決めされる。
また、頭部固定部52には、測定部525を備えている。測定部525は、イヤーロッド521,521の位置及びナジオン当接部523の位置を検出することで、頭部HP1の各測定点(ここでは、耳孔、ナジオン)の位置を測定する。このようにして取得された頭部HP1の各測定点の位置情報は、後述するように、頭部HP1における軟組織及び硬組織の位置を推定する際に使用される。
なお、図示を省略するが、イヤーロッド521,521及びナジオン当接部523は、全体的にz軸周りに少なくとも90°回転できるように構成されている。これによって、頭部固定部52は、頭部HP1が発生器20を向いた状態で固定することができる。したがって、医療用X線撮影装置1は、頭部HP1の側面側についてだけでなく、頭部HP1の正面側についての頭部X線規格撮影(正面セファロ撮影)も実行可能に構成されている。
<検出器移動機構>
図1又は図8に示すように、第2検出器収容部54には、第2検出器56が収容されている。第2検出器56の構成は、第1検出器30と同様、平面状に並べられた複数のX線検出素子で構成される。ただし、第2検出器56の検出面561は細長状に形成された細長状検出面となっている。
第2検出器収容部54には、検出器移動機構58が備えられている。検出器移動機構58は、細長状の検出面561を備えた第2検出器56をx軸方向に移動させる。詳細には、検出器移動機構58は、ベルト581、モータ583、シャフト585及びスライド部材587,587で構成されている。
ベルト581には、第2検出器56の背面側に固定されている。ベルト581は、x軸方向に離れた位置に配された一対のローラ部材581a,581aに巻回されている。一方のローラ部材581aはモータ583の駆動によって回転するように構成されており、他方のローラ部材581aは自由回転するように構成されている。第2検出器56の上部には、x軸方向に間隔をあけて2つのスライド部材587,587が取付けられている。スライド部材587,587のそれぞれにはx軸方向に貫通する孔が形成されており、それらの孔にはx軸方向に延びる棒状のシャフト585が挿通されている。
モータ583の駆動によってベルト581が回転すると、第2検出器56がx軸方向に沿って左右に移動する。その際、スライド部材587,587がシャフト585に対して摺接移動することで、第2検出器56がx軸方向に直線移動する。これによって検出面561がx軸方向に移動する。このように、検出器移動機構58は検出面移動機構の一例である。
<透過許容部>
図3に示すように、第2検出器収容部54のうち、発生器20と第2検出器56との間に配される壁部のうち少なくともX線が通過する部分は、X線の透過を妨げないためにX線の透過を許容する素材で構成された透過許容部RL3とされている。
<頭部X線規格撮影>
次に、図4を参照しつつ、医療用X線撮影装置1における頭部X線規格撮影について説明する。ここでは、頭部撮影用コリメータ34における遮蔽板がx軸方向に移動すると、開口がx軸方向に移動する。これによって、細隙X線ビームNB1がx軸方向に移動することで、頭部HP1の撮影対象領域を細隙X線ビームNB1でx軸方向に走査する。図4に示す例は、被写体の頭部HP1の側面について撮影するものであり、ここでは、頭部HP1が後頭部側から前頭部側にかけて細隙X線ビームNB1で走査されている。以下の説明では、細隙のX線ビームで被写体を走査する頭部X線規格撮影の方式をスキャン方式と称する。スキャン方式の頭部X線規格撮影の場合、後述するように、細隙X線ビームNB1に合わせて第2検出器の検出面を細長状に形成し、これを移動させればよいため、検出器の費用を抑えることができる。したがって、頭部X線規格撮影を低コストで行うことができる。
なお、頭部撮影用コリメータ34の開口34Sを通過するX線ビームは、発生器側コリメータ22によって断面が縦長に成形されたX線ビームである。つまり、発生器側コリメータ22の遮蔽板(横方向遮蔽板223,223)は、頭部撮影用コリメータ34の移動に同期して移動する。これによって、頭部撮影用コリメータ34の開口34Sの位置に合わせてX線ビームが照射される。
<線量低減フィルタユニット>
図9は、第1実施形態に係る線量低減フィルタユニット36を示す図である。また、図16は、第1実施形態に係る線量低減フィルタユニット36、発生器20及び第2検出器56の位置関係を示す概略斜視図である。
図16に示すように、線量低減フィルタユニット36は、第1検出器収容部3に収容されており、頭部X線規格撮影の際に第2検出器56に向けて照射されるX線ビーム(細隙X線ビームNB1)の経路上に配されている。図1に示すように、線量低減フィルタユニット36の位置は、頭部撮影用コリメータ34よりも第2検出器56に近い側とされるが、これに限定されるものではない。例えば、線量低減フィルタユニット36は、第1検出器30よりも発生器20に近い側に配されてもよいし、第1検出器30と頭部撮影用コリメータ34との間に配されていてもよい。
線量低減フィルタユニット36は、線量低減フィルタF1と、線量低減フィルタ移動機構360とで構成されている。線量低減フィルタF1は、銅等で構成されており、第2検出器56に向かうX線ビームの線量を減少させる。ここでは、線量低減フィルタF1は、x軸方向に距離をあけて設けられた一対のフィルタ部F11,F12で構成されている。フィルタ部F11,F12は、頭部固定部52によって固定される頭部HP1におけるX線吸収が起こりにくい軟組織(例えば、皮膚、または、鼻や耳等の軟骨等、頭蓋骨及び歯牙を含む顎骨を除く組織)に入射するX線ビームの線量を低減する形状を有している。ここでは、各フィルタ部F11,F12は、内側が凹状に凹んだ形状を有している。また、フィルタ部F11,F12の内側部分は、端部に向かうにつれて厚みが小さくなるように形成されている。
図16は、頭部HP1を側面側から撮影する例であるが、頭部HP1のうち、頭蓋骨よりも後頭側の軟組織部分に照射されるX線ビーム(細隙X線ビームNB1)の線量は、X線ビームがフィルタ部F11を通過することによって低減される。また、頭部HP1のうち、頭蓋骨よりも前頭側にある鼻等の軟組織に照射されるX線ビームの線量が、フィルタ部F12によって低減される。このため、図16に示すように、第2検出器56によって取得される頭部HP1の側面の投影像PI1では、頭蓋骨よりも前側及び後側に対応する部分が、フィルタ部F11,F12を通過したX線ビームによる投影像部分PI11となる。そして、頭蓋骨、顎骨及び歯牙に対応する部分は、フィルタ部F11,F12を通過しなかったX線ビームによる投影像部分PI12となる。
図9に示すように、線量低減フィルタ移動機構360は、モータ361と、ネジ軸363とシャフト365とを備えている。モータ361,ネジ軸363及びシャフト365は、第1検出器収容部3の一部に固定されている。フィルタ部F11,F12は、枠部材FP1,FP2に取付けられており、枠部材FP1,FP2の上端部のそれぞれに、ネジ軸363に螺合するナット部材367,367が固定されている。なお、フィルタ部F11のナット部材367が螺合するネジ軸363の部分は正ネジ363aであるのに対して、フィルタ部F12のナット部材367が螺合するネジ軸363の部分は逆ネジ363bとなっている。正ネジ363aのネジ溝は、逆ネジ363bのネジ溝とは逆の方向に傾斜している。このため、モータ361がネジ軸363を一方向に回転させることで、一方のナット部材367が他方のナット部材367とは逆の方向に移動する。したがって、各フィルタ部F11,F12が、x軸方向に沿って逆方向にそれぞれ移動することで、フィルタ部F11,F12の間隔を調整することが可能となっている。
枠部材FP1,FP2の下端部にはx軸方向に貫通する貫通孔が形成されたスライド部材369がそれぞれ取付けられており、当該貫通孔にx軸方向に延びる棒状のシャフト365が挿通されている。ネジ軸363が回転することでフィルタ部F11,F12が移動する際、各スライド部材369がシャフト365をスライド移動することで、各フィルタ部F11,F12がネジ軸周りに回転することなくx軸方向に移動することが可能となっている。
また、ここでは、枠部材FP1,FP2の上側及び下側のx軸方向に延びる上部分及び下部分が、互いに嵌め合わされている。詳細には、枠部材FP1の上部分及び下部分は厚み方向の中央部が枠部材FP2に向かってx軸方向に突出する凸部371,371をそれぞれ有している。また、枠部材FP2の上部分及び下部分には、厚み方向の中央部分がx軸方向に凹む凹部373が形成されている。凸部371は、凹部373に挿入可能とされており、凹部373に凸部371が嵌め込まれている。これによって、枠部材FP1,FP2のy軸方向への移動が抑制されるため、フィルタ部F11,F12をx軸方向に直線移動させることができる。
図10は、Y方向から見た正面用のフィルタ部F13,F14を示す正面図である。フィルタ部F13,F14の形状は、頭部を正面から見たときの左右の軟組織部分に適合したものになっている。フィルタ部F13,F14を駆動する構造は線量低減フィルタユニット36と基本的には同じであるので、フィルタ部F13,F14以外の部材は図示を略す。このようなフィルタ部F13,F14を含む正面用の線量低減フィルタユニットは、X線経路上における、側面用の線量低減フィルタユニット36の近傍の上流か下流の位置に設けられる。
図11は、側面用のフィルタ部F11,F12の変形例を示す側面図である。フィルタ部F11,F11に代えてフィルタ部F15が、フィルタ部F12に代えてフィルタ部F16が用いられる。フィルタ部F15はフィルタ部F11とほぼ同様の構成であるが、フィルタ部F16はX線に対する感受性が高い甲状腺部分を強いX線の照射から守るように、頚部側に突出している形状になっているところがフィルタ部F12と異なっている。
<高感受性部位照射規制ユニット>
図12及び図13は高感受性部位をX線の照射から保護するための高感受性部位照射規制ユニット36Sの斜視図である。図12は主として高感受性部位照射規制ユニット36Sの正面(X線経路上の上流側)を示している。図13は主として高感受性部位照射規制ユニット36Sの背面(X線経路上の下流側)を示している。
遮蔽部S21、S22ともに高感受性部位の一つである眼球をX線照射から保護するものである。遮蔽部S21は正面セファロ撮影に用いられ、遮蔽部S22は側面セファロ撮影に用いられる。このような高感受性部位照射規制ユニット36Sは、例えば、X線経路上において、側面用の線量低減フィルタユニット36又は正面用の線量低減フィルタユニットの近傍の上流か下流の位置に設けられる。
遮蔽部S21、S22は高感受性部位照射規制ユニット36Sの駆動部分によって変位するように構成されており、且つ、正面セファロ撮影又は側面セファロ撮影に応じて選択的にX線の光路上に配される。
高感受性部位照射規制ユニット36Sの基本的駆動構造は線量低減フィルタユニット36と同じであるが、以下のように異なるところもある。高感受性部位照射規制ユニット36Sにおいては、遮蔽部S21、S22が共通のベース部材S2Bに固定されており、ベース部材S2Bにナット部材367,367に対応するナット部材367S,367S、スライド部材369,369に対応するスライド部材369S,369Sが固定されている。ナット部材367S,367Sはネジ軸363に対応するネジ軸363Sに螺合しており、スライド部材369S,369Sはシャフト365に対応するシャフト365Sに対してスライド移動する。
高感受性部位照射規制ユニット36Sにおいては、遮蔽部S21、S22の選択的な変位をさせればよく、2部材間の開度の調整をする必要がない。このため、本例ではネジ軸363に対応するネジ軸363Sは正ネジと逆ネジからはなっておらず、正ネジのみからなっている。
図14は、図10に示す正面セファロ撮影時の正面用のフィルタ部F13,F14に対する遮蔽部S21の位置を示す図である。図15は、図11に示す側面セファロ撮影時の側面用のフィルタ部F15,F16に対する遮蔽部S22の位置を示す図である。図14及び図15Aでは、ともに眼球に入射するX線の位置に、遮蔽部S21,S22が配された例を示している。
遮蔽部S21は顔の正面における左右の眼球へ向かうX線を遮蔽する。遮蔽部S22は、顔の側面における左右の眼球へ向かうX線を遮蔽する。ここで、顔の側面における左右の眼球は、ほぼ、同一のX線の経路上に位置する。このため、正面用の遮蔽部S21は、側面用の遮蔽部S22よりも左右に広い形状を有している。遮蔽部S21,S22は、図示のような適宜の位置に配されることによって、高感受性部位の一つである眼球をX線照射から保護する。
図1に戻って、本体部10には、被写体保持部60が設けられている。被写体保持部60は、上部フレーム14に下方に配された下部フレーム19に固定されている。下部フレーム19は、Z軸駆動モータ165によって、上部フレーム14とともに支柱18に対して上下に昇降する。ここでは、被写体保持部60は、被写体の頭部HP1の顎が載置されることによって頭部HP1を固定するチンレスト61と、当該チンレスト61を下部フレーム19に対して上下に昇降させる昇降部63とを備えている。チンレスト61の高さ位置を調整することによって、CT撮影あるいはパノラマX線撮影の際に、被写体の頭部HP1における撮影対象部位の鉛直方向の高さ位置を、発生器20の高さ位置、あるいは、第1検出器30の高さ位置に合わせて調整できる。
なお、被写体保持部60の構成は、チンレスト61に限定されるものではない。例えば、被写体保持部が頭部HP1の両耳の穴に挿入されて頭部HP1を位置付けするイヤーロッド等を備えていてもよい。
<本体制御部>
図1に戻って、本体制御部70の構成について説明する。本体制御部70は、CPU、ROM及びRAM等を備えた一般的なコンピュータで構成されている。CPUは、図示を省略するプログラムに従って動作することによって、旋回アーム駆動制御部71、待避移動制御部72、X線規制制御部73、被写体位置制御部74及び検出器移動制御部75及びフィルタ移動制御部76として動作する。
旋回アーム駆動制御部71は、旋回アーム駆動部16を制御することによって、旋回アーム4の、x軸方向及び鉛直方向への移動及び旋回軸12周りの旋回移動を制御する。
旋回アーム駆動制御部71は、パノラマX線撮影またはCT撮影の際には、発生器20及び第1検出器30を、各撮影の撮影対象部位に応じた旋回開始位置に位置付けした後、所定の軌道を辿って旋回終了位置まで旋回させる。
また、旋回アーム駆動制御部71は、頭部X線規格撮影の際には、旋回アーム4を適宜旋回させることで、図3または図4に示すように、発生器20、第1検出器収容部3及び第2検出器56が同一直線上に配されるように位置付ける。これによって、第1検出器収容部3に設けられている頭部撮影用コリメータ34、線量低減フィルタF1を用いて、頭部X線規格撮影を行うことが可能となる。
待避移動制御部72は、待避移動機構32のモータ321の駆動を制御することによって、第1検出器30を上述の受光位置DTPと待避位置EVPとの間で移動させる。詳細には、第1検出器30を用いるパノラマX線撮影及びCT撮影の際には、待避移動制御部72は当該第1検出器30を受光位置DTPに配置させる。また、第2検出器56を用いる頭部X線規格撮影の際には、待避移動制御部72は第1検出器30を待避位置EVPに移動させる。これによって、発生器20からの細隙X線ビームNB1が、第1検出器30によって遮られることなく、第2検出器56に到達することが可能となる。
なお、第1検出器収容部3を構成する外装部のうち、X線ビームの経路上の部分は、X線の透過を妨げない素材で構成された透過許容部RL1,RL2となっている。透過許容部RL1は発生器20と第1検出器30との間に配されており、透過許容部RL2は透過許容部RL1とは反対側の部分に配されている。なお、透過許容部RL2は、軟X線を除去する軟X線除去フィルタとして機能するX線透過性金属板としてもよい。軟X線を除去することによって、比較的被写体に吸収されやすい軟X線を除去できるため、被写体のX線被曝量を低減できる。なお、X線透過性金属板は、アルミニウム板、チタン板、鉄板または銅板等が好適である。第1検出器収容部3の外装部をX線透過性金属板とすることによって、第1検出器収容部3内に軟X線除去フィルタを設置するスペースが不要となり、第1検出器収容部3の厚みを薄くできる。また、外装部をX線透過性金属板で構成することによって、第1検出器収容部3の外観性及び保護性が損なわれることを抑制できる。
仮に、透過許容部RL1,RL2がなく、かつ、待避移動機構32も省略した場合、旋回アーム4を傾けることで、発生器20から第2検出器56までのX線ビームの経路上から第1検出器収容部3を退かせれば、頭部X線規格撮影を行うことも考えられる。しかしながら、この場合、発生器20からのX線ビームを第2検出器56の検出面に略直角に入射させるためには、発生器20を旋回アーム4に対して回転させる回転機構が別途必要となる。医療用X線撮影装置1では、透過許容部RL1,RL2、及び、待避移動機構32を備えているため、頭部X線規格撮影の際、第1検出器収容部3越しにX線ビームを頭部HP1に照射できる。すなわち、発生器20を回転させる回転機構を設ける必要がないため、発生器収容部2の構成を簡略化できる。
X線規制制御部73は、発生器側コリメータ22及び頭部撮影用コリメータ34を制御する。X線規制制御部73は、撮影の種別に合わせて、X線ビームB1の照射範囲または照射方向を撮影目的に合わせて変更する。例えば、パノラマX線撮影の場合は、X線規制制御部73は発生器側コリメータ22を制御して細隙X線ビームを成形する。また、CT撮影の場合には、X線規制制御部73は発生器側コリメータ22を制御してX線コーンビームを成形する。頭部X線規格撮影の場合には、X線規制制御部73は発生器側コリメータ22及び頭部撮影用コリメータ34を制御して、細隙X線ビームNB1を成形するとともに、当該細隙X線ビームNB1の照射方向をx軸方向に変更していくことで、頭部HP1を走査する(図4参照)。
検出器移動制御部75は、検出器移動機構58のモータ583を駆動することによって、第2検出器56をx軸方向に移動させる。頭部X線規格撮影では、細隙X線ビームNB1がx軸方向に移動するため、検出器移動制御部75は細隙X線ビームNB1の移動に追従して第2検出器56をx軸方向に移動させることで、X線を受光させる。
フィルタ移動制御部76は、図9に示す線量低減フィルタユニット36における線量低減フィルタ移動機構360のモータ361の動作を制御する。例えば、図16に示すように、頭部HP1の側面を撮影する頭部X線規格撮影が行われる場合、頭部HP1の側面における軟組織の位置に合わせて線量低減フィルタF1のフィルタ部F11,F12を配置するため、頭部HP1の各測定点の位置が測定部525によって検出される。
一対のイヤーロッド521,521及びナジオン当接部523の位置を検出することで、頭部HP1における耳穴及びナジオンの位置を特定でき、頭部HP1における軟組織のおおよその位置を特定することが可能となる。フィルタ移動制御部76は、測定部525による検出結果に基づき、線量低減フィルタユニット36を制御する。これによって、線量低減フィルタF1を好ましい位置に配することが可能となり、頭部X線規格撮影を良好に行うことが可能となる。なお、必ずしも測定部525は必要ではなく、例えば、一対のイヤーロッド521,521またはナジオン当接部523の位置を示す目盛りを頭部固定部52に予め付しておき、当該目盛りが示す値をオペレータが読みとるようにしてもよい。そして、当該オペレータが、読み取った数値を操作部80等を介して入力し、その値をフィルタ移動制御部76が取得するようにしてもよい。
被写体位置制御部74は、被写体保持部60の昇降部63を駆動してチンレスト61を昇降させることによって、被写体(ここでは、頭部HP1)の鉛直方向の高さ位置を制御する。具体的には、パノラマX線撮影時とCT撮影時とで、第1検出器30の検出面へのX線ビームの中心(センタービーム)の入射角度が異なるように、チンレスト61の鉛直方向の高さ位置が適宜調整される。この位置調整について図17及び図18を参照しつつ説明する。図17は、パノラマX線撮影時における医療用X線撮影装置1を示す正面図である。図18は、CT撮影時における医療用X線撮影装置1を示す正面図である。
図17に示すように、パノラマX線撮影の場合は、発生器側コリメータ22によって細隙X線ビームPNB1が形成され、頭部HP1の顎部に照射される。一般的には、歯牙を舌側(口腔内側)から頬側に、あるいはその逆方向に歯牙を観察するときの視線方向は、歯軸に直交していることが望ましく、パノラマX線撮影においては、視線方向が水平面に対して若干上向きとなっていることが望ましい。そこで、パノラマX線撮影においては、図17に示すように、細隙X線ビームPNB1の中心(センタービームPNBC1)が旋回軸12に垂直な方向(ここでは、y軸方向)に対して上向きとなるように細隙X線ビームPNB1が頭部HP1の顎部に照射される。このため、第1検出器30の検出面に対するセンタービームPNBC1の入射角度AGUは鋭角となる。また、このような細隙X線ビームPNB1を顎部の各部位に照射できるように、チンレスト61の高さ位置が調整される。このようにパノラマX線撮影の際に、細隙X線ビームPNB1を若干上向きに照射することによって、良好なパノラマ画像を取得することができる。
一方、図18に示すように、CT撮影の場合は、発生器側コリメータ22によってX線コーンビームCB1が形成され、頭部HP1の顎部全体または一部などの撮影対象部位に照射される。CT撮影では、X線コーンビームCB1の中心(センタービームCBC1)が旋回軸12に垂直なy軸方向とされる。このため、第1検出器30の検出面に対するセンタービームCBC1の入射角度AGUは垂直となる。なお、この入射角度AGUは、厳密に直交でなくとも略直交であればよい。そして、X線コーンビームCB1の中心(センタービームCBC1)が撮影対象部位の中心を通るように、チンレスト61の高さ位置が調整される。
<画像処理部>
図1に戻って、画像処理部90は、CPU、ROM及びRAM等を備えた一般的なコンピュータで構成される。画像処理部90は、本体制御部70とは別のコンピュータとして構成されていてもよいが、本体制御部70のCPUがプログラムに従って動作することによりソフトウェア的に実現される機能モジュールであってもよい。画像処理部90は、本体部10で実行されたX線撮影で得られる投影データから、各種のX線画像(CT画像、パノラマ画像及び頭部X線規格画像)を生成する。
<操作部>
操作部80は、操作パネル81及びX線照射指令スイッチ83を備えている。操作パネル81は、撮影モード選択部811、旋回アーム昇降操作部813、撮影領域設定部815、体格設定部817を備えている。操作パネル81は、タッチパネル形式の画面を備えており、撮影モード選択部811等の各部が画面上に仮想的に表示されるボタンで構成される。なお、操作パネル81は、オペレータが操作可能な複数の物理的なボタンを備えていてもよい。この場合、撮影モード選択部811等の各部が物理的なボタンで構成されていてもよい。
撮影モード選択部811は、パノラマX線撮影(第1撮影)、CT撮影(第1撮影)及び頭部X線規格撮影(第2撮影)のそれぞれを実行する各撮影モードから、本体部10が実行する特定の撮影モードの選択を受け付ける。例えば、頭部X線規格撮影モードが選択された場合には、待避移動機構32が第1検出器30を待避位置に移動させる。そして、第2検出器56を用いて頭部X線規格撮影が行われる。このように、オペレータが撮影モード選択することで、選択された撮影モードに態様した撮影を行うように医療用X線撮影装置を自動的に動作させることが容易となる。このため、医療用X線撮影装置1の操作を容易化できる。
旋回アーム昇降操作部813は、旋回アーム4を鉛直方向に昇降させる際に操作される入力部である。
撮影領域設定部815は、X線撮影を行う際の撮影対象部位を設定する際に操作される入力部である。撮影領域設定部815は、例えば、既定の複数の撮影対象部位の中から、特定の撮影対象部位の選択を受け付けるように構成される。ここで、複数の撮影対象部位には、例えば、上顎部、下顎部、右上顎部または左上顎部等の頭部HP1の一部及び頭部HP1全体が含まれる。この場合、撮影対象部位毎に適した撮影条件が記憶部92等に予め記憶されており、選択された撮影対象部位に対応する撮影条件の選択肢が呼び出される。撮影条件とは、例えば、CT撮影においては、撮影時における、旋回アーム4の位置、旋回アーム4の(旋回角度)、照射野の大きさ等が含まれる。なお、被写体を模した画像を画像表示用モニタ94に表示して、当該画像上でオペレータが撮影対象部位を任意に指定できるように撮影領域設定部815が構成されていてもよい。
体格設定部817は、撮影を行う被写体の大きさを設定するために操作される入力部である。例えば、体格設定部817は、成人男性に対応する体格、成人女性に対応する体格または子供に対応する体格等から、被写体に近い体格の選択を受け付けるように構成される。また、体格設定部817は、身長や体重などのパラメータの入力を受け付けるように構成されていてもよい。体格設定部817で被写体の体格が設定されることで、撮影領域設定部815で設定された撮影対象部位の三次元的な座標位置を精度良く特定することができるため、より望ましいX線画像を取得することが可能となる。
X線照射指令スイッチ83は、各X線撮影において、X線照射を開始する際に操作者が押下操作を行う入力部である。例えばCT撮影においては、X線照射指令スイッチ83が操作されることで、旋回アーム4の旋回及び被写体に対するX線照射が同時に行われる。なお、X線照射指令スイッチ83は、操作者が指を離すと旋回アーム4の旋回を停止させるとともに被写体に対するX線照射が停止される、いわゆるデッドマンスイッチとして構成されていてもよい。なお、X線照射を停止させる態様としては、発生器20のX線管への電力供給を停止させる態様、または、遮蔽部材(発生器側コリメータ22等)でX線を遮蔽する態様等が考えられる。
画像表示用モニタ94は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、画像処理部90が生成したX線画像を表示する。
<動作>
図19は、第1実施形態に係る医療用X線撮影装置1の動作を示すフロー図である。図19に示す医療用X線撮影装置1の動作は、特に断らない限り、本体制御部70の制御下で実行されるものとする。
まず医療用X線撮影装置1で実行されるX線撮影の撮影モードが、撮影モード選択部811を介して選択される(ステップS10)。ここでは、パノラマX線撮影モード、CT撮影モード、頭部X線規格撮影モードの中から、1つの撮影モードが選択可能となっている。
<パノラマX線撮影モード>
まず、パノラマX線撮影モードにおける医療用X線撮影装置1の動作について説明する。ステップS10において、パノラマX線撮影モードが選択されると、旋回アーム4の向きが、被写体を導入向けの姿勢となるように旋回アーム4が旋回する(ステップS100)。ステップS100の後、本体部10に被写体が導入される。続いて、旋回アーム4の鉛直方向の高さ位置が調整されるとともに、チンレスト61の高さが調整されることで被写体の頭部HP1の鉛直方向の高さ位置が調整される(ステップS101)。なお、チンレスト61の初期位置がパノラマX線撮影向けとされている場合、チンレスト61の当該位置調整は省略可能である。
次に、旋回アーム4が旋回及び水平移動することによって、所定の撮影開始位置に移動する(ステップS102)。これによって、発生器20がパノラマX線撮影軌道上の移動開始位置に配置される。続いて、第1検出器30が受光位置DTPに配置される(ステップS103)。第1検出器30が受光位置DTPとは異なる位置(例えば、待避位置EVP)に配置されている場合、待避移動機構32が駆動され、第1検出器30が受光位置DTPに移動する。また、発生器側コリメータ22の開口226が、パノラマX線撮影向けの細隙X線ビームPNB1を形成するように調整される(ステップS104)。
続いて、撮影開始指令の受付が行われる(ステップS105)。ここでは、本体制御部70が、X線照射指令スイッチ83が操作されたかどうかを監視する。X線照射指令スイッチ83が操作されることで、本体制御部70が撮影開始指令を受付けた場合、本体制御部70は本体部10にパノラマX線撮影を実行させる(ステップS106)。詳細については省略するが、発生器20をパノラマX線撮影軌道上で移動させつつ、第1検出器30で短冊状の投影画像が所定のフレームレートで取得される。この短冊状の投影画像を画像処理部90がつなぎ合わせること等によって、一枚のパノラマ画像が生成される。
<頭部X線規格撮影モード>
次に、頭部X線規格撮影モードにおける医療用X線撮影装置1の動作について説明する。ステップS10において頭部X線規格撮影モードが選択されると、旋回アーム4の向きが、頭部X線規格撮影向けに変更される(ステップS200)。すなわち、図4に示すように、発生器20、第1検出器収容部3及び第2検出器56が一直線上に並ぶように、旋回アーム4が旋回する。
続いて、発生器20から出射されるX線が、頭部HP1を透過して第2検出器56に入射できるように、旋回アーム4の鉛直方向の高さ位置が調整される(ステップS201)。
続いて、頭部HP1の撮影方向及び撮影領域が設定される(ステップS202)。医療用X線撮影装置1では、頭部HP1を側面側から撮影する側面セファロ撮影と、頭部HP1を正面側から撮影する正面セファロ撮影とが実行可能に構成されている。そこで、ステップS200では、側面セファロ撮影または正面セファロ撮影のいずれを実行するかが操作部80の撮影領域設定部815を介して設定される。なお、医療用X線撮影装置1は、側面セファロ撮影及び正面セファロ撮影のどちらか一方のみ実行可能であるように構成されていてもよい。このような場合は、撮影方向の設定は省略可能である。
図20は、頭部X線規格撮影における撮影領域を説明するための概念図である。図20に示すように、医療用X線撮影装置1では、頭部HP1の全体を含む領域WR1を撮影領域とする他、頭部HP1の一部分(ここでは主に顎顔面)の領域PR1を撮影領域に設定することが可能とされる。このように、ステップS202において撮影領域の大きさを可変に設定できるようにすることで、X線の照射範囲を必要な範囲に限定できるため、被写体のX線被曝を低減できる。
図19に戻って、軟組織及び硬組織の位置が検出される(ステップS203)。そして、検出された位置に合わせて、線量低減フィルタF1の位置が調整される(ステップS204)。ここでは、上述したように、頭部固定部52の測定部525によって、頭部HP1における計測点の位置が検出され、頭部HP1における軟組織及び硬組織の位置が推定される。そして、推定された位置に合わせて、線量低減フィルタF1が配置される。詳細には、図9及び図16で説明したように、発生器20から推定された軟組織の位置までのX線の光路上に、線量低減フィルタF1が配置される。
続いて、第1検出器30が待避位置EVP以外の位置(例えば、受光位置DTP等)にある場合、待避移動機構32が駆動されることによって、第1検出器30が待避位置EVPに移動する(ステップS205)。これによって、第1検出器30が、発生器20から第2検出器56までの光路上から待避する。また、検出器移動機構58が駆動されることによって、第2検出器56が移動開始位置に移動する(ステップS206)。上述したように、頭部X線規格撮影では、細隙X線ビームNB1のx軸方向に沿った移動に合わせて、第2検出器56がx軸方向に移動する(図4参照)。ステップS17bでは、第2検出器56がこのx軸方向に移動を開始する際の出発位置に移動する。
続いて、頭部撮影用コリメータ34の開口34Sの位置が調整される(ステップS207)。頭部撮影用コリメータ34の開口34Sによって形成される細隙X線ビームNB1で頭部HP1を走査するため、開口34Sの位置が走査を開始する位置(走査開始位置)とされる。
また、発生器側コリメータ22の開口226の大きさ及び位置が調整される(ステップS208)。詳細には、開口226の大きさは、発生器20からのX線ビームが、頭部撮影用コリメータ34の開口34Sよりもy軸方向に若干広い範囲に照射されるように調整される。また、例えば図20に示すように、頭部HP1の一部の領域PR1を撮影領域とする場合、発生器側コリメータ22の開口226の鉛直方向の長さが領域PR1の鉛直方向の長さに合わせて制限される。これによって、領域PR1のみにX線ビームが照射することが可能となる。さらに、開口226の位置が、頭部撮影用コリメータ34の開口34Sの走査開始位置に対応する位置(すなわち、発生器20から開口34SまでのX線ビームの光路上の位置)となるように調整される。
続いて、撮影開始指令の受付が行われる(ステップS209)。ここでは、本体制御部70が、X線照射指令スイッチ83が操作されたかどうかを監視する。X線照射指令スイッチ83が操作されることで、本体制御部70が撮影開始指令を受付けた場合、本体制御部70は本体部10に頭部X線規格撮影を実行させる(ステップS210)。詳細には、発生器側コリメータ22の開口226及び頭部撮影用コリメータ34の開口34Sが同期してy軸方向に移動することによって、頭部HP1の撮影領域が細隙X線ビームNB1で走査される。また、細隙X線ビームNB1の移動に合わせて第2検出器56がy軸方向に移動することで、頭部HP1を透過したX線が検出される。そして、画像処理部90が、本体部10で取得した投影データ(ここでは、複数の短冊状の投影画像)を走査方向(y軸方向)につなぎ合わせることによって、1枚の頭部X線規格写真が生成される。
<CT撮影モード>
次に、CT撮影モードにおける医療用X線撮影装置1の動作について説明する。ステップS10においてCT撮影モードが選択されると、旋回アーム4の向きが、被写体導入向けの姿勢となるように旋回アーム4が旋回する(ステップS300)。そして、ステップS300の後、本体部10に被写体が導入される。続いて、旋回アーム4の鉛直方向の高さ位置が調整されるとともに、チンレスト61の高さが調整されることで被写体の頭部HP1の鉛直方向の高さ位置が調整される(ステップS301)。
続いて、撮影領域設定部815が、CT撮影領域の設定を受付ける(ステップS302)。詳細には、撮影領域設定部815が複数の撮影対象部位の中から特定の撮影対象部位の選択を受付ける。そして、撮影領域設定部815が受付けた撮影対象部位が、CT撮影領域に設定される。
続いて、旋回アーム4が旋回及び水平移動することによって、所定の撮影開始位置に移動する(ステップS303)。これによって、発生器20がCT撮影軌道上の旋回開始位置に配される。また、ステップS302で設定されたCT撮影領域の鉛直方向の高さに合わせて、旋回アーム4の鉛直方向の高さ位置、または、チンレスト61に保持された頭部HP1の高さ位置が調整される(ステップS304)。
続いて、第1検出器30が受光位置DTPに配置される(ステップS305)。第1検出器30が受光位置DTPとは異なる位置(例えば、待避位置EVP)に配置載置されている場合、待避移動機構32が駆動され、第1検出器30が受光位置DTPに移動する。また、発生器側コリメータ22の開口226が、CT撮影向けのX線コーンビームCB1を形成するように調整される(ステップS306)。なお、頭部HP1に対するX線コーンビームCB1の照射野が、ステップS302で設定されたCT撮影領域に一致するように、開口226の大きさが調整される。
続いて、撮影開始指令の受付が行われる(ステップS307)。ここでは、本体制御部70が、X線照射指令スイッチ83が操作されたかどうかを監視する。X線照射指令スイッチ83が操作されることで、本体制御部70が撮影開始指令を受付けた場合、本体制御部70は本体部10にCT撮影を実行させる(ステップS308)。詳細については省略するが、撮影対象領域の中心に発生器20及び第1検出器30を180°以上旋回させる。そして、第1検出器30がX線を検出することによって、投影画像が所定のフレームレートで取得される。取得された複数の投影画像を画像処理部90が再構成することによって、任意の断層位置のCT画像が生成される。
<効果>
以上のように、医療用X線撮影装置1では、頭部X線規格撮影時において、発生器20から出射されたX線ビームの範囲が、第2検出器56までの経路途中に配された第1検出器収容部3の頭部撮影用コリメータ34によって規制される。このため、発生器20の近傍でX線ビームB1の広がりを規制する場合に比べてX線投影像における散乱線の影響を低減でき、X線ビームB1の広がりをより高精度に規制できる。このため、頭部X線規格写真を良好に取得することができる。さらに、第1検出器30を収容した第1検出器収容部3に、頭部撮影用コリメータ34を収容して一体化することで、医療用X線撮影装置1の省スペース化を図ることができる。
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る医療用X線撮影装置1Aについて説明する。第1実施形態に係る医療用X線撮影装置1では、頭部X線規格写真を取得する場合に、細隙X線ビームNB1で頭部HP1を走査するスキャン方式が採用されている。これに対して、医療用X線撮影装置1Aは、頭部HP1の撮影対象領域全体にX線を同時に照射して、頭部X線規格写真を取得する。以下、この頭部X線規格撮影の方式をワンショット方式と称する。ワンショット方式の頭部X線規格撮影の場合、スキャン方式の場合に比べて、撮影時間を短縮できるとともに、画像処理が特段不要となるメリットがある。
図21は、第2実施形態に係る医療用X線撮影装置1Aを示す正面図である。図22は、第2実施形態に係る医療用X線撮影装置1Aを示す平面図である。図23は、図22に示すE−E断面位置から見た頭部撮影用コリメータ34Aを示す正面図である。図24は、第2実施形態に係る一対の可動遮蔽板383,383を示す概略平面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態で説明したものと同様の構成要素については適宜同一符号を付してその説明を省略する。
医療用X線撮影装置1Aにおいては、頭部X線規格撮影向けにX線ビームの広がりを規制する頭部撮影用コリメータ34Aが、第1検出器収容部3に収容されており、かつ、X線ビームの経路上に配されている。そして、頭部撮影用コリメータ34AがX線ビームの広がりを撮影対象部位の大きさに合わせて可変に規制できるように構成されている。頭部撮影用コリメータ34Aは、撮影対象領域の全体に同時にX線を照射する広域X線ビームを形成する単射照射用コリメータの一例である。
詳細には、図22に示すように、頭部撮影用コリメータ34Aは、z軸方向に離れて配された一対の不動遮蔽板381,381と、x軸方向に間をあけて配された一対の可動遮蔽板383,383と、可動遮蔽板383,383をx軸方向に移動させる遮蔽板移動機構385とを備えている。
不動遮蔽板381,381はx軸方向が長手となるように配された、略長方形状の板状部材とされている。不動遮蔽板381,381は、例えば+x側および−x側の両端部が第1検出器収容部3に固定されていることによって、第1検出器収容部3に対して動かないように設けられている。
可動遮蔽板383,383は、z軸方向が長手方向となるように配された、略長方形状の板状部材として構成されている。可動遮蔽板383,383は、遮蔽板移動機構385によって、それらの間隔が調整できるように移動することが可能とされている。
詳細には、遮蔽板移動機構385は、モータ386と、ネジ軸387と、シャフト部材388とを備えている。モータ386は、x軸方向に延びるネジ軸387を正回転又は逆回転するように構成されている。当該ネジ軸387には、可動遮蔽板383,383のそれぞれの上端部に取付けられたナット部材383aが螺合している。また、シャフト部材388はx軸方向に延びる棒状の部材であって、第1検出器収容部3に固定されている。
+x側に配された可動遮蔽板383のナット部材383aが螺合するネジ軸387の部分は正ネジ387aとなっており、−x側に配された可動遮蔽板383のナット部材383aが螺合するネジ軸387の部分は逆ネジ387bとなっている。このため、モータ386の駆動によってネジ軸387が回転すると、2つのナット部材383aが、x軸方向に添って互いに逆の方向へ移動する。これによって、2つの可動遮蔽板383,383がx軸方向に添って互いに逆の方向へ移動する。
なお、各可動遮蔽板383,383の下端部には、スライド部材383bが取付けられている。各スライド部材383bには、x軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、当該貫通孔にシャフト部材388が挿通されている。このため、スライド部材383bによって、ネジ軸387が回転している際に、各可動遮蔽板383,383がネジ軸387周りに回転することが抑制されている。また、各スライド部材383bの移動方向がシャフト部材388の延びるx軸方向のみに制限されることで、各可動遮蔽板383,383の移動方向もx軸方向のみに規制される。
図21に示す例では、側面セファロ撮影をするように配置された頭部HP1aと、正面セファロ撮影をするように配置された頭部HP1bとで、X線ビームの広がりが変更されている。この例では、頭部HP1aについては、第1の広がりの側面用X線ビームSCB1が、頭部HP1bについては、第1の広がりよりもx軸方向に狭い第2の広がりの正面用X線ビームFCB1が照射される。
より詳細には、図24に示すように、一対の可動遮蔽板383,383の間隔は、側面セファロ撮影の際はD1とされ、正面撮影の際はD1よりも狭いD2とされる。このように、本実施形態では、可動遮蔽板383,383を移動させることで、頭部X線撮影の際に、撮影対象領域の大きさに合うようにX線ビームの広がりの規制量が調整される。
なお、頭部撮影用コリメータ34Aは、X線ビームにおけるx軸方向のみの広がりの規制量を調整できるように構成されている。しかしながら、不動遮蔽板381,381をz軸方向に移動可能にすることによって、z軸方向についても広がりの規制量を調整可能としてもよい。もっとも、発生器側コリメータ22(図2参照)によって、X線ビームにおけるz軸方向の広がりを可変に規制することは可能である。
図25は、図22に示すF−F断面位置から見た第2検出器56Aを示す正面図である。本実施形態に係る第2検出器56Aは、第2検出器収容部54に固定されており、検出面561Aが略正方形もしくは略矩形とされている。検出面561Aの広さは、一度にX線ビーム(例えば、側面用X線ビームSCB1、正面用X線ビームFCB1等)を受光できる大きさとされている。このように本実施形態では、第2検出器56Aが充分に広い検出面561Aを有する。このため、医療用X線撮影装置1Aでは、第2検出器56Aを移動させる必要がない。したがって、医療用X線撮影装置1Aでは、医療用X線撮影装置1に設けられていた第2検出器56を移動させる移動機構(検出器移動機構58)及び当該移動を制御する制御部(検出器移動制御部75)が省略されている。第2検出器56Aの検出面561Aは、頭部HP1の撮影対象領域を透過した広域X線ビームを一度に検出する広域検出面の一例である。
<動作>
図26は、第2実施形態に係る医療用X線撮影装置1Aの動作を示すフロー図である。医療用X線撮影装置1Aにおいても、医療用X線撮影装置1と同様に、パノラマX線撮影モード、CT撮影モード及び頭部X線規格撮影モードの中から、特定の撮影モードの選択が行われる(ステップS10)。そして、選択された撮影モードに従って、各X線撮影のフローが実行される。
医療用X線撮影装置1AにおけるパノラマX線撮影のフロー及びCT撮影(第1撮影)のフローは、図19に示すパノラマX線撮影のフロー(ステップS100〜ステップS106)及びCT撮影のフロー(ステップS300〜ステップS308)と略同様である。また、医療用X線撮影装置1Aにおける頭部X線規格撮影のフローも、図19に示す頭部X線規格撮影のフロー(ステップS200〜ステップS210)と略同様である。しかしながら、本フローでは、第2検出器56Aは不動であるため、ステップS206は省略される。また、本フローでは、頭部撮影用コリメータ34Aについて、開口の位置だけでなく、開口の大きさも調整される(ステップS207A)。
<効果>
医療用X線撮影装置1Aでは、頭部X線規格撮影時において、発生器20から出射されたX線ビームのx軸方向の広がりが、第2検出器56Aまでの経路途中に配された第1検出器収容部3の頭部撮影用コリメータ34Aによって規制することができる。これによって、第2検出器56の近傍でX線ビームの広がりを規制する場合に比べて規制量を小さくできるため、規制部材を小型化できる。また、発生器20の近傍でX線の広がりを規制する場合に比べて散乱の影響が低減されるため、X線ビームの広がりを高精度に規制できる。したがって、頭部X線規格写真を良好に取得できる。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1,1A 医療用X線撮影装置
10 本体部
12 旋回軸
14 上部フレーム
16 旋回アーム駆動部
167 旋回駆動部
2 発生器収容部
20 発生器
22 発生器側コリメータ(X線規制部)
3 第1検出器収容部
30 第1検出器
32 待避移動機構
34 頭部撮影用コリメータ(スリット状コリメータ)
34A 頭部撮影用コリメータ(単射照射用コリメータ)
34S 開口(スリット)
36 線量低減フィルタユニット
360 線量低減フィルタ移動機構
4 旋回アーム
5 セファロユニット
50 アーム
52 頭部固定部
525 測定部
54 第2検出器収容部
56,56A 第2検出器
561 検出面(細長状検出面)
561A 検出面
58 検出器移動機構(検出面移動機構)
60 被写体保持部
70 本体制御部
71 旋回アーム駆動制御部(旋回制御部)
72 待避移動制御部
73 X線規制制御部
74 被写体位置制御部
75 検出器移動制御部
76 フィルタ移動制御部
80 操作部
811 撮影モード選択部
815 撮影領域設定部
90 画像処理部
92 記憶部
94 画像表示用モニタ
AGU 入射角度
B1 X線ビーム
CB1 X線コーンビーム
CBC1 センタービーム
CBX1 X線コーンビーム
DTP 受光位置
EVP 待避位置
F1 線量低減フィルタ
FCB1 正面用X線ビーム
HP1,HP1a,HP1b 頭部
NB1 頭部X線規格撮影用の細隙X線ビーム
PNB1 パノラマX線撮影用の細隙X線ビーム
RL1,RL3 透過許容部
RL2 透過許容部(軟X線除去フィルタ,X線透過性金属板)

Claims (15)

  1. X線ビームを発生させる発生器と、
    前記発生器からの前記X線ビームを検出する第1検出器を内部に収容する検出器収容部と、
    前記発生器及び前記第1検出器が対向可能となるように前記発生器及び前記検出器収容部を支持する支持部と、
    前記支持部を旋回させる旋回駆動部と、
    頭部をX線撮影する頭部X線規格撮影の際に、前記頭部を透過した前記X線ビームを検出する第2検出器と、
    前記頭部X線規格撮影の際に前記頭部を固定する頭部固定部と、
    を備え、
    前記第1検出器が前記X線ビームを受けて撮影する第1撮影、及び、前記第2検出器が前記X線ビームを受けて前記頭部X線規格撮影する第2撮影を実行可能に構成された医療用X線撮影装置であって、
    前記第2撮影の際、前記検出器収容部が前記発生器と前記第2検出器との間に位置するように前記旋回駆動部を制御する旋回駆動制御部と、
    前記第1検出器を、前記第1撮影の際に前記X線ビームを受ける受光位置と、前記第2撮影の際に前記第2検出器に向かう前記X線ビームの光路上から待避する待避位置との間で移動させる待避移動機構と、をさらに備え、
    前記検出器収容部は、
    前記発生器から前記第2検出器に向かう前記X線ビームの広がりを規制する頭部撮影用X線規制部と、
    前記検出器収容部の外装部を構成しており、前記発生器から前記第2検出器に向かう前記X線ビームを透過させる透過許容部と、
    を備える、医療用X線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記頭部撮影用X線規制部は、前記第2検出器に向かう前記X線ビームの広がりを可変に規制する、医療用X線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記頭部撮影用X線規制部が、前記頭部のうち顎顔面を除く領域へ前記X線ビームが照射されることを抑制する、医療用X線撮影装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記頭部撮影用X線規制部は、
    前記X線ビームを一方向に延びるスリットによって規制して、X線の細隙ビームを形成するスリット状コリメータと、
    前記スリットを移動させることによって、前記細隙ビームで撮影対象領域を走査するスリット移動機構と、を備え、
    前記第2検出器は、
    前記細隙ビームを検出する細長状検出面と、
    前記細隙ビームの移動に同期して前記細長状検出面を移動させる検出面移動機構と、を備える、医療用X線撮影装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記頭部撮影用X線規制部は、
    前記X線ビームを規制することによって、前記頭部における撮影対象領域に照射される広域X線ビームを形成する単射照射用コリメータ、
    を備え、
    前記広域X線ビームは、前記単射照射用コリメータによって前記撮影対象領域の全体に同時にX線の照射を行うように規制され、
    前記第2検出器は、
    撮影対象領域を透過した前記広域X線ビームを一度に検出する広域検出面、
    を備える、医療用X線撮影装置。
  6. 請求項5に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記単射照射用コリメータは、前記第2撮影において、前記頭部の正面を撮影する場合と前記頭部の側面を撮影する場合とで、前記X線ビームの広がりを規制する規制量を変更する、医療用X線撮影装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記第1撮影を実行する第1撮影モード及び前記第2撮影を実行する第2撮影モードを含む複数の撮影モードから、特定の撮影モードの選択を受け付ける撮影モード選択受付部、
    をさらに備え、
    前記撮影モード選択受付部が前記第2撮影モードの選択を受け付けることで、前記待避移動機構が前記第1検出器を前記待避位置に移動させる、医療用X線撮影装置。
  8. 請求項7に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記発生器を内部に収容しており、前記支持部によって支持される発生器収容部と、
    前記発生器収容部の内部に収容され、遮蔽板によって前記発生器のX線管から出射されたX線を部分的に遮蔽することで前記X線ビームを形成し、前記X線ビームの照射範囲を規制するX線規制部と、
    をさらに備え、
    前記撮影モード選択受付部が受け付けた撮影モードに応じて、前記X線規制部が前記遮蔽板を移動させることによって、前記X線ビームの照射範囲が変更される、医療用X線撮影装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記第1撮影が、パノラマX線撮影及びCT撮影のうち少なくともいずれか一方である、医療用X線撮影装置。
  10. 請求項8に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記第1撮影として、パノラマX線撮影及びCT撮影が含まれ、
    前記X線規制部は、前記パノラマX線撮影では前記第1検出器の検出面に対して上向きに照射されるように前記X線ビームを規制し、前記CT撮影では前記第1検出器の検出器に対して直角に入射するように前記X線ビームを規制する、医療用X線撮影装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記旋回駆動部は、前記支持部を前記発生器及び前記検出器収容部との間の位置に設定された旋回軸周りに旋回させ、
    前記待避移動機構は、前記第1検出器を前記旋回軸の軸方向に沿って移動させる、医療用X線撮影装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記検出器収容部に収容されており、前記第2検出器に向かう前記X線ビームのうち一部の線量を低減する線量低減フィルタ、
    をさらに備える、医療用X線撮影装置。
  13. 請求項12に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記検出器収容部に収容されており、線量低減フィルタを前記頭部における軟組織の位置に合わせて移動させる線量低減フィルタ移動機構、
    をさらに備える、医療用X線撮影装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記検出器収容部に設けられており、前記第2検出器に向かう前記X線ビームのうちの軟X線を除去する軟X線除去フィルタ、をさらに備える医療用X線撮影装置。
  15. 請求項14に記載の医療用X線撮影装置であって、
    前記軟X線除去フィルタが、前記透過許容部を構成するX線透過性金属板である、医療用X線撮影装置。
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