JP6321508B2 - 集電部材、複合材料及び集電装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料によって形成されており、被接触部と摺動することによって集電する集電部材、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料、及び電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置に関する。
パンタグラフのすり板に使用される材料は、主に金属系と炭素系とに大別される。金属系のすり板は、銅や鉄を主成分とする焼結合金が多く、一部アルミニウム合金が補助すり板に使用されている。従来の焼結合金製集電子は、潤滑剤成分として黒鉛又は金属硫化物、潤滑強化成分としてビスマス、焼結素地成分として燐及びスズ、残余に銅からなる粉末原料を混合して圧縮成形し加熱して焼結体にしている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の焼結合金製集電子は、架線と集電子との間の潤滑機能が低下したときにビスマスによって潤滑性を補足して摩耗を抑制するとともに、焼結素地形成時に燐の脱酸作用によって金属成分を浄化して母体合金の機械的強度を高めている。
特開2001-234265号公報
パンタグラフのすり板は、摩耗に強く長期間の使用に耐えるとともに、導電性が高く、トロリ線との接触抵抗が小さいことが必要である。しかし、従来の金属系すり板は、炭素系すり板に比べて強度に優れているが重く、炭素系すり板に比べて潤滑性が劣るという問題点がある。
この発明の課題は、軽量で潤滑性が高く耐摩耗性に優れ容易に製造することができる集電部材、複合材料及び集電装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3、図4、図6及び図7に示すように、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料によって形成されており、被接触部(1a;1b)と摺動することによって集電する集電部材であって、前記被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層(10a;13a)と、前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層(10b;13b)と、前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層(10c;13c)とを備え、前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層は、積層構造に形成されており、前記第1のアルミニウム合金層は、Al-Si系アルミニウム合金によって形成されており、前記第2のアルミニウム合金層は、炭素繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されており、前記第3のアルミニウム合金層は、アルミナ繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されていることを特徴とする集電部材(9A,9B;12)である。
請求項2の発明は、図3、図4、図6及び図7に示すように、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料であって、被接触部(1a;1b)との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層(10a;13a)と、前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層(10b;13b)と、前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層(10c;13c)とを備え前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層は、積層構造に形成されており、前記第1のアルミニウム合金層は、Al-Si系アルミニウム合金によって形成されており、前記第2のアルミニウム合金層は、炭素繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されており、前記第3のアルミニウム合金層は、アルミナ繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されていること特徴とする複合材料(9A,9B;12)である。
請求項3の発明は、図3に示すように、電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、請求項1に記載の集電部材を備え、前記集電部材は、トロリ線(1a)と摺動するすり板の主要部分を構成する主すり板(9A)であることを特徴とする集電装置(3)である。
請求項4の発明は、図3に示すように、電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、請求項1に記載の集電部材を備え、前記集電部材は、トロリ線(1a)と摺動するすり板の補助的部分を構成する補助すり板(9B)であることを特徴とする集電装置(3)である。
請求項5の発明は、図6に示すように、電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、請求項1に記載の集電部材を備え、前記集電部材は、導電レール(1b)と摺動する集電靴(12)であることを特徴とする集電装置(11)である。
請求項6の発明は、図3図7に示すように、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料によって形成されており、被接触部(1a;1b)と摺動することによって集電する集電部材の製造方法であって、前記集電部材は、前記被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層(10a;13a)と、前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層(10b;13b)と、前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層(10c;13c)とを備え、前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層が積層構造に形成されるように、炭素繊維を含有するプリフォームとアルミナ繊維を含有するプリフォームとにAl-Si系アルミニウム合金の溶湯を高圧で流し込む高圧鋳造工程(#130)を含むことを特徴とする集電部材(9A,9B;12)の製造方法(#100)である。
請求項7の発明は、図3図7に示すように、複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料の製造方法であって、前記複合材料は、被接触部(1a;1b)との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層(10a;13a)と、前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層(10b;13b)と、前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層(10c;13c)とを備え前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層が積層構造に形成されるように、炭素繊維を含有するプリフォームとアルミナ繊維を含有するプリフォームとにAl-Si系アルミニウム合金の溶湯を高圧で流し込む高圧鋳造工程を含むことを特徴とする複合材料(9A,9B;12)の製造方法(#100)である。
この発明によると、軽量で潤滑性が高く耐摩耗性に優れ容易に製造することができる。
この発明の第1実施形態に係る集電部材を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る集電部材を備える集電装置を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る集電部材を備える集電装置を概略的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る集電部材を模式的に示す外観図であり、(A)は斜視図であり、(B)は平面図であり、(C)は正面図であり、(D)は側面図であり、(E)は(B)のIV-IVE線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る集電部材の製造方法の工程図である。 この発明の第2実施形態に係る集電部材を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る集電部材を模式的に示す外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図であり、(C)は側面図であり、(D)は(A)のVII-VIID線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の実施例に係る物理特性試験片の外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。 この発明の実施例に係る物理特性試験片の断面組織を示す写真である。 この発明の実施例に係る物理特性試験片の電気抵抗率の測定回路の模式図である。 この発明の実施例に係る摩耗試験片の外観図であり、(A)は斜視図であり、(B)は平面図である。 この発明の実施例及び比較例に係る摩耗試験片を摩耗試験するときに使用した摩耗試験機を概略的に示す構成図である。 この発明の実施例及び比較例に係る摩耗試験片のすり板摩耗量の比較結果を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図3に示す架線1は、線路上空に架設される架空式電車線路である。架線1は、所定の間隔をあけて支持点で支持されており、トロリ線1aなどを備えている。トロリ線1aは、集電装置3が接触移動する電車線路(電線)であり、集電装置3が摺動することによって、図2に示す車両2に負荷電流を供給する。トロリ線1aには、図1〜図3に示す集電装置3のすり板9Aが左右方向に平均的に摩耗して、このすり板9Aの同一箇所をトロリ線1aが摺動しないように、トロリ線1aの数径間周期でジグザグ偏位(左右偏位)がトロリ線偏位として付与されている。図2に示す車両2は、電車又は電気機関車などの電気車であり、例えば新幹線(登録商標)又は在来線の鉄道車両である。車体2aは、乗客又は貨物を積載し輸送するための構造物である。
集電装置3は、トロリ線1aから電力を車両2に導くための装置である。集電装置3は、図2に示す台枠4と、碍子(がいし)5と、図1及び図2に示す枠組6と、図1〜図3に示す集電舟(舟体)7と、ホーン8と、すり板9A,9Bなどを備えている。図2に示す台枠4は、枠組6を支持して車体2aの屋根上に設置される部材であり碍子5上に設置されている。碍子5は、車体2aと台枠4との間を電気的に絶縁する部材である。図1及び図2に示す枠組6は、集電舟7を支持する部材であり、集電舟7を支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構である。枠組6は、台枠4に取り付けられて上昇力を付与する主ばね(押上げ用ばね)によって上方に押上げられている。枠組6は、舟支え部6aと、上枠6bと、下枠6cと、屈曲部(関節部)6dなどを備えている。舟支え部6aは、集電舟7を支持する部分である。舟支え部6aは、集電舟7を架線1に対して水平に押上げる機構部である。上枠6bは、舟支え部6aに回転自在に連結される部材であり、下枠6cは図示しない主軸に固定される部材であり、屈曲部6dは上枠6bと下枠6cとが回転自在に連結される中間ヒンジとして機能する部分である。集電装置3は、車両2の進行方向(図中A方向)に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム型パンタグラフである。
図1〜図3に示す集電舟7は、すり板9A,9Bが取り付けられ支持される部材である。集電舟7は、一般にトロリ線1aと直交する方向(まくらぎ方向)に伸びた細長い金属製の柱状部材である。集電舟7は、図1〜図3に示すホーン8と、図1〜図3に示すすり板9A,9Bなどを備えている。集電舟7は、図2に示すように、この集電舟7の中心軸に対して前後対称であり、前後がいずれも同一形状に形成されており、この集電舟7の下面が舟支え部6aに支持されている。図1〜図3に示す集電舟7は、例えば、すり板9Aが複数に分割された多分割すり板体であり、すり板9Aを多数のすり板片に分割することによって、トロリ線1aと接触して加振されるすり板9Aの質量を低減し、トロリ線1aに対する追従性能を向上させた新幹線用(高速用)パンタグラフの集電舟である。
図1〜図3に示すホーン8は、車両2が分岐器を通過するときに、この分岐器の上方で交差する2本のトロリ線1aのうち車両2の進行方向とは異なる方向のトロリ線1aへの割込みを防止するための部材である。ホーン8は、集電舟7の長さ方向の両端部から突出しており、先端部が湾曲して形成された金属製の部材である。
図1〜図3に示すすり板9A,9Bは、トロリ線1aと摺動する部材である。すり板9A,9Bは、車両2の進行方向と直交する方向に伸びた板状部材である。すり板9A,9Bは、集電舟7とは別個に製造される別部品であり、集電舟7と一体に取り付けられている。図1及び図3に示すすり板9Aは、車両2が本線走行時に主にトロリ線1aと摺動しており、トロリ線1aと摺動するすり板9A,9Bの主要部分を構成する主すり板であり、複数並べた状態で配置されている。すり板9Aは、例えば、外観形状が略平行四辺形の薄板状部材であり、集電舟7の中央部に取り付けられている。すり板9Bは、主すり板に比べて摺動頻度が低く、トロリ線1aと摺動するすり板9A,9Bの補助的部分を構成する補助すり板である。すり板9Bは、例えば、すり板9Aと隣接する側の端面が集電舟7の長さ方向に対して斜めに形成され、すり板9Aと隣接する側とは反対側の端面が集電舟7の長さ方向に対して略直交して形成されている薄板状部材であり、集電舟7の両端部に取り付けられている。すり板9A,9Bは、図3に示すように、集電舟7の進行する方向(すり板9A,9Bの長さ方向と直交する方向)に対して所定の傾斜角度で両端部が斜めに直線状に切断されている。すり板9A,9Bには、トロリ線1aと接触移動(摺動)して大電流が流れるため、一定の機械的強度、導電性及び耐摩耗性などが要求される。
図1〜図4に示すすり板9A,9Bは、複数のアルミニウム合金層10a〜10cによる複合化された複合材料によって形成されており、トロリ線1aと摺動することによって集電する集電部材である。すり板9A,9Bは、強度、熱伝導性、潤滑性及び軽量性を兼ね備えた集電摺動用の金属基複合材料であり、炭素繊維(カーボンファイバー)及び/又は気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)を軽量なアルミニウム合金材に複合させて3層の多層構造に形成されている。すり板9A,9Bは、図4に示すように、トロリ線1aと摺動する順に、アルミニウム合金層10aと、アルミニウム合金層10bと、アルミニウム合金層10cとを備えている。すり板9A,9Bは、このすり板9A,9Bの進行方向前側から進行方向後側に向かってアルミニウム合金層10a、アルミニウム合金層10b及びアルミニウム合金層10cの順に積層されている。
図4に示すアルミニウム合金層10aは、トロリ線1aとの間の導電を担う導電用アルミニウム合金層である。アルミニウム合金層10aは、Al-Si系アルミニウム合金によって形成されている。アルミニウム合金層10aは、例えば、Cuが0.8〜1.3%、Siが11.0〜13.0%、Mgが0.7〜1.3%、Znが0.15%以下、Feが0.8%以下、Mgが0.15%以下、Niが0.8〜1.5%、Tiが0.20%以下、Pbが0.05%以下、Snが0.05%以下、Crが0.10%以下、残部がAlであり、熱膨張係数が小さく耐熱性及び耐摩耗性に優れたJIS AC8AのようなAl-Si-Cu-Ni-Mg系のアルミニウム合金鋳物によって形成することが好ましい。アルミニウム合金層10aは、トロリ線1aと接触する側の表面が略平行四辺形状の平面に形成されており、一定の厚さ及び高さで形成されている。
アルミニウム合金層10bは、トロリ線1aとの間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和用アルミニウム合金層である。アルミニウム合金層10bは、炭素繊維を含有するAl-Si系アルミニウム合金によって形成されており、AC8AのようなAl-Si-Cu-Ni-Mg系のアルミニウム合金鋳物によって形成することが好ましい。炭素繊維の配合量は、5vol%未満であると潤滑性が出ない問題があり、50vol%を超えると強度低下の問題があるため、5vol%以上50vol%以下に調整することが好ましい。アルミニウム合金層10bは、電気、熱及び力学特性に優れたカーボンナノチューブ(Carbon nanotube(CNT))の一種である気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber(商品名VGCF-H))を炭素繊維に代えて又は炭素繊維とともに含有させて形成することもできる。ここで、気相法炭素繊維は、気相法によって合成されたカーボンナノファイバーであり、熱伝導性、導電性、強度特性、摺動性(潤滑性)及び復元力(反発力)に優れた炭素繊維である。気相法炭素繊維は、CVD法によって合成された高結晶性及び高純度のカーボンナノチューブであり、繊維の平均径が150nmであり電気伝導性、熱伝導性、摺動性フィラー又は樹脂などの強化用炭素繊維(ウィスカー状)として優れた機能を発揮する。気相法炭素繊維の配合量は、2vol%未満であると熱伝導性と潤滑性が出ない問題があり、8vol%を超えると強度低下の問題があるため、2vol%以上8vol%以下に調整することが好ましい。アルミニウム合金層10bは、アルミナ繊維を含有させて形成することもできる。アルミナ繊維の配合量は、5vol%未満であると耐摩耗性が出ない問題があり、20vol%を超えると強度低下の問題があるため、5vol%以上20vol%以下に調整することが好ましい。アルミニウム合金層10bは、アルミニウム合金層10aと同様に、トロリ線1aと接触する側の表面が略平行四辺形状の平面に形成されており、一定の厚さ及び高さで形成されている。
アルミニウム合金層10cは、トロリ線1aからの荷重を負荷する荷重負荷用アルミニウム合金層である。アルミニウム合金層10cは、アルミナ繊維を含有するAl-Si系アルミニウム合金によって形成されており、AC8AのようなAl-Si-Cu-Ni-Mg系のアルミニウム合金鋳物によって形成することが好ましい。アルミナ繊維の配合量は、5vol%未満であると耐摩耗性が出ない問題があり、20vol%を超えると強度低下の問題があるため、5vol%以上20vol%以下に調整することが好ましい。アルミニウム合金層10cは、アルミニウム合金層10a及びアルミニウム合金層10bと同様に、トロリ線1aと接触する側の表面が略平行四辺形状の平面に形成されており、一定の厚さ及び高さで形成されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る集電部材の製造方法について説明する。
図5に示す製造方法#100は、複数のアルミニウム合金層10a〜10cによる複合化された複合材料を製造することによって、トロリ線1aと摺動することによって集電する集電部材を製造する方法である。製造方法#100では、炭素繊維及び/又は気相法炭素繊維などを含有するプリフォーム(中空予成形体)を形成し、このプリフォームにアルミニウム合金を高圧で流し込み、軽量なアルミニウム合金材に複合させて多層構造のすり板9A,9Bが形成される。製造方法#100は、プリフォーム形成工程#110と、プリフォーム形成工程#120と、高圧鋳造工程#130とを含む。
プリフォーム形成工程#110は、炭素繊維を含有する炭素繊維プリフォームを形成する工程である。プリフォーム形成工程#110では、炭素繊維を含有するアルミニウム合金層10bを形成する場合には、炭素繊維を入れた水系分散媒を成形型に入れて分散媒を含む液を除去し所定形状の媒質体を成形する工程と、この媒質体を乾燥させて非酸化雰囲気下で焼成して所定の形状に加工し焼結体の炭素繊維プリフォームを製造する工程とを含む。プリフォーム形成工程#110は、気相法炭素繊維及び炭素繊維を含有するアルミニウム合金層10bを形成する場合には、気相法炭素繊維、界面活性剤及びバインダーを含むスラリーを乾燥させて造粒体を製造する工程と、この造粒体及び炭素繊維を入れた水系分散媒を成形型に入れて分散媒を含む液を除去し所定形状の媒質体を成形する工程と、この媒質体を乾燥させて非酸化雰囲気下で焼成して所定の形状に加工し焼結体の炭素繊維プリフォームを製造する工程とを含む。プリフォーム形成工程#110は、気相法炭素繊維、炭素繊維及びアルミナ繊維を含有するアルミニウム合金層10bを形成する場合には、気相法炭素繊維、界面活性剤及びバインダーを含むスラリーを乾燥させて気相法炭素繊維の造粒体を製造する工程と、この気相法炭素繊維の造粒体、炭素繊維及びアルミナ繊維を入れた水系分散媒を成形型に入れて分散媒を含む液を除去し所定形状の媒質体を成形する工程と、この媒質体を乾燥させて非酸化雰囲気下で焼成して所定の形状に加工し焼結体の炭素繊維プリフォームを製造する工程とを含む。プリフォーム形成工程#110では、炭素繊維プリフォームの厚さを任意の厚さに形成することによって、アルミニウム合金層10bの厚さが調整される。
プリフォーム形成工程#120は、アルミナ繊維を含有するアルミナ繊維プリフォームを形成する工程である。プリフォーム形成工程#120は、アルミナ繊維を入れた水系分散媒を成形型に入れて分散媒を含む液を除去し所定形状の媒質体を成形する工程と、この媒質体を乾燥させて非酸化雰囲気下で焼成して所定の形状に加工し焼結体のアルミナ繊維プリフォームを製造する工程とを含む。プリフォーム形成工程#120では、アルミナ繊維プリフォームの厚さを任意の厚さに形成することによって、アルミニウム合金層10cの厚さが調整される。
高圧鋳造工程#130は、プリフォーム形成工程#110において形成された炭素繊維プリフォームと、プリフォーム形成工程#120において形成されたアルミナ繊維プリフォームとにアルミニウム合金を高圧で流し込む工程である。高圧鋳造工程#130では、アルミナ繊維プリフォーム上に炭素繊維プリフォームを重ねた状態で金型内に配置し、高圧鋳造法によってAC8A材のアルミニウム合金の溶湯を金型内に上から高圧で流し込む。その結果、高圧鋳造工程#130では、下層部にアルミニウム合金層10cが形成され、中層部にアルミニウム合金層10bが形成され、上層部にアルミニウム合金層10aが形成され、アルミニウム合金層10a〜10cからなる複合化された3層構造のすり板9A,9Bが形成される。
この発明の第1実施形態に係る集電部材、複合材料及び集電装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、トロリ線1aと摺動する順に、トロリ線1aとの間の導電を担うアルミニウム合金層10aと、トロリ線1aとの間の摩擦抵抗を緩和するアルミニウム合金層10bと、トロリ線1aからの荷重を負荷するアルミニウム合金層10cとをすり板9A,9Bが備えている。このため、例えば、カーボンファイバーやカーボンナノチューブを軽いアルミニウム合金材に複合させるとともにすり板9A,9Bを3層構造にすることによって、強度に優れ、熱伝導性、耐摩耗性、潤滑性及び軽量性を兼ね備えたすり板9A,9Bを形成することができる。また、簡単な加圧鋳造法によってすり板9A,9Bを作成することができるため、すり板9A,9Bの量産化を図り安価に製造することができる。
(2) この第1実施形態では、アルミニウム合金層10aがAl-Si系アルミニウム合金によって形成されている。このため、例えば、AC8AのようなAl-Si系アルミニウム合金によってアルミニウム合金層10aを形成し、3層構造のすり板9A,9Bのうち最も導電率が高いアルミニウム合金層10aにトロリ線1aとの導電を担わせることができる。その結果、すり板9A,9Bの軽量化及び熱伝導性を図ることができる。
(3) この第1実施形態では、アルミニウム合金層10bが炭素繊維を含有するAl-Si系アルミニウム合金によって形成されている。このため、アルミニウム合金層10bを固形潤滑剤として機能させて、すり板9A,9Bに自己潤滑性を付与することができ、トロリ線1aとすり板9A,9Bとの間の摩擦抵抗を緩和し摩擦係数を小さくすることができる。その結果、トロリ線1a及びすり板9A,9Bの摩耗を低減することによって、トロリ線1aの張り替えやすり板9A,9Bの交換などに必要な費用を低減することができる。また、従来の焼結合金すり板と併用される固形潤滑材が不要になるため、集電装置の構造が簡単になり低コスト化を図ることができる。
(4) この第1実施形態では、アルミニウム合金層10cがアルミナ繊維を含有するAl-Si系アルミニウム合金によって形成されている。このため、アルミナ繊維を包含するAl-Si系アルミニウム合金によってアルミニウム合金層10cを形成し、3層構造のすり板9A,9Bのうち最も硬度の高いアルミニウム合金層10cによってトロリ線1aからの荷重を負荷することができる。
(5) この第1実施形態では、トロリ線1aと摺動するすり板9A,9Bの主要部分を構成する主すり板がアルミニウム合金層10a〜10cによって複合化された複合材料である。このため、強度に優れ、熱伝導性、耐摩耗性、潤滑性及び軽量性を兼ね備えたすり板9Aを形成することができる。また、簡単な加圧鋳造法によってすり板9Aを製造することができるため、すり板9Aの量産化を図り安価に製造することができる。
(6) この第1実施形態では、トロリ線1aと摺動するすり板9A,9Bの補助的部分を構成する補助すり板がアルミニウム合金層10a〜10cによって複合化された複合材料である。このため、補助すり板及びトロリ線1aの摩耗が低減し、補助すり板を長期間交換せずに使用することができるとともにトロリ線1aの部分補修の必要が低減し、低コスト化を図ることができる。
(第2実施形態)
図6及び図7に示す導電レール1bは、集電装置11の集電靴12が摺動する電車線路(第三軌条式電車線路(第三レール))であり、支持碍子によって支持された状態で軌道の側方に沿って軌道と平行に敷設されている。導電レール1bは、鉄道車両の車輪を支持する通常の走行用レールとは異なり、車両に電力を供給するための集電用レールであり、車両に負荷電流を供給することを目的として使用される。
図6に示す集電装置11は、導電レール1bと摺動する集電靴12によってこの導電レール1bから集電する装置である。集電装置11は、導電レール1bから電力を導く集電機能を有する。集電装置11は、導電レール1bの長さ方向(B方向)に移動しながら、導電レール1bの頭頂面に集電靴12の下面を摺動させて集電する第三軌条式集電装置である。
図6及び図7に示す集電靴12は、導電レール1bと摺動する部材である。集電靴12は、図1〜図4に示すすり板9A,9Bと同一構造であり、複数のアルミニウム合金層13a〜13cによる複合化された複合材料によって形成されており、導電レール1bと摺動することによって集電する集電部材である。集電靴12は、軌道上を走行する台車に集電装置11によって絶縁材を介して取り付けられており、図示しないばねによって導電レール1bに押し付けられている。集電靴12は、すり板9A,9Bと同様に、強度、熱伝導性、潤滑性及び軽量性を兼ね備えた集電摺動用の金属基複合材料であり、炭素繊維及び/又は気相法炭素繊維を軽量なアルミニウム合金材に複合させて3層の多層構造に形成されている。集電靴12は、図6及び図7に示すように、導電レール1bと摺動する順に、図4に示すアルミニウム合金層10aと同様のアルミニウム合金層13aと、アルミニウム合金層10bと同様のアルミニウム合金層13bと、アルミニウム合金層10cと同様のアルミニウム合金層13cとを備えている。集電靴12は、この集電靴12の進行方向前側から進行方向後側に向かってアルミニウム合金層13a、アルミニウム合金層13b及びアルミニウム合金層13cの順に積層されている。この第4実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
次に、この発明の実施例について説明する。
(物理特性試験)
アルミニウム、アルミナ繊維及び炭素繊維の複合材料にカーボンナノチューブの一種で気相法炭素繊維を添加したアルミニウム複合材のパンタグラフすり板への適用可能性を評価するために物理特性試験を実施した。
(物理特性試験片)
図8は、実施例1〜3に係る物理特性試験片の外観図であり、図8に示す寸法の単位はmmである。図9は、実施例1に係る物理特性試験片の断面組織を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製S-3400N)により観察した写真である。表1は、この発明の実施例1〜3に係る物理特性試験片の緒元である。表1に示す実施例1〜3は、物理特性試験に使用する供試材であり高圧鋳造法によって作製した物理特性試験片である。物理特性試験は、図4に示すアルミニウム合金層10bに相当する実施例1〜3に対して実施した。実施例1〜3は、表1に示すように、VGCF及びAFの添加の効果を調べるために3種を製造した。
表1に示す気相法炭素繊維(以下、VGCFという)は、代表特性が繊維径150nm、密度2.1g/cm3、比表面積13m2/g、熱伝導率1200W/mK、導電率1×10-4Ωcmの昭和電工(株)製VGCF-Hを使用した。VGCF用の界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを18%含む水溶液を使用した。VGCF用のバインダーは、ポリビニルメチルエーテル(PVME)を使用した。
炭素繊維(以下、CFという)は、平均長さ50μm、密度2.22g/cm3、熱伝導率900W/mK、導電率1.5×10-6Ωcm、サイジング剤なしの日本グラファイトファイバー(株)製GRANOCミルドファイバーXN-100-05Mを使用した。
アルミナ繊維(以下、AFという)は、化学組成がAl2O396.5%、SiO23.3%、平均繊維径3〜5μm、ショット量0.5〜1.5%、真比重3.2〜3.6、融点2000℃以上、比熱1.13〜1.20×103の電気化学工業(株)製デンカアルセンB97を使用した。
実施例1は、VGCF及びCFを合せて33.0vol%、残部がAC8Aであるアルミニウム合金である。実施例2は、CFが37.2vol%、残部がAC8Aであるアルミニウム合金である。実施例3は、VGCF、CF及びAFが合わせて39.3vol%、残部がAC8Aであり、アルミニウム合金である。なお、実施例1,3については、VGCFの体積比率を計測できないため、VGCFの添加量5vol%を目標値とした。また、実施例3については、VGCFを除く残りのCF及びAFの添加量を1:1に配合した。
(実施例1)
表1に示すVGCF 120g、VGCF用の界面活性剤を4.5g及びVGCF用のバインダー4.5gを水15L中に入れて混合し、この混合液を30分超音波処理(200W、20kHz)してスラリーを作製した。このスラリーを供給量が2.7Lとなるようにアトマイザー方式のスプレードライヤ装置に供給し、アトマイザーの回転数20000rpm、乾燥用空気噴出口の温度250℃、排出口の温度112℃で乾燥し、VGCFの造粒体を作製した。次に、表1に示す体積比率のVGCFの造粒体及びCFを水中に添加し、バインダーとしてシリカゾル及びアリミナゾルを加え、凝集剤としてポリアクリルアミドを加えて分散液を作製した。この分散液及び成形型を容器に入れて分散媒吸引装置で分散媒を除去し、媒質体を作製した。この媒質体を120℃で8時間乾燥し、残った媒質媒を除去し、乾燥した媒質体を窒素ガス炉によって400℃2時間焼成してプリフォームを製造した。次に、このプリフォームをNCフライスなどによって加工して形状を整えて成形型内に配置し、800〜850℃に溶融したAC8Aの溶湯を高圧鋳造法によって196MPaの圧力をかけて含浸させて、成形型内をアルミニウム合金で満たした。含浸後に冷却して固化することでVGCF、CF及びアルミニウム合金を複合化させた金属複合材を得た。
(実施例2)
表1に示す体積比率のCFを水中に添加し、バインダーとしてシリカゾル及びアリミナゾルを加え、凝集剤としてポリアクリルアミドを加えて混合し分散液を作製した。この分散液及び成形型を容器に入れて分散媒吸引装置で分散媒を除去し、媒質体を作製した。この媒質体を120℃で8時間乾燥し、残った媒質媒を除去し、乾燥した媒質体を窒素ガス炉によって400℃2時間焼成してプリフォームを製造した。次に、このプリフォームをNCフライスなどによって加工して形状を整えて成形型内に配置し、800〜850℃に溶融したAC8Aの溶湯を高圧鋳造法によって196MPaの圧力をかけて含浸させて、成形型内をアルミニウム合金で満たした。含浸後に冷却して固化することでCF及びアルミニウム合金を複合化させた金属複合材を得た。
(実施例3)
VGCF 120g、VGCF用の界面活性剤4.5g及びVGCF用のバインダー4.5gを水15L中に入れて混合し、この混合液を30分超音波処理(200W、20kHz)してスラリーを作製した。このスラリーを供給量が2.7Lとなるようにアトマイザー方式のスプレードライヤ装置に供給し、アトマイザーの回転数20000rpm、乾燥用空気噴出口の温度250℃、排出口の温度112℃で乾燥し、VGCFの造粒体を作製した。次に、表1に示す体積比率のVGCFの造粒体、CF及びAFを水に添加し、バインダーとしてシリカゾル及びアリミナゾルを加え、凝集剤としてポリアクリルアミドを加えて分散液を作製した。この分散液と成形型を容器に入れて分散媒吸引装置で分散媒を除去し、媒質体を作製した。この媒質体を120℃で8時間乾燥し、残った媒質媒を除去し、乾燥した媒質体を窒素ガス炉によって400℃で2時間焼成してプリフォームを製造した。次に、このプリフォームをNCフライスなどによって加工して形状を整えて成形型内に配置し、800〜850℃に溶融したAC8Aの溶湯を高圧鋳造法によって196MPaの圧力をかけて含浸させて、成形型内をアルミニウム合金で満たした。含浸後に冷却して固化することでVGCF、CF、AF及びアルミニウム合金を複合化させた金属複合材を得た。
(試験方法)
物理特性試験の測定項目は、密度、抵抗率、ショア硬さ、曲げ強さ及びシャルピー衝撃値である。測定方法は、社団法人日本鉄道車輌工業会規格JRIS E 6301(2005)「鉄道車両−パンタグラフ用すり板」に準じた。実施例1〜3は、従来の材料区分には存在しないアルミニウム複合材料であるため、4種「炭素を主体とした金属を含む材料」の場合の項目について試験を行った。試験数は、密度、抵抗率及びショア硬さに関しては6本、曲げ強さ及びシャルピー衝撃値に関してはそれぞれ3本とした。
(密度)
密度は、車両用炭素ブラシ(JRS15237-1G-15AR0E)に準じてかさ密度を測定した。かさ密度は、実施例1〜3の質量を体積で除して算出した。質量は、実施例1〜3をデシケータ内で乾燥させたのち電子天秤で測定した。体積は、図8に示す実施例1〜3の長手方向の寸法及び測点1〜3の3点で測定した厚さと幅の平均値から算出した。
(電気抵抗率)
電気抵抗率は、JRS15237-1G-15AR0E(JRIS E 6301)に準じて4端子法により測定した。電気抵抗率の測定は、図10に示すように、実施例1〜3の長手方向に通電しながらこれらの物理特性試験片の表面の2点間の電位差を測定し、以下に示す数1によって抵抗率βを算出した。電気抵抗率の測定には、図10に示す直流電源(菊水電子製PAD55-20L)、電圧計(ヒューレットパッカード製3878Aマルチメータ)及び電流計(横河電機製2011)を使用した。
ここで、数1に示すΔUは測定電位差であり、Iは通電電流であり、dは電位差測定点間距離であり、Sは実施例1〜3の平均断面積である。物理特性試験では、通電電流Iは1.0A(電源電圧30V)であり、電位差測定点間距離dは15mmであり、平均断面積Sは密度の算出時に用いた実施例1〜3の平均断面積とした。電気抵抗率の測定は、実施例1〜3の圧面及び側面で行った。
(ショア硬さ)
ショア硬さは、JIS Z 2246に準じて測定した。ショア硬さの測定には、前川試験機製作所製の硬試験機ショア―式を使用した。ショア硬さの測定は、圧面及び側面に対して図8に示す測点1〜3の3点でそれぞれ行った。
(曲げ強さ)
曲げ強さの測定は、JRIS E 6310に準じて3点曲げ試験を行い、以下の数2によって曲げ強さを算出した。曲げ強さの測定には、島津製作所製AG-I50kNを使用した。
ここで、数2に示すσBは曲げ強さ(MPa)であり、Pは荷重であり、lは支点間距離であり、bは実施例1〜3の幅であり、hは実施例1〜3の厚さである。曲げ強さの測定では、支点間距離lは40mmとし、曲げ強さの測定は実施例1〜3の側面で行った。
(シャルピー衝撃試験)
シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242に準じてシャルピー衝撃値を測定した。シャルピー衝撃値の測定には、前川試験機製作所のシャルピー衝撃試験機3Jを使用した。シャルピー吸収エネルギーK(J)は、以下の数3に示す簡易式によって算出した。
ここで、数3に示すMは試験機のハンマーの回転軸周りのモーメント(Nm)であり、αは持ち上げ角度であり、βは振り上がり角である。曲げ強さの測定では、支点間距離lは40mmとし、曲げ強さの測定は実施例1〜3の側面で行った。シャルピー衝撃値の測定では、ハンマーの回転軸周りのモーメントM=1.726Nm、持ち上げ角度α=137.5°で行った。シャルピー吸収エネルギーを実施例1〜3の平均断面積で除することでシャルピー衝撃値を算出した。シャルピー衝撃値の測定は、実施例1〜3の側面に対して行った。
(物理特性試験の結果)
表2は、実施例1〜3の物理特性試験の結果である。
表2に示すように実施例1〜3の密度は、2.5〜2.6(g/cm3)であり、従来のカーボン系すり板の密度2.7〜3.8(g/cm3)と比較するとやや小さい値であった。実施例1〜3の電気抵抗率は、圧面と側面とでは相違がなく0.08〜0.14(μΩm)であり、目標値の3.0(μΩm)に比べて十分に小さかった。実施例1〜3のショア硬さは、圧面の方が側面に比べてやや高い傾向にあり、全体的には25〜34(HS)の範囲であり、従来のカーボン系すり板のショア硬さ80〜95と比較すると低い値であった。アルミナ繊維を含有しない実施例1と、アルミナ繊維を含有する実施例3とを比較すると、実施例3のほうが実施例1よりもショア硬さが高い傾向にあり、アルミナ繊維の添加による耐荷重効果が確認された。実施例1〜3の曲げ強さ及びシャルピー衝撃値は、いずれも目標値の100(MPa)、3.5(kJ/m2) を超えていた。以上より、実施例1〜3がすり板としての物理特性基準を満たしていることが確認され、図4に示すアルミニウム合金層10bを備えるすり板9A,9Bをパンタグラフすり板材として適用可能であることが確認された。
(摩耗試験)
次に、アルミニウム、アルミナ繊維及び炭素繊維の複合材料にカーボンナノチューブの一種で気相法炭素繊維を添加したアルミニウム複合材のパンタグラフすり板への適用可能性を評価するために摩耗試験を実施した。摩耗試験は、図11に示す3層構造のアルミニウム複合材及び補助すり板用アルミニウム鋳造材であるAC4A-T6材について行った。
(摩耗試験片)
図11は、実施例4に係る物理特性試験片の外観図であり、図11に示す寸法の単位はmmである。表3は、この発明の実施例及び比較例に係る摩耗試験片の緒元である。
表3に示す実施例4は、摩耗試験に使用する供試材であり、表1に示す実施例1〜3に係る物理特性試験片と同じ高圧鋳造法によって作製した摩耗試験片である。実施例4は、AC8A+AF部と、AC8A+CF+VGCF部と、AC8A部との3層構造である。実施例4は、図4に示すアルミニウム合金層10cに対応する部分の組成1のAFが5vol%、残部がAC8Aであり、図4に示すアルミニウム合金層10bに対応する部分の組成2のVGCFが5vol%、CFが50vol%、残部がAC8Aであり、図4に示すアルミニウム合金層10aに対応する部分の組成3がAC8Aである。なお、実施例4については、実施例1,3と同様に、VGCFの体積比率を計測できないためVGCFの添加量5vol%を目標値とした。
(実施例4)
表3の組成1に示すAFを水中に添加し、バインダーのシリカゾル及びアルミナゾルを加え、凝集剤としてポリアクリルアミドを加えて混合し分散液を作製した。この分散液と成形型を容器に入れて分散媒吸引装置で分散媒を除去し、媒質体を作製した。この媒質体を120℃で8時間乾燥し、残った媒質媒を除去しAFのプリフォームを製造した。
表3に示すVGCF 120g、VGCF用の界面活性剤4.5g及びVGCF用のバインダー4.5gを水15L中に入れて混合し、この混合液を30分超音波処理(200W、20kHz)してスラリーを作製した。このスラリーを供給量が2.7Lとなるようにアトマイザー方式のスプレードライヤ装置に供給し、アトマイザーの回転数20000rpm、乾燥用空気噴出口の温度250℃、排出口の温度112℃で乾燥し、VGCFの造粒体を作製した。次に、表3の組成2に示す体積比率のVGCFの造粒体及びCFを水中に添加し、バインダーとしてシリカゾル及びアリミナゾルを加え、凝集剤としてポリアクリルアミドを加えて分散液を作製した。この分散液と成形型を容器に入れて分散媒吸引装置で分散媒を除去し、媒質体を作製した。この媒質体を120℃で8時間乾燥し、残った媒質媒を除去し、乾燥した媒質体を窒素ガス炉によって400℃で2時間焼成してVGCFとCFのプリフォームを製造した。
次に、AFのプリフォームとVGCF+CFのプリフォームをNCフライスなどによって加工して形状を整えて、AFプリフォームが下側にVGCF+CFのプリフォームが上側になるようにこれらを重ねて成形型内に配置し、800〜850℃に溶融したAC8Aの溶湯を高圧鋳造法によってVGCF+CFのプリフォーム側から196MPaの圧力をかけて含浸させて、成形型内をアルミニウム合金で満たした。含浸後に冷却して固化することでVGCF+CF、AF及びアルミニウム合金を複合化させた金属複合材を得た。
(比較例)
比較例は、摩耗試験に使用する供試材であり、補助すり板用アルミニウム鋳造材であるAC4A-T6材からなる摩耗試験片である。ここで、JIS AC4Aは、Cuが0.25%以下、Siが8.0〜10.0%、Mgが0.3〜0.6%、Znが0.25%以下、Feが0.55%以下、Mnが0.3〜0.6%以下、Niが0.1%以下、Tiが0.2%以下、Pbが0.1%以下、Snが0.05%以下、Crが0.15%以下、残部がAlであるAl-Si-Mg系のアルミニウム合金鋳物である。
(試験条件)
摩耗試験は、実施例4及び比較例に係る摩耗試験片について、以下の表4に示す条件のもと計3回行った。
(試験装置)
図12に示す集電試験装置は、実際のすり板9A,9Bを模擬した模擬すり板と実際のトロリ線1aを模擬した模擬トロリ線とを接触させて種々の試験を実施する装置である。摩耗試験装置は、図12に示す公益財団法人鉄道総合技術研究所所有の高速用集電材摩耗試験機を用いた。摩耗試験装置は、回転円板の側面に実際のトロリ線1aを模擬した純銅製リング(幅5.25mm)の模擬トロリ線を取り付け、実施例4及び比較例に係るすり板試験片をこの模擬トロリ線に押し付けて摺動及び通電する。図12に示す摩耗試験装置は、最高しゅう動速度500km/h、最高通電電流500Aでの試験が可能である。
(測定項目)
摩耗試験の測定項目は、摩耗試験片(すり板試験片)の摩耗率(比摩耗量)である。摩耗試験前後の実施例4及び比較例の質量を測定し、摩耗質量及び摩耗試験片の密度から以下の数4により比摩耗量SWR(単位押付力、単位しゅう動距離当たりの摩耗体積)を算出した。
ここで、数4に示すΔWは摩耗質量であり、ρは密度であり、Lはしゅう動距離であり、Nは試験中の平均押付力である。
(摩耗試験の結果)
図13に示す縦軸は、摩耗体積(cm3)であり、横軸は摩耗試験片(すり板試験片)である。表5は、実施例4及び比較例に係る摩耗試験片に対する摩耗試験の結果である。
表1及び図13に示すように、無通電条件下において、実施例4の摩耗は比較例の摩耗に比べて10分の1以下であった。摩擦係数は、比較例が0.5〜1.0であるのに対して、実施例4では0.2〜0.4と低かった。通電条件下では比較例は摩耗が著しく増加した。一方、実施例4は、通電条件下であっても摩耗が少なく、無通電条件と同等であった。試験後の相手材(模擬トロリ線)の表面を確認したところ、比較例が模擬トロリ線へ凝着し、模擬トロリ線の表面に凹凸が生じていた。一方、実施例4の場合には、模擬トロリ線の表面が平滑であり、比較例のような模擬トロリ線への凝着は見られなかった。このため、実施例4が炭素繊維との複合によって自己潤滑性を有し、一種の自己潤滑材として働くことが確認された。以上より、実施例4が条件によっては従来のカーボン系すり板と同等の摩耗量であることが確認され、図4に示すような3層構造のすり板9A,9Bをパンタグラフすり板材として適用可能であることが確認された。特に、補助すり板用アルミニウム鋳造材からなる比較例に比べて、3層構造のアルミニウム合金の複合材である実施例4については、摩擦抵抗を緩和可能なことが確認された。このため、3層構造のアルミニウム合金の複合材を補助すり板として使用する場合には、この補助すり板及びトロリ線1aの摩耗を低減可能なことが確認された。その結果、補助すり板を長期間交換せずに使用することができるとともにトロリ線1aの部分補修の必要が低減し、低コスト化を図ることができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、鉄道車両の集電装置3,11を例に挙げて説明したが、運搬機械又はエレベータなどのような移動体の集電装置、高速で摺動しながら種々の試験を実施する集電試験機の集電装置などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、シングルアーム式及び第三軌条方式の集電装置3,11を例に挙げて説明したが、菱型又は翼型などの他の形式の集電装置についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、電車線路がトロリ線1a及び導電レール1bである場合を例に挙げて説明したが、アルミ合金又は導電鋼などの剛体を電車線路に使用する剛体ちょう架式電車線路の剛体電車線路などについてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、アルミニウム合金層10b,13bが気相法炭素繊維及び炭素繊維を含有する場合を例に挙げて説明したが、気相法炭素繊維又は炭素繊維のいずれか一方のみをアルミニウム合金層10b,13bに含有させることができる。また、この実施形態では、すり板9A,9Bが3層構造である場合を例に挙げて説明したが、すり板9A,9Bの積層構造を3層構造に限定するものではなく、すり板9A,9Bを任意の数の積層構造にすることもできる。さらに、この実施形態では、トロリ線1a又は導電レール1bと摺動する順に、アルミニウム合金層10a,13a、アルミニウム合金層10b,13b及びアルミニウム合金層10c,13cを備えるすり板9A,9B及び集電靴12を例に挙げて説明したが、このような積層順に限定するものではなく、任意の順の積層構造にすることもできる。
(3) この第1実施形態では、すり板9Aが複数に分割された多分割すり板体である新幹線用(高速用)パンタグラフの集電舟7を例に挙げて説明したが、このような多分割すり板体に限定するものではない。例えば、2〜3枚のすり板を長さ方向に並べて配置した従来の在来線用又は新幹線用パンタグラフの集電舟についてもこの発明を適用することができる。
1 架線
1a トロリ線(電車線路)
1b 導電レール(電車線路)
2 車両
3 集電装置
9A すり板(主すり板)
9B すり板(補助すり板)
10a アルミニウム合金層(第1のアルミニウム合金層)
10b アルミニウム合金層(第2のアルミニウム合金層)
10c アルミニウム合金層(第3のアルミニウム合金層)
11 集電装置
12 集電靴
13a アルミニウム合金層(第1のアルミニウム合金層)
13b アルミニウム合金層(第2のアルミニウム合金層)
13c アルミニウム合金層(第3のアルミニウム合金層)

Claims (7)

  1. 複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料によって形成されており、被接触部と摺動することによって集電する集電部材であって、
    前記被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層とを備え、
    前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層は、積層構造に形成されており、
    前記第1のアルミニウム合金層は、Al-Si系アルミニウム合金によって形成されており、
    前記第2のアルミニウム合金層は、炭素繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されており、
    前記第3のアルミニウム合金層は、アルミナ繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されていること、
    を特徴とする集電部材。
  2. 複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料であって、
    被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層とを備え
    前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層は、積層構造に形成されており、
    前記第1のアルミニウム合金層は、Al-Si系アルミニウム合金によって形成されており、
    前記第2のアルミニウム合金層は、炭素繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されており、
    前記第3のアルミニウム合金層は、アルミナ繊維を含有するプリフォームにAl-Si系アルミニウム合金を含浸させて形成されていること、
    特徴とする複合材料。
  3. 電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、
    請求項1に記載の集電部材を備え、
    前記集電部材は、トロリ線と摺動するすり板の主要部分を構成する主すり板であること、
    を特徴とする集電装置。
  4. 電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、
    請求項1に記載の集電部材を備え、
    前記集電部材は、トロリ線と摺動するすり板の補助的部分を構成する補助すり板であること、
    を特徴とする集電装置。
  5. 電車線路と摺動してこの電車線路から集電する集電装置であって、
    請求項1に記載の集電部材を備え、
    前記集電部材は、導電レールと摺動する集電靴であること、
    を特徴とする集電装置。
  6. 複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料によって形成されており、被接触部と摺動することによって集電する集電部材の製造方法であって、
    前記集電部材は、
    前記被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層とを備え、
    前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層が積層構造に形成されるように、炭素繊維を含有するプリフォームとアルミナ繊維を含有するプリフォームとにAl-Si系アルミニウム合金の溶湯を高圧で流し込む高圧鋳造工程を含むこと、
    を特徴とする集電部材の製造方法
  7. 複数のアルミニウム合金層による複合化された複合材料の製造方法であって、
    前記複合材料は、
    被接触部との間の導電を担う第1のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部との間の摩擦抵抗を緩和する第2のアルミニウム合金層と、
    前記被接触部からの荷重を負荷する第3のアルミニウム合金層とを備え
    前記第1、前記第2及び前記第3のアルミニウム合金層が積層構造に形成されるように、炭素繊維を含有するプリフォームとアルミナ繊維を含有するプリフォームとにAl-Si系アルミニウム合金の溶湯を高圧で流し込む高圧鋳造工程を含むこと、
    を特徴とする複合材料の製造方法
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