JP6321506B2 - ヘパラナーゼ阻害剤による美白方法及び美白効果を有する物質の評価方法 - Google Patents
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(1)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制することを特徴とする、美白方法。
(2)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する方法として、ヘパラナーゼ遺伝子発現を抑制する物質を適用することを特徴とする、(1)の美白方法。
(3)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する方法として、ヘパラナーゼ遺伝子の翻訳を抑制する物質を適用することを特徴とする、(1)の美白方法。
(4)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する方法として、ヘパラナーゼの酵素活性を阻害する物質を適用することを特徴とする、(1)の美白方法。
(5)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する方法として、ヘパラナーゼの酵素活性の活性化を阻害する物質を適用することを特徴とする、(1)の美白方法。
(6)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を、経口、注射、外用塗布などの手段にて投与することを特徴とする、(2)の美白方法。
(7)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を有効成分として含有する、経口投与用美白剤。
(8)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を有効成分として含有する、注射用美白剤。
(9)皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を有効成分として含有する、皮膚外用美白剤。
(10)ヘパラナーゼの活性を抑制する物質が4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニルアミンである、(7)〜(9)のいずれかの美白剤。
(11)ヒトまたは動物の皮膚、皮膚組織または細胞に被験物質を接触させ、前記皮膚におけるヘパラナーゼの酵素活性、遺伝子発現レベルまたはヘパラン硫酸鎖を測定し、ヘパラナーゼの酵素活性、遺伝子発現レベルまたはヘパラン硫酸鎖の変化を指標として被験物質の美白効果を評価することを特徴とする、被験物質についての美白効果の評価方法。
(12)表皮角化細胞を用いることを特徴とする(11)の方法。
(13)真皮線維芽細胞を用いることを特徴とする(11)の方法。
本発明に係るヘパラナーゼの活性の測定は、ヘパラナーゼ自体あるいはその酵素活性を測定することのできる任意の方法に従い、定量的又は定性的に実施することができる。具体的には、ヘパラナーゼの基質ヘパラン硫酸の分解産物を測定するか、あるいはヘパラナーゼの生合成量を測定するためにヘパラナーゼに特異的な抗体を利用する免疫測定方法、例えば酵素ラベルを利用するELISA法、放射性ラベルを利用するRIA法、免疫比濁法、ウェスタンブロット法、ラテックス凝集法、赤血球凝集法等、様々な方法が挙げられる。免疫測定法の方式には競合法やサンドイッチ法が挙げられる。他に、ヘパラナーゼをコードする遺伝子の量の測定により行うこともできる。この場合、好ましくは、ヘパラナーゼの発現は細胞内のヘパラナーゼをコードするmRNAの量を測定することにより決定する。mRNAの抽出、その量の定量的又は定性的測定も当業界において周知であり、例えばPCR法、3SR法、NASBA法、TMA法など、さまざまな周知の方法により実施することができる。他に、ヘパラナーゼはin situハイブリダイゼーション法やその生物活性の測定を通じて定性的に決定することができる。
実験1:ヘパラナーゼ阻害剤による美白効果の評価
メラノサイトを含む皮膚モデルを用いて、ヘパラナーゼ阻害剤である1-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-3-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-ユレアの美白効果について検討した。
メラノサイトを含む皮膚モデル(MEL-FT、MatTeK社製、USA)を専用培地(MEL-FT-NMM-113、MatTeK社製、USA)にて培養を開始した。培養2日目からはコントロール群はDMSO、ヘパラナーゼ阻害剤群は終濃度50μMとなるように1-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-3-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-ユレアを加え培養を行い、培地交換を2日または3日おきに行った。培養10日目、14日目に皮膚モデルを採取して外観写真を撮影したところ、ヘパラナーゼ阻害剤群では外観の色がコントロール群より薄く白いことが分かった。
図1は、MEL-FT皮膚モデルの外観写真を示す。培養10日、14日めでヘパラナーゼ阻害剤群で明らかに白いことが分かる。図2は、各皮膚モデルの表皮中のメラニン量の比較結果を示す。培養10日、14日において、ヘパラナーゼ阻害剤群でメラニンの指標となるOD475nmの吸光度値が優位に低いことがわかる。よって、ヘパラナーゼ阻害剤に美白効果があることが立証された。
老人性色素斑及び近傍の正常部位皮膚の凍結組織ブロックを新たに切片化し、8μmの切片を作成した。8μmに剥切した組織切片は、冷アセトンによって固定し乾燥後、PBSにて脱OCTを行った。3%過酸化水素水処理にて組織内在性パーオキシダーゼを不活化してから、10%正常ヤギ血清にてブロッキングし、表1の1次抗体、2次抗体の順番で反応させた。HRP標識させた組織は、PBSにて5回洗浄した後、AECにて発色させた。発色後の組織は、流水にて十分に洗浄してから、水溶性マウント剤を用いて封入した。
25μgのbFGFを200μLの膨潤ヘパリン-セファロース(CL-6B; Pharmacia Biotech)に結合させ、DMSOに溶解したNH2-反応性-ビオチン(Dojindo molecular tech.)を室温で5分反応させ、800μLの洗浄バッファー(20mmol/L HEPES, pH7.4, 400mmol/L NaCl )で洗浄し、200μLの溶出バッファー(20mmol/L HEPES, pH7.4, 0.2% BSA, 3mol/L NaCl )で2回溶出させることで、高塩濃度ビオチン化bFGFを回収した。その後、Ultra free C3LGCカラム(アミコン)に入れ、PBSで3回洗浄することで(0.25g/L)ビオチン化bFGFを得た。
CD31染色、LYVE1染色組織は、1切片あたり3枚の写真を撮影し、win roof (Mitani Corporation)にて、染色された血管、リンパ管の数、面積を画像解析にて算出した。さらに、真皮乳頭層エリアの真皮総面積も画像解析にて算出することで、血管やリンパ管の密度、大きさを算出した。
1-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-3-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-ユレアの誘導体である4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニルアミンについてヘパラナーゼ活性を調べた。
A431細胞(浸潤性ヒト上皮ガン細胞)を10%血清入りDMEM培地にて培養した。培養細胞はLysis Buffer(50mM Tris, 0.5% TritonX-100, 0.15M Nacl, pH4.5)にて可溶化し、スクレイパーにて回収した後、ピペッティングを行いon iceで30分間静置させた。その後10,000rpmで10分遠心することで、不溶解物を除去して上清を細胞抽出液とした。細胞抽出液中のタンパク量はBCA Protein Assay Kit(PIERCE, CA46141)にて測定した。
ヘパラナーゼ活性は、A431細胞抽出液の検量線から活性を算出し、薬剤抽出物を添加していない資料(コントロール)に対する相対的な値を持って、阻害率(%)を示した。
IC50=256μM
Claims (4)
- イラクサ、カノコソウ、キウイ、ニンニク、トマト、ムクロジ、ユリ、レモン、ヒノキ、ヒノキチオール、シラユリ、ヒラミレモン、ギョウジャニンニク、ボタンボウフウ、トウヒ、パセリ、タイソウエキス、チンピエキスのエキスを除く、ヘパラナーゼの酵素活性を阻害する物質を適用することにより、皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制することを特徴とし、ここで前記皮膚におけるヘパラナーゼの酵素活性は、ヘパラナーゼ活性を阻害する物質で処理していない皮膚の酵素活性に比べ統計学的に有意に低下する、医療行為を除く、美白方法。
- 皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を、経口、外用塗布から選ばれる手段にて投与することを特徴とする、請求項1記載の美白方法。
- イラクサ、カノコソウ、キウイ、ニンニク、トマト、ムクロジ、ユリ、レモン、ヒノキ、ヒノキチオール、シラユリ、ヒラミレモン、ギョウジャニンニク、ボタンボウフウ、トウヒ、パセリ、タイソウエキス、チンピエキスのエキスを除く、皮膚に存在するヘパラナーゼの活性を抑制する物質を有効成分として含有する、美白剤。
- 皮膚外用剤である、請求項3に記載の美白剤。
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