JP6320623B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、ドレンパン上に薬剤を練り込んだ抗菌剤含有成形品を着脱自在に取り付け、ドレンパン内に菌やカビの発生を防止してドレンポンプの詰まりを抑制した空気調和装置が開示されている。
特許文献2には、ドレンパンに直接ネジなどで抗菌剤を固定することにより、バクテリアやカビなどの雑菌が活性化してスライム状になることを抑制した空気調和装置が開示されている。
また、既設の装置に対して新規に抗菌剤を取り付ける場合も、同様に装置ケーシングの底パネルを取り外し、更にドレンパンを取り外す作業が必要となり、作業負荷が大きくなっていた。
さらに、ドレン水が少ない時にも抗菌剤全体が常にドレンパンのドレン水に浸かっているため、抗菌剤の消耗が早くなる問題があった。
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置の断面図である。
図2は、実施の形態1に係る空気調和装置の図1におけるII−II線矢視断面構成図である。
各図において、この実施に形態1の空気調和装置100は、被空調空間に設置される例えば室内ユニットであり、一端に空気吸込口7が形成され他端に空気吹出口8が形成されたユニットケーシングを備えている。このユニットケーシング内に送風機9が設置され、送風機9の通風方向下流側に、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器10が設置されている。
空気調和装置100内において熱交換器10の下方位置には、熱交換器10が蒸発器として機能した際に結露した凝縮水13を収受するドレンパン6が設置されている。ドレンパン6の最深部11の上方位置には、ドレンパン6内の凝縮水13を汲み出すドレンポンプ5が配備されている。ドレンパン6の側壁には、凝縮水13をドレンパン6外に排出するソケット3が横向きに突出して設けられている。ソケット3は、ドレンパン6内の最深部11と空気調和装置100の外部とを連通し、水平向きに開口した円筒形状(例えば内径28mm、長さ60mm程度)を有している。なお、この空気調和装置100は、ケーシング両側部の吊金具によって室内の天井などに取り付けられる。
このような空気調和装置100を天井に据付けた際に、ソケット3と天井内に配管されるドレン排水管との高低差が取れる設置条件の場合には、ドレンポンプ5を使用することなくソケット3から排水が可能である。
図3は、実施の形態1に係るドレンパンの自然排水時における部分断面図である。
図3は、自然排水時において図2の破線部分を拡大した断面図であり、ソケット3の先端の開口端部3aには排水ホース12が連結される。
ソケット3と天井内に配管されるドレン排水管との高低差が取れない設置条件の場合、凝縮水13を空気調和装置100の外部へ排出するためにドレンポンプ5を使用する。
図4は、実施の形態1に係るドレンパンのドレンポンプ使用時における部分断面図である。
図5は、実施の形態1に係るドレンパンのドレンポンプ使用時における減水時の部分断面図である。
図4、5は、機械排水時において図2の破線部分を拡大した断面図である。図4および図5に示すように、ドレンポンプ5の使用時には、ソケット3にゴム栓4が装着されるため、ドレンパン6の最深部11には凝縮水13が貯留されやすくなる(なお、ソケット3に装着される抗菌剤ケース1の構成については後述する)。
この最深部11にドレンポンプ5の吸込口が配置されるが、図4に示すように、通常時でドレンポンプ5の吸込口と、ドレンパン6の最深部11との間の高さ寸法Xは、例えば10mmである。
よって、ドレンポンプ5を使用する空気調和装置100の設置条件の時には、ドレンポンプ5を使用しない設置条件の場合より、ドレンパン6の内部に凝縮水13が滞留する傾向にある。
また、ドレンパン6の最深部11上に滞留する凝縮水13は、蒸発等によって減水することがあり、このときの水位は図5に示す水深Zのように図4に示す寸法Xに比べて小さくなる場合がある。
実施の形態1における空気調和装置100においては、ドレンパン6のソケット3に抗菌剤ケース1を挿入して着脱自在に取り付け、抗菌剤ケース1の中に格納している抗菌剤2の作用を利用して、ドレンパン6の内部を殺菌する構成となっている。
次に、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの構造を説明する。
図6は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースを開いた際の側面図である。
図8は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースを閉じた際の側面図である。
抗菌剤ケース1は、図6、7に示すように、略円筒形状の雄部材20と雌部材21とで構成されており、例えば樹脂製の容器である。
さらに、本体部20aとテーパー部20bとの接続部分にはテーパー部20b側の直径が小さく形成された段差部20gが形成されている。また、雄部材20の開口縁部20cには半円弧形状の切り欠き部20iが複数形成されている。
雄部材20の開口縁部20cと雌部材21の開口縁部21bとはヒンジ部22により回動自在に接続されている。
また、ヒンジ部22に対向する雄部材20の開口縁部20cの外周面には爪部22aが形成されている。そして、雌部材21の開口縁部21bの外周面には爪部22aが嵌り込んで係合する嵌合部22bが形成されている。
抗菌剤ケース1のテーパー部20bの開口部20eには、図8に示すようにメッシュ20hを配置する。メッシュ20hは、抗菌剤ケース1と一体成型されており、メッシュ20hの開口は、抗菌剤2の外径より小さな寸法となっている。よって、抗菌剤ケース1内の抗菌剤2が外部に流出することがない。
図9は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの背面視図である。
抗菌剤ケース1の背面側、すなわち、雌部材21の底面部21cには、図9に示すように一対の空気抜き孔21dが形成されている。この空気抜き孔21dは、後述するようにゴム栓4に抗菌剤ケース1の雌部材21を嵌め込む際にゴム栓4と雌部材21の底面部21cとの間の空気を抗菌剤ケース1内に抜き、挿入をスムーズに行うための開口である。
図10は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの水抜き突起を説明する断面図である。
水抜き突起21eは、図10に示すように雌部材21の開口縁部21bの内面に複数箇所形成(例えば対向する位置に4箇所)されている。
この構成により抗菌剤ケース1の雄部材20の開口縁部20cの外面と、雌部材21の開口縁部21bの内面との間に強制的に隙間が形成される。
図11は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの水抜き勾配を説明する断面図である。
図12は、実施の形態1に係る抗菌剤ケースの接続部分の拡大断面図である。
雄部材20の円筒形状の本体部20aと、雌部材21の円筒形状の本体部21aには、各部材を成形用の金型から抜く際の抜き勾配が設けられている。この抜き勾配は、図11に示すように抗菌剤ケース1内に流入した凝縮水13が、点線矢印のように雄部材20の開口縁部20c側と、雌部材21の開口縁部21b側とに流下するよう形成される。
実施の形態1に係る抗菌剤ケース1をドレンパン6に取り付ける手順を説明する。
図13は、実施の形態1に係る抗菌剤ケース1をドレンパン6に取り付ける手順を説明する図である。
はじめに、Step1として、抗菌剤ケース1の雌部材21をゴム栓4の第1凹部4aに挿入する。ゴム栓4は、略円柱形状のゴム製で、中心軸Jから同心円上に第1凹部4aと第2凹部4bとが形成されている。第1凹部4aは円柱形状の凹部であり、第2凹部4bは第1凹部4aの外径側に形成されたリング形状の溝である。
そして、Step3にて、ドレンパン6のソケット3に水平方向から抗菌剤ケース1をその軸方向に挿入する。すると、ゴム栓4の第2凹部4bがソケット3に嵌合し、抗菌剤ケース1はドレンパン6に装着される。
また、抗菌剤ケース1をドレンパン6から脱着させる際は、ゴム栓4をソケット3から引き抜いてソケット3からゴム栓4の第2凹部4bを離脱させる。
抗菌剤ケース1のヒンジ部22は、図14に示すように、雌部材21の開口縁部21bのフラット部21f上に形成されており、開口縁部21bの最大外径Aの仮想円S内に収まるように形成されている。
よって、ソケット3内に抗菌剤ケース1が収納されたときに、ヒンジ部22がソケット3の内壁に接触することがなく、ヒンジ部22が損傷することがない。また、ソケット3内で抗菌剤ケース1を軸周りに回転させることができるため、取り付け角度に制約がなくソケット3への着脱が容易になる。
図4、図5に示すように、ドレンパン6内の凝縮水13は、ドレンポンプ5の作動や停止、空気調和装置100の停止期間による凝縮水13の蒸発などにより、その水位が変化する。
図4の状態は、ドレンポンプ5の排水作動が終了した時点の水位が示されており、ドレンポンプ5が作動する前には、この水位より高い位置まで凝縮水13が貯留されている。 また、図5に示すように空気調和装置100の停止期間が長い場合には凝縮水13が蒸発し、ドレンポンプ5の吸込口よりも低い水位となることがある。
テーパー部20bや、段差部20gをソケット3への抗菌剤ケース1の挿入方向(図4、5に示す抗菌剤ケース1の側面視)において設けたため、抗菌剤ケース1の水平方向断面の断面積において、抗菌剤ケース1の下端部1aから上方に向かって漸次大きくなる拡大形状部分を少なくとも有する形状となっている。
ここで上記のように抗菌剤ケース1の下端側は、下端部1aから抗菌剤ケース1の中心軸Jまでは水平方向断面の断面積が漸次大きくなる拡大形状部分となっている。
すると、凝縮水13の水位が上昇する程、抗菌剤ケース1内の抗菌剤2が凝縮水13に接触する水平方向の断面積が増加するため、抗菌剤2の溶出量を徐々に増大させることができる。
よって、凝縮水13の水位によって抗菌剤ケース1内の抗菌剤2の溶出量を調整することができ、抗菌剤2無駄な消耗を抑制することが可能となる。
実施の形態2に係る空気調和装置100は、基本的に実施の形態1に係る空気調和装置100と同様の構成であり、ドレンパン6のソケット3に設けた抗菌剤ケース1の形状においてのみ相違する。よって、抗菌剤ケース1の構成を説明する。
図15は、実施の形態2に係る抗菌剤ケースの断面図である。
実施の形態2に係る抗菌剤ケース1は、図15に示すように略円柱形状であり、その側面部1bは、中央部分の口径が両端部に設けた円形の円板部1cの口径より小さくなったくびれ形状(本発明の円弧面部に相当する)を有している。よって、この側面部1bの下端側は、ソケット3への挿入方向(水平方向)において上側に凸形の形状となっている。
なお、この円板部1cの下端が抗菌剤ケース1の下端部1aとなる。
また、抗菌剤ケース1の背面側の円板部1cには、実施の形態1と同様のゴム栓4が取り付けられており、このゴム栓4の第2凹部4bがドレンパン6のソケット3に取り付けられる。
抗菌剤ケース1の下端部1aから抗菌剤ケース1の中心軸Jまでは水平方向断面の断面積が漸次大きくなる拡大形状部分となっている。すると、凝縮水13の水位が上昇する程、抗菌剤ケース1内の抗菌剤2が凝縮水13に接触する水平方向の断面積が増加するため、抗菌剤2の溶出量を徐々に増大させることができる。
よって、凝縮水13の水位によって抗菌剤ケース1内の抗菌剤2の溶出量を調整することができ、抗菌剤2無駄な消耗を抑制することが可能となる。
実施の形態3に係る空気調和装置100は、基本的に実施の形態1に係る空気調和装置100と同様の構成であり、ドレンパン6のソケット3に設けた抗菌剤ケース1の形状においてのみ相違する。よって、抗菌剤ケース1の構成を説明する。
図16は、実施の形態3に係る抗菌剤ケースの断面図である。
実施の形態3に係る抗菌剤ケース1は、図16に示すように略楕円球形状であり、その中心軸J方向の中央部分の口径が両端部1dの口径より大きくなった形状(本発明の円弧面部に相当する)を有している。よって、この抗菌剤ケース1の下端側は、ソケット3への挿入方向(水平方向)において下側に凸形の形状となっている。この抗菌剤ケース1の中心軸J方向における中央部分の下端が抗菌剤ケース1の下端部1aとなる。
また、抗菌剤ケース1の両端部1dの背面側には、実施の形態1と同様のゴム栓4が取り付けられており、このゴム栓4がドレンパン6のソケット3に取り付けられる。
抗菌剤ケース1の下端部1aから抗菌剤ケース1の中心軸Jまでは水平方向断面の断面積が漸次大きくなる拡大形状部分となっている。すると、凝縮水13の水位が上昇する程、抗菌剤ケース1内の抗菌剤2が凝縮水13に接触する水平方向の断面積が増加するため、抗菌剤2の溶出量を徐々に増大させることができる。
よって、凝縮水13の水位によって抗菌剤ケース1内の抗菌剤2の溶出量を調整することができ、抗菌剤2無駄な消耗を抑制することが可能となる。
Claims (16)
- ドレンパンと、前記ドレンパンに取り付けられ抗菌剤を内部に収納する抗菌剤ケースと、を備えた空気調和装置であって、
前記抗菌剤ケースは、前記ドレンパンに設けたソケットに取り付けられたゴム栓の凹部に取り付けられて、前記ソケットの内部に着脱自在に取り付けられ、
前記抗菌剤ケースの水平方向断面の断面積は、該抗菌剤ケースの下端部から上方に向かって漸次大きくなる拡大形状部分を少なくとも有し、
前記抗菌剤ケースにおいて前記ゴム栓の凹部内に取り付けられる部分には前記抗菌剤ケース内に連通する一対の空気抜き孔が形成されている空気調和装置。 - ドレンパンと、前記ドレンパンに取り付けられ抗菌剤を内部に収納する抗菌剤ケースと、を備えた空気調和装置であって、
前記抗菌剤ケースは、雄部材と、前記雄部材に係合する雌部材とにより構成され、前記ドレンパンに設けたソケットの内部に着脱自在に取り付けられており、
前記雌部材が前記雄部材に係合する開口縁部の内面には、前記雄部材の外面に当接する水抜き突起が形成され、
前記抗菌剤ケースの水平方向断面の断面積は、該抗菌剤ケースの下端部から上方に向かって漸次大きくなる拡大形状部分を少なくとも有する空気調和装置。 - ドレンパンと、前記ドレンパンに取り付けられ抗菌剤を内部に収納する抗菌剤ケースと、を備えた空気調和装置であって、
前記抗菌剤ケースは、雄部材と、前記雄部材に係合する雌部材とにより構成され、前記ドレンパンに設けたソケットの内部に着脱自在に取り付けられており、
前記雄部材と前記雌部材の内面下部は、前記雄部材と前記雌部材との係合部分に向けて下り勾配が形成されており、
前記抗菌剤ケースの水平方向断面の断面積は、該抗菌剤ケースの下端部から上方に向かって漸次大きくなる拡大形状部分を少なくとも有する空気調和装置。 - 前記抗菌剤ケースは、ゴム栓の凹部に取り付けられ、前記ゴム栓は、前記ソケットに取り付けられる請求項2又は3に記載の空気調和装置。
- 前記抗菌剤ケースにおいて前記ゴム栓の凹部内に取り付けられる部分には前記抗菌剤ケース内に連通する一対の空気抜き孔が形成された請求項4に記載の空気調和装置。
- 前記抗菌剤ケースの前記拡大形状部分の断面形状は、前記抗菌剤ケースが前記ソケット内に挿入される第1方向において、水平面に対して傾斜する傾斜部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記傾斜部は、直線状のテーパー部である請求項6に記載の空気調和装置。
- 前記傾斜部には、前記抗菌剤の外径より小さい寸法の内径を有する開口を備えたメッシュが取り付けられた請求項6または7に記載の空気調和装置。
- 前記抗菌剤ケースは、雄部材と、前記雄部材に係合する雌部材とにより構成される請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記雄部材と前記雌部材とは、ヒンジ部で回動可能に接続した請求項9に記載の空気調和装置。
- 前記抗菌剤ケースは円筒形状であり、前記ヒンジ部は、前記円筒形状の最大外径内に配置される請求項10に記載の空気調和装置。
- 前記雌部材が前記雄部材に係合する開口縁部の内面には、前記雄部材の外面に当接する水抜き突起が形成される請求項9〜11のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記雄部材と前記雌部材の内面下部は、前記雄部材と前記雌部材との係合部分に向けて下り勾配が形成された請求項9〜12のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記傾斜部は、円弧状の円弧面部である請求項6に記載の空気調和装置。
- 前記円弧面部は、前記第1方向において上側に凸形状となる請求項14に記載の空気調和装置。
- 前記円弧面部は、前記第1方向において下側に凸形状となる請求項14に記載の空気調和装置。
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