JP6320122B2 - ボア測定装置およびボア測定方法 - Google Patents

ボア測定装置およびボア測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンのシリンダボアの真円度を測定するための装置および方法に関する。
レシプロエンジンでは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程が繰り返されて、シリンダボア内のピストンが上死点と下死点との間で往復動を繰り返す。
ピストンには、ピストンリングが外嵌されており、ピストンの往復動に伴って、ピストンリングが断面円形状のシリンダボアの内周面を摺動する。シリンダボアの歪みにより、シリンダボアの真円度が低下していると、シリンダボアに対するピストンリングの片当りが生じ、ピストンリングがシリンダボアの内周面から受ける摺動抵抗が増大する。その結果、エンジンのメカニカルロス(機械損失)が増加し、エンジンの効率が悪化する。
そのため、シリンダボアの真円度を測定し、エンジンの設計へのフィードバックや加工精度を向上させることが行われている。シリンダボアの真円度の測定には、対象物との間の距離を測定するためのセンサが用いられる。センサは、モータの駆動力により回転する回転軸に取り付けられており、真円度の測定時には、その回転軸がシリンダボアの中心軸線上に配置される。そして、回転軸が回転されながら、センサによりシリンダボアの内周面までの距離が測定され、その測定データがコンピュータに送られて、コンピュータによる演算処理により真円度が取得される。
エンジンの実働中は、シリンダヘッドの燃焼室内が高温となり、シリンダブロックに熱歪みが発生する。そのため、シリンダブロックが常温の状態で、シリンダボアの真円度を測定しても、その測定により得られる真円度は、エンジンの実働中の真円度から大きくずれてしまう。そこで、シリンダブロックに形成されているウォータジャケットを利用し、このウォータジャケットに高温の流体を供給して、シリンダブロックを加熱した状態で、シリンダボアの真円度を測定することが提案されている。
特開2006−275760号公報
しかしながら、ウォータジャケットは、エンジンを冷却するための冷却水が流通する水路である。そのため、ウォータジャケットに高温の流体を供給しても、シリンダブロックにおける温度分布の状態は、実働中の温度分布の状態と異なるものとなる。したがって、従来の手法では、シリンダボアその測定により得られる値は、エンジンの実働中の真円度からずれた値となる。
本発明は、エンジンの実働中の真円度に近い値を得ることができる、ボア測定装置およびボア測定方法を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るボア測定装置は、エンジンのシリンダブロックにシリンダヘッドが結合された状態で、シリンダブロックのシリンダボアの真円度を測定する装置であって、シリンダボアの内周面を摺動可能に設けられた摺動部材と、摺動部材に保持され、シリンダボアの真円度を測定するためのセンサと、シリンダヘッドの燃焼室に、常温よりも高い温度の高温流体を供給する高温流体供給機構とを含む。
この構成によれば、シリンダボアの真円度を測定する際に、シリンダボア内に摺動部材が配置された状態で、常温よりも高い温度の高温流体を燃焼室に供給することができる。シリンダボアの内周面に摺動部材が密着しているので、燃焼室およびシリンダボア内に高温流体を留めることができ、また、高温流体がシリンダボアから漏れ出すことを防止できる。
燃焼室およびシリンダボア内に高温流体を供給することにより、エンジンの実働中と同様に、シリンダヘッドおよびシリンダブロックをそれぞれ燃焼室およびシリンダボア内から加熱することができる。これにより、シリンダブロックの温度分布の状態をエンジンの実働中の状態に近づけることができる。よって、その状態でシリンダボアの真円度を測定することにより、エンジンの実働中におけるシリンダボアの真円度に近い値を得ることができる。その結果、エンジンの設計などに有用な真円度のデータを得ることができる。
高温流体は、シリンダヘッドに形成されているプラグ配置用の孔を介して燃焼室に供給し、燃焼室からシリンダヘッドの吸気ポートおよび排気ポートを介して流出させてもよい。この場合、ボア測定装置は、吸気ポートにおける高温流体の流量を調整する第1流量調整弁と、排気ポートにおける高温流体の流量を調整する第2流量調整弁と、第1流量調整弁および第2流量調整弁の開度を制御する制御部とをさらに含むことが好ましい。
吸気ポートにおける高温流体の流量を調整し、排気ポートにおける高温流体の流量を調整することにより、燃焼室およびシリンダボア内での高温流体の流れを制御して、シリンダヘッドにおける温度分布をエンジンの実働中の温度分布に一層近づけることができる。その結果、エンジンの実働中におけるシリンダボアの真円度により近い値を得ることができ、エンジンの設計などに一層有用な真円度のデータを得ることができる。
本発明の他の局面に係るボア測定方法は、エンジンのシリンダブロックにシリンダヘッドが結合された状態で、シリンダブロックのシリンダボアの真円度を測定する方法であって、シリンダヘッドの燃焼室内に常温よりも高い温度の高温流体を供給し、当該高温流体を燃焼室からシリンダヘッドの吸気ポートおよび排気ポートを介して流出させる高温流体流通工程と、シリンダボア内に、シリンダボアの真円度を測定するためのセンサを保持する摺動部材をシリンダボアの内周面に摺動可能な状態に配置して、センサを所定位置に配置するセンサ配置工程と、センサ配置工程後、吸気ポートにおける高温流体の流量および排気ポートにおける高温流体の流量を調整する流量調整工程と、流量調整工程後であって、高温流体流通工程の実行中に、センサによる検出値を取得する検出値取得工程とを含み、流量調整工程は、センサ配置工程が実行されて、センサの位置が変更される度に実行される。
この方法によれば、前述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、センサの位置が変更される度に、吸気ポートにおける高温流体の流量および排気ポートにおける高温流体の流量の調整が行われる。これにより、センサの位置ごとに、センサの位置における温度分布をエンジンの実働中の温度分布に近づけることができる。よって、より一層有用な真円度のデータを得ることができる。
本発明によれば、エンジンの実働中の真円度に近い値を得ることができ、エンジンの設計などに有用な真円度のデータを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る測定装置を含む測定システムの構成を示す図である。 測定装置の断面図である。 シリンダブロック、シリンダヘッドおよびヘッドの構成を示す断面図である。 シリンダブロックをシリンダヘッド側から見た図である。 シリンダボアの真円度を測定するための測定処理の流れを示すフローチャートである。 シリンダブロックにおける温度分布を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置を含む測定システム1の構成を示す図である。
測定システム1は、エンジンのシリンダブロック101(図2参照)に形成されているシリンダボア102の真円度を測定するためのシステムである。測定システム1には、測定装置2、所定温度の高温油を測定装置2を経由して循環させる高温油循環装置3と、所定温度の温水を測定装置2を経由して循環させる温水循環装置4とが含まれる。
また、測定システム1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置5を備えている。制御装置5は、測定装置2、高温油循環装置3および温水循環装置4の動作を制御する。
制御装置5が高温油循環装置3の動作を制御することにより、高温油循環装置3から測定装置2に高温油が供給される。具体的には、制御装置5から高温油循環装置3に与えられる指令に基づき、高温油循環装置3が動作し、その指令に従った温度(たとえば、180℃)の高温油が高温油供給路6を通して測定装置2に供給される。測定装置2から排出される高温油は、高温油排出路7を通して高温油循環装置3に戻される。
制御装置5が温水循環装置4の動作を制御することにより、温水循環装置4から測定装置2に温水が供給される。具体的には、制御装置5から温水循環装置4に与えられる指令に基づき、温水循環装置4が動作し、その指令に従った温度(たとえば、80℃)の温水が温水供給路8を通して測定装置2に供給される。測定装置2から排出される温水は、温水排出路9を通して温水循環装置4に戻される。
図2は、測定装置2の断面図である。
測定装置2は、基台21と、基台21に対して昇降可能に設けられたブラケット22と、ブラケット22に回転可能に保持された回転軸23と、回転軸23の上端部に設けられたヘッド24と、回転軸23を回転させるための回転駆動機構25と、ブラケット22を昇降させるための昇降駆動機構26とを備えている。
基台21は、測定装置2の設置場所に対して固定的に配置される。基台21には、治具(図示せず)が設けられており、この治具を使用して、エンジンのシリンダブロック101を基台21上の一定位置にセットすることができる。シリンダブロック101は、クランクケース側が下側となるように、基台21上にセットされる。この状態において、シリンダボア102の中心軸線は、上下方向に延びる。シリンダブロック101が基台21上にセットされた後、シリンダブロック101に対して、その上方からシリンダヘッド103が取り付けられる。また、基台21には、基台21上にセットされたシリンダブロック101に対して下方から対向する位置に、開口27が形成されている。
ブラケット22は、開口27内に配置されている。ブラケット22は、上下方向に延びる基部28と、基部28の上端部から水平方向に延びる保持部29とを一体的に備えている。
回転軸23は、シリンダブロック101が基台21上にセットされた状態において、その中心軸線(回転軸線)がシリンダボア102の中心軸線と一致するように、ブラケット22の保持部29に保持されている。
ヘッド24は、低熱膨張合金からなり、シリンダボア102の内径に対応した外径の周面30を有する略円柱状に形成されている。
図3は、シリンダブロック101、シリンダヘッド103およびヘッド24の構成を示す断面図である。
周面30の上端部には、ヘッド24の中心側に凹む凹部31が全周にわたって形成されている。凹部31には、Oリング32が嵌められている。ヘッド24がシリンダボア102内に配置された状態において、周面30は、シリンダボア102の内周面104との間にごく僅かな隙間を空けて対向し、Oリング32は、内周面104に圧接され、周面30と内周面104との間を密閉する。そのため、シリンダボア102内でヘッド24が上下動すると、Oリング32は、内周面104との圧接状態を保ったまま、内周面104を摺動する。
また、ヘッド24には、ギャップセンサ33および熱電対34が保持されている。ギャップセンサ33および熱電対34は、凹部31の下方において、上下に並べて配置されている。ギャップセンサ33は、ヘッド24の径方向において、その先端面がヘッド24の周面30と同じ位置に配置されるように設けられている。ギャップセンサ33は、ヘッド24がシリンダボア102内に配置された状態において、周面30(ギャップセンサ33の先端面)とシリンダボア102の内周面104との間のギャップを検出する。熱電対34は、ギャップセンサ33の近傍の温度を検出するために設けられている。ギャップセンサ33および熱電対34の検出信号は、制御装置5(図1参照)に入力される。
回転駆動機構25は、図2に示されるように、ブラケット22に保持されている。回転駆動機構25は、モータ35と、モータ35の出力軸に相対回転不能に外嵌された駆動ギヤ36と、回転軸23の下端部に相対回転不能に外嵌されて、駆動ギヤ36と噛合する受動ギヤ37と、ロータリエンコーダ38と、ロータリエンコーダ38の回転軸に相対回転不能に外嵌されたエンコーダギヤ39とを備えている。
モータ35の動作は、制御装置5により制御される。モータ35が駆動されると、モータ35の出力軸とともに駆動ギヤ36が回転し、駆動ギヤ36の回転が受動ギヤ37に伝達される。これにより、回転軸23が受動ギヤ37と一体的に回転し、回転軸23とともにヘッド24が回転する。また、回転軸23の回転に伴って、受動ギヤ37の回転がエンコーダギヤ39に伝達され、エンコーダギヤ39が回転する。エンコーダギヤ39が回転すると、ロータリエンコーダ38の回転軸が回転し、その回転軸が一定角度回転する度にロータリエンコーダ38からパルス信号が出力される。このパルス信号は、制御装置5(図1参照)に入力される。
昇降駆動機構26は、ボールねじ機構を含む構成である。すなわち、昇降駆動機構26は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合したボールナットとを備えている。ねじ軸は、基台21に回転可能に保持されて、上下方向に延びている。ボールナットは、ブラケット22の基部28に連結され、基部28に対して固定されている。また、昇降駆動機構26には、ねじ軸を回転させるためのハンドル(図示せず)が設けられている。ハンドルが手動で回されると、ねじ軸が回転し、ボールナットがねじ軸に沿って上下動し、これに伴って、ブラケット22が昇降する。
なお、昇降駆動機構26にモータが備えられて、モータの駆動力により、ねじ軸が回転されてもよい。
シリンダヘッド103には、シリンダボア102と連通する燃焼室105が形成されている。
また、シリンダヘッド103には、燃焼室105と連通する吸気ポート106および排気ポート107が形成されている。吸気ポート106および排気ポート107には、図3に示されるように、それぞれ高温油排出路7(図1参照)から分岐する第1分岐路71および第2分岐路72が接続されている。第1分岐路71および第2分岐路72の途中部には、それぞれ第1流量調整弁73および第2流量調整弁74が介装されている。第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の開度は、制御装置5により制御される。第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の開度に応じて、それぞれ第1分岐路71および第2分岐路72を流れる高温油の流量が変化する。
さらに、シリンダヘッド103には、点火プラグを配置するためのプラグ配置孔108が形成されている。プラグ配置孔108には、高温油供給路6(図1参照)が接続されている。また、燃焼室105内には、プラグ配置孔108と連通する高温油供給マニホールド109が設けられている。
また、シリンダブロック101およびシリンダヘッド103には、それぞれウォータジャケット110,111が形成されている。ウォータジャケット110の一端には、温水供給路8(図1参照)が接続され、ウォータジャケット110の他端には、温水排出路9(図1参照)が接続されている。温水供給路8からウォータジャケット110に供給される温水は、途中でウォータジャケット111を経由して、ウォータジャケット110から温水排出路9に排出される。
図4は、シリンダブロック101をシリンダヘッド103側から見た図である。
シリンダブロック101には、たとえば、3つのシリンダボア102が一列に等間隔に並べて形成されている。
各シリンダボア102の周囲には、8個の熱電対121が配置されている。8個の熱電対121は、4個ずつに分けられて、上下2段に配置されている。上段の4個の熱電対121は、図3に示されるように、シリンダボア102の上端縁(シリンダヘッド103側の端縁)から第1深さ(たとえば、27.5mm)の位置P1において、図4に示されるように、各シリンダボア102の中心を通る直線およびその直線に直交する直線上に、90度間隔で配置されている。下段の4個の熱電対121は、図3に示されるように、シリンダボア102の上端縁から第2深さ(たとえば、50mm)の位置P2において、図4に示されるように、各シリンダボア102の中心を通る直線およびその直線に直交する直線上に、90度間隔で配置されている。各熱電対121の検出信号は、制御装置5(図1参照)に入力される。
図5は、シリンダボア102の真円度を測定するための測定処理の流れを示すフローチャートである。図6は、シリンダブロック101における温度分布を示す図である。
シリンダボア102の真円度の測定に際しては、シリンダブロック101が基台21上にセットされ、シリンダブロック101にシリンダヘッド103が取り付けられた後、まず、作業者による昇降駆動機構26の手動操作により、ギャップセンサ33がシリンダボア102の上端縁から第1深さに対応した深さ(たとえば、30mm)の位置に配置される(ステップS1:センサ配置工程)。
次に、制御装置5により、高温油循環装置3が制御されて、高温油循環装置3から測定装置2への高温油の供給が開始される(ステップS2)。高温油は、高温油供給路6を通して、シリンダヘッド103のプラグ配置孔108に供給される。プラグ配置孔108に供給される高温油は、プラグ配置孔108から高温油供給マニホールド109に流入する。
高温油供給マニホールド109は、図4に図解的に示されるように、シリンダボア102間に向かう側およびその反対側に向けて開口した吐出口122を有している。これにより、高温油供給マニホールド109に流入した高温油は、各吐出口122から吐出されて、燃焼室105(図3参照)およびシリンダボア102内をシリンダボア102間に向かう側およびその反対側に向けて流れ、シリンダボア102の内周面104に沿ってクランクケース側に流れる。また、その流れに伴い、シリンダボア102および燃焼室105内には、クランクケース側から吸気ポート106および排気ポート107に向かう高温油の流れが生じる。そのため、シリンダブロック101では、高温油により、シリンダボア102間が他の部分よりも高温になる。
高温油の供給開始後、制御装置5により、第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の各開度が制御されて、吸気ポート106および排気ポート107における高温油の流量が調整される(ステップS3:流量調整工程)。
吸気ポート106および排気ポート107における高温油の流量が変化すると、シリンダボア102内での高温油の流れが変化する。高温油の流れが変化することにより、高温油により加熱されるシリンダブロック101における温度分布が変化する。制御装置5により、シリンダボア102の周囲に配設された8個の熱電対121のうち、上段の4個の熱電対121による検出温度が参照されて、図6に示されるように、その熱電対121が配置されている4箇所の検出温度の分布を示す形状D1がエンジンの実働中に同一箇所で測定した温度の分布を示す形状D2と同一または相似形状となるように、第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の各開度が調整される。
その後、制御装置5により、8個の熱電対121により検出される各温度が安定したか否かが判断される(ステップS4)。たとえば、8個の熱電対121により検出される各温度の変動幅が所定幅以内に収まると、制御装置5により、8個の熱電対121により検出される各温度が安定したと判断される。
温度が安定すると、制御装置5により、ギャップセンサ33の検出信号に基づいて、ヘッド24の周面30とシリンダボア102の内周面104との間のギャップが測定される(ステップS5:検出値取得工程)。
具体的には、制御装置5により、回転駆動機構25のモータ35が制御されて、モータ35の駆動が開始される。その後、制御装置5により、ロータリエンコーダ38から入力されるパルス信号に基づいて、ギャップセンサ33が保持されているヘッド24がステップ的に所定角度ごと回転される。そして、ヘッド24が所定角度(たとえば、5°)回転する度に、制御装置5により、ギャップセンサ33の検出信号が取得され、その検出信号に基づいて、ヘッド24の周面30とシリンダボア102の内周面104との間のギャップが取得される。こうして、ヘッド24が360°回転する間に、複数個(たとえば、72個)の測定値(ギャップ値)が取得される。
一方、制御装置5により、熱電対34の検出信号に基づいて、ギャップセンサ33の近傍の温度が測定される。シリンダボア102内への高温油の供給により、ヘッド24が加熱される。低熱膨張合金からなるヘッド24は、熱膨張量が小さいが、より精度の高いギャップ値を得るために、制御装置5により、各測定値がギャップセンサ33の近傍の温度に基づいて補正される(ステップS6)
これにより、測定処理が終了となる。その後、必要に応じて、補正後の測定値を用いた演算処理により、シリンダボア102の真円度が求められる。
なお、ヘッド24の周面30とシリンダボア102の内周面104との間のギャップからシリンダボア102の真円度が求まるので、そのギャップの測定と真円度の測定とは同義であると言える。
測定処理は、必要数だけ繰り返される。一連の測定処理が実行されている間、高温油循環装置3から測定装置2への高温油の供給が継続される。そして、一連の測定処理が終了すると、高温油循環装置3から測定装置2への高温油の供給が停止される。
一連の測定処理中、作業者による昇降駆動機構26の手動操作により、ギャップセンサ33の位置が変更された場合には、制御装置5により、第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の各開度が制御されて、吸気ポート106および排気ポート107における高温油の流量が調整される。
たとえば、ギャップセンサ33がシリンダボア102の上端縁から第2深さに対応した深さ(たとえば、60mm)の位置に配置された場合には、制御装置5により、シリンダボア102の周囲に配設された8個の熱電対121のうち、下段の4個の熱電対121による検出温度が参照されて、その熱電対121が配置されている4箇所の検出温度の分布を示す形状D1がエンジンの実働中に同一箇所で測定した温度の分布を示す形状D2と同一または相似形状となるように、第1流量調整弁73および第2流量調整弁74の各開度が調整される。
以上のように、シリンダボア102の真円度を測定する際に、シリンダボア102内にヘッド24が配置された状態で、高温流体が燃焼室105に供給される。シリンダボア102の内周面にヘッド24が密着しているので、燃焼室105およびシリンダボア102内に高温流体を留めることができ、また、高温流体がシリンダボア102から漏れ出すことを防止できる。
燃焼室105およびシリンダボア102内に高温流体を供給することにより、エンジンの実働中と同様に、シリンダヘッド103およびシリンダブロック101をそれぞれ燃焼室105およびシリンダボア102内から加熱することができる。これにより、シリンダブロック101の温度分布の状態をエンジンの実働中の状態に近づけることができる。そして、その状態において、シリンダボア102の真円度(ヘッド24の周面30とシリンダボア102の内周面104との間のギャップ)が測定される。そのため、エンジンの実働中におけるシリンダボア102の真円度に近い値を得ることができる。その結果、エンジンの設計などに有用な真円度のデータを得ることができる。
高温流体は、シリンダヘッド103に形成されているプラグ配置孔108を介して燃焼室105に供給され、燃焼室105からシリンダヘッド103の吸気ポート106および排気ポート107を介して流出する。高温流体の供給時には、吸気ポート106における高温流体の流量を調整し、排気ポート107における高温流体の流量が調整されることにより、燃焼室105およびシリンダボア102内での高温流体の流れが制御される。これにより、シリンダヘッド103における温度分布をエンジンの実働中の温度分布に一層近づけることができる。その結果、エンジンの実働中におけるシリンダボア102の真円度により近い値を得ることができ、エンジンの設計などに一層有用な真円度のデータを得ることができる。
また、ギャップセンサ33の位置が変更される度に、吸気ポート106における高温流体の流量および排気ポート107における高温流体の流量の調整が行われる。これにより、ギャップセンサ33の位置ごとに、ギャップセンサ33の位置における温度分布をエンジンの実働中の温度分布に近づけることができる。よって、より一層有用な真円度のデータを得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。また、本発明は、他の形態で実施することもできる。
2 測定装置(ボア測定装置)
3 高温油循環装置(高温流体供給機構)
5 制御装置(制御部)
6 高温油供給路(高温流体供給機構)
7 高温油排出路(高温流体供給機構)
24 ヘッド(摺動部材)
33 ギャップセンサ(センサ)
101 シリンダブロック
102 シリンダボア
103 シリンダヘッド
104 内周面
105 燃焼室
106 吸気ポート
107 排気ポート
108 プラグ配置孔

Claims (2)

  1. エンジンのシリンダブロックにシリンダヘッドが結合された状態で、前記シリンダブロックのシリンダボアの真円度を測定する装置であって、
    前記シリンダボアの内周面を摺動可能に設けられた摺動部材と、
    前記摺動部材に保持され、前記シリンダボアの真円度を測定するためのセンサと、
    前記シリンダヘッドの燃焼室に、常温よりも高い温度の高温流体を供給する高温流体供給機構と
    を含み、
    前記高温流体は、前記シリンダヘッドに形成されているプラグ配置用の孔を介して前記燃焼室に供給され、前記燃焼室から前記シリンダヘッドの吸気ポートおよび排気ポートを介して流出し、
    前記吸気ポートにおける前記高温流体の流量を調整する第1流量調整弁と、
    前記排気ポートにおける前記高温流体の流量を調整する第2流量調整弁と、
    前記第1流量調整弁および前記第2流量調整弁の開度を制御する制御部と
    をさらに含む、ボア測定装置。
  2. エンジンのシリンダブロックにシリンダヘッドが結合された状態で、前記シリンダブロックのシリンダボアの真円度を測定する方法であって、
    前記シリンダヘッドに形成されているプラグ配置用の孔を介して前記シリンダヘッドの燃焼室内に常温よりも高い温度の高温流体を供給し、当該高温流体を前記燃焼室から前記シリンダヘッドの吸気ポートおよび排気ポートを介して流出させる高温流体流通工程と、
    前記シリンダボア内に、前記シリンダボアの真円度を測定するためのセンサを保持する摺動部材を前記シリンダボアの内周面に摺動可能な状態に配置して、前記センサを所定位置に配置するセンサ配置工程と、
    前記センサ配置工程後、前記吸気ポートにおける前記高温流体の流量および前記排気ポートにおける前記高温流体の流量を調整する流量調整工程と、
    前記流量調整工程後であって、前記高温流体流通工程の実行中に、前記センサによる検出値を取得する検出値取得工程と
    を含み、
    前記流量調整工程は、前記センサ配置工程が実行されて、前記センサの位置が変更される度に実行される、ボア測定方法。
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