JP6320080B2 - 腹水又は胸水の濾過液濃縮方法及び濾過液濃縮システム - Google Patents

腹水又は胸水の濾過液濃縮方法及び濾過液濃縮システム Download PDF

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本発明は、腹水又は胸水の濾過液濃縮方法及び濾過液濃縮システムに関する。
難治性腹水症の治療法として、患者から腹水を取り出し、当該腹水を濾過してがん細胞などの病因物質を除去し、その後当該濾過液を濃縮し、アルブミンなどの有用成分を有する濃縮液を体内に戻す腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)がある。
かかる治療法における濾過液の濃縮は、一般的に中空糸膜を有する膜モジュールにポンプにより濾過液を送りながら、膜モジュールで除去される水分量を流量調整バルブなどにより調整することにより行われている(特許文献1〜4参照)。
特開平5−220219号公報 特開2012−125557号公報 特許第5062631号公報 特開2011−172797号公報
しかしながら、従来の手法で所望の濃縮倍率の濃縮液を得るには、ポンプの制御や、流量調整バルブの制御が必須であり、それらの制御のためには、各種センサや、当該センサの検出結果に基づき各種制御を実行する装置が必要になる。よって、従来の濾過液の濃縮では、複雑な制御と装置が必要であり、それらのシステムが複雑化或いは大型化し、またシステムのコストが高くなる。また濃縮処理中に機器等にエラーが生じることがあるため、濃縮処理中は医療従事者が常に監視する必要があり、医療従事者にとってこれが大きな負担となっている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、腹水や胸水の濾過液を濃縮するにあたり、簡単な制御及び装置で所望の濃縮倍率を実現でき、また医療従事者の負担も低減できる濾過液濃縮方法及び濾過液濃縮システムを提供することをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、腹水又は胸水の濾過液を濃縮する方法であって、膜モジュール内の中空糸膜の閉鎖された外側空間に、濾過液を供給し、前記中空糸膜を通じて分離される濾過液の水分を、前記中空糸膜の開放された内側空間から落下させて、前記外側空間内で濃縮される濃縮液の液量を一定に維持し、前記外側空間を一時的に開放し当該外側空間に対し気体を流入又は流出させて、前記外側空間内の濃縮液の液量を、目標濃縮倍率に応じた所定の液量に調整する工程を有し、前記濾過液を前記中空糸膜の外側空間に供給する前に、生理食塩水を膜モジュールに充填する工程をさらに有し、前記濾過液の供給により、前記生理食塩水が、液量を維持したまま濾過液に置換され、前記濃縮液の液量の調整は、前記生理食塩水の液量を調整することによって行われる、腹水又は胸水の濾過液濃縮方法である。
本発明によれば、ポンプや流量調整バルブを用いなくても、膜モジュールの外側空間内に所定量の濃縮液が生成されるので、簡単な制御及び装置で所望の濃縮倍率を実現でき、また医療従事者の負担も低減できる。
前記濃縮液の液量の調整は、前記膜モジュールに設けられた目盛りを基準に行われてもよい。
前記濾過液濃縮方法は、前記中空糸膜の内側空間を陰圧にし、前記外側空間の濾過液の水分を吸引して排出する工程を有していてもよい。
前記濾過液濃縮方法は、前記外側空間の濃縮液を回収する工程を有していてもよい。
前記濃縮液の回収工程は、前記膜モジュールの外側空間に流体を供給することにより行うようにしてもよい。なお、この外側空間への流体の供給には、直接外側空間に流体を供給する場合のみならず、内側空間を介して間接的に外側空間に流体を供給する場合も含まれる。
前記中空糸膜は、前記膜モジュールの長手方向に向けて配置されており、前記膜モジュールの中心軸からいずれかの側面側に偏るように配置されており、前記濾過液の濃縮の際には、前記膜モジュールの前記中空糸膜が偏った側面側を下にするようにしてもよい。
別の観点による本発明は、腹水又は胸水の濾過液を濃縮するシステムであって、中空糸膜と、前記中空糸膜の外側空間に連通する第1のポートと、前記中空糸膜の内側空間に連通する第2のポートとを有する膜モジュールと、前記膜モジュールの第1のポートに接続され、濾過液を前記中空糸膜の閉鎖された外側空間に供給する濾過液供給装置と、前記膜モジュールの第2のポートに接続され、前記中空糸膜の内部空間を開放して前記内部空間の濾過液の水分を落下させる水分排出装置と、前記外側空間を一時的に開放し当該外側空間に対し気体を流入又は流出させて、前記外側空間内の濃縮液の液量を調整する液量調整装置と、生理食塩水を膜モジュールに充填する生理食塩水充填装置と、を有し、前記液量調整装置は、前記外側空間の生理食塩水の液量を調整することによって前記濃縮液の液量の調整を行う、腹水又は胸水の濾過液濃縮システムである。
前記膜モジュールには、濃縮液の液量調整のための目盛りが設けられていてもよい。
前記水分排出装置は、前記中空糸膜の内側空間を陰圧にし、前記外側空間の濾過液の水分を吸引する吸引装置を有していてもよい。
前記濾過液濃縮システムは、前記外側空間の濃縮液を回収する濃縮液回収装置を、さらに有していてもよい。
前記濃縮液回収装置は、前記膜モジュールの外側空間に流体を供給する流体供給装置を有していてもよい。
前記中空糸膜は、前記膜モジュールの長手方向に向けて配置されており、前記膜モジュールの中心軸からいずれかの側面側に偏るように配置されていてもよい。
本発明によれば、腹水や胸水の濾過液を濃縮するにあたり、簡単な制御及び装置で所望の濃縮倍率を実現でき、また医療従事者の負担も低減できる。
濾過液濃縮システムの構成の概略を示す説明図である。 生理食塩水を供給する際の濾過液濃縮システムの様子を示す説明図である。 液量を調整する際の濾過液濃縮システムの様子を示す説明図である。 濃縮液を回収する際の濾過液濃縮システムの様子を示す説明図である。 液体供給装置を設けた場合の濾過液濃縮システムの構成を示す説明図である。 水分排出路にポンプを設けた場合の濾過液濃縮システムの構成を示す説明図である。 中空糸膜を偏らせて設けた場合の膜モジュールの説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る腹水又は胸水の濾過液濃縮システム1の構成の概略を示す説明図である。
濾過液濃縮システム1は、例えば膜モジュール10と、濾過液供給装置11と、水分排出装置12と、液量調整装置13と、濃縮液回収装置14と、生理食塩水充填装置15を備えている。
膜モジュール10は、例えば上下面が閉鎖された円筒状のハウジング20内に上下方向に向けて配置された束状の中空糸膜21を備えている。中空糸膜21は、腹水又は胸水の濾過液中の水分を通過させて濾過液を濃縮できる。本明細書において、このハウジング20内の各中空糸膜21の外側を外側空間Aとし、ハウジング20内の各中空糸膜21の内側を内側空間Bとする。
ハウジング20の側面の下部には、ハウジング20内の中空糸膜21の外側空間Aに連通する第1のポート22が設けられている。ハウジング20の下面には、中空糸膜21の内側空間Bに連通する第2のポート23が設けられている。また、ハウジング20の側面の上部には、外側空間Aに連通する第3のポート24が設けられている。また、ハウジング20の上面には、中空糸膜21の内側空間Bに連通する第4のポート25が設けられている。第4のポート25は必要に応じて使用され、本実施の形態では閉鎖されている。
また、ハウジング20の側面には、濃縮液の液量調整のための目盛り30が設けられている。この目盛り30は、例えばハウジング20内の外側空間A内に貯留される液体の液量を示すものである。
濾過液供給装置11は、例えば落差により濾過液を中空糸膜21の外側空間Aに供給するものである。濾過液供給装置11は、例えば腹水又は胸水の濾過液Pを収容する濾過液収容バッグ40と、濾過液収容バッグ40と膜モジュール10の第1のポート22を接続する軟質チューブなどからなる濾過液供給路41を有している。濾過液収容バッグ40と濾過液供給路41は、着脱自在になっている。濾過液収容バッグ40は、膜モジュール10よりも高い位置に設置される。濾過液供給路41には、例えば流路の開閉を行う開閉弁42が設けられている。なお、濾過液供給路41には、濾過液Pの流速を確認するためのドリップチャンバや、流速を増減するための簡易的な弁などが適宜設けられていてもよい。
水分排出装置12は、中空糸膜21の内部空間Bを開放して内部空間Bの濾過液の水分を落下させるものである。水分排出装置12は、例えば第2のポート23に接続された軟質チューブなどからなる水分排出路50と、水分排出路50から排出された水分を収容する水分容器51を有している。水分排出路50には、例えば開閉弁52が設けられ、下端が開放されている。
液量調整装置13は、閉鎖されている外側空間Aを開放し外側空間Aに対し気体を流入又は流出させて、外側空間A内の濃縮液の液量を調整するものである。液量調整装置13は、例えば第3のポート24に接続された軟質チューブなどからなる、一端が大気開放された大気開放路60と、大気開放路60の流路を開閉する開閉弁61を有している。大気開放路60には、例えば大気の不純物を除去するフィルタ62が設けられている。大気開放路60を閉鎖すると、ハウジング20内の外側空間Aが閉鎖され、大気開放路60を大気開放すると、ハウジング2内の外側空間Aが開放される。
濃縮液回収装置14は、外側空間A内で生成された濃縮液Pを排出して回収するものである。濃縮液回収装置14は、例えば第1のポート22に連通する濃縮液回収路70と、濃縮液回収路70に接続された濃縮液収容バッグ71を有している。濃縮液回収路70は、例えば濾過液供給路41から分岐している。濃縮液回収路70には、流路を開閉する開閉弁72が設けられている。また、本実施の形態では、大気開放路60を開放することによって大気が外側空間A内に流入して外側空間Aの濃縮液Pが回収されるので、大気開放路60及び開閉弁61は、濃縮液回収装置14の一部を構成している。
生理食塩水充填装置15は、濃縮前の洗浄のため生理食塩水を膜モジュール10に充填するものである。生理食塩水充填装置15は、例えば生理食塩水Lを収容する生理食塩水収容バッグ80と、濾過液供給路41から分岐し生理食塩水収容バッグ80に接続される生理食塩水供給路81を有している。生理食塩水供給路81には、流路を開閉する開閉弁83が設けられている。なお、生理食塩水供給路81は、必ずしも濾過液供給路41から分岐するものでなくてもよく、例えば生理食塩水収容バッグ80を濾過液収容バック40と交換可能にし、濾過液供給路41を生理食塩水供給路81として使用してもよい。
次に、以上の濾過液濃縮システム1を用いた腹水又は胸水の濾過液濃縮方法について説明する。
患者から取り出された腹水又は胸水を濾過して腹水や胸水からがん細胞などの病因物質を含む粒子成分(不溶性物質、固形物質)を除去し、その濾過してできた濾過液を濾過液収容バッグ40に収容する。図1に示すように濾過液収容バッグ40を濾過液供給路41の先端に接続し、膜モジュール10よりも十分に高い位置に設置する。
濾過液を濃縮する前に、膜モジュール10の洗浄のため図2に示すように膜モジュール10内に生理食塩水Lを充填する。具体的には、開閉弁42、52、72を閉じた状態で、開閉弁61と開閉弁83を開き、生理食塩水収容バッグ80の生理食塩水Lを生理食塩水供給路81及び濾過液供給路41を通じて膜モジュール10の外側空間Aに供給する。生理食塩水Lは、膜モジュール10内を満たすように充填される。外側空間Aに流入した生理食塩水Lの一部は、中空糸膜21の隔壁を通過して内側空間Bに流入し、開閉弁52を開くと、内側空間Bから水分排出路50を通じて排出される。この生理食塩水Lの供給により、膜モジュール10内が洗浄される。
次に、外側区間A内の生理食塩水Lの液量を調整する。例えば図3に示すように開閉弁61を開けた状態で開閉弁83を閉じて、外側空間A内の生理食塩水Lの液量を下げる。そして、目盛り30を見ながら、外側空間Aの生理食塩水Lの液量が所望の液量H1になったところで、開閉弁61を閉じる。これにより、外側空間Aが閉鎖され、液量の減少が止まる。このときの液量H1により、濾過液収容バッグ40内の濾過液Pの最終的な濃縮倍率が定まる。つまり、後述のように濃縮処理中の外側空間A内の液量がH1に維持され、最終的に液量H1の濃縮液Pが生成されるため、例えば濾過液収容バッグ40内の濾過液Pの液量H2とした場合、濃縮倍率は、H2/H1×100%となる。
次に濾過液Pを濃縮する。具体的には図1に示すように開閉弁42を開き、濾過液収容バッグ40内の濾過液Pを、落差により膜モジュール10の外側空間A内に送液する。これにより、膜モジュール10内の生理食塩水Lが濾過液Pに置換される。また、外側空間A内に供給された濾過液Pの水分は、中空糸膜21を通じて内側空間Bに入り、開放されている水分排出路50から水分容器51に排出される。こうして、外側空間A内の濾過液Pが濃縮されていく。また、開閉弁61を閉じて外側空間Aを閉鎖しているため、この間、外側空間Aの液量H1は一定に維持される。そして濾過液収容バッグ40内の濾過液Pが総て排出されると、自動的に濃縮が終了する。このように、開閉弁42を開いた後は、濾過液収容バッグ40内の濾過液Pの濃縮が自動的に最後まで行われる。
次に、外側空間A内の濃縮液Pを回収する。具体的には図4に示すように開閉弁72と開閉弁61を開く。これにより大気開放路60から外側空間A内にエアが流入し、外側空間A内の濃縮液Pが濃縮液回収路70を通じて濃縮液収容バッグ71に回収される。外側空間A内の濃縮液Pがなくなると、濾過液Pの濃縮処理が終了する。
本実施の形態によれば、ポンプや流量調整バルブを用いなくても、膜モジュール10の外側空間A内に所定の液量H1の濃縮液Pが生成されるので、簡単な制御及び装置で所望の濃縮倍率を実現できる。また、濃縮中は何ら操作しなくても外側空間A内の液量が維持されそれによって所望の濃縮倍率の濃縮液Pができるので、濃縮中のエラー発生等のために装置を監視している必要がなく、医療従事者の負担を低減できる。
また、本実施形態では、外側空間Aを一時的に開放し外側空間Aに対しエアを流入させて、外側空間A内の濃縮液Pの液量を、目標濃縮倍率に応じた所定の液量H1に調整するので、濃縮倍率の設定を簡単に行うことができる。
濃縮液Pの液量H1の調整は、膜モジュール10に設けられた目盛り30を基準に行っているので、濃縮倍率の設定を簡単かつ正確に行うことができる。
本実施の形態では、初めに生理食塩水Lを膜モジュール10に充填し、次に生理食塩水Lの液量をH1に調整し、その後外側空間A内の液量H1が維持されるように外側空間Aを閉鎖したまま濾過液Pを供給して、最終的な濃縮液Pの液量を調整している。生理食塩水Lの方が濾過液Pよりも粘性が低く、液量H1を調整し易いので、濃縮液Pの液量H1の調整をより簡単かつ正確に行うことができる。
本実施の形態では、膜モジュール10の外側空間Aにエアを流入させて、外側空間Aの濃縮液Pを回収しているので、外側空間Aの濃縮液Pを簡単かつ確実に回収できる。
以上の実施の形態において、外側空間Aの濃縮液Pを回収する際に、大気開放路60を大気開放して外側空間Aの濃縮液Pを濃縮液収容バッグ71に排出していたが、外側空間Aに生理食塩水を供給して外側空間Aの濃縮液Pを濃縮液収容バッグ71に押し出すようにしてもよい。
かかる場合、例えば図5に示すように濃縮液回収装置14が、流体供給装置90を有し、流体供給装置90は、例えば回収用の生理食塩水収容バッグ91と、第4のポート25から生理食塩水収容バッグ91に通じる生理食塩水供給路92を備えている。例えば生理食塩水供給路92には、流路を開閉する開閉弁93が設けられ、そして、外側空間Aの濃縮液Pを回収する際には、開閉弁52を閉じ開閉弁93を開き、例えば落差により生理食塩水収容バッグ91の生理食塩水を膜モジュール10に供給する。膜モジュール10に供給された生理食塩水は、中空糸膜21の内部空間Bから外側空間Aに流出し、それによって外側空間Aの濃縮液Pが濃縮液収容バッグ71に押し出される。こうすることにより濃縮液Pを確実に回収できる。なお、かかる例において例えば生理食塩水供給路92にポンプを設けて生理食塩水を膜モジュール10に圧送するようにしてもよい。また、このような生理食塩水を供給する流体供給装置90は、他の構成を有していてもよく、第2のポート24から生理食塩水を供給するものであってもよい。また、供給する液体は生理食塩水に限られず、他の清浄な液体であってもよい。
以上の実施の形態において、外側空間Aの濾過液Pを濃縮する際に、中空糸膜21の内側空間Bを陰圧にし、外側空間Aの濾過液Pの水分を吸引して排出するようにしてもよい。かかる場合、例えば図6に示すように水分排出路50にポンプ100が設けられる。こうすることにより、例えば濃縮中に外側空間Aの濾過液Pの粘度が上がったり、中空糸膜21が目詰まりして外側空間Aの水分が内側空間B側に流れにくくなった場合に、濃縮を適切に行うことができる。
以上の実施の形態では、膜モジュール10内の外側空間Aの液量を調整しているので、例えば膜モジュール10内の液量が少なく調整される場合、中空糸膜21の上部が液に浸されないので、中空糸膜21の使用率が低くなる。そこで、中空糸膜21の使用率を上げるため、図7に示すように中空糸膜21を膜モジュール10の中心軸からいずれかの側面側に偏るように配置し、濾過液Pの濃縮の際には、膜モジュール10の中空糸膜21が偏った側面側を下にするようにしてもよい。こうすることにより、中空糸膜21が液に浸りやすくなるため、中空糸膜21の使用率を上げることができる。なお、この場合、膜モジュール10内の液量を調整するときには、図3に示したように膜モジュール10を立てておき、液量の調整後に膜モジュール10を横にしてもよい。このように膜モジュール10を立てておくと液量調整時の液面の動きが大きくなり、液量の調整をより厳密かつ正確に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施の形態において、膜モジュール10の外側空間Aの液量の調整を、生理食塩水Lの液量を調整することによって行っていたが、生理食塩水Lを濾過液Pに置換した後、その濾過液Pの液量を調整することによって行ってもよい。かかる場合、生理食塩水Lを濾過液Pに置換した後、開閉弁61を開いて外側空間Aの液量を減らし、液量が所望の液量H1になったところで開閉弁61を閉めて液量を設定する。
また、濾過液収容バッグ40の濾過液Pの供給を終えた後に外側空間Aの液量H1を調整してもよい。かかる場合、例えば外側空間Aが濾過液Pで満杯になった状態で、濾過液Pが濃縮され、濾過液収容バッグ40内の濾過液Pがなくなった後に、開閉弁61を開いて外側空間Aの液量を調整する。かかる場合、外側空間Aの液量が多い状態で濃縮を行うことができるので、中空糸膜21の多くの部分を液に浸して中空糸膜21の使用率を上げることができる。
なお、以上の実施の形態において、外側空間Aに供給される液量をH1に予め設定できれば、その後液量を調整しなくてもよい。
また、上記実施の形態において、濾過液Pの供給前に生理食塩水を供給していたが、生理食塩水を供給しない場合にも本発明は適用できる。この場合、濾過液濃縮システム1は生理食塩水供給装置15を備えていなくてもよい。また、膜モジュール10に液量を表示する目盛り30が設けられていたが、目盛り30は、濃縮倍率を表示するものであってもよいし、また目盛りはなく、予め定められた液量を示す単なる規準線のようなものが設けられていてもよい。
さらに、上記実施の形態では、大気開放により外側空間Aの液量調整を行っていたが、ポンプを用いて外側空間Aに対し気体を給排して液量調整を行ってもよい。
上記実施の形態において生成される濃縮液Pの量を確保するために膜モジュール10の外側空間Aの容積をより大きくするのが好ましい。例えば外側空間Aの容量が1L以上(モジュール全体容量2L以上)、膜モジュール10の長手方向の長さが20cm以上で直径が10cm以上のものが好ましい。また、膜の孔径について、アルブミンの透過率が0.1未満のものが好ましい。さらに膜材質は、特に限定されないが、ポリスルホン系が好ましい。なお、「〜系」とは、ホモポリマーのみではなく、他のモノマーとの共重合体や化学修飾された類縁体も含むという意味である。また、ポリスルホン系の膜は、親水性高分子により、親水性を持たせたものがより好ましい。さらに上記実施の形態では、落差により濾過液を中空糸膜21の外側空間Aに供給していたが、落差以外の圧力により濾過液を外側空間Aに供給してもよい。
本発明は、腹水や胸水の濾過液を濃縮するにあたり、簡単な制御及び装置で所望の濃縮倍率を実現でき、また医療従事者の負担も低減する際に有用である。
1 濾過液濃縮システム
10 膜モジュール
11 濾過液供給装置
12 水分排出装置
13 大気開放装置
14 濃縮液回収装置
15 生理食塩水供給装置
21 中空糸膜
30 目盛り
A 外側空間
B 内側空間
P 濾過液、濃縮液
H1 濃縮液の液量

Claims (12)

  1. 腹水又は胸水の濾過液を濃縮する方法であって、
    膜モジュール内の中空糸膜の閉鎖された外側空間に、濾過液を供給し、前記中空糸膜を通じて分離される濾過液の水分を、前記中空糸膜の開放された内側空間から落下させて、前記外側空間内で濃縮される濃縮液の液量を一定に維持し、
    前記外側空間を一時的に開放し当該外側空間に対し気体を流入又は流出させて、前記外側空間内の濃縮液の液量を、目標濃縮倍率に応じた所定の液量に調整する工程を有し、
    前記濾過液を前記中空糸膜の外側空間に供給する前に、生理食塩水を膜モジュールに充填する工程をさらに有し、
    前記濾過液の供給により、前記生理食塩水が、液量を維持したまま濾過液に置換され、
    前記濃縮液の液量の調整は、前記生理食塩水の液量を調整することによって行われる、腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  2. 前記濃縮液の液量の調整は、前記膜モジュールに設けられた目盛りを基準に行われる、請求項1に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  3. 前記中空糸膜の内側空間を陰圧にし、前記外側空間の濾過液の水分を吸引して排出する工程をさらに有する、請求項1又は2に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  4. 前記外側空間の濃縮液を回収する工程をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  5. 前記濃縮液の回収工程は、前記膜モジュールの外側空間に流体を供給することにより行う、請求項4に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  6. 前記中空糸膜は、前記膜モジュールの長手方向に向けて配置されており、前記膜モジュールの中心軸からいずれかの側面側に偏るように配置されており、
    前記濾過液の濃縮の際には、前記膜モジュールの前記中空糸膜が偏った側面側を下にする、請求項1〜5のいずれかに記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮方法。
  7. 腹水又は胸水の濾過液を濃縮するシステムであって、
    中空糸膜と、前記中空糸膜の外側空間に連通する第1のポートと、前記中空糸膜の内側空間に連通する第2のポートとを有する膜モジュールと、
    前記膜モジュールの第1のポートに接続され、濾過液を前記中空糸膜の閉鎖された外側空間に供給する濾過液供給装置と、
    前記膜モジュールの第2のポートに接続され、前記中空糸膜の内部空間を開放して前記内部空間の濾過液の水分を落下させる水分排出装置と、
    前記外側空間を一時的に開放し当該外側空間に対し気体を流入又は流出させて、前記外側空間内の濃縮液の液量を調整する液量調整装置と、
    生理食塩水を膜モジュールに充填する生理食塩水充填装置と、を有し、
    前記液量調整装置は、前記外側空間の生理食塩水の液量を調整することによって前記濃縮液の液量の調整を行う、腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
  8. 前記膜モジュールには、濃縮液の液量調整のための目盛りが設けられている、請求項7に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
  9. 前記水分排出装置は、前記中空糸膜の内側空間を陰圧にし、前記外側空間の濾過液の水分を吸引する吸引装置を有する、請求項7又は8に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
  10. 前記外側空間の濃縮液を回収する濃縮液回収装置を、さらに有する、請求項7〜9のいずれかに記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
  11. 前記濃縮液回収装置は、前記膜モジュールの外側空間に流体を供給する流体供給装置を有する、請求項10に記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
  12. 前記中空糸膜は、前記膜モジュールの長手方向に向けて配置されており、前記膜モジュールの中心軸からいずれかの側面側に偏るように配置されている、請求項7〜11のいずれかに記載の腹水又は胸水の濾過液濃縮システム。
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