JP6319887B2 - 溶接検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接検査方法に関し、特に金属板間に形成されるナゲットの良否判定を行うための方法に関する。
従来、溶接の良否を検査する方法として、たがねを用いた検査方法が知られている。この検査方法は、スポット溶接などにより金属板間に形成された接合部(ナゲットがその代表例)にたがねを直接打ち込み、打ち込んだ際の金属板の状態を見ることで、接合状態の良否を簡易に判断することができるため、溶接の良否判定方法として広く一般的に用いられている。
ところで、近年では、車体の軽量化等を目的として、ハイテン材又は超ハイテン材と呼ばれる高張力鋼板を車体に適用する傾向にある。よって、この種の鋼板に対する溶接作業についてもその良否を判定するための検査方法を確立する必要がある。しかしながら、この種の鋼板は非常に高強度であるが故に降伏点も高いことが多い。そのために、スポット溶接等により高張力鋼板間に形成された接合部(ナゲット)に対してたがねを用いた検査を実施すると、たがねを打ち込んだ際の衝撃でたがねとナゲットとの接触部に応力集中を生じ、クラックが容易に発生する。検査時にクラックが発生したのでは、溶接時に生じたクラックか、たがねの打ち込み時に生じたクラックかを判別し難いために、溶接の良否判定が適切に行えない、との問題があった。
そこで、この種の問題を解決するため、例えば刃先部に、その先端の一部を切欠いた切欠き部を設けた溶接検査用たがねが提案されている(特許文献1を参照)。
特開2011−47738号公報
特許文献1に記載のたがねによれば、たがねの金属板間への打ち込み時、刃先部に設けた切欠き部の内周面がナゲットの周縁部と面接触することで、打ち込み時の衝撃が緩和されることが期待できる。しかしながら、実際に、ハイテン材等を溶接用鋼板とした場合には、ナゲット径の規格を満たしたナゲットであっても、ナゲットへのクラックの発生が回避できない、との問題があった。すなわち、どれだけ溶接条件を厳密に管理してもある程度のナゲット径のばらつきは避けられないので、通常、良品と判定されるナゲット径の規格には一定の許容幅が設けられている。一方で、たがねの刃先部(切欠き部)の形状や寸法は、ある程度、想定されるナゲット径に合わせて設計される。そのため、例えばナゲット径の許容上限値に合わせてたがねの先端部を設計した場合、許容範囲(規格)内であっても比較的ナゲット径の小さいナゲットを検査した場合には、ナゲットにクラックが発生する、との問題があった。
以上の事情に鑑み、本発明により解決すべき課題は、ナゲット径のばらつきを許容しつつ、ハイテン材や超ハイテン材の如き高張力鋼板間に形成されるナゲットの良否を適切に判定することにある。
前記課題の解決は、本発明に係る溶接検査方法によって達成される。すなわち、この検査方法は、溶接後の金属板間に形成されるナゲットの良否を検査するための方法であって、刃部材を金属板間に打ち込む工程と、ナゲットの周縁部と刃部材の刃先部との距離が所定の大きさになるまで刃先部をナゲットに近づけた際に、刃先部が受ける反力を測定する工程と、測定した反力に基づいてナゲットの良否を判定する工程とを備えた点をもって特徴付けられる。
上述のように、本発明では、刃部材を金属板間に打ち込んで、ナゲットと刃部材の刃先部との距離が所定の大きさになるまで刃先部をナゲットに近づけた際に、刃先部が受ける反力を測定し、この測定した反力に基づいてナゲットの良否判定を行うようにした。このようにすれば、ナゲットに接触するまで刃部材を接近させることなくナゲットの良否を判定することができる。そのため、従来に比べてナゲットに加わる衝撃を緩和して、ナゲットにクラックが発生する事態を回避することができる。よって、ハイテン材や超ハイテン材のような高張力鋼板に溶接を施す場合であっても、その溶接検査を非破壊で行うことが可能となる。
また、本発明に係る溶接検査方法において、刃先部は、打ち込み方向とは異なる向きに移動可能な可動刃部を有し、ナゲットの周縁部と可動刃部との距離が所定の大きさになるまで可動刃部をナゲットに近づけた際に、可動刃部が受ける反力を測定し、測定した反力に基づいてナゲットの良否を判定するものであってもよい。
このように、打ち込み方向とは異なる向きに移動可能な可動刃部を刃先部に設けて、この可動刃部の近接動作で可動刃部とナゲットとの距離を調整することで、打ち込み方向で刃部材とナゲットとの距離を調整する場合と比べて、刃部材とナゲットとの距離を容易かつ高精度に管理することができる。よって、例えば実際に測定した反力と、予め取得しておいたナゲット(この場合のナゲットとは、良好に形成されたことが確認された良ナゲットを意味する)のナゲット径と反力(良ナゲットに対して上記構成の刃部材を近接させた際に測定される反力)との関係とに基づいて、ナゲット径を算定することができ、これによりナゲット径を適切に評価することが可能となる。
また、本発明に係る溶接検査方法において、刃部材は、可動刃部と当接することで、可動刃部のナゲットへの近接動作を所定位置で規制する規制部をさらに有するものであってもよい。
このように、可動刃部のナゲットへの近接動作を規制する規制部を設けるようにすれば、可動刃部の近接動作が、その駆動部による駆動を停止制御せずとも、ナゲットと可動刃部との距離が所定の大きさになった時点で自動的に規制される。そのため、可動刃部とナゲットとの距離を簡易かつ正確に設定することができる。また、可動刃部が規制部と当接することで、測定される反力が急上昇する。よって、ナゲットとの距離が所定の大きさにまで達したことを反力測定結果から容易に把握し、かつその際の反力を正確に測定することができ、これによってもナゲットの良否判定を正確に行うことが可能となる。
また、本発明に係る溶接検査方法は、金属板間にナゲットを形成すると共に、ナゲットの周囲に、ナゲット及び金属板の本体よりも硬度の低い低硬度領域を設けた後、刃部材の打ち込みによるナゲットの良否判定を行うものであってもよい。
このように、溶接検査対象となる金属板間に形成されるナゲットの周囲に、ナゲット及び金属板の本体よりも硬度の低い低硬度領域を設けておくことで、刃部材の打ち込み時、金属板のうちナゲットの周囲領域が曲げ変形を生じ易くなる。そのため、ナゲットの周縁部に応力集中が生じる事態を可及的に抑止して、ナゲットへのクラックの発生をより一層高確率に防止することができる。
また、上述のようにナゲットの周囲に低硬度領域を形成する場合、本発明に係る溶接検査方法は、反力の測定基準となるナゲットの周縁部と可動刃部との距離を、低硬度領域の外周縁位置に基づいて設定するものであってもよい。
このように、ナゲットへの可動刃部の最大近接位置を、ナゲットの周囲に形成された低硬度領域の外周縁位置に基づいて設定することで、仮に実際のナゲット径が想定した寸法より大きい場合であっても、ナゲットへの過度な近接を避けつつ、ナゲットと可動刃部との間に相応の低硬度領域を残すことができる。よって、ナゲット径のばらつきを許容しながらも、ナゲットの周囲に低硬度領域を設けたことによる打ち込み時の上記メリットを享受して、ナゲットへのクラックの発生をより確実に防止することができる。
以上のように、本発明によれば、ナゲット径のばらつきを許容しつつ、ハイテン材や超ハイテン材の如き高張力鋼板間に形成されるナゲットの良否を適切に判定することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接検査方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る刃部材を備えた溶接検査器の斜視図である。 図2に示す刃部材の平面図である。 図3に示す刃部材のA−A断面図である。 図2に示す刃部材を用いた溶接検査方法の一例を説明するための要部断面図である。 図2に示す刃部材を用いた溶接検査方法の一例を説明するための平面図である。 図2に示す刃部材を用いた溶接検査方法の一例を説明するための平面図である。 図7に示す金属板及び刃部材のB−B断面図である。 刃部材の打ち込み開始時からの時間の経過に伴う反力の変化を概念的に示すグラフである。 予め取得しておいたナゲットのナゲット径と反力との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る溶接検査方法の一例を説明するための要部断面図である。 スポット溶接の通電パターンの一例を概念的に示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る溶接検査方法を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接検査方法の流れを示すフローチャートを示している。図1に示すように、この検査方法は、図2に示す刃部材11を金属板1(図6を参照)の間に打ち込む打ち込み工程S1と、刃部材11の先端に設けた一対の可動刃部12(図2を参照)を互いに近接させた際に、一対の可動刃部12が受ける反力F(図8を参照)を測定する反力測定工程S2と、予めナゲット2のナゲット径Dと反力Fとの関係(図10を参照)を取得しておく関係取得工程S3と、反力測定工程S2で測定した反力Fと、予め取得しておいたナゲット径Dと反力Fの関係とに基づいて、ナゲット2の良否を判定する良否判定工程S4とを備える。以下、まずこの検査方法に用いられる刃部材11の構成を説明し、次いで、溶接検査方法の手順を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る刃部材11を備えた溶接検査器10の全体斜視図を示している。この溶接検査器10は、作業者が把持して操作可能なもので、刃部材11と、検査器本体13とで構成される。検査器本体13は、本実施形態では、ハンマーによる打撃を受ける受け部14と、刃部材11を駆動するための駆動部15と、測定した反力Fに基づいてナゲットの良否判定を行う良否判定部16と、評価結果を表示する表示部17とを有する。もちろん、検査器本体13の後端に取付けた受け部14を、刃部材11の後端に取付けるようにすれば、刃部材11単体で使用可能である。また、検査器本体13を構成する駆動部15のみを刃部材11に設けてもよく、その場合、検査器本体13をPCとしてディスプレイを表示部17とすることも可能である。
刃部材11は、基体18と、基体18の先端側に設けられた一対の可動刃部12と、規制部としてのストッパ19と、反力測定部20とで構成される。このうち一対の可動刃部12は、略長板状をなすもので、駆動部15からの駆動力を受けて互いに近接又は離隔可能とされている。各可動刃部12の先端の間には、少なくとも互いに最大限離隔した状態において、検査対象となるナゲット2を通過可能な大きさの隙間が形成される。また、図3に示すように、各可動刃部12には、平面視した状態で内側(互いに対向する側)に、ナゲット2の周縁部に沿った形状、ここでは円弧状の内周面21が設けられており、これら一対の内周面21の間にナゲット2を収容可能としている。この内周面21の曲率半径は、例えば、想定されるナゲット径D(図5を参照)の最大値よりも大きくなっている。また、図4に示すように、各可動刃部12の内縁はテーパ状に先細りした形状をなしており、後述するナゲット2への近接動作時、金属板1間に入り込み易くなっている。各可動刃部12の外縁(先端縁を含む)も、同様の理由でテーパ状に先細りした形状をなしている。
一対の可動刃部12の間には、規制部としてのストッパ19が配設される。このストッパ19は、前後方向に移動可能で、かつ一対の可動刃部12と当接する位置にテーパ部22を設けている。この構成により、一対の可動刃部12とストッパ19(テーパ部22)との当接位置を調整して、一対の可動刃部12の対向間隔、ひいてはナゲット2の周縁部と可動刃部12との距離Lを所定の大きさに設定可能としている。
反力測定部20は、本実施形態ではひずみゲージで構成され、例えば図3に示すように、各可動刃部12の表面に取付けられている。これにより、一対の可動刃部12の近接動作時、各可動刃部12が金属板1から受けた反力Fを、各可動刃部12に生じたひずみとして測定し、これを検査器本体13に設けた良否判定部16にて反力Fに換算し、表示部17に表示するようになっている。
以下、上記構成の刃部材11及びこの刃部材11を備えた溶接検査器10を用いた溶接検査の一例を主に図5〜図10に基づき説明する。ここでは、スポット溶接により金属板1の間にナゲット2が形成された場合を例にとって説明する。
(S1)打ち込み工程
まず、図5に示すように、互いに重ね合わせた2枚の金属板1の間に形成されたナゲット2に向けて、溶接検査器10の刃部材11を打ち込んでいく。そして、刃部材11の先端に設けた一対の可動刃部12の間、正確には各可動刃部12の内側に設けた内周面21の間にナゲット2が位置するまで刃部材11を打ち込むことで、ナゲット2が一対の可動刃部12の間に収容される(図6を参照)。
(S2)反力測定工程
そして、この状態から、検査器本体13に設けた駆動部15の起動スイッチ23を操作し、駆動部15(例えば油圧シリンダ)を駆動させる。これにより、図示しないリンク機構を介して駆動部15の駆動力が一対の可動刃部12に伝達され、一対の可動刃部12が互いに近接する向きに移動する(図7を参照)。これにより、各可動刃部12はナゲット2の周囲の金属板1を押し広げるようにして入り込んでいき、ナゲット2に向けて近づいていく(図8を参照)。また、この近接動作時、反力測定部20により各可動刃部12が金属板1から受ける反力Fを測定する。この場合に測定される反力Fは、一対の可動刃部12がナゲット2に近づくにつれて上昇する傾向を示す(図9を参照)。
上述した反力Fの測定は、少なくとも規制部としてのストッパ19に各可動刃部12が当接した時点まで行われる。ここで、ストッパ19と各可動刃部12との当接位置は、予め、ナゲット2の周縁部と各可動刃部12との距離Lが所定の大きさになる位置に設定されているため、一対の可動刃部12は、ストッパ19との当接により、各可動刃部12とナゲット2との距離Lが所定の大きさとなる位置で停止する(図8)。また、測定される反力Fは、各可動刃部12がストッパ19に当接した際に急激に上昇することから、この急上昇時の反力Fを、距離Lが所定の大きさになったときの反力として取り扱う。
(S3)関係取得工程
一方、検査器本体13の良否判定部16には、予め良品と判定されたナゲット2(いわば良ナゲット)のナゲット径Dと、このナゲット2に上記構成の刃部材11を所定の距離Lまで近接させた際の反力Fとの関係を示すデータが記録されており、後述する良否判定工程S4にてこの関係データを用いて、測定した反力Fからナゲット径Dを評価する。図10は、ナゲット径Dと反力Fとの関係の一例を示している。横軸はナゲット中心からの距離、縦軸は、距離Lが所定の大きさのときの反力Fをそれぞれ表す。この図におけるプロットは、所定条件でスポット溶接を施した際に許容される最大径のナゲットの周縁部位置P2から外側に所定の距離Lだけ離れた位置P3において、一対の可動刃部12が金属板1から受けた反力Fの測定値を示したものである。なお、位置P1は、同条件でスポット溶接を施した際に許容される最小径のナゲットの周縁部位置を表している。ここで、図10中、丸印で表されたプロットは、実際に測定したナゲット径Dが、許容される最大ナゲット径(例えば5×(金属板1の厚みtの平方根))に等しかった場合に、位置P3において測定された反力Fの大きさを示している。また、同図中、三角印で表されたプロットは、実際に測定したナゲット径Dが、許容される最小ナゲット径(例えば3×(金属板1の厚みtの平方根)に等しかった場合に、位置P3において測定された反力Fの大きさを、四角印と菱形印で表されたプロットは、実際に測定したナゲット径Dが、許容される最小ナゲット径よりも小さかった(例えばそれぞれ2×(金属板1の厚みtの平方根)と1.6×(金属板1の厚みtの平方根))場合に、位置P3において測定された反力Fの大きさをそれぞれ示している。
(S4)良否判定工程
以上のようにして、予めナゲット径Dと反力Fとの関係を取得しておき、実際の検査対象となるナゲット2との距離Lが所定の大きさになるまで一対の可動刃部12を近接させた際の反力Fを測定したら、これらのデータに基づき、ナゲット2の良否判定を行う。具体的には、図10に示すように、位置P3において測定した反力Fと、実際に測定したナゲット径Dとの関係から、許容される最小ナゲット径に対応する大きさの反力Fを特定し、この反力Fの大きさをしきい値F1として以下の評価に用いる。すなわち、実際の検査対象となるナゲット2に一対の可動刃部12を所定の距離Lまで近接させた際に測定した反力Fが、しきい値F1以上であれば、その際の検査対象であるナゲット2のナゲット径Dは許容される最小ナゲット径以上であると評価する(良品であると評価する)。あるいは、所定の距離Lまで近接させた際に測定した反力Fが、しきい値F1未満であれば、その際の検査対象であるナゲット2のナゲット径Dは許容される最小ナゲット径未満であると評価する(不良品であると評価する)。このようにして、ナゲット径Dの評価が行われる。以上の評価は良否判定部16において自動的に行われ、その結果(良否判定結果)が表示部17に表示される。なお、さらに作業者が目視でナゲット2の状態を確認することで、検査結果(良否判定結果)の信頼性が更に高められる。
以上のように、本発明に係る溶接検査方法によれば、ナゲット2との距離Lが所定の大きさになるまで一対の可動刃部12を互いに近接させた際に測定される反力Fに基づいてナゲット径Dの評価が行われるので、刃部材11をナゲット2に接触させることなくナゲット2の良否を判定することができる。そのため、従来に比べてナゲット2に加わる衝撃を緩和して、ナゲット2にクラックが発生する事態を回避することができる。よって、ハイテン材や超ハイテン材のような高張力鋼板に溶接を施す場合であっても、その溶接検査を非破壊で行うことが可能となる。また、本発明では、一対の可動刃部12の近接動作で可動刃部12とナゲット2との距離Lを調整するようにしたので、打ち込み方向で刃部材11とナゲット2との距離を調整する場合と比べて、刃部材11とナゲットとの距離を容易かつ高精度に管理することができる。よって、上述のように、測定した反力Fと、予め取得しておいたナゲット径Dと反力Fとの関係とに基づいて、ナゲット径Dを適切に評価することができる。
また、本実施形態では、ナゲット2の周縁部と各可動刃部12との距離Lが所定の大きさになった時点で、一対の可動刃部12のそれ以上の近接動作を規制するストッパ19を設けるようにしたので、駆動部15による駆動を停止制御せずとも、一対の可動刃部12の近接動作が、ナゲット2と可動刃部12との距離Lが所定の大きさになった時点で自動的に規制される。そのため、一対の可動刃部12の近接距離、ひいてはナゲット2との距離Lを簡易かつ正確に設定することができる。また、ナゲット2との距離Lが所定の大きさになった時点でストッパ19と当接することで、反力Fの測定値が急上昇する。よって、ナゲット2との距離Lが所定の大きさにまで達したことを反力測定結果から容易に把握し、かつその際の反力Fの大きさを正確に測定することができ、これによってもナゲット2の良否判定を正確に行うことが可能となる。また、さらにいえば、本発明に係る検査方法は、破壊することなくナゲットの良否を判定できるものであり、かつ当該検査を容易に行うことができるものであるから、全数検査を行うことも可能となる。
また、本実施形態では、各可動刃部12の内側(互いに対向する側)に、ナゲット2の周縁部に沿った形状(円弧状)の内周面21を設け、かつ一対の可動刃部12でナゲット2を挟み込むようにして一対の可動刃部12を互いに近接させるようにしたので、内周面21の形状に起因して挟み込み時(近接時)にナゲット2に対する調心作用が働き、内周面21の曲率中心をナゲット2の中心に一致もしくは近づけることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明に係る溶接検査方法は上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において当然に任意の形態を採り得る。
例えば、刃部材11に関し、上記実施形態では、規制部としてテーパ部22を設けたストッパ19を例示したが、これ以外の構成をなす規制部を用いて、一対の可動刃部12の近接動作を停止させる位置を設定してもよい。あるいは、駆動部15による駆動及び停止が容易であるならば、規制部を省略して、駆動部15の駆動制御により一対の可動刃部12の停止制御を行うようにしてもよい。もちろん、規制部があるのであれば、駆動部15などを用いずに、例えば手動(人力)操作で、可動刃部を近接させ得るような構成とすることも可能である。
また、検査対象となる金属板1として、ナゲット2と各可動刃部12との距離Lについて、例えば金属板1間にナゲット2を形成すると共に、ナゲット2の周囲に、ナゲット2及び金属板1の本体よりも硬度の低い低硬度領域3(図11中、一点鎖線でハッチングを付した領域)を設けるようにしてもよい。ナゲット2の周囲に低硬度領域3を設けておくことで、刃部材11の打ち込み時、特に、一対の可動刃部12の近接動作時、金属板1のうちナゲットの周囲領域となる低硬度領域3が曲げ変形を生じ易くなる(図11)。そのため、ナゲット2の周縁部への応力集中を緩和して、ナゲット2へのクラックの発生をより確実に防止することができる。
また、以上の説明では、刃部材11の刃先部に一対の可動刃部12を設けた場合を例示したが、もちろん、刃先部として他の形態を採ることも可能である。例えば、左右一方を可動刃部12、他方を固定刃部とし、固定刃部に対する可動刃部12の近接動作でもって、ナゲット2との距離Lが所定の大きさになるまで可動刃部12を近づけるようにしてもよい。同様の動作が可能なのであれば、1つの可動刃部のみの構成としても構わない。
また、上述のようにナゲット2の周囲に低硬度領域3を形成する場合、反力Fの測定基準となるナゲット2の周縁部と可動刃部12との距離Lを、低硬度領域3の外周縁位置に基づいて設定するようにしてもよい。具体的には、規制部による一対の可動刃部12の近接停止位置が、低硬度領域3の外周縁位置に一致するよう、ナゲット2の周縁部と可動刃部12との距離Lを設定するのがよい。このように距離Lを定めることで、仮に実際のナゲット径Dが想定した寸法より大きい場合であっても、ナゲット2への過度な近接を避けつつ、ナゲット2と可動刃部12との間に相応の低硬度領域3を残すことができる。よって、ナゲット径Dのばらつきを許容しながらも、刃部材11の打ち込み時には低硬度領域3が優先的に曲げ変形を生じることで、ナゲット2への応力集中を緩和することができる。よって、ナゲット2へのクラックの発生を確実に防止することができる。なお、この低硬度領域3は、例えば図12に示す形態の通電パターンで加圧通電することにより得ることができる。すなわち、立ち上がって最初のピーク電流を維持する通電区間が主にナゲット2形成のための通電区間で、その後に一定値のベース電流値を基準として複数のパルス通電を行う通電区間が主に低硬度領域3形成のための通電区間となっている。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
1 金属板
2 ナゲット
3 低硬度領域
10 溶接検査器
11 刃部材
12 可動刃部
13 検査器本体
14 受け部
15 駆動部
16 良否判定部
17 表示部
18 基体
19 ストッパ
20 反力測定部
21 内周面
22 テーパ部
23 起動スイッチ
D ナゲット径
F 反力
F1 しきい値
L 距離

Claims (3)

  1. 溶接後の金属板間に形成されるナゲットの良否を検査するための方法であって、
    刃部材を前記金属板間に打ち込む打ち込み工程と、
    前記ナゲットの周縁部と前記刃部材の刃先部との距離が所定の大きさになるまで前記刃先部を前記ナゲットに近づけた際に、前記刃先部が受ける第一反力を測定する第一反力測定工程と、
    予め良好に形成された良ナゲットのナゲット径と、前記刃先部との距離が前記所定の大きさになるまで前記刃先部を前記良ナゲットに近づけた際に前記刃先部が受ける第二反力との関係を取得しておく関係取得工程と、
    前記反力測定工程で測定した前記第一反力、及び、前記関係取得工程で予め取得しておいた前記良ナゲットのナゲット径と前記第二反力との関係に基づいて前記ナゲットの良否を判定する良否判定工程とを備えた溶接検査方法。
  2. 前記刃先部は、前記打ち込み方向とは異なる向きに移動可能な可動刃部を有し、
    前記ナゲットの周縁部と前記可動刃部との距離が所定の大きさになるまで前記可動刃部を前記ナゲットに近づけた際に、前記可動刃部が受ける前記第一反力を測定し、該測定した前記第一反力に基づいて前記ナゲットの良否を判定する請求項1に記載の溶接検査方法。
  3. 前記刃部材は、前記可動刃部と当接することで、前記可動刃部の前記ナゲットへの近接動作を所定位置で規制する規制部をさらに有する請求項2に記載の溶接検査方法。
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