JP6319693B2 - 回転式センサおよび銅電極 - Google Patents

回転式センサおよび銅電極 Download PDF

Info

Publication number
JP6319693B2
JP6319693B2 JP2015110635A JP2015110635A JP6319693B2 JP 6319693 B2 JP6319693 B2 JP 6319693B2 JP 2015110635 A JP2015110635 A JP 2015110635A JP 2015110635 A JP2015110635 A JP 2015110635A JP 6319693 B2 JP6319693 B2 JP 6319693B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
tank
water tank
water
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015110635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016223917A (ja
Inventor
圓井 健敏
健敏 圓井
幹宏 永田
幹宏 永田
昌之 関川
昌之 関川
清美 山崎
清美 山崎
世 佐野
世 佐野
健太郎 栖原
健太郎 栖原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marui Co Ltd
Original Assignee
Marui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marui Co Ltd filed Critical Marui Co Ltd
Priority to JP2015110635A priority Critical patent/JP6319693B2/ja
Publication of JP2016223917A publication Critical patent/JP2016223917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6319693B2 publication Critical patent/JP6319693B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

本発明は、鉄筋の腐食を検知する鉄筋腐食検知技術に関する。
鉄筋の腐食検知技術として、米国規格であるASTM(American Society for Testing and Materials)C876や、コンクリート中の鉄筋の自然電位の測定により鉄筋の腐食度合いを測定する自然電位測定方法(非特許文献1)が広く用いられている。
これらの自然電位測定方法の一例について、図5に基づき説明する。図5は、従来の自然電位測定方法を説明する図であり、図5の(a)はコンクリート床面C1の診断時を示す図であり、図5の(b)はコンクリート天井面C2の診断時を示す図である。
センサ110は、銅棒111、センサ容器113、電極プラグ114、およびスポンジ115を備えている。硫酸銅溶液112が注入されているセンサ容器113には、銅棒111の一端が挿入されている。センサ容器113の他端には、硫酸銅溶液112を通す電極プラグ114がセンサ容器113を貫通するように設置されている。センサ容器113の他端の外面はスポンジ115で覆われている。
電位差計101は、プラス(+)端子に一端がコードクリップ103により鉄筋Fに接続された鉄筋接続ケーブル102が接続され、マイナス(−)端子には、一端が銅棒111に接続されたセンサ接続ケーブル105が接続されている。これにより、鉄筋F、コンクリート床面C1、スポンジ115、電極プラグ114、硫酸銅溶液112、銅棒111、センサ接続ケーブル105は電気的に接続され、電位差計101により鉄筋Fの腐食の診断材料となる自然電位が検出される。
「2013年制定 コンクリート標準示方書[規準編]、土木学会規準および関連規準」、JSCE−E 601−2007、p.206−208
しかしながら、上述の従来技術では、センサ110は測定に際して、水分を含ませたスポンジ115をコンクリート床面C1の測定点毎に押し当てて計測する必要があるため、測定ポイントが多くなり、測定に時間がかかるという問題がある。測定に時間がかかると測定面が乾燥し、検出される自然電位が不安定になるため、測定面を湿潤させることが必要となり、測定時間が増大する。
また、センサ110では、電極プラグ114から硫酸銅溶液112が滲み出し、スポンジ115および測定面を汚染してしまう場合がある。スポンジ115および測定面が硫酸銅溶液112により汚染されると、測定後に汚染された箇所の清掃や中和を行う時間も必要となる。
さらに、センサ110を用いて、図5の(b)に示すように、測定面が鉛直下向きになるコンクリート天井面C2を診断する場合がある。この場合、センサ容器113内部の硫酸銅溶液112の容量が減ると、センサ容器113の上部に空気溜まり116ができる。この空気溜まり116が電気不導体となり、電極プラグ114と硫酸銅溶液112とが電気的に接続されず、自然電位が正しく測定ができない、または自然電位の検出不安定になるという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定方向に制限がなく、短時間で、コンクリート中の鉄筋の自然電位を測定可能な回転式センサを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の回転式センサは、硫酸銅溶液を溜める、円環状の溶液タンクと、上記溶液タンクの内周面および底面を覆う銅電極と、上記溶液タンクの外周壁を囲み、上記溶液タンクの回転軸を中心軸とする円環状の水タンクと、上記水タンクの外周壁を囲み、上記回転軸を中心軸とする円環状の第1スポンジと、上記回転軸を中心軸とする円環状であり、上記水タンクの外周壁を貫通することにより、上記水タンクの外周壁より内側の部分は上記水タンク内に位置し、上記水タンクの外周壁より外側の部分は上記第1スポンジと接する第2スポンジと、上記溶液タンクの外周壁を貫通することにより、上記溶液タンクの外周壁より内側の部分は上記溶液タンク内に位置し、上記溶液タンクの外周壁より外側の部分は上記水タンク内に位置する多孔質電極部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、円環状の溶液タンクの内部の内周面および底面を覆うように銅電極が設けられている。これにより、溶液タンク内の硫酸銅溶液の容量が減少し溶液タンク内にエア溜まりが形成される場合でも、センサの方向に関係なく、銅電極と硫酸銅溶液とが接する。
また、第2スポンジは、上記溶液タンクの回転軸を中心軸とする円環状であり、水タンクの外周壁を貫通し、第2スポンジは、上記外周壁より内側は上記水タンク内に位置し、上記外周壁から外側は上記第1スポンジと接するように設けられている。これにより、水タンク内の水の容量が減少し、水タンク内にエア溜まりが形成された場合でも、センサの向きに関係なく、第2スポンジは第1スポンジと水タンク内の水とに接することができる。ここで、第1スポンジおよび第2スポンジは水タンクの水を吸収することで水を保持する。このため、第1スポンジと水タンク内の水とは第2スポンジにより電気的に接続される。
また、多孔質電極部は、溶液タンクの外周壁を貫通し、溶液タンクの外周壁より内側は溶液タンク内に位置し、溶液タンクより外側は水タンク内に位置するように設けられている。ここで、硫酸銅溶液は多孔質電極部を通るので、多孔質電極部は硫酸銅溶液を保持する。このため、水タンク内の水と溶液タンク内の硫酸銅溶液とは多孔質電極部により電気的に接続される。
したがって、第1スポンジと銅電極とは、センサの向きに関係なく電気的に接続される。その結果、センサは測定方向に制限されずに自然電位を測定することが可能となる。
また、センサのそれぞれの構成は同一回転軸を有する。これにより、センサを回転させることにより自然電位の測定することが可能となる。その結果、スポット的に自然電位を測定する場合と比較し自然電位の測定時間が短くなる。
さらに、溶液タンクと第1スポンジとの間に水タンクが配置されている。これにより、硫酸銅溶液が第1スポンジに直接滲み出ることを避けることができるので、測定時に測定面を汚染しない。その結果、測定後の清掃および中和処理が不要となり、総合的な診断時間を短縮することができる。
また、本発明の回転式センサは、上記多孔質電極部は、上記溶液タンクの外周壁に沿って少なくとも90度間隔で配置された、複数の多孔質電極から構成されることが好ましい。
上記構成によれば、多孔質電極部は複数の多孔質電極から構成されており、溶液タンクの外周壁に沿って少なくとも90度間隔に配置されている。これにより、水タンク内の水および溶液タンク内の硫酸銅溶液の容量が減少し、水タンク内および溶液タンク内にエアだまりが形成された場合でも、回転式センサの測定方向に関係なく、いずれかの多孔質電極は水タンク内の水と溶液タンク内の硫酸銅溶液とに接することができる。
また、本発明の回転式センサは、上記多孔質電極部は、上記回転軸を中心軸とする円環状の多孔質電極から構成されることが好ましい。
上記構成によれば、多孔質電極部が円環状の多孔質電極から構成されるので、水タンク内の水および溶液タンク内の硫酸銅溶液の容量が減少し、水タンク内および溶液タンク内にエアだまりが形成された場合でも、回転式センサの方向に関係なく、多孔質電極は水タンク内の水と溶液タンク内の硫酸銅溶液とに接することができる。さらに、水タンク内の水および溶液タンク内の硫酸銅溶液と多孔質電極とが、接する面積が多くなるので、水タンク内の水と溶液タンク内の硫酸銅溶液とをより安定的に電気的に接続することができる。
また、本発明の回転式センサは、上記回転式センサの移動距離を検出するエンコーダをさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、エンコーダにより回転式センサの移動距離を検出することができるので、所定の移動距離毎に自然電位を検出することができる。その結果、測定値を自動的に測定位置と関連づけて検出することが可能となり、総合的に腐食の診断時間を短縮することができる。
また、本発明の回転式センサは、上記硫酸銅溶液は、上記多孔質電極部を通して、上記溶液タンクから上記水タンクへ向けて流れることが好ましい。
上記構成によれば、多孔質電極により硫酸銅溶液は溶液タンクから水タンク向けて流れる。そのため、水タンクからの水が溶液タンクに析出することを防ぐことができるので、硫酸銅溶液の濃度が薄くなることを防ぐことができる。
また、本発明の銅電極は、回転式センサに用いられる銅電極であって、円板部と、上記円板部と同一の中心軸を有し、上記円板部と一体形成された円筒部と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、銅電極は同じ中心軸を有する円板部と円筒部とが一体形成されているので、回転式センサをどの方向に向けても、銅電極と硫酸銅溶液とが接触し電気的に接続される。
本発明は、測定方向に制限がなく、短時間で自然電位の測定が可能な回転式センサを提供することができる効果を奏する。
(a)は、本発明の実施形態1に係るセンサの構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(b)のB−B断面図である。 本発明の実施形態1に係る鉄筋腐食診断システムを説明する図であり、(a)は、コンクリート床面の診断時を示し、(b)は、コンクリート天井面の診断時を示す図である。 上記センサの銅電極の構成を示す俯瞰図である。 本発明の実施形態2に係るセンサの構成を示す断面図である。 (a)および(b)は、従来の自然電位測定方法を説明する図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1〜図3を参照して説明する。
従来の自然電位測定方法では、照合電極として鉛電極、またはカロメル電極などを使用する。しかし、鉛電極を採用した場合、自然電位の検出の精度が悪く、微妙な自然電位の差を検出することができない。また、鉛電極では、校正が取りにくく、環境にもよくないという問題がある。そこで、本実施形態では、照合電極として銅硫酸銅電極を採用し、精度の高い自然電位の検出を可能にしている。
(鉄筋腐食診断システム)
鉄筋腐食診断システム50は、コンクリートの内の鉄筋腐食によって生じる自然電位を測定し、鉄筋の腐食を診断するシステムである。鉄筋腐食診断システム50は、図2の(a)および(b)に示すように、電位差計1、鉄筋接続ケーブル2、コードクリップ3、センサ接続ケーブル5、ステッキ6、およびセンサ10を備えている。
電位差計1は、センサ10と、コンクリート床面C1またはコンクリート天井面C2に埋設された鉄筋Fとの間に生じる電位差を計測する。電位差計1のプラス(+)端子には、一端がコードクリップ3により鉄筋Fに接続された鉄筋接続ケーブル2が接続され、マイナス(−)端子には、一端がセンサ10に接続されたセンサ接続ケーブル5が接続されている。
ステッキ6は、センサ10を回転移動させるための把手である。ステッキ6は棒状であり、一端にセンサ10が取り付けられている。ユーザは、ステッキ6を握り、測定したい方向に向けてセンサ10を、コンクリート床面C1等で回転移動させることで、所望箇所の自然電位を測定する。
センサ10(回転式センサ)は、コンクリート内の鉄筋腐食によって生じる自然電位を検出する。センサ10は、図1に示すように、センサ部11およびセンサ接続部30を備えている。センサ10は、回転軸22を中心として回転する。
センサ部11は、銅電極12、外周スポンジ15、保水スポンジ16、多孔質電極部18、センサボディー20、取付つまみ21、およびセンサカバー23を備えている。
センサボディー20は回転軸22を中心軸とする円柱状であり、回転軸22を中心とし、同平面上に回転軸22を中心とする大きさの異なる2つのドーナツ状の凹部が形成されている。小さい方の凹部には硫酸銅溶液19aが注入され、溶液タンク19として機能する。大きい方の凹部には水17aが注入され、水タンク17として機能する。言い換えると、センサ部11には、センサボディー20を用いて、回転軸22を中心軸とする円環状の溶液タンク19と、溶液タンク19の外周壁を囲うように設けられ、回転軸22を中心軸とする円環状の水タンク17とが形成されている。溶液タンク19は硫酸銅溶液19aを溜め、水タンク17は水17aを溜める。
ここで、円環状のタンクとは、中心軸と垂直方向の断面が円環状となるタンクを示す。また、溶液タンク19の外周壁は、水タンク17の内周壁となる。言い換えると、溶液タンク19の外周壁(水タンク17の内周壁)は、溶液タンク19と水タンク17との界壁20dである。
上述した通り、溶液タンク19の外周壁を囲うように水タンク17が形成されているので、水タンク17および溶液タンク19が回転軸の長さ方向に積層されている場合と比較して、タンク全体の厚さが薄くなる。これにより、センサ10を小型化することができる。
また、センサボディー20の面20aには凹部20bが形成されている。凹部20bについては後述する。センサボディー20の材料は、例えば樹脂とすることができる。
なお、本実施形態では、水タンク17は溶液タンク19よりも深い(z方向の長さが長い)が上記に限らない。水タンク17の深さを深くし、水タンク17の容量を増やすことで、測定の際の水の補充回数を減らすことができる。
外周スポンジ15(第1スポンジ)は、水タンク17の外周壁20fを囲んでいる。外周スポンジ15および保水スポンジ16は吸水性を有し、水17aを吸収し、保持する。また、外周スポンジ15は回転軸22を中心軸とする円環状である。外周スポンジ15が水17aを保持することにより、外周スポンジ15とコンクリートの測定面とが電気的に接続される。さらに、センサ部11の外周に柔軟な外周スポンジ15を配置することで、センサ部11と測定面とが測定面の凹凸を吸収しつつ接触することができる。これにより、センサ10は安定して自然電位を測定することができ、測定条件のバラツキを軽減することができる。
保水スポンジ16(第2スポンジ)は、回転軸22を中心軸とする円環状である。保水スポンジ16は水タンク17の外周壁20fを貫通し、外周壁20fより内側の部分は水タンク17内に位置し、外周壁20fから外側部分は外周スポンジ15と接する。保水スポンジ16が水17aを保持することにより、外周スポンジ15と水タンク17内の水17aとが保水スポンジ16を介して電気的に接続される。これにより、測定面から水タンク17内の水17aまでの電気的導通が維持される。外周スポンジ15および保水スポンジ16の材料は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)とすることができる。
センサカバー23は、回転軸22を中心とする円板状であり、回転軸22および取付つまみ21によりセンサボディー20に固定される。これにより、水タンク17の開口部17dおよび溶液タンク19の開口部19eが塞がれる。
センサカバー23には、水タンク17に対応する箇所に開口が2箇所、溶液タンク19に対応する箇所に開口が2箇所、それぞれ設けられている。各開口は、水17aまたは硫酸銅溶液19aの注入口として機能する。測定時、上記開口は、水注入ネジ24および溶液注入ネジ25で塞がれている。これにより、水17aおよび硫酸銅溶液19aの容量が減ってきた場合、センサ部11自体の入れ替えを必要とせず、水注入ネジ24および溶液注入ネジ25を外すことで、水17aおよび硫酸銅溶液19aを注入できる。同様に、水17aおよび硫酸銅溶液19aの排出も容易にできるので、例えば、測定後に、外周スポンジ15の汚れを水洗いし、水17aの注入口から汚水を排出することも可能となる。
多孔質電極部18は、溶液タンク19の外周壁(界壁20d)を貫通し、界壁20dより内側の部分は溶液タンク19内に位置し、界壁20dより外側の部分は水タンク17内に位置する。
多孔質電極部18は、硫酸銅溶液19aを通し、保持する。これにより、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとが多孔質電極部18により電気的に接続される。
多孔質電極部18は、多孔を有し、溶液タンク19の周囲に配置され、硫酸銅溶液19aにより湿潤されることで、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとの電気的導通を確保する。具体的には、多孔質電極部18は、多孔質材の電極プラグであり、電解質(硫酸銅溶液19a)が浸み込むと、硫酸銅溶液19aがイオン化しやすくなる。これにより、多孔質電極部18は、導電性を確保しつつ硫酸銅溶液19aの溶液タンク19からの流出を少なくすることができる。本実施形態では、図1の(c)に示したように、多孔質電極部18は、界壁20dに沿って90度間隔に配置されたチップ状の4つの多孔質電極18aから構成されている。4つの多孔質電極18aは、回転軸22を中心軸とする同一円上に等間隔に配置されている。多孔質電極18aが等間隔に配置されていることで、溶液タンク19からの硫酸銅溶液19aの流出を抑制することができる。多孔質電極18aの材料は、例えば、セラミックを用いることができる。
また、界壁20dの上端部20eには、多孔質電極18aが形成されている以外の箇所にゴム部(図示省略)が設けられている。ゴム部は、センサカバー23と界壁20dとのすき間を封じ、水タンク17と溶液タンク19との液体の流通を遮断している。そのため、電気的導通のために界壁20dを単に開口している場合と比較して、硫酸銅溶液19aの流出を大幅に抑えることができる。言い換えると、本実施形態に係るセンサ部11では、溶液タンク19の周囲に多孔質電極18aおよびゴム部を配置することで、電気的導通を確保しつつ硫酸銅溶液19aの流出を少なくすることができる。
硫酸銅溶液19aの流出が減るので溶液タンク19の容量を小さくすることができ、センサ10を小型軽量化できる。具体的には、例えば、センサ部11を、サイズ=約Φ105mm、厚さ=約40mm、重量=約0.4kg(硫酸銅溶液=約10mL、水=約30mLを含む)程度とすることができる。このように、センサ10を小型軽量化できるので、天井面、または壁面の測定であっても容易に測定を行うことができる。
さらに、硫酸銅溶液19aの溶液タンク19からの流出が減るので、センサ10を短期保管(概ね2ヶ月)する際にも、例えば、センサボディー20を水容器に水没させて保管することができ、再度測定する際には水タンク17に水17aを補充するのみで測定可能となる。
また、硫酸銅溶液19aは、多孔質電極18aを通して、溶液タンク19から水タンク17へ向けて一方向に流れやすくなっている。これにより、水タンク17から水17aが溶液タンク19に流出することを防ぐことができるので、硫酸銅溶液19aの濃度低下を防ぐことができる。
また、多孔質電極18aの気泡率により、硫酸銅溶液19aが多孔質電極18aから析出してしまうことが考えられる。その場合でも、溶液タンク19の外側に水タンク17が備えられているため、外周スポンジ15、保水スポンジ16、および測定面の硫酸銅溶液19aによる汚染を防ぐことができる。これにより、測定面の清掃および中和処理が不要となるので、総合的に腐食の診断時間を短縮することができる。
銅電極12は、溶液タンク19の内部において、溶液タンク19の内周面19cおよび底面19dを覆うように設けられている。具体的には、銅電極12は、図3に示すように、回転軸22と一致する中心軸12fを有する、円筒部12bおよびドーナツ状の円板部12aを有する。円板部12aは円筒部12bの一端に配置されており、円筒部12bの開口部12cは円板部12aまで貫通している。円板部12aの底面12d(円板部12aにおいて円筒部12bが設置されていない側の面)は溶液タンク19の底面19dに接しており、底面19dを覆うように配置されている。円筒部12bの内周面12eは溶液タンク19の内周面19cに接しており、内周面19cを覆うように配置されている。言い換えると、円板部12aと、円板部12aと同一の中心軸12fを有し、円板部12aと一体形成された円筒部12bを備える。これにより、センサ10をどの方向に向けても、銅電極12と硫酸銅溶液19aとが接触し電気的に接続される。
そのため、図1の(b)に示すように、銅電極12の断面は回転軸22と平行の部分(円筒部12b)と回転軸22と垂直な部分(円板部12a)とからなるL字形状を示す。これにより、溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aが減り、溶液タンク19内に溶液タンクエア溜まり19bが形成されても、センサ10が鉛直方向および水平方向(x、y、またはz方向)のどの方向を上部としても硫酸銅溶液19aと銅電極12とは接することができる。
銅電極12は、導電性を有する電極固定ネジ13により、溶液タンク19、詳しくは、センサボディー20の凹部20bに導電性バネ14を介して固定されている。導電性バネ14は銅電極12から外部に電気を流すためのものであり、銅電極12は、電極固定ネジ13により導電性バネ14に電気的に接続されている。
センサ部11とステッキ6とは、センサ接続部30により接続されている。センサ接続部30は、接続端子31およびエンコーダケース32を備えている。回転軸22はネジ機能を有し、取付つまみ21と一体となっている。取付つまみ21を指でつまんで、回転軸22をエンコーダケース32にネジ固定することにより、センサ部11はセンサ接続部30に接続される。
エンコーダケース32は回転軸22を中心とする円柱状であり、エンコーダケース32の内部には、センサ10の移動距離を検出するエンコーダが備えられている。エンコーダを用いた自然電位の測定について詳しくは後述する。エンコーダケース32は、面20aを覆うように、ステッキ6とセンサ部11との間に設けられている。回転軸22はステッキ6に回転可能に支持されている。エンコーダケース32は、回転軸22に固定されており、測定時、センサ接続部30はセンサ部11と同時に回転する。エンコーダケース32の外周面には、ゴム33が設けられており、センサ10を回転させるときにセンサ10を測定面に押し付けることで、ゴム33と外周スポンジ15とは平らになる。これにより、センサ10のスムーズな回転が可能になる。
接続端子31は、エンコーダケース32のセンサ部11側の凹部20bに対応する箇所に設けられており、センサ部11およびセンサ接続部30が回転軸22に取り付けられることにより、導電性バネ14と接続端子31とが電気的に接続される。
(回転による計測)
センサ10は主な各構成が同一の回転軸22を中心軸としているため、測定面を転がして連続的に自然電位の測定が可能である。また、センサ10は、必要に応じて測定した自然電位と位置データとを関連付けすることができる。言い換えると、センサ10は、鉄筋の腐食状況と位置との関連付けを容易に行うことができる。その結果、総合的に腐食の診断時間を短縮することができる。
従来の測定方法は、測定点毎に自然電位を検出するため、検出した自然電位と測定位置との関連付けに多くの時間と手間がかかる。それに対して、本実施形態に係るセンサ10は、センサ10の移動距離を検出するエンコーダを備えている。そのため、センサ10は測定時、センサ10が回転する毎にエンコーダからパルス信号が出力され、出力されたパルス信号をカウントすることで、センサ10の位置を検出することができる。これにより、センサ10の移動距離を検出することができるので、所定の移動距離(例えば5cm)毎に、自然電位を検出することができる。その結果、測定値を自動的に測定位置と関連づけて検出することが可能となり、総合的に腐食の診断時間を短縮することができる。
(各方向におけるセンサ)
本実施形態に係るセンサ10は測定方向に制約がなく、鉛直方向および水平方向の測定が可能となるため、床面、天井面、側壁面の水平・鉛直方向の測定ができる。
まず、コンクリート床面C1を測定する場合について説明する。図2の(a)に示すように、図1の(b)に示すセンサ10に対してコンクリート床面C1は紙面下方向(y方向−側)に位置する。自然電位を測定する際、コンクリート床面C1は湿潤しているので、水タンク17からの水17aを含んでいる外周スポンジ15とコンクリート床面C1とは電気的に接続される。また、保水スポンジ16も水17aを含んでいるため、外周スポンジ15と水タンク17内の水17aとは、保水スポンジ16を介して電気的に接続される。
さらに、多孔質電極18aは硫酸銅溶液19aを含んでいるため、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとは多孔質電極18aを介して電気的に接続される。そして、硫酸銅溶液19aと銅電極12とは直接接しているため、電気的に接続されている。その結果、コンクリート床面C1と銅電極12とは電気的に接続され、鉄筋腐食診断システム50により、自然電位を測定することが可能となる。
次に、コンクリート天井面C2を測定する場合について説明する。図2の(b)に示すように、図1の(b)に示すセンサ10に対してコンクリート天井面C2は紙面上方向(y方向+側)に位置する。自然電位を測定する際、コンクリート天井面C2は湿潤しているので、湿潤している外周スポンジ15とコンクリート天井面C2とは電気的に接続される。
ここで、水タンク17のコンクリート天井面C2側(y方向+側)には電気不導体である水タンクエア溜まり17bが形成されている。しかし、保水スポンジ16は円環状であるため、保水スポンジ16はいずれかの箇所で水タンク17内の水17aと接することができる。したがって、外周スポンジ15と水タンク17内の水17aとは、湿潤している保水スポンジ16を介して電気的に接続される。
また、溶液タンク19のコンクリート天井面C2側(y方向+側)には電気不導体である溶液タンクエア溜まり19bが形成されている。しかし、多孔質電極18aが界壁20dに沿って90度間隔に配置されているので、いずれかの多孔質電極18aが水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとに直接接することができる。したがって、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとは硫酸銅溶液19aにより湿潤している多孔質電極18aを介して電気的に接続される。そして、硫酸銅溶液19aと銅電極12とも電気的に接続されている。
その結果、コンクリート天井面C2と銅電極12とは電気的に接続されるので、コンクリート天井面C2であっても鉄筋腐食診断システム50により、自然電位を測定することが可能となる。
次に、図示にはないが、コンクリート壁面を測定する場合について説明する。具体的には、図1の(b)に示すセンサ10の紙面右方向(z方向+側)が上部になるように壁面にセンサ10を回転させて測定するものとして説明する。自然電位を測定する際、コンクリート壁面は湿潤しているので、湿潤している外周スポンジ15とコンクリート壁面とは電気的に接続される。
ここで、水タンク17の上部側(z方向+側)には電気不導体である水タンクエア溜まり17bが形成されるが、水17aは水タンク17の下部(z方向−側)に溜まっているので、保水スポンジ16は水タンク17内の水17aと直接接する。そのため、外周スポンジ15と水タンク17内の水17aとは、湿潤している保水スポンジ16を介して電気的に接続される。
さらに、溶液タンク19の上部側(z方向+側)には電気不導体である溶液タンクエア溜まり19bが形成されている。しかし、硫酸銅溶液19aは溶液タンク19の下部(z方向−側)に溜まる。また、水タンク17内の水17aも水タンク17の下部(z方向−側)に溜まっているため、多孔質電極18aは水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとに直接接することができる。これにより、多孔質電極18aは水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとに接するので、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとは硫酸銅溶液19aにより湿潤している多孔質電極18aを介して電気的に接続される。そして、硫酸銅溶液19aと銅電極12とは直接接続されており、電気的に接続されている。その結果、コンクリート壁面と銅電極12とは電気的に接続されるので、コンクリート壁面であっても、鉄筋腐食診断システム50により、自然電位を測定することが可能となる。
なお、水タンク17および溶液タンク19の深さ(z方向の長さ)を浅くすることで、図1の(b)に示すセンサ10の紙面左方向(z方向−側)が上部になるようにセンサ10を回転させての測定も可能となる。
したがって、センサ10はセンサ10の測定方向に制約がなく、どの方向(床面、天井面、壁面の水平・鉛直方向)での自然電位の測定可能となる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図4に基づき説明する。図4は、実施形態2に係るセンサ10aの構成を示す断面図である。具体的に、図4は図1の(c)と同じ箇所の断面を示している。センサ10aは、センサ10と比較して、多孔質電極部18が、多孔質電極18aに代えて、多孔質電極18bから構成されている点が異なり、その他の構成は同様である。
多孔質電極18bは、図4に示すように、回転軸22を中心軸とする円環状であり、その他の構成は多孔質電極18aと同様である。これにより、多孔質電極18bは多孔質電極18aと比較し、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aと接する面積が増えるので、水タンク17内の水17aと溶液タンク19内の硫酸銅溶液19aとをより安定的に電気的接続することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食を検知する鉄筋腐食検知装置に利用することができる。
10・10a センサ(回転式センサ)、12 銅電極、15 外周スポンジ(第1スポンジ)、16 保水スポンジ(第2スポンジ)、17 水タンク、17a 水、18 多孔質電極部、18a・18b 多孔質電極、19 溶液タンク、19a 硫酸銅溶液、20d 界壁(溶液タンクの外周壁)、20f 外周壁(水タンクの外周壁)、22 回転軸

Claims (5)

  1. 硫酸銅溶液を溜める、円環状の溶液タンクと、
    上記溶液タンクの内周面および底面を覆う銅電極と、
    上記溶液タンクの外周壁を囲み、上記溶液タンクの回転軸を中心軸とする円環状の水タンクと、
    上記水タンクの外周壁を囲み、上記回転軸を中心軸とする円環状の第1スポンジと、
    上記回転軸を中心軸とする円環状であり、上記水タンクの外周壁を貫通することにより、上記水タンクの外周壁より内側の部分は上記水タンク内に位置し、上記水タンクの外周壁より外側の部分は上記第1スポンジと接する第2スポンジと、
    上記溶液タンクの外周壁を貫通することにより、上記溶液タンクの外周壁より内側の部分は上記溶液タンク内に位置し、上記溶液タンクの外周壁より外側の部分は上記水タンク内に位置する多孔質電極部と、を備えることを特徴とする回転式センサ。
  2. 上記多孔質電極部は、上記溶液タンクの外周壁に沿って少なくとも90度間隔で配置された、複数の多孔質電極から構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転式センサ。
  3. 上記多孔質電極部は、上記回転軸を中心軸とする円環状の多孔質電極から構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転式センサ。
  4. 上記硫酸銅溶液は、上記多孔質電極部を通して、上記溶液タンクから上記水タンクへ向けて流れることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転式センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の回転式センサに用いられる銅電極であって、
    円板部と、
    上記円板部と同一の中心軸を有し、上記円板部と一体形成された円筒部と、を備えることを特徴とする銅電極。
JP2015110635A 2015-05-29 2015-05-29 回転式センサおよび銅電極 Active JP6319693B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110635A JP6319693B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 回転式センサおよび銅電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110635A JP6319693B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 回転式センサおよび銅電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016223917A JP2016223917A (ja) 2016-12-28
JP6319693B2 true JP6319693B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=57747993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015110635A Active JP6319693B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 回転式センサおよび銅電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6319693B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2974276A (en) * 1957-08-16 1961-03-07 Superior Oil Co Method of and apparatus for use in measuring earth potentials
JPS6234296Y2 (ja) * 1978-04-28 1987-09-01
JPH06100572B2 (ja) * 1985-05-17 1994-12-12 ジヨン ピ−タ− ニコルソン 電解質電位測定装置
JP2883195B2 (ja) * 1990-11-19 1999-04-19 日本防蝕工業株式会社 回転式照合電極
JPH095286A (ja) * 1995-06-20 1997-01-10 Nippon Boshoku Kogyo Kk 電位計測用マークシート及びこれを用いた鉄筋の電位計測方法
JPH11230927A (ja) * 1998-02-18 1999-08-27 Taisei Corp 塗装鉄筋の欠陥を検出できるコンクリート構造物とその検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016223917A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dong et al. Effective monitoring of corrosion in reinforcing steel in concrete constructions by a multifunctional sensor
JP6338939B2 (ja) センサ、尿センサ及び便器装置
JP5809969B2 (ja) イオン分析装置
JP6319693B2 (ja) 回転式センサおよび銅電極
KR101883396B1 (ko) 수질 측정 센서 장치
US20210102914A1 (en) Membrane-based water quality sensor
CN203964985U (zh) 一种地下水位测量仪的探头
JP2017538942A5 (ja)
CN206038103U (zh) 一种电容液位传感器
CN105499178A (zh) 传感器水下测头自动清洗装置
CN207379575U (zh) 一种地下水位测量装置
CN211284549U (zh) 参比管电位检测装置
CN212459342U (zh) 一种混凝土结构耐久性监测装置
CN210596268U (zh) 电位测量装置
CN211652853U (zh) 一种地质勘察用土壤湿度检测装置
CN114166584A (zh) 一种土壤呼吸气体收集装置
JP2009156670A (ja) 比較電極
CN106706720A (zh) 电阻控制便携式多深度含水率现场测量装置
CN205300701U (zh) 地下水位测量卷尺
CN105002697B (zh) 具有测量水电导率的电极的洗衣机
CN207585603U (zh) 一种楼房棚顶倾斜度检测装置
CN211990071U (zh) 一种具有清洗功能的离子计
CN206618717U (zh) 电阻控制便携式多深度含水率现场测量装置
CN205826588U (zh) 一种氯离子监测装置
CN205483392U (zh) 压力变送器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180214

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180214

TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6319693

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250