以下、液滴吐出装置の実施形態について、図を参照して説明する。
液滴吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に、溶媒成分及び溶質成分を含む溶液の一例であるインクを吐出することによって印刷を行うインクジェット式のプリンターである。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置11は、溶液を液滴として吐出可能なノズル12の吐出口13が設けられた液滴吐出部14と、加湿機構15と、液滴吐出部14のメンテナンスを行うメンテナンス機構16と、液滴吐出部14に溶液を供給する溶液供給機構130(図4及び図5参照)とを備える。
なお、図1及び図2においては、加湿機構15の構成を明示するために、溶液供給機構130の図示を省略している。また、本実施形態では、紙面と直交する方向に延びる印刷領域PAに配置される媒体Sに対して液滴吐出部14が液滴を吐出することで印刷を行うものとして説明する。
液滴吐出部14には、例えば下面からなる開口面17に複数の吐出口13が開口する。液滴吐出部14に設けられた複数のノズル12は、例えば色の異なるインクなど、異なる種類の溶液を吐出するものであってもよいし、液滴吐出部14に同じ種類の溶液を吐出する複数のノズル12を設けてもよい。
図1には、一例として、媒体Sが配置される印刷領域PAと対向する液滴吐出部14の開口面17に、同じ種類の溶液を吐出する複数のノズル12が搬送方向(図1において紙面と直交する方向)と交差する方向(図1における左右方向となるノズル列方向)に並んでノズル列を形成した状態を図示している。
次に、加湿機構15の構成を詳述する。
加湿機構15は、液滴吐出部14と並ぶように配置された気体供給部21及び液体供給部31と、気体供給部21及び液体供給部31と接続される供給機構18とを備える。気体供給部21及び液体供給部31は、例えば、ノズル列方向における液滴吐出部14の両側にそれぞれ隣り合うように配置することができる。
気体供給部21とは、気体が流出可能な気体供給口22が設けられた部分をいい、液体供給部31とは、液体が流出可能な液体供給口32が設けられた部分をいう。気体供給部21及び液体供給部31は、液滴吐出部14と別体に設けることもできるし、液滴吐出部14と一体化した構造を採用して、同一の部材に吐出口13、気体供給口22及び液体供給口32が開口する構成にすることもできる。なお、気体供給口22及び液体供給口32は、媒体Sが配置される可能性のある印刷領域PAの外側に向けて開口するのが好ましい。
供給機構18は、液体を貯留可能な液体貯留部33及び気体を貯留可能な気体貯留部23を有する流体貯留部19と、気体貯留部23と気体供給部21とを接続する気体供給流路24と、液体貯留部33と液体供給部31とを接続する液体供給流路34とを備えている。流体貯留部19においては、鉛直方向下側に位置する液体貯留部33と鉛直方向上側に位置する気体貯留部23とが互いに連通している。
液体貯留部33に貯留される液体は、溶液の溶媒成分を含む液体であるのが好ましい。例えば溶媒の主成分が水である場合には、水を主成分とする液体または水を液体貯留部33に貯留する。本実施形態において、溶液の溶媒成分を含んで、液体貯留部33に貯留される液体をメンテナンス液という。
気体貯留部23には、液体貯留部33に貯留された液体が蒸発して気体となったものが貯留される。本実施形態において、気体貯留部23に貯留される気体を加湿気体という。すなわち、本実施形態における加湿気体は、気化した溶媒成分を含む空気である。
供給機構18は、さらに、流体貯留部19に接続流路41を介して接続された液体収容部42と、接続流路41に設けられた供給ポンプ43と、接続流路41において供給ポンプ43と液体収容部42との間に配置されたバルブ44と、流体貯留部19における液面位置を検出する検出部45とを備えてもよい。この場合には、流体貯留部19における液面位置が所定の位置より低くなったことを検出部45が検出した場合に、バルブ44を開いた状態で供給ポンプ43を駆動することにより、流体貯留部19にメンテナンス液を補給することが可能になる。
なお、接続流路41、液体収容部42、供給ポンプ43、バルブ44及び検出部45を備えず、流体貯留部19に直接メンテナンス液を補充したり、カートリッジ状の流体貯留部19を交換することでメンテナンス液を補充したりする構成を採用してもよい。
液体供給流路34には、液体貯留部33に貯留されたメンテナンス液を液体供給部31に供給するためのポンプ35と、ポンプ35と液体貯留部33との間において流路の開閉を行う開閉弁36とが設けられる。ポンプ35は、第1方向に駆動した場合に液体供給流路34内の流体を流体貯留部19側から液体供給部31側に流動させる一方で、第1方向の逆方向となる第2方向に駆動した場合に液体供給流路34内の流体を液体供給部31側から流体貯留部19側に流動させる構成にするのが好ましい。
気体供給流路24には、大気開放弁25が設けられる。大気開放弁25が閉弁状態になると、気体貯留部23に貯留された加湿気体が図2に二点鎖線の矢印で示すように、気体供給部21に設けられた気体供給口22から排気される。一方、大気開放弁25が開弁状態になると、気体貯留部23に貯留された加湿気体が大気中に放出されるので、気体供給口22から加湿気体が排気されなくなる。
次に、メンテナンス機構16の構成を詳述する。
メンテナンス機構16は、液滴吐出部14において吐出口13が開口する開口面17を払拭するためのワイピング機構51と、吐出口13の目詰まりを抑制するためのキャッピング機構52とを備えている。
キャッピング機構52は、液滴吐出部14に対して相対移動可能なキャップ部53と、廃液収容部54と、キャップ部53と廃液収容部54とを接続する廃液流路55と、廃液流路55に設けられた減圧機構56と、キャップ部53に付属する大気開放弁57とを備えている。
図2に示すように、キャップ部53は、液滴吐出部14に近づく方向に移動して、吐出口13、気体供給口22及び液体供給口32が開口する空間を閉空間Roとするキャッピングを行う。キャップ部53は、図2に示すような開口部を有する有底箱状のものに限らず、例えば、吐出口13が開口する領域を囲む環状の弾性部材を液滴吐出部14側に配置しておき、この弾性部材に接触することによって閉空間Roを形成する板状の部材をキャップ部53としてもよい。
液滴吐出部14をキャッピングしたときに、大気開放弁57が開弁状態になると閉空間Roは大気開放される一方、大気開放弁57が閉弁状態になると閉空間Roはほぼ密閉された状態になる。そのため、液滴吐出部14をキャッピングした後に、大気開放弁25,57及び開閉弁36を閉弁状態にして減圧機構56を駆動させると、閉空間Ro内が減圧されて負圧が生じ、吐出口13を通じて液滴吐出部14内に混入した気泡等が溶液とともに排出される吸引クリーニングが行われる。そして、吸引クリーニングによって吐出口13からキャップ部53内に排出された溶液(廃液)は、廃液流路55を通じて廃液収容部54に収容される。
図1に示すように、ワイピング機構51は、液滴吐出部14の開口面17を払拭可能なワイパー58と、ワイパー58を保持して移動する移動体59とを備えている。ワイパー58は、例えば吸引クリーニングの実行後などに、移動体59の移動に伴って開口面17に接触しながら移動することで、開口面17に付着した溶液などを払拭するワイピングを行う。また、ワイパー58によって、気体供給口22及び液体供給口32に付着した液体やメンテナンス液を払拭してもよい。
次に、本実施形態の液滴吐出装置11の作用を、加湿機構15の動作とともに説明する。
液滴吐出部14が吐出口13から液滴を吐出しないときには、図2に示すようにキャップ部53によるキャッピングを行って、吐出口13の乾燥を抑制する。例えば、印刷が終了したときには、キャップ部53が液滴吐出部14に近づく方向に移動して吐出口13等が開口する閉空間Roを囲み形成した後に、大気開放弁57を閉弁状態にする。そして、再び印刷を行うときには、大気開放弁57を開弁状態にした後に、キャップ部53が液滴吐出部14から離れる方向に移動して、キャッピングを解除する。
なお、図1に示すように液滴吐出部14が印刷を行う場合、その印刷データに応じて吐出口13から間欠的に液滴が吐出されるため、印刷時間が長くなると、特に液滴の吐出頻度が低いノズル12が乾燥して、吐出口13が目詰まりするおそれがある。
そこで、キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が所定の閾値よりも長い場合には、液体供給部31が液体貯留部33に貯留されたメンテナンス液をキャップ部53に供給して、液体供給部31から供給されたメンテナンス液を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うのが好ましい。このようにすれば、加湿空気を供給する場合よりも、閉空間Roに存在する溶媒成分の量を多くして、より高い湿度で閉空間Roを加湿することができるし、こうした高い湿度をより長い時間保持することができるためである。
なお、メンテナンス液は、開閉弁36を開いた状態でポンプ35を第1方向に駆動することによって、図2に実線の矢印で示すように、液体貯留部33から液体供給部31に向けてメンテナンス液が流動して、液体供給口32からキャップ部53に向けて排出される。この場合には、液体供給口32が開口する方向(例えば、液滴吐出部14の鉛直方向下方)にキャップ部53を配置した状態でキャップ部53にメンテナンス液を供給した後にキャッピングを行ってもよいし、キャッピングを行った後にキャップ部53にメンテナンス液を供給してもよい。
メンテナンス液をキャップ部53内に入れてキャッピングを行った場合には、キャッピングを解除したときに減圧機構56を駆動させて、キャップ部53に残ったメンテナンス液を廃液収容部54に回収するようにしてもよい。
一方、キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が上述した閾値以下である場合には、気体供給部21が供給した加湿気体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うのが好ましい。この場合には、キャッピングを行って大気開放弁57を閉弁状態にした後に、大気開放弁25を閉弁状態にするとともに開閉弁36を開弁状態にして、ポンプ35を第2方向に駆動する。すると、気体貯留部23内の加湿気体が気体供給流路24を通じて閉空間Roに流入するとともに、閉空間Ro内の気体が液体供給流路34を通じて流体貯留部19に向けて流出する。その結果、気体は流体貯留部19と閉空間Roとの間を循環する。このとき、液体供給流路34は、閉空間Ro内の気体を流体貯留部19に帰還させるための帰還流路として機能する。
ここで、液体供給流路34は流体貯留部19の液体貯留部33に接続されているので、閉空間Roから流出した気体は、液体貯留部33内のメンテナンス液に接触することで加湿された後に液面に出て、気体貯留部23に入る。
このように、液体貯留部33と気体貯留部23とを1つの流体貯留部19内に設けることによって、2つの貯留部を別々に設ける場合と比較して構成を簡素化できることに加えて、閉空間Roと流体貯留部19とで気体を循環させる過程で、液体貯留部33内のメンテナンス液によって気体を加湿することが可能になる。そして、流体貯留部19と閉空間Roとの間で気体を循環させることで、単に気体貯留部23と閉空間Roとが気体供給流路24を通じて連通している場合よりも、積極的に閉空間Roを加湿することができる。
ところで、電源オフ時に、加湿気体やメンテナンス液によって閉空間Roを保湿した状態でキャッピングを行うと、キャップ部53周辺の気温が下がった場合などに、開口面17に結露が生じるおそれがある。そして、このように結露した液体に吐出口13から吐出される液滴が接触すると、液滴の飛翔方向がずれるなどして、印刷品質が低下するおそれがある。
そのため、電源を入れて始めにキャッピングを解除したときには、液滴吐出部14が媒体Sに対して液滴を吐出する前に、ワイパー58によって開口面17を払拭して、結露した液体を除去するのが好ましい。このようにすれば、液滴の飛翔方向のずれを抑制することが可能になる。
なお、気体供給口22及び液体供給口32を媒体Sの印刷領域PAの外側に向けて開口するようにしておけば、例えば気体供給流路24内で結露した液体や液体供給流路34から漏出したメンテナンス液などが垂れ落ちた場合にも、媒体Sを汚すことがない。
さらに、開口面17には、液滴の吐出に伴って生じた溶液のミストや、媒体Sである用紙から生じた紙粉などが付着して、吐出不良の要因となることがある。そのため、ワイパー58による開口面17の払拭は、例えば所定時間印刷を行った後などにも行うのが好ましい。なお、印刷時間が長い場合には、開口面17に付着した溶液の溶媒成分が蒸発して、付着した紙粉や溶質成分などが固化していることがある。
そのため、印刷後にワイピングを行う場合などには、液体供給部31から排出されたメンテナンス液をワイパー58に付着させて、付着した液体で溶質成分を溶かしつつ、払拭を行うようにしてもよい。
この場合には、図3に示すように、液体供給口32から液滴が落下しない程度にメンテナンス液を滲出または膨出させてワイピングを行うとよい。このようにメンテナンス液で開口面17を濡らしながらワイピングを行うためには、液体供給部31が開口面17と面一をなす面を有し、この面に液体供給口32が開口するのが好ましい。
次に、図4及び図5を参照して、液滴吐出部14に溶液を供給する溶液供給機構130の構成について説明する。なお、図4及び図5においては、溶液供給機構130の構成を明示するために、加湿機構15の図示を省略している。
図4に示すように、溶液供給機構130は、溶液を収容する溶液収容部210と、溶液収容部210と液滴吐出部14とを接続する溶液流路220と、溶液流路220において溶液を流動させる流動機構230と、溶液流路220の溶液の流れを規制可能な規制部240とを備える。
溶液収容部210には大気連通弁160が設けられている。大気連通弁160が開弁状態になると、溶液収容部210は大気と連通する。また、溶液収容部210は注入流路170を通じて溶液供給源180と連通している。注入流路170には、溶液供給源180から溶液収容部210に向けて溶液を流動させるポンプ190と、ポンプ190と溶液供給源180との間において注入流路170の開閉を行う開閉弁200とが設けられている。そして、開閉弁200が開状態のときにポンプ190が駆動すると、注入流路170を通じて溶液供給源180から溶液収容部210に溶液が注入される。
液滴吐出部14は、溶液流路220から供給される溶液を貯留する共通液室410と、共通液室410及びノズル12に連通する複数の圧力室420とを有している。本実施形態において、ノズル列を形成する複数のノズル12には、共通液室410を通じて溶液が供給される。
共通液室410と圧力室420とは、振動板440によって区画されているとともに、各圧力室420に対応するように形成された連通孔450を通じて連通している。振動板440において、圧力室420と面する部分の反対側の面であって、共通液室410と異なる位置には、収容室460に収容されたアクチュエーター470が配設されている。
アクチュエーター470は、例えば駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子である。そして、アクチュエーター470に駆動電圧が印加されると、振動板440が変形して圧力室420の容積が変化することによって、圧力室420内の溶液がノズル12から液滴として吐出される。
溶液流路220は、流入口250及び流出口260を有するとともに共通液室410に連通する溶液貯留室270と、溶液収容部210と流入口250とを接続するとともに流動機構230が設けられた供給流路280と、流出口260と溶液収容部210とを接続するとともに規制部240が設けられた帰還流路290とを有している。溶液貯留室270と共通液室410との間には、フィルター室310を配置して、このフィルター室310にフィルター320を設けておくのが好ましい。
溶液貯留室270は、撓み変位することで溶液貯留室270の容積を変更可能な可撓部330を備えるのが好ましい。可撓部330は、例えば溶液貯留室270の壁の一部を形成する流路形成部材に撓み変位可能なフィルム部材を溶着することによって形成することができる。
溶液貯留室270は、流出口260を複数(例えば2つ)有するのが好ましい。また、溶液貯留室270において、複数の流出口260は流入口250よりも溶液貯留室270の長手方向(図4における左右方向)の端部に近い位置に配置されるとともに、流入口250は同長手方向に並ぶ2つの流出口260の間に配置されるのが好ましい。本実施形態においては、ノズル列方向が溶液貯留室270の長手方向になっている。
さらに、溶液貯留室270において、流出口260を流入口250よりも鉛直方向上方に配置するとともに、溶液貯留室270の天井面が長手方向における中央付近から両端側に向けて高くなるように、天井面を傾斜させるとよい。このようにすれば、溶液貯留室270内に混入した気泡が天井面の傾斜に沿って流出口260のある端部に向けて流動して、流出口260を通じて帰還流路290に流出しやすくなるためである。なお、図4及び図5においては可撓部330が天井面を形成するように図示しているが、可撓部330は天井面を形成しない壁面(例えば、側面や底面)に配置した方が気泡の滞留が抑制されるので、好ましい。
また、溶液貯留室270のフィルター室310に対する接続部分は、流入口250よりも流出口260に近い位置であって、流入口250及び流出口260よりも鉛直方向下方に配置するのが好ましい。このようにすれば、流入口250を通じて溶液貯留室270に入った気泡等の異物がフィルター室310に流入するのを抑制することができるためである。
供給流路280には、流動機構230と流入口250との間に一方向弁340を設けておくのが好ましい。一方向弁340は、溶液収容部210から溶液貯留室270に向かう溶液の流れを許容する一方で、溶液貯留室270から溶液収容部210に向かう溶液の流れを規制する逆止弁である。
流動機構230は、駆動時には溶液収容部210から溶液貯留室270に向けて溶液を流動させる一方、駆動を停止しているときには溶液の流れを規制しないポンプである。流動機構230は、例えばギヤポンプやダイヤフラムポンプとすることができる。なお、流動機構230をダイヤフラムポンプとする場合には、駆動に伴って容積が変化するポンプ室と、ポンプ室よりも溶液収容部210側に設けられた吸入弁とポンプ室よりも溶液貯留室270側に設けられた吐出弁とを備えるのがよい。この場合には、吸入弁がポンプ室から溶液収容部210側に向かう溶液の流動を規制する一方向弁として機能するとともに、吐出弁が溶液貯留室270側からポンプ室に向かう溶液の流動を規制する一方向弁として機能するので、供給流路280に一方向弁340を設けなくてもよい。
帰還流路290は、溶液収容部210に連通する本流路350を有しているとともに、本流路350から分岐して流出口260に連通する分岐流路370を複数(例えば2つ)有している。規制部240は、本流路350に設けられている。規制部240は、本流路350の流れを規制する閉弁状態と、本流路350の流れを許容する開弁状態とに変化する開閉弁である。なお、帰還流路290において溶液収容部210から溶液貯留室270に向かう流れ方向(図4に実線の矢印で示す方向)を供給方向といい、溶液貯留室270から溶液収容部210に向かう流れ方向(図4に二点鎖線の矢印で示す方向)を帰還方向という。
次に、溶液供給機構130の動作について説明する。
溶液供給機構130においては、状況に応じて、溶液収容部210と溶液流路220との間で溶液を循環させる循環モードと、溶液貯留室270から共通液室410に溶液を供給する供給モードと、ノズル12から溶液を排出させる排出モードと、が設定される。例えば、ノズル12から液滴を吐出して媒体Sに印刷を行うときには供給モードが設定され、ノズル12から液滴を吐出しないとき、すなわち印刷を行わないときには循環モードまたは排出モードが設定される。
循環モードは、溶液流路220内に混入した気泡や増粘した溶液などの異物を溶液収容部210に回収するときに設定される。また、排出モードは、循環モードによって溶液収容部210に回収された異物をノズル12から排出するときに設定される。
循環モードでは、規制部240が帰還流路290の流れを規制しない状態で、流動機構230の駆動によって溶液収容部210に収容された溶液を供給流路280、溶液貯留室270、及び帰還流路290の順に流動させる。すなわち、循環モードでは、溶液が供給流路280を図4に実線の矢印で示すように流動して、流入口250から溶液貯留室270に入る。また、溶液貯留室270から複数の流出口260を通じて帰還流路290の分岐流路370に流出した溶液は、図4に二点鎖線の矢印で示す帰還方向に流れ、本流路350に合流して溶液収容部210に戻る。そして、このように溶液収容部210、供給流路280、溶液貯留室270及び帰還流路290を循環する溶液の流れにのって、溶液流路220に混入した気泡等の異物が溶液収容部210に回収される。
なお、溶液収容部210に回収された気泡が供給流路280に流出しないように、供給流路280は溶液収容部210の底部に接続するのが好ましい。一方、帰還流路290は、溶液収容部210に対する供給流路280の接続部よりも鉛直方向上方で溶液収容部210に接続されるのが好ましい。このようにすれば、帰還流路290を通じて溶液収容部210内に入った気泡が供給流路280に入りにくいためである。
ところで、溶液を流動させるために流動機構230を駆動させたり、規制部240によって流れを規制したりすると、溶液貯留室270内の圧力が一時的に高くなるなど、溶液流路220内において圧力変動が生じることがある。こうした圧力変動が液滴吐出部14に及ぶと、ノズル12に形成されたメニスカスが壊れて、ノズル12から溶液が漏出することがある。そのため、循環モードにおいては、ノズル12から溶液が漏出しない程度に流動機構230を駆動するのが好ましい。例えば、液体の流動によってノズル12に形成されたメニスカスに作用する圧力がメニスカスの耐圧より低くなるように流動機構230を駆動することが好ましい。
なお、供給流路280に一方向弁340を設けておけば、メニスカスが壊れてノズル12から溶液が漏出するのと入れ替わりに空気が混入したとしても、混入して気泡となった空気が溶液収容部210に向けて逆流しにくい。
さらに、溶液貯留室270と共通液室410との間にフィルター320を配置しておけば、フィルター320によって流路抵抗が増大する分、溶液貯留室270から共通液室410に溶液が流入しにくくなるので、溶液貯留室270内の圧力変動が液滴吐出部14に及びにくくなる。
循環モードのときには、キャップ部53を液滴吐出部14のノズル12と対向する位置(受容位置)または液滴吐出部14をキャッピングするキャッピング位置に配置しておくのが好ましい。このようにすれば、ノズル12から漏出する溶液をキャップ部53で受容することができるので、ノズル12から出てくる溶液で周囲を汚すことがない。
さらに、循環モードにおいて液滴吐出部14をキャッピングする場合には、加湿機構15の液体供給流路34に設けられた大気開放弁25及びキャップ部53に設けられた大気開放弁57を閉弁状態にしておくのが好ましい。このようにすれば、ノズル12が開口する閉空間Roが密閉されることにより、ノズル12からの溶液の漏出が抑制されるためである。
供給モードでは、流動機構230の駆動を停止するとともに、規制部240が帰還流路290の流れを規制しない状態で、溶液収容部210に収容された溶液を供給流路280及び帰還流路290の両流路を通じて溶液貯留室270に流動させて、溶液貯留室270から共通液室410に溶液を供給する。
供給モードが設定される印刷時には、アクチュエーター470の駆動によってノズル12から溶液が吐出されると、吐出によって圧力室420から流出した溶液の分、溶液貯留室270の溶液がフィルター室310及び共通液室410を通じて圧力室420に供給される。また、溶液貯留室270から圧力室420に流出した溶液の分、溶液収容部210の溶液が供給流路280及び帰還流路290を通じて溶液貯留室270に供給される。
このように、規制部240が帰還流路290の流れを規制しない状態にすると、流動機構230が駆動しなくても、帰還流路290において溶液が図4に実線の矢印で示す供給方向に流動するとともに供給流路280において溶液が図4に実線の矢印で示す方向に流動して、溶液貯留室270に溶液が補給される。すなわち、ノズル12から液滴を吐出するときには、供給流路280及び帰還流路290の両流路を通じて溶液収容部210から溶液貯留室270に溶液が供給される。
排出モードでは、規制部240が帰還流路290の流れを規制した状態で流動機構230を駆動させることにより、図5に示すように溶液収容部210内の溶液を供給流路280、溶液貯留室270、フィルター室310、共通液室410及び圧力室420の順に流動させて、ノズル12から排出させる。これにより、溶液収容部210に回収された気泡等の異物が溶液ととともにノズル12から排出される。
このとき、帰還流路290においては規制部240によって溶液の流動が規制されているので、供給流路280を通じて溶液貯留室270に流入した溶液は帰還流路290に流れることなく、液滴吐出部14側に向けて流れる。なお、溶液中に混入した異物として、インクの溶質成分が固まった固形物などがある場合には、フィルター320によって共通液室410への流入が規制されるので、固形物によるノズル12の目詰まりが抑制される。そして、ノズル12からキャップ部53に排出された異物を含む溶液は、減圧機構56を駆動させることによって、廃液として廃液収容部54に収容される。
排出モードのときには、キャップ部53を受容位置またはキャッピング位置に配置しておくのが好ましい。このようにすれば、ノズル12から排出される溶液をキャップ部53で受容することができるので、ノズル12から排出される溶液で周囲を汚すことがない。
排出モードにおいて液滴吐出部14をキャッピングする場合、加湿機構15の液体供給流路34に設けられた大気開放弁25及びキャップ部53に設けられた大気開放弁57を開弁状態にしておけば、閉空間Roが大気開放されることにより、ノズル12からスムーズに溶液が排出される。
あるいは、排出モードにおいて液滴吐出部14をキャッピングした場合に、大気開放弁25,57を閉弁状態にして流動機構230を所定時間駆動させた後に、大気開放弁25を開弁状態にすることでノズル12から溶液を排出させるようにしてもよい。この場合には、大気開放弁25,57を閉弁状態にすることで閉空間Roが密閉されるので、ノズル12からの溶液の排出が抑制されることによって、液滴吐出部14内が加圧状態になる。そして、この状態で大気開放弁25を開弁状態にすると、液滴吐出部14内の溶液が大気開放された閉空間Ro内に一気に排出されるので、異物の排出を促進することができる。
なお、溶液と一緒に気泡を流動させるためには、溶液の流速を一定以上の値にする必要がある。そのため、吸引クリーニングを実行するときに排出モードを設定して、減圧機構56及び流動機構230の両方を駆動させてノズル12から溶液を排出させるようにしてもよい。このようにすれば、流動機構230の駆動力のみで溶液を流動させる場合よりも、液滴吐出部14内を流れる溶液の流速を速くすることができるので、気泡を効率よく排出することができるためである。あるいは、流動機構230の駆動力によってノズル12から排出された溶液を廃液収容部54に回収することができる程度に減圧機構56を駆動してもよい。
排出モードが設定して行われる溶液の排出は、溶液収容部210に気泡等の異物が溜まる所定のタイミングで実行することができる。そして、供給モードにおいて溶液が吐出によって消費されたり、排出モードにおいて溶液収容部210から溶液が排出されたりした場合には、ポンプ190を駆動させて溶液供給源180から溶液収容部210に溶液を補給する。
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)気体供給部21が加湿された気体を閉空間Roに供給したときには、キャッピングされた液滴吐出部14の吐出口13付近の湿度を速やかに上昇させることができる。また、キャッピング時に液体供給部31が閉空間Roを加湿するための液体を供給したときには、液体が閉空間Ro内で徐々に蒸発していくことによって、より長い時間、閉空間Ro内の湿度を高い状態に保つことができる。したがって、液滴の吐出口13付近の湿度の低下を抑制することができる。
(2)キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が閾値よりも長い場合に、液体供給部31から供給された液体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うことにより、閉空間Ro内に存在する液体成分の量を多くして、より高い湿度での加湿を行うことができる。
(3)キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が閾値以下である場合には、気体供給部21が供給した気体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うので、加湿のために消費する液体の量を低減することができる。
(4)液体貯留部33と気体貯留部23とは連通しているため、気体貯留部23に貯留された気体を液体貯留部33に貯留した液体によって加湿することができる。したがって、液体貯留部33を備える流体貯留部19と別に加湿空気を生成するための機構を備える必要がないので、装置の構成を簡素化することができる。また、液体供給部31は液体貯留部33に貯留された液体をキャップ部53に供給するので、液滴吐出部14に液滴が付着するのを抑制しつつ、キャッピング時に吐出口13を保湿することができる。さらに、気体供給部21は気体貯留部23に貯留された気体を閉空間Roに供給するので、加湿気体の漏出を抑制して、効率よく閉空間Roを保湿することができる。
(5)気体供給口22及び液体供給口32は媒体Sが配置される領域の外側に向けて開口するので、気体供給口22や液体供給口32から液体が漏出した場合にも、漏出した液体が媒体Sに付着するのを抑制することができる。
(6)閉空間Ro内が加湿された状態で電源が切られると、気温が低下した場合に開口面17に結露することがある。そして、このように結露した液体と吐出口13から媒体Sに向けて吐出された液滴とが接触すると、吐出された液滴の飛翔方向がずれるおそれがある。その点、上記実施形態によれば、電源を入れた後、液滴吐出部14が媒体Sに対して液滴を吐出する前にワイパー58が開口面17を払拭するので、結露した液体を除去することができる。
(第2実施形態)
次に、液滴吐出装置の第2実施形態について、図6を参照して説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態と同じ符号を付したものは第1実施形態と同様の構成を備えるものとして説明を省略し、以下においては第1実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図6に示すように、本実施形態の液滴吐出装置11Bは、液滴吐出部14と、閉空間Roに加湿気体を供給するための気体供給機構61と、メンテナンス液を供給するための液体供給機構71と、液滴吐出部14に対して相対移動可能なキャップ部53とを備える。また、液滴吐出装置11Bは、第1実施形態と同様の溶液供給機構130(図6においては図示略。図4及び図5参照。)を備える。
気体供給機構61は、液滴吐出部14と並ぶように配置された気体供給部21及び気体回収部62と、液体貯留部33及び気体貯留部23を有する流体貯留部19と、気体貯留部23と気体供給部21とを接続する気体供給流路24と、液体貯留部33と気体回収部62とを接続する帰還流路63とを備えている。気体回収部62には、気体が流動可能な通気口66が設けられている。また、帰還流路63には開閉弁36が設けられている。
流体貯留部19の下部に設けられた液体貯留部33には、気体を加湿するための液体(例えば水など、溶液の溶媒成分を含む液体)が貯留されている。液体貯留部33には、液体貯留部33に貯留された液体の蒸発を促進するためのヒーター64を設けてもよい。そして、流体貯留部19の上部に設けられた気体貯留部23には、液体貯留部33から蒸発した液体成分を含む空気が加湿気体として貯留される。
気体貯留部23には大気開放弁25が設けられている。また、気体供給流路24には、気体貯留部23に貯留された加湿気体を供給するための気体供給ポンプ65が設けられている。
液体供給機構71は、気体回収部62と並ぶように配置された液体供給部31と、液体供給部31に液体供給流路34を介して接続される液体貯留部72と、液体供給流路34に設けられた液体供給ポンプ73とを備える。液体貯留部72には、メンテナンス液が貯留されている。なお、液体供給部31は、液滴吐出部14または気体供給部21と並ぶように配置してもよい。
本実施形態において、メンテナンス機構としてはキャップ部53を備えればよく、ワイピング機構51、廃液収容部54、廃液流路55、減圧機構56及び大気開放弁57は備えなくてもよい。なお、キャッピング時には、大気開放弁25を開弁状態にすることで、閉空間Roを大気開放することができる。
キャップ部53は、液滴吐出部14に近づく方向に移動して、少なくとも吐出口13、気体供給口22及び通気口66が開口する空間を閉空間Roとするキャッピングを行う。なお、キャッピング時に、キャップ部53が吐出口13、気体供給口22及び通気口66に加えて液体供給口32を含む閉空間Roを囲み形成すれば、キャッピングを行った状態で液体供給口32からキャップ部53にメンテナンス液を供給することができるので、好ましい。
なお、液滴吐出部14がキャップ部53に近づく方向に移動することでキャッピングを行う構成を採用することもできる。また、気体供給口22、通気口66及び液体供給口32は、印刷領域PA(図1参照)の外側に向けて開口するのが好ましい。
次に、液滴吐出装置11Bの動作及び作用について説明する。
本実施形態においてキャップ部53にメンテナンス液を供給する場合には、液体供給ポンプ73を駆動することによって、液体貯留部72に貯留されたメンテナンス液を液体供給流路34及び液体供給部31を通じて供給し、液体供給口32からキャップ部53に排出する。
また、本実施形態において加湿空気を閉空間Roに供給する場合には、キャッピングを行った後に、大気開放弁25を閉弁状態にするとともに開閉弁36を開弁状態にして、気体供給ポンプ65を駆動する。すると、気体貯留部23内の加湿気体が気体供給流路24及び気体供給部21を通じて閉空間Roに供給されるとともに、閉空間Ro内の気体が通気口66に流入して、気体回収部62及び帰還流路63を通じて流体貯留部19に回収される。すなわち、気体は流体貯留部19と閉空間Roとの間を循環する。
なお、このように閉空間Roに加湿空気を供給するときには、ヒーター64によって液体貯留部33に貯留された液体を加熱することによって、気体貯留部23に貯留された気体を速やかに加湿することができる。
ただし、液滴吐出部14をキャッピングした状態で溶液供給機構130を循環モードに設定するときには、ヒーター64による液体の加熱を行わない方がよい。ヒーター64の加熱によって加湿された気体が閉空間Roに流入すると、吐出口13が加湿されてメニスカスが壊れやすくなり、ノズル12からの溶液の漏出をまねくおそれがあるためである。
以上説明した第2実施形態によれば、上記(1)〜(3),(5)と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・液体を貯留可能な液体貯留部33と気体を貯留可能な液体貯留部33とをそれぞれ別体に構成して、気体が流動可能な接続流路によって両貯留部を接続するようにしてもよい。この場合にも、液体貯留部33内の液体で液体貯留部33内の気体を加湿することができる。
・キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が所定の閾値よりも長い場合に、メンテナンス液及び加湿気体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うようにしてもよい。なお、この場合には、キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間が閾値以下である場合に、メンテナンス液または加湿気体のうちいずれか一方を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うようにしてもよい。
・異なる2つの閾値M1,M2(M1<M2)を設定して、キャップ部53がキャッピングを解除してからの経過時間をTとしたときに、M1<T<M2の場合にメンテナンス液を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行い、M2≦Tの場合にメンテナンス液及び加湿気体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うようにしてもよい。また、このときには、T<M1の場合に加湿気体を閉空間Roに含んだ状態で次のキャッピングを行うのが好ましい。このようにすれば、M2≦Tの場合に、加湿気体によって乾燥したノズル12を速やかに加湿するとともに、メンテナンス液によって湿度の低下を抑制することができる。
・湿度を検出する湿度検出部を備え、湿度検出部が検出する湿度が所定の閾値よりも低い場合にメンテナンス液を閉空間Roに含んだ状態でキャッピングを行う一方、湿度が所定の閾値以上である場合に加湿空気を閉空間Roに含んだ状態でキャッピングを行うようにしてもよい。この構成によれば、周囲の湿度が低く、吐出口13付近が乾燥しやすい状況においても、吐出口付近の湿度の低下を抑制することができる。
・キャッピング時に流体貯留部19におけるメンテナンス液の貯留量を検出部45によって検出し、メンテナンス液の貯留量が閾値よりも大きい場合にはメンテナンス液をキャップ部53に供給する一方、メンテナンス液の貯留量が閾値以下になった場合に加湿空気を閉空間Roに供給するようにしてもよい。この構成によれば、メンテナンス液の貯留量が減少した場合には、メンテナンス液の消費量を抑えつつ、吐出口13付近の加湿を行うことができる。
・電源オフ時に、メンテナンス液をキャップ部53に供給して、閉空間Roにメンテナンス液を含んだ状態でキャッピングを行うようにしてもよい。この構成によれば、電源オフ時のようにキャッピング状態が長い時間続く場合であっても、閉空間Ro内の湿度を高い状態に保つことができる。したがって、液滴の吐出口13付近の湿度の低下を抑制することができる。
・閉空間Roの加湿をメンテナンス液で行うか、加湿空気で行うか、あるいは加湿を行わずにキャッピングを行うかを、ユーザーの設定によって変更できるようにしてもよい。この構成によれば、しばらく液滴吐出装置11を使用しない場合にはメンテナンス液を閉空間Roに含んだ状態でキャッピングを行うなど、液滴吐出装置11の使用状況に応じて適切に閉空間Roの加湿を行うことができる。
・キャッピング時に閉空間Roに含ませるメンテナンス液の量や加湿空気の量を、例えばユーザーの設定等によって、変更可能な構成にしてもよい。この構成によれば、液滴吐出装置11の使用状況に応じて適切に閉空間Roの加湿を行う一方、メンテナンス液や気体を加湿するための液体の消費量の増大を抑制することができる。
・液滴吐出装置は、印刷機能のみを備えるプリンターであってもよいし、ファクシミリ、複写装置、またはこれら装置を備える複合機に備えられるプリンターであってもよい。
・液滴吐出部が吐出する液体は、インク以外の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して吐出できる固体を含む)ものであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出する構成にしてもよい。